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1. WO2009041452 - ポリマーポリオール、その製造方法及びポリウレタン樹脂の製造方法

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明 細 書

発明の名称 ポリマーポリオール、その製造方法及びポリウレタン樹脂の製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

発明の開示

発明が解決しようとする課題

0003  

課題を解決するための手段

0004  

発明の効果

0005  

発明を実施するための最良の形態

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094  

実施例

0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129  

産業上の利用可能性

0130  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

明 細 書

ポリマーポリオール、その製造方法及びポリウレタン樹脂の製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、ポリマーポリオール、その製造方法及びポリウレタン樹脂の製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 ポリオール中でエチレン性不飽和化合物を重合して得られる重合体組成物や混合物は、一般にポリマーポリオールと称され、ポリウレタンフォームやポリウレタンエラストマー等のポリウレタン樹脂の原料として広く使用されている。近年、切断伸度等の機械物性の更なるアップを目的に、含有されるポリマー粒子の平均粒子径の小さいポリマーポリオールが望まれている。含有されるポリマー粒子の粒子径が小さいポリマーポリオールとしては、使用するエチレン性不飽和化合物の一部として使用するアクリロニトリルの比率を高めて製造する方法(特許文献1参照)により得られるポリマーポリオールがあり、第1ステップの重合で予備形成されたサブミクロン粒子からなるシード分散体を用意し、第2ステップでシード分散体にモノマーを添加し所望の重合体濃度とするプロセスが記されている。また、あらかじめ予備形成されたサブミクロン粒子を核に粒子を得る製造方法により得られるポリマーポリオールが知られている(特許文献2参照)。
特許文献1 : 特開平6-172462号公報
特許文献2 : 特開平9-309937号公報

発明の開示

発明が解決しようとする課題

[0003]
 しかしながら、特許文献1の方法で得られたポリマーポリオールを用いると、スラブフォーム用途では重合体粒子中のアクリロニトリル比率が高いためにスコーチを起こしやすく、特許文献2の方法で得られたポリマーポリオールでは、小粒子径を得るために重合場となるポリオール中に結合ポリオールと呼ばれるポリオールをイソシアネートでジョイントした高分子量ポリオールを多量に使用するため、ポリマーポリオールの粘度が高く、得られるポリウレタン樹脂(例えばポリウレタンフォーム)の機械物性(切断伸度等)が不十分となる。
 本発明は、上記の問題点を解決し、ポリマーポリオールは、含有されるポリマー粒子の粒子径が十分小さく、しかも低粘度であり、切断伸度等の機械強度に優れたポリウレタン樹脂を製造し得るポリマーポリオール及びその製造方法、さらには、前記ポリマーポリオールを使用した切断伸度等の機械強度に優れるポリウレタン樹脂の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0004]
 すなわち本発明は、下記3発明である。
〔第1発明〕ポリオール(A)、エチレン性不飽和化合物(b)を重合させてなるポリマー粒子(B)及び150~2,000の数平均分子量を有し芳香環を有する活性水素含有化合物(d)からなり、(d)の含有量が、(B)の重量を基準として、1~20%であるポリマーポリオール(I)。
〔第2発明〕ポリオール(A)を含む分散媒中で、150~2,000の数平均分子量を有し芳香環を有する活性水素含有化合物(d)及び必要により分散剤(D)の存在下、エチレン性不飽和化合物(b)を重合させることからなるポリマーポリオール(I’)の製造方法
〔第3発明〕ポリオール成分とポリイソシアネート成分を反応させて、ポリウレタン樹脂を製造する方法において、ポリオール成分の少なくとも一部として上記のポリマーポリオール(I)及び/又は(I’)を用いることからなるポリウレタン樹脂の製造方法。

発明の効果

[0005]
 本発明のポリマーポリオールは、含有されるポリマー粒子の粒子径が十分小さく、これを使用した本発明のポリウレタン樹脂は、切断伸度等の機械強度に優れる。さらに、本発明のポリマーポリオールは低粘度である。
 また、本発明の製造方法によれば、含有されるポリマー粒子の粒子径が十分小さく、低粘度のポリマーポリオールが得られ、これを使用した本発明のポリウレタン樹脂は、切断伸度等の機械強度に優れる。

発明を実施するための最良の形態

[0006]
 本発明において、ポリオール(A)は、ポリマーポリオールの製造に用いられる公知(特開2007-191682号公報、特開2004-002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)等)のポリオールが使用できる。例えば、少なくとも2個(ポリウレタン樹脂の物性の観点から、好ましくは2~8個)の活性水素を含有する化合物(多価アルコール、多価フェノール、アミン、ポリカルボン酸、リン酸等)にアルキレンオキサイドを付加した構造の化合物(a1)及びこれらの混合物が挙げられる。ポリウレタン製造時の生産性の観点から、これらのうちで好ましいものは、多価アルコールにアルキレンオキサイドが付加された構造の化合物である。
[0007]
 多価アルコールとしては、炭素数2~20の2価アルコール(脂肪族ジオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-及び1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルキレングリコール;及び脂環式ジオール、例えば、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのシクロアルキレングリコール)、炭素数3~20の3価アルコール(脂肪族トリオール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオールなどのアルカントリオール);炭素数5~20の4~8価又はそれ以上の多価アルコール(脂肪族ポリオール、例えば、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトールなどの、アルカンポリオール及びそのもしくはアルカントリオールの分子内もしくは分子間脱水物;ならびにショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシドなどの糖類及びその誘導体)が挙げられる。
[0008]
 アミンとしては、アンモニア;脂肪族アミンとして、炭素数2~20のアルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、イソプロパノールアミン及びアミノエチルエタノールアミン)、炭素数1~20のアルキルアミン(例えば、n-ブチルアミン及びオクチルアミン)、炭素数2~6のアルキレンジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン)、ポリアルキレンポリアミン(アルキレン基の炭素数が2~6のジアルキレントリアミン、トリアルキレンテトラミン、テトラアルキレンペンタミン、ペンタアルキレンヘキサミン、ヘキサアルキレンヘプタミン、例えば、ジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミン)が挙げられる。
 また、炭素数6~20の芳香族モノもしくはポリアミン(例えば、アニリン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリン及びジフェニルエーテルジアミン);炭素数4~20の脂環式アミン(イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミン及びジシクロヘキシルメタンジアミン);炭素数4~20の複素環式アミン(例えば、アミノエチルピペラジン)等が挙げられる。
[0009]
 ポリカルボン酸としては、炭素数4~18の脂肪族ポリカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸など)、炭素数8~18の芳香族ポリカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸など)、及びこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。
[0010]
 上記活性水素含有化合物に付加させるアルキレンオキサイドとしては、ポリウレタン樹脂の物性の観点から炭素数2~8のものが好ましく、エチレンオキサイド(以下、EOと略記する。)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記する。)、1,2-、1,3-、1,4-及び2,3-ブチレンオキサイド(以下、BOと略記する。)、スチレンオキサイド(以下、SOと略記する。)等及びこれらの2種以上の併用(ブロック及び/又はランダム付加)が挙げられる。ポリウレタン樹脂の物性の観点から、好ましくは、PO又はPOとEOとの併用(EO含量が25%以下)である。なお、上記及び以下において、%はとくに断りのない限り、重量%を意味する。
[0011]
 上記ポリオ-ルの具体例としては、公知(特開2007-191682号公報、特開2004-002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)等)のものが挙げられ、上記活性水素含有化合物にPOを付加したもの及びPOと他のアルキレンオキサイド(以下、AOと略記する。)、好ましくはAOを下記の様式で付加したもの、又はこれらの付加化合物とポリカルボン酸若しくはリン酸とのエステル化物等が挙げられる。
(1)PO-AOの順序でブロック付加したもの
(2)PO-AO-PO-AOの順序でブロック付加したもの
(3)AO-PO-AOの順序でブロック付加したもの
(4)PO-AO-POの順序でブロック付加したもの
(5)PO及びAOを混合付加したランダム付加物
(6)米国特許第4226756号明細書記載の順序でランダム又はブロック付加したもの
 また、(a1)の水酸基当量は、ポリウレタン樹脂の物性の観点から、好ましくは200~4,000、さらに好ましくは400~3,000である。2種以上の(a1)を併用して水酸基当量がこの範囲内としたものも好ましい。
[0012]
 ポリオール(A)としては、さらに、他のポリオール(a2)及びこれらの混合物が挙げられる。
 ポリオール(A)として、前記(a1)と共に他のポリオール(a2)を併用することもできる。この場合、(a1)/(a2)の使用比率(重量比)は、ポリウレタン樹脂の物性の観点から好ましくは、100/0~80/20である。
 (a2)としては、公知(特開2007-191682号公報、特開2004-002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)等)のものが挙げられ、ポリエステルポリオール、ジエン系ポリオール及びその水素添加物、水酸基含有ビニル重合体、天然油系ポリオール、天然油系ポリオールの変性物等の高分子ポリオール並びにこれらの混合物が挙げられる。
[0013]
 ポリエステルポリオールとしては、前記の多価アルコール及び/又はポリエーテルポリオール〔エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-又は1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール、又はこれらとグリセリン、トリメチロールプロパン等の3価又はそれ以上の多価アルコールとの混合物、並びにこれら多価アルコールのアルキレンオキサイド低モル(1~10モル)付加物〕と、前記ポリカルボン酸もしくはその無水物、低級アルキル(アルキル基の炭素数:1~4)エステル等のエステル形成性誘導体(例えば、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テレフタル酸ジメチル等)との縮合反応物、又は前記の多価アルコール及び/又はポリエーテルポリオールと、前記カルボン酸無水物及びアルキレンオキサイドとの縮合反応物;それら縮合反応物のアルキレンオキサイド(EO、PO等)付加反応物;ポリラクトンポリオール、例えば前記多価アルコールを開始剤としてラクトン(ε-カプロラクトン等)を開環重合させることにより得られるもの;ポリカーボネートポリオール、例えば前記多価アルコールとアルキレンカーボネートとの反応物;等が挙げられる。
[0014]
 さらには、ポリブタジエンポリオール等のジエン系ポリオール及びその水素添加物;アクリル系ポリオール等の水酸基含有ビニル重合体;ヒマシ油等の天然油系ポリオール;天然油系ポリオールの変性物等が挙げられる。
 これらのポリオール(a2)は、通常2~8個、ポリウレタン樹脂の物性の観点から、好ましくは3~8個の水酸基と、通常500~4,000、ポリウレタン樹脂の物性の観点から、好ましくは700~3,000の水酸基当量を有している。
 ポリオール(A)の数平均分子量〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による、特に記さない限り以下の数平均分子量についても同じ〕は、1,500以上が好ましく、さらに好ましくは1,500~15,000、特に好ましくは1,800~12,000、最も好ましくは2,000~9,000である。数平均分子量が1,500以上であるとポリウレタンフォームの発泡性の面で好ましく、15,000以下であると低粘度となり微粒子分散ポリオールの取り扱い性の面で好ましい。また(A)の水酸基当量は、ポリウレタン樹脂の物性の観点から、好ましくは500~4,000、さらに好ましくは700~3,000である。
[0015]
 本発明に用いるエチレン性不飽和化合物(b)としては、不飽和ニトリル(b1)、芳香環含有モノマー(b2)、(メタ)アクリル酸エステル(b3)、水酸基を有する不飽和化合物のポリオキシアルキレンエーテル(b4)、その他のエチレン性不飽和化合物(b5)、及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
 なお、「・・・(メタ)アクリル・・・」とは、「・・・アクリル・・・」及び/又は「・・・メタクリル・・・」を意味し、以下の記載においても同様である。
 (b1)としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
 (b2)としては、スチレン、α-メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、クロルスチレンなどが挙げられる。
 (b3)としては、C、H、及びO原子のみで構成されるものが挙げられ、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数が1~24);ヒドロキシポリオキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2~8)モノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
 (b4)としては、α-アルケニル基含有化合物のアルキレンオキサイド付加物及び水酸基を有する不飽和エステルのアルキレンオキサイド付加物が含まれる。α-アルケニル基含有化合物のアルキレンオキサイド付加物としては、炭素数3~24の末端不飽和アルコールのアルキレンオキサイド付加物が挙げられ、末端不飽和アルコールとしては、アリルアルコール、1-ヘキセン-3-オールなどが挙げられる。水酸基を有する不飽和エステルのAO付加物としては、C3~24の水酸基を有する不飽和エステルのAO付加物が挙げられ、水酸基を有する不飽和化合物としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。ポリマー粒子安定性の観点から、好ましいのはアリルアルコールのアルキレンオキサイド付加物、ヒドロキシアルキル(C2~12)(メタ)アクリレートのAO付加物である。
 尚、上記において、例えば「C3~24」は炭素数が3~24であることを意味し、以下の場合も、同様の趣旨である。
[0016]
 (b4)のオキシアルキレン単位の数は、ポリマー粒子安定性の観点から、1~9が好ましく、さらに好ましくは1~5、次にさらに好ましくは1~3である。上記アルキレンオキサイドとしては、前述のポリオール(a)の項において、活性水素含有化合物に付加させるアルキレンオキサイドとして例示したものと同様のものが挙げられる。ポリマー粒子安定性の観点から、好ましくは、PO及び/又はEOである。
 (b4)の数平均分子量は、170~480が好ましく、さらに好ましくは180~450、特に好ましくは182~420、最も好ましくは185~400である。数平均分子量が170以上であると、ポリマーポリオールの粘度が低粘度となり取り扱い性の面で好ましく、それから得られるポリウレタン樹脂の硬度も良好である。(b4)の数平均分子量が480以下であると、それを用いて得られるポリウレタン樹脂の硬度が良好である。
[0017]
 (b4)の不飽和基の数は、平均1個以上有すればよい。ポリマーポリオールの粘度及びポリウレタン樹脂の物性の観点から、好ましくは1~10個、さらに好ましくは1~2個、特に好ましくは1個である。
[0018]
 上記以外の、その他のエチレン性不飽和化合物(b5)としては、(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリル酸などのビニル基含有カルボン酸及びその誘導体;エチレン、プロピレンなどの脂肪族炭化水素系モノマー;パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルアクリレートなどのフッ素含有ビニル系モノマー;ジアミノエチルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレートなどの上記以外の窒素含有ビニル系モノマー;ビニル変性シリコン;ノルボルネン、シクロペンタジエン、ノルボルナジエン等の環状オレフィン化合物;などが挙げられる。
[0019]
 さらに(b)中に少量の上記以外の2官能以上の多官能モノマー(b6)を用いることにより、ポリマーポリオールの分散安定性をさらに向上させることができる。多官能モノマーとは、例えば、ジビニルベンゼン、エチレンジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキサイドグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、国際公開WO01/009242号公報に記載の、数平均分子量が500以上の不飽和カルボン酸とグリコールとのエステル及び不飽和アルコールとカルボン酸のエステルなどが挙げられる。
[0020]
 本発明において、(b)中の(b1)、(b2)、(b3)、(b4)、(b5)及び(b6)の重量比率は特に限定無く、本発明によれば、モノマーの組成にかかわらず良好なポリマーポリオール(I)を得ることができるが、要求されるポリウレタンの物性等に応じて適宜変えることができる。
 耐スコーチ性の点から、不飽和ニトリル(b1)(とくにアクリロニトリル)の含有量(重量%)は、(b)の重量を基準として、好ましくは50以下、さらに好ましくは15~40である。
 また、芳香環含有モノマー(b2)(とくにスチレン)の含有量(重量%)は、(I)中のポリマー粒子の小粒子径化の観点から、(b)の重量を基準として、好ましくは99.5以下、さらに好ましくは20~90、特に好ましくは35~80である。
 これら以外のモノマーの(b)中の含有量(重量%)は、ポリウレタン樹脂の物性の観点から、(b)の重量を基準として、(b3)は好ましくは0~30、さらに好ましくは0~20である。(b4)は好ましくは0~10、より好ましくは0~5である。(b5)は好ましくは0~10、より好ましくは0~5である。(b6)は好ましくは0.01~0.7、より好ましくは0.05~0.4である。
[0021]
 本発明におけるポリマー粒子(B)は、エチレン性不飽和化合物(b)を重合させて得られるポリマー粒子である。
[0022]
 (B)の形状は特に限定なく、球状、回転楕円体状、平板状等いずれの形状でもよいが、ポリウレタンの機械物性の観点から、球状が好ましい。
[0023]
 (B)の体積平均粒子径(μm)は、ポリマーポリオールの粘度及びポリウレタン物性の観点から好ましくは0.2~1.5、さらに好ましくは0.25~1.2、とくに好ましくは0.3~1.1である。なお、体積平均粒子径は、後述する方法により測定される。
[0024]
 芳香環を有する活性水素含有化合物(d)の数平均分子量は、ポリマーポリオール中のポリマー粒子の粒子径の観点から、150~2,000であり、好ましくは300~1,700、さらに好ましくは500~1,600である。数平均分子量が150未満又は、2,000を超えるとポリマー粒子の体積平均粒子径が大きくなる。
[0025]
 芳香環とは、炭素のみが環を形成した芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環等)、炭素と窒素が環を形成した芳香環(ピリジン環等)等が含まれる。
[0026]
 (d)中の芳香環の含有量(重量%)は、ポリマー粒子の体積平均粒子径の観点から、4~90が好ましく、好ましくは8~70、さらに好ましくは10~50である。なお、芳香環の含有量とは、環構造を形成する元素の合計原子量を分子量で割ったものを意味する。
[0027]
 (d)の活性水素は、ポリマー粒子の体積平均粒子径の観点から、(d)の1分子当たり1~3個が好ましく、さらに好ましくは1~2個である。
 また、(d)の活性水素当量(すなわち、(d)の活性水素1個当たりの分子量)は、ポリマー粒子の体積平均粒子径の観点から、100~2,000が好ましく、さらに好ましくは150~1,700、次にさらに好ましくは250~1,600である。
[0028]
 (d)としては、芳香環含有エーテル(d1)、芳香環含有エステル(d2)、芳香環含有ウレタン(d3)等が含まれる。
 (d1)としては、ビスフェノール等のフェノールにアルキレンオキサイドを付加した化合物が挙げられる。フェノールとしては、1価のフェノール(クレゾール、ナフトール、モノスチレン化フェノール等)、2価のフェノール(カテコール、レゾシノール、ビスフェノール等)、3価以上のフェノール(ピロガロール等)等が挙げられる。
 (d2)としては、フタル酸等の芳香環含有カルボン酸にアルキレンオキサイドを付加した化合物が挙げられる。芳香環含有カルボン酸としては、1価のカルボン酸(安息香酸、サリチル酸等)、2価のカルボン酸(フタル酸、テレフタル酸等)、3価以上のカルボン酸(メリト酸等)等が挙げられる。
 (d3)としては、2,4-及び/又は2,6-トリレンジイソシアネート(TDI)などの芳香族系イソシアネートとポリオールを重縮合した化合物が挙げられる。芳香族イソシアネートとしては、1価のイソシアネート(フェニルイソシアネート等)、2価のイソシアネート(トリレンジイソシアネート、2,4'-及び/又は4,4‘-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート等)、3価以上のイソシアネート(トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニール)チオフォスフェート、ポリメリックMDI等)等が挙げられる。
 これらの中で、(d)の粘度及びポリマーポリオールの粘度の観点から、(d1)が好ましい。
[0029]
 また、(d)は、1個以上の活性水素を有し、水酸基当量及びSP値が式(1)及び式(2)を満たす、活性水素含有化合物(e)のアルキレンオキサイド付加物(d-1)であることが好ましい。
   80≦X≦360                      (1)
   -0.012×X+14.0≦S≦-0.012×X+17.0 (2)
 式中、Xは活性水素含有化合物(e)の水酸基当量、Sは活性水素含有化合物(e)のSP値を表す。
[0030]
   90≦X≦360                       (1’)
   -0.012×X+14.0≦S≦-0.012×X+16.0  (2’)
   95≦X≦340                       (1’’)
   -0.012×X+14.1≦S≦-0.012×X+15.8  (2’’)
   110≦X≦310                      (1’’’)
   -0.012×X+14.4≦S≦-0.012×X+15.7  (2’’’)
 活性水素含有化合物(e)の水酸基当量(X)は、(d)の粘度及びポリマーポリオール中のポリマー粒子の粒子径の観点から式(1)を満たすことが好ましく、さらに好ましくは式(1’)を満たすことであり、特に好ましくは式(1’’)を満たすことであり、最も好ましくは式(1’’’)を満たすことである。
 また、ポリマーポリオール中のポリマー粒子の粒子径及びポリウレタン樹脂の機械物性の観点から、活性水素含有化合物(e)のSP値と水酸基当量の関係が式(2)を満たすことが好ましく、さらに好ましくは式(2’)を満たすことであり、特に好ましくは式(2’’)を満たすことであり、最も好ましくは式(2’’’)を満たすことである。
[0031]
 なお、SP値とは、下記に示す通り凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表されるものである。

  SP値=(△E/V) 1/2

 ここで△Eは凝集エネルギー密度、Vは分子容を表し、その値は、Robert F.Fedorsらの計算によるもので、例えばポリマー エンジニアリング アンド サイエンス(Polymer engineering and science)第14巻、147~154頁に記載されている。
[0032]
 水酸基当量(X)は、活性水素含有化合物(e)が有する水酸基の個数と、(e)の分子量により変化する値であり、上記式(1)を満たすように、特定の水酸基の個数と分子量を有する活性水素含有化合物(e)を選択すればよい。
 XとSが上記式(2)を満足するためには、(e)が有する水酸基以外のSP値が大きくなる構造又は官能基の数と、SP値が小さくなる構造又は官能基の数を調整すればよい。例えば、Sが(2)式の下限よりも小さい場合には、SP値が10よりも大きな構造又は官能基の数を増やす、あるいは、SP値が10よりも小さな構造又は官能基の数を減らすことで(2)式を満たすように調整できる。また、Sが(2)式の上限よりも大きくなる場合には、SP値が12よりも大きな構造又は官能基の数を減らす、あるいは、SP値が12よりも小さな構造又は官能基の数を増やすことで調整できる。
[0033]
 水酸基当量(X)が式(1)を満たすと、(e)が水酸基、すなわち、アルキレンオキサイドが付加できる官能基を適量含有することを意味し、この水酸基にアルキレンオキサイドが付加された構造を有する(d)が適度なポリオール(A)との親和性を持つことを意味する。
 また、水酸基当量(X)と(e)のSP値(S)が式(2)を満たすと、(e)が、有する水酸基(すなわち、アルキレンオキサイドが付加できる官能基)の量に応じて、適度なSP値を有することを意味する。すなわち、この関係を満たす(e)にアルキレンオキサイドが付加された構造を有する(d)がポリオール(A)との親和性に応じて、適度なポリマー粒子(B)への親和性を有することを意味する。
 よって、これら式(1)及び(2)を満たす(e)にアルキレンオキサイドが付加された構造を有する(d)は、適切なポリオール(A)との親和性と適切なポリマー粒子(B)との親和性を有し、そのバランスが適切であり、極めて良好なポリマー粒子の分散性を有することを意味する。
[0034]
 (e)の活性水素は、ポリマー粒子(B)の粒子径の観点から、(e)の1分子当たり1~3個が好ましく、さらに好ましくは1~2個である。
 また、(e)の活性水素当量(すなわち、(e)の活性水素当たりの分子量)は、ポリマー粒子の粒子径の観点から、60~500が好ましく、さらに好ましくは80~450、次にさらに好ましくは100~400である。
[0035]
 (e)としては、ビスフェノール(e1)、スチレン化フェノール(e2)等が含まれ上述の(d1)のところで記載した、フェノールと同様のものが挙げられる。
 (e1)としては、ビスフェノール等、(e2)としては、モノスチレン化フェノール及びジスチレン化フェノール等が挙げられる。
 これらの中で、(d)の粘度及びポリマーポリオール中のポリマー粒子の粒子径の観点から、(e1)が好ましい。
[0036]
 アルキレンオキサイドは、前述したものと同様のものであり、好ましいものも同様である。
[0037]
 1個以上の活性水素を有し、水酸基当量及びSP値が式(1)及び式(2)を満たす、活性水素含有化合物(e)のアルキレンオキサイド付加物(d-1)としては、具体的には、(d-1-1)ビスフェノールアルキレンオキサイド付加物、(d-1-2)スチレン化フェノールアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
 (d-1-1)としては、ビスフェノールにアルキレンオキサイドを付加した化合物等、(d-1-2)としては、モノスチレン化フェノールにアルキレンオキサイドを付加した化合物等が挙げられる。
 これらの中で、(d)の粘度及びポリマーポリオール中のポリマー粒子の粒子径の観点から、(d-1-1)が好ましい。
[0038]
 (d)の含有量は、ポリマー粒子の体積平均粒子径及びウレタン樹脂の機械物性の観点から、(B)の重量を基準として、1~20重量%であり、好ましくは1~15重量%、次に好ましくは1~10重量%、さらに好ましくは2~10重量%、特に好ましくは3~10重量%である。(d)の含有量が1未満であるとポリマー粒子の体積平均粒子径が大きくなり、20%を越えるとウレタン樹脂の機械物性が悪くなる。
[0039]
 本発明のポリマーポリオール(I)は、(I)中のポリマー粒子(B)の含有量(PC)と(I)の25℃でのレオメーターによるせん断速度1.0(1/s)での粘性(N1)の関係が、下記式(3)を満たすことが好ましく、下記式(3-1)を満たすことがさらに好ましい。なお、粘性は、後述する方法で測定される。
    (N1)<0.9×(PC)-35   (3)
    (N1)<0.9×(PC)-35.5 (3-1)
 あるいは、本発明のポリマーポリオール(I)は、(I)中のポリマー粒子(B)の含有量(PC)と(A)の25℃でのレオメーターによるせん断速度0.1(1/s)での粘性(N2)及びせん断速度10.0(1/s)での粘性(N3)の関係が、下記式(4)及び式(5)を満たすことが好ましく、下記式(4-1)及び式(5-1)を満たすことがさらに好ましい。なお、粘性は、後述する方法で測定される。
    (N2)<1.17×(PC)-46 (4)
    (N2)<1.17×(PC)-47 (4-1)
    (N3)<1.37×(PC)-55 (5)
    (N3)<1.37×(PC)-56 (5-1)
 本発明のポリマーポリオール(I)は、式(3)、式(4)、式(5)の関係を全て満たすことが好ましいし、式(3)の関係だけを満たしても、あるいは、式(4)及び式(5)の関係だけを満たしても好ましい。これらのうち特に好ましいのは式(3)、式(4)、式(5)の関係を全て満たすことである。
 式(3)、式(4)及び式(5)の全てを満たさない場合、ポリマーポリオールのろ過性が悪化する。
[0040]
 ポリマーポリオール(I)のポリマー粒子(B)の含有量(PC)(重量%)は、それから得られるポリウレタン樹脂の物性、例えばポリウレタンフォームの切断伸度や圧縮硬さ及びポリマーポリオールの粘度の観点から、35~60が好ましく、さらに好ましくは40~55、特に好ましくは40~50である。
[0041]
 ポリマーポリオール(I)中のポリオール(A)の含有量(重量%)は、(B)の凝集防止及びポリウレタンの機械物性の観点から、35~70が好ましく、さらに好ましくは40~65、とくに好ましくは43~62、最も好ましくは45~60である。
[0042]
 活性水素含有化合物(d)と後述する分散剤(D)との重量比は、ポリマー粒子の体積平均粒子径及びポリマーポリオールの粘度並びにウレタン樹脂の機械物性の観点から、(C):(D)が1:30~20:1が好ましく、さらに好ましくは1:25~15:3、次にさらに好ましくは1:20~10:5、特に好ましくは2:20~10:6である。
[0043]
 本発明のポリマーポリオール(I)の製造方法には、下記(1)、(2)の製造方法が含まれ、生産安定性の観点から、本発明の第2発明である(1)の製造方法が好ましい。(1)ポリオール(A)を含む分散媒中で、活性水素含有化合物(d)及び必要により分散剤(D)の存在下で、エチレン性不飽和化合物(b)を重合させて製造する方法。
(2)エチレン性不飽和化合物(b)を重合させてポリマー粒子(B)を製造した後に、(B)を活性水素含有化合物(C)及び必要により分散剤(D)の存在下で、ポリオール(A)中に分散させて製造する方法。
[0044]
 上記(1)の製造方法は、ポリオール(A)を含む分散媒中で、活性水素含有化合物(d)及び必要により分散剤(D)の存在下で、エチレン性不飽和化合物(b)を重合させる方法であり、本発明の第2発明である。なお、第2発明の製造方法で得られるポリマーポリオールをポリマーポリオール(I’)と記載する。
 重合方法としては、ラジカル重合、配位アニオン重合、メタセシス重合及びディールス・アルダー重合等が挙げられるが、工業的な観点から好ましいのはラジカル重合である。
[0045]
 ラジカル重合は、種々の方法、例えば活性水素含有化合物(d)及び必要により分散剤(D)を含むポリオール(A)中で、エチレン性不飽和化合物(b)をラジカル重合開始剤(K)の存在下に重合させる方法(例えば米国特許第3383351号等に記載の方法)等が使用できる。
[0046]
 ラジカル重合開始剤(K)としては、遊離基を生成して重合を開始させるものが使用でき、公知(特開2007-191682号公報、特開2004-002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)等)のものが含まれ、アゾ化合物及び過酸化物等(例えば特開2005-162791号公報、特開2004-002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)等に記載のもの)が使用できる。例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネイト)、2,2’-アゾビス[2-(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]及び1,1’-アゾビス(1-アセトキシ-1-フェニルエタン)等のアゾ化合物;ジベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド及び過コハク酸等の有機過酸化物;過硫酸塩及び過ホウ酸塩等の無機過酸化物等が挙げられる。尚、これらは2種以上を併用することができる。
[0047]
 ラジカル重合開始剤(K)の使用量は、(b)の重量に基づいて、好ましくは0.05~20重量%、さらに好ましくは0.1~5重量%、とくに好ましくは0.2~1.5重量%である。(K)の使用量がこの範囲であると、ポリマーポリオール中の(b)の重合率が十分高くなり、また、分子量も大きくなるため、ポリウレタンフォームにした際に十分なフォーム圧縮硬さや切断伸度が得られる面で優れている。
[0048]
 分散剤(D)としては、とくに限定されず、ポリマーポリオールで使用されている公知の分散剤(例えば特開2005-162791号公報、特開2004-002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)等に記載のもの)等を使用することができ(D)には、(b)と共重合し得るエチレン性不飽和基を有する反応性分散剤、及び(b)とは共重合しない非反応性分散剤が含まれる。
[0049]
 例えば、〔1〕エチレン性不飽和基含有変性ポリエーテルポリオール(例えば特開平08-333508号公報)等のポリオールとエチレン性不飽和化合物を反応させたマクロマータイプの分散剤;〔2〕ポリオールとの溶解度パラメーターの差が1.0以下のポリオール親和性セグメント2個以上を側鎖とし、エチレン性不飽和化合物からのポリマーとの溶解度パラメーターの差が2.0以下のポリマー親和性セグメントを主鎖とするグラフト型重合体(例えば特開平05-059134号公報)等のポリオールとオリゴマーを結合させたグラフトタイプの分散剤;〔3〕ポリオールの水酸基の少なくとも一部をメチレンジハライド及び/又はエチレンジハライドと反応させて高分子量化した変性ポリオール(例えば特開平07-196749号公報)等の高分子量ポリオールタイプの分散剤;〔4〕数平均分子量が1,000~1,000,000であり、その少なくとも一部がポリオールに可溶性であるビニル系オリゴマー、及びこのオリゴマーと上記〔1〕のエチレン性不飽和基含有変性ポリエーテルポリオールを併用する分散剤(例えば特開平09-77968号公報)等のオリゴマータイプの分散剤(後述する(D1)を含む);
〔5〕ポリオールと、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する単官能活性水素化合物がポリイソシアネートを介して結合されてなる含窒素結合含有不飽和ポリオールからなる分散剤(例えば特開2002-308920号公報(対応米国特許6756414号)に記載のもの)等の反応性分散剤(後述する(D2)を含む)等が挙げられる。
[0050]
 これらの中でポリマー粒子(B)の粒子径の観点から、好ましいものは〔1〕、〔4〕及び〔5〕のタイプであり、さらに好ましくは下記(D1)及び(D2)である。
(D1)数平均分子量が1,000~1,000,000のビニルオリゴマー。
(D2)飽和のポリオール(f)と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する単官能活性水素含有化合物(g)が、ポリイソシアネート(h)を介して結合されてなり、1分子中のNCO基に由来する含窒素結合の数に対する不飽和基数の比の平均値が0.1~0.4である含窒素結合含有不飽和ポリオール。
[0051]
 (D1)はエチレン性不飽和化合物を重合して得られるビニルオリゴマーである。(D1)を構成するエチレン性不飽和化合物は、前述したエチレン性不飽和化合物(b)と同様のものが使用できる。
 これらの内で、ポリマー粒子(B)の粒子径の観点から、(D1)を構成するエチレン性不飽和化合物の少なくとも一部が、ポリマー粒子を構成しているエチレン性不飽和化合物(b)と同じであることが好ましく、さらに好ましくは(D1)を構成するエチレン性不飽和化合物の30重量%以上が(b)と同じであり、次にさらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上である。
[0052]
 (D1)の数平均分子量(以下、Mnと略す)は、ポリマー粒子の粒子径の観点から、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン基準で、1,000~1,000,000であり、好ましくは100,000~950,000であり、さらに好ましくは150,000~900,000、特に好ましくは200,000~250,000である。また、(D1)は、ポリマー粒子の粒子径の観点から、ポリオール(A)に可溶性[(D1)と(A)の合計重量に基づき5重量%の(D1)を(A)に均一混合した混合物のレーザー光の透過率が10%以上]であることが望ましい。
 なお、(D1)のMnは、以下の方法で測定される。
 遠心分離用50ml遠沈管に、ポリマーポリオール約5gを精秤し、メタノール50gを加えて希釈する。冷却遠心分離機[型番:H-9R、コクサン(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去する。残留沈降物にメタノール50gを加えて希釈し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。遠沈管内の残留沈降物を、2,666~3,999Pa(20~30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥した沈降物を得る。この沈降物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン基準で数平均分子量を測定し、(D1)のMnとする。
[0053]
 (D1)の製造は、数平均分子量が1,000~1,000,000となるよう重合度を調節する点を除いて、通常のエチレン性不飽和化合物の重合方法で行うことができる。例えば必要により溶媒中で、エチレン性不飽和化合物(b)を後述のラジカル重合開始剤(K)の存在下に重合させる方法である。また、(D1)はポリオール(A)中で(b)を重合させて得られるものでもよく、この場合の重合濃度は1~40重量%が好ましく、さらに好ましくは5~20重量%である。重合で得られたものを精製処理することなくそのままポリマーポリオールの製造に使用してもよい。ラジカル重合開始剤は比較的多量に使用され、例えば全エチレン性不飽和化合物の重量に基づいて好ましくは2~30重量%、さらに好ましくは5~20重量%である。
[0054]
 上記重合反応に必要により用いる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトニトリル、酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、イソプロピルアルコール、n-ブタノール等が挙げられる。
 これらの溶媒のうちで、粘度及び製造されるポリウレタン樹脂の機械強度の観点から、好ましいのはトルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、n-ブタノールである。
[0055]
 また、必要により連鎖移動剤、例えば、アルキルメルカプタン(ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール等)、アルコール(イソプロピルアルコール、メタノール、2-ブタノール等)、ハロゲン化炭化水素(四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルム等)及び特開昭55-31880号公報記載のエノールエーテルの存在下に重合を行うことができる。重合はバッチ式でも連続式でも行うことができる。重合反応は、ラジカル重合開始剤の分解温度以上(通常50~250℃、好ましくは80~200℃、特に好ましくは100~180℃)で行うことができ、大気圧下又は加圧下においても行うことができる。
[0056]
 (D2)は、飽和のポリオール(f)と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する単官能活性水素化合物(g)が、ポリイソシアネート(h)を介して結合されてなり、1分子中のNCO基に由来する含窒素結合の数に対する不飽和基数の比の平均値が0.1~0.4である含窒素結合含有不飽和ポリオールである。
[0057]
 (D2)を構成する(f)としては、前記(A)として例示したものと同様のものが使用できる。(f)と(A)とは同一であっても異なっていてもよい。
 (f)の1分子中の水酸基の数は、少なくとも2個、分散安定性の観点から、好ましくは2~8個、さらに好ましくは3~4個であり、(f)の水酸基当量は、分散安定性の観点から、好ましくは1,000~3,000、さらに好ましくは1,500~2,500である。
[0058]
 (D2)を得るのに用いる(g)は、1個の活性水素含有基と少なくとも1個の重合性不飽和基を有する化合物である。活性水素含有基としては、水酸基、アミノ基、イミノ基、カルボキシル基、SH基などがあるが、ポリマー粒子安定性の観点から、特に水酸基が好ましい。
[0059]
 (g)のエチレン性不飽和基はポリマー組成に組み込まれやすい観点から、重合性二重結合が好ましく、また1分子中のエチレン性不飽和基の数は1~3個、とくに1個が好ましい。即ち、(g)として好ましいものは、重合性二重結合を1個有する不飽和モノヒドロキシ化合物である。
 上記不飽和モノヒドロキシ化合物としては、例えば、モノヒドロキシ置換不飽和炭化水素、不飽和モノカルボン酸と2価アルコールとのモノエステル、不飽和2価アルコールとモノカルボン酸とのモノエステル、アルケニル側鎖基を有するフェノール、不飽和ポリエーテルモノオールなどが挙げられる。
[0060]
 モノヒドロキシ置換不飽和炭化水素としては、C3~6のアルケノール、例えば(メタ)アリルアルコール、2-ブテン-1-オール、3-ブテン-2-オール、3-ブテン-1-オールなど;アルキノール、例えばプロパギルアルコールなどが挙げられる。尚、上記において「(メタ)アリル・・・」は、「アリル・・・」及び/又は「メタアリル・・・」を意味する。以下同様である。
 不飽和モノカルボン酸と2価アルコールとのモノエステルとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸等のC3~8の不飽和モノカルボン酸と、前記2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のC2~12の2価アルコール)とのモノエステルが挙げられ、その具体例としては、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレートなどが挙げられる。
[0061]
 不飽和2価アルコールとモノカルボン酸のモノエステルとしては、例えば、ブテンジオールの酢酸モノエステルなどの、C3~8の不飽和2価アルコールとC2~12モノカルボン酸とのモノエステルが挙げられる。
 アルケニル側鎖基を有するフェノールとしては、例えばオキシスチレン、ヒドロキシα-メチルスチレンなどのアルケニル基のCが2~8のアルケニル側鎖基を有するフェノールが挙げられる。
 不飽和ポリエーテルモノオールとしては、前記モノヒドロキシ置換不飽和炭化水素もしくは前記アルケニル側鎖基を有するフェノールのアルキレンオキサイド(C2~8)1~50モル付加物〔例えばポリオキシエチレン(重合度2~10)モノアリルエーテル〕などが挙げられる。
[0062]
 不飽和モノヒドロキシ化合物以外の(g)の例としては、以下のものが挙げられる。
 アミノ基、イミノ基を有する(g)としては、モノ-及びジ-(メタ)アリルアミン、アミノアルキル(C2~4)(メタ)アクリレート〔アミノエチル(メタ)アクリレートなど〕、モノアルキル(C1~12)アミノアルキル(C2~4)(メタ)アクリレート〔モノメチルアミノエチル-メタクリレートなど〕;カルボキシル基を有する(g)としては、前記不飽和モノカルボン酸;SH基を有する(g)としては、前記不飽和モノヒドロキシ化合物に相当する(OHがSHに置き換わった)化合物が挙げられる。重合性不飽和基を2個以上有する(g)の例としては、前記3価、4~8価又はそれ以上の多価アルコールのポリ(メタ)アリルエーテル又は前記不飽和カルボン酸とのポリエステル〔例えばトリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、グリセリンジ(メタ)アクリレートなど〕が挙げられる。
[0063]
 分散安定性の観点から、これらのうち好ましい化合物は、C3~6のアルケノール、C3~8の不飽和モノカルボン酸とC2~12の2価アルコールとのモノエステル及びアルケニル側鎖基を有するフェノールであり、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸と、エチレングリコール、プロピレングリコールもしくはブチレングリコールとのモノエステル;アリルアルコール;及びヒドロキシα-メチルスチレンであり、とくに好ましくは2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
 また、(g)の分子量は特に限定されないが、ポリマーポリオールの粘度の観点から、1,000以下が好ましく、特に好ましくは500以下である。
[0064]
 ポリイソシアネート(h)は、少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物であり、芳香族ポリイソシアネート(h1)、脂肪族ポリイソシアネート(h2)、脂環式ポリイソシアネート(h3)、芳香脂肪族ポリイソシアネート(h4)、これらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基又はオキサゾリドン基含有変性物など)(h5)、及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
[0065]
 (h1)としては、C(NCO基中の炭素を除く;以下のポリイソシアネートも同様)6~16の芳香族ジイソシアネート、C6~20の芳香族トリイソシアネート及びこれらのイソシアネートの粗製物などが挙げられる。具体例としては、1,3-及び1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-及び/又は2,6-トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’-及び/又は4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノジフェニルメタン{ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)との縮合生成物;主生成物のジアミノジフェニルメタンと副生成物である少量(たとえば5~20重量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物}のホスゲン化物:例えばポリアリルポリイソシアネート(PAPI)など]、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、トリフェニルメタン-4,4’,4’’-トリイソシアネートなどが挙げられる。
 (h2)としては、C2~18の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
[0066]
 (h3)としては、C4~16の脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
 (h4)としては、C8~15の芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
 (h5)としては、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、ショ糖変性TDI及びひまし油変性MDIなどが挙げられる。
 ポリウレタン樹脂の物性の観点から、これらのうちで好ましいものは芳香族ジイソシアネートであり、さらに好ましくは2,4-及び/又は2,6-TDIである。
[0067]
 反応性分散剤(D2)の含窒素結合は、イソシアネート基と活性水素含有基との反応によって生じるものであり、活性水素含有基が水酸基である場合、主にウレタン結合が生成し、アミノ基である場合、主に尿素結合が生成する。カルボキシル基の場合はアミド結合、SH基の場合はチオウレタン結合が生成する。これらの基以外に、他の結合、例えば、ビューレット結合、アロファネート結合などが生成していてもよい。
 この含窒素結合は飽和のポリオール(f)の水酸基とポリイソシアネート(h)のイソシアネート基との反応で生じるものと、不飽和単官能活性水素化合物(g)の活性水素含有基と(h)のイソシアネート基との反応で生じるものとがある。
[0068]
 (D2)は、下記式によって求められる、1分子中の(h)のNCO基に由来する含窒素結合に対する不飽和基数の比の平均値が0.1~0.4となるような割合で、(f)、(g)及び(h)を反応させたものである。
1分子中の(h)のNCO基に由来する含窒素結合に対する不飽和基数の比の平均値=[(g)のモル数×(g)の不飽和基数]/[(h)のモル数×(h)のNCO基数]
 1分子中の(h)のNCO基に由来する含窒素結合に対する不飽和基数の比の平均値の値は、さらに好ましくは0.1~0.3であり、とくに好ましくは0.2~0.3である。不飽和基数の比の平均値の値が上記範囲内であると、ポリマーポリオールの分散安定性がとくに良好となる。
[0069]
 また、これら(D)の含有量は、(b)の重量に基づいて、ポリマー粒子(B)の粒子径の観点及び得られるポリマーポリオールの粘度の観点から、50重量%以下が好ましくは、さらに好ましくは1~40重量%、次にさらに好ましくは1~30重量%、特に好ましくは3~25重量%、最も好ましくは5~20重量%である。
[0070]
 本発明のポリマーポリオールを製造する方法として、前述した150~2,000の数平均分子量を有し芳香環を有する活性水素含有化合物(d)を使用することが、特に好ましい。
 (d)の使用量(重量%)は、(d)及び分散剤(D)の合計使用量を基準として、ポリマーポリオール中のポリマー粒子の粒子径の観点から、5~100が好ましく、さらに好ましくは10~100、特に好ましくは20~100である。
[0071]
 (d)の使用量は、ポリマー粒子の体積平均粒子径及びウレタン樹脂の機械物性の観点から、(B)の重量を基準として、1~20重量%が好ましく、さらに好ましくは、1~15重量%、次にさらに好ましくは1~10重量%、最も好ましくは2~10重量%、特に好ましくは3~10重量%である。
[0072]
 なお、本発明においては、芳香環を有する活性水素化合物(d)に該当するものは、分散剤(D)としては取り扱わず、(d)として取り扱うものとする。
[0073]
 活性水素含有化合物(d)と分散剤(D)とを併用する場合、(d)と(D)との重量比は、ポリマー粒子の体積平均粒子径及びポリマーポリオールの粘度並びにウレタン樹脂の機械物性の観点から、(d):(D)が1:30~20:1が好ましく、さらに好ましくは1:25~15:3、次にさらに好ましくは1:20~10:5、特に好ましくは2:20~10:6である。
[0074]
 ラジカル重合においては、必要により希釈剤(C)を使用してもよい。希釈剤(C)としては、芳香族炭化水素(炭素数6~10、例えばトルエン、キシレン);飽和脂肪族炭化水素(炭素数5~15,例えばヘキサン、ヘプタン、ノルマルデカン);及びその他公知の溶剤(例えば特開2005-162791号公報、特開2004-002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)等に記載のもの)などが挙げられる。これらのうち、好ましいのは芳香族炭化水素である。
 希釈剤(C)の使用量は、(b)の合計重量に基づいて、ポリマーポリオールの粘度及びポリマー粒子の凝集防止の観点から、好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは1~40重量%である。使用した(C)は、重合反応終了後にポリマーポリオール中に残存してもよいが、ポリウレタンの機械物性の観点から重合反応後に減圧ストリッピング等により除去するのが好ましい。
[0075]
 また、ラジカル重合においては必要により連鎖移動剤(P)を使用してもよい。(P)としては脂肪族チオール(C1~20、例えばn-ドデカンチオール、メルカプトエタノール)等種々の連鎖移動剤(例えば特開2005-162791号公報等に記載のもの)が使用できる。
 (P)の使用量は、(b)の合計重量に基づいて、ポリマーポリオールの粘度ポリウレタン樹脂の物性の観点から、好ましくは2重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以下である。
[0076]
 重合工程としては、バッチ式及び連続式等といったポリマーポリオールを製造するための公知(例えば特開2005-162791号公報、特開平8-333508号公報、特開2004-002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)に記載のもの)の工程を含む製造方法で製造できる。本発明のポリマーポリオールを得る工程として、バッチ式重合法(多段一括重合法を含む)及び連続重合法が好ましい。
[0077]
 多段一括重合法とは、n回(nは2以上の整数)の重合工程を含む重合方法であり、下記(I)~(III)の工程が含まれる。該製造方法は、(I)~(III)の工程がこの順序で実施されればよく、各工程が実施される反応容器は同一でも異なっていてもいずれでもよい。
(I)エチレン性不飽和化合物(b)、ポリオール(A)、活性水素化合物(d)及びさらに必要により分散剤(D)、希釈剤(C)を添加後、ラジカル重合開始剤(K)を投入して重合させ、ベースポリマーポリオール(BA1)を得る工程。ここで“(BA1)”とは、後述する(BAi-1)のiが2である段階を示している。
(II)得られた(BAi-1)に(b)、さらに必要により(A)、(d)、(D)を加えて添加後、(K)を投入して重合させ、ベースポリマーポリオール(BAi)を得る工程[iは2~(n-1)の整数]。なお、(II)の工程はnが2の場合は実施せず、nが3以上の場合に(n-2)回実施して、(II)工程の最後にベースポリマーポリオール(BAn-1)を得る。
(III)得られた(BAn-1)に(b)、さらに必要により(A)、(d)、(D)を添加後、(K)を投入して重合させ、ポリマーポリオール(I)を得る工程。
 n(重合段数)は、重合を行う工程の数であり、上記(I)、(II)及び(III)における工程の合計数である。
 nは、粗大粒子含有量の観点から、好ましくは2~7、さらに好ましくは2~5、特に好ましくは3~4である。
 ラジカル重合開始剤(K)はそのまま使用してもよいし、活性水素含有化合物(d)、希釈溶剤(C)、分散剤(D)及び/又はポリオール(A)に溶解(又は分散)したものを使用してもよい。
[0078]
 また、本発明の製造方法としては、生産安定性の観点から、下記の工程(1)及び(2)を含む製造方法がさらに好ましい。
工程(1):(A)中で、(d)及び(D)の存在下、(b)を重合させてポリマーポリオール中間体(B1)を得る工程
工程(2):ポリマーポリオール中間体(B1)中で(b)を重合させてポリマーポリオール中間体(B2)、又はポリマーポリオール(I’)を得る工程
[0079]
 工程(1)及び(2)を含む製造方法としては、多段重合方法が含まれ、特に前述した多段一括重合法が含まれる。
[0080]
 本発明において、重合温度(℃)は、生産性及びポリオールの分解防止の観点から、100~200が好ましく、さらに好ましくは110~180、特に好ましくは120~160である。
[0081]
 前記(2)の製造方法は、ポリマー粒子(B)を製造した後、活性水素含有化合物(d)及び必要により分散剤(D)の存在下で、(B)をポリオール(A)に分散し、ポリマーポリオールを得る方法であり、例えば下記の方法が挙げられる。
 まず、種々の方法(例えば特開平5-148328号公報、特開平8-100006号公報に記載の方法)でエチレン性不飽和化合物を乳化重合又は懸濁重合させることによりポリマー粒子(B)を製造する。得られた(B)を必要により湿式分級機(沈降槽方式、機械式分級機方式、遠心分級機方式等)等を用いて分級処理を行う。ここで得たポリマー粒子(B)を活性水素含有化合物(d)及び必要により分散剤(D)の存在下で(A)中に分散させることでポリマーポリオール(I)を得ることができる。分散においては重合又は湿式分級で得られた(B)分散液をそのまま用いてもよいし、(B)分散液から溶媒を留去した後に用いてもよい。(B)分散液をそのまま用いる場合は、(B)分散液にポリオール(A)、活性水素含有化合物(d)及び必要により分散剤(D)を加えた後、溶媒を留去することで本発明のポリマーポリオールが得られる。また、(B)分散液から溶媒を留去した後に用いる場合は、(B)を(A)に分散させる際、高い剪断力をかけて分散すると(B)の凝集を防ぐことができ、本発明のポリマーポリオールを得られやすい。分散させる際に用いる装置としては、ホモミキサー等、高い剪断力をかけて分散する装置が好ましい。
 本発明のポリマーポリオールを製造する方法として、ポリマー粒子(B)を製造する工程及び/又は(B)を(A)中に分散する工程で、前述した150~2,000の数平均分子量を有し芳香環を有する活性水素含有化合物(d)を分散剤として使用することが、特に好ましい。
 (d)の使用量(重量%)は、ポリマー粒子(B)の重量に対して、ポリマーポリオール中のポリマー粒子の粒子径の観点から好ましくは2~30、さらに好ましくは3~25、特に好ましくは5~20である。
[0082]
 また(C)を、必要によりポリマーポリオール(I)又は(I’)に添加して、さらに低粘度とすることもできる。(I)又は(I’)中に含有させる(C)としては、上記飽和脂肪族炭化水素;芳香族炭化水素;及び低粘度(100mPa・s/25℃以下)の難燃剤、例えばトリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート;などを挙げることができる。なお、ポリマーポリオールの揮発成分低減の観点から、ポリマーポリオール(I)又は(I’)には(C)を添加しないことが好ましい。
 得られるポリマーポリオール(I)又は(I’)中の(C)の含有量は、ポリウレタン樹脂の物性の観点から、好ましくは2重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下である。
[0083]
 ポリマーポリオール(I)は、必要により脱モノマー・脱溶剤処理を行ってもよい。ポリウレタン樹脂の臭気の観点から、脱モノマー処理・脱溶剤処理を行うことが好ましい。
 脱モノマー・脱溶剤処理としては、公知(特開2004-002800号公報(対応米国特許出願:US2005/245724 A1)等)の方法が適用でき、ポリウレタン樹脂の白色度の観点から、減圧下でモノマー及び/又は溶剤をストリッピングする方法が好ましい。
[0084]
 また、必要により老化防止剤、抗酸化剤を得られたポリマーポリオールに添加して、ポリマーポリオールの変色及びそれを用いて得られるポリウレタン樹脂の変色を防止できる。老化防止剤、抗酸化剤としては、公知(特開2006-188685号公報等)のもの等が使用でき、ラクトン、ヒンダードフェノール、リン含有化合物、ヒンダードアミン、ヒドロキシルアミン、硫黄含有化合物等が挙げられる。ポリウレタン樹脂の変色防止の観点から、ラクトンとヒンダードフェノールの併用が好ましい。
[0085]
 ポリマーポリオール(I)又は(I’)中の、エチレン性不飽和化合物(b)を重合させてなるポリマー粒子(B)の、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA-750;堀場製作所製、以下同じ)による、0.020~2,000μmの範囲を85分割した際の体積基準による粒度分布において、ポリマー粒子中に含まれる10μm以上の粒子の含有量は、それから得られるポリウレタン樹脂の物性(引裂強度等)の観点から、好ましくは1体積%以下、さらに好ましくは0.8体積%以下、特に好ましくは0である。
 なお、ポリマー粒子は、ポリウレタン樹脂の物性の観点から、実質的に0.020~2,000μmの範囲内の粒子径を有するものであることが好ましい。ここで実質的とは、99体積%以上、好ましくは100体積%がこの範囲の粒子径を有することを意味する。
[0086]
 また、ポリマーポリオール(I)又は(I’)中のポリマー粒子の、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置による体積平均粒子径は、好ましくは0.2~1.5μm、さらに好ましくは0.25~1.2μm、特に好ましくは0.3~1.1μmである。体積平均粒子径がこの範囲であると、それから得られるポリウレタン樹脂の物性が良好である。
[0087]
 ポリマーポリオール(I)及び/又は(I’)は、ポリウレタン樹脂を製造する場合に使用するポリオール成分の少なくとも一部として用いられる。すなわち(I)及び/又は(I’)をポリオール成分の少なくとも一部として用いて、ポリイソシアネート成分と、必要により触媒、発泡剤、整泡剤等の1種以上の通常用いられる添加剤の存在下、通常の方法で反応させてポリウレタン樹脂を得るのに用いられる。ポリオール成分中には、(I)及び(I’)以外に、必要により前記ポリオール(A)を含有してもよい。
[0088]
 ポリウレタン樹脂の製造に用いるポリオール成分中の(I)及び(I’)の使用量(重量%)は、得られるポリウレタン樹脂の機械物性及びポリオール成分の粘度の観点から好ましくは10~100、さらに好ましくは15~90、とくに好ましくは20~80、最も好ましくは25~70である。
[0089]
 ポリイソシアネート成分としては、従来からポリウレタン樹脂の製造に使用されている公知の有機ポリイソシアネートが使用できる。このようなポリイソシアネートとしては、前記のポリイソシアネート(h)として例示したものが挙げられる。
 これらのうちで好ましいものは、2,4-及び2,6-TDI、これらの異性体の混合物、粗製TDI;4,4’-及び2,4’-MDI、これらの異性体の混合物、粗製MDI;及びこれらのポリイソシアネートより誘導されるウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、又はイソシアヌレート基を含有する変性ポリイソシアネートである。
[0090]
 ポリウレタン樹脂の製造に際してのイソシアネート指数[(NCO基/活性水素原子含有基の当量比)×100]は、通常80~140、好ましくは85~120、とくに好ましくは95~115である。またイソシアネート指数を上記範囲より大幅に高くして(たとえば300~1000)ポリウレタン樹脂中にポリイソシアヌレート基を導入することもできる。
[0091]
 ポリウレタン樹脂の製造に際しては反応を促進させるため、ポリウレタン反応に通常使用される触媒[たとえばアミン系触媒(トリエチレンジアミン、N-エチルモルホリンなどの3級アミン)、錫系触媒(オクチル酸第1スズ、ジブチルチンジラウレートなど)、その他の金属触媒(オクチル酸鉛など)など]を使用することができる。触媒の量は、反応混合物の重量に基づいて通常0.001~5%である。
 また、本発明においては、ポリウレタン樹脂の製造に際し、発泡剤(たとえば水、HFC(ハイドロフルオロカーボン)、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)、メチレンクロライドなど)を使用し、ポリウレタンフォームとすることができる。発泡剤の使用量はポリウレタンフォームの所望の密度により変えることができる。
[0092]
 本発明のポリウレタン樹脂の製法において、必要により整泡剤を使用することができる。整泡剤としてはシリコーン界面活性剤(例えばポリシロキサン-ポリオキシアルキレン共ポリマー)が挙げられる。
 本発明において、必要により老化防止剤、抗酸化剤を使用できる。老化防止剤、抗酸化剤としては、公知(特開2006-188685号公報等)のもの等が使用でき、ラクトン、ヒンダードフェノール、リン含有化合物、ヒンダードアミン、ヒドロキシルアミン、硫黄含有化合物等が挙げられる。ポリウレタン樹脂の変色防止の観点から、ラクトンとヒンダードフェノールの併用が好ましい。
 その他、本発明の製法において使用できる添加剤としては、例えば難燃剤、反応遅延剤、着色剤、内部離型剤、老化防止剤、抗酸化剤、可塑剤、殺菌剤、カーボンブラック及びその他の充填剤等公知(特開2005-162791号公報等)の添加剤が挙げられる。
[0093]
 ポリウレタン樹脂の製造は通常の方法で行うことができ、ワンショット法、セミプレポリマー法、プレポリマー法等の公知の方法により行うことができる。
 ポリウレタン製造には通常用いられている製造装置を用いることができる。無溶媒の場合はたとえばニーダーやエクストルーダーのような装置を用いることができる。閉鎖モールドあるいは開放モールド内で各種の非発泡あるいは発泡のポリウレタン樹脂の製造を行うことができる。ポリウレタンの製造は普通低圧あるいは高圧の機械装置を用いて原料を混合反応させることにより行われる。さらには、原料混合前後(とくに原料混合前)、原料中の溶存空気あるいは混合時に混入した空気などのガスを真空法により除去することによりポリウレタン樹脂の製造を行うこともできる。
[0094]
 ポリマーポリオール(I)及び/又は(I’)は、軟質モールドフォーム及びスラブフォーム等のポリウレタンフォームの製造に特に有用である。またRIM(反応射出成形)法による成形にも好適に使用できる。

実施例

[0095]
 以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下において、部、%及び比は、特に断りのない限り、それぞれ、重量部、重量%及び重量比を示す。
[0096]
 実施例及び比較例に使用した原料の組成、記号等は次の通りである。
(1)ポリオール(A1)
 ポリオール(A1-1):グリセリンにPO-EO-POの順に付加させた、水酸基価=56、内部EO単位含量=5%、末端PO単位含量=5%のポリオール。
 ポリオール(A1-2):ペンタエリスリトールにPO-EOの順に付加させた、水酸基価=32、末端EO単位含量=14%のポリオール
 ポリオール(A1-3):グリセリンにPO-EOの順に付加させた、水酸基価=33.7、末端EO単位含量=14%のポリオール。
(2)ラジカル重合開始剤(k)
 k-1:2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)商品名「V-59」、和光純薬工業(株)製〕
(3)分散剤(D)
 D-1 :ポリオール(A1-2)0.14モルと2-ヒドロキシメタクリレート0.07モルをTDI0.16モルでジョイントして得られる水酸基価=20、不飽和基数/含窒素基数=0.22の反応性分散剤〔特開2002-308920号公報(対応米国特許6756414号)参照〕
 D-2 :ACN(アクリロニトリル)とSt(スチレン)との重量比がACN:St=70:30であるACN-St共重合オリゴマー型非反応性分散剤{このオリゴマー型分散剤を含有量が10重量%となるようにポリオール(A1-3)に混合して使用した。この共重合オリゴマーのMnは、GPC測定によるポリスチレン基準で、247,710であった。この混合物の水酸基価=29.0}
 D-3 :ACNとStとの重量比がACN:St=30:70であるACN-St共重合オリゴマー型非反応性分散剤{このオリゴマー型分散剤を含有量が10重量%となるようにポリオール(A1-3)に混合して使用した。この共重合オリゴマーのMnは、GPC測定によるポリスチレン基準で、101,763であった。この混合物の水酸基価=29.0}
(4)活性水素含有化合物(d)
 d-1 :ビスフェノールA(水酸基当量:114、SP値:13.6)にPOを付加させた、数平均分子量=518の活性水素含有化合物。
 d-2 :モノスチレン化フェノール(水酸基当量:198、SP値:12.1)にPOを付加させた、数平均分子量=778の活性水素含有化合物
 d-3 :ジスチレン化フェノール(水酸基当量:302、SP値:11.6)にPO及びEOをランダム付加させた、数平均分子量=1554の活性水素含有化合物
 d-4 :ブタノール(水酸基当量:74、SP値:11.3)にPOを付加させた、数平均分子量=654の活性水素含有化合物
(5)ポリイソシアネート
 ポリイソシアネート:“コロネートT-80”(TDI)〔日本ポリウレタン工業(株)製〕
(6)触媒
 触媒A:“ネオスタンU-28”(オクチル酸第1スズ)〔日東化成(株)製〕
 触媒B:“DABCO”(トリエチレンジアミン)〔日本乳化剤(株)製〕
(7)整泡剤
 “SRX-280A”(ポリエーテルシロキサン重合体)〔東レダウコーニングシリコーン(株)製〕
[0097]
 実施例における測定、評価方法は次のとおりである。
<10μm以上の粒子の含有量及び体積平均粒子径>
 得られたポリマーポリオールを、レーザー光の透過率が70~90%となるように、ポリマーポリオールの製造に使用したポリオールで希釈し、下記の粒度分布測定装置にて10μm以上の粒子の含有量(体積%)及び体積平均粒子径(μm)を測定した。
 尚、ここで粒子とはポリマーポリオール中のポリマー粒子を意味し、体積平均粒子径は、このポリマー粒子の体積平均粒子径を意味している。

  装置   :堀場製作所製 LA-750
  測定原理 :Mie散乱理論
  測定範囲 :0.04μm~262μm
  溶液注入量:He-Neレーザー
  測定時間 :20秒
[0098]
<体積平均粒子径>
 以下の式による。
  体積平均粒子径(μm) = Σ〔q(J)×X(J)〕/Σ〔q(J)〕
    J  :粒子径分割番号(1~85)
   q(J):頻度分布値(%)
   X(J):粒子径分割番号J番目の粒子径(μm)
[0099]
<ポリマー粒子含有量>
 遠心分離用50ml遠沈管に、ポリマーポリオール約5gを精秤し、ポリマーポリオール重量(W1)とした。メタノール50gを加えて希釈した。冷却遠心分離機[型番:H-9R、コクサン(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離した。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去した。残留沈降物にメタノール50gを加えて希釈し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返した。遠沈管内の残留沈降物を、2,666~3,999Pa(20~30torr)で60℃×60分間減圧乾燥し、乾燥した沈降物を重量測定し、該重量を(W2)とした。次式で算出した値を、ポリマー粒子含有量(重量%)とした。
 ポリマー粒子含有量(重量%)=(W2)×100/(W1)
[0100]
<粘度>
 BL型粘度計(東京計器製)を用いて、3号ローター、12rpm、25℃の条件にて求めた。
[0101]
<粘性>
 ポリマーポリオールを、レオメーター〔ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製〕を用いて、25℃の条件にてせん断速度0.1(1/s)、1.0(1/s)及び10.0(1/s)での粘性を測定した。
[0102]
<転化率>
 転化率は、仕込みモノマー量に対する各モノマーの残存モノマー含量から算出し、その重量平均から求めた。残存モノマー含量は、ガスクロマトグラフ法により、内部標準物質に対する面積比から算出した。具体的な分析方法はスチレンを例に以下に示す。
 転化率〔重量%〕
 =100-100×[(残存スチレン含量〔%〕/(原料中のスチレン仕込量〔%〕]
 残存スチレン含量〔%〕=L/M ×(内部標準物質に対するファクター)
  L=(残存スチレンのピーク面積)/(ポリマーポリオールの重量〔g〕)
  M=(内部標準物質のピーク面積)/(内部標準物質の重量〔g〕)

 内部標準物質に対するファクターは、同質量における各モノマーのピーク面積を内部標準物質のピーク面積で除したものである。
  ガスクロマトグラフ :GC-14B(島津製作所製)
  カラム       :内径4mmφ、長さ1.6m、ガラス製
  カラム充填剤    :ポリエチレングリコール20M〔信和化工(株)製〕
  内部標準物質    :ブロモベンゼン〔ナカライテスク(株)社製〕
  希釈溶媒      :ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 1級〔和光純薬(株)製〕(50%溶液とする。)
  インジェクション温度:200℃
  カラム初期温度   :110℃
  昇温速度      :5℃/min.
  カラムファイナル温度:200℃
  試料注入量     :1μl
[0103]
実施例1 [ポリマーポリオール(I-1)の製造]
 温度調節器、バキューム攪拌翼、滴下ポンプ、減圧装置、ジムロート冷却管、窒素流入口及び流出口を備えた4口フラスコに、初期仕込みとしてポリオール(A1-1)193.6部、キシレン61.6部、分散剤(D-1)14.0部、及び活性水素含有化合物(d-1)28.0部を投入し、窒素置換後、窒素雰囲気下(重合終了まで)で撹拌下130℃に昇温した。ついで、ポリオール(A1-1)97.3部、アクリロニトリル84.0部、スチレン196.0部、ジビニルベンゼン0.3部、分散剤(D-1)14.0部、キシレン8.4部及びラジカル重合開始剤(k-1)2.8部を予め混合したモノマー含有混合液(M-1)を滴下ポンプを用いて2部/分の速度で連続的に滴下し、130℃で240分重合させポリマーポリオール中間体(Z-1)を得た。(Z-1)から未反応モノマーとキシレンを2,666~3,999Pa(20~30torr)で2時間、減圧下でストリッピングして、ポリマーポリオール(I-1)を得た。前記の測定、評価方法で(I-1)を評価した。結果を表2に示す。
[0104]
実施例2~6及び比較例1~4 [ポリマーポリオール(I-2)~(R-4)の製造]
 実施例1において、初期仕込み及びモノマー含有混混合液の組成を表1に示す部数にする以外は実施例1と同様にして、ポリマーポリオール(I-2)~(I-6)及び比較のポリマーポリオール(R-1)~(R-4)を得た。これらについて、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表2に示す。
[0105]
[表1]


[0106]
[表2]


[0107]
 表2の結果から実施例1~6は、比較例1~4に比べて、体積平均粒子径が小さいことがわかる。また、実施例1~6は、比較例1,2及び4に比べポリマー含量がほぼ同じであるにもかかわらず、粘度が低いことがわかる。
[0108]
実施例7~12及び比較例5~8[ポリウレタンフォームの製造]
 実施例1~6及び比較例1~4で得られたポリマーポリオール(I-1)~(I-6)及び比較のポリマーポリオール(R-1)~(R-4)を使用し、表3記載の配合比で、以下に示す発泡条件によりポリウレタンフォームを製造した。これらのフォーム物性測定結果を表3に示す。発泡処方は以下の通りである。
〔1〕 ポリマーポリオール、ポリオール(A1-1)及びポリイソシアネートをそれぞれ25±2℃に温調する。
〔2〕 ポリマーポリオール、ポリオール(A1-1)、整泡剤、水、触媒の順で容量1リットルの紙コップに入れて、室温(25℃±2℃)で撹拌混合し、直ちにポリイソシアネートを加え、攪拌機〔ホモディスパー:特殊機化(株)製、撹拌条件:2,000rpm×8秒〕を用いて、撹拌して発泡を行った。
〔3〕 撹拌停止後、25×25×10cmの木箱(25℃±2℃)に内容物を投入して、ポリウレタンフォームを得た。
[0109]
[表3]


[0110]
 表3におけるフォーム物性の評価方法は以下の通りである。
  密度(kg/m ):JIS K6400-1997〔項目5〕に準拠
  25%ILD(硬度)(kgf/314cm
           :JIS K6382-1995〔項目5.3〕に準拠
  引張強度(kgf/cm ):JIS K6301-1995〔項目3〕に準拠
  引裂強度(kgf/cm):JIS K6301-1995〔項目9〕に準拠
  切断伸度(%):JIS K6301-1995〔項目3〕に準拠
  圧縮永久歪(%):JIS K6382-1995〔項目5.5〕に準拠
  白色度:JIS 8715-1999に準拠。
 なお通常ポリウレタンフォームの物性として、密度は15~50の範囲が好ましく、25%ILD、引張強度、引裂強度、切断伸度は数値が大きいほど好ましい。また、圧縮永久歪は数値が小さいほど好ましい。
[0111]
 表3の結果から、実施例7~12は、比較例5~8とポリマーポリオール以外の原料組成がほぼ同一であるが、25%ILD(硬度)、引張強度が良好であり、引裂強度が良好である。
[0112]
実施例13 [ポリマーポリオール(I-13)の製造]
 温度調節器、バキューム攪拌翼、滴下ポンプ、減圧装置、ジムロート冷却管、窒素流入口及び流出口を備えた4口フラスコに、初期仕込みとしてポリオール(A1-1)214.6部、キシレン61.6部、分散剤(D-1)12.6部及び活性水素含有化合物(d-1)8.4部を投入し、窒素置換後、窒素雰囲気下(重合終了まで)で撹拌下130℃に昇温した。ついで、ポリオール(A1-1)98.7部、アクリロニトリル84.0部、スチレン196.0部、ジビニルベンゼン0.3部、分散剤(D-1)12.6部、キシレン8.4部及びラジカル重合開始剤(k-1)2.8部を予め混合したモノマー含有混合液(M-13)を滴下ポンプを用いて2部/分の速度で連続的に滴下し、130℃で240分重合させポリマーポリオール中間体(Z-13)を得た。(Z-13)から未反応モノマーとキシレンを2,666~3,999Pa(20~30torr)で2時間、減圧下でストリッピングして、ポリマーポリオール(I-13)を得た。前記の測定、評価方法で(I-1)を評価した。結果を表5に示す。
[0113]
実施例14~25及び比較例9~11 [ポリマーポリオール(I-14)~(I-25)及び(R-9)~(R-11)の製造]
 実施例13において、初期仕込み及びモノマー含有混混合液の組成を表4に示す部数にする以外は実施例13と同様にして、ポリマーポリオール(I-14)~(I-25)及び比較のポリマーポリオール(R-9)~(R-11)を得た。これらについて、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表5に示す。
[0114]
[表4]


[0115]
[表5]


[0116]
 表5の結果から実施例13~25は、比較例9~11に比べて、体積平均粒子径が小さいことがわかる。また、実施例13~25は、比較例9~11に比べて、10μm以上の粒子の含有量が同等以下となっていることがわかる。
[0117]
実施例26~38及び比較例12~14[ポリウレタンフォームの製造]
 実施例13~25及び比較例9~11で得られたポリマーポリオール(I-13)~(I-25)及び比較のポリマーポリオール(R-9)~(R-11)を使用し、表6記載の配合比で、実施例7と同じ発泡条件によりポリウレタンフォームを製造した。これらのフォーム物性測定結果を表6に示す。
[0118]
[表6]


[0119]
 表6におけるフォーム物性の評価方法は前記と同様である。
[0120]
 表6の結果から、実施例26~38は、比較例12~14とポリマーポリオール以外の原料組成が同一であるが、25%ILD(硬度)、引張強度が良好であり、引裂強度が良好である。
[0121]
実施例39 [重合体ポリオール(I-39)の製造]
〔第1工程〕 連続重合装置(送液ライン、オーバーフローラインを接続した2LのSUS製耐圧反応容器)を2槽用意し、1槽目のオーバーフローラインを2槽目の重合槽の入口と接続し直列に配置する。1槽目および2槽目の重合槽にそれぞれ、あらかじめポリオール(A1-1)、キシレンを表7に示す部数で混合した初期仕込液(L-1)2,000部を充液し、130℃に昇温した。(A1-1)、(D-1)、アクリロニトリル、スチレン、ジビニルベンゼン、ラジカル重合開始剤(k-1)及びキシレンを表7に示す部数で混合した原料混合液(G1-1)をスタティックミキサーを用いてラインブレンドした後、表7に示す1槽目の送液速度で1槽目の重合槽へ連続的に送液し、重合槽からオーバーフローさせ重合体ポリオール中間体(IB1-1)を得た。1槽目の重合槽からオーバーフローさせた(IB1-1)は表7に示す1槽目の送液速度で2槽目の重合槽へ連続的に送液した。
〔第2工程〕 1槽目から表7に示す1槽目の送液速度の速度でオーバーフローさせた(IB1-1)と(A1-1)、アクリロニトリル、スチレン、ラジカル重合開始剤(k-1)及びキシレンを表7に示す部数で混合した原料混合液(G1-2)をスタティックミキサーを用いてラインブレンドした後、表7に示す2槽目の送液速度の速度で2槽目の重合槽へ連続的に送液し、重合槽からオーバーフローさせた反応液をSUS製の受け槽にストックして、重合体ポリオール中間体(IB1-2)を得た。(IB1-2)から加熱水蒸気(蒸気中に含まれる水分量として、ポリマーポリオールに対し4重量%となる量を2時間かけて投入)を別の口から添加しながら未反応モノマーとキシレンを2,666~3,999Pa(20~30torr)で2時間、130~140℃減圧下でストリッピングして、重合体ポリオール(I-39)を得た。前記の測定、評価方法で(I-39)を評価した。結果を表8に示す。
[0122]
実施例40 [ポリマーポリオール(I-40)の製造]
 実施例39において、初期仕込み液、第1工程及び第2工程の仕込み部数を表7に示す部数にする以外は実施例39と同様にして、ポリマーポリオール(I-40)を得た。これについて、実施例1と同様に測定、評価した。結果を表8に示す。
[0123]
[表7]


[0124]
[表8]


[0125]
 表8の結果から実施例39及び40は、表5の比較例9~11に比べて、体積平均粒子径が小さいことがわかる。また、実施例39及び40は、比較例9~11に比べて、10μm以上の粒子の含有量が同等以下となっていることがわかる。
[0126]
実施例41及び42[ポリウレタンフォームの製造]
 実施例39及び40で得られたポリマーポリオール(I-39)及び(I-40)を使用し、表9記載の配合比で、実施例7と同じ発泡条件によりポリウレタンフォームを製造した。これらのフォーム物性測定結果を表9に示す。
[0127]
[表9]


[0128]
 表9におけるフォーム物性の評価方法は前記と同様である。
[0129]
 表9の結果から、実施例41及び42は、表6の比較例12~14とポリマーポリオール以外の原料組成が同一であるが、25%ILD(硬度)、引張強度が良好であり、引裂強度が良好である。

産業上の利用可能性

[0130]
 本発明のポリマーポリオール及び本発明の製造方法により得られたポリマーポリオールを用いて製造された本発明のポリウレタン樹脂は、通常のポリウレタン樹脂が用いられる各種用途に使用されるが、硬度や強度が良好であるため特にポリウレタンフォームとして、家具の室内調度等の用途に好適である。

請求の範囲

[1]
 ポリオール(A)、エチレン性不飽和化合物(b)を重合させてなるポリマー粒子(B)及び150~2,000の数平均分子量を有し芳香環を有する活性水素含有化合物(d)からなり、(d)の含有量が、(B)の重量を基準として、1~20%であるポリマーポリオール(I)。
[2]
 芳香環を有する活性水素含有化合物(d)が1個以上の活性水素を有する活性水素含有化合物(e)のアルキレンオキサイド付加物であり、(e)の水酸基当量及びSP値が式(1)及び式(2)を満たす請求項1に記載のポリマーポリオール。
   80≦X≦360                       (1)
   -0.012×X+14.0≦S≦-0.012×X+17.0  (2)
[式中、Xは活性水素含有化合物(e)の水酸基当量、Sは活性水素含有化合物(e)のSP値を表す。]
[3]
 さらに、分散剤(D)を含んでなる請求項1又は2に記載のポリマーポリオール。
[4]
 分散剤(D)の含有量が、ポリマー粒子(B)の重量を基準として、1~30重量%である請求項3に記載のポリマーポリオール。
[5]
 分散剤(D)が、下記(D1)及び/又は(D2)である請求項3に記載のポリマーポリオール。
(D1)数平均分子量が1,000~1,000,000のビニルオリゴマー。
(D2)飽和のポリオール(f)と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する単官能活性水素含有化合物(g)が、ポリイソシアネート(h)を介して結合されてなり、1分子中のNCO基に由来する含窒素結合の数に対する不飽和基数の比の平均値が0.1~0.4である含窒素結合含有不飽和ポリオール。
[6]
 ポリマーポリオールが、その粘性とポリマー粒子(B)の含有量(PC)について、下記式(3)を満たす、及び/又は、下記式(4)と式(5)とを満たす請求項1又は2に記載のポリマーポリオール。
    (N1)<0.9 ×(PC)-35  (3)
    (N2)<1.17×(PC)-46  (4)
    (N3)<1.37×(PC)-55  (5)
     N1:ポリマーポリオールの25℃でのレオメーターによるせん断速度1.0(1/s)での粘性(Pa・s)
     N2:ポリマーポリオールの25℃でのレオメーターによるせん断速度0.1(1/s)での粘性(Pa・s)
     N3:ポリマーポリオールの25℃でのレオメーターによるせん断速度10.0(1/s)での粘性(Pa・s)
     PC:ポリマーポリオール中の(B)の含有量(重量%)
[7]
 ポリオール(A)を含む分散媒中で、150~2,000の数平均分子量を有し芳香環を有する活性水素含有化合物(d)及び必要により分散剤(D)の存在下、エチレン性不飽和化合物(b)を重合させることからなるポリマーポリオール(I’)の製造方法。
[8]
 芳香環を有する活性水素含有化合物(d)の使用量が、(b)の重量を基準として、1~20重量%である請求項7に記載の製造方法。
[9]
 分散剤(D)の使用量が、エチレン性不飽和化合物(b)の重量を基準として、1~30重量%である請求項7又は8に記載の製造方法。
[10]
 芳香環を有する活性水素含有化合物(d)の使用量が、(d)及び分散剤(D)の合計使用量を基準として、5~100重量%である請求項7又は8に記載の製造方法。
[11]
 芳香環を有する活性水素含有化合物(d)が1個以上の活性水素を有する活性水素含有化合物(e)のアルキレンオキサイド付加物であり、(e)の水酸基当量及びSP値が式(1)及び式(2)を満たす請求項7又は8に記載のポリマーポリオールの製造方法。
   80≦X≦360                       (1)
   -0.012×X+14.0≦S≦-0.012×X+17.0  (2)
[式中、Xは活性水素含有化合物(e)の水酸基当量、Sは活性水素含有化合物(e)のSP値を表す。]
[12]
 分散剤(D)が、下記(D1)及び/又は(D2)である請求項7又は8に記載のポリマーポリオールの製造方法。
(D1)数平均分子量が1,000~1,000,000のビニルオリゴマー。
(D2)飽和のポリオール(f)と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する単官能活性水素含有化合物(g)が、ポリイソシアネート(h)を介して結合されてなり、1分子中のNCO基に由来する含窒素結合の数に対する不飽和基数の比の平均値が0.1~0.4である含窒素結合含有不飽和ポリオール。
[13]
 下記の工程(1)及び(2)を含む請求項7又は8に記載の製造方法。
工程(1):ポリオール(A)中で、芳香環を有する活性水素含有化合物(d)及び分散剤(D)の存在下、エチレン性不飽和化合物(b)を重合させてポリマーポリオール中間体(B1)を得る工程
工程(2):ポリマーポリオール中間体(B1)中で(b)を重合させてポリマーポリオール中間体(B2)、又はポリマーポリオール(I’)を得る工程
[14]
 ポリオール成分とポリイソシアネート成分を反応させて、ポリウレタン樹脂を製造する方法において、ポリオール成分の少なくとも一部として請求項1に記載のポリマーポリオール(I)及び/又は請求項7に記載の製造方法により得られるポリマーポリオール(I’)を用いることからなるポリウレタン樹脂の製造方法。
[15]
 (I)及び/又は(I’)の使用量が、ポリオール成分の重量に基づいて10~100%である請求項14記載のポリウレタン樹脂の製造方法。