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1. (WO2008126276) 光送信装置およびその制御方法
Document

明 細 書

発明の名称 光送信装置およびその制御方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

発明の開示

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011  

発明の効果

0012  

図面の簡単な説明

0013   0014  

発明を実施するための最良の形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

明 細 書

光送信装置およびその制御方法

技術分野

[0001]
 本発明は、光通信で使用される光送信装置およびその制御方法に関し、特に、波長分割多重(Wavelength Division Multiplexing:WDM)システムに好適な光送信装置の光出力パワーを制御するための技術に関する。

背景技術

[0002]
 近年のデータトラフィックの増加に伴い、長距離かつ高速大容量の光通信が必須となり、WDMネットワークの構築が進んでいる。このWDMネットワークでは、異なる波長に対応した多数の光送信装置が必要であり、光送信装置の在庫や品種の管理が煩雑なものとなる。波長可変光源や半導体レーザ(LD)アレイ光源などを用いた光送信装置は、在庫や品種の削減に有効なキーデバイスである。特に、下記の特許文献1などに示されている光源と電界吸収(Electro-absorption)型光変調器(以下、EA変調器とする)と一体化した光送信装置は小型化に有効であり、XFP(10Gbit/s small Form-factor Pluggable)等の規格に準拠したプラガブルモジュールに搭載する小型TOSA(Transmitter Optical Sub Assembly)用として有望である。なお、プラガブルとは、光伝送器のスロットに対して通電状態のまま光モジュールの抜き差しが可能なことを意味する。
[0003]
 上記のような光送信装置を用いた光通信システムでは、システムの安定性という観点より、光送信装置の平均光出力パワーを一定にする必要がある。しかし、小型TOSA用の光送信装置においては、実装スペースの関係で、光出力パワーをモニタするための光検出器(以下、モニタPDとする)を搭載することが困難である。このため、モニタPDの代替手段として、例えば、下記の特許文献2,3においては、EA変調器での光吸収で生じた光電流(以下、EA光電流とする)を使用した光出力パワーのモニタ手法が提案されている。具体的には、光源とEA変調器を一体化した光送信装置において、EA光電流の平均値をモニタし、該モニタ値が予め設定した基準値で一定になるように光源の駆動電流またはEA変調器のバイアス電圧(以下、EAバイアスとする)を制御することで、光出力パワーを一定に制御している。
[0004]
 また、光源とEA変調器を一体化した光送信装置の制御全般に関する従来技術としては、例えば下記の特許文献4~7に記載された技術が知られている。具体的に、特許文献4には、LDアレイ光源とEA変調器を有する光送信装置において、光源の発振波長とEA変調器のバンドギャップ波長との差が一定になるように、温度制御およびEAバイアス制御を行うことが示されている。特許文献5には、波長可変光源とEA変調器を有する光送信装置において、波長可変時の温度変化による光出力パワーの変動をなくして安定化させるため、光源のバックパワーモニタによる自動パワー制御(Automatic Power Control:APC)に加えて、EA変調器の出力を分岐してモニタし、その結果に応じてEAバイアスをフィードバック制御する技術が示されている。特許文献6には、波長可変光源とEA変調器を一体化した光送信装置において、光源の駆動電流を変調信号に応じて変化させ、EA変調器で生じるチャープと逆のチャープを光源に与えることで、チャープを相殺して長距離伝送を実現することが示されている。特許文献7には、光源とEA変調器を有する光送信装置において、光出力の光周波数変動量が最適となるように、EA変調器の駆動条件を調整することが示されている。
特許文献1 : 特許第2891741号公報
特許文献2 : 特許第2616206号公報
特許文献3 : 特開2000-292756号公報
特許文献4 : 特開2001-144367号公報
特許文献5 : 特開2001-333020号公報
特許文献6 : 特許第3453406号公報
特許文献7 : 特許第3333133号公報

発明の開示

発明が解決しようとする課題

[0005]
 ところで、前述したような波長可変光源やLDアレイ光源とEA変調器とを有する従来の光送信装置について、EA光電流を用いた光出力パワーのモニタ手法を適用した場合、例えば、図10に示すようなEA変調器の消光特性の波長依存性により、図11に示すようにEA光電流も波長に応じて変動することになる。なお、図中のλ1,λ2,λ3は、EA変調器に入力される光の波長を示しており、ここではλ1<λ2<λ3としている。このため、従来技術のようにすべての波長に共通なEA光電流の基準値を用いて光源の駆動電流を制御すると、光源の光出力パワー(EA変調器の光入力パワー)が波長に応じて変動し、その結果、図12に示すようにEA変調器の光出力パワーが変動する。この光出力パワーの変動は、EA変調器に入力される光の波長可変範囲が広いほど大きくなり、光送信装置の光出力パワー変動として許容できなくなるという問題点がある。
[0006]
 また、上記のようなEA光電流のモニタに基づいたフィードバック制御の適用時における光出力パワー変動は、EA光電流の波長依存性だけでなく、例えばEA光電流の温度依存性によっても生じる。すなわち、図13に示すようなEA変調器の消光特性の温度依存性により、図14に示すようにEA光電流も温度(T1<T2<T3)に応じて変動するため、すべての温度に共通なEA光電流の基準値を用いて光源の駆動電流を制御すると、光源の光出力パワーが温度に応じて変動し、その結果、図15に示すようにEA変調器の光出力パワーが変動するようになり、上記波長依存性の場合と同様の問題が生じる。
[0007]
 なお、前述した従来技術を組み合わせにより、EA光電流をモニタし、そのモニタ値が一定となるようにEAバイアスを制御することで、光送信装置の光出力パワー変動を抑圧することは可能である。しかし、特許文献4,6,7にも記載されているようにEAバイアスはチャープを制御するパラメータであり、長距離伝送を実現するためには適したチャープ特性が得られるようにEAバイアスを制御する必要がある。例えば、80kmを越すような長距離伝送では、光出力パワー変動を抑圧するようにEAバイアスの制御を行うと、チャープ特性の変化により伝送劣化を引き起こす可能性がある。
[0008]
 本発明は上記の点に着目してなされたもので、光源とEA変調器を有する光送信装置について、EA光電流を用いて光出力パワーをモニタする場合でも光源の波長等の変化による光出力パワーの変動を確実に抑圧できる制御技術を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009]
 上記の目的を達成するため、本発明の光送信装置は、光源および該光源から出力される光を変調する電界吸収型光変調器を有する光送信部と、前記電界吸収型光変調器での光吸収で生じた光電流のモニタ値に基づいて、前記光送信部からの光出力パワーが一定になるように前記光送信部を制御する制御部と、を備え、該制御部は、前記電界吸収型光変調器の光電流の波長依存性に応じて設定される波長毎に異なる光電流の基準値のうちの前記光源の波長に対応した光電流の基準値を用い、該基準値に対する前記モニタ値の差に応じて前記光送信部を制御するよう構成される。
[0010]
 上記のような構成の光送信装置では、EA光電流のモニタ値に基づいて光出力パワーを一定に制御するとき、EA光電流の波長依存性に応じて波長毎に異なる光電流の基準値を設定しておき、該光電流の基準値のうちから光源の波長に対応した基準値を選択し、その基準値に対するモニタ値の差に応じて光送信部の光出力パワーがフィードバック制御される。
[0011]
 また、本発明による光送信装置の制御方法は、光源から出力される光を電界吸収型光変調器に与えて変調する光送信装置について、前記電界吸収型光変調器での光吸収で生じた光電流をモニタし、該光電流のモニタ値に基づいて、前記光送信装置の光出力パワーが一定になるように前記光送信装置を制御する方法であって、前記電界吸収型光変調器の光電流の波長依存性に応じて波長毎に異なる光電流の基準値を設定し、該設定した波長毎に異なる光電流の基準値のうちの前記光源の波長に対応した光電流の基準値を用い、該基準値に対する前記モニタ値の差に応じて前記光送信装置を制御する。

発明の効果

[0012]
 上記のような本発明の光送信装置およびその制御方法によれば、EA光電流の波長依存性に応じて波長毎に異なる基準値を設定し、EA光電流のモニタ値に基づいた光送信装置のフィードバック制御を行う際に光源の波長に対応した基準値を用いるようにしたことで、光源の波長の変化による光出力パワーの変動を確実に抑圧することが可能になる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 本発明の第1実施形態による光送信装置の構成を示すブロック図である。
[図2] 上記第1実施形態における光源およびEA変調器の具体的な構成例を示す断面図である。
[図3] 上記第1実施形態におけるメモリの記憶情報の一例を示す図である。
[図4] EA変調器の光吸収量と波長の関係の一例を示す図である。
[図5] 上記第1実施形態における光出力パワー変動の抑圧効果を示す図である。
[図6] 本発明の第2実施形態による光送信装置の構成を示すブロック図である。
[図7] EA変調器の光電流のバイアス電圧依存性を示す図である。
[図8] 本発明の第3実施形態による光送信装置の構成を示すブロック図である。
[図9] 上記第1実施形態における光源、SOAおよびEA変調器の具体的な構成例を示す断面図である。
[図10] EA変調器の消光特性の波長依存性を示す図である。
[図11] EA変調器の光電流の波長依存性を示す図である。
[図12] 従来のEA光電流を用いた制御における波長の変化による光出力パワー変動を示す図である。
[図13] EA変調器の消光特性の温度依存性を示す図である。
[図14] EA変調器の光電流の温度依存性を示す図である。
[図15] 従来のEA光電流を用いた制御における温度の変化による光出力パワー変動を示す図である。

符号の説明

[0014]
 10…光送信部
 11…光源
 11A…光導波路
 11A …波長制御層
 11A …利得制御層
 11B ,11B ,12C,14C…電極
 11C…回折格子
 11D…接地電極
 12…電界吸収型光変調器(EA変調器)
 12A…吸収層
 12B,14B…ガイド層
 13…熱電クーラー(TEC)
 14…半導体光増幅器(SOA)
 14A…増幅層
 20…制御部
 21…制御回路
 22…メモリ
 23…比較回路
 Im…EA光電流のモニタ値
 Ir…EA光電流の基準値
 Cp…パワー制御信号
 Cw…波長制御信号
 Ct…温度制御信号
 Cb…EAバイアス制御信号

発明を実施するための最良の形態

[0015]
 以下、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、全図を通して同一の符号は同一または相当部分を示すものとする。
 図1は、本発明の第1実施形態による光送信装置の構成を示すブロック図である。
 図1において、本光送信装置は、例えば、光源11およびEA変調器12を有する光送信部10と、EA変調器12での光吸収で生じた光電流のモニタ値Imを基に、波長毎に異なる値に設定された光電流の基準値Irを用いて、光送信部10の光出力パワーが一定となるように光送信部10を制御する制御部20と、を備える。
[0016]
 光源11は、例えば、波長および光出力パワーを変化させることが可能な波長可変光源である。この光源11の具体例としては、図2の左側に示すように、波長制御層11A および利得制御層11A が光軸方向に交互に配置された光導波路11Aを有し、波長制御層11A に対応した電極11B に与えられる駆動電流Ituneと、利得制御層11A に対応した電極11B に与えられる駆動電流Iactとを独立に制御することで、発振波長および利得をそれぞれ制御することが可能な公知の波長可変光源(例えば、特開2006-295102号公報または特開2006-295103号公報参照)を使用することが可能である。なお、図2中の符号11Cは光導波路11Aに沿って形成された回折格子であり、符号11Dは接地電極である。ただし、本発明に用いられる光源の構成は上記の具体例に限定されるものではない。
[0017]
 EA変調器12は、例えば図2の右側に示すように、光源11と同一のチップ内に集積化されており、光源11からの光がガイド層12Bに囲まれた吸収層12Aに与えられ、送信データに従ってレベル変化するバイアス電圧(EAバイアス)Veaが電極12Cに印加されることで、吸収層12Aを伝搬する光を強度変調して出力する。また、EA変調器12での光吸収で生じた光電流がモニタされ、そのモニタ値Imが制御部20に出力される(図1参照)。
[0018]
 制御部20は、例えば、制御回路21、メモリ22および比較回路23を有する。制御回路21は、光源11の波長を制御する制御信号Cwを生成すると共に、当該波長に対応するEA光電流の基準値Irをメモリ22より読み出して比較回路23に出力する。メモリ22には、例えば図3に示すように、光源11の波長可変範囲内の各波長λ1~λnに対応したEA光電流の基準値Ir1~Irnが予め記憶されている。なお、メモリ22の記憶情報の詳細については後述する。比較回路23は、EA変調器12からの光電流のモニタ値Imおよび制御回路21からの基準値Irを比較し、その差が減少するように光源11の光出力パワー(利得)を制御する制御信号Cpを生成する。
[0019]
 次に、第1実施形態の動作について説明する。
 上記のような構成の光送信装置では、制御回路21から出力される波長制御信号Cwに従って光源11の駆動電流Ituneが制御されると共に、比較回路23から出力されるパワー制御信号Cpに従って光源11の駆動電流Iactが制御され、該駆動電流Itune,駆動電流Iactが電極11B ,11B に与えられることで光源11が駆動され、光源11からの出力光がEA変調器12に与えられる。EA変調器12では、送信データに対応したEAバイアスVeaが電極12Cに印加されることで、光源11からの光が送信データに従って強度変調される。このとき、EA変調器12での光吸収で生じた光電流がモニタされ、そのモニタ値Imが制御部20の比較回路23に送られる。比較回路23には、EA光電流の基準値Irが制御回路21より与えられており、EA光電流のモニタ値Imと基準値Irの比較が行われる。このとき比較回路23に与えられるEA光電流の基準値Irは、メモリ22に記憶された波長毎に異なる基準値Ir1~Irnのうちから、光源11の現在の発振波長に対応した基準値が制御回路21によって読み出されることで取得される。
[0020]
 ここで、メモリ22に記憶されるEA光電流の基準値Irについて詳しく説明する。
 上述の図10~図12に示したようにEA光電流は波長依存性を有する。このEA光電流はEA変調器での光吸収量に比例して変化する。光吸収量と波長の関係は、EA変調器に使用される材料によって異なり、EA変調器毎の個体差も大きい。図4は、あるEA変調器の光吸収量と波長の関係を示したものである。なお、ここでの光吸収量は、EA変調器への光入力を1として規格化した値となっており、光吸収量=1が全吸収に相当する。図4の一例では、約1.523μmが吸収端波長となり、該吸収端波長は光子エネルギーとバンドギャップの関係から求めることが可能である。一方、吸収端波長から光吸収量が零になる波長(約1.54μm)までの間の関係は、EA変調器の温度によって変化し、また、図示しないがEA変調器毎の個体差も大きい。
[0021]
 このようなEA変調器の特性を考慮して、本実施形態の光送信装置では、例えば、使用するEA変調器12について、標準的な温度における光吸収量(または光電流)と波長の関係を事前に測定し、その結果を基に各波長λ1~λnに対応したEA光電流の基準値Ir1~Irnのテーブルを作成し、それをメモリ22に記憶させておく(図3参照)。これにより、メモリ22の記憶データより光源11の発振波長に対応したEA光電流の基準値を読み出して使用することで、EA光電流のモニタ値Imおよび基準値Irに基づいた光源11のフィードバック制御を行うことができるようになる。
[0022]
 なお、ここでは各波長λ1~λnに対応したEA光電流の基準値Ir1~Irnをテーブル化してメモリ22に記憶させる一例を示したが、本発明はこれに限らず、例えば、上記図4に示したような光吸収量と波長の関係を線形近似し、さらに光電流と波長の関係も線形近似し、そして、光源11の波長可変範囲の両端に対応した2波長分のEA光電流を実測して近似式の定数を決定し、該近似式を利用して各波長λ1~λnに対応したEA光電流の基準値Ir1~Irnを計算により求めることも可能である。
[0023]
 上記のようにして光源11の発振波長に対応したEA光電流の基準値Irに対するモニタ値Imの差が比較回路23で求められると、その差を減少させる(望ましくは零とする)ためのパワー制御信号Cpが生成され、該パワー制御信号Cpが光源11に出力される。これにより、光源11に供給される駆動電流Iactがパワー制御信号Cpに従って調整されることで、図5に示すようにEA変調器12から出力される光信号のパワーが波長に関係なく所望のレベル(ここでは、例えば1mW)で一定に制御されるようになる。
[0024]
 上記のように第1実施形態の光送信装置によれば、光源11の発振波長に対応した基準値Irを用いて、EA光電流のモニタ値Imに基づいた光源11のフィードバック制御を行うようにしたことで、光源11の波長の変化による光出力パワーの変動を確実に抑圧することができる。具体的には、例えば100GHz間隔の4チャネルに対応した波長チューニング(波長可変範囲:2.4nm)を行う場合において、従来の技術では図5の破線矢印に示すように2dB程度の光出力パワー変動が生じるのに対して、本光送信装置では図5の実線矢印に示すように光出力パワー変動を理想的には0dBとすることが可能である。
[0025]
 なお、上記の第1実施形態では、波長可変光源を用いた構成例について説明したが、本発明に用いられる光源は上記の一例に限定されるものではなく、例えば、発振波長の異なる複数の半導体レーザをアレイ化したLDアレイ光源を用いることも可能である。この場合、LDアレイ光源の各LDにそれぞれ対応させてEA変調器を設け、該各LDの発振波長に対応したEA光電流の基準値と各々のEA変調器での光電流のモニタ値とに基づいて、各LDの駆動電流をフィードバック制御すればよい。
[0026]
 次に、本発明の第2実施形態について説明する。
 図6は、本発明の第2実施形態による光送信装置の構成を示すブロック図である。
 図6において、本光送信装置は、例えば、前述の図1に示した第1実施形態の構成について、光源11およびEA変調器12の温度を調整可能にする温度調整回路としての熱電クーラー(Thermoelectric Cooler:TEC)13を光送信部10に設けると共に、制御部20が、光源11の駆動制御に加えて、上記TEC13を用いた光源11およびEA変調器12の温度制御、並びに、EA変調器12のバイアス電圧制御も同時に行うようにしたものである。なお、上記以外の第2実施形態の構成は第1実施形態の場合と同様である。
[0027]
 TEC13は、前述の図2に示したような光源11およびEA変調器12を集積化したチップが載置され、制御回路21から出力される温度制御信号Ctに従って駆動されることにより、光源11およびEA変調器12を所要の温度に制御する。
 上記のような構成の光送信装置では、制御部20により、前述した第1実施形態の場合と基本的に同様な光源11の波長および光出力パワーの制御と、TEC13を用いた光源11およびEA変調器12の温度制御と、EAバイアスの制御とが並行して行われる。温度制御およびEAバイアス制御に関しては、温度およびEAバイアスの両方を一定に制御する方法と、温度およびEAバイアスの一方を一定に制御し、他方を可変制御する方法と、温度およびEAバイアスの両方を可変制御する方法とがある。
[0028]
 温度およびEAバイアスの両方を一定に制御する場合には、第1実施形態の場合と同様にして、当該温度およびEAバイアスに対応したEA光電流の基準値Irが波長毎にメモリ22に記憶され、該メモリ22の記憶情報より光源11の波長に対応した基準値Irが制御回路21によって読み出され比較回路23に与えられることにより、EA光電流のモニタ値Imおよび基準値Irを用いた光源11のフィードバック制御が行われる。
[0029]
 また、光源11およびEA変調器12の温度を可変制御し、EAバイアスを一定に制御する場合には、EA光電流の波長依存性(図10~図12参照)だけでなく、EA光電流の温度依存性(図13~図15参照)も考慮して、EA光電流の基準値Irを決定する必要がある。このため、前述の図4に示したようなEA変調器の光吸収特性を基にして、光源11の波長可変範囲内の各波長と、EA変調器の動作温度範囲内の各温度との組み合わせにそれぞれ対応したEA光電流の基準値Irをテーブル化し、それをメモリ22に記憶させておくようにする。これにより、制御回路21において、光源11を所望の波長で動作させるための波長制御信号Cwと、TEC13を駆動して光源11およびEA変調器12を所望の温度に制御するための温度制御信号Ctと、EAバイアスを一定に制御するためのEAバイアス制御信号Cbとが生成され、かつ、光源11の波長およびEA変調器12の温度に対応したEA光電流の基準値Irがメモリ22から読み出されて比較回路23に与えられることで、EA変調器12から出力される光信号のパワーが、波長および温度に関係なく所望のレベルで一定に制御されるようになる。
[0030]
 また、光源11およびEA変調器12の温度を一定に制御し、EAバイアスを可変制御する場合には、EA光電流の波長依存性(図10~図12参照)だけでなく、図7に示すようなEA光電流のEAバイアス依存性を考慮して、EA光電流の基準値Irを決定する必要がある。このため、光源11の波長可変範囲内の各波長と、EAバイアスの可変範囲内の各レベルとの組み合わせにそれぞれ対応したEA光電流の基準値Irをテーブル化し、それをメモリ22に記憶させておくようにする。これにより、制御回路21において、光源11を所望の波長で動作させるための波長制御信号Cwと、TEC13の温度を一定に制御するための温度制御信号Ctと、EAバイアスを所望のレベルに制御するためのEAバイアス制御信号Cbとが生成され、かつ、光源11の波長およびEAバイアスに対応したEA光電流の基準値Irがメモリ22から読み出されて比較回路23に与えられることで、EA変調器12から出力される光信号のパワーが、波長およびEAバイアスに関係なく所望のレベルで一定に制御されるようになる。
[0031]
 また、温度およびEAバイアスの両方を可変制御する場合には、前述したEA光電流の波長依存性、温度依存性およびEAバイアス依存性のすべてを考慮して、EA光電流の基準値Irを決定する必要がある。このため、光源11の波長可変範囲内の各波長と、EA変調器の動作温度範囲内の各温度と、EAバイアスの可変範囲内の各レベルとの組み合わせにそれぞれ対応したEA光電流の基準値Irをテーブル化し、それをメモリ22に記憶させておくようにする。これにより、制御回路21において、光源11を所望の波長で動作させるための波長制御信号Cwと、TEC13を駆動して光源11およびEA変調器12を所望の温度に制御するための温度制御信号Ctと、EAバイアスを所望のレベルに制御するためのEAバイアス制御信号Cbとが生成され、かつ、光源11の波長、EA変調器12の温度およびEAバイアスに対応したEA光電流の基準値Irがメモリ22から読み出されて比較回路23に与えられることで、EA変調器12から出力される光信号のパワーが、波長、温度およびEAバイアスに関係なく所望のレベルで一定に制御されるようになる。
[0032]
 上記のように第2実施形態の光送信装置によれば、光源11の波長制御に加えて温度制御およびEAバイアス制御を行う場合でも、波長、温度およびEAバイアスの組み合わせに対応したEA光電流の基準値Irを用いて、EA光電流のモニタ値Imに基づいた光源11のフィードバック制御を行うようにしたことで、波長、温度およびEAバイアスの変化による光出力パワーの変動を確実に抑圧することが可能になる。
[0033]
 次に、本発明の第3実施形態について説明する。
 図8は、本発明の第3実施形態による光送信装置の構成を示すブロック図である。
 図8において、本光送信装置は、例えば、前述の図6に示した第2実施形態の構成について、光源11およびEA変調器12の間に半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)14を挿入し、光源11から出力される光をSOA14で所望のレベルまで増幅してEA変調器12に与えるようにしたものである。ここでは、制御部20の比較回路23から出力されるパワー制御信号CpがSOA14に与えられ、該パワー制御信号Cpに従ってSOA14の利得が制御される。なお、上記以外の第3実施形態の構成は第2実施形態の場合と同様である。
[0034]
 SOA14は、例えば図9の中央部分に示すように、光源11およびEA変調器12と同一のチップ内に集積化されており、光源11からの光がガイド層14Bに囲まれた増幅層14Aに与えられ、駆動電流Isoaが電極14Cに与えられることで、増幅層14Aを伝搬する光を所望のレベルまで増幅して出力する。ここでは、比較回路23からのパワー制御信号Cpに従って駆動電流Isoaが調整されることにより、SOA14における利得がフィードバック制御される。
[0035]
 上記のような構成の光送信装置では、前述した第2実施形態の場合と同様にして、制御回路21において、光源11を所望の波長で動作させるための波長制御信号Cwと、TEC13を駆動して光源11およびEA変調器12を一定の温度若しくは所望の温度に制御するための温度制御信号Ctと、EAバイアスを一定のレベル若しくは所望のレベルに制御するためのEAバイアス制御信号Cbとが生成され、かつ、光源11の波長、EA変調器12の温度およびEAバイアスに対応したEA光電流の基準値Irがメモリ22から読み出されて比較回路23に与えられる。そして、比較回路23においてEA光電流のモニタ値Imと基準値Irが比較され、その差に応じたパワー制御信号CpがここではSOA14に出力され、該パワー制御信号Cpに従ってSOA14の駆動電流Isoaが調整される。これにより、EA変調器12から出力される光信号のパワーが、波長、温度およびEAバイアスに関係なく所望のレベルで一定に制御されるようになる。
[0036]
 上記のように第3実施形態の光送信装置によれば、前述した第2実施形態の場合と同様の効果が得られると共に、光源11およびEA変調器12の間にSOA14を設けたことによって、光送信部10から出力される光信号をより高いレベルで一定に制御することが可能になる。
 なお、上記の第3実施形態では、比較回路23からのパワー制御信号Cpに従ってSOA14の駆動電流Isoaを制御する構成例を示したが、パワー制御信号Cpに従って光源11の駆動電流Iactを制御し、SOA14の駆動電流Isoaを一定とすることも可能である。

請求の範囲

[1]
 光源および該光源から出力される光を変調する電界吸収型光変調器を有する光送信部と、
 前記電界吸収型光変調器での光吸収で生じた光電流のモニタ値に基づいて、前記光送信部からの光出力パワーが一定になるように前記光送信部を制御する制御部と、を備えた光送信装置において、
 前記制御部は、前記電界吸収型光変調器の光電流の波長依存性に応じて設定される波長毎に異なる光電流の基準値のうちの前記光源の波長に対応した光電流の基準値を用い、該基準値に対する前記モニタ値の差に応じて前記光送信部を制御することを特徴とする光送信装置。
[2]
 前記光送信部は、波長および光出力パワーが可変な光源を有し、
 前記制御部は、前記波長毎に異なる光電流の基準値に関する情報を記憶するメモリと、前記光源の波長を可変制御すると共に、前記メモリの記憶情報より前記光源の波長に対応した光電流の基準値を読み出す制御回路と、前記光電流のモニタ値および前記制御回路で読み出された基準値を比較し、その差が減少するように前記光源の光出力パワーを制御する比較回路と、を有することを特徴とする請求項1に記載の光送信装置。
[3]
 前記光源は、発振波長を制御可能な波長制御層および利得を制御可能な利得制御層を光軸方向に交互に有する光導波路と、該光導波路に沿って形成した回折格子と、前記波長制御層に対応した電極に与える第1駆動電流および前記利得制御層に対応した電極に与える第2駆動電流を独立に制御可能な駆動回路と、を有する波長可変光源を用いたことを特徴とする請求項2に記載の光送信装置。
[4]
 前記光送信部は、少なくとも前記電界吸収型光変調器の温度を調整可能な温度調整回路を有し、
 前記制御回路は、前記温度調整回路の温度および前記電界吸収型光変調器のバイアス電圧をそれぞれ制御することを特徴とする請求項2に記載の光送信装置。
[5]
 前記制御回路は、前記温度調整回路の温度を一定に制御し、かつ、前記電界吸収型光変調器のバイアス電圧を一定に制御することを特徴とする請求項4に記載の光送信装置。
[6]
 前記メモリは、前記電界吸収型光変調器の光電流の波長依存性および温度依存性に応じて設定される、波長および温度の組み合わせ毎に異なる光電流の基準値に関する情報を記憶し、
 前記制御回路は、前記温度調整回路の温度を可変制御し、かつ、前記電界吸収型光変調器のバイアス電圧を一定に制御すると共に、前記メモリの記憶情報より前記光源の波長および前記温度調整回路の温度に対応した光電流の基準値を読み出すことを特徴とする請求項4に記載の光送信装置。
[7]
 前記メモリは、前記電界吸収型光変調器の光電流の波長依存性およびバイアス電圧依存性に応じて設定される、波長およびバイアス電圧の組み合わせ毎に異なる光電流の基準値に関する情報を記憶し、
 前記制御回路は、前記温度調整回路の温度を一定に制御し、かつ、前記電界吸収型光変調器のバイアス電圧を可変制御すると共に、前記メモリの記憶情報より前記光源の波長および前記電界吸収型光変調器のバイアス電圧に対応した光電流の基準値を読み出すことを特徴とする請求項4に記載の光送信装置。
[8]
 前記メモリは、前記電界吸収型光変調器の光電流の波長依存性、温度依存性およびバイアス電圧依存性に応じて設定される、波長、温度およびバイアス電圧の組み合わせ毎に異なる光電流の基準値に関する情報を記憶し、
 前記制御回路は、前記温度調整回路の温度を可変制御し、かつ、前記電界吸収型光変調器のバイアス電圧を可変制御すると共に、前記メモリの記憶情報より前記光源の波長、前記温度調整回路の温度および前記電界吸収型光変調器のバイアス電圧に対応した光電流の基準値を読み出すことを特徴とする請求項4に記載の光送信装置。
[9]
 前記光送信部は、前記光源から出力される光を増幅して前記電界吸収型光変調器に与える光増幅器を有し、
 前記比較回路は、前記光電流のモニタ値と基準値の差が減少するように、前記光源の光出力パワーおよび前記光増幅器の利得のいずれかを制御することを特徴とする請求項4に記載の光送信装置。
[10]
 前記光増幅器は、前記光源および前記電界吸収型光変調器と同一のチップ内に集積化された半導体光増幅器であることを特徴とする請求項9に記載の光送信装置。
[11]
 光源から出力される光を電界吸収型光変調器に与えて変調する光送信装置について、前記電界吸収型光変調器での光吸収で生じた光電流をモニタし、該光電流のモニタ値に基づいて、前記光送信装置の光出力パワーが一定になるように前記光送信装置を制御する方法であって、
 前記電界吸収型光変調器の光電流の波長依存性に応じて波長毎に異なる光電流の基準値を設定し、
 該設定した波長毎に異なる光電流の基準値のうちの前記光源の波長に対応した光電流の基準値を用い、該基準値に対する前記モニタ値の差に応じて前記光送信装置を制御することを特徴とする光送信装置の制御方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]