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1. WO2009054117 - シリコン製造装置及び方法

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明 細 書

発明の名称 シリコン製造装置及び方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

発明の開示

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010  

発明の効果

0011  

図面の簡単な説明

0012  

発明を実施するための最良の形態

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217   0218   0219   0220   0221   0222   0223   0224   0225   0226   0227   0228   0229   0230   0231   0232   0233   0234   0235   0236   0237   0238   0239   0240   0241   0242   0243   0244  

産業上の利用可能性

0245  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25   26  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25   26   27   28   29   30   31   32  

明 細 書

シリコン製造装置及び方法

技術分野

[0001]
 本発明は、シリコン製造装置及び方法に関し、特に、反応管内の温度分布を側周面側よりも中心軸側の方が低くなるように設定したシリコン製造装置及び方法に関するものである。

背景技術

[0002]
 近年、いわゆる亜鉛還元法により四塩化珪素を亜鉛で還元して高純度のシリコンを得る製法は、その設備がコンパクトで消費エネルギーが小さく、かつ6-ナイン以上の高純度のシリコンが得られるものであるため、今後急速に需要が拡大するとされる太陽電池用シリコン等の製法として注目されてきている。
[0003]
 かかる亜鉛還元法を用いたシリコン製造技術に関しては、特開2002-234719号公報、特開2004-210594号公報及び特開2004-284935号公報が、所定の温度に保持された反応容器と蒸発槽とを設け、蒸発槽でガス化した亜鉛ガスを、温度制御しつつ、ガス供給管を介して反応容器に供給する構成を開示する。
[0004]
 更に、亜鉛還元法を用いたシリコン製造技術に関しては、特開2003-95633号公報及び特開2003-342016号公報が、反応生成ガスとの分離効率を改善し、収率を向上させるために、反応容器に別途シリコンの種結晶を供給して生成シリコンを大きく成長させる構成を開示する。

発明の開示

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、本発明者の検討によれば、そもそも亜鉛還元法においては、シリコンの原子量28.1に対して、塩化亜鉛の分子量は136.4であり、かつシリコン1原子に対して2分子の塩化亜鉛が生成されるため、つまり、シリコンの収量に対して約10倍の収量の塩化亜鉛が生成されるものであるため、還元反応による生成シリコンと生成ガスとの分離回収効率を向上させながら、シリコンの収率をも向上させるという製造技術の確立が重要な課題として挙げられるものである。かかる見地において、前述した公開公報が開示する亜鉛還元法を用いたシリコン製造技術では、装置構成の複雑化を排しながら、シリコンの収率を向上させるための還元反応の効率を向上し、同時に生成シリコンと生成ガスとの分離回収効率をも向上するという観点において、更なる改善の余地があるものと考えられる。
[0006]
 具体的には、本発明者の更なる検討によれば、特開2002-234719号公報、特開2004-210594号公報及び特開2004-284935号公報に開示される構成では、より還元反応効率を向上させるには、例えば、ガス化した亜鉛を凝縮することなく蒸発槽から反応容器に供給する構成を採用することが必要になる。このためには、蒸発槽から反応容器に至る亜鉛ガスの供給係を加熱する加熱ヒータを別途付加することが必要となり、装置構成が複雑化してしまう。
[0007]
 また、特開2003-95633号公報及び特開2003-342016号公報に開示される構成では、生成シリコンと生成ガスとの分離効率を向上させながら、シリコンの収率をも向上させることを企図したものではあるが、反応容器に別途シリコンの種結晶を供給して生成シリコンを成長させる構成のものである。よって、その装置構成は複雑であるし、自立的に核形成して反応容器の内表面に付着し析出したシリコンを回収することは困難であり、シリコンの回収率の向上にも限界が見られる。
[0008]
 本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、装置構成の複雑化を排しながら、シリコンの収率を向上させるための還元反応の効率を向上し、同時に生成シリコンと生成ガスとの分離回収効率をも向上することのできるシリコン製造装置及び方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009]
 上記課題を解決すべく、本発明の一局面では、鉛直方向に中心軸を有して立設され、亜鉛と珪素化合物とを反応させる反応管と、亜鉛を加熱して亜鉛ガスを生成する加熱部及び反応管内に亜鉛ガスを吐出して供給する亜鉛吐出部を有する亜鉛供給管と、亜鉛供給管内に亜鉛を投入する亜鉛投入部と、珪素化合物ガスが反応管内で下方から上方に流れるように、反応管内に珪素化合物ガスを吐出して供給する珪素化合物吐出部を有する珪素化合物供給管と、反応管の外方に配置されて加熱領域を画成し、亜鉛ガス及び珪素化合物ガスが流れる反応管内の温度分布を反応管の側周面の側よりも中心軸の側の方が低くなるように反応管の一部、加熱部及び亜鉛吐出部を加熱領域内に配置して加熱する加熱炉と、を備えるシリコン製造装置である。
[0010]
 また、本発明の別の局面では、鉛直方向に立設された反応管を、周囲に配置された加熱炉で加熱する工程と、反応管内に、亜鉛ガスを吐出して供給する工程と、珪素化合物ガスを、反応管の中心軸に沿って下方から上方に向かって吐出して供給する工程と、反応管の側周面側の温度よりも反応管の中心軸側の温度が低くなる反応管内の温度分布でもって、珪素化合物ガスを亜鉛ガスにより還元してシリコン粉を生成させる工程と、を備えたシリコンの製造方法である。

発明の効果

[0011]
 本発明のシリコン製造装置及び方法においては、装置構成の複雑化を排しながら、シリコンの収率を向上させるための還元反応の効率を向上し、同時に生成シリコンと生成ガスとの分離回収効率をも向上することができる。

図面の簡単な説明

[0012]
[図1] 本発明の第1の実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図。
[図2] 本発明の第2の実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図。
[図3] 本発明の第3の実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図。
[図4] 本発明の第4の実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図。
[図5] 本発明の第5の実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図。
[図6] 本発明の第6の実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図。
[図7] 本発明の第7の実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図。
[図8] 本実施形態における延出部の拡大断面図。
[図9] 本実施形態における延出部の拡大断面図。
[図10] 本実施形態における延出部の拡大断面図。
[図11] 本発明の第8の実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図。
[図12] 本発明の第9の実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図。
[図13] 本発明の第10の実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図。
[図14] 本字実施形態における亜鉛投入部の拡大断面図。
[図15] 本発明の第11の実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図。
[図16] 本発明の第12の実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図。
[図17] 本発明の第13の実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図。
[図18] 本発明の第14の実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図。
[図19] 本発明の第15の実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図。
[図20] 本発明の第16の実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図。
[図21] 本発明の第17の実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図。
[図22] 本発明の第18の実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図。
[図23] 本発明の第19の実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図。
[図24] 図23のA-A線による拡大断面図。
[図25] 図23のB-B線による拡大断面図。
[図26] 本発明の第20の実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図。
[図27] 図26のC-C線による拡大断面図。
[図28] 図26のD-D線による拡大断面図。
[図29] 本発明の第21の実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図。
[図30] 図29のE-E線及びF-F線による拡大断面図。
[図31] 図29のG-G線による拡大断面図。
[図32] 図29のH-H線による拡大断面図。

発明を実施するための最良の形態

[0013]
  以下、図面を適宜参照して、本発明の各実施形態におけるシリコン製造装置及び方法につき詳細に説明する。なお、図中、x軸、y軸及びz軸は、3軸直交座標系をなし、z軸が、その負方向に向いて重力が働く鉛直方向である。また、適宜、z軸の正方向を上方向と呼び、z軸の負方向を下方向と呼ぶ。
[0014]
 (第1の実施形態)
 まず、本発明の第1の実施形態におけるシリコン製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
[0015]
 図1は、本実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図である。
[0016]
 本実施形態におけるシリコン製造装置1Aは、図1に示すように、中心軸Cと同軸に鉛直方向に立設され、その内部で珪素化合物ガスに含有される珪素化合物と亜鉛ガスに含有される亜鉛とが還元反応を生じる反応管10と、中心軸Cと同軸に鉛直方向に立設され、反応管10を周囲(図1中、反応管10の径方向D)から加熱する加熱炉20と、反応管10内に亜鉛ガスを供給する一対の亜鉛供給管30と、亜鉛供給管30内に亜鉛を投入する亜鉛投入機構40Aと、反応管10内に珪素化合物ガスを供給する珪素化合物供給管50と、を備える。なお、珪素化合物は、典型的には、四塩化珪素である。
[0017]
 反応管10は、その上部10a及び下部10bの間に、z軸に平行な中心軸Cの回りで周壁をなす中央部10cを有する円筒状の部材である。かかる反応管10は、その上部10aで、亜鉛と珪素化合物とが反応した反応ガスを排気する排気口60を備え、その下部10bには、珪素化合物供給管50が連結されており、また、その中央部10cには、亜鉛供給管30の連結部30aが連絡されている。なお、反応管10は、石英ガラス製であり、その内径(図1中、径方向Dの内面間の距離)は、例えば、500mmである。
[0018]
 加熱炉20は、中心軸Cと同軸な円筒状であり、亜鉛供給管30は、かかる加熱炉20に囲われて鉛直方向に立設される。
[0019]
 かかる亜鉛供給管30は、反応管10と加熱炉20との間の空間を通って延在しており、反応管10の内部に対して開いた貫通口(亜鉛吐出口)を有すると共に反応管10の中央部10cに直接的に連結する連結部30aと、中心軸Cに平行に延在しながら連結部30aと亜鉛投入機構40Aとを連絡し、亜鉛投入機構40Aから投入された亜鉛を加熱して亜鉛ガスを得る加熱部30bと、亜鉛投入機構40Aが連絡する上部30cと、を備える。なお、かかる連結部30aは、亜鉛吐出部として機能する。また、以下の実施例における貫通口が設けられた各連結部は、亜鉛吐出部として機能する。
[0020]
 ここで「直接的に連結する」とは、接続部材無しで、直接、反応管10と亜鉛供給管30とが接続されていることを示す。かかる構成の場合、反応管10と亜鉛供給管30とは、一体構造となって並列して配置されているので、実質的には管径の大きな反応管と同等に考えられて、メンテナンス時の取付け、取外し等の手間が著しく増加することはない。更に、メンテナンス自体頻度が少ないこと、接続部材の構成の方がはるかに困難でコスト高であること、及び930℃以上の高温で十分に気密性を保持することができること等を考慮すれば、このように反応管10と亜鉛供給管30とを直接的に連結させる構成とした方が好ましい。
[0021]
 かかる亜鉛供給管30は、反応管10の中心軸Cについて軸対称に一対で配置されて、反応管10の周壁に対して、一対の連通部30aにおいて、中心軸Cについて軸対称に各々連絡している。亜鉛供給管30は、石英ガラス製であり、その内径(図1中、径方向Dの内面間の距離)は、例えば、200mmである。また、亜鉛供給管30の連結部30aの内径(図1中、径方向Dに直交するA方向の内面間の距離)は、例えば、100mmである。
[0022]
 また、亜鉛供給管30は、一対に限らず、中心軸Cの周りに複数設けられていることが好ましい。かかる構成とすることで、より多くの亜鉛を投入することができる。また、複数の亜鉛供給管30の各々の連結部30aは、反応管10の径方向Dで対向して配置されていることが好ましい。かかる構成とすることで反応管10内における亜鉛と珪素化合物との反応性を高めることができ、シリコンの収量を上げることができる。
[0023]
 また、反応管10の製作の容易さとメンテナンス性を考えれば、亜鉛供給管30は、反応管10の軸方向Dに単純に直接的に連結させた構成が好ましい。しかし、反応管10内のガス流を整えるために、連結部30aから、更に、配管を反応管10の内部へ延長してもよいし、更に亜鉛吐出口を、上下あるいは円周方向に複数設けてもよい。
[0024]
 また、亜鉛供給管30には、加熱部30bから連結部30aを越えて下方に延出した延出部30dが、設けられていることが好ましく、更に、この延出部30dは、加熱領域α内に設けられていることが好ましい。かかる延出部30dを設けることにより、亜鉛投入機構40Aから投入され加熱部30bでガス化されなかった亜鉛を一時的に溜めることができ、ここで溜められた溶融亜鉛を加熱炉20の熱により、蒸発させることができるため、亜鉛の蒸発量を高めることができる。
[0025]
 以上のように加熱炉20は、反応管10の周壁をなす中央部10c、並びに亜鉛供給管30の連結部30a及び加熱部30bの周囲で、それらを取り囲むように配置されて、反応管10の中央部10c、並びに亜鉛供給管30の連結部30a及び加熱部30bは、加熱炉20の加熱領域α内に設けられている。
[0026]
 ここで「加熱領域」とは、亜鉛還元法によりシリコンを製造するために、加熱炉20で加熱される加熱領域のことを指す。具体的には、反応管10及び亜鉛供給管30の周囲に配置された加熱炉20により囲繞された領域αを指す。
[0027]
 つまり、加熱炉20は、反応管10の中央部10cを加熱して反応管10内に供給されてくる珪素化合物ガス及び亜鉛ガスを加熱し、それらの間の還元反応を促進すると共に、亜鉛供給管30の連結部30a及び加熱部30bを同時に加熱する構成を備えている。加熱炉20による加熱温度は、反応管10内の亜鉛ガス及び珪素化合物ガスを930℃以上に加熱できる950℃以上1200℃以下の範囲であることが好ましい。加熱温度が950℃未満の場合、壁面での生成シリコンの析出を抑制することが困難である。一方で、加熱温度が1200℃を超えると、反応管10が石英ガラス管であるため軟化して好ましくない。好適には、加熱温度は、1000℃以上1200℃以下の範囲である。
[0028]
 かかる構成とすることで、亜鉛投入機構40Aから投入された亜鉛は、亜鉛供給管30の加熱部30bに達した時に、加熱炉20の熱でガス化され、亜鉛ガスの状態で、連結部30aを通り、反応管10内に吐出して供給される。そのため、亜鉛供給管30のみを加熱する加熱ヒータを別個設ける必要がなく、装置全体の簡素化が図れる。
[0029]
 このように、反応管10の下部10bから珪素化合物を導入し、その上方から亜鉛を導入するこの構成は、反応ガスの熱泳動の観点から、化学量論比が等しい反応、又は、珪素化合物が過剰である条件での反応に好適である。
[0030]
 亜鉛投入機構40Aは、亜鉛供給管30の上部30cに接続部81を介して連通された亜鉛投入管82と、亜鉛投入管82に固体(粉体)の亜鉛を重力により落下させて投入する亜鉛供給装置83と、を備える。また、接続部81、亜鉛投入管82及び亜鉛供給装置83は、各々加熱炉20の加熱領域α外に設けられている。かかる構成により、亜鉛供給管30に投入する亜鉛供給量を簡便かつ確実に制御することができ、装置全体の構成も簡素化される。なお、亜鉛ガス供給管30が複数設けられている場合、亜鉛導入装置83は、亜鉛供給管30毎に設けてもよく、又は1つの亜鉛供給装置83で、個々に異なる亜鉛導入量を設定できるような構成としてもよい。
[0031]
 また、加熱炉20の加熱領域α外に、接続部81を設けるため、接続部81に用いられる接続部材は、ある程度の耐熱性を備えていればよい。つまり、一般的に930℃以上の高温下で用いられる接続部材を用いるよりもはるかに低コストで製造することができる。また、加熱領域α外に延びた亜鉛投入管82に固体(粉体)亜鉛を投入するため、亜鉛投入管82への亜鉛の投入時においては、加熱炉20からの熱の影響がなく、亜鉛投入管82内で固体(粉体)が溶融して、管内の内壁に付着してしまう心配がない。なお、亜鉛投入機構40Aが、加熱炉20と同一の筐体内に配置される場合には、輻射熱の影響をうける可能性があるため、亜鉛投入管82の近傍に、図示を省略する冷却装置を配置してもよい。
[0032]
 反応管10の下部10bに連結される珪素化合物供給管50は、反応管10内で反応管10の中心軸Cと同軸に延在して、その先端に珪素化合物吐出口50aを有する。珪素化合物吐出口50aは、珪素化合物吐出部として機能し、そこからは、珪素化合物ガスが、中心軸Cの方向に沿って反応管10内に吐出して供給される。また、珪素化合物供給管50は、反応管10の外部で、接続部51を介して、珪素化合物導入管52及び珪素化合物ガス供給系53に連通されている。なお、一対の連通部30aの貫通口(亜鉛吐出口)からの亜鉛ガス吐出方向は、典型的には、珪素化合物吐出口50aからの珪素化合物ガス吐出方向に対して直交する関係にあるが、限定的なものではなく、珪素化合物ガス吐出方向に向きながら下方から上方に向くような方向であってもよい。また、以下の実施形態で、各珪素化合物吐出口は、珪素化合物吐出部として機能する。
[0033]
 反応管10の上部10aにおける排気口60には、排気管61が連通され、排気管61は、反応生成ガスから生成シリコンを分離する分離器62を介して、生成シリコンを蓄積するシリコン用リザーバ63と、排ガス系64に連通されている。
[0034]
 次に、本実施形態におけるシリコン製造装置1Aを用いたシリコンの製造方法について説明する。なお、かかる製造方法における一連の工程は、いずれも図示は省略するが、コントローラが必要な検出器から得られる検出値やデータベース等を参照しながら、所定のプログラムに沿って制御するものである。もちろん、必要に応じて、手動の工程が混在してもかまわない。
[0035]
  一対の亜鉛供給装置83から固体(粉体)の亜鉛を重力により落下させて、亜鉛投入管82に投入する。このように投入された亜鉛は、亜鉛供給管30内に進んで、亜鉛供給管30の上部30cに至る。ここで、亜鉛供給管30の連結部30a及び加熱部30bは、加熱炉20により亜鉛の沸点である930℃以上の高温に保持されており、投入された亜鉛は、重力により加熱部30bを自然落下しながらガス化する。ガス化された亜鉛は、連結部30aを通って、反応管10内に吐出して供給される。
[0036]
 一方で、珪素化合物ガスは、珪素化合物ガス供給系53から珪素化合物導入管52を通って、珪素化合物吐出口50aから、反応管10の中心軸Cに沿って上方に向かって吐出されて反応管10内に供給される。
[0037]
 ここで、珪素化合物として典型的に用いられる四塩化珪素ガスは、液化しない程度の温度、すなわち、沸点である57℃以上で100℃以下の範囲内の温度に、その供給経路(例えば、珪素化合物導入管52)において、ヒータ等(図示せず)により制御されることが好ましい。かかる温度が沸点未満である場合には、四塩化珪素ガスが液化し、十分な量の四塩化珪素ガスを反応管10内に供給することができない。一方、かかる温度が100℃を超える場合には、反応管10の中心軸Cに沿って上方に向かって吐出するガス流の温度が高くなり、反応管10内の温度分布が、側周面側よりも中心軸側の方が低くなるように制御することが困難となる。
[0038]
 つまり、このとき、珪素化合物ガスは、亜鉛ガスよりも相対的に低い温度を維持しながら、反応管10の中心軸Cに沿って上方に向かって吐出され、かつ、反応管10は、加熱炉20により外部から加熱されているため、反応管10内の中心軸C側の温度が、側周面側(中央部10c側)の温度よりも低くなるような温度分布、典型的には、反応管10の径方向Dにおいて側周面から中心軸Cへ向かって同心円状に温度が漸減するような温度分布を呈することになる。このように温度分布が設定された反応管10内では、珪素化合物が亜鉛によって還元され、シリコン粉と、塩化亜鉛とが生成される。なお、シリコン粉とは、微粉末状又は針状のシリコンを意味する。
[0039]
 具体的には、反応管10内において、吐出される亜鉛ガス流は、吐出される四塩化珪素ガスの流れに合流し、四塩化珪素ガス流の方向に偏向されるため、亜鉛ガス及び珪素化合物ガスは、共に反応管10の中心軸Cに沿って流れることになる。ここで、反応管10内における温度分布は、中心軸C側の温度が、側周面側の温度よりも低くなるように調整されているため、中心軸Cの近傍に還元反応の原料となる亜鉛及び珪素化合物を集中することができる。よって、反応管10の中心軸Cの近傍で、シリコン粉が析出して成長する。このとき、生成された微細なシリコンが、種結晶として働き、シリコン粉が大きく成長するのに寄与する。つまり、このように、反応管10内の側周面でシリコンが析出して付着することを防止しながら、中心軸C近傍で生成シリコン粉を効率よく成長させることができ、シリコン粉の収量及び分離回収率の向上が図られる。
[0040]
 以上の工程のように反応管10内への原料供給量並びに反応ガス温度、流速、吐出方向を調整することによって、生成シリコン粉は、例えば、径が数μmから数mmで長さが数十μmから数十mmのオーダーの針状に成長し、更に、これらの針状粒子が集合体となり、全体形状がウニ状に形成されるものもある。
[0041]
 このように生成されたシリコンと塩化亜鉛とは、反応管10の排気口60から排気管61を通って反応管10外に排気され、分離器62で互いに分離されて、シリコンはシリコン用リザーバ63に、塩化亜鉛は排ガス系64へ送られる。
[0042]
 なお、珪素化合物の反応管10内への吐出圧力を高めて流入を円滑にし、反応管10内での流速を適切に保持するために、不活性ガス又は還元性ガスのキャリアガスを珪素化合物ガスと混合させて、珪素化合物吐出口50aから反応管10内へ供給することが好ましい。より好ましくは、不活性ガスを用いる。かかるキャリアガスは、別途キャリアガス源(図示せず)を設けて、珪素化合物導入管54等に導入してもよい。なお、珪素化合物ガスに関する珪素化合物吐出方向は、典型的には、中心軸Cに平行な方向であるが、限定的なものではなく、珪素化合物ガスを下方から上方に流せるものであれば、中心軸Cに対して交差するような方向であってもよい。
[0043]
 かかる不活性ガスとしては、ヘリウムガス、ネオンガス又はアルゴンガスを用いることが好適である。還元性ガスとしては、水素ガスを用いることが好適である。なお、還元性ガスとしては、窒素ガスも考えられるが、窒素ガスは、生成されたシリコンが窒化されてしまうため好ましくない。
[0044]
 また、反応管10内へのキャリアガスの供給は、珪素化合物ガスと混合させず、別途反応管10の下部10bにキャリアガスのみを供給するキャリアガス供給管(図示せず)を連結させてもよい。
[0045]
 また、同様に、亜鉛供給管30内に、かかる不活性ガス又は還元性ガスを供給するキャリアガス供給装置(図示せず)が設けられていることが好ましい。これにより、亜鉛供給管30からの反応管10内への亜鉛ガスの流入を円滑にすることができる。
[0046]
 また、キャリアガスの反応管10内におけるガス量比(モル比)は、10%以上90%以下の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、25%以上80%以下の範囲である。ガス量比が10%未満であると、熱泳動が弱く、反応管10内の内壁面におけるシリコン等の析出を十分に抑制することができず好ましくない。一方で、ガス量比が、90%を超えると、原料濃度が薄くなりすぎてシリコン粒子が微細になりすぎ、大きいシリコン粉を生成することができず好ましくない。
[0047]
 以上の本実施形態におけるシリコン製造装置によれば、装置全体を簡素化しながら、シリコンの収率を向上させるための還元反応の効率を向上し、同時に生成シリコンと生成ガスとの分離回収効率をも向上することができる。
[0048]
 (第2の実施形態)
 次に、本発明の第2の実施形態におけるシリコン製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
[0049]
 図2は、本実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図である。
[0050]
 本実施形態におけるシリコン製造装置1Bは、第1の実施形態の構成に対して、珪素化合物供給管50が珪素化合物供給管50Aに置き換えられ、更に、反応管10の下部10bに、石英ガラス製の珪素化合物供給管54が設けられている点が異なり、残余の構成は同一である。よって、本実施形態においては、かかる相違点に着目して説明することとし、同一な構成については同一の符号を付して適宜説明を簡略化又は省略する。
[0051]
 具体的には、珪素化合物供給管50Aでは、珪素化合物を供給する珪素化合物吐出口50Aaが、一対の亜鉛供給管30の各連結部30aの位置よりも上方の加熱領域α内に配置されている。
[0052]
 また、珪素化合物供給管54では、珪素化合物を供給する珪素化合物吐出口54aが、一対の連結部30aの位置よりも下方の加熱領域α外に配置されている。かかる珪素化合物供給管54は、接続部55を介して、珪素化合物ガス導入管56に連通されている。
[0053]
 ここで、亜鉛供給管30の連結部30aと、珪素化合物吐出口54a、50Aaとが、反応管10の上方に向かって、珪素化合物吐出口54a、一対の連結部30a、珪素化合物吐出口50Aaの順で、多段に配置されている。
[0054]
 かかる構成を備えることで、種結晶を別途投入することなく、大きいシリコン粉を製造することができる。この理由を説明する。
[0055]
 珪素化合物供給管54から供給された珪素化合物は、上方の加熱領域α内に流れていき、上方の連結部30aから供給される亜鉛によって還元され、シリコン粉が生成される。このとき、供給される亜鉛の量が、珪素化合物吐出口54aから供給される珪素化合物の供給量より、化学量論的に過剰であるように調整されているので、ここで生成されたシリコン粉は、連結部30aから供給された未反応亜鉛と一緒に上昇していく。その後、珪素化合物供給管50Aの珪素化合物吐出口50Aaから供給される珪素化合物と未反応亜鉛との還元反応の際に、このシリコン粉が種結晶として働く。
[0056]
 そのため種結晶を別途投入することなく、大きいシリコン粉を製造することができるため、分離器62での分離効率が大きくなり、シリコン粉の回収率が上昇するため、安価なシリコンを製造することができるのである。
[0057]
 なお、珪素化合物吐出口54a、50Aaから供給される珪素化合物量と、連結部30aから供給される亜鉛の量との関係は、化学量論比に等しいか、又は珪素化合物の量が僅かに過剰であるように調整されていることが望ましい。こうすることによって、排気管61へ亜鉛ガスが流出し、この亜鉛が低温の管壁に付着することを防ぐことができる。
[0058]
 (第3の実施形態)
 次に、本発明の第3の実施形態におけるシリコン製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
[0059]
 図3は、本実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図である。
[0060]
 本実施形態におけるシリコン製造装置1Cは、第2の実施形態の構成に対して、珪素化合物供給管54が設けられておらず、反応管10の径方向Dに対向する一対の亜鉛供給管30の連結部30aが、反応管10の軸方向Aに対して異なる位置に配置された連結部30a1、30a2に置き換えられている点が異なり、残余の構成は同一である。ここで、珪素化合物吐出口50Aaが、一方の連結部30a1より上方で、かつ、他方の連結部30a2よりも下方の加熱領域α内に設けられている。よって、本実施形態においては、かかる相違点に着目して説明することとし、同一な構成については同一の符号を付して適宜説明を簡略化又は省略する。
[0061]
 具体的には、一対の亜鉛供給管30の連結部30a1、30a2と、珪素化合物吐出口50Aaとが、反応管10の上方に向かって、連結部30a1、珪素化合物吐出口50Aa、連結部30a2の順で、多段に配置されている。
[0062]
 以上のような構成を備えることで、第2の実施形態と同様に、種結晶を別途投入することなく、大きいシリコン粉を製造することができる。この理由を説明する。
[0063]
 連結部30a1から供給される亜鉛は、反応管10内を上昇していき、珪素化合物吐出口50Aaから供給される珪素化合物を還元して、シリコン粉を生成する。このとき、連結部30a1から供給される亜鉛の供給量が、珪素化合物吐出口50Aaから供給される珪素化合物の供給量より、化学量論的に少なくなるように調整されているので、ここで生成されたシリコン粉は、珪素化合物吐出口50Aaから供給され、連結部30a1から供給される亜鉛によって還元されなかった未反応珪素化合物と共に反応管10内を上昇していく。その後、連結部30a2から供給される亜鉛と、未反応珪素化合物との還元反応が起こる際に、このシリコン粉が種結晶として働く。
[0064]
 そのため種結晶を別途投入することなく、大きいシリコン粉を製造することができるため、分離部62での分離効率が大きくなり、安価にシリコンを製造することができる。
[0065]
 なお、珪素化合物吐出口50Aaから供給される珪素化合物量と、連結部30a1、30a2から供給される亜鉛の合計量との関係は、化学量論比に等しいか、又は珪素化合物の量が僅かに過剰であるように調整されていることが望ましい。こうすることによって、排気管61へ亜鉛ガスが流出し、この亜鉛が低温の管壁に付着することを防ぐことができる。
[0066]
 (第4の実施形態)
 次に、本発明の第4の実施形態におけるシリコン製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
[0067]
 図4は、本実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図である。
[0068]
 本実施形態におけるシリコン製造装置1Dは、第2の実施形態で説明した珪素化合物供給管50A及び珪素化合物供給管54と、第3の実施形態で説明した一対の亜鉛供給管30の連結部30a1、30a2とを備え、更に、石英ガラス製の珪素化合物供給管57が設けられている点が異なり、残余の構成は同一である。よって、本実施形態においては、かかる相違点に着目して説明することとし、同一な構成については同一の符号を付して適宜説明を簡略化又は省略する。
[0069]
 具体的には、珪素化合物供給管57は、珪素化合物供給管50に干渉しない範囲で、中心軸Cに近接して設けられ、珪素化合物を供給する珪素化合物吐出口57aを、連結部30a2の位置よりも上方の加熱領域α内に配置している。また、他の珪素化合物供給管と同様に、珪素化合物供給管57は、接続部58を介して、珪素ガス導入管59に連通されている。
[0070]
 ここで、一対の亜鉛供給管30の連結部30a1、30a2と、珪素化合物吐出口54a、50Aa、57aとが、反応管10の上方に向かって、珪素化合物吐出口54a、連結部30a1、珪素化合物吐出口50Aa、連結部30a2、珪素化合物吐出口57aの順で、多段に配置されている。
[0071]
 かかる構成とすることで、第2及び第3の実施形態で説明した反応を、より複数段階で起こすことが可能となるため、種結晶を別途投入することなく、大きいシリコン粉を製造することができるため、分離部62での分離効率が大きくなり、安価にシリコンを製造することができる。
[0072]
 なお、本実施形態でも、珪素化合物吐出口54a、50Aa、57aから供給される珪素化合物量と、連結部30a1、30a2から供給される亜鉛の合計量との関係は、化学量論比に等しいか、又は珪素化合物の量が僅かに過剰であるように調整されていることが望ましい。
[0073]
(第5の実施形態)
 次に、本発明の第5の実施形態におけるシリコン製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
[0074]
 図5は、本実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図である。
[0075]
 本実施形態におけるシリコン製造装置1Eは、第1の実施形態の構成に対して、反応管10の径方向Dに対向した一対の連結部30aが、反応管10の軸方向Aにも複数(図5では2つの連結管30a3、30a4)設けられている点が異なり、残余の構成は同一である。よって、本実施形態においては、かかる相違点に着目して説明することとし、同一な構成については同一の符号を付して適宜説明を簡略化又は省略する。
[0076]
 かかる構成を備えることで、種結晶を別途投入することなく、大きいシリコン粉を製造することができる。この理由を説明する。
[0077]
 珪素化合物吐出口50aから供給された珪素化合物は、反応管10内を上昇していき、一段目の一対の連結部30a3から供給される亜鉛によって還元され、シリコン粉が生成される。このとき、一対の連結部30a3から供給される亜鉛の供給量が、珪素化合物吐出口50aから供給される珪素化合物の供給量より、化学量論的に少なくなるように調整されているため、ここで生成されたシリコン粉は、珪素化合物吐出口50aから供給され、一段目の一対の連結部30a3から供給される亜鉛によって還元されなかった未反応珪素化合物と共に反応管10内を上昇していく。その後、二段目の一対の連結部30a4から供給される亜鉛と、未反応珪素化合物との還元反応が起こる際に、このシリコン粉が種結晶として働く。
[0078]
 そのため種結晶を別途投入することなく、大きいシリコン粉を製造することができるため、分離部62での分離効率が大きくなり、安価にシリコンを製造することができる。
[0079]
 なお、本実施形態でも、珪素化合物吐出口50aから供給される珪素化合物量と、連結部30a3、30a4から供給される亜鉛の合計量との関係は、化学量論比に等しいか、又は珪素化合物の量が僅かに過剰であるように調整されていることが望ましい。
[0080]
 (第6の実施形態)
 次に、本発明の第6の実施形態におけるシリコン製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
[0081]
 図6は、本の実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図である。
[0082]
 本実施形態におけるシリコン製造装置1Fは、第5の実施形態の構成に対して、珪素化合物供給管50が、珪素化合物供給管50cに置き換えられている点が異なり、残余の構成は同一である。よって、本実施形態においては、かかる相違点に着目して説明することとし、同一な構成については同一の符号を付して適宜説明を簡略化又は省略する。
[0083]
 具体的には、珪素化合物供給管50cは、反応管10の下部10bから上方に向けて加熱領域αまで延在しており、加熱領域α内では、反応管10の径方向Dの両方向に対して珪素化合物が吐出するように、珪素化合物供給管50cの径方向Dの両方向に一対の珪素化合物吐出口50ca1が設けられ、更に、軸方向Aにおいても、一対の珪素化合物吐出口50ca1と同様な一対の珪素化合物吐出口50ca2が設けられている。
[0084]
 更に、一対の珪素化合物吐出口50ca1、50ca2と連結部30a3、30a4とは、反応管10の径方向Dに対して、各々対応して対向するように配置されている。
[0085]
 かかる構成を備えることで、種結晶を別途投入することなく、大きいシリコン粉を製造することができる。この理由を説明する。
[0086]
 一対の珪素化合物吐出口50ca1から供給された亜鉛化合物は、径方向Dに対向して配置されている連結部30a3から供給される亜鉛によって還元されシリコン粉が生成される。このシリコン粉は、反応管10内を上昇していき、一対の珪素化合物吐出口50ca2から供給される珪素化合物と、径方向Dに対向して配置されている連結部30a4から供給される亜鉛との還元反応において、種結晶として働く。
[0087]
 そのため種結晶を別途投入することなく、大きいシリコン粉を製造することができるため、安価にシリコンを製造することができる。
[0088]
 なお、本実施形態では、珪素化合物吐出口50ca1、50ca2を一対としたが、反応管10の径が大きい場合等、例えば吐出口を120°ごとに3個設ける等、吐出口を反応管10の径方向Dに2個以上設けてもよい。これによって、反応管内での反応ガス分布の不均一を緩和することができる。
[0089]
 また、本実施形態でも、珪素化合物吐出口50ca1、50ca2から供給される珪素化合物量と、連結部30a3、30a4から供給される亜鉛の合計量との関係は、化学量論比に等しいか、又は珪素化合物の量が僅かに過剰であるように調整されていることが望ましい。
[0090]
 (第7の実施形態)
 次に、本発明の第7の実施形態におけるシリコン製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
[0091]
 図7は、本実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図である。
[0092]
 本実施形態におけるシリコン製造装置1Gは、第1の実施形態の構成に対して、シリコン用リザーバ63を、珪素化合物供給管50Bが連結された反応管10の下部10bの下方に設けたシリコン粉蓄積機構100に置き換えた点が異なり、残余の構成は同一である。よって、本実施形態においては、かかる相違点に着目して説明することとし、同一な構成については同一の符号を付して適宜説明を簡略化又は省略する。
[0093]
 具体的には、シリコン粉蓄積機構100は、2重ゲートバルブ102、103を有するロードロック構造で構成される。本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、反応管10内でシリコンの種結晶を生成し、これを成長させて大きくできる。このとき、反応管10への原料供給量を調整すると共に、反応管10内の反応ガスの流速を最適化すれば、成長して一定の大きさに達したシリコン粉が、反応管10内を降下するようにできる。このため上部ゲートバルブ102と、下部ゲートバルブ103との間の蓄積空間101に、反応管10内で生成し成長したシリコン粉が降下し蓄積される。この上部ゲートバルブ102と、下部ゲートバルブ103には、各々の開放、閉鎖を制御するゲートバルブ制御部CTが設けられている。
[0094]
 ゲートバルブ制御部CTは、反応管10内でのシリコンを生成中は、上部ゲートバルブ102を開放状態とし、下部ゲートバルブ103を閉鎖状態とする。これによって、下部ゲートバルブ103上の蓄積空間101に生成されたシリコン粉が自由落下により蓄積されていく。所定量下部デートバルブ103上にシリコン粉が蓄積されたのを、図示しないセンサーや目視にて確認した後で、上部ゲートバルブ102を閉鎖状態とし、下部ゲートバルブ103を開放状態として、蓄積されたシリコン粉を下方に落とす。
[0095]
 シリコン粉蓄積機構100の下方には、生成シリコン排出口24が設けられており、これによって反応管10から生成したシリコン粉を取り出すことが可能となる。
[0096]
 ここで、キャリアガスを含むガス全体の反応管10内でのガス流速は、亜鉛投入量、珪素化合物ガス吐出量、キャリアガス量等の制御により、生成シリコン粉が落下し堆積する程度、例えば、流速2.5cm/s程度に調整されることが好ましい。更に、亜鉛ガス吐出口30aから供給される高温の亜鉛ガス(キャリアガスを含む)のガス流速よりも、珪素化合物ガス吐出口50Baから供給される低温の四塩化珪素ガス(キャリアガスを含む)のガス流速の方が高いことが好ましい。
[0097]
 このように反応管10内へのガス供給状態を調整することにより、反応管10内の中心軸C側の温度が側周面側の温度よりも低くなるような温度分布を実現しやすくなり、また、亜鉛ガスが未反応のまま反応管10外に流出して、低温の排気管61の内壁に付着することも防止される。
[0098]
 また、亜鉛ガス供給管30の延出部30d内には、図8から図10に示すように、粒状の単結晶シリコン又は多結晶シリコンからなる熱吸収部材200が設けられることが好ましい。かかる構成とすることにより、亜鉛ガス供給管30の中間部30bでガス化されなかった亜鉛が、加熱炉20からの熱を吸収した延出部30dの熱吸収部材200によって、亜鉛のガス化が促進される。
[0099]
 図8から図10は、本実施形態におけるシリコン製造装置1Gの一対の亜鉛供給管30の各延出部30dを拡大した概略断面図である。
[0100]
 亜鉛投入機構40Aから投入される亜鉛の時間当たりの投入量が多くなると亜鉛が十分に加熱されず、亜鉛ガス発生量が大きくならない場合がある。そのために、第1の実施形態で説明したように、加熱部30bでガス化されなかった亜鉛を延出部30d内で一時的に溜め、加熱炉20の熱によりガス化させる構成とすることが好ましい。
[0101]
 しかしながら、例えば、亜鉛供給管30が石英ガラス等の絶縁部材で構成されている場合は、加熱炉20で発生する熱を十分に吸収できない場合があり、そのような場合に加え、亜鉛の時間当たりの投入量が多くなると、延出部30dを設けただけでは、亜鉛供給管30に投入した亜鉛のすべてを蒸発しきれない可能性がある。
[0102]
 そのため、かかる場合に、延出部30d内に、加熱炉20の熱を吸収する熱吸収部材200を設けることが好ましい。なお、熱吸収部材200は、単結晶シリコン又は多結晶シリコンで構成されていることが好ましい。更に、これらは表面を予備酸化して、シリコン酸化膜(二酸化シリコン)が形成された熱吸収部材200であることが好ましい。
[0103]
 熱吸収部材200は、図8に示す断面凹状のルツボ210、図9に示す球状又は楕円状の球体220、又は図10に示す粒体230で構成されている。
[0104]
 このように、熱吸収部材200を、延出部30d内に配置することで、単位時間当たりの亜鉛の投入量が多くなり、亜鉛供給管30の加熱部30bでガス化できなかった亜鉛においても延出部30dで確実にガス化することができるため、亜鉛ガス発生量を多くすることができる。
[0105]
 以上の本実施形態におけるシリコン製造装置では、反応管10内で生成したシリコンを重力による自由落下により反応管10内から取り出すため、分離器62が必要なく、装置全体の簡略化を図ることができる。
[0106]
 また、適宜開閉される二つのゲートバルブが設けられているので、反応管10内でシリコンを生成中でも、反応管10内を外気に開放することなく、生成シリコンを取り出すことができる。
[0107]
 また、熱吸収部材200が、延出部30d内に配置されているため、亜鉛を確実にガス化することができるため、亜鉛ガス発生量を多くすることができる。
[0108]
 (第8の実施形態)
 次に、本発明の第8の実施形態におけるシリコン製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
[0109]
 図11は、本実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図である。
[0110]
 本実施形態におけるシリコン製造装置1Hは、第2の実施形態の構成に対して、シリコン用リザーバ63を、珪素化合物ガス吐出口50Caを有する珪素化合物供給管50C、54が連結された反応管10の下部10bの下方に設けたシリコン粉蓄積機構100に置き換えた点が異なり、残余の構成は同一である。かかるシリコン粉蓄積機構100の構成は、第7の実施形態におけるものと同一である。よって、本実施形態においては、かかる相違点に着目して説明することとし、同一な構成については同一の符号を付して適宜説明を簡略化又は省略する。
[0111]
 以上の本実施形態におけるシリコン製造装置では、第7の実施形態と同様に、反応管10内で生成したシリコンを重力による自由落下により反応管10内から取り出すため、分離器62が必要なく、装置全体の簡略化を図ることができる。
[0112]
 また、適宜開閉される二つのゲートバルブが設けられているので、反応管10内でシリコンを生成中でも、反応管10内を外気に開放することなく、生成シリコンを取り出すことができる。
[0113]
 (第9の実施形態)
 次に、本発明の第9の実施形態におけるシリコン製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
[0114]
 図12は、本実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図である。
[0115]
 本実施形態におけるシリコン製造装置1Iは、第8の実施形態の構成に対して、シリコン粉蓄積機構100がシリコン粉蓄積取出機構150に置き換えられた点が異なり、残余の構成は同一である。よって、本実施形態においては、かかる相違点に着目して説明することとし、同一な構成については同一の符号を付して適宜説明を簡略化又は省略する。
[0116]
 具体的には、シリコン蓄積取出機構150は、反応管10内から重力により落下したシリコン粉を蓄積する蓄積部151と、蓄積したシリコン粉を加熱溶融する加熱部155と、蓄積したシリコンを反応管10外に排出する排出孔152と、排出孔152を介して排出され溶融シリコンを一時的に保留する保留部153とを有するシリコン取出部材154を備えるに加え、蓄積したシリコン粉を加熱溶融すべくシリコン取出部材154を囲んで加熱する加熱部155を備える。
[0117]
 かかる構成において、まず、反応管10内で生成したシリコンは、重力により反応管10内を落下していき、反応管10の下部10bの下方に設けられ、加熱部155で熱せられたシリコン取出部材154の蓄積部151で加熱溶融されると共に蓄積される。次に、所定量蓄積された生成シリコンは、排出孔152を介して保留部153に向け自重により押し出されて排出される。ここで、シリコン蓄積部151と保留部153は排出孔152で連結しているので、両者の溶融シリコン液面の高さは等しくなる。つまり、蓄積部151に落下した生成シリコン量に対応して、保留部153の液面が上昇するので、保留部153にオーバーフロー機構(図示せず)を設けておけば、自動的に生成シリコンを反応管外へ取り出すことができる。
[0118]
 シリコン粉取出部材154は、単結晶シリコン又は多結晶シリコンで構成されていることが好ましい。更に、これらは、予備酸化により表面にシリコン酸化膜(二酸化シリコン)が形成されていることが好ましい。かかる構成とすることで、加熱部155の熱をシリコン粉取出部材154が十分に吸熱することができ、効率的に生成シリコンを溶融状態とすることができる。
[0119]
 以上の本実施形態におけるシリコン製造装置では、反応管10内部は、溶融シリコンで外気と遮断されるため、蓄積部151に蓄積された生成シリコンを、反応管10内を外気に開放することなく、容易に取り出すことができる。
[0120]
 (第10の実施形態)
 次に、本発明の第10の実施形態におけるシリコン製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
[0121]
 図13は、本実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図であり、図14は、図13の亜鉛投入機構を拡大した概略断面図である。
[0122]
 本実施形態におけるシリコン製造装置1Jは、第1の実施形態の構成に対して、亜鉛投入機構40Aが、亜鉛投入機構40Bに置き換えられた点が異なり、残余の構成は同一である。よって、本実施形態においては、かかる相違点に着目して説明することとし、同一な構成については同一の符号を付して適宜説明を簡略化又は省略する。
[0123]
 具体的には、亜鉛投入機構40Bは、図13及び図14に示すように、反応管10と加熱炉20との間の空間を通って上方に延びた一対の亜鉛供給管30の上部30cに、各々の亜鉛供給管30と着脱自在に設けられた亜鉛投入部材70を備える。
[0124]
 亜鉛投入部材70は、周辺壁70aにより断面凹形状を有する液溜部70bと、液溜部70bの底部70cから上方に立ち上がり、周辺壁70aよりも高さが低い立上部70dと、立上部70dの上方から下方に貫通する貫通口70eとを備える。
[0125]
 液溜部70bは、溶融亜鉛を外部から供給し、かつ、一時的に溜めておく部分である。立上部70dは、液溜部70bに供給した溶融亜鉛をオーバーフロー方式の液溜部である。また、貫通口70eは、液溜部70bに供給され、立上部70dによってオーバーフローされた溶融亜鉛を、亜鉛供給管30に投入するために用いられるノズル機能を有する。
[0126]
 すなわち、亜鉛を亜鉛供給管30内に投入するには、亜鉛投入部材70の液溜部70bに溶融亜鉛を供給し、オーバーフロー方式で立上部70dを超えて、貫通口70eに溶融亜鉛を導き、貫通口70eから滴下する。かかる構成を備えることで、亜鉛供給管30に投入する亜鉛供給量を容易に制御することができる。
[0127]
 溶融亜鉛は、金属やセラミックとの反応性が高く、溶融亜鉛が亜鉛投入部材70から溶出した不純物によって汚染されたり、亜鉛投入部材70そのものが溶融亜鉛により腐食して破損してしまう傾向があるので、亜鉛投入部材70に用いる材料の選択は重要である。そのため、亜鉛投入部材70は、単結晶シリコン又は多結晶シリコンで構成されていることが好ましい。これらを用いる際は、予備酸化を行い、表面にシリコン酸化膜(二酸化シリコン)を形成しておくことが好ましく、かかる処理を施したシリコン部材は、溶融亜鉛の汚染や部材自身の腐食の心配がない。なお、亜鉛投入部材70は、石英製としてもよい。
[0128]
 かかる素材を用いることで、一対の亜鉛供給管30の内部からの放射熱により亜鉛投入部材70が随時加熱されるため、液溜部70bに一時的に溜まっている溶融亜鉛を固化させることがなく溶融(液体)状態で保持することができる。また、亜鉛供給管30の長さや配置によって、亜鉛投入部材70の加熱が不足する場合は、別途図示しない加熱機構を設けてもよい。
[0129]
 ここで、亜鉛投入部材70の貫通口70eの口径は、溶融亜鉛を亜鉛供給管30に滴下される際に詰らない程度の口径があることが好ましい。すなわち、貫通口70eの口径は、3mm以上の口径が好適である。口径を大きくしていくと、貫通口が詰まる心配はなくなるものの、亜鉛供給管30内での加熱が不完全になってしまうこともある。大きな亜鉛投入量が必要な場合には、図14に示すような大きな口径の単一貫通穴に代えて、亜鉛投入部材70に最適な口径を有する複数の貫通口を設け、亜鉛投入量を確保することが好ましい。
[0130]
 また、亜鉛投入部材70の液溜部70bに供給する亜鉛は、溶融亜鉛に限られない。亜鉛投入部材70が単結晶シリコン、多結晶シリコン又は石英で構成されている場合には、亜鉛供給管30から来る放射熱により亜鉛投入部材70が随時加熱されるため、固体(粉体)状態の亜鉛を液溜部70bに投入してもよい。
[0131]
 本実施形態におけるシリコン製造装置1Jを用いたシリコンの製造方法においては、亜鉛投入部材70の液溜部70bに溶融亜鉛を供給し、立上部70dを超えてオーバーフローさせた後、貫通口70eから溶融亜鉛を各々の亜鉛供給管30内に滴下させる。ここで、亜鉛供給管30の連結部30a、加熱部30bは、加熱炉20により亜鉛の沸点である930℃以上の高温に保持されており、滴下された溶融亜鉛は、重力により加熱部30bを自然落下しながら、ガス化する。ガス化した亜鉛は、連結部30aから吐出して、反応管10内に供給されることになる。そして、反応管10内では、珪素化合物が亜鉛によって還元され、微粉末状又は針状のシリコンと、塩化亜鉛とが生成されることになる。
[0132]
 以上の本実施形態におけるシリコン製造装置によれば、装置全体を簡素化しながら亜鉛供給量の制御性を向上すると共に、シリコンの収率を向上させるための還元反応の効率を向上し、同時に生成シリコンと生成ガスとの分離回収効率をも向上することができる。
[0133]
 (第11の実施形態)
 次に、本発明の第11の実施形態におけるシリコン製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
[0134]
 図15は、本実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図である。
[0135]
 本実施形態におけるシリコン製造装置1Kは、第1の実施形態の構成に対して、一対の亜鉛供給管30が、反応管10内に侵入する1つの亜鉛供給管30’に置き換えられた点が異なり、残余の構成は同一である。よって、本実施形態においては、かかる相違点に着目して説明することとし、同一な構成については同一の符号を付して適宜説明を簡略化又は省略する。
[0136]
 具体的には、反応管10の上部10aには、亜鉛供給管30’が、加熱領域α外で気密性を保持しながら連通して設けられている。つまり、亜鉛供給管30’は、反応管10の上部10aから反応管10内に侵入し、反応管10内において、中心軸Cよりも中央部10cの周壁側に近接した位置で、下方に向けて延在している。
[0137]
 かかる亜鉛供給管30’は、反応管10内に亜鉛を吐出する亜鉛吐出部として機能する亜鉛吐出口130aと、亜鉛吐出口130aの上方に設けられ、亜鉛投入機構40Aより投入された亜鉛を加熱する加熱部30bと、を備える。また、反応管10外に設けられた亜鉛供給管30’の上部30cは、亜鉛投入機構40Aに連絡する。ここで、亜鉛吐出口130a及び加熱部30bは、反応管10内で、加熱炉20によって加熱される加熱領域α内に設けられている。亜鉛供給管30’は、石英ガラス製であり、その内径(図15中、径方向Dの内面間の幅)は、例えば、200mmである。また、亜鉛供給管30’の亜鉛吐出口130aの開口径(図15中、径方向に直交するA方向周りの径)は、例えば、100mmである。なお、以下の実施形態において、各亜鉛吐出口は、亜鉛吐出部として機能する。
[0138]
 また、亜鉛供給管30’は、第1の実施形態と同様に、加熱部30bから連結30aを越えて下方に延出した延出部30dが、設けられていることが好ましい。亜鉛供給管30’の亜鉛吐出口130aは、図15に示すように、反応管10の径方向(図15中、径方向D)に複数(図15では2つ)設けられていることが好ましい。かかる構成とすることで、より多くの亜鉛を投入することができる。
[0139]
 本実施形態におけるシリコン製造装置1Kを用いたシリコンの製造方法においては、亜鉛供給装置83から固体(粉体)の亜鉛を重力により落下させて、亜鉛投入管82に投入する。このように投入された亜鉛は、接続部81を介して、亜鉛供給管30’内に進んで、亜鉛供給管30’の上部30cに至る。ここで、亜鉛供給管30’の亜鉛吐出口130a及び加熱部30bは、加熱炉20により亜鉛の沸点である930℃以上の高温に保持されており、投入された亜鉛は、重力により加熱部30bを自然落下しながらガス化する。ガス化された亜鉛は、亜鉛吐出口130aから吐出されて、反応管10内に供給される。そして、反応管10内では、珪素化合物が亜鉛によって還元され、微粉末状又は針状のシリコンと、塩化亜鉛が生成されることになる。
[0140]
 以上の本実施形態におけるシリコン製造装置によれば、装置全体を簡素化しながら、シリコンの収率を向上させるための還元反応の効率を向上し、同時に生成シリコンと生成ガスとの分離回収効率をも向上することができる。
[0141]
 また、亜鉛供給管30’は、反応管10の上部10aに連通して接続させただけの構成を備えているため、メンテナンス時においても容易に取り付け、取り外しが可能となる。
[0142]
 (第12の実施形態)
 次に、本発明の第12の実施形態におけるシリコン製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
[0143]
 図16は、本の実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図である。
[0144]
 本実施形態におけるシリコン製造装置1Lは、第11の実施形態の構成に対して、反応管10の径方向Dに複数設けられた亜鉛吐出口130a(図16中では、一対の亜鉛吐出口130a)に加え、反応管10の軸方向Aにも複数の亜鉛吐出口130a5(図16中では、一対の亜鉛吐出口130a5)設けられている点が異なり、残余の構成は同一である。よって、本実施形態においては、かかる相違点に着目して説明することとし、同一な構成については同一の符号を付して適宜説明を簡略化又は省略する。
[0145]
 かかる構成を備えることで、種結晶を別途投入することなく、大きいシリコン粉を製造することができる。この理由を説明する。
[0146]
 珪素化合物吐出口50aから供給された亜鉛化合物は、反応管10内を上昇していき、一段目の一対の亜鉛吐出口130aから供給される亜鉛によって還元され、シリコン粉が生成される。このとき、一段目の一対の亜鉛吐出口130aから供給される亜鉛の量が珪素化合物吐出口50aから供給される珪素化合物の供給量よりも化学量論的に少なくなるように調整されているため、ここで生成されたシリコン粉は、珪素化合物吐出口50aから供給され、一段目の一対の亜鉛吐出口130aから供給される亜鉛によって還元されなかった未反応珪素化合物と共に反応管10内を上昇していき、二段目の一対の亜鉛吐出口130a5から供給される亜鉛と、未反応珪素化合物との還元反応が起こる際に、このシリコン粉が種結晶として働く。
[0147]
 そのため種結晶を別途投入することなく、大きいシリコン粉を製造することができるため、安価にシリコンを製造することができる。
[0148]
 (第13の実施形態)
 次に、本発明の第13の実施形態におけるシリコン製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
[0149]
 図17は、本実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図である。
[0150]
 本実施形態におけるシリコン製造装置1Mは、第11の実施形態の構成に対して、更に、石英ガラス製の珪素化合物供給管90が設けられた点が相違点であり、残余の構成は同一である。よって、本実施形態においては、かかる相違点に着目して説明することとし、同一な構成については同一の符号を付して適宜説明を簡略化又は省略する。
[0151]
 具体的には、珪素化合物供給管90は、その珪素化合物吐出口90aが、反応管10内に設けられた亜鉛供給管30’の亜鉛吐出口130aの上方の位置に来るように配置されている。かかる珪素化合物供給管90は、接続部91を介して、珪素ガス導入管92及び珪素ガス供給系93に連通されている。
[0152]
 ここで、亜鉛供給管30’の亜鉛吐出口130aと、珪素化合物吐出口50a、90aとが、反応管10の上方に向かって、珪素化合物吐出口50a、一対の亜鉛吐出口130a、珪素化合物吐出口90aと、互いに、この順で多段に配置されている。
[0153]
 かかる構成を備えることで、第12の実施形態と同様に、種結晶を別途投入することなく、大きいシリコン粉を製造することができる。この理由を説明する。
[0154]
 珪素化合物吐出口50aから供給される珪素化合物は、反応管10内を上昇していき、1つの亜鉛供給管30’の一対の亜鉛吐出口130aから供給される亜鉛によって還元され、シリコン粉を生成する。このとき、亜鉛吐出口130aから供給される亜鉛の供給量が、珪素化合物吐出口50aから供給される珪素化合物の供給量より、化学量論的に過剰であるように調整されているため、ここで生成されたシリコン粉は、亜鉛吐出口130aから供給され、珪素化合物吐出口50aから供給された珪素化合物を還元しなかった未反応亜鉛と共に、反応管10内を上昇していき、この未反応亜鉛と珪素化合物吐出口90aから供給される珪素化合物との還元反応が起こる際に、シリコン粉が種結晶として働く。
[0155]
 そのため種結晶を別途投入することなく、大きいシリコン粉を製造することができるため、分離器62での分離効率が大きくなり、安価にシリコンを製造することができる。 
[0156]
 なお、珪素化合物吐出口50a、90aから供給される珪素化合物の合計量と、亜鉛吐出口130aから供給される亜鉛の合計量は、化学量論比に等しいか珪素化合物の量が僅かに過剰な方が望ましい。こうすることによって、排気管61へ亜鉛ガスが流出し、この亜鉛が低温の管壁に付着することを防ぐことができる。
[0157]
 (第14の実施形態)
 次に、本発明の第14の実施形態におけるシリコン製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
[0158]
 図18は、本実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図である。
[0159]
 本実施形態におけるシリコン製造装置1Nは、第12の実施形態の構成に対して、更に、珪素化合物供給管90、94が設けられた点が異なり、残余の構成は同一である。よって、本実施形態においては、かかる相違点に着目して説明することとし、同一な構成については同一の符号を付して適宜説明を簡略化又は省略する。
[0160]
 具体的には、珪素化合物供給管90は、その珪素化合物吐出口90aが、反応管10内に設けられた1つの亜鉛供給管30’の二段目の一対の亜鉛吐出口130a5の上方に来るように配置されている。また、珪素化合物供給管94は、その珪素化合物吐出口94aが、反応管10内に設けられた亜鉛供給管30’の一段目の一対の亜鉛吐出口130aより上方であり、二段目の一対の亜鉛吐出口130a5より下方に設けられている。
[0161]
 かかる珪素化合物供給管90は、接続部91を介して、珪素ガス導入管92及び珪素ガス供給系93に連通されている。また、珪素化合物供給管94は、接続部95を介して、珪素ガス導入管96及び珪素ガス供給系97に連通されている。
[0162]
 ここで、1つの亜鉛供給管30’の亜鉛吐出口130a、130a5と、珪素化合物吐出口50a、90a、94aとが、反応管10の上方に向かって、珪素化合物吐出口50a、亜鉛吐出口130a、珪素化合物吐出口94a、亜鉛吐出口130a5、珪素化合物吐出口90aの順で多段に配置されている。
[0163]
 かかる構成を備えることで、第12の実施形態と同様に、種結晶を別途投入することなく、大きいシリコン粉を製造することができる。すなわち、第12の実施形態で説明した種結晶の生成工程が、多段に行われることとなる。
[0164]
 そのため種結晶を別途投入することなく、大きいシリコン粉を製造することができるため、分離器62での分離効率が大きくなり、安価にシリコンを製造することができる。
[0165]
 なお、珪素化合物吐出口50a、90a、94aから供給される珪素化合物の合計量と、亜鉛吐出口130a、130a5から供給される亜鉛の合計量は、化学量論比に等しいか珪素化合物の量が僅かに過剰になるように調節されることが望ましい。こうすることによって、排気管61へ亜鉛ガスが流出し、この亜鉛が低温の管壁に付着することを防ぐことができる。
[0166]
 (第15の実施形態)
 次に、本発明の第15の実施形態におけるシリコン製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
[0167]
 図19は、本実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図である。
[0168]
 本実施形態におけるシリコン製造装置1Oは、第11の実施形態の構成に対して、珪素化合物供給管50が珪素化合物供給管54に置き換えられ、更に、分離器62及びシリコン用リザーバ63を、反応管10の下部10bの下方に設けたシリコン粉蓄積機構100に置き換えた点が異なり、残余の構成は同一である。かかる珪素化合物供給管54の構成は、第2の実施形態におけるものと同一で、シリコン粉蓄積機構100の構成は、第7の実施形態におけるものと同一である。よって、本実施形態においては、かかる相違点に着目して説明することとし、同一な構成については同一の符号を付して適宜説明を簡略化又は省略する。なお、本実施形態における珪素化合物供給管54の機能は、第11の実施形態における珪素化合物供給管50の機能と等価である。
[0169]
 本実施形態におけるシリコン製造装置では、第7の実施形態と同様に、反応管10内で生成したシリコンを重力による自由落下により反応管10内から取り出すため、分離器62が必要なく、装置全体の簡略化を図ることができる。
[0170]
 また、適宜開閉される二つのゲートバルブが設けられているので、反応管10内でシリコンを生成中でも、反応管10内を外気に開放することなく、生成シリコンを取り出すことができる。
[0171]
 (第16の実施形態)
 次に、本発明の第16の実施形態におけるシリコン製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
[0172]
 図20は、本実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図である。
[0173]
 本実施形態におけるシリコン製造装置1Pは、第15の実施形態の構成に対して、珪素化合物供給管54が珪素化合物供給管50Bに置き換えられ、更に、シリコン粉蓄積機構100がシリコン粉蓄積取出機構150に置き換えられた点が異なる。かかる珪素化合物供給管50Bの構成は、第7の実施形態におけるものと同一で、シリコン粉蓄積取出機構150の構成は、第9の実施形態におけるものと同一である。よって、本実施形態においては、かかる相違点に着目して説明することとし、同一な構成については同一の符号を付して適宜説明を簡略化又は省略する。なお、本実施形態における珪素化合物供給管50Bの機能は、第11の実施形態における珪素化合物供給管50の機能と等価である。
[0174]
 本実施形態におけるシリコン製造装置では、第9の実施形態と同様に、反応管10内部は、溶融シリコンで外気と遮断されるため、蓄積部151に蓄積された生成シリコンを、反応管10内を外気に開放することなく、容易に取り出すことができる。
[0175]
 (第17の実施形態)
 次に、本発明の第17の実施形態におけるシリコン製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
[0176]
 図21は、本実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図である。
[0177]
 本実施形態におけるシリコン製造装置1Qは、第11の実施形態の構成に対して、亜鉛投入機構40Aが、亜鉛投入機構40Bに置き換えられた点が異なり、残余の構成は同一である。かかる亜鉛投入機構40Bの構成は、第10の実施形態におけるものと同一である。よって、本実施形態においては、かかる相違点に着目して説明することとし、同一な構成については同一の符号を付して適宜説明を簡略化又は省略する。
[0178]
 本実施形態におけるシリコン製造装置では、第10の実施形態と同様に、亜鉛供給管30’に投入する亜鉛供給量を容易に制御することができる。
[0179]
 (第18の実施形態)
 次に、本発明の第18の実施形態におけるシリコン製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
[0180]
 図22は、本実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図である。
[0181]
 本実施形態におけるシリコン製造装置1Rは、第17の実施形態の構成に対して、亜鉛供給管30’が、複数設けられた点が異なり、残余の構成は同一である。よって、本実施形態においては、かかる相違点に着目して説明することとし、同一な構成については同一の符号を付して適宜説明を簡略化又は省略する。
[0182]
 亜鉛供給管30’は、図22に示すように、反応管10の径方向Dに複数(図22中では2個)設け、複数の亜鉛供給管30’の各々の一対の亜鉛吐出口130aは、亜鉛が反応管10の径方向Dに吐出するように配置される。また、いずれの亜鉛供給管30’も、反応管10内において、中心軸Cよりも中央部10cの周壁側に近接して配置されている。
[0183]
 また、反応管10内のガス流を整えるために、更に配管を延長して、亜鉛吐出口130aを、上下又は円周方向に複数設けてもよい。
[0184]
 本実施形態におけるシリコン製造装置では、より多くの亜鉛を反応管10内に投入することができる。
[0185]
 (第19の実施形態)
 次に、本発明の第19の実施形態におけるシリコン製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
[0186]
 図23は、本実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図である。図24は、図23のA-A線による拡大断面図であり、図25は、図23のB-B線による拡大断面図である。
[0187]
 本実施形態のシリコン製造装置1Sでは、第3の実施形態のシリコン製造装置1Cに対して、整流部材200(第1の整流部材)が設けられていることが相違点であり、残余の構成は同一である。よって、本実施形態においては、かかる相違点に着目して説明することとし、同一な構成については同一の符号を付して適宜説明を簡略化又は省略する。
[0188]
 図23に示すように、本実施形態におけるシリコン製造装置1Sは、反応管10内に整流部材200を備える。
[0189]
 具体的には、整流部材200は、石英製又はセラミック製であり、反応管10の中心軸Cと同軸に配置され、その軸を囲む周壁200aを有する円筒部材である。かかる整流部材200は、支持部材Mにより反応管10の中央部10cに支持されている。
[0190]
 なお、整流部材200の中心軸と反応管10の中心軸Cとの同軸性は厳密なものではない。つまり、珪素化合物ガスを、周壁200aで囲われた内部領域を経由させて、中央部10cの下方から上方に向けて所定の流速で流すことができ、かつ、亜鉛ガスを、周壁200aで偏向させることができる配置であれば、整流部材200の中心軸は、必ずしも反応管10の中心軸Cと同軸に配置されていなくともよく、例えば、かかる中心軸Cと平行に偏位させて配置してもかまわない。
[0191]
 一対の亜鉛供給管30は、反応管10の中心軸Cについて軸対称に配置されて、反応管10の中央部10cにおける周壁に対して、連結部30a1、30a2に対応して設けられた各亜鉛吐出口において、中心軸Cについて軸対称に各々連絡している。なお、以下、説明の便宜上、一対の連結部30a1、30a2の貫通口に対して、符号30a1、30a2を対応して付し、かかる一対の貫通口を亜鉛吐出口30a1、30a2として説明する。
[0192]
 亜鉛吐出口30a1(第2の亜鉛吐出口)は、珪素化合物吐出口50Aaよりも下方において、中央部10cにおける周壁に対して配置され、亜鉛吐出口30a2(第1の亜鉛吐出口)は、珪素化合物吐出口50Aaよりも上方において、中央部10cにおける周壁に対して配置される。また、亜鉛吐出口30a1からは、亜鉛ガスが、中心軸Cに直交する方向である亜鉛吐出方向S3(第3の吐出方向)に沿って吐出され、亜鉛吐出口30a2からは、亜鉛ガスが、中心軸Cに直交し、かつ亜鉛吐出方向S3とは反対方向である亜鉛吐出方向S2(第2の吐出方向)に沿って吐出される。
[0193]
 なお、ここでは、各々1つの亜鉛吐出口を有する2つの亜鉛供給管を軸方向位置を異ならせて軸対象に設けているが、充分に亜鉛ガス量が確保できるのもであれば配置や個数は限定的なものではなく、例えば、1つの亜鉛供給管が複数の亜鉛吐出口を有していてもよいし、同一の 軸方向位置に適宜の間隔を開けて複数個の亜鉛吐出口を配置してもかまわない。また、亜鉛ガスに関する亜鉛吐出方向S2、S3は、典型的には、珪素化合物ガスが、珪素化合物供給管50Aの珪素化合物吐出口50Aaから、下方から上方に向く方向に吐出される方向である珪素化合物吐出方向S1(第1の吐出方向)に対して直交する関係にあるが、限定的なものではなく、かかる亜鉛吐出方向S2、S3は、珪素化合物吐出方向S1に向きながら下方から上方に向くような方向であってもよい。
[0194]
 ここで、整流部材200と、珪素化合物供給管50A及び一対の亜鉛供給管30との配置関係、並びに吐出された珪素化合物ガス及び亜鉛ガスの流れにつき、詳細に説明する。
[0195]
 整流部材200と珪素化合物供給管50Aとの配置関係においては、図24及び図25に詳細に示すように、珪素化合物供給管50Aの珪素化合物吐出口50Aaが、整流部材200の周壁200aで囲われた内部領域を臨むように、整流部材200の下方に位置されている。
[0196]
 ここにおいて、整流部材200及び珪素化合物供給管50Aは、反応管10の中心軸Cと同軸に配置されており、珪素化合物ガスが、珪素化合物吐出口50Aaから中心軸Cの方向である珪素化合物吐出方向S1に沿って、反応管10の中央部10c内に下方から上方に向かって所定の吐出圧力で吐出され、中央部10cを流れて排気口60から排出されるように流れる。よって、吐出された珪素化合物ガスは、主として整流部材200の周壁200aで囲われた内部領域を経由して、中央部10cの下方から上方に向けて所定の流速分布で流れる。
[0197]
 更に、このように吐出されて下方から上方に流れる珪素化合物ガスの流れに起因して、反応管10内においては、下方から上方に向けて圧力が低下する圧力勾配が生じ、対応して、周壁200aとそれに対向する中央部10cとの間の領域やその下流域でも、下方から上方に向かって圧力が低下する圧力勾配が生じる。
[0198]
 整流部材200と亜鉛吐出口30a2との配置関係においては、図24及び図25に詳細に示すように、亜鉛吐出口30a2が、整流部材200の周壁200aに対向して位置される。更に、周壁200aとそれに対向する反応管10の中央部10cとの間の領域やその下流域における下方から上方に向かう圧力勾配をも考慮して、亜鉛吐出口30a2が、周壁200aに対しては、周壁200aの上方端20bよりも下方端20cに近い位置に配置されている。
[0199]
 かかる構成により、亜鉛ガスが、亜鉛吐出口30a2から亜鉛吐出方向S2に沿って、反応管10の中央部10c内に所定の吐出圧力で吐出されるため、吐出された亜鉛ガスは、整流部材200の周壁200aで囲われた内部領域を下方から上方に向けて所定の流速で流れる珪素化合物ガスの流速分布に実質的に影響を与えることなく、周壁200aで偏向される。
[0200]
 具体的には、吐出された亜鉛ガスは、図23に示す断面においては、周壁200aで下方及び上方に偏向され、図25に示す断面においては、周壁200aを囲うように中心軸Cの回りで右回り及び左回りに偏向される。ここにおいて、亜鉛吐出口40aが、周壁200aに対して下方端20cに近い位置に配置されているため、吐出された亜鉛ガスにおいては、周壁200aとそれに対向する中央部10cとの間の領域やその下流域における下方から上方に向かう圧力勾配による圧力を受けて、下方から上方に向かう流れが主体となる。
[0201]
 そして、このように下方から上方に向かう亜鉛ガスは、整流部材200の周壁200aで囲われた内部領域を経由して、下方から上方に向けて所定の流速で流れる珪素化合物ガスと、主として整流部材200の上方で合流する。
[0202]
 整流部材200と亜鉛吐出口30a1との配置関係においては、図24及び図25に詳細に示すように、亜鉛吐出口30a1が、珪素化合物供給管50Aに対向して位置されている。ここにおいて、亜鉛ガスが、亜鉛吐出口30a1から亜鉛吐出方向S3に沿って、反応管10の中央部10c内に所定の吐出圧力で吐出される。吐出された亜鉛ガスは、珪素化合物吐出口50Aaから吐出された珪素化合物ガスの下方から上方に向かう流れに起因して生じた下方から上方に向かって圧力が減少する圧力勾配による圧力を受けて、下方から上方に向かう流れとなる。
[0203]
 そして、このように下方から上方に向かう亜鉛ガスは、珪素化合物吐出口50Aaから吐出される珪素化合物ガスと合流して、主として整流部材200の周壁200aで囲われた内部領域を経由して上方に流れ、亜鉛吐出口30a2から吐出されて主として周壁200aとそれに対向する中央部10cとの間を流れてきた亜鉛ガスとも合流する。
[0204]
 よって、このように順次合流した珪素化合物ガス及び亜鉛ガスは、整流部材200の上方で拡散的に混合し、還元反応を起こしてシリコン粒子の集合体であるシリコン粉及び塩化亜鉛を生成しながら、更に反応管10の上方の排気口60に向かって流れていき、生成されたシリコン粉及び塩化亜鉛は、反応管10内の圧力による排出圧力を受けて、排気口60から反応管10外に排出される。なお、排気口60から排出されたシリコン粉及び塩化亜鉛は、各々分離され、シリコンが選択的に回収されることになる。
[0205]
 次に、以上の構成の本実施形態におけるシリコン製造装置1Sを用いたシリコン製造方法につき、詳細に説明する。
[0206]
 まず、加熱炉20により、加熱部30bにおいて亜鉛を沸点以上に加熱してガス化して、亜鉛ガスを生成する。生成された亜鉛ガスは、亜鉛吐出口30a2から反応管10の中心軸Cに直交する方向である亜鉛吐出方向S2に沿って、及び亜鉛吐出口30a1から反応管10の中心軸Cに直交する方向である亜鉛吐出方向S3に沿って、各々反応管10の中央部10c内に所定の吐出圧力で吐出される。
[0207]
 同時に、珪素化合物ガスは、珪素化合物吐出口50Aaから中心軸Cの方向である珪素化合物吐出方向S1に沿って、反応管10の中央部10c内に下方から上方に向かって所定の吐出圧力で吐出される。このように吐出された珪素化合物ガスは、主として整流部材200の周壁200aで囲われた内部領域を経由して、中央部10cの下方から上方に向けて所定の流速分布で流れ、反応管10内においては、下方から上方に向けて圧力が低下する圧力勾配を生じさせると共に、周壁200aとそれに対向する中央部10cとの間の領域やその下流域にも、下方から上方に向かって圧力が低下する圧力勾配を生じさせる。
[0208]
 ここで、下方の亜鉛吐出口30a2から反応管10の中央部10c内に吐出された亜鉛ガスは、中央部10cの下方から上方に向けて生じた圧力勾配によって、下方から上方に向かう流れとなる。そして、このように下方から上方に向かう亜鉛ガスは、珪素化合物吐出口50Aaから吐出される珪素化合物ガスと合流して、主として整流部材200の周壁200aで囲われた内部領域を経由して上方に流れる。
[0209]
 更に、上方の亜鉛吐出口30a2から反応管10の中央部10c内に吐出された亜鉛ガスは、整流部材200の周壁200aで囲われた内部領域を下方から上方に向けて所定の流速で流れる珪素化合物ガスの流速分布に実質的に影響を与えることなく、周壁200aをz軸回りに回り込みながら、周壁200aとそれに対向する中央部10cとの間等における下方から上方に向かう圧力勾配による圧力を受けて、下方から上方に向かう流れを主体として、周壁200aで偏向される。
[0210]
 このように主として整流部材200の周壁200aで囲われた内部領域を経由して下方から上方に向けて所定の流速で流れる珪素化合物ガス、周壁200aとそれに対向する中央部10cとの間を経由して下方から上方に向けて流れる亜鉛ガス、及び整流部材200の周壁200aで囲われた内部領域を経由して下方から上方に向けて流れる亜鉛ガスは、実質的に整流部材200の上方で合流し、拡散的に混合しながら、還元反応を起こしてシリコン粉及び塩化亜鉛を生成しながら、更に上方の反応管10の排気口60に向かって流れていく。
[0211]
 そして、このように生成されたシリコン粉及び塩化亜鉛は、反応管10内の圧力による排出圧力を受けて、排気口60から中央部10c外に排出され、各々分離されて、シリコンが選択的に回収されてシリコンを得ることができる。
[0212]
 以上の構成によれば、反応管10内に設けられ、第1の亜鉛吐出口30a2から第2の吐出方向S2に吐出される亜鉛ガスを偏向しながら、珪素化合物吐出口50Aaから第1の吐出方向S1に吐出される珪素化合物ガスが反応管10における下方から上方に向かって流れることを許容するような整流部材200を設けるという簡便な構成により、反応管10内のガス流の流速を実質規定する珪素化合物ガスの流れに不要な影響を与えることなく、亜鉛ガスを反応管10内に流すことができ、装置構成の複雑化を排しながら、シリコンの収率を向上させるための還元反応の効率を向上し、同時に生成シリコンと生成ガスとの分離回収効率をも向上することができる。
[0213]
 また、整流部材200を、反応管10の筒状部材内に収容されて周壁200aを有する筒状部材とすることにより、より確実に、第1の亜鉛吐出口30aから第2の吐出方向S2に吐出される亜鉛ガスを偏向しながら、珪素化合物吐出口50Aaから第1の吐出方向S1に吐出される珪素化合物ガスが反応管10における下方から上方に向かって流れることを許容することができる。ここに、より具体的には、整流部材200を、円筒部材とすることにより、簡便な構成でかかるガスの流れを実現できる。
[0214]
 また、珪素化合物吐出口50Aaが、整流部材200の周壁200aで囲われた領域を臨んで配置されることにより、珪素化合物ガスを、確実に整流部材200の周壁200aで囲われた領域を主として通過させることができる。
[0215]
 また、第1の亜鉛吐出口30a2が、整流部材200の周壁200aに対応して配置されることにより、確実に亜鉛ガスの流れを偏向することができる。より具体的には、第1の亜鉛吐出口30aが、整流部材200の周壁200aにおける下方部分に対向して配置されることにより、偏向される亜鉛ガスの流れに周壁200aの周囲で生じる圧力勾配による圧力を作用させて、より確実に亜鉛ガスを下方から上方に流して、珪素化合物ガスの流れと合流させることができる。
[0216]
 また、亜鉛供給管30が、更に、第1の亜鉛吐出口30a2に対して、反応管10における下方に配置される第2の亜鉛吐出口30a1を有し、かかる第2の亜鉛吐出口30a1は、珪素化合物吐出口50Aaよりも下方に配置されることにより、第2の亜鉛吐出口30a1から吐出される亜鉛ガスの流れによって、珪素化合物ガスの流れに不要な影響を与えることなく、反応管10内に下方から上方にわたる充分な量の亜鉛ガスを迅速に供給することができる。
[0217]
 (第20の実施形態)
 次に、本発明の第20の実施形態におけるシリコン製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
[0218]
 図26は、本実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図である。図27は、図26のC-C線による拡大断面図であり、図28は、図26のD-D線による拡大断面図である。
[0219]
 図26から図28に示されるように、本実施形態のシリコン製造装置1Tでは、第19の実施形態のシリコン製造装置1Sに対して、整流部材200が整流部材250に変更されていることが異なり、残余の構成は同一である。よって、本実施形態においては、かかる相違点に着目して説明することとし、同一な構成については同一の符号を付して適宜説明を簡略化又は省略する。
[0220]
 具体的には、整流部材250は、石英製又はセラミック製であり、反応管10の中心軸Cと同軸に配置され、支持部材Mにより反応管10の中央部10cに支持されていることは、第19の実施形態におけるものと同様であるが、その軸を囲む周壁250aが、反応管10における下方から上方に向かって径が減少する切頭円錐状である中空円錐台部材であることが異なる。なお、亜鉛吐出口30a2が、周壁250aに対しては、周壁250aの上方端250bよりも下方端250cに近い位置に配置されていることは、第19の実施形態におけるものと同様である。
[0221]
 このように整流部材250として中空円錐台部材を採用することにより、珪素化合物吐出口50Aaから中心軸Cの方向である珪素化合物吐出方向S1に沿って、反応管10の中央部10c内に下方から上方に向かって所定の吐出圧力で吐出された珪素化合物ガスが、主として周壁250aで囲われた内部領域を経由して、中央部10cの下方から上方に向けて流れる際に、下方から上方に向かって径が減少する切頭円錐状である周壁250aによってその流れが絞られて、整流部材250の上方において、珪素化合物ガスの流速が増大する。
[0222]
 更に、このように吐出される珪素化合物ガスの流れに起因して、周壁250aとそれに対向する中央部10cとの間の領域やその下流域に生じる下方から上方に向かって圧力が低下する圧力勾配も大きくなる。
[0223]
 ここで、亜鉛吐出口30a2から反応管10の中心軸Cに直交する方向である亜鉛吐出方向S4に沿って、反応管10の中央部10c内に所定の吐出圧力で吐出される亜鉛ガスは、図26に示す断面においては、周壁250aで下方及び上方に偏向され、図28に示す断面においては、周壁250aを囲うように中心軸Cの回りで右回り及び左回りに偏向されるものである。このように吐出された亜鉛ガスにおいては、周壁250aとそれに対向する中央部10cとの間やその下流域における下方から上方に向かう圧力勾配が大きくなるために、より大きな圧力を受けて、より速い流速でもって上方から下方に向かう流れが主体となる。更に、このように上方から下方に向かう亜鉛ガスは、下方から上方に向かって径が減少する切頭円錐状である周壁250aに沿うように流れるため、周壁250aで囲われた内部領域を経由して、下方から上方に向けて所定の流速で流れる珪素化合物ガスと、よりスムースに整流部材250の上方で合流する。
[0224]
 よって、本実施形態においても、主として整流部材250の周壁250aで囲われた内部領域を経由して下方から上方に向けて所定の流速で流れる珪素化合物ガス、主として周壁250aとそれに対向する中央部10cとの間を経由して下方から上方に向けて流れる亜鉛ガス、及び主として整流部材250の周壁250aで囲われた内部領域を経由して下方から上方に向けて流れる亜鉛ガスは、主として整流部材250の上方で合流し、還元反応を起こしてシリコン粉及び塩化亜鉛を生成しながら、更に上方の反応管10の排気口60から排出され、シリコンが選択的に回収されてシリコンを得ることができる。
[0225]
 従って、以上の構成によれば、整流部材250を、反応管10における下方から上方に向かって径が減少する中空円錐台部材とすることにより、整流部材250内を通過する珪素化合物ガスの流れを絞って流速を増大しつつ、それに起因して、偏向される亜鉛ガスの流れに下方から上方に向かわせる圧力勾配を与えて、よりスムースかつ確実に珪素化合物ガス及び亜鉛ガスを上方に流して合流させ、珪素化合物ガスと亜鉛ガスとの還元反応をより効率的に生じさせることができる。
[0226]
 (第21の実施形態)
 次に、本発明の第21の実施形態におけるシリコン製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
[0227]
 図29は、本実施形態におけるシリコン製造装置の概略断面図である。図30は、図29のE-E線による拡大断面図であり、便宜上符号等に括弧を付して、図29のF-F線による拡大断面図も示す。図31は、図29のG-G線による拡大断面図であり、図32は、図29のH-H線による拡大断面図である。
[0228]
 図29から図32に示されるように、本実施形態のシリコン製造装置1Uでは、第20の実施形態のシリコン製造装置1Tに対して、単一の珪素化合物供給管50Aの代わりに、上方の珪素化合物供給管300(第1の珪素化合物供給管)及び下方の珪素化合物供給管350(第2の珪素化合物供給管)という複数の珪素化合物供給管が、反応管10の中央部10cの下方の端部に連絡する構成に変更され、更に、上方の整流部材(第1の整流部材)250に加えて、下方の整流部材(第2の整流部材)400が付加されていることが相違点であり、残余の構成は同一である。よって、本実施形態においては、かかる相違点に着目して説明することとし、同一な構成については同一の符号を付して適宜説明を簡略化又は省略する。
[0229]
 具体的には、整流部材400は、下方に配置されていることを除き、上方の整流部材250と同様な構成及び配置である。つまり、整流部材400は、石英製又はセラミック製であり、反応管10の中心軸Cと同軸に配置され、その軸を囲む周壁400aが、反応管10における下方から上方に向かって径が減少する切頭円錐状である中空円錐台部材であり、支持部材Mにより反応管10の中央部10cに支持されている。
[0230]
 上方の珪素化合物供給管300及び下方の珪素化合物供給管350は、共に石英ガラス製であり、反応管10の中央部10c内では、反応管10の中心軸Cを挟むように互いに接触しながら延在して、中央部10c内で上方珪素化合物吐出口(第1の珪素化合物吐出口)300a及び下方珪素化合物吐出口(第2の珪素化合物吐出口)350aを各々有する。上方珪素化合物吐出口300aからは、珪素化合物ガスが、中心軸Cの方向である珪素化合物吐出方向S5に沿って反応管10内に吐出され、下方珪素化合物吐出口350aからは、珪素化合物ガスが、中心軸Cの方向である珪素化合物吐出方向S6に沿って反応管10内に吐出されて、反応管10内に充分な量の珪素化合物ガスが迅速に供給される。
[0231]
 また、かかる珪素化合物供給管300及び350は、反応管10の中央部10cの外部で、各々、接続部302及び352を介して、図示を省略する珪素化合物ガス源に連絡された珪素化合物導入管304及び354に連絡される。珪素化合物導入管304及び354は、図示を省略する珪素化合物ガス源に連絡される。かかる珪素化合物ガス源には、キャリアガスを供給自在に貯蔵してもよいし、別途キャリアガス源を設けていてもよい。
[0232]
 ここで、整流部材250及び400と、珪素化合物供給管300及び350と、亜鉛吐出口30a1及び亜鉛吐出口30a2と、の配置関係、並びに吐出された珪素化合物ガス及び亜鉛ガスの流れにつき、詳細に説明する。
[0233]
 整流部材250と珪素化合物供給管300との配置関係においては、図30及び図31に詳細に示すように、珪素化合物供給管300の珪素化合物吐出口300aが、整流部材250の周壁250aで囲われた内部領域内に位置されていることが、第20の実施形態の構成と実質的に異なる点である。なお、本実施形態では、整流部材250に対してその配管の半径に相当する距離だけx軸の正方向に偏位しているが、かかる偏位量は、整流部材250に対しては微小量であり、ここでは実質考慮する必要はない。
[0234]
 ここに、珪素化合物ガスが、周壁250aで囲われた内部領域内の珪素化合物供給300aから中心軸Cの方向である珪素化合物吐出方向S5に沿って、反応管10の中央部10c内に下方から上方に向かって所定の吐出圧力で吐出されるため、吐出された珪素化合物ガスは、より確実に整流部材250の周壁250aで囲われた内部領域を経由して、中央部10cの下方から上方に向けて所定の流速分布で流れる。もちろん、このように吐出される珪素化合物ガスの流れに起因して、中央部10c内においては、下方から上方に向けて圧力が低下する圧力勾配が生じると共に、周壁300aとそれに対向する中央部10cとの間にも、下方から上方に向かって圧力が低下する圧力勾配が生じる。また、かかる配置関係は、図30及び図32に詳細に示すように、整流部材400と珪素化合物供給管350との配置関係においても同様である。
[0235]
 整流部材250と亜鉛吐出口30a2との配置関係においては、第20の実施形態のおけるものと変わりはないが、珪素化合物供給管300の珪素化合物吐出口300aが、整流部材250の周壁250aで囲われた内部領域内に位置されているため、亜鉛吐出口30a2からの亜鉛ガスの吐出が、珪素化合物吐出口300aからの珪素化合物ガスの吐出に不要に干渉することは実質なくなる。
[0236]
 かかる相対的な配置関係は、亜鉛吐出口30a2が、整流部材250の周壁250aに対向して位置され、かつ珪素化合物吐出口300aが、整流部材250の周壁250aで囲われた内部領域内に位置されるという条件内で、自由に設定可能である。また、かかる配置関係は、図30及び図32に詳細に示すように、整流部材400と、亜鉛吐出口30a1と、珪素化合物吐出口350aと、の配置関係においても同様である。
[0237]
 よって、本実施形態においては、整流部材250の周壁250aで囲われた内部領域のみを経由して下方から上方に向けて流れる珪素化合物ガス、整流部材400の周壁400aで囲われた内部領域及び整流部材250の周壁250aで囲われた内部領域を順次経由して下方から上方に向けて流れる珪素化合物ガス、周壁250aとそれに対向する中央部10cとの間を経由して下方から上方に向けて流れる亜鉛ガス、及び周壁400aとそれに対向する中央部10cとの間を経由して整流部材250の周壁250aで囲われた内部領域を経由して下方から上方に向けて流れる亜鉛ガスは、実質的に整流部材250の上方で合流する。そして、還元反応を起こしてシリコン粉及び塩化亜鉛を生成しながら、更に上方の反応管10の排気口60から排出され、シリコンが選択的に回収されてシリコンを得ることができる。
[0238]
 従って、以上の構成によれば、整流部材が、反応管10における上方に配置される第1の整流部材250と、反応管10における下方に配置される第2の整流部材400と、を含み、亜鉛供給管は、更に、第1の亜鉛吐出口30a2に対して、反応管10における下方に配置される第2の亜鉛吐出口30a1を有し、第1の亜鉛吐出口30a2は、第1の整流部材250の周壁250aに対応して配置され、第2の亜鉛吐出口30a1は、第2の整流部材400の周壁400aに対応して配置されることにより、亜鉛吐出口を複数設けて反応管10内に充分な量の亜鉛ガスを供給した場合であっても、確実に亜鉛ガスの流れを偏向することができる。
[0239]
 また、珪素化合物吐出口が、反応管10における上方に配置される第1の珪素化合物吐出口300aと、反応管10における下方に配置される第2の珪素化合物口350aと、を含み、第1の珪素化合物吐出口300aは、第1の整流部材250の周壁250aで囲われた領域内に配置され、第2の珪素化合物吐出口350aは、第2の整流部材400の周壁400aで囲われた領域内に配置されることにより、珪素化合物吐出口を複数設けて反応管10内に下方から上方にわたる充分な量の珪素化合物ガスを迅速にできると共に、珪素化合物ガスを、確実に整流部材の周壁で囲われた領域を主として通過させることができる。
[0240]
 以上の実施形態において、第1の実施形態等で説明した亜鉛投入機構40Aと第10の実施形態等で説明した亜鉛投入機構40Bとは、原理的には置換可能であり、適宜、他の実施形態に適用してもよい。
[0241]
 また、第7の実施形態で説明した熱吸収部材200は、適宜、他の実施形態に適用可能である。
[0242]
 また、第7の実施形態等で説明したシリコン粉蓄積機構100及び第9の実施形態等で説明したシリコン粉蓄積取出機構150は、適宜、他の実施形態に適用可能である。
[0243]
 また、第7の実施形態等で説明したシリコン粉蓄積機構100及び第9の実施形態等で説明したシリコン粉蓄積取出機構150は、第1の実施形態等で説明した分離器62及びシリコン用リザーバ63と兼用して適用してもよい。かかる構成とすると若干装置が大型化されるが、生成した亜鉛の収集効率が上がるためより好ましい。
[0244]
 また、本発明においては、部材の種類、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。

産業上の利用可能性

[0245]
 以上のように、本発明においては、装置構成の複雑化を排しながら、シリコンの収率を向上させるための還元反応の効率を向上し、同時に生成シリコンと生成ガスとの分離回収効率をも向上することのできるシリコン製造装置及び方法を提供するものであり、その汎用普遍的な性格から、種々の電子デバイス等に適用できるシリコン材料を製造できるものと期待される。

請求の範囲

[1]
 鉛直方向に中心軸を有して立設され、亜鉛と珪素化合物とを反応させる反応管と、
 亜鉛を加熱して亜鉛ガスを生成する加熱部及び前記反応管内に亜鉛ガスを吐出して供給する亜鉛吐出部を有する亜鉛供給管と、
 前記亜鉛供給管内に亜鉛を投入する亜鉛投入部と、
 珪素化合物ガスが前記反応管内で下方から上方に流れるように、前記反応管内に珪素化合物ガスを吐出して供給する珪素化合物吐出部を有する珪素化合物供給管と、
 前記反応管の外方に配置されて加熱領域を画成し、亜鉛ガス及び珪素化合物ガスが流れる前記反応管内の温度分布を前記反応管の側周面の側よりも前記中心軸の側の方が低くなるように前記反応管の一部、前記加熱部及び前記亜鉛吐出部を前記加熱領域内に配置して加熱する加熱炉と、を備えるシリコン製造装置。
[2]
 前記加熱炉は、前記鉛直向に立設され、前記反応管の上部は、亜鉛と珪素化合物との反応生成ガスを排気する排気口を有し、前記反応管の中央部には、前記亜鉛供給管の前記亜鉛吐出部が配置され、前記反応管の下部には、前記珪素化合物供給管が連絡され、前記亜鉛供給管は、前記鉛直方向に立設され、前記亜鉛供給管の上部には、前記亜鉛投入部が連絡され、前記加熱領域は、前記反応管の前記中央部を含む請求項1に記載のシリコン製造装置。
[3]
 前記亜鉛吐出部は、前記亜鉛供給管の前記鉛直方向又は径方向に複数設けられる請求項1に記載のシリコン製造装置。
[4]
 前記亜鉛吐出部及び前記珪素化合物吐出部の少なくとも一方が、前記鉛直方向において複数設けられて多段の構成をなす請求項1に記載のシリコン製造装置。
[5]
 更に、前記反応管の下方に、上部ゲートバルブと、下部ゲートバルブと、前記上部ゲートバルブ及び前記下部ゲートバルブの間に画成され、前記反応管内で生成されたシリコン粉を自由落下により蓄積する蓄積空間と、前記上部ゲートバルブ及び前記下部ゲートバルブの各々の開閉動作を制御するゲートバルブ制御部と、を有するシリコン粉蓄積機構を備える請求項1に記載のシリコン製造装置。
[6]
 更に、前記反応管の下方に、前記反応管内で生成されたシリコン粉を溶融し蓄積する蓄積部、前記蓄積部に蓄積される溶融シリコンを前記反応管外に排出する排出孔、及び前記排出孔を介して排出されたシリコンを一時的に保留する保留部を含むシリコン取出部材と、前記シリコン粉取出部材を加熱する加熱部と、を有するシリコン粉蓄積溶融取出機構を備える請求項1に記載のシリコン製造装置。
[7]
 前記亜鉛投入部は、周辺壁によって断面凹形状を有して溶融亜鉛を溜める液溜部と、前記液溜部の底部から上方に立ち上がって前記周辺壁よりも高さが低い立上部と、前記立上部の上方から下方に貫通する貫通口と、を含む亜鉛投入部材を備え、前記亜鉛供給管の上部に着脱自在に設けられる請求項1に記載のシリコン製造装置。
[8]
 前記亜鉛投入部材は、単結晶シリコン製又は多結晶シリコン製である請求項7に記載のシリコン製造装置。
[9]
 前記亜鉛投入部は、前記亜鉛供給管の上部の前記加熱領域外に接続部を介して連絡された亜鉛投入管と、前記亜鉛投入管に固体亜鉛を自由落下させて投入する亜鉛供給装置と、を有する請求項1に記載のシリコン製造装置。
[10]
 前記亜鉛供給管は、前記亜鉛吐出部を越えて下方に延出し、前記加熱領域内に配置された延出部を有する請求項1に記載のシリコン製造装置。
[11]
 前記延出部は、前記加熱部で発せられた熱を吸収する熱吸収部材を有する請求項10に記載のシリコン製造装置。
[12]
 前記熱吸収部材は、単結晶シリコン製又は多結晶シリコン製である請求項11に記載のシリコン製造装置。
[13]
 前記亜鉛供給管は、前記反応管の外方に設けられて、前記反応管と前記加熱炉との間隙を延在し、前記亜鉛吐出部は、前記反応管の内部と連通する連通部である請求項1に記載のシリコン製造装置。
[14]
 前記亜鉛供給管は、前記反応管の内方に侵入して設けられて、前記反応管内を前記鉛直方向に延在し、前記亜鉛吐出部は、前記反応管の内部に開いた開口である請求項1に記載のシリコン製造装置。
[15]
 前記温度分布は、前記反応管の側周面から前記中心軸へ向かって同心円状に温度が漸減する請求項1に記載のシリコン製造装置。
[16]
 前記珪素化合物は、四塩化珪素であり、沸点以上100℃以下の温度で前記反応管に吐出される請求項1に記載のシリコン製造装置。
[17]
 更に、前記反応管内に配置された整流部材を備え、前記亜鉛吐出部は、第1の亜鉛吐出部を含み、珪素化合物は、前記珪素化合物吐出部から前記反応管内に第1の吐出方向に吐出しながら供給され、亜鉛は、前記第1の亜鉛吐出部から前記反応管内に第2の吐出方向に吐出しながら供給され、前記整流部材は、前記第1の亜鉛吐出部から前記第2の吐出方向に吐出される亜鉛ガスを偏向しながら、前記珪素化合物吐出部から前記第1の吐出方向に吐出される珪素化合物ガスが前記反応容器における下方側から上方側に向かって流れることを許容する請求項1に記載のシリコン製造装置。
[18]
 前記整流部材は、前記鉛直方向に立設された円筒部材又は前記鉛直方向に立設されて前記反応管における下方から上方に向かって径が減少する中空円錐台部材である請求項17に記載のシリコン製造装置。
[19]
 前記珪素化合物吐出部は、前記整流部材の周壁で囲われた領域を臨んで配置される請求項17に記載のシリコン製造装置。
[20]
 前記珪素化合物吐出部は、前記整流部材の周壁で囲われた領域内に配置される請求項17に記載のシリコン製造装置。
[21]
 前記第1の亜鉛吐出部は、前記整流部材の周壁に対応して配置される請求項17に記載のシリコン製造装置。
[22]
 前記第1の亜鉛吐出部は、前記整流部材の周壁における下方側部分に対向して配置される請求項21に記載のシリコン製造装置。
[23]
 前記亜鉛吐出部は、更に、前記第1の亜鉛吐出部に対して、前記反応管における下方に配置される第2の亜鉛吐出部を有し、前記第2の亜鉛吐出部は、前記珪素化合物吐出部よりも下方に配置される請求項17に記載のシリコン製造装置。
[24]
 前記整流部材は、前記反応管における上方側に配置される第1の整流部材と、前記反応管における下方側に配置される第2の整流部材と、を含み、前記亜鉛吐出部は、更に、前記第1の亜鉛吐出部に対して、前記反応管における下方側に配置される第2の亜鉛吐出部を有し、前記第1の亜鉛吐出部は、前記第1の整流部材の周壁に対応して配置され、前記第2の亜鉛吐出部は、前記第2の整流部材の周壁に対応して配置される請求項17に記載のシリコン製造装置。
[25]
 前記珪素化合物吐出部は、前記反応管における上方側に配置される第1の珪素化合物吐出部と、前記反応管における下方側に配置される第2の珪素化合物吐出部と、を含み、前記第1の珪素化合物吐出部は、前記第1の整流部材の周壁で囲われた領域内に配置され、前記第2の珪素化合物吐出部は、前記第2の整流部材の周壁で囲われた領域内に配置される請求項17に記載のシリコン製造装置。
[26]
 鉛直方向に立設された反応管を、周囲に配置された加熱炉で加熱する工程と、
 前記反応管内に、亜鉛ガスを吐出して供給する工程と、
 珪素化合物ガスを、反応管の中心軸に沿って下方から上方に向かって吐出して供給する工程と、
 前記反応管の側周面側の温度よりも前記反応管の中心軸側の温度が低くなる前記反応管内の温度分布でもって、珪素化合物ガスを亜鉛ガスにより還元してシリコン粉を生成させる工程と、
を備えたシリコンの製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]

[ 図 24]

[ 図 25]

[ 図 26]

[ 図 27]

[ 図 28]

[ 図 29]

[ 図 30]

[ 図 31]

[ 図 32]