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1. WO2011070625 - 半導体基板の接合方法およびMEMSデバイス

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明 細 書

発明の名称 半導体基板の接合方法およびMEMSデバイス

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022  

図面の簡単な説明

0023  

発明を実施するための形態

0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044  

符号の説明

0045  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : 半導体基板の接合方法およびMEMSデバイス

技術分野

[0001]
 本発明は、2の半導体基板を、共晶接合する半導体基板の接合方法およびこれにより接合して成るMEMSデバイスに関する。

背景技術

[0002]
 従来、この種の半導体基板の接合方法として、MEMS構造体を形成したシリコンウェハは、ゲルマニウム層を有し、集積回路を形成したシリコンウェハは、含アルミニウム層を有し、これらのゲルマニウム層および含アルミニウム層を対面状態で、加圧・加熱して、ゲルマニウムとアルミニウムとから成る共晶合金を形成して固着させる方法が知られている(特許文献1参照)。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 米国特許第7442570号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 ところで、2の半導体基板の接合は、各半導体基板に形成された集積回路等のパッケージに有効であるが、このパッケージには、外部回路との電気的導通が必要であると共に、湿度や温度、チリ等の外部環境からの保護という目的がある。すなわち、半導体基板の接合は、これらの目的を果たすため、接合部分の高い封止率と接合強度が求められる。この点において、出願人は、ゲルマニウムおよびアルミニウムの共晶合金により共晶接合する場合、接合部分の高い封止率と接合強度は、共晶合金化する含アルミニウム層に対するゲルマニウム層の重量比が重要となることを見出した。
[0005]
 本発明は、上記知見に鑑みて為されたものであり、高い封止率と接合強度を備えた接合を実現する半導体基板の接合方法およびこれにより接合して成るMEMSデバイスを提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明の半導体基板の接合方法は、第1半導体基板の接合面と第2半導体基板の接合面との間に、アルミニウムを主成分とする含アルミニウム層とゲルマニウム層とを接触状態で介在させ、加圧・加熱して、第1半導体基板と第2半導体基板とを共晶接合する半導体基板の接合方法であって、共晶合金化する含アルミニウム層に対するゲルマニウム層の重量比を、27wt%から52wt%としたことを特徴とする。
[0007]
 さらにこの場合、重量比を、33wt%から42wt%とすることが好ましい。
[0008]
 上記の構成によれば、第1半導体基板と第2半導体基板とを、高い封止率と接合強度で接合することができる(後述する試験結果参照)。この場合、含アルミニウム層およびゲルマニウム層は、第1半導体基板および第2半導体基板のどちらの接合面に成膜されていてもよい。さらに、含アルミニウム層およびゲルマニウム層は、同じ半導体基板の接合面に成膜されていても、異なる半導体基板の接合面に成膜されていてもよい。
[0009]
 またこの場合、ゲルマニウム層の全てと、これに接触する含アルミニウム層の一部とが共晶合金化するように、ゲルマニウム層の膜厚を調節することが好ましい。
[0010]
 上記の構成によれば、上記の重量比を精度よく制御することができ、封止率および接合強度の高い接合を、効率よく行うことができる。
[0011]
 またこの場合、含アルミニウム層およびゲルマニウム層が、第1半導体基板および第2半導体基板のいずれか一方に成膜されていることが好ましい。
[0012]
 上記の構成によれば、他方の半導体基板に対し、金属膜を成膜する必要が無いため、当該半導体基板の接合前の成膜工程を減らすことができ、接合工程を簡略化することができる。
[0013]
 この場合、含アルミニウム層は、所定の幅を有して平面視環状に成膜され、ゲルマニウム層は、含アルミニウム層上に平面視環状に成膜された1以上の筋状層部を有していることが好ましい。
[0014]
 上記の構成によれば、共晶合金が、半導体基板における内外方向に対して直交する方向に、連続して形成されるため、高い封止性で半導体基板を接合することができる。
[0015]
 またこの場合、含アルミニウム層は、所定の幅を有して平面視環状に成膜され、ゲルマニウム層は、含アルミニウム層上に平面視環状に成膜された筋状層部と、筋状層部から分岐した複数の枝状層部と、を有していることが好ましい。
[0016]
 上記の構成によれば、含アルミニウム層に対するゲルマニウム層の接触端の総延長を長く設けることができるため、加熱・加圧により形成された共晶合金が第1半導体基板に固着しやすく、接合強度の高い接合を行うことができる。
[0017]
 これらの場合、含アルミニウム層およびゲルマニウム層が、第2半導体基板に成膜され、第1半導体基板の接合面には、加圧・加熱により生じた共晶合金が浸入するピットが形成されていることが好ましい。
[0018]
 上記の構成によれば、真空中において加熱・加圧により形成された溶融状態の共晶合金が、毛細管現象によりピットに浸入する。このため、共晶合金がピットに行き渡り、その結果、共晶合金層が第1半導体基板に食い込むように形成されるため、接合部の接合強度を増すことができる。なお、第1半導体基板に形成するピットは、断続して形成された複数の穴であっても、連続して形成されたスリット状の溝であってもよい。
[0019]
 本発明のMEMSデバイスは、上記の半導体基板の接合方法によって、接合して成るMEMSデバイスであって、第1半導体基板は、接合面側に掘り込むようにして作り込んだMEMS構造体を有し、第2半導体基板は、接合面側に形成したMEMS構造体を制御する集積回路を有していることを特徴とするMEMSデバイス。
[0020]
 上記の構成によれば、高い封止率と接合強度を備えた接合により、MEMS構造体、集積回路および外部回路の電気的導通を持つと共に、湿度や温度、チリ等の外部環境から保護して、MEMS構造体および集積回路を一体としてパッケージした精度の良いMEMSデバイスを提供することができる。
[0021]
 さらにこの場合、上記のMEMSデバイスは、加速度センサ、角速度センサ、赤外線センサ、圧力センサ、磁気センサおよび音響センサのいずれかであることが好ましい。
[0022]
 上記の構成によれば、有効なパッケージにより、精度の良い加速度センサ、角速度センサ、赤外線センサ、圧力センサ、磁気センサおよび音響センサを提供することができる。

図面の簡単な説明

[0023]
[図1] 一実施形態に係るMEMSチップおよびCMOSチップを模式的に表した外観斜視図である。
[図2] 一実施形態に係るMEMSデバイスを模式的に表した斜視図である。
[図3] 一実施形態に係る含アルミニウム層およびゲルマニウム層の成膜配置を表した断面図である。
[図4] 含アルミニウム層およびゲルマニウム層の膜厚、含アルミニウム層に対するゲルマニウム層の重量比、接合部の封止率およびシェア強度(接合強度)の数値を表した図である。
[図5] アルミニウム層に対するゲルマニウム層の重量比と、共晶接合後の接合部の封止率およびシェア強度との関係を表した図である。
[図6] 一実施形態の第1変形例に係る含アルミニウム層およびゲルマニウム層の成膜配置を表した正面図(a)およびその断面図(b)である。
[図7] 一実施形態の第2変形例に係る含アルミニウム層およびゲルマニウム層の成膜配置を表した正面図(a)およびその断面図(b)である。
[図8] 一実施形態の第3変形例に係る含アルミニウム層およびゲルマニウム層の成膜配置を表した正面図(a)およびその断面図(b)である。
[図9] 他の実施形態に係る含アルミニウム層およびゲルマニウム層の成膜配置を表した正面図およびその断面図である。

発明を実施するための形態

[0024]
 以下、添付の図面を参照し、本発明の一実施形態に係る半導体基板の接合方法およびMEMSデバイスについて説明する。本実施形態に係る半導体基板の接合方法は、多数のセンシング部を有したMEMSウェハと、各センシング部を制御する多数の集積回路を有したCMOSウェハと、を対向させて金属で共晶接合するものである。すなわち、本発明は、別々の工程で、形成したMEMSセンサと集積回路とを対向させ、共晶接合するようにしている。ちなみに、この共晶接合は、ウェハ状態のまま一括して封止した後、各チップに分離するウェハ・レベル・パッケージ技術(WLP技術)を用いている。
 本実施形態に係るMEMSデバイスは、このような共晶接合により製造されたものであり、例えば、加速度センサ、角速度センサ、赤外線センサ、圧力センサ、磁気センサおよび音響センサが考えられる。
[0025]
 図1(a)は、多数のセンシング部12がマトリクス状に形成されたMEMSウェハ(図示省略)の1個片を拡大したものである。以下、便宜上この1個片であるMEMSチップ10から説明を開始する。
 図示のように、MEMSチップ10は、シリコン(Si)から成る基板11と、基板11の中央に微細加工技術により形成されたセンシング部12と、を有している。センシング部12は、基板11の中央に掘り込むように形成され、上述のように加速度センサ、角速度センサ、赤外線センサ、圧力センサ、磁気センサおよび音響センサ等の素子で構成されている。また、基板11には、センシング部12を囲繞するように、平面視方形環状の接合部30aが配設されている。実施形態のMEMSチップ10では、センシング部12および接合部30aが後述するCMOSチップ20と対面するように表裏反転させて、CMOSチップ20と接合される。そして、MEMSチップ10の接合部30aが、CMOSチップ20に形成した接合部30bに突き合わされ、接合部30bに成膜された金属層により、両者が共晶接合される。なお、基板11は、請求項でいう第1半導体基板に相当し、センシング部12は、請求項でいうMEMS構造体に相当する。
[0026]
 図1(b)は、多数の集積回路22がマトリクス状に形成されたCMOSウェハ(図示省略)から1個片を拡大したものである。以下、MEMSチップ10同様、この1個片であるCMOSチップ20から説明する。CMOSチップ20は、シリコンから成る基板21と、基板21に微細加工技術(半導体製造技術)により形成された集積回路22と、を有している。また、共晶接合時にMEMSチップ10のセンシング部12と対面する集積回路22の回路中央部23を囲繞するように、平面視方形環状の接合部30bが配設されている。集積回路22は、MEMSチップ10のセンシング部12を制御するものであり、外部から入出力の信号線が接続されるようになっている。
[0027]
 また、集積回路22には、アルミニウム配線を有しており、詳細は後述するが、このアルミニウム配線の形成時に成膜された含アルミニウム層31が、接合時の共晶合金の一部となる。すなわち、CMOSチップ20の接合部30bは、MEMSチップ10の接合部30aと平面視略同形に形成されており、CMOSチップ20の接合部30bには、基板11上に共晶合金となる含アルミニウム層31が成膜されると共に、含アルミニウム層31上に共晶合金となるゲルマニウム層32が成膜されている(例えば、スパッタまたは蒸着技術による成膜)。なお、基板21は、請求項でいう第2半導体基板に相当し、接合部30bは、請求項でいう第2半導体基板の接合部に相当する。
[0028]
 図2は、接合(貼合せ接合)した後のMEMSウェハとCMOSウェハと、をダイシングあるいはブレイクして構成したMEMSデバイス1である。同図に示すように、MEMSデバイス1は、センシング部12と回路中央部23が対向するように、MEMSチップ10とCMOSチップ20とを接合して構成されている。
[0029]
 接合時においては、MEMSチップ10(MEMSウェハ)とCMOSチップ20(CMOSウェハ)とを突き合せ、真空環境下でMEMSチップ10側およびCMOSチップ20側の両側から加熱し、MEMSチップ10側から加圧を行う。これにより、CMOSチップ20の接合部30bに成膜されたゲルマニウム層32が含アルミニウム層31との境界面において共晶反応を起こし、アルミニウム-ゲルマニウム合金(以下、共晶合金という)が生成される。特に、MEMSチップ10側からの加圧によって、溶融状態の共晶合金が接合部30aのシリコン面に押し当てられて溶着した後に固着して、強固な接合が得られる。また、この共晶接合により、基板11,21同士の電気的導通および高い封止性が得られる。なお、接合時の加熱温度は、センシング部12および集積回路22への熱的ダメージを考慮し、450℃程度とすることが好ましい。また、接合時の加圧は、CMOSチップ20側のから行っても、MEMSチップ10側およびCMOSチップ20側の両側から行ってもよい。そして、接合後は、ウェハ状態から各チップへの分離工程を経て、個々のMEMSデバイス1が製造される。
[0030]
 続いて、図3を参照し、含アルミニウム層31およびゲルマニウム層32の成膜配置(成膜パターン)について説明する。図3は、図2におけるA-A線断面を拡大したものである。同図(a)に示すように、共晶接合前の状態では、CMOSチップ20の接合部30bに、含アルミニウム層31が一様に成膜されている。また、含アルミニウム層31上のゲルマニウム層32は、含アルミニウム層31の外端31aに対しゲルマニウム層32の外端32aが内側にセットバックするように成膜されている。一方、MEMSチップ10の接合部30aには、金属層は一切成膜されておらず、基板11のシリコン面がむき出しになっている。この状態から、上記した接合方法によって、同図(b)に示すように、基板11と基板21との間に共晶合金層33が形成され、MEMSチップ10とCMOSチップ20とが共晶接合される。そして、実施形態の共晶接合では、加圧および加熱が適宜制御され、ゲルマニウム層32が接触していない含アルミニウム層31の部分は、共晶反応せずに残留する(残留部34)。なおこの場合、効率よく共晶反応を起こすため、ゲルマニウム層32は、含アルミニウム層31よりも薄膜に成膜することが好ましい。
[0031]
 このように、接合の前にMEMSチップ10側に金属層を成膜しない場合、センシング部12の形成後の成膜工程を簡略化することができ、薄膜であるセンシング部12の可動構造に変形・付着・破損等の成膜による悪影響を回避することができる。また、含アルミニウム層31は、集積回路22のアルミニウム配線を利用しているため、実際の接合に要する金属成膜は、CMOSチップ20の接合部30bへのゲルマニウム成膜のみであり、接合工程を簡略化することができる。さらに、接合部30は、センシング部12および回路中央部23を囲繞するように配置されており、共晶合金層33は、対面したMEMSチップ10およびCMOSチップ20の内外方向に直交するように形成されるため、高い封止性と接合強度で、MEMSチップ10とCMOSチップ20とを接合することができる。なお、含アルミニウム層31およびゲルマニウム層32は、MEMSチップ10およびCMOSチップ20のどちらの接合部に成膜されていてもよく、同じ基板の接合部に成膜されていても、異なる基板の接合部に成膜されていてもよい。
[0032]
 さらに、ゲルマニウム層32は、含アルミニウム層31の外端31aに対しゲルマニウム層32の外端32aが内側にセットバックするように成膜されているので、接合時の加圧により溶融状態の共晶合金が外側に広がったとしても、形成された共晶合金が接合部30からはみ出る事無く形成され、望まない電極への導通を防止することができ、デバイスの生産性(歩留り)を向上させることができる。なお、高い精度で成膜が可能な場合には、含アルミニウム層31の外端とゲルマニウム層32の外端とを揃えるように成膜しても良い。
[0033]
 続いて、図4および図5を参照し、接合時の含アルミニウム層31に対するゲルマニウム層32の重量比について説明する。本実施形態の接合方法では、相互の接合面において、ゲルマニウム層32の全てと含アルミニウム層31の一部とが共晶反応するように、加圧圧力と共に加熱温度および加熱時間が制御されている(図3(b)参照)。実際には、含アルミニウム層31に対するゲルマニウム層32の重量比を、主として含アルミニウム層31に対するゲルマニウム層32の膜厚の比によって調節するようにしている。したがって、ゲルマニウム層32とこれに直接接触している含アルミニウム層31の部分とが共晶反応し、一部の含アルミニウム層31はそのまま残ることとなる(図3(b)参照)。
[0034]
 図4および図5は、含アルミニウム層31の膜厚を一定(800nm)とし、ゲルマニウム層32の膜厚を適宜変更して行った共晶接合の試験結果である。図4は、共晶接合前に成膜した含アルミニウム層31およびゲルマニウム層32の膜厚、含アルミニウム層31に対するゲルマニウム層32の重量比、共晶接合後の接合部の封止率およびシェア強度(接合強度)の関係を表したものである。また、図5は、含アルミニウム層31に対するゲルマニウム層32の重量比と、共晶接合後の接合部の封止率およびシェア強度(接合強度)との関係をグラフ化したものである。
[0035]
 図5(a)に示すように、含アルミニウム層31に対するゲルマニウム層32の重量比が、27wt%~52wt%の間において、共晶接合後の接合部の封止率が約50%以上となっている。また、同図(b)は、ゲルマニウム層32の重量比が、27wt%~52wt%の間において、共晶接合後の接合部の(シェア強度)接合強度が約30N以上であることを示している。さらに、ゲルマニウム層32の重量比が、33wt%~42wt%の間においては、封止率が100%を示し、シェア強度(接合強度)が41.6N~56.3Nを示している(図4参照)。すなわち、含アルミニウム層31に対するゲルマニウム層32の重量比を、33wt%~42wt%として上記の方法により共晶接合を行えば、最も封止率と接合強度の高い接合を得られることが試験結果により明らかとなった。このことはまた、本実施形態(含アルミニウム層31の膜厚=800nm)におけるゲルマニウム層32を、200nmから300nmの厚さに成膜すれば、良好な共晶接合が得られることを示している(図4参照)。
[0036]
 以下、図6ないし8を参照し、本実施形態に係る含アルミニウム層31およびゲルマニウム層32の成膜配置の変形例について説明する。図6(a)は、共晶接合前のCMOSチップ20の接合部30bの一部を表し、同図(b)は、共晶接合前の接合部30の断面を表している(第1変形例)。図示のように、CMOSチップ20の接合部30bに一様に含アルミニウム層31が成膜される一方、ゲルマニウム層32は、含アルミニウム層31上において複数の筋状に成膜されている。すなわち、ゲルマニウム層32は、相似形を為す同心の複数の筋状層部35で構成されている。
[0037]
 ところで、この種の共晶接合においては、ゲルマニウム層32の端部において大きな接合強度が得られることが、確認されている。したがって、上記変形例のように、ゲルマニウム層32を複数の筋状層部35として成膜することで、ゲルマニウム層32(筋状層部35)における端部の総面積を増やすことができ、接合部30の面積を増やすことなく、強固な共晶接合とすることができる。さらに、複数の筋状のゲルマニウム層32は、接合部30の内外方向に直交するように配置されているため、より高い封止性と接合強度で、MEMSチップ10とCMOSチップ20とを接合することができる。
[0038]
 図7は、本実施形態に係る含アルミニウム層31およびゲルマニウム層32の成膜配置の第2変形例を示したものである。同図に示すように、第2変形例の成膜配置では、第1変形例と同様、CMOSチップ20の接合部30bに一様に含アルミニウム層31が成膜され、含アルミニウム層31上に成膜されたゲルマニウム層32は、単一の筋状層部35と複数の枝状層部36とで一体に形成されている。筋状層部35は、含アルミニウム層31の幅方向の中央に、含アルミニウム層31に沿って方形環状に形成されている。一方、複数の枝状層部36は、筋状層部35の各部から両側に直角に分岐するように成膜されている。このように、枝状(魚の骨状)に複数の枝状層部36(ゲルマニウム層32)を形成することで、ゲルマニウム層32(筋状層部35および枝状層部36)における端部の総面積を増やすことができ、強固な共晶接合とすることができる。
[0039]
 図8は、本実施形態に係る含アルミニウム層31およびゲルマニウム層32の成膜配置の第3変形例を示したものである。同図に示すように、第3変形例の成膜配置は、第1変形例と第2変形例とを複合した形態を有している。すなわち、第3変形例では、CMOSチップ20の接合部30bに一様に含アルミニウム層31が成膜され、含アルミニウム層31の上に成膜されたゲルマニウム層32は、複数の筋状層部35と複数の枝状層部36とで構成されている。具体的には、ゲルマニウム層32は、相似形を為す同心の3本の筋状層部35と、中間に位置する筋状層部35の各部から両側に直角に分岐する複数の枝状層部36とで構成されている。これにより、より高い封止性と接合強度で、MEMSチップ10とCMOSチップ20とを接合することができる。
[0040]
 以下、図9を参照し、本発明の他の実施形態(第2実施形態)について説明する。なお、上記の実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様の構成については、同様の符号を使用する。同図(a)および(b)に示すように、CMOSチップ20の接合部30bに成膜された含アルミニウム層31は、複数のアルミニウム環状層部37で構成されている。複数のアルミニウム環状層部37は、接合部30bと同心の平面視環状に形成され、接合部30bの内外方向に直交するように配置されている。さらに、これら複数のアルミニウム環状層部37の隙間を埋めるように、複数の環状のゲルマニウム層32(ゲルマニウム環状層部38)が成膜されている。この場合、複数のゲルマニウム環状層部38が複数のアルミニウム環状層部37の接触端部39において垂直方向に接触し、且つ水平方向において僅かにオーバーラップ(重層部40)するように成膜されている。
[0041]
 一方、図9(b)に示すように、MEMSチップ10の接合部30aには、基板11を掘り込んだピット41が複数形成されている。この複数のピット41は、複数のゲルマニウム環状層部38が複数のアルミニウム環状層部38の上にオーバーラップする位置(重層部40)に対応するように配置され、加熱・加圧された溶融状態の合金が、複数のピット41に入り込むようになっている。複数のピット41は、センシング部12形成後に基板11に新たに形成しても良いし、センシング部12の形成過程において形成された掘り込みを利用しても良い。また、ピット41は、断続的な穴状のものでも、連続的な溝状のものでもよい。
[0042]
 図9(c)は、共晶接合後の接合部を表している。加熱によって形成された溶融状態の共晶合金が、加圧により真空中において毛細管現象により複数のピット41に浸入し、行き渡る。そして、固着した共晶合金層33は、MEMSチップ10の接合部30(基板11)に食い込むように形成される。すなわち、共晶合金層33が図示のように、接合部の面方向に対して垂直に形成されるため、より接合強度の高い接合が可能となる。
[0043]
 これらの構成によれば、センシング部12への悪影響を抑制しながら、適切な部分において、高い接合強度と封止性をもって半導体基板を接合することができる。また、このような有効な接合により、センシング部12、集積回路22および外部回路の電気的導通を持つと共に、湿度や温度、チリ等の外部環境から保護して、センシング部12および回路中央部23を一体としてパッケージした、精度の良いMEMSデバイスを提供することができる。
[0044]
 なお、本実施形態では、センシング部12およびこれを制御する集積回路22が形成されたシリコンウェハを用いたが、シリコンウェハに形成される構造体は、これに限らず、どのような回路であっても良い。さらには、シリコンを材料としたシリコンウェハでなく、その他の素材を母材とした半導体基板(化合物半導体)を用いてもよい。但し、接合する少なくともどちらか一方の半導体基板が、アルミニウム配線を有していることが好ましい。

符号の説明

[0045]
   1 MEMSデバイス          10 MEMSチップ
  12 センシング部         11,21 基板
  20 CMOSチップ           22 集積回路
  31 含アルミニウム層          32 ゲルマニウム層
  35 筋状層部              36 枝状層部
  41 ピット

請求の範囲

[請求項1]
 第1半導体基板の接合面と第2半導体基板の接合面との間に、アルミニウムを主成分とする含アルミニウム層とゲルマニウム層とを接触状態で介在させ、加圧・加熱して、前記第1半導体基板と前記第2半導体基板とを共晶接合する半導体基板の接合方法であって、
 共晶合金化する前記含アルミニウム層に対する前記ゲルマニウム層の重量比を、27wt%から52wt%としたことを特徴とする半導体基板の接合方法。
[請求項2]
 前記重量比を、33wt%から42wt%としたことを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の接合方法。
[請求項3]
 前記ゲルマニウム層の全てと、これに接触する前記含アルミニウム層の一部とが共晶合金化するように、前記ゲルマニウム層の膜厚を調節することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体基板の接合方法。
[請求項4]
 前記含アルミニウム層および前記ゲルマニウム層が、前記第1半導体基板および前記第2半導体基板のいずれか一方に成膜されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体基板の接合方法。
[請求項5]
 前記含アルミニウム層は、所定の幅を有して平面視環状に成膜され、
 前記ゲルマニウム層は、前記含アルミニウム層上に平面視環状に成膜された1以上の筋状層部を有していることを特徴とする請求項4に記載の半導体基板の接合方法。
[請求項6]
 前記含アルミニウム層は、所定の幅を有して平面視環状に成膜され、
 前記ゲルマニウム層は、前記含アルミニウム層上に平面視環状に成膜された筋状層部と、前記筋状層部から分岐した複数の枝状層部と、を有していることを特徴とする請求項4に記載の半導体基板の接合方法。
[請求項7]
 前記含アルミニウム層および前記ゲルマニウム層が、前記第2半導体基板に成膜され
 前記第1半導体基板の接合面には、前記加圧・加熱により生じた共晶合金が浸入するピットが形成されていることを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載の半導体基板の接合方法。
[請求項8]
 請求項1ないし7のいずれかに記載の半導体基板の接合方法によって、接合して成るMEMSデバイスであって、
 前記第1半導体基板は、前記接合面側に掘り込むようにして作りこんだMEMS構造体を有し、
 前記第2半導体基板は、前記接合面側に形成した前記MEMS構造体を制御する集積回路を有していることを特徴とするMEMSデバイス。
[請求項9]
 加速度センサ、角速度センサ、赤外線センサ、圧力センサ、磁気センサおよび音響センサのいずれかであることを特徴とする請求項8に記載のMEMSデバイス。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]