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1. (WO2008126867) エアバッグカバー及びエアバッグ装置
Document

明 細 書

発明の名称 エアバッグカバー及びエアバッグ装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

発明の開示

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020  

図面の簡単な説明

0021  

発明を実施するための最良の形態

0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

エアバッグカバー及びエアバッグ装置

技術分野

[0001]
 この発明は、ステアリングホイールに組込まれたエアバッグを覆う技術に関する。

背景技術

[0002]
 車両のステアリングホイールには、ガスを噴射可能なインフレータと、このインフレータからの噴射ガスにより膨張展開可能なエアバッグと、このエアバッグを覆うカバー体とを備えたエアバッグ装置が組込まれている。
[0003]
 前記エアバッグは、通常時においては折畳まれた形態で前記カバー体の内部に収納されており、衝突などの非常時には、インフレータから噴射されるガスにより膨張し、前記カバー体を割開いて運転者の前方に膨張展開する構成となっている。
[0004]
 ところで、上記カバー体の略中央部には、装飾的効果を高める等の目的で、装飾部が設けられる場合がある。
[0005]
 従来、エアバッグの膨張展開時に、装飾部が設けられたカバー体を割開く構成として、特許文献1(特開2006-1326号公報)に開示のものがある。
[0006]
 特許文献1では、エアバッグの膨張時に、エアバックカバーが4つに分断されて開くようになっている。この際、エアバッグカバー略中央部のエンブレム部分は、エアバッグカバーの分断部分のうち上方に向けて開くものと一体となって、開くようになっている。

発明の開示

[0007]
 ここで、乗員が非正規姿勢(OOP:Out Of Position)である場合を想定すると、乗員は前傾姿勢となっており、特にステアリングホイールの上部で当該ステアリングホイールに近づいている。この状態で、エアバッグが膨張展開すると、ステアリングホイールの上部近くにある人体に対して、エアバッグが比較的大きな衝撃を与えてしまう恐れがある。
[0008]
 この場合に、ホイール部の内側部分が開放していると、エアバッグが当該ホイール部の内側部分内に逃げることで、人体への衝撃をやわらげることが可能である。
[0009]
 しかしながら、上記特許文献1のように、エアバッグカバー210の分断部分にエンブレム部分212が一体化されていると、その分、外方に向けた突出長が長くなってしまう。このため、図9及び図10に示すように、その分断部分がステアリングホイール220のホイール部222に引っ掛かり易くなってしまう。すると、乗員Pが非正規姿勢である場合等に、ステアリングホイール220の上部で、エアバッグ230の逃道がなくなってしまう。
[0010]
 そこで、本発明は、ステアリングホイールの上部でエアバッグの逃道を確保することを目的とする。
[0011]
 上記課題を解決するため、第1の態様に係るエアバッグカバーは、ステアリングホイールに組付けられるエアバッグカバーであって、前記ステアリングホイールのホイール部の内周側でエアバッグを覆うように取付けられるカバー本体部と、前記ステアリングホイールの略中央の位置で前記カバー本体部の表面に設けられる装飾部と、を備え、前記カバー本体部に、前記エアバッグの膨張展開により前記カバー本体部を3つ以上に分断して開放させる展開ラインが形成されると共に、その展開ラインは、少なくとも前記カバー本体部の開放片のうち前記ステアリングホイールの上方を除く開放片に開放させる位置に形成され、前記装飾部が、前記カバー本体部のうち前記ステアリングホイールの上方を除く方向に開放する部分に設けられたものである。
[0012]
 これにより、前記カバー本体部に、前記エアバッグの膨張展開により前記カバー本体部を3つ以上に分断して開放させる展開ラインが形成されると共に、その展開ラインは、少なくとも前記カバー本体部の開放片のうち前記ステアリングホイールの上方を除く開放片に開放させる位置に形成され、前記装飾部が、前記カバー本体部のうち前記ステアリングホイールの上方を除く方向に開放する部分に設けられている。このため、エアバッグの膨張展開によりカバー本体部が分断する際、装飾部は、前記カバー本体部のうち前記ステアリングホイールの上方を除く方向に開放する部分と共に開放する。そして、ステアリングホイールの上部では、エアバッグカバーの分裂部分がステアリングホイールのホイール部に引っ掛かり難く、従って、エアバッグが当該ホイール部の内側部分内に逃げる逃道を確保することができる。
[0013]
 第2の態様に係るエアバッグカバーは、第1の態様に係るエアバッグカバーであって、前記カバー本体部のうち前記装飾部が設けられた部分が、車両の側方又はそれよりも下方に向けて開放するように、前記展開ラインが形成されているものである。
[0014]
 第3の態様に係るエアバッグカバーは、第1の態様に係るエアバッグカバーであって、前記エアバッグの膨張展開により前記カバー本体部を3つ以上に分断して開放させる展開ラインが、前記カバー本体部を、車両上方に開放させる上部開放片と、車両下方に開放させる下部開放片と、車両左方向に開放させる左部開放片と、車両右方向に開放させる右部開放片とに分断させる位置に形成されており、前記装飾部が、前記下部開放片と前記左部開放片と前記右部開放片のうちのいずれかに設けられたものである。
[0015]
 これにより、ステアリングホイールの上部で、装飾部が原因となってエアバッグカバーの分裂部分がステアリングホイールのホイール部に引っ掛かり難くなる。従って、エアバッグが当該ホイール部の内側部分内に逃げる逃道を確保することができる。
[0016]
 第4の態様に係るエアバッグカバーは、第1~第3のいずれかの態様に係るエアバッグカバーであって、前記展開ラインが複数形成されると共に、その各展開ラインは相互に非直角に交わっているものである。
[0017]
 これにより、前記展開ラインが複数形成されると共に、その各展開ラインは相互に非直角に交わっていると、所定の展開ラインを分断しようとする力が、他の展開ラインに対して斜め方向に加わる。このため、所定の展開ラインから他の展開ラインを連続的に円滑に分断することができ、エアバッグカバーが円滑に割れやすい。
[0018]
 また、上記課題を解決するため、第5の態様に係るエアバッグ装置は、ステアリングホイールに組付けられるエアバッグ装置であって、前記ステアリングホイールの略中央部に取付けられるエアバッグと、前記エアバッグを膨張展開させるガス供給部と、上記した第1~第4のいずれかの態様に係るエアバッグカバーと、を備えたものである。
[0019]
 これにより、エアバッグカバーがエアバッグ及びガス供給部と一体となって、エアバッグがステアリングホイールのホイール部の内側部分内に逃げる逃道を確保する構成を提供できる。
[0020]
 この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。

図面の簡単な説明

[0021]
[図1] エアバッグカバー及びエアバッグ装置が組込まれたステアリングホイールを示す正面図である。
[図2] エアバッグカバーを示す正面図である。
[図3] エアバッグカバーを示す側面図である。
[図4] 図2のIV-IV線断面図である。
[図5] エアバッグ膨張展開途中におけるエアバッグカバーの状態を示す図である。
[図6] エアバッグカバーの各開放片が開放した状態を示す図である。
[図7] 非正規姿勢におけるエアバッグ膨張展開状態を示す説明図である。
[図8] エアバッグカバーの変形例を示す図である。
[図9] 従来例を示す図である。
[図10] 従来例を示す図である。

発明を実施するための最良の形態

[0022]
 以下、実施形態に係るエアバッグカバー及びエアバッグ装置について説明する。図1はエアバッグカバー及びエアバッグ装置が組込まれたステアリングホイールを示す正面図であり、図2はエアバッグカバーを示す正面図であり、図3はエアバッグカバーを示す側面図である。
[0023]
 このエアバッグカバー30及びエアバッグ装置20は、自動車のステアリングホイール10に組付けられるものであり、エアバッグ装置20は、エアバッグ22と、ガス供給部としてのインフレータ24と、エアバッグカバー30とを備えている。
[0024]
 エアバッグ22は、布等で袋状に形成されており、折りたたまれた形態で、ステアリングホイール10の略中央部に配設及び取付けられている。ここでは、ステアリングホイール10のボス部にベースプレート18が固定されており、当該ベースプレート18にエアバッグ22が取付けられている。
[0025]
 また、インフレータ24は、上記エアバッグ22を膨張展開させるものである。ここでは、インフレータ24は、点火装置及びガス発生剤等を有しており、上記ベースプレート18の裏面側に固定されている。そして、インフレータ24は、車両の衝撃検知部等からの点火命令信号等を受けて前記点火装置を発火させ、この発火によりガス発生剤を燃焼させて、発生するガスをエアバッグ22内に供給する構成となっている。
[0026]
 エアバッグカバー30は、上記エアバッグ22を覆うようにして、上記ベースプレート18に固定されている。
[0027]
 そして、インフレータ24からのガス供給により、上記エアバッグ22が膨張すると、そのエアバッグ22が膨張する力を受けて、エアバッグカバー30が所定の展開ライン34a,34b,35a,35b,35c,36a,36b(ティアラインともいう)に沿って割れる。これにより、エアバッグ22がステアリングホイール10の表面側である運転者側で袋状に膨張展開するようになっている。
[0028]
 エアバッグカバー30について、より詳細に説明する。
[0029]
 エアバッグカバー30は、カバー本体部32と、装飾部40とを備えている。
[0030]
 カバー本体部32は、樹脂等で形成されており、略椀状の全体形状に形成されている。そして、ステアリングホイール10の環状のホイール部12の内周側で、エアバッグ22を収容して覆うような位置及び姿勢で、上記ベースプレート18にネジ止及び係合構造等で取付固定されている。
[0031]
 装飾部40は、ステアリングホイール10の略中央部で、上記カバー本体部32の表面に設けられる。この装飾部40は、自動車のエンブレムやロゴマーク,車名を表す文字等を形取った形状に形成されて装飾的効果を高める等の役割を果す。本実施の形態では、装飾部40は、略円形状の外周形状を有しており、その内部形状については省略している。この装飾部40は、係合構造やネジ止、接着剤等の固定部材によって、カバー本体部32に対して後付固定される場合や、カバー本体部32に一体形成される場合等があり得る。ここでは、カバー本体部32とは別部材である装飾部40がカバー本体部32に係合構造等で取付固定されている。
[0032]
 このような装飾部40は、比較的複雑な形状を有している。このため、エアバッグ膨張展開時に小片に破壊して飛散してしまわないように、次述する展開ラインによって分断しないようにするのが通常である。
[0033]
 また、カバー本体部32には、エアバッグ22の膨張によって当該カバー本体部32を3つ以上に分断して、前記エアバッグ22が運転者側に膨張展開可能なように開放させる展開ライン34a,34b,35a,35b,35c,36a,36bが形成されている。各展開ライン34a,34b,35a,35b,35c,36a,36bは、エアバッグ22の膨張展開力を受けてカバー本体部32を分断容易にした部分であり、ここでは、図4に示すように、カバー本体部32の裏面に形成された略V字状の溝形状とされている。
[0034]
 この展開ライン34a,34b,35a,35b,35c,36a,36bは、カバー本体部32の一部である左部開放片33Bを、ステアリングホイール10の上方を除く方向に開放する開放片として開放させる位置に形成されている。そして、上記装飾部40が当該左部開放片33Bに一体的に設けられており、当該装飾部40が左部開放片33Bと共にステアリングホイール10の上方を除く方向に開放するようになっている。なお、ステアリングホイール10に対する上下左右は、車両直進状態におけるステアリングホイール10の姿勢を基準としている。
[0035]
 より具体的に説明すると、上記展開ライン34a,34b,35a,35b,35c,36a,36bは、カバー本体部32を3つ以上に分断して複数方向に開放させる位置に形成されている。
[0036]
 すなわち、装飾部40の外周囲のうち左斜め上部分から上方部分及び右方部分を経由して右斜め下部分を囲むようにして展開ライン35aが形成され、その展開ライン35aの両端部から左斜め下方に向うようにして展開ライン35b,35cが形成されている。この展開ライン35a,35b,35cに囲まれる部分によって、車両左方向に開放可能で、かつ、装飾部40が一体的に設けられた左部開放片33Bが形成されている。
[0037]
 また、展開ライン35aの途中部分であって装飾部40の右斜め上方部分及び展開ライン35cの途中部分から右斜め下方に向うようにして展開ライン36a,36bが形成されている。これらの展開ライン36a,36bと、上記展開ライン35a,35cの一部とで囲まれる部分によって、車両右方向に開放可能な右部開放片33Cが形成されている。
[0038]
 また、上記展開ライン35c,36bの一部によって車両下方に開放可能な下部開放片33Dが形成されている。
[0039]
 さらに、上記展開ライン35b,36aの途中部分から上方に向う展開ライン34a,34bが形成されている。これらの展開ライン34a,34bと、展開ライン35a,35b,36aの一部とで囲まれる部分によって車両上方に開放可能な上部開放片33Aが形成されている。
[0040]
 なお、上記の上部開放片33A,左部開放片33B,右部開放片33C,下部開放片33Dのうちカバー本体部32の外周側部分には、分断容易なラインは形成されておらず、従って、これらの開放片33A,33B,33C,33Dは、カバー本体部32の外周側部分ではカバー本体部32と連結されたままの状態で、開き戸状に外方に開放するようになっている。
[0041]
 また、このカバー本体部32では、展開ライン34aと展開ライン35bとが三叉路状に交わっており、当該交わり部分では、展開ライン34aと展開ライン35bとが相互に非直角に交わるように、即ち、互いに垂直な位置関係とならないように、設定されている。より具体的には、上下方向に延びる展開ライン34aと斜め傾斜する展開ライン35bとが非直角に交わっている。
[0042]
 また、他の展開ライン34bと展開ライン36aとの交わり部分、展開ライン35cと展開ライン36bとの交わり部分、展開ライン35aと展開ライン36aとの交わり部分でも、同様に、それぞれ非直角に交わるようになっている。
[0043]
 なお、展開ライン34a,35bや、展開ライン34b,36a、展開ライン35c,36b、展開ライン35a,36a等が相互に非直角に交わるとは、それぞれの交わり部分での各ラインの延在方向が非直角であることをいう。例えば、曲線状の展開ライン35aと展開ライン36aとの交わり部分に関して両者が非直角に交わるとは、当該交わり部分における曲線状の展開ライン35aの接線と展開ライン36aとが非直角に交わることをいう。また、交わる展開ラインの途中が折れ曲っているような場合には、当該交点を含む直線部分が非直角か否かの基準となる。
[0044]
 このように構成されたエアバッグ装置20及びエアバッグカバー30の動作について説明する。
[0045]
 すなわち、車両が衝突すると、インフレータ24がガスをエアバッグ22内に供給し、エアバッグ22が膨張展開しようとする。これにより、エアバッグカバー30に内側から外方に向う力が作用する。すると、この力を受けて、図5に示すように、エアバッグカバー30が略中央部から外方に向けて、展開ライン34a,34b,35a,35b,35c,36a,36bが割れるように分断していく。
[0046]
 より具体的には、エアバッグカバー30の膨張展開力が、エアバッグカバー30の略中央部の展開ライン35aを分断させる力として作用し、矢符A1に示すように、当該展開ライン35aを押し割るように分断する。そして、その分断途中で、他の展開ライン36aとの交わり部分に達すると、前記膨張展開力が当該他の展開ライン36aを分断する力として伝わり、当該他の展開ライン36aが割れるように分断していく。
[0047]
 この際、展開ライン35aと他の展開ライン36aとが仮に略垂直に交わっているとすると、分断力は元の展開ライン35aに沿って作用する傾向にあるため、当該分断方向に沿って分岐するように交わる他の展開ライン36aを分断させる力として作用し難く、従って、交わる他の展開ライン36aが分断しにくい。ところが、ここでは、展開ライン35aと他の展開ライン36aとは非直角に交わっているため、元の展開ライン35aに沿って作用する分断力は、前記交わる他の展開ライン36aを分断させる力としても作用し易く、従って、次の他の展開ライン36aが容易に分断する。
[0048]
 また、展開ライン35aが各端部まで割れると、その分断力が、次の展開ライン35b,35cを割る力をとして作用し、矢符B1及びC1に示すように、当該各展開ライン35b,35cが分断していく。
[0049]
 また、展開ライン35b,35c,36aが分断していく途中で、それぞれ展開ライン34a,36b,34bとの交わり部分に達すると、前記膨張展開力は非直角に交わる他の展開ライン34a,36b,34bを分断する力として伝わる。これにより、矢符B2,C2,A3に示すように、他の展開ライン34a,36b,34bも容易かつ確実に分断していく。
[0050]
 この際、上記と同様に、元の展開ライン35b,35c,36aに対して、その分断方向に沿って分岐するように交わる展開ライン34a,36b,34bが非直角になっているため、当該元の展開ライン35b,35c,36aを分断する力が、当該交わる展開ライン34a,36b,34bを分断させる力として伝わり易く、従って、それらは容易かつ確実に分断される。
[0051]
 このようにして、全ての34a,34b,35a,35b,35c,36a,36bが分断することで、図6に示すように、各上部開放片33A,左部開放片33B,右部開放片33C,下部開放片33Dが開き戸状にその略中央部から外周側へ開放する。そして、これによってエアバッグカバー30に形成された開口を通って、エアバッグ22がエアバッグカバー30の外方の運転者側に膨張展開する。
[0052]
 この際、図6及び図7に示すように、装飾部40が設けられていない上部開放片33Aの基端部から先端部までの延出長は、当該基端部からホイール部12の内周部までの距離よりも小さい。従って、上部開放片33Aは、ホイール部12に引っ掛かることなく、エアバッグカバー30の側方裏面側に向けて倒れ込むように姿勢変更可能である。
[0053]
 このため、乗員が非正規姿勢で前傾姿勢となっており、乗員がステアリングホイール10の上部で当該ステアリングホイール10に近づいていた場合でも、上部開放片33Aは、ホイール部12の内側を通ってエアバッグカバー30の側方裏面側に向けて倒れ込むように姿勢変更する。そして、エアバッグ22は当該ホイール部12の内側部分内に逃げるように変形することで、乗員への衝撃をやわらげることができる。
[0054]
 なお、ここでは、装飾部40を設けた左部開放片33Bがホイール部12に引っ掛かる。しかしながら、上記のような乗員の非正規姿勢を考慮したとしても、ホイール部12の側方や下方での衝撃は特に問題とならないので、左部開放片33Bの引っ掛かりは差支えない。
[0055]
 以上のように構成されたエアバッグカバー30及びエアバッグ装置20によると、エアバッグ22の膨張展開によりカバー本体部32を3つ以上に分断して展開させる展開ライン34a,34b,35a,35b,35c,36a,36bが、カバー本体部32の一部である上部開放片33Aをステアリングホイール10の上方を除く方向に開放させる位置に形成され、装飾部40が当該上部開放片33Aに形成されている。このため、エアバッグ22の膨張展開によりカバー本体部32が分断する際、装飾部40は、上部開放片33Aと共にステアリングホイール10の上方を除く方向に開放する。そして、ステアリングホイール10の上部では、エアバッグカバー30の分断部分である上部開放片33Aがホイール部12に引っ掛かりにくい。従って、エアバッグ22がホイール部12の内周側部分内に逃げる逃道を確保できる。このため、特に、乗員の非正規姿勢状態で、乗員に対する衝撃をやわらげることができる。
[0056]
 また、各展開ライン34a,34b,35a,35b,35c,36a,36bは、それらの交わり部分で非直角に交わっているため、所定の展開ライン34a,34b,35a,35b,35c,36a,36bを分断する力が他の展開ライン34a,34b,35a,35b,35c,36a,36bに対して斜め方向に伝わり、それらを容易に分断させることができる。従って、各展開ライン34a,34b,35a,35b,35c,36a,36bを連続的かつ円滑に分断することができ、エアバッグカバー30が円滑に割れ易い。
[0057]
 {変形例}
 なお、上記実施形態における展開ライン34a,34b,35a,35b,35c,36a,36bは一例であり、その位置に限られるものではない。
[0058]
 例えば、図8に示す変形例に係るエアバッグカバー130のように、左部開放片133Bと右部開放片133Cとの間の展開ライン134aが略上下方向に沿って延びており、また、左部開放片133B及び右部開放片133Cの下部の展開ライン134bが略水平方向に沿って延びていてもよい。なお、他の展開ライン134及び上部開放片133Aは、上記実施形態で説明したのと同様構成である。
[0059]
 また、エアバッグカバーは4つに分割される必要はなく、例えば、上部開放片、左部開放片、右部開放片の3つに、又は、上部開放片と下部開放片との2つに、分割される構成であってもよい。
[0060]
 また、装飾部は、左部開放片、右部開放片、又は、下部開放片のいずれに設けられていてもよい。
[0061]
 要するに、カバー本体部32の各開放片のうち少なくとも1つをステアリングホイール10の上方を除く方向に開放させる位置に、展開ラインが形成され、その開放片に装飾部が設けられていればよい。
[0062]
 ここで、装飾部が設けられる開放片がステアリングホイール10の上方を除く方向に開放する場合には、当該開放片が、真上を除いて側方やや斜め上方に展開する態様を含み得る。
[0063]
 もっとも、好ましくは、装飾部が設けられる開放片が車両側方又はそれよりも下方に向けて展開するのがよく、より好ましくは、車両側方よりも下方に向けて展開するのがよい。
[0064]
 以上のようにこのエアバッグカバー及びエアバッグ装置は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。

請求の範囲

[1]
 ステアリングホイールに組付けられるエアバッグカバーであって、
 前記ステアリングホイールのホイール部の内周側でエアバッグを覆うように取付けられるカバー本体部と、
 前記ステアリングホイールの略中央の位置で前記カバー本体部の表面に設けられる装飾部と、
 を備え、
 前記カバー本体部に、前記エアバッグの膨張展開により前記カバー本体部を3つ以上に複数に分断して開放させる展開ラインが形成されると共に、
 その展開ラインは、少なくとも前記カバー本体部の開放片のうち前記ステアリングホイールの上方を除く開放片に開放させる位置に形成され、
 前記装飾部が、前記カバー本体部のうち前記ステアリングホイールの上方を除く方向に開放する部分に設けられたエアバッグカバー。
[2]
 請求項1記載エアバッグカバーであって、
 前記カバー本体部のうち前記装飾部が設けられた部分が、車両の側方又はそれよりも下方に向けて開放するように、前記展開ラインが形成された、エアバッグカバー。
[3]
 請求項1記載のエアバッグカバーであって、
 前記エアバッグの膨張展開により前記カバー本体部を3つ以上に分断して開放させる展開ラインが、前記カバー本体部を、車両上方に開放させる上部開放片と、車両下方に開放させる下部開放片と、車両左方向に開放させる左部開放片と、車両右方向に開放させる右部開放片とに分断させる位置に形成されており、
 前記装飾部が、前記下部開放片と前記左部開放片と前記右部開放片のうちのいずれかに設けられた、エアバッグカバー。
[4]
 請求項1記載のエアバッグカバーであって、
 前記展開ラインが複数形成されると共に、その各展開ラインは相互に非直角に交わっている、エアバッグカバー。
[5]
 ステアリングホイールに組付けられるエアバッグ装置であって、
 前記ステアリングホイールの略中央部に取付けられるエアバッグと、
 前記エアバッグを膨張展開させるガス供給部と、
 請求項1記載のエアバッグカバーと、
 を備えたエアバッグ装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]