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1. WO2008126786 - 水力発電装置

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明 細 書

発明の名称 水力発電装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

発明の開示

0004   0005   0006   0007   0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための最良の形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24  

明 細 書

水力発電装置

技術分野

[0001]
 本発明は、河川や人工的な水路などに設置される水力発電装置に関する。

背景技術

[0002]
 水路の途中に堰(せき)を設けたことで生じる水の落差を利用し、小水力発電を行える水力発電装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
[0003]
 この水力発電装置は、水車が流路内に設置されたL字型のドラフトチューブを堰板の上流側に配置することで、ドラフトチューブ内の水流にて回転する水車を介して発電機を駆動するように構成されている。
特許文献1 : 特開平11-30179号公報

発明の開示

[0004]
(発明が解決しようとする課題)
 しかしながら、このような水の落差を利用する方式の水力発電装置では、水路の途中に段差が形成されるように上記の堰板やL字型のドラフトチューブなどを設置すること、すなわち、水車の設置以外に発電のための専用の設備を敷設することが必要となる。
[0005]
 そこで本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、水の落差などを積極的に利用せずとも、比較的小さな水流で効率的に水力発電を行える水力発電装置の提供を目的とする。
[0006]
(課題を解決するための手段)
 上記目的を達成するために、本発明に係る水力発電装置は、入水側開口部から排水側開口部へ向かって貫通する貫通穴で形成された水路を有し、流れの生じている水中に水没させて用いるケーシング部材と、前記水没させたケーシング部材の水路内にそれぞれ水深方向に起立した姿勢で設けられていると共に、各々の一端部を水面から浮上させた状態でかつ前記水路の幅方向に間隔を空けて対向配置された一対の回転軸と、前記各回転軸とそれぞれ一体的に固定されていると共に前記ケーシング部材の水路内に配置された複数の羽根部を有する回転翼と、前記各回転軸の前記一端部側に設けられた発電機と、前記ケーシング部材の前記入水側開口部に設けられ、その開口端の面積を下流側に向かって徐々に減少させるように形成された水流増速部と、を具備することを特徴とする。
[0007]
 すなわち、本発明では、水没させたケーシング部材の入水側開口部に設けた水流増速部により、水の流速を増大させこの流速を高めた水流で、発電機につながる回転翼を駆動できるので、水流が緩やかであっても効率良く発電を行うことができる。
[0008]
(発明の効果)
 したがって、本発明によれば、水の落差などを積極的に利用せずとも、比較的小さな水流で効率的に水力発電を行える水力発電装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 本発明の第1の実施形態に係る水力発電装置を示す斜視図。
[図2] 図1に示す水力発電装置の透視図。
[図3] 図1に示す水力発電装置を平面方向からみた断面図。
[図4] 図1に示す水力発電装置を側面方向からみた断面図。
[図5] 図1の水力発電装置が備える回転翼の羽根部に生じる作用を示す平面図。
[図6] 図5の羽根部の構造を示す分解斜視図。
[図7] 図1の水力発電装置が備えるケーシング部材の水路の幅方向における回転翼の配置と水流の流速の変化との対応関係を示す図。
[図8] 図1の水力発電装置が備えるケーシング部材の水路の水深方向における回転翼の配置と水流の流速の変化との対応関係を示す図。
[図9] 本発明の第2の実施形態における水力発電装置を平面方向からみた断面図。
[図10] 図9に示す水力発電装置1を側面方向からみた断面図。
[図11] 本発明の第3の実施形態に係る水力発電装置を平面方向からみた断面図。
[図12] 図11の水力発電装置が備える回転翼の羽根部に生じる作用を示す平面図。
[図13] 図12の羽根部と構造の異なる他の羽根部に生じる作用を示す平面図。
[図14] 図12及び図13の羽根部と構造の異なる他の羽根部に生じる作用を示す平面図。
[図15] 図12~図14の羽根部と構造の異なる他の羽根部に生じる作用を示す平面図。
[図16] 本発明の第4の実施形態に係る水力発電装置を示す斜視図。
[図17] 図16に示す水力発電装置の透視図。
[図18] 図16に示す水力発電装置を平面方向からみた断面図。
[図19] 図16に示す水力発電装置を正面方向からみた断面図。
[図20] 図16に示す水力発電装置を側面方向からみた断面図。
[図21] 本発明の第5の実施形態に係る水力発電装置を示す斜視図。
[図22] 図21に示す水力発電装置の透視図。
[図23] 図21に示す水力発電装置を平面方向からみた断面図。
[図24] 図21に示す水力発電装置を正面方向からみた断面図。

発明を実施するための最良の形態

[0010]
 以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づき説明する。
[第1の実施の形態]
 図1は、本発明の第1の実施形態に係る水力発電装置1を示す斜視図であり、また、図2は、この水力発電装置1の透視図である。また、図3は、水力発電装置1を平面方向からみた断面図であり、図4は、水力発電装置1を側面方向からみた断面図である。さらに、図5は、水力発電装置1が備える回転翼3の羽根部3aに生じる作用を示す平面図であり、図6は、羽根部3aの構造を示す分解斜視図である。また、図7は、水力発電装置1が備えるケーシング部材7の水路7cの幅方向における回転翼3の配置と水流の流速の変化との対応関係を示す図である。さらに、図8は、ケーシング部材7の水路7cの水深方向における回転翼3の配置と水流の流速の変化との対応関係を示す図である。
[0011]
 図1~図4に示すように、本実施形態の水力発電装置1は、河川や下水道など、ほぼ水平方向に流動する水流を利用して発電を行う垂直軸型小水力発電装置であって、ケーシング部材7と、一対の回転軸2及び回転翼3と、増速機8と、発電機9と、浮き部10とから主に構成される。
[0012]
 ケーシング部材7は、図1~図4に示すように、入水側開口部7aから排水側開口部7bへ向かって貫通する貫通穴で形成された水路7cを有し、流れの生じている水中に水没させて用いられる。一対の回転軸2は、水没させたケーシング部材7の水路7c内にそれぞれ水深方向(鉛直方向)に起立した姿勢で設けられている。また、これらの回転軸2は、各々の一端部を水面から浮上させた状態でかつ水路7cの幅方向に所定の間隔を空けて対向配置されている。
[0013]
 また、一対の回転翼3は、ハブ6及び連結シャフト5を介して各回転軸2と一体的に固定されていると共にケーシング部材7の水路7c内に配置された複数(四つ)の羽根部3aを有する。つまり、各々四つの羽根部3aは、回転軸2の径方向に(異なる4方向に)延びる四本の連結シャフト5によりハブ6を介して当該回転軸2に等角度(90°間隔)で固定されている。また、各羽根部3aは、相異なる翼面を通過する水流により揚力が発生するように流線型で形成されている。
[0014]
 このような回転翼3の固定された上記各回転軸2の一端部側には、増速機8を介して発電機9が接続されている。増速機8は、回転翼3と共に回転する回転軸2の回転数を調整して、負荷電源の接続される発電機9に回転軸2の駆動力を伝達する。浮き部10は、例えば中空構造で構成されており、少なくとも増速機8及び発電機9を水面上に浮上させるために設けられている。つまり、この浮き部10は、例えば河川や用水路の川縁(陸上)などに置かれた構造物に対して固定したり、また、水面上に自身の浮上力で浮上している他の構造物に対して固定するための構成部分として設けられている。
[0015]
 また、図1~図4に示すように、ケーシング部材7の入水側開口部7aには、その開口端の面積を下流側に向かって徐々に減少させるように形成された水流増速部7dが設けられている。つまり、この水流増速部7dは、入水側開口部7aの開口端から水路7cに到達するまでの過程で水の流路を狭めて行くことで、管状のケーシング部材7内を圧力管状態としベルヌーイの法則に基づき、損失水頭(抵抗)を極力増加させることなく、入水速度V1を流速V2に増加させる。
[0016]
 また、一方で、ケーシング部材7の排水側開口部7bには、その上流側から開口端側に向かって開口面積を徐々に増大させるように形成された乱流抑制部7eが設けられている。すなわち、この乱流抑制部7eは、ケーシング部材7の水路7c内から水の流速V2を流速V3に低下させつつスムーズな排水を実現することで、排水側開口部7bの後方部周辺に生じ得る乱流の発生を抑制し、これにより損失水頭(抵抗)を低減させる。
[0017]
 さらに、図5及び図6に示すように、回転翼3は、ブレード形(ジャイロミル形)の4枚の羽根部3aを有する。羽根部3aは、図6に示すように、例えばFRP製のフレーム3bを外側からアルミ合金板などで覆うことにより表面の流面形状が構成される。また、この実施形態の羽根部3aは、揚力型であって、図5及び図7に示すように、ケーシング部材7の水路7cの幅方向において、その幅方向の中央部で上流側からの水流Wa、Wbを受ける際に、この水流Wa、Wbが各翼面を通過する際の水流の径路長の差で、揚力P1が生じ、この場合の法線方向の分力P3に対して直交する接線方向の分力P2により、回転翼3の回転力を得る。
[0018]
 つまり、水力発電装置1は、図3に示すように、一対の回転翼3の回転軸2間を通過する水流により、図中右側に配置される回転翼3が矢印S2方向に回転し、かつ図中左側に配置される回転翼3が矢印S1方向に回転する形状にて、羽根部3aが形成されている。
[0019]
 ここで、本実施形態の羽根部3aは、ケーシング部材7の水路7cの幅方向において、その幅方向の中央部で(主に図3に示す状態で)、上流側(入水側開口部7a)からの水流を受ける羽根部3aの断面積よりも、水路7cの幅方向の縁側で上流側からの水流を受ける羽根部3aの断面積が、小さくなるように形成されている。
[0020]
 これにより、図3、図5及び図7に示すように、流速の遅い水路7cの縁側では、羽根部3aの断面積の小さい部位(細い部位)で水流を受けるようにして水の抗力を低減し、一方、流速の早い水路7cの中央部では、羽根部3aの断面積の大きい部位(太い部位)で水流を受けるようにして高い揚力を得ることで、回転翼3を効率的に回転させることができる。
[0021]
 さらに、本実施形態の羽根部3aは、図4、図8に示すように、ケーシング部材の水路7cの水深方向(深さ方向)において、その水深方向の中央部で上流側からの水流を受ける羽根部3aの断面積よりも、水深方向の水面側又は水底側で、上流側からの水流を受ける羽根部3aの断面積が、小さくなるように形成されている。
[0022]
 したがって、図4、図8に示すように、流速の遅い水路7cの水面側又は水底側では、羽根部3aの断面積の小さい部位(細い部位)で水流を受けるようにして水の抗力を低減し、一方、流速の早い水路7cの水深方向の中央部では、羽根部3aの断面積の大きい部位(太い部位)で水流を受けるようにして高い揚力を得ることで、回転翼3を効率的に回転させることができる。
[0023]
 このように本実施形態に係る水力発電装置1では、乱流の発生を抑制したうえでケーシング部材7の水路7c内に流速を上昇させた水流を取り込み、しかもこの流速を上昇させた水流を利用し、発電機9につながる回転翼3を上記のように効率的に駆動させることができる。これにより、水力発電装置1によれば、水の落差などを積極的に利用せずとも、比較的小さな水流で効率的に水力発電を行うことができる。
[0024]
[第2の実施の形態]
 図9及び10は、本発明の第2の実施の形態を説明するための図である。図9は、上記第1の実施の形態における図3に相当し、水力発電装置1を平面方向からみた断面図であり、図10は、上記第1の実施の形態における図4に相当し、水力発電装置1を側面方向からみた断面図である。
[0025]
 本実施形態は、ケーシング部材7の入水側開口部7aに前方水量調節板8が設けられるとともに、ケーシング部材7の排水側開口部7bに後方調整板9が設けられている点で第1の実施の形態と相違し、その他の構成要素については第1の実施の形態と同様である。したがって、本実施形態では、前方水量調節板8及び後方調整板9についてそれらの特徴及び作用効果について説明する。
[0026]
 前方水量調整板8は、ケーシング部材7の入水側開口部7aにおいて、入水側に向けて開口度合いが変化するようにして、入水側開口部7aの接続部を中心として回転自在に設けられている。したがって、水の流速が高い場合は、前方水量調整板8の開口度合いを小さくしたり、水の流速が低い場合は、前方水量調整板8の開口度合いを大きくしたりして、ケーシング部材7に流れ込む水量を調整することができる。
[0027]
 すなわち、水の流速が高く、ケーシング部材7に流入する水量を抑制したいような場合は、前方水量調整板8の開口度合いを小さくし、水の流速が低く、ケーシング部材7に流入する水量を増大させたいような場合は、前方水量調整板8の開口度合いを大きくする。これによって、水力発電装置1における発電量を適宜調整することができるようになる。
[0028]
 また、図9に示すように、ケーシング部材7は水流増速部7dを有しているので、排水側開口部7bにおける水の流速V3は、ケーシング部材7の外方を流れる水の流速V4よりも大きくなっている場合がある。したがって、ケーシング部材7内を流れる水と、ケーシング部材7の外方を流れる水とが、排水側開口部7bにおいて直接接触すると、両者の速度差に起因して乱流が生じる場合がある。
[0029]
 しかしながら、本実施の形態に示すように、ケーシング部材7の排水側開口部7bに後方調整板9を設けることにより、ケーシング部材7内を流れる水と、ケーシング部材7の外方を流れる水とが後方調整板9を経た後に接触するようになる。したがって、上述のように排水側開口部7bにおいて直接接触することはなくなるので、排水側開口部7bにおける水の流速V3が、ケーシング部材7の外方を流れる水の流速V4よりも大きい場合においても乱流の生成を抑制することができる。
[0030]
[第3の実施の形態]
 次に、本発明の第3の実施形態を図11~図15に基づき説明する。ここで、図11は、本発明の第3の実施形態に係る水力発電装置21を平面方向からみた断面図であり、図12は、水力発電装置21が備える回転翼23の抗力型の羽根部23aに生じる作用を示す平面図である。また、図13は、揚力・抗力併用型の羽根部33に生じる作用を示す平面図であり、図14は、図13の羽根部33と一部構造の異なる揚力・抗力併用型の羽根部43に生じる作用を示す平面図である。さらに、図15は、図13及び図14の羽根部と一部構造の異なる揚力・抗力併用型の羽根部63に生じる作用を示す平面図である。なお、図11~図15において、図1~図8に示した第1の実施形態の水力発電装置1に設けられていたものと同一の構成要素については、同一の符号を付与しその説明を省略する。
[0031]
 図11及び図12に示すように、この実施形態の水力発電装置21は、第1の実施形態の水力発電装置1が備えていた回転翼3に代えて回転翼23を備えて構成される。すなわち、この回転翼23は、抗力型の羽根部23aを各々4枚ずつ有する。これらの羽根部23aは、水流による抗力を受ける止めるサボニウス部(凹部)23bを有し、サボニウス部23bが受ける抗力Wkにより、回転翼23を回転させる。つまり、水力発電装置21は、図11に示すように、一対の回転翼23の回転軸2間を通過する水流により、図中右側に配置される回転翼23が矢印S1方向に回転し、かつ図中左側に配置される回転翼23が矢印S2方向に回転する形状にて、羽根部23aが形成されている。
[0032]
 ここで、本実施形態の羽根部23aは、ケーシング部材7の水路7cの幅方向において、その幅方向の中央部で上流側からの水流を受ける羽根部23aの断面積(サボニウス部23bを構成する部位の断面積)よりも、水路7cの幅方向の縁側で上流側からの水流を受ける羽根部3aの断面積が、小さくなるように形成されている。
[0033]
 これにより、図11及び図12に示すように、流速の遅い水路7cの縁側では、羽根部23aの断面積の小さい部位(細い部位)で水流を受けるようにして水の抗力を低減し、一方、流速の早い水路7cの中央部では、断面積を大きくしたサボニウス部23bで水流を受けるように(高い抗力を得るように)することで、回転翼23を効率的に回転させることができる。
[0034]
 ここで、このような抗力型の羽根部23aを有する回転翼23に代えて、図13及び図14に示すように、サボニウス部33b、43bをそれぞれ備える一方で、揚力を発生し得る羽根形状を持つ揚力・抗力併用型の羽根部33a、43aをそれぞれ有する回転翼33、43を適用してもよい。これらの回転翼33、43を適用した場合、流速の遅い水路7cの縁側でも、サボニウス部33b、43bにより、回転翼33、43の駆動力を得ることができるので、揚力が得られ難い回転翼の起動時の特性を改善することができる。また、図14に示す回転翼43では、サボニウス部43bが、図13に示す回転翼33のサボニウス部33bよりも、回転中心から外周側に設けられているため、より高い回転モーメントを得ることができ、これにより、回転翼43は、より高い回転力を得ることができる。
[0035]
 また、これに代えて、図15に示すように、羽根部の構成材料として中実の(中身の詰まった)素材を適用すると共に、サボニウス部63bを設け、さらに羽根部本体を貫通する例えば2つの貫通穴63cを穿孔した揚力・抗力併用型の羽根部63aをそれぞれ備えた回転翼63を適用することもできる。この貫通穴63cは、内部を通る水流が穴内の内壁面を押す押圧力によって回転翼63を回転させる動力を作用させる向きに穿孔されている。この場合、上述した揚力・抗力併用型の効果に加え、貫通穴63cを水が通過する際に得られる動力を回転翼63の駆動力として付与することができる。
[0036]
[第4の実施の形態]
 次に、本発明の第4の実施形態を図16~図20に基づき説明する。ここで、図16は、本発明の第4の実施形態に係る水力発電装置51を示す斜視図であり、図17は、水力発電装置51の透視図である。また、図18は、水力発電装置51を平面方向からみた断面図であり、図19は、水力発電装置51を正面方向からみた断面図である。さらに、図20は、水力発電装置51を側面方向からみた断面図である。なお、図16~図20において、図1~図8に示した第1の実施形態の水力発電装置1に設けられていたものと同一の構成要素については、同一の符号を付与しその説明を省略する。
[0037]
 すなわち、この実施形態に係る水力発電装置51は、図16~図20に示すように、第1の実施形態の水力発電装置1が備えていたケーシング部材7、回転翼3などに代えて、ケーシング部材57及び回転翼53を備えて構成される。
[0038]
 複数のタービン翼としての羽根部53aを有する回転翼(タービン翼車)53は、タービンファン形に形成されている。水力発電装置51は、図18及び図19に示すように、一対の回転翼53の回転軸2間を通過する水流により、図中右側に配置される回転翼53が矢印S1方向に回転し、かつ図中左側に配置される回転翼53が矢印S2方向に回転する形状にて、羽根部53aが形成されている。
[0039]
 ここで、タービンファン形の回転翼53を適用する本実施形態の水力発電装置51では、図18及び図19に示すように、ケーシング部材57の水路7cの幅方向において、当該各回転翼の回転軸2よりも縁側に位置する水路内の水の流れを抑制(規制)する水流抑制部57fがケーシング部材57に設けられている。具体的には、水流抑制部57fは、タービンファン形の回転翼53に逆方向の回転が生じないように、個々の回転翼53の半分を覆う壁部(ケーシング部材57の流路7c内において、個々の回転翼53の回転軸2よりも、流路7cの縁側にある羽根部半分を覆う壁部)として構成されている。これにより、回転翼53を好適に回転させることができる。
[0040]
 また、このタービンファン形の回転翼53は、ケーシング部材57の水路7cの水深方向において、その水深方向の中央部における径方向の翼長よりも、水深方向の水面側又は水底側における径方向の翼長が、短くなるように形成されている。
[0041]
 これにより、図19及び図20に示すように、ケーシング部材57内において、流速の遅い水路7cの水面側又は水底側では、羽根部53aの翼長を短くした部位で水流を受けるようにして水の抗力を低減し、一方、流速の早い水路7cの水深方向の中央部では、羽根部53aの翼長の長い部位で水流を受けるようにすることで、効率的に回転翼3を回転させることができる。
[0042]
[第5の実施の形態]
 本実施形態は、上記第4の実施の形態の変形例である。本実施形態では、上述したタービンファン形の回転翼53の代わりにクロスフロー型の回転翼を用いている。図21~図24は、クロスフロー型の回転翼を有する水力発電装置の概略構成を示す図である。なお、類似あるいは同一の構成要素に関しては同一の参照数字を用いている。
[0043]
図21は、本実施形態に係る水力発電装置51を示す斜視図であり、図22は、水力発電装置51の透視図である。また、図23は、水力発電装置51を平面方向からみた断面図であり、図24は、水力発電装置51を正面方向からみた断面図である。
[0044]
本実施形態では、タービンファン形の回転翼53の代わりにクロスフロー型の回転翼54を設けており、一対の回転翼54の回転軸2間を通過する水流により、図中右側に配置される回転翼54が矢印S1方向に回転し、かつ図中左側に配置される回転翼53が矢印S2方向に回転する形状にて、羽根部54aが形成されている。
[0045]
 また、図23及び図24に示すように、ケーシング部材57の水路7cの幅方向において、当該各回転翼の回転軸2よりも縁側に位置する水路内の水の流れを抑制(規制)する水流抑制部57fがケーシング部材57に設けられている。具体的には、水流抑制部57fは、タービンファン形の回転翼54に逆方向の回転が生じないように、個々の回転翼54の半分を覆う壁部(ケーシング部材57の流路7c内において、個々の回転翼54の回転軸2よりも、流路7cの縁側にある羽根部半分を覆う壁部)として構成されている。これにより、回転翼54を好適に回転させることができる。
[0046]
 以上、本発明を各実施の形態により具体的に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。

請求の範囲

[1]
 入水側開口部から排水側開口部へ向かって貫通する貫通穴で形成された水路を有し、流れの生じている水中に水没させて用いるケーシング部材と、
 前記水没させたケーシング部材の水路内にそれぞれ水深方向に起立した姿勢で設けられていると共に、各々の一端部を水面から浮上させた状態でかつ前記水路の幅方向に間隔を空けて対向配置された一対の回転軸と、
 前記各回転軸とそれぞれ一体的に固定されていると共に前記ケーシング部材の水路内に配置された複数の羽根部を有する回転翼と、
 前記各回転軸の前記一端部側に設けられた発電機と、
 前記ケーシング部材の前記入水側開口部に設けられ、その開口端の面積を下流側に向かって徐々に減少させるように形成された水流増速部と、
 を具備することを特徴とする水力発電装置。
[2]
 前記ケーシング部材の前記排水側開口部に設けられ、その上流側から開口端側に向かって開口面積を徐々に増大させるように形成された乱流抑制部をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の水力発電装置。
[3]
 前記ケーシング部材の前記入水側開口部に設けられ、前記ケーシング部材に流入する水量を調節する前方水量調節板を具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の水力発電装置。
[4]
 前記前方水量調節板は、入水側の開口面積を増減できるように前記入水側開口部の接続部において回転自在に設けたことを特徴とする請求項3に記載の水力発電装置。
[5]
 前記ケーシング部材の前記排水側開口部に設けられ、前記ケーシング部材から流出する水の流速を調整する後方調整板を具備することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の水力発電装置。
[6]
 前記羽根部は、ブレード形に形成され、かつ前記ケーシング部材の水路の幅方向において、その幅方向の中央部で上流側からの水流を受ける前記羽根部の断面積よりも、前記幅方向の縁側で上流側からの水流を受ける前記羽根部の断面積が、小さいことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の水力発電装置。
[7]
 前記羽根部は、ブレード形に形成され、かつ前記ケーシング部材の水路の水深方向において、その水深方向の中央部で上流側からの水流を受ける前記羽根部の断面積よりも、前記水深方向の水面側又は水底側で、上流側からの水流を受ける前記羽根部の断面積が、小さいことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の水力発電装置。
[8]
 前記羽根部は、ブレード形に形成され、かつ当該羽根部本体を貫通する貫通穴が穿孔されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の水力発電装置。
[9]
 前記羽根部を有する回転翼は、タービンファン形に形成され、かつ前記ケーシング部材の水路の水深方向において、その水深方向の中央部における径方向の翼長よりも、前記水深方向の水面側又は水底側における径方向の翼長が、短いことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の水力発電装置。
[10]
 前記羽根部を有する回転翼は、タービンファン形に形成され、かつ前記ケーシング部材の水路の幅方向において、当該各回転翼の回転軸よりも縁側に位置する水路内の水の流れを抑制する水流抑制部をさらに具備することを特徴とする請求項1ないし5及び9のうちのいずれか1項に記載の水力発電装置。
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 前記羽根部を有する回転翼は、クロスフロー型に形成されたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の水力発電装置。

図面

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[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

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[ 図 15]

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[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]

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