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1. (WO2012002178) 光学フィルム用粘着剤層、粘着型光学フィルムおよび画像表示装置
Document

明 細 書

発明の名称 光学フィルム用粘着剤層、粘着型光学フィルムおよび画像表示装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010  

先行技術文献

特許文献

0011  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0012   0013  

課題を解決するための手段

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026  

発明の効果

0027  

発明を実施するための形態

0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105  

実施例

0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

明 細 書

発明の名称 : 光学フィルム用粘着剤層、粘着型光学フィルムおよび画像表示装置

技術分野

[0001]
 本発明は、水分散型粘着剤から形成された光学フィルム用粘着剤層に関する。また本発明は、当該粘着剤層が光学フィルムに積層された粘着型光学フィルムに関する。さらには、本発明は、前記粘着型光学フィルムを用いた液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、PDP等の画像表示装置および前面板などの画像表示装置と共に使用される部材、に関する。前記光学フィルムとしては、偏光板、位相差板、前面板、光学補償フィルム、輝度向上フィルムや、反射防止フィルム等の表面処理フィルム、さらにはこれらが積層されているものを用いることができる。

背景技術

[0002]
 液晶表示装置および有機EL表示装置は、その画像形成方式、例えば、液晶表示装置では、から液晶セルの両側に偏光素子を配置することが必要不可欠であり、一般的には偏光子の片面または両面に透明保護フィルムを貼り合わせた偏光板が貼着されている。また液晶パネルおよび有機ELパネル等の表示パネルには偏光板の他に、ディスプレイの表示品位を向上させるために様々な光学素子が用いられるようになってきている。また液晶表示装置や有機EL表示装置、CRT、PDP等の画像表示装置を保護したり、高級感を付与したり、デザインを差別化するために前面板が使用されている。これら液晶表示装置および有機EL表示装置等の画像表示装置や前面板などの画像表示装置と共に使用される部材には、例えば、着色防止としての位相差板、液晶ディスプレイの視野角を改善するための視野角拡大フィルム、さらにはディスプレイのコントラストを高めるための輝度向上フィルム、表面の耐擦傷性を付与するために用いられるハードコートフィルム、画像表示装置に対する写り込みを防止するためのアンチグレア処理フィルム、アンチリフレクティブフィルム、ローリフレクティブフィルムなどの反射防止フィルム等の表面処理フィルム等が用いられる。これらのフィルムは総称して光学フィルムと呼ばれる。
[0003]
 前記光学フィルムを液晶セルおよび有機ELパネル等の表示パネル、または前面板に貼着する際には、通常、粘着剤が使用される。また、光学フィルムと液晶セルおよび有機ELパネル等の表示パネル、または前面板、または光学フィルム間の接着は、通常、光の損失を低減する。そのため、それぞれの材料は粘着剤を用いて密着されている。このような場合に、光学フィルムを固着させるのに乾燥工程を必要としないこと等のメリットを有することから、光学フィルムの片側に、粘着剤が予め粘着剤層として設けられた粘着型光学フィルムが一般的に用いられる。
[0004]
 前記偏光板に用いられる透明保護フィルムとしては、トリアセチルセルロースフィルムが賞用されてきた。しかしながら、トリアセチルセルロースは耐湿熱性が十分でなく、トリアセチルセルロースフィルムを透明保護フィルムとして用いた偏光板を高温または高湿下において使用すると、偏光度や色相等の偏光板の性能が低下するという欠点があった。またトリアセチルセルロースフィルムは斜め方向の入射光に対して位相差を生じる。かかる位相差は、近年、液晶ディスプレイの大型化が進むにしたがい、顕著に視野角特性に影響を及ぼす。上記の問題を解決するために、透明保護フィルムの材料としてトリアセチルセルロースの代わりに環状オレフィン系樹脂が提案されている。環状オレフィン系樹脂は透湿性が低く、また斜め方向の位相差がほとんど無い。
[0005]
 しかし、透明保護フィルムの材料として環状オレフィン系樹脂を用いた偏光板に係わる粘着型光学フィルムは、環状オレフィン系樹脂の低透湿性ゆえに、これをガラス基板に貼り合せた状態で、高温環境下に放置する耐久性において発泡が生じる問題がある。かかる発泡に係わる問題は、透明保護フィルムの材料として、トリアセチルセルロースでは起こらなかった問題である。
[0006]
 前記粘着型光学フィルムにおける、発泡に関する問題を制御する方法としては、例えば、飽和吸水率が0.60重量%以下で、かつ剥離側被着体に対する90度剥離接着力が600g/20mm以下である粘着剤層を用いることが提案されている(特許文献1)。前記特許文献1は、飽和吸水率を小さく制御することで発泡を抑制できることは記載されている。しかし、偏光板の透明保護フィルムの材料として低透湿性の環状オレフィン系樹脂を用いた場合において、単に、飽和吸水率を低下させるだけでは、発泡を抑えることはできていなかった。
[0007]
 一方、近年では、地球環境負荷の低減、作業安定性の向上の観点から有機溶剤を使用しない無溶剤型粘着剤の開発が盛んになされている。無溶剤型粘着剤としては、例えば、分散媒として水を用いて、水中に粘着剤ポリマー成分を分散させた水分散型粘着剤が知られている。このような水分散型粘着剤として、例えば、共重合体エマルジョンを含む感圧接着剤組成物であって、前記共重合体が、共重合体全体に対して10~50重量%の(A)メタクリル酸2-エチルヘキシルが共重合されており、かつ、前記共重合体のガラス転移温度が-25℃以下である感圧性接着剤組成物、が提案されている(特許文献2)。
[0008]
 しかしながら、特許文献2に記載の水分散型粘着剤により形成された粘着剤層は、ポリオレフィンなどの疎水性被着体に対する接着性が改善されるものの、ガラスなどの親水性被着体に対する接着性が低く、液晶表示装置などに用いられるガラス基板への接着に劣る不具合がある。また、液晶表示装置などに用いられる光学フィルムの分野では、苛酷な加熱や加湿の環境下においても密着性が低下しない高い耐熱性や耐湿性が要求されるため、特許文献2に記載の水分散型粘着剤の光学フィルムへの適用は困難であった。また、水分散型粘着剤組成物により形成された粘着剤層には、界面活性剤などの水溶性成分が含まれており、特許文献1の水分散型粘着剤組成物を適用して粘着剤層を形成したとしても、加湿耐久性を満足することができない。
[0009]
 また、前記耐久性を向上させるため、光学フィルムの分野でいくつかの提案がなされている。例えば、液晶パネルのガラス基板に対する密着性を向上できる光学フィルム用の水分散型粘着剤として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとともにシラン系単量体を用いアクリル系ポリマーのエマルションを用いることが提案されている(特許文献3)。
[0010]
 しかしながら、特許文献3に記載の水分散型粘着剤により形成された粘着剤層は、トリアセチルセルロースフィルムを用いた光学フィルムに対しては加熱耐久性を満足できるが、環状オレフィン系樹脂を用いた光学フィルムに対しては、環状オレフィン系樹脂の低透湿性ゆえに、これをガラス基板に貼り合せた状態では高温環境下で発泡が生じ、加熱耐久性を十分に満足できるものではなかった。

先行技術文献

特許文献

[0011]
特許文献1 : 特開平09-281336号公報
特許文献2 : 特開2001-254063号公報
特許文献3 : 特開2007-186661号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0012]
 本発明は、光学フィルムに適用される、水分散型粘着剤により形成された粘着剤層であって、粘着剤層が積層される側の光学フィルムが低透湿性の材料を用いて形成されている場合であっても、高温環境下での加熱耐久性を満足でき、かつ、高湿環境下での加湿耐久性を満足することができる、光学フィルム用粘着剤層を提供することを目的とする。
[0013]
 また、本発明は、光学フィルムの少なくとも片側に、前記光学フィルム用粘着剤層が積層されている粘着型光学フィルムを提供することを目的にする。さらに発明は、前記粘着型光学フィルムを用いた画像表示装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0014]
 本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記の光学フィルム用粘着剤層により前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
[0015]
 即ち本発明は、光学フィルム用粘着剤層であって、
 前記粘着剤層は、
 アルキル基の炭素数が1~3の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)およびアルコキシシリル基含有モノマー(a2)のいずれか少なくとも1種、並びに、
 アルキル基の炭素数が4~14の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)を含有するモノマー混合物を、
 ラジカル重合性官能基を有する反応性界面活性剤およびラジカル重合開始剤の存在下に水中で乳化重合することにより得られた(メタ)アクリル系ポリマーのエマルションを含有する水分散型粘着剤を塗布した後、乾燥することにより形成されたものであり、
 かつ、前記反応性界面活性剤の割合が、モノマー混合物100重量部に対して0.3~3重量部であり、
 かつ、前記粘着剤層は、50℃、90%R.H.における飽和吸水率が1.2~3.2重量%であることを特徴とする光学フィルム用粘着剤層、に関する。
[0016]
 前記光学フィルム用粘着剤層において、前記反応性界面活性剤の割合は、モノマー混合物100重量部に対して0.3~2重量部未満であることが好ましい。
[0017]
 前記光学フィルム用粘着剤層において、モノマー混合物は、モノマー混合物の総量に対して、
 アルキル基の炭素数が1~3の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)0.1~40重量%、および、
 アルキル基の炭素数が4~14の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)50~99.9重量%、
 を含有することが好ましい。
[0018]
 前記光学フィルム用粘着剤層において、モノマー混合物は、モノマー混合物の総量に対して、
 アルコキシシリル基含有モノマー(a2)0.001~1重量%、および、
 アルキル基の炭素数が4~14の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)89~99.999重量%、
 を含有することが好ましい。
[0019]
 前記光学フィルム用粘着剤層において、モノマー混合物は、モノマー混合物の総量に対して、
 アルキル基の炭素数が1~3の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)0.1~40重量%、
 アルコキシシリル基含有モノマー(a2)0.001~1重量%、および、
 アルキル基の炭素数が4~14の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)89~99.999重量%、
 を含有することが好ましい。
[0020]
 前記光学フィルム用粘着剤層において、モノマー混合物は、モノマー混合物の総量に対して、カルボキシル基含有モノマー(c)0.1~10重量%を含有することが好ましい。
[0021]
 前記粘着剤層は、
 環境下60℃、7%R.H.での伸び率(L60)が200%以下であり、
 環境下60℃、7%R.H.での伸び率(L60)と、環境下60℃、90%R.H.での伸び率(L60-90)との比率{(L60-90)/(L60)}が1.5以上であることが好ましい。
[0022]
 但し、伸び率は、粘着剤層を断面積4.6mm 、長さ30mmの円柱形状の試験片に成形して、当該試験片を60℃、7%R.H.または60℃、90%R.H.の環境下に1時間放置した後の長さL0(mm)と、その後、試験片の一端を固定して、試験片の他端に12gのおもりを取り付けて、試験片を60℃、7%R.H.または60℃、90%R.H.の環境下に2時間垂下させた後の試験片の長さL1(mm)から、下記式により算出される。
 伸び率(%)={(L1-L0)/L0}×100。
[0023]
 また本発明は、光学フィルムの少なくとも片側に、前記光学フィルム用粘着剤層が積層されていることを特徴とする粘着型光学フィルム、に関する。
[0024]
 前記粘着型光学フィルムにおいて、前記粘着剤層が積層される側の光学フィルムは、80℃、90%R.H.での透湿度が1000g/m /24h以下である場合にも好適に適用できる。
[0025]
 前記光学フィルムとしては、偏光子の少なくとも片面に透明保護フィルムを設けた偏光板が挙げられる。
[0026]
 また本発明は、前記粘着型光学フィルムを少なくとも1枚用いていることを特徴とする画像表示装置、に関する。

発明の効果

[0027]
 本発明の光学フィルム用粘着剤層は、水分散型粘着剤により形成された粘着剤層であり、当該水分散型粘着剤のベースポリマーである(メタ)アクリル系ポリマーとして、上記組成のモノマー混合物を上記所定量のラジカル重合性官能基を有する反応性界面活性剤を用いて乳化重合することにより得られるものを用いている。かつ本発明の前記粘着剤層に係わる飽和吸水率は、上記所定範囲(1.2~3.2重量%)に制御している。このように、本発明の光学フィルム用粘着剤層は、当該粘着剤層を形成する水分散型粘着剤の組成と、形成される粘着剤層の飽和吸水率を制御することにより、加熱耐久性および加湿耐久性を満足している。

発明を実施するための形態

[0028]
 本発明の光学フィルム用粘着剤層は、水分散型粘着剤を塗布した後、乾燥することにより形成されたものである。当該粘着剤層は飽和吸水率が1.2~3.2重量%を満足するように制御されている。
[0029]
 前記粘着剤層の飽和吸水率が3.2重量%を超える場合には、粘着剤層に蓄えられる水分が多くなる。その結果、高温環境下において、粘着剤層から多くの水分が気化膨張して発泡が起こりやすく、加熱耐久性を満足できない。また、高湿環境下では水により粘着剤層が可塑化して凝集力の低下が大きくなりハガレが生じやすく、加湿耐久性を満足できない。一方、前記粘着剤層の飽和吸水率の割合が1.2重量%よりも少ない場合には、当該粘着剤層に蓄えられる水分が少なくなる。その結果、粘着剤層が硬くなり、界面密着性が低下して高湿環境下においてハガレが生じやすく、加湿耐久性を満足できない。前記粘着剤層の飽和吸水率は好ましくは1.4~2.5重量%であり、より好ましくは1.4~2重量%である。
[0030]
 前記粘着剤層の形成には、所定組成のモノマー混合物に対して、所定量のラジカル重合性官能基を有する反応性界面活性剤およびラジカル重合開始剤の存在下に水中で乳化重合することにより得られた(メタ)アクリル系ポリマーのエマルションを含有する水分散型粘着剤(エマルション型粘着剤)が用いられる。
[0031]
 前記モノマー混合物は、アルキル基の炭素数が1~3の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)およびアルコキシシリル基含有モノマー(a2)のいずれか少なくとも1種、並びに、アルキル基の炭素数が4~14の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)を含有する。アルキル基の炭素数が4~14の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)は、(メタ)アクリル系ポリマーに粘着性を付与するための主成分であり、アルキル基の炭素数が1~3の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)およびアルコキシシリル基含有モノマー(a2)は、(メタ)アクリル系ポリマーに凝集力を付与するための成分である。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルはアクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルをいい、本発明の(メタ)とは同様の意味である。
[0032]
 アルキル基の炭素数が1~3の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸iso-プロピルが挙げられる。これらのなかでも、メタクリル酸メチルが好ましい。
[0033]
 アルコキシシリル基含有モノマー(a2)は、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を1個以上有し、かつ、アルコキシシリル基を有する、シランカップリング剤系不飽和モノマーである。
[0034]
 前記アルコキシシリル基含有モノマー(a2)としてはアルコキシシリル基含有(メタ)アクリレートモノマーや、アルコキシシリル基含有ビニルモノマーなどが含まれる。アルコキシシリル基含有(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシメチル-トリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチル-トリエトキシシラン、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-トリメトキシシラン、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-トリエトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル-トリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル-トリエトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル-トリプロポキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル-トリイソプロポキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル-トリブトキシシランなどの(メタ)アクリロイルオキシアルキル-トリアルコキシシラン;例えば、(メタ)アクリロイルオキシメチル-メチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチル-メチルジエトキシシラン、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-メチルジメトキシシラン、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-メチルジエトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル-メチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル-メチルジエトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル-メチルジプロポキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル-メチルジイソプロポキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル-メチルジブトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル-エチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル-エチルジエトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル-エチルジプロポキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル-エチルジイソプロポキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル-エチルジブトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル-プロピルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル-プロピルジエトキシシランなどの(メタ)アクリロイルオキシアルキル-アルキルジアルコキシシランや、これらに対応する(メタ)アクリロイルオキシアルキル-ジアルキル(モノ)アルコキシシランなどが挙げられる。また、アルコキシシリル基含有ビニルモノマーとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシランなどのビニルトリアルコキシシランの他、これらに対応するビニルアルキルジアルコキシシランや、ビニルジアルキルアルコキシシラン、例えば、ビニルメチルトリメトキシシラン、ビニルメチルトリエトキシシラン、β-ビニルエチルトリメトキシシラン、β-ビニルエチルトリエトキシシラン、γ-ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ-ビニルプロピルトリエトキシシラン、γ-ビニルプロピルトリプロポキシシラン、γ-ビニルプロピルトリイソプロポキシシラン、γ-ビニルプロピルトリブトキシシランなどのビニルアルキルトリアルコキシシランの他、これらに対応する(ビニルアルキル)アルキルジアルコキシシランや、(ビニルアルキル)ジアルキル(モノ)アルコキシシランなどが挙げられる。
[0035]
 前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)が有するアルキル基は炭素数が4~14であり、当該アルキル基は直鎖または分岐鎖のいずれでもよい。炭素数が4~14のアルキル基としては、例えば、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2-エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、等を例示できる。これらのなかでも、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n-オクチル等のアルキル基の炭素数が4~9の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
[0036]
 前記モノマー混合物としては、例えば、下記の場合を例示できる。
 モノマー混合物(1):炭素数1~3の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)、および炭素数4~14の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)を含有する場合。
 モノマー混合物(2):アルコキシシリル基含有モノマー(a2)、および炭素数4~14の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)を含有する場合。
 モノマー混合物(3):炭素数1~3の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)、アルコキシシリル基含有モノマー(a2)、および、炭素数4~14の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)を含有する場合。
[0037]
 前記モノマー混合物(1)は、モノマー混合物の総量に対して、炭素数1~3の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)0.1~40重量%、および、炭素数4~14の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)50~99.9重量%、を含有することが好ましい。
[0038]
 前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)の割合を0.1重量%以上とすることで粘着剤層に好適な凝集力を付与することができ、高温環境下での粘着剤層の発泡を抑えて、加熱耐久性を満足するうえで好ましい。また、40重量%以下とすることで、粘着剤層が硬くなりすぎるのを抑えることができ、高温、高湿環境下でのハガレを抑えて、加熱、加湿耐久性を満足するうえで好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)の前記割合は1~30重量%がより好ましく、さらには5~20重量%が好ましい。
[0039]
 一方、前記モノマー混合物(1)では、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)は、50~99.9重量%を含有することが好ましく、さらには60~99重量%、さらには70~95重量%、さらには75~90重量%であるのが好ましい。
[0040]
 前記モノマー混合物(2)は、モノマー混合物の総量に対して、アルコキシシリル基含有モノマー(a2)0.001~1重量%、および、炭素数4~14の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)89~99.999重量%、を含有することが好ましい。
[0041]
 前記アルコキシシリル基含有モノマー(a2)の割合を0.001重量%以上とすることで粘着剤層に好適な凝集力を付与することができ、高温環境下での粘着剤層の発泡を抑えて、加熱耐久性を満足するうえで好ましい。また、アルコキシシリル基含有モノマー(a2)、架橋構造の付与、ガラスへの密着性の効果が得られるうえからも好ましい。また、1重量%以下とすることで、粘着剤層の架橋度が高くなりすぎて、粘着剤層が硬くなりすぎるのを抑えることができ、高温、高湿環境下でのハガレを抑えて、加熱、加湿耐久性を満足するうえで好ましい。前記アルコキシシリル基含有モノマー(a2)の前記割合は、0.01~0.5重量%がより好ましく、さらには0.03~0.1重量%であるのが好ましい。
[0042]
 一方、前記モノマー混合物(2)では、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)は、89~99.999重量%を含有することが好ましく、さらには90~99.9重量%が好ましく、さらには95~99重量%であるのが好ましい。
[0043]
 前記モノマー混合物(3)では、モノマー混合物の総量に対して、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)0.1~40重量%、アルコキシシリル基含有モノマー(a2)0.001~1重量%、を含有することが好ましく、これらの割合は前記同様の好ましい範囲で調整することができる。即ち、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)の前記割合は、1~30重量%がより好ましく、さらには5~20重量%が好ましい。前記アルコキシシリル基含有モノマー(a2)の前記割合は、0.01~0.5重量%がより好ましく、さらには0.03~0.1重量%であるのが好ましい。前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)の割合は、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)、アルコキシシリル基含有モノマー(a2)に応じて調整することができる。
[0044]
 前記(メタ)アクリル系ポリマーを形成するモノマー混合物には、前記例示のモノマーの他に、水分散液の安定化、粘着剤層の光学フィルム等の基材に対する密着性の向上、さらには、被着体に対する初期接着性の向上などを目的として、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合に係る重合性の官能基を有する、1種類以上の共重合モノマーを共重合により導入することができる。
[0045]
 前記共重合モノマーとしては、粘着剤層の接着性向上とエマルションへの安定性付与のために、カルボキシル基含有モノマーを用いることが好ましい。カルボキシル基含有モノマーは、カルボキシル基および(メタ)アクリロイル基、ビニル基等のラジカル重合性の不飽和二重結合を有するものを例示でき、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレートなどが挙げられる。
[0046]
 カルボキシル基含有モノマーは、モノマー混合物の総量に対して、0.1~10重量%含有するのが好ましく、さらには0.5~7重量%、さらには1~5重量%であるのが好ましい。カルボキシル基含有モノマーの割合を0.1重量%以上とすることで、エマルションに機械的な安定性を付与でき、エマルションにシェアがかかった場合の凝集物の発生を抑えることができる。また、10重量%以下とすることは、粘着剤層の水溶性を抑えて、加湿耐久性を満足させるうえで好ましい。
[0047]
 また、共重合モノマーの具体例としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマー;例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニルなどの(メタ)アクリル酸脂環式炭化水素エステル;例えば、(メタ)アクリル酸フェニルなどの(メタ)アクリル酸アリールエステル、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;例えば、スチレンやα-メチルスチレンなどのスチレン系モノマー;例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのエポキシ基含有モノマー;例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチルなどのヒドロキシル基含有モノマー;例えば、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t-ブチルアミノエチルなどの窒素原子含有モノマー;例えば、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどのアルコキシ基含有モノマー;例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ基含有モノマー;例えば、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどの官能性モノマー;例えば、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレンなどのオレフィン系モノマー;例えば、ビニルエーテルなどのビニルエーテル系モノマー;例えば、塩化ビニルなどのハロゲン原子含有モノマー;その他、例えば、N-ビニルピロリドン、N-(1-メチルビニル)ピロリドン、N-ビニルピリジン、N-ビニルピペリドン、N-ビニルピリミジン、N-ビニルピペラジン、N-ビニルピラジン、N-ビニルピロール、N-ビニルイミダゾール、N-ビニルオキサゾール、N-ビニルモルホリンなどのビニル基含有複素環化合物や、N-ビニルカルボン酸アミド類などが挙げられる。
[0048]
 また、共重合性モノマーとして、例えば、N-シクロヘキシルマレイミド、N-イソプロピルマレイミド、N-ラウリルマレイミド、N-フェニルマレイミドなどのマレイミド系モノマー;例えば、N-メチルイタコンイミド、N-エチルイタコンイミド、N-ブチルイタコンイミド、N-オクチルイタコンイミド、N-2-エチルヘキシルイタコンイミド、N-シクロヘキシルイタコンイミド、N-ラウリルイタコンイミドなどのイタコンイミド系モノマー;例えば、N-(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N-(メタ)アクリロイル-6-オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N-(メタ)アクリロイル-8-オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系モノマー;例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマーが挙げられる。
[0049]
 また、共重合性モノマーとしては、リン酸基含有モノマーが挙げられる。リン酸基含有モノマーとしては、例えば、下記一般式(1):
[化1]


(一般式(1)中、R 1は、水素原子またはメチル基を示し、R 2は炭素数1~4のアルキレン基、mは2以上の整数を示し、M 1およびM 2は、それぞれ独立に、水素原子またはカチオンを示す。)で表されるリン酸基またはその塩を示す。)で表されるリン酸基含有モノマーが挙げられる。
[0050]
 なお、一般式(1)中、mは、2以上、好ましくは、4以上、通常40以下であり、mは、オキシアルキレン基の重合度を表す。また、ポリオキシアルキレン基としては、例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等が挙げられ、これらポリオキシアルキレン基は、これらのランダム、ブロックまたはグラフトユニットなどであってもよい。また、リン酸基の塩に係る、カチオンは、特に制限されず、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、例えば、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属などの無機カチオン、例えば、4級アミン類などの有機カチオンなどが挙げられる。
[0051]
 また、共重合性モノマーとして、例えば、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどのグリコール系アクリルエステルモノマー;その他、例えば、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルや、フッ素(メタ)アクリレートなどの複素環や、ハロゲン原子を含有するアクリル酸エステル系モノマーなどが挙げられる。
[0052]
 さらに、共重合性モノマーとして、水分散型粘着剤のゲル分率の調整などのために、多官能性モノマーを用いることができる。多官能モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を2個以上有する化合物などが挙げられる。例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(モノまたはポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレートや、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(モノまたはポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(モノまたはポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの他、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化物;ジビニルベンゼン等の多官能ビニル化合物;(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル等の反応性のこと不飽和二重結合を有する化合物等が挙げられる。また、多官能性モノマーとしては、ポリエステル、エポキシ、ウレタンなどの骨格にモノマー混合物と同様の官能基として(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を2個以上付加したポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどを用いることもできる。
[0053]
 前記共重合性モノマー(カルボキシル基含有モノマーを除く)の配合割合は、モノマー混合物の総量に対して、例えば、10重量%以下が好ましく、さらには5重量%以下が好ましい。
[0054]
 前記モノマー混合物の乳化重合は、常法により、モノマー混合物を水に乳化させて行う。これにより(メタ)アクリル系ポリマーをベースポリマーとして含有するエマルションを調製する。乳化重合は、例えば、上記したモノマー混合物は、所定量のラジカル重合性官能基を有する反応性界面活性剤およびラジカル重合開始剤の存在下、必要に応じて連鎖移動剤などが適宜配合されて行なわれる。より具体的には、例えば、一括仕込み法(一括重合法)、モノマー滴下法、モノマーエマルション滴下法などの公知の乳化重合法を採用することができる。なお、モノマー滴下法では、連続滴下または分割滴下が適宜選択される。これらの方法は適宜に組み合わせることができる。反応条件などは、適宜選択されるが、重合温度は、例えば、40~95℃程度であるのが好ましく、重合時間は30分間~24時間程度あるのが好ましい。
[0055]
 前記反応性界面活性剤は、エチレン性不飽和二重結合に係るラジカル重合性官能基を有するものであり、非反応性界面活性剤に比べ、前記粘着剤層の飽和吸水率を小さくするとことができ、また、前記粘着剤層の飽和吸水率を前記割合に制御するうえで好ましい。
[0056]
 反応性界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤やノニオン系界面活性剤に、プロペニル基やアリルエーテル基などのラジカル重合性官能基(ラジカル反応性基)が導入されたラジカル重合性界面活性剤などが挙げられる。これら界面活性剤は、適宜、単独または併用して用いられる。これらの界面活性剤の中でも、ラジカル重合性官能基を有したラジカル重合性界面活性剤は、水分散液の安定性、粘着剤層の耐久性の観点から、好ましく使用される。
[0057]
 なお、前記アニオン系界面活性剤の具体例としては、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩類;ポリオエキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸エステル塩およびその誘導体類;ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩類等を例示することができる。ノニオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート等のポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類;オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等のグリセリン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル等を例示することができる。
[0058]
 アニオン系反応性界面活性剤の具体例としては、アルキルエーテル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンKH-05、KH-10、KH-20、旭電化工業株式会社製アデカリアソープSR-10N、SR-20N、花王株式会社製ラテムルPD-104等);スルフォコハク酸エステル系(市販品としては、例えば、花王株式会社製ラテムルS-120、S-120A、S-180P、S-180A、三洋化成株式会社製エレミノールJS-2等);アルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンH-2855A、H-3855B、H-3855C、H-3856、HS-05、HS-10、HS-20、HS-30、BC-05、BC-10、BC-20、旭電化工業株式会社製アデカリアソープSDX-222、SDX-223、SDX-232、SDX-233、SDX-259、SE-10N、SE-20N);(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製アントックスMS-60、MS-2N、三洋化成工業株式会社製エレミノールRS-30等);リン酸エステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製H-3330PL,旭電化工業株式会社製アデカリアソープPP-70等)が挙げられる。ノニオン系反応性界面活性剤としては、例えばアルキルエーテル系(市販品としては、例えば、旭電化工業株式会社製アデカリアソープER-10、ER-20、ER-30、ER-40、花王株式会社製ラテムルPD-420、PD-430、PD-450等);アルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンRN-10、RN-20、RN-30、RN-50、旭電化工業株式会社製アデカリアソープNE-10、NE-20、NE-30、NE-40等);(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製RMA-564、RMA-568、RMA-1114等)が挙げられる。
[0059]
 前記反応性界面活性剤の配合割合は、前記モノマー混合物100重量部に対して0.3~3重量部で用いられる。反応性界面活性剤の配合割合が0.3重量部未満では粘着剤層の飽和吸水量が小さくなり、粘着剤層が硬くなって、高湿環境下においてハガレが生じやすく、加湿耐久性を満足できない。また、乳化重合時の重合安定性が悪くなる。また反応性界面活性剤の配合割合が3重量部を超えると粘着剤層の飽和吸水量が高くなって、粘着剤層から多くの水分が気化膨張して発泡が起こりやすく、加熱耐久性を満足できない。前記反応性界面活性剤の配合割合は、0.3~2重量部未満が好ましい。
[0060]
 ラジカル重合開始剤としては、特に制限されず、乳化重合に通常使用される公知のラジカル重合開始剤が用いられる。例えば、2,2´-アゾビスイソブチロニトリル、2,2´-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2´-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2´-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2'-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩などのアゾ系開始剤;例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩系開始剤;例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素などの過酸化物系開始剤;例えば、フェニル置換エタンなどの置換エタン系開始剤;例えば、芳香族カルボニル化合物などのカルボニル系開始剤などが挙げられる。これら重合開始剤は、適宜、単独または併用して用いられる。また、乳化重合を行なうに際して、所望により重合開始剤とともに還元剤を併用するレドックス系開始剤とすることができる。これにより、乳化重合速度を促進したり、低温において乳化重合をおこなったりすることが容易になる。このような還元剤としては、例えば、アスコルビン酸、エルソルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖、ホルムアルデヒドスルホキシラートなどの金属塩等の還元性有機化合物;チオ硫酸案トリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物;塩化第一鉄、ロンガリット、二酸化チオ尿素などを例示できる。
[0061]
 また、ラジカル重合開始剤の配合割合は、適宜選択されるが、モノマー混合物100重量部に対して、例えば、0.02~1重量部程度であり、好ましくは0.02~0.5重量部、より好ましくは0.08~0.3重量部である。0.02重量部未満であると、ラジカル重合開始剤としての効果が低下する場合があり、1重量部を超えると、ポリマーエマルションに係る(メタ)アクリル系ポリマーの分子量が低下し、水分散型粘着剤の耐久性が低下する場合がある。なお、レドックス系開始剤の場合には、還元剤は、モノマー混合物の合計量100重量部に対して、0.01~1重量部の範囲で用いるのが好ましい。
[0062]
 連鎖移動剤は、必要により、ポリマーエマルションに係る(メタ)アクリル系ポリマーの分子量を調節するものであって、通常、乳化重合に通常使用される連鎖移動剤が用いられる。例えば、1-ドデカンチオール、メルカプト酢酸、2-メルカプトエタノール、チオグリコール酸2-エチルへキシル、2,3-ジメチルカプト-1-プロパノール、メルカプトプロピオン酸エステル類などのメルカプタン類などが挙げられる。これら連鎖移動剤は、適宜、単独または併用して用いられる。また、連鎖移動剤の配合割合は、モノマー混合物100重量部に対して、例えば、0.001~0.3重量部である。
[0063]
 このような乳化重合によって、(メタ)アクリル系ポリマーをエマルションとして調製することができる。このようなエマルション型の(メタ)アクリル系ポリマーは、その平均粒子径が、例えば、0.05~3μm、好ましくは、0.05~1μmに調整される。平均粒子径が0.05μmより小さいと、水分散型粘着剤の粘度が上昇する場合があり、1μmより大きいと、粒子間の融着性が低下して凝集力が低下する場合がある。
[0064]
 また、前記エマルションの分散安定性を保つために、前記エマルションに係る(メタ)アクリル系ポリマーが、共重合性モノマーとしてカルボキシル基含有モノマー等を含有する場合には、当該カルボキシル基含有モノマー等を中和することが好ましい。中和は、例えば、アンモニア、水酸化アルカリ金属等により行なうことができる。
[0065]
 本発明のエマルション型の(メタ)アクリル系ポリマーは、通常、重量平均分子量は100万以上のものが好ましい。特に重量平均分子量で100万~400万のものが耐熱性、耐湿性の点で好ましい。重量平均分子量が100万未満であると耐熱性、耐湿性が低下し好ましくない。また乳化重合で得られる粘着剤はその重合機構より分子量が非常に高分子量になるので好ましい。ただし、乳化重合で得られる粘着剤は一般にはゲル分が多くGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)で測定できないので分子量に関する実測定での裏付けは難しいことが多い。
[0066]
 本発明の水分散型粘着剤に係る、前記(メタ)アクリル系ポリマーを含有するエマルションは、架橋剤を含有することができる。架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、金属キレート系架橋剤などの一般に用いられているものを使用できる。これら架橋剤は、官能基含有単量体を用いることにより(メタ)アクリル系ポリマー中に導入した官能基と反応して架橋する効果を有する。
[0067]
 前記(メタ)アクリル系ポリマーと架橋剤の配合割合は特に限定されないが、通常、(メタ)アクリル系ポリマー(固形分)100重量部に対して、架橋剤(固形分)10重量部程度以下の割合で配合される。前記架橋剤の配合割合は、0.001~10重量部が好ましく、さらには0.01~5重量部程度が好ましい。
[0068]
 さらには、本発明の水分散型粘着剤には、必要に応じて、粘度調整剤、剥離調整剤、粘着付与剤、可塑剤、軟化剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤、顔料、着色剤(顔料、染料など)、pH調整剤(酸または塩基)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤等を、また本発明の目的を逸脱しない範囲で各種の添加剤を適宜に使用することもできる。また微粒子を含有して光拡散性を示す粘着剤層などとしても良い。これら添加剤もエマルションとして配合することができる。
[0069]
 本発明の光学フィルム用粘着剤層は、上記水分散型粘着剤により形成される。粘着剤層の形成は、支持基材(光学フィルムまたは離型フィルム)に上記水分散型粘着剤を塗布した後、乾燥することより形成することができる。
[0070]
 本発明の粘着剤型光学フィルムは、光学フィルム片面または両面に前記粘着剤層を積層したものである。本発明の粘着型光学フィルムは、前記水分散型粘着剤を、光学フィルムまたは離型フィルムに塗布し、乾燥することにより形成される。粘着剤層を離型フィルムに形成した場合には、当該粘着剤層は光学フィルムに貼り合せて転写する。
[0071]
 上記水分散型粘着剤の塗布工程には、各種方法が用いられる。具体的には、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーターなどによる押出しコート法などの方法が挙げられる。
[0072]
 また、前記塗布工程では、形成される粘着剤層が所定の厚み(乾燥後厚み)になるようにその塗布量が制御される。粘着剤層の厚み(乾燥後厚み)は、通常、1~100μm程度、好ましくは5~50μm、さらに好ましくは10~40μmの範囲に設定される。
[0073]
 次いで、粘着剤層の形成にあたっては、塗布された水分散型粘着剤に対して乾燥が施される。乾燥温度は、通常、80~170℃程度、好ましくは80~160℃であり、乾燥時間0.5~30分間程度、好ましくは1~10分間である。
[0074]
 前記粘着剤層は、前記方法にて測定される、環境下60℃、7%R.H.での伸び率(L60)が200%以下であり、環境下60℃、7%R.H.での伸び率(L60)と、環境下60℃、90%R.H.での伸び率(L60-90)との比率{(L60-90)/(L60)}が1.5以上、であることが好ましい。測定方法は詳しくは実施例に記載される。伸び率(L60)は200%以下が好ましく、さらには150%以下が好ましい。伸び率(L60)が200%以下であれば、粘着剤層の凝集力がよく、経時ハガレを抑制するうえで好ましい。また比率{(L60-90)/(L60)}は1.8以上が好ましく、さらには2以上が好ましい。前記比が1.5以上であれば、加湿条件下において粘着剤層が軟らかくなりにくく接着力の低下による加湿ハガレを抑制するうえで好ましい。
[0075]
 離型フィルムの構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルム、紙、布、不織布などの多孔質材料、ネット、発泡シート、金属箔、およびこれらのラミネート体などの適宜な薄葉体などを挙げることができるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。
[0076]
 そのプラスチックフィルムとしては、前記粘着剤層を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフイルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体フィルムなどが挙げられる。
[0077]
 前記離型フィルムの厚みは、通常5~200μm、好ましくは5~100μm程度である。前記離型フィルムには、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉などによる離型および防汚処理や、塗布型、練り込み型、蒸着型などの帯電防止処理もすることもできる。特に、前記離型フィルムの表面にシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理などの剥離処理を適宜おこなうことにより、前記粘着剤層からの剥離性をより高めることができる。
[0078]
 前記粘着剤層が露出する場合には、実用に供されるまで離型フィルムで粘着剤層を保護してもよい。なお、上記の剥離フィルムは、そのまま粘着型光学フィルムのセパレータとして用いることができ、工程面における簡略化ができる。
[0079]
 また、光学フィルムの表面に、粘着剤層との間の密着性を向上させるために、アンカー層を形成したり、コロナ処理、プラズマ処理などの各種易接着処理を施した後に粘着剤層を形成することができる。また、粘着剤層の表面には易接着処理をおこなってもよい。
[0080]
 上記アンカー層の形成材としては、好ましくは、ポリウレタン、ポリエステル、分子中にアミノ基を含むポリマー類、オキサゾリニル基を含むポリマー類から選ばれるアンカー剤が用いられ、特に好ましくは、分子中にアミノ基を含んだポリマー類、オキサゾリニル基を含むポリマー類である。分子中にアミノ基を含むポリマー類、オキサゾリニル基を含むポリマー類は、分子中のアミノ基、オキサゾリニル基が粘着剤中のカルボキシル基等と反応またはイオン性相互作用などの相互作用を示すため、良好な密着性が確保される。
[0081]
 分子中にアミノ基を含むポリマー類としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン、ポリビニルピロリジン、ジメチルアミノエチルアクリレート等の含アミノ基含有モノマーの重合体などを挙げることができる。
[0082]
 本発明の粘着型光学フィルムに使用される光学フィルムとしては、液晶表示装置等の画像表示装置の形成に用いられるものが使用され、その種類は特に制限されないが、80℃、90%R.H.での透湿度が1000g/m ・24h以下であるものへの適用が好適である。透湿度が800g/m ・24h以下、さらには500g/m ・24h以下、さらには200g/m ・24h以下のものを用いる場合に、特に本発明は好適である。
[0083]
 かかる、透湿度を有する材料としては、例えば、(メタ)アクリル系ポリマー;ポリカーボネート系ポリマー;アリレート系ポリマー;ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー;ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有する環状オレフィン系樹脂、またはこれらの混合体を用いることができる。
[0084]
 また、特開2001-343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルム、たとえば、(A)側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換および/または非置換フェニルならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が挙げられる。具体例としてはイソブチレンとN-メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物のフィルムが挙げられる。フィルムは樹脂組成物の混合押出品などからなるフィルムを用いることができる。
[0085]
 前記材料のなかでも、環状オレフィン系樹脂が好ましい。環状オレフィン系樹脂は一般的な総称であり、たとえば、特開平3-14882号公報、特開平3-122137号公報等に記載されている。具体的には環状オレフィンの開環重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα-オレフィンとのランダム共重合体、またこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体等で変性したグラフト変性体等が例示できる。さらには、これらの水素化物が挙げられる。環状オレフィンは特に限定するものではないが、例えば、ノルボルネン、テトラシクロドデセンや、それらの誘導体が例示できる。商品としては、日本ゼオン(株)製のゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製のアートン、TICONA社製のトーパス等が挙げられる。
[0086]
 前記低透湿度の材料から形成される光学フィルムは、例えば、偏光子の透明保護フィルム、位相差フィルム等として用いられる。
[0087]
 本発明の粘着型光学フィルムに使用される光学フィルムとしては、例えば、偏光板が挙げられる。偏光板は偏光子の片面または両面には透明保護フィルムを有するものが一般に用いられる。
[0088]
 偏光子は、特に限定されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適である。これらの偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に5~80μm程度である。
[0089]
 ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3~7倍に延伸することで作成することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいても良いヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができる他に、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸しても良いし、また延伸してからヨウ素で染色しても良い。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液や水浴中でも延伸することができる。
[0090]
 透明保護フィルムを構成する材料としては、例えば透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、およびこれらの混合物が挙げられる。なお、偏光子の片側には、透明保護フィルムが接着剤層により貼り合わされるが、他の片側には、透明保護フィルムとして、(メタ)アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂を用いることができる。透明保護フィルム中には任意の適切な添加剤が1種類以上含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、着色剤などが挙げられる。透明保護フィルム中の上記熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは50~100重量%、より好ましくは50~99重量%、さらに好ましくは60~98重量%、特に好ましくは70~97重量%である。透明保護フィルム中の上記熱可塑性樹脂の含有量が50重量%以下の場合、熱可塑性樹脂が本来有する高透明性等が十分に発現できないおそれがある。
[0091]
 また光学フィルムとしては、例えば反射板や反透過板、位相差板(1/2や1/4等の波長板を含む)、視覚補償フィルム、輝度向上フィルム、表面処理フィルム等の液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層となるものが挙げられる。これらは単独で光学フィルムとして用いることができる他、前記偏光板に、実用に際して積層して、1層または2層以上用いることができる。
[0092]
 表面処理フィルムは、前面板に貼り合せても設けられる。表面処理フィルムとしては、表面の耐擦傷性を付与するために用いられるハードコートフィルム、画像表示装置に対する写り込みを防止するためのアンチグレア処理フィルム、アンチリフレクティブフィルム、ローリフレクティブフィルムなどの反射防止フィルム等が挙げられる。前面板は、液晶表示装置や有機EL表示装置、CRT、PDP等の画像表示装置を保護したり、高級感を付与したり、デザインにより差別化したりするために、前記画像表示装置の表面に貼り合せて設けられる。また前面板は、3D-TVにおけるλ/4板の支持体として用いられる。例えば、液晶表示装置では、視認側の偏光板の上側に設けられる。本発明の粘着剤層を用いた場合には、前面板として、ガラス基材の他に、ポリカーボネート基材、ポリメチルメタクリレート基材等のプラスチック基材においてもガラス基材と同様の効果を発揮する。
[0093]
 偏光板に前記光学層を積層した光学フィルムは、液晶表示装置等の製造過程で順次別個に積層する方式にても形成することができるが、予め積層して光学フィルムとしたものは、品質の安定性や組立作業等に優れていて液晶表示装置などの製造工程を向上させうる利点がある。積層には粘着層等の適宜な接着手段を用いうる。前記の偏光板と他の光学層の接着に際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることができる。
[0094]
 本発明の粘着型光学フィルムは液晶表示装置等の各種画像表示装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セル等の表示パネルと粘着型光学フィルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組み立てて駆動回路を組み込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による粘着型光学フィルムを用いる点を除いて特に限定は無く、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型、VA型、IPS型などの任意なタイプのものを用いうる。
[0095]
 液晶セル等の表示パネルの片側又は両側に粘着型光学フィルムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本発明による光学フィルムは液晶セル等の表示パネルの片側又は両側に設置することができる。両側に光学フィルムを設ける場合、それらは同じものであっても良いし、異なるものであっても良い。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
[0096]
 次いで有機エレクトロルミネセンス装置(有機EL表示装置:OLED)について説明する。一般に、有機EL表示装置は、透明基板上に透明電極と有機発光層と金属電極とを順に積層して発光体(有機エレクトロルミネセンス発光体)を形成している。ここで、有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、あるいはこのような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層の積層体や、またあるいはこれらの正孔注入層、発光層、および電子注入層の積層体等、種々の組み合わせをもった構成が知られている。
[0097]
 有機EL表示装置は、透明電極と金属電極とに電圧を印加することによって、有機発光層に正孔と電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によって生じるエネルギーが蛍光物資を励起し、励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原理で発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、このことからも予想できるように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
[0098]
 有機EL表示装置においては、有機発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明でなくてはならず、通常酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが重要で、通常Mg-Ag、Al-Liなどの金属電極を用いている。
[0099]
 このような構成の有機EL表示装置において、有機発光層は、厚さ10nm程度ときわめて薄い膜で形成されている。このため、有機発光層も透明電極と同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に透明基板の表面から入射し、透明電極と有機発光層とを透過して金属電極で反射した光が、再び透明基板の表面側へと出るため、外部から視認したとき、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見える。
[0100]
 電圧の印加によって発光する有機発光層の表面側に透明電極を備えるとともに、有機発光層の裏面側に金属電極を備えてなる有機エレクトロルミネセンス発光体を含む有機EL表示装置において、透明電極の表面側に偏光板を設けるとともに、これら透明電極と偏光板との間に位相差板を設けることができる。
[0101]
 位相差板および偏光板は、外部から入射して金属電極で反射してきた光を偏光する作用を有するため、その偏光作用によって金属電極の鏡面を外部から視認させないという効果がある。特に、位相差板を1/4波長板で構成し、かつ偏光板と位相差板との偏光方向のなす角をπ/4に調整すれば、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
[0102]
 すなわち、この有機EL表示装置に入射する外部光は、偏光板により直線偏光成分のみが透過する。この直線偏光は位相差板により一般に楕円偏光となるが、とくに位相差板が1/4波長板でしかも偏光板と位相差板との偏光方向のなす角がπ/4のときには円偏光となる。
[0103]
 この円偏光は、透明基板、透明電極、有機薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び有機薄膜、透明電極、透明基板を透過して、位相差板に再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、偏光板の偏光方向と直交しているので、偏光板を透過できない。その結果、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
[0104]
 上記のように有機EL表示装置では、鏡面反射を遮るために、有機ELパネルに、位相差板および偏光板を組み合わせた楕円偏光板または円偏光板を粘着剤層を介して用いることができるが、その他に、楕円偏光板または円偏光板を有機ELパネルに直接貼り合わせずに、楕円偏光板または円偏光板をタッチパネルに粘着剤層を介して貼り合わせたものを、有機ELパネルに適用することができる。
[0105]
 本発明において適用される、タッチパネルとしては、光学方式、超音波方式、静電容量方式、抵抗膜方式などの各種の方式を採用できる。抵抗膜方式のタッチパネルは、透明導電性薄膜を有するタッチ側のタッチパネル用電極板と透明導電性薄膜を有するディスプレイ側のタッチパネル用電極板を、透明導電性薄膜同士が対向するようにスペーサを介して対向配置してなるものである。他方、静電容量方式のタッチパネルは、通常、所定のパターン形状を有する透明導電性薄膜を備えた透明導電性フィルムがディスプレイ表示部の全面に形成されている。本発明の粘着型光学フィルムは、タッチ側、ディスプレイ側のいずれの側にも適用される。
実施例
[0106]
 以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各例中の部および%はいずれも重量基準である。
[0107]
 (偏光板の作成)
 厚さ80μmのポリビニルアルコールフィルムを速比の異なるロール間において、30℃で0.3%濃度のヨウ素水溶液中で3倍に延伸した。次いで60℃で4%濃度のホウ酸、10%濃度のヨウ化カリウムを含む水溶液中で、総延伸倍率6倍まで延伸した。次いで、30℃の1.5%濃度のヨウ化カリウム水溶液中に10秒間浸漬することで洗浄した後、50℃で4分間乾燥させて偏光子を得た。この偏光子の片面には、けん化処理した厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムを、ポリビニルアルコール系接着剤により貼り合わせた。偏光子の他の片面には、厚さ70μmの環状オレフィン系樹脂フィルム(日本ゼオン社製,商品名「ゼオノア」)を、ポリビニルアルコール系接着剤により貼り合わせた。環状オレフィン系樹脂フィルムの80℃、90%R.H.での透湿度は、127g/m ・24hであった。
[0108]
 (透湿度)
 JISZ0208の透湿度試験(カップ法)に準じて測定した。直径60mmに切断したサンプル(上記透明保護フィルム)を、約15gの塩化カルシウムを入れた透湿カップにセットし、80℃、90%R.Hの恒温機に入れ、24時間放置した後の、塩化カルシウムの重量増加を測定することで透湿度(g/m /24h)を求めた。
[0109]
 実施例1
 (モノマーエマルションの調製)
 容器に、アクリル酸ブチル780部、メタクリル酸メチル200部、およびアクリル酸20部を加えて混合し、モノマー混合物を得た。次いで、上記割合で調製したモノマー混合物1000部に対して、反応性界面活性剤であるアクアロンHS‐10(第一工業製薬(株)製)4部、イオン交換水635部を加え、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用い、5分間、6000(rpm)で攪拌し、モノマーエマルションを調製した。
[0110]
 (エマルション型アクリル系粘着剤の調製)
 次に、冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートおよび攪拌羽根を備えた反応容器に、上記で調製したモノマーエマルションのうちの200部およびイオン交換水515.9部を仕込み、次いで、反応容器を十分窒素置換した後、過硫酸アンモニウム0.6部を添加して、撹拌しながら60℃で1時間重合した。次いで、残りのモノマーエマルションを、反応容器を60℃に保ったまま、これに3時間かけて滴下し、その後、3時間重合して、固形分濃度46.2%のポリマーエマルションを得た。次いで、上記ポリマーエマルションを室温まで冷却した後、これに、濃度10%のアンモニア水を添加してpHを8にし、かつ、固形分45.6%に調整した、エマルション型アクリル系粘着剤を得た。
[0111]
 (粘着剤層の形成および粘着型偏光板の作成)
 上記エマルション型アクリル系粘着剤を、乾燥後の厚みが20μmとなるように、離型フィルム(三菱化学ポリエステル(株)製,ダイアホイルMRF-38,ポリエチレンテレフタレート基材)上にダイコーターにより塗布した後、120℃で5分間乾燥して、粘着剤層を形成した。当該粘着剤層を前記偏光板の片面(環状オレフィン系樹脂フィルム側)に貼り合せて、粘着型偏光板を作成した。
[0112]
 実施例2
 実施例1において、モノマーエマルションの調製にあたり、反応性界面活性剤であるアクアロンHS-10(第一工業製薬(株)製)の使用量を10部に変えたこと以外は、実施例1と同様にしてモノマーエマルションを調製した。また、当該モノマーエマルションを用いたこと以外は実施例1と同様にして、エマルション型アクリル系粘着剤の調製、粘着剤層の形成および粘着型偏光板の作成を行った。
[0113]
 実施例3
 実施例1において、モノマーエマルションの調製にあたり、反応性界面活性剤であるアクアロンHS-10(第一工業製薬(株)製)の使用量を19部に変えたこと以外は、実施例1と同様にしてモノマーエマルションを調製した。また、当該モノマーエマルションを用いたこと以外は実施例1と同様にして、エマルション型アクリル系粘着剤の調製、粘着剤層の形成および粘着型偏光板の作成を行った。
[0114]
 実施例4
 実施例1において、モノマーエマルションの調製にあたり、反応性界面活性剤であるアクアロンHS-10(第一工業製薬(株)製)の使用量を30部に変えたこと以外は、実施例1と同様にしてモノマーエマルションを調製した。また、当該モノマーエマルションを用いたこと以外は実施例1と同様にして、エマルション型アクリル系粘着剤の調製、粘着剤層の形成および粘着型偏光板の作成を行った。
[0115]
 実施例5~10
 (モノマーエマルションの調製)
 実施例1において、モノマー混合物1000部の調製にあたり、モノマー混合物のモノマー組成を表1に示すように変えたこと(但し、表1では、モノマー組成を重量比(%)で表わしている)以外は、実施例1と同様にして、モノマー混合物を得た。次いで、当該割合で調製したモノマー混合物1000部に対して、界面活性剤として反応性界面活性剤であるアクアロンHS-10(第一工業製薬(株)製)19部、イオン交換水635部を加え、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用い、5分間、6000(rpm)で撹拌し、モノマーエマルションを調製した。
[0116]
 また、当該モノマーエマルションを用いたこと以外は実施例1と同様にして、エマルション型アクリル系粘着剤の調製、粘着剤層の形成および粘着型偏光板の作成を行った。
[0117]
 実施例11
 (モノマーエマルションの調製)
 容器に、アクリル酸ブチル975部、3-メタクリロイルオキシプロピル-トリエトキシシラン(信越化学工業(株)製,KBM-503)5部、およびアクリル酸20部を加えて混合し、モノマー混合物を得た。次いで、上記割合で調製したモノマー混合物1000部に対して、界面活性剤として、反応性界面活性剤であるアクアロンHS‐10(第一工業製薬(株)製)5部、イオン交換水635部を加え、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用い、5分間、6000(rpm)で攪拌し、モノマーエマルションを調製した。
[0118]
 また、当該モノマーエマルションを用いたこと以外は実施例1と同様にして、エマルション型アクリル系粘着剤の調製、粘着剤層の形成および粘着型偏光板の作成を行った。
[0119]
 実施例12
 実施例11において、モノマーエマルションの調製にあたり、反応性界面活性剤であるアクアロンHS-10(第一工業製薬(株)製)の使用量を19部に変えたこと以外は、実施例11と同様にしてモノマーエマルションを調製した。また、当該モノマーエマルションを用いたこと以外は実施例11と同様にして、エマルション型アクリル系粘着剤の調製、粘着剤層の形成および粘着型偏光板の作成を行った。
[0120]
 実施例13
 実施例11において、モノマーエマルションの調製にあたり、反応性界面活性剤であるアクアロンHS-10(第一工業製薬(株)製)の使用量を30部に変えたこと以外は、実施例11と同様にしてモノマーエマルションを調製した。また、当該モノマーエマルションを用いたこと以外は実施例11と同様にして、エマルション型アクリル系粘着剤の調製、粘着剤層の形成および粘着型偏光板の作成を行った。
[0121]
 実施例14~17
 (モノマーエマルションの調製)
 実施例11において、モノマー混合物1000部の調製にあたり、モノマー混合物のモノマー組成を表1に示すように変えたこと(但し、表1では、モノマー組成を重量比(%)で表わしている)以外は、実施例11と同様にして、モノマー混合物を得た。次いで、当該割合で調製したモノマー混合物1000部に対して、界面活性剤として反応性界面活性剤であるアクアロンHS-10(第一工業製薬(株)製)19部、イオン交換水635部を加え、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用い、5分間、6000(rpm)で撹拌し、モノマーエマルションを調製した。
[0122]
 また、当該モノマーエマルションを用いたこと以外は実施例11と同様にして、エマルション型アクリル系粘着剤の調製、粘着剤層の形成および粘着型偏光板の作成を行った。
[0123]
 実施例18
 (モノマーエマルションの調製)
 容器に、アクリル酸ブチル779.5部、メタクリル酸メチル200部、3-メタクリロイルオキシプロピル-トリエトキシシラン(信越化学工業(株)製,KBM-503)0.5部、およびアクリル酸20部を加えて混合し、モノマー混合物を得た。次いで、上記割合で調製したモノマー混合物1000部に対して、界面活性剤として、反応性界面活性剤であるアクアロンHS‐10(第一工業製薬(株)製)5部、イオン交換水635部を加え、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用い、5分間、6000(rpm)で攪拌し、モノマーエマルションを調製した。
[0124]
 また、当該モノマーエマルションを用いたこと以外は実施例1と同様にして、エマルション型アクリル系粘着剤の調製、粘着剤層の形成および粘着型偏光板の作成を行った。
[0125]
 実施例19
 実施例18において、モノマーエマルションの調製にあたり、反応性界面活性剤であるアクアロンHS-10(第一工業製薬(株)製)の使用量を19部に変えたこと以外は、実施例18と同様にしてモノマーエマルションを調製した。また、当該モノマーエマルションを用いたこと以外は実施例18と同様にして、エマルション型アクリル系粘着剤の調製、粘着剤層の形成および粘着型偏光板の作成を行った。
[0126]
 実施例20
 実施例18において、モノマーエマルションの調製にあたり、反応性界面活性剤であるアクアロンHS-10(第一工業製薬(株)製)の使用量を30部に変えたこと以外は、実施例11と同様にしてモノマーエマルションを調製した。また、当該モノマーエマルションを用いたこと以外は実施例11と同様にして、エマルション型アクリル系粘着剤の調製、粘着剤層の形成および粘着型偏光板の作成を行った。
[0127]
 実施例21~27
 実施例18において、モノマー混合物1000部の調製にあたり、モノマー混合物のモノマー組成を表1に示すように変えたこと(但し、表1では、モノマー組成を重量比(%)で表わしている)以外は、実施例18と同様にして、モノマー混合物を得た。次いで、当該割合で調製したモノマー混合物1000部に対して、界面活性剤として反応性界面活性剤であるアクアロンHS-10(第一工業製薬(株)製)19部、イオン交換水635部を加え、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用い、5分間、6000(rpm)で撹拌し、モノマーエマルションを調製した。
[0128]
 また、当該モノマーエマルションを用いたこと以外は実施例18と同様にして、エマルション型アクリル系粘着剤の調製、粘着剤層の形成および粘着型偏光板の作成を行った。
[0129]
 比較例1
 実施例1において、モノマーエマルションの調製にあたり、反応性界面活性剤であるアクアロンHS-10(第一工業製薬(株)製)4部の代わりに、非反応性界面活性剤であるエマール10(花王(株)製)25部を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてモノマーエマルションを調製した。また、当該モノマーエマルションを用いたこと以外は実施例1と同様にして、エマルション型アクリル系粘着剤の調製、粘着剤層の形成および粘着型偏光板の作成を行った。
[0130]
 比較例2
 実施例1において、モノマーエマルションの調製にあたり、反応性界面活性剤であるアクアロンHS-10(第一工業製薬(株)製)の使用量を60部に変えたこと以外は、実施例1と同様にしてモノマーエマルションを調製した。また、当該モノマーエマルションを用いたこと以外は実施例1と同様にして、エマルション型アクリル系粘着剤の調製、粘着剤層の形成および粘着型偏光板の作成を行った。
[0131]
 比較例3
 実施例1において、モノマーエマルションの調製にあたり、反応性界面活性剤であるアクアロンHS-10(第一工業製薬(株)製)の使用量を2部に変えたこと以外は、実施例1と同様にしてモノマーエマルションを調製した。また、当該モノマーエマルションを用いたこと以外は実施例1と同様にして、エマルション型アクリル系粘着剤の調製、粘着剤層の形成および粘着型偏光板の作成を行った。
[0132]
 比較例4
 実施例1において、モノマーエマルションの調製にあたり、反応性界面活性剤であるアクアロンHS-10(第一工業製薬(株)製)4部の代わりに、非反応性界面活性剤であるエマール10(花王(株)製)2部を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてモノマーエマルションを調製した。また、当該モノマーエマルションを用いたこと以外は実施例1と同様にして、エマルション型アクリル系粘着剤の調製、粘着剤層の形成および粘着型偏光板の作成を行った。
[0133]
 比較例5
 実施例11において、モノマーエマルションの調製にあたり、反応性界面活性剤であるアクアロンHS-10(第一工業製薬(株)製)の使用量を60部に変えたこと以外は、実施例11と同様にしてモノマーエマルションを調製した。また、当該モノマーエマルションを用いたこと以外は実施例11と同様にして、エマルション型アクリル系粘着剤の調製、粘着剤層の形成および粘着型偏光板の作成を行った。
[0134]
 比較例6
 実施例11において、モノマーエマルションの調製にあたり、反応性界面活性剤であるアクアロンHS-10(第一工業製薬(株)製)の使用量を3部に変えたこと以外は、実施例11と同様にしてモノマーエマルションを調製した。また、当該モノマーエマルションを用いたこと以外は実施例11と同様にして、エマルション型アクリル系粘着剤の調製、粘着剤層の形成および粘着型偏光板の作成を行った。
[0135]
 上記実施例および比較例で得られた粘着型偏光板について以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[0136]
 <粘着剤層の飽和吸水率の測定方法>
 各例の粘着剤層の形成において、厚さを1mmに変えたこと以外は、各例と同様の方法により、厚さ1mmの粘着剤層を形成した。当該粘着剤層を5mm×5mmに裁断したものをサンプルとして、150℃で20分間の条件にて完全に水分を除去した状態の重量(w1)を測定した。当該サンプルを、50℃、90%R.H.の雰囲気中に放置し、かつ、0.001mgオーダの測定が可能な電子天秤を用いて重量変化を観察した。サンプルの重量変化がなくなった時点(吸水率が飽和したとき)においてその重量(w2)を測定した。上記結果から、下記式により、飽和吸水率を求めた。
 飽和吸水率=[{(w2)-(w1)}/(w1)]×100(%)
[0137]
 [伸び率]
 各例において、粘着剤層の形成に用いた水分散型粘着剤組成物と同様の水分散型粘着剤組成物から、断面積4.6mm 、長さ30mmの円柱形状の試験片(粘着剤層)を成形した。次いで、当該試験片を60℃、7%R.H.または60℃、90%R.H.の環境下に1時間放置した後の長さL0(mm)を測定した。また、その後、試験片の一端を固定して、試験片の他端に12gのおもりを取り付けて、試験片を60℃、7%R.H.または60℃、90%R.H.の環境下に2時間垂下させた後の試験片の長さL1(mm)を測定した。
 前記の結果から、伸び率(%)={(L1-L0)/L0}×100、を算出した。
 環境下60℃、7%R.H.で測定した場合を伸び率(L60)、環境下60℃、90%R.H.で測定した場合を伸び率(L60-90)として、比率{(L60-90)/(L60)}を求めた。
[0138]
 [加熱耐久性]
 各実施例および各比較例の粘着型偏光板を、15インチサイズの大きさに切断し、これを、厚さ0.7mmの無アルカリガラス板(コーニングイーグルXG,コーニング(株)製)に貼着し、50℃、0.5MPaのオートクレーブ中に15分間放置した。その後、80℃の雰囲気下で、500時間の処理を行なった。処理された粘着型偏光板における粘着剤層の気泡の発生度合いを光学顕微鏡にて、その個数と大きさを確認し、下記基準で評価した。(但し、処理前からある気泡は除いて評価した。)
 5:最大長さ100μm以上の気泡が1cm 中になし。
 4:最大長さ100μm以上の気泡が1cm 中に5個以下。
 3:最大長さ100μm以上の気泡が1cm 中に6個~10個。
 2:最大長さ100μm以上の気泡が1cm 中に11個~100個。
 1:最大長さ100μm以上の気泡が1cm 中に101個以上。
[0139]
 [加湿耐久性]
 各実施例および各比較例の粘着型偏光板を、15インチサイズの大きさに切断し、これを、厚さ0.7mmの無アルカリガラス板(コーニングイーグルXG,コーニング(株)製)に貼着し、50℃、0.5MPaのオートクレーブ中に15分間放置した。その後、60℃/90%R.H.の環境下で、500時間の処理を行なった。60℃/90%R.H.の環境下から、室温条件(23℃,55%R.H.)に取り出してから24時間以内に、処理された粘着型偏光板と無アルカリガラスの間のハガレの度合いを目視で確認し、下記基準で評価した。
 5:ハガレの発生なし。
 4:粘着型偏光板の端部から0.5mm以内の箇所にハガレが発生。
 3:粘着型偏光板の端部から1.0mm以内の箇所にハガレが発生。
 2:粘着型偏光板の端部から3.0mm以内の箇所にハガレが発生。
 1:粘着型偏光板の端部から3.0mm以上の箇所にハガレが発生。
[0140]
[表1]


[0141]
 表中、BA:アクリル酸ブチル、2EHA:2-エチルヘキシルアクリレート、MMA:メタクリル酸メチル、MA:アクリル酸メチル、EA:アクリル酸エチル、AA:アクリル酸、KBM503:3-メタクリロイルオキシプロピル-トリメトキシシラン(信越化学工業(株)製,KBM-503)、を示す。

請求の範囲

[請求項1]
 光学フィルム用粘着剤層であって、
 前記粘着剤層は、
 アルキル基の炭素数が1~3の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)およびアルコキシシリル基含有モノマー(a2)のいずれか少なくとも1種、並びに、
 アルキル基の炭素数が4~14の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)を含有するモノマー混合物を、
 ラジカル重合性官能基を有する反応性界面活性剤およびラジカル重合開始剤の存在下に水中で乳化重合することにより得られた(メタ)アクリル系ポリマーのエマルションを含有する水分散型粘着剤を塗布した後、乾燥することにより形成されたものであり、
 かつ、前記反応性界面活性剤の割合が、モノマー混合物100重量部に対して0.3~3重量部であり、
 かつ、前記粘着剤層は、50℃、90%R.H.における飽和吸水率が1.2~3.2重量%であることを特徴とする光学フィルム用粘着剤層。
[請求項2]
 前記反応性界面活性剤の割合が、モノマー混合物100重量部に対して0.3~2重量部未満であることを特徴とする請求項1記載の光学フィルム用粘着剤層。
[請求項3]
 モノマー混合物が、モノマー混合物の総量に対して、
 アルキル基の炭素数が1~3の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)0.1~40重量%、および、
 アルキル基の炭素数が4~14の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)50~99.9重量%、
 を含有することを特徴とする請求項1または2記載の光学フィルム用粘着剤層。
[請求項4]
 モノマー混合物が、モノマー混合物の総量に対して、
 アルコキシシリル基含有モノマー(a2)0.001~1重量%、および、
 アルキル基の炭素数が4~14の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)89~99.999重量%、
 を含有することを特徴とする請求項1または2記載の光学フィルム用粘着剤層。
[請求項5]
 モノマー混合物が、モノマー混合物の総量に対して、
 アルキル基の炭素数が1~3の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)0.1~40重量%、
 アルコキシシリル基含有モノマー(a2)0.001~1重量%、および、
 アルキル基の炭素数が4~14の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)89~99.999重量%、
 を含有することを特徴とする請求項1または2記載の光学フィルム用粘着剤層。
[請求項6]
 前記モノマー混合物が、モノマー混合物の総量に対して、カルボキシル基含有モノマー(c)0.1~10重量%を含有することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の光学フィルム用粘着剤層。
[請求項7]
 前記粘着剤層は、
 環境下60℃、7%R.H.での伸び率(L60)が200%以下であり、
 環境下60℃、7%R.H.での伸び率(L60)と、環境下60℃、90%R.H.での伸び率(L60-90)との比率{(L60-90)/(L60)}が1.5以上である、
 但し、伸び率は、粘着剤層を断面積4.6mm 、長さ30mmの円柱形状の試験片に成形して、当該試験片を60℃、7%R.H.または60℃、90%R.H.の環境下に1時間放置した後の長さL0(mm)と、その後、試験片の一端を固定して、試験片の他端に12gのおもりを取り付けて、試験片を60℃、7%R.H.または60℃、90%R.H.の環境下に2時間垂下させた後の試験片の長さL1(mm)から、下記式により算出される、
 伸び率(%)={(L1-L0)/L0}×100、
 ことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の光学フィルム用粘着剤層。
[請求項8]
 光学フィルムの少なくとも片側に、請求項1~7のいずれかに記載の光学フィルム用粘着剤層が積層されていることを特徴とする粘着型光学フィルム。
[請求項9]
 前記粘着剤層が積層される側の光学フィルムは、80℃、90%R.H.での透湿度が1000g/m /24h以下であることを特徴とする請求項8記載の粘着型光学フィルム。
[請求項10]
 前記光学フィルムは、偏光子の少なくとも片面に透明保護フィルムを設けた偏光板であることを特徴とする請求項8または9記載の粘着型光学フィルム。
[請求項11]
 請求項8~10のいずれかに記載の粘着型光学フィルムを少なくとも1枚用いていることを特徴とする画像表示装置。