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1. WO2009044597 - 高周波スパッタリング装置

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明 細 書

発明の名称 高周波スパッタリング装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

発明の開示

発明が解決しようとする課題

0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009   0010  

発明を実施するための最良の形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

図面

1A   1B   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

高周波スパッタリング装置

技術分野

[0001]
 本発明は、磁気ディスク駆動装置の磁気再生ヘッド、磁気ランダムアクセスメモリの記憶素子および磁気センサを製造する高周波スパッタリング装置及びその製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 絶縁膜MgOをトンネルバリア層としたトンネル磁気抵抗薄膜は室温で200%以上の巨大な磁気抵抗変化率を示すことから、再生用磁気ヘッドおよびMRAMの記憶素子への応用が期待されている。磁気ヘッドの高分解能化およびMRAMの高集積化のためにその素子サイズを小さくする要求があるが、データの高速転送を確保するためには接合抵抗を低くすることが必要不可欠である。トンネルバリア層MgOの膜厚を薄くすることで接合抵抗を下げることはできるが、同時に磁気抵抗変化率も低下してしまうという問題があった。MgO膜成長初期段階における結晶配向が乱れていたためと考えられる。
[0003]
 高周波スパッタリングはDCスパッタリングに比べプラズマ密度が高く、かつプラズマと接する構造物に対し容易にバイアス電圧がかかるため、基板に対しプラズマとの電位差で加速されたプラズマからの正イオンが流入しやすい。このエネルギーをもった正イオンの基板への流入はスパッタ原子の基板上での表面拡散を促進するため、高密度かつ高配向な膜を形成することができる。しかしながら、基板上バイアス電位が大きすぎる場合には、高エネルギー正イオンが成膜中の膜にダメージを与えるという問題が発生する。すなわち、高品質薄膜を形成するためには最適な基板電位の範囲が存在し、その制御が重要である。ここで、基板に絶縁膜が堆積していくにつれ基板の電位は徐々に変化することも考慮しなければならない。
[0004]
 特許文献1には、高周波スパッタリング装置における基板電極に設けられた可変抵抗の抵抗値を変更させることによって、アノード電極に対する基板電極の電位を変更することができる技術が開示されている。特許文献2には、基板とターゲットとの間に基板への入射粒子制御用の電極が設けられた高周波スパッタリング装置が開示されている。
[0005]
特許文献1 : 特開平9-302464号公報
特許文献2 : 特開平6-179968号公報

発明の開示

発明が解決しようとする課題

[0006]
 しかしながら、近年の半導体デバイスには、非常に薄い膜が要求されている。特に、磁気抵抗薄膜のトンネルバリア層に使用される結晶性絶縁膜のMgOの膜厚は非常に薄く、成長初期段階から高配向成長させなければならない。そのため、基板に絶縁膜が徐々に堆積することにより、変化してしまう基板バイアスを意図的に制御し、基板上でのスパッタ原子の表面拡散を促しつつかつダメージを与えるに至らないバイアス電位の範囲内に抑えることが重要である。本発明の目的は、基板電位を調整することで基板に対する自己バイアスの制御を行い、絶縁膜成長初期段階から良好な結晶配向を得ることで高い磁気抵抗変化率を保ちつつ低い接合抵抗を両立する磁気抵抗薄膜を作製することである。

課題を解決するための手段

[0007]
 上記目的を達成するために、本発明に従った高周波スパッタリング装置は、チャンバと、チャンバの内部を排気する排気手段と、チャンバ内にガスを供給するガス導入手段と、基板載置台を備える基板ホルダと、基板ホルダを回転させることが可能な回転駆動手段と、ターゲット載置台を備えるスパッタリングカソードであって基板載置台の表面とターゲット載置台の表面とが非平行となるように配置されることを特徴とするスパッタリングカソードと、基板ホルダ内部に設けられた電極と、電極と電気的に接続されており基板ホルダ上の基板電位を調整する可変インピーダンス機構を有することを特徴とする。基板ホルダに可変インピーダンス機構を設けることで、絶縁物成膜中のステージ電位を調整し最適化する。

発明の効果

[0008]
 本発明の可変インピーダンス機構により基板にかかる自己バイアスの大きさを制御する高周波スパッタリング装置によれば、高い磁気抵抗変化率を保ちつつ低い接合抵抗を両立する磁気抵抗薄膜を作製することができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1A] 本発明に従った高周波スパッタリング装置の第1の実施例を示す図である。
[図1B] 本発明に従った高周波スパッタリング装置を用いた成膜方法を示す図である。
[図2] 本発明に従った高周波スパッタリング装置の第2の実施例を示す図である。
[図3] 本発明に従った高周波スパッタリング装置の別の実施例を示す図である。
[図4] 本発明に従った高周波スパッタリング装置の第3の実施例を示す図である。
[図5] 本発明に従ったスパッタリング装置を含むマルチチャンバシステムの概略図である。
[図6] 本発明に従ったスパッタリング装置を用いて製造された磁気抵抗薄膜の概略図である。
[図7] 本発明に従ったスパッタリング装置を用いて形成されたMgO膜の膜厚と接合抵抗の関係を示した図である。
[図8] 本発明に従ったスパッタリング装置を用いて形成されたMgO膜の膜厚と磁気抵抗変化率の関係を示した図である。
[図9] 本発明に従ったスパッタリング装置を用いて形成されたMgO膜の接合抵抗と磁気抵抗変化率の関係を示した図である。

符号の説明

[0010]
1 高周波スパッタリング装置
3 基板ホルダ
4 可変インピーダンス機構
8 Vdc演算回路
9 インピーダンス制御部
10 入力検出器
11 高周波電源

発明を実施するための最良の形態

[0011]
<第1の実施形態>
 図1Aは、本発明の特徴を示す高周波スパッタリング装置1の模式図である。図1Aを参照して、本発明を適用できる高周波スパッタリング装置1の構成について説明する。
スパッタリング装置1は、スパッタリングカソード14a及び14bを備えており、カソード14a及び14bはそれぞれターゲット載置台を備えている。カソード14a及び14bのターゲット載置台には、ターゲット5a及び5bがそれぞれ搭載されている。本実施例においては、ターゲット5aは絶縁物MgOターゲットであり、ターゲット5bは金属Taターゲットであるが、ユーザの選択により適宜変更することは可能である。一方のカソード14aは、ブロッキングコンデンサ(不図示)を介して、高周波電源6と接続されている。高周波電源6は、接地されている。なお、ここでいう高周波電源6は、200~1000Wの電力を供給することができるものを言う。他方のカソード14bは、DC電源16に接続され、DC電源16は、接地されている。高周波スパッタリング装置1はさらに、スパッタリング処理が施される基板2を載置するための基板載置台を備えた基板ホルダ3と、ターゲット5から放出されるスパッタリング粒子が真空チャンバ17へ付着するのを防止するために、高周波スパッタリング装置1の側面に沿って設けられたメタルシールド7とを有している。カソード14a及び14bそれぞれのターゲット載置台の表面は、基板ホルダ3の基板載置台の表面に対して非平行に設置されている。ここでターゲット5a及び5bの直径は基板ホルダ3と同じか、または小さいことが好ましい。
[0012]
 基板ホルダ3には、基板ホルダ3を回転駆動する回転駆動部12が設けられている。基板ホルダ3内部に設けられた電極13には、可変インピーダンス機構4が電気的に接続されている。可変インピーダンス機構4は、コンデンサCやコイルLを組み合わせたインピーダンスマッチング回路を含む。また、可変インピーダンス機構4には、インピーダンス制御部9と、入力検出器10を介して高周波電源11とが接続されている。制御回路9と入力検出器10とは、電気的に接続されている。Arなどのガスは、ガス供給装置15によって、チャンバ17内部に供給される。図示してはいないが、スパッタリング装置1は、チャンバ17内部のガスを排気するためのガス排気手段も含んでいる。
[0013]
 図1Bを参照して、高周波スパッタリング装置を用いた成膜方法について説明する。
本実施形態において使用した高周波スパッタリング装置1において、適速度Vで回転する直径dの基板2は、回転数Vで回転している。基板2の中心法線Bに対して、スパッタリングカソード14に搭載されている直径Dのターゲット5(5a、5b)の中心軸線Aを角度θ傾けるようにして、スパッタリングカソード14及びターゲット5が設置されている。ターゲット5の中心軸線Aとターゲット5の交点、すなわちターゲット5の中心点をQとする。Qを通り、基板面と平行線が基板2の中心法線Bと交わる点をRとし、基板2の中心をOとすると、線分ORを距離Lと、線分RQをオフセット距離Fと定義することができる。基板2の直径dとターゲット5の直径Dの比率、角度θ、距離F、Lの数値を下記のように設定する。なお、図1Bにおいては、一つのターゲットしか記載していないが、ターゲット5は、図1Aで示すターゲット5aと5bを示すものである。ターゲット5aの表面とターゲット5bの表面は、図1Bに示すように、いずれも基板に向くように非平行に配置されている。
[0014]
 基板2の回転数Vは、V≦100rpm、角度θは、15度≦θ≦45度、距離Fは、50mm≦F≦400mm、距離Lは、50mm≦L≦800mmの条件を満たすように構成されており、以下の実施例においては、Vを100rpm、θを30度、Fを250mm、Lを346.6mmとした。
[0015]
 成膜中、真空チャンバ17内の圧力は、薄膜への不純物の混入なく成膜を行うため約10 -7Pa以下に維持される。ガス供給装置15より、真空チャンバ17内にArガスが導入され、高周波電源6より、カソード14aに高周波電力(10~100MHz)が印加されると、真空チャンバ17内にプラズマが発生する。プラズマから引き出されたArイオンがターゲット5aに衝突し、スパッタリング粒子として基板2上にMgO膜が形成される。なお、スパッタ中は、回転駆動部12により、基板ホルダ3は、所定の回転数(100rpm)で回転しているので、斜めスパッタ法を用いても、均質なMgO膜を作成することができる。
 上述したように、基板ホルダの表面とターゲットの表面が非平行に配置したり、上述した距離Lを所定距離以上離したりすることで、成膜レートを低減させ、極薄のMgO膜を的確に再現性よく成膜することができる。
[0016]
 上述したように絶縁物(MgO)ターゲット5aに高周波電力を印加してスパッタを行う際、フローティング電位にある基板ホルダ3は、プラズマの発生により、容易に負の電圧に帯電する。このため、基板2には、自己バイアスが作用し、プラズマからのAr正イオンがプラズマの正電位と基板の負電位の電位差により加速され、基板2へ流入するが、高品質極薄膜を形成するためにはそのバイアス電位に最適範囲が存在する。絶縁物であるMgOのスパッタ粒子がチャンバ内壁やシールド7や基板ホルダ3等に付着していくことで、プラズマ電位および自己バイアスが経時変化してしまうため、自己バイアス電位の最適範囲外のバイアス電位が発生する場合がある。この問題に対処すべく、本実施形態に係るスパッタリング装置1は、可変インピーダンス機構4を含む。
[0017]
 本発明の主要部である可変インピーダンス機構4を用いたマッチング方法を説明する。
基板ホルダ3内に設けられた電極13には、可変インピーダンス機構4が電気的に接続され、さらに可変インピーダンス機構4には、高周波電源11が接続されている。高周波電源11から基板ホルダ3に微小なバイアス電力が印加される。ここで、印加されるバイアス電圧は、成膜中の膜を破壊しないくらい小さな電力(好ましくは、1~10W、本実施形態では4W)である。この方法は、基板ホルダ3の基板載置台自体のフローティングポテンシャルでは十分なイオンアシストを得られない場合にバイアス電位を増加させる手段として有効である。
[0018]
 入力検出器10は、高周波電源11の入力波と、マッチングが取れず電力消費されなかった場合に生ずる反射波とを検出し、インピーダンス制御部9へ入力する。インピーダンス制御部9は、入力検出器から送られてくる入力波の値と、電極側からの反射波の値とに基づいて、可変インピーダンス機構4を制御する。より具体的には、インピーダンス制御部9は、可変インピーダンス機構4に含まれるインピーダンスマッチング回路のコンデンサC1、C2やコイルL1、L2の比率を適切に調整し、上述した反射波が検出されないように、可変インピーダンス機構4を制御する。なお、図1AにおいてはコンデンサC1、C2及びコイルL1、L2のみが図示されているが、コンデンサCとコイルLの選択及びその組み合わせは、実施態様により適宜設計変更することが可能である。反射波が検出されず、入力波のみが検出された場合は、可変インピーダンス機構4は、マッチングが取れている、つまり、シールドや基板ホルダにMgO膜が堆積することによりプラズマインピーダンスが変化したとしても、安定して基板上に自己バイアスを誘起できているものと判断する。
[0019]
 このように基板2にバイアス電力(電力進行波)を印加し、その反射波の検出に基づいて、可変インピーダンス機構4を制御することにより、自動マッチングを取ることができる。可変インピーダンス機構4により基板2の電位を調整することで、プラズマから流入する正イオンの入射エネルギーを最適化することができる。
[0020]
 高周波スパッタリング装置1には、機器全体(図5のマルチチャンバシステム400)が占有する床面積を小さくするため、MgOターゲットの他に、複数のターゲットが設けることがある。
 また、特願2007-34686号に示すように、MgO成膜において、真空チャンバ内の余分な酸素や水分を吸収するため、酸化性ガスに対するゲッタ効果がMgOより大きい物質をターゲットとして使用し、真空チャンバ内に成膜させる必要がある。ここで、いう酸化性ガスに対するゲッタ効果がMgOより大きい物質とは、Ta、Ti、Mg、Zr、Nb、Mo、W、Cr、Mn、Hf、V、B、Si、Al又はGeの以上からなる金属又は半導体である。
[0021]
 しかし、高周波スパッタリング装置1内でMgO以外のメタル膜(例えば、Ta)を成膜すると、MgO膜だけでなく、Ta膜もシールド7や真空チャンバ17内壁に付着してしまう。なお、ここでいうシールド7とは、真空チャンバ17へ膜が付着するのを防止するために設けられたもので、装置ユーザによって取替え可能である。シールド7の電位は、成膜処理枚数や複数の膜の付着により経時変化してしまう。これにより、膜の均質性及び均一性を損なうといった問題も生じるが、本発明の可変インピーダンス機構4を備えた高周波スパッタリング装置1を使用すれば、解決することができる。
[0022]
<第2の実施形態>
 図2を参照して、第2の実施形態に係る高周波スパッタリング装置の構成を説明する。
図2に示すように、基板2が載置されている基板ホルダ3内部には電極13が設けられている。電極13上には、プラズマからの流入電子を取り込むことによって電流値を検出する流入電子検出センサ(Vdc検出センサ)18が設けられている。この流入電子検出センサ18は、基板ホルダ3の内部に設けられた電極13が露出するように設けられた穴によって構成されており、プラズマ中の電子がこの穴から電極13に流入することによって、電子を検出するものである。
[0023]
 ここで、Vdcとは、グラウンドと基板の電位との電位差、すなわち、基板に印加された自己バイアスである。本実施形態の高周波スパッタリング装置には、流入電子検出センサ18から検出した電流値をVdcに換算する演算部8aを含む演算回路8と、演算回路8からのVdc信号を演算処理し、可変インピーダンス機構4のインピーダンスを制御するインピーダンス制御回路部9とが設けられている。可変インピーダンス機構4はコンデンサCやコイルLを組み合わせたインピーダンスマッチング回路を含み、基板ホルダ3内部に設けられた電極13に電気的に接続されている。第1の実施形態における高周波スパッタリング装置と異なり、基板ホルダ3側に接続した高周波電源を用いる必要はない。なお、図2においては、カソード14a、14b、高周波電源6、DC電源16、メタルシールド7、ターゲット5a及び5b、ガス供給装置15については、図示していないが、図1で示した高周波スパッタリング装置1と同様である。
[0024]
 本実施形態に係る高周波スパッタリング装置の動作を説明する。Vdc検出センサ18は、プラズマから電極13への流入電子を取り込み、電流値として検出する。検出された(高周波)電流値は、Vdc演算回路8のLC回路により直流成分のみ取り出され、オームの法則に基づいて演算部8aによってVdcが導出される。Vdc演算部8aにより計算されたVdcに基づいて、インピーダンス制御部9は、可変インピーダンス機構4を構成するコンデンサC1、C2やコイルL1、L2の比率を適切に調整し、Vdcを安定させるように可変インピーダンス4を調整する。すなわち、インピーダンス制御部9は、予め成膜材料毎、又その成膜材料により成膜された膜厚に応じて、最適なVdcがプログラムされており、Vdc演算部8aにより計算されたVdcを最適なVdcに調整するように、コンデンサC1、C2やコイルL1、L2の比率を調整することができる。
[0025]
 前述したように、基板2にメタル膜や絶縁膜が形成される度に、さらにそれらの膜の膜厚が変化する度に、基板の電位、すなわちVdcは、経時変化してしまう。Vdcが、均質な膜を作成できる範囲(A<Vdc<B)を超えてしまうと、高品質な膜を形成することができなくなってしまう。そこで、インピーダンス制御部9は、可変インピーダンス機構4を構成する可変コンデンサC1、C2の比率を適切に調整し、Vdcを、均質な膜を作成できる範囲(A<Vdc<B)内に設定できるようにしている。
なお、図2においてはコンデンサC1、C2及びコイルL1、L2のみが図示されているが、コンデンサCとコイルLの選択及びその組み合わせは、実施態様により適宜設計変更することが可能である。インピーダンスの変更により基板が大きな負の電位を持つようになれば、膜は流入イオンにより膜組織が破壊される。逆に、基板電位がグラウンドに近づきすぎると、イオンアシストが得られないため、スパッタ粒子の基板上における十分な表面拡散運動が得られない。その両者の間に最適インピーダンスが存在する。例えば、金属膜が堆積した基板にMgO膜を成膜する場合、成膜初期の極薄MgO膜が大きなキャパシタンスとして働き、大きなバイアス電位が発生し、そこに高エネルギーをもって流入する正イオンにより膜組織が破壊されることがある。本実施形態に示すように、Vdc等の放電パラメータをモニタリングし自動でフィードバックをかけてインピーダンスを最適化させることができれば、導電性基板2や導電性シールド7に徐々に絶縁膜が堆積することで経時変化する基板電位、すなわちVdcを最適な電位に調整することができる。
[0026]
 なお、Vdcを測定するために、必ずしもVdc検出センサ18、およびVdc演算回路8を設けなくてもよく、別の方法としては、真空チャンバ内にプローブを挿入して、Vdcを測定してもよい。
[0027]
 さらに、図3に示す高周波スパッタリング装置は、図1に示す高周波スパッタリング装置と、図2に示す高周波スパッタリング装置を組み合わせたものである。すなわち、図3に示す高周波スパッタリング装置の電極13上には、図2と同様に、基板ホルダ3の内部に設けられた電極13が露出するように設けられた穴によって構成された流入電子検出センサ(Vdc検出センサ)18が設けられている。電極13は、図2と同様に構成された演算回路8を介して、図1と同様に構成された高周波電源11と電気的に接続されている。こうすることで、イオンアシストをして機能するバイアス電力を制御したり、インピーダンスを制御したりすることにより、自己バイアスVdcを、高品質な膜を作成できる範囲(A<Vdc<B)内に設定できるようにしている。それ以外の構成は、図1に示す高周波スパッタリング装置と同様である。
[0028]
<第3の実施形態>
 図4を参照して、第3の実施形態に係る高周波スパッタリング装置の構成を説明する。本実施形態においても、基板ホルダ3上には基板2が載置されており、基板ホルダ3内部に設けられた電極13に、コンデンサC1、C2及びコイルL1、L2を含む可変インピーダンス機構4が電気的に接続されている。可変インピーダンス機構4は、接地されている。なお、図3においては、真空チャンバ17、カソード14a、14b、高周波電源6、DC電源16、メタルシールド7、ターゲット5a及び5b、ガス供給装置15等については、図示していないが、図1で示した高周波スパッタリング装置1と同様である。
なお、図4においてはコンデンサC1、C2及びコイルL1、L2のみが図示されているが、コンデンサCとコイルLの選択及びその組み合わせは、実施態様により適宜設計変更することが可能である。高周波電源11、演算部8などがなくても、装置ユーザがインピーダンス可変機構4を構成するコンデンサC1、C2やコイルL1、L2の比率を適切に調整するだけでセルフバイアス(基板上のVdc)を変化させることができる。ただし、この場合は放電パラメータ検出機構ならびにフィードバック回路が無いため、実験的な膜性能の傾向を把握するに留まる。
[0029]
<第4の実施形態>
 前述した高周波スパッタリング装置1を含む、トンネル磁気抵抗薄膜を作製するためのマルチチャンバシステム400の概略構成図を、図5に示す。マルチチャンバシステム400はクラスタ型であり、複数の真空処理室411、421、431、441及び451を備えている。真空搬送ロボット482a及び482bが備えられた真空基板搬送室481が中央位置に設置されている。真空搬送ロボット482a及び482bは、伸縮自在なアーム483a及び483bと基板を搭載するためのハンド484a及び484bとを備えている。アーム483a及び483bの基端部は真空基板搬送室481に回転自在に取り付けられている。図5に示すマルチチャンバシステム400の真空基板搬送室481には、ロードロックチャンバ465及び475が設けられている。ロードロックチャンバ465及び475によって、外部からマルチチャンバシステム400に処理対象の基板を搬入すると共に、磁性多層膜の成膜処理が終了した基板をマルチチャンバシステム400から外部へ搬出する。真空基板搬送室481とロードロックチャンバ465及び475それぞれの間には、両チャンバを隔離し、かつ必要に応じて開閉自在なゲートバルブ490f及び490gが設けられている。図5に示すマルチチャンバシステム400では、真空基板搬送室481の周囲に、4つの成膜チャンバ411、421、431及び451と、1つの前処理チャンバ441とが設けられている。真空基板搬送室481と処理チャンバの間には、両チャンバを隔離し、かつ必要に応じて開閉自在なゲートバルブ490a乃至eがそれぞれ設けられている。なお各チャンバには真空排気手段、ガス導入手段、電力供給手段、等が付設されているが、それらの図示は省略されている。図5に示すマルチチャンバシステム400のスパッタリング成膜チャンバ411、421、431及び451の各々は、磁気抵抗素子を構成する複数の膜を同じチャンバ内で連続して成膜するための成膜チャンバであり、1つの成膜チャンバに少なくとも1つのターゲットとスパッタリングカソードが設けられている。
[0030]
 スパッタリングチャンバ411では、チャンバ底部中央の基板ホルダ412上に配置された基板413に対して、天井部にTaのターゲット414a、MgOのターゲット414bがおのおの図示しないスパッタリングカソードを介して設置されている。なおスパッタリングチャンバ411は、図5に示すように、ターゲット414c及び414dも搭載可能であり、実施形態に応じて適宜使用することも可能である。真空基板搬送室481とスパッタリングチャンバ411の間には、両チャンバを隔離し、かつ必要に応じて開閉自在なゲートバルブ490eが設けられている。
[0031]
 スパッタリングチャンバ421においては、チャンバ底部中央の基板ホルダ422上に配置された基板423に対し、天井部にRuのターゲット424a、IrMnのターゲット424b、70CoFeのターゲット424c及びCoFeBのターゲット424dが、おのおの図示しないスパッタリングカソードを介して設置されている。なおスパッタリングチャンバ421は、図5に示すように、ターゲット424eも搭載可能であり、実施形態に応じて適宜使用することが可能である。真空基板搬送室481とスパッタリングチャンバ421の間には、両チャンバを隔離し、かつ必要に応じて開閉自在なゲートバルブ490dが設けられている。
[0032]
 スパッタリングチャンバ431においては、チャンバ底部中央の基板ホルダ432上に配置された基板433に対し、Taのターゲット434a及びCuのターゲット434bが、おのおの図示しないスパッタリングカソードを介して設置されている。なおスパッタリングチャンバ431は、図5に示すように、ターゲット434c、434d及びターゲット434eも搭載可能であり、実施形態に応じて適宜使用することが可能である。真空基板搬送室481とスパッタリングチャンバ431の間には、両チャンバを隔離し、かつ必要に応じて開閉自在なゲートバルブ490cが設けられている。
[0033]
 前処理チャンバ441においては、チャンバ底部中央の基板ホルダ442上に配置された基板443に対し、物理的エッチングにより成膜前の基板のクリーニング等の前処理が行われる。真空基板搬送室481と前処理チャンバ441の間には、両チャンバを隔離し、かつ必要に応じて開閉自在なゲートバルブ490bが設けられている。
[0034]
 スパッタリングチャンバ451においては、チャンバ底部中央の基板ホルダ452上に配置された基板453に対し、天井部にCoFeBのターゲット454a、Taのターゲット454b、Cuのターゲット454c及びRuのターゲット454dが、おのおの図示しないスパッタリングカソードを介して設置されている。なおスパッタリングチャンバ451は、図5に示すように、ターゲット454eも搭載可能であり、実施形態に応じて適宜使用することが可能である。真空基板搬送室481と成膜チャンバ451の間には、両チャンバを隔離し、かつ必要に応じて開閉自在なゲートバルブ490aが設けられている。
[0035]
 ロードロックチャンバ465及び475を除く全てのチャンバは、1×10 -6 Pa以下の真空室であり、各真空室間の基板の移動は、真空搬送ロボット482a及び482bによって真空中にて行われる。スピンバルブ型のトンネル磁気抵抗薄膜を形成するための基板は、初め大気圧にされたロードロックチャンバ465又は475に配置され、ロードロックチャンバ465又は475を真空排気した後、真空搬送ロボット482a及び482bによって所望の真空室に搬送される。
[0036]
 基本的な膜構成は、図6に示すように、熱酸化処理基板501上に、下部電極層としてTa 膜502(50Å)/CuN膜503 (200Å)/Ta膜504 (30Å)/CuN膜505(200Å)/Ta膜506 (30Å)、シード層としてRu膜507(50Å)、反強磁性層としてIrMn膜508(70Å)、磁化固定層としてCoFe膜509 (25Å)/Ru膜510(9Å)/CoFeB膜511 (30Å)からなる反強磁性結合体を用い、トンネルバリア層としてMgO膜512(10~16Å)を用いる。磁化自由層としてはCoFeB膜513(30Å)を成膜する。最後に上部電極としてTa膜514(80Å)/Cu膜515 (300Å)/Ta膜516 (50Å)/Ru膜517(70Å)の積層構造を使用する。
[0037]
 そのような膜構成を効率的に成膜するために、スパッタリングチャンバ411にはトンネルバリア層用MgOと清浄雰囲気作製用Taを、スパッタリングチャンバ421にはRu、 IrMn、 CoFe、 CoFeBを、スパッタリングチャンバ431にはTa、Cuを、スパッタリングチャンバ451にはCoFeB、 Ta、 Cu、 Ruを、スパッタリングリングターゲットとして配置する。初めに、基板を前処理チャンバ441に搬送し、逆スパッタエッチングにより、大気中で汚染された表面層の約2 nmを物理的に除去し、その後、スパッタリングチャンバ431に搬送して、Ta 膜502、CuN膜503、Ta膜504、CuN膜505及びTa膜506からなる下部電極層まで成膜する。その後、スパッタリングチャンバ421に移動してRu膜507からなるシード層ならびにIrMn膜508、CoFe膜509、Ru膜510、CoFeB膜511からなる反強磁性結合層を、スパッタリングチャンバ411に搬送してトンネルバリア層MgO膜512(膜厚は10~16Å)を成膜する。ここで、前述した斜めスパッタリング法を利用して、トンネルバリア層MgO膜512を成膜することによって、膜厚10~16Åの非常に薄いMgO膜を得ることができる。トンネルバリア層形成後、スパッタリングチャンバ451に搬送して、CoFeB膜513からなる磁化自由層ならびにTa膜514、Cu膜515、Ta膜516及びRu膜517からなる上部電極層を成膜して、ロードロックチャンバ465又は475に帰す。
[0038]
 作製したトンネル磁気抵抗薄膜は、磁場中アニール炉に入れ、強さ8kOe以上の一方向に平行な磁場を印加しながら、真空中にて所望の温度と時間でアニール処理を行う。このようにして完成した磁気抵抗薄膜を図6に示している。トンネルバリア層512がMgO膜である磁気抵抗薄膜を、マルチチャンバシステム400を用いて成膜する際、MgOトンネルバリア層512を、図1に示す高周波スパッタリング装置1で形成することにより高性能の磁気抵抗薄膜を得ることができる。
[0039]
 図6に示すトンネル磁気抵抗薄膜を用いて、例えば再生用磁気ヘッド、MRAM、磁気センサといったMTJデバイスを製造することが可能である。
[0040]
 図5に示したマルチチャンバシステム400を用い、さらにMgOトンネルバリア層512を図1に示した高周波スパッタリング装置1内で形成することで、図6のトンネル磁気抵抗薄膜500を作製する際、高周波スパッタリング装置1の可変インピーダンス機構4を変化させてその性能を比較した。接合抵抗はMgOトンネルバリア層512の膜厚により変化させた。図7乃至図9の、a)は、高周波電源からの電力供給を行わず、可変インピーダンス機構内のキャパシタンスC1/C2比を固定した場合の測定結果を示しており、b)は、高周波電源からの電力供給を行わず、可変インピーダンス機構内のキャパシタンスC1/C2比をa)とは異なる値に固定した場合の測定結果を示しており、c)は、図2に示した第2の実施例における可変インピーダンス機構自動調整の場合の測定結果を示している。b)の場合は、a)の場合と比較して、負荷側インピーダンスの内のキャパシタンス成分がより大きくなるように設定した。
[0041]
 図7は、MgO膜厚(Å)と接合抵抗(RA) (Ω・μm )の関係を示したグラフであり、MgO膜厚を薄くすることでRAを小さくすることが可能であることが示されている。a)及びb)は、可変インピーダンス機構内のキャパシタンス比C1/C2比を固定した場合、c)は可変インピーダンス機構内のキャパシタンス比C1/C2比を自動調整した場合の、測定結果を示している。b)の場合は、a)の場合と比較して、負荷側インピーダンスの内のキャパシタンス成分がより大きくなるように設定した。a)乃至c)いずれの場合にも、MgO膜厚の低減に伴ってRAも低減するが、c)の場合には、a)及びb)の場合と比較して、同一のMgO膜厚のもとで、より高いRAが得られた。このことは、c)の場合、即ち可変インピーダンス機構内のキャパシタンス比C1/C2比を自動調整しつつ製作されたMgO膜は、キャパシタンス比を固定するa)及びb)の場合と比較して、膜質が改善されていることを意味している。膜質は、MgO膜に含まれる欠陥の量、その粗密等により決せられ、膜質が良好であれば、より大きなRAを得ることが出来る。b)の場合は、a)の場合と比較して、負荷側インピーダンスの内のキャパシタンス成分がより大きく、基板上の負の電位が大きくなるため、Arイオンが高エネルギーを持って膜中に流入し、膜組織を破壊、性能の劣化を引き起こしたものと考えられる。
[0042]
 図8はMgO膜厚と磁気抵抗変化率(MR比)の関係を示したグラフであり、a)乃至c)いずれの場合にも、MgO膜厚の低減に伴ってMR比も低減することが示されている。a)及びb)は、可変インピーダンス機構内のキャパシタンス比C1/C2比を固定した場合、c)は可変インピーダンス機構内のキャパシタンス比C1/C2比を自動調整した場合の、測定結果を示している。b)の場合は、a)の場合と比較して、負荷側インピーダンスの内のキャパシタンス成分がより大きくなるように設定した。a)乃至c)いずれの場合にも、15~16Åの範囲では約250%とMR比に差が現れないが、それ以下の薄膜領域においてMR比に大きく差が現れた。C1/C2比を自動調整させたc)の場合、膜厚の変化にかかわらず、a)及びb)と比較して、最も高いMR比を維持することができている。さらに、a)及びb)の場合にはMR比が得られない薄い膜厚であっても、c)の場合には、MR比を得ることが出来る。例えばMgO膜厚が約11Åの場合には、a)及びb)の場合には、MR比が得られないのに対して、c)場合には150%程度のMR比が得られている。これは、基板電位を常に最適値へ調整することにより基板へ流入する正イオンのエネルギーを制御し、ダメージなく高品質なMgO膜を成長初期段階から形成できたためである。
[0043]
 図9は接合抵抗(RA)と磁気抵抗変化率(MR比)の関係を表したグラフであり、a)乃至c)いずれの場合にも、RAの低減に伴ってMR比も低減することが示されている。a)及びb)は、可変インピーダンス機構内のキャパシタンス比C1/C2比を固定した場合、c)は可変インピーダンス機構内のキャパシタンス比C1/C2比を自動調整した場合の、測定結果を示している。b)の場合は、a)の場合と比較して、負荷側インピーダンスの内のキャパシタンス成分がより大きくなるように設定した。RAの低減は、図7に示したように、MgO膜厚の低減によりもたらされ、MR比低減も又、図8に示したように、MgO膜厚の低減によりもたらされるが、本図は、MgO膜厚を介在させることなく、RAとMR比との関係を示したものである。a)及びb)の場合と比較して、c)の場合には、RAを低減させた場合にも、MR比を高い値に維持することが可能である。可変インピーダンス機構4の制御により常に最適な基板電位を調整することにより、高いMR比と低いRAとを両立することが出来る。
[0044]
 上述の実施例は、本発明の範囲を限定するものではなく、本実施例の教示ないし示唆に基づいて、本発明請求の範囲の主題内容を実現すべく、上述の諸実施例を適宜変更することができる。

請求の範囲

[1]
 チャンバと、
 前記チャンバの内部を排気する排気手段と、
 前記チャンバ内にガスを供給するガス導入手段と、
 基板載置台を備える基板ホルダと、
 前記基板ホルダを回転させることが可能な回転駆動手段と、
 高周波電力を印加することにより、絶縁物ターゲットをスパッタするためのターゲット載置台を備えるスパッタリングカソードであって、前記基板載置台の表面と前記ターゲット載置台の表面とが非平行となるように配置されることを特徴とするスパッタリングカソードと、
 前記基板ホルダ内部に設けられた電極と、
 前記電極と電気的に接続されており、基板電位を調整する可変インピーダンス機構とを有することを特徴とする高周波スパッタリング装置。
[2]
 前記基板載置台に載置された基板の中心Oを通る中心軸Bと、
前記ターゲット載置台に載置されたターゲットの中心点Qを通り、かつ該中心軸Bとの垂線が該中心軸Bとの交点R、
 ORを距離Lと定義すると、50mm≦Lとなるように、前記スパッタリングカソードを設けたことを特徴とする請求項1に記載の高周波スパッタリング装置。
[3]
 前記電極と電気的に接続された、基板電位を検出する基板電位検出手段と、前記基板電位検出手段によって検出された基板電位に従って、前記可変インピーダンス機構を制御する制御回路と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の高周波スパッタリング装置。
[4]
 前記電極へ入力電力を供給するバイアス電力供給用高周波電源と、前記バイアス電力供給用高周波電源に接続されており、前記高周波電源からの入射波と前記電極側からの反射波を検出する検出器と、検出された入射波及び反射波に基づいて、反射波が検出されないように前記可変インピーダンス機構を制御する制御回路と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の高周波スパッタリング装置。
[5]
 前記電極と電気的に接続された、基板電位を検出する基板電位検出手段と、前記基板電位検出手段によって検出された基板電位に従って、前記バイアス電力供給用高周波電源を制御する別の制御回路と、を備えることを特徴とする請求項4に記載の高周波スパッタリング装置。
[6]
 前記スパッタリングカソードとは異なる追加的スパッタリングカソードをさらに備えることを特徴とする請求項1記載の高周波スパッタリング装置。
[7]
 前記スパッタリングカソードのターゲット載置台には、絶縁物MgOターゲットが載置されることを特徴とする請求項1に記載の高周波スパッタリング装置。
[8]
 前記追加的スパッタリングカソードのターゲット載置台には、メタルターゲットが載置されることを特徴とする請求項6に記載の高周波スパッタリング装置。
[9]
 請求項1記載の高周波スパッタリング装置により形成された絶縁体層を有することを特徴とする磁気デバイス。
[10]
 基板ホルダの基板載置台表面に対し、スパッタリングカソードのターゲット載置台表面を非平行に配置し、前記基板載置台を回転させつつ高周波電圧を用いて、イオンを前記ターゲットに衝突させるスパッタリング工程と、
 前記基板ホルダ内部に電極が設けられており、前記電極に可変インピーダンス機構が電気的に接続されており、前記可変インピーダンス機構によって基板電位を調整するマッチング工程と、
を有することを特徴とする薄膜形成方法。
[11]
 前記マッチング工程は、
 高周波電源より、前記電極に入力電力を供給する工程と、
 前記高周波電源からの入射波と前記電極側からの反射波とを検出する工程と、
 前記入射波及び反射波に基づいて、反射波が検出されないように前記可変インピーダンス機構を制御するマッチング工程と、を有することを特徴とする請求項10に記載の薄膜形成方法。
[12]
 チャンバと、
 前記チャンバの内部を排気する排気手段と、
 前記チャンバ内にガスを供給するガス導入手段と、
 基板載置台を備える基板ホルダと、
 前記基板ホルダを回転させることが可能な回転駆動手段と、
 ターゲット載置台を備えるスパッタリングカソードであって、前記基板載置台の表面と前記ターゲット載置台の表面とが非平行となるように配置されることを特徴とするスパッタリングカソードと、
 前記スパッタリングカソードと接続された高周波電源と、
 前記基板ホルダ内部に設けられた電極と、
 前記電極と電気的に接続されており、基板電位を調整する可変インピーダンス機構と、
 前記電極と電気的に接続された、基板電位を検出する基板電位検出手段と、
 前記基板電位検出手段および前記可変インピーダンス機構と電気的に接続され、前記基板電位検出手段によって検出された基板電位に従って、前記可変インピーダンス機構を制御するインピーダンス制御部と、
を有することを特徴とする高周波スパッタリング装置。
[13]
 前記基板載置台に載置された基板の中心軸と、
前記ターゲット載置台に載置されたターゲットの中心点を通り、かつ該中心軸との垂線が該中心軸との交点、
 前記ターゲット載置台の表面と、前記ターゲット載置台の表面の法線が前記基板載置台の表面と交わる点との距離Lが50mm≦Lとなるように、前記スパッタリングカソードを設けたことを特徴とする請求項12に記載の高周波スパッタリング装置。

図面

[ 図 1A]

[ 図 1B]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]