16:00 CETの火曜日 19.11.2019のメンテナンス理由で数時間使用できません
国際・国内特許データベース検索
このアプリケーションの一部のコンテンツは現時点では利用できません。
このような状況が続く場合は、にお問い合わせくださいフィードバック & お問い合わせ
1. (WO2008129871) プラズマディスプレイパネルの駆動方法
Document

明 細 書

発明の名称 プラズマディスプレイパネルの駆動方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

発明の開示

0006   0007  

図面の簡単な説明

0008   0009  

発明を実施するための最良の形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056  

産業上の利用可能性

0057  

請求の範囲

1   2   3   4  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

プラズマディスプレイパネルの駆動方法

技術分野

[0001]
 本発明は、壁掛けテレビや大型モニターに用いられるプラズマディスプレイパネルの駆動方法に関する。

背景技術

[0002]
 プラズマディスプレイパネル(以下、「パネル」と略記する)として代表的な交流面放電型パネルは、1対の走査電極と維持電極とからなる表示電極対が複数形成された前面板と、複数の平行なデータ電極が形成された背面板とを対向配置し、その間に多数の放電セルが形成されている。このような構成のパネルの放電セル内でガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で赤色、緑色および青色の各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行っている。
[0003]
 パネルを駆動する方法としてはサブフィールド法、すなわち、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割した上で、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行う方法が一般的である。各サブフィールドは、初期化期間、書込み期間および維持期間を有し、初期化期間では初期化放電を発生し、続く書込み動作に必要な壁電荷を形成する。書込み期間では、表示を行うべき放電セルにおいて選択的に書込み放電を発生し壁電荷を形成する。そして維持期間では、走査電極と維持電極とからなる表示電極対に交互に維持パルスを印加して維持放電を発生させ、対応する放電セルの蛍光体層を発光させることにより画像表示を行う。
[0004]
 また、サブフィールド法の中でも、緩やかに変化する電圧波形を用いて初期化放電を行い、さらに維持放電を行った放電セルに対して選択的に初期化放電を行うことで、階調表示に関係しない発光を極力減らしコントラスト比を向上させた新規な駆動方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
[0005]
 近年はパネルの大画面化が進む一方で高精細化が進められ、放電セルがますます微細化する傾向がある。そして放電セルが小さくなるにつれて放電セルの壁電荷の制御が難しくなり、書込み動作を行うべき放電セルで書込み放電が発生しない等の動作不良が発生して画像表示品質を低下させる恐れがあった。
特許文献1 : 特開2000-242224号公報

発明の開示

[0006]
 上記課題を解決するために本発明のパネルの駆動方法は、走査電極と維持電極とからなる表示電極対とデータ電極とを有する放電セルを複数備えたパネルを用いて、放電セルで初期化放電を発生させる初期化期間と放電セルで選択的に書込み放電を発生させる書込み期間と放電セルで輝度重みに応じた回数の維持放電を発生させる維持期間とを有する複数のサブフィールドを配置して1フィールド期間を構成したパネルの駆動方法である。そして、パネルの駆動方法は、輝度重みが単調増加するように配置した複数のサブフィールドからなるサブフィールド群を複数配置して1フィールド期間を構成している。そして、複数のサブフィールド群のうち、少なくとも1つのサブフィールド群に属する先頭のサブフィールドの前に放電を発生させない保持期間を設けるとともに、少なくとも1つのサブフィールド群に属する先頭のサブフィールドの初期化期間には、直前のサブフィールドの維持期間において維持放電を行った放電セルで初期化放電を発生させる初期化動作を行うことを特徴とする。
[0007]
 この方法により、高精細度パネルであっても動作不良を発生することなく、品質の高い画像表示が可能なパネルの駆動方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 図1は、本発明の実施の形態に用いるパネルの構造を示す分解斜視図である。
[図2] 図2は、本発明の実施の形態に用いるパネルの電極配列図である。
[図3] 図3は、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置の回路ブロック図である。
[図4] 図4は、本発明の実施の形態におけるパネルの各電極に印加する駆動電圧波形図である。
[図5] 図5は、本発明の実施の形態におけるサブフィールド構成を示す図である。
[図6] 図6は、本発明の実施の形態におけるコーディングを示す図である。
[図7] 図7は、安定した書込み動作を行うために必要な走査パルスの振幅と保持時間との関係を示す図である。

符号の説明

[0009]
 10  パネル
 22  走査電極
 23  維持電極
 24  表示電極対
 32  データ電極
 51  画像信号処理回路
 52  データ電極駆動回路
 53  走査電極駆動回路
 54  維持電極駆動回路
 55  タイミング発生回路
 100  プラズマディスプレイ装置

発明を実施するための最良の形態

[0010]
 以下、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置について、図面を用いて説明する。
[0011]
 (実施の形態)
 図1は、本発明の実施の形態に用いるパネル10の構造を示す分解斜視図である。ガラス製の前面基板21上には、走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対24が複数形成されている。そして表示電極対24を覆うように誘電体層25が形成され、その誘電体層25上に保護層26が形成されている。背面基板31上にはデータ電極32が複数形成され、データ電極32を覆うように誘電体層33が形成され、さらにその上に井桁状の隔壁34が形成されている。そして、隔壁34の側面および誘電体層33上には赤色、緑色および青色の各色に発光する蛍光体層35が設けられている。
[0012]
 これら前面基板21と背面基板31とは、微小な放電空間を挟んで表示電極対24とデータ電極32とが交差するように対向配置されている。そして、前面基板21と背面基板31との外周部をガラスフリット等の封着材によって封着されている。そして放電空間には、放電ガスとして、例えばネオンとキセノンとの混合ガスが封入されている。ここで、キセノンの分圧比は、例えば10%である。放電空間は隔壁34によって複数の区画に仕切られており、表示電極対24とデータ電極32とが交差する部分に放電セルが形成されている。そしてこれらの放電セルが放電、発光することにより画像が表示される。
[0013]
 なお、パネル10の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁を備えたものであってもよい。
[0014]
 図2は、本発明の実施の形態に用いるパネル10の電極配列図である。パネル10には、行方向に長いn本の走査電極SC1~SCn(図1の走査電極22)およびn本の維持電極SU1~SUn(図1の維持電極23)が配列され、列方向に長いm本のデータ電極D1~Dm(図1のデータ電極32)が配列されている。そして、1対の走査電極SCi(i=1~n)および維持電極SUiと1つのデータ電極Dj(j=1~m)とが交差した部分に放電セルが形成されている。すなわち、放電セルは放電空間内にm×n個形成されている。なお、本実施の形態においてはnを偶数として説明するが、奇数であってもよい。
[0015]
 図3は、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置100の回路ブロック図である。プラズマディスプレイ装置100は、パネル10、画像信号処理回路51、データ電極駆動回路52、走査電極駆動回路53、維持電極駆動回路54、タイミング発生回路55および各回路ブロックに必要な電源を供給する電源回路(図示せず)を備えている。
[0016]
 画像信号処理回路51は、入力された画像信号をサブフィールド毎の発光・非発光を示す画像データに変換する。データ電極駆動回路52は、サブフィールド毎の画像データを各データ電極D1~Dmに対応する信号に変換し、各データ電極D1~Dmを駆動する。
[0017]
 タイミング発生回路55は、水平同期信号および垂直同期信号をもとにして各回路ブロックの動作を制御する各種のタイミング信号を発生し、それぞれの回路ブロックへ供給する。走査電極駆動回路53は、上記したタイミング信号にもとづいて走査電極22のそれぞれを駆動する。また、維持電極駆動回路54はタイミング信号にもとづいて維持電極23を駆動する。
[0018]
 次に、パネル10を駆動するための駆動電圧波形とその動作について説明する。プラズマディスプレイ装置100は、サブフィールド法、すなわち1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割し、サブフィールド毎に各放電セルの発光・非発光を制御することによって階調表示を行う。それぞれのサブフィールドは初期化期間、書込み期間および維持期間を備える。
[0019]
 初期化期間では初期化放電を発生し、続く書込み放電に必要な壁電荷を各電極上に形成する。加えて、放電遅れを小さくし書込み放電を安定して発生させるためのプライミング(放電のための起爆剤=励起粒子)を発生させるという働きを持つ。このときの初期化動作には、全セル初期化動作と選択初期化動作とがある。書込み期間では、発光させるべき放電セルで書込み放電を発生し、壁電荷を形成する。そして、維持期間では、輝度重みに応じた数の維持パルスを表示電極対24に交互に印加して、書込み放電を発生した放電セルで維持放電を発生させて発光させる。
[0020]
 サブフィールド構成の詳細は後述することとし、まず各電極に印加する駆動電圧波形について説明する。図4は、本発明の実施の形態におけるパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形図である。図4には、全セル初期化動作を行う第1サブフィールド(第1SF)と、それに続き選択初期化動作を行う第2サブフィールド(第2SF)とを示している。
[0021]
 第1SFの初期化期間の前半部では、データ電極D1~Dmには電圧Vwを印加し、維持電極SU1~SUnには電圧0(V)を印加する。また、走査電極SC1~SCnには、緩やかに上昇する傾斜波形電圧を印加する。ここで、傾斜波形電圧は、走査電極SC1~SCnと維持電極SU1~SUnに対して放電開始電圧以下の電圧Vi1から、放電開始電圧を超える電圧Vi2に向かって緩やかに上昇する電圧であり、勾配は例えば1.3V/μsecに設定される。この傾斜波形電圧が上昇する間に、走査電極SC1~SCnと維持電極SU1~SUn、および走査電極SC1~SCnとデータ電極D1~Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が起こる。そして、走査電極SC1~SCn上部に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D1~Dm上部および維持電極SU1~SUn上部には正の壁電圧が蓄積される。ここで、電極上部の壁電圧とは電極を覆う誘電体層上、保護層上、蛍光体層上等に蓄積された壁電荷により生じる電圧を表す。
[0022]
 初期化期間の後半部では、データ電極D1~Dmには電圧0(V)を印加し、維持電極SU1~SUnには正の電圧Ve1を印加する。また、走査電極SC1~SCnには、緩やかに下降する傾斜波形電圧を印加する。ここで、傾斜波形電圧は、走査電極SC1~SCnと維持電極SU1~SUnとの電圧差が放電開始電圧以下となる電圧Vi3から、放電開始電圧を超える電圧Vi4に向かって、緩やかに下降する電圧である。この間に、走査電極SC1~SCnと維持電極SU1~SUn、および走査電極SC1~SCnとデータ電極D1~Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が起こる。そして、走査電極SC1~SCn上部の負の壁電圧および維持電極SU1~SUn上部の正の壁電圧が弱められ、データ電極D1~Dm上部の正の壁電圧は書込み動作に適した値に調整される。以上により、全ての放電セルに対して初期化放電を行う全セル初期化動作が終了する。
[0023]
 続く書込み期間の奇数期間では、維持電極SU1~SUnに電圧Ve2を印加し、奇数番目の走査電極SC1、SC3、・・・、SCn-1のそれぞれには第2の電圧Vs2を、偶数番目の走査電極SC2、SC4、・・・、SCnのそれぞれには第4の電圧Vs4をそれぞれ印加する。ここで、第4の電圧Vs4は第2の電圧Vs2より高い電圧である。
[0024]
 次に、1番目の走査電極SC1に負の走査パルスを印加するために走査パルス電圧Vadを印加する。そして、データ電極D1~Dmのうち1行目に発光させるべき放電セルのデータ電極Dk(k=1~m)に正の書込みパルス電圧Vwを印加する。このとき本実施の形態においては、走査電極SC1に隣接する走査電極、すなわち2番目の走査電極SC2に第4の電圧Vs4より低い第3の電圧Vs3を印加する。これは隣接する走査電極SC1と走査電極SC2との間に過大な電圧差が印加されるのを防ぐためである。
[0025]
 すると書込みパルス電圧Vwを印加した放電セルのデータ電極Dk上と走査電極SC1上との交差部の電圧差は、外部印加電圧の差(Vw-Vad)にデータ電極Dk上の壁電圧と走査電極SC1上の壁電圧の差とが加算されたものとなり放電開始電圧を超える。そして、データ電極Dkと走査電極SC1との間および維持電極SU1と走査電極SC1との間に書込み放電が起こり、走査電極SC1上に正の壁電圧が蓄積され、維持電極SU1上に負の壁電圧が蓄積され、データ電極Dk上にも負の壁電圧が蓄積される。このようにして、1行目に発光させるべき放電セルで書込み放電を起こして各電極上に壁電圧を蓄積する書込み動作が行われる。一方、書込みパルス電圧Vwを印加しなかったデータ電極D1~Dmと走査電極SC1との交差部の電圧は放電開始電圧を超えないので、書込み放電は発生しない。
[0026]
 以下、奇数番目の走査電極SC3、SC5、・・・、SCn-1について同様に書込み動作を行う。そしてこのとき書込み動作を行う奇数番目の走査電極SCp+1(p=偶数、1<p<n)に隣接する偶数番目の走査電極SCpおよび走査電極SCp+2にも第3の電圧Vs3を印加する。
[0027]
 続く偶数期間では、奇数番目の走査電極SC1、SC3、・・・、SCn-1に第2の電圧Vs2を印加したまま、偶数番目の走査電極SC2、SC4、・・・、SCnに第2の電圧Vs2を印加する。
[0028]
 次に、2番目の走査電極SC2に負の走査パルスを印加するために走査パルス電圧Vadを印加するとともに、データ電極D1~Dmのうち2行目に発光させるべき放電セルのデータ電極Dkに正の書込みパルス電圧Vwを印加する。するとその放電セルのデータ電極Dkと走査電極SC2との交差部の電圧差は放電開始電圧を超え、2行目に発光させるべき放電セルで書込み放電を起こして各電極上に壁電圧を蓄積する書込み動作が行われる。
[0029]
 以下同様に、偶数番目の走査電極SC4、SC6、・・・、SCnについても同様に書込み動作を行う。
[0030]
 続く維持期間では、まず走査電極SC1~SCnに正の維持パルス電圧Vmを印加するとともに維持電極SU1~SUnに電圧0(V)を印加する。すると書込み放電を起こした放電セルでは、走査電極SCi上と維持電極SUi上との電圧差が維持パルス電圧Vmに走査電極SCi上の壁電圧と維持電極SUi上の壁電圧との差が加算されたものとなり放電開始電圧を超える。そして、走査電極SCiと維持電極SUiとの間に維持放電が起こり、このとき発生した紫外線により蛍光体層35が発光する。そして走査電極SCi上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極SUi上に正の壁電圧が蓄積される。さらにデータ電極Dk上にも正の壁電圧が蓄積される。書込み期間において書込み放電が起きなかった放電セルでは維持放電は発生せず、初期化期間の終了時における壁電圧が保たれる。
[0031]
 続いて、走査電極SC1~SCnには電圧0(V)を、維持電極SU1~SUnには維持パルス電圧Vmをそれぞれ印加する。すると、維持放電を起こした放電セルでは、維持電極SUi上と走査電極SCi上との電圧差が放電開始電圧を超えるので再び維持電極SUiと走査電極SCiとの間に維持放電が起こる。その結果、維持電極SUi上に負の壁電圧が蓄積され走査電極SCi上に正の壁電圧が蓄積される。以降同様に、走査電極SC1~SCnと維持電極SU1~SUnとに交互に輝度重みに応じた数の維持パルスを印加し、表示電極対24の電極間に電位差を与える。その結果、書込み期間において書込み放電を起こした放電セルで維持放電が継続して行われる。
[0032]
 そして、維持期間の最後には維持パルス電圧Vmに等しいか、それより高い電圧Vrに向かって緩やかに上昇する傾斜波形電圧を走査電極SC1~SCnに印加して、データ電極Dk上の正の壁電圧を残したまま、走査電極SCi上および維持電極SUi上の壁電圧を弱める。この傾斜波形電圧の勾配は、2V/μsec~20V/μsecに設定することが望ましく、例えば10V/μsecに設定される。こうして維持期間における維持動作が終了する。
[0033]
 選択初期化動作を行う第2SFの初期化期間では、維持電極SU1~SUnに電圧Ve1を、データ電極D1~Dmに電圧0(V)をそれぞれ印加し、走査電極SC1~SCnには電圧Vi4に向かって緩やかに下降する傾斜波形電圧を印加する。すると前のサブフィールドの維持期間で維持放電を起こした放電セルでは微弱な初期化放電が発生し、走査電極SCi上および維持電極SUi上の壁電圧が弱められる。またデータ電極Dkに対しては、直前の維持放電によってデータ電極Dk上に十分な正の壁電圧が蓄積されているので、この壁電圧の過剰な部分が放電され、書込み動作に適した壁電圧に調整される。一方、前のサブフィールドで維持放電を起こさなかった放電セルについては放電することはなく、前のサブフィールドの初期化期間終了時における壁電荷がそのまま保たれる。このように選択初期化動作は、直前のサブフィールドの維持期間で維持動作を行った放電セルに対して選択的に初期化放電を行う動作である。
[0034]
 続く書込み期間の動作は第1SFの書込み期間の動作と同様であるため説明を省略する。続く維持期間の動作も、維持パルスの数を除いて第1SFの維持期間の動作と同様である。
[0035]
 次に、本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置のサブフィールド構成について説明する。図5は、本発明の実施の形態におけるサブフィールド構成を示す図である。本実施の形態においては、輝度重みが単調増加する2つのサブフィールド群を配置して1フィールド期間を構成している。具体的には、1フィールド期間を12のサブフィールド(第1SF、第2SF、・・・、第12SF)に分割し、各サブフィールドはそれぞれ(1、2、4、8、16、36、56、4、8、18、40、62)の輝度重みを持つ。
[0036]
 本実施の形態のサブフィールド構成の特徴は、第1SF~第7SFを第1のサブフィールド群、第8SF~第12SFを第2のサブフィールド群とし、それぞれのサブフィールド群においてサブフィールドの輝度重みが単調増加するようにサブフィールドを配置している点である。すなわち、第1SFから第7SFまでの輝度重みは単調に増加しているが、第8SFの輝度重みがいったん小さくなり、その後、再び第12SFまで単調に増加している。このようなサブフィールドの並べ方は、例えばPAL方式の画像信号のようにフィールド周波数の低い画像信号に対してフリッカの発生を抑制する上で有効である。
[0037]
 また、第2のサブフィールド群に属する先頭のサブフィールドの前に放電を発生させない保持期間を設けている。そして第1SFの初期化期間には全セル初期化動作を行い、第2SF~第12SFの初期化期間には選択初期化動作を行う。
[0038]
 次に、本実施の形態における階調の表示方法について説明する。図6は、本発明の実施の形態における、表示すべき階調とそのときのサブフィールドの書込み動作の有無との関係(以下、「コーディング」と略記する)を示す図であり、「1」は書込み動作を行うことを示し、空欄は書込み動作を行わないことを示している。例えば階調「0」、すなわち黒を表示する放電セルでは、第1SF~第12SFの全てのサブフィールドで書込み動作を行わない。するとその放電セルは一度も維持放電することなく輝度も最も低くなる。また階調「1」を表示する放電セルでは、輝度重み「1」を持つサブフィールドである第1SFでのみ書込み動作を行い、それ以外のサブフィールドでは書込み動作を行わない。するとその放電セルは輝度重み「1」に応じた回数の維持放電を発生し「1」の明るさを表示する。また階調「3」を表示する放電セルでは輝度重み「1」を持つ第1SFと輝度重み「2」を持つ第2SFで書込み動作を行う。するとその放電セルは第1SFの維持期間に輝度重み「1」に応じた回数の維持放電を発生し、第2SFの維持期間に輝度重み「2」に応じた回数の維持放電を発生するため、合計で「3」の明るさを表示する。同様に階調「5」を表示する放電セルでは第1SFと第3SFとで書込み動作を行い、階調「7」を表示する放電セルでは第1SFと第2SFと第3SFとで書込み動作を行う。また階調「11」を表示する放電セルでは、第1のサブフィールド群の第1SFと第2SFと第3SFとで書込み動作を行うとともに第2のサブフィールド群の第8SFでも書込み動作を行う。そして階調「15」を表示する放電セルでは第1のサブフィールド群の第1SFと第2SFと第4SFとで書込み動作を行うとともに第2のサブフィールド群の第8SFでも書込み動作を行う。その他の階調を表示する場合にも、図6に示すコーディングに従ってそれぞれのサブフィールドで書込み動作を行うかまたは書込み動作を行わないように制御している。
[0039]
 本実施の形態においては、図6に示すように、第1のサブフィールド群に属する先頭のサブフィールド以外の第2SF~第7SFのいずれかのサブフィールドで書込み放電を発生させる放電セルでは、先頭の第1SFのサブフィールドでも書込み放電を発生させるように制御している。同様に、第2のサブフィールド群に属する先頭のサブフィールド以外の第9SF~第12SFのいずれかのサブフィールドで書込み放電を発生させる放電セルでは、先頭の第8SFのサブフィールドでも書込み放電を発生させるように制御している。言い換えれば、それぞれのサブフィールド群に属する先頭のサブフィールドで書込み動作を行わなかった放電セルでは、そのサブフィールド群に属するサブフィールドで書込み動作を行うことはない。本実施の形態においては、このようなコーディングにより階調を表示することで、高精細度パネルであっても動作不良を発生することなく、品質の高い画像表示を実現している。
[0040]
 次に、その理由について説明する。一般に、放電が発生すると放電空間に正および負の荷電粒子が生じる。そしてこの荷電粒子が放電セルの壁に付着すると壁電圧を変化させ、放電空間内部の電界強度を変化させて放電現象に影響を与える。例えば書込み動作を行わない放電セルに隣接する放電セルで書込み放電が発生した場合、そこで発生した荷電粒子が書込み動作を行わない放電セルに飛来して壁電圧を減少させることがある。このような現象を「電荷抜け現象」と表記する。そして書込み動作に必要なデータ電極上の正の壁電圧が減少しすぎると、それ以降の書込み動作ができなくなる動作不良が発生して画像表示品質を低下させる恐れがあった。
[0041]
 本発明者らは、全ての放電セルに高い電圧を印加して初期化放電を発生する全セル初期化動作の後の書込み期間において電荷抜け現象が発生しやすいことを実験的に確認した。また、あまり大きくない階調を表示する放電セルでは、第1のサブフィールド群の輝度重みの大きいサブフィールドでは維持放電を発生させないので、第2のサブフィールド群の先頭のサブフィールドではプライミングが少なく、書込みマージンが少なくなる。そのため第2のサブフィールド群の先頭のサブフィールドにおいても電荷抜け現象が発生しやすくなる。加えて、維持期間の最後に走査電極に緩やかに上昇する傾斜波形電圧を印加した後、走査電極に緩やかに下降する傾斜波形電圧を印加する選択初期化動作の後の書込み期間においては電荷抜け現象が発生しにくいことも実験的に確認した。
[0042]
 そして、パネルの高精細度化が進むにつれて電荷抜け現象が発生しやすくなることも確認した。これは、高精細度パネルでは放電セルの大きさが小さく、壁電圧を決定している壁電荷の量も少ないので、壁電荷量が僅かに減少しても壁電圧が大きく低下するためと考えることができる。
[0043]
 しかしながら本実施の形態におけるコーディングによれば、それぞれのサブフィールド群の先頭のサブフィールドで書込み動作を行わなかった場合には、そのサブフィールド群の先頭のサブフィールドに続くサブフィールドでも書込み動作を行うことはない。したがって、サブフィールド群の先頭の書込み期間において書込み動作を行わなかった放電セルの壁電圧が減少したとしても、続くサブフィールドで書込み動作を行うことはないため、表示画像に影響を与えることがない。
[0044]
 なお、図6に示したコーディングによれば、例えば、階調「2」、「4」、「6」、・・・等の階調が表示できない。しかし、例えば各サブフィールドの輝度重みを変更する、または輝度重み「1」を持つサブフィールドを追加する等により、これらの階調を表示することができる。あるいは、誤差拡散法やディザ法を用いて画像信号処理を行い、擬似的に階調表示を行ってもよい。
[0045]
 また、本実施の形態においては、第2のサブフィールド群の先頭のサブフィールドである第8SFの前に、放電を発生させない保持期間を設けている。
[0046]
 図7は、安定した書込み動作を行うために必要な走査パルスの振幅Vscnと保持期間の時間(以下、「保持時間Ts」と略記する)との関係を示す図である。これは、放電セルの壁電荷の減少を補い安定した書込み動作を行うために必要な走査パルスの振幅Vscnを、保持時間Tsを変化させて測定した結果を示している。ここで走査パルスの振幅Vscnは第2の電圧Vs2と走査パルス電圧Vadとの差に等しい。すなわち、Vscn=Vs2-Vadである。
[0047]
 測定の結果、保持時間Tsを長くすることにより走査パルスの振幅Vscnを低くできることがわかった。詳細には、保持時間Tsが0μs~300μsまでは保持時間Tsを長くするほど走査パルスの振幅Vscnを下げることができる。しかし保持時間Tsが400μs以上では、それ以上保持時間Tsを長くしても走査パルスの振幅Vscnをほとんど下げることができないことがわかった。したがって保持時間Tsは300μs以上に設定することが望ましく、本実施の形態においては、保持時間Tsを400μsと設定している。しかし保持時間Tsはパネルの放電特性等により適宜設定することが望ましい。
[0048]
 保持時間Tsをこのように設定することにより選択初期化動作が安定する理由については完全に解明されたわけではないが、次のように考えることができる。選択初期化動作は走査電極SC1~SCnに緩やかに降下する傾斜波形電圧を印加するだけであるので、データ電極D1~Dm上の正の壁電圧を減少させるという動作しかできない。また選択初期化動作は、データ電極D1~Dmと走査電極SC1~SCnの間、または走査電極SC1~SCnと維持電極SU1~SUnとの間の放電ギャップ近傍の局在した領域で初期化放電を発生させている。そのため、何らかの理由で放電セルの周辺部等に不要な壁電荷が蓄積した場合、それら不要な壁電荷が残留したままになる可能性がある。
[0049]
 選択初期化動作は、直前のサブフィールドの維持放電において蓄積された壁電圧を調整して、続く書込み動作に必要な壁電圧を得る動作である。そして、選択初期化動作において、適切な壁電圧が形成できるかどうかは維持期間の最後の放電(消去放電)により蓄積された壁電荷の状態に大きく左右される。しかし、消去放電の終了後も、それ以前に発生した維持放電のプライミングが多数存在する。その結果、仮にこの時点で選択初期化動作を行うと、これらプライミングの影響を受けてデータ電極D1~Dm上の壁電荷が減少しすぎたり、各電極に重畳されるノイズ電圧の影響等により放電セル内部に不要な壁電荷が蓄積されたりして、選択初期化動作が正常に行われない可能性がある。このような現象は、維持放電しない放電セルであって、かつ隣接する放電セルで維持放電を発生した場合に生じやすい。
[0050]
 そのため、輝度重みが単調増加する複数のサブフィールドからなるサブフィールド群を複数配置して1フィールド期間を構成した場合、2番目以降のサブフィールド群の先頭のサブフィールド、すなわち本実施の形態における第8SFの書込み動作が安定して行われない可能性が高くなる。
[0051]
 ところが本実施の形態においては、第2のサブフィールド群に属する先頭のサブフィールドの直前のサブフィールド、すなわち第7SFの消去放電が終了した後、データ電極D1~Dm、走査電極SC1~SCnおよび維持電極SU1~SUnのそれぞれに印加されている電圧を所定の保持時間Tsだけ保持する。そして、第7SFの維持放電によるプライミングが消滅した後に走査電極SC1~SCnに緩やかに降下する傾斜波形電圧を印加するので、直前のサブフィールドの維持放電に影響されることなく安定した選択初期化動作が可能となると考えることができる。
[0052]
 また、図5に示すように、第1のサブフィールド群において、第4SFの維持期間の最後で走査電極SC1~SCnに印加される傾斜波形電圧と、第5SFにおいて選択初期化動作を行うために走査電極SC1~SCnに印加される傾斜波形電圧との間に、走査電極SC1~SCnに0Vが印加されている期間(停止期間という)が設けられている。すなわち、第5SFの初期化期間の初めに停止期間が設けられている。なお、停止期間では維持電極SU1~SUnおよびデータ電極D1~Dmには0Vが印加されている。
[0053]
 同様に、第6SFの初期化期間の初めに停止期間が設けられており、第7SFの初期化期間の初めに停止期間が設けられている。第2のサブフィールド群においても、第10SFの初期化期間の初めに停止期間が設けられており、第11SFの初期化期間の初めに停止期間が設けられており、第12SFの初期化期間の初めに停止期間が設けられている。このように、1フィールド期間を構成するサブフィールドであって、第1のサブフィールド群および第2のサブフィールド群の先頭のサブフィールドを除いたサブフィールドのうち少なくとも1つのサブフィールドには停止期間が設けられている。この停止期間では、保持期間と同様に放電が発生しない。
[0054]
 このような停止期間を設けることにより、前述した保持期間を設けることによって得られる効果と同様の効果を得ることができる。さらに、図5に示すように、停止期間の長さ(停止時間)に比べて保持時間Tsが長くなるように設定されている。すなわち、第12SFを除いた第1SF~第11SFのうち輝度重みが最も大きいサブフィールドである第7SFと、第8SFとの間に設けた保持期間の長さ(保持時間Ts)を、停止時間よりも長く設定している。これは、輝度重みが小さいサブフィールドに比べて、輝度重みが大きいサブフィールドの消去放電の後に行う選択初期化動作が不安定になりやすい傾向にあるからである。なお、第12SFの消去放電の後には全セル初期化動作を行ってから書込み動作が行われるため、第12SFの消去放電の後、全セル初期化動作を行う前に選択初期化動作を行い、もしもその選択初期化動作が多少不安定になったとしても、表示品質に影響を与えることはほとんどない。
[0055]
 このように、本実施の形態においては、輝度重みが単調増加するように配置した複数のサブフィールドからなるサブフィールド群を複数配置して1フィールド期間を構成している。そして、サブフィールド群のそれぞれにおいて、先頭のサブフィールド以外のいずれかのサブフィールドで書込み放電を発生させる放電セルでは、先頭のサブフィールドでも書込み放電を発生させている。また、複数のサブフィールド群のうち、少なくとも1つのサブフィールド群に属する先頭のサブフィールドの前に放電を発生させない保持期間を設けている。さらにまた、少なくとも1つのサブフィールド群に属する先頭のサブフィールドの初期化期間には、直前のサブフィールドの維持期間において維持放電を行った放電セルで初期化放電を発生させる初期化動作を行っている。このようにして、高精細度パネルであっても動作不良を発生することなく品質の高い画像を表示することができる。
[0056]
 なお、本実施の形態において用いた具体的な各数値は、単に一例を挙げたに過ぎず、パネルの特性やプラズマディスプレイ装置の仕様等に合わせて、適宜最適な値に設定することが望ましい。

産業上の利用可能性

[0057]
 本発明は、高精細度パネルであっても動作不良を発生することがなく、品質の高い画像表示が可能なパネルの駆動方法として有用である。

請求の範囲

[1]
走査電極と維持電極とからなる表示電極対とデータ電極とを有する放電セルを複数備えたプラズマディスプレイパネルを用いて、前記放電セルで初期化放電を発生させる初期化期間と前記放電セルで選択的に書込み放電を発生させる書込み期間と前記放電セルで輝度重みに応じた回数の維持放電を発生させる維持期間とを有する複数のサブフィールドを配置して1フィールド期間を構成したプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、
前記輝度重みが単調増加するように配置した複数のサブフィールドからなるサブフィールド群を複数配置して前記1フィールド期間を構成し、
前記複数のサブフィールド群のうち、少なくとも1つのサブフィールド群に属する先頭のサブフィールドの前に放電を発生させない保持期間を設けるとともに、前記少なくとも1つのサブフィールド群に属する前記先頭のサブフィールドの初期化期間には、直前のサブフィールドの維持期間において維持放電を行った放電セルで初期化放電を発生させる初期化動作を行うことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
[2]
1フィールド期間を構成するサブフィールドであって、各サブフィールド群の先頭のサブフィールドを除いたサブフィールドのうち少なくとも1つのサブフィールドには、前記初期化期間の初めに放電を発生させない停止期間が設けられ、前記保持期間の長さが前記停止期間の長さよりも長く設定されたことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
[3]
前記維持期間において、前記表示電極対に維持パルスを印加した後、前記走査電極に緩やかに上昇する上り傾斜波形電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
[4]
前記保持期間は300μs以上であること特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]