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1. WO2011128966 - レーザ加工機、レーザ加工方法およびレーザ加工制御装置

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明 細 書

発明の名称 レーザ加工機、レーザ加工方法およびレーザ加工制御装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081  

産業上の利用可能性

0082  

符号の説明

0083  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : レーザ加工機、レーザ加工方法およびレーザ加工制御装置

技術分野

[0001]
 本発明は、被加工物にレーザ光を照射して被加工物に穴あけ加工を行うレーザ加工機、レーザ加工方法およびレーザ加工制御装置に関する。

背景技術

[0002]
 レーザ加工機は、例えば、被加工物にレーザ光を照射して被加工物に穴あけ加工を行う装置である。レーザ加工機によって穴あけ加工される被加工物の1つとして、銅箔(導体層)、樹脂(絶縁層)、銅箔(導体層)の3層構造を有したプリント配線板がある。このようなプリント配線板への貫通穴加工を行う際に、プリント配線版の表面側(片面)からのみレーザ光を照射すると、プリント配線版の裏面側の銅箔にレーザ光を到達させることができない。このため、プリント配線板への安定した貫通穴加工を行うことは困難であった。
[0003]
 プリント配線板への安定したレーザ加工を行う方法として、表裏面(両面)からレーザ光の照射を行う方法がある。このレーザ加工方法では、プリント配線板に対して表面からレーザ光を照射して途中までの穴を形成し、その後、プリント配線板の裏面からレーザ光を照射して貫通穴を形成している。そして、表面および裏面のそれぞれからレーザを照射する際に、事前に加工された貫通穴を基準として座標系を設定することにより、形成する加工穴の位置ずれを回避している(例えば、特許文献1参照)。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2004-335655号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、上記従来の技術では、ガルバノスキャナやfθレンズの特性を考慮せずに位置決めをしてレーザ加工を行っているので、表面からの穴形成と裏面からの穴形成との間で生じる位置ずれを正確に回避できないという問題があった。このため、ストレートな形状の貫通穴を形成することができなかった。
[0006]
 本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ストレートな形状の貫通穴を正確に形成するレーザ加工機、レーザ加工方法およびレーザ加工制御装置を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 被加工物を載置して前記被加工物を面内方向に移動させる加工テーブルと、レーザ発振器から出射されたレーザ光を前記被加工物に設定された各加工エリア内で2次元的に走査するガルバノスキャナと、前記ガルバノスキャナからのレーザ光を前記被加工物上の各加工位置に集光させるfθレンズと、前記被加工物の一方の主面である表面をレーザ加工する際には前記表面に設定された各加工エリアの位置を前記加工テーブルに指示するとともに前記表面に設定された前記加工エリア内での前記各加工位置を前記ガルバノスキャナに指示し、前記被加工物の他方の主面である裏面をレーザ加工する際には前記裏面に設定された各加工エリアの位置を前記加工テーブルに指示するとともに前記裏面に設定された前記加工エリア内での前記各加工位置を前記ガルバノスキャナに指示する制御部と、を備え、前記制御部は、前記表面にレーザ光を照射してから前記被加工物を裏返して前記裏面にレーザ光を照射することによって前記被加工物の両面からレーザ光を照射して前記被加工物に貫通穴を形成する場合に、前記表面の加工エリアと前記裏面の加工エリアとが前記被加工物の同じ領域となるよう前記表面および前記裏面の各加工エリアの位置を前記加工テーブルに指示することを特徴とする。

発明の効果

[0008]
 本発明によれば、ストレートな形状の貫通穴を正確に形成することが可能になるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 図1は、本発明の実施の形態に係る加工制御装置を備えたレーザ加工機の構成を示す図である。
[図2] 図2は、実施の形態に係るレーザ加工方法を説明するための図である。
[図3] 図3は、fθレンズを介して照射されるレーザ光の位置ずれを説明するための図である。
[図4] 図4は、表面と裏面とで加工エリアを一致させなかった場合の貫通穴の形状を説明するための図である。
[図5] 図5は、表面と裏面とで加工エリアを一致させた場合の貫通穴の形状を説明するための図である。
[図6] 図6は、加工エリア内での加工順序を説明するための図である。
[図7] 図7は、ガルバノスキャナの動作特性に起因するレーザ光の位置ずれを説明するための図である。
[図8] 図8は、表面と裏面とでガルバノスキャナの走査順序を一致させなかった場合の貫通穴の形状を説明するための図である。
[図9] 図9は、表面と裏面とでガルバノスキャナの走査順序を一致させた場合の貫通穴の形状を説明するための図である。
[図10] 図10は、被加工物の表面から裏面への裏返し方を説明するための図である。

発明を実施するための形態

[0010]
 以下に、本発明の実施の形態に係るレーザ加工機、レーザ加工方法およびレーザ加工制御装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
[0011]
実施の形態
 図1は、本発明の実施の形態に係る加工制御装置を備えたレーザ加工機の構成を示す図である。レーザ加工機100は、レーザ光L(パルスレーザ光)を照射することによって被加工物4にレーザ穴あけ加工する装置であり、レーザ光Lを発振するレーザ発振器1と、被加工物(ワーク)4のレーザ加工を行うレーザ加工部3と、加工制御装置(制御部)2と、を備えている。
[0012]
 レーザ発振器1は、レーザ光Lを発振し、レーザ加工部3に送出する。レーザ加工部3は、ガルバノミラー35X,35Y、ガルバノスキャナ36X,36Y、fθレンズ34、XYテーブル(加工テーブル)30、位置検出部39を備えている。
[0013]
 ガルバノスキャナ36X,36Yは、レーザ光Lの軌道を変化させて被加工物4への照射位置を移動させる機能を有しており、レーザ光Lを被加工物4に設定された各加工エリア内で2次元的に走査する。ガルバノスキャナ36X,36Yは、レーザ光LをX-Y方向に走査するために、ガルバノミラー35X,35Yを所定の角度に回動させる。
[0014]
 ガルバノミラー35X,35Yは、レーザ光(レーザビーム)Lを反射して所定の角度に偏向させる。ガルバノミラー35Xは、レーザ光LをX方向に偏向させ、ガルバノミラー35Yは、レーザ光LをY方向に偏向させる。
[0015]
 fθレンズ34は、テレセントリック性を有した集光レンズである。fθレンズ34は、レーザ光Lを被加工物4の主面に対して垂直な方向に偏向させるとともに、レーザ光Lを被加工物4の加工位置(穴位置Hx)に集光(照射)させる。なお、以下の説明では、ガルバノミラー35X,35Y、ガルバノスキャナ36X,36Y、fθレンズ34、をまとめてガルバノ機構という場合がある。
[0016]
 被加工物4は、プリント配線板などであり、一方の主面である表面および他方の主面である裏面の両面から複数の穴あけ加工が行なわれて貫通穴が形成される。被加工物4は、例えば、銅箔(導体層)、樹脂(絶縁層)、銅箔(導体層)の3層構造をなしている。XYテーブル30は、被加工物4を載置するとともに、図示しないX軸モータおよびY軸モータの駆動によってXY平面内を移動する。これにより、XYテーブル30は、被加工物4を面内方向に移動させる。
[0017]
 XYテーブル30を移動させることなくガルバノ機構の動作(ガルバノスキャナ36X,36Yの移動)によってレーザ加工が可能な範囲(走査可能領域)が加工エリア(スキャンエリア)である。レーザ加工機100では、XYテーブル30をXY平面内で移動させた後、ガルバノスキャナ36X,36Yによってレーザ光Lを2次元走査する。XYテーブル30は、各加工エリアの中心がfθレンズ34の中心直下(ガルバノ原点)となるよう順番に移動していく。ガルバノ機構は、加工エリア内に設定されている各穴位置Hxが順番にレーザ光Lの照射位置となるよう動作する。XYテーブル30による加工エリア間の移動とガルバノ機構による加工エリア内でのレーザ光Lの2次元走査とが、被加工物4内で順番に行なわれていく。これにより、被加工物4内の全ての穴位置Hxが全てレーザ加工される。
[0018]
 位置検出部39は、被加工物4に予め設けられている位置決め用の貫通穴(後述の位置決め用貫通穴h1)の位置を検出し、検出結果を加工制御装置2に送る。加工制御装置2は、加工プログラムおよび位置検出部39による位置の検出結果に基づいて、被加工物4のレーザ加工位置を制御する。加工制御装置2には、被加工物4の表面をレーザ加工するための加工プログラムと、被加工物4の裏面をレーザ加工するための加工プログラムと、が入力される。
[0019]
 加工制御装置2は、レーザ発振器1および加工制御装置2と接続されており(図示せず)、レーザ発振器1および加工制御装置2を制御する。加工制御装置2は、被加工物4に設定される各加工エリアの座標、レーザ加工を行う加工エリアの順番、ガルバノ機構による各加工エリア内でのレーザ光Lの照射位置(各穴位置Hxの座標)、各加工エリア内でレーザ加工される穴位置Hxの順番などに従って被加工物4へのレーザ加工を制御する。
[0020]
 したがって、加工プログラムへは、各加工エリア上にレーザ光Lの照射位置を移動させるためのXYテーブル30への移動指令、各加工エリア内のレーザ光Lの照射位置にレーザ光Lを照射させるためのガルバノ機構への動作指令などが登録されている。
[0021]
 加工制御装置2は、被加工物4の表面をレーザ加工する際には表面に設定された各加工エリアの位置をXYテーブル30に指示するとともに、表面に設定された加工エリア内での各加工位置をガルバノスキャナ36X,36Yに指示する。また、加工制御装置2は、被加工物4の裏面をレーザ加工する際には裏面に設定された各加工エリアの位置をXYテーブル30に指示するとともに、裏面に設定された加工エリア内での各加工位置をガルバノスキャナ36X,36Yに指示する。
[0022]
 加工制御装置2は、コンピュータなどによって構成されており、レーザ発振器1、レーザ加工部3をNC(Numerical Control)制御等によって制御する。加工制御装置2は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備えて構成されている。加工制御装置2がレーザ加工を制御する際には、CPUが、ユーザによる入力部(図示せず)からの入力によって、ROM内に格納されている加工プログラムを読み出してRAM内のプログラム格納領域に展開して各種処理を実行する。この処理に際して生じる各種データは、RAM内に形成されるデータ格納領域に一時的に記憶される。これにより、加工制御装置2は、レーザ発振器1および加工制御装置2を制御する。
[0023]
 レーザ加工機100は、この構成によりレーザ発振器1から出射されたレーザ光Lをガルバノミラー35X,35Yによって任意の角度に偏向させ、fθレンズ34を介して被加工物4上の所定位置に結像し照射する。これにより、被加工物4がレーザ加工されて被加工物4に貫通穴が形成される。
[0024]
 本実施の形態のレーザ加工機は、被加工物4の表面にレーザ光を照射してから被加工物4を裏返して被加工物4の裏面にレーザ光を照射することによって被加工物4の両面からレーザ光を照射して被加工物4に貫通穴を形成する。また、被加工物4の両面からレーザ光を照射して被加工物4に貫通穴を形成する場合に、表面の加工エリアと裏面の加工エリアとが被加工物4の同じ領域となるよう表面および裏面の各加工エリアの位置をXYテーブル30に指示する。
[0025]
 つぎに、本実施の形態の穴あけ加工方法について説明する。図2は、実施の形態に係るレーザ加工方法を説明するための図である。図2では、被加工物4の表面20Aに設定される加工エリア、被加工物4の裏面20Bに設定される加工エリア、被加工物4の従来の裏面20Cに設定される加工エリアを上面図で示している。
[0026]
 被加工物4は、表面20Aが上面側を向くようXYテーブル30上に載置されて各穴位置Hxへのレーザ加工が行われる。レーザ加工機100は、各穴位置Hxに対し、被加工物4の表面20A側からレーザ光Lを照射して被加工物4の厚さ方向の途中位置までレーザ加工を行う。
[0027]
 表面20Aへのレーザ加工が完了した後、被加工物4は、裏面20Bが上面側を向くようXYテーブル30上に載置されて各穴位置Hxへのレーザ加工が行われる。ここでは、表面20Aの右辺を軸として被加工物4が裏返しにされる場合について説明する。レーザ加工機100は、途中まで穴形成された各穴位置Hxに対し、被加工物4の裏面20B側からレーザ光Lを照射して穴位置Hxへ貫通穴を形成する。
[0028]
 被加工物4をレーザ加工する場合には、例えば被加工物4上の所定点を基準位置として加工エリアが設定される。基準位置は、例えば被加工物4をXYテーブル30に載置した状態で被加工物4を上側から見た場合の右上端、右下端、左上端、左下端などである。
[0029]
 表面20Aでは右上端の基準位置Saに最も近いエリア(右上領域)が最初の加工エリアに設定され、さらに設定された加工エリアに隣接するエリアが順番に加工エリアに設定される。図2では、表面20Aの右上領域が最初の加工エリア21aであり、左上領域が2番目の加工エリア22aであり、左下領域が3番目の加工エリア23aであり、右下領域が4番目の加工エリア24aである場合を示している。
[0030]
 被加工物4の裏面がレーザ加工される際には、被加工物4が裏返しにされてXYテーブル30上に載置される。従来の方法によって被加工物4の裏面20Cをレーザ加工する場合、表面20Aと同じ位置である裏面20Cの右上端が基準位置Scとなる。そして、表面20Aと同様に、裏面20Cは、基準位置Scに最も近いエリア(右上領域)が最初の加工エリアに設定され、さらに設定された加工エリアに隣接するエリアが順番に加工エリアに設定される。これにより、裏面20Cの右上領域が最初の加工エリア21cとなり、左上領域が2番目の加工エリア22cとなり、左下領域が3番目の加工エリア23cとなり、右下領域が4番目の加工エリア24cとなる。
[0031]
 一方、本実施の形態では、表面20Aと裏面20Bとで加工エリアが一致するよう、裏面20B内の各加工エリアを設定しておく。例えば、表面20Aの右上端は、被加工物4が裏返しにされることによって、裏面20Bの左上端に移動する。このため、裏面20Bでは、左上端が基準位置Sbに設定される。そして、基準位置Sbに最も近いエリア(左上領域)が最初の加工エリアに設定され、さらに設定された加工エリアに隣接するエリアが順番に加工エリアに設定されている。例えば、裏面20Bは、裏面20Bの左上領域が最初の加工エリア21bに設定され、右上領域が2番目の加工エリア22bに設定され、右下領域が3番目の加工エリア23bに設定され、左下領域が4番目の加工エリア24bに設定される。
[0032]
 加工エリア21b~24bは、それぞれ加工エリア21a~24aに対応している。具体的には、加工エリア21aの裏側が加工エリア21bに設定され、加工エリア22aの裏側が加工エリア22bに設定される。また、加工エリア23aの裏側が加工エリア23bに設定され、加工エリア24aの裏側が加工エリア24bに設定される。したがって、加工エリア21b内に配置されている穴位置Hxは、加工エリア21a内に配置されている穴位置Hxを裏返したものとなっており、加工エリア22b内に配置されている穴位置Hxは、加工エリア22a内に配置されている穴位置Hxを裏返したものとなっている。同様に、加工エリア23b内に配置されている穴位置Hxは、加工エリア23a内に配置されている穴位置Hxを裏返したものとなっており、加工エリア24b内に配置されている穴位置Hxは、加工エリア24a内に配置されている穴位置Hxを裏返したものとなっている。
[0033]
 図3は、fθレンズを介して照射されるレーザ光の位置ずれを説明するための図である。図3では、被加工物4の断面図を示している。被加工物4は、例えば加工エリアの配置される領域外に位置決め用貫通穴h1が形成されており、この位置決め用貫通穴h1を基準にしてレーザ光の照射位置が決定される。
[0034]
 レーザ加工機100では、レーザ加工機100の周辺環境の温度変化やレーザ加工機100自身の温度変化によってfθレンズ34にも温度変化が生じる。このような場合、fθレンズ34によって走査されたレーザ光Lは、fθレンズ34の中心に対して縮小方向または拡大方向に位置ずれを生じる。
[0035]
 図3に示すように、3箇所に照射されるレーザ光Lのうちfθレンズ34の中心を通って被加工物4に照射されるレーザ光Lは、fθレンズ34の温度変化に起因する位置ずれは発生しない。一方、fθレンズ34の中心から所定距離だけ離れた位置を通って被加工物4に照射されるレーザ光Lはfθレンズ34の中心から外径方向または内径方向に位置ずれして被加工物4に照射される。そして、被加工物4に照射されるレーザ光Lが目標位置Gから位置ずれしているので、被加工物4に形成される加工穴29Aも目標位置Gから位置ずれする。図3では、レーザ光Lが目標位置Gよりもfθレンズ34の中心方向に位置ずれして被加工物4に照射され、fθレンズ34の中心方向に位置ずれした位置に加工穴29Aが形成されている場合を示している。
[0036]
 このため、従来のように表面20Aと裏面20Cとで異なる加工エリアが設定されると、穴位置Hxの加工エリア内での位置も表面20Aと裏面20Cとで異なることとなる。図4は、表面と裏面とで加工エリアを一致させなかった場合の貫通穴の形状を説明するための図である。従来方法のように、表面20Aと裏面20Cとで異なる加工エリアが設定された場合、表面20Aの穴位置Hxに照射されるレーザ光Lがfθレンズ34内を通ってくる位置(中心からの距離)と、裏面20Cの穴位置Hxに照射されるレーザ光Lがfθレンズ34内を通ってくる位置(中心からの距離)が異なる。このため、表面20Aの穴位置Hxと、裏面20Cの穴位置Hxとで、fθレンズ34の中心方向からの位置ずれ量も異なることとなる。
[0037]
 図4では、表面20Aをレーザ加工する際に目標位置Gに対して加工穴29Aが形成され、裏面20Cをレーザ加工する際に目標位置Gに対して加工穴29Cが形成された場合を示している。例えば、図4に示した貫通穴29Pは、表面20Aからレーザ加工される際には右側に位置ずれし、裏面20Cからレーザ加工される際には左側に位置ずれしている。したがって、貫通穴29Pは、ストレートな形状とならない。このように、従来の方法では、表面20Aと裏面20Cとで加工エリアを一致させていないので、被加工物4にストレートな形状の貫通穴を形成することができない。
[0038]
 一方、本実施の形態では、図2で説明したように、表面20Aと裏面20Bとで加工エリアを一致させている。図5は、表面と裏面とで加工エリアを一致させた場合の貫通穴の形状を説明するための図である。
[0039]
 表面20Aと裏面20Bとで加工エリアを一致させた場合、穴位置Hxの加工エリア内での位置は、表面20Aと裏面20Bとで反転しているものの一致することとなる。そして、表面20Aの穴位置Hxに照射されるレーザ光Lがfθレンズ34内と通ってくる位置(中心からの距離)と、裏面20Bの穴位置Hxに照射されるレーザ光Lがfθレンズ34内と通ってくる位置(中心からの距離)も同じになる。このため、表面20Aの穴位置Hxと、裏面20Bの穴位置Hxとで、fθレンズ34の中心方向からの位置ずれ量も同じとなる。
[0040]
 図5では、表面20Aをレーザ加工する際に目標位置Gに対して加工穴29Aが形成され、裏面20Bをレーザ加工する際に目標位置Gに対して加工穴29Bが形成された場合を示している。例えば、図5に示した貫通穴29Qは、表面20Aからレーザ加工される際には右側に位置ずれし、裏面20Bからレーザ加工される際にも右側に位置ずれしている。したがって、貫通穴29Qは、ストレートな形状となる。
[0041]
 このように、本実施の形態では、表面20Aと裏面20Bとで加工エリアを一致させているので、fθレンズ34の温度変化によってレーザ光Lの照射位置がfθレンズ34の中心に対して伸縮しても表面20Aと裏面20Bとでレーザ光の照射位置がほぼ同じになる。したがって、被加工物4にストレートな形状の貫通穴を正確に形成することが可能となる。
[0042]
 つぎに、各加工エリア内での加工順序(各穴位置Hxにレーザ光Lが照射される順番)について説明する。図6は、加工エリア内での加工順序を説明するための図である。本実施の形態では、表面20Aと裏面20Bとで、加工エリアを一致させるとともに、表面20Aからレーザ光を照射する際のガルバノスキャナ36X,36Yの走査順序(加工エリア内での加工順序)と、裏面20Bからレーザ光を照射する際のガルバノスキャナ36X,36Yの走査順序と、を一致させる。
[0043]
 例えば、表面20Aの加工エリア21aに設定される加工穴に対して、穴位置H1a~H7aの順番でレーザ加工するよう設定した場合、裏面20Bの加工エリア21bでは穴位置H1a~H7aの裏面側に対応する穴位置H1b~H7bの順番でレーザ加工するよう設定される。ここでの穴位置H1bは、穴位置H1aの裏側の位置であり、穴位置H2bは、穴位置H2aの裏側の位置である。同様に、穴位置H3b~H7bは、それぞれ穴位置H3a~H7aの裏側の位置である。
[0044]
 図7は、ガルバノスキャナの動作特性に起因するレーザ光の位置ずれを説明するための図である。レーザ加工機100では、ガルバノスキャナ36X,36Yの駆動系にバックラッシュがあるので、ガルバノスキャナ36X,36Yによって走査されたレーザ光Lは、目標照射位置(穴位置Hx)に対して位置ずれを生じる。例えば、レーザ光照射済みの穴位置Hxから次の穴位置Hxまでレーザ光Lの照射位置を移動させる場合に、レーザ光Lの照射位置の移動が次の穴位置Hxまで到達できなかったり、次の穴位置Hxよりも行き過ぎたりする場合がある。
[0045]
 このような場合において、表面20Aと裏面20Bとで、ガルバノスキャナ36X,36Yの走査順序が一致していなければ、表面20Aと裏面20Bとで、各穴位置Hxでのレーザ光照射位置(位置ずれ量)が異なることとなる。
[0046]
 例えば、1つの加工エリア内で、レーザ光Lがレーザ光L1a、レーザ光L2a、レーザ光L3aの順番で被加工物4に照射される場合について説明する。この場合、レーザ光Lの照射位置は、fθレンズ34の中心(ガルバノ原点)からレーザ光L1aでレーザ加工される1点目の穴位置Hx(以下、穴位置Hx1という)に移動する。その後、1点目の穴位置Hxからレーザ光L2aでレーザ加工される2点目の穴位置Hx(以下、穴位置Hx2という)に移動し、さらにレーザ光L3aでレーザ加工される3点目の穴位置Hx(以下、穴位置Hx3という)に移動する。
[0047]
 このとき、レーザ光照射位置の移動によって、各穴位置Hx1~Hx3に照射されるレーザ光の照射位置は、照射位置の移動経路線上の何れかの位置に位置ずれを生じる。例えば、ガルバノ原点から穴位置Hx1までレーザ光照射位置を移動させて穴位置Hx1にレーザ光L1aを照射する場合、穴位置Hx1へのレーザ光照射位置は、ガルバノ原点と穴位置Hx1とを結ぶ線上の何れかの位置となる。
[0048]
 このため、表面20Aと裏面20Cとで、ガルバノスキャナ36X,36Yの走査順序が一致していなければ、被加工物4に形成される貫通穴がストレートな形状とならない。図8は、表面と裏面とでガルバノスキャナの走査順序を一致させなかった場合の貫通穴の形状を説明するための図である。表面20Aと裏面20Cとでガルバノスキャナ36X,36Yの走査順序が一致していなければ、各穴位置Hxでの位置ずれ方向が異なることとなる。
[0049]
 例えば、表面20Aを、穴位置Hx1、穴位置Hx2、穴位置Hx3の順番でレーザ加工し、裏面20Cを、穴位置Hx3、穴位置Hx2、穴位置Hx1の順番でレーザ加工する場合について説明する。この場合、表面20Aでは、レーザ光L1a、レーザ光L2a、レーザ光L3aがそれぞれ穴位置Hx1、穴位置Hx2、穴位置Hx3に照射される。また、裏面20Cでは、レーザ光L1c、レーザ光L2c、レーザ光L3cがそれぞれ穴位置Hx3、穴位置Hx2、穴位置Hx1に照射される。この加工順序は、表面20Aと裏面20Cとで、穴位置の加工順序を逆にした加工順序であり、例えば、図6に示した表面20Aの加工エリア21aを穴位置H1a~H7aの順番でレーザ加工し、裏面20Bの加工エリア21bを穴位置H7b~H1bの順番でレーザ加工することに対応している。
[0050]
 表面20Aをレーザ加工する際には、レーザ光Lの照射位置は、ガルバノ原点からレーザ光L1aでレーザ加工される穴位置Hx1に移動する。その後、レーザ光Lの照射位置は、穴位置Hx1から穴位置Hx2に移動し、さらに穴位置Hx3に移動する。
[0051]
 また、裏面20Cをレーザ加工する際には、レーザ光Lの照射位置は、ガルバノ原点からレーザ光L1cでレーザ加工される穴位置Hx3に移動する。その後、レーザ光Lの照射位置は、穴位置Hx3から穴位置Hx2に移動し、さらに穴位置Hx1に移動する。
[0052]
 表面20Aをレーザ加工する際、ガルバノ原点から穴位置Hx1までレーザ光照射位置が移動する。このため、穴位置Hx1に照射されるレーザ光L1aの照射位置は、ガルバノ原点と穴位置Hx1とを結ぶ線上の何れかの位置となる。換言すると、穴位置Hx1は、ガルバノ原点と穴位置Hx1とを結ぶ線上に位置ずれを生じる。
[0053]
 同様に、表面20Aをレーザ加工する際、穴位置Hx1から穴位置Hx2までレーザ光照射位置が移動する。このため、穴位置Hx2に照射されるレーザ光L2aの照射位置は、穴位置Hx1と穴位置Hx2とを結ぶ線上の何れかの位置となる。換言すると、穴位置Hx2は、穴位置Hx1と穴位置Hx2とを結ぶ線上に位置ずれを生じる。
[0054]
 また、表面20Aをレーザ加工する際、穴位置Hx2から穴位置Hx3までレーザ光照射位置が移動する。このため、穴位置Hx3に照射されるレーザ光L3aの照射位置は、穴位置Hx2と穴位置Hx3とを結ぶ線上の何れかの位置となる。換言すると、穴位置Hx3は、穴位置Hx2と穴位置Hx3とを結ぶ線上に位置ずれを生じる。
[0055]
 一方、裏面20Cをレーザ加工する際、ガルバノ原点から穴位置Hx3までレーザ光照射位置が移動する。このため、穴位置Hx3に照射されるレーザ光L1cの照射位置は、ガルバノ原点と穴位置Hx3とを結ぶ線上の何れかの位置となる。換言すると、穴位置Hx3は、ガルバノ原点と穴位置Hx3とを結ぶ線上に位置ずれを生じる。
[0056]
 同様に、裏面20Cをレーザ加工する際、穴位置Hx3から穴位置Hx2までレーザ光照射位置が移動する。このため、穴位置Hx2に照射されるレーザ光L2cの照射位置は、穴位置Hx3と穴位置Hx2とを結ぶ線上の何れかの位置となる。換言すると、穴位置Hx2は、穴位置Hx3と穴位置Hx2とを結ぶ線上に位置ずれを生じる。
[0057]
 また、裏面20Cをレーザ加工する際、穴位置Hx2から穴位置Hx1までレーザ光照射位置が移動する。このため、穴位置Hx1に照射されるレーザ光L3cの照射位置は、穴位置Hx2と穴位置Hx1とを結ぶ線上の何れかの位置となる。換言すると、穴位置Hx1は、穴位置Hx2と穴位置Hx1とを結ぶ線上に位置ずれを生じる。
[0058]
 このように、穴位置Hx1へは、表面20Aからレーザ光L1aが照射され、裏面20Cからレーザ光L3cが照射される。同様に、穴位置Hx2へは、表面20Aからレーザ光L2aが照射され、裏面20Cからレーザ光L2cが照射され、穴位置Hx3へは、表面20Aからレーザ光L3aが照射され、裏面20Cからレーザ光L1cが照射される。
[0059]
 そして、穴位置Hx1でのレーザ光照射位置は、レーザ光L1aとレーザ光L3cとで異なった位置に位置ずれしている。同様に、穴位置Hx2でのレーザ光照射位置は、レーザ光L2aとレーザ光L2cとで異なった位置に位置ずれし、穴位置Hx3でのレーザ光照射位置は、レーザ光L3aとレーザ光L1cとで異なった位置に位置ずれしている。
[0060]
 このため、穴位置Hx1~Hx3の貫通穴は、ストレートな形状とならない。このように、表面20Aと裏面20Cとで、ガルバノスキャナ36X,36Yの走査順序が一致していないので、被加工物4にストレートな形状の貫通穴を形成することができない。
[0061]
 一方、本実施の形態では、表面20Aと裏面20Bとで、ガルバノスキャナ36X,36Yの走査順序を一致させている。図9は、表面と裏面とでガルバノスキャナの走査順序を一致させた場合の貫通穴の形状を説明するための図である。
[0062]
 例えば、表面20Aを、穴位置Hx1、穴位置Hx2、穴位置Hx3の順番でレーザ加工し、裏面20Bを、穴位置Hx1、穴位置Hx2、穴位置Hx3の順番でレーザ加工する場合について説明する。この場合、表面20Aでは、レーザ光L1a、レーザ光L2a、レーザ光L3aがそれぞれ穴位置Hx1、穴位置Hx2、穴位置Hx3に照射される。
また、裏面20Bでは、レーザ光L1b、レーザ光L2b、レーザ光L3bがそれぞれ穴位置Hx1、穴位置Hx2、穴位置Hx3に照射される。この加工順序は、表面20Aと裏面20Bとで、穴位置の加工順序を同じにした加工順序であり、例えば、図6に示した表面20Aの加工エリア21aを穴位置H1a~H7aの順番でレーザ加工し、裏面20Bの加工エリア21bを穴位置H1b~H7bの順番でレーザ加工することに対応している。
[0063]
 表面20Aをレーザ加工する際には、図8で説明した順番でレーザ光Lの照射位置が移動する。このため、穴位置Hx1に照射されるレーザ光L1aの照射位置、穴位置Hx2に照射されるレーザ光L2aの照射位置、穴位置Hx3に照射されるレーザ光L3aの照射位置は、それぞれ図8で説明した位置に位置ずれを生じる。
[0064]
 裏面20Bの穴位置Hx1をレーザ加工する際、表面20Aをレーザ加工する際と同様に、ガルバノ原点から穴位置Hx1までレーザ光照射位置が移動する。このため、穴位置Hx1に照射されるレーザ光L1bの照射位置は、表面20Aをレーザ加工する際と同様に、ガルバノ原点と穴位置Hx1とを結ぶ線上の何れかの位置となる。
[0065]
 同様に、裏面20Bの穴位置Hx2をレーザ加工する際、表面20Aをレーザ加工する際と同様に、穴位置Hx1から穴位置Hx2までレーザ光照射位置が移動する。このため、穴位置Hx2に照射されるレーザ光L2bの照射位置は、表面20Aをレーザ加工する際と同様に、穴位置Hx1と穴位置Hx2とを結ぶ線上の何れかの位置となる。
[0066]
 また、裏面20Bの穴位置Hx3をレーザ加工する際、表面20Aをレーザ加工する際と同様に、穴位置Hx2から穴位置Hx3までレーザ光照射位置が移動する。このため、穴位置Hx3に照射されるレーザ光L3bの照射位置は、表面20Aをレーザ加工する際と同様に、穴位置Hx2と穴位置Hx3とを結ぶ線上の何れかの位置となる。
[0067]
 換言すると、穴位置Hx1~Hx3は、それぞれガルバノ原点と穴位置Hx1とを結ぶ線上、穴位置Hx1と穴位置Hx2とを結ぶ線上、穴位置Hx2と穴位置Hx3とを結ぶ線上に位置ずれを生じる。
[0068]
 このように、表面20Aと裏面20Bとでガルバノスキャナ36X,36Yの走査順序を一致させた場合、表面20Aでの穴位置Hx1~Hx3に対するレーザ光照射位置と、裏面20Bでの穴位置Hx1~Hx3に対するレーザ光照射位置と、が同じとなる。
[0069]
 例えば、図9に示した穴位置Hx1~Hx3は、表面20Aからレーザ加工される際には左側に位置ずれし、裏面20Bからレーザ加工される際にも左側に位置ずれしている。したがって、穴位置Hx1~Hx3に形成される貫通穴は、ストレートな形状となる。
[0070]
 このように、本実施の形態では、表面20Aと裏面20Bとでガルバノスキャナ36X,36Yの走査順序を一致させているので、ガルバノスキャナ36X,36Yの駆動系にバックラッシュがある場合であっても表面20Aと裏面20Bとでレーザ光の照射位置がほぼ同じになる。したがって、被加工物4にストレートな形状の貫通穴を正確に形成することが可能となる。
[0071]
 つぎに、各加工エリアの加工順序(加工エリアへの移動順序)について説明する。本実施の形態では、例えば、図2で説明したように、表面20Aに設定した加工エリアの加工順序と同じ加工順序を裏面20Bに適用してもよいし、表面20Aに設定した加工エリアの加工順序とは異なる加工順序を裏面20Bに適用してもよい。
[0072]
 例えば、表面20Aを加工エリア21a、加工エリア22a、加工エリア23a、加工エリア24aの順番でレーザ加工し、裏面20Bを加工エリア24b、加工エリア23b、加工エリア22b、加工エリア21bの順番で加工してもよい。
[0073]
 XYテーブル30の駆動系にはバックラッシュがある。このため、表面20Aに設定した加工エリアの加工順序と裏面20Bに設定した加工エリアの加工順序とを同じにした場合は、表面20Aと裏面20BとでXYテーブル30の駆動系に起因する位置ずれ量が同じになる。
[0074]
 また、表面20Aに設定した加工エリアの加工順序と裏面20Bに設定した加工エリアの加工順序とを同じにした場合は、表面20Aと裏面20Bとでレーザ加工中のfθレンズ34の温度変化が同じになる。したがって、表面20Aをレーザ加工する際の各加工エリア21a~24aでのfθレンズ34の温度変化に起因する位置ずれ量と、裏面20Bをレーザ加工する際の各加工エリア21b~24bでのfθレンズ34の温度変化に起因する位置ずれ量と、が同じになる。
[0075]
 複数枚(例えば20枚)の被加工物4をレーザ加工する場合、表面20Aが連続して例えば20枚分レーザ加工され、その後、裏面20Bが連続して例えば20枚分レーザ加工される。この場合において、fθレンズ34の温度補正を行うタイミングは表面20Aのレーザ加工と裏面20Bのレーザ加工とで同じにしておく。例えば、20枚の表面20Aをレーザ加工する際に、1枚目の表面20Aをレーザ加工する前と、11枚目の表面20Aをレーザ加工する前と、にfθレンズ34の温度補正が行なわれるとする。この場合、20枚の裏面20Bをレーザ加工する際に、1枚目の裏面20Bをレーザ加工する前と、11枚目の裏面20Bをレーザ加工する前と、にfθレンズ34の温度補正を行なう。これにより、表面20Aをレーザ加工する際のfθレンズ34の温度変化に起因する位置ずれ量と、裏面20Bをレーザ加工する際のfθレンズ34の温度変化に起因する位置ずれ量と、が同じになる。
[0076]
 なお、本実施の形態では、被加工物4を表面20Aから裏面20Bに裏返す際に、表面20Aの右辺を軸に被加工物4を裏返す場合について説明したが、表面20Aの他の辺や点を中心にして被加工物4を裏返してもよい。
[0077]
 図10は、被加工物の表面から裏面への裏返し方を説明するための図である。同図に示すように、被加工物4を表面20Aから裏面20Bに裏返す際には、表面20Aの右辺(左辺)、表面20Aの下辺(上辺)、表面20Aの右下点(左上点)、表面20Aの左下点(右上点)の何れを中心にして被加工物4を裏返してもよい。
[0078]
 図10では、表面20Aの右辺を中心にして被加工物4を裏返した場合の裏面を裏面20Bで示し、表面20Aの下辺を中心にして被加工物4を裏返した場合の裏面を裏面20Dで示している。また、表面20Aの右下点を中心にして被加工物4を裏返した場合の裏面を裏面20Eで示し、表面20Aの左下点を中心にして被加工物4を裏返した場合の裏面を裏面20Fで示している。
[0079]
 裏面20Dとなるよう被加工物4がXYテーブル30に載置された場合も、加工エリア21a~24aの裏面がそれぞれ加工エリア21d~24dに設定される。また、裏面20Eとなるよう被加工物4がXYテーブル30に載置された場合も、加工エリア21a~24aの裏面がそれぞれ加工エリア21e~24eに設定される。また、裏面20Fとなるよう被加工物4がXYテーブル30に載置された場合も、加工エリア21a~24aの裏面がそれぞれ加工エリア21f~24fに設定される。
[0080]
 なお、被加工物4は、プリント配線板に限らず、セラミックス板や金属板など他の部材であってもよい。また、本実施の形態では、被加工物4の表面20Aをレーザ加工した後に裏面20Bをレーザ加工する場合について説明したが、被加工物4の裏面20Bをレーザ加工した後に表面20Aをレーザ加工してもよい。
[0081]
 このように実施の形態によれば、表面20Aと裏面20Bとで加工エリアを一致させているので、表面20Aと裏面20Bとの間のレーザ光照射位置の位置ずれを小さくすることが可能となる。また、表面20Aと裏面20Bとでガルバノスキャナ36X,36Yの走査順序を一致させているので、表面20Aと裏面20Bとの間のレーザ光照射位置の位置ずれを小さくすることが可能となる。また、表面20Aに設定した加工エリアの加工順序と裏面20Bに設定した加工エリアの加工順序とを同じにしているので、表面20Aと裏面20Bとの間のレーザ光照射位置の位置ずれを小さくすることが可能となる。また、表面20Aのレーザ加工と裏面20Bのレーザ加工とでfθレンズ34の温度補正を行うタイミングを同じにしているので、表面20Aと裏面20Bとの間のレーザ光照射位置の位置ずれを小さくすることが可能となる。したがって、被加工物4にストレートな形状の貫通穴を正確に形成することが可能となる。

産業上の利用可能性

[0082]
 以上のように、本発明に係るレーザ加工機、レーザ加工方法およびレーザ加工制御装置は、被加工物へのレーザ光による穴あけ加工に適している。

符号の説明

[0083]
 1 レーザ発振器
 2 加工制御装置
 3 レーザ加工部
 4 被加工物
 20A 表面
 20B~20F 裏面
 21a~24a,21b~24b,21d~24d,21e~24e,21f~24f 加工エリア
 29A~29C 加工穴
 29P,29Q 貫通穴
 30 加工テーブル
 34 fθレンズ
 35X,35Y ガルバノミラー
 36X,36Y ガルバノスキャナ
 100 レーザ加工機
 G 目標位置
 H1a~H7a,H1b~H7b,Hx,Hx1~Hx3 穴位置
 L,L1a~L1c,L2a~L2c,L3a~L3c レーザ光

請求の範囲

[請求項1]
 被加工物を載置して前記被加工物を面内方向に移動させる加工テーブルと、
 レーザ発振器から出射されたレーザ光を前記被加工物に設定された各加工エリア内で2次元的に走査するガルバノスキャナと、
 前記ガルバノスキャナからのレーザ光を前記被加工物上の各加工位置に集光させるfθレンズと、
 前記被加工物の一方の主面である表面をレーザ加工する際には前記表面に設定された各加工エリアの位置を前記加工テーブルに指示するとともに前記表面に設定された前記加工エリア内での前記各加工位置を前記ガルバノスキャナに指示し、前記被加工物の他方の主面である裏面をレーザ加工する際には前記裏面に設定された各加工エリアの位置を前記加工テーブルに指示するとともに前記裏面に設定された前記加工エリア内での前記各加工位置を前記ガルバノスキャナに指示する制御部と、
 を備え、
 前記制御部は、
 前記表面にレーザ光を照射してから前記被加工物を裏返して前記裏面にレーザ光を照射することによって前記被加工物の両面からレーザ光を照射して前記被加工物に貫通穴を形成する場合に、前記表面の加工エリアと前記裏面の加工エリアとが前記被加工物の同じ領域となるよう前記表面および前記裏面の各加工エリアの位置を前記加工テーブルに指示することを特徴とするレーザ加工機。
[請求項2]
 前記制御部は、前記被加工物の両面からレーザ光を照射して前記被加工物に貫通穴を形成する場合に、前記表面と前記裏面とで同じ領域が設定された加工エリアに対し、前記表面と前記裏面とで同じ加工位置の順番でレーザ加工されるよう前記表面および前記裏面の加工エリア内での各加工位置を前記ガルバノスキャナに指示することを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工機。
[請求項3]
 前記制御部は、前記被加工物の両面からレーザ光を照射して前記被加工物に貫通穴を形成する場合に、前記表面と前記裏面とで同じ加工エリアの順番でレーザ加工されるよう前記表面および前記裏面の各加工エリアの位置を前記加工テーブルに指示することを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ加工機。
[請求項4]
 被加工物を載置して前記被加工物を面内方向に移動させる加工テーブル上に前記被加工物の一方の主面である表面側が上面を向くよう前記被加工物を載置する第1の載置ステップと、
 レーザ発振器から出射されたレーザ光を前記被加工物に設定された各加工エリア内で2次元的に走査するガルバノスキャナと、前記加工テーブルと、を制御することによって、前記ガルバノスキャナからのレーザ光をfθレンズを介して前記被加工物上の各加工位置に集光させ、これにより前記表面側から前記被加工物の厚さ方向の途中まで前記被加工物をレーザ加工する第1の加工ステップと、
 前記加工テーブル上に前記被加工物の他方の主面である裏面側が上面を向くよう前記被加工物を載置する第2の載置ステップと、
 前記ガルバノスキャナと、前記加工テーブルと、を制御することによって、前記ガルバノスキャナからのレーザ光を前記fθレンズを介して前記被加工物上の各加工位置に集光させ、これにより前記被加工物の厚さ方向の途中までレーザ加工された位置の前記裏面側から前記被加工物をレーザ加工する第2の加工ステップと、
 を含み、
 前記第1および第2の加工ステップは、前記表面の加工エリアと前記裏面の加工エリアとが前記被加工物の同じ領域となるよう前記表面および前記裏面の各加工エリアの位置へ前記加工テーブルを移動させて前記被加工物がレーザ加工されることを特徴とするレーザ加工方法。
[請求項5]
 前記被加工物の表面を複数枚レーザ加工した後に前記被加工物の裏面を複数枚レーザ加工する場合、
 前記表面を所定枚数レーザ加工した後に行う前記fθレンズの温度補正と、前記裏面を所定枚数レーザ加工した後に行う前記fθレンズの温度補正と、が同じタイミングで行なわれるよう、前記表面および前記裏面への前記所定枚数が同数に設定されることを特徴とする請求項4に記載のレーザ加工方法。
[請求項6]
 被加工物を載置して前記被加工物を面内方向に移動させる加工テーブルと、レーザ発振器から出射されたレーザ光を前記被加工物に設定された各加工エリア内で2次元的に走査するガルバノスキャナと、を制御することによって、前記ガルバノスキャナからのレーザ光をfθレンズを介して前記被加工物上の各加工位置に集光させる制御部を備え、
 前記制御部は、
 前記被加工物の一方の主面である表面をレーザ加工する際には前記表面に設定された各加工エリアの位置を前記加工テーブルに指示するとともに前記表面に設定された前記加工エリア内での前記各加工位置を前記ガルバノスキャナに指示し、前記被加工物の他方の主面である裏面をレーザ加工する際には前記裏面に設定された各加工エリアの位置を前記加工テーブルに指示するとともに前記裏面に設定された前記加工エリア内での前記各加工位置を前記ガルバノスキャナに指示し、
 前記表面にレーザ光を照射してから前記被加工物を裏返して前記裏面にレーザ光を照射することによって前記被加工物の両面からレーザ光を照射して前記被加工物に貫通穴を形成する場合に、前記表面の加工エリアと前記裏面の加工エリアとが前記被加工物の同じ領域となるよう前記表面および前記裏面の各加工エリアの位置を前記加工テーブルに指示することを特徴とするレーザ加工制御装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]