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1. (WO2011121810) 印刷装置、および、濃度補正方法
Document

明 細 書

発明の名称 印刷装置、および、濃度補正方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013   0014  

発明の効果

0015   0016   0017   0018   0019   0020  

図面の簡単な説明

0021  

発明を実施するための形態

0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159  

符号の説明

0160  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24  

明 細 書

発明の名称 : 印刷装置、および、濃度補正方法

技術分野

[0001]
 この発明は、複数のヘッドから記録媒体に向けてインクの液滴を吐出して記録を行うインクジェット方式の印刷装置に関する。

背景技術

[0002]
 従来から、インクの微小な液滴を吐出する複数の吐出口が配列された吐出ヘッド(以下単に「ヘッド」という)を印刷媒体に対して走査させることにより、印刷媒体に印刷を行うインクジェット方式の印刷装置(インクジェット装置)が知られている。
[0003]
 インクジェット装置は、少部数、小ロットのオンデマンド印刷において、従来のオフセット印刷機に変わるものとして注目を集めている。ただし、インクジェット装置は、オフセット印刷機に比べて印刷品質の面でまだまだ劣る点があり、その改善が必要とされている。インクジェット装置において印刷画像の画質を改善する技術は、例えば、特許文献1に開示されている。
[0004]
 ところで、インクジェット方式には、所謂「スキャン方式」によるものと、所謂「ワンパス方式」によるものとがある。スキャン方式は、印刷方向と直行する方向(幅方向)についてヘッドを何回か往復させて印刷媒体への画像記録(印刷)を行う方式である。一方、ワンパス方式は、複数のヘッドを、幅方向について印刷媒体の全体にわたって配列し、印刷媒体にヘッド列の下方を一回通過させるのみで、印刷媒体への画像記録を完了させる方式である。ワンパス方式は、スキャン方式に比べて高速な印刷が可能という利点があり、近年において特に注目されている。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2005-196646号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 ワンパス方式のインクジェット装置において印刷品質が劣化する原因の1つに、ヘッド間での吐出性能のバラツキがある。複数のヘッド間でインクの吐出量にバラツキがあると、印刷物の幅方向について濃度のむらが生じてしまう(ヘッド間段差)。
[0007]
 当然のことながら、装置の出荷時に各ヘッドの吐出性能が一定になるように調整はされている。しかしながら、実際は、印刷動作が実行される際の使用環境(例えば、温度環境)によって各ヘッドの吐出性能が微妙に変化してしまうため、装置出荷時の調整だけではヘッド間段差の発生を回避することは難しい。つまり、常に良好な印刷品質を担保するためには、印刷動作が実行される際のヘッドの状態を、印刷動作を実行する度毎に確認する必要があるが、従来はそれを簡便に行う術がなかった。
[0008]
 この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、どのような使用環境であっても、常に良好な印刷品質を実現可能な技術を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009]
 この発明の第1の態様に係る印刷装置は、吐出ヘッドの吐出口から印刷媒体に向けてインクの液滴を吐出させることによって印刷を行うインクジェット方式の印刷装置であって、印刷方向に対して交差する方向を幅方向とし、前記印刷媒体の前記幅方向の全体にわたって配列された複数の前記吐出ヘッドと、前記印刷媒体と前記複数の吐出ヘッドとを前記印刷方向について相対的に移動させる搬送部と、前記搬送部を制御して前記印刷媒体と前記複数の吐出ヘッドとを前記印刷方向に相対的に移動させつつ、印刷データに基づいて前記吐出ヘッドからインクの液滴を吐出させる印刷制御部と、印刷後の前記印刷媒体である印刷物を撮像する撮像部と、前記複数の吐出ヘッドのうち、補正対象とすべき対象吐出ヘッドを特定する対象吐出ヘッド特定部と、を備え、前記対象吐出ヘッド特定部が、前記撮像部が取得した前記印刷物の撮像データを表示部に表示させる表示制御部と、前記撮像データを表示する表示画面を介してユーザから前記印刷物内の位置の選択を受け付けて、受け付けた前記印刷物内の位置である選択位置に対する印刷を行った吐出ヘッドを特定し、当該吐出ヘッドを前記対象吐出ヘッドとする選択位置対応ヘッド特定部と、を備える。
[0010]
 第2の態様に係る印刷装置は、第1の態様に係る印刷装置であって、前記対象吐出ヘッドが担当する印刷領域の濃度を補正する濃度補正部、を備える。
[0011]
 第3の態様に係る印刷装置は、第2の態様に係る印刷装置であって、前記濃度補正部が、前記印刷データを、前記複数の吐出ヘッドのそれぞれが担当する印刷領域に対応する部分領域に分割し、各部分領域内にある画素の階調値を、当該部分領域に対して個別に設定された係数を用いて補正する階調補正処理部と、前記対象吐出ヘッドが担当する印刷領域に相当する部分領域について設定された係数の値を修正する係数修正部と、を備える。
[0012]
 第4の態様に係る印刷装置は、第1から第3のいずれかの態様に係る印刷装置であって、前記表示部がタッチパネルにより構成されており、前記選択位置対応ヘッド特定部が、前記表示画面内の、ユーザにより触れられた位置を、前記選択位置として受け付ける。
[0013]
 第5の態様に係る印刷装置は、第1から第3のいずれかの態様に係る印刷装置であって、前記選択位置対応ヘッド特定部が、前記表示画面内の、前記表示画面に表示される前記印刷物において前記複数の吐出ヘッドのそれぞれが担当する印刷領域の境界に相当する位置に、分割ラインを表示させる。
[0014]
 第6の態様に係る濃度補正方法は、吐出ヘッドの吐出口から印刷媒体に向けてインクの液滴を吐出させることによって印刷を行うインクジェット方式の印刷装置における濃度補正方法であって、a)印刷方向に対して交差する方向を幅方向とし、前記印刷媒体の前記幅方向の全体にわたって配列された複数の前記吐出ヘッドと、前記印刷媒体とを、前記印刷方向について相対的に移動させつつ、印刷データに基づいて前記吐出ヘッドからインクの液滴を吐出させて、前記印刷データに基づく仮印刷を行わせる工程と、b)前記a)工程により生成された仮印刷物を撮像する工程と、c)前記仮印刷物の撮像データを表示部に表示させる工程と、d)前記撮像データを表示する表示画面を介して、ユーザから前記仮印刷物内の位置の選択を受け付ける工程と、e)前記d)工程で受け付けられた前記印刷物内の位置である選択位置に対する印刷を行った吐出ヘッドを特定する工程と、f)前記e)工程で特定された吐出ヘッドを対象吐出ヘッドとし、前記対象吐出ヘッドが担当する印刷領域の濃度を補正する工程と、を備える。

発明の効果

[0015]
 第1の態様によると、表示画面に印刷物の撮像データを表示し、当該表示画面を介してユーザが選択した位置に対する印刷を行った吐出ヘッドを特定し、これを補正対象とすべき吐出ヘッドとする。つまり、ユーザが、印刷物内において問題のある位置(例えば、ヘッド間段差が生じている位置)を、印刷物の撮像データが表示された表示画面を介して選択すると、当該問題のある位置の印刷を担当した吐出ヘッドが、補正対象とすべき吐出ヘッドとして直ちに特定される。したがって、実際に印刷を行う段階において、補正対象とすべき吐出ヘッドを簡易かつ適格に特定することができるので、どのような使用環境であっても、常に良好な印刷品質を実現できる。
[0016]
 第2の態様によると、対象吐出ヘッドが担当する印刷領域の濃度が補正される。したがって、ユーザが、印刷物においてヘッド間段差が生じている位置を選択すれば、当該ヘッド間段差の原因となった吐出ヘッドが特定され、当該吐出ヘッドが担当する印刷領域の濃度が補正されることになる。したがって、ヘッド間段差を簡易かつ確実に解消することができる。
[0017]
 第4の態様によると、表示部がタッチパネルにより構成されているので、ユーザは位置の選択を簡易かつ正確に行うことができる。
[0018]
 第5の態様によると、表示画面内の、表示画面に表示される印刷物において複数の吐出ヘッドのそれぞれが担当する印刷領域の境界に相当する位置に、分割ラインが表示されるので、印刷物にヘッド間段差が生じている場合に、ユーザはこれを見落としにくくなる。
[0019]
 第6の態様によると、表示画面に印刷物の撮像データを表示し、当該表示画面を介してユーザが選択した位置に対する印刷を行った吐出ヘッドを特定し、これを補正対象とすべき対象吐出ヘッドとする。そして、対象吐出ヘッドが担当する印刷領域の濃度を補正する。つまり、ユーザが、印刷物内において問題のある位置(例えば、ヘッド間段差が生じている位置)を、印刷物の撮像データが表示された表示画面を介して選択すると、当該問題のある位置の印刷を担当した吐出ヘッドが、補正対象とすべき吐出ヘッドとして直ちに特定され、当該吐出ヘッドが担当する印刷領域の濃度が補正される。したがって、実際に印刷を行う段階において、補正対象とすべき吐出ヘッドを簡易かつ適格に特定することができるので、どのような使用環境であっても、常に良好な印刷品質を実現できる。さらに、補正対象とすべき吐出ヘッドが担当する印刷領域の濃度が補正されるので、ヘッド間段差を簡易かつ確実に解消することができる。
[0020]
 この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。

図面の簡単な説明

[0021]
[図1] 図1は、印刷装置の外観を示す斜視図である。
[図2] 図2は、吐出部の底面図である。
[図3] 図3は、ヘッドユニットの底面図である。
[図4] 図4は、印刷動作が行われている途中の印刷媒体の様子を模式的に示す平面図である。
[図5] 図5は、制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
[図6] 図6は、制御装置において実現される機能構成を示すブロック図である。
[図7] 図7は、LUTにおける入力値と出力値との関係を示す図である。
[図8] 図8は、LUTにおける入力値と出力値との関係を示す図である。
[図9] 図9は、LUTにおける入力値と出力値との関係を示す図である。
[図10] 図10は、シェーディング補正処理の原理を説明するための図である。
[図11] 図11は、シェーディング補正処理の原理を説明するための図である。
[図12] 図12は、制御装置において実現される機能構成を示すブロック図である。
[図13] 図13は、仮印刷読取データ表示画面の構成例を示す図である。
[図14] 図14は、ユニット選択ボタン群が表示された仮印刷読取データ表示画面の構成例を示す図である。
[図15] 図15は、修正方向選択ボタン群が表示された仮印刷読取データ表示画面の構成例を示す図である。
[図16] 図16は、対応テーブルの構成例を示す図である。
[図17] 図17は、候補LUTにおける入力値と出力値との関係を示す図である。
[図18] 図18は、候補LUTにおける入力値と出力値との関係を示す図である。
[図19] 図19は、ポイント選択ボタン群が表示された仮印刷読取データ表示画面の構成例を示す図である。
[図20] 図20は、印刷装置において実行される印刷動作の流れを示す図である。
[図21] 図21は、対象ヘッドを特定する処理の流れを示す図である。
[図22] 図22は、対象LUTを修正する処理の流れを示す図である。
[図23] 図23は、複数のLUTの修正を行う場合の処理の流れを示す図である。
[図24] 図24は、変形例に係る印刷装置の外観を示す斜視図である。

発明を実施するための形態

[0022]
 <1.印刷装置1>
 <1-1.全体構成>
 この発明の実施の形態に係る印刷装置1の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、印刷装置1の外観を示す斜視図である。
[0023]
 印刷装置1は、印刷媒体(例えばフィルム等の撥液性を有するシート状の基材)2上にインクジェット方式にてカラー印刷を行う装置であり、本体100と、本体100の各部を制御する制御装置3とを備える。
[0024]
 本体100は、印刷媒体2を所定の方向(Y方向)に搬送する搬送部4と、搬送部4により搬送される印刷媒体2に向けてインクの微小液滴を吐出して印刷媒体2上に画像を印刷する吐出部5を備える。さらに、吐出部5により画像が印刷された印刷媒体2の領域(印刷領域)を撮像する撮像部6を備える。
[0025]
 <搬送部4>
 搬送部4は、Y方向に沿って配列された複数のローラ41と、複数のローラ41の両端に設けられた印刷媒体保持部42とを備える。複数のローラ41の+Y側に配置された印刷媒体保持部42は、ロール状の印刷媒体2(供給ロール)を保持し、印刷媒体供給部として機能する。複数のローラ41の-Y側に配置された印刷媒体保持部42は、ロール状の印刷媒体(巻取ロール)を保持し、印刷媒体巻取部として機能する。以下において「印刷媒体2」は、搬送途上の部位(すなわち、複数のローラ41上の印刷媒体2の部位)を指すものとする。
[0026]
 複数のローラ41のいずれかには、印刷媒体2の走査方向の移動速度を検出するエンコーダ43が設けられており、制御装置3は、エンコーダ43からの出力に基づいて-Y側に配置された印刷媒体保持部42のモータの回転を制御する。これによって、印刷媒体2が-Y方向に一定速度で移動することになる。また、制御装置3は、+Y側に配置された印刷媒体保持部42のモータの回転を制御して、印刷媒体2に+Y方向に向かう負荷を付与する。これによって、印刷媒体2が複数のローラ41上を波打つことなく滑らかに移動することになる。
[0027]
 <吐出部5>
 本体100は、その基台21に固設され、複数のローラ41を跨ぐようにして配置されたフレーム22を備えている。吐出部5はこのフレーム22に固定されることによって、複数のローラ41の上方(+Z側)に配置される。なお、フレーム22には、光源23が設けられている。光源23からの光は束状の光ファイバ24を介して吐出部5の内部に導入される。
[0028]
 ここで、吐出部5の構成について図2を参照しながら説明する。図2は、吐出部5の底面図である。
[0029]
 吐出部5は、吐出部本体50に固定され、Y方向に沿って配列された複数(この実施の形態においては、4個)のヘッドユニット51を備える。4個のヘッドユニット51のそれぞれは、互いに異なる色のインクを吐出する。具体的には、最も(+Y)側のヘッドユニット51はK(ブラック)の色のインクを吐出する。また、Kのヘッドユニット51の(-Y)側のヘッドユニット51はC(シアン)の色のインクを吐出する。また、Cのヘッドユニット51の(-Y)側のヘッドユニット51はM(マゼンタ)の色のインクを吐出する。そして、最も(-Y)側のヘッドユニット51はY(イエロー)の色のインクを吐出する。各色のインクは紫外線硬化剤を含んでおり、紫外線硬化性を有している。なお、吐出部5が備えるヘッドユニット51の個数は4個に限らない。例えば、上記の4個のヘッドユニット51の他に、ライトシアン、ライトマゼンタ、ホワイト等の他の色用のヘッドユニットがさらに設けられてもよい。
[0030]
 また、吐出部5は、4個のヘッドユニット51の-Y側に設けられた光照射部52を備える。光照射部52は、光源23に接続された光ファイバ24がX方向に沿って配列されており、印刷媒体2上において、X方向に伸びる線上の領域に紫外線を照射する。
[0031]
 印刷装置1では、各ヘッドユニット51および光照射部52は、印刷方向に垂直なX方向(幅方向)に関し、印刷媒体2上の印刷領域の全体にわたって設けられている。
[0032]
 次に、図3を参照しながら、ヘッドユニット51の構成について説明する。図3は、ヘッドユニット51の底面図である。
[0033]
 ヘッドユニット51は、印刷媒体2の幅方向(X方向)の全体にわたって千鳥状に配列されたN個(ただし、Nは2以上の任意の整数であり、例えば、N=21)のヘッド511を備える。
[0034]
 各ヘッド511は、印刷媒体2に向けてインクの液滴をその吐出口から吐出する。具体的には、各ヘッド511は、例えばピエゾ駆動方式のヘッドであり、その下面(-Z側の面)には複数の吐出口5111が幅方向(X方向)に沿って形成されている。各吐出口5111には、これに向かってそれぞれインクを導く吐出流路が設けられ、吐出流路の吐出口5111近傍には圧電素子(ピエゾ素子)である駆動部が設けられる。駆動部に吐出信号が付与されると駆動部が変形し、吐出口5111近傍において吐出流路の容積が(より具体的には、吐出流路の吐出口5111近傍に設けられたチャンバの容積)が減少する。これにより、吐出口5111近傍のインク(すなわち、吐出口5111にインクを導く吐出流路のチャンバ内のインク)に圧力が加えられて吐出口5111からインクの微小液滴が吐出される。そして、駆動部の形状が元に戻ることにより、吐出口5111近傍において吐出流路の容積が元に戻り、吐出されたインクの微小液滴と等しい量のインクが吐出流路に供給される。
[0035]
 <撮像部6>
 再び図1を参照する。撮像部6は、吐出部5に対して、印刷媒体2の搬送方向の下流側(-Y側)に配置され、印刷方向に垂直なX方向(幅方向)に平行な線状領域を撮像するラインセンサを備える。搬送部4に搬送されてくる印刷後の印刷媒体2(印刷物)をラインセンサで一ラインずつ撮像することによって、印刷物の撮像データが取得される。
[0036]
 <1-2.印刷動作の概要>
 印刷装置1において実行される印刷動作の概要について、図4を参照しながら説明する。図4は、印刷動作が行われている途中の印刷媒体2の様子を模式的に示す平面図である。
[0037]
 印刷動作が行われる際には、制御装置3(具体的には、制御装置3が備える印刷制御部303(図6参照))が搬送部4を制御することにより、印刷媒体2を印刷方向(すなわち、図1中のY方向であり、各ヘッド511の複数の吐出口5111の配列方向に略垂直に交差する方向)に移動させる。また、印刷制御部303は、印刷媒体2の移動と並行して、印刷媒体2に印刷される予定の画像データに基づいて各ヘッドユニット51が備えるN個のヘッド511それぞれの複数の駆動部を制御する。すると、印刷媒体2が印刷方向に所定距離だけ移動する毎に、吐出口5111からインクの微小液滴が吐出されて印刷媒体2上に付与される。これによって、印刷媒体2上に画像が印刷されることになる。
[0038]
 ただし、上述したとおり、各ヘッドユニット51においてN個のヘッド511は、幅方向に関して印刷領域の全体(具体的には、印刷媒体2の幅方向の幅の全体)にわたって配列されている。したがって、印刷媒体2が吐出部5の下方を一回通過するのみで、印刷媒体2への画像の印刷が完了する(所謂、ワンパス印刷方式)。
[0039]
 ところで、ワンパス印刷方式においては、例えば図4に示すようにN個のヘッド511の全てが印刷に用いられる場合、印刷媒体2をX方向(幅方向)についてN等分割することにより得られるN個の帯状印刷領域20のそれぞれは、各ヘッドユニット51が備えるN個のヘッド511のいずれかによって印刷が担当される。例えば、中央の帯状印刷領域20の印刷は、各ヘッドユニット51が備えるN個のヘッド511のうち、中央に配置されたヘッド511が担当する。
[0040]
 ただし、必ずしも常にN個のヘッド511の全てが印刷に用いられるとは限らず、印刷に利用されるヘッドの個数は印刷媒体2の幅方向のサイズに応じて変わってくる。例えば、その幅が、ヘッド511幅5個分に相当する印刷媒体2に対する印刷を行う場合、各ヘッドユニット51が備えるN個のヘッド511のうち、例えば中央に配置された5個のヘッド511だけが印刷に用いられる。
[0041]
 このように、ワンパス印刷方式においては、各帯状印刷領域20が別々のヘッド511で印刷されるため、ヘッド511間で吐出性能にバラツキがあると、特定の帯状印刷領域20だけが他の領域よりも濃度が濃い(あるいは、薄い)といった濃度むら(ヘッド間段差)が生じてしまう。例えばC(シアン)の色のインクを吐出するヘッドユニット51が備えるN個のヘッド511のうちのあるヘッド511が、他のヘッド511よりも吐出過多となっている場合、当該ヘッド511が印刷を担当する帯状印刷領域20は他の帯状印刷領域20に比べてC(シアン)の色が濃く印刷されてしまう。制御装置3においては、以下に説明するように、このようなヘッド間段差の発生を回避するための機能部が実現されている。
[0042]
 <2.制御装置3>
 <2-1.ハードウェア構成>
 制御装置3のハードウェア構成について、図5を参照しながら説明する。図5は、制御装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。
[0043]
 制御装置3は、一般的なコンピュータにより構成されており、制御部31、表示部32、操作部33、および、記憶部34をバスライン35により互いに接続した構成となっている。
[0044]
 制御部31は、例えばCPUによって構成される。制御部31により記憶部34に記憶されるプログラムPが実行されることによって、制御装置3において、以下に説明する各種の機能が実現される。なお、プログラムPは、CD-ROM等の記録媒体によって提供されたものであってもよいし、ネットワーク等の通信回線を経由して提供されたものであってもよい。
[0045]
 表示部32は、液晶表示ディスプレイ等によって構成され、制御部31で生成される画像データなどを可視的に出力する。一方、操作部33は、ユーザの各種操作にしたがって各種指令信号を制御部31に送信する。操作部33としては、マウスその他のポインティングデバイス、キーボード等を用いることができる。操作部33は、タッチパネルにより表示部32と一体化されていてもよい。この実施の形態においては、表示部32と操作部33とは、タッチパネルにより一体化されているものとする。
[0046]
 記憶部34は、例えば半導体メモリ、ハードディスクなどの記憶装置によって構成される。記憶部34には、制御部31で実行されるプログラムPの他、例えば、プログラムPを実行する際に必要な情報、印刷すべき画像データ、後述するシェーディング補正処理に用いられるテーブル、といった各種の情報が記憶される。
[0047]
 <2-2.機能構成>
 <2-2-1.基本となる機能構成>
 制御装置3において実現される機能構成について、図6を参照しながら説明する。図6は、制御装置3において実現される機能構成を示すブロック図である。なお、制御部31が備える各機能部は、記憶部34に記憶されたプログラムPにしたがって制御部31が演算処理を行うことにより実現されてもよいし、専用のハードウェアによって実現されてもよい。
[0048]
 制御部31は、印刷媒体2に印刷すべき画像データ(以下「元画像データ7」という)を取得する元画像データ取得部301と、元画像データ7に対して後述するシェーディング補正処理を施すシェーディング補正処理部302と、シェーディング補正処理が施された後の画像データに基づく印刷動作を、本体100に実行させる印刷制御部303とを備える。
[0049]
 <元画像データ取得部301>
 元画像データ取得部301は、元画像データ7を取得する。元画像データ取得部301が元画像データ7を取得する態様はどのようなものであってもよい。例えば、外部装置から元画像データ7をオンライン受信してもよく、DVD等の可搬型の記憶媒体からのデータの読み取りや、スキャナによる読み取りによって元画像データ7を取得してもよい。あるいは、ネットワークで接続されたファイルサーバなどに元画像データ7を記憶しておき、これを読み込むことによって元画像データ7を取得してもよい。
[0050]
 <シェーディング補正処理部302>
 シェーディング補正処理部302は、吐出部5が備える複数のヘッド511間の吐出性能の差に起因する濃度むら(ヘッド間段差)の発生を抑制するためのシェーディング補正処理を、元画像データ取得部301が取得した元画像データ7に対して施す。シェーディング補正処理については、後に具体的に説明する。
[0051]
 <印刷制御部303>
 印刷制御部303は、搬送部4および吐出部5を制御して、シェーディング補正処理部302によりシェーディング補正処理が施された後の画像データ(補正後画像データ8)に基づく印刷動作を実行させる。より具体的には、印刷制御部303は、搬送部4に印刷媒体2を印刷方向に移動させる。その一方で、印刷制御部303は、補正後画像データ8に網掛け処理を施して印刷用画像を生成し、生成された印刷用画像に基づいて吐出部5の各ヘッドユニット51が備えるN個のヘッド511にインクを吐出させる。これにより、元画像データ7が印刷媒体2に印刷されることになる。
[0052]
 元画像データ取得部301、シェーディング補正処理部302、および、印刷制御部303が、印刷を実行するための基本となる機能を構成する。
[0053]
 <2-2-2.シェーディング補正処理>
 ここで、シェーディング補正処理について説明する。シェーディング補正処理は、記憶部34に格納されている複数のルックアップテーブル(LUT)9を用いて行われる。
[0054]
 <LUT9>
 はじめに、シェーディング補正処理に用いられるLUT9について説明する。複数のLUT9のそれぞれは、吐出部5が備える複数のヘッド511のそれぞれに対応する。
[0055]
 上述したとおり、吐出部5は、K(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の各インクを吐出するヘッドユニット51を備え、各ヘッドユニット51がN個のヘッド511を備える。記憶部34には、各ヘッドユニット51に対応付けられたLUTグループ群90が形成されており、各LUTグループ群90には、当該LUTグループ群90が対応するヘッドユニット51に属するN個のヘッド511に対応付けられたN個のLUT9が属している。
[0056]
 各LUTグループ群90に含まれるN個のLUT9のそれぞれは、対応するヘッド511の吐出性能を反映したものとなっている。例えば、吐出量が規定の標準値であるヘッド511(標準ヘッド)の場合、対応するLUT9は、図7に示すように、入力値xに対して、標準係数Koを乗じた出力値y(y=Ko*x)(ただし、記号「*」は乗算を意味する。以下において同様)を与えるものとされる(このようなLUT9を、以下「標準LUT」ともいう)。なお、標準係数Koの値は、0~1の範囲の任意の値とすることができるが、特に、0.2~0.8の範囲とすることが好ましい。このような範囲内の値としておけば、後述するような吐出過多ヘッド、あるいは、吐出過小ヘッドが発生した場合に、係数を小さく(あるいは大きく)することにより対応することができる。例えば、「Ko=0.5」の場合、このLUT9を通すと、入力値xの50%の出量値yが与えられることになる。
[0057]
 一方、吐出量が規定の標準値よりも多いヘッド511(吐出過多ヘッド)の場合、対応するLUT9は、図8に示すように、入力値xに対して、標準係数Koよりも小さい値の係数Ka(Ka<Ko)を乗じた出力値y(y=Ka*x)を与えるものとされる。つまり、このLUT9を通すと、同じ入力値xについて標準LUT9よりも小さい出力値yが与えられることになる。ただし、以下に明らかになるように、係数Kaの値は、吐出量の標準値からのずれが大きくなるほど、係数Koから大きくずれた値に設定される。例えば、「Ka=0.4」の場合、このLUT9を通すと、入力値xの40%の出力値yが与えられることになる。
[0058]
 また、吐出量が規定の標準値よりも少ないヘッド511(吐出過小ヘッド)の場合、対応するLUT9は、図9に示すように、入力値xに対して、標準係数Koよりも大きい値の係数Kb(Kb>Ko)を乗じた出力値y(y=Kb*x)を与えるものとされる。つまり、このLUT9を通すと、同じ入力値xについて標準LUT9よりも大きい出力値yが与えられることになる。ただし、係数Kbの値は、吐出量の標準値からのずれが大きくなるほど、係数Koから大きくずれた値に設定される。例えば、「Kb=0.6」の場合、このLUT9を通すと、入力値の60%の出力値が与えられることになる。
[0059]
 <シェーディング補正処理の原理>
 シェーディング補正処理部302は、記憶部34に格納されている複数のLUT9を用いて、元画像データ7に対するシェーディング補正処理を実行する。ここで、シェーディング補正処理の原理について、図10~図11を参照しながら具体的に説明する。図10~図11は、シェーディング補正処理の原理を説明するための図である。図10は、シェーディング補正処理されていない元画像データ7に基づいて印刷を実行した場合に得られる印刷後の印刷媒体(印刷物)2の様子を示している。また、図11は、シェーディング補正処理後の元画像データ7(補正後画像データ8)に基づいて印刷を実行した場合に得られる印刷物2の様子を示している。
[0060]
 上述したとおり、ワンパス印刷方式によると、印刷媒体2上に規定されるN個の帯状印刷領域20のそれぞれが、互いに異なるヘッド511によって印刷される(図4参照)。シェーディング補正処理部302は、元画像データ7(より具体的には、元画像データ7に基づいて生成される複数の色成分データのそれぞれ(C(シアン)の成分データ、M(マゼンタ)の成分データ、Y(イエロー)の成分データ、および、K(ブラック)の成分データのそれぞれ)を、帯状印刷領域20のそれぞれに対応する部分領域(帯状データ領域70)に分割し、各帯状データ領域70内にある画素の階調値を、対応する帯状印刷領域20の印刷を担当するヘッド511と対応付けられたLUT9を用いて補正する(シェーディング補正)。
[0061]
 例えば、C(シアン)の色のインクを吐出するヘッドユニット51(注目ヘッドユニット51t)が備えるN個のヘッド511のうちの1つのヘッド511(注目ヘッド511t)が吐出過多となっているとする。すると、シェーディング補正処理を行わなかった場合に得られる印刷物2においては、注目ヘッド511tが印刷を担当する帯状印刷領域20tにヘッド間段差が生じてしまう(図10)。
[0062]
 元画像データ7に対するシェーディング補正処理を行っておけば、生成される印刷物2にこのようなヘッド間段差は生じない。すなわち、シェーディング補正処理を行うと、注目ヘッド511tが印刷を担当する帯状印刷領域20tに対応する帯状データ領域70tは、注目ヘッド511tと対応付けられたLUT9を用いて補正されることになる。ここで、上述したとおり、吐出過多のヘッド511に対応するLUT9は、同じ入力値について標準LUT9よりも小さい出力値を与えるものとされている(図8参照)。したがって、帯状データ領域70t内にある画素の階調値は、他の領域に比べて低い値に補正される。このように補正された補正後画像データ8に基づく印刷が実行されると、他の領域に比べて低い階調値に補正された帯状データ領域70tが、他の領域を担当するヘッド511に比べて吐出過多の注目ヘッド511tで印刷されることになるため、得られる印刷物2においてはヘッド間段差が生じない(図11)。
[0063]
 以上説明したとおり、シェーディング補正処理が行われることによって、ヘッド間段差の発生が防止できる。ただし、ヘッド間段差を確実に防止するためには、記憶部34に格納されたLUT9が印刷を実行するヘッド511の吐出性能を正確に反映していることが前提となる。
[0064]
 ところが、ヘッド511の吐出性能は、刷動作が実行される際の環境条件(例えば、温度や湿度など)に応じて微妙に変化する。すなわち、印刷動作を行う度毎に、ヘッド511の吐出性能は変化する。したがって、印刷動作を実行する度毎に記憶部34に格納されたLUT9を、その時点のヘッド511の吐出性能を反映させた内容に修正する必要がある。制御装置3においては、印刷動作を実行する度毎に、LUT9の内容を修正する機能が実現されている。
[0065]
 <3.LUT9の修正>
 上述したLUT9の修正に関する機能を実現する構成について、再び図6を参照しながら説明する。
[0066]
 制御部31は、元画像データ取得部301、シェーディング補正処理部302、印刷制御部303、の他に、上記機能を実現するための構成として、対象ヘッド特定部304とLUT修正部305とを備える。これら各機能部304,305の構成について、図12を参照しながら具体的に説明する。
[0067]
 <3-1.対象ヘッド特定部304>
 対象ヘッド特定部304は、補正対象とすべきヘッド511(以下「対象ヘッド511」という)を特定する。ここでは、LUT9を修正すべきヘッド511(すなわち、LUT9の内容と現時点での吐出性能とが一致していないヘッド511)が対象ヘッド511とされる。LUT9の内容と吐出性能とが一致していないヘッド511による印刷を行った場合、当該ヘッド511が担当する帯状印刷領域20は、ヘッド間段差となって現れる。
[0068]
 対象ヘッド特定部304は、仮印刷読取データ取得部341と、仮印刷読取データ表示制御部342と、選択位置対応ヘッド特定部343と、修正対象ヘッド絞込部344とを備える。
[0069]
 <仮印刷読取データ取得部341>
 仮印刷読取データ取得部341は、仮印刷読取データ10を取得する。ただし、「仮印刷読取データ10」とは、本印刷を実行する前に行われる、印刷状態を確認するための印刷(仮印刷)により得られた印刷物(仮印刷物)2を読み取って取得されるデータである。ただし、仮印刷は、修正前のLUT9を用いたシェーディング補正処理により得られた補正後画像データ8に基づいて行われる印刷動作である。仮印刷読取データ取得部341は、仮印刷が実行されると、得られた仮印刷物2を撮像部6に読み取らせ、得られた読取データを仮印刷物撮像データ10として取得する。
[0070]
 <仮印刷読取データ表示制御部342>
 仮印刷読取データ表示制御部342は、仮印刷物撮像データ10を表示部32に表示させる。具体的には、表示部32に、以下に説明する「仮印刷読取データ表示画面300」を表示させ、仮印刷読取データ表示画面300内に規定される「仮印刷物表示領域310」に、仮印刷読取データ10を表示させる。
[0071]
 <仮印刷読取データ表示画面300>
 ここで、仮印刷読取データ表示画面300の構成例について、図13を参照しながら説明する。図13は仮印刷読取データ表示画面300の構成例を示す図である。なお、上述したとおり、表示部32と操作部33とは、タッチパネルにより一体化されていて構成されているので、ユーザは、仮印刷読取データ表示画面300を指で触れることによって各種の指示を入力することができる。
[0072]
 仮印刷読取データ表示画面300の中央には、長方形の仮印刷物表示領域310が規定される。仮印刷物表示領域310の内部には、仮印刷物撮像データ10が表示される。ただし、仮印刷物表示領域310の幅方向311の全体は、仮印刷読取データ10の幅方向の全体(すなわち、仮印刷物2の幅方向の全体)と対応している。つまり、仮印刷読取データ10の幅方向の全体(すなわち、仮印刷物2の幅方向の全体)は、必ず仮印刷物表示領域310内に収まることになる。
[0073]
 仮印刷物表示領域310の横には、スクロールボタン320が表示される。スクロールボタン320は、仮印刷物表示領域310の高さ方向(幅方向311と直交する方向)312に、仮印刷読取データ10の縦方向の全体(すなわち、仮印刷物2の印刷方向(幅方向と直交する方向)の全体)が収まらない場合に、必要に応じて表示領域を移動させるためのGUI部品である。ユーザは、スクロールボタン320を指で触れることによって、表示領域を移動させることができる。
[0074]
 また、仮印刷物表示領域310の下には、ページ選択ボタン330が表示される。ページ選択ボタン330は、仮印刷物2が複数ページにより構成される場合に、仮印刷物表示領域310内に表示させるページを選択するためのGUI部品である。ユーザは、ページ選択ボタン330を指で触れることによって、仮印刷物表示領域310内に仮印刷物2の任意のページを表示させることができる。
[0075]
 また、仮印刷物表示領域310の下には、確定ボタン341と本印刷実行開始ボタン342とが表示される。確定ボタン341は、ユーザが入力した各種の操作を確定させる指示の入力を受け付けるためのGUI部品である。ユーザは、確定ボタン341を指で触れることによって、先に行った入力を確定させることができる。一方、本印刷実行開始ボタン342は、本印刷の実行を開始させる指示の入力を受け付けるためのGUI部品である。ユーザは、本印刷実行開始ボタン342を指で触れることによって、本印刷を実行開始させることができる。
[0076]
 また、仮印刷物表示領域310の下には、終了ボタン350が表示される。終了ボタン350は、仮印刷読取データ表示画面300の表示を終了させる指示の入力を受け付けるためのGUI部品である。ユーザは、終了ボタン350を指で触れることによって、仮印刷読取データ表示画面300を閉じることができる。
[0077]
 <選択位置対応ヘッド特定部343>
 再び図12を参照する。選択位置対応ヘッド特定部343は、上述した仮印刷読取データ表示画面300を介してユーザから仮印刷物2内の位置の選択を受け付けて、受け付けた仮印刷物2内の位置(選択位置)に対する印刷を行ったヘッド511を特定する。
[0078]
 選択位置対応ヘッド特定部343が、ユーザから位置の選択を受け付けて、受け付けた位置に対する印刷を行ったヘッド511を特定する態様について、再び図13を参照しながら説明する。
[0079]
 上述したとおり、選択位置対応ヘッド特定部343は、ユーザからの仮印刷物2内の位置選択を、仮印刷読取データ表示画面300を介して受け付ける。すなわち、仮印刷読取データ表示画面300は、ユーザからの位置選択を受け付ける受付画面として機能する。
[0080]
 上述したとおり、ワンパス印刷方式においては、各ヘッドユニット51が備えるN個のヘッド511のうち印刷物2の幅方向のサイズに応じた個数のヘッド511を用いて印刷が行われる。いま、印刷においてM(ただし、M≦N)個のヘッド511が用いられるとすると、印刷物2を幅方向についてM分割することで得られるM個の帯状印刷領域20は、それぞれ別のヘッド511により印刷が担当されることになる。
[0081]
 選択位置対応ヘッド特定部343は、仮印刷物表示領域310を幅方向311についてM分割する分割ライン313を表示する。すると、この分割ライン313は、仮印刷物表示領域310に表示されている仮印刷物2における帯状印刷領域20の境界に相当する位置に表示されることになる。すなわち、隣接する分割ライン313により規定される分割領域314は、仮印刷物2の印刷に用いられたM個のヘッド511のそれぞれが担当する帯状印刷領域20に相当する。選択位置対応ヘッド特定部343は、各分割領域314と、当該分割領域314に相当する帯状印刷領域20の印刷を担当したヘッド511とを対応付けて記憶している。
[0082]
 ただし、各分割領域314に相当する帯状印刷領域20の印刷を担当したヘッド511は、各ヘッドユニット51についてそれぞれ1個存在する。したがって、各分割領域314と対応付けられるヘッド511は、ヘッドユニット51の個数分(この実施の形態においては、4個)存在することになる。
[0083]
 仮印刷物表示領域310は、ユーザからの位置選択を受け付けるための受付領域として機能する。すなわち、ユーザが仮印刷物表示領域310内の任意の位置を指で触れると、選択位置対応ヘッド特定部343は、まず、当該選択された位置(選択位置)がM個の分割領域314のうちのいずれの領域に属するかを特定する。選択位置が属する分割領域314が特定されると、選択領域対応ヘッド特定部343はさらに、特定された分割領域314と対応付けられた4個のヘッド511を特定する。この4個のヘッド511が、ユーザが選択した位置に対する印刷を行ったヘッド511となっている。つまり、これによって、ユーザから受け付けた選択位置に対する印刷を行ったヘッド511が特定される。
[0084]
 ただし、ユーザは、仮印刷物表示領域310に表示された仮印刷物撮像データ10をみて、問題のある位置(例えば、ヘッド間段差が生じていると認められる位置)を選択する。なお、ユーザは、位置選択を行う際に、スクロールボタン320やページ選択ボタン330を適宜操作して、任意のページの任意の領域を仮印刷物表示領域310に表示させて、領域を選択することができる。例えば、特に彩色数が多い部分やべた領域が多い部分を仮印刷物表示領域310に表示させた状態で位置選択を行えば、ヘッド間段差の発生を見落としにくい。
[0085]
 選択領域対応ヘッド特定部343が特定した4個のヘッド511の全てを、対象ヘッド511としてもよいが、この実施の形態においては、特定された4個のヘッド511をさらに1個に絞り込んで、それを対象ヘッド511とする。
[0086]
 <修正対象ヘッド絞込部344>
 再び図12を参照する。修正対象ヘッド絞込部344は、選択位置対応ヘッド特定部343が特定した4個のヘッド511のうちから、修正対象とすべきヘッド511を絞り込む。具体的には、修正対象ヘッド絞込部344は、選択位置対応ヘッド特定部343が特定した4個のヘッド511のうち、1のヘッド511をユーザに選択させ、選択されたヘッド511を修正対象とすべきヘッド511(対象ヘッド511)として特定する。
[0087]
 修正対象ヘッド絞込部344が、修正対象とすべきヘッド511を絞り込む態様について、図14を参照しながら説明する。
[0088]
 修正対象ヘッド絞込部344は、仮印刷読取データ表示画面300に、ユニット選択ボタン群360を表示する。ユニット選択ボタン群360は、Y(イエロー)のインクを吐出するヘッドユニット51を選択するユニット選択ボタン361、M(マゼンタ)のインクを吐出するヘッドユニット51を選択するユニット選択ボタン362、C(シアンのインクを吐出するヘッドユニット51を選択するユニット選択ボタン363、K(ブラック)のインクを吐出するヘッドユニット51を選択するユニット選択ボタン364、および、ユニット選択を取り消す取消ボタン365から構成される。取消ボタン365は、いずれかのユニット選択ボタン361~364が選択操作された時点から表示する構成としてもよい。
[0089]
 ユニット選択ボタン群360は、ユーザから、修正対象とすべきヘッドユニット51の選択を受けつけるためのGUI部品である。すなわち、ユーザが、ユニット選択ボタン361~364のいずれかを選択して指で触れると、修正対象ヘッド絞込部344は、当該選択操作を受け付けて、選択されたヘッドユニット51を修正対象とすべきヘッドユニット51として記憶する。そして、選択位置対応ヘッド特定部343が特定した4個のヘッド511のうち、修正対象とすべきヘッドユニット51が備えるヘッド511を、対象ヘッド511として記憶する。
[0090]
 ただし、ユーザは、仮印刷物表示領域310に表示された仮印刷物撮像データ10の中の、先に選択した位置に生じているヘッド間段差の色味をみて、修正対象となるヘッドユニット51を選択する。例えば、先に選択した位置に、他の領域よりもY(イエロー)のインクが濃く(あるいは、薄く)印刷されたヘッド間段差が生じていると認められる場合、Y(イエロー)のインクを吐出するヘッドユニット51を修正対象とすべきヘッドユニット51として選択する。
[0091]
 なお、ユニット選択ボタン群360を表示する際に、先に選択された分割領域314を取り囲む赤色線を表示する、といった表示制御を行えば、ユーザに、どの領域に発生しているヘッド間段差を修正しようとしているかを自然に確認させながら、適切なユニット選択を行わせることができる。
[0092]
 <3-2.LUT修正部305>
 再び図12を参照する。LUT修正部305は、対象ヘッド特定部304により特定された対象ヘッド511に対応するLUT9(以下「対象LUT9」という)を修正する。LUT修正部305は、修正方向決定部351と、候補LUT生成部352と、候補印刷物生成部353と、LUT選択受付部354と、LUT書換部355とを備える。
[0093]
 <修正方向決定部351>
 修正方向決定部351は、対象LUT9を修正する方向を決定する。具体的には、修正方向決定部351は、対象LUT9を+方向、-方向のどちらに修正するかをユーザに選択させる。
[0094]
 ただし、「LUT9を+方向に修正する」とは、LUT9の係数値をより大きな値に修正することを意味する。逆に、「LUT9を-方向に修正する」とは、LUT9の係数値をより小さな値に修正することを意味する。
[0095]
 対象ヘッド511の担当する吐出領域が他の領域よりも濃く印刷されている場合、対象ヘッド511は吐出過多となっている。したがってこの場合、対象LUT9を、-方向に修正(すなわち、LUT9の係数値をより小さな値に修正)する必要がある。LUT9の係数値をより小さな値に修正すると、対象ヘッド511が担当する帯状印刷領域20に相当する帯状データ領域70内にある画素の階調値はさらに低い階調値に補正されることになるため、対象ヘッド511が吐出過多であることに起因するヘッド間段差は解消される。
[0096]
 逆に、対象ヘッド511の担当する吐出領域が他の領域よりも薄く印刷されている場合、対象ヘッド511は吐出過小となっている。したがってこの場合、対象LUT9を、+方向に修正(すなわち、LUT9の係数値をより大きな値に修正)する必要がある。LUT9の係数値をより大きな値に修正すると、対象ヘッド511が担当する帯状印刷領域20に相当する帯状データ領域70内にある画素の階調値はさらに高い階調値に補正されることになるため、対象ヘッド511が吐出過小であることに起因するヘッド間段差は解消される。
[0097]
 修正方向決定部351が、修正方向をユーザに選択させる態様について、図15を参照しながら説明する。
[0098]
 修正方向決定部351は、仮印刷読取データ表示画面300に、修正方向選択ボタン群370を表示する。修正方向選択ボタン群370は、対象LUT9を+方向に修正することを選択する方向選択ボタン371と、対象LUT9を-方向に修正することを選択する修正方向選択ボタン372と、既に行った選択操作を取り消すための取消ボタン373とから構成される。
[0099]
 修正方向選択ボタン群370は、ユーザから、修正方向の選択を受け付けるためのGUI部品である。すなわち、ユーザが、修正方向選択ボタン371,372のいずれかを選択して指で触れると、修正方向決定部351は、当該選択操作を受け付けて、選択された方向を修正の方向として記憶する。
[0100]
 ただし、ユーザは、仮印刷物表示領域310に表示された仮印刷物撮像データ10の中の、先に選択した領域に生じているヘッド間段差の色味をみて、修正方向を選択する。すなわち、上述したとおり、選択した領域が他の領域よりも濃く印刷されている場合、対象LUT9の修正方向として-方向を選択する。逆に、選択した領域が他の領域よりも薄く印刷されている場合、対象LUT9の修正方向として+方向を選択する。
[0101]
 なお、修正方向選択ボタン群370を、先に選択されたユニット選択ボタン370を挟むように表示すれば、ユーザに、何色のヘッドユニット51が選択されているかを自然に確認させながら、適切な修正方向の選択を行わせることができる。
[0102]
 <候補LUT生成部352>
 再び図12を参照する。候補LUT生成部352は、対象LUT9の修正候補となるLUT(以下「候補LUT91」という)を複数個生成する。具体的には、候補LUT生成部352は、入力値xに対して修正係数Kmを乗じた出力値y(y=Km*x)を与えるLUTを生成し、候補LUT9として取得する。ただし、修正係数Kmの値は、次の式(1)により規定される。
[0103]
 Km=Q*Ki                 ・・・・(式1)
[0104]
 ただし、(式1)中、「Ki」は、修正前の対象LUT9の係数である。すなわち、修正前の対象LUT9は、入力値xに対して出力値y(y=Ki*x)を与えるものであったところ、候補LUT91は、入力値xに対して出力値y(y=Km*x=Q*(Ki*x))を与えるものとなる。
[0105]
 一方、(式1)中「Q」は対象LUT9からの修正の度合いを規定する実効値である。実効値Qの具体的な値は、修正ポイントに応じて変化する。修正ポイントと実効値Qの関係は、記憶部34に格納された対応テーブルTにより規定される。
[0106]
 図16には、対応テーブルTの構成例が示されている。図16に示されるように、+の修正方向については、1より大きい値(1.1~2.0)が実効値Qとして規定されており、修正ポイントが大きくなるにつれて実効値Qの値は大きくなる。また、-の修正方向については、1より小さい値(0~0.9)が実効値Qとして規定されており、修正ポイントが大きくなるにつれて実効値Qの値は小さくなる。
[0107]
 したがって、修正方向が+方向である場合、図17に示すように、修正前の対象LUT9が入力値xに対して出力値y(y=Ki*x)を与えるものであったとすると、これを+1ポイント修正した第1候補LUT911は、入力値xに対して出力値y=(1.1*Ki)*xを与えるものとなる。また、修正前の対象LUT9を+2ポイント修正した第2候補LUT912は、入力値xに対して出力値y=(1.25*Ki)*xを与えるものとなる。また、修正前の対象LUT9を+3ポイント修正した第3候補LUT913は、入力値xに対して出力値y=(1.5*Ki)*xを与えるものとなる。また、修正前の対象LUT9を+4ポイント修正した第4候補LUT914は、入力値xに対して出力値y=(1.75*Ki)*xを与えるものとなる。また、修正前の対象LUT9を+5ポイント修正した第5候補LUT913は、入力値xに対して出力値y=(2.0*Ki)*xを与えるものとなる。
[0108]
 一方、修正方向が-方向である場合、図18に示すように、修正前の対象LUT9が入力値xに対して出力値y(y=Ki*x)を与えるものであったとすると、これを-1ポイント修正した第1候補LUT911は、入力値xに対して出力値y=(0.9*Ki)*xを与えるものとなる。また、修正前の対象LUT9を-2ポイント修正した第2候補LUT912は、入力値xに対して出力値y=(0.75*Ki)*xを与えるものとなる。また、修正前の対象LUT9を-3ポイント修正した第3候補LUT913は、入力値xに対して出力値y=(0.5*Ki)*xを与えるものとなる。また、修正前の対象LUT9を-4ポイント修正した第4候補LUT914は、入力値xに対して出力値y=(0.25*Ki)*xを与えるものとなる。また、修正前の対象LUT9を-5ポイント修正した第5候補LUT913は、入力値xに対して出力値y=(0*Ki)*xを与えるものとなる。
[0109]
 このように、候補LUT生成部352は、対象LUT9を選択された修正方向にそれぞれ1ポイント、2ポイント、3ポイント、4ポイント、5ポイント修正した5個の候補LUT91を生成する。
[0110]
 <候補印刷物生成部353>
 再び図12を参照する。候補印刷物生成部353は、候補印刷物を生成する。具体的には、候補印刷物生成部353は、元画像データ7に対して、候補LUT生成部352が生成した複数の候補LUT91のそれぞれを用いたシェーディング補正処理をシェーディング補正処理部302に行わせる。そして、各シェーディング補正処理により得られた補正後画像データ8に基づく印刷動作を印刷制御部303に行わせる。これにより得られる複数の印刷物が、候補印刷物となる。
[0111]
 <LUT選択受付部354>
 LUT選択受付部354は、対象LUT9について生成された複数の候補LUT9のうちから、1の候補LUT91をユーザに選択させ、選択された候補LUT91を対象LUT9と書き換えるべき候補LUT91として特定する。
[0112]
 LUT選択受付部354が、対象LUT9と書き換えるべき候補LUT91を特定する態様について、図19を参照しながら説明する。
[0113]
 LUT選択受付部354は、仮印刷読取データ表示画面300に、ポイント選択ボタン群380を表示する。修正方向が+方向の場合は、ポイント選択ボタン群380は、対象LUT9を+1ポイント修正した候補LUT91を選択するポイント選択ボタン381、対象LUT9を+2ポイント修正した候補LUT91を選択するポイント選択ボタン382、対象LUT9を+3ポイント修正した候補LUT91を選択するポイント選択ボタン383、対象LUT9を+4ポイント修正した候補LUT91を選択するポイント選択ボタン384、対象LUT9を+5ポイント修正した候補LUT91を選択するポイント選択ボタン385、および、ポイント選択を取り消す取消ボタン386から構成される。修正方向が-方向の場合は、それぞれ「+」の部分が「-」とされた同様のポイント選択ボタンが表示される。
[0114]
 ポイント選択ボタン群380は、ユーザから、修正ポイントの選択を受け付けるためのGUI部品である。すなわち、ユーザが、選択ボタン381~385のいずれかを指で触れると、LUT選択受付部354は、当該選択操作を受け付けて、選択された修正LUT92を、対象LUT9と書き換えるべき候補LUT91として記憶するとともに、選択されなかった候補LUT91を削除する。なお、LUT選択受付部354が、対象LUT9と書き換えるべき候補LUT91として特定した候補LUT91を以下「選択候補LUT92」という。
[0115]
 ただし、ユーザは、候補印刷物生成部353が生成した複数の候補印刷物を見て、ヘッド間段差を解消できる最適な候補LUT91を選択することができる。例えば、先に選択した領域が、他の領域よりもインクが濃く印刷されることによりヘッド間段差が生じていた場合、複数の候補印刷物では、当該領域が段階的に薄くなっている。そこで、ユーザは、複数の候補印刷物をみて、その中で、問題となる領域のヘッド間段差が丁度解消されているものを特定し、当該候補印刷物を与える候補LUT91を選択することによって、ヘッド間段差を適切に解消できる修正LUT92を選択することができる。
[0116]
 なお、修正ポイント選択ボタン群360を、修正方向選択ボタン群370が表示されていた位置と同じ位置に表示すれば、ユーザに、一連の選択入力を違和感なく行わせることができる。
[0117]
 <LUT書換部355>
 LUT書換部355は、対象LUT9の内容を、選択候補LUT92の内容に書き換える。具体的には、ユーザが、上述した確定ボタン341を指で触れると、LUT書換部355は、対象LUT9の内容を、選択候補LUT92の内容に書き換える。これによって、対象LUT9が、対応するヘッド511の現時点での吐出性能を反映したものに修正されることになる。
[0118]
 <4.処理の流れ>
 <4-1.全体の処理の流れ>
 印刷装置1において実行される印刷動作の流れについて、図20を参照しながら説明する。図20は、当該処理の流れを示す図である。
[0119]
 ユーザから印刷処理の開始を受け付けると制御装置3は印刷処理を開始する。すなわち、まず、元画像データ取得部301が、元画像データ7を取得する(ステップS1)。
[0120]
 続いて、本印刷に先立って、仮印刷が行われる(ステップS2)。具体的には、ステップS1で取得された元画像データ7に対して、シェーディング補正処理部302がシェーディング補正処理を行い、得られた補正後画像データ8に基づいて印刷制御部303が印刷動作を実行することにより、仮印刷物2が生成される。
[0121]
 続いて、LUT9の修正処理が行われる(ステップS3)。すなわち、まず、対象ヘッド特定部304が、吐出性能が前回修正処理から変化しているヘッド511(対象ヘッド511)を特定する(ステップS31)。そして、LUT修正部305が、対象ヘッド511に対応するLUT9(対象LUT9)の内容を、現時点の対象ヘッド511の吐出性能を反映したものに修正する(ステップS32)。ステップS31,S32の処理の流れについては、後により詳細に説明する。
[0122]
 LUT9の修正処理が完了すると、本印刷が行われる(ステップS4)。具体的には、ステップS1で取得された元画像データ7に対して、シェーディング補正処理部302が、修正後のLUT9を用いてシェーディング補正処理を行う。そして、得られた補正後画像データ8を網掛け処理して印刷用画像を生成し、生成された印刷用画像に基づいて印刷制御部303が印刷動作を実行することにより、本印刷物が生成される。
[0123]
 このように、LUT修正部305により修正されたLUT9(すなわち、印刷を実行する時点の各ヘッド511の吐出性能と一致するように修正されたLUT9)を用いてシェーディング補正処理が行われることによって、対象ヘッド511が担当する印刷領域の濃度が調整され、ヘッド間段差の発生が抑制される。すなわち、LUT修正部305とシェーディング補正処理部302とが協働して、対象ヘッド特定部304により特定された対象ヘッド511が担当する印刷領域の印刷濃度を補正する濃度補正部306として機能する(図6参照)。
[0124]
 <4-2.対象ヘッド511を特定する処理の流れ>
 対象ヘッド511を特定する処理(図20のステップS31)の流れについて、図21を参照しながら説明する。図21は、当該処理の流れを示す図である。
[0125]
 はじめに、仮印刷読取データ取得部341が仮印刷物撮像データ10を取得する(ステップS11)。具体的には、仮印刷読取データ取得部341は、ステップS2で生成された仮印刷物2を撮像部6に読み取らせ、得られた読取データを仮印刷読取データ10として取得する。
[0126]
 続いて、仮印刷読取データ表示制御部342が、ステップS11で取得された仮印刷物撮像データ10を表示部32に表示させる(ステップS12)。これにより、表示部32に、図13に例示する仮印刷読取データ表示画面300が表示される。
[0127]
 ステップS12で表示された仮印刷読取データ表示画面300を介して、ユーザから仮印刷物2内の位置の選択を受け付けると(ステップS13でYES)、選択位置対応ヘッド特定部343は、受け付けた選択位置に対する印刷を行った4個のヘッド511を特定する(ステップS14)。
[0128]
 続いて、修正対象ヘッド絞込部344が、仮印刷読取データ表示画面300にユニット選択ボタン群360を表示する(図14)(ステップS15)。
[0129]
 修正対象とすべき1のヘッドユニット51の選択をユーザから受け付けると(ステップS16でYES)、修正対象ヘッド絞込部344は、ステップS13で特定された4個のヘッド511のうち、ステップS16で選択されたヘッドユニット51が備えるヘッド511を、修正対象とすべき対象ヘッド511として特定する(ステップS17)。
[0130]
 <4-3.対象LUT9を修正する処理の流れ>
 対象ヘッド511と対応するLUT9(対象LUT9)を修正する処理(図20のステップS32)の流れについて、図22を参照しながら説明する。図22は、当該処理の流れを示す図である。
[0131]
 はじめに、修正方向決定部351が、仮印刷読取データ表示画面300に修正方向選択ボタン群370を表示する(図15)(ステップS21)。
[0132]
 対象LUT9を修正する方向の選択をユーザから受け付けると(ステップS22でYES)、修正方向決定部351は、選択された方向を修正の方向として記憶する(ステップS23)。
[0133]
 続いて、候補LUT生成部352が、対象LUT9の修正候補となる複数の候補LUT91を生成する(ステップS24)。
[0134]
 続いて、候補印刷物生成部353が、複数の候補印刷物を生成する(ステップS25)。具体的には、候補印刷物生成部353が、ステップS24で生成された複数の候補LUT91のそれぞれを用いたシェーディング補正処理をシェーディング補正処理部302に行わせ、得られた複数の補正後画像データ8のそれぞれに基づく印刷動作を印刷制御部303に実行させる。これによって、複数の候補印刷物が生成される。
[0135]
 続いて、LUT選択受付部354が、仮印刷読取データ表示画面300に、ポイント選択ボタン群380を表示する(図19)(ステップS26)。
[0136]
 対象LUT9と書き換えるべき候補LUT91の選択をユーザから受け付けると(ステップS27でYES)、LUT選択受付部354は、選択された候補LUT91を選択候補LUT92として特定する(ステップS28)。
[0137]
 続いて、LUT書換部355が、対象LUT9の内容を、選択候補LUT92の内容に書き換える(ステップS29)。
[0138]
 <5.効果>
 上記の実施の形態によると、対象ヘッド特定部304が、表示部32に仮印刷読取データ10が表示された仮印刷読取データ表示画面300を介してユーザが選択した位置に対する印刷を行ったヘッド511を特定し、これを補正対象とすべき吐出ヘッド(対象ヘッド511)とする。つまり、ユーザが、仮印刷物内において問題のある位置(例えば、ヘッド間段差が生じている位置)を、仮印刷読取データ表示画面300を介して選択すると、当該問題のある位置の印刷を担当したヘッド511が、対象ヘッド511として直ちに特定される。したがって、例えば、吐出性能が変化しているヘッドのように、補正する必要があるヘッドが発生している場合に、当該ヘッドを、実際に本印刷を行う直前の段階において簡易かつ適格に特定することができる。したがって、どのような使用環境であっても、常に良好な印刷品質を実現できる。
[0139]
 特に、上記の実施の形態においては、濃度補正部306が、対象ヘッド511が担当する印刷領域の濃度を補正する。したがって、ヘッド間段差を簡易かつ確実に解消することができる。
[0140]
 特に、上記の実施の形態においては、表示部32がタッチパネルにより構成されているので、ユーザは位置選択を簡易かつ正確に行うことができる。
[0141]
 特に、上記の実施の形態においては、仮印刷読取データ表示画面300の仮印刷物表示領域310に分割ライン313が表示されるので、仮印刷物にヘッド間段差が生じている場合に、ユーザはこれを見落としにくくなる。
[0142]
 <6.変形例>
 以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
[0143]
 <6-1.複数のLUT9を修正>
 例えば、上記の実施の形態に係るLUT9の修正処理(図20のステップS3)において、同時に複数のLUT9の修正を行うこともできる。この場合の処理の流れについて、図23を参照しながら説明する。図23は、当該処理の流れを示す図である。
[0144]
 まず、対象ヘッド特定部304が、1個の対象ヘッド511を特定する(ステップS101)。この処理は、上述したとおりである。
[0145]
 続いて、LUT修正部305が、ステップS101で特定された対象ヘッド511と対応する対象LUT9の修正方向を特定し、当該対象LUT9の修正候補となる複数の候補LUT91を生成する(ステップS102)。この処理は、上述したステップS21~ステップS24と同様である。
[0146]
 さらに別のヘッド511を対象ヘッド511とする場合、続いて、再びステップS101~ステップS102の処理を行う。ステップS101~ステップS102の処理を任意の回数だけ繰り返して行うことによって、任意の個数のヘッド511を対象ヘッド511として選択することができる。
[0147]
 対象ヘッド511とすべき全てのヘッド511が選択され、選択された全ての対象ヘッド511について候補LUT91が生成されると(ステップS103でYES)、候補印刷物生成部353が候補印刷物を生成する(ステップS104)。ただし、ここでは、先に、1以上の対象LUT9のそれぞれについて、複数の候補LUT91が生成されている。したがって、ステップS34の処理において、候補印刷物生成部353は、各対象LUT9について生成された複数の候補LUT91の全通りの組み合わせを生成する。そして、生成された1以上の組み合わせのそれぞれを用いたシェーディング補正処理をシェーディング補正処理部302に行わせる。さらに、得られた複数の補正後画像データ8のそれぞれに基づく印刷動作を印刷制御部303に実行させる。これによって、複数の候補印刷物が生成されることになる。
[0148]
 例えば、2個のヘッド511が対象ヘッド511として選択されている場合、各対象ヘッド511に対応する対象LUT9について5個の候補LUT91が生成されるので、候補LUT91の組み合わせ数は25通りとなる。したがって、この場合、25枚の候補印刷物が生成されることになる。
[0149]
 なお、全通りの組み合わせを生成するのではなく、例えば、ポイント数が同じ候補LUT91同士の組み合わせのみを生成して、各組み合わせに係る候補印刷物を生成する構成としてもよい。
[0150]
 続いて、LUT選択受付部354が、ユーザからの選択を受け付けて、1以上の対象LUT9のそれぞれについて、当該対象LUT9と書き換えるべき選択候補LUT92を特定する(ステップS105)。具体的には、各対象LUT9について生成された複数の候補LUT91の組み合わせの中から、ユーザに1の組み合わせを選択させ、選択された組み合わせを構成する各候補LUT91を選択候補LUT92に特定する。
[0151]
 なお、組み合わせを選択させるのではなく、各対象LUT9について、複数の候補LUT91のうちから1の候補LUT91を1つずつ選択させてもよい。
[0152]
 続いて、LUT書換部355が、1以上の対象LUT9それぞれの内容を、当該対象LUT9に係る選択候補LUT92の内容に書き換える(ステップS106)。
[0153]
 <6-2.その他の変形例>
 上記の実施の形態においては、仮印刷物表示領域310に分割ライン311を表示していたが、この表示は必ずしも行わなくともよい。ただし、分割ライン311を表示しておけば、ユーザが、ヘッド間段差が生じている場所を見落としにくくなるという利点がある。
[0154]
 また、上記の実施の形態においては、シェーディング補正処理に用いるLUT9を記憶部34に格納する構成としたが、LUT9ではなく、変換率を規定する係数の値を記憶する構成としてもよい。この場合、シェーディング補正処理を行う際に、記憶された係数の値を用いて関数に展開すれば、LUT9を得ることができる。なお、LUT9ではなく3次関数を使用したシェーディング補正を行ってもよい。
[0155]
 また、上記の実施の形態において、選択位置対応ヘッド特定部343は、仮印刷読取データ表示画面300内に複数の分割領域314を規定している。ここで、仮印刷物2の幅方向のサイズが大きくなるにつれて、印刷に用いられるヘッド511の個数が多くなるところ、仮印刷物表示領域310のサイズは限られているため、印刷に用いられるヘッド511の個数が多くなると、分割領域314の幅は小さくなる。このような場合に備えて、仮印刷物表示領域310内の特定の領域を拡大表示するような機能をさらに設けてもよい。
[0156]
 また、上記の実施の形態においては、対象ヘッド511に対する濃度補正は、濃度補正部306により行われる構成としていたが、対象ヘッド511に対する濃度補正を行う態様はこれに限らない。また、補正を行う機能部を設けずに、対象ヘッド特定部304が特定した補正が必要なヘッド511を、ユーザに報知する(例えば、表示部32にヘッド番号を表示する)に留めてもよい。
[0157]
 また例えば、上記の実施の形態においては、印刷装置1は、印刷媒体2を走査方向に移動させる搬送部47により、複数の吐出口の配列方向に交差する走査方向について、印刷媒体2が吐出部5に対して一定速度にて移動する構成としたが、印刷媒体2を吐出部5に対して相対的に走査方向に移動させる走査機構は様々な構成にて実現可能である。例えば、吐出部を走査方向に移動する機構が設けられてもよい。また、図24に示す印刷装置1a(枚葉式の印刷装置)のように、矩形の印刷媒体2を保持するステージ201、および、ステージ201を走査方向(図24中のY方向)に移動させるステージ移動機構202が設けられてもよい。なお、図24の印刷装置1aでは、基台200上に設けられる位置検出モジュール203により、基台200に対するステージ201の位置が検出可能となっている。
[0158]
 また、印刷装置1における印刷媒体2は、上述したようなシート状の基材であってもよいし、プラスチックにて形成される板状の部材や印刷用紙等であってもよい。
[0159]
 この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。

符号の説明

[0160]
1  印刷装置
3  制御装置
4  搬送部
5  吐出部
6  撮像部
51  ヘッドユニット
300  仮印刷読取データ表示画面
301  元画像データ取得部
302  シェーディング補正処理部
303  印刷制御部
304  対象ヘッド特定部
305  LUT修正部
511  ヘッド

請求の範囲

[請求項1]
 吐出ヘッドの吐出口から印刷媒体に向けてインクの液滴を吐出させることによって印刷を行うインクジェット方式の印刷装置であって、
 印刷方向に対して交差する方向を幅方向とし、前記印刷媒体の前記幅方向の全体にわたって配列された複数の前記吐出ヘッドと、
 前記印刷媒体と前記複数の吐出ヘッドとを前記印刷方向について相対的に移動させる搬送部と、
 前記搬送部を制御して前記印刷媒体と前記複数の吐出ヘッドとを前記印刷方向に相対的に移動させつつ、印刷データに基づいて前記吐出ヘッドからインクの液滴を吐出させる印刷制御部と、
 印刷後の前記印刷媒体である印刷物を撮像する撮像部と、
 前記複数の吐出ヘッドのうち、補正対象とすべき対象吐出ヘッドを特定する対象吐出ヘッド特定部と、
を備え、
 前記対象吐出ヘッド特定部が、
 前記撮像部が取得した前記印刷物の撮像データを表示部に表示させる表示制御部と、
 前記撮像データを表示する表示画面を介してユーザから前記印刷物内の位置の選択を受け付けて、受け付けた前記印刷物内の位置である選択位置に対する印刷を行った吐出ヘッドを特定し、当該吐出ヘッドを前記対象吐出ヘッドとする選択位置対応ヘッド特定部と、
を備える印刷装置。
[請求項2]
 請求項1に記載の印刷装置であって、
 前記対象吐出ヘッドが担当する印刷領域の濃度を補正する濃度補正部、
を備える印刷装置。
[請求項3]
 請求項2に記載の印刷装置であって、
 前記濃度補正部が、
 前記印刷データを、前記複数の吐出ヘッドのそれぞれが担当する印刷領域に対応する部分領域に分割し、各部分領域内にある画素の階調値を、当該部分領域に対して個別に設定された係数を用いて補正する階調補正処理部と、
 前記対象吐出ヘッドが担当する印刷領域に相当する部分領域について設定された係数の値を修正する係数修正部と、
を備える印刷装置。
[請求項4]
 請求項1から3のいずれかに記載の印刷装置であって、
 前記表示部がタッチパネルにより構成されており、
 前記選択位置対応ヘッド特定部が、
 前記表示画面内の、ユーザにより触れられた位置を、前記選択位置として受け付ける印刷装置。
[請求項5]
 請求項1から3のいずれかに記載の印刷装置であって、
 前記選択位置対応ヘッド特定部が、
 前記表示画面内の、前記表示画面に表示される前記印刷物において前記複数の吐出ヘッドのそれぞれが担当する印刷領域の境界に相当する位置に、分割ラインを表示させる印刷装置。
[請求項6]
 吐出ヘッドの吐出口から印刷媒体に向けてインクの液滴を吐出させることによって印刷を行うインクジェット方式の印刷装置における濃度補正方法であって、
 a)印刷方向に対して交差する方向を幅方向とし、前記印刷媒体の前記幅方向の全体にわたって配列された複数の前記吐出ヘッドと、前記印刷媒体とを、前記印刷方向について相対的に移動させつつ、印刷データに基づいて前記吐出ヘッドからインクの液滴を吐出させて、前記印刷データに基づく仮印刷を行わせる工程と、
 b)前記a)工程により生成された仮印刷物を撮像する工程と、
 c)前記仮印刷物の撮像データを表示部に表示させる工程と、
 d)前記撮像データを表示する表示画面を介して、ユーザから前記仮印刷物内の位置の選択を受け付ける工程と、
 e)前記d)工程で受け付けられた前記印刷物内の位置である選択位置に対する印刷を行った吐出ヘッドを特定する工程と、
 f)前記e)工程で特定された吐出ヘッドを対象吐出ヘッドとし、前記対象吐出ヘッドが担当する印刷領域の濃度を補正する工程と、
を備える濃度補正方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]

[ 図 24]