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1. (WO2015129182) 冷蔵庫
Document

明 細 書

発明の名称 冷蔵庫

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007  

先行技術文献

特許文献

0008  

発明の概要

0009   0010   0011   0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080  

産業上の利用可能性

0081  

符号の説明

0082  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4A   4B   4C   5   6   7   8A   8B   9A   9B   10   11  

明 細 書

発明の名称 : 冷蔵庫

技術分野

[0001]
 本発明は、使用者の存在を検知する人感センサーを備えた冷蔵庫に関する。

背景技術

[0002]
 近年、使用者の存在を検知し、運転状況を変化させる電気機器が増加している。このような電気機器として、例えば、接近センサーで人の接近を検知し、攪拌動作を変化させる清涼飲料のディスペンサーがある(特許文献1を参照)。
[0003]
 図11は、従来の冷蔵庫である、清涼飲料のディスペンサーの概略説明図である。
[0004]
 清涼飲料のディスペンサーAは、箱状に形成された機体g内に、冷却水が張り込まれた水槽を備える。また、その水槽内に、機体gの前面に設けられたドラフトコックhから汲み出す清涼飲料を、流過させる蛇管を備える。また、水槽内の冷却水中に氷を生成するための、冷凍機の冷媒蒸発管を備える。また、駆動モータにより冷却水を攪拌流動するアジテータを備える。ディスペンサーAにおいて、アジテータの駆動モータの作動を制御する制御回路に、通電量を少なくして遅い速度で回転させる低速回路と、通電量を多くして速い速度で回転させる高速回路とが設けられている。また、機体gの前面に近づく人を感知する接近センサーSが設けられている。この接近センサーSが、機体g前面に立ってドラフトコックhを操作する人を検出することで、駆動モータの制御回路を高速回転に切り換えるように制御する。また、機体g前面に人が居ないことを検出することで、制御回路を低速回転に切り換えるように制御する。
[0005]
 しかしながら、上述した構成のように接近センサーを用いたとき、検知範囲は正面方向に限定される。さらに、赤外線の反射を利用した一般的な接近センサーは、その原理上、検知距離は1m程度が限界のため、使用者は機器の真正面側から至近距離まで近づかなければ、接近センサーによる効果を得ることができない。
[0006]
 また、焦電効果を利用した赤外線センサー(以下、焦電式人感センサーと記述)は、検知距離が長いが、冷蔵庫の正面を0°軸としたときの視野角が左右±50°程度である。したがって、焦電式人感センサーは、真横方向から機器に近づく使用者を検知できない。さらに、遠方の人間も検知するため、機器を使用する意志のない人間にも反応し、不要なリアクションをしてしまう。
[0007]
 特に、キッチンでの家事動線によると、真横方向から冷蔵庫に接近する使用者が多い。したがって、家庭用冷蔵庫の場合、広角に検知できないことは不都合である。また、近年はLDKタイプの間取りが増えており、検知距離が長すぎるとリビングまで検知範囲に含まれてしまう。

先行技術文献

特許文献

[0008]
特許文献1 : 特開2003-097874号公報

発明の概要

[0009]
 本発明は、上記の従来の課題を解決するもので、真横方向から接近する使用者を検知でき、機器を使用する意志のない遠方の使用者は検知せず、キッチンに居る使用者だけを確実に判別することを目的とする。
[0010]
 本発明の冷蔵庫は、断熱壁および扉によって構成された筐体と、筐体周辺の人を検知する人感センサーと、人感センサーの検知結果に応じて冷蔵庫の制御を行う制御部とを備える。人感センサーは筐体正面方向を0°軸とするとき、左右―70°以上-50°以下の視野角、または、左右+50°以上+70°以下の視野角と、水平より下向き、かつ、90°より小さい上下の視野角とを持つ。
[0011]
 これにより、真横方向から接近する使用者を検知でき、機器を使用する意志のない遠方の使用者は検知せず、キッチンに居る使用者だけを確実に判別することができる。
[0012]
 本発明の冷蔵庫は、広角かつ適度な距離を検知範囲とした人感センサーを設けたため、キッチンに居る人間だけを確実に判別し、検知結果に応じた制御が可能となる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の正面図である。
[図2] 図2は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の制御ブロック図である。
[図3] 図3は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の焦電式人感センサーによる検知範囲図である。
[図4A] 図4Aは、図1における4A-4A上面断面図である。
[図4B] 図4Bは、図1における4B-4B側面断面図である。
[図4C] 図4Cは、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の人感センサー周辺の正面図である。
[図5] 図5は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の検知距離を示す概観図である。
[図6] 図6は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫の人感センサーの取付け構成の一例図である。
[図7] 図7は、図6のS部の拡大図である。
[図8A] 図8Aは、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の冷凍室の通常閉扉状態の上面断面図である。
[図8B] 図8Bは、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の冷凍室の通常閉扉状態の側面断面図である。
[図9A] 図9Aは、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の冷凍室扉を筐体側へ引き込んだ閉扉状態の上面断面図である。
[図9B] 図9Bは、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の冷凍室扉を筐体側へ引き込んだ閉扉状態の側面断面図である。
[図10] 図10は、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の制御フローチャートである。
[図11] 図11は、従来の冷蔵庫である、清涼飲料のディスペンサーの概略説明図である。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、これらの実施の形態によって、本発明が限定されるものではない。
[0015]
 (実施の形態1)
 以下、本発明の実施の形態1を図1および図2に基づいて説明する。
[0016]
 図1は本発明の実施の形態1における冷蔵庫の正面図である。図2は同冷蔵庫の制御ブロック図である。
[0017]
 図1において、冷蔵庫11の本体は断熱箱体である。冷蔵庫11の本体は、主に鋼板を用いた外箱と、ABS(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン)などの樹脂で成形された内箱と、外箱と内箱の間に注入された断熱材とで構成されている。
[0018]
 冷蔵庫11は、複数の収納室に断熱区画されている。冷蔵庫11の最上部に冷蔵室12が設けられている。その冷蔵室12の下に製氷室13と切換室14が横並びに設けられている。その製氷室13と切換室14の下に冷凍室15が設けられている。そして、最下部に野菜室16が設けられている。冷蔵庫11の各収納室の前面には、外気を遮断するための冷蔵室扉12a、製氷室扉13a、切換室扉14a、冷凍室扉15a、および、野菜室扉16aがそれぞれ設けられている。冷蔵室扉12a、製氷室扉13a、切換室扉14a、冷凍室扉15a、および、野菜室扉16aの開閉の検知は、扉開閉検知部22によって行われる。
[0019]
 冷蔵室扉12aの中央付近には、各室の庫内温度、製氷および急速冷却などの設定を行うことができ、また収納状態の検知結果や冷蔵庫の運転状況などを表示できる操作部17が設けられている。
[0020]
 また、冷蔵室扉12aには人感センサー18が設けられている。人感センサー18は、冷蔵庫11周辺の人の動きを検知し、冷蔵庫が使用される可能性を演算制御部21によって推測している。なお、人感センサー18として、焦電効果を利用した赤外線方式の焦電式人感センサーが使用されている。アクチュエータ23は、モータ24と基準位置検知部25を含む。
[0021]
 図3は、本実施の形態1における冷蔵庫の焦電式人感センサーによる検知範囲図である。
[0022]
 図3において、冷蔵庫11は、キッチンaとリビングbによるLDK(living room, dining room, kitchen)タイプの間取りの部屋に配置されている。範囲cは、人感センサー18として一般的な焦電式人感センサーを使用した場合の、人感センサー18の検知範囲である。この焦電式人感センサーの水平方向の視野角は、冷蔵庫正面方向を0°としたとき、±50°程度である。しかし、使用者は真横方向から冷蔵庫11に近づく場面が多く、例えば死角dの位置は、キッチンa内にもかかわらず、人感センサー18の死角となる。
[0023]
 また、人感センサー18の正面方向への検知距離が長いので、LDKタイプの間取りでは、リビングbに居る、冷蔵庫11を使用する意志のない人間まで検知してしまう。例えば、範囲eは検知すべきでない不要な範囲である。
[0024]
 このように、一般的な焦電式人感センサーでは、fのような理想的な検知範囲が得られないため、広視野角かつ適切な検知距離を得る人感センサー18を以下のように構成する。
[0025]
 図4Aは、図1における4A-4A上面断面図である。図4Bは、図1における4B-4B側面断面図である。図4Cは、本実施の形態における冷蔵庫11の人感センサー18周辺の正面図である。図5は、本実施の形態における冷蔵庫11の検知距離を示す概観図である。
[0026]
 図4Aから図4Cにおいて、人感センサー18の視野角を広げるため、人感センサー18には、ミラー部材30が設けられている。ミラー部材30は、クロム等の金属メッキが施されており、赤外線を反射するように構成されている。ミラー部材30には、反射面30aおよび開口部30b、30cが設けられている。この開口部30b、30cから侵入した赤外線が反射面30aで反射し、人感センサー18に到達する。ここで、開口部30bから侵入した赤外線を人感センサー18が受光することは、開口部30c側を正とすると、人感センサー18が-70°以上-50°以下の水平方向の視野角を持つことと等価である。また、開口部30cから侵入した赤外線を人感センサー18が受光することは、人感センサー18が+50°以上+70°以下の水平方向の視野角を持つことと等価である。
[0027]
 また、0°軸上には開口部30d、30eが設けられており、正面方向および下方向からの赤外線も人感センサー18まで到達できる。したがって、正面に居る人間を検知することもできる。
[0028]
 人感センサー18にはカバー部材31が設けられ、カバー部材31は人感センサー18への塵埃の侵入などを防止する。カバー部材31には、高密度ポリエチレンのように遠赤外線を透過する材料が使用される。
[0029]
 また、人と冷蔵庫11との間の距離を考慮して、検知距離を長すぎず、短すぎず、適切に調節するため、人感センサー18およびミラー部材30は、図4Bに示すように下方向に角度をつけて設けられている。このとき、人感センサー18による検知範囲を側面から見ると、図5のようになる。
[0030]
 図5において、検知距離Dは、人感センサー18の取付け角度αによって決定される。検知距離Dを長くするときは取付け角度αを小さく、検知距離Dを短くするときはその逆とすれば良い。角度αは0°より大きく、90°より小さければ良い。当然ながら、使用者は歩行して冷蔵庫11に接近するため、足下が検知範囲内に入れば、人感センサー18は人を感知することができる。
[0031]
 一般的な焦電式人感センサーにおいては、検知距離が5m以上となることがある。検知距離を短く設定するときは、カバー部材31の赤外線透過率を低減する手法もある。しかし、この手法では周囲温度や使用者の動作量によって検知距離がばらつき、理想通りの検知距離設定は非常に困難である。本実施の形態における構成では、これらの様々なばらつき要因に関係なく、一定の検知距離に設定することが可能である。
[0032]
 また、近年では扉部材にガラスを使用した冷蔵庫が増加している。カバー部材31としてガラスを使用したとき、人体が発する遠赤外線が透過しない課題がある。このため、人感センサー18周辺のみに、高密度のポリエチレン等を使用する必要があるが、光沢感が失われるため、デザイン性を損なう。
[0033]
 このような課題を解決する手段として、以下のような構成がある。
[0034]
 図6は、本実施の形態における冷蔵庫11の人感センサー18の取付け構成の一例図である。図7は、図6のS部の拡大図である。
[0035]
 図6および図7において、人感センサー18は、冷蔵室扉12aと製氷室扉13aとの間隙に配置されている。人感センサー18の取付け位置は、図7のように冷蔵室扉12aの下側でも良いし、製氷室扉13aの上側でも良い。また、扉ではなく、筐体側に配置しても良い。
[0036]
 人感センサー18には、ミラー部材30を取付けて、人感センサー18から見て左側を正とし、水平方向に-70°以上-50°以下の視野角と+50°以上+70°以下の視野角を持つようにする。これにより、冷蔵庫の真横方向から近づく使用者を検知できるようにする。ただし、この配置では、冷蔵庫正面かつ水平方向からの赤外線も受光するため、遮蔽部材32が設けられている。この遮蔽部材32によって、人感センサー18の検知範囲は下方向に限定されるため、図5と同様に、検知距離Dを任意に設定することが可能となる。
[0037]
 なお、人感センサーとして、測距センサー等の光学式センサー、および超音波センサーなどを使用してもよい。また、前述したセンサーの組合せにより、より精度の良い検知をしてもよい。
[0038]
 冷蔵室扉12aには、液晶モニター19、スピーカー20a、マイク20bが設置されている。例えば、液晶モニター19は、冷蔵室12内の食品を撮影した写真を表示できる。スピーカー20aは、冷蔵庫の温度設定状態の音声報知などができる。
[0039]
 冷蔵庫11の人感センサー18の検知結果に基づいた制御について、以下に説明する。
[0040]
 人感センサー18の検知結果に基づいた制御は、液晶モニター19、スピーカー20a、マイク20b、および演算制御部21によって行われる。
[0041]
 人感センサー18が、冷蔵庫11の前に使用者が居ることを感知すると、液晶モニター19が起動され、画面が表示される。画面の表示内容は、例えば冷蔵庫内を撮影した写真で、扉開閉なしで収納状況を見ることができる。
[0042]
 また、人感センサー18が使用者を感知すると、スピーカー20aから状況に応じた音声が発せられる。例えば、冷蔵庫を省エネルギーで使用するためのアドバイス、現在の温度設定状況などである。
[0043]
 また、人感センサー18が使用者を感知すると、マイク20bが起動する。マイク20bが起動し、マイク20bで音声が認識されると、演算制御部21は音声入力レベルを確認して、どの音声認識データを採用するかを判断する。採用された音声認識データを解析して、入力された使用者からの指示内容を確定する。指示内容は、例えば、冷蔵庫11の温度設定の変更、冷蔵庫11内の食材を使用したレシピの検索などである。
[0044]
 マイク20bが音声を認識しない場合であって、人感センサー18が使用者を感知している場合は、再度音声を確認する。人感センサー18が使用者を感知していない場合は、しばらく、例えば、数秒経過後にマイク20bを停止する。
[0045]
 ここで、マイク20bを人感センサー18と連動することで、人感センサー18が使用者を感知するとマイク20bを起動し、人感センサー18が使用者を感知しなくなると、マイク20bを停止することができる。したがって、常にマイク20bを動作させることが不要であるため、音声の誤認識を防ぐことができるとともに省エネルギーを実現することができる。
[0046]
 以上のように、本実施の形態の冷蔵庫11は、断熱壁および扉によって構成された筐体と、筐体周辺の人を検知する人感センサー18と、人感センサー18の検知結果に応じて冷蔵庫11の制御を行う演算制御部21とを備える。人感センサー18は筐体正面方向を0°軸とするとき、左右―70°以上-50°以下の視野角、または、左右+50°以上+70°以下の視野角と、水平より下向き、かつ、90°より小さい上下の視野角とを持つ。これにより、真横方向から接近する使用者を検知でき、機器を使用する意志のない遠方の使用者は検知せず、キッチンに居る使用者だけを確実に判別することができる。
[0047]
 また、人感センサー18にミラー部材30が設けられている。ミラー部材30は、左右-70°以上-50°以下の視野角、または、左右+50°以上+70°以下の視野角から侵入した赤外線を反射して、赤外線を人感センサー18に到達させる。これにより、ひとつのセンサーだけで広角な検知が可能となる。
[0048]
 また、人感センサー18にカバー部材31が設けられている。これにより、人感センサー周辺の構造によらず、微細な検知範囲の調節が可能となる。
[0049]
 (実施の形態2)
 図8Aは、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の冷凍室の通常閉扉状態の上面断面図である。図8Bは、同冷蔵庫の冷凍室の通常閉扉状態の側面断面図である。図9Aは、同冷蔵庫の冷凍室扉を筐体側へ引き込んだ閉扉状態の上面断面図である。図9Bは、同冷蔵庫の冷凍室扉を筐体側へ引き込んだ閉扉状態の側面断面図である。
[0050]
 以下、実施の形態1で説明した、人感センサー18の検知結果による制御の一例として、アクチュエータを使用して扉を引込む機能について説明する。なお実施の形態1と同一構成の部品については、同一符号を用いて説明を省略する。
[0051]
 冷凍室15の冷凍室扉15aには、フレーム41によって支持された収納ケース42が取付けられている。また、冷凍室扉15aの引き出しレール部には、閉扉を確実にするため、冷凍室扉15aを筐体40側に引き込むラッチ機構43が備えられている。また、冷凍室扉15aと筐体40との隙間からの冷気漏れを防止するため、樹脂材料で形成されたガスケット44が設けられている。
[0052]
 筐体40と冷凍室扉15aとの隙間γは、構成する部品の寸法バラツキや組立てバラツキにより、冷蔵庫毎に一定ではないため、ガスケット44には弾力性を持たせ、設計された隙間寸法よりも大きめの値としている。これにより、ガスケット44は閉扉時にはやや圧縮された状態となる。
[0053]
 ラッチ機構43の引込み力を強め、ガスケット44を強く圧縮するほど筐体40とガスケット44は密着し、冷凍室15の断熱性は向上する。一方、大きな開扉力が必要となり、力の弱い老人や子供が開扉できない可能性がある。このため、ラッチ機構43の引込み力は、50N未満とし、弱めの力で冷凍室扉15aを開扉できるように、抑制してある。また、ガスケット44は更に圧縮される余地を残している。
[0054]
 アクチュエータ45はモータ、およびギア機構などで構成される。アクチュエータ45は、回転軸46にその動力を伝達し、アーム47を回動させる。なお、モータの代わりにソレノイドなどの他の駆動源を使用してもよい。
[0055]
 フレーム41には引込み軸48が設けられている。アーム47が回動すると、引込み軸48がアーム47と当接する位置としている。即ち、アーム47の動作は引込み軸48を介して冷凍室扉15aに伝達することができる。
[0056]
 以上のように構成された冷蔵庫について、以下、その動作を図8A、図8B、図9A、図9B、および図10に示す制御フローチャートを用いて説明する。
[0057]
 初期状態では、アクチュエータ45は、図8Aが示す位置にアーム47を停止させている。この状態を基準位置とする。このとき、アーム47と引込み軸48が干渉しないため、冷凍室扉15aは自由に開閉することができる。冷凍室扉15aは、ラッチ機構43によって筐体40側に引込む作用を受けている。しかし、上述したように開扉力を抑制するため、ラッチ機構43の引込み力は一定以下としている。したがって、本実施の形態の冷蔵庫には、ガスケット44が更に圧縮できる余地が残されている。
[0058]
 しかし、使用者が冷蔵庫の周辺にいなければ、冷凍室扉15aが開閉される可能性は無いため、開扉力を抑制する必要はない。したがって、冷凍室扉15aを筐体40側に強く引込み、ガスケット44を十分に圧縮し、断熱性を向上させることができる。
[0059]
 故に、人感センサー18によって、冷蔵庫周辺に人が居ないかを一定時間検知する(ステップ101)。一定時間以上人の検知がなければ(ステップ101でY)、しばらくは冷凍室扉15aが開けられることはないと判断する。そして、アクチュエータ45に通電され、冷凍室扉15aを筐体40側に強く引込む(ステップ102)。
[0060]
 このとき必要な引込み力は、ガスケットの弾力性、冷凍室扉15aの引き出しレールの摩擦、および冷凍室15内の食品の重量などによって変化する。概ね50N~300Nの力がガスケットを十分に圧縮できる力である。この圧縮は、アーム47を回動し、図9Aのように引込み軸48に当接させ、冷凍室扉15aに筐体40方向へ力を加えることによって実現されている。これによって、筐体40と冷凍室扉15aとの隙間βは、図8Aの隙間γよりも縮まり、ガスケット44は本来の厚みから10%以上圧縮されている。
[0061]
 ガスケット44は、軟らかい材料の使用、および材料厚みの低減などによって、更なる圧縮が可能となる。これらによって、外気との接触面積が少なくなるため、断熱性の向上が期待できる。このとき、ガスケットの圧縮に必要な、アクチュエータの引込み力の抑制も、期待することができる。
[0062]
 また、ガスケット内には、筐体との密着性を高めるために、マグネットが含まれていることが多い。しかし、本実施の形態では、アクチュエータ45の引込み力によって既に密着性が高いので、マグネットが無くても問題ない。これに伴い、マグネットの熱伝導による熱損失が無くなるため、更に断熱性を向上することができる。
[0063]
 なお、冷気は低温であるほど下方に行くため、ガスケット44も冷凍室扉15aの下側部分を圧縮する方が効果的に断熱性を向上できる。故に、本実施の形態では冷凍室15の下面にアクチュエータ45を設け、主に冷凍室扉15aの下側を引き込む構成としている。
[0064]
 ガスケット44を圧縮し、冷凍室扉15aを筐体40へと十分に密着させた後は、アクチュエータ45への通電を停止する。しかし、アクチュエータ45内部のモータ24やギア機構により、無通電でも保持トルクが発生するように設計されているため、図9Aの引込み状態が保持される(ステップ103)。なお、図9Aの状態を無通電で保持するために、モータ24からアーム47までの伝達機構にロックを掛ける仕組みとしてもよい。例えば、バネ機構や第二のモータ機構をギアに干渉させ、ロックを掛ける仕組みとしてもよい。
[0065]
 ガスケット44が筐体40に十分に密着すると、冷凍室15の断熱性が向上し、外部への冷気漏れを抑制することができる。このため、図2に示す圧縮機27、冷却ファン28、風量調節ダンパー29などの冷却システム26の消費電力を低減できる。かつ、アクチュエータ45にも無通電であるため、冷蔵庫の消費電力を低減できる。
[0066]
 この断熱性を向上させた状態は、次に冷蔵庫周辺に人が来るまで、継続される。人感センサー18が人の存在を検知した場合(ステップ104でY)は、冷凍室扉15aが開閉される可能性がある。したがって、弱い力で冷凍室扉15aを開扉できるように、アーム47を図8Aの基準位置に素早く戻す必要がある。このとき、アクチュエータ45はアーム47をステップ102と逆方向に回動させ、人の存在を検知してから冷凍室扉15aを開くまでの時間(3秒程度)内に、アーム47を基準位置に戻す(ステップ105)。このステップ101からステップ105の動作が、本実施の形態における基本的な動作である。
[0067]
 もし、ステップ101において、人の存在を検知したときは、アーム47は図8Aの基準位置を維持する。このとき、アクチュエータ45内に設けられた基準位置検出部25により、アーム47が基準位置にあるかどうかを判別する(ステップ106)。万一、位置ずれ等によりアーム47が基準位置にない場合(ステップ106でN)は、アーム47を基準位置に戻す動作がなされる(ステップ107)。この位置合わせ動作により、アーム47の回動誤差が抑制されるので、電源投入時などにもこの位置合わせ動作を実施することが望ましい。
[0068]
 以上のように、本実施の形態においては、人が冷蔵庫を使用する可能性がないときは、アクチュエータ45によって冷凍室扉15aを強く引込み、断熱性を向上させる。また、人が冷蔵庫を使用する可能性があるときは、冷凍室扉15aの引込み力を弱め、開扉力を抑制することができる。
[0069]
 一方、上記の構成において、例えば、停電時にアーム47が図9Aの状態であるとき、人が冷蔵庫周辺に居ても、アーム47を基準位置に戻すことができない。即ち、停電時には冷凍室扉15aを開扉できない可能性が考えられる。そこで、アクチュエータ45は、扉引込み動作時よりもやや強い力である外力を加えると、アーム47が基準位置に戻ることができるように設計されている。この仕組みは、クラッチ機構の利用、または、一定以上の外力でギアの噛み込みが外れる機構で実現される。
[0070]
 このように、使用者がやや強い力で冷凍室扉15aを開扉操作することで、停電時でも保持状態を解除し、冷凍室扉15aを開扉することができる。また、野菜室16内、または冷蔵庫11外部からの手動レバー操作などでアーム47を基準位置に戻す機構を設けても良い。
[0071]
 このように、使用者が不在時にはガスケットを圧縮し、収納室の断熱性が向上し、省エネルギー性が向上する。また、冷蔵庫周辺に使用者が居るときは、ガスケットの圧縮状態を緩め、開扉力を抑制した閉扉形態のときは、軽い力で扉が開くようになり、断熱性と開扉性の両立を実現することができる。
[0072]
 なお、本実施の形態は、冷凍室15について説明したが、他の収納室に適用してもよい。
[0073]
 以上のように、本実施の形態の冷蔵庫11において、演算制御部21は、人感センサー18が人を検知したとき、冷凍室扉15aの引込み力を弱める。これにより、軽い力で冷凍室扉15aを開くことができる。
[0074]
 (実施の形態3)
 以下、実施の形態1で説明した、人感センサー18の検知結果による制御の一例として、使用者の不在を判別し、冷却能力を抑制する省エネルギー機能について説明する。
[0075]
 人感センサー18の検知範囲は、キッチン内をほぼ網羅するため、冷蔵庫11周辺に使用者が居るかどうかの状態を判別することができる。
[0076]
 例えば、朝、夕の食事の時間およびその準備時間には使用者が冷蔵庫11を含むキッチン空間に居るので、人感センサー18により人の存在を検知できる。また、外出時間や深夜などは、冷蔵庫11の近傍に人が居ないので、人感センサー18により人の不在を検知できる。これらを利用して、使用者の不在の状態が一定期間連続したとき、冷却システム26の運転状態を変更して、冷蔵庫11は節電運転に入る。一方、人感センサー18が冷蔵庫11周辺で使用者の存在を検知し、それが一定期間継続したときは、節電運転を解除する。
[0077]
 従来の冷蔵庫では、使用者が意図的にボタン操作をしなければ節電運転を解除できない。したがって、扉の開閉が多く、庫内が十分に冷却されない状態となる。よって、食品の温度が上昇し、保存状態が悪くなることがある。
[0078]
 しかしながら、本実施の形態の冷蔵庫11では、使用者の存在時間と考えられる時には、節電運転が解除されて、通常運転での冷却が行われる。つまり、扉開閉が発生しやすいことを予測して事前に十分な冷却を行うため、食品の保存性を保つことができる。
[0079]
 以上のように、人感センサー18の検知によって、使用者が冷蔵庫周辺におらず、扉開閉による庫内温度上昇が少ないときには、節電運転を自動で行うことができる。
[0080]
 以上のように、本実施の形態の冷蔵庫11において、演算制御部21は、人感センサー18が一定時間人を検知しないとき、冷蔵庫11を節電運転する。これにより、冷蔵庫11の消費電力を低減できる。

産業上の利用可能性

[0081]
 本発明の冷蔵庫は、広視野角かつ限定的な範囲での使用者の感知を必要とする機器に適用できる。

符号の説明

[0082]
 11  冷蔵庫
 12  冷蔵室
 12a  冷蔵室扉
 13  製氷室
 13a  製氷室扉
 14  切換室
 14a  切換室扉
 15  冷凍室
 15a  冷凍室扉
 16  野菜室
 16a  野菜室扉
 17  操作部
 18  人感センサー
 19  液晶モニター
 20a  スピーカー
 20b  マイク
 21  演算制御部
 22  扉開閉検知部
 23  アクチュエータ
 24  モータ
 25  基準位置検出部
 26  冷却システム
 27  圧縮機
 28  冷却ファン
 29  風量調節ダンパー
 30  ミラー部材
 30a  反射面
 30b,30c,30d,30e  開口部
 31  カバー部材
 32  遮蔽部材
 40  筐体
 41  フレーム
 42  収納ケース
 43  ラッチ機構
 44  ガスケット
 45  アクチュエータ
 46  回転軸
 47  アーム
 48  引込み軸

請求の範囲

[請求項1]
断熱壁および扉によって構成された筐体と、
前記筐体周辺の人を検知する人感センサーと、
前記人感センサーの検知結果に応じて冷蔵庫の制御を行う制御部とを備え、
前記人感センサーは、前記筐体正面方向を0°軸とするとき、左右-70°以上-50°以下の視野角、または、左右+50°以上+70°以下の視野角と、水平より下向き、かつ、90°より小さい上下の視野角とを持つ冷蔵庫。
[請求項2]
前記人感センサーにミラー部材が設けられ、
前記ミラー部材は、左右-70°以上-50°以下の視野角、または、左右+50°以上+70°以下の視野角から侵入した赤外線を反射して、前記赤外線を前記人感センサーに到達させる請求項1に記載の冷蔵庫。
[請求項3]
前記人感センサーにカバー部材が設けられた請求項1または2に記載の冷蔵庫。
[請求項4]
前記制御部は、前記人感センサーが人を検知したとき、冷凍室扉の引込み力を弱める請求項1から3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
[請求項5]
前記制御部は、前記人感センサーが一定時間人を検知しないとき、前記冷蔵庫を節電運転する請求項1から4のいずれか一項に記載の冷蔵庫。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4A]

[ 図 4B]

[ 図 4C]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8A]

[ 図 8B]

[ 図 9A]

[ 図 9B]

[ 図 10]

[ 図 11]