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1. WO2011074562 - ドーム型建築物用三角パネル、当該パネルを用いたドーム型建築物及び当該ドーム型建築物の構築方法

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明 細 書

発明の名称 ドーム型建築物用三角パネル、当該パネルを用いたドーム型建築物及び当該ドーム型建築物の構築方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008   0009   0010   0011  

課題を解決するための手段

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020  

発明の効果

0021   0022   0023  

図面の簡単な説明

0024  

発明を実施するための形態

0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058  

符号の説明

0059  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : ドーム型建築物用三角パネル、当該パネルを用いたドーム型建築物及び当該ドーム型建築物の構築方法

技術分野

[0001]
 本発明は、ドーム型建築物を構成する部材である金属製三角パネルと、これを用いて構築したドーム型建築物及び当該ドームの構築方法に関する。

背景技術

[0002]
 従来から、緊急時や僻地での一時的な住宅としてドーム型建築物が建築され、簡易に小規模の住居等として使用されてきた。また、一般の生活の中においても、多目的ホール等の大型建築物としてのドーム型構造も多く浸透している。
[0003]
 ドーム型建築物は、一般的にフラードームやジオデシックドームと呼ばれている。構造として、ドーム頂点から放射状に鉄骨を配して、円形ドームの骨組を構築するものがある。しかしながら、ドームの構成部材を多く用いることや、建築工程の複雑さにより工期が長くなる等の問題を抱えていた。
 そこで、鉄骨構造の問題を解消するものとして、木造パネルを使用してドーム型建築物を構築する技術が開示されている。例えば、特許文献1のように、木造三角パネルを構成部材として使用し、木造の多角形パネルを形成し、当該多角形パネルを組み合わせていくことでドーム型建築物を構築する技術である。
[0004]
 このような公知技術によれば、パネルを組み合わせていくことでドーム型建築物を構築するため、骨組を構築した場合に比べ、建築工程の省略が可能となり工期の短縮が可能となる。さらに、構成部材の削減ができ、建設費削減や構築の容易さをも可能とする。
 また、本件出願と同一出願人による先行出願として、下記の特許文献2、及び特許文献3の先行技術が開示されている。当該先行技術は、内枠材を用いた三角パネルであり、内枠材の配置箇所、形状に特徴を有するものである。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開平7-119208号公報
特許文献2 : 特開平7-224464号公報
特許文献3 : 実登3056964号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 しかしながら、パネルを構成する材料は、木材であることが一般的であった。木造パネルであるため、侵食、腐食、防水性、耐火性など、耐久性の面で問題を抱えていた。
[0007]
 また、木造パネルを使用する場合は、小規模のドーム型建築物向きであった。これは、木造パネルを構成する木材の長さが、一般的には3m程度になるためである。大規模なドーム型建築物を構築したい場合には、木造パネルでは、木材を長くすると同時に木材を太くする必要があった。そのため、木造パネルを使用した大規模のドーム型建築物では、屋根部分の重量化が問題であった。さらに、ドーム型建築物の構成部材が多量となることで、建材費、建築費が掛かること、ドーム型建築物の構築が複雑になり構築工程が増えることの原因となっている。
[0008]
 また、上記各先行技術文献の記載には、構成部材の材質が木材には限られず、金属製の材質であってもよいことの示唆がある。しかしながら、木材による構成を金属製の構成部材に変更可能である程度の示唆に留まり、金属製の構成部材の特性を利用した形状や構成を具体的に開示したものではない。
[0009]
 加えて、昨今の木材価格の高騰も懸念材料となり、構築時の工程を容易にし、より安価で、構築後も耐久性の高いドーム型建築物を提供するための三角パネルが望まれている。
[0010]
 そこで、本発明は上記課題を解決するために、ドーム型建築物の構成部材である三角パネルであって、金属製の枠体により構成される三角パネルを提供する。これにより、木製の三角パネルに比べ、耐久性が改善され、ドーム型建築物の耐久性が改善されることになる。加えて、ドーム型建築物の鉄骨を構築しなくとも、三角パネル同士の接合部分には金属製枠体を配した構造となる。
[0011]
 また、金属製の枠材により構成される枠体の構造として、枠体側面を内側に傾斜させた構造の三角パネルを提供する。三角パネルの側面を構成する枠体は、内側に傾斜する斜面を形成し、三角パネル同士の突き合わせにおける接合面を形成している。これにより、三角パネルを用いた多角形体の形成が容易になる。さらには、多角形体を用いたドーム型建築物の構築が容易になる。

課題を解決するための手段

[0012]
 本発明に係る三角パネルは、側面を突き合わせていきドームを形成していく構成部材としての三角パネルにおいて、略U型に成形された金属製の枠材と、上記三角パネルの基体となる枠体であって、3つの上記枠材により構成され、当該枠体の側面が傾斜するように当該各枠材を傾斜させ、それぞれの端部を固着させ形成される三角形状の枠体と、上記枠体に固着される板部材であり、屈曲した板状に成形され、上記枠体の三角形内側方向に延びた羽部分を構成する板部材と、を有することを特徴とする。
[0013]
 本発明に係る三角パネルは、上記板部材に係る羽部分が水平面に形成される、ことを特徴とする。
[0014]
 本発明に係る三角パネルは、上記枠体を構成する枠材に対して固着されるガセットプレートであって、当該枠材の略U字型に囲まれる部分に一端周辺部が固着され、上記枠体の三角形状の内側方向に延びた羽部分に孔が形成されたガセットプレートと、上記ガセットプレートに係る羽部分に対して締結される母屋と、を更に有する、ことを特徴とする。
[0015]
 本発明に係る三角パネルは、上記3つの枠材により構成される枠体は二等辺三角形状である、ことを特徴とする。
[0016]
 本発明に係る三角パネルは、上記板部材が上記二等辺三角形状の枠体に係る二等辺を構成する二つの上記枠材に複数固着され、当該枠体の二等辺とは異なる一辺を構成する上記枠材に一又は複数固着されている、ことを特徴とする。
[0017]
 本発明に係る三角パネルは、上記ガセットプレートが上記枠体の二等辺を構成する各枠材に対して、一対に固着され、上記母屋は、上記一対のガセットプレートに対して締結される、を特徴とする。
[0018]
 本発明に係る三角パネルは、上記板部材に係る羽部分と上記母屋により支持される屋根部材、を更に有する、ことを特徴とする。
[0019]
 本発明に係るドーム型建築物は、上記三角パネルを用いて、上記三角パネルの頂点が同一球面上に位置し、各隣接する三角パネルの枠体の側面同士を締結手段で連結して形成された、ことを特徴とする。
[0020]
 本発明に係るドーム型建築物の構築方法は、上記三角パネルを用いて、基礎上にドーム型建築物を構築する方法であって、当該三角パネルの側面同士を接合して連結させ、切頭20面体を構成する五角形体または六角形体を形成する多面体を地組しておき、上記五角形体の5つを基礎上に連結し、当該五角形体に接する位置に上記六角形体を連結していき、頂点に五角形体を連結させる、ことを特徴とする。

発明の効果

[0021]
 本発明によれば、三角パネルが金属製の枠体を有するため、木造パネルを使用した場合に比べ、耐久性及び耐火性が増したドーム型建築物を構築することが可能となる。また、金属製枠体の材質がアルミニウムなどの安価な金属による場合に、コスト削減も図ることができる。
[0022]
 また、鉄骨構造では1本の骨組をドーム頂点から放射状に配するのに対して、本発明では三角パネルの枠体同士の接合により、接合部分が2本の金属製枠材からなる骨組みの機能を果たすドーム型建築物が構築される。ゆえに、耐荷重性が高まる効果を奏する。
[0023]
 また、枠体が金属製であるために、三角パネルの剛性が高まり、小規模なドーム型建築物から大規模なドーム型建築物までを構築することが可能となる。さらに、パネルの寸法を大きくしても、大幅な重量化をしない効果も奏する。

図面の簡単な説明

[0024]
[図1] 三角パネル間の接合部分の断面図
[図2] (a)三角パネルを形成する枠体の形状、及び枠材の配置図     (b)枠体の所定箇所または範囲を示した図
[図3] (a)枠体の断面における枠材を示した図     (b)ガセットプレートを示した図     (c)枠体の断面における枠材及びガセットプレートを示した図
[図4] (a)枠体及び母屋の配置を示した図     (b)枠材、ガセットプレート、母屋の結合部分を示した図     (c)枠材、ガセットプレート、母屋の結合部分を示した図
[図5] (a)枠材に固着されたプレートの配置を示した図     (b)枠体、プレートの断面を示した図
[図6] (a)野地板を母屋、プレートに結合した図     (b)鋼板を配置した図
[図7] (a)ドーム構築の際の五角形体の配置例     (b)ドーム構築の際の六角形体の配置例     (c)ドーム構築の際に、頂点を構成する五角形体の配置例
[図8] 本発明に係るドーム型建築物の図
[図9] 枠体の頂点周辺部の斜視図

発明を実施するための形態

[0025]
 以下、本発明に係る三角形パネル1の実施形態について説明する。
 図1は、ドーム型建築物を構築した際の三角パネル1同士の接合部分を示す断面図である。概要として、枠体に係る枠材2をボルトナット7で固定し、枠体に係る枠材2に固着されたプレート6に野地板8を固定し、野地板8の外表面側に仕上げ材10を固着させ、シーリング材11により野地板8及び仕上げ材10の厚さにより生じた隙間が密閉されている。
 なお、図1の上下方向は、下方向がドーム型建築物の内部方向とし、上方向がドーム型建築物の外部方向として、図示している。
[0026]
 三角パネル1とは、ドーム型建築物を構成する三角形の構造体である。三角パネル1を接合していくことで多角形体を形成し、多角形体を接合していくことでドーム型建築物が構築される。
 三角パネル1は、枠材2、ガセットプレート3、母屋5、プレート6、野地板8、鋼板10により構成される。枠材2を構成部材として枠体が形成され、この枠体が三角パネル1の基体となる。
[0027]
 次に、三角パネル1に係る構成部材について説明する。
 枠材2とは、三角パネル1の基体である枠体を構成し、枠体の三角形状を形作る構成部材である。枠材2は、断面が略U字型形状になるように形成されている。断面のような3面から成り、枠体の側面を構成する面と、向かい合う2面により略U字型形状の断面に成形される。なお、枠材2のうち枠体側面を構成する面以外の向かい合う2面同士が、平行であっても平行でなくても構わない。
 また、枠材2の両端部分は、三角形状枠体に係る頂点部分を構成し、枠材2同士が固着可能な形状に成形されている。この枠材2の両端部における固着部分は、図9に例示したようになる。図9は、枠体の頂点周辺部を表す斜視図である。図2(b)中のC範囲を表したものである。
[0028]
 枠材2は金属製であり、鉄、鋼、アルミニウムなどの材質である。なお、枠材2の材質は、これら金属に限定されるものではなく、ドーム型建築物の構築を可能とする強度を有する金属であればよい。
[0029]
 本発明に係る枠材2の成形方法は、いかなるものであってもよく、断面が略U字型形状に成形されていればよい。枠材2は、一枚の金属板を用い略直角に屈曲させることで、断面が略U字型に成形されていてもよい。または、金属射出成形により、断面が略U字型に成形されていてもよい。なお、他の三角パネル構成部材についても、成形方法が限定されるものではない。
 また、枠材2の両端部についても、端部を切り出すことで成形してもよい。枠体を形成する際、枠材2の両端部が、枠材2同士を固着可能な形状に成形されていればよい。
[0030]
 枠体とは、枠材2により構成されるものであり、三角パネルの基体となるものである。また、枠体は、3つの枠材2が三角形状を形成するように配置され、枠材2各々の端部が溶接により固着されている。
 枠体は、枠材2により三角形状に形成された立体構造である。三角形は、枠体の水平面における断面の形状を表したものである。なお、枠体の詳細については、後述にて説明を加える。
[0031]
 ガセットプレート3とは、構成部材相互の接合に用いる鋼板である。ガセットプレート3は、平面形状の鋼板である構成部材であり、略V字形に成形され、孔4が形成されている。枠材2と母屋5を接合するのに用いられる部材である。ガセットプレート3と枠材2とは溶接により固着され、母屋5とは孔4にボルトが挿嵌させナットにより締結される。また、枠材2とガセットプレート3とを溶接により固着する際、溶接が容易となる形状のガセットプレート3であってもよい。なお、ボルトナット7とは、ボルトとナットであり、孔に挿嵌でき、部材同士を締結できればよい。また、ボルトとナットのように、別々の記載により説明に用いている。
[0032]
 母屋5とは、野地板8を支持する構成部材である。母屋5は、野地板8の荷重を枠材2へ伝播するものである。母屋5は、両端周辺部には孔が形成されている。両端周辺部に形成された孔にボルトを嵌挿させナットにより締結され、ガセットプレート3と連結される。また、母屋5は、野地板8を支持できガセットプレート3と連結できる部材であればよく、母屋5の形状が限定されるものではない。例えば、野地板8を支持できる面と、ガセットプレート3と接合できる面を有する形状に成形されていればよい。
[0033]
 プレート6とは、構成部材相互の接合に用いる鋼板である。プレート6は、枠体に溶接により固着される。枠体に係る枠材2と野地板8を接合するのに用いる部材である。傾斜させた枠材2により構成された枠体と、平面形状を有する野地板8とを接合可能にさせる形状を有する板状部材である。
[0034]
 野地板8とは、屋根部材の一部であり、屋根の仕上げ材を支える部材である。野地板8は、建築物の構造体を支える構造として用いる合板である構造用合板であってもよい。また、耐火木毛セメント板など耐火性の野地板8であってもよい。さらに、野地板8が三角形状の一枚のものであってもよい。
 また、野地板8は、母屋5とプレート6により支持されて固定されている。例えば、母屋5、プレート6、野地板8の所定の箇所に孔を形成し、ネジ等で締結させ固定さてもよい。
[0035]
 仕上げ材10とは、屋根部材の一部であり、三角パネル1及びドーム型建築物の外装を構成する表面部材である。仕上げ材10は、板状であって、野地板8の外表面に被膜するよう固着される。例えば、仕上げ材10で野地板8の外正面部分を覆い、ドリルなどで穴を形成し、ネジ9により互いに固定するようにする。ネジ9は、タッピンネジなどで穴に締め付けるものである。
 また、仕上げ材10は、金属製の薄い板状鋼板であっても、粘板岩を薄い板状に加工したものであるスレートであってもよい。仕上げ材10が鋼板である場合、厚さ0.4mmほどの薄い鋼板であり、ガルバリウム鋼板であってもよい。
[0036]
 次に、三角パネル1に係る構成部材を用いて、三角パネル1を形成する実施例について説明を行う。
 まず、枠体を構成する枠材2の配置について説明する。
 図2は、枠材2により構成された三角パネル1の枠体の形状、及び枠体を構成する枠材2の配置を示した図である。
 図2(a)は、枠体を構成する枠材2の配置を示した図である。三角形状枠体に係る二辺を構成する枠材2には、ガセットプレート3が固着される。なお、このガセットプレート3は、枠体を形成した後に枠材2に固着するものであっても、枠材2に予め固着させた後に枠体を形成するものであっても、どちらでもよい。
 図2(b)は、枠体の所定部分又は断面を示した図である。A-A´断面は、枠体の二辺を構成する枠材2の断面である。B-B´断面は、ガセットプレート3が固着された枠材2の断面である。C範囲は、三角形状枠体に係る頂点周辺の範囲である。また、三角形状枠体を形成する際、枠材2は、略U字型形状の向かい合う2面が三角形の内側方向に位置するよう構成される。
[0037]
 次に、枠体に係る枠材2の傾斜について説明を行う。
 枠体は、枠材2を傾斜させ三角形状に配置し枠材2同士を溶接により固着させることで形成されるものである。なお、この傾斜は垂直方向からの傾斜であり、この垂直方向は上記水平方向に対する鉛直方向である。
 図3(a)は、枠体を構成する枠材2の断面図であり、図2(b)中のA-A´断面を示した図である。枠材2のうち枠体側面を構成する面が、枠体では斜面を形成するように、枠材2を傾斜して配置されている。また、三角形状枠体に係る3側面は、いずれも斜面に形成されている。つまり、三角形状枠体を形成する3本の枠材2は、いずれも傾斜して配置されていることになる。
[0038]
 例えば、枠体側面が、垂直方向から角度θに傾斜する斜面を形成する場合とする。これは、枠材2のうち枠体側面を構成する面が傾斜角θになるよう、枠材2を傾斜させて枠体を形成した場合である。
 また、枠材2は略U字型形状であるので、枠材2に係る枠体側面を構成する面以外の向かい合う2面は、水平方向から角度を有する方向に延設している。仮に、枠材2が直角に略U字型形状を有している場合、水平方向では、枠体側面を構成する面以外の向かい合う2面が、それぞれ仰角θに傾斜していることになる。
[0039]
 次に、ガセットプレート3と枠材2との溶接による固着について説明を行う。
 図3(b)は、ガセットプレート3の形状を表した図である。図3(c)は、図2(b)中のB-B´断面であり、枠材2にガセットプレート3を固着させた箇所を表した図である。
 ガセットプレート3と枠材2では、枠材2の略U字型に囲まれる部分にガセットプレート3の一端周辺部分が溶接により固着されている。ガセットプレート3は略V字形をした平面状板部材であるため、枠材2から突出しているガセットプレート3の一部分は、水平方向に突出することができる。これは、枠体を構成する枠材2が傾斜角と、ガセットプレート3の略V字形の角度に因るためである。なお、枠材2を傾斜させる角度や、ガセットプレート3を略V字形に成形する角度が、特定である必要はない。本発明に係る三角パネル1において、枠体の側面が傾斜した斜面であって、固着により枠材2から突出したガセットプレート3の一部分が水平方向に延設するようになればよい。
[0040]
 次に、母屋5とガセットプレート3との締結について説明する。
 図4(a)は、母屋5の配置を示した図である。溶接により枠材2に固着されたガセットプレート3と、母屋5とがボルトナットにより締結され固定される。図4(b)は、枠材2、ガセットプレート3、母屋5の締結部分を表した図である。図4(c)は、図4(a)中のD範囲を拡大した図面である。
 枠材2に固着されたガセットプレート3は、一対の向かい合う位置になるよう配置されている。母屋5は、一対のガセットプレート3に対して締結される。母屋5の両端周辺部にボルトを挿嵌する孔が形成されている。これにより、ガセットプレート3と母屋5に形成された孔にボルトを挿嵌し、ナットによる締結し固定される。ガセットプレート3と締結された母屋5は、母屋5同士が互いに平行な位置に配置されている。また、図4中の下方向の辺を底辺と呼び説明をすると、三角形状に係る底辺と、母屋5とは平行の位置に配置される。つまり、ガセットプレート3は、底辺と平行な位置に一対を成し、枠材2に固着されることになる。
[0041]
 次に、枠材2とプレート6との固着について説明する。
 図5(a)は、枠材2にプレート6を配置した図である。プレート6は、枠体を構成する枠材2に係る屋根外表面側の面に配置される。また、三角形状枠体を構成する3本の枠材2全てに固着される。
 枠材2とプレート6は、溶接により固着するか、孔を形成しボルトナットによる挿嵌により締結するか、どちらでもよい。
[0042]
 図5(b)は、図5(a)中のE-E´断面であり、枠材2とプレート6が固着した部分の断面を表した図である。
 プレート6は、2平面形状の板状部材であり、2平面の向かい合う角が鈍角を有するように屈曲して成形されている。また、プレート6のうち、枠材2から三角形の内側方向に突出している面は、水平面を形成するように突出している。枠体に固着された複数のプレート6において、いずれの突出した面も同一平面上にあることになる。さらに、プレート6のうち、枠材2から三角形の内側方向に突出した部分係る面が、野路板8を受ける羽部材となる。
 これは、枠体に係る枠材2を傾斜させ配置することで、枠材2に係る向かい合う2面が水平方向から角度を有する方向に形成されるためである。後述する野路板8を固定する際に、枠材2により傾斜角、仰角を有する枠体においては、平面形状である野路板8を支持することは安定性を欠く。そのため、枠体が同一平面で野路板8を受ける構造の部材が必要である。
[0043]
 次に、屋根部材の配置について説明を行う。
 図6は、野地板8を枠体上に配置した図である。ネジ9は、例示のために図示したものであり、図6(a)に係る配置に限られるものではない。また、4枚の野地板8を用いた例を示したが、本発明はこれに限るものではない。また、野地板8は、母屋5、プレート6、により支持される。
[0044]
 図6(b)は、三角パネル1における外表面部分を構成する仕上げ材10の配置を表した図である。
 三角パネル1の底辺と平行に板状の仕上げ材10が配置し固定される。仕上げ材10同士では、一部重なり合う部分が形成される。例えば、ハゼ結合やハゼ締め、と呼ばれる接合方法である。
 この場合、三角形パネル1により構成された各多角形体の中心から同心円状に上記重なり合う部分が形成される。これに限らず、三角パネル1の斜辺と平行線上に仕上げ材10の重畳する部分が形成されるようにしてもよい。このとき、ドーム型建築物における頂上を中心として、同心円状に全部の上記重なり合う部分が形成することになる。
 いずれの場合も、ドーム型建築物の頂上側に配置し固着された仕上げ材10が、上記重なり合う部分の外表面を形成している。これにより、水上から水下へスムーズに水が流れ、水が浸入することがなくなる。
[0045]
 上述してきた構成を有することで、本実施形態に係る三角パネル1は形成される。
[0046]
 次に、枠体に係る枠材2の組合せにより、数種類の枠体が形成される場合について説明する。また、数種類の枠体により数種類の三角パネル1が形成される。さらに、複数種類の三角形パネル1により形成される多角形体についても説明する。
[0047]
 三角パネル1を構成する枠体は、長さの異なる2種類の枠材2によって、二等辺三角形状に形成される。また、二等辺三角形状の等しい二辺を構成する枠材2は、同一の傾斜に配置されている。
 詳細には、二等辺三角形に係る等しい二辺を構成する枠材2は、同一の傾斜に配置に形成される。また、二等辺とは異なる一辺を構成する枠材2では、二等辺を形成する枠材2の傾斜とは異なる傾斜角に枠材2が傾斜して配置されている。
[0048]
 また、三角パネル1により形成される多角形体は、五角形体、六角形体の2種類である。このため、三角パネル1は、二等辺三角形状枠体に係る辺の長さ及び傾斜角の異なる組み合わせが必要となる。
 ここでは、枠材2の長さ及び枠体を形成する際の傾斜角を包含する意味合いの枠材と定義して説明を行う。例えば、長さと配置の際の傾斜角の相違により、第1枠材2a、第2枠材2b、第3枠材2c、第4枠材2d、第5枠材2eと定義する。
 これらの組み合わせにより、三角形状の枠体を形成することについて説明する。
[0049]
 まず、長さと傾斜の相違によって5種類となる説明を行う。
 三角形パネル1同士の接合により形成される多角形体において、五角形体の中心点から5頂点を結ぶ5線分の接合面を形成する枠材と、六角形体の中心点から6頂点を結ぶ6線分の接合面を形成する枠材がある。また、五角形体では、五角形状の5辺を形成する枠材がある。さらに、六角形体では、六角形状の6辺のうち、六角形体と接合する辺を形成する枠材と、六角形体の辺のうち五角形体と接合する辺を形成する枠材と、がある。
[0050]
 なお、枠材2同士の接合は、ボルトナットにより締結される。図1に図示されていないが、枠材2には、三角パネル1に係る枠体側面を構成する面の所定の箇所に、ボルトを挿嵌するための孔が形成されている。枠体側面を突き合わせた接合部分には、いずれの枠材にも孔が形成されているので、ボルトナットによる締結ができる。
[0051]
 次に、5種類の枠材の組み合わせにより構成される枠体について説明を行う。
 例えば、異なる一辺である底辺を構成する第1枠材2aを1本と、等しい二辺を構成する第2枠材2bを2本と、から成る二等辺三角形状枠体がある。当該二等辺三角形により多角形体が形成された場合に、第2枠材2b同士が接合するものであり、第1枠材2aは多角形体の辺を構成することになる。
 また、異なる一辺である底辺を構成する第4枠材2dを1本と、等しい二辺を構成する第3枠材2cを2本と、から成る二等辺三角形状枠体がある。当該二等辺三角形を含む多角形体が形成された場合に、多角形体の辺は、二等辺三角形状において異なる一辺の底辺を成した第4枠材2dとなる。
 さらに、異なる一辺である底辺を形成する第5枠材2eを1本と、等しい二辺を構成する第3枠材2cを2本と、から成る二等辺三角形状枠体がある。当該二等辺三角形によりを一部に含む多角形体が形成された場合に、多角形体の辺は、二等辺三角形状において異なる一辺の底辺を成した第5枠材2eとなる。
[0052]
 次に、三角パネル1により構成された多角形体を用いたドーム型建築物の構築方法について説明する。
 なお、上述した枠材2の長さの相違、傾斜させた角度の相違に基づく、複数種類の三角パネル1が形成されることの説明を参照して、多角形体の説明を行うものである。
[0053]
 まず、三角形パネル1の種類について説明する。
 第1の三角パネルは、二等辺三角形状であって、異なる一辺の底辺が第1枠材2aにより、等しい二辺が第2枠材2bにより構成されている。第2の三角パネルは、異なる一辺の底辺が第4枠材2dにより、等しい二辺が第3枠材2cにより構成されている。第3の三角パネルは、異なる一辺の底辺が第5枠材eにより、等しい二辺が第3枠材2cにより構成されている。
[0054]
 次に、数種類の三角パネル1により構成される多角形体について説明する。
 五角形体は、第1の三角パネルのみを使用して形成される。つまり、第1枠材2aを辺とする五角形が形成されることになる。
 ドーム型建築物の構築の際に、図7において後述するが、本発明に係るドーム構造において、当該五角形体は、必ず六角形体とのみ接する構造を有している。
[0055]
 六角形体では、第2の三角パネルと、第3の三角パネルとを交互に配置する構成から成る。つまり、六角形の辺は、第4枠材2dと第5枠材2eが交互に現れる形状を有している。
 また、図7に例示のように、当該六角形体は、上記五角形体と、六角形体同士の両多角形体と接する構造を有している。
[0056]
 次に、ドーム型建築物の構築方法について説明を行う。
 ドームを組み立てる手順としては、まず従来工法により、基礎工事及び腰壁の打設を行い、土台の設置及び固定を行い、建物の壁を作る。この段階で、ドーム構造に付加外力を及ばない構造にする。
 また、図7(a)に示すように、三角パネル1を締結手段であるボルトとジベル接合により連結された五角形を形成する五角形体により地組する。この五角形体を5組、組立て土台のうえに立て裏から支える。
 そして、図7(b)に示すように、六角形を形成する六角形体を、5組を上記五角形体に組み付ける。最後に、図7(c)に示すように、ドーム頂点の五角形体を、上記六角形体に組み付けていき、完成させる。
[0057]
 以上のように、本発明に係る構造の三角パネル1を有することで、ドーム型建築物の構築が容易になる。
[0058]
 また、三角パネル1の構成部材が金属製部材であり、耐火性部材を使用することで、従来の木造の三角パネルに比べて耐火性、耐蝕性に優れる構造となる。
 また、三角パネル1の枠体を構成する枠材2が、アルミニウムであってもよく、建材費が削減できる効果を奏する。

符号の説明

[0059]
1 三角パネル
2 枠材
3 ガセットプレート
4 孔
5 母屋
6 プレート
7 ボルトナット
8 野地板
9 ネジ
10 仕上げ材
11 シーリング材
16 五角形体
17 六角形体
18 ドーム型建築物

請求の範囲

[請求項1]
 側面を突き合わせていきドームを形成していく構成部材としての三角パネルにおいて、
 略U型に成形された金属製の枠材と、
 上記三角パネルの基体となる枠体であって、3つの上記枠材により構成され、当該枠体の側面が傾斜するように当該各枠材を傾斜させ、それぞれの端部を固着させ形成される三角形状の枠体と、
 上記枠体に固着された板部材であり、屈曲した板状に成形され、上記枠体の三角形内側方向に延びた羽部分を構成する板部材と、
 を有することを特徴とする三角パネル。
[請求項2]
 上記板部材に係る羽部分が同一平面に形成されている、
 ことを特徴とする上記請求項1に記載の三角パネル。
[請求項3]
 上記枠体を構成する枠材に対して固着されるガセットプレートであって、当該枠材の略U字型に囲まれる部分に一端周辺部が固着され、上記枠体の三角形状の内側方向に延びた羽部分に孔が形成されたガセットプレートと、
 上記ガセットプレートに係る羽部分に対して締結される母屋と、を更に有する、
 ことを特徴とする上記請求項1又は2に記載の三角パネル。
[請求項4]
 上記3つの枠材により構成される枠体は二等辺三角形状である、
 ことを特徴とする上記請求項1~3のいずれかの項に記載の三角パネル。
[請求項5]
 上記板部材は、上記二等辺三角形状の枠体に係る二等辺を構成する二つの上記枠材に複数固着され、当該枠体の二等辺とは異なる一辺を構成する上記枠材に一又は複数固着されている、
 ことを特徴とする上記請求項1~4のいずれかの項に記載の三角パネル。
[請求項6]
 上記ガセットプレートは、上記枠体の二等辺を構成する各枠材に対して、一対に固着され、
 上記母屋は、上記一対のガセットプレートに対して締結されている、
 ことを特徴とする上記請求項1~5のいずれかの項に記載の三角パネル。
[請求項7]
 上記板部材に係る羽部分と上記母屋により支持される屋根部材、を更に有する、
 ことを特徴とする上記請求項1~6のいずれかの項に記載の三角パネル。
[請求項8]
 上記請求項1~7のいずれかの項に記載の三角パネルを用いて、
 上記三角パネルの頂点が同一球面上に位置し、各隣接する三角パネルの枠体の側面同士を締結手段で連結して形成されている、
 ことを特徴とするドーム型建築物。
[請求項9]
 上記請求項1~7のいずれかの項に記載のある三角パネルを用いて、基礎上にドーム型建築物を構築する方法であって、
 当該三角パネルの側面同士を接合して連結させ、切頭20面体を構成する五角形体または六角形体を形成する多面体を地組しておき、
 上記五角形体の5つを基礎上に連結し、当該五角形体に接する位置に上記六角形体を連結していき、頂点に五角形体を連結させる、
 ことを特徴とするドーム型建築物を構築する方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]