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1. (WO2008123576) 固体酸化物形燃料電池
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明細書

固体酸化物形燃料電池

技術分野

本発明の態様は、一般に、固体酸化物形燃料電池に関し、さらに詳しくは、複数の固 体酸化物形燃料電池セルを電気的に接続する燃料電池の構造に関する。

背景技術

固体酸化物形燃料電池は、作動温度が高く(7 0 0〜 1 0 0 0で)、効率の良い燃料 電池として期待されている。固体酸化物形燃料電池は、通常、その複数を電気的に直列 およびノまたは並列に接続して束ねたスタックと呼ばれる構造にし、さらに燃料電池ス タックを電気的に直列および Zまたは並列に接続してモジュールと呼ばれる構造にし て用いられる。(以下、一つの燃料電池単位を「燃料電池セル」、燃料電池セル同士を電 気的に接続する部材を「導電性部材」という)

燃料電池スタックは、電気的に並列な単位で断面コ字状の導電性の保持部材へ、電気 的に直列となるインターコネクタと燃料極、また電気的に並列となる燃料極と燃料極、 とにニッケルフェルトを形成した燃料電池セルを配置固定し、これを積み重ねて所定の 温度で熱処理して燃料電池スタックが形成される。(例えば、特許第 3 2 8 1 8 2 1号 公報(4〜6項、図 2〜4 ) 参照。)

しかしながら、このような燃料電池スタック構造は、燃料電池スタックを形成する際、 空気極側を酸化雰囲気、燃料極側を還元雰囲気にし、所定の温度で熱処理する焼成工程 が必要となるため、工業的な大量生産ができないという課題があった。

さらに、燃料電池セルと導電性部材との接続が、燃料電池セルとニッケルフェルトの みで接続されているため、燃料電池モジュールの組み立てや輸送する際、スタック同士 の接続や輸送などの衝撃により、燃料電池セルとニッケルフェル卜が剥離しやすいとい う課題もあった。

また、燃料電池モジュールは、発電前後において、各燃料電池セルの温度分布等によ る熱応力のバラツキに許容して複数の燃料電池スタックにおける燃料電池セルと導電 性部材の集電を保っため、複数の燃料電池スタックの周囲へ断熱材、内側燃料電池容器、 断熱材、外側燃料電池容器を順に配置して燃料電池モジュールが形成される。(例えば、 特開平 1一 2 4 8 4 7 9号公報(5, 6項、図 1, 2 ) 参照。)

しかしながら、このような燃料電池モジュール構造は、発電前後において、複数の燃 料電池スタックの周囲へ包囲する断熱材により、燃料電池近傍と、内側燃料電池容器近 傍と、の間の温度差による熱歪みを内側燃料電池容器に生じ、内側燃料電池容器近傍の 断熱材と内側燃料電池容器の間に隙間を生じやすくなる。また、この断熱材の燃料電池 近傍に比べて内側燃料電池容器近傍へ密度の高い燃料ガスが供給されるため、燃料電池 の発電に寄与しない燃料ガスが多くなり、燃料電池の発電性能の低下させてしまうとい う課題があった。

さらに、燃料電池セルは l m当たり 2 mm程度の反りを有していることがあり、発電 時の燃料電池の温度分布により各燃料電池セルに熱応力が働き、燃料電池セルと導電性 部材の接続不良を生じるやすくなる。これによる接続不良を防止して燃料電池セルと導 電性部材との接続を安定に維持するため、少なくとも電気的な直列方向で燃料電池ス夕 ックの押圧構造を付加することが必要となり、モジュール構造を複雑にしてしまうとい う課題があった。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

本発明の態様は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的とするところ は、燃料電池スタックの製造工程を簡略化し、燃料電池スタックを工業的な大量生産を 行うことができ、燃料電池へ効果的に燃料ガスを供給して燃料電池の発電性能を向上で きる、燃料電池の提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

上記目的を達成するために、本発明の一実施形態においては、固体酸化物形燃料電池 は、複数の筒状の燃料電池セルと、前記燃料電池セルを電気的に接続する導電性部材と、 を備えた燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックを囲む保持部材とからなり、前記 保持部材は、前記燃料電池スタックの電気的な直列方向に向かって押圧をかける押圧部 と、前記保持部材自身を固定する固定部と、を備えたことを特徴とする。

本発明の好ましい態様においては、前記保持部材が、前記燃料電池スタックの燃料極 側端部に配置される燃料極側保持部材と、空気極側端部に配置される空気極側保持部材 と、前記燃料極側保持部材と前記空気極側保持部材と連結する側面保持部材と、前記燃 料極側保持部材およびまたは前記空気極側保持部材と前記側面保持部材を絶縁する 絶縁部と、を備えていることを特徴とする。

さらに好ましい態様においては、前記燃料極側保持部材または前記空気極側保持部材 が、前記側面保持部材と一体よりなることを特徴とする。

さらに好ましい態様においては、前記固定部が、電気的な直列方向と平行に設けられ ていることを特徴とする。

さらに好ましい態様においては、前記保持部材が、前記燃料電池セルの軸方向にほぼ 全長にわたり設けられてなることを特徴とする。

さらに好ましい態様においては、前記燃料電池スタックの露出部を備えていることを 特徴とする。

さらに好ましい態様においては、前記側面保持部材が、前記燃料電池セルの軸方向の 両端にのみ設けられてなることを特徴とする。

さらに好ましい態様においては、前記燃料電池スタックと、前記燃料極側保持部材ぉ よび Zまたは前記空気極側保持部材の間に絶緣部が備えられていることを特徴とする。 発明の効果

本発明の態様によれば、燃料電池スタック単位での発電前後のスタック形状を維持す ることができ、燃料電池スタックの複雑な焼成工程を削除できるスタック構造を形成で きる。また、発電時における燃料電池モジュールの燃料電池容器近傍の温度分布を解消 して燃料電池の発電性能を向上できる。これにより、実用的で量産性に優れた安全かつ 高効率な燃料電池を提供することができる。

図面の簡単な説明

[図 1 ]本発明の一実施例による燃料電池スタツクを構成する固体酸化物形燃料電池セ ルの基本構造断面図である。

[図 2 ] 本発明の一実施例による燃料電池スタックの基本構造の概略図である。

[図 3 ] 図 2の C断面を示す図である。

[図 4 ]本発明の一実施例による燃料電池スタツクを囲む保持部材の構成を説明する図 である。

[図 5] 図 2および図 3による燃料電池スタックを囲む保持部材において、空気極と燃 料極を接続する接続部の構造例を説明する図である。

[図 6]図 2に示す燃料電池スタック及び保持部材で構成される燃料電池モジユールの 一例を説明する図である。

[図 7] 本発明の一実施例による燃料電池スタックの基本構造の概略図である。

[図 8] 図 8は図 7の D断面を示す図である。

[図 9] 本発明の一実施例による燃料電池スタックの基本構造の概略図である。

[図 10] 図 9の E断面を示す図である。

[図 11] 図 9の F断面を示す図である。

[図 12] 図 9の G断面を示す図である。

[図 13] 本発明の一実施例による燃料電池スタックの集電構造を説明する図である。 [図 14] 本発明の一実施例による燃料電池スタックを構成する筒状の固体酸化物形燃 料電池セルの一実施例を示す基本構造断面図である。

[図 15] 本発明の一実施例による燃料電池スタックの基本構造の概略図である。

発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の一実施形態について図面を参照して具体的かつ詳細に説明を行う。 図 1は、本発明による燃料電池ス夕ックを構成する固体酸化物形燃料電池セル 1の基本 構造断面図である。この燃料電池セル 1は、電解質 2、空気極 3、燃料極 4、および空 気極 3に接続されたィン夕ーコネクタ 5とから構成される。この構成の燃料電池セルに あっては、図中の空気極 3の内部 Aの方向に酸素を含む空気が、燃料極 4の外部 Bの方 向に水素、一酸化炭素を含む燃料ガスが流される。なお、燃料電池セルの空気極と燃料 極は図 1に示される場合と逆に構成することも可能である。また、燃料電池セル同士は、 弾力性および復元性に富む、連続した柱を骨格として三次元構造を有する金属シートの 積層体などの導電性部材 7で接続される。

図 2は、本発明の一実施形態を示す燃料電池スタック 6の基本構造の概略図であり、 図 3は図 2の C断面を示す図である。しかしながら、これらは一例であり限定されるも のではない。図 2および図 3に示すように、円筒形状の燃料電池セル 1が 2並列 3直列 で複数積み重ねられた燃料電池スタック 6の周囲を、燃料極側に配置される燃料極側保 持部材 8、空気極側に配置される空気極側保持部材 9、燃料電池セルの電気的な直列方 向と平行な位置に配置される側面保持部材 1 0からなる保持部材により囲まれている。 これらの燃料電池セル 1は、導電性部材 7により、直列およびまたは並列に電気的に 接続される。すなわち、燃料極 4とインターコネクタ 5とが接続され、および/または 燃料極 4と燃料極 4とが接続される。燃料電池スタック 6は燃料極側保持部材 8と空気 極側保持部材 9によって燃料電池スタック 6の形状を保持する程度に押圧されており、 燃料極側保持部材 8と空気極側保持部材 9が接続部 1 1により側面保持部材 1 0と連

結されることで、押圧をかけた状態で燃料電池セル 1の軸方向のほぼ全長を固定してい る。燃料極側保持部材 8は燃料電池ス夕ック 6の燃料極側と、空気極側保持部材 9は燃 料電池スタック 6の空気極側と、それぞれが電気的に接続され、側面保持部材 1 0は接 続部 1 1により燃料極側保持部材 8と空気極側保持部材 9とそれぞれ絶縁されている。 また発電された電力は、燃料極側保持部材 8と空気極側保持部材 9との間に出力され、 燃料電池スタツク 6の上端およびまたは下端より電力の取出しを行うことができる。 その結果、焼成工程を削除しても、発電前および発電後に関係なく燃料電池スタックに 配置される燃料電池セルと導電性部材を押圧しているため、発電時に燃料電池モジユー ルの電気的な直列方向を押圧せずとも、良好な電気接続を保つことができる。また、燃 料電池モジュールの組み立てや輸送等の燃料電池スタックの取扱いにおいても、ス夕ッ ク構造を安定に保つことができる。燃料極側保持部材と、空気極側保持部材を、それぞ れ側面保持部材と絶縁することにより、発電時に万一、側面保持部材が熱応力によって 変形して隣合う側面保持部材同士が接触したとしても、燃料電池セルは局所的な発熱に よる過度な熱応力の発生、発電反応の逆反応による燃料電池の基材の性状変化など、短 絡に起因する劣化を起こすことがない。これにより、燃料電池スタックの電気的な接続 を安定に維持し、燃料電池の性能低下や破損などの劣化を抑制できるため、より燃料電 池の高い信頼性を得ることができる。さらに、燃料電池スタックの周囲に形成される保 持部材同士をネジ固定や熔接やカシメによる圧着等により接続することができ、複数の 燃料電池スタックの集電を容易に行うことができるという利点もある。このとき、保持 部材は耐熱ステンレス鋼ゃィンコネルなどの耐熱金属やセラミックで、導電性部材 7は ニッケルを主成分とする金属材料からなる金属多孔体や金属板などで、それぞれ形成す ることができる。但し、セラミックで保持部材を形成する場合はスタックの両端の端子 に燃料電池スタックの電力を取出すためのスタック集電板を具備する必要がある。この スタック集電板により、燃料電池スタック間の電気的な接続がなされる。

図 4は、本発明の一実施形態を示す燃料電池ス夕ック 6を囲む保持部材の構成を説明 する図である。しかしながら、これは一例であり限定されるものではない。図 4に示す ように、燃料電池ス夕ック 6の周囲は、燃料極側保持部材 1 2、空気極側保持部材 9か らなる保持部材により囲まれている。燃料電池ス夕ック 6は燃料極側保持部材 1 2と空 気極側保持部材 9によつて押圧されており、燃料極側保持部材 1 2が接続部 1 1により 空気極側保持部材 9と連結されることで押圧をかけた状態で固定されている。燃料極側 保持部材 1 2は燃料電池スタック 6の燃料極側と、空気極側保持部材 9は燃料電池ス夕 ック 6の空気極側と、それぞれが電気的に接続され、接続部 1 1により燃料極側保持部 材 1 2と空気極側保持部材 9とが絶緣されている。その結果、燃料極側保持部材と側面 保持部材がー体に構成されることにより、燃料極側保持部材と側面保持部材の組立て工 程を廃止でき、燃料電池スタックの組立作業を容易できる。また、燃料極側保持部材と 側面保持部材の組立てによる燃料電池スタック間の形状のバラツキが緩和され、電気的 な直列方向と垂直な燃料電池スタックの両端の面 aと、これに垂直な面 bとが直角とな るように保持部材がー体で精度良く構成できるため、保持部材を基準にして燃料電池ス タックが精度良く組立てできる。

図 5は、図 2および図 3による燃料電池スタック 6を囲む保持部材において、空気極 3と燃料極 4を接続する接続部 1 1の構造例を説明する図である。しかしながら、これ は一例であり限定されるものではない。図 5に示すように、接続部 1 1は、燃料極側保 持部材 8の一部に設けられた孔の内側に絶縁リング 1 3を配置している。この周囲へセ ラミック繊維シート 1 4を形成し、さらにセラミック繊維シート 1 4の形状を維持する 保持板 1 5を介して連結金具 1 6により電気的に導通せずに、燃料極側保持部材 8と側 面保持部材 1 0とを接続している。その結果、発電時の温度変化で保持部材が膨張収縮 しても、燃料極側保持部材と側面保持部材とが、緩衝性を有するセラミック繊維シート を介して連結金具で、接続部へかかる応力を分散して制御できるため、接続部の変形や 破損などの劣化を抑制して絶縁構造を維持することができる。絶縁リングおよびセラミ ック繊維シートは、アルミナ、ムライト、マグネシア、ジルコニァ等により形成するこ とができる。

連結金具 1 6などによる固定部は、燃料電池ス夕ック 6の電気的な直列方向と平行な 一方向に燃料電池スタック 6を押圧して取り付けられることが好ましい。その結果、燃 料電池スタックの組立てや輸送等の取扱い時、あるいは温度変化による熱応力分布が生 じる発電時において、常に燃料電池スタックの内部の燃料電池セルと導電性部材との接 続面に働く応力が電気的な直列方向と平行な一方向のみに集中でき、電気的な並列方向 の カ発生を抑制できる。これより、燃料電池スタックの取扱いによる外的な応力や温 度分布による熱応力などで内部応力が燃料電池スタックへ働いたとしても、燃料電池セ ルと導電性部材の接続は電気的な並列方向の応力を増加させて燃料電池スタックの内 部応力を分散させることがない。したがって、燃料電池スタックは燃料電池セルと導電 性部材の電気的な接続を安定に保つことができる。

保持部材は、燃料電池セルの軸方向にほぼ全長にわたり設けられてなることが好まし い。その結果、燃料電池スタックの組立てや輸送等の取扱い時、あるいは温度変化によ る熱応力分布が生じる発電時において、燃料電池セルへ与えられる圧縮力が燃料電池セ ルの軸方向において分散して導電性部材を介して伝達することができ、局所的な応力を 生じることなく燃料電池セルの破損を抑制できる。したがって、燃料電池スタックは燃 料電池セルと導電性部材の接続を安定に保って燃料電池の構造を維持できる。また、発 電された電力を燃料電池セルの軸方向で自在に取り出すことができる。例えば、燃料電 池スタックの軸方向の温度が高い部位はスタック集電板の集電抵抗を大きくして発電 反応を抑制し、また温度が低い部位では集電抵抗を小さくして発電反応を促進すること により、燃料電池の温度を制御することができる。したがって、燃料電池セルにおける 軸方向の電流密度の分布を均一にして燃料電池の発電温度のばらつきを少なく、燃料ガ スの偏流を抑制しやすい構造を形成することができる。

図 6は、図 2に示す燃料電池ス夕ック 6及び保持部材で構成される燃料電池モジユー ルの一実施形態を示す図である。図 6に示すように、燃料電池スタック 6同士が燃料極 側保持部材 8およびまたは空気極側保持部材 9を介してスタック集電板 1 7により 電気的に接続され、空気極側と接続されるスタック集電板 1 7と燃料極側と接続される スタック集電板 1 7力それぞれ集電ロッド 1 8に電気的に接続されている。また、燃 料電池スタック 6は燃料ガスの気密性を保つ内側燃料電池容器 2 1と、燃料極側保持部 材 8および Zまたは空気極側保持部材 9と、の間へ絶縁緩衝部材 1 9を配置して内側燃 料電池容器 2 1の内側に保持されている。さらに、内側燃料電池容器 2 1の外側に断熱 材 2 2、外側燃料電池容器 2 3が順に形成されている。このとき、燃料電池モジュール は、燃料電池スタック単位で燃料電池セルと導電性部材 7が保持固定され、燃料電池ス タック 6と内側燃料電池容器 2 1を導通せずに安定なスタック構造が保たれている。つ まり、押圧に要する強度を備えた容積の大きな断熱材 2 2により複数の燃料電池ス夕ッ ク 6の周囲を囲んで押圧せずとも、ガスシールをして隙間を埋める程度の絶縁緩衝材を 配置することにより燃料電池モジュールの構造を安定に保つことができる。その結果、 内側燃料電池容器 2 1の内側の発電室 2 0において、断熱材を絶縁緩衝材にして燃料電 池モジュールをコンパクトに構成することができる。また、供給される燃料ガスが断熱 材による温度傾斜を生じにくくなるため、燃料電池へ密度差の少ない燃料ガスを供給で き、発電室内における燃料ガスの偏流を抑制できる。したがって、燃料電池の発電に寄 与する燃料ガスを増加してコンパク卜で高性能な燃料電池を提供することができる。 図 7は、本発明の一実施形態を示す燃料電池スタック 2 4の基本構造の概略図であり、 図 8は図 7の D断面を示す図である。また、図 7の C断面は、図 3と同様である。しか しながら、これは一例であり限定されるものではない。図 3、図 7および図 8に示すよ うに、燃料電池セル 1が複数積み重ねられ、この周囲を燃料極側保持部材 8、空気極側 保持部材 9、側面保持部材 1 0からなる保持部材が燃料電池セル 1の軸方向で複数の燃 料電池スタック 2 4の露出部 2 5を形成している。その結果、保持部材は、露出部を構 成した単位で熱の吸収発散することができ、燃料電池セルの軸方向における燃料電池セ ルと保持部材との線膨張係数の差や温度分布による保持部材の線膨張係数の差などに よる大きな熱歪みをためることがない。また、露出された部分で燃料電池表面と保持部 材の周囲の燃料ガスが拡散して、ガス密度とガス温度を均一化できるといった利点もあ る。したがって、保持部材は、燃料電池セルの軸方向に生ずる温度分布に応じて構造を 維持でき、燃料電池セルと導電性部材の接触を安定に保つことができるため、燃料電池 は安全かつ高効率な発電性能を得ることができる。このとき、同じ材料の中で温度分布 により、線膨張係数を約 2 X 1 0— 6 ( c m/ c m * K— 1 ) 以上の差にしないように 形成することが、保持部材の歪みを抑える観点から好ましい。また、同様に燃料電池セ ル同士を接続する導電性部材を、燃料電池セルの軸方向で露出して形成することにより、 燃料電池セルと導電性部材との接続面に発生する熱が、燃料電池セルの表面と、露出部 を構成した導電性部材との単位で、吸収発散させることができ、燃料電池セルの軸方向 における燃料電池セルと導電性部材との線膨張係数の差や温度分布による導電性部材 の線膨張係数の差などによる大きな熱歪みをためることがない。また、露出された部分 で燃料電池表面と導電性部材の周囲の燃料ガスが拡散して、ガス密度とガス温度を均一 化できると共に、燃料ガスの単位時間当たりの流速が遅くなり燃料電池の発電に寄与す る燃料ガスを増加させて燃料電池の発電性能を向上できるといった利点もある。したが つて、燃料電池スタックは、燃料電池セルの軸方向に生ずる温度分布に応じて構造を維 持でき、熱応力等による燃料電池セルの破損を抑制して燃料電池セルと導電性部材との 電気的な接続を安定に保つことができるため、燃料電池は安全かつ高効率な発電性能を 得ることができる。

図 9は、本発明の一実施形態を示す燃料電池スタツク 2 6の基本構造の概略図であり、 図 1 0、図 1 1、図 1 2はそれぞれ図 9の E断面、 F断面、 G断面を示す図である。し かしながら、これは一例であり限定されるものではない。図 9、図 1 0、図 1 1および 図 1 2に示すように、燃料電池セル 1が複数積み重ねられ、燃料極側保持部材 8、空気 極側保持部材 9、側面保持部材 1 0からなる保持部材によって保持されている。本実施 形態において、側面保持部材 1 0は、燃料電池が発電する電極部分を除いた燃料電池セ ル 1の軸方向の両端側のみに設けられている。燃料電池セル 1は封止側の通気孔 3 0を 備えた封止部緩衝材 2 9を基準に配置されている。これらの燃料電池セル 1は、導電性 部材 7により、電気的な直列に接続され、セル集電板 2 7により電気的な並列に接続さ れる。すなわち、燃料極 4とインターコネクタ 5とが接続され、およびまたは燃料極 4と燃料極 4とが接続される。燃料電池スタック 2 6は燃料極側保持部材 8と空気極側 保持部材 9によつて燃料電池スタック 2 6の形状を保持する程度に押圧されており、燃 料極側保持部材 8と空気極側保持部材 9力燃料電池セルの軸方向の両端のみに配置さ れる側面保持部材 1 0と接続部 1 1により連結されることで、燃料電池スタック 2 6に 押圧をかけた状態で固定している。その結果、燃料電池の発電反応部に側面保持部材が ないため、燃料電池の発電時、万一、側面保持部材が熱応力によって変形して隣合う側 面保持部材同士が接触したとしても、燃料電池セルは局所的な発熱による過度な熱応力 の発生、発電反応の逆反応による燃料電池の基材の性状変化など、短絡に起因する劣化 を起こすことがなく、燃料電池セルに直接接触することもなく構成することできる。ま た、燃料電池スタック同士を迂回なく短い距離でスタック集電板を接続でき、集電ロス を少なく構成することができる。さらに、燃料電池セルにおける開口の上方と、燃料電 池セルの封止の下方とに保持部材を形成することにより、燃料電池スタックの並列方向 のピッチを自在に構成することができ、発電反応による燃料電池セルから周囲のガスに 与える熱を均一に保ち、燃料電池の発電温度のばらつきを少なく、燃料ガスの偏流を抑 制しやすい構造を形成することができる。したがって、燃料電池スタックの電気的な接 続を安定に維持し、燃料電池の性能低下や破損などの劣化を抑制できるため、より燃料 電池の高い信頼性を得ることができる。

図 1 3は、本発明の一実施形態を示す燃料電池スタックの集電構造を説明する図であ る。しかしながら、これは一例であり限定されるものではない。図 1 3に示すように、 燃料電池セル 1が 3直列単位でスタック集電板 2 8と接続され、 1並列 9直列で複数積 み重ねられた燃料電池スタックの周囲を、絶縁部材 3 1、燃料極側保持部材 8および空 気極側保持部材 9の保持部材により囲まれている。これらの燃料電池セル 1は、導電性 部材 7とスタック集電板 2 8により、すべて直列で電気的に接続される。すなわち、燃 料極 4とインターコネクタ 5とが接続される。その結果、保持部材の内部に配置される 燃料電池スタックは、電気的な直列方向の両端に配置したスタック集電板で自在に燃料 電池セルの電極を折り返し、直列およびまたは並列で燃料電池セルを配列して燃料電 池スタックの両端または片端で電気を取り出すことができるため、燃料電池スタツクは、 発電装置の形状、電流、電圧などの仕様に汎用性を持たせることができる。また、複数 -の燃料電池セルの電気的な電気的な直列方向と並列方向の接続距離を均一に構成する ことにより、燃料電池スタックの内部へ流れる燃料ガスが、燃料電池セルより均一な熱 量を与えられるため、燃料電池スタックの軸方向や、それに垂直な平面方向の温度分布 を緩和して燃料電池スタックの内部へ燃料ガスが偏って流れることを抑制できる。した がって、燃料電池は高効率な発電性能を得ることができる。

燃料電池スタックの周囲に配置される保持部材は、燃料電池セル 1の線膨張係数と略 同一に形成されることが好ましい。ここでいう略同一とは、燃料電池セル 1の線膨張係 数が約 1 0 . 5 X 1 0— 6 ( c m/ c m · K - 1 ) に対し、約 7 ~ 1 4 X 1 0— 6 ( c m/ c m - K - 1 ) である。その結果、燃料電池スタックに配置される燃料極側保持部 材ぉよびまたは空気極側保持部材の温度分布による熱膨張の影響をほぼ受けること なく、導電性部材のみ熱膨張により、複数の燃料電池セルへ圧縮方向の応力を、また側

面保持部材へ引張り方向の応力を、それぞれ伝達できるため、複数の燃料電池セルと導 電性部材との良好な接触を保つとともに、側面保持部材の変形量を許容して安定な燃料 電池スタック構造を容易に形成することができる。

本発明の一実施形態を示す燃料電池スタックでは、保持部材がアルミニウムおよび またはモリブデンを含有するフェライ卜系ステンレス鋼で形成することが好ましい。そ の結果、保持部材の表面にクロミア、アルミナ等の安定な不動態膜を形成することがで き、水素、メタン等の炭化水素、水蒸気等を含有する還元雰囲気における保持部材の表 面の酸化ゃ孔食等の劣化を防止することができる。また、高温時(7 0 0〜1 0 0 0で) の耐熱鋼の変形量を抑えて保持部材表面の亀裂等の欠陥を防止することができるため、 燃料電池スタック構造を安定に保つことができる。

なお、前述の実施形態にかかわらず、燃料電池セルの形状は、以上の説明にあるよう な筒形状を基本とするが、例えば図 1 4に示されるような、電解質 2、空気極 3、燃料 極 4、および空気極 3に接続されたインターコネクタ 5とから構成され、かつ空気極 3 に 2以上の円筒空間を有し、この内部 Aの方向に酸素を含む空気を流すよう構成されて いてもよい。この図にあっては、燃料極 4の外部 Bの方向に水素、一酸化炭素等を含む 燃料ガスが流される。このような構造の燃料電池セル 3 5を用いた場合であっても、図 1 5に示されるように、本発明の一実施形態を示す導電性部材 7を使用してスタックを 構成することができる。

さらに本発明の一実施形態を示す燃料電池は、導電性部材に酸化ィンジゥム等の材料 を用いることにより、燃料ガスが燃料電池セルの内側を流れ、酸化剤ガスが燃料電池セ ルの外側に流れるように構成することもできる。