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1. (WO2008126779) 炭素質ルツボの保護方法および単結晶引き上げ装置
Document

明 細 書

発明の名称 炭素質ルツボの保護方法および単結晶引き上げ装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

発明の開示

発明が解決しようとする課題

0004   0005   0006   0007   0008   0009  

課題を解決するための手段

0010   0011   0012   0013   0014   0015  

発明の効果

0016  

発明を実施するための最良の形態

0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025  

実施例

0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037  

産業上の利用可能性

0038  

図面の簡単な説明

0039   0040  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

炭素質ルツボの保護方法および単結晶引き上げ装置

技術分野

[0001]
 本発明は、炭素質ルツボの保護方法および単結晶引き上げ装置に関し、更に詳しくは、石英ルツボと該石英ルツボが内挿される炭素質ルツボとを有するルツボ装置、特に、単結晶引き上げ用溶融ルツボ装置の炭素質ルツボを保護する方法およびその保護方法を使用した単結晶引き上げ装置に関する。

背景技術

[0002]
 黒鉛ルツボと石英ルツボとを有するルツボ装置は、代表的には単結晶引き上げ溶融ルツボ装置として従来から使用されている。この半導体製造工程における、代表的な単結晶引き上げ装置として、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」という。)による単結晶引き上げ装置(以下、「CZ装置」という。)がある。このCZ法による単結晶引き上げ装置においては、黒鉛ルツボと石英ルツボとが直接接触しているため、石英ルツボと接触する黒鉛ルツボの接触面が、石英ルツボと黒鉛ルツボとの反応により、またSiより発生するSiOガス等との反応により、炭化ケイ素(以下、SiC)化し、黒鉛との熱膨張係数の違いにより割れ等の欠陥が発生する。そこで、かかる問題点を解決するため、従来から石英ルツボと黒鉛ルツボとの間に膨張黒鉛材料からなる保護シート(以下、膨張黒鉛シートと略記する場合もある。)を介在させ、黒鉛ルツボの内面を覆うことにより黒鉛ルツボの破損を防止して寿命を長く保たせることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
[0003]
特許文献1 : 特許第2528285号公報

発明の開示

発明が解決しようとする課題

[0004]
 しかしながら、上記従来の保護シートとして使用される膨張黒鉛シートは、1枚物であることから、ルツボの内面に敷設する際に、以下の問題が生じていた。
[0005]
(1)1枚物の膨張黒鉛シートを黒鉛ルツボの内面は曲面形状であるため、1枚の膨張黒鉛シートを用いて黒鉛ルツボ内面を隙間なく覆うことは困難であった。
[0006]
(2)膨張黒鉛シートは、綿状の膨張黒鉛を圧縮したものであって、強度的に弱いという性質がある。そのため、1枚物の膨張黒鉛シートをルツボの内面に沿わせようとすると、破れたり、折れ曲がってしまうことがある。一方、このような1枚物の膨張黒鉛シートを破損なく黒鉛ルツボの内面を覆うようにすると、作業時間が長く要することになっていた。
[0007]
(3)更に、近年のルツボの大型化に伴い、1枚の黒鉛シートのサイズも大きくなり、そのため、膨張黒鉛シートの破損、作業性が悪く作業時間が長くかかる等の問題も、一層顕著になってきている。
[0008]
 尚、特許文献1には一枚の膨張黒鉛シートの下面に切れ目を入れるものが開示されているが(特許文献1の第6図、第7図参照)、あくまでも1枚物の保護シートであることに変わりはなく、上記(1)~(3)と同様の問題が生じる。
[0009]
 本発明は、上記の実情を鑑みて考え出されたものであり、その目的は、作業時間が格段に低減し、しかも、シートを破損することなくルツボの内面に隙間なく覆うことが可能であると共に、ルツボの大型化にも適した炭素質ルツボの保護方法およびその方法を使用した単結晶引き上げ装置を提供することである。

課題を解決するための手段

[0010]
 上記目的を達成するため本発明は、石英ルツボと該石英ルツボが載置される炭素質ルツボとの間に、膨張黒鉛材料からなる保護シートを介在させて炭素質ルツボを保護する方法であって、前記保護シートが、前記ルツボ間の敷設において一体に組み合わさるような形状とした2以上からなる保護シート片を炭素質ルツボの内面に敷設する炭素質ルツボの保護方法を要旨とする。
[0011]
 ここで、用語「炭素質ルツボ」とは、黒鉛材料からなる黒鉛ルツボと、炭素繊維強化炭素複合材(所謂C/C材)からなるルツボ(以下、C/Cルツボと称する)の両者を含むルツボであって、それら黒鉛ルツボやC/Cルツボに熱分解炭素等の被覆や含浸が施されていてもよいことはいうまでもない。
 上記の如く、保護シートが、前記ルツボ間の敷設において一体に組み合わさるような形状とした2以上からなる保護シート片を炭素質ルツボの内面に敷設することにより、一枚の保護シート自体を炭素質ルツボの内面に敷設するのに比べて、格段に作業性が向上し、作業時間を大幅に低減することができる。特に、大型ルツボの場合に、一枚の保護シートを使用すると、かなりの大きさとなり、取り扱いが困難となり、しかも、破損しないよう炭素質ルツボの内面に沿って敷設するために、敷設作業に長時間を要する。これに対して、複数に分割した保護シート片を使用すると、取り扱いが容易であり、作業時間を短縮化できる。加えて、曲面形状のルツボ内面に沿って敷設することが容易な寸法及び形状に裁断分割化すれば、形状追従性が良好となり、ルツボ内面を隙間なく覆うことが可能となる。更に、複数に分割することにより、シートの運搬時に適当な数に区分けして運搬することができ、一枚物のシートを運搬する場合に比べて運搬が容易となる。
[0012]
 本発明において、保護シート片は、炭素質ルツボの内面に敷設された状態において隣接する保護シート片同士を固定する固定手段を備えているのが好ましい。
 膨張黒鉛シートは自己潤滑性が高く、そのため、炭素質ルツボの内面に保護シート片を敷設しても、滑りが生じ位置ずれが生じる場合がある。そこで、保護シート片が、隣接する保護シート片同士を固定する固定手段を備えていれば、位置ずれを生じにくくすることができるので、ルツボ内面のSiC化しやすい箇所を確実に覆うことができる。
[0013]
 本発明は、前記炭素質ルツボの内面において、隣接する保護シート片同士は、略隙間なく且つ重なり代がなく敷設されている。
 上記の如く、隣接する保護シート片同士が略隙間なく敷設されることにより、炭素質ルツボ内面のSiC化しやすい箇所を完全に覆うことができるので、炭素質ルツボ内面のSiC化の抑制を向上できる。また、隣接する保護シート片同士が重なり代が少なく敷設されることにより、炭素質ルツボ全体の温度分布を均一にすることができ、炭素質ルツボの割れを防止できる。なぜなら、隣接する保護シート片同士が重なって敷設されると、その部分で温度ムラが生じるので、炭素質ルツボ全体が均一な温度分布にならず、これに起因して炭素質ルツボが熱膨張する際に割れの原因となるからである。
[0014]
 本発明は、炭素質ルツボは、黒鉛材料からなり且つ、複数に分割されたルツボ部分を各々突合せてルツボとしたものであり、保護シート片が少なくとも前記突合せ部を覆うように炭素質ルツボの内面に敷設されている場合もある。
 炭素質ルツボが黒鉛ルツボの場合、複数に分割されたルツボ部分を各々突合せてルツボとしている。そのため、これら突き合わせ部分(所謂分割面)からSiOガスが通過するため、これら突き合わせ部分が選択的にSiC化することが知られている。そこで、短冊状に複数に分割化し、この分割化された保護シート片を突き合わせ部分に沿って敷設することにより、黒鉛ルツボの破損を防止して寿命を長く保たせることができる。
[0015]

 本発明は、炭素質ルツボが炭素繊維強化炭素複合材からなるルツボ(以下、C/Cルツボと称する)の場合は、保護シート片が炭素質ルツボの内面のうち、少なくともSiC化しやすい部分、すなわち、ルツボの底部から直胴部にかけての曲面部分、または炭素質ルツボ全部を覆うように敷設されるのが好ましい。
 C/Cルツボの場合は、ルツボ内面の全部からSiOガスが通過するため、保護シート片を炭素質ルツボの内面の全部を覆うように敷設することにより、C/Cルツボの破損を防止して寿命を長く保たせることができる。
 さらに、本発明においては上記炭素質ルツボの保護方法を用いた単結晶引き上げ装置を要旨とする。この方法をシリコン単結晶等の引き上げ装置に適用することによって、均一な加熱をすることができ、結晶欠陥の少ないシリコン単結晶を製造することができる。

発明の効果

[0016]
 本発明によれば、保護シートが、前記ルツボ間の敷設において一体に組み合わさるような形状とした2以上からなる保護シート片を炭素質ルツボの内面に敷設することにより一枚の保護シート自体を炭素質ルツボの内面に敷設するのに比べて、格段に作業性が向上し、作業時間を大幅に低減することができる。特に、大型ルツボの場合に、一枚の保護シートを使用すると、かなりの大きさとなり、取り扱いが困難となり、しかも、破損しないよう炭素質ルツボの内面に沿って敷設するために、敷設作業に長時間を要する。これに対して、複数に分割した保護シート片を使用すると、取り扱いが容易であり、作業時間を短縮化できる。加えて、曲面形状のルツボ内面に沿って敷設することが容易な寸法及び形状に裁断分割化すれば、形状追従性が良好となり、ルツボ内面を隙間なく覆うことが可能となる。更に、複数に分割することにより、シートの運搬時に適当な数に区分けして運搬することができ、一枚物のシートを運搬する場合に比べて運搬が容易となる。

発明を実施するための最良の形態

[0017]
 以下、本発明を実施の形態に基づいて詳述する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
 本発明は図1に示す単結晶引き上げ装置におけるルツボ概略構成を先ず説明し、次いで本発明に係る保護シートを用いた炭素質ルツボの内面を保護する方法について説明する。
[0018]
 (単結晶引き上げ装置の構成)
 図1は単結晶引き上げ装置の要部断面図、図2はルツボの拡大断面図である。
 図1に示すように、CZ装置は、石英ルツボ1を支持する炭素質ルツボ2、ヒーター3、アッパーリング4、インナーシールド5等によって構成されている。このように、CZ装置では、石英ルツボ1の周囲に配置されたヒーター3で石英ルツボ1内の原料を高温に加熱して原料融液6とし、この原料融液6を引き上げながら単結晶7を得る。
[0019]
 図1に示すように、炭素質ルツボ2は、石英ルツボ1と直接接触している。そのため、炭素質ルツボ2の石英ルツボ1との接触面は、石英ルツボと炭素質ルツボとの反応により、また、Siより発生するSiOガス等との反応により、炭化ケイ素(以下、SiC)化し、黒鉛との熱膨張係数の違いにより割れ等の欠陥が発生する。そこで、上記問題点を解決するため、図2に示すように、石英ルツボ1と炭素質ルツボ2との間に本発明に係る膨張黒鉛材料からなる保護シート10が介在されている。この本発明に係る保護シート10は、複数に分割化された保護シート片で構成されている。換言すれば、1枚の膨張黒鉛材料からなる保護シートを予め複数に分割化し、この分割された保護シート片が炭素質ルツボ2の内面に隙間なく敷設されたものである。
[0020]
 (保護シート片の敷設の態様)
 炭素質ルツボ2には、黒鉛材からなる黒鉛ルツボと、炭素繊維強化炭素複合材(C/C材)で形成されているルツボ(以下、C/C材ルツボと称する。)とがある。黒鉛ルツボ

の場合は、持ち運び等の利便性から、例えば2分割や3分割に分割されたルツボ部分を各々突合せてルツボとしている。そのため、これら突き合わせ部分(所謂分割面)からSiOガスが通過するため、これら突き合わせ部分が選択的にSiC化することが知られている。そこで、図3に示すように、短冊状に形成した1枚の保護シートを予め複数に分割化し、この分割化された保護シート片10Aをそれぞれ突き合わせ部分11に沿って敷設する。図3では2分割した例が示されているが、3分割、4分割等に分割してもよい。また、等分割に限らず、大小含めたサイズに分割してもよい。
[0021]
 C/C材ルツボの場合は、ルツボの内面の全部に沿って敷設するのが好ましい。そこで、図4に示すように、1枚の保護シートを、上部が短冊状で下部が球面状の底部に沿う曲面状となるように分割化し、この分割化された保護シート片10BをそれぞれC/C材ルツボの内面の全部に沿って敷設する。尚、分割の態様としては、これに限定されるものではなく、例えば、球面状の底部と、内周部とに分割すると共に、更に内周部を複数に分割するようにしてもよい。
[0022]
 上記のように1枚の膨張黒鉛材料からなる保護シートを予め所定形状及び寸法に裁断分割化しておき、この分割化された保護シート片をそれぞれ炭素質ルツボの内面に敷設することにより、曲面形状のルツボ内面に沿い易くなるので、黒鉛ルツボの場合はSiC化しやすい突き合わせ部分を隙間なく覆うことができ、また、C/C材ルツボの場合はルツボ内面の全部を隙間なく覆うことができる。この結果、炭素質ルツボ5の内面のSiC化の抑制が向上する。
[0023]
 また、このように分割化された保護シート片を用いることにより、1枚物の保護シートを用いる場合に比べて、取り扱いが容易で、作業性も向上する。従って、ルツボが大型化しても、シートを破損することなく、しかも作業時間もそれ程かからずにルツボ内面に敷設できる。
[0024]
 また、膨張黒鉛シートは自己潤滑性が高く、そのため、炭素質ルツボの内面に保護シート片を敷設しても、滑りが生じ位置ずれが生じる場合がある。特に、炭素質ルツボ内面に保護シート片を敷設した後、石英ルツボを内挿する際、炭素質ルツボと石英ルツボとの間隔が極めて小さいため、石英ルツボが敷設済みの保護シート片に接触して位置ずれが生じる恐れもある。そこで、一旦所定位置に敷設された保護シート片に位置ずれが生じないように、保護シート片は、隣接する保護シート片同士が固定されるような固定手段を備えるようにしてもよい。固定手段としては、例えば、隣接する保護シート片のうちの一方の保護シート片の端部に凸部を設け、他方の保護シート片の端部に前記凸部に嵌合する凹部を設け、凸部を凹部に差し込むようにして敷設する構成が例示される。また、他の方法としては、一方の保護シート片の端部に切れ目を入れておき、この切れ目に他方の保護シート片の端部を差し込むような構成であってもよい。勿論、その他の固定方法であってもよく、要は隣接する保護シート片同士が固定できる方法であれば、如何なるものであってもよい。
[0025]
 (保護シート片の製造方法)
 上記保護シート片は、以下の方法で作製される。1枚物の膨張黒鉛シートは膨張化黒鉛から製造されたシート状の材料であり、その代表例について説明すると以下の通りである。先ず、天然又は合成燐片状黒鉛やキッシュ黒鉛等を酸化剤で処理して、黒鉛粒子に層間化合物を形成せしめ、次いでこれを高温に加熱好ましくは急激に高温にさらして急膨張せしめる。この処理により黒鉛粒子の層間化合物のガス圧により、層平面直角方向に黒鉛粒子は拡大され通常100~250倍程度に体積が急膨張するものである。この際使用される酸化剤としては層間化合物を形成せしめ得るものが使用され、例えば硫酸と硝酸との混酸、硫酸に硝酸ナトリウムや過マンガン酸カリ等の酸化剤を混合したものが例示できる。

 次いで、不純物を灰分50ppm以下、好ましくは30ppm以下に除去した後、この膨張化黒鉛を適宜な手段、例えば圧縮又はロール成形によってシート状に施して、膨張黒鉛シートを作製する。
 次いで、上記方法で製造された膨張黒鉛シートを、上記敷設態様に応じて所定寸法及び形状に裁断分割化して保護シート片を作製する。

実施例

[0026]
 以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
[0027]
 (実施例1)
 上記実施の形態と同様の黒鉛ルツボ(2分割された黒鉛ルツボ)であって、大きさが22インチであるものに、上記実施の形態と同様の方法で作製した2分割化された保護シート片(以下、本発明シート片A1と称する)を黒鉛ルツボの突合せ部に沿って敷設して、CZ装置の実機試験を50回行った。そのときの、保護シート片を黒鉛ルツボに敷設する時間(作業時間)、保護シート片が破損して使用不可となった割合(不良率)、及び、黒鉛ルツボの耐久性を測定したので、その結果を表1に示す。
[0028]
[表1]


[0029]
 (実施例2)
 黒鉛ルツボの大きさが40インチであること、及び、それに対応したサイズの2分割化された保護シート片(以下、本発明シート片A2と称する)を用いたことの他は、実施例1と同様の条件で実機試験を行い、作業時間、不良率及び耐久性を測定したので、その結果を表1に示す。
[0030]
 (比較例1)
 2分割されていない1枚物の短冊状の保護シート(以下、比較シートZ1と称する)を用いたことを除いて、実施例1と同様の条件で実機試験を行い、作業時間、不良率及び耐久性を測定したので、その結果を表1に示す。
[0031]
 (比較例2)
 黒鉛ルツボの大きさが40インチであること、及び、それに対応したサイズの1枚物の短冊状の保護シート(以下、比較シートZ2と称する)を用いたことの他は、実施例1と同様の条件で実機試験を行い、作業時間、不良率及び耐久性を測定したので、その結果を表1に示す。
[0032]
 (実施例3)
 上記実施の形態と同様のC/Cルツボであって、大きさが22インチであるものに、上記実施の形態と同様に分割化された保護シート片(以下、本発明シート片B1と称する)をC/Cルツボ内面を全部覆うように敷設して、CZ装置の実機試験を50回行った。そ

のときの、保護シート片をC/Cルツボに敷設する時間(作業時間)、保護シート片が破損して使用不可となった割合(不良率)、及び、C/Cルツボの耐久性を測定したので、その結果を表2に示す。
[0033]
[表2]


[0034]
 (実施例4)
 C/Cルツボの大きさが40インチであること、及び、それに対応したサイズの分割化された保護シート片(以下、本発明シート片B2と称する)を用いたことの他は、実施例3と同様の条件で実機試験を行い、作業時間、不良率及び耐久性を測定したので、その結果を表2に示す。
[0035]
 (比較例3)
 2分割されていない1枚物の保護シート(以下、比較シートY1と称する)を用いたことの他は、実施例3と同様の条件で実機試験を行い、作業時間、不良率及び耐久性を測定したので、その結果を表2に示す。
[0036]
 (比較例4)
 C/Cルツボの大きさが40インチであること、及び、それに対応したサイズの1枚物の保護シート(以下、比較シートY2と称する)を用いたことの他は、実施例3と同様の条件で実機試験を行い、作業時間、不良率及び耐久性を測定したので、その結果を表1に示す。
[0037]
(試験結果の検討)
 表1及び表2より明らかなように、耐久性については、総合的に判断すると、本発明シート片A1,A2,B1,B2が比較シートZ1,Z2,Y1,Y2より良好であることが分かる。作業時間及び不良率については、本発明シート片A1,A2,B1,B2が比較シートZ1,Z2,Y1,Y2より格段に良好であることが分かる。
 特に、22インチのルツボと40インチのルツボの不良率を比較すると、比較シートZ1,Z2,Y1,Y2の場合、ルツボサイズが大きくなると不良率が格段に大きくなることが認められる。これに対して、本発明シート片A1,A2,B1,B2の場合、ルツボサイズが大きくなっても、不良率が0%のままであることが認められる。このことから、本発明シート片を用いる保護方法は、ルツボの大型化に適していると考えられる。

産業上の利用可能性

[0038]
 本発明は、CZ法による単結晶引き上げ用ルツボ装置における炭素質ルツボを保護する方法に適している。

図面の簡単な説明

[0039]
[図1] 単結晶引き上げ装置の要部断面図。
[図2] ルツボの拡大断面図。
[図3] 保護シート片の敷設態様を示す図。
[図4] 保護シート片の他の敷設態様を示す図。

符号の説明

[0040]
   1:石英ルツボ            2:炭素質ルツボ
   3:ヒーター             4:アッパーリング
   5:インナーシールド         6:原料融液
   7:単結晶        10A,10B:保護シート片
  11:突き合わせ部分

請求の範囲

[1]
 石英ルツボと該石英ルツボが載置される炭素質ルツボとの間に、膨張黒鉛材料からなる保護シートを介在させて炭素質ルツボを保護する方法であって、
 前記保護シートが、前記ルツボ間の敷設において一体に組み合わさるような形状とした2以上からなる保護シート片を炭素質ルツボの内面に敷設する炭素質ルツボの保護方法。
[2]
 前記保護シート片は、炭素質ルツボの内面に敷設された状態において隣接する保護シート片同士を固定する固定手段を備えている請求項1記載の炭素質ルツボの保護方法。
[3]
 前記炭素質ルツボの内面において、隣接する保護シート片同士は、略隙間なく且つ重なり代がなく敷設されている請求項1記載の炭素質ルツボの保護方法。
[4]
 前記炭素質ルツボは黒鉛材料からなり且つ複数に分割されたルツボ部分を各々突合せてルツボとしたものであり、前記保護シート片が少なくとも前記突合せ部を覆うように炭素質ルツボの内面に敷設されている請求項1乃至3のいずれかに記載の炭素質ルツボの保護方法。
[5]
 前記炭素質ルツボは炭素繊維強化炭素複合材からなるものであり、前記保護シート片が炭素質ルツボの内面の全部を覆うように敷設されている請求項1乃至4のいずれかに記載の炭素質ルツボの保護方法。
[6]
 請求項1乃至5のいずれかに記載の炭素質ルツボの保護方法を使用した単結晶引き上げ装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]