処理中

しばらくお待ちください...

設定

設定

出願の表示

1. WO2013002093 - 太陽光発電装置

Document

明 細 書

発明の名称 太陽光発電装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017  

発明の効果

0018  

図面の簡単な説明

0019  

発明を実施するための形態

0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085  

産業上の利用可能性

0086  

符号の説明

0087  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23  

明 細 書

発明の名称 : 太陽光発電装置

技術分野

[0001]
 本発明は、太陽光発電装置に関する。
 本願は、2011年6月27日に、日本に出願された特願2011-142142号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

[0002]
 太陽光発電装置において、大きな発電量を得るためには太陽電池への入射光量を増加させる必要がある。入射光量を増加させる一つの手段として、レンズを用いた集光型の太陽電池装置が提案されている(下記の特許文献1参照)。この太陽電池装置は、複数の集光レンズと、複数の太陽電池セルと、架台と、位置検出センサと、形状記憶合金バネを含む架台駆動手段と、を備えている。複数の太陽電池セルは、複数の集光レンズの焦点上にそれぞれ配置されている。位置検出センサは、架台上の一つの集光レンズの焦点に対応する位置に設けられている。架台駆動手段は、位置検出センサの中央に集光スポットが形成されるように架台を移動させるものである。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開平9-199749号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 特許文献1に記載の太陽電池装置の場合、集光レンズを用いて太陽電池セルに太陽光を集光しているため、位置検出センサを用いて太陽の運動に応じて集光レンズの焦点位置と太陽電池セルの設置位置とを精度良く合わせる必要がある。しかしながら、集光レンズの焦点位置と太陽電池セルの設置位置とを精度良く合わせるのは現実的には難しい。これらの位置合わせに僅かな誤差が生じただけでも、発電量が大幅に減少する。また、この太陽電池装置は、正方形を4分割した形状の4枚の集熱板に形状記憶合金バネをそれぞれ接続した構成を有している。そして、各形状記憶合金バネの伸縮の度合いによって集熱板を直交する2方向に移動させている。この構成では、各形状記憶合金バネが外部からの熱の影響等を受けることが考えられ、位置合わせの精度が十分に得られない。
[0005]
 本発明の態様は、上記の課題を解決するためになされたものであって、太陽の運動に応じて十分な発電量を得ることができる太陽光発電装置の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 上記の目的を達成するために、本発明の一態様における太陽光発電装置は、光を少なくとも一つの主面から入射させ内部で伝播させて少なくとも一つの端面から射出させる集光部材と、前記集光部材の前記端面に設置されて前記端面から射出された光を受光して電力を発生する太陽電池素子と、を有する太陽電池モジュールと、前記集光部材の前記主面と交差する仮想面に沿う方向に前記太陽電池モジュールを回転させる追尾装置と、を備える。
[0007]
 本発明の一態様における太陽光発電装置は、前記追尾装置が、太陽の年周運動に応じて前記太陽電池モジュールを回転させてもよい。
[0008]
 本発明の一態様における太陽光発電装置は、前記追尾装置が、太陽の日周運動に応じて前記太陽電池モジュールを回転させてもよい。
[0009]
 本発明の一態様における太陽光発電装置は、前記追尾装置が、前記太陽電池モジュールを回転させる駆動部と、1年の中での日付および時刻の少なくとも一方と前記太陽電池モジュールの回転角度との相関データを有し、前記駆動部を制御する制御部と、を備え、前記制御部が、使用時の日付および時刻の少なくとも一方と前記相関データとに基づいて前記太陽電池モジュールの回転角度を求め、前記駆動部が、前記制御部によって求められた前記回転角度に基づいて前記太陽電池モジュールを回転させてもよい。
[0010]
 本発明の一態様における太陽光発電装置は、前記追尾装置が、外気温の変化に伴って体積もしくは形状が変化する部材を内蔵し、前記太陽電池モジュールを回転させる可動部を備え、前記可動部が前記部材の体積変化もしくは形状変化によって伸縮し、伸縮動作によって前記太陽電池モジュールを回転させてもよい。
[0011]
 本発明の一態様における太陽光発電装置は、前記集光部材が、前記光の入射する主面と反対側の主面に、入射した前記光を反射させて前記光の進行方向を変更する反射面が設けられた形状集光板を含んでもよい。
[0012]
 本発明の一態様における太陽光発電装置は、前記形状集光板が、断面三角形状の構造体を複数有し、前記構造体の一つの傾斜面が前記反射面として機能し、前記構造体の延在方向と垂直な前記仮想面に沿う方向に前記太陽電池モジュールを回転させてもよい。
[0013]
 本発明の一態様における太陽光発電装置は、前記集光部材が、入射した前記光を吸収して蛍光を発する蛍光体を含有する蛍光集光板を含んでもよい。
[0014]
 本発明の一態様における太陽光発電装置は、前記集光部材が、前記光が入射する主面と反対側の主面に、入射した光を反射させて前記光の進行方向を変更する反射面が設けられた形状集光板と、入射した前記光を吸収して蛍光を発する蛍光体を含有する蛍光集光板を含み、前記形状集光板と前記蛍光集光板が、前記光の入射側からこの順に積層されていてもよい。
[0015]
 本発明の一態様における太陽光発電装置は、前記集光部材が、前記光が入射する主面と反対側の主面に、入射した光を反射させて前記光の進行方向を変更する反射面が設けられた形状集光板と、入射した前記光を吸収して蛍光を発する蛍光体を含有する蛍光集光板を含み、前記蛍光集光板と前記形状集光板が、前記光の入射側からこの順に積層されていてもよい。
[0016]
 本発明の一態様における太陽光発電装置は、前記太陽電池モジュールが複数並べて配置されていてもよい。
[0017]
 本発明の一態様における太陽光発電装置は、前記追尾装置が、複数の前記太陽電池モジュールを、一つの回転軸を中心に同時に回転させてもよい。

発明の効果

[0018]
 本発明の態様によれば、太陽の運動に応じて十分な発電量を得ることができる太陽光発電装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0019]
[図1] 第1実施形態の太陽光発電装置を示す斜視図である。
[図2] 第1実施形態の太陽光発電装置の断面図である。
[図3] 太陽の運動を説明するための図である。
[図4] 太陽光発電装置における年周運動角度と集光効率との関係を示すグラフである。
[図5] 第1実施形態の太陽光発電装置の変形例を示す斜視図である。
[図6] 第2実施形態の太陽光発電装置を示す断面図である。
[図7] 比較例の太陽光発電装置における年周運動角度と入射光量比との関係を示すグラフである。
[図8] 第2実施形態の太陽光発電装置における年周運動角度と入射光量比との関係を示すグラフである。
[図9] 第2実施形態の太陽光発電装置の変形例を示す断面図である。
[図10] 第3実施形態の太陽光発電装置を示す断面図である。
[図11] 第3実施形態の太陽光発電装置の変形例を示す断面図である。
[図12] 第4実施形態の太陽光発電装置を示す斜視図である。
[図13] 第4実施形態の太陽光発電装置における年周運動角度と集光効率との関係を示すグラフである。
[図14] 第4実施形態の太陽光発電装置における年周運動角度と入射光量比との関係を示すグラフである。
[図15] 第5実施形態の太陽光発電装置を示す斜視図である。
[図16] 第6実施形態の太陽光発電装置を示す斜視図である。
[図17] 第6実施形態の太陽光発電装置の可動部を示す斜視図である。
[図18] 1年間の平均気温の変化を示すグラフである。
[図19] 1年間の太陽の南中高度の変化を示すグラフである。
[図20] 第6実施形態の太陽光発電装置における年周運動角度と集光効率との関係を示すグラフである。
[図21] 第6実施形態の太陽光発電装置の変形例を示す斜視図である。
[図22] 第6実施形態の変形例の太陽光発電装置の可動部を示す斜視図である。
[図23] 太陽光発電装置の全体構成を示すブロック図である。

発明を実施するための形態

[0020]
[第1実施形態]
 以下、本発明の第1実施形態について、図1~図4を用いて説明する。
 本実施形態では、太陽の年周運動に追尾する太陽電池モジュールを備えた太陽光発電装置の例を挙げる。
 図1は、本実施形態の太陽光発電装置の概略構成を示す斜視図である。図2は、図1のA-A’線に沿う太陽光発電装置の断面図である。
 なお、以下の全ての図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
[0021]
 本実施形態の太陽光発電装置1は、図1に示すように、太陽電池モジュール2と、追尾装置3と、を備えている。太陽電池モジュール2は、図2に示すように、集光板4(集光部材)と太陽電池素子5とがフレーム6に収容された構成を有している。太陽電池モジュール2では、集光板4から採り入れた太陽光を集光板4の端面に設けた太陽電池素子5に導き、太陽電池素子5にて光電変換を生じさせ、太陽光を電気エネルギーとして取り出す。集光板4は、後述するように、主面の法線方向から見た平面形状が長方形状の透光性を有する板体で構成されている。太陽電池素子5は、集光板4の4つの端面のうちの1つの端面に設置されている。集光板4と太陽電池素子5とは、アルミニウム等の金属製のフレーム6の内部に収容された状態で固定されている。
[0022]
 集光板4の内部において、光Lは、概ね太陽電池素子5が配置された側と反対側の端部から太陽電池素子5が配置された側の端部に向けて伝播する。したがって、以下の説明では、集光板4の太陽電池素子5が配置された側と反対側の端部から太陽電池素子5が配置された側の端部に向かう方向を「光の伝播方向X」と称する。以下、各図面においては、集光板4の主面を水平に配置した状態において、光の伝播方向Xをx軸方向とし、集光板4の主面に平行でかつ光の伝播方向Xに垂直な方向をy軸方向とし、集光板4の厚さ方向をz軸方向とする。
[0023]
 集光板4は、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ガラスなどの透明性の高い有機材料もしくは無機材料によって構成されている。ただし、集光板4の材料はこれらの材料に限定されるものではない。集光板4の2つの主面4a,4bのうち、フレーム6の底板に対向する側の主面4bには、主面4bに垂直でかつ光の伝播方向Xに平行な仮想平面(xz平面)で切断した断面が三角形状の凸条7(構造体)が複数形成されている。凸条7のそれぞれは、主面4bに平行でかつ光の伝播方向Xに垂直な方向(y軸方向)に延在している。
[0024]
 1つの凸条7を構成する2つの面7a,7bのうち、第1面7aは主面4bに対して30°の角度をなす傾斜面となっており、第2面7bは主面4bに対して垂直な面となっている。言い換えると、第1面7aは、第2面7bに対して60°の角度をなす傾斜面となっている。図2に示すように、集光板4の2つの主面4a,4bのうち、凸条7が形成された主面4bとは反対側の主面4a(フレーム6の底板と対向しない側の主面)は、太陽光を入射させる面となる。本実施形態の集光板4は、光を入射させる主面4aと反対側の主面4bに、入射した光Lを反射させて、光Lの進行方向を変更する反射面(第1面7a)が設けられた形状集光板である。
[0025]
 本実施形態の場合、凸条7は、集光板4自体が加工され、集光板4と一体に形成されている。凸条7は、例えば元々平坦な集光板4の主面4bを切削加工することによって形成することができる。あるいは、凸条7の形状を反転させた凹形状を有する金型を用いて樹脂の射出成形を行うなどの方法によって凸条7を形成しても良い。
[0026]
 以下、説明の便宜上、集光板4の6つの面のうち、光を入射させる主面(図2におけるxy平面に平行な面)を第1主面4aと称する。第1主面4aと対向する面であって凸条7が設けられた面を第2主面4bと称する。第1主面4aおよび第2主面4bに垂直な面であって光を射出させる面(図1におけるyz平面に平行な面)を第1端面4cと称する。第1端面4cと対向する面を第2端面4dと称する。
[0027]
 集光板4と太陽電池素子5とは、図2に示すように、集光板4の第1端面4cと太陽電池素子5の受光面5aとが対向するように隣接して配置されている。集光板4と太陽電池素子5とは、光学接着剤等により直接固定されていても良い。もしくは、集光板4と太陽電池素子5とは、直接固定されておらず、フレーム6に収容されることで相互の位置が固定される構成であっても良い。
[0028]
 集光板4の第1主面4aに対して太陽光Lが入射角θ0で入射したとすると、太陽光Lは第1主面4aにおいて屈折角θ1で屈折して集光板4内に入射する。その後、凸条7の第1面7aに入射角θ2で入射した光は、反射角θ2で全反射し、第1主面4aと第1面7aとの間で全反射を繰り返しながら集光板4内を伝播し、太陽電池素子6に導かれる。
 このとき、第1面7aへの光の入射角θ2は集光板4の第1主面4aの傾きに応じて変化する。そのため、第1面7aに入射する光Lの入射角θ2が第1面7aと空気との界面における臨界角以上となって光Lが全反射するように、集光板4の第1主面4aの傾きを予め設定する。
[0029]
 太陽電池素子5としては、公知のものを使用することができ、例えばアモルファスシリコン太陽電池素子、多結晶シリコン太陽電池素子、単結晶シリコン太陽電池素子等、種々の太陽電池素子を用いることができる。特に、InGaP、GaAs、InGaAs、AlGaAs、Cu(In,Ga)Se 、Cu(In,Ga)(Se,S) 、CuInS 、CdTe、CdS等の化合物系太陽電池素子、もしくはSi、InGaAs等の量子ドット太陽電池素子を用いることが望ましい。太陽電池素子5の形状および寸法は、集光板4の第1端面4c内に収まる形状および寸法であれば特に限定されることはない。
[0030]
 追尾装置3は、太陽電池モジュール2の全体を太陽の年周運動に追尾させるように駆動するものである。追尾装置3は、回転軸9と、駆動部10と、制御部11と、を備えている。回転軸9は太陽電池モジュール2の一辺に沿って設けられており、太陽電池モジュール2は回転軸9(太陽電池モジュール2の一辺)を中心として第1主面4aと垂直な仮想面(xz平面)に沿う方向に回転する。本実施形態では、太陽光発電装置1を北半球で用いることを前提に説明する。回転軸9は、凸条7の延在方向と平行に設けられており、集光板4の第2端面4d側の辺に沿って配置されている。回転軸9は、日の出および日の入りの方向、すなわち東西方向に向けて配置されている。したがって、太陽電池モジュール2は、回転軸9を中心として太陽の年周運動の方向(南北方向)を含む面内で回転する。
[0031]
 駆動部10は、フレーム6の底面において集光板4の第1端面4c寄りの位置に当接するように配置されている。駆動部10は、鉛直方向(矢印Z方向)に昇降動作を行う電動アクチュエータであり、昇降動作を行うことで太陽電池モジュール2を回転させる。駆動部10は、電動のものに限ることはなく、少ないエネルギーで駆動できるものが好ましい。また、駆動部10は、太陽の年周運動に追尾できれば良いため、それ程速く駆動する必要はなく、駆動速度は問わない。
[0032]
 制御部11は、駆動部10の昇降動作を制御するものである。制御部11は、時計(経時手段)と、1年の中での日付(月日)と太陽電池モジュール2の回転角度とを関連づける相関データと、を備えている。制御部11は、太陽光発電装置1の使用時の日付と相関データとに基づいて太陽電池モジュール2の最適な回転角度を求め、その回転角度に基づいて駆動部10に駆動信号を出力し、太陽電池モジュール2を回転させる。太陽電池モジュール2の回転角度の精度は3°以内であることが好ましい。
[0033]
 ここで、太陽の運動について図3を用いて説明する。
 太陽の運動には、日周運動と年周運動とがある。日周運動は、1日の中で太陽が日の出の時刻とともに北半球においては略東の方角から昇り、日の入りの時刻とともに略西の方角に沈む運動である。また、年周運動は、1年の中で北半球においては夏に太陽の南中高度が最も高くなり、冬に太陽の南中高度が南の方角に低くなるというように、太陽が南北方向に移動して南中高度が変化する運動である。
[0034]
 年周運動について考えると、太陽が南中時に天頂にある場合を南中高度90°とした場合、地球上の緯度E[°]の地点における南中高度N[°]は、1年の中で南中高度が最も高い日(夏至)において、N=90°-E+23.4°で表され、1年の中で南中高度が最も低い日(冬至)において、N=90°-E-23.4°で表される。したがって、1年の中で南中高度が最も高い日(夏至)と南中高度が最も低い日(冬至)との間では、太陽の軌道は南北方向を含む面内で約47°回転する。例えば東京は概ね北緯35°であるから、夏至における南中高度はN=78.4°であり、冬至における南中高度はN=31.6°である。
[0035]
 本実施形態の太陽光発電装置1は、太陽電池モジュール2を太陽の年周運動に追尾させている。そのため、太陽電池モジュール2は1日の中では移動せず、1年の中で南中高度が最も高い日(夏至)と南中高度が最も低い日(冬至)との間で南北方向を含む面内で約47°回転すれば良い。したがって、太陽電池モジュール2は常に回転させる必要はなく、所定の間隔(例えば1週間、1ヶ月等)で間欠的に回転させれば良い。
[0036]
 本実施形態の太陽光発電装置1においては、太陽電池モジュール2を太陽の年周運動に追尾させているため、太陽の年周運動に応じて最も大きな発電量を得られる状態を維持することができる。従来の太陽光発電装置は、集光レンズを用いて集光レンズの焦点位置に配置した太陽電池素子に太陽光を集めていた。そのため、太陽の位置に対する集光レンズの位置合わせに高い精度が要求され、位置合わせにずれが生じると、発電量が減少していた。
[0037]
 これに対し、本実施形態の太陽光発電装置1は、複数の凸条7を備えた集光板4を用いて太陽光を集める構成のため、太陽の位置に対する集光板4の位置合わせにそれ程高い精度が要求されず、大まかな追尾で済む。したがって、本実施形態の太陽光発電装置1によれば、太陽の運動によらずに安定した発電量を得ることができる。また、本実施形態の太陽光発電装置1は簡易な追尾装置を備えれば良いため、製造コストを低減することができる。
[0038]
 図4は、本実施形態と同様の太陽光発電装置において、追尾を行わなかった場合の年周運動角度と集光効率との関係を示すグラフである。図4において、横軸は太陽の年周運動角度[°]、縦軸は集光効率[%]、を示す。パラメータとして、太陽の日周運動角度[°]が0°の場合(図4中、0degで示す)、30°の場合(図4中、30degで示す)、60°の場合(図4中、60degで示す)、の3種類を採用した。
[0039]
 なお、年周運動角度は、図3に示すように、地表上の地点Aから天頂Tに延びる直線を基準として、地点Aと南中時の太陽の位置Cとを結ぶ直線がなす角度のことである。日周運動角度は、地点Aと南中時の太陽の位置Cとを結ぶ直線を基準として、地点Aと日中の任意の時刻での太陽の位置C1とを結ぶ直線がなす角度のことである。集光効率は、集光板4の第1主面4aに入射した太陽光の光量に対する第1端面4cに到達した太陽光の光量の割合である。
[0040]
 図4に示す集光効率の3本の曲線から平均値を計算すると、追尾を行わなかった場合における集光効率は17.76%であった。これに対して、追尾を行った場合には、各曲線において年周運動角度が20°付近のときの集光効率が最も高い状態を維持することができる。その結果、集光効率を22.89%に向上することができる。その結果、発電量を増加することができる。
[0041]
[第1実施形態の変形例]
 以下、本発明の第1実施形態の変形例について、図5を用いて説明する。
 本変形例も、第1実施形態と同様、太陽の年周運動に追尾する太陽電池モジュールを備えた太陽光発電装置の例である。太陽光発電装置の基本構成は、第1実施形態と同様であり、太陽電池モジュールの回転機構が異なるのみである。
 図5は、本変形例の太陽光発電装置の概略構成を示す斜視図である。
 図5において、第1実施形態の図1と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
[0042]
 本変形例の太陽光発電装置14は、図5に示すように、太陽電池モジュール2と、駆動部15と制御部11とからなる追尾装置18と、を備えている。駆動部15は、半円環状の支持部材17を有し、支持部材17が太陽電池モジュール2をフレーム6の下面側から支持している。駆動部15は、自身の中央に設けられた回転軸16を中心として回転することで、太陽電池モジュール2を太陽の年周運動の方向(南北方向)を含む面内で回転させる。
[0043]
 本変形例の太陽光発電装置14においても、太陽の運動によらずに安定した発電量が得られる、簡易な追尾装置を備えることで製造コストを低減できる、といった第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
[0044]
[第2実施形態]
 以下、本発明の第2実施形態について、図6~図8を用いて説明する。
 本実施形態も、第1実施形態と同様、太陽の年周運動に追尾する太陽電池モジュールを備えた太陽光発電装置の例である。太陽光発電装置の基本構成は、第1実施形態と同様であり、太陽電池モジュールの集光板の形態が異なる。
 図6は、本実施形態の太陽光発電装置の概略構成を示す断面図である。
 図6において、第1実施形態の図2と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
[0045]
 本実施形態の太陽光発電装置21は、図6に示すように、太陽電池モジュール22と、追尾装置3と、を備えている。太陽電池モジュール22は、集光板23(集光部材)と太陽電池素子5とがフレーム6に収容された構成を有している。第1実施形態の集光板4は、入射した光を反射させて、光の進行方向を変更する反射面を含む凸条7が複数設けられた形状集光板であった。これに対し、本実施形態の集光板23は、入射した太陽光を吸収して蛍光を発する蛍光体を含有する蛍光集光板で構成されている。集光板23は、蛍光体を含有する蛍光体層24を一対の透明層25で挟持した3層構造の板体である。
[0046]
 蛍光体層24は、例えば可視光や赤外光を吸収して可視光や赤外光を放出する蛍光体、あるいは、紫外光を吸収して可視光を放出する蛍光体を含んでいる。一例として、蛍光体層24は、BASF社製Lumogen F Red 305(商品名)を含んで構成されている。この蛍光体を用いた場合、波長578nmに発光ピークが現れる。使用する蛍光体としては、蛍光量子効率が高いものを用いることが好ましい。
[0047]
 また、より多くの波長域の光を吸収するように、複数種類の蛍光体を混合しても良い。
一例として、BASF社製Lumogen F Violet 570(商品名)を0.02%、BASF社製Lumogen F Yellow 083(商品名)を0.02%、BASF社製Lumogen F Orange 240(商品名)を0.02%、BASF社製Lumogen F Red 305(商品名)を0.02%、NILE BLUE A(CAS登録番号3625-57-8)を0.5%、Ir-140(CAS登録番号53655-17-7)を0.5%、Ir-144(CAS登録番号54849-69-3)を0.5%、量子ドットPbS(硫化鉛)を3%からなる複数種類の蛍光体を含有したものを用いることができる。上記複数種類の蛍光体を含む蛍光体層からは、400nm~1500nm程度の広い波長域を持つ蛍光が放射される。
[0048]
 太陽電池素子5には、第1実施形態と同様、シリコン系太陽電池、化合物系太陽電池、有機系太陽電池などの公知の太陽電池を用いることができる。上述の太陽電池の中でも、化合物半導体を用いた化合物系太陽電池は、高効率の発電が可能であることから本実施形態に好適に用いられる。化合物系太陽電池の一例としては、半導体基板上にInGaAs層とGaAs層とInGaP層とを積層したものが用いられる。この化合物系太陽電池は、例えば400nm~1200nmの波長域で80%以上、500nm~950nmの波長域で95%以上といった高い発電効率を持っている。そのため、上記の蛍光体と上記の化合物系太陽電池とを組み合わせることにより、幅広い波長域で効率の高い発電が可能となる。
[0049]
 追尾装置3は、太陽電池モジュール22の全体を太陽の年周運動に追尾させるように駆動するものである。追尾装置3は、回転軸9と、駆動部10と、制御部11と、を備えている。追尾装置の構成は第1実施形態と同様である。
[0050]
 第1実施形態の場合、集光板4に入射した太陽光を凸条7の反射面で反射させて太陽電池素子5に導く構成であった。そのため、集光板4に対する太陽光の入射角度、すなわち、太陽の位置に対する集光板4の回転角度が集光効率に大きく影響を及ぼしていた。それに対して、本実施形態の場合、集光板23の内部に入射した太陽光を吸収して蛍光発光が生じ、その蛍光を太陽電池素子5に導く形態であるため、集光板23に対する太陽光の入射角度が変化しても、集光効率はほとんど変化しない。
[0051]
 しかしながら、例えば集光板23に対して傾いた位置から太陽光が照射された場合(太陽光の入射角度が大きい場合)は、集光板23の略正面から太陽光が照射された場合(太陽光の入射角度が小さい場合)に比べて入射光量が少なくなる。そのため、本実施形態の太陽光発電装置21においても、太陽の年周運動に太陽電池モジュール22を追尾させることで、太陽の運動によらずに安定した発電量が得られる、簡易な追尾装置を備えることでコストを低減できる、といった第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
[0052]
 図7は、追尾を行わない比較例の太陽光発電装置において、年周運動角度と入射光量比との関係を示すグラフである。図7の横軸は年周運動角度(°)であり、図7の縦軸は入射光量比(%)を示す。図7中、0degは日周運動角度が0°の場合、30degは日周運動角度が30°の場合、60degは日周運動角度が60°の場合を示す。なお、入射光量比とは、年周運動角度を0°とし、日周運動角度を0°としたとき、すなわち、集光板を水平方向に設置した状態で、太陽光が集光板に対して垂直に入射したときの入射光量を100%とした場合の入射光量の比である。また、図8は、年周運動に対する追尾を行う本実施形態の太陽光発電装置において、年周運動角度と入射光量比との関係を示すグラフである。図8の横軸、縦軸は図7と同じである。図8中、0degは日周運動角度が0°の場合、30degは日周運動角度が30°の場合、60degは日周運動角度が60°の場合を示す。
[0053]
 図7に示すように、追尾を行わない比較例の太陽光発電装置においては、太陽の年周運動角度が0°から大きくなるにつれて、集光板に対して傾いた位置から太陽光が照射されるため、入射光量比が小さくなる。これに対し、図8に示すように、追尾を行う本実施形態の太陽光発電装置21においては、年周運動角度が変化しても(太陽の南中高度が変化しても)、年周運動角度が0°のときの入射光量比を維持することができる。図7から平均入射光量比を計算すると、比較例の太陽光発電装置においては、平均入射光量比が68.5%であった。これに対して、図8から平均入射光量比を計算すると、本実施形態の太陽光発電装置21においては、平均入射光量比を74.6%に向上させることができる。
[0054]
[第2実施形態の変形例]
 以下、本発明の第2実施形態の変形例について、図9を用いて説明する。
 上記実施形態では、蛍光体を含有する蛍光体層を一対の透明層で挟持した3層構造の蛍光集光板の例を示したが、必ずしもこの構成に限ることはない。例えば図9に示す太陽光発電装置26の太陽電池モジュール27のように、集光板28の全体に蛍光体が分散された構成であっても良い。ただし、このように集光板28の全体に蛍光体が分散された場合であっても、太陽電池素子5への集光効率を高めるために、集光板28の最表面には蛍光体が配置されていない方が好ましい。
[0055]
 本変形例の太陽光発電装置26においても、太陽の運動によらずに安定した発電量が得られる、簡易な追尾装置を備えることでコストを低減できる、といった第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
[0056]
[第3実施形態]
 以下、本発明の第3実施形態について、図10を用いて説明する。
 本実施形態も、第1実施形態と同様、太陽の年周運動に追尾する太陽電池モジュールを備えた太陽光発電装置の例である。太陽光発電装置の基本構成は、第1実施形態と同様であり、太陽電池モジュールの集光板の形態が異なる。
 図10は、本実施形態の太陽光発電装置の概略構成を示す断面図である。
 図10において、第1実施形態の図2および第2実施形態の図6と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
[0057]
 本実施形態の太陽光発電装置31は、図10に示すように、太陽電池モジュール32と、追尾装置3と、を備えている。太陽電池モジュール32は、第1集光板23(集光部材)と第2集光板4(集光部材)と太陽電池素子5とがフレーム6に収容された構成を有している。第1実施形態の集光板4は、入射した光を反射させて、光の進行方向を変更する反射面を含む凸条7が複数設けられた形状集光板であった。第2実施形態の集光板23は、入射した太陽光を吸収して蛍光を発する蛍光体を含有する蛍光集光板であった。これに対し、本実施形態の集光部材は、第1実施形態の形状集光板と第2実施形態の蛍光集光板とを積層した2枚の集光板4,23で構成されている。
[0058]
 具体的には、本実施形態の場合、太陽光の入射側に設けられた第1集光板23は蛍光集光板で構成されている。太陽光の入射側と反対側に設けられた第2集光板4は形状集光板で構成されている。第1集光板23と第2集光板4とは密着しており、第1集光板23と第2集光板4との間に空気層は介在していない。第1集光板23の第1端面23cと第2集光板4の第1端面4cとは同一面内に配置されており、これらの端面23c,4c上に第1集光板23と第2集光板4に共通の太陽電池素子5が設けられている。なお、第1集光板23と第2集光板4に個別の太陽電池素子が設けられていても良い。
[0059]
 追尾装置3は、太陽電池モジュール32の全体を太陽の年周運動に追尾させるように駆動するものである。追尾装置3は、回転軸9と、駆動部10と、制御部11と、を備えている。追尾装置3の構成は第1実施形態と同様である。
[0060]
 本実施形態の太陽光発電装置31においては、図10に示すように、第1集光板23に入射した太陽光のうち、第1集光板23で吸収できずに漏れ出た光を第2集光板4で受け、第2集光板4の内部を伝播させることができ、全体として集光効率を高めることができる。また、本実施形態の場合、太陽の運動に追尾させることによる集光効率の向上効果が大きい形状集光板(第1集光板23)と、追尾による集光効率の向上効果は小さいが、入射角度の変化に対して安定した光出力が得られる蛍光集光板(第2集光板4)とを組み合わせることによって、より高効率で安定した発電量を得ることができる。さらに、簡易な追尾装置を備えることで製造コストを低減できる、といった上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
[0061]
[第3実施形態の変形例]
 以下、本発明の第3実施形態の変形例について、図11を用いて説明する。
 上記実施形態の太陽光発電装置31では、太陽光の入射側から蛍光集光板、形状集光板の順に積層されていた。この構成とは逆に、太陽光の入射側から形状集光板、蛍光集光板の順に積層されていても良い。すなわち、図11に示す本変形例の太陽光発電装置34の太陽電池モジュール35では、太陽光の入射側に設けられた第1集光板4は形状集光板で構成されている。太陽光の入射側と反対側に設けられた第2集光板23は蛍光集光板で構成されている。第1集光板4の第2集光板23と対向する側には複数の凸条7が設けられている。したがって、第1集光板4と第2集光板23とは密着しておらず、第1集光板4と第2集光板23との間に空気層が介在している。
[0062]
 本変形例の太陽光発電装置34においては、図11に示すように、第1集光板4に入射した太陽光のうち、第1集光板4の反射面7aで反射できずに漏れ出た光を第2集光板23で受け、この光を吸収させて蛍光発光させることができ、全体として集光効率を高めることができる。また、形状集光板と蛍光集光板とを組み合わせることでより高効率で安定した発電量が得られる、簡易な追尾装置を備えることでコストを低減できる、といった上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
[0063]
[第4実施形態]
 以下、本発明の第4実施形態について、図12~図14を用いて説明する。
 第1~第3実施形態では、太陽の年周運動に追尾する太陽電池モジュールを備えた太陽光発電装置の例を示した。これに対して、本実施形態では、太陽の日周運動に追尾する太陽電池モジュールを備えた太陽光発電装置の一例を示す。ただし、太陽光発電装置の基本構成は図5に示した第1実施形態の変形例と同様であり、設置方向が異なる。
 図12は、本実施形態の太陽光発電装置の概略構成を示す斜視図である。
 図12において、第1実施形態の図5と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
[0064]
 本実施形態の太陽光発電装置37は、図12に示すように、太陽電池モジュール2と、駆動部15と、を備えている。駆動部15は、半円環状の支持部材17を有しており、支持部材17が太陽電池モジュール2をフレーム6の下面側から支持している。駆動部15は、自身の中央に設けられた回転軸16を中心として回転することで、太陽電池モジュール2を太陽の日周運動の方向(東西方向)を含む面内で回転させる。太陽電池モジュール2は、毎日、日の出の時刻から日の入りの時刻にわたって太陽の移動に追尾して回転する。
[0065]
 すなわち、本実施形態の太陽光発電装置37は、鉛直方向上方から見たときに、図5に示した太陽光発電装置14を90°回転させた向きに設置したものである。また、太陽電池モジュール2は、北半球においては南側の端部が低く、北側の端部が高く位置するように傾斜して設置されている。南北方向の傾斜角度は、1年間の太陽の南中高度の変化を考慮して、発電量が最も多くなるように設定されている。この傾斜角度は太陽光発電装置37の設置場所の緯度によって決定される。
[0066]
 図13は、本実施形態と同様の太陽光発電装置において、追尾を行わなかった場合における年周運動角度と集光効率との関係を示すグラフである。図13において、横軸は太陽の年周運動角度[°]、縦軸は集光効率[%]、を示している。パラメータとして、太陽の日周運動角度[°]が0°の場合(図13中、0degで示す)、30°の場合(図13中、30degで示す)、60°の場合(図13中、60degで示す)、の3種類を採用した。
[0067]
 図13に示す集光効率の3本の曲線から平均値を計算すると、追尾を行わなかった場合における集光効率は17.76%であった。これに対して、追尾を行った場合には、図13においてハッチングで示した太陽の南中高度の範囲内において、最も集光効率が高い日周運動角度である0°での集光効率を維持することができる。その結果、平均の集光効率を23.36%に向上することができる。その結果、発電量を増加することができる。
[0068]
 図14は、追尾を行わない比較例の太陽光発電装置において、年周運動角度と入射光量比との関係を示すグラフである。図14中、0degは日周運動角度が0°の場合、30degは日周運動角度が30°の場合、60degは日周運動角度が60°の場合を示す。
 図14の横軸は年周運動角度(°)であり、図14の縦軸は入射光量比(%)である。図14に示すように、追尾を行わない比較例の太陽光発電装置においては、年周運動角度が0°から大きくなるにつれて、集光板に対して傾いた位置から太陽光が照射されるため、入射光量比が小さくなる。また、日周運動角度が0°から60°に大きくなるにつれて、集光板に対して傾いた位置から太陽光が照射されるため、入射光量比が小さくなる。これに対して、日周運動に対する追尾を行う本実施形態の太陽光発電装置においては、日周運動角度が変化しても、日周運動角度が0°のときの入射光量比を維持することができる。
[0069]
[第5実施形態]
 以下、本発明の第5実施形態について、図15を用いて説明する。
 本実施形態の太陽光発電装置の基本構成は上記実施形態と同様であり、複数の太陽電池モジュールを備えた点が異なる。
 図12は、本実施形態の太陽光発電装置の概略構成を示す斜視図である。
 図12において、第1実施形態の図5と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
[0070]
 本実施形態の太陽光発電装置41は、図15に示すように、複数の太陽電池モジュール2と、回転軸42と、を備えている。複数の太陽電池モジュール2は共通の回転軸42に取り付けられており、回転軸42には図示しない駆動部(追尾装置)が設けられている。
 駆動部によって回転軸42が回転すると、それに伴って複数の太陽電池モジュール2が同時に回転する構成となっている。本例では、回転軸42が南北方向に延在するように配置され、複数の太陽電池モジュール2が東西方向を含む面内で回転する。すなわち、複数の太陽電池モジュール2が太陽の日周運動を追尾する。ただし、複数の太陽電池モジュール2が太陽の年周運動を追尾する構成としても良い。
[0071]
 本実施形態の太陽光発電装置41においても、太陽の運動によらずに安定した発電量が得られる、簡易な追尾装置を備えることでコストを低減できる、といった上記実施形態と同様の効果を得ることができる。また、複数の太陽電池モジュール2に対して共通の追尾装置を備えているので、追尾装置の構成が簡単になり、追尾装置に要するエネルギーが節減できる。
[0072]
[第6実施形態]
 以下、本発明の第6実施形態について、図16~図20を用いて説明する。
 本実施形態の太陽光発電装置の基本構成は上記実施形態と同様であり、追尾装置の構成が異なる。
 図16は、本実施形態の太陽光発電装置の概略構成を示す斜視図である。
 図16において、第1実施形態の図1と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
[0073]
 本実施形態の太陽光発電装置45は、図16に示すように、太陽電池モジュール2と、追尾装置46と、を備えている。追尾装置46は、支持部47と、2つの可動部48と、を備えている。支持部47は、太陽電池モジュール2の北側の端部を下面から回転可能に支持している。各可動部48は、太陽電池モジュール2の南側の端部を下面から支持している。太陽電池モジュール2は、南北方向を含む面内で太陽の年周運動に追尾して回転する。なお、本実施形態では、2つの可動部48を備えた例を示すが、必ずしも可動部48は2つである必要はなく、少なくとも1つあれば良い。
[0074]
 太陽電池モジュール2は、北半球においては南側の端部が低く、北側の端部が高く位置するように傾斜して設置されている。そして、本実施形態の追尾装置46は、上記実施形態のように時計を備えた制御部を有していない。本実施形態の追尾装置46は、可動部48が外気温の変化を検知して伸縮することで太陽電池モジュールを自動的に回転させる構成となっている。後述するように、追尾装置46では、外気温が高くなったときに可動部48が伸長し、太陽電池モジュール2の南側の端部を持ち上げる方向に太陽電池モジュール2を回転させる。
[0075]
 可動部48は、図17に示すように、外筒49の内部空間に温度変化によって体積が変化する熱膨張材50が充填されている。さらに、支持棒51が、熱膨張材50の上方に上下動可能に装入されている。熱膨張材50としては、熱膨張係数が高く、少量で大きな体積変化を生じる材料を用いることが望ましい。例えば、本実施形態では、熱膨張係数が16~20×10 -15/℃のエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)を用いる。したがって、外気温が高くなると、熱膨張材50の体積が増加して支持棒51を押し上げ、可動部48が伸長して太陽電池モジュール2の南側の端部が上がる方向に太陽電池モジュール2を回転させる。一方、外気温が低くなると、熱膨張材50の体積が減少して支持棒51が下がり、可動部48が縮んで太陽電池モジュール2の南側の端部が下がる方向に太陽電池モジュール2を回転させる。
[0076]
 図18は、東京の1年間の平均気温の変化を示すグラフである。図18の横軸は月、縦軸は平均気温〔℃〕を示している。図19は、東京の1年間の太陽の南中高度の変化を示すグラフである。図18の横軸は月、縦軸は太陽の南中高度〔°〕を示している。図18、図19から判るように、1年間の平均気温の変化と1年間の太陽の南中高度の変化は概ね同じ傾向を示す。したがって、例えば気温が上がる夏季に可動部48が伸び、太陽電池モジュール2がより水平に近い位置に回転する構成とすれば、太陽電池モジュール2の角度を太陽の南中高度に対して最適化することができる。そのためには、可動部48の各部の寸法や熱膨張材の使用量等を最適に設計する必要がある。
[0077]
 図20は、本実施形態と同様の太陽光発電装置において、追尾を行わなかった場合における年周運動角度と集光効率との関係を示すグラフである。図20において、横軸は太陽の年周運動角度[°]、縦軸は集光効率[%]、を示している。パラメータとして、太陽の日周運動角度[°]が0°の場合、30°の場合、60°の場合、の3種類を採用した。
[0078]
 図20に示す集光効率の3本の曲線から平均値を計算すると、追尾を行わなかった場合における集光効率は17.76%であった。これに対して、本実施形態の太陽光発電装置を用いて追尾を行った場合には、図20にハッチングで示した領域のように集光効率が高い年周運動角度の範囲を維持することができる。その結果、集光効率を向上することができる。その結果、発電量を増加することができる。
[0079]
 本実施形態の太陽光発電装置45においても、太陽の運動によらずに安定した発電量が得られる、簡易な追尾装置を備えることでコストを低減できる、といった上記実施形態と同様の効果を得ることができる。特に本実施形態の場合、可動部48の動力として熱膨張材50の膨張、収縮を利用しており、外気温の変化に応じて可動部48が自動的に伸縮する構成としている。そのため、追尾のために新たなエネルギーを必要とせず、消費電力の低減を図ることができる。
[0080]
[第6実施形態の変形例]
 以下、本発明の第6実施形態の変形例について、図21、図22を用いて説明する。
 上記実施形態の太陽光発電装置45では、可動部48を自動的に伸縮させる手段として熱膨張材50を用いた。この構成に代えて、図21に示す本変形例の太陽光発電装置54の追尾装置55では、可動部56を自動的に伸縮させる手段としてバイメタルからなるバネ57を用いている。すなわち、可動部56は、図22に示すように、外気温の変化に応じて形状が変化するバネ57が外筒49の内部空間に収容されている。さらに、支持棒51が、バネ57の上方に上下動可能に装入されている。
[0081]
 バネ57は、バイメタルで構成され、外周側と内周側とが異なる金属で構成されている。例えば、バネ57の外周側はNi-Fe合金で構成され、バネ57の内周側はNi-Mn-Fe合金で構成されている。この場合、バネ57の外周側を構成する金属とバネ57の内周側を構成する金属とは熱膨張係数の差が大きいものを用いることが望ましい。この種のバネ57を用いた場合、外気温が上がると図22の右側のようにバネ57が伸び、外気温が下がると図22の左側のようにバネ57が縮む。
[0082]
 本変形例の太陽光発電装置54においても、太陽の運動によらずに安定した発電量が得られる、簡易な追尾装置を備えることでコストを低減できる、追尾のために新たなエネルギーを必要とせず、消費電力の低減が図れる、といった上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
[0083]
[太陽光発電装置の全体構成]
 以下、本発明の一実施形態である太陽光発電装置について、図23を用いて説明する。
 図23は本実施形態の太陽光発電装置を示すブロック図である。
[0084]
 本実施形態の太陽光発電装置1000は、図23に示すように、上記実施形態の集光板1002と太陽電池素子1003とからなる太陽電池モジュール1001と、追尾装置1008と、インバータ1004と、蓄電池1005と、を有している。太陽電池モジュール1001によって得られた電力はインバータ1004によって直流-交流変換され、外部の負荷1006に出力される。また、他の電力源1007が外部の負荷1006に接続されている。太陽電池モジュール1001によって得られた電力は蓄電池1005に充電され、必要に応じて蓄電池1005から放電される構成となっている。
[0085]
 なお、本発明の態様における技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の態様における趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
 例えば上記実施形態では、導光体として板状体を用いたが、導光体の形状は板状体に限定されることなく、例えば棒状体であっても良く、適宜変更が可能である。その他、上記実施形態における各種構成要素の形状、寸法、数、配置、構成材料、製造方法等については、上記実施形態で例示したものに限らず、適宜変更が可能である。

産業上の利用可能性

[0086]
 本発明の態様は、太陽の運動に追尾するタイプの太陽光発電装置に利用可能である。

符号の説明

[0087]
 1,14,21,26,31,34,37,41,45,54,1000…太陽光発電装置、2,22,27,32,35,1001…太陽電池モジュール、3,18,46,55,1008…追尾装置、4,23,28,1002…集光板(集光部材)、5,1003…太陽電池素子、7…凸条(構造体)、10,15…駆動部、11…制御部、24…蛍光体層、48,56…可動部、50…熱膨張材、57…バネ。

請求の範囲

[請求項1]
 光を少なくとも一つの主面から入射させ内部で伝播させて少なくとも一つの端面から射出させる集光部材と、前記集光部材の前記端面に設置されて前記端面から射出された光を受光して電力を発生する太陽電池素子と、を有する太陽電池モジュールと、
 前記集光部材の前記主面と交差する仮想面に沿う方向に前記太陽電池モジュールを回転させる追尾装置と、を備えたる太陽光発電装置。
[請求項2]
 前記追尾装置が、太陽の年周運動に応じて前記太陽電池モジュールを回転させる請求項1に記載の太陽光発電装置。
[請求項3]
 前記追尾装置が、太陽の日周運動に応じて前記太陽電池モジュールを回転させる請求項1に記載の太陽光発電装置。
[請求項4]
 前記追尾装置が、前記太陽電池モジュールを回転させる駆動部と、1年の中での日付および時刻の少なくとも一方と前記太陽電池モジュールの回転角度との相関データを有し、前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
 前記制御部が、使用時の日付および時刻の少なくとも一方と前記相関データとに基づいて前記太陽電池モジュールの回転角度を求め、前記駆動部が、前記制御部によって求められた前記回転角度に基づいて前記太陽電池モジュールを回転させる請求項1に記載の太陽光発電装置。
[請求項5]
 前記追尾装置が、外気温の変化に伴って体積もしくは形状が変化する部材を内蔵し、前記太陽電池モジュールを回転させる可動部を備え、
 前記可動部が前記部材の体積変化もしくは形状変化によって伸縮し、伸縮動作によって前記太陽電池モジュールを回転させる請求項1に記載の太陽光発電装置。
[請求項6]
 前記集光部材は、前記光が入射する主面と反対側の主面に、入射した前記光を反射させて前記光の進行方向を変更する反射面が設けられた形状集光板を含む請求項1に記載の太陽光発電装置。
[請求項7]
 前記形状集光板は、断面が三角形状の構造体を複数有し、前記構造体の一つの傾斜面が前記反射面として機能し、
 前記構造体の延在方向と垂直な前記仮想面に沿う方向に前記太陽電池モジュールを回転させる請求項6に記載の太陽光発電装置。
[請求項8]
 前記集光部材は、入射した前記光を吸収して蛍光を発する蛍光体を含有する蛍光集光板を含む請求項1に記載の太陽光発電装置。
[請求項9]
 前記集光部材は、前記光が入射する主面と反対側の主面に、入射した光を反射させて前記光の進行方向を変更する反射面が設けられた形状集光板と、入射した前記光を吸収して蛍光を発する蛍光体を含有する蛍光集光板を含み、
 前記形状集光板と前記蛍光集光板は、前記光の入射側からこの順に積層されている請求項1に記載の太陽光発電装置。
[請求項10]
 前記集光部材は、前記光が入射する主面と反対側の主面に、入射した光を反射させて前記光の進行方向を変更する反射面が設けられた形状集光板と、入射した前記光を吸収して蛍光を発する蛍光体を含有する蛍光集光板を含み、
 前記蛍光集光板と前記形状集光板は、前記光の入射側からこの順に積層されている請求項1に記載の太陽光発電装置。
[請求項11]
 前記太陽電池モジュールが複数並べて配置されている請求項1に記載の太陽光発電装置。
[請求項12]
 前記追尾装置が、複数の前記太陽電池モジュールを、一つの回転軸を中心に同時に回転させる請求項11に記載の太陽光発電装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]