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1. WO2015079733 - 太陽電池ストリングの異常検出方法、異常検出装置および太陽光発電装置

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明 細 書

発明の名称 太陽電池ストリングの異常検出方法、異常検出装置および太陽光発電装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008   0009  

課題を解決するための手段

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016  

図面の簡単な説明

0017  

発明を実施するための形態

0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 太陽電池ストリングの異常検出方法、異常検出装置および太陽光発電装置

技術分野

[0001]
 本発明は太陽光発電装置に関し、特に、太陽電池ストリングのそれぞれの発電不能、発電不良等の異常を検出する太陽電池ストリングの異常検出方法および異常検出装置に関する。

背景技術

[0002]
 太陽光発電装置は、一般に、複数組の太陽電池ストリングのそれぞれが発電した直流電力を、パワーコンディショナによって交流電力に変換して、負荷側に供給している。太陽電池ストリングのそれぞれは、正側端子と負側端子の間に複数枚の太陽電池モジュール(ソーラーパネル)が直列に接続された構成となっている。各太陽電池モジュールにはバイパス用のダイオードから構成されたバイパス回路が付設されている。一部の太陽電池モジュールが故障した場合等においてもバイパス回路を介して太陽電池モジュールの直列回路が維持される。
[0003]
 多数枚の太陽電池モジュールを備えた太陽光発電装置において、経年劣化等によって、太陽電池モジュールに発電不良、発電不能、地絡などの異常が発生することがある。その場合には、太陽電池モジュールの修理、交換が必要になる。太陽電池モジュールの異常発生の検出は、パワーコンディショナの入力側のDC電圧、DC電流を監視するだけでは困難である。そのために、太陽電池ストリングのそれぞれの端子電流、端子電圧を監視し、太陽電池ストリング毎に故障、異常を検出している。
[0004]
 特許文献1に記載の監視装置では、各太陽電池ストリングの電流値を測定し、または電流値と電圧値を測定して電力値を算出し、測定した電流値または算出した電力値を一定期間に亘って積算し、算出された積算値に基づき各太陽電池ストリングの発電不良等の発生を検出している。特許文献2に記載の監視装置では、太陽電池ストリングのそれぞれにおいて正側端子電流および負側端子電流を測定し、これらの電流差に基づき太陽電池ストリングに地絡が発生したか否かを検出している。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2011-77477号公報
特許文献2 : 特開2011-71346号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 各太陽電池ストリングの端子電流を監視する場合、異常が発生した太陽電池ストリングの端子電流と正常に発電している太陽電池ストリングの端子電流とを比較して異常の有無が判断される。各太陽電池ストリングはパワーコンディショナに並列接続され、パワーコンディショナによって最大電力点追従(MPPT)制御が行われる。したがって、異常が発生している太陽電池ストリングの端子電流値は、正常な太陽電池ストリングの端子電流値と比較して僅かな減少が見られるのみである。このため、特許文献1において提案されているように、一定期間に亘って電流値を積算し、積算値に基づき異常の発生を検出する必要がある。
[0007]
 勿論、各太陽電池ストリングにおいて、太陽電池モジュールのそれぞれの端子電圧を監視すれば、それらの異常を確実に検出できる。しかし、多数枚の太陽電池モジュールを備えた太陽光発電装置の場合には、各太陽電池モジュールの端子電圧を監視することは製造コストの大幅な上昇を招くので、実用的でない。
[0008]
 一方、従来の太陽電池ストリングの地絡検出方法は、特許文献2に記載されているように、各太陽電池ストリングの両側の端子電流の差に基づくものである。しかし、太陽電池ストリングの地絡の状態によっては、端子電流値の間に差が生じないこともある。この場合には地絡状態に陥ったことを検出できないという問題がある。
[0009]
 本発明の課題は、このような点に鑑みて、廉価な構成により精度良く太陽電池ストリングの異常を検出可能な異常検出方法および異常検出装置、ならびに、当該異常検出装置を備えた太陽光発電装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0010]
 上記の課題を解決するために、本発明は、正側端子と負側端子の間に直列に接続された複数枚の太陽電池モジュールを備えた太陽電池ストリングの異常検出方法において、前記太陽電池ストリングの前記正側端子と前記負側端子の間の中点位置の電位である中点電位を監視し、前記中点電位に基づき、前記太陽電池モジュールのいずれかに異常が発生したか否かを検出することを特徴としている。
[0011]
 太陽電池ストリングの中点電位は、当該太陽電池ストリングを構成している各太陽電池モジュールの発電特性によって決まる。例えば、各太陽電池モジュールの発電特性が同一の場合には、中点電位は0ボルトになる。太陽電池ストリングにおいて、直列接続されている複数枚の太陽電池モジュールのうちの一つに異常(発電不良、発電不能等)が発生すると、当該異常発生部分のバイパスダイオードがオンして、その両端電圧だけが他の太陽電池モジュールの両端電圧よりも低くなる。この結果、当該太陽電池ストリングの中点電位は、異常状態の太陽電池モジュールが接続されている側にシフトする。例えば、異常状態の太陽電池モジュールが中点位置と太陽電池ストリングの正側端子の間に位置している場合には、中点電位は正側にシフトする。よって、中点電位に基づき太陽電池モジュールの異常を検出できる。
[0012]
 太陽電池モジュールに異常が発生した場合の中点電位の変動率は、太陽電池ストリングの端子電流値の変動率に比べて大きいのでS/N比が高く、太陽電池モジュールの異常を精度良く検出できる。また、端子電流を測定する場合に比べて、中点電位の測定は低いコストで行うことができる。さらに、一定期間に亘って端子電流を積算する場合に比べてより短時間で異常状態を検出できる。
[0013]
 上記のように、中点電位は、異常が発生した太陽電池モジュールが位置している極性の側にシフトする。したがって、中点電位のシフト方向が正側の場合には、太陽電池ストリングにおける中点位置と正側端子の間に配列されている太陽電池モジュールのいずれかに異常が発生したことが分かる。逆の場合には、中点位置と負側端子の間に配列されている太陽電池モジュールのいずれかに異常が発生したことが分かる。単に、太陽電池ストリングの異常の有無を検出する場合に比べて、異常が発生している太陽電池モジュールをより簡単かつ迅速に特定することが可能になるので便利である。
[0014]
 さらに、太陽電池ストリングにおける中点位置において地絡が発生し、しかも、地絡の電位が回路接地電位レベルの場合には、中点電位にはオフセットや変動がみられなくなる。したがって、中点電位に基づき、太陽電池ストリングの中点位置において、回路接地電位に対する地絡が発生したことを検出することができる。このような地絡が発生し、しかる後に太陽電池ストリングの別の位置において地絡が発生する2点地絡の場合等においては、2点地絡間に接続されている太陽電池モジュールのそれぞれに過剰電流が継続して流れ、これらの部位が発熱して火災を引き起こすおそれがある。本発明によれば、このような弊害を未然に防止できる。
[0015]
 次に、上記の方法を用いて太陽電池ストリングの異常を検出する本発明の異常検出装置は、前記太陽電池ストリングの前記正側端子と前記負側端子の間の中点位置の電位である中点電位を検出する検出部と、前記検出部によって検出される前記中点電位に基づき、前記太陽電池モジュールのいずれかに異常が発生したか否かを判別する判別部とを有していることを特徴としている。
[0016]
 また、本発明の太陽光発電装置は、複数組の太陽電池ストリングと、並列接続された前記太陽電池ストリングのそれぞれの発電電力を交流電力に変換するパワーコンディショナと、前記太陽電池ストリングのそれぞれに異常が発生したか否かを検出する上記構成の異常検出装置とを有していることを特徴としている。

図面の簡単な説明

[0017]
[図1] 本発明を適用した太陽光発電装置の全体構成を示す概略構成図である。
[図2] (a)および(b)は、太陽電池ストリングに異常が発生した場合の中点電位の変化を示す説明図である。
[図3] (a)および(b)は、中点電位を用いた異常検出方法の優位性を説明するための説明図である。
[図4] 異常発生位置に対する中点電位のシフト方向を示す説明図である。

発明を実施するための形態

[0018]
 以下に、図面を参照して、本発明を適用した太陽光発電装置の実施の形態を説明する。
[0019]
 図1は本実施の形態に係る太陽光発電装置の全体構成を示す概略構成図である。太陽光発電装置1の基本構成は一般的なものであり、1組あるいは複数組の太陽電池ストリング2(m)(m=1,2,3・・・)を備えた太陽電池アレイ3、接続箱4を介して太陽電池ストリング2(m)のそれぞれが直流入力ポートの側に並列に接続されているパワーコンディショナ5、および、コンピューターを中心に構成されるコントローラ6を備えている。
[0020]
 各太陽電池ストリング2(m)は、その正側端子2a(m)および負側端子2b(m)の間に直列接続された複数枚の太陽電池モジュール7(m,n)(n=2,3,4・・・)を備えている。太陽電池ストリング2(m)で発電された直流電力は、接続箱4を介してパワーコンディショナ5に供給され、ここで交流電力に変化された後に、交流出力ポートから負荷側に出力される。太陽電池ストリング2(m)のそれぞれには、正側端子2a(m)と負側端子2b(m)の間の中点位置8(m)の電位である中点電位V(m)を検出する検出部9(m)が付設されている。
[0021]
 コントローラ6は、制御部6a、記憶部6b等を備え、I/Oポート6cを介して中点電位V(m)等が供給される。また、I/Oポート6d、6eを介して操作入力部11および表示部12等の周辺機器が接続されている。コントローラ6には、各検出部9(m)によって検出される中点電位V(m)に基づき各太陽電池ストリング2(m)に異常が発生したか否かを監視する異常検出装置として機能する。
[0022]
 図示の太陽電池ストリング2(m)は、一例として、10枚の太陽電池モジュール7(m,1)~7(m,10)が直列接続されている。この場合、一方の端子、例えば正側端子2a(m)から数えて第5番目の太陽電池モジュール7(m,5)と第6番目の太陽電池モジュール7(m,6)の間の接続点が中点位置8(m)である。検出部9(m)は、この中点位置8(m)と回路接地電位(GND電位)との間の電位差を検出する。多くの非絶縁パワーコンディショナでは、GND電位はほぼ零に近い値になる。
[0023]
 ここで、パワーコンディショナ5の直流入力側の端子間電位V 0は、太陽電池アレイ3の全体の発電特性と入射光条件で決まる。多くの場合、GND電位に対して対称な電位となる。例えば、V 0が600Vの場合には、GND電位に対して、正側端子の側が+300V、負側端子の側が-300Vになる。これに対して、各太陽電池ストリング2(m)の中点電位V(m)は、パワーコンディショナ5の端子間電位V 0とは異なる値であり、また、太陽電池ストリング2(m)のそれぞれについて独立の値となる。
[0024]
 図2(a)は太陽電池ストリングに異常が発生した場合の中点電位V(m)のシフトを示す説明図であり、図2(b)は異常が発生した太陽電池モジュール内での電圧分布状態を示す説明図である。これらの図を参照して、中点電位V(m)に基づき、異常が発生した太陽電池ストリング2(m)の中点電位V(m)のシフトについて説明する。
[0025]
 まず、図2(a)に示すように、2番目の太陽電池ストリング2(2)(m=2)において、その正側端子2a(2)から数えて2番目の太陽電池モジュール7(2,2)(n=2)に異常(発電不良)が発生したものとする。この場合には、パワーコンディショナ5の入力側の端子間電位V 0の値には、正常な太陽電池ストリング2(1)、2(3)~2(m)と異常が発生した太陽電池ストリング2(2)とが並列接続されているので、大きな変化がみられない。また、正常な太陽電池ストリング2(1)、2(3)~2(m)の中点電位V(1)、V(3)~V(m)にも大きな変化はみられない。これに対して、異常が発生している太陽電池ストリング2(2)の中点電位V(2)の値は大きくシフトする。
[0026]
 この点について、図2(b)を参照して説明する。異常が発生した太陽電池ストリング2(2)の太陽電池モジュール7(2,2)において、直列接続されている複数の太陽電池セル13のうちの一つにおいて異常が発生して、1個のバイパスダイオードDiがオンになったものとする。各太陽電池セル13のそれぞれは、バイパスダイオードDiによって区切られたクラスタと呼ばれる複数の回路ブロックから構成される。異常が発生したクラスタ14の両端電位は、バイパスダイオードDiを介して短絡するので、正常なクラスタの両端電位に比べて極端に低くなる。例えば、各クラスタの両端電位が10Vであるとすると、異常が発生したクラスタ14の両端電圧は1V程度に低下する。この電圧低下が、中点電位V(2)に略そのまま表れる。
[0027]
 すなわち、異常が発生した太陽電池ストリング2(2)における正常な各太陽電池モジュール7(2,1)、7(2,3)~7(2,n)は、正常な太陽電池ストリング2(1)、2(3)~2(m)と電圧共通であるので、それらの端子電圧が増加するものの、当該異常が発生した太陽電池ストリング2(2)自体の端子電圧に大きな変化はみられない。これに対して、異常が発生した太陽電池ストリング2(2)においては、バイパスダイオードDiの短絡により、その中点電位V(2)が大きくシフトする。図示の例では、中点位置8(2)を境として、異常が発生した太陽電池モジュール7(2,2)が正側端子2a(2)の側に位置している。よって、当該中点電位V(2)は、異常が発生した太陽電池モジュール7(2,2)におけるクラスタ14の両端電圧の変化に対応して、正側に大きくシフトする。この中点電位V(m)のシフト量は一般に数V程度であり、容易に、異常の発生を判別することができる。
[0028]
 ここで、図3を参照して、中点電位V(m)の感度について説明する。図3(a)は太陽電池モジュールの光照射時のI-V特性曲線の例を示す説明図である。特性曲線C1は正常な太陽電池モジュールにおける光照射時のI-V特性曲線を示す。特性曲線C1上の点A1はパワーコンディショナ5による最大電力点(MPP)を示し、点A2は異常が発生した太陽電池ストリング中の正常な太陽電池モジュールの動作点を示す。これに対して、特性曲線C2は異常が発生した太陽電池モジュールのI-V特性曲線を示し、特性曲線C2上の点Bは異常が発生した太陽電池モジュールの動作点を示す。この動作点は、正常な太陽電池モジュールの動作点に比べて極端に電圧値が小さくなる。
[0029]
 異常が発生した太陽電池ストリングにおいては、動作点A2と動作点Bの電圧差ΔVが中点電位V(m)の電圧シフト量として観測される。動作点A2と動作点Bの電流差ΔIによって表される電流シフト量の割合は電圧シフト量の割合に比べて極めて小さく、太陽電池ストリングの配列接続数が多くなるほど小さくなる。したがって、中点電位V(m)のシフト量に基づき、異常が発生した太陽電池モジュールを含む太陽電池ストリングを検出する方法は、太陽電池ストリングの端子電流のシフト量に基づき異常を検出する方法に比べて、異常発生に対する感度が高く、精度良く異常を検出可能である。
[0030]
 図3(b)は入射光量の増減に伴うI-V特性曲線の変化の例を示す説明図である。特性曲線C1、C2は図3(a)の場合と同様に、正常な太陽電池モジュールおよび異常が発生した太陽電池モジュールについてのものである。特性曲線C1aは入射光量が減少した場合における正常な太陽電池モジュールについてのものであり、特性曲線C2aは入射光量が減少した場合における異常が発生している太陽電池モジュールについてのものである。
[0031]
 異常が発生している太陽電池モジュールを含む太陽電池ストリングにおいて、正常な太陽電池モジュールの動作点A2は入射光量が減少して動作点A3にシフトし、異常が発生している太陽電池モジュールの動作点Bは動作点B1にシフトする。このように、入射光量の変化にほぼ比例した電圧シフト量ΔIaが生じ、動作点電流が大きく変化してしまう。これに対して、入射光量が大きく変化しても、動作点A2、A3の間の電圧変化量、動作点B、B1の間の電圧変化量は極わずかである。よって、中点電位V(m)のシフト量ΔVaは入射光量が多い場合のシフト量ΔVから殆ど変化せず、入射光量の増減に左右されずに、精度良く異常判定を行うことができる。
[0032]
 また、中点電位V(m)を用いて太陽電池ストリングの異常判定を行う場合には、先に述べたように、異常が発生した太陽電池ストリングにおいて、異常が発生している太陽電池モジュールが中点位置に対していずれの側に接続されているのかも検出可能である。図4(a)に示すように、太陽電池ストリング2(m)において、中点電位V(m)の値は、当該太陽電池ストリング2(m)を構成している太陽電池モジュール7(m,n)の発電特性によって定まる。各太陽電池モジュール7(m,n)が同一特性であれば、中点電位V(m)はほぼ0Vになる。
[0033]
 図4(b)に示すように、中点位置8(m)に対して、負側端子2b(m)の側の太陽電池モジュール、例えば太陽電池モジュール7(m,9)に異常が発生した場合には、中点電位V(m)は基準となる中点電位に対して負側にシフトする。これに対して、図4(c)に示すように、中点位置8(m)に対して、正側端子2a(m)の側の太陽電池モジュール、例えば太陽電池モジュール7(m,2)に異常が発生した場合には、中点電位V(m)は逆に正側にシフトする。よって、多数枚の太陽電池モジュールが配列されている太陽電池ストリングの異常が検出された場合に、異常が発生している太陽電池モジュールの特定を従来に比べて効率良く行うことが可能である。
[0034]
 次に、中点電位V(m)を用いて太陽電池ストリング2(m)の異常を検出する方法では、通常は検出することができないGND電位への地絡の有無も検出できるという利点がある。このような地絡を検出できると、太陽電池ストリングの火災原因となる2点地絡の発生を防止することが可能になる。
[0035]
 具体的に説明すると、中点電位V(m)はパワーコンディショナ5の制御動作に応じて変動し、GND電位とは必ずしも一致せず、また、常に変動している。太陽電池ストリング2(m)において、太陽電池モジュール7(m,5)、7(m,6)の間の配線部分がGND電位に地絡すると、中点電位V(m)のオフセットや変動が見られなくなる。よって、中点電位V(m)が一定値のまま変動しない状態が継続する場合には、GND電位への地絡が発生したものと判断することができる。
[0036]
 ここで、従来における地絡の検出方法は、一般に、太陽電池ストリング2(m)における正側端子電流と負側端子電流の差であるリーク電流をモニターし、これに基づき、地絡の発生の有無を判別している。太陽電池ストリング2(m)が、中点位置8(m)においてGND電位に地絡した場合には、リーク電流は実質的に零となるので、このようなGND電位レベルの地絡発生を検出できない。このようなGND電位レベルの地絡状態を放置した場合において、太陽電池ストリング2(m)における別の配線部分において地絡が発生して2点地絡状態に陥ると、2点の地絡間の太陽電池モジュールに大きな電流が流れて、過剰発熱、ひいては火災を引き起こす危険性がある。中点電位V(m)をモニターすることにより、このような2点地絡の発生を未然に防止できる。
[0037]
 以上説明したように、本実施の形態に係る太陽光発電装置1では、そのコントローラ6が、各検出部9(m)から得られる各太陽電池ストリング2(m)の中点電位V(m)を監視している。また、コントローラ6は、中点電位V(m)が正常状態における値から正方向あるいは負方向に大きくシフトした場合には、異常が発生したものと判定する判定部として機能する。従来のように太陽電池ストリングの端子電流等をモニターして異常を検出する方法に比べて、異常検出のS/N比が非常に高く、入射光量の変動にも影響されずに、常に精度良く異常検出を行うことができる。また、電流検出の場合に比べて廉価に異常検出を行うことができる。さらには、異常検出と共に、GND電位への地絡発生も検出できるという利点がある。

請求の範囲

[請求項1]
 正側端子と負側端子の間に直列に接続された複数枚の太陽電池モジュールを備えた太陽電池ストリングの異常検出方法であって、
 前記太陽電池ストリングの前記正側端子と前記負側端子の間の中点位置の電位である中点電位を監視し、
 前記中点電位に基づき、前記太陽電池モジュールのいずれかに異常が発生したことを検出する、
太陽電池ストリングの異常検出方法。
[請求項2]
 前記中点電位が予め定めた基準中点電位に対して正側にシフトした場合には、前記太陽電池ストリングにおける前記正側端子から前記中点位置までの間に配列されている前記太陽電池モジュールのいずれかに異常が発生したと判断し、
 前記中点電位が前記基準中点電位に対して負側にシフトした場合には、前記太陽電池ストリングにおける前記負側端子から前記中点位置までの間に配列されている前記太陽電池モジュールのいずれかに異常が発生したと判断する、
請求項1に記載の太陽電池ストリングの異常検出方法。
[請求項3]
 前記中点電位に基づき、前記太陽電池ストリングの前記中点位置において、回路接地電位に対する地絡が発生したことを検出する、
請求項1または2に記載の太陽電池ストリングの異常検出方法。
[請求項4]
 請求項1ないし3のうちのいずれか一つの項に記載の方法を用いて太陽電池ストリングの異常を検出する異常検出装置であって、
 前記太陽電池ストリングの前記正側端子と前記負側端子の間の中点位置の電位である中点電位を検出する検出部と、
 前記検出部によって検出される前記中点電位に基づき、前記太陽電池モジュールのいずれかに異常が発生したか否かを判別する判別部と、
を有している太陽電池ストリングの異常検出装置。
[請求項5]
 複数組の太陽電池ストリングと、
 並列接続された前記太陽電池ストリングのそれぞれの発電電力を交流電力に変換するパワーコンディショナと、
 前記太陽電池ストリングのそれぞれの異常を検出する異常検出装置とを有し、
 前記異常検出装置は、請求項4に記載の異常検出装置である太陽光発電装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]