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1. WO2009041128 - 携帯型心電計セット

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明 細 書

発明の名称 携帯型心電計セット

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

発明の開示

発明が解決しようとする課題

0004   0005   0006   0007   0008   0009  

課題を解決するための手段

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021  

発明の効果

0022   0023  

図面の簡単な説明

0024   0025  

発明を実施するための最良の形態

0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25   26   27  

明 細 書

携帯型心電計セット

技術分野

[0001]
 本発明は、持ち運び可能に構成された携帯型心電計セットに関するものであり、より特定的には、心電計本体と、外部電極に接続されるクリップ付きケーブルを有する長尺のリード部と、心電計本体およびリード部を収容して持ち運ぶための収容部材とを備えた携帯型心電計セットに関するものである。

背景技術

[0002]
 一般に、不整脈や、狭心症や心筋梗塞等の虚血性心疾患の診断には、患者の心電図が利用される。心電図を得るために利用される心電計としては、種々の構成のものが知られている。その一つに、持ち運びが可能で測定すべき自覚症状が発生した場合に被験者自らが電極を身体に接触させることによって心電波形の測定および記憶を可能にする携帯型心電計が知られている。
[0003]
 携帯型心電計としては、被験者自らが心電波形の測定を迅速に行なうことができるように、心電計本体に露出電極を設け、この露出電極を身体に接触させて測定を行なう形式のもの(たとえば、特開2005―40187号公報(特許文献1)等参照)や、被験者以外の人(たとえば医師や看護士等)が被験者の心電波形の測定が行なえるように、心電計本体からケーブルを介して外部電極を引き出し、被験者の身体にこの外部電極を装着させて測定を行なう形式のもの(たとえば、特開2005-211387号公報(特許文献2)等参照)などがある。特に、後者の携帯型心電計においては、ディスポーザルタイプの外部電極が使用される場合が多く、その場合には、心電計本体に設けられた心電図測定回路と外部電極との電気的な接続を実現するために、心電計本体にクリップ付きケーブルが付属される場合が多い。
特許文献1 : 特開2005-40187号公報
特許文献2 : 特開2005-211387号公報

発明の開示

発明が解決しようとする課題

[0004]
 一般に、上述した携帯型心電計においては、3点誘導法にて心電波形の測定が行なわれる。この3点誘導法においては、正電極、負電極および不関電極と呼ばれる3つの電極が使用される。そのため、外部電極を利用して心電波形を測定することが企図された携帯型心電計にあっては、少なくともクリップ付きケーブルが3本必要になることになり、この3本のクリップ付きケーブルが心電計本体に具備されることになる。
[0005]
 ここで、上述したクリップ付きケーブルは、測定の際の利便性を考慮すると所定の長さ(たとえば、30cm以上程度の長さ)とされることが必要である。この長尺のクリップ付きケーブルは、心電計本体とともに持ち運びされることになるが、上述したようにクリップ付きケーブルは3本必要であるため、これを輪っか状に束ねて持ち運ぶと取り出しの際にこれらクリップ付きケーブル同士が複雑に絡み合い、これを解かなければ使用できないという煩わしさが生じていた。このような煩わしさは、測定すべき症状が生じている場合に迅速に心電波形を測定することを阻害するものであり、場合によっては測定すべき心電波形を記録する機会を喪失してしまうことにもなりかねない。
[0006]
 また、クリップ付きケーブルは、上述したように輪っか状に束ねて持ち運ばれることが多いため、その取扱い次第によっては断線が生じてしまう場合がある。断線が生じているか否かは外観上で判別することができないため、被験者が断線が生じていることを知らずに使用を続けた結果、測定すべき心電波形が一切記録できないという不都合が生じるおそれもある。
[0007]
 一般に、心電計に使用されているケーブルの断線の有無をチェックする方法としては、ケーブルの両端間の抵抗値を測定することによって断線の有無をチェックする方法や、ケーブルに外部電極を接続した状態においてこれら外部電極間をショートさせ、そのときに心電計本体の表示部に表示される波形を確認して断線の有無をチェックする方法等がある。しかしながら、これらチェック方法はいずれも相当程度の手間を必要とするものであり、心電波形の測定前に毎回行なうことを想定した場合には煩わしさを伴うものであった。このような煩わしさは、やはり測定すべき症状が生じている場合に迅速に心電波形を測定することを阻害するものであり、場合によっては測定すべき心電波形を記録する機会を喪失してしまうことにもなりかねない。また、前者の断線チェック方法を採用するためには、心電計本体に別途、抵抗測定器を設ける必要があり、実現性に乏しいものであった。
[0008]
 したがって、本発明は、このような問題点を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、ケーブルが絡まることなく持ち運ぶことが可能な携帯型心電計セットを提供することにより、手間なく迅速に心電波形を測定することを可能にすることにある。
[0009]
 また、本発明の他の目的は、ケーブルが絡まることなく持ち運ぶことが可能でかつ簡便にケーブルの断線チェックを行なうことが可能な携帯型心電計セットを提供することにより、手間なく迅速にかつ確実に心電波形を測定することを可能にすることにある。

課題を解決するための手段

[0010]
 本発明に基づく携帯型心電計セットは、持ち運び可能に構成されたものであり、心電図測定回路が設けられた心電計本体と、心電図測定用の外部電極を上記心電図測定回路に接続するためのクリップ付きケーブルを少なくとも2つ以上有する長尺のリード部と、上記心電計本体および上記リード部を収容して持ち運ぶための収容部材とを備えるものである。本発明に基づく携帯型心電計セットにおいては、上記2つ以上のクリップ付きケーブルに含まれるすべてのクリップを同時に取付け可能なクリップ被取付部が、上記収容部材、上記リード部および上記心電計本体のいずれかに設けられている。
[0011]
 このように構成することにより、収容部材に心電計本体およびリード部を収容するにあたって、クリップ被取付部にリード部に含まれる複数のクリップのすべてを取付けた状態として収容することが可能になるため、リード部に含まれる複数のケーブル同士が絡み合うことが防止されることになる。したがって、ケーブルが絡まることなく持ち運ぶことが可能な携帯型心電計セットとすることができ、手間なく迅速に心電波形を測定することが可能になる。
[0012]
 上記本発明に基づく携帯型心電計セットにあっては、上記クリップ被取付部が、上記収容部材に収容された状態と上記収容部材から取り出された状態との2状態を採り得るように構成されていることが好ましい。
[0013]
 このように構成することにより、収容状態においてはクリップ被取付部が収容部材に収容されてコンパクトに持ち運ぶことができるようになるとともに、取り出しの際にはクリップ被取付部を収容部材の外部に取り出してクリップの取り外しができることになるため、使い勝手のよい携帯型心電計セットとすることができる。
[0014]
 上記本発明に基づく携帯型心電計セットにあっては、少なくとも上記クリップ被取付部の表面が導体材料にて形成されていることが好ましい。
[0015]
 このように構成することにより、クリップ被取付部にリード部に含まれるすべてのクリップを取付けた状態においてクリップ被取付部を介してクリップ付きケーブルのすべてが短絡した状態とすることができる。そのため、当該状態において心電計本体を用いてケーブルの断線チェックを行なうことが可能になる。したがって、クリップ被取付部にリード部に含まれる複数のクリップのすべてを取付けた状態として収容部材に心電計本体およびリード部を収容しておけば、収容部材から心電計本体を取り出しただけで即座にケーブルの断線チェックを行なうことが可能になる。その結果、ケーブルが絡まることなく持ち運ぶことが可能でかつ簡便にケーブルの断線チェックを行なうことが可能な携帯型心電計セットとすることができ、手間なく迅速にかつ確実に心電波形を測定することが可能になる。
[0016]
 上記本発明に基づく携帯型心電計セットにあっては、上記クリップ被取付部が剛体の部材にて構成されていることが好ましい。
[0017]
 このように構成することにより、クリップをクリップ被取付部に取り付け易くなり、使い勝手のよい携帯型心電計セットとすることができる。
[0018]
 また、上記本発明に基づく携帯型心電計セットにあっては、上記クリップ被取付部が、上記収容部材、上記リード部および上記心電計本体のいずれかに紐状または帯状のストラップを介して取付けられていてもよい。
[0019]
 また、上記本発明に基づく携帯型心電計セットにあっては、上記リード部が上記心電計本体に着脱自在に取付け可能であってもよい。
[0020]
 また、上記本発明に基づく携帯型心電計セットにあっては、上記心電計本体が、上記心電図測定回路に電気的に接続された心電図測定用の露出電極をその表面に有していてもよい。
[0021]
 また、上記本発明に基づく携帯型心電計セットにあっては、上記収容部材が巾着袋であってもよい。

発明の効果

[0022]
 本発明によれば、ケーブルが絡まることなく持ち運ぶことが可能な携帯型心電計セットとすることができ、手間なく迅速に心電波形を測定することが可能になる。
[0023]
 また、本発明によれば、ケーブルが絡まることなく持ち運ぶことが可能でかつ簡便にケーブルの断線チェックを行なうことが可能な携帯型心電計セットとすることができ、手間なく迅速にかつ確実に心電波形を測定することが可能になる。

図面の簡単な説明

[0024]
[図1] 本発明の実施の形態1における携帯型心電計セットに含まれる心電計本体の外観構造を示す斜視図である。
[図2] 本発明の実施の形態1における携帯型心電計セットに含まれる心電計本体の外観構造を示す斜視図である。
[図3] 図1および図2に示す心電計本体の正面図である。
[図4] 図1および図2に示す心電計本体の上面図である。
[図5] 図1および図2に示す心電計本体の下面図である。
[図6] 図1および図2に示す心電計本体の右側面図である。
[図7] 図1および図2に示す心電計本体の左側面図である。
[図8] 本発明の実施の形態1における携帯型心電計セットに含まれる外部電極接続用のリード部の外観構造を示す模式図である。
[図9] 外部電極接続用のリード部を差し込むための開閉カバーを開状態とした場合の心電計本体の上面図である。
[図10] 外部電極接続用のリード部および外部端末接続用のリード部を択一的に心電計本体に差し込む様子を示した模式図である。
[図11] 本発明の実施の形態1における携帯型心電計セットに含まれる収容部材としての巾着袋の外観構造を示す正面図である。
[図12] 本発明の実施の形態1における携帯型心電計セットに含まれる心電計本体等の機能ブロックを示す図である。
[図13] 本発明の実施の形態1における携帯型心電計セットに含まれる心電計本体の処理フローを示す図である。
[図14] 本発明の実施の形態1における携帯型心電計セットに含まれる心電計本体の表示部における測定結果の表示例を示す図である。
[図15] 本発明の実施の形態1における携帯型心電計セットに含まれる心電計本体の表示部における測定結果の表示例を示す図である。
[図16] 本発明の実施の形態1における携帯型心電計セットにおいて、第1の測定態様にて心電波形を測定する場合に被験者がとるべき測定姿勢を示す図である。
[図17] 本発明の実施の形態1における携帯型心電計セットにおいて、第1の測定態様にて心電波形を測定する場合に被験者がとるべき測定姿勢を示す図である。
[図18] 図16および図17に示す測定姿勢を被験者がとった場合の被験者の右手による把持状態を示す図である。
[図19] 本発明の実施の形態1における携帯型心電計セットにおいて、第2の測定態様にて心電波形を測定する場合に外部電極を装着すべき位置の一例を示す図である。
[図20] 本発明の実施の形態1における携帯型心電計セットにおいて、第2の測定態様にて心電波形を測定する場合に外部電極を装着すべき位置の他の例を示す図である。
[図21] 本発明の実施の形態1における携帯型心電計セットにおいて、収容部材としての巾着袋に心電計本体および外部電極接続用のリード部を収容する態様について説明するための図である。
[図22] 本発明の実施の形態1における携帯型心電計セットにおいて、収容部材としての巾着袋に心電計本体および外部電極接続用のリード部を収容した状態を示す図である。
[図23] 本発明の実施の形態1における携帯型心電計セットにおいて、断線チェックを行なう場合の電気的な接続を示す模式図である。
[図24] 外部電極接続用のリード部のケーブルに断線がない場合の心電計本体の表示部の表示例を示す図である。
[図25] 外部電極接続用のリード部のケーブルに断線がある場合の心電計本体の表示部の表示例を示す図である。
[図26] 本発明の実施の形態2における携帯型心電計セットにおいて、収容部材としての巾着袋に心電計本体および外部電極接続用のリード部を収容する態様について説明するための図である。
[図27] 本発明の実施の形態3における携帯型心電計セットにおいて、収容部材としての巾着袋に心電計本体および外部電極接続用のリード部を収容する態様について説明するための図である。

符号の説明

[0025]
 1A~1C 携帯型心電計セット、100 心電計本体、101 正面、102 背面、103 上面、104 下面、105 右側面、105a 凹部、106 左側面、106a 突部、121 負電極、122 正電極、123 不関電極、130A~130C 開閉カバー、131,132 雌型コネクタ、133 外部端末、134 外部メモリ、140 操作部、141 電源ボタン、142 測定ボタン、143 メニューボタン、144 決定ボタン、145 左スクロールボタン、146 右スクロールボタン、148 表示部、150 処理回路、151 アンプ回路、152 フィルタ回路、153 A/Dコンバータ、155 内部メモリ、156 タイマ、160 電源、162 縮小波形、163 脈拍数、164 拡大波形、164 波形、165 スケールバー、166 ポインタ、167 メッセージ、170 携帯用ストラップ、171 ストラップ、172 クリップ被取付部、200 外部電極接続用のリード部、210 雄型コネクタ、210a 遮蔽部、212 接続端子、220 集合ケーブル、221~223 ケーブル、231~233 クリップ、241~243 接点、251 ストラップ、252 クリップ被取付部、300 巾着袋、310 袋部、311 出し入れ口、312 紐、313 ロック部材、321 ストラップ、322 クリップ被取付部、400 外部端末接続用のリード部、410 雄型コネクタ、410a 遮蔽部、412 接続端子、451 負電極、452 正電極、453 不関電極、500 被験者、510 右手、511 親指、512 人指し指、520 前腕、530 上腕、540 右肩、550 胸部。

発明を実施するための最良の形態

[0026]
 以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す本実施の形態における携帯型心電計セットは、いわゆる3点誘導法にて心電波形を測定することが可能となるように構成されたものであり、心電波形の測定の利便性に資することとなるように、心電計本体の表面に設けられた露出電極を用いて心電波形を測定することが可能に構成されたばかりでなく、外部電極を用いて心電波形を測定することをも可能に構成されたものである。そのため、以下に示す本実施の形態における携帯型心電計セットにおいては、心電計本体が具備されるのみならず、外部電極接続用のリード部やこれら心電計本体およびリード部を収容可能な収容部材をさらに具備してなるものである。
[0027]
 (実施の形態1)
 図1および図2は、本発明の実施の形態1における携帯型心電計セットに含まれる心電計本体の外観構造を示す斜視図である。また、図3ないし図7は、それぞれ図1および図2に示す心電計本体の正面図、上面図、下面図、右側面図および左側面図である。まず、これら図1ないし図7を参照して、本実施の形態における携帯型心電計セットに含まれる心電計本体の外観構造について説明する。
[0028]
 図1ないし図7に示すように、本実施の形態における携帯型心電計セット1Aに含まれる心電計本体100は、携帯性に優れたものとなるように片手で保持することが可能な大きさおよび重さにまで軽量・小型化されている。心電計本体100は、扁平かつ細長の略直方体形状の外形を有しており、その表面(正面101、背面102、上面103、下面104、右側面105および左側面106)に後述する表示部148、操作部140および露出電極(負電極121、正電極122および不関電極123)等を有している。
[0029]
 図1ないし図3に示すように、心電計本体100の正面101の長手方向(図中矢印A方向)の一方端側には、測定ボタン142が設けられており、他方端側には、表示部148が設けられている。測定ボタン142は、操作部140(図12参照)に含まれ、測定開始を指示するための押しボタンである。表示部148は、たとえば液晶ディスプレイなどによって構成され、測定結果などを表示する。
[0030]
 図1および図4に示すように、心電計本体100の上面103の所定位置には、電源ボタン141が配置されている。電源ボタン141は、操作部140(図12参照)に含まれ、心電計本体100のON/OFFを操作する操作ボタンである。また、心電計本体100の上面103の所定位置には、2つの開閉カバー130A,130Bが設けられている。開閉カバー130Aは、後述する外部電極接続用のリード部200の雄型コネクタ210(図8または図10参照)が接続される雌型コネクタ131(図10参照)および外部端末接続用のリード部400の雄型コネクタ410(図10参照)が接続される雌型コネクタ132(図10参照)が設けられた部位に対応する部分の心電計本体100の表面に設けられており、閉状態においてこれら雌型コネクタ131,132を覆い隠し、開状態においてこれら雌型コネクタ131,132を露出させる。一方、開閉カバー130Bは、後述する外部メモリ134が装填されるスロットが設けられた部位に対応する部分の心電計本体100の表面に設けられており、閉状態において当該スロットを覆い隠し、開状態において当該スロットを露出させる。
[0031]
 図2および図5に示すように、心電計本体100の下面104の所定位置には、各種の操作ボタンが配置されている。具体的には、メニューボタン143、決定ボタン144、左スクロールボタン145および右スクロールボタン146が心電計本体100の下面104に配置されている。ここで、これら各種操作ボタンは、操作部140(図12参照)に含まれる。なお、メニューボタン143は、心電計本体100に記憶された測定結果の読出し指示を入力するための操作ボタンであり、決定ボタン144は、各操作を実行するために用いる操作ボタンである。また、左スクロールボタン145および右スクロールボタン146は、表示部148に表示される測定結果のグラフやガイド情報等をスクロールして表示させるための操作ボタンである。
[0032]
 また、心電計本体100の下面104の所定位置には、開閉カバー130Cが設けられている。この開閉カバー130Cは、後述する電源160(図12参照)としてのバッテリが収容されるバッテリ収容部が設けられた部位に対応する部分の心電計本体100の表面に設けられており、閉状態において当該バッテリ収容部を覆い隠し、開状態において当該バッテリ収容部を露出させる。
[0033]
 図1および図6に示すように、心電計本体100の長手方向の一方端に位置する右側面105には、露出電極の1つである負電極121と、同じく露出電極の1つである身体の電位変化の基準となる電位を導出するための不関電極123とが配置されている。この右側面105は、後述する第1の測定態様を選択して心電波形を測定することとした場合に、宛がわれた被験者の右手の人差し指が当該右側面105にフィットすることとなるように、上下方向に向かって延びる凹部105aを有する滑らかに湾曲した形状とされている。
[0034]
 上述の負電極121および不関電極123は、導電性の部材にて形成されており、右側面105に設けられた凹部105a内において、その表面が心電計本体100の表面に露出した状態となるように配置されている。なお、負電極121は、右側面105の上面103寄りに位置しており、不関電極123は、右側面105の下面104寄りに位置している。
[0035]
 図2および図7に示すように、心電計本体100の長手方向の他方端に位置する左側面106には、露出電極の1つである正電極122が配置されている。正電極122は、導電性の部材にて形成されており、左側面106から僅かに突出して設けられている。また、正電極122が設けられた心電計本体100の左側面106には、一対の突部106aが設けられており、正電極122は、この突部106aによって左側面106上において挟まれた状態にある。なお、この突部106aは、心電計本体100の左側面106を被験者の体表面に押し当てた際に、正電極122と体表面との接触安定性を確保するための部位である。
[0036]
 図8は、本実施の形態における携帯型心電計セットに含まれる外部電極接続用のリード部の外観構造を示す模式図である。次に、この図8を参照して、本実施の形態における携帯型心電計セットに含まれる外部電極接続用のリード部の外観構造について説明する。
[0037]
 図8に示すように、本実施の形態における携帯型心電計セット1Aに含まれる外部電極接続用のリード部200は、心電計本体100とは別体に構成されており、心電計本体100に着脱自在に接続可能な雄型コネクタ210と、当該雄型コネクタ210から引き出された長尺のケーブル221~223と、当該ケーブル221~223のそれぞれの先端に設けられたクリップ231~233とによって主として構成されている。
[0038]
 雄型コネクタ210には、接続端子212が設けられており、当該接続端子212は、上述した心電計本体100に設けられた雌型コネクタ131に設けられた接続端子に着脱自在に接続される。ケーブル221~223は、雄型コネクタ210が設けられた側の端部寄りの部分において束ねられて集合ケーブル220とされており、クリップ231~233が設けられた側の端部寄りの部分においてそれぞれ分離されている。クリップ231~233は、いわゆる鰐口クリップにて構成されており、その先端に接点241~243をそれぞれ有している。
[0039]
 クリップ231~233に設けられた接点241~243は、後述する第2の測定態様を選択して心電波形を測定することとした場合に、クリップ231~233がそれぞれ外部電極に設けられた接点に対して取付けられることにより、当該外部電極に設けられた接点とケーブル221~223との電気的導通を確保する部位である。なお、本実施の形態における携帯型心電計セット1Aにあっては、いわゆる3点誘導法にて心電波形を測定することが企図されているため、正電極、負電極および不関電極の3つに対応すべく3本のクリップ付きケーブルにて外部電極接続用のリード部200が構成されている。
[0040]
 図9は、外部電極接続用のリード部または外部端末接続用のリード部のいずれかを差し込むための開閉カバーを開状態とした場合の心電計本体の上面図である。また、図10は、外部電極接続用のリード部および外部端末接続用のリード部を択一的に心電計本体に差し込む様子を示した模式図である。
[0041]
 図9および図10に示すように、心電計本体100の上面103に設けられた開閉カバー130Aを開いた状態においては、外部電極接続用のリード部200の雄型コネクタ210に接続可能な雌型コネクタ131および外部端末接続用のリード部400の雄型コネクタ410に接続可能な雌型コネクタ132がそれぞれ露出した状態となる。ここで、雌型コネクタ131,132は、心電計本体100の長手方向に並んで配置されており、後述する第2の測定態様にて心電波形を測定する場合には、外部電極接続用のリード部200の雄型コネクタ210を雌型コネクタ131に、心電計本体100に記録された心電波形をPC(Personal Computer)等の外部端末133(図12参照)に接続する場合等には、外部端末接続用のリード部400の雄型コネクタ410を雌型コネクタ132に、それぞれ接続する。
[0042]
 外部電極接続用のリード部200の雄型コネクタ210が雌型コネクタ131に接続された状態においては、雄型コネクタ210の接続端子212が雌型コネクタ131の接続端子に差し込まれるとともに、雄型コネクタ210に設けられた遮蔽部210aが雌型コネクタ132の接続端子を閉塞するため、外部端末接続用のリード部400の雄型コネクタ410は雌型コネクタ132に接続不能となる。一方、外部端末接続用のリード部400の雄型コネクタ410が雌型コネクタ132に接続された状態においては、雄型コネクタ410の接続端子412が雌型コネクタ132の接続端子に差し込まれるとともに、雄型コネクタ410に設けられた遮蔽部410aが雌型コネクタ131の接続端子を閉塞するため、外部電極接続用のリード部200の雄型コネクタ210は雌型コネクタ131に接続不能となる。このように、外部電極接続用のリード部200の雄型コネクタ210および外部端末接続用のリード部400の雄型コネクタ410は、択一的に心電計本体100に接続されることになる。
[0043]
 図11は、本実施の形態における携帯型心電計セットに含まれる収容部材としての巾着袋の外観構造を示す正面図である。次に、図11を参照して、本実施の形態における携帯型心電計セットに含まれる収容部材としての巾着袋の外観構造について説明する。
[0044]
 図11に示すように、本実施の形態における携帯型心電計セット1Aに含まれる収容部材としての巾着袋300は、袋部310と、袋部310の上端に取付けられた紐312と、紐312に取付けられたロック部材313とを有している。袋部310は、その内部に上述した心電計本体100や外部電極接続用のリード部200等を収容可能な収容室を有している。また、袋部310の上端には、これら心電計本体100や外部電極接続用のリード部200等を出し入れするための出し入れ口311が設けられている。上述した紐312およびロック部材313は、当該出し入れ口311を開閉可能にするための部材であり、紐312に取付けられたロック部材313を操作することにより、袋部310の出し入れ口311が開閉可能となる。
[0045]
 紐312には、ストラップ321を介してクリップ被取付部322が取付けられている。このクリップ被取付部322は、適度な剛性を有する部材にて構成されており、上述した外部電極接続用のリード部200のクリップ231~233が取付け可能な形状を有している。具体的には、クリップ被取付部322は、棒状の部材にて構成されており、当該棒状の部分にクリップ231~233を並べて取付けることが可能に構成されている(図21等参照)。なお、クリップ被取付部322は、袋部310の出し入れ口311近傍に設けられており、袋部310の内部に収容された状態と袋部310の外部に取り出された状態との2状態を採り得る。
[0046]
 なお、本実施の形態における携帯型心電計セット1Aは、上述した心電計本体100、外部電極接続用のリード部200および収容部材としての巾着袋300を少なくとも具備しているが、これらの他にも、付属品として上述した外部端末接続用のリード部400、外部電極(負電極451、正電極452および不関電極453(図12、図19および図20等参照))、外部メモリ134(図12参照)等を具備している。これら付属品については、後述することとする。
[0047]
 図12は、本実施の形態における携帯型心電計セットに含まれる心電計本体等の機能ブロックを示す図である。次に、この図12を参照して、本実施の形態における携帯型心電計セットに含まれる心電計本体等の機能ブロックについて説明する。
[0048]
 図12に示すように、心電計本体100は、露出電極としての負電極121、正電極122および不関電極123に加え、操作部140および処理回路150を主として備えている。操作部140は、上述の電源ボタン141、測定ボタン142、メニューボタン143、決定ボタン144、左スクロールボタン145および右スクロールボタン146によって構成されている。また、心電計本体100には、必要に応じて外部電極接続用のリード部200を介して外部電極としての負電極451,正電極452および不関電極453が接続される。その接続については、図8および図10を用いて既に説明したとおりである。
[0049]
 処理回路150は、露出電極または外部電極によって検知された生体電気信号を心電波形として測定するように処理するための心電図測定回路を内蔵している。具体的には、処理回路150は、露出電極または外部電極によって検知された生体電気信号を増幅するアンプ回路151と、アンプ回路151から出力された信号からノイズ成分を除去するフィルタ回路152と、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D(Analog/Digital)コンバータ153と、各種演算を行なうCPU(Central Processing Unit)154と、心電情報を記憶するROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)を有する内部メモリ155と、計時動作して計時した時間データをCPU154に出力するタイマ156とを備える。ここで、アンプ回路151は、不関電極123の出力電圧信号に基づき負電極121と正電極122の出力電圧信号(生体電気信号)を差動増幅して(または不関電極453の出力電圧信号に基づき負電極451と正電極452の出力電圧信号(生体電気信号)を差動増幅して)出力する。また、フィルタ回路152は、たとえば0.5Hz~35Hzの通過帯域を有するバンドパスフィルタ(Band Pass Filter)が利用される。
[0050]
 処理回路150には、上述の露出電極および操作部140(必要に応じて外部電極も)が接続され、さらにこれらに加えて表示部148および電源160が接続される。また、外部メモリ134を挿入するためのスロットに外部メモリ134が挿入された状態においては、この外部メモリ134も処理回路150に接続されることになる。さらには、外部端末接続用のリード部400を介して外部端末133が接続された状態においては、この外部端末133も処理回路150に接続されることになる。
[0051]
 CPU154は、A/Dコンバータ153から入力されるデジタル信号の解析処理を実行し、また、操作部140に含まれる各種操作ボタンからの指令信号を受信し、受信した指令信号に応じた処理を実行する。さらに、CPU154は、内部メモリ155への情報の書き込みおよび読み出しを実行し、また、表示部148への表示制御を行なう。
[0052]
 図13は、本実施の形態における携帯型心電計セットに含まれる心電計本体の処理フローを示す図である。以下においては、この図13を参照して、本実施の形態における携帯型心電計セットの心電計本体での処理の流れについて説明する。
[0053]
 図13においてフローチャートに示す処理は、予めプログラムとして内部メモリ155のROM内に格納されており、CPU154がこのプログラムを読み出して実行することにより、上記処理の実行が行なわれる。
[0054]
 図13に示すように、被験者によって電源ボタン141が押下されて心電計本体100に電源が投入されると、まず機器の動作チェックが行なわれ(ステップS1)、次に表示部148に測定ガイドが表示される(ステップS2)。この測定ガイドの表示としては、たとえば被験者に測定の際にとるべき測定姿勢をガイダンスとして表示するメッセージ等が採用される。測定姿勢については、後述することとする。
[0055]
 つづいて、被験者が所定の測定姿勢をとりつつ測定ボタン142を押下することにより、心電波形の測定および解析が実行される(ステップS3およびステップS4)。A/Dコンバータ153によりデジタル信号化された心電波形は、内部メモリ155のRAM内に一時的に記録される。ここで、心電波形の解析とは、デジタル信号化された心電波形より、不整脈や心筋の虚血等を示す形状的特徴の有無、徐脈や頻脈等を示す周期的特徴の有無、ノイズや基線変動等による解析不能な波形の有無等を検出し、検出結果を分析する処理である。なお、心電波形の測定および解析は、公知の手順により行なわれる。
[0056]
 波形解析の結果、得られた心電波形が安定していたか否かの判断が成され(ステップS5)、波形が安定していると判断された場合(ステップS5においてYES)には、ステップS6に移行し、表示部148において測定波形、心拍数、波形の解析結果に基づくメッセージ等の表示を行なう。ステップS6においては、CPU154が心電波形の解析結果をメッセージに編集し、これを表示部148に表示する。この際、メッセージとともに単位時間当たりの心拍数も表示される。心拍数は、心電波形に基づき公知の手順で得ることができる。ステップS6の処理が終了すると、ステップS7へと移行する。一方、心電波形が安定していないと判断された場合(ステップS6においてNO)には、ステップS8に移行し、波形の解析が不可であった旨の表示を行なうとともに、測定データを保存するか否かのメッセージを表示する(ステップS9)。
[0057]
 ステップS9においては、波形の解析が不可であった旨のメッセージに応じて被験者が測定データの保存を選択したか否かが判断され、測定データの保存が選択された場合(ステップS9においてYES)には、ステップS7へと移行する。一方、測定データの破棄が選択された場合(ステップS9においてNO)には、ステップS10へと移行する。
[0058]
 ステップS7においては、CPU154が測定データを保存する処理を行なう。すなわち、CPU154は、タイマ156から入力された現在の日時データ、RAMに一時格納されていた心電波形データおよび解析結果を対応付けて、これらを内部メモリ155の所定の記憶領域に格納する。また、ステップS10においては、CPU154が測定データの破棄を行なう。
[0059]
 以上の一連の処理が心電計本体100において実施されることにより、心電計本体100による心電波形の測定および記憶が可能になる。なお、本実施の形態における携帯型心電計セット1Aに含まれる心電計本体100は、上記ステップS7において保存された心電波形の測定結果および解析結果を読出して表示部148に表示する機能を備えている。
[0060]
 図14および図15は、本実施の形態における携帯型心電計セットに含まれる心電計本体の表示部における測定結果の表示例を示す図である。以下においては、これら図14および図15を参照して、本実施の形態における携帯型心電計セットに含まれる心電計本体の表示部の表示例について説明する。
[0061]
 図14に示すように、表示部148においては、表示開始時点で画面の下段部に全測定期間にわたる全体波形の縮小波形162が表示され、その上段部に測定開始時からたとえば2秒間の拡大波形164が表示される。また、縮小波形162の下方には、縮小波形162に近接して測定期間の長さを示すスケールバー165が表示される。スケールバー165上には、拡大波形164が測定期間のどのあたりの波形であるかを指示するためのポインタ166が表示される。全測定期間のどのあたりの波形を拡大波形164として表示するかを変更するためには、上述の右スクロールボタン146と左スクロールボタン145を操作してポインタ166をスケールバー165上にて移動させることによって行なう。これにより、拡大波形164は、全測定期間のうちの任意の2秒単位で表示が可能である。また、表示部148の所定位置には、脈拍数163が表示される。
[0062]
 また、被験者が図14の画面で心電波形を確認した後に決定ボタン144を押下すると、CPU154は表示中の心電波形に対応した解析結果のデータを内部メモリ155から読出してメッセージに編集し、編集したメッセージ167を表示部148に例えば図15のように表示する。
[0063]
 以上において説明した本実施の形態における携帯型心電計セット1Aにおいては、心電計本体100の表面に露出電極(負電極121、正電極122および不関電極123)が設けられ、これとは別に心電計本体100に外部電極接続用のリード部200を介して外部電極(負電極451、正電極452および不関電極453)が接続可能に構成されている。したがって、本実施の形態における携帯型心電計セット1Aにおいては、露出電極を使用した第1の測定態様と、外部電極を使用した第2の測定態様との2通りでの心電図測定が可能である。以下に、これら2通りの測定態様について詳説する。
[0064]
 図16および図17は、本実施の形態における携帯型心電計セットにおいて、第1の測定態様にて心電波形を測定する場合に被験者がとるべき測定姿勢を示す図である。また、図18は、図16および図17に示す測定姿勢を被験者がとった場合の被験者の右手による把持状態を示す図である。まず、これら図16ないし図18を参照して、第1の測定態様にて心電波形を測定する場合に被験者がとるべき測定姿勢および心電計本体の操作について説明する。なお、第1の測定態様にて心電波形を測定する場合には、外部電極接続用のリード部は使用しない。
[0065]
 図16および図17に示すように、被験者500は、心電計本体100の一方端寄りの部分(心電計本体100の右側面105寄りの部分)を右手510で把持しつつ、心電計本体100の他方端(心電計本体100の左側面106)に設けられた正電極122を胸部550の左側下部に位置する第5肋間前腋窩線上の皮膚に直接接触させる。そして、右手510の親指511にて心電計本体100の正面101に設けられた測定ボタン142を押下する。測定ボタン142を押下した後は、心電波形の測定が終了するまでの間、右手510で心電計本体100の上記一方端寄りの部分を把持して心電計本体100の上記他方端を胸部550の上記位置に押し当てた状態を維持する。
[0066]
 このとき、図18に示すように、被験者500は、心電計本体100の正面101が上方を向くように心電計本体100を右手510で把持するとともに、心電計本体100の右側面105に右手510の人差し指512を宛がい、右手510の親指511を心電計本体100の正面101に押し当てかつ右手510の中指を心電計本体100の背面102に押し当てて、心電計本体100を上下方向から挟み込むように把持する。ここで、右手510の人差し指512は、心電計本体100の湾曲した右側面105に沿うように軽く曲げて右側面105に設けられた凹部105a内に挿入し、凹部105a内に設けられた負電極121および不関電極123に接触させた状態とする。
[0067]
 以上の測定姿勢をとることにより、心電計本体100の右側面105に位置する負電極121および不関電極123が被験者500の右手510の人差し指512に接触し、心電計本体100の左側面106に位置する正電極122が被験者500の胸部550に接触した状態となる。これにより、負電極121および不関電極123に接触した右手510、胸部550に非接触の前腕520、同じく胸部550に非接触の上腕530、右肩540、正電極122が押圧された胸部550の順で、被験者500の身体に心電波形を測定するための回路が構成されるようになる。したがって、上記測定姿勢を維持することによって心電波形の測定が可能になる。なお、上記図16および図17においては、起立した姿勢にて測定を行なう場合を図示しているが、横臥姿勢や着座姿勢にて測定を行なうこととしてもよい。
[0068]
 図19および図20は、本実施の形態における携帯型心電計セットにおいて、第2の測定態様にて心電波形を測定する場合に外部電極を装着すべき位置を示す図である。なお、図19は、第2の測定態様の一例としてCM5誘導に基づく外部電極の装着位置を示す図であり、図20は、第2の測定態様の他の例としてCC5誘導に基づく外部電極の装着位置を示す図である。なお、これらCM5誘導およびCC5誘導は、いずれも12誘導法(胸部誘導)におけるV5誘導に類似する誘導である。次に、これら図19および図20を参照して、第2の測定態様にて心電波形を測定する場合に被験者がとるべき測定姿勢、外部電極の装着位置および心電計本体(外部電極接続用のリード部を含む)の操作について説明する。
[0069]
 まず、第2の測定態様にて心電波形を測定する場合には、心電計本体100の開閉カバー130Aを開状態とし、外部電極接続用の雌型コネクタ131に外部電極接続用のリード部200の雄型コネクタ210を差し込む。次に、図19および図20に示すように、被験者500の胸部550の所定位置に外部電極としての負電極451、正電極452および不関電極453をそれぞれ装着する。ここで、負電極451、正電極452および不関電極453は、たとえばディスポーザブルタイプの粘着電極からなり、その電極部と導通する突出形状の接点をそれぞれその非電極面側に有している。
[0070]
 具体的には、CM5誘導にて心電波形を測定する場合には、図19に示すように、被験者500の胸部550の胸骨上端にあたる皮膚に負電極451を、左側第5肋間前腋窩線上の皮膚に正電極452を、右鎖骨下の外側より1/3程度の部位にあたる皮膚に不関電極453をそれぞれ装着する。また、CC5誘導にて心電波形を測定する場合には、図20に示すように、被験者500の右側第5肋間前腋窩線上の皮膚に負電極451を、左側第5肋間前腋窩線上の皮膚に正電極452を、右鎖骨下の外側より1/3程度の部位にあたる皮膚に不関電極453をそれぞれ装着する。
[0071]
 次に、負電極451、正電極452および不関電極453に設けられた上記突出形状の接点に外部電極接続用のリード部200に含まれるそれぞれのクリップ231~233を対応づけて取付ける。そして、当該状態を維持しつつ心電計本体100の測定ボタン142を押下することで、心電波形の測定が行なわれる。なお、測定中においては、被験者500が仰臥姿勢をとることが好ましいが、横臥姿勢や着座姿勢をとることとしてもよい。
[0072]
 図21は、本実施の形態における携帯型心電計セットにおいて、収容部材としての巾着袋に心電計本体および外部電極接続用のリード部を収容する態様について説明するための図である。また、図22は、本実施の形態における携帯型心電計セットにおいて、収容部材としての巾着袋に心電計本体および外部電極接続用のリード部を収容した状態を示す図である。次に、これら図21および図22を参照して、本実施の形態における携帯型心電計セットにおいて、収容部材としての巾着袋に心電計本体および外部電極接続用のリード部を収容する態様および収容した状態について説明する。
[0073]
 上述したように、本実施の形態における携帯型心電計セット1Aは、心電計本体100に加え、外部電極接続用のリード部200および収容部材としての巾着袋300を具備している。携帯のために、巾着袋300に心電計本体100および外部電極接続用のリード部200を収容する際には、図21に示すように、外部電極接続用のリード部200の雄型コネクタ210を心電計本体100の雌型コネクタ131に接続した状態とするとともに、外部電極接続用のリード部200に含まれるすべてのクリップ231~233を巾着袋300に取付けられたクリップ被取付部322に取付ける。そして、外部電極接続用のリード部200のケーブル221~223を輪っか状に束ね、その状態を維持しつつ、心電計本体100、輪っか状に束ねたケーブル221~223およびクリップ231~233が取付けられたクリップ被取付部322を巾着袋300の袋部310内に入れる。そして、図22に示すように、巾着袋300の出し入れ口311を紐312およびロック部材313を用いて絞って閉塞させる。
[0074]
 以上により、巾着袋300内に心電計本体100および外部電極接続用のリード部200が収容されることになり、携帯に適した状態となる。なお、必要に応じて、当該巾着袋300内に外部電極(負電極451、正電極452および不関電極453)や外部端末接続用のリード部400、外部メモリ134等を上記心電計本体100および外部電極接続用のリード部200とともに収容することとしてもよい。
[0075]
 以上の如くの携帯型心電計セット1Aとすることにより、収容部材としての巾着袋300に心電計本体100および外部電極接続用のリード部200を収容するにあたって、巾着袋300に設けられたクリップ被取付部322に外部電極接続用のリード部200に含まれるすべてのクリップ231~233を取付けた状態として収容することが可能になるため、外部電極接続用のリード部200に含まれるすべてのケーブル221~223同士が絡み合うことが防止されることになる。したがって、ケーブル221~223が絡まることなく持ち運ぶことが可能な携帯型心電計セットとすることができ、手間なく迅速に心電波形を測定することが可能になる。
[0076]
 また、本実施の形態においては、好ましくは巾着袋300に設けられたクリップ被取付部322を導体材料にて構成する。その場合、少なくともクリップ被取付部322のクリップ231~233が取付けられる棒状の部分の表面が導体材料にて構成されていればよい。このように構成した場合には、外部電極接続用のリード部200の断線チェックを非常に容易に行なえるようになる。以下に、その断線チェック方法について説明する。
[0077]
 図23は、断線チェックを行なう場合の電気的な接続を示す模式図である。図23に示すように、その表面が導体材料にて形成されたクリップ被取付部322に外部電極接続用のリード部200のクリップ231~233を取付けた場合には、当該クリップ231~233のそれぞれに設けられた接点241~243がクリップ被取付部322を介して電気的に接続された状態となる。ここで、クリップ231~233の接点241~243は、それぞれケーブル221~223を介して心電計本体100に設けられた心電図測定回路に電気的に接続されている。
[0078]
 そのため、当該クリップ被取付部322に外部電極接続用のリード部200のクリップ231~233を取付けた状態において、心電計本体100の測定ボタン142を押下することにより、心電計本体100の表示部148に表示される波形を確認することによってケーブル221~223の断線の有無をチェックすることが可能になる。図24は、ケーブルに断線がない場合の表示部の表示例を示す図であり、図25は、ケーブルに断線がある場合の表示部の表示例を示す図である。
[0079]
 図24に示すように、ケーブル221~223に断線がない場合には、当該測定回路中にオープンの部分が存在しないため、電位差は計測されずに波形164が電位差0Vで安定することになる。これに対し、図25に示すように、ケーブル221~223のいずれかに断線がある場合には、当該測定回路中にオープンの部分が存在することになるため、不安定な波形164が計測されることになる。このように、クリップ被取付部322にクリップ231~233を取付けた状態において心電計本体100の測定ボタン142を押下することにより、ケーブル221~223の断線の有無をチェックすることが可能になる。
[0080]
 なお、クリップ被取付部322にクリップ231~233を取付けた状態は、上述した収容状態そのものであり、クリップ被取付部322に外部電極接続用のリード部200に含まれるすべてのクリップ231~233を取付けた状態として収容部材としての巾着袋300に心電計本体100および外部電極接続用のリード部200を収容しておけば、巾着袋300から心電計本体100を取り出しただけで即座にケーブル221~223の断線チェックを行なうことが可能になる。したがって、ケーブル221~223が絡まることなく持ち運ぶことが可能でかつ簡便にケーブル221~223の断線チェックを行なうことが可能な携帯型心電計セットとすることができ、手間なく迅速にかつ確実に心電波形を測定することが可能になる。
[0081]
 (実施の形態2)
 図26は、本発明の実施の形態2における携帯型心電計セットにおいて、収容部材としての巾着袋に心電計本体および外部電極接続用のリード部を収容する態様について説明するための図である。本実施の形態における携帯型心電計セット1Bは、上述の実施の形態1における携帯型心電計セット1Aと同様に、心電計本体100と、外部電極接続用のリード部200と、収容部材としての巾着袋300とを備えるものであり、クリップ被取付部が設けられる位置が異なる以外の構成は全く同様のものである。したがって、図中同一または相当の部分に同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
[0082]
 図26に示すように、本実施の形態における携帯型心電計セット1Bにおいては、クリップ被取付部172が、心電計本体100に取付けられた携帯用ストラップ170にストラップ171を介して取付けられている。
[0083]
 携帯のために、巾着袋300に心電計本体100および外部電極接続用のリード部200を収容する際には、図26に示すように、外部電極接続用のリード部200の雄型コネクタ210を心電計本体100の雌型コネクタ131に接続した状態とするとともに、外部電極接続用のリード部200に含まれるすべてのクリップ231~233を心電計本体100に取付けられたクリップ被取付部172に取付ける。そして、外部電極接続用のリード部200のケーブル221~223を輪っか状に束ね、その状態を維持しつつ、心電計本体100、輪っか状に束ねたケーブル221~223およびクリップ231~233が取付けられたクリップ被取付部172を巾着袋300の袋部310内に入れる。そして、巾着袋300の出し入れ口311を紐312およびロック部材313を用いて絞って閉塞させる。以上により、携帯に適した状態に、巾着袋300内に心電計本体100および外部電極接続用のリード部200が収容されることになる。
[0084]
 以上の如くの携帯型心電計セット1Bとすることにより、収容部材としての巾着袋300に心電計本体100および外部電極接続用のリード部200を収容するにあたって、心電計本体100に設けられたクリップ被取付部172に外部電極接続用のリード部200に含まれるすべてのクリップ231~233を取付けた状態として収容することが可能になるため、外部電極接続用のリード部200に含まれるすべてのケーブル221~223同士が絡み合うことが防止されることになる。したがって、ケーブル221~223が絡まることなく持ち運ぶことが可能な携帯型心電計セットとすることができ、手間なく迅速に心電波形を測定することが可能になる。なお、本実施の形態における携帯型心電計セット1Bにおいても、クリップ被取付部172のクリップ231~233が取付けられる部分の表面を導電材料にて形成することにより、上述した要領と同様の要領でケーブル221~223の断線チェックを行なうことが可能である。
[0085]
 (実施の形態3)
 図27は、本発明の実施の形態3における携帯型心電計セットにおいて、収容部材としての巾着袋に心電計本体および外部電極接続用のリード部を収容する態様について説明するための図である。本実施の形態における携帯型心電計セット1Cは、上述の実施の形態1における携帯型心電計セット1Aと同様に、心電計本体100と、外部電極接続用のリード部200と、収容部材としての巾着袋300とを備えるものであり、クリップ被取付部が設けられる位置が異なる以外の構成は全く同様のものである。したがって、図中同一または相当の部分に同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
[0086]
 図27に示すように、本実施の形態における携帯型心電計セット1Cにおいては、クリップ被取付部252が、ストラップ251を介して外部電極接続用のリード部200の集合ケーブル220に取付けられている。
[0087]
 携帯のために、巾着袋300に心電計本体100および外部電極接続用のリード部200を収容する際には、図27に示すように、外部電極接続用のリード部200の雄型コネクタ210を心電計本体100の雌型コネクタ131に接続した状態とするとともに、外部電極接続用のリード部200に含まれるすべてのクリップ231~233を外部電極接続用のリード部200に取付けられたクリップ被取付部252に取付ける。そして、外部電極接続用のリード部200のケーブル221~223を輪っか状に束ね、その状態を維持しつつ、心電計本体100、輪っか状に束ねたケーブル221~223およびクリップ231~233が取付けられたクリップ被取付部252を巾着袋300の袋部310内に入れる。そして、巾着袋300の出し入れ口311を紐312およびロック部材313を用いて絞って閉塞させる。以上により、携帯に適した状態に、巾着袋300内に心電計本体100および外部電極接続用のリード部200が収容されることになる。
[0088]
 以上の如くの携帯型心電計セット1Cとすることにより、収容部材としての巾着袋300に心電計本体100および外部電極接続用のリード部200を収容するにあたって、外部電極接続用のリード部200に設けられたクリップ被取付部252に外部電極接続用のリード部200に含まれるすべてのクリップ231~233を取付けた状態として収容することが可能になるため、外部電極接続用のリード部200に含まれるすべてのケーブル221~223同士が絡み合うことが防止されることになる。したがって、ケーブル221~223が絡まることなく持ち運ぶことが可能な携帯型心電計セットとすることができ、手間なく迅速に心電波形を測定することが可能になる。なお、本実施の形態における携帯型心電計セット1Cにおいても、クリップ被取付部252のクリップ231~233が取付けられる部分の表面を導電材料にて形成することにより、上述した要領と同様の要領でケーブル221~223の断線チェックを行なうことが可能である。
[0089]
 上述した本発明の実施の形態1ないし3においては、外部電極と露出電極の両者で心電波形を測定することが可能に構成された携帯型心電計セットを例示して説明を行なったが、心電計本体としては、露出電極を用いて心電波形を計測することが企図されていないものを使用することも可能である。すなわち、心電計本体に露出電極を設けず、外部電極のみを用いて心電波形を測定するように構成された携帯型心電計セットに本発明を適用することも当然に可能である。
[0090]
 また、上述した本発明の実施の形態1ないし3においては、外部電極を心電計本体に接続するための外部電極接続用のリード部が心電計本体に対して着脱自在に構成された携帯型心電計セットを例示して説明を行なったが、外部電極接続用のリード部が心電計本体と一体的に形成された携帯型心電計セットに本発明を適用することも可能である。
[0091]
 また、上述した本発明の実施の形態1ないし3においては、収容部材として巾着袋を具備した携帯型心電計セットを例示して説明を行なったが、収容部材としてはこの他にもいわゆるソフトケースやハードケース、システムバッグなど、種々のものが利用可能である。
[0092]
 さらには、上述した本発明の実施の形態1ないし3においては、心電計本体、外部電極接続用のリード部または収容部材に対するクリップ被取付部の取付けを紐状のストラップを用いて行なった場合を例示したが、帯状のストラップや鎖状のストラップ等を使用することも当然に可能であり、またストラップを用いずにこれら部材に一体的に形成すること等としてもよい。
[0093]
 このように、今回開示した上記各実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は請求の範囲によって画定され、また請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。

請求の範囲

[1]
 持ち運び可能に構成された携帯型心電計セットであって、
 心電図測定回路が設けられた心電計本体(100)と、
 心電図測定用の外部電極を前記心電図測定回路に接続するためのクリップ付きケーブルを少なくとも2つ以上有する長尺のリード部(200)と、
 前記心電計本体(100)および前記リード部(200)を収容して持ち運ぶための収容部材(300)とを備え、
 前記2つ以上のクリップ付きケーブルに含まれるすべてのクリップを同時に取付け可能なクリップ被取付部が、前記収容部材(300)、前記リード部(200)および前記心電計本体(100)のいずれかに設けられている、携帯型心電計セット。
[2]
 前記クリップ被取付部が、前記収容部材(300)に収容された状態と前記収容部材(300)から取り出された状態との2状態を採り得るように構成されている、請求の範囲第1項に記載の携帯型心電計セット。
[3]
 前記クリップ被取付部は、少なくともその表面が導体材料にて形成されている、請求の範囲第1項に記載の携帯型心電計セット。
[4]
 前記クリップ被取付部が、剛体の部材にて構成されている、請求の範囲第1項に記載の携帯型心電計セット。
[5]
 前記クリップ被取付部が、前記収容部材(300)、前記リード部(200)および前記心電計本体(100)のいずれかに紐状または帯状のストラップを介して取付けられている、請求の範囲第1項に記載の携帯型心電計セット。
[6]
 前記リード部(200)が、前記心電計本体(100)に着脱自在に取付け可能である、請求の範囲第1項に記載の携帯型心電計セット。
[7]
 前記心電計本体(100)は、前記心電図測定回路に電気的に接続された心電図測定用の露出電極をその表面に有している、請求の範囲第1項に記載の携帯型心電計セット。
[8]
 前記収容部材(300)は、巾着袋である、請求の範囲第1項に記載の携帯型心電計セット。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]

[ 図 24]

[ 図 25]

[ 図 26]

[ 図 27]