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1. (WO2011125622) 光吸収異方性膜、偏光フィルム及びその製造方法、並びにそれを用いた表示装置
Document

明 細 書

発明の名称 光吸収異方性膜、偏光フィルム及びその製造方法、並びにそれを用いた表示装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011  

発明の効果

0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206  

実施例

0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217   0218   0219   0220   0221   0222  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

図面

1  

明 細 書

発明の名称 : 光吸収異方性膜、偏光フィルム及びその製造方法、並びにそれを用いた表示装置

技術分野

[0001]
 本発明は、光吸収異方性膜、該光吸収異方性膜を用いた偏光フィルム及びその製造方法、並びにそれを用いた表示装置に関し、特に偏光解消が低減された、光吸収異方性膜及び偏光フィルム、それを製造する方法、並びにそれを用いた表示装置に関する。

背景技術

[0002]
 レーザー光や自然光を含む照射光の減衰機能、偏光機能、散乱機能、遮光機能等が必要となった際には、従来は、それぞれの機能毎に異なった原理によって作動する装置を充当していた。それ故に、それら機能に対応する製品も、それぞれの機能別に異なった製造工程によって製造されていた。例えば、LCD(液晶素子)では表示における旋光性や複屈折性を制御するために直線偏光板や円偏光板が用いられている。OLED(有機エレクトロルミネッセンス素子)においても外光の反射防止のために円偏光板が使用されている。従来、これらの偏光板(偏光素子)にはヨウ素が二色性物質として広く使用されてきた。ヨウ素偏光子は、ヨウ素をポリビニルアルコールのような高分子材料に溶解又は吸着させ、その膜を一方向にフィルム状に延伸して多ヨウ素錯体を配向させることにより作製される。しかしながら、ヨウ素は昇華性が大きいために偏光素子に使用した場合、その耐熱性や耐光性が十分ではなかった。
[0003]
 そのため、有機系の色素を二色性物質に使用する偏光素子が検討されている。しかし、これら有機系の色素においてはヨウ素に比べると二色性がかなり劣る程度の偏光素子しか得られないなどの問題点があった。また、該方法では延伸処理等のプロセスに手間がかかる等の問題点もあった。
[0004]
 そこで、最近では他の方法が着目されるようになってきた。例えば、湿式製膜法で、ガラスや透明フィルムなどの基板上に有機色素分子の分子間相互作用などを利用して二色性色素を配向させる方法がある。しかし、ヨウ素偏光子に比べると二色性が劣り、液晶表示装置用途には利用することができない。配向した二色性色素の二色比を高める方法として、特許文献1では、二色性色素を、高配向秩序を有する相で配向させている。また、特許文献2及び3では結晶構造を含む偏光素子が開示されている。しかしこれらの偏光素子は、いずれも対称性の低い高次構造を含むため、ドメインと粒界を生じやすく、散乱や偏光解消を起こすという問題があった。また、特許文献2に記載のスルホ基、カルボキシル基などの水溶性を与える置換基を有するアゾ色素はリオトロピック液晶であるため、サーモトロピック液晶のように加熱熟成による均一配向処理を実施することが困難であり、平滑な表面を有する塗布膜の形成が難しく、散乱や偏光解消の原因となっていた。
[0005]
 一方、近年、表示性能などの向上を目的に新たな偏光素子の用途開発が進められている。特許文献4では、カラーフィルタ層と液晶材料層との間に偏光層(いわゆる、インセル偏光層)を設けることにより、カラーフィルタの偏光解消(いわゆる、消偏度)を抑制することが提案されている。しかしながら、液晶セル内に配置される偏光層は、より薄い膜厚で所望の偏光度を達成する必要があり、より高い二色性が要求される。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特許第4404606号
特許文献2 : 特開2006-79030号
特許文献3 : 特許第3667637号
特許文献4 : 特開2008-90317号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 本発明者が検討したところ、特許文献1に記載されている、ヘキサチック相又はクリスタル相により偏光層を形成すると、その対象性が低いためグレインバウンダリ(いわゆる結晶粒界)が生じる。この粒界に起因して生じる散乱光により偏光解消がおこりコントラストが低下することがわかった。
[0008]
 本発明は、上記の背景技術に鑑みなされたものであり、以下に示す目的を達成することを課題とする。
 本発明は、二色性が高く、且つ散乱光による偏光解消が低減された、高いコントラストの光吸収異方性膜、該光吸収異方性膜を具備してなる偏光フィルム及び表示装置を提供すること、並びに、前記偏光フィルムの製造方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

[0009]
 上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
<1> 液晶性の非着色性低分子化合物の占める割合が30質量%以下であり、且つネマチック液晶性を有するアゾ系二色性色素の少なくとも一種を含む二色性色素組成物の配向を固定してなり、X線回折測定において、配向軸平行方向の周期構造に由来する回折ピークを示す光吸収異方性膜。
<2> 前記回折ピークの少なくとも一つが表す周期が、3.0~50.0Åである<1>の光吸収異方性膜。
<3> 前記回折ピークの少なくとも一つの半値幅が、10.0Å以下である<1>又は<2>の光吸収異方性膜。
<4> 配向軸垂直方向の周期構造に由来する回折ピークを示し、該回折ピークの少なくとも一つが表す周期が3.0~15.0Åである<1>~<3>のいずれかの光吸収異方性膜。
<5> 前記配向軸垂直方向の周期構造に由来する回折ピークの少なくとも一つが、面内方向の周期構造に由来する回折ピークである<4>の光吸収異方性膜。
<6> 配向軸垂直方向の周期構造に由来する回折ピークが一つである<4>又は<5>の光吸収異方性膜。
<7> 配向軸垂直方向の周期構造に由来する回折ピークの強度が、配向軸に垂直な面内の膜法線方向±70°の範囲で極大値を示さない<4>~<6>のいずれかの光吸収異方性膜。
<8> 配向軸垂直方向の周期構造に由来する回折ピークの少なくとも一つの半値幅が2.0Å以下である<4>~<7>のいずれかの光吸収異方性膜。
<9> 前記二色性色素組成物が、二種以上の二色性色素を含む<1>~<8>のいずれかの光吸収異方性膜。
[0010]
<10> 前記少なくとも一種の二色性色素が下記一般式(I)、下記一般式(II)、下記一般式(III)、又は下記一般式(IV)で表わされる化合物である<1>~<9>のいずれかの光吸収異方性膜。
[化1]


(式中、R 11~R 14はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し;R 15及びR 16はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し;L 11は、-N=N-、-CH=N-、-N=CH-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、又は-CH=CH-を表し;A 11は、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し;B 11は、置換基を有していてもよい、2価の芳香族炭化水素基又は2価の芳香族複素環基を表し;nは1~5の整数を表し、nが2以上のとき複数のB 11は互いに同一でも異なっていてもよい。)
[化2]


(式中、R 21及びR 22はそれぞれ、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又は-L 22-Yで表される置換基を表すが、但し、少なくとも一方は、水素原子以外の基を表し;L 22は、アルキレン基を表すが、アルキレン基中に存在する1個のCH 2基又は隣接していない2個以上のCH 2基はそれぞれ-O-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-NRCOO-、-OCONR-、-CO-、-S-、-SO 2-、-NR-、-NRSO 2-、又は-SO 2NR-(Rは水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す)に置換されていてもよく;Yは、水素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、又は重合性基を表し;L 21はそれぞれ、アゾ基(-N=N-)、カルボニルオキシ基(-C(=O)O-)、オキシカルボニル基(-O-C(=O)-)、イミノ基(-N=CH-)、及びビニレン基(-C=C-)からなる群から選ばれる連結基を表し;Dyeはそれぞれ、下記一般式(IIa)で表されるアゾ色素残基を表し;
[化3]


式(IIa)中、*はL 21との結合部を表し;X 21は、ヒドロキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、無置換アミノ基、又はモノもしくはジアルキルアミノ基を表し;Ar 21は、それぞれ置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基又は芳香族複素環基を表し;nは1~3の整数を表し、nが2以上の時、2つのAr 21は互いに同一でも異なっていてもよい。)
[化4]


(式中、R 31~R 35はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し;R 36及びR 37はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し;Q 31は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、芳香族複素環基又はシクロヘキサン環基を表し;L 31は2価の連結基を表し;A 31は酸素原子又は硫黄原子を表す。)
[化5]


(式中、R 41及びR 42はそれぞれ、水素原子又は置換基を表し、互いに結合して環を形成していてもよく;Ar 4は、置換されていてもよい2価の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し;R 43及びR 44はそれぞれ、水素原子、又は置換されていてもよいアルキル基を表し、互いに結合して複素環を形成していてもよい。)
[0011]
<11> 基板と、該基板上に<1>~<10>のいずれかの光吸収異方性膜とを有する偏光フィルム。
<12> 前記基板と前記光吸収異方性膜との間に、配向膜を有する<11>の偏光フィルム。
<13> <11>又は<12>の偏光フィルムを有する表示装置。
<14>  少なくとも次の[1]~[3]:
[1]基板を直接、又は該基板上に形成された配向膜をラビング、もしくは光照射する工程
[2]該基板又は該配向膜上に、有機溶媒に溶解した、二色性色素組成物を塗布する工程
[3]該二色性色素組成物の塗布膜を50℃以上250℃以下で加熱し、配向させ光吸収異方性膜とする工程
をこの順に含む<11>又は<12>の偏光フィルムの製造方法。

発明の効果

[0012]
 本発明によれば、二色性が高く、且つ散乱光による偏光解消が低減された、高いコントラストの光吸収異方性膜及び偏光フィルム、並びにそれを利用した表示装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 比較例1のX線回折パターンである。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「~」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
1.光吸収異方性膜
 本発明は、液晶性の非着色性低分子化合物の占める割合が30質量%以下であり、且つネマチック液晶性を有するアゾ系二色性色素の少なくとも一種を含む二色性色素組成物の配向を固定してなり、X線回折測定において、配向軸平行方向の周期構造に由来する回折ピークを示すことを特徴とする光吸収異方性膜に関する。
 本発明でいう光吸収異方性膜とは、色素膜の厚み方向および任意の直交する面内2方向の立体座標系における合計3方向から選ばれる任意の2方向における電磁気学的性質に異方性を有する色素膜である。電磁気学的性質としては、吸収、屈折などの光学的性質、抵抗、容量などの電気的性質などが挙げられる。吸収、屈折などの光学的異方性を有する膜としては、例えば、直線偏光膜、円偏光膜、位相差膜、抵抗率異方性膜などがある。すなわち、本発明の光吸収異方性膜は、偏光膜、位相差膜あるいは抵抗率異方性膜に使用できる。特に、本発明の光吸収異方性膜は、可視光領域全体にわたって高い吸光度を示すため、偏光膜に有用である。
[0015]
 本発明の光吸収異方性膜は、X線回折測定において、配向軸平行方向の周期に由来する回折ピークを示すことを特徴とする。特に、配向軸垂直方向に隣接した分子が層を形成し、該層が配向軸平行方向に積層していることが好ましい。このような集合状態は、ネマチック相より高秩序なスメクチック相に類似のものであり、高い二色比が得られる。該周期は例えば、分子長またはその2倍に対応する場合を含み、その範囲は3.0~50.0Åであり、好ましくは10.0~45.0Åであり、より好ましくは15.0~40.0Åであり、さらに好ましくは25.0~35.0Åである。
[0016]
 ここで配向軸とは、光吸収異方性膜が直線偏光に対してもっとも大きな吸光度を示す方向を意味し、通常、配向処理を行なった方向と一致する。例えば、二色性色素組成物の水平配向を固定した膜では、配向軸は、膜面内の軸であって、配向処理方向(例えば、ラビング処理された配向膜上で、二色性色素組成物を水平配向させた態様では、通常、ラビング方向、光配向膜を利用して二色性色素組成物を水平配向させた態様では、通常、光配向膜への光照射により発現する複屈折率の最も大きい方向)と一致する。
[0017]
 一般に、光吸収異方性膜を形成するアゾ系の二色性色素はアスペクト比(=分子長軸長/分子短軸長)の大きな棒状分子であり、分子長軸方向とほぼ一致する方向に、可視光を吸収する遷移モーメントが存在する(非特許文献 Dichroic Dyes for Liquid Crystal Displays)。そのため、二色性色素の分子長軸と配向軸のなす角度が平均して小さく、ばらつきが小さいほど、光吸収異方性膜は高い二色比を示す。
[0018]
 本発明の光吸収異方性膜が示す、前記配向軸平行方向の周期に由来する回折ピークは、半値幅が10.0Å以下であることが好ましい。
[0019]
 ここで半値幅とは、X線回折測定の一つの回折ピーク内において、ベースラインを基準としたピーク頂点の強度を求め、ピーク頂点の左右に一つずつある、該強度の半分の強度を示す2点をとり、2点のそれぞれが示す周期の値の差をとった値のことである。
[0020]
 X線回折測定において配向軸平行方向の周期に由来する回折ピークを示し、その半値幅が10.0Å以下である光吸収異方性膜は、以下の理由により高い二色比を示すと推測される。
 配向軸平行方向の周期は、配向軸垂直方向に隣接する分子の重心位置秩序によって生じ、例えば重心位置が同一平面内にあれば層構造を形成する。この層構造またはそれに準ずる周期構造の法線方向が配向軸からゆらいでいると、周期構造を構成する二色性色素の分子長軸と配向軸のなす角が大きくなって二色比が低下し、また、回折ピークはブロードになって大きな半値幅を示すことになる。
 これに対し、回折ピークの半値幅が一定値以下であるシャープなピークであるということは周期構造のゆらぎが小さく、二色性色素の分子長軸と配向軸のなす角度が小さいこと、すなわち高秩序に配向していることを意味し、高い二色比を発現すると推測される。
 回折ピークの半値幅は、このように少なくとも10.0Å以下、好ましくは8.0Å以下、より好ましくは7.0Å以下、さらに好ましくは6.0Å以下であり、好ましくは0.1Å以上である。半値幅が上限を上回ると、周期構造のゆらぎが大きくなり、高秩序な配向が阻害され好ましくない。またこれが下限を下回ると、配向ひずみを生じやすくなってドメインと粒界を生じ、ヘイズの発生やドメインごとの配向乱れ、偏光解消を招く恐れがあり好ましくない。
[0021]
 本発明の光吸収異方性膜は、配向軸垂直方向の周期に由来する回折ピークを示すことが好ましい。該周期は例えば、分子長軸を配向時方向にそろえて配向した二色性色素の、分子短軸方向の分子間距離に対応し、その範囲は3.0~15.0Åであり、好ましくは3.0~10.0Åであり、より好ましくは3.0~6.0Åであり、さらに好ましくは3.3~5.5Åである。
[0022]
 本発明の光吸収異方性膜は、上記回折ピークについて、配向軸に垂直な面内の膜法線方向±70°の範囲で強度分布を測定したとき、極大値を示さない。該測定において回折ピークの強度が極大値を示した場合、それは配向軸垂直方向すなわち分子短軸方向のパッキングに異方性があることを示している。このような集合状態として具体的には、結晶、ヘキサチック相、クリスタル相などが挙げられる(液晶便覧参照)。パッキングに異方性があると、不連続なパッキングによってドメインと粒界を生じ、ヘイズの発生やドメインごとの配向乱れ、偏光解消を招く恐れがあり好ましくない。本発明の光吸収異方性膜は配向軸垂直方向のパッキングに異方性がないため、ドメインと粒界を生じることなく、均一な膜を形成する。このような集合状態として具体的には、ネマチック相、スメクチックA相、これらの相の過冷却状態などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、複数の集合状態が混在して、全体として、上記回折ピークの特徴を示す態様であってもよい。
 なお、配向軸に垂直な面内の膜法線方向±70°の範囲で強度分布を測定したとき、極大値を示すか否かについては、通常のX線回折装置を用いた測定により確認することができ、例えば、「X線回折要論」(CULLITY,B.D、アグネ、1961年)、「Thin Film Analysis by X-Ray Scattering:X線散乱による薄膜分析」(Birkholz, Mario、Wiley、2006年)、「X線結晶構造解析」(大橋裕二、裳華房、2005/09/25)、「X線解析入門 (第2版)」(角戸正夫 笹田義夫 (共著)、東京化学同人、1973年)等に記載の方法に準じて測定を行うことで、確認することができる。
[0023]
 光吸収異方性膜は、一般に膜に垂直または垂直に近い角度で入射する光に対して用いられるため、面内方向に高い二色比を有することが好ましい。そのため、光吸収異方性膜は面内方向に周期構造を有し、該周期構造に由来する回折ピークを示すことが好ましい。
[0024]
 本発明の光吸収異方性膜が示す、前記配向軸垂直方向の周期に由来する回折ピークは、半値幅が2.0Å以下であることが好ましく、1.0Å以下であることがより好ましい。
 ここで、回折ピークの半値幅が一定値以下であるシャープなピークであるということは分子間距離のばらつきが小さく、二色性色素の分子長軸と配向軸のなす角度が平均して小さいこと、すなわち高秩序に配向していることを意味し、高い二色比を発現すると推測される。
[0025]
 回折ピークの半値幅は、このように2.0Å以下、好ましくは1.0Å以下、より好ましくは0.90Å以下、さらに好ましくは0.70Å以下、よりさらに好ましくは0.50Å以下であり、特に好ましくは0.05Å以上である。半値幅が上限を上回ると、色素の分子間距離のばらつきが大きくなり、高秩序な配向が阻害され好ましくない。またこれが下限を下回ると、配向ひずみを生じやすくなってドメインと粒界を生じ、ヘイズの発生やドメインごとの配向乱れ、偏光解消を招く恐れがあり好ましくない。
[0026]
 光吸収異方性膜の回折ピークの周期および半値幅は、薄膜評価用X線回折装置(リガク社製、商品名:「ATX-G」インプレーン光学系)或いはこれと同等の装置で測定されるX線プロファイルから得られる
[0027]
 本発明の光吸収異方性膜のX線回折測定は、例えば次の手順により行われる。
 まず、光吸収異方性膜について、15°刻みで全方向のインプレーン測定を実施する。ピークが観測された角度を固定したまま、サンプルを基板に平行な面内で回転して測定する所謂φスキャンにより、ピーク強度が大きい基板平面内における向きを決定する。得られた向きにおけるインプレーン測定のピークを用いて、周期、半値幅を求めることができる。
[0028]
 二色性色素の配向を固定してなる光吸収異方性膜であって、かつ、回折ピークの周期や半値幅について、上記特徴のある本発明の光吸収異方性膜は、二色比が高く、偏光膜として有用である。
[0029]
 以下、X線回折測定において、上記特性を満足する光吸収異方性膜の作製に利用可能な材料等について詳細に説明する。
1-(1) 二色性色素組成物
 本発明では、光吸収異方性膜は、液晶性の非着色性低分子化合物の占める割合が30質量%以下であり、ネマチック液晶性を有するアゾ系二色性色素の少なくとも一種を含む二色性色素組成物の配向を固定してなる。
 本発明で利用する二色性色素組成物において、液晶性の非着色性低分子化合物の占める割合は30質量%以下であり、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、よりさらに好ましくは5質量%以下である。即ち、本発明で使用する二色性色素組成物では、二色性色素分子は自らの配向能によって、又は他の色素と併用することで配向し、その状態が固定されることで、偏光膜等の光吸収異方性膜として機能するのが好ましい。例えば、二色性色素とともに、主成分として非着色性の液晶化合物を含有する組成物を利用して、液晶化合物の分子の配向に沿って、二色性色素の分子を配向させ、所定の二色比を達成している、いわゆるゲストホスト(GH)タイプの組成物として調製することもできるが、GHの態様よりも、前記態様のほうが高い二色比を達成可能であり、好ましい。本発明において使用する二色性色素組成物は、液晶性の非着色性低分子化合物の占める割合が低いかあるいは全く含まないことで高い色素濃度を得ることができ、光吸収異方性膜を薄膜化することができる。
 ここで非着色性の液晶化合物とは、可視光の分光領域即ち400~700nmの分光領域において吸収を示さず、かつ、ネマチック液晶相またはスメクチック液晶相を発現する化合物を言い、例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第154~192頁および第715~722頁に記載の液晶化合物が挙げられる。
[0030]
 本発明では、ネマチック液晶性を有するアゾ系二色性色素の少なくとも一種を含む二色性色素組成物を用いる。本発明において、「二色性色素」とは、方向によって吸光度が異なる色素を意味する。また、「二色性」および「二色比」は、二色性色素組成物を光吸収異方性膜としたときの、偏光軸方向の偏光の吸光度に対する、吸収軸方向の偏光の吸光度の比で計算される。
 本発明における二色性色素組成物は、下記一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表されるアゾ色素の少なくとも一種を含有することが特に好ましい。下記一般式(I)~(IV)で表される二色性色素は、ネマチック液晶性を有するのが好ましい。
[0031]
[化6]


[0032]
 式中、R 11~R 14はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し;R 15及びR 16はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し;L 11は、-N=N-、-CH=N-、-N=CH-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、又は-CH=CH-を表し;A 11は、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し;B 11は、置換基を有していてもよい、2価の芳香族炭化水素基又は2価の芳香族複素環基を表し;nは1~5の整数を表し、nが2以上のとき複数のB 11は互いに同一でも異なっていてもよい。
[0033]
 上記一般式(I)において、R 11~R 14で表される置換基としては以下の基を挙げることができる。
 アルキル基(好ましくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~12、特に好ましくは炭素数1~8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2~20、より好ましくは炭素数2~12、特に好ましくは炭素数2~8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリール基、2-ブテニル基、3-ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2~20、より好ましくは炭素数2~12、特に好ましくは炭素数2~8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3-ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6~30、より好ましくは炭素数6~20、特に好ましくは炭素数6~12のアリール基であり、例えば、フェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、3,5-ジトリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0~20、より好ましくは炭素数0~10、特に好ましくは炭素数0~6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、
[0034]
 アルコキシ基(好ましくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~10、特に好ましくは炭素数1~6であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、オキシカルボニル基(好ましくは炭素数2~20、より好ましくは炭素数2~15、特に好ましくは2~10であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2~20、より好ましくは炭素数2~10、特に好ましくは2~6であり、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2~20、より好ましくは炭素数2~10、特に好ましくは炭素数2~6であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2~20、より好ましくは炭素数2~10、特に好ましくは炭素数2~6であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7~20、より好ましくは炭素数7~16、特に好ましくは炭素数7~12であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~10、特に好ましくは炭素数1~6であり、例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0~20、より好ましくは炭素数0~10、特に好ましくは炭素数0~6であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~10、特に好ましくは炭素数1~6であり、例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、
[0035]
 アルキルチオ基(好ましくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~10、特に好ましくは炭素数1~6であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6~20、より好ましくは炭素数6~16、特に好ましくは炭素数6~12であり、例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、スルホニル基(好ましくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~10、特に好ましくは炭素数1~6であり、例えば、メシル基、トシル基などが挙げられる)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~10、特に好ましくは炭素数1~6であり、例えば、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(好ましくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~10、特に好ましくは炭素数1~6であり、例えば、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~10、特に好ましくは炭素数1~6であり、例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基(-CH=N-もしくは-N=CH-)、アゾ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1~30、より好ましくは1~12のヘテロ環基であり、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(好ましくは、炭素数3~40、より好ましくは炭素数3~30、特に好ましくは、炭素数3~24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)が含まれる。
 これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基が二つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
[0036]
 R 11~R 14で表される基としては、好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基であり、さらに好ましくは水素原子又はメチル基である。
[0037]
 R 15及びR 16で表される置換基を有していてもよいアルキル基としては、好ましくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~12、特に好ましくは炭素数1~8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n-オクチル基などが挙げられる。R 15及びR 16で表されるアルキル基の置換基としては、前記R 11~R 14で表される置換基と同義である。R 15又はR 16がアルキル基を表す場合、R 12又はR 14と連結して環構造を形成してもよい。R 15及びR 16は、好ましくは水素原子、アルキル基であり、より好ましくは、水素原子、メチル基、又はエチル基である。
[0038]
 A 11は、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
 該フェニル基又は該ナフチル基が有していてもよい置換基としては、アゾ化合物の溶解性やネマチック液晶性を高めるために導入される基、色素としての色調を調節するために導入される電子供与性や電子吸引性を有する基、又は配向を固定化するために導入される重合性基を有する基が好ましく、具体的には、前記R 11~R 14で表される置換基と同義である。好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアシルアミノ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいスルファモイル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいスルホニル基、置換基を有していてもよいウレイド基、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、イミノ基、アゾ基、ハロゲン原子であり、特に好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、ニトロ基、イミノ基、アゾ基である。これらの置換基のうち、炭素原子を有するものについては、炭素原子数の好ましい範囲は、R 11~R 14で表される置換基についての炭素原子数の好ましい範囲と同様である。
[0039]
 該フェニル基又は該ナフチル基は、これら置換基を1~5個有していてもよく、好ましくは1個有していることである。フェニル基についてより好ましくは、L 1に対してパラ位に1個置換基を有していることである。
[0040]
 芳香族複素環基としては、単環又は二環性の複素環由来の基が好ましい。芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子が挙げられる。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。芳香族複素環基として具体的には、ピリジル基、キノリル基、チオフェニル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、チアジアゾリル基、キノロニル基、ナフタルイミドイル基、チエノチアゾリル基などが挙げられる。
[0041]
 芳香族複素環基としては、ピリジル基、キノリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリ基、チアジアゾリル基、又はチエノチアゾリル基が好ましく、ピリジル基、ベンゾチアゾリル基、チアジアゾリル基、又はチエノチアゾリル基がより好ましく、ピリジル基、ベンゾチアゾリル基、又はチエノチアゾリル基がさらに好ましい。
[0042]
 A 11は、特に好ましくは、置換基を有していてもよいフェニル基、ピリジル基、ベンゾチアゾリル基、又はチエノチアゾリル基である。
[0043]
 B 11は、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基、又は2価の芳香族複素環基を表す。nは1~4を表し、nが2以上のとき、複数のB 11は互いに同一でも異なっていてもよい。
[0044]
 該芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましい。該芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアシルアミノ基、及びシアノ基が挙げられる。該芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子が好ましく、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ハロゲン原子がより好ましく、メチル基、又はハロゲン原子がさらに好ましい。
[0045]
 該芳香族複素環基としては、単環又は二環性の複素環由来の基が好ましい。芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子が挙げられる。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。芳香族複素環基として具体的には、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾチアジアゾール基、フタルイミド基、チエノチアゾール基等が挙げられる。中でも、チエノチアゾール基が特に好ましい。
 該芳香族複素環基が有していてもよい置換基としては、メチル基、及びエチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;無置換あるいはメチルアミノ基等のアミノ基;アセチルアミノ基、アシルアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。これらの置換基のうち、炭素原子を有するものについては、炭素原子数の好ましい範囲は、R 11~R 14で表される置換基についての炭素原子数の好ましい範囲と同様である。
[0046]
 前記一般式(I)で表されるアゾ色素の好ましい例には、下記一般式(Ia)及び(Ib)のいずれかで表されるアゾ色素が含まれる。
[0047]
[化7]


[0048]
 式中、R 17a及びR 18aはそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、又はエチル基を表し;L 11aは、-N=N-、-N=CH-、-O(C=O)-、又は-CH=CH-を表し;A 11aは、下記一般式(Ia-I)又は(Ia-III)で表される基を表し;B 11a及びB 12aはそれぞれ独立に、下記式(Ia-IV)、(Ia-V)、又は(Ia-VI)で表される基を表す;
[0049]
[化8]


[0050]
 式中、R 19aは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、又は置換基を有していてもよいアシルオキシ基を表す。
[0051]
[化9]


[0052]
 式中、mは0~2の整数を表す。
[0053]
[化10]


[0054]
 式中、R 17b及びR 18bはそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、又はエチル基を表し;L 11bは、-N=N-又は-(C=O)O-を表し;L 12bは、-N=CH-、-(C=O)O-、又は-O(C=O)-を表し;A 11bは、下記式(Ib-II)又は(Ib-III)で表される基を表し;mは0~2の整数を表す;
[0055]
[化11]


[0056]
 式中、R 19bは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基を表す。
[0057]
 前記一般式(Ia)及び(Ib)中、各基が有する置換基の例には、一般式(I)中のR 11~R 14で表される置換基の例と同様である。また、アルキル基等の炭素原子を有する基については、炭素原子数の好ましい範囲は、R 11~R 14で表される置換基についての炭素原子数の好ましい範囲と同様である。
[0058]
 なお、上記一般式(I)、(Ia)及び(Ib)で表される化合物は置換基として、重合性基を有していてもよい。重合性基を有していると、硬膜性が良化されるので好ましい。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、及びアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。エチレン性不飽和重合性基の例には、アクリロイル基、及びメタクリロイル基が含まれる。
 重合性基は分子末端に位置するのが好ましく、即ち、式(I)中では、R 15及び/又はR 16の置換基として、並びにAr 11の置換基として、存在するのが好ましい。
[0059]
 以下に、式(I)で表されるアゾ色素の具体例を示すが、以下の具体例に限定されるものではない。
[0060]
[化12]


[0061]
[化13]


[0062]
[化14]


[0063]
[化15]


[0064]
[化16]


[0065]
[化17]


[0066]
[化18]


[0067]
[化19]


[0068]
[化20]


[0069]
[化21]


[0070]
[化22]


[0071]
[化23]


[0072]
[化24]


[0073]
[化25]


[0074]
[化26]


[0075]
[化27]


[0076]
 式中、R 21及びR 22はそれぞれ、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又は-L 22-Yで表される置換基を表すが、但し、少なくとも一方は、水素原子以外の基を表す。L 22は、アルキレン基を表すが、アルキレン基中に存在する1個のCH 2基又は隣接していない2個以上のCH 2基はそれぞれ-O-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-NRCOO-、-OCONR-、-CO-、-S-、-SO 2-、-NR-、-NRSO 2-、又は-SO 2NR-(Rは水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す)に置換されていてもよい。Yは、水素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、又は重合性基を表す。
[0077]
 中でも、R 21及びR 22の一方が、水素原子又はC 1~C 4程度の短鎖の置換基であり、R 21及びR 22の他方が、C 5~C 30程度の長鎖の置換基であると、溶解性がより改善されるので好ましい。一般的に、液晶性の発現に関しては、その分子形状及び分極率の異方性等が大きく影響することがよく知られており、液晶便覧(2000年、丸善(株))等に詳しく記載されている。棒状液晶分子の代表的な骨格は、剛直なメソゲンと分子長軸方向の柔軟な末端鎖から成っており、式(II)中のR 21及びR 22に相当する分子短軸方向の側方置換基は、分子の回転を阻害しない小さな置換基とするか、又は置換していないのが一般的である。側方置換基に特徴を持たせた例としては、親水性(例えばイオン性)の側方置換基を導入することで、スメクチック相の安定化した例が知られているが、安定なネマチック相を発現する例はほとんど知られていない。特に、ネマチック相を発現する棒状液晶性分子の特定の置換位置に、長鎖の置換基を導入することで、配向秩序度を低下させることなく、溶解性を向上させた例は、全く知られていない。
[0078]
 R 21及びR 22がそれぞれ表すアルキル基としては、C 1~C 30のアルキル基が挙げられる。上記短鎖のアルキル基の例としては、C 1~C 9が好ましく、C 1~C 4がより好ましい。一方、上記長鎖のアルキル基としては、C 5~C 30が好ましく、C 10~C 30がより好ましく、C 10~C 20がさらに好ましい。
[0079]
 R 21及びR 22がそれぞれ表すアルコキシ基としては、C 1~C 30のアルコキシ基が挙げられる。上記短鎖のアルコキシ基の例としては、C 1~C 8が好ましく、C 1~C 3がより好ましい。一方、上記長鎖のアルコキシ基としては、C 5~C 30が好ましく、C 10~C 30がより好ましく、C 10~C 20がさらに好ましい。
[0080]
 R 21及びR 22がそれぞれ表す-L 22-Yで表される置換基のうち、L 22が表すアルキレン基は、C 5~C 30が好ましく、C 10~C 30がより好ましく、C 10~C 20がさらに好ましい。前記アルキレン基中に存在する1個のCH 2基又は隣接していない2個以上のCH 2基はそれぞれ-O-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-NRCOO-、-OCONR-、-CO-、-S-、-SO 2-、-NR-、-NRSO 2-、及び-SO 2NR-(Rは水素原子、又は炭素数1~4のアルキル基を表す)からなる2価基の群から選択された1以上によって置換されていてもよい。勿論、前記2価基の群から選択される2以上の基によって置換されていてもよい。また、L 22の末端であって、Yと結合するCH 2が、上記2価の基のいずれかで置換されていてもよい。また、L 22の先端であって、フェニル基と結合するCH 2が、上記2価の基のいずれかで置換されていてもよい。
[0081]
 特に、溶解性向上の観点では、L 22がアルキレンオキシ基である、又はアルキレンオキシ基を含んでいるのが好ましく、L 22が、-(OCH 2CH 2p-(但し、pは3以上の数を表し、3~10であるのが好ましく、3~6であるのがより好ましい)で表されるポリエチレンオキシ基であるか、又はポリエチレンオキシ基を含んでいるのがさらに好ましい。
 以下に、-L 22-の例を示すが、以下の例に限定されるものではない。下記式中、qは1以上の数であり、1~10であるのが好ましく、2~6であるのがより好ましい。また、rは5~30であり、好ましくは10~30であり、より好ましくは10~20である。
-(OCH 2CH 2p
-(OCH 2CH 2p-O-(CH 2q
-(OCH 2CH 2p-OC(=O)-(CH 2q
-(OCH 2CH 2p-OC(=O)NH-(CH 2q
-O(CH 2r
-(CH 2r
[0082]
 R 21及びR 22がそれぞれ表す-L 22-Yで表される置換基のうち、Yは、水素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基(好ましくはC 1~C 10、より好ましくはC 1~C 5のアルコキシ基である)、カルボキシル基、ハロゲン原子、又は重合性基を表す。
 L 22とYとの組合せにより、-L 22-Yの末端は、例えばカルボキシル基やアミノ基、アンモニウム基などの分子間相互作用を強める置換基となり得るし、またスルホニルオキシ基、ハロゲン原子等の脱離基にもなり得る。
 また、-L 22-Yの末端は、架橋性基、重合性基など、他分子と共有結合を形成する置換基であってもよく、例えば、-O-C(=O)CH=CH 2、及び-O-C(=O)C(CH 3)=CH 2等の重合性基であってもよい。
[0083]
 硬化膜用の材料として利用する場合は、Yは、重合性基であることが好ましい(但し、前記式(II)の化合物が重合性基を有していなくても、併用される化合物が重合性であれば、当該他の化合物の重合反応を進行させることで、式(II)の化合物の配向を固定することができる)。重合反応は、付加重合(開環重合を含む)又は縮合重合であることが好ましい。すなわち、重合性基は、付加重合反応又は縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。前記式で表される重合性基の例には、下記式(M-1)で表されるアクリレート基、及び下記式(M-2)で表されるメタクリレーと基が含まれる。
[0084]
[化28]


[0085]
 また、開環重合性基も好ましく、例えば、環状エーテル基が好ましく、エポキシ基又はオキセタニル基がより好ましく、エポキシ基が特に好ましい。
[0086]
 前記一般式(II)中、L 21はそれぞれ、アゾ基(-N=N-)、カルボニルオキシ基(-C(=O)O-)、オキシカルボニル基(-O-C(=O)-)、イミノ基(-N=CH-)、及びビニレン基(-C=C-)からなる群から選ばれる連結基を表す。中でも、ビニレン基が好ましい。
[0087]
 前記前記一般式(II)中、Dyeはそれぞれ、下記一般式(IIa)で表されるアゾ色素残基を表す。
[0088]
[化29]


[0089]
 式(IIa)中、*はL 21との結合部を表し;X 21は、ヒドロキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、無置換アミノ基、又はモノもしくはジアルキルアミノ基を表し;Ar 21は、それぞれ置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表し;nは1~3の整数を表し、nが2以上の時、複数あるAr 21は互いに同一でも異なっていてもよい。
[0090]
 X 21で表されるアルキル基は、好ましくはC 1~C 12、より好ましくは、C 1~C 6のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が含まれる。アルキル基は置換基を有していてもよく、該置換基の例には、ヒドロキシ基、カルボキシル基、及び重合性基が含まれる。重合性基の好ましい例は、上記Yが表す重合性基の好ましい例と同様である。
[0091]
 X 21で表されるアルコキシは、好ましくはC 1~C 20、より好ましくはC 1~C 10、さらに好ましくはC 1~C 6のアルコキシ基である。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロピオキシ基、ブトキシ基、ペンタオキシ基、ヘキサオキシ基、ヘプタオキシ基、オクタオキシ基などが挙げられる。アルコキシ基は置換基を有していてもよく、該置換基の例には、ヒドロキシ基、カルボキシル基、及び重合性基が含まれる。重合性基の好ましい例は、上記Yが表す重合性基の好ましい例と同様である。
[0092]
 X 21で表される置換もしくは無置換のアミノ基は、好ましくはC 0~C 20、より好ましくはC 010、さらに好ましくはC 0~C 6のアミノ基である。具体的には、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチル・ヘキシルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる。
[0093]
 中でも、X 21はアルコキシ基であるのが好ましい。
[0094]
 前記一般式(II)中、Ar 21は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基又は芳香族複素環基を表す。芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基の例には、1,4-フェニレン基、1,4-ナフチレン基、ピリジン環基、ピリミジン環基、ピラジン環基、キノリン環基、チオフェン環基、チアゾール環基、チアジアゾール環基、チエノチアゾール環基などが含まれる。中でも、1,4-フェニレン基、1,4-ナフチレン基、チエノチアゾール環基が好ましく、1,4-フェニレン基が最も好ましい。
[0095]
 Ar 21が有してもよい置換基としては、炭素数1~10のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~10のアルコキシ基、シアノ基などが好ましく、炭素数1~2のアルキル基、炭素数1~2のアルコキシ基がより好ましい。
[0096]
 nは、1又は2であるのが好ましく、1がより好ましい。
[0097]
 前記一般式(II)で表される化合物の例には、以下の一般式(IIb)で表される化合物が含まれる。式中の各記号の意義は、式(II)中のそれぞれと同義であり、好ましい範囲も同様である。
[0098]
[化30]


[0099]
 式中、X 21は互いに同一又は異なり、C 1-12のアルコキシ基を表すのが好ましく;R 21及びR 22は互いに異なっているのが好ましく、R 21及びR 22の一方が、水素原子又はC 1~C 4の短鎖の置換基(アルキル基、アルコキシ基、又は-L 22-Yで表される置換基)であり、R 21及びR 22の他方が、C 5~C 30の長鎖の置換基(アルキル基、アルコキシ基、又は-L 22-Yで表される置換基)であるのが好ましい。あるいは、R 21及びR 22はそれぞれ、-L 22-Yで表される置換基であり、L 22がアルキレンオキシ基である、又はアルキレンオキシ基を含んでいるのも好ましい。
[0100]
 以下に、前記一般式(II)で表される化合物の具体例を示すが、以下の化合物例に限定されるものではない。
[0101]
[化31]


[0102]
[化32]


[0103]
[化33]


[0104]
[化34]


[0105]
 式中、R 31~R 35はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し;R 36及びR 37はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し;Q 31は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、芳香族複素環基又はシクロヘキサン環基を表し;L 31は2価の連結基を表し;A 31は酸素原子又は硫黄原子を表す。
[0106]
 R 31~R 35で表される置換基の例としては、前記式(I)中のR 11~R 14がそれぞれ表す置換基の例と同様である。好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子であり、特に好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基であり、最も好ましくは水素原子又はメチル基である。
[0107]
 前記一般式(III)において、R 36及びR 37で表される置換基を有していてもよいアルキル基としては、好ましくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~12、特に好ましくは炭素数1~8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n-オクチル基などが挙げられる。R 36及びR 37で表されるアルキル基の置換基としては、前記R 31~R 35で表される置換基と同義である。R 36及びR 37がアルキル基を表す場合、互いに連結して環構造を形成してもよい。R 36又はR 37がアルキル基を表す場合、それぞれR 32又はR 34と連結して環構造を形成してもよい。
 R 36及びR 37で表される基としては、特に好ましくは水素原子又はアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基である。
[0108]
 前記一般式(III)において、Q 31は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~10であり、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、置換基を有していてもよい芳香族複素環基又は置換基を有していてもよいシクロヘキサン環基を表す。
 Q 31で表される基が有していてもよい置換基としては、アゾ化合物の溶解性やネマチック液晶性を高めるために導入される基、色素としての色調を調節するために導入される電子供与性や電子吸引性を有する基、又は配向を固定化するために導入される重合性基を有する基が好ましく、具体的には、前記R 31~R 35で表される置換基と同義である。好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアシルアミノ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいスルファモイル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいスルホニル基、置換基を有していてもよいウレイド基、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、イミノ基、アゾ基、ハロゲン原子であり、特に好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、ニトロ基、イミノ基、アゾ基である。これらの置換基のうち、炭素原子を有するものについては、炭素原子数の好ましい範囲は、R 31~R 35で表される置換基についての炭素原子数の好ましい範囲と同様である。
[0109]
 該芳香族炭化水素基、該芳香族複素環基又は該シクロヘキサン環基は、これら置換基を1~5個有していてもよく、好ましくは1個有していることである。Q 31がフェニル基である場合は、L 31に対してパラ位に1個置換基を有しているのが好ましく、シクロヘキサン環基である場合は、L 31に対して4位にトランス配置となるように1個置換基を有しているのが好ましい。
[0110]
 Q 31で表される芳香族複素環基としては、単環又は二環性の複素環由来の基が好ましい。芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子が挙げられる。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。芳香族複素環基として具体的には、ピリジル基、キノリル基、チオフェニル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、チアジアゾリル基、キノロニル基、ナフタルイミドイル基、チエノチアゾリル基などが挙げられる。
 芳香族複素環基としては、ピリジル基、キノリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリ基、チアジアゾリル基、又はチエノチアゾリル基が好ましく、ピリジル基、ベンゾチアゾリル基、チアジアゾリル基、又はチエノチアゾリル基が特に好ましく、ピリジル基、ベンゾチアゾリル基、又はチエノチアゾリル基が最も好ましい。
[0111]
 Q 31で表される基としては、特に好ましくは置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ベンゾチアゾリル基、チエノチアゾリル基又はシクロヘキサン環基であり、より好ましくは、フェニル基、ピリジル基、ベンゾチアゾリル基又はシクロヘキサン環基である。
[0112]
 前記一般式(III)において、L 31で表される連結基としては、単結合、アルキレン基(好ましくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~10、特に好ましくは炭素数1~6であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基などが挙げられる)、アルケニレン基(好ましくは炭素数2~20、より好ましくは炭素数2~10、特に好ましくは炭素数2~6であり、例えば、エテニレン基などが挙げられる)、アルキニレン基(好ましくは炭素数2~20、より好ましくは炭素数2~10、特に好ましくは炭素数2~6であり、例えば、エチニレン基などが挙げられる)、アルキレンオキシ基(好ましくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~10、特に好ましくは炭素数1~6であり、例えば、メチレンオキシ基などが挙げられる)、アミド基、エーテル基、アシルオキシ基(-C(=O)O-)、オキシカルボニル基(-OC(=O)-)、イミノ基(-CH=N-もしくは-N=CH-)、スルホアミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、カルボニル基、-NR-基(ここで、Rは水素原子、アルキル基又はアリール基を表す)、アゾ基、アゾキシ基、又はこれらを2つ以上組合せて構成される炭素数0~60の2価の連結基が挙げられる。
[0113]
 L 31で表される基としては、特に好ましくは単結合、アミド基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、イミノ基、アゾ基又はアゾキシ基であり、よりさらに好ましくはアゾ基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、又はイミノ基である。
[0114]
 前記一般式(III)において、A 31は酸素原子又は硫黄原子を表し、好ましくは硫黄原子である。
[0115]
 前記一般式(III)で表される化合物は、置換基として、重合性基を有していてもよい。重合性基を有していると、硬膜性が良化されるので好ましい。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、及びアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。エチレン性不飽和重合性基の例には、アクリロイル基、及びメタクリロイル基が含まれる。
 重合性基は分子末端に位置するのが好ましく、即ち、式(III)中では、R 36及び/又はR 37の置換基として、並びにQ 1の置換基として、存在するのが好ましい。
[0116]
 前記一般式(III)で表される化合物のうち、特に好ましいものは、下記一般式(IIIa)で表される化合物である。
[0117]
[化35]


[0118]
 式中、R 31~R 35については、上記式(III)中のそれぞれと同義であり、好ましい範囲も同様である。B 31は窒素原子又は置換基を有していてもよい炭素原子を表し;L 32はアゾ基、アシルオキシ基(-C(=O)O-)、オキシカルボニル基(-OC(=O)-)、又はイミノ基を表す。
[0119]
 前記一般式(IIIa)において、R 35は水素原子又はメチル基を表すのが好ましく、より好ましくは水素原子である。
[0120]
 前記一般式(IIIa)において、B 31が炭素原子の場合に有していてもよい置換基は、前記一般式(III)においてQ 31が有していてもよい置換基と同義であり、好ましい範囲も同一である。
 前記一般式(IIIa)において、L 32はアゾ基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、又はイミノ基を表し、好ましくはアゾ基又はアシルオキシ基、オキシカルボニル基であり、より好ましくはアゾ基である。
[0121]
 以下に、式(III)で表される化合物の具体例を示すが、以下の具体例に限定されるものではない。
[化36]


[0122]
[化37]


[0123]
[化38]


[0124]
[化39]


[0125]
[化40]


[0126]
[化41]


[0127]
[化42]


[0128]
[化43]


[0129]
[化44]


[0130]
 式中、R 41及びR 42はそれぞれ、水素原子又は置換基を表し、互いに結合して環を形成していてもよく;Ar 4は、置換されていてもよい2価の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し;R 43及びR 44はそれぞれ、水素原子、又は置換されていてもよいアルキル基を表し、互いに結合して複素環を形成していてもよい。
[0131]
 一般式(IV)において、R 41及びR 42がそれぞれ表す置換基の例としては、前記一般式(I)中のR 11~R 14がそれぞれ表す置換基の例と同様である。R 41及びR 42としては、好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、スルホ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基であり、さらに好ましくは水素原子、アルキル基、シアノ基であり、よりさらに好ましくは水素原子、メチル基、シアノ基である。
[0132]
 R 41とR 42は互いに連結して環を形成することも好ましい。特に芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を形成することが好ましい。芳香族複素環基としては、単環又は二環性の複素環由来の基が好ましい。芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子が挙げられる。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。芳香族複素環基として具体的には、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、キノリン環、チオフェン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアジアゾール環、キノロン環、ナフタルイミド環、チエノチアゾール環などが挙げられる。
 R 41とR 42が互いに連結して形成する環状基は、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環であり、より好ましくはベンゼン環又はピリジン環であり、もっとも好ましくはピリジン環である。
 R 41とR 42は互いに連結して形成する環状基は置換基を有していてもよく、その範囲はR 1、R 2で表される基と同様であり、好ましい範囲も同様である。
[0133]
 前記一般式(IV)で表される化合物の例には、以下の一般式(IV’)で表される化合物が含まれる。
[化45]


[0134]
 式中、式(IV)中と同一の符号は、それぞれ同義であり、好ましい範囲も同様である。A 42は、N又はCHを表し、R 47及びR 48はそれぞれ、水素原子又は置換基を表す。R 47及びR 48のいずれか一方は置換基であるのが好ましく、双方が置換基であるのも好ましい。置換基の好ましい例は、R 41及びR 42が表す置換基の例と同様であり、即ち、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、スルホ基であるのが好ましく、より好ましくは、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基であり、さらに好ましくはアルキル基、シアノ基であり、最も好ましくはメチル基、シアノ基である。例えば、R 47及びR 48のいずれか一方が炭素原子数1~4のアルキル基であり、他方がシアノ基である化合物例も好ましい。
[0135]
 一般式(IV’)において、Ar 4で表される芳香族複素環基としては、単環又は二環性の複素環由来の基が好ましい。芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子が挙げられる。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。芳香族複素環基として具体的には、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、キノリン環、チオフェン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアジアゾール環、キノロン環、ナフタルイミド環、チエノチアゾール環などが挙げられる。
 Ar 4で表される基は、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、キノリン環、チオフェン環であり、より好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、チオフェン環であり、もっとも好ましくはベンゼン環である。
 Ar 4は置換基を有していてもよく、その範囲は前記R 41、R 42で表される基と同様である。
 Ar 4が有していてもよい置換基は、好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基であり、よりさらに好ましくは、メチル基である。Ar 4は無置換であるのも好ましい。
[0136]
 Ar 4とアミノ基の結合は、Ar 4とアゾ基の結合と平行であることが、分子の直線性を高め、より大きな分子長及びアスペクト比を得られるため好ましい。例えばAr 4がアゾ基及びアミノ基と結合した6員環を含む場合、アミノ基はアゾ基に対して4位に結合していることが好ましく、アゾ基及びアミノ基と結合した5員環を含む場合、アミノ基はアゾ基に対して3位又は4位に結合していることが好ましい。
[0137]
 一般式(IV’)において、R 43及びR 44で表されるアルキル基の範囲は前記R 41、R 42で表されるアルキル基と同様である。該アルキル基は置換基を有していてもよく、当該置換基の例は、R 41、R 42で表される置換基の例と同様である。R 43及びR 44が置換されていてもよいアルキル基を表す場合、互いに結合して複素環を形成していてもよい。また、可能な場合にはAr 4が有する置換基と結合して環を形成していてもよい。
[0138]
 R 43とR 44は互いに連結して環を形成することが好ましい。好ましくは6員環又は5員環であり、より好ましくは6員環である。該環状基は、炭素とともに、炭素以外の原子を構成原子として有していてもよい。炭素以外の構成原子としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子が挙げられる。該環状基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。
 R 43とR 44からなる環状基として具体的には、3-ピロリン環、ピロリジン環、3-イミダゾリン環、イミダゾリジン環、4-オキサゾリン環、オキサゾリジン環、4-チアゾリン環、チアゾリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、アゼパン環、アゾカン環などが挙げられる。
 R 43とR 44からなる環状基は、好ましくはピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環であり、より好ましくはピペリジン環、ピペラジン環であり、もっとも好ましくはピペラジン環である。
[0139]
 R 43とR 44からなる環状基は置換基を有していてもよく、その範囲はR 41及びR 42で表される基と同様である。該環状基は剛直な直線状の置換基を一つ有し、該環状基と該置換基の結合は、該環状基とAr 4の結合と平行であることが、分子の直線性を高め、より大きな分子長及びアスペクト比を得られるため好ましい。
[0140]
 一般式(IV)で表される二色性色素のうち、特に好ましいものは、下記一般式(IVa)で表される二色性色素である。
[0141]
[化46]


[0142]
 式中、R 41及びR 42はそれぞれ、水素原子又は置換基を表し、互いに結合して環を形成していてもよく;Ar 4は、置換されていてもよい2価の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し;A 41は炭素原子又は窒素原子を表し;L 41、L 42、R 45、及びR 46は単結合又は2価の連結基を表し;Q 41は、置換されていてもよい、環状炭化水素基又は複素環基を表し;Q 42は、置換されていてもよい、2価の環状炭化水素基又は複素環基を表し;nは0~3の整数を表し、nが2以上の時、複数あるL 42及びQ 42は互いに同一でも異なっていてもよい。
[0143]
 一般式(IVa)において、R 41及びR 42で表される基の範囲は、一般式(IVa)におけるR 41及びR 42と同様であり、好ましい範囲も同様である。
 一般式(IVa)において、Ar 4で表される2価の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基の範囲は、一般式(IV)におけるAr 4と同様であり、好ましい範囲も同様である。
 一般式(IVa)において、A 41は好ましくは窒素原子である。
[0144]
 一般式(IVa)において、L 41、L 42、R 45、及びR 46で表される連結基としては、アルキレン基(好ましくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~10、特に好ましくは炭素数1~6であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基などが挙げられる)、アルケニレン基(好ましくは炭素数2~20、より好ましくは炭素数2~10、特に好ましくは炭素数2~6であり、例えば、エテニレン基などが挙げられる)、アルキニレン基(好ましくは炭素数2~20、より好ましくは炭素数2~10、特に好ましくは炭素数2~6であり、例えば、エチニレン基などが挙げられる)、アルキレンオキシ基(好ましくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~10、特に好ましくは炭素数1~6であり、例えば、メチレンオキシ基などが挙げられる)、アミド基、エーテル基、アシルオキシ基(-C(=O)O-)、オキシカルボニル基(-OC(=O)-)、イミノ基(-CH=N-もしくは-N=CH-)、スルホアミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、カルボニル基、-NR-基(ここで、Rは水素原子、アルキル基又はアリール基を表す)、アゾ基、アゾキシ基、又はこれらを2つ以上組合せて構成される炭素数0~60の2価の連結基が挙げられる。
[0145]
 L 41で表される連結基としては、好ましくは単結合、アルキレン基、アルケニレン基、アルキレンオキシ基、オキシカルボニル基、アシル基、カルバモイル基であり、より好ましくは単結合、アルキレン基であり、さらに好ましくは単結合、エチレン基である。
 L 42で表される連結基としては、好ましくは単結合、アルキレン基、アルケニレン基、オキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、イミノ基、アゾ基、アゾキシ基であり、より好ましくは単結合、オキシカルボニル基、アシルオキシ基、イミノ基、アゾ基、アゾキシ基であり、さらに好ましくは単結合、オキシカルボニル基、アシルオキシ基である。
[0146]
 R 45、R 46で表される連結基としては、好ましくは単結合、アルキレン基、アルケニレン基、アルキレンオキシ基、アシル基であり、より好ましくは単結合、アルキレン基であり、さらに好ましくは単結合、メチレン基である。
 一般式(IVa)中、窒素原子、メチレン基、R 45、R 46、A 41で形成される環の構成原子数は、R 45及びR 46によって決定し、例えば、R 45及びR 46がいずれも単結合である場合は、4員環になり得;いずれか一方が単結合であり、他方がメチレン基である場合は、5員環になり得;さらに、R 45及びR 46いずれもメチレン基である場合は、6員環になり得る。
 一般式(IVa)中、窒素原子、メチレン基、R 45、R 46、A 41で形成される環は、好ましくは6員環又は5員環であり、より好ましくは6員環である。
[0147]
 一般式(IVa)において、Q 41で表される基は、好ましくは芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~10であり、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、芳香族複素環基、シクロヘキサン環基である。
 Q 41で表される芳香族複素環基としては、単環又は二環性の複素環由来の基が好ましい。芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子が挙げられる。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。芳香族複素環基として具体的には、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、キノリン環、チオフェン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアジアゾール環、キノロン環、ナフタルイミド環、チエノチアゾール環などが挙げられる。
 Q 41で表される基は、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアジアゾール環、キノリン環、チエノチアゾール環、シクロヘキサン環であり、より好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアジアゾール環、シクロヘキサン環であり、もっとも好ましくはベンゼン環、ピリジン環、シクロヘキサン環である。
[0148]
 Q 41は置換基を有していてもよく、その範囲は前記R 41、R 42で表される基と同様である。
 Q 41が有していてもよい置換基は、好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアシルアミノ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニルアミノ基、置換基を有していてもよいスルホニルアミノ基、置換基を有していてもよいスルファモイル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいスルホニル基、置換基を有していてもよいウレイド基、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、イミノ基、アゾ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、ニトロ基、イミノ基、アゾ基である。これらの置換基のうち、炭素原子を有するものについては、炭素原子数の好ましい範囲は、前記R 41、R 42で表される基についての炭素原子数の好ましい範囲と同様である。
[0149]
 Q 41は置換基を一つ有し、Q 41と該置換基の結合は、Q 41とL 41又はL 42の結合と平行であることが、分子の直線性を高め、より大きな分子長及びアスペクト比を得られるため好ましい。特にn=0の場合は、Q 41が前記位置に置換基を有するのが好ましい。
[0150]
 一般式(IVa)において、Q 42は、置換されていてもよい、2価の環状炭化水素基又は複素環基を表す。
 Q 42で表される2価の環状炭化水素基は、芳香族性であっても、非芳香族性であってもよい。2価の環状炭化水素基の好ましい例には、芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~10であり、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、及びシクロヘキサン環基が含まれる。
 Q 42で表される2価の環状複素環基も、芳香族性であっても非芳香族性であってもよい。複素環基としては、単環又は二環性の複素環由来の基が好ましい。複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子が挙げられる。複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。複素環基として具体的には、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、キノリン環、チオフェン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアジアゾール環、キノロン環、ナフタルイミド環、チエノチアゾール環、3-ピロリン環、ピロリジン環、3-イミダゾリン環、イミダゾリジン環、4-オキサゾリン環、オキサゾリジン環、4-チアゾリン環、チアゾリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、アゼパン環、アゾカン環などが挙げられる。
 Q 42で表される基は、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、キノリン環、チオフェン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、チアジアゾール環、キノロン環、ナフタルイミド環、チエノチアゾール環、シクロヘキサン環であり、より好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、チアゾール環、チアジアゾール環、シクロヘキサン環であり、よりさらに好ましくは、ベンゼン環、シクロヘキサン環、ピペラジン環である。
[0151]
 Q 42は置換基を有していてもよく、その範囲は前記R 41、R 42で表される基と同様である。
 Q 42が有していてもよい置換基の範囲は、前記Ar 4が有していてもよい置換基と同様であり、好ましい範囲も同様である。
 Q 42とL 41及びL 42、又は二つのL 42との結合は、平行であることが、分子の直線性を高め、より大きな分子長及びアスペクト比を得られるため好ましい。
[0152]
 一般式(IVa)中、nは0~3の整数を表し、好ましくは0~2であり、より好ましくは0又は1であり、最も好ましくは1である。
[0153]
 一般式(IVa)で表される二色性色素のうち、特に好ましいものは、下記一般式(IVb)で表される二色性色素である。
[0154]
[化47]


[0155]
 式中、R 41及びR 42はそれぞれ、水素原子又は置換基を表し;A 41は炭素原子又は窒素原子を表し;L 41及びL 42はそれぞれ、単結合又は2価の連結基を表し;Q 41は、置換されていてもよい、環状炭化水素基又は複素環基を表し;Q 42は、置換されていてもよい、2価の環状炭化水素基又は複素環基を表し;nは0~3の整数を表し、nが2以上の時、複数あるL 42及びQ 42は互いに同一でも異なっていてもよい。
[0156]
 一般式(IVb)において、R 41、R 42、L 41、L 42、Q 41、Q 42で表される基の範囲は、一般式(IV)におけるR 41、R 42、L 41、L 42、Q 41、Q 42と同様であり、好ましい範囲も同様である。
 一般式(IVb)において、A 41は好ましくは窒素原子である。
[0157]
 以下に、式(IV)で表される化合物の具体例を示すが、以下の具体例に限定されるものではない。
[0158]
[化48]


[0159]
[化49]


[0160]
[化50]


[0161]
[化51]


[0162]
[化52]


[0163]
[化53]


[0164]
[化54]


[0165]
[化55]


[0166]
[化56]


[0167]
[化57]


[0168]
[化58]


[0169]
[化59]


[0170]
 前記一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表される化合物(アゾ色素)は、「Dichroic Dyes for Liquid Crystal Display」(A. V. Ivashchenko著、CRC社、1994年)、「総説合成染料」(堀口博著、三共出版、1968年)およびこれらに引用されている文献に記載の方法を参考にして合成することができる。
 また、本発明における前記一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表されるアゾ色素は、Journal of Materials Chemistry (1999), 9(11), 2755-2763等に記載の方法に準じて容易に合成することができる。
[0171]
 前記一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表されるアゾ色素は、その分子構造から明らかなように、分子形状が平板で直線性がよく、剛直なコア部分と柔軟な側鎖部分を有しており、且つアゾ色素の分子長軸末端に極性なアミノ基を有するため、それ自身液晶性、特にネマチック液晶性を発現しやすい性質を有しているという特徴を有する。
 このようにして、本発明において、上記(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表される二色性色素の少なくとも一種を含有する二色性色素組成物は、液晶性を有するものとなる。
 さらに、前記一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表されるアゾ色素は、分子の平面性が高いため強い分子間相互作用が働き、分子同士が会合状態を形成しやすい性質も有している。
[0172]
 本発明に係る前記一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表されるアゾ色素を含有する二色性色素組成物は、会合形成により可視の広い波長領域において高い吸光度を表すということだけでなく、この色素を含有した組成物が、具体的にはネマチック液晶性を有するため、例えば、ラビングしたポリビニルアルコール配向膜表面への塗布などの積層プロセスを経ることによって、高次の分子配向状態を実現できる。したがって、本発明に係る前記一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表されるアゾ色素を含有する二色性色素組成物を光吸収異方性膜として使用すれば、偏光特性の高い偏光素子を作製することができる。
 本発明の二色性色素組成物は、後述する実施例に記載の方法で算出した二色比(D)を15以上に高めることができ、好ましい(D)は18以上である。
[0173]
 前記一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表されるアゾ色素の液晶性については、好ましくは10~300℃、より好ましくは100~250℃でネマチック液晶相を示す。
[0174]
 本発明における二色性色素組成物は一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表されるアゾ色素を1種以上含有することが好ましい。アゾ色素の組み合わせについては特に制限はないが、製造される偏光子が高い偏光度を達成するためには、黒色となる組み合わせで2種以上を混合するのが好ましい。
 本発明の一般式(Ia)で表わされるアゾ色素は、マゼンタのアゾ色素であり、一般式(Ib)及び(II)で表わされるアゾ色素は、イエロー又はマゼンタのアゾ色素であり、一般式(III)及び(IV)で表わされるアゾ色素は、シアンのアゾ色素である。
 前記二色性色素組成物が含有する2種以上の二色性色素のうち、少なくとも1種は、一般式(Ia)、(Ib)、又は(II)で表されるアゾ色素であることが好ましい。
 また、前記二色性色素組成物は、一般式(III)又は(IV)で表されるアゾ色素を含有することが好ましい。
 また、前記二色性色素組成物は、少なくとも1種の一般式(Ia)、(Ib)、又は(II)で表されるアゾ色素、及び少なくとも1種の一般式(III)又は(IV)で表されるアゾ色素を含有することが好ましい。
 なお、前記二色性色素組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表されるアゾ色素以外の色素等である着色材料をさらに含有していてもよい。一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表されるアゾ色素以外の色素も、液晶性を示す化合物から選択されるのが好ましい。併用可能な色素としては、例えば、アゾ系色素、シアニン系色素、アゾ金属錯体、フタロシアニン系色素、ピリリウム系色素、チオピリリウム系色素、アズレニウム系色素、スクアリリウム系色素、キノン系色素、トリフェニルメタン系色素、及びトリアリルメタン系色素等を挙げることができる。好ましくは、アゾ系色素またはスクアリリウム系色素である。特に、「Dichroic Dyes for Liquid Crystal Display」(A. V. Ivashchenko著、CRC社、1994年)に記載のものも用いることができる。
[0175]
 本発明に使用する二色性色素は、遷移モーメントと分子長軸のなす角度が0度以上20度以下であることが好ましく、より好ましくは0度以上15度以下であり、さらに好ましくは0度以上10度以下であり、特に好ましくは0度以上5度以下である。ここで分子長軸とは、化合物中で原子間距離が最大となる2つの原子を結ぶ軸を言う。遷移モーメントの方向は分子軌道計算により求めることができ、そこから分子長軸となす角度も計算することができる。
[0176]
 本発明に使用する二色性色素は、剛直な直線状の構造であることが好ましい。具体的には、分子長は好ましくは17Å以上であり、より好ましくは20Å以上であり、さらに好ましくは25Å以上である。また、アスペクト比は好ましくは1.7以上であり、より好ましくは2以上であり、さらに好ましくは2.5以上である。これによって良好な一軸配向が達成され、偏光性能の高い光吸収異方性膜及び偏光子を得ることができる。
 ここで分子長とは、化合物中で最大の原子間距離に両端の2原子のファンデルワールス半径を加えた値である。アスペクト比とは分子長/分子幅であり、分子幅とは、分子長軸に垂直な面に各原子を投影したときの最大の原子間距離に両端の2原子のファンデルワールス半径を加えた値である。
[0177]
 前記二色性色素組成物は、1種以上の前記一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表されるアゾ色素を主成分として含有する。具体的には、前記一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表されるアゾ色素の含有量は、含有される全色素の合計の含有量に対して、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。上限値は100質量%であり、即ち、含有される色素が全て、一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表されるアゾ色素であっても勿論よい。
[0178]
 また、前記二色性色素組成物に含まれる、溶剤を除く全固形分において、1種以上の一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表される二色性色素の含有量は、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることが特に好ましい。上限値は特に制限されないが、下記の界面活性剤等、他の添加剤を含有する態様では、それらの効果を得るためには、前記二色性色素組成物に含まれる、溶剤を除く全固形分における、1種以上の一般式(I)、(II)、(III)、又は(IV)で表される二色性色素の含有量は、95質量%以下であるのが好ましく、90質量%以下であるのがより好ましい。
[0179]
 本発明における二色性色素組成物は、サーモトロピック液晶性、即ち、熱によって液晶相に転移して、液晶性を示すのが好ましい。好ましくは10~300℃、より好ましくは100~250℃でネマチック液晶相を示す。特に、ネマチック液晶相より低温領域にスメクチックA液晶相を示すことが好ましく、その好ましい温度範囲は、10~200℃、より好ましくは50~200℃である。
[0180]
 前記二色性色素組成物は、上記二色性色素以外に、1種以上の添加剤を含有していてもよい。前記二色性色素組成物は、ラジカル重合性基を有する非液晶性の多官能モノマー、重合開始剤、風ムラ防止剤、ハジキ防止剤、配向膜のチルト角(光吸収異方性膜/配向膜界面での液晶性色素のチルト角)を制御するための添加剤、空気界面のチルト角(光吸収異方性膜/空気界面での色素のチルト角)を制御するための添加剤、糖類、防黴、抗菌及び殺菌の少なくともいずれかの機能を有する薬剤等を含有していてもよい。
[0181]
1-(2) 光吸収異方性膜の製造方法
 本発明の光吸収異方性膜の製造方法の一例は、以下の通りである。
 塗布液として調製した前記二色性色素組成物を、表面に塗布して塗膜を形成する。塗布法としては、スピンコーティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット法、ダイコーティング法、スリットダイコーティング法、キャップコーティング法、ディッピング等、公知慣用の方法を行うことができる。通常は、有機溶剤で希釈した溶液を塗布するので、塗布後は乾燥させ、塗膜を得る。
[0182]
 前記二色性色素組成物の塗膜から有機溶媒等の溶質を蒸発させて、前記二色性色素組成物を配向させる。好ましくは室温において自然乾燥することが好ましい。塗布により形成された当該アゾ色素分子の配向状態を乱さない(熱緩和等を避ける)ようにするのが好ましい。なお、減圧処理において、溶媒を蒸発させ、より低温で乾燥することも好ましい。
[0183]
 ここでいう減圧処理とは、塗膜を有する基板を減圧条件下におき、溶媒を蒸発除去することを言う。このとき、膜を有する基板は高部から底部に流れないよう、水平にしておくことが好ましい。
 塗布後、塗膜の減圧処理を始めるまでの時間は、短ければ短いほどよく、好ましくは1秒以上30秒以内である。
 減圧処理の方法としては、例えば以下の様な方法が挙げられる。塗布液を塗布して得られた塗膜を、その基板とともに減圧処理装置に入れて減圧処理する。例えば特開2006-201759の図9や図10のような減圧処理装置を使用することができる。減圧処理装置の詳細については、特開2004-169975号公報に記載されている。
[0184]
 減圧処理の条件としては、塗膜の存在する系内の圧力が、好ましくは2×10 4Pa以下、さらに好ましくは1×10 4Pa以下、特に好ましくは1×10 3Pa以下である。また、好ましくは1Pa以上、更に好ましくは1×10 1Pa以上である。通常、系内が最終的に到達する圧力が前記の通りであることが好ましい。上限を上回ると乾燥できず配向が乱れる恐れがあり、下限を下回ると乾燥が急速過ぎて欠陥が発生する恐れがある。
 また、減圧処理時間は、好ましくは5秒以上180秒以内である。上限を上回ると配向緩和前に急速に塗膜を乾燥できず配向が乱れる恐れがあり、下限を下回ると乾燥できず配向が乱れる恐れがある。
[0185]
 また、減圧処理する際の系内の温度は、好ましくは10℃以上60℃以下である。上限を上回ると乾燥時に対流が起こり塗膜に不均一性の発生の恐れがあり、下限を下回ると乾燥できず配向が乱れる恐れがある。
[0186]
 前記塗膜を乾燥させて、二色性色素組成物を配向させるとき、配向を促進させるために加温してもよい。温度は、好ましくは50℃以上200℃以下であり、特に好ましくは70℃以上180℃以下である。この配向温度を低下させるために、二色性色素組成物に可塑剤等の添加剤を併用してもよい。
[0187]
 例えば、前記二色性色素組成物を、前記光配向膜表面に塗布すると、1種以上の二色性色素の分子は、配向膜との界面では配向膜のチルト角で配向し、空気との界面では空気界面のチルト角で配向する。高い偏光度の偏光層を製造するためには、いずれの界面においてもアゾ色素を水平配向させ、その配向状態に固定するのが好ましい。
 なお、本明細書では、「チルト角」とは、アゾ色素の分子の長軸方向と界面(配向膜界面あるいは空気界面)のなす角度を意味する。偏光性能の観点から、好ましい配向膜側のチルト角は0°~10°、さらに好ましくは0°~5°、特に好ましいのは0°~2°、よりさらに好ましくは0°~1°である。また、好ましい空気界面側のチルト角は0°~10°、さらに好ましくは0~5°、特に好ましいのは0~2°である。
[0188]
 前記二色性色素の分子の空気界面側のチルト角を上記範囲まで減少させるために、前記組成物は、(1)フルオロ脂肪族基含有化合物;又は、(2)フルオロ脂肪族基含有モノマーの重合単位、及びアミド基含有モノマーの重合単位からなる群から選択される少なくとも一種の重合単位を含むフルオロ脂肪族基含有共重合体;を含有しているのが好ましい。これらの少なくとも1種の存在下で、二色性色素分子を配向させることにより、空気界面側のチルト角を、上記範囲まで軽減することができる。
 なお、配向膜側チルト角は、空気界面側チルト角と比較して、配向膜の作用により低減される傾向があるが、前記組成物中に上記した配向膜チルト制御剤を添加することで、配向膜側チルト角をより軽減して、アゾ色素分子を安定的に水平配向状態にすることができる。
[0189]
 前記二色性色素組成物が、前記非液晶性のラジカル重合性多官能モノマー、及び前記重合開始剤、等の硬化性成分を含有する態様では、アゾ色素分子を所望の配向状態とした後、光照射(好ましくは紫外線照射)又は加熱、或いはこれらの組合せにより重合硬化を進行させるのが好ましい。
 なお、重合のための光照射エネルギーの値等については、特開2001-91741号公報の段落[0050]~[0051]の記載を参照することができる。
[0190]
 以上のようにして光吸収異方性膜を形成することができる。該光吸収異方性膜の厚さは、0.01~2μmであることが好ましく、0.05~2μmであることがさらに好ましい。
[0191]
(1)-3 配向膜
 本発明の光吸収異方性膜の製造には、配向膜を利用するのが好ましい。本発明に利用される配向膜は、当該配向膜上で、前記液晶性アゾ色素の分子を所望の配向状態とすることができるのであれば、どのような層でもよい。有機化合物(好ましくはポリマー)の膜表面へのラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω-トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。中でも、本発明では、配向膜のプレチルト角の制御し易さの点からはラビング処理により形成する配向膜が好ましく、配向の均一性の点からは光照射により形成する光配向膜が好ましい。
[0192]
・ラビング処理配向膜
 ラビング処理により形成される配向膜に用いられるポリマー材料としては、多数の文献に記載があり、多数の市販品を入手することができる。本発明の配向膜ではポリビニルアルコール又はポリイミド、及びその誘導体が好ましく用いられる。配向膜についてはWO01/88574A1号公報の43頁24行~49頁8行の記載を参照することができる。
 配向膜の厚さは、0.01~10μmであることが好ましく、0.01~1μmであることがさらに好ましい。
[0193]
 ラビング処理は、一般にはポリマー層の表面を、紙や布で一定方向に数回擦ることにより実施することができるが、特に本発明では「液晶便覧」(丸善社発行、平成12年10月30日)に記載されている方法により行うことが好ましい。
 ラビング密度を変える方法としては、「液晶便覧」(丸善社発行)に記載されている方法を用いることができる。ラビング密度(L)は、下記式(A)で定量化されている。
 式(A) L=Nl(1+2πrn/60v)
 式(A)中、Nはラビング回数、lはラビングローラーの接触長、rはローラーの半径、nはローラーの回転数(rpm)、vはステージ移動速度(秒速)である。
[0194]
 ラビング密度を高くするためには、ラビング回数を増やす、ラビングローラーの接触長を長く、ローラーの半径を大きく、ローラーの回転数を大きく、ステージ移動速度を遅くすればよく、一方、ラビング密度を低くするためには、この逆にすればよい。
 ラビング密度と配向膜のプレチルト角との間には、ラビング密度を高くするとプレチルト角は小さくなり、ラビング密度を低くするとプレチルト角は大きくなる関係がある。
[0195]
・光配向膜
 光照射により形成される配向膜に用いられる光配向材料としては、多数の文献等に記載がある。本発明の配向膜では、例えば、特開2006-285197号公報、特開2007-76839号公報、特開2007-138138号公報、特開2007-94071号公報、特開2007-121721号公報、特開2007-140465号公報、特開2007-156439号公報、特開2007-133184号公報、特開2009-109831号公報、特許第3883848号、特許第4151746号に記載のアゾ化合物、特開2002-229039号公報に記載の芳香族エステル化合物、特開2002-265541号公報、特開2002-317013号公報に記載の光配向性単位を有するマレイミド及び/又はアルケニル置換ナジイミド化合物、特許第4205195号、特許第4205198号に記載の光架橋性シラン誘導体、特表2003-520878号公報、特表2004-529220号公報、特許第4162850号に記載の光架橋性ポリイミド、ポリアミド、又はエステルが好ましい例として挙げられる。特に好ましくは、アゾ化合物、光架橋性ポリイミド、ポリアミド、又はエステルである。
[0196]
 上記材料から形成した光配向膜に、直線偏光又は非偏光照射を施し、光配向膜を製造する。
 本明細書において、「直線偏光照射」とは、前記光配向材料に光反応を生じせしめるための操作である。用いる光の波長は、用いる光配向材料により異なり、その光反応に必要な波長であれば特に限定されるものではない。好ましくは、光照射に用いる光のピーク波長が200nm~700nmであり、より好ましくは光のピーク波長が400nm以下の紫外光である。
[0197]
 光照射に用いる光源は、通常使われる光源、例えばタングステンランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、水銀ランプ、水銀キセノンランプ、カーボンアークランプ等のランプ、各種のレーザー(例、半導体レーザー、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、YAGレーザー)、発光ダイオード、陰極線管などを挙げることができる。
[0198]
 直線偏光を得る手段としては、偏光板(例、ヨウ素偏光板、二色色素偏光板、ワイヤーグリッド偏光板)を用いる方法、プリズム系素子(例、グラントムソンプリズム)やブリュースター角を利用した反射型偏光子を用いる方法、又は偏光を有するレーザー光源から出射される光を用いる方法が採用できる。また、フィルタや波長変換素子等を用いて必要とする波長の光のみを選択的に照射してもよい。
[0199]
 照射する光は、直線偏光の場合、配向膜に対して上面、又は裏面から配向膜表面に対して垂直、又は斜めから光を照射する方法が採用される。前記光の入射角度は、前記光配向材料によって異なるが、例えば、0~90°(垂直)、好ましくは40~90である。
 非偏光を利用する場合には、斜めから非偏光を照射する。その入射角度は、10~80°、好ましくは20~60、特に好ましくは30~50°である。
 照射時間は好ましくは1分~60分、さらに好ましくは1分~10分である。
[0200]
 パターン化が必要な場合には、フォトマスクを用いた光照射をパターン作成に必要な回数施す方法や、レーザー光走査によるパターンの書き込みによる方法を採用できる。
[0201]
 前記二色性色素組成物から形成される本発明の光吸収異方性膜の厚さは、0.01~2μmであることが好ましく、0.05~2μmであることがさらに好ましい。
[0202]
2.偏光フィルム、表示装置
(1)偏光フィルム
 本発明は、基板と、該基板上に本発明の光吸収異方性膜とを有する偏光フィルムにも関する。
基板:
 本発明に使用可能な基板は、偏光フィルムの用途に応じて選択されるであろう。例えば、液晶表示素子、OLED素子等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス;固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板;シリコン基板;プラスチック基板;並びに、これらに透明導電膜、カラーフィルタ膜、電極、TFT等の機能層を形成した基板が挙げられる。これらの基板上には、各画素を隔離するブラックマトリクスが形成されていたり、密着促進等のために透明樹脂層を設けたりしていてもよい。プラスチック基板には、その表面にガスバリヤー層及び/又は耐溶剤性層を有していることも好ましい。
[0203]
 本発明に使用する基板の光透過率は、80%以上であるのが好ましい。また、プラスチック基板は光学的等方性のポリマーフィルムを用いるのが好ましい。ポリマーの具体例及び好ましい態様は、特開2002-22942号公報の段落番号[0013]の記載を適用できる。また、従来知られているポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーであっても国際公開WO00/26705号公報に記載の分子を修飾することで該発現性を低下させたものを用いることもできる。
[0204]
その他の機能層:
 本発明の偏光フィルムは、基板と前記光吸収異方性膜との間に配向膜を有していてもよい。配向膜の例、形成に利用される材料、及び形成方法については、上記の通りである。
 また、本発明の偏光フィルムは、基板と前記光吸収異方性膜との間に、カラーフィルタ層を有しているのが好ましい。カラーフィルタ層の他、透明導電膜、カラーフィルタ膜、電極、TFT等の他の機能層を有していてもよい。また、各画素を隔離するブラックマトリクスが形成されていてもよい。
 また、本発明の偏光フィルムは、光吸収異方性膜の上に、透明樹脂硬化層を有していてもよい。
[0205]
 本発明の偏光フィルムの製造方法の一例は、以下の通りである。
[1]基板を直接、又は該基板上に形成された配向膜をラビング、もしくは光照射する工程
[2]該基板又は該配向膜上に、有機溶媒に溶解した、二色性色素組成物を塗布する工程
[3]該二色性色素組成物の塗布膜を50℃以上250℃以下で加熱し、配向させ光吸収異方性膜とする工程
をこの順に少なくとも含む偏光フィルムの製造方法である。
 前記工程[1]の配向膜の形成工程、及び[2]~[3]の光吸収異方性膜の形成工程については、上記した通りである。
[0206]
(2)表示装置
 本発明の表示装置は、本発明の光吸収異方性膜または偏光子を少なくとも一つ具備する。その構成等については特に制限はない。具体的には、TN、STN、VA、ECB、IPS、OCB、ブルーフェイズ等の種々のモードの透過型、反射型、又は半透過型の液晶表示装置、OLEDなどが挙げられる。特に好ましくは、本発明の光吸収異方性膜または偏光子を、基板の内面側に設置してなる(いわゆる、インセル偏光子)表示装置であり、さらに好ましくは、カラーフィルタ基板に積層してなる表示装置である。かかる構成にすることにより、カラーフィルタ層による偏光解消に起因して生じる散乱光によるコントラストの低下を軽減することができる。
実施例
[0207]
 以下に実施例に基づき、さらに比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
 なお、以下の実施例中、光吸収異方性膜の光学特性に関する測定は下記の通り実施した。
[0208]
<光吸収異方性膜の二色比>
 二色比は、ヨウ素系偏光素子を入射光学系に配した分光光度計で光吸収異方性膜の吸光度を測定した後、次式により計算した。
 二色比(D)=Az/Ay
  Az:光吸収異方性膜の吸収軸方向の偏光に対する吸光度
  Ay:光吸収異方性膜の偏光軸方向の偏光に対する吸光度
[0209]
<偏光フィルムの消偏度>
 液晶テレビを分解し、バックライトモジュールを用意し、光源とした。光源から鉛直方向に70cm離れたところに、(株)トプコン社製輝度計BM-5を設置し、1°視野で輝度を測定できるようにした。
 測定用ヨウ素系偏光素子の偏光度の測定は、次の通り行った。光源に密着させて、測定用偏光素子1と測定用偏光素子2の順番に密着させて積層した。測定用偏光素子1と測定用偏光素子2の透過軸の相対方位を、0度、すなわちパラ配置の場合と90度、すなわちクロス配置の場合について輝度を測定し、以下の式により、偏光度Pを計算した。
[0210]
[数1]


[0211]
 本発明の偏光フィルムの偏光度P’の測定については、測定用偏光素子の偏光度の測定と同様に行った。
 本発明の偏光フィルムの消偏度DI’の測定については、次の通り行った。光源に密着させて、測定用偏光素子1と偏光フィルムと測定用偏光素子2の順番に密着させて積層した。測定用偏光素子1に対して、偏光フィルムと測定用偏光素子2の透過軸の相対方位を、0度、即ちパラ配置の場合と、90度、即ちクロス配置の場合について輝度を測定し、以下の式により、消偏度DI’を計算した。ここで、Pは測定用偏光素子の偏光度、P’は偏光フィルムの偏光度である。
[0212]
[数2]


[0213]
<光吸収異方性膜の周期構造>
 光吸収異方性膜の周期及び半値幅は、薄膜評価用X線回折装置(リガク社製、商品名:「ATX-G」インプレーン光学系)を用いたインプレーン測定プロファイルとφスキャンプロファイルにより求めた。両測定ともに、CuKαを用いて、入射角0.18°で実施した。
 回折角と距離との関係は、
 d=λ/(2*sinθ)
(d;距離、λ;入射X線波長(CuKα;1.54Å)
により換算した。
[0214]
(実施例1)
 クロロホルム99質量部に下記構造のイエローアゾ色素A2-3(一般式(II)の化合物) 0.15質量部、下記構造のマゼンタアゾ色素A-46(一般式(I)の化合物) 0.30質量部、下記構造のシアンアゾ色素A3-1(一般式(III)の化合物) 0.15質量部、及び下記構造のシアンアゾ色素A4-120(一般式(IV)の化合物) 0.40質量部を加え、撹拌溶解後、濾過して二色性色素組成物塗布液を得た。次に、ガラス基板上に形成しラビングした配向膜上に、前記塗布液を塗布し、180℃で30秒間加熱した後、室温に冷却し偏光フィルムを作製した。配向膜としては、ポリビニルアルコール配向膜(日産化学工業社製、商品名:PVA-103)を使用した。得られた偏光フィルムの二色比、偏光度、消偏度、周期構造(周期及び半値幅)を表1に示す。なお、配向膜の膜厚は300nmであり、光吸収異方性膜の膜厚は170nmであり、配向軸垂直方向の周期のインプレーン測定で得られた回折ピークの極点測定を行ない、配向軸に垂直な面内の膜法線方向±70°の範囲での強度分布を調べたところ、強度分布は明確な極大値を示さず、配向軸垂直方向の周期に異方性がないことを確認した。
[0215]
[化60]


[0216]
[表1]


[0217]
(比較例1)
[化61]


[0218]
 クロロホルム80質量部に上記棒状液晶(B)20質量部を撹拌溶解させて光吸収異方性膜用溶液を得た。当該溶液を、ラビングによりホモジニアス配向処理を施したポリビニルアルコール配向膜(日産化学工業社製、商品名:PVA-103)付ガラス基板上にスピンコートにより塗布し、自然乾燥させて光吸収異方性膜を得た。
 得られた光吸収異方性膜の二色比は6、消偏度は1.2*10 -2であった。当該膜の配向軸垂直方向から得られたX線回折パターンを図1に示す。この膜の配向軸平行方向には、X線回折パターンが認められなかった。また、配向軸垂直方向に1つのピークが検出された。ピークから求められた周期と半値幅を下記表に示す。
[0219]
[表2]


[0220]
(比較例2)
 クロロホルム98質量部に、特許第4404606号(特許文献1)記載の実施例1の液晶性二色性色素LSR-406(三菱化学(株)製)を2質量部加え、撹拌溶解後、濾過して二色性色素組成物塗布液を得た。次に、ガラス基板上に形成しラビングした配向膜上に、前記塗布液を塗布し、この後、130℃で2分間加熱してクロロホルムを乾燥したのち、10℃/秒で冷却して偏光フィルムを作製した。配向膜としては、ポリビニルアルコール配向膜を使用した。
 得られた偏光フィルムの二色比は21、偏光度は87.7、消偏度は1.38*10 -3であった。なお、配向膜の膜厚は300nmであり、光吸収異方性膜の膜厚は250nmであった。また、実施例1と同様にして回折ピークの極点測定を行なったところ、ピーク強度は60°間隔で2つの極大値を示し、異方性のある周期構造の存在が示唆された。
[0221]
(比較例3)
 水91質量部に、下記(A)に示す特開2006-79030号実施例16に記載の二色性色素化合物のナトリウム塩9質量部加え、撹拌溶解後、濾過して二色性色素組成物塗布液を得た。次に、ガラス基板上に形成しラビングした配向膜上に、前記塗布液を塗布し、自然乾燥して偏光フィルムを作製した。配向膜としては、ポリイミド配向膜を使用した。なお、下記(A)の色素は、サーモトロピック液晶性を有さず、リオトロピック液晶性の色素であった。
 得られた偏光フィルムの二色比は9、偏光度は89、消偏度は1.1*10 -3であった。なお、配向膜の膜厚は300nmであり、光吸収異方性膜の膜厚は450nmであった。また、実施例1と同様にしてX線回折測定を行なったところ、当該光吸収異方性膜の配向軸平行方向には、明確なX線回折パターンが認められなかった。また、この膜の平面平滑性は、ラビング方向に対して平行方向に数十nm周期の凹凸が認められ、実施例と比較して劣っていた。
[0222]
[化62]


請求の範囲

[請求項1]
液晶性の非着色性低分子化合物の占める割合が30質量%以下であり、且つネマチック液晶性を有するアゾ系二色性色素の少なくとも一種を含む二色性色素組成物の配向を固定してなり、X線回折測定において、配向軸平行方向の周期構造に由来する回折ピークを示す光吸収異方性膜。
[請求項2]
前記回折ピークの少なくとも一つが表す周期が、3.0~50.0Åである請求項1に記載の光吸収異方性膜。
[請求項3]
前記回折ピークの少なくとも一つの半値幅が、10.0Å以下である請求項1又は2に記載の光吸収異方性膜。
[請求項4]
配向軸垂直方向の周期構造に由来する回折ピークを示し、該回折ピークの少なくとも一つが表す周期が3.0~15.0Åである請求項1~3のいずれか1項に記載の光吸収異方性膜。
[請求項5]
前記配向軸垂直方向の周期構造に由来する回折ピークの少なくとも一つが、面内方向の周期構造に由来する回折ピークである請求項4に記載の光吸収異方性膜。
[請求項6]
配向軸垂直方向の周期構造に由来する回折ピークが一つである請求項4又は5に記載の光吸収異方性膜。
[請求項7]
配向軸垂直方向の周期構造に由来する回折ピークの強度が、配向軸に垂直な面内の膜法線方向±70°の範囲で極大値を示さない請求項4~6のいずれか1項に記載の光吸収異方性膜。
[請求項8]
配向軸垂直方向の周期構造に由来する回折ピークの少なくとも一つの半値幅が2.0Å以下である請求項4~7のいずれか1項に記載の光吸収異方性膜。
[請求項9]
前記二色性色素組成物が、二種以上の二色性色素を含む請求項1~8のいずれか1項に記載の光吸収異方性膜。
[請求項10]
前記少なくとも一種の二色性色素が下記一般式(I)、下記一般式(II)、下記一般式(III)、又は下記一般式(IV)で表わされる化合物である請求項1~9のいずれか1項に記載の光吸収異方性膜。
[化1]


(式中、R 11~R 14はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し;R 15及びR 16はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し;L 11は、-N=N-、-CH=N-、-N=CH-、-C(=O)O-、-OC(=O)-、又は-CH=CH-を表し;A 11は、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し;B 11は、置換基を有していてもよい、2価の芳香族炭化水素基又は2価の芳香族複素環基を表し;nは1~5の整数を表し、nが2以上のとき複数のB 11は互いに同一でも異なっていてもよい。)
[化2]


(式中、R 21及びR 22はそれぞれ、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又は-L 22-Yで表される置換基を表すが、但し、少なくとも一方は、水素原子以外の基を表し;L 22は、アルキレン基を表すが、アルキレン基中に存在する1個のCH 2基又は隣接していない2個以上のCH 2基はそれぞれ-O-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-NRCOO-、-OCONR-、-CO-、-S-、-SO 2-、-NR-、-NRSO 2-、又は-SO 2NR-(Rは水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す)に置換されていてもよく;Yは、水素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、又は重合性基を表し;L 21はそれぞれ、アゾ基(-N=N-)、カルボニルオキシ基(-C(=O)O-)、オキシカルボニル基(-O-C(=O)-)、イミノ基(-N=CH-)、及びビニレン基(-C=C-)からなる群から選ばれる連結基を表し;Dyeはそれぞれ、下記一般式(IIa)で表されるアゾ色素残基を表し;
[化3]


式(IIa)中、*はL 21との結合部を表し;X 21は、ヒドロキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、無置換アミノ基、又はモノもしくはジアルキルアミノ基を表し;Ar 21は、それぞれ置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基又は芳香族複素環基を表し;nは1~3の整数を表し、nが2以上の時、2つのAr 21は互いに同一でも異なっていてもよい。)
[化4]


(式中、R 31~R 35はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し;R 36及びR 37はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し;Q 31は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、芳香族複素環基又はシクロヘキサン環基を表し;L 31は2価の連結基を表し;A 31は酸素原子又は硫黄原子を表す。)
[化5]


(式中、R 41及びR 42はそれぞれ、水素原子又は置換基を表し、互いに結合して環を形成していてもよく;Ar 4は、置換されていてもよい2価の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し;R 43及びR 44はそれぞれ、水素原子、又は置換されていてもよいアルキル基を表し、互いに結合して複素環を形成していてもよい。)
[請求項11]
基板と、該基板上に請求項1~10のいずれか1項に記載の光吸収異方性膜とを有する偏光フィルム。
[請求項12]
前記基板と前記光吸収異方性膜との間に、配向膜を有する請求項11に記載の偏光フィルム。
[請求項13]
請求項11又は12に記載の偏光フィルムを有する表示装置。
[請求項14]
 少なくとも次の[1]~[3]:
[1]基板を直接、又は該基板上に形成された配向膜をラビング、もしくは光照射する工程
[2]該基板又は該配向膜上に、有機溶媒に溶解した、二色性色素組成物を塗布する工程
[3]該二色性色素組成物の塗布膜を50℃以上250℃以下で加熱し、配向させ光吸収異方性膜とする工程
をこの順に含む請求項11又は12に記載の偏光フィルムの製造方法。

図面

[ 図 1]