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1. (WO2008123451) ローラねじ
Document

明 細 書

発明の名称 ローラねじ

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

発明の開示

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008   0009   0010  

課題を解決するための手段

0011   0012   0013   0014   0015  

発明の効果

0016   0017   0018   0019   0020  

図面の簡単な説明

0021   0022  

発明を実施するための最良の形態

0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17  

明 細 書

ローラねじ

技術分野

[0001]
 本発明は、ねじ軸とナットとの間に転がり運動可能にローラを介在させたローラねじに関する。

背景技術

[0002]
 ねじ軸とナットとの間に転がり運動可能にボールを介在させたボールねじは、すべり接触するねじに比べて、ナットに対してねじ軸を回転させる際の摩擦係数を低減できるので、工作機械の位置決め機構、送り機構、あるいは自動車のステアリングギヤ等に実用化されている。
[0003]
 近年許容荷重を増大するために、転動体としてボールの替わりにローラを使用したローラねじが開発されている。出願人は、図16に示されるように、外周面に螺旋状のローラ転走溝41aが形成されるねじ軸41と、内周面に螺旋状の負荷ローラ転走溝が形成されるナット42と、で構成されるローラねじを提案している(特許文献1参照)。ナット42の負荷ローラ転走溝とねじ軸41のローラ転走溝41aとの間の負荷ローラ転走路には、転がり運動可能に複数のローラが配列される。ローラを循環させるために、ナット42には軸線方向に伸びる貫通孔42aが開けられ、貫通孔42a内に循環パイプ43が挿入される。ナット42の軸線方向の端面には、方向転換路46が形成される方向転換路構成部品44が取り付けられる。循環パイプ43の内部には、ローラを戻すローラ戻し通路45が形成される。方向転換路46は、負荷ローラ転走路とローラ戻し通路45とを接続する。
[0004]
 図17に示されるように、循環パイプ43のローラ戻し通路45は、ローラ戻し通路45を移動するローラの姿勢を変化させることができるように、断面が四角形でかつねじれている。負荷ローラ転走路から掬い上げたローラを再び負荷ローラ転走路に戻すとき、ローラの姿勢を負荷ローラ転走路の断面形状に一致させるためである。
[0005]
 この他に、ローラの循環にリターンパイプを使用しているローラねじも提案されている(例えば特許文献2参照)。ねじ軸のローラ転走溝を転がるローラは、リターンパイプによって掬い上げられ、リターンパイプの中の無負荷ローラ戻し通路を通り元の位置に戻る。リターンパイプの無負荷ローラ戻し通路も断面が四角形でかつねじれている。
特許文献1 : 特開2006-118649号公報
特許文献2 : 特開2000-161459号公報

発明の開示

発明が解決しようとする課題

[0006]
 上述したように、循環パイプ又はリターンパイプのローラ戻し通路は断面が四角形でかつねじれている。これを一部品から製造するのは難しいため二部品から製造する必要がある。しかし、単純にローラ戻し通路の中心線を含む平面で二分割すると、分割ピースにアンダーカットが生じてしまう。アンダーカットとは、分割ピースの側面に窪んだ形状があり、そのままでは成型品の分割ピースを型開閉方向に取り出せないような形状、又はそのままでは分割ピースを上方向から切削加工できないような形状をいう。
[0007]
 そこで本発明は、断面が四角形でかつねじれたローラ戻し通路を有する循環パイプ、又は断面が四角形でかつねじれた無負荷ローラ戻し通路を有するリターンパイプを二分割しても、アンダーカットが生じないローラねじを提供することを目的とする。
[0008]
 ところで、方向転換路構成部品及び循環パイプが組み込まれるローラねじにおいては、方向転換路構成部品の方向転換路の断面形状も循環パイプのローラ戻し通路の断面形状も四角形である。そして、それら四角形断面が連続することでローラを拘束し、循環させている。もし、方向転換路構成部品と循環パイプとの接合面でどちらかが周方向に位置ずれを起こすと、断面形状が円形のボールねじと異なり、方向転換路からローラ戻し通路へ、もしくはその逆へ移行するときの通路断面が不連続になり、ローラの循環が妨げられる。
[0009]
 方向転換路構成部品と循環パイプの位置ずれを防止するために、特許文献1に記載のローラねじにあっては、図16に示されるように、循環パイプ43の両端に四角形の突起43aを設け、方向転換路構成部品44に突起43aに嵌められる四角形の凹み44aを設けていた。しかし、循環パイプ43の突起43aを方向転換路構成部品44の凹み44aに嵌めるのには、突起43aの周囲に遊びが必要になる。遊びがある分だけ、方向転換路構成部品44と循環パイプ43のどちらかが周方向に位置ずれを起こすおそれがある。
[0010]
 そこで本発明の他の目的は、方向転換路構成部品と循環パイプとを通路断面の周方向に位置決めし、円滑にローラを循環させることができるローラねじを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0011]
 以下、本発明について説明する。
 上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、外周面に螺旋状のローラ転走部を有するねじ軸と、内周面に前記ローラ転走部に対向する螺旋状の負荷ローラ転走部を有するナットと、前記ナットを軸線方向に貫通する貫通孔内に設けられ、ローラ戻し通路を有する循環パイプと、前記ナットの軸線方向の端面に取り付けられ、前記ナットの前記負荷ローラ転走部と前記循環パイプの前記ローラ戻し通路とを接続する方向転換路を有する方向転換路構成部品と、前記ナットの前記負荷ローラ転走部、前記方向転換路構成部品の前記方向転換路、及び前記循環パイプの前記ローラ戻し通路を含むローラ循環経路に配列される複数のローラと、を備え、前記循環パイプは、断面が四角形でかつねじれている前記ローラ戻し通路の対角線の頂点に沿って分割された分割ピースを結合させてなることを特徴とするローラねじである。
[0012]
 請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のローラねじにおいて、前記分割ピースにアンダーカットが生じないように、前記循環パイプの長さ方向の途中の位置において、合せ面になる対角線の頂点が切り替わることを特徴とする。
[0013]
 請求項3に記載の発明は、外周面に螺旋状のローラ転走部を有するねじ軸と、内周面に前記ローラ転走部に対向する螺旋状の負荷ローラ転走部を有するナットと、前記ナットに取り付けられ、前記ナットの前記負荷ローラ転走部の一端と他端とを接続する無負荷ローラ戻し通路を有するリターンパイプと、前記ナットの前記負荷ローラ転走部、及び前記リターンパイプの前記無負荷ローラ戻し通路を含むローラ循環経路に配列される複数のローラと、を備え、前記リターンパイプは、断面が四角形でかつねじれている前記無負荷ローラ戻し通路の対角線の頂点に沿って分割された分割ピースを結合させてなることを特徴とするローラねじである。
[0014]
 請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のローラねじにおいて、前記分割ピースにアンダーカットが生じないように、前記リターンパイプの長さ方向の途中の位置において、合せ面になる対角線の頂点が切り替わることを特徴とする。
[0015]
 請求項5に記載の発明は、外周面に螺旋状のローラ転走部を有するねじ軸と、内周面に前記ローラ転走部に対向する螺旋状の負荷ローラ転走部を有するナットと、前記ナットを軸線方向に貫通する貫通孔内に設けられ、ローラ戻し通路を有する循環パイプと、前記ナットの軸線方向の端面に取り付けられ、前記ナットの前記負荷ローラ転走部と前記循環パイプの前記ローラ戻し通路とを接続する方向転換路を有する方向転換路構成部品と、前記ナットの前記負荷ローラ転走部、前記方向転換路構成部品の前記方向転換路、及び前記循環パイプの前記ローラ戻し通路を含むローラ循環経路に配列される複数のローラと、前記循環パイプ及び前記方向転換路構成部品の少なくとも一方の接合面に設けられる複数の位置決め孔と、前記複数の位置決め孔に挿入される複数の位置決めピンと、を備えるローラねじである。

発明の効果

[0016]
 請求項1に記載の発明によれば、循環パイプが四角形の対角線の頂点に沿って分割されているので、分割ピースにアンダーカットが生ずることがない。
[0017]
 ローラ戻し通路のねじり角度が大きいとき(例えば正方形断面のローラ戻し通路を45度以上ねじるとき)、循環パイプを四角形の対角線の頂点に沿って分割し続けると、アンダーカットが生ずる。請求項2に記載の発明のように、循環パイプの長さ方向の途中で合せ面になる対角線の頂点を切り替えることで、ローラ戻し通路のねじり角度が大きくても分割ピースにアンダーカットを生じさせないようにすることができる。
[0018]
 請求項3に記載の発明によれば、リターンパイプが四角形の対角線の頂点に沿って分割されているので、分割ピースにアンダーカットが生ずることがない。
[0019]
 請求項4に記載の発明によれば、リターンパイプのねじり角度が大きくてもアンダーカットを生じさせないようにすることができる。
[0020]
 請求項5に記載の発明によれば、精度よく製造できる位置決めピンによって、方向転換路構成部品と循環パイプとを通路断面の周方向に容易に位置決めし、固定することができる。

図面の簡単な説明

[0021]
[図1] 本発明の一実施形態におけるローラねじの斜視図(一部断面図を含む)
[図2] 上記ローラねじの要部拡大図(一部断面図を含む)
[図3] ローラねじの正面図(一部断面図を含む)
[図4] ローラねじの側面図(一部断面図を含む)
[図5] ナットに組み込まれる方向転換路構成部品及び循環パイプを示す斜視図
[図6] 方向転換路構成部品及び循環パイプの斜視図
[図7] 方向転換路構成部品の斜視図
[図8] Rピースの斜視図
[図9] エンドピースの斜視図
[図10] 循環パイプの斜視図
[図11] 循環パイプの正面図
[図12] 分割ピースの斜視図
[図13] 分割ピースの斜視図
[図14] 分割ピースの三面図(図中(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図)
[図15] 本発明の第二の実施形態におけるローラねじを示す斜視図(一部断面図を含む)
[図16] 従来のローラねじを示す分解斜視図
[図17] 従来のローラねじの循環パイプを示す図

符号の説明

[0022]
1a…ローラ転走溝(ローラ転走部)
1…ねじ軸
2…ナット
2a…負荷ローラ転走溝(負荷ローラ転走部)
3…負荷ローラ転走路
4…ローラ
7…貫通孔
8…循環パイプ
9…方向転換路構成部品
8a,9a…接合面
11a,11b…頂点
11c,11d…頂点
11…ローラ戻し通路
13…方向転換路
16…エンドピース(方向転換路構成部品)
17…Rピース(方向転換路構成部品)
18a,18b…分割ピース
19,20…位置決め孔
21…位置決めピン
24…合せ面
31…リターンパイプ
31a,31b…分割ピース
32…ローラ
33a…ローラ転走溝(ローラ転走部)
33…ねじ軸
34…ナット
34a…負荷ローラ転走溝(負荷ローラ転走部)

発明を実施するための最良の形態

[0023]
 図1及び図2は、本発明の一実施形態におけるローラねじの斜視図を示す。図1はローラねじの斜視図(一部断面図を含む)を示し、図2はローラねじの循環部分の拡大図(一部断面図を含む)を示す。これらの図において、ローラの循環状態を示せるように、方向転換路構成部品のエンドピース16は取り外されている。
[0024]
 ローラねじは、外周面に螺旋状のローラ転走溝1aが形成されるねじ軸1と、内周面にローラ転走溝1aに対向する螺旋状の負荷ローラ転走溝2aが形成されるナット2とを備える。ねじ軸1のローラ転走溝1aとナット2の負荷ローラ転走溝2aとの間の螺旋状の負荷ローラ転走路3には、複数のローラ4が配列される。ローラ4間には、隣接するローラ4の接触を防止するリテーナ5が介在される。
[0025]
 ねじ軸1は、炭素鋼、クロム鋼、又はステンレス鋼などの棒鋼の外周面に、所定のリードを有する螺旋状のローラ転走溝1aを切削及び研削加工又は転造加工によって形成したものである。ローラ転走溝1aの条数は、一条、二条、三条等いずれであってもよい。この実施形態のローラねじに使用されるローラ4は円筒形である。ナット2の負荷ローラ転走溝2aと合わせて断面四角形の負荷ローラ転走路3を形成できるように、ローラ転走溝1aの断面はV字形状でその開き角度は約90度である。
[0026]
 ナット2は、炭素鋼、クロム鋼、又はステンレス鋼などの円筒の内周面に、所定のリードを有する螺旋状の負荷ローラ転走溝2aを切削及び研削加工又は転造加工によって形成したものである。負荷ローラ転走溝2aの断面はV字形状でその開き角度は約90度である。ナット2の外周の軸線方向の端部には、ナット2を相手部品に取り付けるためのフランジ6が形成される。
[0027]
 ナット2には、ナット2の軸線方向に伸びる貫通孔7が形成される。貫通孔7に循環パイプ8が挿入される。循環パイプ8の内部には、ナット2の軸線方向に直線状に伸びるローラ戻し通路11が形成される。ローラ戻し通路11を移動するローラ4の姿勢を回転させることができるように、ローラ戻し通路11は断面四角形でかつねじれている。ローラ戻し通路11の断面形状は、ローラ4の側面形状に対応させた四角形である。この実施形態ではローラ4の側面形状が正方形であるので、ローラ戻し通路11の断面形状も正方形である。循環パイプ8の構造については後述する。
[0028]
 ナット2の軸線方向の両端面には、貫通孔に繋がる取付け凹部2b(図3参照)が形成される。この取付け凹部2bに方向転換路構成部品9が取付けられる。方向転換路構成部品9の内部には、円弧などの曲線状に伸びる方向転換路13が形成される。方向転換路13は、直線状のローラ戻し通路11の両端部に設けられ、ローラ戻し通路11と螺旋状の負荷ローラ転走路3とを接続する。循環パイプ8の構造については後述する。この実施形態では、ローラ転走溝1aの条数と等しい数の循環パイプ8及び方向転換路構成部品9が設けられる。
[0029]
 負荷ローラ転走路3、方向転換路構成部品9の方向転換路13、循環パイプ8のローラ戻し通路11で構成されるローラ循環経路には、転動体として複数のローラ4が配列される。ローラ4は円筒形状でその直径と長さが略等しい。正確にはローラ4の直径がローラ4の高さよりも若干大きい。このため側面からみたローラ4の形状は正方形に近くなる。ローラ4はローラ循環経路において隣接するローラ4の軸線がほぼ平行になるようにパラレル配列される。なお、螺旋状の負荷ローラ転走路3において、ローラ4の軸線がねじ軸1の中心線を通るので、厳密にいえば隣接するローラ4の軸線は平行ではない。このような場合も含めるために、隣接するローラ4の軸線はほぼ平行であるという。複数のローラ4間には、ローラ4同士の接触を防止するためにリテーナ5が介在される。
[0030]
 ねじ軸1をナット2に対して相対的に回転させると、複数のローラ4がローラ転走溝1aと負荷ローラ転走溝2aとの間を転がりながら移動する。負荷ローラ転走路3の一端まで転がったローラ4は方向転換路構成部品9の掬い部15(図7参照)で救い上げられ、方向転換路13内へ導かれる。そしてローラ戻し通路11、反対側の方向転換路13を経由した後、再びローラ転走溝1aと負荷ローラ転走溝2aとの間に入る。
[0031]
 図3は、ねじ軸1の軸線方向からみたローラねじを示し、図4は、ねじ軸1の側方からみたローラねじを示す。これらの図においても、方向転換路構成部品9の内部のローラ4を示すために方向転換路構成部品9のエンドピース16が取り外されている。図3に示されるように、ねじ軸1の軸線方向からみて、方向転換路13の中心線13aはねじ軸1の接線方向に配置される。そして、紙面手前側の方向転換路13の中心線13aと図示しない奥側の方向転換路13の中心線13aとは、所定の開き角度αで交差する。ローラ戻し通路11が、ローラ4の姿勢をこの開き角度と等しい角度αだけ回転させる。これにより、負荷ローラ転走路3へ移行するローラ4の姿勢を負荷ローラ転走路3の断面形状に合わせることができる。また図4に示されるように、ねじ軸1の側方からみて、方向転換路13の先端部はねじ軸1のリード角方向に合わせて配置される。
[0032]
 なお、ナット2の軸線方向の両端面には、異物を除去するために並びにナット2の内部から潤滑剤が漏れるのを防止するために、シールが取付けられてもよい。
[0033]
 図5及び図6は、ナット2に組み込まれる方向転換路構成部品9及び循環パイプ8を示す。方向転換路構成部品9は方向転換路13の内周側のRピース17と、方向転換路13の外周側のエンドピース16とを結合させてなる。循環パイプ8は軸線方向に二分割された分割ピース18a,18bを結合させてなる。循環パイプ8の軸線方向の両端面は平面に形成される。この循環パイプ8の端面が方向転換路構成部品9との接合面8aになる。循環パイプ8の接合面8aには、半径が一定の円周上に周方向に均等間隔を開けて複数の(例えば四つの)位置決め孔19が加工される。循環パイプ8に接合される方向転換路構成部品9の接合面9aも平面に形成される(図7参照)。方向転換路構成部品9の接合面9aにも、半径が一定の円周上に周方向に均等間隔を開けて複数の(例えば四つの)位置決め孔20が加工される。これらの位置決め孔19,20には、位置決めピン21が挿入される。位置決め孔19,20と位置決めピン21との間にすきまが生じないように、位置決めピン21は精度よく製造される。位置決めピン21と位置決め孔19,20とは、締め代のある締まり嵌めが望ましい。
[0034]
 方向転換路構成部品9を循環パイプ8に接合するときは、あらかじめ位置決めピン21に接着剤などを塗布し、方向転換路構成部品9及び循環パイプ8のどちらか一方の位置決め孔19,20に位置決めピン21を挿入する。そして、位置決めピン21が挿入された方を残りの一方に近づけて、位置決めピン21を残りの一方の位置決め孔19,20に挿入する。
[0035]
 なおこの実施形態では、方向転換路構成部品9及び循環パイプ8の両方に位置決め孔19,20を設けているが、方向転換路構成部品9及び循環パイプ8のどちらか一方にのみ位置決め孔19,20を設け、残りの一方に位置決めピン21を一体に形成してもよい。
[0036]
 図7ないし図9は方向転換路構成部品9の斜視図を示す。図7は方向転換路構成部品9の斜視図を示し、図8はRピース17の斜視図を示し、図9はエンドピース16の斜視図を示す。方向転換路構成部品9には方向転換路13が形成される。方向転換路13は断面が四角形である。方向転換路13は円弧状に伸びるが、ねじられてはいない。円弧状の方向転換路13をねじると、曲がりながらねじることになるのでローラ4が詰まるおそれがあるからである。方向転換路構成部品9は、断面が四角形の方向転換路13の対角線の頂点13c,13dに沿って内周側のRピース17と外周側のエンドピース16とに分割される。方向転換路構成部品9には、負荷ローラ転走路3を移動するローラ4を方向転換路13内へ掬い上げる掬上げ部15が設けられる。方向転換路13は、掬上げ部15が掬い上げたローラ4を方向転換させ、ローラ戻し通路11へと導く。
[0037]
 図8に示されるように、Rピース17は、ナット2の端面に取付けられるフランジ部17aと、フランジ部17aから突出し、方向転換路13が形成される本体部17bと、を有する。フランジ部17aには、Rピース17をナット2に取り付けるための取付け穴22が加工される。フランジ部17aの方向転換路13が形成される部分には、負荷ローラ転走路3を移動するローラ4を掬い上げる掬上げ部15が形成される。本体部17bの端面には、位置決めピン21が挿入される位置決め孔20が加工される。Rピース17は金属を切削加工することで製造されてもよいし、樹脂の成型品でもよい。
[0038]
 図9に示されるように、エンドピース16は、ナット2の端面に取付けられるフランジ部16aと、方向転換路13が形成される本体部16bと、を有する。フランジ部16aの方向転換路13が形成される部分には、負荷ローラ転走路3を移動するローラ4を掬い上げる掬上げ部15が形成される。本体部16bの端面には、位置決めピン21が挿入される位置決め孔20が加工される。エンドピース16は金属を切削加工することで製造されてもよいし、樹脂の成型品でもよい。
[0039]
 図5に示されるように、Rピース17とエンドピース16を重ね合わせ、これらのフランジ部16a,17aにボルトを通し、ボルトをナット2の端面の凹部2bに加工したねじ穴23に嵌め込むことで、方向転換路構成部品9がナット2に取り付けられる。
[0040]
 図10及び図11は循環パイプ8を示す。図10は循環パイプ8の斜視図を示し、図11は循環パイプ8の軸線方向からみた正面図を示す。円筒形状の循環パイプ8の内部には、断面が正方形のローラ戻し通路11が形成される。ローラ戻し通路11は、移動するローラ4の姿勢を回転させることができるようにねじれている。この実施形態では、ローラ戻し通路11の出口は入口に対して90度近くねじれている。循環パイプ8の両端面には、複数の位置決め孔19が加工される。循環パイプ8は、ローラ戻し通路11の対角線の頂点11a,11bに沿って二分割された一対の分割ピース18a,18bを結合させてなる。分割ピース18a,18bは、切削加工することで製造されてもよいし、樹脂の成型品でもよい。
[0041]
 図12及び図13は、分割ピース18a,18bを示す。二つの分割ピース18a,18bは同じ形状に形成される。一方の分割ピース18aを反転させて他方の分割ピース18bと重ね合わせることで、循環パイプ8が形成される。分割ピース18aの合せ面24は、断面が四角形のローラ戻し通路11の対角線の頂点11a,11bの位置にある。ローラ戻し通路11がねじれているので、分割ピース18a,18bの合せ面24もねじれている。循環パイプ8の長さ方向の途中において(この実施形態では循環パイプ8の長さ方向の中央において)、合せ面24になる対角線の頂点11a,11bが、頂点11c,11d(図11参照)へと切り替わっている。すなわち、合せ面24は四角形の頂点11a,11bから四角形の隣の頂点11c,11dに移る。切り替わる前の合せ面24と切り替わった後の合せ面24とを連結する連結面25は、循環パイプ8の中心線と直交する平面内に配置される。
[0042]
 図14は、分割ピース18a,18bの三面図を示す。図中(A)は平面図を示し、(B)は正面図を示し、(C)は側面図を示す。図(A)中の左端位置において、分割ピース18a,18bの合せ面24は、断面が四角形のローラ戻し通路11の対角線の頂点11a,11bの位置にあり、右方向に向かうにしたがってねじれる。分割ピース18a,18bの内部に形成されるV字形状の溝26もねじれている。図中(A)に示されるように、V字形状の溝26の一方の壁面26aが垂直な面にくるところで、合せ面24になる対角線の頂点11a,11bが頂点11c,11dへと切り替わっている。このため、分割ピース18a,18bにアンダーカットが生ずることはない。仮に、対角線の頂点11a,11bを切り替えないならば、V字形状の溝26の一方の壁面26aも垂直な面を超えてねじれることになるので、アンダーカットが生ずる。正方形断面のローラ戻し通路11の場合、ローラ戻し通路11のねじり角度が45度を超える毎に対角線の頂点の切り替えが必要になる。
[0043]
 図15は本発明の第二の実施形態におけるローラねじを示す。この実施形態のローラねじは、方向転換路構成部品9及び循環パイプ8の替わりに、リターンパイプ31を設け、リターンパイプ31によってローラ32を循環させる。ローラねじは、外周面に螺旋状のローラ転走溝33aを有するねじ軸33と、内周面にローラ転走溝33aに対向する螺旋状の負荷ローラ転走溝34aを有するナット34と、を備える。ナット34の側面には貫通孔35が開けられる。貫通孔35にリターンパイプ31が挿入される。
[0044]
 リターンパイプ31内には、無負荷ローラ戻し通路が形成される。無負荷ローラ戻し通路は、ローラ32を循環させることができるように、ナット34の負荷ローラ転走溝34aの一端と他端とを接続する。ナット34の負荷ローラ転走溝34a、及びリターンパイプ31の無負荷ローラ戻し通路を含むローラ循環経路には、複数のローラ32がクロス配列される。すなわちローラ32の進行方向からみて、隣接するローラ32の軸線は直交する。
[0045]
 リターンパイプ31内の無負荷ローラ戻し通路は、断面が四角形でねじれている。そして第一の実施形態の循環パイプ8と同様に、リターンパイプ31は、無負荷ローラ戻し通路の対角線の頂点に沿って二分割された一対の分割ピース31a,31bを結合させてなる。また、リターンパイプ31の長さ方向の途中の位置において、合せ面36になる対角線の頂点が切り替えられている。四角形の対角線の頂点に沿った分割方法は、この実施形態のローラねじのようにリターンパイプにも適用することができる。
[0046]
 なお本発明は上記実施形態に限られることなく、本発明の要旨を変更しない範囲で様々に変更できる。例えば、ローラには円筒ローラの替わりに側面にテーパを付けたテーパローラを用いてもよい。ローラの直径と高さの比は負荷荷重などに合わせて適宜設定することができる。ローラは上記実施形態のようにパラレル配列されてもよいし、クロス配列されてもよい。
[0047]
 リターンパイプは、通路がねじれている部分とねじれていない部分とに分け、ねじれている部分のみを四角形の頂点に沿って分割した分割ピースによって構成し、ねじれていない部分と位置決めピンによって結合してもよい。
[0048]
 上記実施形態では、循環パイプと方向転換路構成部品とを周方向に固定する位置決めピンが四つ設けられているが、循環パイプと方向転換路構成部品とを周方向に固定するという観点からは位置決めピンは二つ以上設けられればよい。
[0049]
 本明細書は、2007年3月30日出願の特願2007-095046に基づく。この内容はすべてここに含めておく。

請求の範囲

[1]
 外周面に螺旋状のローラ転走部を有するねじ軸と、
 内周面に前記ローラ転走部に対向する螺旋状の負荷ローラ転走部を有するナットと、
 前記ナットを軸線方向に貫通する貫通孔内に設けられ、ローラ戻し通路を有する循環パイプと、
 前記ナットの軸線方向の端面に取り付けられ、前記ナットの前記負荷ローラ転走部と前記循環パイプの前記ローラ戻し通路とを接続する方向転換路を有する方向転換路構成部品と、
 前記ナットの前記負荷ローラ転走部、前記方向転換路構成部品の前記方向転換路、及び前記循環パイプの前記ローラ戻し通路を含むローラ循環経路に配列される複数のローラと、を備え、
 前記循環パイプは、断面が四角形でかつねじれている前記ローラ戻し通路の対角線の頂点に沿って分割された分割ピースを結合させてなることを特徴とするローラねじ。
[2]
 前記分割ピースにアンダーカットが生じないように、前記循環パイプの長さ方向の途中の位置において、合せ面になる対角線の頂点が切り替わることを特徴とする請求項1に記載のローラねじ。
[3]
 外周面に螺旋状のローラ転走部を有するねじ軸と、
 内周面に前記ローラ転走部に対向する螺旋状の負荷ローラ転走部を有するナットと、
 前記ナットに取り付けられ、前記ナットの前記負荷ローラ転走部の一端と他端とを接続する無負荷ローラ戻し通路を有するリターンパイプと、
 前記ナットの前記負荷ローラ転走部、及び前記リターンパイプの前記無負荷ローラ戻し通路を含むローラ循環経路に配列される複数のローラと、を備え、
 前記リターンパイプは、断面が四角形でかつねじれている前記無負荷ローラ戻し通路の対角線の頂点に沿って分割された分割ピースを結合させてなることを特徴とするローラねじ。
[4]
 前記分割ピースにアンダーカットが生じないように、前記リターンパイプの長さ方向の途中の位置において、合せ面になる対角線の頂点が切り替わることを特徴とする請求項3に記載のローラねじ。
[5]
 外周面に螺旋状のローラ転走部を有するねじ軸と、
 内周面に前記ローラ転走部に対向する螺旋状の負荷ローラ転走部を有するナットと、
 前記ナットを軸線方向に貫通する貫通孔内に設けられ、ローラ戻し通路を有する循環パイプと、
 前記ナットの軸線方向の端面に取り付けられ、前記ナットの前記負荷ローラ転走部と前記循環パイプの前記ローラ戻し通路とを接続する方向転換路を有する方向転換路構成部品と、
 前記ナットの前記負荷ローラ転走部、前記方向転換路構成部品の前記方向転換路、及び前記循環パイプの前記ローラ戻し通路を含むローラ循環経路に配列される複数のローラと、
 前記循環パイプ及び前記方向転換路構成部品の少なくとも一方の接合面に設けられる複数の位置決め孔と、
 前記複数の位置決め孔に挿入される複数の位置決めピンと、を備えるローラねじ。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]