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1. WO2010134216 - 流量制御弁

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明 細 書

発明の名称 流量制御弁

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006  

発明の効果

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018  

図面の簡単な説明

0019  

発明を実施するための形態

0020  

実施例

0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058  

符号の説明

0059  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4   5  

明 細 書

発明の名称 : 流量制御弁

技術分野

[0001]
 本発明は、スプール弁子の移動位置に応じて作動流体の流量をを制御するリニア型の流量制御弁に関するものである。

背景技術

[0002]
 バルブハウジング内にて一軸に沿って往復移動可能(往復摺動可能)に嵌め入れられたスプール弁子の移動(摺動)に応じて作動流体を制御することで例えば作動流体の圧力、流量、流路などを変化させることができる流体制御弁が良く知られている。例えば、特許文献1に示された油圧制御弁や特許文献2~4に示された油圧制御用電磁弁がそれである。このような流体制御弁では、例えば入力ポートより流入する流体の流体力がスプール弁子の軸方向に加わり、釣り合いが不安定になってスプール弁子が振動する可能性がある。これに対して、例えば特許文献1には、油圧制御弁のスプール弁子の移動により作動油が流出入する位置に大気開放の油室を有し、その油室と作動油の導入部との間に絞り要素(オリフィス)を備えることで、スプール弁子の移動時の油流をダンピング(制動、減衰)することができ、調圧時のスプール弁子の振動を吸収(減衰、抑制)することが開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開平5-164223号公報
特許文献2 : 特開昭61-228176号公報
特許文献3 : 実開昭61-99771号公報
特許文献4 : 実開昭61-182474号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 ところで、スプール弁子の移動中の位置(以下、移動位置(摺動位置)という)によってスプール弁子が振動し易い場合と振動し難い場合とがあると考えられる。つまり、スプール弁子の振動の大きさは、スプール弁子の移動位置によって変化すると考えられる。その為、例えば振動吸収性を重視してスプール弁子の移動位置に拘わらず一律に流通抵抗(流量)が同じとなる絞り要素を備えると、振動し難い移動位置でもその絞り作用によって応答性が低下するという問題が生じる可能性がある。反対に、例えば応答性を重視してスプール弁子の移動位置に拘わらず一律に絞り要素を備えると、振動し易い移動位置で適切に振動を吸収(減衰)できないという問題が生じる可能性がある。特に、スプール弁子の移動位置に応じて出力ポートにおける流体の流れ方向が流入と流出とで正反対に変化するような例えば流量制御弁においては、振動の大きさがスプール弁子の移動位置(例えば移動位置によって逆転する流体の流れ方向)によって大きく変化する可能性があり、上記問題が顕著になる可能性がある。スプール弁子の移動時の応答性とスプール弁子の振動抑制とを両立させることについて未だ提案されていない。
[0005]
 本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、スプール弁子の移動時の応答性とスプール弁子の振動抑制とを両立させることができる流量制御弁を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0006]
 前記目的を達成するための本発明の要旨とするところは、(a) バルブハウジング内において一軸に沿って往復移動可能に嵌め入れられたスプール弁子を有し、そのスプール弁子の移動位置に応じて作動流体の流量を制御するリニア型の流量制御弁であって、(b) 前記スプール弁子の移動に応じて容積が変化させられるダンパ室と、そのダンパ室への前記作動流体の流出入を抑制する絞り部とを前記バルブハウジング内に備え、(c) 前記絞り部は、前記スプール弁子の移動位置の違いにより前記ダンパ室へ前記作動流体が流出入する流通断面積が異なる絞り流路を形成することにある。

発明の効果

[0007]
 このようにすれば、前記バルブハウジング内に前記ダンパ室及び前記絞り部が備えられ、前記絞り部では前記スプール弁子の移動位置の違いにより前記ダンパ室へ前記作動流体が流出入する流通断面積が異なる絞り流路が形成されるので、ダンパ室及び絞り部によりスプール弁子の振動が抑制される。加えて、スプール弁子の移動位置によってダンパ室への流入抵抗(流量)が変更させられる。つまり、スプール弁子の移動位置によってスプール弁子の移動時の応答性は低下させられるがスプール弁子の振動抑制効果を大きくさせたり、スプール弁子の振動抑制効果は小さくされるがスプール弁子の移動時の応答性低下を抑制することが可能になる。よって、例えばスプール弁子の移動位置によりスプール弁子が振動し易い場合と振動し難い場合とがあるときに、スプール弁子の移動時の応答性とスプール弁子の振動抑制(耐振性)との両立が可能となる。このように、スプール弁子の移動時の応答性が損なわれる領域(スプール弁子の作動領域(移動範囲))を可及的に小さくしつつ、必要に応じてスプール弁子の振動抑制効果が適切に確保される。
[0008]
 ここで、好適には、前記絞り部は、前記スプール弁子の振動が大きくなるときのそのスプール弁子の移動位置では、その振動が小さくなるときのその移動位置と比較して、前記流通断面積が小さい絞り流路を形成する。このようにすれば、スプール弁子の移動位置がスプール弁子が振動し易い移動位置にあるときには、絞り部によりダンパ室への流入抵抗(流量)が大きくされて適切にスプール弁子の振動が抑制される。また、スプール弁子の移動位置がスプール弁子が振動し難い移動位置にあるときには、絞り部によりダンパ室への流入抵抗(流量)が小さくされてスプール弁子の移動時の応答性低下が抑制される。
[0009]
 また、好適には、前記絞り部は、前記スプール弁子の移動ストロークのうちのそのスプール弁子の振動が大きい作動領域では第1絞り流路を形成し、前記スプール弁子の移動ストロークのうちのそのスプール弁子の振動が小さい作動領域では前記第1絞り流路よりも前記流通断面積が大きな第2絞り流路を形成する。このようにすれば、スプール弁子が振動し易い作動領域にあるときには、絞り部に形成される第1絞り流路によりダンパ室への流入抵抗(流量)が大きくされて適切にスプール弁子の振動が抑制される。また、スプール弁子が振動し難い作動領域にあるときには、絞り部に形成される第2絞り流路によりダンパ室への流入抵抗(流量)が第1絞り流路の場合よりも小さくされてスプール弁子の移動時の応答性低下が抑制される。
[0010]
 また、好適には、前記ダンパ室は、前記スプール弁子と前記バルブハウジングの内周面との間に形成された円筒状の空間である。このようにすれば、ダンパ室を備えるための専用の部位を設けることなくダンパ室がバルブハウジング内に簡単に形成される。
[0011]
 また、好適には、前記絞り部は、前記スプール弁子に設けられたそのスプール弁子よりも大径の絞りリングと前記バルブハウジングの内周面のうちその絞りリングと径方向において対向する部分とから構成される。このようにすれば、前記ダンパ室への作動流体の流出入を抑制する絞り部がバルブハウジング内に簡単に形成される。つまり、ダンパ室へ作動流体が流出入する絞り流路がバルブハウジング内に簡単に形成される。
[0012]
 また、好適には、前記スプール弁子を電磁力の作用で前記一軸に沿って一方向へ駆動するリニアソレノイドと、前記スプール弁子を前記一方向と反対の戻り方向へ付勢する戻しスプリングとを有する電磁弁である。このようにすれば、リニアソレノイドと戻しスプリングとを有する一般的な電磁弁において、スプール弁子の移動位置によってスプール弁子の移動時の応答性は低下させられるがスプール弁子の振動抑制効果を大きくさせたり、スプール弁子の振動抑制効果は小さくされるがスプール弁子の移動時の応答性低下を抑制することが可能になる。つまり、上記電磁弁において、例えばスプール弁子の移動位置によりスプール弁子が振動し易い場合と振動し難い場合とがあるときに、スプール弁子の移動時の応答性とスプール弁子の振動抑制(耐振性)との両立が可能となる。
[0013]
 また、好適には、前記ダンパ室及び絞り部は、前記戻しスプリングが配設されるスプリング室内において形成される。このようにすれば、ダンパ室及び絞り部を備えるための専用の部位を設けることなくダンパ室及び絞り部がバルブハウジング内に簡単に形成される。
[0014]
 また、好適には、前記バルブハウジングは、前記作動流体が供給される供給ポートと、前記作動流体をドレンさせるドレンポートと、前記作動流体を流出させると共に流入させる制御ポートとを備え、前記スプール弁子は、その移動ストロークの中立点からその移動ストロークの一端までの第1作動領域において前記ドレンポートと前記制御ポートとを連通させ、前記中立点から前記移動ストロークの他端までの第2作動領域において前記供給ポートと前記制御ポートとを連通させ、前記絞り部は、前記スプール弁子が前記第1作動領域にあるときは、前記第2作動領域にあるときに比較して、前記絞り流路の流通断面積を小さくする。このようにすれば、例えばスプール弁子が振動し易い前記第1作動領域にあるときには、絞り部によりダンパ室への流入抵抗(流量)が大きくされて適切にスプール弁子の振動が抑制される。また、例えばスプール弁子が振動し難い前記第2作動領域にあるときには、絞り部によりダンパ室への流入抵抗(流量)が小さくされてスプール弁子の移動時の応答性低下が抑制される。
[0015]
 また、好適には、前記スプール弁子を電磁力の作用で前記一軸に沿って一方向へ駆動するリニアソレノイドと、前記スプール弁子を前記一方向と反対の戻り方向へ付勢する戻しスプリングとを有する電磁弁であり、前記ダンパ室及び絞り部は、前記戻しスプリングが配設されるスプリング室内において形成されており、前記ダンパ室は、前記スプリング室内に入れられた前記スプール弁子の軸端部と前記バルブハウジングとの間に形成された円筒状の空間であり、前記絞り部は、前記スプール弁子の前記軸端部よりも大径の絞りリングと前記バルブハウジングの内周面のうちその絞りリングと径方向において対向する対向内周面とから構成される。このようにすれば、リニアソレノイドと戻しスプリングとを有する一般的な電磁弁において、ダンパ室及び絞り部を備えるための専用の部位を設けることなくダンパ室及び絞り部がスプリング室内に簡単に形成される。
[0016]
 また、好適には、前記ダンパ室は、前記スプリング室において前記スプール弁子の前記軸端部と前記バルブハウジングの前記内周面との間に形成された円筒状の空間であり、前記内周面は、前記スプール弁子の移動時にそのスプール弁子のランドと摺動する前記バルブハウジングの摺動内周面よりも大径に形成されている。このようにすれば、内周面が摺動内周面よりも大径である分だけ内周面とスプール弁子の軸端部との間にダンパ室となる円筒状の空間が適切に形成される。
[0017]
 また、好適には、前記絞り部は、前記スプール弁子が前記第1作動領域にあるときは、前記絞りリングと前記対向内周面のうちの第1対向内周面との間で第1絞り流路を形成し、前記スプール弁子が前記第2作動領域にあるときは、前記絞りリングと前記対向内周面のうちの前記第1対向内周面よりも径が大きな第2対向内周面との間で前記第1絞り流路よりも前記流通断面積が大きな第2絞り流路を形成する。このようにすれば、スプール弁子が例えば振動し易い前記第1作動領域にあるときには、絞り部に形成される第1絞り流路によりダンパ室への流入抵抗(流量)が大きくされて適切にスプール弁子の振動が抑制される。また、スプール弁子が例えば振動し難い前記第2作動領域にあるときには、絞り部に形成される第2絞り流路によりダンパ室への流入抵抗(流量)が小さくされてスプール弁子の移動時の応答性低下が抑制される。また、第1絞り流路と第2絞り流路とが、スプリング室内の第1対向内周面と第2対向内周面とで簡単に形成される。
[0018]
 また、好適には、前記作動流体(気体、液体)の流量制御に用いられるリニア型の流量制御弁は、例えば車両用自動変速機の変速に関与する油圧機器(例えば油圧サーボ)を作動させる為の作動油の流量制御に用いられるリニアソレノイドバルブである。

図面の簡単な説明

[0019]
[図1] 本発明が適用された一実施例の電磁弁であるリニアソレノイドバルブの構成を説明する断面図である。
[図2] 図1のリニアソレノイドバルブを示す油圧記号である。
[図3] (a)は図1のリニアソレノイドバルブにおけるリニアソレノイドに供給される駆動電流とスプール弁子の移動量との関係を表す図であり、(b)は駆動電流と制御ポートにおける作動油の流量との関係を表す図である。
[図4] 図1の弁部におけるスプリング油室部分を示した部分断面図であって、スプール弁子が第2作動領域にある場合を説明する図である。
[図5] 図1のリニアソレノイドバルブにおけるスプール弁子の移動量と絞り流路の流通断面積との関係を表す図である。

発明を実施するための形態

[0020]
 以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
実施例
[0021]
 図1は、本発明が適用されたリニア型の流量制御弁の一実施例としての電磁弁の断面図である。この電磁弁は、例えば車両用自動変速機の変速に関与する油圧機器(例えば油圧サーボ)を作動させる為の作動流体としての作動油の流量制御に用いられるリニアソレノイドバルブ10を示している。このリニアソレノイド弁10は、図示しない制御装置からの駆動電流Iに応じた大きさのソレノイド推力F を電磁的に発生させるリニアソレノイド部12と、そのソレノイド推力F に基づいて駆動電流Iに応じた大きさの作動油の流量Qを出力する弁部14とを備えている。
[0022]
 リニアソレノイド部12は、円筒状のヨーク16内において同心位置に収容された円筒状のリニアソレノイド18と、ヨーク16の弁部14側の端部内に嵌め着けられたコア部材20と、ヨーク16の弁部14側とは反対側の端部内にその開口を塞ぐように嵌め着けられた略円筒状のカバー部材22と、リニアソレノイド18とカバー部材22との間に配置されてリニアソレノイド18をコア部材20へ押圧する円板状スプリング24と、カバー部材22の内周面に一端側から移動可能に嵌め入れられ、且つ両端から軸心方向に突き出す円柱状のシャフト26を備えた円筒状のプランジャ28とを有している。コア部材20にはその軸心方向に貫通する貫通穴30が形成されており、シャフト26はその貫通穴30内に嵌め着けられたガイドブッシュ32に移動可能に嵌め入れられることにより、プランジャ28はその外周に僅かな隙間を形成した状態でその軸心方向にすなわちその長手方向に移動自在に支持されている。尚、プランジャ28とガイドブッシュ32との対向面(端面)には、プランジャ28の他端を受け入れる穴34がコア部材20に形成されており、その穴34内にプランジャ28の他端が略嵌め入れられた状態でそれ以上の接近を阻止するために穴34の底壁面に当接するストッパ36がプランジャ28に固設されている。従って、リニアソレノイド18の非励磁時における穴34の底面とストッパ36との間隔(ギャップ)GPがプランジャ28の最大移動量すなわち後述するスプール弁子50の最大移動量Xmaxとなる。
[0023]
 弁部14は、コア部材20に固定される略円筒状のバルブハウジング40と、バルブハウジング40においてシャフト26と当接する状態でそれと同心の一軸に沿って往復移動可能(往復摺動可能)に嵌め入れられたスプール弁子50と、バルブハウジング40のリニアソレノイド部12側とは反対側の端部にねじ込まれて取り付けられた蓋体52と、スプール弁子50と同軸に配設されると共にスプール弁子50をそれがシャフト26と当接するように付勢する戻しスプリング54と、蓋体52の回転を止めて固定する回り止め56とを有している。
[0024]
 戻しスプリング54は、スプール弁子50と蓋体52との間で、バルブハウジング40内の蓋体52側の空間であるスプリング室としてのスプリング油室58に配設されている。このスプリング油室58は例えばバルブハウジング40外の大気開放の不図示の油溜まりと連通させられており、スプリング油室58には作動油が充満している。
[0025]
 バルブハウジング40には、例えばライン油圧が供給される入力ポートとしての供給ポート42、供給ポート42に供給された作動油を例えば不図示の油圧機器(油圧サーボ)へ流出させると共にその油圧機器(油圧サーボ)から流入させる出力ポートとしての制御ポート44、及び上記油圧機器から制御ポート44に入力された作動油を例えば上記大気開放の油溜まりへドレン(排出)させるドレンポート46が設けられている。 また、スプール弁子50には、リニアソレノイド部12側から順に、第1ランド60、第2ランド62、及び第3ランド64が例えば同径に設けられている。そして、第1ランド60と第2ランド62との間の空間が供給ポート42と制御ポート44とを連通する油路として機能する供給油路66であり、第2ランド62と第3ランド64との間の空間が制御ポート44とドレンポート46とを連通する油路として機能するドレン油路68である。
[0026]
 このように構成されたリニアソレノイドバルブ10では、例えば図2の油圧記号に示すようにスプール弁子50の移動位置により作動油の流れが切り換えられると共に、図3に示すようにリニアソレノイド18に供給される駆動電流Iに応じたスプール弁子50の移動量(摺動量)Xに応じて制御ポート44における作動油の流量Qが制御される。
[0027]
 具体的には、駆動電流Iが零のときすなわちリニアソレノイド18の非励磁時は、戻しスプリング54の付勢力F によりスプール弁子50は最もリニアソレノイド部12側寄りに位置させられる。この位置をスプール弁子50の原位置とする(図1の状態)。スプール弁子50の原位置においては、供給ポート42から制御ポート44への作動油の流れが遮断されると共に、例えば上記油圧機器からの作動油が制御ポート44に入力されてドレン油路68を介してドレンポート46から排出されるという作動油の流れが形成される(図2状態a参照)。制御ポート44から上記油圧機器へ出力される作動油の流れ方向の流量Qを正側とすれば、この原位置における流量Qは、例えば負側の最大流量Qmax-とされる。
[0028]
 一方、リニアソレノイド18の端子38に駆動電流Iが供給されてリニアソレノイド18が励磁されると、リニアソレノイド18は前記間隔GPが解消される方向の磁気的吸引力すなわち電磁力を発生する。これにより、リニアソレノイド18は軸心方向に移動自在に支持されているプランジャ28をその軸心(すなわち前記一軸)に沿った一方向(すなわち弁部14側の方向)に駆動する為の駆動電流Iに応じた大きさのソレノイド推力F (=f(I))を発生し、シャフト26を介してスプール弁子50を上記電磁力の作用で上記一方向へ駆動する。このときのスプール弁子50の原位置からの移動量Xは、例えばリニアソレノイド18への駆動電流Iに比例させられる(図3参照)。リニアソレノイド18への駆動電流Iが零から漸増されると、それに応じてスプール弁子50が上記一方向へ移動させられ、制御ポート44における作動油の流量Qは負側の最大流量Qmax-から流量零に向かって漸減させられる。
[0029]
 そして、第2ランド62により制御ポート44が閉じられるスプール弁子50の移動位置までスプール弁子50が上記一方向へ移動させられると、供給ポート42から制御ポート44への作動油の流れが遮断されていることに加えて、制御ポート44からドレンポート46への作動油の流れも遮断される(図2状態b参照)。従って、このときの制御ポート44における作動油の流量Qは零(漏れ量等を考慮すれば略零)とされる。本実施例では、流量Qが零とされる駆動電流I(すなわち移動量X、スプール弁子50の移動位置)をヌル(null)点N(すなわち流量零点、中立点)と称する。但し、流量Qが零とされるスプール弁子50の移動位置は例えば第2ランド62の軸心方向の厚みによって所定範囲を有することになるので、ヌル点Nを例えばその所定範囲の中心点としても良い。また、流量Qが零とされる上記所定範囲は、例えば所望する流量Qの特性に応じて例えば第2ランド62の軸心方向の厚みによって予め設定されることが望ましい。
[0030]
 リニアソレノイド18への駆動電流Iが上記ヌル点Nから漸増されてそれに応じてスプール弁子50が更に上記一方向へ移動させられると、制御ポート44からドレンポート46への作動油の流れが遮断されたまま、例えば供給ポート42へ入力された作動油が供給油路66を介して制御ポート44から上記油圧機器へ出力されるという作動油の流れが形成される(図2状態c参照)。この際、制御ポート44における作動油の流量Qは、リニアソレノイド18への駆動電流Iがヌル点Nから漸増されることに応じて、流量零から正側の最大流量Qmax+に向かって漸増させられる。そして、スプール弁子50の移動量Xが最大移動量Xmaxとなる最大移動位置における流量Qは、例えば正側の最大流量Qmax+とされる。
[0031]
 このように、スプール弁子50の移動ストロークは、例えばその移動ストロークの一端としての原位置からその移動ストロークの他端としての最大移動位置までのスプール弁子50の作動領域(移動範囲)となる。上記ヌル点Nは、スプール弁子50の移動ストロークの中立点でもある。従って、スプール弁子50は、その移動ストロークの中立点から原位置までの第1作動領域においてドレンポート46と制御ポート44とを連通させ、その移動ストロークの中立点から最大移動位置までの第2作動領域において供給ポート42と制御ポート44とを連通させる。また、戻しスプリング54は、スプール弁子50を上記一方向と反対の戻り方向へ付勢し、リニアソレノイド18の非励磁に伴ってスプール弁子50を上記戻り方向へ移動させるものである。すなわち、スプール弁子50に対して、戻しスプリング54から上記戻り方向に付勢する付勢力F が作用しており、また、リニアソレノイド部12からのソレノイド推力F がシャフト26を介して上記一方向に付与されるようになっている。尚、プランジャ28は、その外周に僅かな隙間を形成した状態でその軸心方向に移動自在に支持されているが、駆動効率を高める為にこの隙間は可及的に小さくされるのが望ましい。
[0032]
 ここで、本実施例のリニアソレノイドバルブ10では、例えば供給ポート42や制御ポート44より流入する作動油の流体力がスプール弁子50の軸心方向に加わってスプール弁子50が振動する可能性がある。その為、本実施例のリニアソレノイドバルブ10は、バルブハウジング40内にスプール弁子50の振動を抑制するダンパ部70を備えている。そのダンパ部70は、スプール弁子50の移動に応じて容積が変化させられるダンパ室としてのダンパ油室72とそのダンパ油室72への作動油の流出入を抑制する絞り部74とを備えている。このダンパ部70は、バルブハウジング40内に備えられており、例えばスプリング油室58内に形成されている。
[0033]
 ダンパ油室72は、スプリング油室58内に一部が入れられたスプール弁子50の戻しスプリング54側の軸端部としての第3ランド64とバルブハウジング40のスプリング油室58における内周面47との間に形成された円筒状の空間である。この内周面47は、スプール弁子50の移動時にスプール弁子50の各ランド60、62、64と摺動するバルブハウジング40の摺動内周面49よりも大径に形成されている。従って、内周面47が摺動内周面49よりも大径である分だけ内周面47と第3ランド64との間にダンパ油室72となる円筒状の空間が生まれる。
[0034]
 絞り部74は、スプール弁子50に設けられたそのスプール弁子50の第3ランド64よりも大径の絞りリング76と、バルブハウジング40の内周面47のうち絞りリング76と径方向において対向する部分としての対向内周面48とから構成されている。このように構成された絞り部74では、絞りリング76と対向内周面48との間でダンパ油室72への作動油の流出入が行われる為の絞り流路78が形成される。絞りリング76は、略円筒状に形成されており、側面とその側面のスプール弁子50側の端部に連続して側面と同外径の円環板状の底面とを有している。また、スプール弁子50の戻しスプリング54側の軸端には、スプール弁子50の第3ランド64よりも小径の取付部65が形成されている。そして、絞りリング76は、その底面の内周面が取付部65に嵌め入れられて固定されている。その為、戻しスプリング54のスプール弁子50側の端部は、絞りリング76内に収納されるようにして絞りリング76の底面と当接している。従って、戻しスプリング54の付勢力F は、絞りリング76を介してスプール弁子50に作用させられる。また、絞り流路78は、絞りリング76の外周面すなわち側面とバルブハウジング40の対向内周面48との間で形成される。尚、絞りリング76は取付部65に嵌め入れられて取付部65により固定されても良いが、取付部65に嵌め入れられた状態で戻しスプリング54の付勢力F によりスプール弁子50側に固定されても良い。
[0035]
 このように構成されたダンパ部70では、スプール弁子50の移動時には、ダンパ油室72への作動油の流出入が絞り流路78を介することにより例えば速度に比例した抵抗(制動)がスプール弁子50に付与される。よって、流量Qの制御時のスプール弁子50の振動が吸収(減衰、抑制)される。但し、スプール弁子50の振動は抑制されるものの、その反面、流量Qの制御時の応答性は低下させられてしまう。つまり、スプール弁子50の移動時の応答性と振動抑制とは相反するものであり、それらは両立させ難い。
[0036]
 ところで、本実施例のリニアソレノイドバルブ10は、上記ヌル点Nを境に制御ポート44における作動油の流れの方向が逆転する。そうすると、制御ポート44における作動油の流れの方向によって、すなわちスプール弁子50の移動位置によって、スプール弁子50が振動し易い場合と振動し難い場合とがあると考えられる。その為、例えば振動吸収性を重視してスプール弁子50の移動位置に拘わらず一律に絞り流路78を備えると、振動し難い移動位置でもその絞り作用によって応答性が低下する可能性がある。反対に、例えば応答性を重視してスプール弁子50の移動位置に拘わらず一律に絞り流路78を備えると、振動し易い移動位置で適切にスプール弁子50の振動を抑制できない可能性がある。
[0037]
 そこで、本実施例では、スプール弁子50の移動時の応答性が損なわれる領域(すなわちスプール弁子50の作動領域)を可及的に小さくしつつ、必要に応じてスプール弁子50の振動抑制効果が適切に確保される為のリニアソレノイドバルブ10の構成を提案する。つまり、スプール弁子50が振動し難い移動位置にあるときは、スプール弁子50の振動を抑制することよりも応答性の低下を抑制することを優先する。反対に、スプール弁子50が振動し易い移動位置にあるときは、応答性の低下を抑制することよりもスプール弁子50の振動を抑制することを優先する。その為、本実施例の絞り部74は、スプール弁子50の移動位置の違いによりダンパ油室72へ作動油が流出入する流通断面積が異なる絞り流路78を形成する。
[0038]
 具体的には、本実施例のリニアソレノイドバルブ10において、前記油圧機器からの作動油が制御ポート44に入力されてドレン油路68を介してドレンポート46から排出されるときの作動油の流量制御時は、制御ポート44においてはバルブ流入流れとなる為、例えばスプール弁子50の振動に対しては不利となりスプール弁子50の振動が大きくなる。つまり、本実施例のリニアソレノイドバルブ10では、制御ポート44からドレンポート46への作動油の流れとなるスプール弁子50の移動位置すなわち移動量Xが零からヌル点Nまでのスプール弁子50の前記第1作動領域では、スプール弁子50の振動が大きくなる。一方、供給ポート42へ入力された作動油が供給油路66を介して制御ポート44から上記油圧機器へ出力されるときの作動油の流量制御時は、制御ポート44においてはバルブ流出流れとなる為、上記バルブ流入流れと比較して、例えばスプール弁子50の振動に対しては有利となりスプール弁子50の振動が小さくなる。つまり、本実施例のリニアソレノイドバルブ10では、供給ポート42から制御ポート44への作動油の流れとなるスプール弁子50の移動位置すなわち移動量Xがヌル点Nから最大移動量Xmaxまでのスプール弁子50の前記第2作動領域では、スプール弁子50の第1作動領域と比較して、スプール弁子50の振動が小さくなる。すなわち、上記第1作動領域はスプール弁子50の移動ストロークのうちスプール弁子50の振動が大きくなる作動領域であり、上記第2作動領域はスプール弁子50の移動ストロークのうちその第1作動領域と比較してスプール弁子50の振動が小さくなる作動領域である。その為、絞り部74は、スプール弁子50が第1作動領域にあるときは、スプール弁子50が第2作動領域にあるときと比較して、流通断面積が小さい絞り流路78を形成する。例えば、絞り部74は、スプール弁子50の振動が大きい第1作動領域では第1絞り流路78aを形成し、スプール弁子50の振動が小さい第2作動領域では第1絞り流路78aよりも流通断面積が大きな第2絞り流路78bを形成する。
[0039]
 より具体的には、図4は弁部14におけるスプリング油室58部分を示した部分断面図であって、スプール弁子50が第2作動領域にある場合を説明する図である。図1、4において、バルブハウジング40の対向内周面48は、前記戻り方向側に形成された第1対向内周面48aと、第1対向内周面48aよりも径が大きな前記一方向側に形成された第2対向内周面48bとから成っている。この第1対向内周面48aと第2対向内周面48bとは、スプール弁子50の移動位置が零からヌル点N未満にあるときには軸心と垂直方向にて絞りリング76の外周面と対向する位置に第1対向内周面48aの少なくとも一部が及ぶように、且つスプール弁子50の移動位置がヌル点Nにあるときに軸心と垂直方向にて絞りリング76の外周面と対向する位置に第1対向内周面48aの一部でも及ばないように形成されている。このように第1対向内周面48aと第2対向内周面48bとが形成されることで、絞り部74は、スプール弁子50が第1作動領域にあるときは、図1に示すように、絞りリング76と第1対向内周面48aとの間で第1絞り流路78aを形成する。また、絞り部74は、スプール弁子50が第2作動領域にあるときは、図4に示すように、絞りリング76と第2対向内周面48bとの間で第1絞り流路78aよりも流通断面積が大きな第2絞り流路78bを形成する。これにより、図5に示すように、スプール弁子50の第1作動領域では絞り流路78の流通断面積が小さくされ、また、ヌル点Nを境としてスプール弁子50の第2作動領域では絞り流路78の流通断面積が大きくされる。
[0040]
 上述のように、本実施例によれば、リニアソレノイドバルブ10においてバルブハウジング40内にダンパ油室72及び絞り部74が備えられ、絞り部74ではスプール弁子50の移動位置の違いによりダンパ油室72へ作動流体が流出入する流通断面積が異なる絞り流路78が形成されるので、ダンパ油室72及び絞り部74によりスプール弁子50の振動が抑制される。加えて、スプール弁子50の移動位置によってダンパ油室72への流入抵抗(流量)が変更させられる。つまり、スプール弁子50の移動位置によってスプール弁子50の移動時の応答性は低下させられるがスプール弁子50の振動抑制効果を大きくさせたり、スプール弁子50の振動抑制効果は小さくされるがスプール弁子50の移動時の応答性低下を抑制することが可能になる。よって、例えばスプール弁子50の移動位置によりスプール弁子50が振動し易い場合と振動し難い場合とがあるときに、スプール弁子50の移動時の応答性とスプール弁子50の振動抑制(耐振性)との両立が可能となる。このように、スプール弁子50の移動時の応答性が損なわれるスプール弁子50の移動範囲を可及的に小さくしつつ、必要に応じてスプール弁子50の振動抑制効果が適切に確保される。
[0041]
 また、本実施例によれば、絞り部74は、スプール弁子50の振動が大きくなるときの移動位置では、スプール弁子50の振動が小さくなるときの移動位置と比較して、絞り流路78の流通断面積が小さい絞り流路78を形成する。このようにすれば、スプール弁子50の移動位置がスプール弁子50が振動し易い移動位置にあるときには、絞り部74によりダンパ油室72への流入抵抗(流量)が大きくされて適切にスプール弁子50の振動が抑制される。また、スプール弁子50の移動位置がスプール弁子50が振動し難い移動位置にあるときには、絞り部74によりダンパ油室72への流入抵抗(流量)が小さくされてスプール弁子50の移動時の応答性低下が抑制される。
[0042]
 また、本実施例によれば、絞り部74は、スプール弁子50の移動ストロークのうち振動が大きい作動領域では第1絞り流路78aを形成し、スプール弁子50の移動ストロークのうち振動が小さい作動領域では第1絞り流路78aよりも流通断面積が大きな第2絞り流路78bを形成する。このようにすれば、スプール弁子50が振動し易い作動領域にあるときには、絞り部74に形成される第1絞り流路78aによりダンパ油室72への流入抵抗(流量)が大きくされて適切にスプール弁子50の振動が抑制される。また、スプール弁子50が振動し難い作動領域にあるときには、絞り部74に形成される第2絞り流路78bによりダンパ油室72への流入抵抗(流量)が第1絞り流路78aの場合よりも小さくされてスプール弁子50の移動時の応答性低下が抑制される。
[0043]
 また、本実施例によれば、ダンパ油室72は、スプール弁子50とバルブハウジング40の内周面47との間に形成された円筒状の空間である。このようにすれば、ダンパ油室72を備えるための専用の部位を設けることなくダンパ油室72がバルブハウジング40内に簡単に形成される。
[0044]
 また、本実施例によれば、絞り部74は、スプール弁子50に設けられたそのスプール弁子50よりも大径の絞りリング76とバルブハウジング40の内周面47のうち絞りリング76と径方向において対向する部分(対向内周面48)とから構成される。このようにすれば、ダンパ油室72への作動流体の流出入を抑制する絞り部74がバルブハウジング40内に簡単に形成される。つまり、ダンパ油室72へ作動流体が流出入する絞り流路78がバルブハウジング40内に簡単に形成される。
[0045]
 また、本実施例によれば、ダンパ油室72及び絞り部74は、すなわちダンパ部70は、戻しスプリング54が配設されるスプリング油室58内に形成される。このようにすれば、ダンパ部70を備えるための専用の部位を設けることなくダンパ部70がバルブハウジング40内に簡単に形成される。
[0046]
 また、本実施例によれば、バルブハウジング40は作動流体が供給される供給ポート42と作動流体をドレンさせるドレンポート46と作動流体を流出させると共に流入させる制御ポート44とを備え、スプール弁子50はその移動ストロークの中立点からその移動ストロークの一端(原位置)までの第1作動領域においてドレンポート46と制御ポート44とを連通させ、その中立点からその移動ストロークの他端(最大移動位置)までの第2作動領域において供給ポート42と制御ポート44とを連通させ、絞り部74はスプール弁子50が第1作動領域にあるときは第2作動領域にあるときに比較して絞り流路78の流通断面積を小さくする。このようにすれば、例えばスプール弁子50が振動し易い第1作動領域にあるときには、絞り部74によりダンパ油室72への流入抵抗(流量)が大きくされて適切にスプール弁子50の振動が抑制される。また、例えばスプール弁子50が振動し難い第2作動領域にあるときには、絞り部74によりダンパ油室72への流入抵抗(流量)が小さくされてスプール弁子50の移動時の応答性低下が抑制される。
[0047]
 また、本実施例によれば、ダンパ油室72はスプリング油室58内に入れられたスプール弁子50の軸端部(第3ランド64)とバルブハウジング40との間に形成された円筒状の空間であり、絞り部74は第3ランド64よりも大径の絞りリング76とバルブハウジング40の内周面47のうち絞りリング76と径方向において対向する対向内周面48とから構成される。このようにすれば、リニアソレノイドバルブ10において、ダンパ油室72及び絞り部74を備えるための専用の部位を設けることなくダンパ油室72及び絞り部74がスプリング油室58内に簡単に形成される。
[0048]
 また、本実施例によれば、ダンパ油室72はスプリング油室58においてスプール弁子50の軸端部(第3ランド64)とバルブハウジング40の内周面47との間に形成された円筒状の空間であり、内周面47はスプール弁子50の移動時にそのスプール弁子50の各ランド60、62、64と摺動するバルブハウジング40の摺動内周面49よりも大径に形成されている。このようにすれば、内周面47が摺動内周面49よりも大径である分だけ内周面47と第3ランド64との間にダンパ油室72となる円筒状の空間が適切に形成される。
[0049]
 また、本実施例によれば、絞り部74は、スプール弁子50が第1作動領域にあるときは絞りリング76と対向内周面48のうちの第1対向内周面48aとの間で第1絞り流路78aを形成し、スプール弁子50が第2作動領域にあるときは絞りリング76と対向内周面48のうちの第1対向内周面48aよりも径が大きな第2対向内周面48bとの間で第1絞り流路78aよりも流通断面積が大きな第2絞り流路78bを形成する。このようにすれば、スプール弁子50が例えば振動し易い第1作動領域にあるときには、絞り部74に形成される第1絞り流路78aによりダンパ油室72への流入抵抗(流量)が大きくされて適切にスプール弁子50の振動が抑制される。また、スプール弁子50が例えば振動し難い第2作動領域にあるときには、絞り部74に形成される第2絞り流路78bによりダンパ油室72への流入抵抗(流量)が小さくされてスプール弁子50の移動時の応答性低下が抑制される。また、第1絞り流路78aと第2絞り流路78bとが、スプリング油室58内の第1対向内周面48aと第2対向内周面48bとで簡単に形成される。
[0050]
 以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
[0051]
 例えば、前述の実施例では、制御ポート44においてバルブ流入流れとなるときにスプール弁子50の振動が大きくなり、制御ポート44においてバルブ流出流れとなるときに上記バルブ流入流れと比較してスプール弁子50の振動が小さくなったが、これとは逆の態様になることも考えられる。このような場合には、バルブハウジング40の対向内周面48は、例えば前記一方向側に形成された第1対向内周面48aと、第1対向内周面48aよりも径が大きな前記戻り方向側に形成された第2対向内周面48bとから成るように構成される。また、この場合も第1対向内周面48aと第2対向内周面48bとは、例えばヌル点Nを境として絞り流路78の流通断面積が変化されるように形成される。
[0052]
 また、前述の実施例では、ダンパ部70はスプリング油室58内に形成されていたが、リニアソレノイドバルブ10内の他の部位に備えられても良い。例えば、シャフト26とスプール弁子50とが当接しているコア部材20内部の空間にダンパ部70が形成されても良い。
[0053]
 また、前述の実施例では、図3(a)に示すようにスプール弁子50の移動量Xはリニアソレノイド18への駆動電流Iに比例しているのに対して、図3(b)に示すように制御ポート44における作動油の流量Qは右肩上がりの傾向は同じであるものの駆動電流Iに比例はしていない。これは各ポート42、44、46や各油路66、68を通過する作動油の流体力などの影響によるものであり、各ポート42、44、46や各油路66、68の角部などの形状を変更することによって図3(a)の如く駆動電流Iと流量Qとの関係図を直線状にすることも可能である。
[0054]
 また、絞りリング76が嵌め入れられるスプール弁子50の取付部65は、第3ランド64よりも小径であったが、必ずしも小径である必要はなく、例えば第3ランド64と同径であっても良いし大径であっても良い。要は、絞りリング76が嵌め入れられれば良い。また、スプール弁子50と絞りリング76とは、一体的に構成されても良い。
[0055]
 また、スプール弁子50全体もしくは一部は銅合金などの金属であってもよいし強磁性体であってもよい。また、バルブハウジング40の全体もしくは一部も銅合金などの金属であってもよいし強磁性体であってもよい。ここで、強磁性体とは例えば、鉄(純鉄),ニッケル,コバルト、及びこれらを含む合金もしくは酸化物などをいう。
[0056]
 また、前述の実施例においては、蓋体52の前記戻り方向側は戻しスプリング54の外周を取り囲むように戻しスプリング54の外径よりも大きい内径を有して円筒状に突出しているが、そのように突出していなくても差し支えない。
[0057]
 また、前述の実施例においては、作動油の流量制御を目的とした車両用のリニアソレノイド弁10を例示して本発明を説明したが、油圧機器でなく例えば空圧機器用のリニアソレノイド弁であっても本発明は適用され得る。つまり、バルブハウジング内において一軸に沿って往復移動可能に嵌め入れられたスプール弁子を有し、そのスプール弁子の移動位置に応じて作動流体(気体、液体)の流量を制御するリニア型の流量制御弁であれば本発明は適用され得る。また、車両用のみに限定されない。
[0058]
 なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。

符号の説明

[0059]
10:リニアソレノイドバルブ(流量制御弁、電磁弁)
18:リニアソレノイド
40:バルブハウジング
42:供給ポート
44:制御ポート
46:ドレンポート
47:内周面
48:対向内周面(対向する部分)
48a:第1対向内周面
48b:第2対向内周面
49:摺動内周面
50:スプール弁子
54:戻しスプリング
58:スプリング油室(スプリング室)
60:第1ランド
62:第2ランド
64:第3ランド(軸端部)
72:ダンパ油室(ダンパ室)
74:絞り部
76:絞りリング
78:絞り流路
78a:第1絞り流路
78b:第2絞り流路

請求の範囲

[請求項1]
 バルブハウジング内において一軸に沿って往復移動可能に嵌め入れられたスプール弁子を有し、該スプール弁子の移動位置に応じて作動流体の流量を制御するリニア型の流量制御弁であって、
 前記スプール弁子の移動に応じて容積が変化させられるダンパ室と、該ダンパ室への前記作動流体の流出入を抑制する絞り部とを前記バルブハウジング内に備え、
 前記絞り部は、前記スプール弁子の移動位置の違いにより前記ダンパ室へ前記作動流体が流出入する流通断面積が異なる絞り流路を形成することを特徴とする流量制御弁。
[請求項2]
 前記絞り部は、前記スプール弁子の振動が大きくなるときの該スプール弁子の移動位置では、該振動が小さくなるときの該移動位置と比較して、前記流通断面積が小さい絞り流路を形成することを特徴とする請求項1に記載の流量制御弁。
[請求項3]
 前記絞り部は、
 前記スプール弁子の移動ストロークのうちの該スプール弁子の振動が大きい作動領域では第1絞り流路を形成し、
 前記スプール弁子の移動ストロークのうちの該スプール弁子の振動が小さい作動領域では前記第1絞り流路よりも前記流通断面積が大きな第2絞り流路を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の流量制御弁。
[請求項4]
 前記ダンパ室は、前記スプール弁子と前記バルブハウジングの内周面との間に形成された円筒状の空間であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の流量制御弁。
[請求項5]
 前記絞り部は、前記スプール弁子に設けられた該スプール弁子よりも大径の絞りリングと前記バルブハウジングの内周面のうち該絞りリングと径方向において対向する部分とから構成されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の流量制御弁。
[請求項6]
 前記スプール弁子を電磁力の作用で前記一軸に沿って一方向へ駆動するリニアソレノイドと、前記スプール弁子を前記一方向と反対の戻り方向へ付勢する戻しスプリングとを有する電磁弁であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の流量制御弁。
[請求項7]
 前記ダンパ室及び絞り部は、前記戻しスプリングが配設されるスプリング室内において形成されることを特徴とする請求項6に記載の流量制御弁。
[請求項8]
 前記バルブハウジングは、
 前記作動流体が供給される供給ポートと、
 前記作動流体をドレンさせるドレンポートと、
 前記作動流体を流出させると共に流入させる制御ポートとを備え、
 前記スプール弁子は、
 その移動ストロークの中立点から該移動ストロークの一端までの第1作動領域において前記ドレンポートと前記制御ポートとを連通させ、
 前記中立点から前記移動ストロークの他端までの第2作動領域において前記供給ポートと前記制御ポートとを連通させ、
 前記絞り部は、前記スプール弁子が前記第1作動領域にあるときは、前記第2作動領域にあるときに比較して、前記絞り流路の流通断面積を小さくすることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の流量制御弁。
[請求項9]
 前記スプール弁子を電磁力の作用で前記一軸に沿って一方向へ駆動するリニアソレノイドと、前記スプール弁子を前記一方向と反対の戻り方向へ付勢する戻しスプリングとを有する電磁弁であり、
 前記ダンパ室及び絞り部は、前記戻しスプリングが配設されるスプリング室内において形成されており、
 前記ダンパ室は、前記スプリング室内に入れられた前記スプール弁子の軸端部と前記バルブハウジングとの間に形成された円筒状の空間であり、
 前記絞り部は、前記スプール弁子の前記軸端部よりも大径の絞りリングと前記バルブハウジングの内周面のうち該絞りリングと径方向において対向する対向内周面とから構成されることを特徴とする請求項8に記載の流量制御弁。
[請求項10]
 前記ダンパ室は、前記スプリング室において前記スプール弁子の前記軸端部と前記バルブハウジングの前記内周面との間に形成された円筒状の空間であり、前記内周面は、前記スプール弁子の移動時に該スプール弁子のランドと摺動する前記バルブハウジングの摺動内周面よりも大径に形成されていることを特徴とする請求項9に記載の流量制御弁。
[請求項11]
 前記絞り部は、
 前記スプール弁子が前記第1作動領域にあるときは、前記絞りリングと前記対向内周面のうちの第1対向内周面との間で第1絞り流路を形成し、
 前記スプール弁子が前記第2作動領域にあるときは、前記絞りリングと前記対向内周面のうちの前記第1対向内周面よりも径が大きな第2対向内周面との間で前記第1絞り流路よりも前記流通断面積が大きな第2絞り流路を形成することを特徴とする請求項9又は10に記載の流量制御弁。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]