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1. (WO2008129634) リバース式圧延機の板厚制御装置
Document

明 細 書

発明の名称 リバース式圧延機の板厚制御装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

発明の開示

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015  

発明の効果

0016  

発明を実施するための最良の形態

0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048  

図面の簡単な説明

0049   0050  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5  

明 細 書

リバース式圧延機の板厚制御装置

技術分野

[0001]
 本発明は、金属等の被圧延材を圧延する圧延機に係わり、特に板材などを複数パスからなるパススケジュールに従って往復的に圧延するリバース式圧延機の板厚制御装置に関する。

背景技術

[0002]
 リバース式圧延機における圧延においては、予めパス数や各パスの板厚、張力、荷重等の諸データを含むパススケジュールを決定し、これに従って所望の製品を製造する。パススケジュールは、通常、機械制約や操業条件を考慮し、ビジコン等上位計算機からの指示データに基づいてテーブル設定値や圧延プロセスを数式で表した数式モデルを駆使して決定される。
 このパススケジュールの重要な要素のひとつに荷重がある。つまり、荷重の予測精度が低いと、パススケジュール計算時には圧延可能と判断されたものの、実際に圧延すると過大な荷重がかかり、所望の板厚が得られなかったり、最悪の場合、圧延継続ができなくなってしまう。
[0003]
 一般的に、リバース式圧延機においては、特に先尾端部では荷重一定制御を実施することがしばしばである。荷重一定制御とは、実績荷重を目標荷重に一致するように圧下装置を制御し、圧延する方法である。このとき、板厚測定値による制御は実施されないため、荷重一定制御のもとでは荷重の予測精度がそのまま板厚に影響を与える。
 また、位置制御を実施していたとしても、通常、荷重予測値から圧下開度量を算出しており、荷重の予測精度が重要であることに変わりはない。板厚精度が悪いとその部分はスクラップとなり、歩留まり低下の要因となる。このことからも荷重の予測精度向上は不可欠である。
[0004]
 これらのことに鑑み、従来、荷重の予測精度向上のための種々の検討がなされ、提案されている。例えば、特開平8-243614公報では、パスごとに荷重予測式のパラメータの学習を行い、荷重予測精度の向上を図っている。学習した結果に基づいてパススケジュールを修正するとともに荷重予測値を再計算し、板厚精度の改善を試みている。
 また、特開2002-282915公報では、圧延の最も重要な阻害要因は荷重予測値と荷重実績値の差であるとし、その主要因は母材の公称板厚と実績板厚の差、およびパススケジュールに定められた変形抵抗と実際の変形抵抗の差に帰着するとしている。さらに、1パス終了後に実際の変形抵抗を算出し、パススケジュールを修正することにより、パススケジュールに定められた荷重と実際の荷重との差を極めて小さくできるとしている。
[0005]
特許文献1 : 日本特開平8-243614号公報
特許文献2 : 日本特開2002-282915号公報

発明の開示

発明が解決しようとする課題

[0006]
 しかしながら、特に先尾端部においては、前述した従来の方法はどちらも十分であるとは言えない。つまり、上述したように荷重の予測精度が板厚に与える影響は重大であるが、以下の理由により従来の方法による荷重予測では先尾端部で良好な板厚は得ることができず、歩留まり低下の要因となっている。
[0007]
 すなわち、先尾端部では板厚偏差が大きく、パススケジュールに定められた板厚とは必ずしも一致するとは限らないとか、あるいはある程度の誤差では収まらない。荷重予測はパススケジュールに定められた板厚に基づいて行なわれるため、荷重予測精度が低下するのは当然の結果である。
 また、前述した方法ではどちらも圧延後の板厚を測定し、荷重予測式の学習、あるいは変形抵抗の算出に使用しているが、被圧延材の尾端まで測定できるとは限らず、この場合、なんらかの方法で圧延後の板厚を得なければならないという問題がある。
 さらに、先尾端部では板厚偏差が大きいだけでなく、定常部とは異なり、温度等圧延条件が安定しておらず、荷重予測式を用いて予測しても十分な精度が得られるとは限らない。
[0008]
 そこで、本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、板材等の被圧延材の端部においても良好な板厚精度を確保できるリバース式圧延機の板厚制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009]
 本願発明は、複数パスからなるパススケジュールに従って板材等の被圧延材を往復的に圧延するリバース式圧延機の板厚制御装置にかかるものである。
 本願発明のリバース式圧延機の板厚制御装置おいては、リバース式圧延機の入側に設置され、前記板材等の被圧延材の板厚を測定する入側板厚計と、前記リバース式圧延機の入側での前記板材等の被圧延材の速度を検出する入側材速検出手段を備えている。
 そして、圧延機入側板厚検出手段により、前記入側板厚計で測定した板厚測定値を前記入側材速検出手段で検出した前記リバース式圧延機の入側での前記板材等の被圧延材の速度に基づいて前記リバース式圧延機の入側までトラッキングし、前記リバース式圧延機の入側での板厚を検出する。また、圧下位置検出装置により前記リバース式圧延機の圧下位置を検出する。
 そして、圧延機出側板厚演算手段により、前記圧延機入側板厚検出手段で検出した前記リバース式圧延機の入側での板厚と、前記圧下位置検出装置で検出した圧下位置とに基づいて前記リバース式圧延機の出側での板厚を演算する。
 また、パス間補正量演算手段によりパススケジュールに基づいてパス間補正量を演算する。また、荷重検出装置により前記リバース式圧延機の荷重を検出する。
 さらに、目標荷重演算手段により、前記圧延機入側板厚検出手段で検出した前記リバース式圧延機の入側での板厚と、前記圧延機出側板厚検出手段で演算した前記リバース式圧延機の出側での板厚と、前記パス間補正量演算手段で演算した補正量と、前記荷重検出装置で検出した荷重に基づいて次パスの圧延開始時における目標荷重を演算する。そして、前記目標荷重演算手段で演算した目標荷重を圧下制御装置に設定する。
[0010]
 また、望ましくは、前項のリバース式圧延機の板厚制御装置において、さらに前記リバース式圧延機の出側に設置され、前記板材等の被圧延材の板厚を測定する出側板厚計と、前記リバース式圧延機の出側での前記板材等の被圧延材の速度を検出する出側材速検出手段とを備えている。
 そして、前記圧延機出側板厚演算手段は、前記出側材速検出手段で検出した速度に基づいて前記リバース式圧延機の出側での板厚を前記出側板厚計までトラッキングし、前記出側板厚計で測定した板厚と比較し、その差に基づいて前記リバース式圧延機の出側での板厚を補正する。
 このように出側での板厚を補正することによりリバース式圧延機の出側での板厚演算精度が向上する。その結果、目標荷重演算精度が高くなり、圧延後の板厚がさらに改善される。
[0011]
 本願の他の発明にかかるリバース式圧延機の板厚制御装置おいては、リバース式圧延機の入側に設置され、前記板材等の被圧延材の板厚を測定する入側板厚計と、前記リバース式圧延機の入側での前記板材等の被圧延材の速度を検出する入側材速検出手段を備えている。
 そして、圧延機入側板厚検出手段により、前記入側板厚計で測定した板厚測定値を前記入側材速検出手段で検出した前記リバース式圧延機の入側での前記板材等の被圧延材の速度に基づいて前記リバース式圧延機の入側までトラッキングし、前記リバース式圧延機の入側での板厚を検出する。また、出側材速検出手段により前記リバース式圧延機の出側での前記板材等の被圧延材の速度を検出する。
 そして、圧延機出側板厚演算手段により、前記圧延機入側板厚検出手段で検出した前記リバース式圧延機の入側での板厚と、前記入側材速検出手段で検出した前記リバース式圧延機の入側での前記板材等の被圧延材の速度と、前記出側材速検出手段で検出した前記リバース式圧延機の出側での前記板材等の被圧延材の速度とに基づいて前記リバース式圧延機の出側での板厚を演算する。
 また、パス間補正量演算手段によりパススケジュールに基づいてパス間補正量を演算する。また、荷重検出装置により前記リバース式圧延機の荷重を検出する。
 さらに、目標荷重演算手段により、前記圧延機入側板厚検出手段で検出した前記リバース式圧延機の入側での板厚と、前記圧延機出側板厚検出手段で演算した前記リバース式圧延機の出側での板厚と、前記パス間補正量演算手段で演算した補正量と、前記荷重検出装置で検出した荷重に基づいて次パスの圧延開始時における目標荷重を演算する。そして、前記目標荷重演算手段で演算した目標荷重を圧下制御装置に設定する。
[0012]
 また、望ましくは、前項のリバース式圧延機の板厚制御装置において、さらに前記リバース式圧延機の出側に設置され、前記板材等の被圧延材の板厚を測定する出側板厚計を備えている。
 そして、前記圧延機出側板厚演算手段は、前記出側材速検出手段で検出した速度に基づいて前記リバース式圧延機の出側での板厚を前記出側板厚計までトラッキングし、前記出側板厚計で測定した板厚と比較し、その差に基づいて前記リバース式圧延機の出側での板厚を補正する。
 このように出側での板厚を補正することによりリバース式圧延機の出側での板厚演算精度が向上する。その結果、目標荷重演算精度が高くなり、圧延後の板厚がさらに改善される。
[0013]
 また、望ましくは、前記各項のリバース式圧延機の板厚制御装置において、目標荷重演算手段は、演算した目標荷重が予め設定した範囲を超えた場合、その範囲の上限値、あるいは下限値に設定する。このことにより、過大な荷重をかけたりして不安定な操業になってしまうことを防ぐことができる。
[0014]
 また、望ましくは、前記各項のリバース式圧延機の板厚制御装置において、さらに前記目標荷重演算手段で演算した荷重に基づいて目標圧下位置を演算する圧下位置演算手段を備えている。そして、前記圧下位置演算手段で演算した目標圧下位置を前記圧下制御装置に設定する。これにより、圧延開始時の初期設定が圧下位置の場合に対応することが可能である。
[0015]
 また、望ましくは、前記各項のリバース式圧延機の板厚制御装置において、入側材速検出手段は、前記リバース式圧延機の入側に設置された材速計である。

発明の効果

[0016]
 本発明によれば、リバース式圧延機において、圧延開始時における目標荷重精度、あるいは圧下位置精度が向上し、その結果、板材等の被圧延材端部の板厚が改善する。また、このことは被圧延材端部でのオフゲージ長の短縮につながり、歩留まりを向上させることができる。

発明を実施するための最良の形態

[0017]
第一の実施形態.
 以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
 図1は、本発明の実施形態の構成を適用対象である圧延機と併せて示した構成図である。同図において、圧延機1は20段ゼンジミアミルを示す。ゼンジミアミルは、特にステンレスなどの難圧延材の圧延に好適な圧延機として知られている。
 図示のように右向き2(矢印)に圧延している場合、左側のテンションリール3でコイルを巻き戻した後、圧延機1にて圧延し、右側のテンションリール4で再び巻き取る。この1回圧延する動作のことをパスと呼び、これを往復的に複数パス繰り返すことで所望の板厚まで圧延する。通常、ゼンジミアミルでステンレスを圧延する場合、両テンションリールに被圧延材の一部を巻き残したままで往復的に圧延を繰り返す。
[0018]
 図2に、右向きのパスが完了した状態を示す。図示のように、端部においては圧延後の板厚は測定することはできない。そして、この状態から向きを反転させて次パスを開始する。さらに、図1には示していないが、被圧延材を払い出すペイオフリールが備えられている場合もある。
[0019]
 圧延機1で複数パス圧延し所望の板厚を得るわけであるが、その概略を説明する。
 まず、図示省略の設定計算機能が、上位計算機から与えられる母材の板厚や板幅、鋼種、所望の板厚となる製品板厚などの指示データに基づいて、所望の板厚を得るまでのパス数や各パスの板厚、張力、荷重などの設定値あるいは目標値等を計算する。以下では、これら所望の板厚を得るまでのパス数や各パスの板厚、張力、荷重などの設定値あるいは目標値等をまとめてパススケジュールと呼ぶものとする。パススケジュールは圧延開始前に決定され、テーブル設定値のほか圧延プロセスを数式で表した数式モデルを用いて計算される。
[0020]
 一般的に、数式モデルにはモデル誤差があるため、被圧延材ごと、あるいはパスごとにモデル学習を行い、数式モデルの精度を高めるような処理をおこなっている。ここで、安定したデータを用いてモデル学習しなければ、逆に精度悪化を招いてしまうため、通常、モデル学習には定常部(先尾端部以外)での安定したデータを用いる。
 さらに、設定計算機能はモデル学習をするとともに、パススケジュールを再計算し、安定操業および製品品質の向上を図る。このようにして決定されたパススケジュールに従い、被圧延材を所望の板厚まで圧延する。パススケジュール決定後、圧延が開始される。
[0021]
 定常部では、板厚計測定値に基づいた自動板厚制御によりパススケジュールで定められた板厚に一致するように制御されるが、先尾端部においては荷重一定制御が行われる。荷重一定制御を実施しているときは、実績荷重がパススケジュールで定められた荷重になるように圧下装置を制御しており、板厚測定値に基づいた制御はなされないため、板厚精度は荷重の予測精度の影響を大きく受ける。
[0022]
 以下では、i番目のパス(以下、iパスと称す)は右向き2に圧延しているとし、次パスである(i+1)パスの目標荷重、あるいは目標圧下位置を演算する場合を例にとり、説明する。
[0023]
 第一の実施形態の構成と動作について説明する。
 まず、入側材速検出手段5について説明する。
 入側材速検出手段5としてはいくつかの方法が考えられる。最も容易な方法は、圧延機入側の被圧延材の速度を直接、測定可能な材速計とすることである。しかしながら、材速計は高価であり、またメンテナンスも大変であることから、取り付けられていないことが多い。
 そこで、圧延機入側に設置されているデフレクターロール、あるいはセンサーロール(形状計)を利用することが考えられる。これらの回転速度は容易に検出できるため、ロール径を乗じることによりロール周速、つまり、材速を検出することができる。
 同様の手法として、入側のテンションリールの回転速度とコイル径から求めることも可能である。また、予め設定された後進率と圧延機のロール周速を用いて材速を得ることもできる。
[0024]
 つぎに、圧延機入側板厚検出手段6は、圧延機入側に設置された板厚計14で測定した被圧延材の板厚H M iを記憶するとともに、上述した入側材速検出手段5で検出した材速に基づいて測定点を圧延機までトラッキングする。そして、測定点が圧延機入側に到達したとき、上記記憶した板厚H M iを圧延機入側板厚H D iとして取り出す。これにより、圧延機入側板厚検出手段6は常に圧延機入側での板厚を検出することが可能である。
[0025]
 また、圧延機出側板厚演算手段7は、パススケジュール決定時に得られ、予め設定されたミル定数M iと塑性係数Q iを用いて圧延機入側板厚検出手段6で検出した圧延機入側板厚H D iと圧下位置検出装置12で検出した圧下位置S iから以下のようにして圧延機出側板厚h C iを演算する。


 このことから、圧延機出側板厚演算手段7により尾端部での圧延点が出側の板厚計15まで到達しなくても圧延機出側での板厚を得ることが可能である。
[0026]
 さらに、圧延機出側板厚演算手段7は、(1)式で演算した圧延機出側板厚h C iを記憶し、出側材速検出手段8で検出した圧延機出側での材速に基づいて圧延点を圧延機出側に設置された板厚計15までトラッキングする。
 ただし、出側材速検出手段8は、入側同様、圧延機出側に設置された材速計でも構わないし、圧延機出側に設置されているデフレクターロール、あるいはセンサーロール(形状計)のロール周速から検出しても良い。
[0027]
 圧延点が圧延機出側に設置された板厚計15に到達したとき、記憶した板厚h C iをトラッキングした板厚h D iとして取り出す。
 同時に、圧延機出側板厚演算手段7は、圧延機出側に設置された板厚計15で測定した板厚h M iを取り込み、これらの差から以下のように(1)式で演算した圧延機出側板厚h C iを補正する。
[0028]
 すなわち、


により補正する。ただし、


である。
[0029]
 最後に、圧延機出側板厚演算手段7は、(2)式で演算された板厚h L iを圧延機出側板厚として出力する。
 以上のように、圧延機出側に設置された板厚計15による測定値に基づいて圧延機出側板厚を補正することで、より精度の高い圧延機出側板厚が得られる。
[0030]
 一方、荷重予測式は、例えば、次式のように与えられる。


ただし、




である。
[0031]




[0032]
 ここで、各パスの変形抵抗km i、前方張力応力t fi、後方張力応力t bi、圧下力関数Q piはパススケジュール決定時に得られるものであり、既知のデータである。
[0033]
 パス間補正量演算手段9は、これら既知のデータを使用して、(8)式で演算されるiパスと(i+1)パスにおける補正量P comp i+1を演算する。
[0034]
 また、目標荷重演算手段10は、上述した(7)式で表される式により(i+1)パスの圧延開始時の目標荷重P R i+1を演算する。
 ただし、補正量P comp i+1はパス間補正量演算手段9により演算されているが、(i+1)パスの出側板厚h i+1を除き、板厚と荷重には実績値を使用する。 つまり、次パスが(i+1)パスであるため、(i+1)パスの出側板厚h i+1には、当然、パススケジュールで定められた(i+1)パスの出側板厚h R i+1を設定しなければならない。
[0035]
 そして、他の板厚データには端部での板厚偏差が大きいことを考慮して実績値を用いる。
 iパスの入側板厚H iには圧延機入側板厚検出手段6で検出した板厚H D i、iパスの出側板厚は圧延機出側板厚演算手段7で演算した板厚h L i、iパスの荷重には荷重検出装置11で検出した荷重P M iを用いる。
[0036]
 ここで、これら実績値はミル停止直前の値、あるいは数スキャンの平均値を用いるなどすると、ノイズの影響等を減じることができる。また、(i+1)パスの入側板厚H i+1はiパスの出側板厚h iと同じであるため、これを用いる。
[0037]
 以上により、端部での板厚実績値を用いて演算することでパススケジュールで定められた板厚との差を埋めることができ、また、荷重実績値を使用することで端部での圧延条件の不安定な要素を考慮することができる。
[0038]
 さらに、目標荷重演算手段10は演算した目標荷重P R i+1が適切な範囲にあるかどうか、予め設定されている上下限値を用いて判断する。
 ここで、もし、上限値を超えていれば目標荷重を上限値に置き換え、逆に下限値を超えていれば目標荷重を下限値に置き換える。これにより、過大あるいは過小な荷重設定を防ぎ、安定操業を維持することができる。
[0039]
 最後に、目標荷重演算手段10は演算した目標荷重P R i+1を圧下制御装置13に設定する。  圧下制御装置13は、荷重一定制御中には実績荷重が目標荷重に一致、あるいはある範囲内になるように制御する。
[0040]
第二の実施形態.
 つぎに、第二の実施形態の構成と動作について説明する。図3は、本発明の実施形態の構成を適用対象である圧延機と併せて示した構成図である。
 この第二の実施形態では、第一の実施形態における圧下位置検出装置12を備えていない。また、圧延機出側板厚演算手段7の動作が第一の実施形態と異なる。それ以外は第一の実施形態と同様であるため、以下では圧延機出側板厚演算手段7についてのみ述べる。
[0041]
 第一の実施形態では、圧延機出側板厚演算手段7は圧延機出側板厚h C iを(1)式のようにして求めていたが、第二の実施形態では次式のように演算して求める。


ただし、


である。
[0042]
 ここで、圧延機入側板厚H D iは圧延機入側板厚検出手段6から、圧延機入側材速v Eiは入側材速検出手段5から、圧延機出側材速v Xiは出側材速検出手段8からそれぞれ得られる。以下の動作は第一の実施形態と同様である。
 この方法によれば、予め設定されるミル定数M iと塑性係数Q iを使用しないため、これらの精度に依存せず、良好な精度で圧延機出側板厚を求めることができる。
[0043]
第三の実施形態.
 次に、第三の実施形態の構成と動作について説明する。図4は、本発明の第三の実施形態の構成を適用対象である圧延機と併せて示した構成図である。
 圧下位置演算手段16が付加された以外は第一の実施形態と同様であるため、以下では圧下位置演算手段16についてのみ述べる。
[0044]
 圧下位置演算には、例えば、ゲージメータ式として知られている以下の式を用いる。


ただし、


である。
[0045]
 ここで、出側板厚はパススケジュールで定められた(i+1)パスの出側板厚h R i+1、圧延荷重は目標荷重演算手段10で演算した目標荷重P R i+1、ミル定数はパススケジュール決定時に得られるものを用いることで、出側板厚を所望の値にする目標圧下位置S R i+1が(10)式から演算することができる。
[0046]
 第一の実施形態と同様に、圧下位置演算手段16は演算した目標圧下位置S R i+1を圧下制御装置13に設定する。圧下制御装置13は、圧下位置が目標圧下位置になるように制御する。これにより、圧延開始時の設定形態が荷重ではなく、圧下位置の場合にも対応可能となる。
[0047]
第四の実施形態.
 次に、第四の実施形態の構成と動作について説明する。図5は、本発明の実施形態の構成を適用対象である圧延機と併せて示した構成図である。
 圧下位置演算手段16が付加された以外は第二の実施形態と同様である。
 また、ここで付加された圧下位置演算手段16は、第三の実施形態の動作で説明したものと同じであり、上述した(10)式により目標圧下位置を演算する。
[0048]
 なお、上述した本発明の各実施形態においては、荷重を用いて説明したが、これと等価である圧力を検出、あるいは圧力で設定することもあり、これに限定されるものではない。
 実際にゼンジミアミルでは圧力を検出し、圧力を設定している。
 また、ゼンジミアミルを対象に説明したが、本発明は、4段圧延機や6段圧延機、クラスターミル等リバース式圧延機すべてに対して適用可能である。

図面の簡単な説明

[0049]
[図1] 本発明の第一の実施形態の概略構成を、適用対象の圧延機と併せて示した図。
[図2] 図1において、右向きのパスが完了した状態を示す図。
[図3] 本発明の第二の実施形態の概略構成を、適用対象の圧延機と併せて示した図。
[図4] 本発明の第三の実施形態の概略構成を、適用対象の圧延機と併せて示した図。
[図5] 本発明の第四の実施形態の概略構成を、適用対象の圧延機と併せて示した図。

符号の説明

[0050]
1 圧延機、
2 iパス圧延方向、
3 テンションリール、
4 テンションリール、
5 入側材速検出手段、
6 圧延機入側板厚検出手段、
7 圧延機出側板厚検出手段、
8 出側材速検出手段、
9 パス間補正量演算手段、
10 目標荷重演算手段、
11 荷重検出手段、
12 圧下位置検出手段、
13 圧下制御装置、
14 入側板厚計、
15 出側板厚計、
16 圧下位置演算手段。

請求の範囲

[1]
 複数パスからなるパススケジュールに従って板材等の被圧延材を往復的に圧延するリバース式圧延機の板厚制御装置において、
 前記リバース式圧延機の入側に設置され、前記被圧延材の板厚を測定する入側板厚計と、
 前記リバース式圧延機の入側での前記被圧延材の速度を検出する入側材速検出手段と、
 前記入側板厚計で測定した板厚測定値を前記入側材速検出手段で検出した前記リバース式圧延機の入側での前記被圧延材の速度に基づいて前記リバース式圧延機の入側までトラッキングし、前記リバース式圧延機の入側での板厚を検出する圧延機入側板厚検出手段と、
 前記リバース式圧延機の圧下位置を検出する圧下位置検出装置と、
 前記圧延機入側板厚検出手段で検出した前記リバース式圧延機の入側での板厚と前記圧下位置検出装置で検出した圧下位置とに基づいて前記リバース式圧延機の出側での板厚を演算する圧延機出側板厚演算手段と、
 パススケジュールに基づいてパス間補正量を演算するパス間補正量演算手段と、
 前記リバース式圧延機の荷重を検出する荷重検出装置と、
 前記圧延機入側板厚検出手段で検出した前記リバース式圧延機の入側での板厚と、前記圧延機出側板厚演算手段で演算した前記リバース式圧延機の出側での板厚と、前記パス間補正量演算手段で演算した補正量と、前記荷重検出装置で検出した荷重とに基づいて次パスの圧延開始時における目標荷重を演算する目標荷重演算手段と、を備え、
 前記目標荷重演算手段で演算した目標荷重を圧下制御装置に設定することを特徴とするリバース式圧延機の板厚制御装置。
[2]
 さらに前記リバース式圧延機の出側に設置され、前記被圧延材の板厚を測定する出側板厚計と、
 前記リバース式圧延機の出側での前記被圧延材の速度を検出する出側材速検出手段とを備え、
 前記圧延機出側板厚演算手段は、前記出側材速検出手段で検出した速度に基づいて前記リバース式圧延機の出側での板厚を前記出側板厚計までトラッキングし、前記出側板厚計で測定した板厚と比較し、その差に基づいて前記リバース式圧延機の出側での板厚を補正することを特徴とする請求項1に記載のリバース式圧延機の板厚制御装置。
[3]
 複数パスからなるパススケジュールに従って板材等の被圧延材を往復的に圧延するリバース式圧延機の板厚制御装置において、
 前記リバース式圧延機の入側に設置され、前記被圧延材の板厚を測定する入側板厚計と、
 前記リバース式圧延機の入側での前記被圧延材の速度を検出する入側材速検出手段と、
 前記入側板厚計で測定した板厚測定値を前記入側材速検出手段で検出した前記リバース式圧延機の入側での前記被圧延材の速度に基づいて前記リバース式圧延機の入側までトラッキングし、前記リバース式圧延機の入側での板厚を検出する圧延機入側板厚検出手段と、
 前記リバース式圧延機の出側での前記被圧延材の速度を検出する出側材速検出手段と、
 前記圧延機入側板厚検出手段で検出した前記リバース式圧延機の入側での板厚と、前記入側材速検出手段で検出した前記リバース式圧延機の入側での前記被圧延材の速度と、前記出側材速検出手段で検出した前記リバース式圧延機の出側での前記板材等の被圧延材の速度とに基づいて前記リバース式圧延機の出側での板厚を演算する圧延機出側板厚演算手段と、
 パススケジュールに基づいてパス間補正量を演算するパス間補正量演算手段と、
 前記リバース式圧延機の荷重を検出する荷重検出装置と、
 前記圧延機入側板厚検出手段で検出した前記リバース式圧延機の入側での板厚と、前記圧延機出側板厚演算手段で演算した前記リバース式圧延機の出側での板厚と、前記パス間補正量演算手段で演算した補正量と、前記荷重検出装置で検出した荷重とに基づいて次パスの圧延開始時における目標荷重を演算する目標荷重演算手段と、を備え、
 前記目標荷重演算手段で演算した目標荷重を圧下制御装置に設定することを特徴とするリバース式圧延機の板厚制御装置。
[4]
 さらに前記リバース式圧延機の出側に設置され、前記被圧延材の板厚を測定する出側板厚計を備え、
 前記圧延機出側板厚演算手段は、前記出側材速検出手段で検出した速度に基づいて前記リバース式圧延機の出側での板厚を前記出側板厚計までトラッキングし、前記出側板厚計で測定した板厚と比較し、その差に基づいて前記リバース式圧延機の出側での板厚を補正することを特徴とする請求項3に記載のリバース式圧延機の板厚制御装置。
[5]
 目標荷重演算手段は、演算した目標荷重が予め設定した範囲を超えた場合、その範囲の上限値、あるいは下限値に設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のリバース式圧延機の板厚制御装置。
[6]
 さらに前記目標荷重演算手段で演算した荷重に基づいて目標圧下位置を演算する圧下位置演算手段を備え、前記圧下位置演算手段で演算した目標圧下位置を圧下制御装置に設定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のリバース式圧延機の板厚制御装置。
[7]
 入側材速検出手段は、前記リバース式圧延機の入側に設置された材速計であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のリバース式圧延機の板厚制御装置。
[8]
 入側材速検出手段は、前記リバース式圧延機の入側に設置されたデフレクターロールあるいはセンサーロールのロールの周速を検出して入側での材速とする検出手段であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のリバース式圧延機の板厚制御装置。
[9]
 出側材速検出手段は、前記リバース式圧延機の出側に設置された材速計であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のリバース式圧延機の板厚制御装置。
[10]
 出側材速検出手段は、前記リバース式圧延機の出側に設置されたデフレクターロールあるいはセンサーロールのロールの周速を検出して出側での材速とする検出手段であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のリバース式圧延機の板厚制御装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]