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1. WO2011071065 - 光拡散フィルム及びそれを組み込んだバックライト装置

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明 細 書

発明の名称 光拡散フィルム及びそれを組み込んだバックライト装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008  

先行技術文献

特許文献

0009  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0010  

課題を解決するための手段

0011  

発明の効果

0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054  

実施例

0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079  

産業上の利用可能性

0080  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2  

明 細 書

発明の名称 : 光拡散フィルム及びそれを組み込んだバックライト装置

技術分野

[0001]
 本発明は、光の拡散性と接着性に優れた光拡散フィルム、及びそれを組み込んだバックライト装置に関するものである。

背景技術

[0002]
 光拡散フィルムは、各種照明器具、表示装置あるいはスクリーン等の部材として広く使用されている。この場合、光拡散フィルムは、他部材と単に重ね合わせて使用されること以外に、作業性や形状安定性のために、接着剤や粘着剤で貼着して使用されることがある。例えば、光拡散フィルムは、面状光源装置やバックライト装置に組み込む場合に、接着剤や粘着剤で導光板表面に貼着して使用される(例えば、特許文献1~3参照)。しかし、この方法では、接着剤などを積層する工程が必要であり、経済的に不利であるという課題を有している。
[0003]
 特許文献1では、ビーズコート法の表面光拡散タイプの光拡散フィルムをUV硬化性の接着剤によって導光板表面に貼り合せているが、貼り合せによる輝度向上効果については言及されていない。
[0004]
 特許文献2では、指向性の光拡散フィルムを導光板の出射面に微粒子を含有する光拡散性の粘着剤によって貼り合せているが、特許文献1と同様に、貼り合せによる輝度向上効果については言及されていない。
[0005]
 特許文献3では、アクリル樹脂からなる導光板表面にアクリル酸プレポリマーからなる液状樹脂を塗布し、その塗布面上にポリカーボネート樹脂からなる光拡散フィルムを積層した後に、前記液状樹脂を硬化させて一体化している。特許文献3では、導光板と拡散フィルムとの界面における空気や異物の混入が抑制され、これによる光の放出や拡散の低下が抑制されることが記載されている。この方法は、両面粘着テープで貼着した場合よりも輝度が高くなることが記載されており、導光板と光拡散フィルムの間の界面の屈折率差が輝度に影響を与えることを示唆しているが、その効果が明確には示されてはいない。また、ポリカーボネート樹脂よりなる光拡散フィルムについては、記載された図より表面突起による光の拡散や散乱を利用した表面拡散タイプの光拡散フィルムであることが示されているが、その具体的な内容や光学特性が開示されていない。
[0006]
 また、特許文献4では、表面積が増加するように凹凸加工処理をした光学フィルムをバックライト装置の基本ユニット表面に粘着剤層によって貼り合せている。特許文献4の発明が解決しようとする課題において、「光学用粘着剤層を設けた粘着剤付き光学シートを、光を出射する被着体に貼り付けて光を効率よく出射させることが可能である」と記載されているが、実施例において示されているのは、輝度評価に用いられるバッククライト上に設置してあった拡散板、BEF、拡散板の3枚をそのまま載せた場合との比較がなされているのみで、同一光学フィルムにおいての貼り合わせの効果は開示されていない。
[0007]
 また、特許文献5では、互いに屈折率が異なる連続相と粒子状分散相からなる光散乱層の少なくとも一方の面に透明樹脂層が積層された光散乱性の積層フィルムが開示されているが、透明樹脂層には未変性のポリプロピレン樹脂が使用されており、接着性が不足する。
[0008]
 特許文献6では、接着性層を設けた光反射フィルムが開示されているが、光拡散フィルムに接着性層を設けたものではない。

先行技術文献

特許文献

[0009]
特許文献1 : 特開平09-159837号公報
特許文献2 : 特開2005-50654号公報
特許文献3 : 特開平06-324216号公報
特許文献4 : 特開2009-75595号公報
特許文献5 : 特開2002-1858号公報
特許文献6 : 特開2007-178998号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0010]
 本発明の目的は、上記の従来技術の問題点を解消するためのものであり、光拡散性や耐光性が良好で、経済性に優れ、かつ他部材との接着性に優れた光拡散フィルム、及びそれを組み込んだバックライト装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0011]
 本発明は、以下の(1)~(9)の構成からなるものである。
(1)二種の互いに非相溶性のポリオレフィン系樹脂を主成分として含有する光拡散層の少なくとも片面に、極性基を含有するポリオレフィン樹脂を主成分として含有する接着層が最表面になるように積層された光拡散フィルムであって、前記フィルムの全光線透過率が66~100%であり、かつ前記フィルムのヘーズが20~100%であることを特徴とする光拡散フィルム。
(2)入射角0度で測定した透過光の主拡散方向の拡散度が140~180度であることを特徴とする(1)に記載の光拡散フィルム。
(3)主拡散方向の光の変曲度が1~100%であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の光拡散フィルム。
(4)二種の互いに非相溶性のポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレン系樹脂とエチレン及び/又はブテンを含有するポリオレフィン樹脂とからなることを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の光拡散フィルム。
(5)二種の互いに非相溶性のポリオレフィン系樹脂が、環状ポリオレフィン系樹脂とポリエチレン系樹脂とからなることを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の光拡散フィルム。
(6)極性基を含有するポリオレフィン樹脂がカルボキシル基を含有することを特徴とする(1)~(5)のいずれかに記載の光拡散フィルム。
(7)バックライトの基本ユニットの出光面の基材表面に、(1)~(6)のいずれかに記載の光拡散フィルムの接着層面を貼り合せてなることを特徴とするバックライト装置。
(8)基材と接着層の屈折率差が-0.2~+0.5であることを特徴とする(7)に記載のバックライト装置。

発明の効果

[0012]
 本発明の光拡散フィルムは、光の透過性と拡散性の両方の特性が優れ、かつ耐光性が良好であり、他部材との接着性に優れ、例えば、熱圧着することで、他の部材と容易に接着させることができ、さらに経済性にも優れている。従って、各種の照明器具、表示機器及びスクリーン等の光学用の機器や装置に好適に用いることができる。また、本発明の光拡散フィルムをバックライト装置に用いることによって、バックライト装置の出光効率を高められ、バックライト装置の高輝度化を達成できる。さらに、バックライト装置の光源の出力低減や、各種光学フィルムの使用枚数を低減することによりバックライト装置の経済性を高めることができる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 自動変角光度計の入射角0度で測定した受光角度に対する透過光度曲線。
[図2] 変曲度算出方法の補助図。

発明を実施するための形態

[0014]
(光拡散フィルム)
 本発明の光拡散フィルムは、二種の互いに非相溶性のポリオレフィン系樹脂を主成分として含有する光拡散層の少なくとも片面に、極性基を含有するポリオレフィン樹脂を主成分として含有する接着層が積層されてなり、フィルムの全光線透過率が66~100%であり、かつフィルムのヘーズが20~100%であることを特徴とする。
[0015]
 本発明の光拡散層は、二種の互いに非相溶性のポリオレフィン系樹脂を主成分として含有する。ここで、主成分とは、含有割合が50質量%以上、好ましくは70質量%以上であることを言う。通常、ポリオレフィン系樹脂は、芳香環を有していないので、紫外線照射による劣化を受けにくい。そのため、紫外線照射による黄化が抑制されるので、光拡散フィルムの構成材料としては好適である。
[0016]
 二種の互いに非相溶性のポリオレフィン系樹脂は、互いに相溶しない樹脂の組み合わせであれば限定されないが、ポリプロピレン系樹脂とエチレン及び/又はブテンを含有するポリオレフィン樹脂とからなることが好ましい。
[0017]
 また、二種の互いに非相溶性のポリオレフィン系樹脂は、環状ポリオレフィン系樹脂とポリエチレン系樹脂とからなることが好ましい。
[0018]
 上記の二種の組み合わせにより、光拡散層による光学特性の制御を広い範囲で安定して行うことができる。また、上記の二種の組み合わせは、耐光性や経済性の点からも好ましい。上記の二種の組み合わせに、さらにナノ結晶構造制御型ポリオレフィン系エラストマー樹脂を組み合わせても良い。
[0019]
 ポリオレフィン系樹脂は、その70モル%以上がオレフィン系モノマーからなれば限定されない。オレフィン系モノマーの割合は90モル%以上が好ましく、95%以上がより好ましく、98%以上がさらに好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂及びポリメチルペンテン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂あるいはこれらの共重合体等が挙げられる。また、これらの樹脂にカルボキシル基、エステル基及びヒドロキシル基等の官能基が導入された変性ポリオレフィン系樹脂も好適に使用される。また、アクリル酸やメタクリル酸及びこれらのエステル誘導体等の芳香環を有しないモノマーの共重合体であっても構わない。
[0020]
 ポリエチレン系樹脂は、単一重合体であっても、共重合体であってもよい。共重合体の場合は、50モル%以上がエチレン成分であるのが好ましい。該樹脂の密度や重合方法等は限定されないが、密度が0.909以下の共重合体の使用が好ましい。例えば、オクテンとの共重合体が挙げられる。重合方法はメタロセン触媒法及び非メタロセン触媒法のいずれでも構わない。
[0021]
 ポリプロピレン系樹脂は、単一重合体であっても共重合体であってもよい。共重合体の場合は、50モル%以上がプロピレン成分であるのが好ましい。該樹脂の製造方法、分子量等は限定されないが、耐熱性等の点から結晶性の高いものが好ましい。具体的には、結晶性は、示差走査熱量計(DSC)による融解熱で判断され、融解熱が65J/g以上のものが好ましい。
[0022]
 エチレン及び/又はブテンを含有するポリオレフィン系樹脂としては、ホモポリエチレン樹脂、ホモポリブテン樹脂、及びこれらの樹脂の他のオレフィン系モノマーとの共重合体、アクリル酸やメタクリル酸及びこれらのエステル誘導体との共重合体等が挙げられる。他のオレフィン系モノマーとの共重合体の場合は、ランダム、ブロック及びグラフト共重合体のいずれでもよい。また、EPラバー等の分散体でも構わない。該樹脂の製造方法や分子量等も特に限定されない。例えば、上記のポリエチレン系樹脂やエチレンとブテンの共重合体の使用が好ましい。
[0023]
 環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ノルボルネンやテトラシクロドデセン等の環状のポリオレフィン構造を有するものが挙げられる。具体的には、(1)ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体を、必要に応じてマレイン酸付加、シクロペンタジエン付加のごときポリマー変性を行なった後に水素添加した樹脂、(2)ノルボルネン系モノマーを付加型重合させた樹脂、(3)ノルボルネン系モノマーとエチレンやα-オレフィンなどのオレフィン系モノマーと付加型共重合させた樹脂などを挙げることができる。重合方法及び水素添加方法は、常法により行なうことができる。
[0024]
 ナノ結晶構造制御型ポリオレフィン系エラストマー樹脂は、ポリマーの結晶/非晶構造がナノオーダーで制御され、該結晶がナノオーダーで網目構造を有する熱可塑性のポリオレフィン系エラストマーであり、例えば、三井化学社製のノティオ(商標登録)が挙げられる。従来のポリオレフィン系エラストマー樹脂は結晶サイズがミクロンオーダーであるのに対して、ナノ結晶構造制御型ポリオレフィン系エラストマー樹脂は、結晶サイズがナノオーダーで制御されているという特徴を有する。このため、従来のポリオレフィン系エラストマー樹脂に比べて、透明性、耐熱性、柔軟性、ゴム弾性などに優れている場合が多い。従って、該ナノ結晶構造制御型ポリオレフィン系エラストマー樹脂を配合することによって、得られるフィルムの外観を向上できる場合がある。
[0025]
 二種の互いに非相溶性のポリオレフィン系樹脂の配合割合は、それぞれ質量比で10/90~90/10であることが好ましく、20/80~80/20がより好ましく、30/70~70/30が更に好ましい。少なくとも二種の非相溶性のポリオレフィン系樹脂は、それぞれの樹脂を製膜工程で配合してもよいし、予め混練法等で事前に配合してもよい。
[0026]
 本発明においては、二種の互いに非相溶性のポリオレフィン系樹脂以外の樹脂を配合してもよいし、それぞれの樹脂の馴染み性向上のための相溶化剤や分散径調整剤等の添加剤を併用しても構わない。また、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤や帯電防止剤等の添加剤を配合してもよい。また、上記の光学特性を阻害しない範囲であれば、無機粒子やポリマービーズ等の微粒子を添加してもよい。
[0027]
 二種の互いに非相溶性のポリオレフィン系樹脂のメルトフローレートは、上記の光学特性を満たせば特に限定されない。それぞれの樹脂は、230℃で測定したメルトフローレートが0.1~100、好ましくは0.2~50の範囲で適宜選択される。
[0028]
 本発明の接着層は、極性基を含有するポリオレフィン樹脂を主成分として含有する。ここで、主成分とは、含有割合が10質量%以上、好ましくは30質量%以上であることを言う。極性基を含有するポリオレフィン樹脂は、その骨格としてエチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン、メチルペンテンおよび環状オレフィンのうち少なくとも1種のモノマーを含むことが好ましい。上記モノマーを一種類用いたホモポリマーであっても二種以上を用いた共重合体であっても構わない。
[0029]
 ポリオレフィン樹脂に含有される極性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、水酸基、グリシジル基、イソシアネート基、アミノ基、イミド基、オキサゾリン基、エステル基、エーテル基、カルボン酸金属塩基、スルホン酸金属塩基、ホスホン酸金属塩基、3級アミン塩基または4級アミン塩基等が挙げられる。極性基は一種であってもよいし、二種以上を含んでもよい。極性基は、少なくともカルボキシル基を含むことが好ましい。
[0030]
 極性基は、ポリオレフィン樹脂の高分子鎖中に直接導入されていても、また、他の樹脂に導入し、それをポリオレフィン樹脂に添加、混合したものであっても構わない。また、ポリオレフィン樹脂は、分子鎖の末端や内部に導入された、例えば、カルボキシル基や水酸基にこれらと反応しうる化合物を反応させて変性して使用することもできる。
[0031]
 極性基を含有するポリオレフィン樹脂は、一種の単独使用であってもよいし、二種以上の配合物を使用してもよい。また、極性基を含有しないポリオレフィン樹脂や他の種類の樹脂の配合物であってもよい。極性基を含有するポリオレフィン樹脂を使用することにより、本発明の接着層は熱による接着も可能である。
[0032]
 本発明の光拡散フィルムは、光拡散層の少なくとも片面に接着層が最表面になるように積層されていれば、その構成や製造方法は限定されない。
[0033]
 接着層は、光拡散層の片面または両面のいずれに積層されていてもよい。フィルムの総厚みは限定されないが、10~500μmが好ましい。接着層の厚みは片面の厚みで2~100μmであることが好ましい。
[0034]
 また、光拡散フィルム中の光拡散層/接着層の厚みの割合は10/1~3/1であることが好ましく、6/1~4/1がより好ましい。このような厚みの割合にすることによって、接着層の平滑性を十分に得ることができる。
[0035]
 本発明の光拡散フィルムの全光線透過率は66~100%であり、68%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、100%が最も好ましい。なお、全光線透過率は原理上、100%が上限である。全光線透過率が66%未満では、光源より発せられる光量の利用効率が低下するので好ましくない。
[0036]
 本発明の光拡散フィルムのヘーズは20~100%であり、25%以上が好ましく、30%以上がより好ましい。なお、ヘーズは原理上、100%が上限である。バックライト装置用の光拡散フィルムとして用いる場合は、フィルムのヘーズは72%以上が好ましく、75%以上がより好ましい。ヘーズが20%未満では、光拡散性が低すぎ、拡散性制御効果が不足するので好ましくない。
[0037]
 本発明の光拡散フィルムは、実施例に記載の方法で測定される変角光度計にて入射角0度で測定した透過光の主拡散方向の拡散度が140~180度であることが好ましい。拡散度は、145~180度がより好ましく、150~180度がさらに好ましい。拡散度をこの範囲にすることにより、例えば、バックライト装置用の光拡散フィルムとして使用した場合に顕著な輝度向上効果が発現される。拡散度が、140度未満では、光拡散性が低すぎ、拡散性制御効果が不足する可能性がある。一方、拡散度は理論上、上限が180度である。
[0038]
 本発明の光拡散フィルムは、実施例に記載の方法で測定される主拡散方向の光の変曲度が1~100%であることが好ましい。光の変曲度は、2~100%がより好ましく、5~100%が更に好ましい。光の変曲度をこの範囲にすることにより、例えば、バックライト装置用の光拡散フィルムとして使用した場合に顕著な輝度向上効果が発現される。
[0039]
 光拡散フィルムの製造方法は、上記の光学特性を満たせば特に限定されないが、経済性の点で溶融押し出し法により製膜する方法が好ましい。本発明においては、非溶融性微粒子を含有させずに、フィルムのポリオレフィン系樹脂を配合することにより、光拡散性を付与するので、溶融押し出し成型で実施しても、製膜工程における溶融樹脂の濾過フィルタの目詰まりが低減でき、生産性が優れるとともに、得られるフィルムの清澄度も高い。
[0040]
 光拡散層と接着層の積層方法としては、例えば、複数のそれぞれ別個の押し出し機で各層を押し出し、ダイス内で合流させて製膜する、いわゆる多層押し出し法、光拡散層フィルムと接着層フィルムを別個に製膜して、それらを接着剤や粘着剤で貼着する方法、光拡散層フィルムまたは接着層フィルムにそれぞれ接着層または光拡散層を溶融押し出して両者を積層する、いわゆる押し出しラミネート法等が挙げられる。光拡散層と接着層の間の接着力の点で、多層押し出し法が好ましい。
[0041]
 溶融押し出し法は、特に制限されず、例えば、Tダイ法及びインフレーション法のいずれでもよい。また、未延伸のままのフィルムでもよく、延伸処理を行ってもよい。
[0042]
 (バックライト装置)
 本発明のバックライト装置は、バックライト装置の基本ユニットの出光面の基材表面に、上述の光拡散フィルムの接着層面を貼り合わせてなるものである。
[0043]
 本発明のバックライト装置の基本ユニットは、少なくとも片面に出光面を有する構成であれば特に限定されない。例えば、エッジライト方式及び直下型のいずれであっても構わない。また、両面出光タイプであっても良い。バックライト装置の基本ユニットの出光面の基材表面とは、例えば、エッジライト方式の場合は、導光板の出光面表面である。また、直下型の場合は、上面の基板表面を指す。また、両面出光タイプの場合は、エッジライト方式の導光板の両面の表面を指す。
[0044]
 一般に、バックライト装置には、出光面の輝度を上げる目的で、出光面の反対面に反射フィルムや反射体が使用されている。反射フィルムや反射体としては、例えば、白色体よりなる拡散タイプのもの、金属光沢による反射を利用した指向性の強いもの、及び両特性を兼備したもの等を挙げることができる。
[0045]
 また、エッジライト方式のバックライト装置には、光源からの距離による輝度の減衰を抑制するために、印刷、刻印及び彫刻等により出光パターンを付ける方法が採用されているが、出光パターンの有無は問わない。本発明の方法は、従来実施されている各種光学用部材を単に重ね合わせて設置する方法とは、出光のプロファイルが大きく異なるので、出光パターンを本発明の方法に適合するように設計するのが好ましい。本発明の方法は、光源から近距離の出光量が増加するので、出光パターンの傾斜をより強くするのが好ましい。
[0046]
 バックライト装置の基本ユニットは、エッジライト方式の導光板であることが好ましい。これにより、導光板内を伝播して行く入射光の臨界角度の変化によるバックライト装置表面への出光量が増大し、輝度向上効果がより大きくなる。また、直下型方式に比べてバックライト装置の厚さを薄くできるので、表示装置や照明装置の薄型化に対する市場要求に対応し易い。
[0047]
 本発明のバックライト装置の輝度向上効果の理由は、以下のごとく推察している。すなわち、例えば、導光板内を伝播して行く時に、臨界角度を超えた角度の光は、導光板と光拡散フィルムとの界面で反射されてしまい、導光板の表面には出光しない。従来から広く使用されている光拡散フィルムを導光板の表面に単に重ね合わせた場合は、光拡散フィルムと基材との間に空気層が存在する。空気の屈折率は、基材の屈折率に比べて屈折率が著しく低いために、臨界角度が小さくなるので、基材の表面に出光される光量が低くなり、結果として輝度が低くなる。一般に、光拡散フィルムに用いられる樹脂の屈折率は、空気よりも大きい。従って、光拡散フィルムを貼り合わせることにより、導光板内を伝播して行く光の臨界角度が大きくなるので、導光板の表面に出光する光量が増加し、結果として輝度向上に繋がる。
[0048]
 上記の輝度向上効果は、本発明の光拡散フィルムを使用して初めて発現されるが、従来から広く使用されている賦型法や透明フィルムの表面に、例えば、ビーズ等の光拡散成分を塗工することにより得られる、いわゆる表面凹凸の光の散乱効果を利用した表面拡散タイプの光拡散フィルムでは、該効果が小さい。本発明の光拡散フィルムは、フィルム内部に存在する互いに非相溶性の樹脂からなる光散乱体による光散乱により光拡散性を付与している、いわゆる内部拡散フィルムであり、表面拡散タイプの光拡散フィルムとは、その光拡散効果が大きく異なる。表面光拡散フィルムの場合は、光拡散性は、表面凹凸の散乱効果を利用して光拡散性が付与されており、光散乱は、ほぼ表面の一面のみの光散乱層で制御されるのに対して、本発明の光拡散フィルムは、光散乱がフィルム内部全体で起こる多層散乱タイプになっており、この光散乱が、多層的に作用するために、臨界角度が広がることにより導光板の表面に出光された光が輝度向上に効率的に作用する。さらに、本発明においては、光拡散フィルムの光学特性を上記のような範囲に限定することにより効率的に輝度が向上する。
[0049]
 本発明においては、光拡散フィルムの接着層面と基材表面とを貼り合せる方法は、光拡散フィルムと基材の間に存在する空気層が排除されれば特に限定されない。例えば、粘着剤や接着剤で貼り合せてもよいし、液体で密着させて貼り合せても良い。光拡散フィルムは熱接着性を有するので、両者を熱接着法で貼り合せる方法が好ましい。
[0050]
 本発明においては、光拡散フィルムと基材とを貼り合せることにより、例えば、光拡散フィルムの温度等の環境変化による寸法変化を抑制できる等の副次的効果も持つ。
[0051]
 本発明においては、光拡散フィルムの接着層と基材の屈折率差が-0.2~+0.5であることが好ましい。屈折率差は、-0.1~+0.2がより好ましく、0が最も好ましい。一般に屈折率は、少数点以下3桁まで表示されているが、本発明においては、少数点以下1桁(少数点以下2桁で四捨五入)での差で評価すれば良い。本発明においては、屈折率の測定は、屈折率計により定法により測定した。文献値のある樹脂は、文献値を用いれば良い。樹脂の混合物の場合は、単独樹脂の値を用いて、組成比により加重平均して求めた値を用いた。
[0052]
 本発明のバックライト装置では、光拡散フィルムの1枚のみの使用が好ましい。多層拡散フィルムは、高い輝度や、輝度の均一性及び出光パターンの消失性を有するので、レンズフィルムや輝度向上フィルム等の光学用フィルムを使用しなくても良いからである。しかし、レンズフィルムと組み合わせて、さらに大きな輝度向上や、バックライト装置に用いられるランプのより大きな出力低減等を図っても良い。
[0053]
 本発明のバックライト装置は、表示装置用の光源として用いることができる。本発明のバックライト装置は、高い輝度を有するので、表示装置用の光源として用いた場合に、表示装置の明るさが向上し、表示画面の視認性を向上させることができる。高い輝度が必要でない場合は、バックライトのランプの光量を低減できるので、表示装置の製造コストやエネルギー消費量を低減することができる。該表示装置としては、バックライト装置により発せられる光により、何らかの情報を伝達する機能を有する装置であれば限定されない。例えば、パソコン、TV及び車両等の輸送装置用のLCD表示装置が挙げられる。また、広告や案内板等の非動画の表示装置が挙げられる。
[0054]
 また、本発明のバックライト装置は、照明用の光源として用いることができる。本発明のバックライト装置は、高い輝度、すなわち高い照度を有するので、照明用の光源として照明装置の明るさを向上させることができる。高い照度が必要でない場合は、同様に、照明装置の製造コストやエネルギー消費量を低減することができる。照明用の光源は、上記バックライト装置そのものを用いても良い。
実施例
[0055]
 以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。なお、実施例で採用した測定・評価方法は次の通りである。また、実施例中で「部」とあるのは断りのない限り「質量部」を意味し、「%」とあるのは断りのない限り「質量%」を意味する。
[0056]
1.全光線透過率及びヘーズ
 日本電色工業株式会社製ヘーズ測定器「NDH-2000」を用いて、JIS-K-7136に準拠して測定した。
 フィルムの巻き方向を垂直方向及び水平方向にそれぞれ上記測定器の試料台に固定して測定し、それぞれ3回の測定で得られた測定値の平均値を用い、さらに両方向の測定値の平均値を求めて表示した。該対応をするのは、フィルムの巻き方向を垂直方向及び水平方向により平行光線透過率が大きく変わることがあるためである。
 なお、接着層が片面に積層されたサンプルについては、接着層側より入光して測定をした。接着層が両面に積層され、かつ両面の表面粗さに差がある場合は、表面粗さが小さい方の面より入光して測定した。
[0057]
2.透過光の主拡散方向の拡散度
 自動変角光度計(GP-200:株式会社村上色彩研究所製)を用いて測定を行った。
 透過測定モード、光線入射角:0°(試料面に対して上下、左右共に直角になる角度)、受光角度:-90°~90°(赤道線面上の角度)、フィルター:ND10使用、光束絞り:10.5mm(VS-1 3.0)、受光絞り:9.1mm(VS-3 4.0)、SENSITIVITY:950、HIGH VOLTON:600及び変角間隔0.1度の条件で、-90度から+90まで受光器を移動させて測定することにより得た、透過光の変角光度曲線のピーク立ち上がり角度とピークの終了の角度との間の角度の度数を求めた(図1参照)。ピークの立ち上がり及び終了の角度は、これらの部分を10倍のルーペで観察して、ピークの線が消えた最先端の角度をそれぞれの角度とした。
 なお、受光器を移動させる面を赤道面と定義した。
 上記角度をフィルムの巻き方向が試料固定台の上下方向と平行方向及び水平方向になるように固定して測定し、該角度の大きい方の値を拡散度とした。
 なお、接着層が片面に積層されたサンプルについては、接着層側より入光して測定した。接着層が両面に積層され、かつ両面の表面粗さに差がある場合は、表面粗さが小さい方の面より入光して測定した。
 拡散度の大きい方のフィルム方向を主拡散方向とした。
 測定に際しては、試料の測定の前に、きもと株式会社製の光拡散フィルムであるライトアップフィルム(商品登録)100DX2フィルムをフィルムの巻き方向が試料固定台の上下方向と平行方向になり、かつ拡散層側が出光側になるように試料固定台に固定して、上記と同じ条件で変角光度測定を実施した。この測定において、変角光度曲線のピークトップの高さがフルスケールに対して、80%を超えるか、あるいは70%未満であった場合は、この値がフルスケールに対して70~80%になるようにSENSITIVITYあるいはHIGH VOLTONダイヤルの数値の微調整を行った。
[0058]
3.光の変曲度
 自動変角光度計(GP-200:株式会社村上色彩研究所製)を用いて測定を行った。
 透過測定モード、光線入射角:0°(試料面に対して上下、左右共に直角の角度)、受光角度:-90°~90°(赤道線面上の角度)、フィルター:ND10使用、光束絞り:10.5mm(VS-1 3.0)、受光絞り:9.1mm(VS-3 4.0)及び変角間隔0.1度の条件で測定し、透過光のピークトップが、チャートの40~90%になるようにSENSITIVITYやHIGH VOLTONの設定を変更して測定することにより得た透過光のピークの高さ(H0)と、光線入射角を60°(赤道線面上の角度)に変更する以外は、上記条件と同じ条件で測定した時の透過光のピークの角度0度における高さ(H60)とを求めた。この方法で求めたH60とH0を用いて下記式で変曲度を求めた。図2参照。
   光の変曲度=H60/H0×100(%)
 なお、受光器を移動させる面を赤道面と定義した。
 光の変曲度は、主拡散方向において測定して求めた。
[0059]
4.光拡散フィルムと基材との接着力
 熱プレス機の固定台の上に、厚みが3mmの表面が平滑で透明なアクリル板(三菱レイヨン(株)製:アクリライト)をセットし、そのアクリル板上に試料を置き、さらに、その上に厚みが3mm(硬度HsA50°)のシリコーンゴムシートを敷き、表面温度が180℃に設定された加圧用の圧子により、上記のシリコーンゴムシートの上より押さえ付けて、49N/cm の圧力で30秒間押し圧をした。加熱圧着後、温度23℃、相対湿度65%の環境下で30分放置し、東洋精機社製「テンシロン」(UTM-IIIL)を用いて、300mm/分の速度で180度剥離した際の抵抗値を接着力とした。
 接着力の判定は、以下の基準で実施した。
 接着力が0.1N/15mm以上:良
 接着力が0.1N/15mm未満:不良
[0060]
5.熱可塑性樹脂のメルトフローレート
 JIS-K-7210 A法に準拠して、2.16kgfの条件で測定した。
[0061]
6.正面輝度
 実施例1~5及び比較例1~5、参考例1の光拡散フィルムをバックライトユニットに貼り合せたものをそれぞれ実施例6~10及び比較例6~10、参考例2とし、それらの正面輝度を測定した。測定方法は各実施例、比較例、参考例に記載したとおりである。
[0062]
7.出光パターンの消失性
 正面輝度測定における開口部をバックライトが点灯させた状態で肉眼観察し、以下の基準で判定した。
 導光板のメッシュが全く見えない:良
 導光板のメッシュがかすかに見える:やや不良
 導光板のメッシュがはっきり見える:不良
[0063]
(実施例1)
 2台の溶融押し出し機を用い、第1の押し出し機にて、環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(TM)6013S-04 Topas Advanced Polymers社製 メルトフローレート:2.0(230℃))35質量部とエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM) D9817.15 メルトフローレート:26(230℃))65質量部とからなる光拡散層を形成し、第2の押し出し機にて、接着性樹脂としてマレイン化ポリプロピレン系樹脂((アドマー(TM)QF551 三井化学社製 メルトフローレート:5.7(190℃))からなる接着層が光拡散層の両面を形成するように、Tダイ方式にて溶融共押出し後、鏡面の冷却ロールで冷却することにより、光拡散層の両面に接着層が積層された総厚み400μmの光拡散フィルムを得た。上記冷却時の冷却ロールへのフィルムの密着はバキュームチャンバーを用いて行った。層厚み構成(接着層/光拡散層/接着層)は40/320/40(μm)であった。
 得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。
 本実施例で得られた光拡散フィルムは、光拡散特性に優れ、かつ接着性にも優れていた。
[0064]
(比較例1)
 実施例1の方法において、第2の押し出し機にて形成する接着層の樹脂を、環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(TM)6013S-04 Topas Advanced Polymers社製 メルトフローレート:2.0(230℃))に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、光拡散フィルムを得た。
 得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。
 本比較例で得られた光拡散フィルムは、光拡散特性に優れているが、接着性に劣っていた。
[0065]
(実施例2)
 実施例1の方法において、光拡散フィルムの総厚みを175μmに変更し、層厚み構成を25/125/25(μm)に変更する以外は、実施例1と同様の方法で、光拡散フィルムを得た。
 得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。
 本実施例で得られた光拡散フィルムは、光拡散特性に優れ、かつ接着性にも優れていた。
[0066]
(比較例2)
 実施例2の方法において、第2の押し出し機にて形成する接着層の樹脂を、環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(TM)6013S-04 Topas Advanced Polymers社製 メルトフローレート:2.0(230℃))に変更した以外は、実施例2と同様の方法で、光拡散フィルムを得た。
 得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。
 本比較例で得られた光拡散フィルムは、光拡散特性に優れているが、接着性に劣っていた。
[0067]
(実施例3)
 実施例1の方法において、第1の押し出し機にて形成する光拡散層の樹脂を、環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(TM)6015 Topas Advanced Polymers社製 メルトフローレート:0.41(230℃))50質量部とエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM) D9817.15 メルトフローレート:26(230℃))50質量部に変更する以外は、実施例1と同様の方法で、光拡散フィルムを得た。
 得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。
 本実施例で得られた光拡散フィルムは、光拡散特性に優れ、かつ接着性にも優れていた。
[0068]
(比較例3)
 環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(TM)6015 Topas Advanced Polymers社製 メルトフローレート:0.41(230℃))50質量部とエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM) D9817.15 メルトフローレート:26(230℃))50質量部を池貝鉄工社製PCM45押出機を用いて樹脂温度250℃にて溶融混合してTダイで押出し、梨地加工した冷却ロール(Ra=0.55)で冷却することにより、厚み400μmの光拡散フィルムを得た。上記冷却ロールの反対面は表面に離型処理をした(Ra=1.0)押さえロールを用いた。
 得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。
 本比較例で得られた光拡散フィルムは、光拡散特性に優れているが、接着性に劣っていた。
[0069]
(実施例4)
 実施例3の方法において、光拡散フィルムの総厚みを200μmに変更し、層厚み構成を20/160/20(μm)に変更する以外は、実施例3と同様の方法で、光拡散フィルムを得た。
 得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。
 本実施例で得られた光拡散フィルムは、光拡散特性に優れ、かつ接着性にも優れていた。
[0070]
(比較例4)
 比較例3の方法において、光拡散フィルムの総厚みを200μmに変更し、層厚み構成を20/160/20(μm)に変更する以外は、比較例3と同様の方法で光拡散フィルムを得た。
 得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。
 本比較例で得られた光拡散フィルムは、光拡散特性に優れているが、接着性に劣っていた。
[0071]
(実施例5)
 実施例1の方法において、光拡散層の樹脂配合を、ポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)65質量部にエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM) D9817.15メルトフローレート:26(230℃))35質量部に変更する以外は、実施例1と同様の方法で、未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを縦延伸機のロール周速差を利用して延伸温度118℃で4.5倍に延伸し、引き続きその片面にコロナ処理をして厚み200μmの光拡散フィルムを得た。
 得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。
 本実施例で得られた光拡散フィルムは、光拡散特性に優れ、かつ接着性にも優れていた。
[0072]
(比較例5)
 実施例5の方法において、第2の押出し機にて形成する接着層の樹脂をポリプロピレン系の接着性樹脂(アドマー(TM)QF551 三井化学社製 メルトフローレート:5.7(190℃))から、ポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)に変更する以外は、実施例5と同様の方法で、光拡散フィルムを得た。
 得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。
 本比較例で得られた光拡散フィルムは、光拡散特性に優れているが、接着性に劣っていた。
[0073]
(実施例6~10及び比較例6~10)
 長径側(横方向)の両側に冷陰極管がそれぞれ3本ずつ設けられた19インチの導光板タイプ(白色反射フィルム使用でメッシュタイプ)のバックライトユニットの出射光側のアクリル板上のほぼ中央部に40mm×60mm角(60mm側が横方向)の評価サンプルを設置し、その表面にシリコーンゴムシートをおいて、そのシリコーンゴムシートの表面より、表面温度が約180℃の平板状の加熱治具で、約1分間押さえつけて貼着して、30mm×50mm角(50mm側が横方向)の切り抜き部分を設けた黒色の遮光紙を切り抜き部分の中心が評価サンプルの中心部になるように設置して、暗室で輝度を測定した。黒色の遮光紙はバックライトユニットの全体が覆われる大きさとして固定して光が漏れないようにして測定した。
 また、バックライトユニットは水平に設置して測定した。
 輝度は(株)トプコンテクノハウス社製のトプコン分光放射計SR-3Aを用いて、測定角度2度で、バックライトユニット表面との距離が40cmで評価用サンプルの中心が直下になる位置で測定した。
 測定は、評価用サンプルの主拡散方向が冷陰極管の長手方向と直交方向になるように設置して行った。
 実施例1~5及び比較例1~5の光拡散フィルムを評価サンプルとして使用して得られた結果をそれぞれ実施例6~10及び比較例6~10とし、表2に示す。
[0074]
 実施例1~5の光拡散フィルムは、アクリル板表面に接着層により接着され、アクリル板と光拡散フィルムの間の空気が排除され、該界面の屈折率差が僅かになるために、正面輝度が高かった。また、変曲度や拡散度の光学特性が好ましい範囲にあるので、出光パターンの消失性にも優れている。
 一方、比較例1~5の光拡散フィルムは、アクリル板と光拡散フィルムの接着力が弱く、両材料間の空気が排除されないために、両部材間の界面の屈折率に大きな差が生じ、実施例1~5の光拡散フィルムに比べて、正面輝度が著しく劣っていた。
[0075]
 また、導光板を80℃のオーブンに入れて240時間、加温静置した。
 寸法安定性の評価において、加温前と同じ寸法と形状を保っているものは優れており、良とした。また加温処理によりカールあるいは寸法の縮小がみられたものは劣るとし、不良とした。結果を表2に示す。
 実施例1~5で得られた光拡散フィルムは変形せずに、加温前と同じ寸法と形状を保っていたが、比較例1~5で得られた光拡散フィルムは、加温処理により、光拡散フィルムがカールし、かつ寸法が縮小した。
[0076]
(参考例1)
 2台の溶融押し出し機を用い、第1の押し出し機にて、ポリプロピレン樹脂WF836DG3(住友化学社製、住友ノーブレン)100質量部を溶融して基層Aを形成し、第2の押し出し機にて、ポリプロピレン樹脂WF836DG3(住友化学社製、住友ノーブレン)17質量部とプロピレン・エチレン共重合体 HF3101C(日本ポリプロ社製)83質量部を溶融混合して光拡散層Bを形成し、ダイス内にて基層Aと光拡散層Bが積層されるように、Tダイ方式にて溶融共押出し後、20℃のキャスティングロールで冷却することにより未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを縦延伸機のロール周速差を利用して延伸温度120℃で4.8倍に延伸し、引き続いてテンタ―式延伸機により、165℃で加熱後、155℃の延伸温度で横方向に9倍延伸した。次いで166℃で熱固定を行って、基層A/光拡散層Bの厚み構成がそれぞれ22.2/2.8(μm)の光拡散フィルムを得た。巻き取り直前において基層A表面にコロナ処理を行った。
 得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。また、得られた光拡散フィルムを使用して実施例6~10及び比較例6~10と同様にして正面輝度、寸法安定性、及び出光パターン消失性を測定した。その結果を表2に示す。
 本参考例の光拡散フィルムは、接着層がないので寸法安定性に劣っていた。また、変曲度や拡散度が低いので、高輝度が得られないことが示される。また、出光パターンの消失性も劣っていた。
[0077]
(参考例2)
 長径側(横方向)の両側に冷陰極管がそれぞれ3本ずつ設けられた19インチの導光板タイプ(白色反射フィルム使用でメッシュタイプ)のバックライトユニットの出射光側のアクリル板上のほぼ中央部に40mm×60mm角(60mm側が横方向)の参考例1で得られた光拡散フィルムをアクリル系の光学用粘着テープ(両面セパレートフィルムタイプ)で貼り付けて、30mm×50mm角(50mm側が横方向)の切り抜き部分を設けた黒色の遮光紙を切り抜き部分の中心が評価サンプルの中心部になるように設置して、暗室で輝度を測定した。黒色の遮光紙はバックライトユニットの全体が覆われる大きさとして固定して光が漏れないようにして測定した。
 また、バックライトユニットは水平に設置して測定した。
 輝度は(株)トプコンテクノハウス社製のトプコン分光放射計SR-3Aを用いて、測定角度2度で、バックライトユニット表面との距離が40cmで評価用サンプルの中心が直下になる位置で測定した。
 測定は、評価用サンプルの主拡散方向が冷陰極管の長手方向と直交方向になるように設置して行った。
 なお、貼り合わせは、光拡散フィルムのA層側が粘着テープ側になるようにして行った。
 また、実施例6~10及び比較例6~10と同様にして寸法安定性及び出光パターン消失性を測定した。その結果を表2に示す。
 本参考例の光拡散フィルムは、実施例1~5で得られた光拡散フィルムに比べて変曲度や拡散度が低いので、実施例1~5で得られた光拡散フィルムとは異なり、貼り合わせによる輝度向上効果が小さいことが示された。また、出光パターンの消失性も劣っていた。
[0078]
[表1]


[0079]
[表2]


産業上の利用可能性

[0080]
 本発明の光拡散フィルムは、光の透過性と拡散性の両方の特性が優れ、かつ耐光性が良好であり、熱圧着することで、他の部材と容易に接着させることができ、さらに経済性にも優れているので、各種の照明器具、表示機器及びスクリーン等の光学用の機器や装置に好適に用いることができる。さらに、本発明の光拡散フィルムをバックライト装置に用いることで、バックライト装置の高輝度化を達成でき、バックライト装置の経済性を高めることができる。

請求の範囲

[請求項1]
 二種の互いに非相溶性のポリオレフィン系樹脂を主成分として含有する光拡散層の少なくとも片面に、極性基を含有するポリオレフィン樹脂を主成分として含有する接着層が最表面になるように積層された光拡散フィルムであって、前記フィルムの全光線透過率が66~100%であり、かつ前記フィルムのヘーズが20~100%であることを特徴とする光拡散フィルム。
[請求項2]
 入射角0度で測定した透過光の主拡散方向の拡散度が140~180度であることを特徴とする請求項1に記載の光拡散フィルム。
[請求項3]
 主拡散方向の光の変曲度が1~100%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光拡散フィルム。
[請求項4]
 二種の互いに非相溶性のポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレン系樹脂とエチレン及び/又はブテンを含有するポリオレフィン樹脂とからなることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の光拡散フィルム。
[請求項5]
 二種の互いに非相溶性のポリオレフィン系樹脂が、環状ポリオレフィン系樹脂とポリエチレン系樹脂とからなることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の光拡散フィルム。
[請求項6]
 極性基を含有するポリオレフィン樹脂がカルボキシル基を含有することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の光拡散フィルム。
[請求項7]
 バックライトの基本ユニットの出光面の基材表面に、請求項1~6のいずれかに記載の光拡散フィルムの接着層面を貼り合せてなることを特徴とするバックライト装置。
[請求項8]
 基材と接着層の屈折率差が-0.2~+0.5であることを特徴とする請求項7に記載のバックライト装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]