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1. (WO2008126428) 空調システム制御装置
Document

明 細 書

発明の名称 空調システム制御装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007  

発明の開示

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014  

図面の簡単な説明

0015  

発明を実施するための最良の形態

0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054  

産業上の利用可能性

0055  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2  

明 細 書

空調システム制御装置

技術分野

[0001]
 本発明は、例えばビル、病院などの冷暖房を行う空調システムを制御する空調システム制御装置に関する。

背景技術

[0002]
 近年、ビルなどの空調システムを構成する各種の空調機器の省エネ化の要求が高まっており、その要求を満たすために空調機器の動力を低減化する空調システムの制御装置が数多く提案されている。
[0003]
 従来、多くの空調システム制御装置は、空調負荷に応じて空調システムの運転状態を変える方法がとられており、次のような幾つかの制御方法が提案されている。
[0004]
(1)予め複数の運転モードが設定され、空調負荷に応じて最適な空調機器の運転モードを選択し、この選択された運転モードに従って空調システムを運転する方法である(例えば、特許文献1を参照)。
[0005]
(2)空調負荷に応じて熱源機に付属する圧縮機の回転数を制御する方法である(例えば、特許文献2を参照)。
[0006]
(3)空調負荷に応じて冷凍機の運転台数を変更する方法である(例えば、特許文献3を参照)。
[0007]
(4)空調システムを構成する熱源機、送水ポンプ、送風ファン等の空調機器における所要動力の合計が最小になるように、空調コイルのコイル温度目標値と熱源機の冷水温度目標値を求めた後、コイル温度及び冷水温度がコイル温度目標値及び冷水温度目標値になるように送水ポンプ、送風ファン等を制御する方法である(例えば、特許文献4を参照)。
特許文献1 : 特開2004-271095号公報
特許文献2 : 特開2006-125797号公報
特許文献3 : 特開2005-233557号公報
特許文献4 : 特開2004-069134号公報

発明の開示

[0008]
 以上のような特許文献1~3に示す先行技術の制御方法は、空調負荷に応じて省エネ化の実現可能な特定の空調機器又は運転状態等に着目し制御するものであって、空調システムを構成する全空調機器の最適化を実現するものでない。従って、これら先行技術は、熱力学的に実現可能な最大の省エネ効果を追求したものでなく、部分的な省エネ化を実現する制御方法であると言える。
[0009]
 一方、前述の特許文献4に示す先行技術の制御方法は、空調システムの全空調機器の最適化を試みたものであるが、空調負荷の状態が考慮されず、かつ、1つの熱源機により複数の空調対象空間の空調を効率よく行う構成になっていない等から、基本的な課題を含んでおり、効率的に省エネ化を実現するための最適制御に至っていない。
[0010]
 そこで、本発明の目的は、少なくとも総空調負荷を入力変数とし、空調システムを構成する空調機器の総所要動力を最小とするような空調システムの運転状態を決定し、この決定された目標値に従って各空調機器を制御し、複数の空調対象空間の空調を効率的に行うとともに、省エネ化を実現する空調システム制御装置を提供することにある。
[0011]
 本発明の観点に従った空調システム制御装置は、少なくとも1つの空調対象空間と、冷却水を生成するための冷却塔と、この冷却塔で生成された冷却水を受け取り、所定温度の冷水を生成する冷凍サイクル動作を行う圧縮機を有する熱源機と、前記空調対象空間毎に設置され、前記熱源機で生成された冷水と少なくとも前記空調対象空間内の空気との間の熱交換により、前記空調対象空間を冷房する空気を生成する冷水コイルと、前記冷却塔で生成された冷却水を前記熱源機に供給循環させる冷却水ポンプと、前記熱源機で生成された冷水を前記冷水コイルに供給循環させる冷水ポンプと、各冷水コイルで生成された空気を対応する空調対象空間内に送り込む送風ファンと、熱交換させる空気を冷却塔に供給循環させる冷却塔ファンとを備えた空調システムを制御する空調システム制御装置であって、前記空調システムの熱源気の運転に関わる空調機器を制御する中央制御部と前記空調対象空間の空調を制御するローカル制御部とを有し、
 前記中央制御部は、前記熱源機の入出力状態データを計測する熱源機計測系と、前記空調対象空間の空調条件データを設定する空調条件設定部と、外気条件データを計測する外気計測系と、前記熱源機の冷水流入温度と冷水流出温度と当該熱源機の冷水流量とに基づき、前記熱源機内部の冷媒と前記冷水コイルから流入する冷水との間の単位時間当たりの交換熱量である総空調負荷を求める総空調負荷演算手段と、前記総空調負荷演算手段で求めた総空調負荷と前記空調条件設定部に設定される空調条件データと前記外気計測系で計測される外気条件データとを入力変数とし、前記空調システムの所定空調機器を最適制御するための状態量を推定する最適運転状態推定手段と、前記熱源機計測系で計測される状態データが前記最適運転状態推定手段で推定された状態量に一致するように、前記冷却塔ファンと前記冷却水ポンプと前記冷水ポンプと前記圧縮機の回転数を制御する熱源機制御手段とを備えた構成である。
[0012]
 なお、最適運転状態推定手段としては、前記総空調負荷演算手段で求められた総空調負荷と前記空調対象空間空調条件データと前記外気条件データとを前記入力変数とし、前記空調システムの空調機器である前記冷却塔ファンと前記冷却水ポンプと前記冷水ポンプと前記圧縮機との所要電力合計が最小になるような熱源機流入冷却水の温度及び流量と熱源機送出冷水の温度及び流量等の状態量(目標値)を推定する構成である。
[0013]
 また、前記ローカル制御部としては、前記空調対象空間毎の対象空間計測系に計測される空調対象空間内空気温度と空調対象空間給気温度または空調対象空間湿度または湿球温度が前記空調条件設定部に設定される空調対象空間空気温度と空調対象空間給気温度または空調対象空間湿度または湿球温度に一致するように、前記空調対象空間毎に冷房する空気を送り込む送風ファンの回転数または空気の風量を定める弁の開度と前記冷水コイルに流入する冷水流量または流量配分を定める調整弁を制御する構成である。
[0014]
 本発明の第2の観点に従った空調システム制御装置は、前述する中央制御部と前述するローカル制御部とを備え、前記中央制御部は、暫定的な前記総空調負荷を求めた後、前記空調システムの空調機器を制御した後、前記ローカル制御部は、前記空調対象空間毎の対象空間内計測系に計測される物理量が前記空調条件設定部で設定される物理量に近づけるように制御し、前記中央制御部は、前記ローカル制御部の制御後、より真に近い前記総空調負荷を求めていくことにより、前記中央制御部と前記ローカル制御部とが相互に協調・連携を取りつつ前記空調システムの空調機器を制御する構成である。

図面の簡単な説明

[0015]
[図1] 図1は、本発明の実施形態に係る空調システムの典型的な構成図である。
[図2] 図2は、本実施形態に係る空調システム制御装置の構成図。

発明を実施するための最良の形態

[0016]
 以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
[0017]
 先ず、本実施形態を説明するに先立ち、理想的な空調システムの省エネ運転を実現しようとした場合、一般に、熱量を輸送する冷水や空気などの作動流体のエンタルピバランスや空気に含まれる水蒸気質量のバランスなどを制約条件とし、空調システムを構成する全空調機器の総所要動力が最小になるような最適な作動流体の温度や流量などの状態量を推定し、実際に計測した値が推定された状態量に一致するように空調システムを構成する空調機器の動作を制御する必要がある。
[0018]
 そこで、複数の空調対象空間(各部屋)の空調を想定した上で、少なくとも空調対象空間の空調を行うために用いる冷水と、この冷水を生成する熱源機との間の交換熱量を算出することにより、暫定的に空調システムの総空調負荷を推定し、この推定された総空調負荷に従って空調システムの空気状態(温度,湿度など)が所望の空気状態に到達したときに真の総空調負荷に相当することを前提とする。そして、空調システムの空気状態(温度,湿度など)が所望の空気状態に到達したとき、少なくとも熱源機と冷水コイルとの間の熱交換熱量から得られる空調システムの真の総空調負荷を入力変数とし、空調システムの全空調機器の総所要動力が最小になる熱源機最適運転状態を推定し、この推定された状態量に基づいて空調システムの全空調機器を制御すれば、複数の空調対象空間の空調を効率的に運転でき、理想的な省エネ化を実現できるものと考えられる。
[0019]
 以上のような考えに基づいて、本実施形態に係る空調システム制御装置を実現したものである。
[0020]
(空調システムの構成)
 図1は制御対象とする空調システムの典型的な構成を示す図である。
[0021]
 従来の典型的な空調システムの構成は、冷却塔1と、熱源機(冷凍機)2と、複数の空調対象空間(部屋)3a,3b,…毎に設置される冷水コイル4a,4b,…とで構成される。なお、空調システムとしては、複数の空調対象空間3a,3b,…を空調制御するものであるが、ここでは、簡略化するために例えば2つの空調対象空間3a,3bだけを図示し説明する。なお、空調対象空間とは、構造物で仕切られた空調の対象となる空間一般を指すものであり、例えば居室がそれに相当する。
[0022]
 冷却塔1は、熱源機2の発生する熱を大気中に放散するための装置であるが、一般的には冷却塔ファン5を駆動し、冷房負荷熱である空気と水との熱交換によって一定温度の冷却水を製造するように制御される。この冷却塔1からの冷却水は冷却水ポンプ6により熱源機2に供給される。冷却水ポンプ6は、図示されていないが、図2に示す本実施形態の空調システム制御装置によりインバータを介して制御される。
[0023]
 熱源機2は、冷却塔1から供給される冷却水との熱交換を行うことにより、所定温度の冷房用冷水を製造する機能を有し、凝縮器2a-蒸発器2b-圧縮機2cからなる循環経路が形成され、冷凍サイクル動作を行う。
[0024]
 すなわち、熱源機2は、内部的には,凝縮器2aにて冷却水ポンプ6の駆動により冷却塔1から供給される冷却水と冷媒2dとの熱交換を行った後、その冷媒2dが蒸発器2bに送られ、ここで、冷媒2dと冷水コイル4a,4bから流入する冷水との熱交換により所定温度の冷水を生成する。
[0025]
 熱源機2における蒸発器2bの冷水の流入・送出側が複数に分岐され、これら分岐ライン7a,7bにはそれぞれ流量調整弁8a,8bを介して冷水コイル4a,4bが接続される。
[0026]
 冷水コイル4a,4bには、冷水ポンプ9の駆動により、熱源機2で冷却された冷水が各分岐ライン7a,7bに通して供給される。冷水コイル4a,4bは、各分岐ライン7a,7bから供給される冷水と対応する空調対象空間3a,3bから供給される混合空気(空間からの空気の一部と外気との混合)との熱交換によって当該混合空気を冷やした後、この冷風を各送風ファン10a,10bを介して空調対象空間3a,3bに戻すことにより、各空調対象空間3a,3bを冷房する。
[0027]
 空調対象空間3a,3bについても、前述と同様の処理ルーチンに従って混合空気を所定温度の温風とした後、空調対象空間3a,3bに戻すことにより、各空調対象空間3a,3bを暖房することも可能である。
[0028]
(空調システム制御装置の構成)
 図2は、本実施形態に関する空調システムの空調機器を運転制御する空調システム制御装置の構成を示す図である。
[0029]
 空調システム制御装置は、空調システムを運転制御するに当たり、空調システムの所要箇所の物理量を計測する必要がある。すなわち、熱源機2の冷水流入・送出ラインには、冷水入口温度センサ11、冷水出口温度センサ12、冷水流量センサ13が設置され、また、熱源機2の冷却水送出・流入ラインには、冷却水出口温度センサ14、冷却水入口温度センサ15及び冷却水流量センサ16が設置されている。これらセンサ11~16は熱源機計測系Aを構成する。
[0030]
 また、空調システムを構成する空調対象空間3a,3bの周囲近傍には外気温度センサ17及び外気湿度センサ18が設置され、外気計測系Bを構成する。
[0031]
 さらに、空調対象空間3a,3b内には空調対象空間3a,3b毎に対象空間温度センサ19a,19b、対象空間湿度センサ20a,20bが設置されている。また、冷水コイル4a,4bの冷風の供給ラインには対象空間給気温度センサ21a,21bが設置され、対象空間内計測系Ca,Cbを構成する。
[0032]
 空調システム制御装置の本体部分は、大きく分けて、中央制御部30と、ローカル制御部40とで構成され、さらに、空調対象空間空調条件設定部42が設けられている。なお、空調対象空間空調条件設定部42としては、予め空調対象空間空気温度、空調対象空間給気温度または空調対象空間湿度、外気取込風量が設定される。
[0033]
 前記中央制御部30は、熱源機2の交換熱量などに基づき、空調システムの総空調負荷を算出する総空調負荷算出部31と、総空調負荷算出部31で算出される総空調負荷と空調対象空間空調条件設定部42に設定される空調条件データと外気計測系Bで計測される外気条件データを入力変数とし、空調システムを構成する空調機器の総所要動力を最小とするような空調システムの最適運転状態を推定する最適運転状態推定部32と、この推定部32で推定された最適運転状態量と冷却水に関する状態量とから空調システムの空調機器である例えば冷却塔ファン5、冷却水ポンプ6、冷水ポンプ9及び圧縮機2cを制御する熱源機制御部33とで構成される。
[0034]
 ローカル制御部40としては空調対象空間3a,3bに対応する空調対象空間空調制御部41a,41bが設けられている。各空調対象空間空調制御部41a,41bは、冷水コイル4a,4bに流入する冷水流量または冷水の流量配分を定める流量調整弁8a,8bの開度及び空調対象空間3a,3b毎に冷房する空気を送り込む送風ファン10a,10bを制御空調対象空間3a,3bの空調に関係する冷水流量調整弁8a,8b及び送風ファン10a,10bの回転数または空気の風量を制御する機能を持っている。
[0035]
 なお、空調対象空間空調制御部41a,41b,…は、簡略化のために2つの空調対象空間3a,3bに対応させて2つの空調対象空間空調制御部41a,41bだけ図示しているが、これに限るものではなく、空調対象空間の数に応じて随時増加させ得るものである。
[0036]
(空調システム制御装置の動作)
 次に、本実施形態に関する空調システム制御装置の動作について説明する。
[0037]
 中央制御部30を構成する総空調負荷演算部31は、熱源機計測系Aである冷水入口温度センサ11の冷水流入温度と、冷水送出温度センサ12の冷水送出温度と、蒸発器冷水送出側の冷水流量センサ13の冷水流量とを取り込み、蒸発器2bの冷水流入温度と冷水送出温度とから冷水の蒸発器2bの入出力エンタルピ差を算出する。
[0038]
 総空調負荷演算部31は、算出された冷水の蒸発器入出力エンタルピ差と冷水流量とを用い、「(蒸発器出入口エンタルピ差)×(冷水流量)」の演算式に基づき、熱源機2内の蒸発器2bにおける冷媒2dと冷水との交換熱量を算出し、この算出された交換熱量を総空調負荷と推定し、最適運転状態推定部32に送出する。
[0039]
 但し、この段階における総空調負荷推定値は、空調対象空間3a,3bの空気状態(例えば温度、湿度等)が所望の空気状態となっていないので、暫定的な空調システムの総空調負荷となる。なぜならば、各空調対象空間空調制御部41a,41bが各空調対象空間3a,3bの空調に関連する空調機器8a,8b、10a,10bを制御するが、未だ各空調対象空間3a,3bの空気状態が所望の空気状態となっていない為である。
[0040]
 空調対象空間空調制御部41a,41bが空調機器8a,8b、10a,10bを制御し、各空調対象空間3a,3bの空気状態が所望の空気状態に近づくに従い、真の交換熱量,ひいては真の総空調負荷に近づく。その結果、中央制御部30とローカル制御部40が協調及び連携をとりつつ、制御を繰り返すことにより、中央制御部30が真の総空調負荷のもとに最適な運転状態に決定することが可能となる。
[0041]
 最適運転状態推定部32は、総空調負荷演算部31から総空調負荷を受け取ると、空調対象空間空調条件設定部42に設定される空調条件データである空調対象空間温度、空調対象空間給気温度または空調対象空間湿度及び外気取込設定風量と、外気計測系Bで計測される外気条件データである外気温度センサ(湿球温度センサ等)17で計測される外気湿球温度とを取り込み、これら総空調負荷、空調条件データ及び外気条件データを入力変数とし、前記空調システムの空調機器5,6,9,2cを最適制御するための熱源機送出冷水温度及びその流量と熱源機流入冷水温度及びその流量を算出し、熱源機制御部33に送出する。
[0042]
 ここで、最適運転状態とは、空調対象空間空調条件設定部42の空調対象空間空気温度、空調対象空間給気温度または空調対象空間湿度及び外気取込風量と、外気計測系Bの外気温度センサ17及び外気湿度センサ18で計測される外気温度及び外気湿度または外気湿球温度とに対して、図1に示す冷却塔ファン5、冷却水ポンプ6、冷水ポンプ9、圧縮機2c、送風ファン10a,10b等の所要動力合計値を最小にする空調システム内作動流体の物理量を意味するものであって、この物理量としては熱源機流入冷水温度及びその流量、熱源機送出冷水温度及びその流量の各値である。なお、前述する外気湿球温度の代わりに、外気乾球温度と外気湿度との両方を用いて、物理量の最適値を算出してもよい。
[0043]
 すなわち、最適運転状態推定部32としては、総空調負荷、空調対象空間空調条件設定部42の空調条件データ、外気計測系Bの各種外気条件データを入力変数とし、数理計画法などを用いて、前述した冷却塔ファン5、冷却水ポンプ6、冷水ポンプ9、圧縮機2c、送風ファン10a,10bの所要動力合計値を最小にするよう求められた前記作動流体物理量の最適値を、当該各変数で表された関数として求めておき、予め組み込む計算プログラムに従って推定する方法でもよい。
[0044]
 そして、最適運転状態推定部32は、前記作動流体の物理量である熱源機流入冷水温度及びその流量と熱源機送出冷水温度及びその流量との最適値を求めた後、熱源機制御部33に送出する。
[0045]
 熱源機制御部33は、作動流体物理量の最適値を受け取ると、熱源機計測系Aの冷却水入口温度センサ15で計測された冷却水流入温度と冷却水流量センサ16で計測された冷却水流量と冷水出口温度センサ12で計測される冷水送出温度と冷水流量センサ13で計測される冷水流量が最適値とされた作動流体物理量に一致するように、冷却塔ファン5、冷却水ポンプ6、冷水ポンプ9、圧縮機2c及び送風ファン10a,10bの動作、例えばそれぞれの回転数を決める図示しないインバータ等を制御する。
[0046]
 この熱源機制御部33では、少なくとも、冷却塔ファン5は冷却水入口温度センサ15の冷却水流入温度が最適化された熱源機流入冷却水温度に一致し、冷却水ポンプ6は冷却水流量センサ16の冷却水流量が最適化された熱源機流入冷却水流量に一致し、冷水ポンプ9は冷水流量センサ13の冷水流量が最適化された熱源機送出冷水流量と一致し、圧縮機2cは冷水出口温度センサ12の冷水送出温度が最適化された熱源機送出冷水温度と一致するように動作制御する。なお、冷却水入口温度センサ15の代わりに、冷却水出口温度センサ14を用いてもよい。
[0047]
 一方、ローカル制御部40は、各空調対象空間空調制御部41a,41nが対応する空調対象空間3a,3bの空気状態量(温度・湿度)を制御する。
[0048]
 すなわち、熱源機最適状態が定まると、各空調対象空間空調制御部41a,41nは、冷水コイル流入冷水温度を空調対象空間共通の条件とし、各空調対象空間3a,3bに設置された対象空間内計測系Ca,Cbの空調対象空間温度センサ19a,19bで計測される温度及び空調対象空間給気温度センサ21a,21bで計測される給気温度が空調対象空間空調条件設定部42で設定される空気温度及び給気温度に一致するように、各空調対象空間3a,3bに対応する冷水流量調節弁8a,8b及び送風ファン10a,10bをそれぞれ制御する。
[0049]
 なお、空調対象空間給気温度センサ21a,21nに代えて、空調対象空間湿度センサ20a,20bを用いてもよい。また、各空調対象空間3a,3bに給気する風量としては、各空調対象空間3a,3bに個別に設けた送風ファン10a,10bの代わりに、弁やダンパなどを制御する場合には当該送風ファン10a,10bの回転数とともに弁やダンパの開度を制御する構成であっても構わない。
[0050]
 さらに、この形態例では、各空調対象空間3a,3b毎に空調対象空間空調制御部41a,41nを設けたが、例えば1つの空調対象空間空調制御部が予め定める時間間隔で順番に幾つかの複数の空調対象空間3a,3b,…を順次制御する構成であってもよい。
[0051]
 なお、空調システムの空調制御においては、空調対象空間3aのエンタルピバランスや冷水コイル4aにおける冷水-空気間のエンタルピバランス及び熱交換特性に基づく制約条件と制御量の数が一致するので、制御量の最適化を行う必要がない。しかしながら、空調対象空間3aの空気状態が設定された空調条件データに近づけていく過程において、総空調負荷演算部31で算出される総空調負荷が変化していくので、それに伴って最適運転状態推定部32で推定される最適運転状態も変化する。
[0052]
 よって、空調システム制御装置としては、中央制御部30とローカル制御部40が互いに協調・連携させながら、空調対象空間3aの空気状態が設定された空調条件データにほぼ一致したとき、中央制御部30の総空調負荷演算部31にて真の総空調負荷を算出でき、ひいては最適運転状態推定部32にて真の総空調負荷から空調システムの空調機器の所要動力合計値を最小とする最適運転状態量を推測することが可能となる。
[0053]
 従って、以上のような実施の形態によれば、初期段階において現状の熱源機2と冷水コイル4a,4b,…との間の熱交換熱量から暫定的な総空調負荷を算出し、この総空調負荷を変数として空調システムの最適運転状態量に基づいて空調システムの空調機器を制御し、ローカル制御部40にて空調対象空間3aの空気状態が設定された空調条件データにほぼ一致したとき、中央制御部30の総空調負荷演算部31にて真の総空調負荷を算出した後、最適運転状態推定部32にて真の総空調負荷の下に空調システムの最適運転状態量を決定すれば、複数の空調対象空間3a,3b,…の空調を効率的に運転でき、空調システムの省エネ化を実現することができる。
[0054]
 その他、本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。

産業上の利用可能性

[0055]
 本発明は、少なくとも総空調負荷を入力変数とし、空調システムを構成する空調機器の総所要動力を最小とするような空調システムの運転状態を決定し、この決定された目標値に従って各空調機器を制御することにより、複数の空調対象空間の空調を効率的に運転でき、省エネ化を実現できる空調システム制御装置に適用することができる。

請求の範囲

[1]
 少なくとも1つの空調対象空間と、冷却水を生成するための冷却塔と、この冷却塔で生成された冷却水を受け取り、所定温度の冷水を生成する冷凍サイクル動作を行う圧縮機を有する熱源機と、前記空調対象空間毎に設置され、前記熱源機で生成された冷水と少なくとも前記空調対象空間内の空気との間の熱交換により、前記空調対象空間を冷房する空気を生成する冷水コイルと、前記冷却塔で生成された冷却水を前記熱源機に供給循環させる冷却水ポンプと、前記熱源機で生成された冷水を前記冷水コイルに供給循環させる冷水ポンプと、各冷水コイルで生成された空気を対応する空調対象空間内に送り込む送風ファンと、熱交換させる空気を冷却塔に供給循環させる冷却塔ファンとを備えた空調システムを制御する空調システム制御装置において、
 前記空調システムの熱源機の運転に関わる空調機器を制御する中央制御部と前記空調対象空間の空調を制御するローカル制御部とを有し、
 前記中央制御部は、
 前記熱源機の入出力状態データを計測する熱源機計測系と、
 前記空調対象空間の空調条件データを設定する空調条件設定部と、
 外気条件データを計測する外気計測系と、
 前記熱源機の冷水流入温度と冷水流出温度と当該熱源機の冷水流量とに基づき、前記熱源機内部の冷媒と前記冷水コイルから流入する冷水との間の単位時間当たりの交換熱量である総空調負荷を求める総空調負荷演算手段と、
 前記総空調負荷演算手段で求めた総空調負荷と前記空調条件設定部に設定される空調条件データと前記外気計測系で計測される外気条件データとを入力変数とし、前記空調システムの空調機器を最適制御するための状態量を推定する最適運転状態推定手段と、
 前記熱源機計測系で計測される状態データが前記最適運転状態推定手段で推定された状態量に一致するように、前記冷却塔ファンと前記冷却水ポンプと前記冷水ポンプと前記圧縮機の回転数を制御する熱源機制御手段とを備えた空調システム制御装置。
[2]
 請求項1に記載の空調システム制御装置において、
 前記空調条件設定部に設定される空調条件データは、空調対象空間空気温度と空調対象空間給気温度または空調対象空間湿度または湿球温度と全空調対象空間へ取込む外気取込風量とであり、
 前記外気計測系で計測される外気条件データは、外気乾球温度と外気湿度または外気湿球温度である空調システム制御装置。
[3]
 請求項1または請求項2に記載の空調システム制御装置において、
 前記最適運転状態推定手段は、前記総空調負荷演算手段で求められた総空調負荷と前記空調対象空間空調条件データと前記外気条件データとを前記入力変数とし、前記空調対象空間を冷房する空気を駆動する全ての送風ファンと前記冷却水ポンプと前記冷水ポンプと前記圧縮機との所要電力合計が最小になるような熱源機流入冷却水の温度及び流量と熱源機送出冷水の温度及び流量等の状態量を推定する空調システム制御装置。
[4]
 請求項1に記載の空調システム制御装置において、
 前記全空調対象空間へ取込む風量と、前記空調対象空間の温度と、前記空調対象空間の湿度または湿球温度または前記空調対象空間を空調するために給気する空気の温度を設定する空調条件設定手段を有し、
 前記最適運転状態推定手段は、前記空調条件設定手段で設定される設定値と、前記総空調負荷と、外気条件データである外気湿球温度とを変数とする関数に基づいて、前記状態量を推定するように構成されている空調システム制御装置。
[5]
 請求項1に記載の空調システム制御装置において、
 前記ローカル制御部は、
 前記空調対象空間毎の対象空間計測系に計測される空調対象空間内空気温度と空調対象空間給気温度または空調対象空間湿度または湿球温度が前記空調条件設定部に設定される空調対象空間空気温度と空調対象空間給気温度または空調対象空間湿度または湿球温度に一致するように、前記空調対象空間毎に冷房する空気を送り込む送風ファンの回転数または空気の風量を定める弁の開度と前記冷水コイルに流入する冷水流量または流量配分を定める調整弁を制御する構成である空調システム制御装置。
[6]
 請求項1に記載される中央制御部と請求項5に記載されるローカル制御部とを備え、
 前記中央制御部は、暫定的な前記総空調負荷を求めた後、前記空調システムの空調機器を制御した後、前記ローカル制御部は、前記空調対象空間毎の対象空間内計測系に計測される物理量が前記空調条件設定部で設定される物理量に近づけるように制御し、
 前記中央制御部は、前記ローカル制御部の制御後、より真に近い前記総空調負荷を求めていくことにより、前記中央制御部と前記ローカル制御部とが相互に協調・連携を取りつつ前記空調システムの空調機器を制御する構成である空調システム制御装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]