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1. WO2009078400 - リングソー付き切断装置

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明 細 書

発明の名称 リングソー付き切断装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

発明の開示

発明が解決しようとする課題

0003   0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013  

発明の効果

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021  

図面の簡単な説明

0022   0023  

発明を実施するための最良の形態

0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045  

産業上の利用可能性

0046  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

リングソー付き切断装置

技術分野

[0001]
 この発明は、リングソー付き切断装置に関するもので、特にバックホー等のショベル系掘削機にアタッチメントとして着脱可能に取り付けて使用するのに好適なリングソー付き切断装置に関するものである。

背景技術

[0002]
 バックホー等のショベル系掘削機にアタッチメントとして着脱可能に取り付けられるリングソー付き切断装置の従来例を、図7に示している。同図に示すように、この装置は、装置本体71を構成するベース材に取り付けられている2本の支持ローラ72によってリングソー73の内周側を支持し、駆動用のスプロケット74と従動用のプーリ75に巻き掛けされている環状チェーン76によってリングソー73を回転駆動することにより、岩盤、石材、コンクリート等の切断対象物を切断する構造のものである。なお、リングソー73の外周には、その外周に沿うように、着脱可能な複数の切断刃77が植設されており、各切断刃77の刃先78は、ダイヤモンドチップにより形成されている。このようなリングソー付き切断装置としては、例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1 : 特開2004-25420号公報

発明の開示

発明が解決しようとする課題

[0003]
 上記構成の切断装置においては、リングソーを回転駆動することによって、岩盤、石材、コンクリート等を切断する構造のものであって、リングソー73は、その中心軸が固定されていない構造であるため、駆動時に発生する振動がリングソーにそのまま伝達されて、リングソーも振動することになり、安定した切断動作を行うことが困難であった。また、この切断装置は、バックホー等のショベル系掘削機にアタッチメントとして取り付けられて使用されるが、この使用に際しては、リングソーから切断対象物へと作用する押圧力を適度な状態に維持する必要があるので、切断速度に合わせた高度な操作技術が要求され、そのため、岩盤、石材、コンクリート等を切断する作業が困難なものとなっていた。
[0004]
 しかも、上記に加えて、リングソーの切断刃の刃先にはダイヤモンドチップが用いられており、刃先に振動、衝撃が伝わった際に、刃先に目つぶれが生じたり、欠落等が生じたりして、切断能力の大幅な低下を招いていた。また、刃先の寿命が短くなり、その交換作業も増すことから、切断効率の低下を招くとともに、ダイヤモンドチップは高価であるため、コストが高くなり、経済的ではなかった。
[0005]
 そこで、この発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、リングソーに衝撃力を与えながら回転させ、岩盤、石材、コンクリート等を破砕して、破砕した部分をはじき飛ばしながら切断することによって、容易に高速切断を行うことを可能としたリングソー付き切断装置を提供することにある。また、バックホー等のショベル系掘削機にアタッチメントとして取り付けた際に、その操作を容易に行うことができる使い勝手の良いリングソー付き切断装置を提供することも目的としている。

課題を解決するための手段

[0006]
 上記課題を解決するため、この発明のリングソー付き切断装置は、切断刃21を備えたリングソー4と、このリングソー4をその中心軸周りに回転駆動する駆動手段5とを備えた切断装置において、装置本体2に取り付けられた支持体3に切断進行方向にリングソー4を揺動可能に支持し、回転中のリングソー4の切断刃21から切断対象物31に対して衝撃力を付与する衝撃付与手段6を設けたことを特徴とする。
[0007]
 具体的に、衝撃付与手段6は、リングソー4に対して進退自在とされた打撃用ロッド52を有する油圧ブレーカ、エアブレーカ、油圧ドリフタ、エアドリフタ、バイブレータの何れかからなる衝撃発生手段51と、この衝撃発生手段51の打撃用ロッド52の先端部に回転自在に取り付けられると共に、リングソー4の外周部において、切断刃21の間に当接しながら回転する打撃力伝達体53とを備えている。
[0008]
 また、衝撃付与手段6は、リングソー4に対して進退自在とされた打撃用ロッド52を有する油圧ブレーカ、エアブレーカ、油圧ドリフタ、エアドリフタ、バイブレータの何れかからなる衝撃発生手段51と、この衝撃発生手段51の打撃用ロッド52の先端部に回転自在に取り付けられると共に、リングソー4の内周部に摺接する打撃力伝達体53とを備えている。
[0009]
 さらに、打撃力伝達体53とリングソー4との接触部に潤滑剤を注入している。
[0010]
 さらにまた、支持体3は、装置本体2に回転自在に取り付けられて、リングソー4の内周面を支持する支持ローラからなっている。
[0011]
 しかも、リングソー4は、リングソー本体20と、このリングソー本体20に対して着脱可能な基体22aに刃先23を取り付けてなる切断刃21とからなり、切断刃21は、その刃先23が超硬チップからなるとともに、基体22aに埋設、固定され、頭部が基体22aから突出した状態とされている。
[0012]
 また、切断溝幅方向の厚さ寸法において、基体22aの厚さ方向は、リングソー本体20の厚さ寸法よりも大きくしている。
[0013]
 さらに、駆動手段5は、環状チェーン41と駆動伝達用回転体42とから成り、支持ローラ3でリングソー4を支持した際に、支持ローラ3を環状チェーン41の方向に付勢する付勢手段10を設けている。

発明の効果

[0014]
 この発明のリングソー付き切断装置においては、支持体によって切断方向に沿うように揺動可能にリングソーを支持し、リングソーの切断刃から切断対象物に対して衝撃力を付与する衝撃付与手段を設けているので、その衝撃付与手段によって切断対象物に強力なインパクトを与えながら切断するようにしている。すなわち、岩盤、石材、コンクリート等の切断対象物を破砕して、破砕した部分をはじき飛ばしながら切断するので、高速で切断を行うことが可能になり、切断効率の向上を図ることが可能になる。すなわち、この切断装置では、リングソーの支持中心が定まり難い構造、つまりリングソーが振動し易い装置であるという特性を積極的に利用し、振動を防止するのではなく、これとは逆に衝撃振動力を積極的に付与することで切断性能の向上を図るようにしているのである。このことは逆にいうと、従来のようにリングソーから切断対象物に作用する押圧力を調整する必要性がそれほど要求されないということであり、その結果、バックホー等に取り付けて使用する際に、その操作が容易になるとの利点も生じることになる。
[0015]
 また、衝撃付与手段が、リングソーに対して進退自在とされた打撃用ロッドを有する油圧ブレーカ、エアブレーカ、油圧ドリフタ、エアドリフタ、バイブレータの何れかからなる衝撃発生手段と、この衝撃発生手段の打撃用ロッドの先端部に回転自在に取り付けられると共に、リングソーの外周部において、切断刃の間に当接しながら回転する打撃力伝達体とを備えているので、リングソーに打撃力を効率良く付与することが可能になる。
[0016]
 さらに、衝撃付与手段が、リングソーに対して進退自在とされた打撃用ロッドを有する油圧ブレーカ、エアブレーカ、油圧ドリフタ、エアドリフタ、バイブレータの何れかからなる衝撃発生手段と、この衝撃発生手段の打撃用ロッドの先端部に回転自在に取り付けられると共に、リングソーの内周部に摺接する打撃力伝達体を備えているので、直接的、且つ効率良く切断対象物に打撃力付与することが可能になり、切断性能を一段と向上でき、また装置本体のスペースを有効に利用することが可能になると共に、装置本体をコンパクトにすることも可能になる。
[0017]
 さらにまた、打撃力伝達体とリングソーとの接触部に潤滑剤を注入することで、打撃力伝達体とリングソーを円滑に摺動することが可能になる。
[0018]
 そして、装置本体に回転自在に取り付けられ、リングソーの内周面を支持する支持体に、支持ローラを用いることにより、リングソーの回転に伴うリングソーと支持体との間の摩擦が大幅に減少し、リングソーの回転や揺動を円滑に行うことが可能になる。
[0019]
 しかも、切断刃の刃先には強靭で、耐久性のある超硬チップが用いることができ、その刃先は頭部が基体から突出した状態とされているので、刃先の目つぶれや欠落等が起こり難くなり、刃先の寿命も長くなることから、コスト低減を図ることが可能になり、経済面においても効果的である。したがって、刃先の交換の手間等が軽減可能になり、長時間の連続した切断作業や長期に亘る切断作業にも対応し易くなる。
[0020]
 また、切断溝幅方向の厚さ方向において、基体の厚さ寸法をリングソー本体の厚さ寸法よりも大きくしていることで、切断対象物とリングソー本体の側面部との接触を軽減して、切断抵抗を減少させることが可能になり、切断性能をより一段と向上できる。
[0021]
 さらに、駆動手段は、環状チェーンと駆動伝達用回転体とから成り、支持ローラでリングソーを支持した際に、支持ローラを環状チェーンの方向に付勢する付勢手段を設けていることで、衝撃付与手段によって振動するリングソーを確実に環状チェーンに噛み合せると共に、リングソーの振動を積極的に行い易くすることが可能となり、より一段と切断効率の向上を図ることが可能になる。

図面の簡単な説明

[0022]
[図1] この発明の実施形態に係るリングソー付き切断装置の使用状態を示す正面図である。
[図2] 第1実施形態に係るリングソー付き切断装置の正面図である。
[図3] 第2実施形態に係るリングソー付き切断装置の正面図である。
[図4] 上記第2実施形態の断面図である。
[図5] 上記第2実施形態の斜視図である。
[図6] 第2の実施形態に係るリングソーの変更例の斜視図である。
[図7] 従来のリングソー付き切断装置の正面図である。

符号の説明

[0023]
2    装置本体
3    支持体(支持ローラ)
4    リングソー
5    駆動手段
6    衝撃付与手段
10   付勢手段
20   リングソー本体
21   切断刃
22a  基体
23   刃先
31   切断対象物
41   環状チェーン
42   駆動伝達用回転体
51   衝撃発生手段
52   打撃用ロッド
53   打撃力伝達体

発明を実施するための最良の形態

[0024]
 以下、この発明の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。この発明の第1の実施形態に係るリングソー付き切断装置1は、図1及び図2に示すように、装置本体2を構成するベース材11に立設された一本の支持体3と、この支持体3によって切断進行方向に揺動可能に支持されたリングソー4と、このリングソー4に設けられた複数の切断刃21に噛み合うようにしてリングソー4をその中心軸周りに回転駆動する駆動手段5と、このリングソー4に衝撃力を付与して、リングソー4の切断刃21を切断対象物31に叩きつける衝撃付与手段6と、リングソー4の上端部と駆動手段5及び衝撃付与手段6を覆うようにして装置本体2を構成する図示しないカバー材とによって構成される。
[0025]
 装置本体2は、ベース材11と図示しないカバー材とからなり、それらは、略同一寸法、略同一形状とされている。図2に示すように、ベース材11には、その上面に取付片12が突設されており、その取付片12には一対の取付穴13が設けられている。この取付穴13は、図1に示すように、油圧ショベル、バックホー等のショベル系掘削機32にアタッチメントとして取り付ける際に利用される。
[0026]
 支持体3は、ばね等の付勢手段10で支持された支持ローラからなり、装置本体2を構成するベース材11にばね等の付勢手段10を介して支持された軸受けに立設され、その軸芯回りに回転自在とされている。
[0027]
 上記支持ローラ3は、上方に向けて、(後述する環状チェーン41にリングソー4を押し付ける方向に)付勢されている。
[0028]
 リングソー4は、一本の支持ローラ3によって、その内周面の上側を揺動自在に支持されている。このリングソー4は、略環状のリングソー本体20と、その外周部に植設された切断刃21とから形成されている。また、切断刃21は基体22と刃先23とから形成されており、基体22は刃先23とともにリングソー本体20に対して着脱可能とされている。なお、刃先23は超硬チップからなり、基体22に埋設、固定され、概略半球形の頭部が基体22から突出した状態とされている。
[0029]
 駆動手段5は、リングソー4をその中心軸周りに回転駆動するものであって、環状チェーン41と駆動力伝達用回転体42とからなる。環状チェーン41は、開口部43を有する複数のリンク44とピン45で構成されており、複数のリンク44をピン45で連結して略環状に連結したものである。そして、環状チェーン41のリンク44同士を連結するピン45の間に、リングソー4の切断刃21が嵌り込んで、リングソー4の切断刃21と環状チェーン41とが噛み合うようになり、リングソー4が回転駆動されることになる。
[0030]
 駆動力伝達用回転体42は、駆動用のスプロケット46と従動用のプーリ47からなる。これら駆動力伝達用回転体42は、ベース材11に回転自在に取り付けられる。なお、駆動用のスプロケット46は、図示しない駆動源としての油圧モータに連動連結されて回転駆動されるようになっている。
[0031]
 具体的には、環状チェーン41が駆動用のスプロケット46の歯48の一部に噛み合うようにして巻き掛けされるとともに、従動用のプーリ47にはその外周の一部に巻き付くように巻き掛けされている。なお、駆動用のスプロケット46と従動用のプーリ47の間において、環状チェーン41が、リングソー4の切断刃21と噛み合っている部分には、付勢手段10で下方から上方への押圧力を作用させており、そのため環状チェーン41は、上方に膨らみながら湾曲した状態となっている。そして、図示しない油圧モータの駆動によって駆動用のスプロケット46が回転するとともに、環状チェーン41が回転駆動されるようになり、この環状チェーン41とともにリングソー4も回転駆動されるようになる。
[0032]
 衝撃付与手段6は、衝撃発生手段51として、例えば油圧ドリフタを備えており、この衝撃発生手段51は、リングソー4の切断刃21に対して進退自在な打撃用ロッド52を有している。なお、衝撃発生手段51としては、油圧ドリフタの他にエアドリフタ、油圧ブレーカ、エアブレーカ、バイブレータを用いても良い。また、打撃用ロッド52の先端部には、打撃力伝達体53が回転自在に取り付けられている。
[0033]
 そして、衝撃発生手段51が、リングソー4の外周側に設けられて、リングソー4の外周面に衝撃発生手段51の打撃用ロッド52による衝撃力を付与するとともに、円盤状に形成された打撃力伝達体53がリングソー4の切断刃21の間に当接しながら回転するようになっている。すなわち、リングソー4の外周部において、切断刃21、21間に形成された凹部に噛み合うように、打撃力伝達体53には、その外周に沿って複数の略半円形状の凸部54が設けられているのである。
[0034]
 装置本体2を構成するベース材11には、ガイド61と側面ガイドローラ62が設けられている。ガイド61は、上方にやや突出した円弧状の帯材からなり、駆動用のスプロケット46と従動用のプーリ47に巻き掛けされている環状チェーン41の位置に合わせてベース材11に立設されている。このガイド61は、環状チェーン41がチェーンの回転面に対して上方方向にずれるのを防止している。なお、図示しないカバー材にも上記と同様のガイドローラが設けられており、また上記支持体3の他端部は、図示しないカバー材によって支持されている。
[0035]
 側面ガイドローラ62は、2個の略環状のガイドローラ63をリングソー4の円周方向に沿うように並設して形成されている。この側面ガイドローラ62は、ベース材11と図示しないカバー材とにおいて、リングソー4の円周方向に沿うようにして3ヶ所ずつ設けられている。そして、リングソー4の両側面をこれら側面ガイドローラ62で挟み込むことによって、リングソー4が横振れするのを防止している。したがって、この側面ガイドローラ62によってリングソー4は安定した状態で回転することが可能になる。なお、側面ガイドローラ62の数、配置及び取付構造等は上記のように限定されず、リングソー4が横振れするのを防止できれば良い。
[0036]
 上記構成の切断装置1は、装置本体2の取付片12に設けられた一対の取付穴13を利用して、図1に示すように、油圧ショベル、バックホー等のショベル系掘削機32にアタッチメントとして取り付けられる。そして、ベース材11に取り付けられた駆動用のスプロケット46が図示しない油圧モータによって回転駆動されると、駆動用のスプロケット46と従動用のプーリ47に巻き掛けされている環状チェーン41が回転駆動されるとともに、支持ローラ3によって支持されているリングソー4も回転駆動する。そして、油圧ドリフタ51を駆動して、回転しているリングソー4に衝撃力を付与している。なお、支持ローラ3の数は、上記のように限定されず、複数本の支持ローラ3を用いることも可能で、要はリングソー4を切断進行方向に揺動可能に支持できれば良い。
[0037]
 このように、回転駆動されているリングソー4に衝撃発生手段51による衝撃力を、主として切断進行方向の後方に向けて付与し、切断刃21に強力なインパクトを与えることにより切断対象物31を破砕して、破砕した部分をはじき飛ばしながら切断することによって高速切断が可能になり、切断効率の向上を図ることが可能になる。また、この切断装置では、支持ローラ3をばね等の付勢手段10を介して支持することで、リングソー4の支持中心が定まりにくい構造、つまりリングソー4が振動し易い装置であるという特性を積極的に利用し、振動を防止するのではなく、これとは逆に衝撃振動力を積極的に付与することにより、また、リングソー4と環状チェーン41との噛み合いを確実にすることにより、切断性能の向上を図るようにしているのである。このことは逆にいうと、従来のようにリングソー4から切断対象物に作用する押圧力を調整する必要性がそれほど要求されないということであり、その結果、油圧ショベル、バックホー等に取り付けて使用する際に、その操作が容易になる利点も生じることになる。なお、図2において、矢線Aはリングソー4の回転方向、矢線Bは衝撃力付加方向、矢線Cは切断進行方向をそれぞれ示している。
[0038]
 また、リングソー4の刃先23には強靭で耐久性に優れている超硬チップが用いられて、その刃先23が埋設、固定され、頭部が基体22から突出した状態とされているので、刃先23の目つぶれや欠落等が起こり難くなり、刃先23の寿命も長くなることから、コスト低減を図ることが可能になり、経済面においても効果的である。したがって、刃先23の交換の手間等も軽減することが可能になり、長時間の連続した切断作業や長期に亘る切断作業への対応もし易くなる。
[0039]
 上記構成における切断装置は、主として油圧ショベル、バックホー等のショベル系掘削機にアタッチメントとして取り付けて利用するにおいて好適である。また、装置全体に強度を持たせることによって、大型の油圧ショベル、バックホー等に取り付けて切断作業専用機とすることも可能である。さらに、他の移動手段を設ければ、この切断装置を油圧ショベル、バックホー等に取り付けることなく、切断専用機とすることも可能である。
[0040]
 次に、図3乃至図6に基づいて、この発明の第2の実施形態について説明する。この実施形態においては、図3に示すように、衝撃付与手段6が、リングソー4の外周側に設けられて、リングソー4の内周部に打撃発生手段51の打撃用ロッド52による衝撃力を付与するとともに、打撃力伝達体53がリングソー4の内周面と摺接するようになっている。具体的には、図3及び図4に示すように、打撃発生手段51の打撃用ロッド52の先端部には、伝達ベース55が取り付けられるとともに、その伝達ベース55を介して一対の連結棒56が取り付けられている。そして、これら一対の連結棒56は、それら各先端部が軸部材57によって打撃力伝達体53に連結されている。すなわち、打撃力伝達体53が軸部材57の先端部に回動自在に軸止されている。また、この打撃力伝達体53は、リングソー4の内周面と摺接するようになっている。そして、打撃力伝達体53と、リングソー4の内周面との摺接部に潤滑油を供給するため、打撃用ロッド52の打撃発生手段51とのジョイント部から打撃力伝達体53のリングソー4の内周面との摺接部にわたって、打撃用ロッド52、伝達ベース55、連結棒56、軸部材57、打撃力伝達体53の内部を貫通して供給管59が穿設されている。
[0041]
 このリングソー4は、図5に拡大して示すように、略環状のリングソー本体20の外周先端部が、リングソー本体20の板厚より幅広の断面略菱形状の基体22として構成されており、基体22の両斜面には千鳥状に複数の穴58が設けられている。そして、これらの穴58に、超硬チップからなる棒状の刃先23を植設することによって、切断刃21として機能するようになっている。また、リングソー本体20の内周には、その内周に沿うようにして凸部24が設けられている。
[0042]
 打撃力伝達体53は、図3に示すように、略扇形に形成されており、その上面には貫通穴が突設されている。この貫通穴は、一対の連結棒56の端部を連結している軸部材57が挿通されるとともに、この軸部材57によって打撃力伝達体53が回転自在に軸止されている。また、打撃力伝達体53の円弧状の外周には、その外周に沿うように凹溝部50が設けられている。この打撃力伝達体53の外周に設けられた凹溝部50は、リングソー本体20の内周部に沿って設けられた凸部24に嵌合するようになっている。そして、打撃力伝達体53は、リングソー4と摺接することになる。リングソー4を回転駆動する際は、打撃力伝達体53とリングソー4を一段と円滑に摺動させるために、リングソー本体20の凸部24と打撃力伝達体53の凹溝部50との間に、打撃用ロッド52から打撃力伝達体53にわたって設けられた供給管59から潤滑油を供給塗布して、摺接部を油滑する。
[0043]
 このように、回転駆動されているリングソー4に衝撃発生手段51による衝撃力を、主として切断進行方向の後方に向けて付与し、切断刃21に強力なインパクトを与えることにより切断対象物31を破砕して、破砕した部分をはじき飛ばしながら切断することによって高速切断が可能になり、切断効率の向上を図ることが可能になる。また、この切断装置では、衝撃付与手段6をリングソー4の切断刃21よりも外側に配置して、リングソー4の内周に衝撃力を付与するようにしているので、装置本体2のスペースを有効に利用することが可能になる。また、リングソー4の内周に設けられた凸部24と打撃力伝達体53に設けられた凹溝部50とが係合するようになっているので、衝撃力を切断対象物に直接的、且つ効率良く付与することが可能になる。また、リングソー本体20の板厚より幅広の断面略菱形状の基体22を用いることによって、切断対象物とリングソー本体20の側面部との摩擦抵抗を軽減し、駆動部5から伝達された回転力をリングソー4の切断刃21に効率良く伝達することが可能となる。なお、第2の実施形態において、その他の構成及び効果は第1の実施形態と同様であり、図3乃至図6において、第1の実施形態と同様の機能を有する部材については同符号を付し、その説明を省略している。なお、図3において、矢線Aはリングソー4の回転方向、矢線Bは衝撃力付加方向、矢線Cは切断進行方向をそれぞれ示している。
[0044]
 また、図6に示すように、リングソー本体20の外周に沿うように狭幅の取付部25を設けると共に、基体22aに嵌合溝26を設け、基体22aをリングソー本体20に対して着脱可能としても良い。この場合、基体22aは、リングソー本体20の板厚より幅広な断面略五角形状に形成され、基体22aの両斜面には千鳥状に複数の穴58が設けられている。そして、これらの穴58に超硬チップからなる棒状の刃先23を植設することによって、切断刃21を構成している。
[0045]
 この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で多くの修正及び変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態において、駆動手段5としては、環状チェーン41が用いられているが、この環状チェーン41を環状ベルト等の環状帯を用いるようにしても良い。なお、この環状ベルトには、リングソー4の切断刃21や駆動用のスプロケット46の歯48と噛み合うように開口部又は凸部が設けられている。

産業上の利用可能性

[0046]
 以上のように本発明によれば、リングソーに強い衝撃力を与えながら回転させ、岩盤、石材、コンクリート等の切断対象物を破砕して、破砕した部分をはじき飛ばしながら切断することによって、容易に高速切断を行うことが可能になるとともに、バックホー等のショベル系掘削機にアタッチメントとして取り付けても、切断作業に際して高度な操作技術を要せず容易に切断作業を行うことができ、産業上の利用可能性は高い。

請求の範囲

[1]
切断刃(21)を備えたリングソー(4)と、このリングソー(4)をその中心軸周りに回転駆動する駆動手段(5)とを備えた切断装置において、装置本体(2)に取り付けられた支持体(3)に切断進行方向にリングソー(4)を揺動可能に支持し、回転中のリングソー(4)の切断刃(21)から切断対象物(31)に対して衝撃力を付与する衝撃付与手段(6)を設けたことを特徴とするリングソー付き切断装置。
[2]
衝撃付与手段(6)は、リングソー(4)に対して進退自在とされた打撃用ロッド(52)を有する油圧ブレーカ、エアブレーカ、油圧ドリフタ、エアドリフタ、バイブレータの何れかからなる衝撃発生手段(51)と、この衝撃発生手段(51)の打撃用ロッド(52)の先端部に回転自在に取り付けられると共に、リングソー(4)の外周部において、切断刃(21)の間に当接しながら回転する打撃力伝達体(53)とを備えた請求項1記載のリングソー付き切断装置。
[3]
衝撃付与手段(6)は、リングソー(4)に対して進退自在とされた打撃用ロッド(52)を有する油圧ブレーカ、エアブレーカ、油圧ドリフタ、エアドリフタ、バイブレータの何れかからなる衝撃発生手段(51)と、この衝撃発生手段(51)の打撃用ロッド(52)の先端部に回転自在に取り付けられると共に、リングソー(4)の内周部に摺接する打撃力伝達体(53)とを備えた請求項1記載のリングソー付き切断装置。
[4]
上記打撃力伝達体(53)とリングソー(4)との接触部に、潤滑剤を注入する請求項1乃至3のいずれかに記載のリングソー付き切断装置。
[5]
支持体(3)は、装置本体(2)に回転自在に取り付けられて、リングソー(4)の内周面を支持する支持ローラからなる請求項1乃至4のいずれかに記載のリングソー付き切断装置。
[6]
リングソー(4)は、リングソー本体(20)と、このリングソー本体(20)に対して着脱可能な基体(22a)に刃先(23)を取り付けてなる切断刃(21)とからなり、切断刃(21)は、その刃先(23)が超硬チップからなるとともに、基体(22a)に埋設、固定され、頭部が基体(22a)から突出した状態とされている請求項1乃至5のいずれかに記載のリングソー付き切断装置。
[7]
切断溝幅方向の厚さ寸法において、上記基体(22a)の厚さ寸法は、上記リングソー本体(20)の厚さ寸法よりも大きくしている請求項6記載のリングソー付き切断装置。
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上記駆動手段(5)は、環状チェーン(41)と駆動伝達用回転体(42)とから成り、上記支持ローラ(3)で上記リングソー(4)を支持した際に、上記支持ローラ(3)を環状チェーン(41)の方向に付勢する付勢手段(10)を設けた請求項5乃至7のいずれかに記載のリングソー付き切断装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]