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1. (WO2012008300) 油脂組成物
Document

明 細 書

発明の名称 油脂組成物

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007   0008   0009  

課題を解決するための手段

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018  

発明の効果

0019   0020  

発明を実施するための形態

0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045  

実施例

0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 油脂組成物

技術分野

[0001]
 本発明は、油脂組成物に関する。

背景技術

[0002]
 ファーストフードであるハンバーガー、チキンナゲット、ホットドッグ、ドーナツ、フライドポテト、フライドチキン、揚げパン等は、年齢層に関係なく食されており、様々な形態で消費者に提供されている。その中でも、ドーナツ、フライドポテト、フライドチキン等の油脂加熱調理食品の消費量が多く、人気が高い。
[0003]
 これらの油脂加熱調理食品には、独特の物性や風味を出すため、常温で固形状又は半固形状である油脂がよく使われている。また、常温で固形状又は半固形状である油脂とするために、融点の高い水素添加油脂がよく用いられている。
[0004]
 一方、近年、油脂に含まれるトランス脂肪酸は心臓疾患等のリスクを増大させるとの報告がなされている。そのため、トランス脂肪酸を多く含む水素添加油脂に代わる油脂が求められている。
[0005]
 例えば、特許文献1及び特許文献2には、ハイエルシン酸極度硬化油等のC20:0~C22:0の脂肪酸を持つ油脂が開示されている。特許文献3には、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有させたフライ用油脂組成物が開示されている。特許文献4には、極度硬化油にポリグリセリン脂肪酸エステルを5~10重量%配合した油脂組成物が開示されている。特許文献5及び特許文献6には、パーム分別油を使用した油脂組成物が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開2002-238453号公報
特許文献2 : 特開2003-003195号公報
特許文献3 : 特開平9-299027号公報
特許文献4 : 特開2007-267603号公報
特許文献5 : 特開2000-125764号公報
特許文献6 : 特開2000-125765号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 特許文献1及び2の油脂は、食品の口溶け、風味、食感及び熱安定性や酸化安定性等の物性が良好なものであるとされているが、油にじみの抑制や油っぽさの抑制という点では未だ改良の余地が残されている。また、特許文献3及び4の油脂は、油にじみの抑制が図られているが、良好な口溶けの点においては未だ改良の余地が残されている。特許文献5及び6の油脂組成物は、ドーナツのべたつきや油にじみの防止に効果があるとされているが、未だ十分なものとはいえない。
[0008]
 このように、水素添加油脂を使用せずに、良好な口どけを有し、なおかつ、べたつきや油にじみ等の機能を十分に発揮できる油脂組成物は未だ見出されていない。
[0009]
 そこで、本発明は、水素添加油脂を使用せず、食感や風味に優れ、油にじみ等の物性の点でも優れている油脂組成物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0010]
 本発明は、
 (A)ヨウ素価35~58のパーム系油脂40~70質量%、及び
 (B)ヨウ素価25~35のパーム分別油とヨウ素価100~130の液状油とを質量比80:20~100:0で含む混合油脂をエステル交換して得られるエステル交換油脂30~60質量%、からなる油脂100質量部に対し、
 (C)ステアリン酸及び/又はベヘニン酸を構成脂肪酸として含有するポリグリセリン脂肪酸エステルを0.1~5.0質量部含む油脂組成物を提供する。
[0011]
 上記油脂組成物は、特定のパーム系油脂、特定のエステル交換油脂、及び特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを特定量配合していることにより、水素添加油脂を使用することなく、食感や風味に優れるとともに、かつ油にじみが抑制されるという優れた物性を発現することができる。
[0012]
 上記パーム系油脂は、精製パーム油及び/又はパーム中融点画分とすることができる。
[0013]
 上記混合油脂のヨウ素価は、35~50であることが好ましい。混合油脂のヨウ素価をこの範囲にすることで、食感や風味により優れ、油にじみをより一層抑制することができる。
[0014]
 上記ヨウ素価100~130の液状油は、コーン油、大豆油及び菜種油からなる群より選ばれる少なくとも1種の液状油とすることができる。
[0015]
 上記ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率は、60%以上であることが好ましい。これにより、ポリグリセリン脂肪酸エステルの結晶促進効果がより一層発揮され、より優れた食感や風味、より優れた物性(油にじみ抑制)を発現することができる。
[0016]
 上記油脂組成物のトランス脂肪酸含量は、3g/100g以下であることが好ましい。上記油脂組成物は、水素添加油脂を使用しないため、トランス脂肪酸含量を低減することができる。また、トランス脂肪酸含量が、3g/100g以下であることにより、より一層健康に配慮した油脂組成物とすることができ、食品用途での使用に好適である。
[0017]
 本発明はまた、上記油脂組成物で調理した加熱調理食品を提供する。本発明の加熱調理食品は、本発明の油脂組成物を用いて調理されているため、食感や風味に優れており、また、油にじみが抑制されることから、食べやすさに優れている。
[0018]
 上記加熱調理食品は、揚げ物食品とすることが好ましい。本発明の油脂組成物を揚げ物食品に用いることで、優れた食感や風味、油にじみの抑制等の効果がより一層顕著に奏される。

発明の効果

[0019]
 本発明によれば、水素添加油脂を使用せずに、食感や風味に優れ、油にじみ等の物性の点でも優れた油脂組成物を提供することができる。
[0020]
 本発明の油脂組成物を用いて加熱調理されたドーナツ、揚げパン、フライドポテト、フライドチキン等は、食した際に油脂特有の「油っぽい」食感や「油臭い」風味をほとんど感じない。また、食品を手に持った際には、油が手に付着しにくくべとつくことがほとんどない。さらに水素添加油脂を使用しないことから、トランス脂肪酸をほとんど含まず、健康的である。

発明を実施するための形態

[0021]
 本発明の油脂組成物は、(A)ヨウ素価35~58のパーム系油脂(本明細書において、「(A)成分」ともいう。)40~70質量%、及び(B)エステル交換油脂(本明細書において、「(B)成分」ともいう。)30~60質量%からなる油脂100質量部に対し、(C)ステアリン酸及び/又はベヘニン酸を構成脂肪酸として含有するポリグリセリン脂肪酸エステル(本明細書において、「(C)成分」ともいう。)を0.1~5.0質量部含むものである。ここで、(B)エステル交換油脂は、ヨウ素価25~35のパーム分別油とヨウ素価100~130の液状油とを質量比80:20~100:0で含む混合油脂をエステル交換して得られるものである。
[0022]
 (A)ヨウ素価35~58のパーム系油脂には、パームから得られる食用油脂を用いることができる。また、パームから得られる食用油脂をヨウ素価35~58になるように分別したものを用いてもよい。分別は、乾式分別、溶剤分別等により行うことができ、乾式分別により行うことが好ましい。分別前にエステル交換を行ってもよい。このようなパーム系油脂としては、パーム油、パーム中融点画分(パームミッドフラクション(Palm Mid Fraction)、PMFと呼ばれることもある)等が挙げられる。また、複数のパーム系油脂を混合したものでもよい。
[0023]
 上記パーム系油脂のヨウ素価は、35~58である。また、ヨウ素価が35~56であることが好ましく、40~54であることがより好ましく、43~53であることが最も好ましい。ヨウ素価が58よりも高いと油にじみを充分に抑制できず、一方、ヨウ素価が35よりも低いと良好な食感や風味を得ることができない。
[0024]
 また、パーム系油脂としてパーム中融点画分を用いる場合、ヨウ素価は48以下であることが好ましい。
[0025]
 (B)エステル交換油脂を得るために用いられるヨウ素価25~35のパーム分別油とは、パームから得られる食用油脂を、ヨウ素価25~35になるように分別したものである。分別は、乾式分別、溶剤分別等により行うことができ、乾式分別により行うことが好ましい。分別前にエステル交換を行ってもよい。このようなパーム分別油として、パームステアリン等が挙げられる。また、複数のパーム分別油を混合したものでもよい。
[0026]
 (B)エステル交換油脂を得るために用いられるヨウ素価100~130の液状油としては、コーン油、大豆油、菜種油、米油、綿実油、ハイリノールヒマワリ油等の植物性食用油が挙げられる。これらのうち、コーン油、大豆油、菜種油が好ましく、コーン油がより好ましい。また、1種、あるいは2種以上混合してもよい。
[0027]
 エステル交換は、ヨウ素価25~35のパーム分別油及びヨウ素価100~130の液状油を適切な配合量で配合した混合油脂をエステル交換反応させて得ることができる。ここで、ヨウ素価25~35のパーム分別油及びヨウ素価100~130の液状油の配合比は、質量比で80:20~100:0であり、85:15~100:0であることが好ましい。適切な配合量にすることで、良好な食感や風味を得ることができる。
[0028]
 混合油脂は、ヨウ素価が35~50であることが好ましく、35~45であることがより好ましい。混合油脂のヨウ素価は、パーム分別油及び液状油のヨウ素価及び配合比から計算することができる。
[0029]
 (B)エステル交換油脂のエステル交換反応は、化学的エステル交換反応及び酵素的エステル交換反応のいずれによってもよい。化学的エステル交換反応には、ナトリウムメチラート等の化学触媒を触媒として用いることができる。化学的エステル交換反応は、位置特異性の乏しいエステル交換反応となる(ランダムエステル交換反応)。
[0030]
 酵素的エステル交換反応には、リパーゼを触媒として用いることができる。リパーゼには、リパーゼ粉末やリパーゼ粉末をセライト、イオン交換樹脂等の担体に固定化した固定化リパーゼを使用することができる。酵素的エステル交換反応は、用いるリパーゼの種類に応じて、ランダムエステル交換反応、1,3位特異性の高いエステル交換反応となる。ランダムエステル交換反応を行うために用いることのできるリパーゼとしては、アルカリゲネス属由来リパーゼ(例えば、名糖産業株式会社製のリパーゼQLM、リパーゼPL等)、キャンディダ属由来リパーゼ(例えば、名糖産業株式会社製のリパーゼOF等)等が挙げられる。1,3位特異性の高いエステル交換反応を行うために用いることのできるリパーゼとしては、リゾムコールミーハイ由来の固定化リパーゼ(ノボザイムズ社製のリポザイムTLIM、リポザイムRMIM等)等が挙げられる。
[0031]
 (B)エステル交換油脂のエステル交換反応は、ランダムエステル交換反応により行うことが好ましく、ランダムエステル交換反応の中でも化学的エステル交換反応により行うことがより好ましい。
[0032]
 油脂組成物中の(A)成分と(B)成分の配合量は、(A)成分40~70質量%に対して(B)成分30~60質量%である。(A)成分と(B)成分をこのような適切な配合量にすることで、良好な食感や風味を得ることができる。また、(A)成分50~60質量%に対して(B)成分40~50質量%とすることがより好ましい。これにより、より一層良好な食感や風味を得ることができる。
[0033]
 (C)成分は、ポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸にステアリン酸及びベヘニン酸のいずれか一方又は両方を含有するものである。ここで、ポリグリセリン脂肪酸エステルとは、グリセリンを脱水重合して得られるポリグリセリンのヒドロキシ基の一部又は全部が、1種以上の脂肪酸(「構成脂肪酸」という。)とエステル化したものである。
[0034]
 (C)成分は、グリセリンの重合度が、4~10であることが好ましく、4~6であることがより好ましく、6であることが最も好ましい。
[0035]
 (C)成分は、構成脂肪酸に、ステアリン酸を含むもの、ベヘニン酸を含むもの、又はステアリン酸とベヘニン酸の両方を含むものである。その中でも、構成脂肪酸にステアリン酸を含むものがより好ましい。また、全構成脂肪酸のうち、ステアリン酸又はベヘニン酸が占める割合は50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、90%以上であることが特に好ましい。ステアリン酸又はベヘニン酸の割合を50%以上とすることで、油脂組成物の結晶化速度がより速くなり、加熱調理食品の食感や風味がより好ましくなり、油にじみやべとつきがより低減される。
[0036]
 また、(C)成分のエステル化率は、8%~100%であることが好ましく、60%~100%であることがより好ましく、70%~100%であることがさらに好ましい。エステル化率を8%以上とすることで、結晶化速度がより速くなり、加熱調理食品の食感や風味がより好ましくなり、油にじみやべとつきがより低減される。
[0037]
 (C)成分の油脂組成物への添加量は、(A)成分と(B)成分の合計量100質量部に対して、0.1~5.0質量部であり、好ましくは0.1~1.0質量部であり、より好ましくは0.1~0.5質量部である。(C)成分の添加量が0.1質量部より少ないと結晶化速度が遅くなり加熱調理食品の食感や風味に対して好ましくなく、また、油にじみを充分に抑制することができない。逆に、添加量が5.0質量部より多いと口溶けが悪くなる。
[0038]
 本明細書において、トランス脂肪酸含量とは、日本油化学会編「基準油脂分析試験法」暫17-2007トランス脂肪酸含量(キャピラリーガスクロマトグラフ法)により求めた値である。キャピラリーガスクロマトグラフィーによりトランス脂肪酸を分離定量し、それらを油脂組成物100gに対するgとして表す。一般的な水素添加油脂を使用した油脂組成物は、トランス脂肪酸が5~50g/100g程度含まれるが、本発明の油脂組成物は、トランス脂肪酸含量は3g/100g以下であり、好ましくは、2g/100gであり、より好ましくは、1g/100gである。
[0039]
 本明細書において、油脂組成物の33.3℃、60分後の固体脂含量(本明細書において、単に「SFC」ともいう。)とは、以下の方法によって測定した値である。まず、油脂組成物を70℃以上の恒温槽に30分以上保温し、完全に溶解する。続いて固体油脂測定装置の60℃プローブで30分テンパリングを行う。その後、33.3℃プローブに移す。33.3℃プローブに移した時間を0分とし、60分後に油脂組成物中の固体脂含量を測定する。固体油脂測定装置としては、例えばASTEC社製固体油脂測定装置(型番SFC-3000R)を用いることができ、固体脂含量は、例えばNMR法(油化学、第33巻、第3号、33~39頁(1984年))により測定することができる。
[0040]
 本発明者らは、鋭意研究の結果、油脂組成物の30~35℃の固体脂含量の経時的な挙動が、ドーナツをはじめとした加熱調理食品の優れた食感、風味、物性に影響することを見出した。すなわち、上述のSFCは油脂組成物を使用した加熱調理食品の食感、風味、物性の指標となる。
[0041]
 本発明の油脂組成物のSFCは、8%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましい。また、本発明の油脂組成物のSFCは、23%以下であることが更に好ましい。SFCが8%以上であると、加熱調理食品を食した際に油っぽさをほとんど感じることがなく、食感や風味に優れたものとなり、また、油にじみが充分に低減されるため好ましい。一方、SFCが23%を超えると口溶けが好ましくない傾向にある。
[0042]
 本発明の油脂組成物には、機能を阻害しない限り、通常の油脂に用いられる添加剤を適宜配合することができる。具体的には、保存安定性向上、酸化安定性向上、熱安定性向上、低温下での結晶抑制等を目的としたショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ビタミンE、アスコルビン酸脂肪酸エステル、リグナン、コエンザイムQ、γ-オリザノール、ジグリセリド、シリコーン、トコフェロール及びレシチン等が挙げられる。
[0043]
 本発明の加熱調理食品には、炒め物、揚げ物等が含まれる。好ましくは揚げ物である。揚げ物食品には、素揚げ、天ぷら、フライ、唐揚げ、ドーナツ、揚げパン、フライドポテト、フライドチキン等が挙げられる。特に、ドーナツ、揚げパン、フライドポテト、フライドチキンが好ましい。
[0044]
 本発明の油脂組成物は次のようにして製造することができる。まず、(A)成分及び(B)成分を上記で説明した所定量秤量し、これらを加熱(例えば、70℃)しながら撹拌して溶解させる。次に、上記で説明した所定量秤量した(C)成分をこの溶解液に添加し、十分撹拌することにより、油脂組成物を得ることができる。なお、必要に応じて添加剤を上記で説明した所定量秤量し、添加することもできる。
[0045]
 (A)成分及び(B)成分を溶解する条件について、加熱温度は、油脂が溶解する温度であればよいが、60℃~100℃が好ましく、70℃~80℃がより好ましい。温度が低すぎると油脂が十分に溶解しない場合があり、高すぎると油脂の劣化を生じるおそれがある。また、撹拌時間は特に制限はないが、油脂が溶解してから0~60分が好ましく、0分~30分がより好ましい。撹拌時間が長すぎると油脂の劣化を生じるおそれがある。
実施例
[0046]
 次に、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
[0047]
 以下の表1及び表2に、実施例及び比較例において使用した油脂及びポリグリセリン脂肪酸エステルを示す。
〔油脂〕
[表1]


[0048]
〔ポリグリセリン脂肪酸エステル〕
[表2]


[0049]
 使用したポリグリセリン脂肪酸エステルの物性を表3にまとめた。
[表3]


[0050]
〔エステル交換油脂の調製〕
 表4に記載の混合比率(質量比)で混合油脂を調製した。各混合油脂を原料にエステル交換反応を行い、エステル交換油脂を調製した。エステル交換反応は、混合油脂を80℃で十分に脱気した後、混合油脂に触媒としてナトリウムメトキシドを0.2質量%となるように添加し、30分間反応させることにより行った。反応後、水洗し、脱色、脱臭を行い、サンプルとして用いた。
[0051]
[表4]


[0052]
〔油脂組成物の調製〕
 所定量の油脂を測り取り、70℃で溶解した。十分撹拌した後、所定量のポリグリセリン脂肪酸エステル加えた。十分撹拌し、油脂組成物とした。
[0053]
〔SFCの測定〕
 油脂組成物を70℃~80℃の恒温槽に30分以上保温し、完全に溶解した。続いてASTEC社製固体油脂測定装置(型番SFC-3000R)を用い、60℃プローブで30分テンパリングを行った後、33.3℃プローブに移してテンパリングを行った。33.3℃プローブに移した時間を0分とし、60分後に固体脂含量(SFC)をNMR法により測定した。SFCの単位は、「%」(油脂組成物全量に占める固体脂含量)である。SFCが8%以上23%以下である場合、加熱調理食品を食した際に油っぽさをほとんど感じることがなく、口溶けが好ましく、かつ油にじみが充分に低減されていた。
[0054]
〔トランス脂肪酸含量の測定〕
 日本油化学会編「基準油脂分析試験法」暫17-2007トランス脂肪酸含量(キャピラリーガスクロマトグラフ法)に準じて測定を行った。
[0055]
〔ドーナツ官能評価〕
 ドーナツは業務用のミックス粉を使用し、通常の方法で生地を作成し、180℃で2分フライした。フライ3時間後に試食し、食べた際の食感(サクミ、油っぽさ、口溶け)と風味(ドーナツらしさ、油臭さ)について評価を行った。評価値については以下の通りである。
(評価値)
◎: 非常に好ましい
○: 好ましい
△: どちらかといえば好ましい
▲: 普通
×: 好ましくない
[0056]
〔フライドポテト官能評価〕
 フライドポテトは市販の冷凍フライドポテトを用い、180℃で3分間フライした。フライ3時間後に試食し、食べた際の食感(サクミ、油っぽさ、口溶け)と風味(香ばしさ、油臭さ)について評価を行った。評価値についてはドーナツと同様に行った。
[0057]
〔パーム系油脂の比較〕
 表5に記載したように油脂組成物を調製した。油脂組成物の物性測定(トランス脂肪酸含量、SFC)及び官能評価を行った結果を併せて表5に示した。
[0058]
[表5]


[0059]
〔エステル交換油脂の原料油脂〕
 表6に記載したように油脂組成物を調製した。油脂組成物の物性測定(トランス脂肪酸含量、SFC)及び官能評価を行った結果を併せて表6に示した。
[0060]
[表6]


[0061]
〔エステル交換油脂の原料油脂と配合比〕
 表7に記載したように油脂組成物を調製した。油脂組成物の物性測定(トランス脂肪酸含量、SFC)及び官能評価を行った結果を併せて表7に示した。
[0062]
[表7]


[0063]
〔エステル交換反応の有無〕
 表8に記載したようにエステル交換反応する前の混合物、又はエステル交換反応した後のエステル交換油脂で油脂組成物を調製した。油脂組成物の物性測定(トランス脂肪酸含量、SFC)及び官能評価を行った結果を併せて表8に示した。
[0064]
[表8]


[0065]
〔ポリグリセリン脂肪酸エステルの添加量〕
 表9に記載したように油脂組成物を調製した。油脂組成物の物性測定(トランス脂肪酸含量、SFC)及び官能評価を行った結果を併せて表9に示した。
[0066]
[表9]


[0067]
〔ポリグリセリン脂肪酸エステルの比較〕
 表10に記載したように油脂組成物を調製した。油脂組成物の物性測定(トランス脂肪酸含量、SFC)及び官能評価を行った結果を併せて表10に示した。
[0068]
[表10]


[0069]
〔加熱調理用食品の例〕
 冷凍チキンスティック(味の素冷食株式会社製)を使用し、実施例2の油脂組成物を用いて、180℃でフライした。フライ3時間後に試食し、食べた際の食感と風味について評価を行ったところ、非常に好ましい風味と食感を有していた。

請求の範囲

[請求項1]
 (A)ヨウ素価35~58のパーム系油脂40~70質量%、及び
 (B)ヨウ素価25~35のパーム分別油とヨウ素価100~130の液状油とを質量比80:20~100:0で含む混合油脂をエステル交換して得られるエステル交換油脂30~60質量%、からなる油脂100質量部に対し、
 (C)ステアリン酸及び/又はベヘニン酸を構成脂肪酸として含有するポリグリセリン脂肪酸エステルを0.1~5.0質量部含む油脂組成物。
[請求項2]
 前記パーム系油脂が、精製パーム油及び/又はパーム中融点画分である、請求項1に記載の油脂組成物。
[請求項3]
 前記混合油脂のヨウ素価が35~50である、請求項1又は2に記載の油脂組成物。
[請求項4]
 前記ヨウ素価100~130の液状油が、コーン油、大豆油及び菜種油からなる群より選ばれる少なくとも1種の液状油である、請求項1~3のいずれか一項に記載の油脂組成物。
[請求項5]
 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率が60%以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の油脂組成物。
[請求項6]
 トランス脂肪酸含量が3g/100g以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の油脂組成物。
[請求項7]
 請求項1~6のいずれか一項に記載の油脂組成物で調理した加熱調理食品。
[請求項8]
 前記加熱調理食品が、揚げ物食品である請求項7に記載の加熱調理食品。