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1. WO2009040896 - 紙幣処理装置および発行装置

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明 細 書

発明の名称 紙幣処理装置および発行装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007  

発明の開示

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031  

図面の簡単な説明

0032  

発明を実施するための最良の形態

0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

明 細 書

紙幣処理装置および発行装置

技術分野

[0001]
 本発明は、顧客により入金された紙幣の内部への収納および/または収納された紙幣の顧客への出金を行う紙幣処理装置と、これを備えた発行装置に関し、とりわけ、競馬場等の馬券発券払戻装置や駅の切符販売機などの顧客側操作面と係員側操作面を壁等で隔てて使用されるのに適する紙幣処理装置および発行装置に関する。

背景技術

[0002]
 競馬場等の公営競技施設においては、顧客により入金された紙幣の内部への収納および収納された紙幣の顧客への出金を行うような紙幣処理装置を備えた発行装置が多数配置されている。このような場合には、業務終了後の紙幣回収量が多く、迅速な回収動作が行えることが望まれている。また、顧客がスムーズに入金および出金を行うことができるようにするため、内部に収納された紙幣を係員が迅速に回収したり紙幣を補充したりすることが望まれている。
[0003]
 競馬場等の公営競技施設に配置される紙幣処理装置として、例えば馬券等の競技券を購入する際に顧客により入金された紙幣を内部に収納する入金処理機能、および当たり馬券等を換金する際に内部に収納された紙幣の顧客への出金を行う出金処理機能を併有して、補充・回収の頻度を小さくし、また収納部とは別に補充回収部を有し、入金・出金の合間に補充・回収を行い、入金・出金処理を妨げないものが、例えば特開平11-96440号公報により知られている。
[0004]
 しかしながら、特開平11-96440号公報に係る紙幣処理装置には以下の問題点がある。すなわち、回収処理においては、特に千円紙幣および万円紙幣については金種別に大容量の回収部を有し、一度に大量の紙幣を回収できるが、回収される紙幣は所定枚数毎の束となっていないため、回収される紙幣を最終的に所定枚数毎の束、具体的には例えば100枚毎の束とする場合には、紙幣処理装置で紙幣を回収した後、この紙幣処理装置とは別に設けられた紙幣整理機等により、回収された紙幣を改めて所定枚数毎に計数整理する必要があった。このように、特開平11-96440号公報に係る紙幣処理装置では別途紙幣整理機を用意するとともにこの紙幣整理機を使用しなければならない。このため、最終的に所定枚数毎の束を作成して紙幣を管理している場合には、紙幣の回収作業の効率をより向上させる方法が望まれている。
[0005]
 他の種類の紙幣処理装置としては、例えば特開2002-42198号公報に示すようなものが知られている。このような紙幣処理装置においては、紙幣を所定枚数毎に、例えば100枚毎にバッチ回収することができる。ここで、「バッチ回収」とは、紙幣処理装置において紙幣を所定枚数毎の束で回収することをいう。しかしながら、特開2002-42198号公報に係る紙幣処理装置においては、紙幣回収部が1つしかないため、所定枚数に集積された紙幣の束を紙幣回収部から係員が一度抜き取ると、次に所定枚数の紙幣が再び紙幣回収部に集積されるまで係員は待つ必要があり、作業効率をそれほど大きく向上させることができなかった。
[0006]
 特開平7-93637号公報には、紙幣回収部が複数設けられた現金処理システムが開示されている。特開平7-93637号公報に係る現金処理システムにおいては、各収納部に収納された紙幣を、所定枚数毎に複数の一時集積部にそれぞれ集積し、この一時集積部に集積された紙幣を係員が取り出すことができるようになっている。しかしながら、特開平7-93637号公報に係る現金処理システムは、競馬場等の公営競技施設に設置されるのに適していない。すなわち、競馬場等の公営競技施設に設置される紙幣処理装置としては、顧客がスムーズに入金および出金を行うことができるようにするため、内部に収納された紙幣を係員が顧客の取引を邪魔せずに迅速に回収することが望まれているが、特開平7-93637号公報に係る現金処理システムは、単に金庫等の収納部内にある紙幣の回収動作を容易にかつ短時間で行うことができるようにしただけであり、顧客と係員とが別々のスペースから当該現金処理システムを使用することや、この際に係員が顧客の取引を邪魔せずに紙幣を迅速に回収する必要があることについては何ら考慮されていない。また、実際にこの装置を並設して使用した場合、紙幣を回収するためには、装置を引き出す必要が生じ、回収時の手間が大きく回収作業の効率が悪くなるとともに、取引の合間の回収を行う場合、顧客の取引を中断する必要がある。
[0007]
 このように、従来の紙幣処理装置においては、紙幣の回収作業に時間がかかっており、とりわけ回収された紙幣を最終的に所定枚数、例えば100枚の束にするのに作業時間がかかるという問題があった。

発明の開示

[0008]
 本発明は、このような点を考慮してなされてものであり、紙幣の回収作業、とりわけ所定枚数の紙幣の束を作成するような回収作業の作業時間を短縮することができる紙幣処理装置と、これを備えた発行装置を提供することを目的とする。
[0009]
 本発明の紙幣処理装置は、顧客により入金された紙幣の内部への収納および/または収納された紙幣の顧客への出金を行う紙幣処理装置であって、顧客がアクセス可能な顧客側側面および顧客がアクセス不能となっている係員側側面を有する筐体と、前記筐体の顧客側側面に設けられた入金口部および/または出金口部、あるいは紙幣の入金および出金の両方を行う入出金口部と、前記筐体の内部に設けられ、紙幣の収納を行う収納部と、前記筐体の係員側側面に設けられた複数の回収部であって、各々、前記収納部から送り出されて集積された紙幣が束状態で保留されるとともにこの保留された紙幣を係員が回収可能な複数の回収部と、前記収納部から前記各回収部への紙幣の搬送を行う搬送部と、前記搬送部に設けられ、前記収納部から前記各回収部へ送られる紙幣の検出を行う検出部と、前記収納部、前記回収部および前記搬送部を制御する制御部であって、前記検出部による検出結果に基づいて、前記収納部から前記各回収部へ予め設定された設定枚数毎に紙幣を搬送するよう制御を行う制御部と、を備えたことを特徴とする。
[0010]
 このような紙幣処理装置によれば、筐体を顧客側側面と係員側側面に分け、顧客がアクセス不能な係員側側面に回収部を複数設け、これらの回収部から係員が所定枚数の紙幣を回収することができるようにし、一方の回収部から係員が紙幣を取り出す間に他方の回収部へ紙幣を搬送して集積させるようにしたことで、紙幣の回収作業、とりわけ所定枚数の紙幣の束を作成するような回収作業の作業時間を短縮することができる。
[0011]
 本発明の紙幣処理装置においては、前記複数の回収部のうち少なくとも2つは、鉛直方向に沿って並設されていることが好ましい。このような紙幣処理装置によれば、多数の装置が並設されている場合でも、係員が各回収部より紙幣を取り出す作業が容易となる。
[0012]
 本発明の紙幣処理装置においては、前記筐体の係員側側面に、装填された紙幣を前記搬送部へ送り出す補充部が設けられていることが好ましい。このような紙幣処理装置によれば、係員は補充部により収納部へ紙幣を補充することができるようになる。
[0013]
 本発明の紙幣処理装置においては、前記検出部は、前記収納部から送られる紙幣の金種、正損、真偽または表裏の識別を行うようになっており、前記制御部は、同一の識別結果に係る紙幣を同一の回収部に搬送するよう前記搬送部の制御を行うことが好ましい。このことにより、各回収部には、例えば金種等の種類が同一である紙幣が一定枚数毎に集積されるようになるので、紙幣を種類別に整理して回収することができる。
[0014]
 本発明の紙幣処理装置においては、前記複数の回収部のうち少なくとも一つには、当該回収部に紙幣があるか否かの検出を行う残存紙幣検出手段が設けられており、前記制御部は、前記残存紙幣検出手段によって、当該回収部において紙幣がある状態からない状態となったことが検出された場合に、前記収納部から当該回収部へ設定枚数分の紙幣を送るよう前記搬送部を制御することが好ましい。このことにより、係員により回収部から紙幣が取り出されてこの回収部が空になったときに、搬送部によりこの回収部に収納部から紙幣が自動的に送られるようになり、より効率良く紙幣の回収作業を行うことができるようになる。
[0015]
 あるいは、本発明の紙幣処理装置においては、係員により操作される操作手段が設けられており、前記制御部は、係員により前記操作手段が操作された場合に、前記収納部から当該回収部へ設定枚数分の紙幣を送るよう前記搬送部を制御することが好ましい。このことにより、係員により操作手段が操作されたときに、搬送部により回収部に収納部から紙幣が自動的に送られるようになる。従って、回収動作を開始するタイミングを、係員が任意に決定することができる。
[0016]
 本発明の紙幣処理装置においては、前記複数の回収部のうち少なくとも一つには回収部状態表示手段が設けられており、当該回収部状態表示手段には対応する回収部における紙幣の処理状態に係る情報が表示されるようになっていることが好ましい。このことにより、係員等は、各回収部において紙幣が集積の最中であるか、または紙幣が抜き取り可能であるか、または待機中であるか、あるいは異常停止しているか等の状態を目視にて確認することができるようになる。
[0017]
 本発明の紙幣処理装置においては、前記収納部は複数設けられており、前記各収納部から前記複数の回収部のうち少なくとも一つの回収部への紙幣の搬送において、どの収納部から紙幣を搬送するかの順番に係る指令を前記制御部へ入力するための搬送順番入力部が設置されていることが好ましい。このような紙幣処理装置においては、係員等が搬送順番入力部によりどの収納部から紙幣を搬送するかの順番に係る指令を入力することにより、例えばどの金種の紙幣から回収するか等を容易に設定できるようになる。あるいは、係員等は、搬送順番入力部に金種の順番を入力し、当該金種に対応する収納部から順に紙幣を回収部へ搬送させることができるようになる。
[0018]
 本発明の紙幣処理装置においては、前記収納部から前記複数の回収部のうち少なくとも一つの回収部への紙幣の搬送における、前記設定枚数を設定するための設定枚数入力部が設置されていることが好ましい。このことにより、係員等は回収処理において回収される紙幣の束当たりの枚数を容易に設定することができるようになる。
[0019]
 本発明の紙幣処理装置においては、前記係員側側面に、顧客が取り忘れた紙幣、もしくは顧客へ出金しない紙幣が保留される少なくとも一つの保留部が設けられており、前記収納部から前記各回収部へ紙幣が送られるときに、少なくとも一つの前記保留部が前記回収部として用いられるようになっていることが好ましい。紙幣の回収処理時に上記少なくとも一つの保留部(例えば、取り忘れ紙幣回収部や出金リジェクト部)を回収部として用いることにより、この保留部を有効活用することができ、回収部の数を増やすことができるので回収作業の効率を向上させることができる。
[0020]
 本発明の紙幣処理装置においては、前記収納部から前記各回収部へ紙幣が送られるときに、前記収納部から前記各回収部に送られるべき紙幣のうち回収不適当な紙幣と識別された紙幣が集積されるとともに、集積された紙幣を送り出す回収リジェクト部が設けられ、前記回収リジェクト部から送り出された紙幣は、前記搬送部により再度前記収納部へ戻されるようになっていることが好ましい。これにより、リジェクトされた紙幣について再度回収作業を行うことができるので、リジェクトされた紙幣を係員が処理する手間を軽減し、回収作業の効率を向上させることができる。
[0021]
 上記補充部が設けられた紙幣処理装置において、当該補充部は、前記収納部から前記各回収部へ紙幣が送られるときに、前記収納部から前記各回収部に送られるべき紙幣のうち回収不適当な紙幣と識別された紙幣が集積されるとともに、集積された紙幣を送り出す回収リジェクト部として利用可能に構成され、前記回収リジェクト部としての前記補充部から送り出された紙幣は、前記搬送部により再度前記収納部へ戻されるようになっていることがより好ましい。このような紙幣処理装置では、補充部を大容量のものにした場合、これに集積機能を持たせたとしても、バッチ回収には使いにくい場合があるが、紙幣の回収処理時にこの補充部を回収リジェクト部として用いることにより、補充部を有効活用することができ、回収作業の効率を向上させることができる。また、別途新たな回収リジェクト部を設けることが不要となるので、紙幣処理装置を効率的な構造にすることができる。
[0022]
 本発明の紙幣処理装置においては、前記各回収部のうち少なくとも1つの回収部は、前記入金口部または前記入出金口部から前記収納部への紙幣の入金動作および/または前記収納部から前記出金口部または前記入出金口部への紙幣の出金動作において使用されないような専用回収部となっており、前記制御部は、顧客による入金および/または顧客への出金が行える取引状態の間に、前記専用回収部に対して前記収納部から設定枚数毎に紙幣を送るよう前記搬送部を制御することが好ましい。
[0023]
 ここで、専用回収部を用いない場合には、回収部に既に保留されている紙幣を一旦抜き取り、回収動作後にこの抜き取られた紙幣を再び回収部に戻さなければならず、手間がかかったり、紙幣の戻し忘れ等の間違いが生じたりするおそれがある。これに対して、複数の回収部のうちの少なくとも1つを紙幣の回収処理のみに用いられる専用回収部とし、この専用回収部を紙幣の回収用に使用することにより、上述の問題を解決することができ、取引状態の間でも紙幣のバッチ回収をより確実に行うことができるようになる。
[0024]
 また、前記制御部は、前記取引状態の間において前記入金動作または前記出金動作が開始されようとするときにはその前に前記収納部から前記専用回収部への紙幣の搬送を中断し、入金動作または出金動作における紙幣の搬送が終了した後に前記収納部から前記専用回収部への紙幣の搬送を再開するよう搬送部を制御することがより好ましい。このことにより、紙幣のバッチ回収中に顧客による取引が行われた場合でも、バッチ回収を迅速に再開することができ、回収作業の効率を向上させることができる。
[0025]
 本発明の紙幣処理装置においては、前記収納部から前記専用回収部への紙幣の搬送における搬送回数に係る指令を制御部へ入力するための搬送回数入力部が設けられており、前記制御部は、前記搬送回数入力部に入力された搬送回数分だけ前記収納部から前記専用回収部への設定枚数分の紙幣の搬送を行うよう前記搬送部を制御することが好ましい。このような紙幣処理装置によれば、係員は、搬送回数入力部により搬送回数を入力することにより、専用回収部から回収されるべき紙幣の総数に係る情報を容易に制御部に送ることができるので、回収作業の効率を向上させることができる。
[0026]
 本発明の紙幣処理装置においては、前記制御部は、前記収納部が紙幣で満杯となっている状態で前記入金口部または前記入出金口部から紙幣の入金があったときに前記入金口部または前記入出金口部から前記専用回収部への紙幣の搬送を行うよう前記搬送部を制御することが好ましい。このことにより、収納部が紙幣で満杯となっている場合には、入金口部または入出金口部から入金された紙幣は収納部を介さずに直接専用回収部に送られることになるので、入金が受け付けられず取引を停止してしまうといった事態を未然に防止することができる。
[0027]
 本発明の紙幣処理装置においては、前記収納部は複数設けられており、前記制御部は、前記各収納部のうち一の収納部から前記各回収部のうち一の回収部へ紙幣を送る一の回収処理の終了後、所定の抜き取り待ち時間が経過した後に、他の収納部から同じ回収部へ紙幣を送る次の回収処理を行うよう前記搬送部を制御することが好ましい。このような紙幣処理装置によれば、一の回収部を用いることにより、紙幣の一括回収処理を効率よく行うことができるようになる。すなわち、この紙幣の一括回収処理を行う際に、まず一の収納部から一の回収部へ紙幣を送る一の回収処理の終了後、所定の抜き取り待ち時間が経過した後に、他の収納部から同じ回収部へ紙幣を送る次の回収処理を行うようにしているので、各収納部に対応する金種等の紙幣の種類毎に紙幣の束を形成することができるようになり、また、所定の抜き取り待ち時間が経過したら自動的に他の収納部から一の回収部に紙幣が送られるようになっているので、無駄な待ち時間が発生することを抑制することができる。このとき、一の回収部に複数の金種の紙幣が重なった場合であっても、金種の寸法に差があるので、区別を容易に行うことができる。
[0028]
 或いは、前記収納部は複数設けられており、前記制御部は、前記各収納部のうち一の収納部から前記各回収部のうち一の回収部へ紙幣を送る一の回収処理の終了後、他の収納部から同じ回収部へ紙幣を送る次の回収処理を行うと共に、前記一の収納部から予め設定された設定枚数分だけ紙幣が前記一の回収部へ送られたときに、前記一の回収処理を終了するよう前記搬送部を制御することが好ましい。これにより、一の回収部において、各収納部に対応する金種等の紙幣の種類毎に、それぞれ設定枚数分の紙幣の束を形成することができる。
 或いは、前記収納部は複数設けられており、前記制御部は、前記各収納部のうち一の収納部から前記各回収部のうち一の回収部へ紙幣を送る一の回収処理の終了後、他の収納部から同じ回収部へ紙幣を送る次の回収処理を行うと共に、前記一の収納部から前記一の回収部へ紙幣が全部送られて当該収納部が空になったときに、前記一の回収処理を終了するよう前記搬送部を制御するようにしてもよい。これにより、一の回収部において、各収納部に対応する金種等の紙幣の種類毎に、それぞれ収納されていた全枚数分の紙幣の束を形成することができる。
 これらいずれの制御でも、一の回収部に複数の金種の紙幣が重なった場合であっても、金種の寸法に差があるので、区別を容易に行うことができる。
[0029]
 本発明の紙幣処理装置においては、前記複数の回収部のうち少なくとも一つには回収部機能表示手段が設けられており、当該回収部機能表示手段には、対応する回収部における、顧客による入金および/または顧客への出金が行える取引状態の間における機能、および前記収納部から前記各回収部へ紙幣が送られるような回収状態の間における機能がそれぞれ切換表示されるようになっていることが好ましい。このことにより、顧客による入金動作や出金動作と、係員による紙幣の回収動作との間で回収部が異なる用途で用いられる場合であっても、回収部機能表示手段により、各動作において回収部の機能がその都度表示されることになるので、係員はこの回収部機能表示手段を見ることにより現在回収部がどのような用途で使用されているのかを容易に知ることができるようになる。
[0030]
 また、本発明の発行装置は、代金と引き替えに券片の発行および/または記憶媒体への価値情報の記録を行う発行装置であって、上記紙幣処理装置と、前記券片の発行および/または記憶媒体への価値情報の記録(この「記録」には、書換えや上書きも含まれる。以下、同様。)を行う発行部と、顧客が選択可能な前記発行部による発行および/または記録の内容に関する情報である発行情報を表示する発行情報表示部と、顧客の操作により前記発行情報を選択入力する発行情報入力部とを備え、前記紙幣処理装置の顧客側側面、前記発行部、前記発行情報表示部、および前記発行情報入力部が同一方向よりアクセス可能に配置されていることを特徴とする。このような発行装置によれば、発行装置からの紙幣の回収作業、とりわけ所定枚数の紙幣の束を作成するような回収作業の作業時間を短縮することができる。
[0031]
 本発明によれば、紙幣処理装置の筐体を顧客側側面と係員側側面に分け、顧客がアクセス不能な係員側側面に回収部を複数設け、これらの回収部から係員が所定枚数の紙幣を回収できるようにし、一方の回収部から係員が紙幣を取り出す間に他方の回収部へ紙幣を搬送して集積させるようにしたことで、紙幣の回収作業、とりわけ所定枚数の紙幣の束を作成するような回収作業の作業時間を短縮することができる。

図面の簡単な説明

[0032]
[図1] 本発明の一の実施の形態における紙幣処理装置の概略の構成を示す概略側面図である。
[図2] 図1の紙幣処理装置における入金処理時の紙幣処理フローを示す。
[図3] 図1の紙幣処理装置における出金処理時の紙幣処理フローを示す。
[図4] 図1の紙幣処理装置における補充処理時の紙幣処理フローを示す。
[図5] 図1の紙幣処理装置における紙幣一括回収時の紙幣処理フローを示す。
[図6] 図1の紙幣処理装置における紙幣バッチ回収時の紙幣処理フローを示す。
[図7] 図1の紙幣処理装置における精査処理時の前半の紙幣処理フローを示す。
[図8] 図1の紙幣処理装置における精査処理時の後半の紙幣処理フローを示す。
[図9] 図1の紙幣処理装置における制御ブロック図である。
[図10] 図1の紙幣処理装置を右方から見た当該紙幣処理装置の背面(係員側側面)の構成図である。
[図11] 図1の紙幣処理装置を備えた発行装置としての乗車券販売機の斜視図である。

発明を実施するための最良の形態

[0033]
 以下、図面を参照して本発明の一の実施の形態について説明する。図1乃至図10は、本発明による紙幣処理装置の一の実施の形態を示す図である。
[0034]
 まず、本実施の形態の紙幣処理装置の構成の概略について説明する。
 図1に示すように、本実施の形態の紙幣処理装置は、略直方体形状の筐体(フレーム部)40と、この筐体40の前面40aに配設された入金口部10および出金口部12と、筐体40の内部に配設され、入金口部10により入金された千円札、万円札をそれぞれ収納する千円札収納部16および万円札収納部18とを備えている。また、筐体40の背面40bには、千円札収納部16や万円札収納部18から送られた紙幣を係員が回収するとともに、千円札収納部16や万円札収納部18への紙幣の補充を係員が行うための補充回収部20が配設されている。
[0035]
 また、筐体40の背面40bには、補充回収部20から補充される紙幣にリジェクト紙幣が含まれていた場合にはこのリジェクト紙幣が送られる補充リジェクト部22、出金口部12により出金すべき紙幣にリジェクト紙幣が含まれていた場合にはこのリジェクト紙幣が送られる出金リジェクト部24、および後述するような紙幣のバッチ回収が行われる際に用いられるバッチ回収部26が配設されている。さらに、筐体40の背面40bには、二千円札および五千円札をまとめて収納する二、五千円札回収部28、および出金口部12において顧客が取り忘れた紙幣が送られるような取り忘れ紙幣回収部30が配設されている。
[0036]
 また、筐体40の内部には、上述の各構成要素間で紙幣の搬送を行う搬送部32が設けられており、この搬送部32には紙幣の検出や識別を行う紙幣検出センサ14が設けられている。また、図9に示すように、本実施の形態の紙幣処理装置には、上述の各構成要素を制御するための制御部50が設けられている。
[0037]
 以下、このような紙幣処理装置の各構成要素について詳述する。
[0038]
 筐体40は、前述のように略直方体形状のものからなり、例えば顧客が自由に往来することができるような顧客スペースと顧客が立ち入ることができない係員スペースとを区画するような壁に、両方のスペースに向くよう設置されている。ここで、筐体40の前面40aは顧客スペース側を向いており、顧客が紙幣の入金や出金を行うことができるようになっている。一方、筐体40の背面40bは係員スペース側を向いており、係員は紙幣の回収や補充を行うことができるが、顧客はアクセスすることができないようになっている。
[0039]
 入金口部10は、筐体40の前面40aに配設されており、顧客が紙幣の入金を行うことができるようになっている。具体的には、入金口部10は、筐体40の前面40aに開口された入金口と、この入金口の内側に上下対をなして配設された一対のローラからなる入金紙幣一括取込部と、この入金紙幣一括取込部により一括して取り込まれた紙幣を一枚ずつ搬送部32に送る紙幣繰出部とを有し、顧客により入金口により入金された紙幣が、入金紙幣一括取込部により一括して筐体40内に取り込まれ、紙幣繰出部により一枚ずつ順次搬送部32へ送られるようになっている。
[0040]
 出金口部12は、筐体40の前面40aにおける入金口部10の真上位置に配設されており、搬送部32からこの出金口部12に送られた紙幣を集積し、束状態で送り出して保持し、顧客が取り出すことができるようになっている。
[0041]
 取り忘れ紙幣回収部30は、筐体40の背面40b側に扉30pを有する略直方体形状の箱体からなり、出金口部12で集積し、送り出して保持した紙幣束が所定時間経過しても顧客により取り出されなかったときにこの紙幣束が搬送されるようになっている。取り忘れ紙幣回収部30に送られた紙幣は、係員が筐体40の背面40bから取り忘れ紙幣回収部30の扉30pを開けることにより回収することができるようになっている。
[0042]
 千円札収納部16は、筐体40の内部下方に配設された略直方体形状の箱体からなり、例えば1000枚の千円札を収納可能となっている。この千円札収納部16は、顧客により入金口部10から入金され搬送部32により搬送された紙幣のうち千円札を集積して収納するようになっている。千円札収納部16に収納された千円札は1枚ずつ繰り出され、搬送部32により出金口部12へ送られるようになっている。
[0043]
 万円札収納部18は、筐体40の内部下方に配設された略直方体形状の箱体からなり、例えば1000枚の万円札を収納可能となっている。この万円札収納部18は、顧客により入金口部10から入金され搬送部32により搬送された紙幣のうち万円札を集積して収納するようになっている。万円札収納部18に収納された万円札は1枚ずつ繰り出され、搬送部32により出金口部12へ送られるようになっている。
[0044]
 補充回収部20は、筐体40の背面40bから引き出し可能な略直方体形状の箱体からなり、例えば1000枚の紙幣を収納可能となっている。この補充回収部20は、搬送部32により千円札収納部16や万円札収納部18から送られた紙幣が集積されるようになっており、この集積された紙幣は、係員が筐体40の背面40bから補充回収部20を引き出すことにより回収することができるようになっている。また、この補充回収部20には、筐体40の背面40b側より係員が千円札や万円札を補充することができるようになっており、この補充された紙幣は1枚ずつ繰り出され搬送部32により千円札収納部16や万円札収納部18に送られるようになっている。また、図10に示すように、筐体40の背面40bにおける補充回収部20の近傍には補充ボタン20aおよび回収ボタン20bが設けられており、係員が補充ボタン20aを押下したときには紙幣の補充動作が、回収ボタン20bを押下したときには紙幣の回収動作が行われるようになっている(各動作の詳細については後述する)。
 なお、ここでは係員により操作される操作手段として補充ボタン20aおよび回収ボタン20bを示したが、その他、切替スイッチ、キースイッチ、タッチパネル等、係員による動作の指示入力ができるものであれば、任意の操作手段を用いることができる。
[0045]
 補充リジェクト部22は、筐体40の背面40b側に扉22pを有する略直方体形状の箱体から構成されている。この補充リジェクト部22は、搬送部32により補充回収部20から千円札収納部16や万円札収納部18に紙幣が送られる際に、この紙幣が正常な紙幣ではないリジェクト紙幣であると紙幣検出センサ14により識別されたときに当該リジェクト紙幣が送られて集積されるようになっている。この集積されたリジェクト紙幣は、係員が筐体40の背面40bから補充リジェクト部22の扉22pを開けることにより回収することができるようになっている。
[0046]
 出金リジェクト部24は、筐体40の背面40b側に扉24pを有する略直方体形状の箱体から構成されている。この出金リジェクト部24は、千円札収納部16や万円札収納部18から出金口部12に紙幣が送られる際に、この紙幣が正常な紙幣ではないリジェクト紙幣であると紙幣検出センサ14により識別されたときに当該リジェクト紙幣が送られて集積されるようになっている。この集積されたリジェクト紙幣は、係員が筐体40の背面40bから出金リジェクト部24の扉24pを開けることにより回収することができるようになっている。
[0047]
 バッチ回収部26は、筐体40の背面40b側に扉26pを有する略直方体形状の箱体から構成されている。このバッチ回収部26は、千円札収納部16や万円札収納部18からの紙幣の回収動作のうち後述する紙幣バッチ回収時において、千円札収納部16や万円札収納部18から紙幣が送られて集積されるようになっている。この集積された紙幣は、係員が筐体40の背面40bからバッチ回収部26の扉26pを開けることにより回収することができるようになっている。バッチ回収部26における紙幣収容枚数は例えば100枚となっている。また、図10に示すように、筐体40の背面40bにおけるバッチ回収部26の近傍には回収ボタン26aが設けられており、係員が回収ボタン26aを押下したときには紙幣の回収動作が行われるようになっている。
 なお、ここでは係員により操作される操作手段として回収ボタン26aを示したが、その他、切替スイッチ、キースイッチ、タッチパネル等、係員による動作の指示入力ができるものであれば、任意の操作手段を用いることができる。
[0048]
 なお、このバッチ回収部26は、入金口部10から各収納部16、18への紙幣の入金動作、および各収納部16、18から出金口部12への紙幣の出金動作において使用されないような、紙幣の回収処理専用の専用回収部となっている。
[0049]
 二、五千円札回収部28は、筐体40の背面40b側に扉28pを有する略直方体形状の箱体から構成されている。この二、五千円札回収部28は、顧客により入金口部10から入金され搬送部32により搬送された紙幣のうち二千円札および五千円札を積み重ねて収納するようになっている。二、五千円札回収部28に収納された二千円札および五千円札は、係員が筐体40の背面40b側から二、五千円札回収部28の扉28pを開けることにより回収することができるようになっている。また、図10に示すように、筐体40の背面40bにおける二、五千円札回収部28の近傍には回収ボタン28aが設けられており、係員が回収ボタン28aを押下したときには紙幣の回収動作が行われるようになっている。なお、この二、五千円札回収部28は、後述する紙幣の回収動作において紙幣バッチ回収が行われるときには、千円札収納部16や万円札収納部18から紙幣が送られて集積されるようなバッチ回収部として使用されるようになっている。
 なお、ここでは係員により操作される操作手段として回収ボタン28aを示したが、その他、切替スイッチ、キースイッチ、タッチパネル等、係員による動作の指示入力ができるものであれば、任意の操作手段を用いることができる。
[0050]
 搬送部32は、複数のローラおよびこれらのローラに張架された搬送ベルトより構成されている。この搬送部32は、上述の入金口部10、出金口部12、千円札収納部16、万円札収納部18、補充回収部20、補充リジェクト部22、出金リジェクト部24、バッチ回収部26、二、五千円札回収部28および取り忘れ紙幣回収部30の間で搬送ベルトにより紙幣の搬送を行うようになっている。具体的には、搬送部32は、後述する入金処理時においては入金口部10から紙幣を千円札収納部16、万円札収納部18、二、五千円札回収部28または出金口部12に搬送し、出金処理時においては、千円札収納部16や万円札収納部18から紙幣を出金口部12または出金リジェクト部24に搬送し、補充処理時においては、補充回収部20から紙幣を千円札収納部16、万円札収納部18または補充リジェクト部22に搬送し、回収処理時においては千円札収納部16や万円札収納部18から紙幣を補充回収部20、出金リジェクト部24、バッチ回収部26、または二、五千円札回収部28に搬送するようになっている。
[0051]
 紙幣検出センサ14は、搬送部32の途中部分に設けられており、搬送部32において紙幣が搬送されることを検出するとともに、この搬送部32で搬送される紙幣について、その金種、正損、真偽、表裏等を1枚ずつ識別するようになっている。当該紙幣検出センサ14による検出結果や識別結果は、次に説明する制御部50に送られるようになっている。
[0052]
 制御部50は、図9に示すように、上述の千円札収納部16、万円札収納部18、補充回収部20、補充リジェクト部22、出金リジェクト部24、バッチ回収部26、二、五千円札回収部28、取り忘れ紙幣回収部30および搬送部32の制御を行っている。また、この制御部50には上述の紙幣検出センサ14から紙幣の検出結果や識別結果が送られるようになっており、この検出結果や識別結果に基づいて搬送部32における紙幣の搬送方向や搬送経路を設定し、また搬送された紙幣を計数するようになっている。なお、紙幣の計数は、紙幣の搬送経路上(各収納部の出入口や各回収部の入口等を含む)に別途設けた図示しないセンサによって行うことも可能である。
[0053]
 図9に示すように、制御部50には表示部52が接続されている。この表示部52は、制御部50への入力内容や紙幣の処理状態を表示するようになっている。表示部52は筐体40の背面40bに設けられるのが一般的であるが、紙幣処理装置の外部に設けられていてもよく、上位装置に設けられていてもよい。
[0054]
 また、図9に示すように、制御部50には操作部54が接続されている。この操作部54は、制御部50への処理内容の入力や設定を係員が行うために用いられるようになっている。操作部54は紙幣処理装置に設けられるのが一般的であるが、紙幣処理装置の外部に設けられていてもよく、上位装置に設けられていてもよい。
[0055]
 また、図9に示すように、制御部50にはROM55やRAM56等の記憶手段が接続されている。このようなROM55やRAM56は制御部50における制御内容や処理結果等を記憶するようになっている。このようなROM55やRAM56は筐体40の内部に収容されるものであってもよく、また外付けタイプのものであってもよい。
[0056]
 また、図9に示すように、制御部50には通信部58が接続されている。この通信部58は、上位装置からの信号の受信および上位装置への信号の送信を行うようになっている。
[0057]
 次に、このような構成からなる紙幣処理装置の動作について、図2乃至図9を用いて説明する。なお、紙幣処理装置における以下のような紙幣の各種処理は、制御部50が各構成要素を制御することにより行われる。
[0058]
〔入金処理〕
 まず、紙幣処理装置における入金処理時の動作について図2を用いて説明する。顧客によって入金口部10から筐体40内に入金された紙幣は搬送部32により1枚ずつ順次搬送され、紙幣検出センサ14によりその金種や正損、真偽等が識別される。ここで、紙幣検出センサ14によって、正常な紙幣ではないリジェクト紙幣と識別された紙幣は搬送部32により出金口部12に戻される。また、正常な紙幣のうち千円札は搬送部32により千円札収納部16に送られて集積され、この千円札収納部16に収納され、万円札は搬送部32により万円札収納部18に送られて集積され、この万円札収納部18に収納される。また、紙幣検出センサ14によって、正常な二千円札または五千円札であると識別された紙幣は、二、五千円札回収部28に送られてこの二、五千円札回収部28において集積される。ここで、入金結果、すなわち、入金金額や、入金された紙幣の金種別の枚数、各収納部16、18における収納枚数等のデータは、通信部58により上位装置に送信される。
[0059]
〔出金処理〕
 次に、紙幣処理装置における出金処理時の動作について図3を用いて説明する。上位装置から通信部58に払出金相当額の出金指示が送信されると、千円札収納部16に収納された千円札や万円札収納部18に収納された万円札は1枚ずつ順次搬送部32に送出され、この搬送部32で1枚ずつ順次搬送される。その際に、紙幣検出センサ14により金種や正損、真偽等が識別される。ここで、紙幣検出センサ14によって、正常な紙幣ではないリジェクト紙幣と識別された紙幣は搬送部32により出金リジェクト部24に送られ、この出金リジェクト部24において係員が取り出し可能となる。また、紙幣検出センサ14によって、正常な千円札または万円札と識別された紙幣は搬送部32により出金口部12に送られ、顧客がこの出金口部12にある紙幣を取り出すことができるようになる。紙幣が取り出されると、出金結果、すなわち各収納部16、18に収納される紙幣の枚数や在高データ、出金動作が正常に終了したこと等が、通信部58により上位装置に送信される。なお、搬送部32から出金口部12に送られた紙幣が所定時間経過しても顧客により取り出されなかったときときには、この紙幣は搬送部32により取り忘れ紙幣回収部30に送られるとともに出金結果(取り忘れ紙幣回収部30に紙幣が送られたこと)が通信部58により上位装置に送信される。この取り忘れ紙幣回収部30に送られた紙幣は、筐体40の背面40b側より係員が回収することができるようになっている。
[0060]
〔紙幣の補充処理〕
 次に、紙幣処理装置における紙幣の補充処理時の動作について図4を用いて説明する。このような補充処理は専ら係員により行われ、顧客が関与することはない。具体的には、まず、係員が補充ボタン20aを押下するとロックが解除され箱体が引出可能となり、係員により補充回収部20に千円札または万円札の束が装填され、箱体をセットして補充ボタン20aを押下すると、箱体がロックされ、この補充回収部20に補充された紙幣は1枚ずつ順次搬送部32に送出される。搬送部32で1枚ずつ順次搬送される紙幣は紙幣検出センサ14によりその金種や正損、真偽等が識別される。ここで、紙幣検出センサ14によって、正常な紙幣ではないリジェクト紙幣と識別された紙幣は搬送部32により補充リジェクト部22に送られ、この補充リジェクト部22において係員が取り出し可能となる。また、紙幣検出センサ14によって、正常な千円札または万円札と識別された紙幣は搬送部32によりそれぞれ千円札収納部16、万円札収納部18に送られ、これらの千円札収納部16、万円札収納部18に集積されて収納される。補充動作が終了すると、補充した紙幣の金種、枚数、各収納部16、18における収納枚数等のデータが上位装置に送信される。
[0061]
〔紙幣の回収処理〕
 次に、紙幣処理装置における紙幣の回収処理時の動作について図5および図6を用いて説明する。このような回収処理は専ら係員により行われ、顧客が関与することはない。また、紙幣処理装置における紙幣の回収処理としては、紙幣を所定枚数毎の束にすることなく一括して回収するような一括回収処理と、紙幣を所定枚数毎の束にして回収するようなバッチ回収処理の2種類のものがあり、制御部50への処理内容の入力によっていずれか一方を選択して用いることができるようになっている。
[0062]
 まず、紙幣処理装置における紙幣の一括回収処理時の動作について図5を用いて説明する。このような一括回収処理は、上位装置からの指令、操作部54による操作、または回収ボタン20bの押下により開始される。まず、千円札収納部16に収納された千円札や万円札収納部18に収納された万円札は1枚ずつ順次搬送部32に送出され、この搬送部32で1枚ずつ順次搬送される。その際に、紙幣検出センサ14により金種や正損、真偽等が識別される。ここで、紙幣検出センサ14によって、正常な紙幣ではないリジェクト紙幣と識別された紙幣は搬送部32により出金リジェクト部24に送られ、この出金リジェクト部24において係員が取り出し可能となる。また、紙幣検出センサ14によって、正常な千円札または万円札と識別された紙幣は補充回収部20に送られ、この補充回収部20において係員が取り出し可能となる。なお、上述のような紙幣の一括回収処理においては、まず千円札収納部16または万円札収納部18から連続的に紙幣が搬送部32に1枚ずつ送出され、一方の収納部16、18において紙幣がなくなったとき、あるいは所定枚数の紙幣が搬送部32に送出された後に、他方の収納部16、18から連続的に紙幣が搬送部32に1枚ずつ送出されるようになっている。さらに、係員により、二、五千円札回収部28に保留された二千円札および五千円札が係員により取り出される。このようにして、各金種の紙幣が係員により回収される。一括回収動作が終了すると、回収された紙幣の金種、枚数、各収納部16、18における収納枚数等のデータが上位装置に送信される。
[0063]
 なお、このような紙幣の一括回収処理において、制御部50は、まず千円札収納部16および万円札収納部18のいずれか一方から補充回収部20に紙幣を送り、予め設定された所定の抜き取り待ち時間が経過した後に、他方の収納部からこの補充回収部20へ紙幣を送るよう搬送部32を制御するようになっていてもよい。この場合は、紙幣の一括回収処理を効率よく行うことができるようになる。すなわち、上述のような紙幣の一括回収処理を行うことにより、各収納部16、18に対応する金種の紙幣の種類毎に、すなわち設定枚数毎に千円札および万円札の紙幣の束をそれぞれ形成することができるようになる。そして、上記抜き取り待ち時間中に回収済み紙幣の抜き取りを行うことで、単一の補充回収部20を用いて金種毎の回収作業を行うことが可能となる。また、所定の抜き取り待ち時間が経過したら自動的に他の収納部から補充回収部20に紙幣が送られるようになっているので、無駄な待ち時間が発生することを抑制し、効率よく回収作業を進めることができる。これにより、金種別に複数の回収部を設けることなく金種別の紙幣回収作業を行うと共に、無駄な待ち時間を発生させることなく一括回収作業を行うことが可能となる。また、金種別に複数の一括回収部を備える紙幣処理装置と比べた場合、一括回収部のために必要なスペースを節約して、装置を小型化することが可能となる。
[0064]
 次に、紙幣処理装置における紙幣のバッチ回収処理時の動作について図6を用いて説明する。このようなバッチ回収処理は、上位装置からの指令、操作部54による操作、または回収ボタン20bの押下により開始される。まず、二、五千円札回収部28に保留された二千円札および五千円札が係員により取り出され、この二、五千円札回収部28とバッチ回収部26が空状態であることが確認される。次に、上述の一括回収処理時と同様に、千円札収納部16に収納された千円札や万円札収納部18に収納された万円札は1枚ずつ順次搬送部32に送出され、この搬送部32で1枚ずつ順次搬送される。その際に、紙幣検出センサ14により金種や正損、真偽等が識別される。ここで、紙幣検出センサ14によって、正常な紙幣ではないリジェクト紙幣と識別された紙幣は搬送部32により出金リジェクト部24に送られ、この出金リジェクト部24において係員が取り出し可能となる。
[0065]
 また、紙幣検出センサ14によって正常な千円札または万円札と識別された紙幣は、予め設定された設定枚数毎に、具体的には例えば100枚毎に、バッチ回収部26および二、五千円札回収部28に交互に送られて集積される。そして、係員は、搬送部32から一方の回収部、例えばバッチ回収部26に紙幣が送られている間に、他方の回収部、例えば二、五千円札回収部28に設定枚数分集積された紙幣の束を取り出す。そして、バッチ回収部26に設定枚数分の紙幣が集積されたら、次に搬送部32から二、五千円札回収部28に紙幣が送られるようになるが、係員はそのときにバッチ回収部26からこの設定枚数分集積された紙幣の束を取り出す。バッチ回収動作が終了すると、回収された紙幣の金種、枚数、各収納部16、18における収納枚数等のデータが上位装置に送信される。
[0066]
 このように、一方の回収部26、28に紙幣が送られている間に、他方の回収部26、28から係員が紙幣を取り出すようにすることにより、搬送部32から紙幣を連続的に回収部26、28に送ることができるようになる。なお、上述のような紙幣のバッチ回収処理においても、まず千円札収納部16または万円札収納部18から連続的に紙幣が搬送部32に1枚ずつ送出され、一方の収納部16、18において紙幣がなくなったとき、あるいは所定枚数の紙幣が搬送部32に送出された後に、他方の収納部16、18から連続的に紙幣が搬送部32に1枚ずつ送出されるようになっている。
[0067]
〔紙幣の精査処理〕
 次に、紙幣処理装置における紙幣の精査処理時の動作について図7および図8を用いて説明する。このような紙幣の精査処理は、上位装置からの指令または操作部54による操作により開始される。まず、係員が補充回収部20から紙幣を抜き取る。次に、図7に示すように、搬送部32により、千円札収納部16に収納された千円札、または万円札収納部18に収納された万円札のいずれかを補充回収部20に送り集積させるようにする。
[0068]
 そして、この補充回収部20に集積された紙幣は係員により取り除かれることなく、再び搬送部32に1枚ずつ順次繰出され、この搬送部32により1枚ずつ順次搬送され、元の収納部に戻される。この際に、搬送部32において搬送される千円札および万円札は少なくとも行き帰りのいずれか一方で紙幣検出センサ14により検出および識別が行われる。
[0069]
 このようにして、図7および図8に示すように千円札収納部16および万円札収納部18に収納された紙幣について、収納枚数を計数し、この計数結果を、精査処理前の各収納部16,18における収納枚数のデータとともに上位装置に送信する。そして、データ上の収納枚数と実際に精査処理で計数された枚数とを比較する。
[0070]
 以上のように本実施の形態の紙幣処理装置によれば、係員が紙幣を回収する際に用いられる回収部26、28が複数設けられており、各回収部26、28は、筐体40における顧客がアクセス不能な背面40b側に設置されており、制御部50により、収納部16(18)から各回収部26、28へ予め設定された設定枚数毎に紙幣を搬送するよう搬送部32の制御を行うようになっている。このように、筐体40を前面40aと背面40bに分け、顧客がアクセス不能な背面40b側に回収部26、28を複数設け、これらの回収部26、28から係員が所定枚数の紙幣を回収することができるようにし、一方の回収部(例えばバッチ回収部26)から係員が紙幣を取り出す間に他方の回収部(例えば二、五千円札回収部28)へ紙幣を搬送して集積させるようにしたことで、紙幣の回収作業、とりわけ所定枚数の紙幣の束を作成するような回収作業の作業時間を短くすることができる。
[0071]
 なお、本発明による紙幣処理装置は、上記の態様に限定されるものではなく、様々の変更を加えることができる。
[0072]
 例えば、図1乃至図10に示す紙幣処理装置は、顧客により入金された紙幣を内部に収納する入金処理機能、および収納された紙幣の顧客への出金を行う出金処理機能を併有するものであるが、本発明による紙幣処理装置はこのような入出金機に限定されることはなく、入金口部が設けられ、単に顧客により入金された紙幣を内部に収納するだけの入金専用機であってもよい。あるいは、出金口部が設けられ、単に内部に収納された紙幣の顧客への出金を行うだけの出金専用機であってもよい。更に他の例としては、入金口部と出金口部とが一体となった入出金口部を有する紙幣処理装置を用いることもできる。
[0073]
 また、図1乃至図10に示す紙幣処理装置は、補充回収部20により係員が紙幣の補充処理を行うことができるようになっているが、他の紙幣処理装置としては、このような補充回収部20が設けられておらず、係員は単に収納部に収納された紙幣を回収する回収処理しか行うことができないようなものであってもよい。
[0074]
 また、紙幣の回収処理時において、搬送部32は、紙幣検出センサ14による紙幣の識別結果に基づいて、同一の識別結果(例えば同一の金種)に係る紙幣を同一の回収部に予め設定された設定枚数毎に搬送するようになっていてもよい。このような搬送部32の動作は制御部50により制御されることとなる。この場合には、各回収部には、例えば金種等の種類が同一である紙幣が一定枚数毎に集積されるようになるので、回収された紙幣の束を金種等の種類が同一のものとすることができる。
[0075]
 また、補充回収部20、バッチ回収部26および二、五千円札回収部28にはそれぞれ、当該回収部に紙幣があるか否かの検出を行う残存紙幣検出センサが設けられていてもよい。この場合、紙幣の回収処理時において、例えば紙幣の一括回収処理を行う際には、制御部50は、補充回収部20において紙幣がある状態からない状態となったことが残存紙幣検出センサによって検出されたときに各収納部16、18から補充回収部20へ紙幣を送るようになっている。あるいは、例えば紙幣のバッチ回収処理を行う際には、制御部50は、バッチ回収部26や二、五千円札回収部28において紙幣がある状態からない状態となったことが残存紙幣検出センサによって検出されたときに、各収納部16、18からこの紙幣がなくなった各回収部26、28へ設定枚数分の紙幣を送るようになっている。このような紙幣処理装置によれば、係員により回収部20、または回収部26、28のうちいずれか1つから紙幣が取り出されてこの回収部が空になったときに、制御部50によりこの回収部に各収納部16、18から紙幣が自動的に送られるようになり、より効率良く紙幣の回収作業を行うことができるようになる。なお、このような残存紙幣検出センサは、全ての回収部20、26、28に設けられる必要はなく、そのうち少なくとも一つの回収部に設けられるようになっていてもよい。
[0076]
 また、補充回収部20、バッチ回収部26および二、五千円札回収部28にはそれぞれ回収部状態表示手段が各回収部の近傍に設けられていてもよい。この回収部状態表示手段には、対応する回収部20、26、28における紙幣の処理状態に係る情報が表示されるようになっている。より具体的には、図10に示すように、回収部状態表示手段は例えばLEDランプ20c、26c、28c等からなり、紙幣が搬送部32から送られて当該紙幣が集積している最中には当該LEDランプは早く点滅し、紙幣の集積が終わって取り出しが可能になるとLEDランプは遅く点滅し、また、回収部において異常停止が発生したときには点灯し、また、待機中のときには消灯するようになっている。このような回収部状態表示手段が設けられていることにより、係員は、各回収部において紙幣が集積の最中であるか、または紙幣が抜き取り可能であるか、または待機中であるか、あるいは異常停止しているかを目視にて確認することができるようになる。なお、このような回収部状態表示手段は、全ての回収部20、26、28に設けられる必要はなく、そのうち少なくとも一つの回収部に設けられるようになっていてもよい。
[0077]
 また、筐体40の背面40b側には、バッチ回収処理時において、どの収納部16、18から紙幣をバッチ回収部26および二、五千円札回収部28へ搬送するかの順番に係る指令を、係員等やメンテナンス員等が制御部50へ入力するための搬送順番入力部が設置されていてもよい。このような紙幣処理装置においては、係員等が搬送順番入力部によりどの収納部から紙幣を搬送するかの順番に係る紙幣を入力することにより、例えばどの金種の紙幣から回収するか等を容易に設定できるようになる。この際に、搬送順番入力部において紙幣の金種を入力することができるようになっていてもよく、この場合、入力された金種に対応する収納部から紙幣が順次回収部へ搬送されるようになる。このような搬送順番入力部は、紙幣処理装置の出荷時に搬送順番の初期値を設定する際にも使用することができる。なお、操作部54や上位装置を用いることにより、どの収納部16、18から紙幣をバッチ回収部26および二、五千円札回収部28へ搬送するかの順番に係る指令を制御部50へ入力することができるようになっていてもよい。
[0078]
 また、筐体40の背面40b側には、各収納部16、18から各回収部26、28への紙幣の搬送における設定枚数を、係員等やメンテナンス員等が設定するための設定枚数入力部が設けられていてもよい。このような設定枚数入力部は、紙幣処理装置の出荷時に設定枚数の初期値を設定する際にも使用することができる。このような紙幣処理装置によれば、係員等はバッチ回収処理における回収されるべき紙幣の束の枚数を容易に設定することができるようになる。なお、操作部54や上位装置を用いることにより、各収納部16、18から各回収部26、28への紙幣の搬送における設定枚数を、制御部50へ入力することができるようになっていてもよい。
[0079]
 また、紙幣のバッチ回収処理時において、出金リジェクト部24が回収リジェクト部として用いられるが、出金リジェクト部24が回収部として使用されるようになっていてもよい。紙幣のバッチ回収処理時において出金リジェクト部24を回収部として用いることによりこの出金リジェクト部24を有効活用することができ、回収部の数を増やすことができるので紙幣回収処理の効率を向上させることができる。とりわけ、100枚程度の紙幣のバッチ回収を行う場合には、出金リジェクト部24を回収部として用いると、係員にとっての利便性が高くなる。
[0080]
 また、この場合、補充回収部20が、リジェクト紙幣が送られる回収リジェクト部として用いられるようになっている。紙幣のバッチ回収処理時において補充回収部20を回収リジェクト部として用いることによりこの補充回収部20を有効活用することができ、別途新たな回収リジェクト部を設けることが不要となるので紙幣処理装置の効率を向上させることができる。また、上述の場合において、回収リジェクト部として用いられる補充回収部20に紙幣が送られた場合、この紙幣が再度各収納部16、18へ戻されるようになっていてもよい。
[0081]
 また、紙幣のバッチ回収処理時において、取り忘れ紙幣回収部30が回収部として使用されるようになっていてもよい。
[0082]
 また、制御部50は、顧客による入金および/または顧客への出金が行える取引状態の間に、専用回収部であるバッチ回収部26に対して各収納部16、18から設定枚数毎に紙幣を送るよう搬送部32を制御するようになっていてもよい。このように、取引状態の間でもこのバッチ回収部26を紙幣の回収用に使用することにより、取引状態の間でも保留されている紙幣を一時的に取り除いておく必要がなく、従って取り除いた紙幣の戻し忘れもなくなり、紙幣のバッチ回収をより確実に行うことができるようになる。ここで、制御部50は、取引状態の間において入金動作または出金動作が開始されようとするときにはその前に各収納部16、18からバッチ回収部26への紙幣の搬送を中断し、入金動作または出金動作において紙幣の搬送が終了した後に各収納部16、18からバッチ回収部26への紙幣の搬送を再開するよう搬送部32を制御することがより好ましい。このことにより、紙幣のバッチ回収中に顧客により取引が行われた場合でも、バッチ回収を迅速に再開することができ、回収作業の効率を向上させることができる。
[0083]
 また、筐体40の背面40b側には、各収納部16、18からバッチ回収部26への紙幣の搬送における搬送回数に係る指令を係員等が制御部へ入力するための搬送回収入力部が設けられていてもよい。この場合、制御部50は、搬送回数入力部に入力された搬送回数分だけ各収納部16、18からバッチ回収部26への設定枚数分の紙幣の搬送を行うよう、搬送部32を制御するようになっている。この場合、係員等は、例えば回収ボタン26aを押下した回数により搬送回数を入力し、バッチ回収部26から回収されるべき紙幣の総数に係る情報を容易に制御部50に送ることができるので、回収作業の効率を向上させることができる。このとき、回収される金種の順番は、収納枚数の多い順に回収するように予め設定しておいてもよく、或いは、別途設けられた回収順番の入力手段によって入力された金種の順番に回収するように構成してもよい。
[0084]
 また、制御部50は、紙幣が入金口部10から入金されたときに対応する金種の収納部が満杯となっていたときには、この入金口部10からバッチ回収部26へ紙幣を搬送させるよう搬送部32を制御するようになっていてもよい。このことにより、対応する金種の収納部が満杯となっている場合には、入金口部10から入金された紙幣は収納部を介さずに直接バッチ回収部26に送られることとなるので、入金が受け付けられず取引を停止してしまうといった事態を未然に防止することができる。
[0085]
 また、制御部50は、紙幣の一括回収処理時において、各収納部16、18に収納されている紙幣がなくなったときに、各収納部16、18から補充回収部20への紙幣の搬送を終了するよう搬送部32を制御するようになっていてもよい。このことにより、紙幣の一括回収処理時において、各収納部16、18において紙幣がなくなったときに、自動的に補充回収部20への紙幣の搬送が終了する。あるいは、制御部50は、紙幣の一括回収処理時において、各収納部16、18から予め設定された設定枚数分だけ紙幣が補充回収部20へ送られたときに、各収納部16、18から補充回収部20への紙幣の搬送を終了するよう搬送部32を制御するようになっていてもよい。このことにより、紙幣の一括回収処理時において、係員はこの補充回収部20から所定の枚数分の紙幣を回収することができるようになり、この所定の枚数分の紙幣の回収後に、自動的に各収納部16、18から補充回収部20への紙幣の搬送が終了する。
[0086]
 また、補充回収部20、バッチ回収部26、二、五千円札回収部28および取り忘れ紙幣回収部30にはそれぞれ、回収部機能表示手段がその近傍に設けられていてもよい。この回収部機能表示手段には、対応する回収部における、顧客による入金および/または顧客への出金が行える取引状態の間における機能、および収納部16、18から各回収部へ紙幣が送られるような回収状態の間における機能がそれぞれ切換表示されるようになっている。具体的には、顧客による入金および/または顧客への出金が行える取引状態においては、二、五千円札回収部28は、二千円札および五千円札が集積されるとともに係員に回収されるような機能を果たすが、この場合には二、五千円札回収部28の近傍にある回収部機能表示手段には「二、五千円札回収部」と表示される。一方、収納部16、18から各回収部へ紙幣が送られるような回収状態においては、二、五千円札回収部28は、紙幣のバッチ回収部としての機能を果たすが、この場合には二、五千円札回収部28の近傍にある回収部機能表示手段には「バッチ回収部」と表示される。このような回収部機能表示手段が設けられていることにより、取引状態と回収状態との間で回収部が異なる用途で用いられる場合であっても、回収部機能表示手段により、各動作において回収部の機能がその都度表示されることになるので、係員はこの回収部機能表示手段の表示を見ることにより現在回収部がどのような用途で使用されているのかを容易に知ることができるようになる。なお、このような回収部機能表示手段は、全ての回収部20、26、28、30に設けられる必要はなく、そのうち少なくとも一つの回収部に設けられるようになっていてもよい。また、回収部機能表示手段における表示は、図10に示すように、参照符号20d、26d、28dで示されるようなLED等を用いた、色、点灯/消灯あるいは点滅等の表示状態の切替によるものの他、LCD等を用いた文字や図形で表すものであってもよい。
 なお、この回収部機能表示手段は、上述した回収部状態表示手段と一体的に設けられていてもよい。
[0087]
 図11は、本発明による紙幣処理装置を備えた発行装置の一の実施の形態として、電車の駅などに設置される乗車券販売機60を示す図である。
 図11に示す乗車券販売機60は、紙幣処理装置62と、図示しない硬貨処理装置、乗車券処理装置、および制御装置とを備えている。また、乗車券販売機60の顧客が操作を行う側面(装置が設置される壁80に対して図の手前側に位置する顧客側側面)には、紙幣入金口64、紙幣出金口66、硬貨入金口68、硬貨出金口70、乗車券取扱口(発行部)74、およびタッチパネル(発行情報表示部および発行情報入力部)76が配設されている。このうち、紙幣入金口64および紙幣出金口66は、紙幣処理装置62の入金口部および出金口部(図1の紙幣処理装置では符号10および12で示す)に対応して設けられている。すなわち、乗車券販売機60の顧客が操作を行う側面である顧客側側面は、壁80に対して、紙幣処理装置62の顧客側側面(図1の紙幣処理装置では符号40aで示す前面)と同じ側に配置されている。換言すれば、紙幣処理装置62の顧客側側面と、発行装置である乗車券販売機60の発行部74、並びに発行情報表示部および発行情報入力部76とが同一方向(顧客側)よりアクセス可能に配置されている。
[0088]
 乗車券を購入する顧客は、購入代金を紙幣入金口64および硬貨入金口68に入金する。その入金結果が、紙幣処理装置62および上記硬貨処理装置から乗車券販売機の上記制御装置へ送信されると、顧客が購入(選択)可能な乗車券の内容(発行情報)がタッチパネル76に表示され、顧客は当該内容を確認できる。そして、顧客がタッチパネル76を操作して購入する乗車券を選択すると、乗車券取扱口74より乗車券が発行される。このとき、釣銭がある場合は、乗車券販売機の上記制御装置から紙幣処理装置62および上記硬貨処理装置へ釣銭相当額の出金指示が送信され、釣銭が紙幣出金口66および硬貨出金口70に払い出される。なお、まずタッチパネル76に表示される内容から購入する乗車券を選択し、その後で購入代金を入金するようになっていてもよい。
 乗車券販売機60より紙幣を回収する係員は、紙幣処理装置62の係員側側面(壁80に対して顧客側側面とは反対側の側面)より所定枚数の紙幣の束を回収することが出来る。これによって、例えば乗車券販売機60より紙幣を回収し、最終的に所定枚数の紙幣の束を作成するような作業を行うとき、束の作成を別の紙幣整理機などで行う場合に比べ、作業時間が短くなる。
[0089]
 さらに、本実施の形態の発行装置は、乗車券販売機60に払い戻し機能も持たせた、乗車券販売払戻機として構成されていてもよい。その場合、乗車券の払い戻しを行う顧客が、タッチパネル76を操作して払戻しメニューを選択し、乗車券取扱口74より払い戻しを行う乗車券を挿入すると、タッチパネル76に払い戻し金額など払い戻しに関する内容が表示される。全ての乗車券を挿入し終わり、タッチパネル76より払い戻しを指示すると、乗車券販売払戻機の上記制御装置から紙幣処理装置62および上記硬貨処理装置へ払戻金相当額の出金指示が送信され、払戻金が紙幣出金口66および硬貨出金口70に払い出される。
[0090]
 以上、乗車券販売機(乗車券販売払戻機)としての実施の形態を説明したが、本発明の発行装置はこれに限定されるものではない。すなわち、顧客が紙幣を入金し、代金と引き替えに券片が発行される装置であれば、発行する券片は、乗車券のほか、入場券、引換券等であってもよい。加えて、券片発行に替えて、或いは券片発行に加えてさらに、代金と引き替えに記憶媒体に価値情報の記録(いわゆる価値付け)を行うものであってもよい。その記憶媒体は、ICカードや携帯電話等を用いた電子マネーや、電子化された乗車券、入場券、引換券等でもよい。また、発行内容の入力はタッチパネルによるものに限らず、発行する内容が入力できる手段であれば、キー操作等によるものでもよい。但し、タッチパネルのように表示と入力が行える手段であれば、発行内容の入力と発行内容の表示を、同一の手段で行うことが出来る。

請求の範囲

[1]
 顧客により入金された紙幣の内部への収納および/または収納された紙幣の顧客への出金を行う紙幣処理装置であって、
 顧客がアクセス可能な顧客側側面および顧客がアクセス不能となっている係員側側面を有する筐体と、
 前記筐体の顧客側側面に設けられた入金口部および/または出金口部、あるいは紙幣の入金および出金の両方を行う入出金口部と、
 前記筐体の内部に設けられ、紙幣の収納を行う収納部と、
 前記筐体の係員側側面に設けられた複数の回収部であって、各々、前記収納部から送り出されて集積された紙幣が束状態で保留されるとともにこの保留された紙幣を係員が回収可能な複数の回収部と、
 前記収納部から前記各回収部への紙幣の搬送を行う搬送部と、
 前記搬送部に設けられ、前記収納部から前記各回収部へ送られる紙幣の検出を行う検出部と、
 前記収納部、前記回収部および前記搬送部を制御する制御部であって、前記検出部による検出結果に基づいて、前記収納部から前記各回収部へ予め設定された設定枚数毎に紙幣を搬送するよう制御を行う制御部と、
を備えたことを特徴とする紙幣処理装置。
[2]
 前記複数の回収部のうち少なくとも2つは、鉛直方向に沿って並設されていることを特徴とする請求項1記載の紙幣処理装置。
[3]
 前記筐体の係員側側面に、装填された紙幣を前記搬送部へ送り出す補充部が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の紙幣処理装置。
[4]
 前記検出部は、前記収納部から送られる紙幣の金種、正損、真偽または表裏の識別を行うようになっており、
 前記制御部は、同一の識別結果に係る紙幣を同一の回収部に搬送するよう前記搬送部の制御を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の紙幣処理装置。
[5]
 前記複数の回収部のうち少なくとも一つには、当該回収部に紙幣があるか否かの検出を行う残存紙幣検出手段が設けられており、
 前記制御部は、前記残存紙幣検出手段によって、当該回収部において紙幣がある状態からない状態となったことが検出された場合に、前記収納部から当該回収部へ設定枚数分の紙幣を送るよう前記搬送部を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の紙幣処理装置。
[6]
 係員により操作される操作手段が設けられており、
 前記制御部は、係員により前記操作手段が操作された場合に、前記収納部から当該回収部へ設定枚数分の紙幣を送るよう前記搬送部を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の紙幣処理装置。
[7]
 前記複数の回収部のうち少なくとも一つには回収部状態表示手段が設けられており、当該回収部状態表示手段には対応する回収部における紙幣の処理状態に係る情報が表示されるようになっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の紙幣処理装置。
[8]
 前記収納部は複数設けられており、
 前記各収納部から前記複数の回収部のうち少なくとも一つの回収部への紙幣の搬送において、どの収納部から紙幣を搬送するかの順番に係る指令を前記制御部へ入力するための搬送順番入力部が設置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の紙幣処理装置。
[9]
 前記収納部から前記複数の回収部のうち少なくとも一つの回収部への紙幣の搬送における、前記設定枚数を設定するための設定枚数入力部が設置されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の紙幣処理装置。
[10]
 前記係員側側面に、顧客が取り忘れた紙幣、もしくは顧客へ出金しない紙幣が保留される少なくとも一つの保留部が設けられており、
 前記収納部から前記各回収部へ紙幣が送られるときに、少なくとも一つの前記保留部が前記回収部として用いられるようになっていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の紙幣処理装置。
[11]
 前記収納部から前記各回収部へ紙幣が送られるときに、前記収納部から前記各回収部に送られるべき紙幣のうち回収不適当な紙幣と識別された紙幣が集積されるとともに、集積された紙幣を送り出す回収リジェクト部が設けられ、
 前記回収リジェクト部から送り出された紙幣は、前記搬送部により再度前記収納部へ戻されるようになっていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の紙幣処理装置。
[12]
 前記補充部は、前記収納部から前記各回収部へ紙幣が送られるときに、前記収納部から前記各回収部に送られるべき紙幣のうち回収不適当な紙幣と識別された紙幣が集積されるとともに、集積された紙幣を送り出す回収リジェクト部として利用可能に構成され、
 前記回収リジェクト部としての前記補充部から送り出された紙幣は、前記搬送部により再度前記収納部へ戻されるようになっていることを特徴とする請求項3記載の紙幣処理装置。
[13]
 前記各回収部のうち少なくとも1つの回収部は、前記入金口部または前記入出金口部から前記収納部への紙幣の入金動作および/または前記収納部から前記出金口部または前記入出金口部への紙幣の出金動作において使用されないような専用回収部となっており、
 前記制御部は、顧客による入金および/または顧客への出金が行える取引状態の間に、前記専用回収部に対して前記収納部から設定枚数毎に紙幣を送るよう前記搬送部を制御することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の紙幣処理装置。
[14]
 前記制御部は、前記取引状態の間において前記入金動作または前記出金動作が開始されようとするときにはその前に前記収納部から前記専用回収部への紙幣の搬送を中断し、入金動作または出金動作における紙幣の搬送が終了した後に前記収納部から前記専用回収部への紙幣の搬送を再開するよう搬送部を制御することを特徴とする請求項13記載の紙幣処理装置。
[15]
 前記収納部から前記専用回収部への紙幣の搬送における搬送回数に係る指令を制御部へ入力するための搬送回数入力部が設けられており、前記制御部は、前記搬送回数入力部に入力された搬送回数分だけ前記収納部から前記専用回収部への設定枚数分の紙幣の搬送を行うよう前記搬送部を制御することを特徴とする請求項13または14記載の紙幣処理装置。
[16]
 前記制御部は、前記収納部が紙幣で満杯となっている状態で前記入金口部または前記入出金口部から紙幣の入金があったときに前記入金口部または前記入出金口部から前記専用回収部への紙幣の搬送を行うよう前記搬送部を制御することを特徴とする請求項13乃至15のいずれか一項に記載の紙幣処理装置。
[17]
 前記収納部は複数設けられており、
 前記制御部は、前記各収納部のうち一の収納部から前記各回収部のうち一の回収部へ紙幣を送る一の回収処理の終了後、所定の抜き取り待ち時間が経過した後に、他の収納部から同じ回収部へ紙幣を送る次の回収処理を行うよう前記搬送部を制御することを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の紙幣処理装置。
[18]
 前記収納部は複数設けられており、
 前記制御部は、前記各収納部のうち一の収納部から前記各回収部のうち一の回収部へ紙幣を送る一の回収処理の終了後、他の収納部から同じ回収部へ紙幣を送る次の回収処理を行うと共に、前記一の収納部から予め設定された設定枚数分だけ紙幣が前記一の回収部へ送られたときに、前記一の回収処理を終了するよう前記搬送部を制御することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一項に記載の紙幣処理装置。
[19]
 前記収納部は複数設けられており、
 前記制御部は、前記各収納部のうち一の収納部から前記各回収部のうち一の回収部へ紙幣を送る一の回収処理の終了後、他の収納部から同じ回収部へ紙幣を送る次の回収処理を行うと共に、前記一の収納部から前記一の回収部へ紙幣が全部送られて当該収納部が空になったときに、前記一の回収処理を終了するよう前記搬送部を制御することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一項に記載の紙幣処理装置。
[20]
 前記複数の回収部のうち少なくとも一つには回収部機能表示手段が設けられており、当該回収部機能表示手段には、対応する回収部における、顧客による入金および/または顧客への出金が行える取引状態の間における機能、および前記収納部から前記各回収部へ紙幣が送られるような回収状態の間における機能がそれぞれ切換表示されるようになっていることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか一項に記載の紙幣処理装置。
[21]
 代金と引き替えに券片の発行および/または記憶媒体への価値情報の記録を行う発行装置であって、
 請求項1乃至20のいずれか一項に記載の紙幣処理装置と、
 前記券片の発行および/または記憶媒体への価値情報の記録を行う発行部と、
 顧客が選択可能な前記発行部による発行および/または記録の内容に関する情報である発行情報を表示する発行情報表示部と、
 顧客の操作により前記発行情報を選択入力する発行情報入力部と、
を備え、
 前記紙幣処理装置の顧客側側面、前記発行部、前記発行情報表示部、および前記発行情報入力部が同一方向よりアクセス可能に配置されていることを特徴とする発行装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]