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1. WO2009041678 - 自動変速機の制御ユニット

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明 細 書

発明の名称 自動変速機の制御ユニット

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

発明の開示

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012  

発明の効果

0013   0014   0015   0016   0017   0018  

図面の簡単な説明

0019   0020  

発明を実施するための最良の形態

0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046  

産業上の利用可能性

0047  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

自動変速機の制御ユニット

技術分野

[0001]
 本発明は、車両用自動変速機の走行レンジを切り替える自動変速機の制御ユニットに関する。

背景技術

[0002]
 近年、図8に示すように、車両用自動変速機140の走行レンジを切り替えるアクチュエータ130と、運転者によって選択された要求レンジに基づいてそのアクチュエータ130を制御するシフトバイワイヤ制御回路(以下、「SBW-ECU」という。)110と、を備えたシフトバイワイヤ装置が車両に搭載されるようになった。また、車両には、自動変速機140の油圧制御装置の各種バルブを制御する自動変速機制御回路(以下、「AT-ECU」という。)120も搭載されている。これらアクチュエータ130、SBW-ECU110及びAT-ECU120は別々のケースに収納され、SBW-ECU110及びAT-ECU120は、コネクタ111、121を介してハーネス102、103により、エンジンを制御するエンジンECU100に接続されている。また、SBW-ECU110とアクチュエータ130とは、コネクタ112、132を介してハーネス113により接続されている。さらに、エンジンECU100、SBW-ECU110及びAT-ECU120は、車載通信システムCAN(Controller Area Network)101に接続され、CANプロトコルにしたがって互いに通信可能になっている。また、SBW-ECU110は、電源、モータ用CPU、電源CPU、CANインターフェース、モータ駆動回路、シフトインターフェース及びSBW専用車両用インターフェース等を有しており、コネクタ111を介してシフトレバー115にも接続されている。AT-ECU120は、電源、AT用CPU、CANインターフェース、AT用インターフェース等を有しており、自動変速機140に接続されている。
[0003]
 しかしながら、上記従来のシフトバイワイヤ装置等では、アクチュエータ130、SBW-ECU110及びAT-ECU120が別々のケースに収納されているため、車載搭載スペースをそれぞれ設ける必要があり、全体として大型化していた。その上、SBW-ECU110は、プリント基板の内層パターンにアクチュエータ130の駆動電流を流すため、プリント基板のサイズが大きくなってしまい、これによっても大型化していた。また、アクチュエータ130、SBW-ECU110及びAT-ECU120が別々のケースに収納されていることや、SBW-ECU110及びAT-ECU120が電源、CANインターフェース等の類似の回路機能を有していることから、部品点数が増加して製造コストが高騰化していた。
[0004]
 これに対し、特開2007-10042号公報にアクチュエータとSBW-ECUとを一体化したシフトバイワイヤ装置が提案されている。このシフトバイワイヤ装置によれば、アクチュエータとSBW-ECUとが1つのケースに収納されており、小型化を実現している。

発明の開示

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかし、上記特開2007-10042号公報に記載のシフトバイワイヤ装置では、AT-ECUが別のケースに収納されており、十分な小型化が図れていない。また、SBW-ECU及びAT-ECUが類似の回路機能をそれぞれ有していることから、部品点数が増加して製造コストが高騰化している。
[0006]
 本発明は係る従来の問題点に鑑みてなされたものであり、小型化が可能で、かつ製造コストの低廉化を図ることができるシフトバイワイヤ装置と自動変速機制御回路を含む自動変速機の制御ユニットを提供するものである。

課題を解決するための手段

[0007]
 上記の課題を解決するために、請求項1に係る自動変速機の制御ユニットの特徴は、運転者によって選択された選択レンジに基づく電気信号を入力し、該電気信号に基づき自動変速機のレンジ切替部材をモータの回転により所定位置に切替えて走行レンジを形成するように前記モータを駆動する信号を出力するシフトバイワイヤ制御回路と、前記選択レンジに基づく電気信号及び車両状態に基づく信号を入力し、前記走行レンジを形成するために前記自動変速機を制御する信号を出力する自動変速機制御回路と、を備え、前記シフトバイワイヤ制御回路及び前記自動変速機制御回路は、同一の収納部に収納されることである。
[0008]
 請求項2に係る自動変速機の制御ユニットの特徴は、請求項1において、前記シフトバイワイヤ制御回路及び前記自動変速機制御回路を収納する収納部の一端に、前記シフトバイワイヤ制御回路及び前記自動変速機制御回路と電源との電気的接続を行うコネクタを備え、該コネクタと前記シフトバイワイヤ制御回路及び前記自動変速機制御回路の配置関係は、前記シフトバイワイヤ制御回路が、前記自動変速機制御回路よりも前記コネクタと近接するように配置されることである。
[0009]
 請求項3に係る自動変速機の制御ユニットの特徴は、請求項1または2において、前記シフトバイワイヤ制御回路及び前記自動変速機制御回路は、1枚のプリント基板上に搭載さることである。
[0010]
 請求項4に係る自動変速機の制御ユニットの特徴は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記モータを収納する上部収納部と前記シフトバイワイヤ制御回路及び前記自動変速機制御回路を収納する下部収納部は、一体的に結合されて前記自動変速機のケースに固定されることである。
[0011]
 請求項5に係る自動変速機の制御ユニットの特徴は、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記シフトバイワイヤ制御回路及び前記自動変速機制御回路を収納する下部収納部に、前記モータと前記プリント基板とを電気的に接続する導体が埋設される樹脂部が配設されることである。
[0012]
 請求項6に係る自動変速機の制御ユニットの特徴は、請求項1ないし5のいずれか1項において、前記モータを収納する上部収納部には、前記モータの回転を減速させる減速機構と、該減速機構によって減速された回転を揺動運動に変換させて前記レンジ切替部材に伝達する運動変換機構とが収納されることである。

発明の効果

[0013]
 請求項1に係る自動変速機の制御ユニットにおいては、シフトバイワイヤ制御回路及び自動変速機制御回路が1つのケース内にモータを収納する収納部とは別の収納部に収納されているため、車載搭載スペースをそれぞれ設ける必要がないのみならず、類似の回路機能を共通化することができる。したがって、この自動変速機の制御ユニットによれば、小型化が可能で、かつ製造コストの低廉化を図ることができる。また、シフトバイワイヤ制御回路及び自動変速機制御回路が、同一の収納部に収納されているので、モータの潤滑剤、磨耗粉などがシフトバイワイヤ制御回路及び自動変速機制御回路の空間に侵入することを防ぐことができる。
[0014]
 請求項2に係る自動変速機の制御ユニットにおいては、シフトバイワイヤ制御回路及び自動変速機制御回路を収納する収納部の一端に、前記シフトバイワイヤ制御回路及び前記自動変速機制御回路と電源との電気的接続を行うコネクタを備え、このコネクタと前記シフトバイワイヤ制御回路及び前記自動変速機制御回路の配置関係は、前記シフトバイワイヤ制御回路が前記自動変速機制御回路よりも前記コネクタと近接するように配置される。これにより、モータの駆動電流を制御するために、自動変速機制御回路よりも消費電力が多いシフトバイワイヤ制御回路から発生するノイズの影響を、自動変速機制御回路がシフトバイワイヤ制御回路よりコネクタに近接して配置される場合に比して少なくできる。また、自動変速機制御回路近傍に配設される自動変速機のポジションセンサに生じるノイズによる読み取り誤差を小さくすることができる。さらには、モータの駆動電流が流れるハーネスにシールド線を用いる等してノイズ対策を施す必要がなくなる。
[0015]
 請求項3に係る自動変速機の制御ユニットにおいては、シフトバイワイヤ制御回路及び自動変速機制御回路が1枚のプリント基板上に搭載されているため、省スペース及び類似の回路機能の共通化が実現し易い。
[0016]
 請求項4に係る自動変速機の制御ユニットにおいては、モータを収納する上部収納部と前記シフトバイワイヤ制御回路及び前記自動変速機制御回路を収納する下部収納部は、一体的に結合されて前記自動変速機のケースに固定されるため、各制御回路用の車載搭載スペースをそれぞれ設ける必要がないのみならず、類似の回路機能を共通化することができる。
[0017]
 請求項5に係る自動変速機の制御ユニットにおいては、シフトバイワイヤ制御回路及び自動変速機制御回路を収納する下部収納部に、モータとプリント基板とを電気的に接続する導体が埋設される樹脂部が配設されるため、プリント基板の内層パターンの代わりに導体を用いてアクチュエータ駆動電流を流すことができ、プリント基板を小型化できるのみならず、ノイズ対策のためのシールド線が不要となる。
[0018]
 請求項6に係る自動変速機の制御ユニットにおいては、モータを収納する上部収納部に、モータの回転を減速させる減速機構と、減速機構によって減速された回転を揺動運動に変換させてレンジ切替部材に伝達する運動変換機構とが収納されるため、モータに介在する潤滑剤や減速機構から発生する摩耗粉などがシフトバイワイヤ制御回路及び自動変速機制御回路の空間に侵入することを防ぐことができる。

図面の簡単な説明

[0019]
[図1] 実施形態の自動変速機の制御ユニットの電気的接続図。
[図2] 実施形態の自動変速機の制御ユニットの斜視図。
[図3] 実施形態の自動変速機の制御ユニットの正面図。
[図4] 実施形態の自動変速機の制御ユニットに係り、レンジ切替機構の斜視図。
[図5] 実施形態の自動変速機の制御ユニットに係り、図2のV-V矢視断面図。
[図6] 実施形態の自動変速機の制御ユニットに係り、制御ユニットの正面図。
[図7] 実施形態の自動変速機の制御ユニットに係り、自動変速機のブロック図。
[図8] 従来の自動変速機の制御ユニットの電気的接続図。

符号の説明

[0020]
 1…自動変速機の制御ユニット、6…自動変速機、12a…上部収納部、10a…下部収納部、20…アクチュエータ、21…モータ、53…シフトバイワイヤ制御回路(SBW-ECU)、56…自動変速機制御回路(AT-ECU)、10、11、12…ケース(10…ケース本体、11…中蓋、12…上蓋)、11a…分離壁、22…減速機構、23…運動変換機構、40…レンジ切替機構、46…レンジ切替部材(マニュアルバルブ)、50…制御回路機構、51…プリント基板、57…樹脂部、58…コネクタ、59…導体(バスバー)。

発明を実施するための最良の形態

[0021]
 本発明に係る自動変速機の制御ユニットを具体化した実施形態を図面に基づいて以下に説明する。図1に示すように、実施形態の自動変速機の制御ユニット1は、コネクタ58を介してハーネス3によりエンジンECU2へ接続されるほか、シフトレバー4及び自動変速機6にも接続されている。ここで、エンジンECU2はエンジンを制御するものであり、シフトレバー4は運転者によって選択して操作されて選択レンジが決定され、自動変速機6の走行レンジを所望のレンジにするためのものである。また、自動変速機6は車両の速度やエンジン回転数に応じて変速比を自動的に切り替えるものである。これら自動変速機の制御ユニット1及びエンジンECU2は、車載通信システムCAN(Controller Area Network)7などの接続手段で接続され、互いに通信可能になっている。
[0022]
 自動変速機の制御ユニット1は、アクチュエータ20と制御回路機構50とを備えている。アクチュエータ20は自動変速機6の走行レンジ(P、R、N、D、D1、D2など)を切り替えるモータ21を備えており、制御回路機構50は後述するようにシフトバイワイヤ制御回路(以下、「SBW-ECU」という)53、及び自動変速機制御回路(以下、「AT-ECU」という)56等が搭載された1枚のプリント基板51を備えている(図6参照)。
[0023]
 図2は、自動変速機の制御ユニット1の外観図である。自動変速機の制御ユニット1のケースは、金属製のケース本体10、中蓋11及び上蓋12で構成され、ケース本体10と中蓋11との間からコネクタ58が突出している。なお、ケース本体10、中蓋11及び上蓋12は、樹脂製でもかまわない。自動変速機の制御ユニット1は、ケース本体10に設けられた取付け穴10bを用いて自動変速機6のケースにボルトによって固定されることにより、自動変速機6のケースに固定される。
[0024]
 図3は、上蓋12を外したアクチュエータ20の正面図である。アクチュエータ20は、モータ21、減速機構22及び運動変換機構23等から構成される。また、アクチュエータ20は、底面に分離壁11aを有する中蓋11と上蓋12とで形成される上部収納部12a(図5参照)内部の上部空間内に収納される。24は分離壁11aとは別体の金属製のメインブラケットで、モータ21、減速機構22及び運動変換機構23等が取付けられた後で中蓋11の分離壁11aに4本のボルト25で固定される。メインブラケット24にはモータ21が固定され、モータ21の出力軸はメインブラケット24を貫通して前方に突出し、先端部に小歯車26が嵌着されている。モータ21は、三相ブラシレスモータであり、出力軸が単位角度回転する毎にパルス信号を送出するセンサが付けられている。モータ21は中蓋11内に収納可能とするために小型のものが使用される。
[0025]
 中蓋11内には、ボールねじ軸30がモータ21と平行に配置され、両端が軸受31、32を介してメインブラケット24に回転可能に軸支持されている。ボールねじ軸30の前端側には、小歯車26と中歯車27を介して噛合する大歯車28が固定されている。これら小歯車26、中歯車27及び大歯車28により減速機構22が構成される。なお、本実施形態においては、小歯車26、中歯車27及び大歯車28によりモータ21の回転を減速してボールねじ軸30に伝達しているが、モータ21の回転をプラネタリギヤ、ウォームギヤ等によって減速してボールねじ軸30に伝達するようにしてもよい。
[0026]
 図5にも示すように、ボールねじ軸30には、ボールナット33が螺合されている。メインブラケット24には、ボールねじ軸30と平行に延在する係合ロッド34の両端が嵌合され、この係合ロッド34にボールナット33の外周に突設されたコの字状の係合部35が係合し、ボールナット33がメインブラケット24に対して軸線方向の移動を許容されて回り止めされている。これにより、モータ21の回転は、減速機構22により減速されてボールねじ軸30に伝えられ、ボールねじ軸30の回転は、ボールねじ軸30、ボールナット33等によりボールナット33の軸線方向運動に変換される。
[0027]
 ケース本体10に回転可能に軸承されたマニュアルシャフト36が分離壁11aを貫通して上方に突出し、マニュアルシャフト36にアーム37の基端部が相対回転を規制されて嵌合され、アーム37が揺動可能に支承されている。アーム37の先端は二股に分岐されてボールナット33の両側に延在され、各先端に凹部37aが形成されている。各凹部37aにボールナット33の両側に突設された係合軸33aが係合されることにより、アーム37はボールナット33にボールねじ軸30の軸線方向の相対移動を規制されて係合している。ボールねじ軸30、ボールナット33、アーム37、係合軸33a、凹部37a等によって運動変換機構23が構成されている。また、マニュアルシャフト36の一端には、ポジションセンサ38が取付けられている。
[0028]
 マニュアルシャフト36の他端には、図4に示すように、アクチュエータ20の駆動対象としてのレンジ切替機構40が連結されている。このレンジ切替機構40は自動変速機6に備えられている(図7参照)。レンジ切替機構40は、ディテント機構41とレンジ切替部材であるマニュアルバルブ46とからなっている。マニュアルバルブ46は、バルブボディ47内にスプール48が軸方向(矢印A、B方向)に移動可能に嵌合されて構成されている。スプール48は、シフトレバー4によって選択される選択レンジに応じてラインプレッシャの油路を切り替え、自動変速機6の駆動状態をPレンジ(駐車(パーキング)レンジ)、Rレンジ(リバースレンジ)、Nレンジ(ニュートラルレンジ)、Dレンジ(ドライブレンジ)などの各走行レンジに切り替えるものである。シフトレバー4には、自動変速機6の各走行レンジに対応するレンジが選択可能に設定されている。すなわち、自動変速機6の油圧制御装置64内に配設されたスプール48が、Pレンジに対応するP位置、Rレンジに対応するR位置、Nレンジに対応するN位置、およびDレンジに対応するD位置などに移動できるようになっており、このスプール48が軸方向(矢印A、B方向)に移動することにより、油圧制御装置64内の油路を切り替えて、シフトレバー4によって選択されたレンジ、すなわち要求レンジになるように自動変速機6の走行レンジが設定されるようになっている。スプール48のバルブボディ47から突出した部分にはL字型に屈曲したフック部49が形成され、該フック部49がディテント機構41の後述するディテントレバー42に形成されたシフト部42aに連結され、ディテントレバー42の回動によってスプール48が軸線方向に移動されるようになっている。
[0029]
 ディテント機構41は、ディテントレバー42、ディテントスプリング43、および係合ローラ44から構成されている。ディテントレバー42は、マニュアルシャフト36の他端にスプライン嵌合されたマニュアルシャフト36に嵌着され、アーム37と一体的に回動される。これにより、ディテントレバー42は、マニュアルシャフト36を回動中心として矢印C、D方向に回動される。また、ディテントレバー42には、パーキング機構(不図示)の一部が係合される透孔42bが穿設されている。マニュアルシャフト36の一端に取付けられたポジションセンサ38は、ディテントレバー42の回動位置を検出することにより、スプール48の現在位置を検出するようになっている。ポジションセンサ38としては、例えばポテンショメータを用いることができ、ポテンショメータよりマニュアルシャフト45の回動角度に応じた電圧が出力される。従って、ポテンショメータから出力される電圧レベルによってレンジ位置(P位置、R位置、N位置、D位置)を所定幅のゾーンとして検出することができる。
[0030]
 図5は、自動変速機の制御ユニット1の断面図である。自動変速機の制御ユニット1は、金属製のケース本体10、中蓋11及び上蓋12で構成される1つのケース(制御ユニットケースB)と、このケース内に収納されたアクチュエータ20及び制御回路機構50とを備えている。ケース本体10の上面には、制御回路機構50の樹脂部57の下面が接着剤で接着されている。また、ケース本体10と中蓋11とは、制御回路機構50の樹脂部57の外周部のうちコネクタ58を除く部分がシール部材を介して挟持された状態でボルトによって固定されている。中蓋11には、ケース本体10との間に下部空間を形成する分離壁11aが設けられており、このようにケース本体10と中蓋11と固定することにより下部収納部10aが形成され、制御回路機構50及びポジションセンサ38が下部収納部10a内に収納される。すなわち、シフトバイワイヤ制御回路であるSBW-ECU53及び前記自動変速機制御回路であるAT-ECU54は、下部収納部10a内の下部空間に収納される。また、中蓋11に上蓋12を被せて固着することにより、中蓋11と上蓋12とで上部収納部2aが形成され、アクチュエータ20が上部収納部12a内に収納される。また、ケース本体10は、ボルト孔10bを備え、ボルト10cによって制御ユニットケースBが自動変速機6のケースAに固定される。
[0031]
 制御回路機構50は、図6に示すように、プリント基板51、樹脂部57及びコネクタ58を備えている。プリント基板51は、板状の樹脂部57上にねじ止めされている。プリント基板51上には、シフトバイワイヤ制御回路としてのSBW-ECU53及び自動変速機制御回路としてのAT-ECU56を構成する電子部品が実装されている。SBW-ECU53及びAT-ECU56は電源回路52を共有しており、SBW-ECU53にはモータ駆動回路54が含まれている。ここで、SBW-ECU53は、運転者によって選択された選択レンジに基づいて、アクチュエータ20を駆動するものである。すなわち、SBW-ECU53は、選択レンジに基づく電気信号によりモータ21を駆動する電気信号を制御する。また、AT-ECU56は、エンジンECU2から入力したエンジンの運転状態等の情報に基づいて自動変速機6の油圧制御装置の各種バルブを制御することにより、クラッチやブレーキの係合状態を切り替えて変速状態を切り替える働きをするものである。すなわち、AT-ECU56は、走行レンジを形成するために、自動変速機6の油圧制御装置のバルブを制御する信号を制御する。さらに、電源回路52は、電源電圧を所定電圧に安定化してSBW-ECU53及びAT-ECU56に供給するものであり、モータ駆動回路54は、モータ駆動電流をモータ21に供給するものである。
[0032]
 樹脂部57の一端には、制御ユニットケースBの外部に露出するコネクタ58が一体として形成され、コネクタ58には電源端子58a及び信号端子58bが設けられている。コネクタ58は、エンジンECU2、シフトレバー4、自動変速機6及びCAN7毎に内部で分割され、夫々に電気的接続可能になっている。電源端子58aは電源回路52に電源を供給するものであり、一端がコネクタ58内に突出し、樹脂部57内を貫通して、L型に屈曲した他端が樹脂部57から突出してプリント基板51のランド58cにハンダ付けされている。そして、電源端子58aは、ランド58cに接続されたパターンを介して、電源回路52のICに接続される。信号端子58bはセンサ類の信号やAT-ECU56の指令等を伝達するものであり、一端がコネクタ58内に突出し、樹脂部57内を貫通して、L型に屈曲した他端が樹脂部57から突出してプリント基板51のランド58dにハンダ付けされている。そして、信号端子58bは、ランド58dに接続されたパターンを介して、SBW-ECU53及びAT-ECU56に接続される。このように、電源端子58a及び信号端子58bが樹脂部57内を貫通することにより、電気的絶縁性が確保される。
[0033]
 そして、コネクタ58とSBW-ECU53及びAT-ECU56の配置関係は、SBW-ECU53が、AT-ECU56よりもコネクタ58と近接するように配置される。SBW-ECU53は、モータ21を駆動するための比較的大きい電力を制御するので、AT-ECU56より大きな電力を供給する。従って、SBW-ECU53は、AT-ECU56よりコネクタ58側に近接配置するのが好ましい。AT-ECU56をコネクタ58側に近接配置にすると、SBW-ECU53とコネクタ58との間にAT-ECU56が配置され、モータ21を駆動するための比較的大きい電力を供給する電源ラインから発生するノイズがAT-ECU56、およびAT-ECU56近傍にあるポジションセンサ38に影響してしまい、検出誤差を生じる恐れがある。本願発明では、SBW-ECU53が、AT-ECU56よりもコネクタ58と近接するように配置されるので、モータ21を駆動するための比較的大きい電力を供給する電源ラインから発生するノイズがAT-ECU56、ポジションセンサ38に影響することを防ぐことができる。
[0034]
 また、導体としてのバスバー59はモータ駆動電流を通電するものであり、図5及び図6に示すように、両端59a、59bがL型に屈曲しており、その一端59aがモータ駆動回路54のICに接続されたプリント基板51のランド59cにハンダ付けされている。そして、バスバー59は樹脂部57内を貫通し、他端59bが樹脂部57から上方に突出し、プリント基板51及び分離壁11aを貫通してアクチュエータ20のモータ21に接続されている。
[0035]
 図7は、AT-ECU56の制御対象である自動変速機6のブロック図である。自動変速機6は、車両の速度やエンジン回転数に応じてエンジンの駆動力を変速してプロペラシャフト、ディファレンシャル及び左右駆動軸を経て駆動輪に伝達するものであり、入力軸61、変速機構62、出力軸63、油圧制御装置64及びレンジ切替機構40を備えている。入力軸61は、エンジンからの駆動力を入力する。変速機構62は、トルクコンバータ、プラネタリギヤトレーンなどからなり、油圧制御装置64からの指示を受けてギヤ段を切り替えて(変速や逆回転)入力軸61から入力した駆動力を変速して出力する。出力軸63は、変速機構62からの変速された動力をプロペラシャフトを介して駆動輪に出力する。油圧制御装置64は、プラネタリギヤトレーンの各ギヤのクラッチ、ブレーキの油路を自動的に切り替えてプラネタリギヤトレーンを制御する。レンジ切替機構40については前述した通りである。
[0036]
 以上の構成をした自動変速機の制御ユニット1におけるSBW-ECU53及びアクチュエータ20の作動を説明する。運転者がシフトレバー4を操作すると、選択された要求レンジに基づくシフト信号がコネクタ58の信号端子58bを介して、SBW-ECU53に入力される。そして、SBW-ECU53により、シフト信号に基づいて、モータ駆動電流がバスバー59を介してモータ21に供給される。
[0037]
 これにより、モータ21が所定の駆動方向に駆動され、モータ21の出力軸の回転運動が、減速機構22によって減速され、メインブラケット24に軸承されたボールねじ軸30に伝達される。ボールねじ軸30が回転されると、係合ロッド39と係合部35との係合によって回転を規制されたボールナット33が軸線方向に移動され、アーム37がマニュアルシャフト36を中心として回動される。マニュアルシャフト36が回動されて、ディテントレバー42が回動され、スプール48がシフト部42aを介して移動される。
[0038]
 そして、SBW-ECU53は、ポジションセンサ38の出力電圧が所定の値になったとき、モータ21の回転を停止する。モータ21の回転が停止されると、ディテントスプリング43、係合ローラ44等の働きによりディテントレバー42が回動され、所定の位置に保持される。こうして、スプール48が切り替えられ、自動変速機6の走行レンジが切り替えられる。
[0039]
 次に、AT-ECU56の働きについて概説する。AT-ECU56には、コネクタ58の信号端子58bを介して、エンジン回転数等の運転状態を表す情報がエンジンECU2から入力される。AT-ECU56は、この情報に基づいて自動変速機6の油圧制御装置の各種バルブを制御する制御信号を自動変速機6に出力する。これにより、クラッチやブレーキの係合状態が切り替えられて、変速状態が切り替えられる。
[0040]
 実施形態に係る自動変速機の制御ユニット1においては、SBW-ECU53及びAT-ECU56が1つのケース内にモータ21を収納する上部収納部12aとは別の下部収納部10aに収納されているため、車載搭載スペースをそれぞれ設ける必要がないのみならず、類似の回路機能、例えば電源回路を共通化することができる。したがって、この自動変速機の制御ユニット1によれば、小型化が可能で、かつ製造コストの低廉化を図ることができる。また、SBW-ECU53及びAT-ECU56が、同一の下部収納部10aに収納されているので、上部収納部12aに収納されたモータ12の潤滑剤、磨耗粉などがSBW-ECU53及びAT-ECU56が収納された下部収納部10aに侵入することを防ぐことができる。
[0041]
 また、SBW-ECU53及びAT-ECU56を収納する下部収納部10aの一端外側に、SBW-ECU53及びAT-ECU56と電源との電気的接続を行うコネクタ58を備え、このコネクタ58とSBW-ECU53及びAT-ECU56の配置関係は、SBW-ECU53がAT-ECU56よりもコネクタ58と近接するように配置される。これにより、モータ21の駆動電流を制御するので消費電力がAT-ECU56よりも多いSBW-ECU53から発生するノイズの影響を、AT-ECU56がSBW-ECU53よりコネクタ58に近接して配置される場合に比して少なくできる。また、AT-ECU56近傍に配設される自動変速機6のポジションセンサ38に生じるノイズによる読み取り誤差を小さくすることができる。さらには、モータ21の駆動電流が流れるハーネスにシールド線を用いる等してノイズ対策を施す必要がなくなる。
[0042]
 さらに、SBW-ECU53及びAT-ECU56が1枚のプリント基板51上に搭載されているため、省スペース及び類似の回路機能の共通化が実現し易い。
[0043]
 また、モータ21を収納する上部収納部12aとSBW-ECU53及びAT-ECU56を収納する下部収納部10aは、一体的に結合されて自動変速機6のケースAに固定されるため、SBW-ECU53及びAT-ECU56の車載搭載スペースをそれぞれ設ける必要がないのみならず、類似の回路機能を共通化することができる。
[0044]
 また、SBW-ECU53及びAT-ECU56を収納する下部収納部10aに、モータ21とプリント基板51とを電気的に接続するバスバー59が埋設される樹脂部57が配設されるため、プリント基板51の内層パターンの代わりにバスバー59を用いてモータ21の駆動電流を流すことができ、プリント基板51を小型化できるのみならず、ノイズ対策のためのシールド線が不要となる。
[0045]
 さらに、モータ21を収納する上部収納部12aに、モータ21の回転を減速させる減速機構22と、減速機構22によって減速された回転を揺動運動に変換させてマニュアルバルブ46に伝達する運動変換機構23とが収納されるため、モータ21に内在する潤滑剤や減速機構22等から発生する摩耗粉などがSBW-ECU53及びAT-ECU56を収納する下部収納部10aに侵入することを防ぐことができる。
[0046]
 以上において、本発明の自動変速機の制御ユニットを実施形態に即して説明したが、本発明はこれらに制限されるものではなく、本発明の技術的思想に反しない限り、適宜変更して適用できることはいうまでもない。

産業上の利用可能性

[0047]
 本発明に係る自動変速機の制御ユニットは、車両用自動変速機の走行レンジを切り替えるアクチュエータと、運転者によって選択された選択レンジに基づいて前記アクチュエータを制御するシフトバイワイヤ制御回路と、前記自動変速機の油圧制御装置の各種バルブを制御する自動変速機制御回路と、を備えた自動変速機の制御ユニットに用いるのに適している。

請求の範囲

[1]
 運転者によって選択された選択レンジに基づく電気信号を入力し、該電気信号に基づき自動変速機のレンジ切替部材をモータの回転により所定位置に切替えて走行レンジを形成するように前記モータを駆動する信号を出力するシフトバイワイヤ制御回路と、
 前記選択レンジに基づく電気信号及び車両状態に基づく信号を入力し、前記走行レンジを形成するために前記自動変速機を制御する信号を出力する自動変速機制御回路と、を備え、
 前記シフトバイワイヤ制御回路及び前記自動変速機制御回路は、同一の収納部に収納されることを特徴とする自動変速機の制御ユニット。
[2]
 前記シフトバイワイヤ制御回路及び前記自動変速機制御回路を収納する収納部の一端に、前記シフトバイワイヤ制御回路及び前記自動変速機制御回路と電源との電気的接続を行うコネクタを備え、
 該コネクタと前記シフトバイワイヤ制御回路及び前記自動変速機制御回路の配置関係は、前記シフトバイワイヤ制御回路が、前記自動変速機制御回路よりも前記コネクタと近接するように配置されることを特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御ユニット。
[3]
 前記シフトバイワイヤ制御回路及び前記自動変速機制御回路は、1枚のプリント基板上に搭載さることを特徴とする請求項1または2に記載の自動変速機の制御ユニット。
[4]
 前記モータを収納する上部収納部と前記シフトバイワイヤ制御回路及び前記自動変速機制御回路を収納する下部収納部は、一体的に結合されて前記自動変速機のケースに固定されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の自動変速機の制御ユニット。
[5]
 前記シフトバイワイヤ制御回路及び前記自動変速機制御回路を収納する下部収納部に、前記モータと前記プリント基板とを電気的に接続する導体が埋設される樹脂部が配設されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の自動変速機の制御ユニット。
[6]
 前記モータを収納する上部収納部には、
 前記モータの回転を減速させる減速機構と、
 該減速機構によって減速された回転を揺動運動に変換させて前記レンジ切替部材に伝達する運動変換機構とが収納されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の自動変速機の制御ユニット。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]