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1. WO2013005519 - 車両のドアアウタハンドル装置

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明 細 書

発明の名称 車両のドアアウタハンドル装置

技術分野

0001   0002  

背景技術

0003  

先行技術文献

特許文献

0004   0005  

発明の概要

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031  

請求の範囲

1   2   3   4  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : 車両のドアアウタハンドル装置

技術分野

[0001]
 本発明は、車両のドアアウタハンドル装置、特に、車両のドアに固定されるベース部材と、このベース部材に対して車両内外方向にて揺動可能に設けられてドア閉位置とこれより車外方向のドア開位置間にて動作可能なアウタハンドルと、このアウタハンドルのドア開動作(ドア閉位置からドア開位置への動き)をドアラッチ機構のアンラッチ動作として伝達可能な連係機構を備えるとともに、車両の衝突時に前記ドアの車外方向に向けて(各構成部材(前記アウタハンドルを含む)に)作用する所定の慣性力でドアが開放されることを防止するドア開放防止機構を備えている車両のドアアウタハンドル装置に関する。
[0002]
 なお、上記したドア開放防止機構が設けられていない場合には、車両の衝突時において、ドアの車外方向に向けて所定の慣性力がアウタハンドルに作用すると、この慣性力によってアウタハンドルがドア開動作して、ドアラッチ機構がアンラッチ動作することがある。ドアラッチ機構のアンラッチ動作は、ラッチ状態のドアラッチ機構をアンラッチ状態とする作動であって、ドアラッチ機構のラッチ状態では車両の閉じたドアを車外方向に向けた力で開放することが不能であり、ドアラッチ機構のアンラッチ状態では車両の閉じたドアを車外方向に向けた力で開放することが可能である。

背景技術

[0003]
 この種の車両のドアアウタハンドル装置は、例えば、下記特許文献1に示されていて、前記ドア開放防止機構が、前記ベース部材に回転可能に設けられていてセット回転位置(初期位置)から車外方向のロック回転位置に回転可能な慣性ストッパ部材(レバー部材)と、この慣性ストッパ部材をセット回転位置に向けて付勢する付勢部材を備えている。下記特許文献1に記載されている車両のドアアウタハンドル装置では、車両の衝突時の慣性力(車外方向に向けた力)が慣性ストッパ部材に作用して、慣性ストッパ部材が付勢部材の付勢力に抗してセット回転位置から車外方向のロック回転位置に回転作動したとき、慣性ストッパ部材の一部が前記連係機構における一構成部材(連結ロッドに設けた結合クリップ)のドア開方向移動軌跡内に移動して、前記連係機構のドア開方向作動が慣性ストッパ部材によって規制されるように構成されている。このため、ドア開放防止機構が、車両の衝突時に、ドアの車外方向に向けて作用する所定の慣性力で、アウタハンドルのドア開動作を規制して、ドアが開放されることを防止する。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2009-243101号公報
[0005]
 上記した特許文献1に記載されている車両のドアアウタハンドル装置においては、慣性ストッパ部材が付勢部材の付勢力によってセット回転位置に保持されているとき(通常時には)、慣性ストッパ部材が前記構成部材のドア開方向移動軌跡外にあって、前記連係機構のドア開方向作動が許容されている。このため、通常時には、アウタハンドルのドア開動作が連係機構によってドアラッチ機構のアンラッチ動作として伝達可能であり、アウタハンドルのドア開操作によって車両のドアを開放することが可能である。

発明の概要

[0006]
(発明が解決しようとする課題)
 ところで、上記した特許文献1に記載されている車両のドアアウタハンドル装置においては、車両の衝突時に、上記した作動が得られて、ドア開放防止機構によりドアの開放が防止される。しかし、車両の衝突時に、ベース部材、アウタハンドル、連係機構等がドアラッチ機構に対して車幅方向にて近接し下方に移動するように、ドアが変形する場合には、このドア変形に因るベース部材、アウタハンドル、連係機構等の移動よって、連係機構にてドア開方向作動が得られて、車外方向に向けた力でドアが開放するおそれがある。
[0007]
(課題を解決するための手段と作用効果)
 本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、車両のドアに固定されるベース部材と、このベース部材に対して車両内外方向にて揺動可能に設けられてドア閉位置とこれより車外方向のドア開位置間にて動作可能なアウタハンドルと、このアウタハンドルのドア開動作をドアラッチ機構のアンラッチ動作として伝達可能な連係機構を備えるとともに、車両の衝突時に前記ドアの車外方向に向けて作用する所定の慣性力で前記アウタハンドルのドア開動作に伴う前記連係機構における伝達部材(一構成部材)の被伝達部材(他の構成部材)に対するドア開方向作動を伝達不能として前記ドアが開放されることを防止するドア開放防止機構を備えていて、前記ドア開放防止機構が、前記被伝達部材の上方にて前記伝達部材に組付けられていてセット位置とこれより車外方向の退避位置に移動可能なレバー部材と、このレバー部材を前記セット位置に向けて付勢する付勢部材を備えており、前記レバー部材は、前記慣性力が作用しない状態では前記セット位置に保持されて前記アウタハンドルのドア開動作に伴う前記伝達部材の前記被伝達部材に対する前記レバー部材を介した必要十分なドア開方向作動を伝達可能とし、前記慣性力が作用する状態では前記アウタハンドルのドア開動作に先だって前記付勢部材の付勢力に抗して前記セット位置から前記退避位置に移動していて前記アウタハンドルのドア開動作に伴う前記伝達部材の前記被伝達部材に対する前記レバー部材を介した必要十分なドア開方向作動を伝達不能とするように設定されている車両のドアアウタハンドル装置に特徴がある。
[0008]
 上記した本発明のドアアウタハンドル装置においては、通常時(すなわち、前記慣性力が作用しない状態であるとき)、ドア開放防止機構のレバー部材がセット位置に保持されていて、アウタハンドルのドア開動作に伴う連係機構における伝達部材の被伝達部材に対するレバー部材を介した必要十分なドア開方向作動が伝達可能とされている。このため、アウタハンドルのドア開動作が連係機構によってドアラッチ機構のアンラッチ動作として伝達可能であり、アウタハンドルのドア開操作によって車両のドアを開放することが可能である。
[0009]
 ところで、車両の衝突時(すなわち、前記慣性力が作用する状態)には、アウタハンドルのドア開動作に先だって、レバー部材が慣性力によって付勢部材の付勢力に抗してセット位置から退避位置に移動していて、アウタハンドルのドア開動作に伴う前記伝達部材の前記被伝達部材に対するレバー部材を介した必要十分なドア開方向作動が伝達不能とされている。このため、車両の衝突時には、前記慣性力によりアウタハンドルがドア開動作しても、連係機構にて必要十分なドア開方向作動が伝達されなくて、ドアラッチ機構のアンラッチ動作(ドアが閉じた状態(ラッチ状態)からドアを開き得る状態(アンラッチ状態)に移行する動作)が防止される。
[0010]
 また、本発明のドアアウタハンドル装置においては、車両の衝突時に、アウタハンドルのドア開動作に先だって、前記被伝達部材の上方にて前記伝達部材に組付けられているレバー部材が慣性力によって付勢部材の付勢力に抗してセット位置から退避位置に移動しているため、被伝達部材の上方に被伝達部材の逃げ空間(伝達部材が被伝達部材に対して下方に自由に移動することができるようにするための空間)が形成されている。このため、ベース部材、アウタハンドル、連係機構等がドアラッチ機構に対して車幅方向にて近接し下方に移動するように、ドアが変形する場合にも、被伝達部材が逃げ空間内を自由に相対移動すること(被伝達部材が初期位置に留まること)ができて、ドア変形に因るベース部材、アウタハンドル、連係機構等の移動によっても、連係機構にて必要十分なドア開方向作動が得られなくて、ドアが開放することはない。
[0011]
 上記した本発明の実施に際して、前記伝達部材は、前記ドア内にて上下方向に延在していて、車幅方向にて傾動可能で、下方への移動がドア開方向作動と設定されている連結レバーであってもよく、この場合において、前記レバー部材と前記付勢部材はこれらを収容するケースを用いて前記連結レバーに組付けられていることも可能である。この場合には、レバー部材と付勢部材をケースに予め組付けてサブアッシィ化することが可能であり、レバー部材、付勢部材等の連結レバーに対する組付性を良好とすることが可能である。
[0012]
 また、上記した本発明の実施に際して、前記レバー部材における車内側で被伝達部材側の隅角部には、前記レバー部材が前記セット位置にあるとき前記伝達部材とにより前記被伝達部材の収容空間を形成するとともに前記伝達部材の前記被伝達部材に対するドア開方向作動を前記付勢部材の付勢方向に対して直交する方向にて前記被伝達部材に伝達可能な第1切欠と、前記レバー部材が前記退避位置に移動して前記伝達部材とにより前記被伝達部材の逃げ空間を形成する際に、前記被伝達部材との係合(干渉)を避けるための第2切欠が設けられていることも可能である。この場合には、前記セット位置にあるレバー部材において、第1切欠にて所期の伝達機能を確保することが可能であり、前記セット位置から前記退避位置に向けて移動するレバー部材において、第2切欠により被伝達部材との係合(干渉)を避けることができて、良好な退避性能を確保することが可能である。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 図1は、本発明による車両のドアアウタハンドル装置を備えた車両用ドアの一実施形態を車両の外側からみた部分斜視図である。
[図2] 図2は、図1に示した車両のドアアウタハンドル装置における主要構成のセット状態を示した平面図である。
[図3] 図3は、図2に示した主要構成をドア内側から見た斜視図である。
[図4] 図4は、図2および図3に示した状態(セット状態)でのベース部材、アウタハンドル、連係機構等の関係を示した縦断正面図である。
[図5] 図5は、図3に示した連係機構の連結レバーとこれに組付けたドア開放防止機構(レバー部材がセット位置にある状態)の斜視図である。
[図6] 図6は、図3に示した連係機構の連結レバーとこれに組付けたドア開放防止機構(レバー部材が退避位置にある状態)の斜視図である。
[図7] 図7は、ドア開放防止機構のレバー部材がセット位置にあるときの連係機構の作動を説明するための概略図である。
[図8] 図8は、ドア開放防止機構のレバー部材が退避位置にあるときの連係機構の作動を説明するための概略図である。
[図9] 図9は、車両の衝突時に、ベース部材、アウタハンドル、連結レバー等がドアロック装置(ドアラッチ機構を含む)に対して車幅方向にて近接し下方に移動するように、ドアが変形する場合の作動を説明するための概略図である。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1~図9は本発明による車両のドアアウタハンドル装置を備えた車両用ドアの一実施形態を示していて、この実施形態のドアアウタハンドル装置では、図1に示したように、車両の後方右側に装備されるドア100にベース部材10が固定されている。このベース部材10には、図2および図3に示したように、アウタハンドル20、連係機構30、ドア開放防止機構40等が組付けられている。ベース部材10は、ドア100におけるアウタパネル101の内側に固定されていて(図4参照)、車両後方端部11にはアウタパネル101(図2では省略)を挟む状態にてキャップ50(ベース部材10に対してアウタハンドル20を抜け止めするもの)が組付けられている(図1および図2参照)。
[0015]
 アウタハンドル20は、略水平状態でベース部材10に車両内外方向(車幅方向)にて揺動可能に設けられているグリップ型のハンドルであり、アウタパネル101を挟む状態(アウタパネル101の外側に配置されて、一部がアウタパネル101を貫通する状態)にてベース部材10に組付けられていて、ドア閉位置(図2の実線で示した位置)とこれより車外方向のドア開位置(図2の仮想線で示した位置)間にて動作可能(操作可能)に構成されている。このアウタハンドル20は、車両前方端部21にてベース部材10に揺動可能に組付けられていて、車両後方端部22が図2の実線位置から仮想線位置に向けて車外方向に所要量移動可能に構成されている。また、アウタハンドル20の車両後方端部22には、連係機構30の構成部材であるベルクランク31と係合するL字状の係合部22a(図3、図4参照)が形成されている。なお、アウタハンドル20がドア閉位置にあるときには、アウタハンドル20の上下端部がクッション102を介してアウタパネル101に係合(当接)している(図4参照)。
[0016]
 連係機構30は、アウタハンドル20の車外方向へのドア開動作を図1および図3に破線で示したドアロック装置60に含まれているドアラッチ機構(詳細は図示省略)のアンラッチ動作(ラッチ状態からアンラッチ状態に移行する動作)として伝達可能であり、上記したベルクランク31を備えるとともに、コイルスプリング32と、連結レバー33を備えている。なお、ドアラッチ機構は、周知のものであり、車体側に固定されるストライカと、ドア100側に組付けられるラッチおよびポール等を備えていて、ラッチ状態ではポールがストライカに係合するラッチの回転を規制して、ドア開動作(閉じたドア100の開放動作)を不能とし、アンラッチ状態ではポールがストライカに係合するラッチの回転を許容して、ドア開動作を可能とする。
[0017]
 ベルクランク31は、図3に示したように、軸部31aにてベース部材10に回転可能に組付けられていて、入力アーム部31bと出力アーム部31cを有している。入力アーム部31bは、図3および図4に示したように、軸部31aの径方向で下方に延出しており、先端31b1にてアウタハンドル20における係合部22aの車両外側面に係合(当接)している(図4参照)。出力アーム部31cは、軸部31aの径方向で上方に延出していて、連結レバー33に一体的に設けられている連結軸33aを介して連結レバー33の上端部33bに連結されている。ここで、出力アーム部31cに、軸部31aに沿って延びるカウンタウエイト部(慣性部)31dを図3の仮想線に示したように設けて実施することも可能である。なお、出力アーム部31cのカウンタウエイト部(慣性部)31dは、車両衝突時にドア100の車外方向に向けて作用する慣性力でアウタハンドル20が開作動することを規制するためのものであり、この規制力はカウンタウエイト部(慣性部)31dの質量とコイルスプリング32の付勢力によって設定される。
[0018]
 コイルスプリング32は、ベルクランク31とアウタハンドル20を図2~図4に示したセット位置(ドア閉位置)に向けて付勢するリターンスプリング(アウタハンドル20をドア開位置からドア閉位置に自動的に復帰させる復帰機構の構成部材)であり、ベルクランク31の軸部31a外周に組付けられていて、一端にてベース部材10に係合し他端にてベルクランク31に係合しており、ベルクランク31における入力アーム部31bの先端31b1がアウタハンドル20の係合部22aに係合する方向(図4の反時計回転方向)に所定の付勢力にて回転付勢している。このため、ベルクランク31における入力アーム部31bの先端31b1は、アウタハンドル20の係合部22aに弾性的に係合している。
[0019]
 連結レバー33は、ドア100内にて上下方向に延在していて、車幅方向にて傾動可能で、下方への移動がドア開方向作動と設定されており、図3に示したように、上端部33bにてベルクランク31の出力アーム部31cに連結され、二股状の下端部33cにてドアラッチ機構のポール(図示省略)と連係するアウトサイドオープンレバー61(図1および図3参照)に組付けた連結ピン34にドア開放防止機構40を介して係合している。この連結レバー33では、アウタハンドル20がドア閉位置からドア開位置に作動して、ベルクランク31がコイルスプリング32の付勢力に抗して所定量回転するときに、図2および図3に示したセット位置(初期位置)から所定量下方に移動するように構成されている。また、連結レバー33の下端部33cには、ドア開放防止機構40が組付けられている。
[0020]
 上記した連係機構30においては、ドア100が閉じた状態で、アウタハンドル20がドア閉位置にあり、連結レバー33が初期位置にあるときには、ドアラッチ機構がラッチ状態とされ、アウタハンドル20がドア閉位置からドア開位置に作動して、連結レバー33が初期位置から所定量下方に移動したときには、ドアラッチ機構がアンラッチ状態とされるように設定されている。このため、コイルスプリング32の付勢力に抗したベルクランク31の回転と、連結レバー33の下方への移動は、ドア開方向作動である。
[0021]
 ドア開放防止機構40は、ドア100が閉じた状態での車両の衝突時に、ドア100の車外方向に向けてレバー部材41に作用する所定の慣性力で、アウタハンドル20のドア開動作に伴う連係機構30における連結レバー33(伝達部材)の連結ピン34(被伝達部材)に対するドア開方向作動を伝達不能として、ドア100が開放されることを防止するものである。このドア開放防止機構40は、図3、図5および図6に示したように、連結ピン34の上方にてケース43を用いて連結レバー33に組付けられているレバー部材41と、このレバー部材41とケース43間に組付けられているコイルスプリング42を備えている。
[0022]
 レバー部材41は、図5、図6等に示したように、略矩形に形成されていて、ケース43内にコイルスプリング42とともに予め組付けられていて、ケース43に対して車幅方向にて摺動可能に組付けられている。また、レバー部材41は、車内側で下側(連結ピン34側)の隅角部に第1切欠41aと第2切欠41bを有し、車外側にスプリング収容凹部41cを有している。
[0023]
 第1切欠41aは、横壁と縦壁を有していて、レバー部材41が図3、図5および図7のセット位置にあるとき、連結レバー33の下端部33cとにより連結ピン34の収容空間R1を形成する。また、第1切欠41aは、図3に示したように、レバー部材41がセット位置にあるとき、連結レバー33の連結ピン34に対するドア開方向作動(図示下方への作動)をコイルスプリング42の付勢方向(車内方向)に対して直交する方向にて連結ピン34に伝達可能である。
[0024]
 第2切欠41bは、第1切欠41aにおける横壁の車内側端部を面取することにより形成されていて、レバー部材41がセット位置から図6および図8に示した退避位置に移動して連結レバー33の下端部33cとにより連結ピン34の逃げ空間R2を形成する際に、連結ピン34との係合(干渉)を避けるためのものである。スプリング収容凹部41cは、レバー部材41の車外側の上下方向中間部位に形成されていて、コイルスプリング42の車内側端部を収容可能である。
[0025]
 コイルスプリング42は、ケース43内に収容されていて、一端(車内側端部)にてレバー部材41に係合し他端(車外側端部)にてケース43に係合しており、レバー部材41を所定の付勢力にて車内方向(セット位置)に向けて付勢している。このため、車両の衝突時に、アウタハンドル20に所定の慣性力が作用してアウタハンドル20がドア閉位置からドア開位置に移動するときに、アウタハンドル20のドア開動作に先だって、レバー部材41が慣性力によってコイルスプリング42の付勢力に抗してセット位置から退避位置に移動するように設定されている。ケース43は、レバー部材41、コイルスプリング42等とによりサブアッシィ化されていて、連結レバー33の下端部33cに組付けられている。
[0026]
 上記のように構成したこの実施形態においては、通常時(すなわち、ドア100の車外方向に向けて所定の慣性力がアウタハンドル20等に作用しない状態)では、図3、図5、図7に示したように、ドア開放防止機構40のレバー部材41がセット位置に保持されていて、アウタハンドル20のドア開動作に伴う連係機構30における連結レバー33の連結ピン34に対するレバー部材41を介した必要十分なドア開方向作動が伝達可能とされている。このため、アウタハンドル20のドア開動作が連係機構30によってドアラッチ機構のアンラッチ動作として伝達可能であり(具体的には、図7に示したように、連結レバー33の矢印Xで示した移動量が連結ピン34の矢印Yで示した必要十分な移動量として伝達可能であり)、アウタハンドル20のドア開操作によって車両のドア100を開放することが可能である。
[0027]
 ところで、車両の衝突時(すなわち、前記慣性力がアウタハンドル20等に作用する状態)には、アウタハンドル20のドア開動作に先だって、ドア開放防止機構40のレバー部材41が慣性力によってコイルスプリング42の付勢力に抗してセット位置から退避位置に移動していて(図6、図8参照)、アウタハンドル20のドア開動作に伴う連結レバー33の連結ピン34に対するレバー部材41を介した必要十分なドア開方向作動が伝達不能(具体的には、図8に示したように、連結レバー33の矢印Xで示した移動量が連結ピン34の矢印Zで示した移動量として伝達され、図7の矢印Yと図8の矢印Zの差分の移動量が伝達不能)とされている。このため、車両の衝突時には、前記慣性力によりアウタハンドル20がドア開動作しても、図8に示したように、連係機構30にて必要十分なドア開方向作動が伝達されなくて、ドアラッチ機構のアンラッチ動作(ドアが閉じた状態(ラッチ状態)からドアを開き得る状態(アンラッチ状態)に移行する動作)が防止される。なお、レバー部材41の大きさを適宜設定する(例えば、適宜に大きくする)ことにより、上記した連結ピン34の図8に示した矢印Zで示した移動量をゼロとすることも可能である。
[0028]
 また、この実施形態においては、車両の衝突時に、アウタハンドル20のドア開動作に先だって、連結ピン34の上方にて連結レバー33に組付けられているドア開放防止機構40のレバー部材41が慣性力によってコイルスプリング42の付勢力に抗してセット位置から退避位置に移動しているため、連結ピン34の上方に連結ピン34の逃げ空間R2(連結レバー33が連結ピン34に対して下方に自由に移動することができるようにするための空間)が形成されている。このため、ベース部材10、アウタハンドル20、連係機構30等がドアラッチ機構を含むドアロック装置60に対して車幅方向にて近接し下方に移動するように、ドア100が変形する場合(具体的には、図9に示したように、ドア100のBピラーに近接する部位におけるアウタパネル101の変形によって、ベース部材10、アウタハンドル20、連結レバー33等が図9の実線で示した状態から図9の仮想線で示した状態になる場合)にも、連結ピン34が逃げ空間R2内を自由に相対移動すること(連結ピン34が初期位置に留まること)ができて、ドア変形に因るベース部材10、アウタハンドル20、連係機構30等の移動よっても、連係機構30にて必要十分なドア開方向作動(連結ピン34の必要十分な下方への移動)が得られなくて、ドア100が開放することはない。
[0029]
 また、この実施形態においては、ドア開放防止機構40のレバー部材41とコイルスプリング42がこれらを収容するケース43を用いて連結レバー33に組付けられている。このため、レバー部材41とコイルスプリング42をケース43に予め組付けてサブアッシィ化することが可能であり、レバー部材41、コイルスプリング42等の連結レバー33に対する組付性を良好とすることが可能である。
[0030]
 また、この実施形態においては、レバー部材41における車内側で下側の隅角部に、第1切欠41aと第2切欠41bが設けられている。このため、セット位置(図3、図5、図7参照)にあるレバー部材41において、第1切欠41aにて所期の伝達機能を確保することが可能であり、セット位置から退避位置(図6、図8参照)に向けて移動するレバー部材41において、第2切欠41bにより連結ピン34との係合(干渉)を避けることができて、良好な退避性能を確保することが可能である。
[0031]
 上記した実施形態においては、車両の後方右側に装備されるドア100に本発明による車両のドアアウタハンドル装置を設けて実施したが、本発明による車両のドアアウタハンドル装置は、車両の後方左側に装備されるドアは勿論のこと、車両の前方右側または前方左側に装備されるドアにも同様にまたは適宜変更して実施することが可能である。また、本発明による車両のドアアウタハンドル装置は、車両の後側に装備されるドア(バックドア)にも同様にまたは適宜変更して実施することが可能である。

請求の範囲

[請求項1]
 車両のドアに固定されるベース部材と、このベース部材に対して車両内外方向にて揺動可能に設けられてドア閉位置とこれより車外方向のドア開位置間にて動作可能なアウタハンドルと、このアウタハンドルのドア開動作をドアラッチ機構のアンラッチ動作として伝達可能な連係機構を備えるとともに、車両の衝突時に前記ドアの車外方向に向けて作用する所定の慣性力で前記アウタハンドルのドア開動作に伴う前記連係機構における伝達部材の被伝達部材に対するドア開方向作動を伝達不能として前記ドアが開放されることを防止するドア開放防止機構を備えていて、
 前記ドア開放防止機構が、前記被伝達部材の上方にて前記伝達部材に組付けられていてセット位置とこれより車外方向の退避位置に移動可能なレバー部材と、このレバー部材を前記セット位置に向けて付勢する付勢部材を備えており、前記レバー部材は、前記慣性力が作用しない状態では前記セット位置に保持されて前記アウタハンドルのドア開動作に伴う前記伝達部材の前記被伝達部材に対する前記レバー部材を介した必要十分なドア開方向作動を伝達可能とし、前記慣性力が作用する状態では前記アウタハンドルのドア開動作に先だって前記付勢部材の付勢力に抗して前記セット位置から前記退避位置に移動していて前記アウタハンドルのドア開動作に伴う前記伝達部材の前記被伝達部材に対する前記レバー部材を介した必要十分なドア開方向作動を伝達不能とするように設定されている車両のドアアウタハンドル装置。
[請求項2]
 請求項1に記載の車両のドアアウタハンドル装置であって、前記伝達部材は、前記ドア内にて上下方向に延在していて、車幅方向にて傾動可能で、下方への移動がドア開方向作動と設定されている連結レバーであることを特徴とする車両のドアアウタハンドル装置。
[請求項3]
 請求項2に記載の車両のドアアウタハンドル装置であって、前記レバー部材と前記付勢部材はこれらを収容するケースを用いて前記連結レバーに組付けられていることを特徴とする車両のドアアウタハンドル装置。
[請求項4]
 請求項1~3の何れか一項に記載の車両のドアアウタハンドル装置であって、前記レバー部材における車内側で被伝達部材側の隅角部には、前記レバー部材が前記セット位置にあるとき前記伝達部材とにより前記被伝達部材の収容空間を形成するとともに前記伝達部材の前記被伝達部材に対するドア開方向作動を前記付勢部材の付勢方向に対して直交する方向にて前記被伝達部材に伝達可能な第1切欠と、前記レバー部材が前記退避位置に移動して前記伝達部材とにより前記被伝達部材の逃げ空間を形成する際に、前記被伝達部材との係合を避けるための第2切欠が設けられていることを特徴とする車両のドアアウタハンドル装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]