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1. WO2008123394 - 合材層およびその製造方法ならびに固体電池およびその製造方法

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明細書

合材層およびその製造方法ならびに固体電池およびその製造方法

技術分野

この発明は合材層および固体電池ならびにそれらの製造方法に関し、より特定 的には、硫化物ガラスを用いた合材層および固体電池ならびにそれらの製造方法 に関するものである。

背景技術

従来、電池は、たとえば特開 2004— 265685号公報、特開 2004— 348972号公報、 特開 2004— 348973号公報、 特開 2003— 20 8919号公報に開示されている。

発明の開示

従来は硫化リチウムと五硫化ニリンを出発材料とし、メカ二カルミリングによ つて硫化物ガラスとし、これをガラス転移温度以上の温度で焼成することによつ てリチウムイオン伝導ガラスセラミックスを得ていた。このリチウムイオン伝導 性ガラスセラミックスを使用して全固体電池が作製されている。しかしながら、 このリチウムィォン伝導性ガラスセラミックスは結晶化された粉体であるため加 圧成形性に乏しいという問題があつた。

そこで、この発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、 成形性に優れた合材層および固体電池を提供することを目的とする。

この発明に従った合材層は、焼成前の硫化物ガラスと、芷極または負極の活物 質とを備え、硫化物ガラスと活物質とが加圧成形されて互いに接触している。 このように構成された合材層では、硫化物ガラスは粘性を有し加圧成形性に優 れているため、周囲の活物質と密着し、加圧成形性が優れる。また、密着により 伝導性が向上する。

好ましくは、硫化物ガラスが硫化物ガラスのガラス転移点以上の、温度で焼成さ れ、一部の硫化物ガラスがガラスセラミックスに転移している。この場合、充放 電時における活物質の膨張収縮による粉体の微小移動によるガラスセラミックス の物理的接続の破壊が硫化物ガラスの粘性により抑制できる。

この発明に従った固体電池は、正極合材層と、負極合材層と、正極および負極 合材層に挟まれて焼成された硫化物ガラスを含む固体電解質層とを備え、正極合 材層は、焼成前の硫化物ガラスと、正極活物質とを含み、硫化物ガラスと正極活 物質とが加圧成形されて互いに接触しており、正極活物質の硫化物ガラスが硫化 物ガラスのガラス転移点以上の温度で焼成され、一部の硫化物ガラスがガラスセ ラミックスに転移しており、負極合材層は、硫化物ガラスと、負極活物質とを含 み、硫化物ガラスと負極活物質とが加圧成形されて互いに接触しており、負極合 材層の硫化物ガラスが硫化物ガラスのガラス転移点以上の温度で焼成され、一部 の硫化物ガラスがガラスセラミッタスに転移している。このように構成された固 体電池では、硫化物ガラスは粘性を有し加圧成形性に優れているため、周囲の活 物質と密着し、加圧成形性が優れる。また、密着により伝導性が向上する。

好ましくは硫化物ガラスが硫化物ガラスのガラス転移点以上の温度で焼成され、 硫化物ガラスがガラスセラミックスに転移している。

この発明に従った固体電池は、正極合材層と、負極合材層と、正極および負極 合材層間に挟まれて焼成された硫化物ガラスを含む固体電解質層とを備え、正極 合材層は硫化物ガラスと、正極活物質とを含み、硫化物ガラスと正極活物質とが 加圧成形されて互いに接触しており、硫化物ガラスが硫化物ガラスのガラス転移 点以上の温度で焼成され、硫化物ガラスがガラスセラミックスに転移しており、 負極合材層は、硫化物ガラスと、負極活物質とを含み、硫化物ガラスと負極活物 質とは加圧成形されて互いに接触しており、硫化物ガラスが硫化物ガラスのガラ ス転移点以上の温度で焼成され、硫化物ガラスがガラスセラミッタスに転移して いる。

この発明に従った固体電池は、正極合材層と、負極合材層と、正極および負極 合材層に挟持されたガラスセラミックスとを備える。正極合材層は、硫化物ガラ スと、正極活物質とを含み、硫化物ガラスと正極活物質とが加 |£成形されて互い に接触している。負極合材層は、硫化物ガラスと、負極活物質とを含み、硫化物 ガラスと負極活物質とが加圧成形されて互!/、に接触している。

このように構成された固体電池では、充放電時における活物質の膨張収縮によ るイオン伝導ネットワークの破壊が硫化物ガラスの粘性により抑制することがで きる。

この発明の別の局面に従った合材層は、硫化物ガラスとガラスセラミッタスと の混合物と、正極または負極の活物質とを備え、混合物と活物質とが加圧成形さ れて互いに接触している。

このように構成された合材層では、硫化物ガラスは粘性を有し加圧成形性に優 れているため、周固の活物質と密着し、加圧成形性が優れる。また、密着により 伝導性が向上する。

この発明のさらに別の局面に従った固体電池は、正極合材層と、負極合材層と、 正極および負極合材層に挟持された硫化物ガラスとガラスセラミックスとを含む 固体電解質層とを備える。正極合材層は、硫化物ガラスとガラスセラミックスの 混合物と正極活物質とを含み、混合物と正極活物質とが加圧成形されて互いに接 触している。負極合材層は、硫化物ガラスとガラスセラミックスとの混合物と、 負極活物質とを含み、混合物と負極活物質とが加圧成形されて互いに接触してい る。

このように構成された固体電池では、充放電時における活物質の膨張収縮によ るィオン伝導ネットワークの破壊が硫化物ガラスの粘性により抑制できる。

好ましくは、固体電池の周囲にある硫化物ガラスが完全にガラスセラミックス に転移レている。この場合、充電時の膨張収縮によって硫化物ガラスが外部へ流 出するのを防止でき、導電性を確保することができる。

好ましくは、合材層の活物質は、ひ _ F e 23、 L i 4T i 512、 L i C o 02、 および L i N i 0.5M n。.5O2からなる群より選ばれた少なくとも 1種を含む。

好ましくは、固体電池の活物質は、 a— F e 23、 L i 4T i 512、 L i C o O 2、および L i N i 0.5M n。.5O2からなる群より選ばれた少なくとも 1種を含む。 この発明に従った合材層の製造方法は、硫化物ガラスと正極または負極活物質 の混合物を製造する工程と、混合物を加圧成形して正極または負極の合材層を形 成する工程とを備える。

好ましくは、混合物を製造する工程は、導電助材を含む混合物を製造する工程 を含む。

好ましくは、合材層を硫化物ガラスのガラス転移点以上の温度で焼成すること により一部の硫化物ガラスを残し残りの硫化物ガラスにガラスセラミックスを析 出させる工程を備える。

好ましくは、合材層を硫化物ガラスのガラス転移点以上の温度で焼成すること により、硫化物ガラスにガラスセラミックスを析出させる工程と備える。

この発明に従った固体電池の製造方法は、正極合材層と負極合材層間に硫化物 ガラスを挟む工程と、正極合材層と硫化物ガラスと負極合材層とを硫化物ガラス のガラス転移点以上の温度で焼成することにより硫化物ガラスにガラスセラミツ タスを析出させる工程とを備える。正極合材層および負極合材層は上記のレ、ずれ かの方法で製造される。

好ましくは、合材層の製造方法において、活物質は、 α— F e 203、 L i 4T i 5012、 L i C o〇2、および L i N i。.5M n。.502からなる群より選ばれた少なく とも 1種を含む。 '

好ましくは、固体電池の製造方法において、活物質は、ひ一 F e 203、 L i 4T i 512、 L i C o 02、および L i N i。.5M n 0.52からなる群より選ばれた少な くとも 1種を含む。

図面の簡単な説明

図 1は、この発明の実施の形態 1に従った電池の断面図である。

図 2は、正極合材層および負極合材層の原料を示す図である。

図 3は、固体電解質層の製造方法の第 1工程を示す図である。

図 4は、固体電解質層の製造方法の第 2工程を示す図である。

図 5は、この発明の実施の形態 2に従った電池の断面図である。

図 6は、図 5で示す実施の形態 2に従った電池の製造方法を説明するための図 である。

図 7は、図 5で示す実施の形態 2に従った電池の製造方法を説明するための図 である。

図 8は、この発明の実施の形態 3に従った電池の断面図である。

図 9は、図 8で示す実施の形態 3に従った電池の製造方法を説明するための図 である。

図 1 0は、この発明の実施の形態 4に従った電池の断面図である。

図 1 1は、図 1 0で示す実施の形態 4に従った電池の製造方法を説明するため の図である。

図 1 2は、この発明の実施の形態 5に従った電池の断面図である。

図 1 3は、図 1 2で示す実施の形態 5に従った電池の製造方法を説明するため の図である。

図 1 4は、図 1 2で示す実施の形態 5に従った電池の製造方法を説明するため の図である。

図 1 5は、この発明の実施の形態 6に従った電池の断面図である。

図 1 6は、正極合材層の製造方法を説明するための図である。

図 1 7は、正極合材層の製造方法を説明するための図である。

図 1 8は、正極合材層の製造方法を説明するための図である。

図 1 9は、固体電解質層の製造方法を説明するための図である。

図 2 0は、—固体電解質層の製造方法を説明するための図である。

図 2 1は、固体電解質層の製造方法を説明するための図である。

図 2 2は、負極合材層の製造方法を説明するための図である。

図 2 3は、負極合材層の製造方法を説明するための図である。

図 2 4は、負極合材層の製造方法を説明するための図である。

図 2 5は、図 1 5で示す電池の別の製造方法を説明するための図である。 図 2 6は、図 1 5で示す電池の別の製造方法を説明するための図である。 図 2 7は、図 1 5で示す電池の別の製造方法を説明するための図である。 図 2 8は、 L i 4T i 012単体、固体電解質との混合後および焼成後の X線回折 図形である。

図 2 9は、 L i F e P 04単体、固体電解質との混合後および焼成後の X線回 折図形である。

図 3 0は、 L i C o〇2単体、固体電解質との混合後および焼成後の X線回折 図形である。

図 3 1は、 L i N i Q.5Mn。.502単体、固体電解質との混合後および焼成後の X線回折図形である。

図 32は、 F eO単体、固体電解質との混合後および焼成後の X線回折図形で ある。

図 33は、 α— F e 203単体、固体電解質との混合後および焼成後の X線回折 図形である。

発明を実施するための最良の形態

以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下 の実施の形態では同一または相当する部分については同一の参照符号を付し、そ の説明については繰返さない。また、各実施の形態を組合せることも可能である。

(実施の形態 1 )

図 1は、この発明の実施の形態 1に従った電池の断面図である。図 1を参照し て、固体電池 1は、正極集電体 10と、正極集電体 10に接触する正極合材層 1 00と、正極合材層 100に接触する固体電解質層 30と、固体電角军質層 30に 接触する負極合材層 200と、負極合材層 200に接触する負極集電体 20とを 有する。正極集電体 10および負極集電体 20は、それぞれアルミニゥムゃ銅な どの金属で構成される。正極合材層 100は、正極活物質 1 10と、正極活物質 1 10に隣接するように配置される導電助材 120と、正極活物質 1 10および 導電助材 120を取囲む硫化物ガラス 31とを有する。

硫化物ガラス 31は、たとえばガラス形成材である S i S2、五硫化リン (P2 S5) および P2S3などと、ガラス修飾材である硫化リチウム(L i 2S) を混合 し加熱溶融した後、急冷することによって得られる。また、上記の硫化物ガラス 3 1を構成する硫化リチウム(L i2S) は、いかなる製造方法により製造され たものでもよく、工業的に生産され、販売されるものであれば特に限定なく使用 することができる。

また、硫化リチウムの粒径は特に限定されるものではない。

また、硫化物ガラス 3 1として、出発原料として硫化リチウムと、五硫化リン の混合物、もしくは五硫化リンのかわりに単体リンおよび単体硫黄を用いた混合 物をメカ二カルミリングによりガラス化させることで製造してもよレ、。

正極活物質 1 1 0としては、たとえばコバルト酸リチウムを用いることができ る。また、導電助材 1 2 0としては、たとえば黒鉛を用いることができる。

固体電解質層 3 0は固体電解質としてのガラスセラミックス 3 2により構成さ れる。このガラスセラミックス 3 2は硫化物ガラスを焼成して得られるものであ り、硫化物ガラスよりも高いリチウムイオン伝導性を有する。

負極合材層 2 0 0は、負極活物質 2 1 0と、負極活物質 2 1 0を取囲む硫化物 ガラス 3 1とを有する。負極活物質 2 1 0としてカーボンを用いることができる。 正極合材層 1 0 0には導電助材 1 2 0が設けられているが、この導電助材 1 2

0は必ずしも設けられる必要はない。また、負極合材層 2 0 0には導電助材が設 けられていないが、負極合材層 2 0 0に導電助材が設けられていてもよい。

硫化物ガラス 3 1は粒子状であり、隣接する硫化物ガラス 3 1の粒子間に界面 が現われていてもよい。正極合材層 1 0 0は、焼成前の硫化物ガラス 3 1と、正 極活物質 1 1 0とを備える。硫化物ガラス 3 1と正極活物質 1 1 0とが加圧成形 されて互いに接触している。負極合材層 2 0 0は、焼成前の硫化物ガラス 3 1と、 負極活物質 2 1 0とを備える。硫化物ガラス 3 1と負極活物質 2 1 0とが加圧成 形されて互いに接触している。固体電池 1は、正極合材層 1 0 0と、負極合材層 2 0 0と、正極合材層 1 0 0および負極合材層 2 0 0に挟持されたガラスセラミ ックス 3 2を有する固体電解質層 3 0とを備える。

次に、図 1で示す電池の製造方法について説明する。図 2は、正極合材層およ び負極合材層の原料を示す図である。図 2を参照して、まず正極合材層を構成す る材料として正極活物質 1 1 0、導電助材 1 2 0および硫化物ガラス 3 1を準備 する。また、負極合材層 2 0 0を構成する材料として負極活物質 2 1 0および硫 化物ガラス 3 1を準備する。正極活物質 1 1 0、導電助材 1 2 0、硫化物ガラス 3 1および負極活物質 2 1 0は各々粉体であり、たとえばミリングにより粉砕化 された粉末を用いることができる。また、各々の粉体の粒径については特に制限 がない。正極活物質 1 1 0、導電助材 1 2 0および硫化物ガラス 3 1を十分に混 合した後型枠内で加圧成形することにより正極合材層 1 0 0を得ることができる。 また、負極活物質 2 1 0と硫化物ガラス 3 1を十分に混合し、これを型枠内で加 圧成形することにより負極合材層 2 0 0を得ることができる。

図 3は、固体電解質層の製造方法の第 1工程を示す図である。図 4は、固体電 解質層の製造方法の第 2工程を示す図である。図 3を参照して、まず硫化物ガラ ス 3 1を準備する。この硫化物ガラス 3 1は、正極合材層 1 0 0および負極合材 層 2 0 0を構成する硫化物ガラス 3 1と同じ組成および粒径でもよく、異なる組 成および粒径でもよい。

図 4を参照して、硫化物ガラスを硫化物ガラス 3 1のガラス転移点以上の温度 で焼成することにより、ガラスセラミックス 3 2を析出させる。この熱処理の温 度および時間は硫化物ガラスの組成によって異なるが、たとえば硫化物ガラスと して硫化リチウム L i 2 Sを用いる場合には、温度 1 5 0 °Cから 5 0 0 °Cで焼成 することができる。

実施例について以下に示す。硫化物ガラスは、たとえばモル比が 8 0対 2 0の

L i 2 Sと P 2 S 5の混合粉末を遊星ボールミルにて 2 0時間処理(メカニカルミリ ング)することによって得た。ガラスセラミックスはこの硫化物ガラスをガラス 転移点付近の温度(約 2 0 0 °C) で数時間焼成することによつて得た。

正極合材は L i C o 02と硫化物ガラスと導電助材(黒鉛)を重量比で 4 0対

6 0対 4で混合することによつて得た。また負極合材は黒鉛と硫化物ガラスを重 量比 1対 1で混合することによつて得た。

加圧成形可能な直径 1 O mmの円形型に負極合材、硫化物ガラス、正極合材の 順に投入し、投入後 4 0 O M P aで加圧することによってペレツト状の固体電池 を得た。

比較例として硫化物ガラスをガラスセラミックスで置き換えた固体電池を作成 した。

本実施例および比較例として作成した固体電池を両者とも電池作成後 6 4 μ A Z c m2の電流密度にて 1 0サイクル充放電を行なった後、 1 0 0サイクルの充 放電試験を実施した。それぞれの電池において 1 0 0サイクル充放電試験前の放 電可能容量と電池抵抗を基準としたときの実施後における放電可能容量の低下率 と電池抵抗の上昇率を確認した。その結果、本実施例では放電可能容量低下率は 1 4 %、電池抵抗上昇率は 2 3 %であり、比較例では放電可能容量低下率は 2 6 %、電池抵抗上昇率は 4 8 %であり、本発明は電池の寿命特性の改善に有効で あつ 7こ 0

なお、上記では非晶質ガラスを焼成処理することによつて超イオン伝導結晶を 析出させる固体電解質において焼成前の非晶質状態と焼成後の結晶質状態のもの を組み合わせる構成としたが、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質であれ ばその種類は問わない。たとえば本発明の非晶質部に相当する部分を他の材料か らなる非晶質固体電解質であってもよいし、結晶質部に相当する部分も同様であ る。

実施の形態 1では、正極活物質層としての正極合材層 1 0 0および負極活物質 層としての負極合材層 2 0 0内の電解質が粘性を有する硫化物ガラス 3 1である ため充放電に伴う正極活物質 1 1 0および負極活物質 2 1 0の膨張および収縮を 吸収し、イオン伝導経路の破壊を防止できる。これにより寿命特性が向上する。

(実施の形態 2 )

図 5は、この発明の実施の形態 2に従った電池の断面図である。図 5を参照し て、実施の形態 2に従った固体電池 1では、正極合材層 1 0 0および負極合材層 2 0 0に硫化物ガラス 3 1とガラスセラミックス 3 2とが混在している点で実施 の形態 1に従った電池と異なる。実施の形態 2では、硫化物ガラス 3 1の状態で 電池の形状を構成した後焼成する。その焼成の際の条件を調整して結晶化度を調 整し一部をガラス状態のまま残している。すなわち、実施の形態 2に従った正極 合材層 1 0 0は硫化物ガラス 3 1が硫化物ガラス 3 1のガラス転移点以上の温度 で焼成され、一部の硫化物ガラス 3 1がガラスセラミックス 3 2に転移している。 電池としての固体電池 1は、正極合材層 1 0 0と、負極合材層 2 0 0と、正極合 材層 1 0 0および負極合材層 2 0 0に挟持されたガラスセラミックス 3 2を含む 固体電解質層 3 0とを含む。

すなわち、正極合材層 1 0 0および負極合材層 2 0 0を構成する固体電解質に 粘性のある硫化物ガラス 3 1を使用することで充放電に伴う活物質の膨張および 収縮に起因するイオン伝導ネットワークの破壌を防止し、寿命特性を向上させる ことができる。

次に、図 5で示す電池の製造方法について説明する。図 6および図 7は、図 5 で示す実施の形態 2に従った電池の製造方法を説明するための図である。まず、 図 6を参照して、原料物質として、正極活物質 1 1 0、負極活物質 2 1 0と、硫 化物ガラス 3 1および導電助材 1 2 0を準備する。

図 7を参照して、正極活物質 1 1 0、導電助材 1 2 0および硫化物ガラス 3 1 を混合して加圧成形することにより正極合材層 1 0 0を形成する。また、負極活 物質 2 1 0と硫化物ガラス 3 1を混合して加圧形成することにより負極合材層 2 0 0を形成する。正極合材層 1 0 0と負極合材層 2 0 0との間に硫化物ガラス 3 1を充填する。このように正極合材層 1 0 0、固体電解質層 3 0および負極合材 層 2 0 0を焼成するこにより、硫化物ガラス 3 1の一部分に超ィオン伝導結晶 を析出させて図 5で示すガラスセラミックスを構成する。このとき、焼成条件を コントロールすることによって、硫化物ガラス 3 1の一部分を硫化物ガラス 3 1 のままで残存させる。

これにより、電解質の一部が粘性を有するガラスで構成されるため、充放電に 伴う活物質の膨張収縮を吸収し、イオン伝導経路の破壊を防止できる。そのため、 寿命特性が向上する。

実施例について以下に示す。硫化物ガラスは、たとえばモル比が 8 0対 2 0の L i 2 Sと P 2 S 5の混合粉末を遊星ボールミルにて 2 0時間処理(メカニカルミリ ング)する.ことによって得た。

正極合材は L i C o 02と硫化物ガラスと導電助材(黒鉛)を重量比で 4 0対 6 0対 4で混合することによって得た。また負極合材は黒鉛と硫化物ガラスを重 量比 1対 1で混合することによつて得た。

加圧成形可能な直径 1 0 mmの円形型に負極合材、硫化物ガラス、正極合材の 順に投入し、投入後 4 0 0 M P aで加圧することによって円形ペレットを得た。 上記で得られた円形ぺレットを硫化物ガラスのガラス転移点付近(約 2 0

0 °C) で数時間焼成する。その際、事前に得ておいた該当温度のおける硫化物ガ ラスの反応進行速度に応じて保持時間を調整する。硫化物ガラスイオンのイオン 伝導度にもよるが、この実施例では硫化物ガラスの残留量を 3 0 %とした。

比較例として以下の方法で固体電池を作成した。

本実施例と同じ方法で得た硫化物ガラスをガラス転移点付近の温度(2 0 0 °C) で数時間焼成することによってガラスセラミックスを得た。

正極合材は L i C o 02と硫化物ガラスと導電助材(黒鉛)を重量比で 4 0対 6 0対 4で混合することによつて得た。また負極合材は黒鉛と硫化物ガラスを重 量比 1対 1で混合することによつて得た。

加圧成形可能な直径 1 O mmの円形型に負極合材、硫化物ガラス、正極合材の 順に投入し、投入後 4 0 O M P aで加圧することによって円形ペレツトを得た。 本実施例および比較例として作成した固体電池を両者とも電池作成後 6 4 μ A / c m2の電流密度にて 1 0サイクル充放電を行なった後、 1 0 0サイクルの充 放電試験を実施した。それぞれの電池において 1 0 0サイクル充放電試験前の放 電可能容量と電池抵抗を基準としたときの実施後における放電可能容量の低下率 と電池抵抗の上昇率を確認した。その結果、本実施例では放電可能容量低下率は 1 4 %、電池抵抗上昇率は 2 3 %であり、比較例では放電可能容量低下率は 2 6 %、電池抵抗上昇率は 4 8 %であり、本発明は電池の寿命特性の改善に有効で あった。

(実施の形態 3 )

図 8は、この発明の実施の形態 3に従った電池の断面図である。図 8を参照し て、実施の形態 3に従った固体電池 1では、固体電解質としての硫化物ガラス 3 1とガラスセラミックス 3 2が加圧成形前に焼結されたものである点で、実施の 形態 2に従った固体電池 1と異なる。すなわち、実施の形態 2では加圧成形した 後に焼結してガラスセラミックス 3 2を形成しているのに対し、実施の形態 3で は、焼成した後に加圧成形して固体電池 1を構成している。

図 9は、図 8で示す実施の形態 3に従った電池の製造方法を説明するための図 である。図 9を参照して、原材料として正極活物質 1 1 0、導電助材 1 2 0、ガ ラスセラミックス 3 2、硫化物ガラス 3 1、負極活物質 2 1 0を準備する。正極 合材層 1 0 0の材料が正極活物質 1 1 0、導電助材 1 2 0、硫化物ガラス 3 1お よびガラスセラミックス 3 2が正極合材層 1 0 0を構成する。負極活物質 2 1 0、 '硫化物ガラス 3 1およびガラスセラミックス 3 2が負極合材層 2 0 0を構成する。 ガラスセラミックス 3 2は硫化物ガラス 3 1を焼成して得られたものであり、硫 化物ガラス 3 1のガラス転移点以上の温度で焼成することによってガラスセラミ ックス 3 2が析出する。ガラスセラミックス 3 2は超ィォン伝導体である。正極 活物質 1 1 0と、導電助材 1 2 0と、硫化物ガラス 3 1とガラスセラミックス 3 2とを混合した後加圧成形することにより正極合材層 1 0 0を形成する。負極活 物質 2 1 0と硫化物ガラス 3 1とガラスセラミックス 3 2とを混合して加圧成形 することにより負極合材層 2 0 0を構成する。硫化物ガラス 3 1とガラスセラミ ックス 3 2とを加圧成形することにより固体電解質層 3 0を形成する。これによ り図 8で示す固体電池が完成する。

このように構成された実施の形態 3に従った固体電池 1でも実施の形態 2に従 つた固体電池 1と同様の効果がある.。

実施例について以下に示す。硫化物ガラスは、たとえばモル比が 8 0対 2 0の L i 2 Sと P 2 S 5の混合粉末を遊星ボールミルにて 2 0時間処理(メカニカルミリ ング)することによって得た。ガラスセラミックスはこの硫化物ガラスをガラス 転移点付近の温度 (約 2 0 0 °C) で数時間焼成することによつて得た。

硫化物ガラスとガラスセラミックスの混合体(以下、混合体)は上記硫化物ガ ラスとガラスセラミックスを重量比 3対 7で混合することによって得た。

正極合材は L i C o 02と硫化物ガラスとセラミッタスの混合体と導電助材 (黒鉛)を重量比で 4 0対 6 0対 4で混合することによって得た。また負極合材 は黒鉛と硫化物ガラスとセラミックスの混合体を重量比 1対 1で混合することに よって得た。

加圧成形可能な直径 1 O mmの円形型に負極合材、硫化物ガラス、正極合材の 順に投入し、投入後 4 0 0 M P aで加圧することによって円形ペレツトを得た。 比較例として以下の方法で固体電池を作成した。

本実施例と同じ方法で得た'硫化物ガラスをガラス転移点付近の温度( 2 0 0 °C) で数時間焼成することによってガラスセラミックスを得た。

正極合材は L i C o 02とガラスセラミックスと導電助材(黒鉛)を重量比で 4 0対 6 0対 4で混合することによって得た。また負極合材は黒鉛とガラスセラ ミックスを重量比 1対 1で混合することによつて得た。

加圧成形可能な直径 1 0 mmの円形型に負極合材、ガラスセラミックス、正極 合材の順に投入し、投入後 4 0 O M P aで加圧することによって円形ペレツトを 得た。

本実施例および比較例として作成じた固体電池を両者とも電池作成後 6 4 μ A / c m2の電流密度にて 1 0サイクル充放電を行なった後、 1 0 0サイクルの充 放電試験を実施した。それぞれの電池において 1 0 0サイクル充放電試験前の放 電可能容量と電池抵抗を基準としたときの実施後における放電可能容量の低下率 と電池抵抗の上昇率を確認した。その結果、本実施例では放電可能容量低下率は 1 4 %、電池抵抗上昇率は 2 3 %であり、比較例では放電可能容量低下率は 2 6 %、電池抵抗上昇率は 4 8 %であり、本発明は電池の寿命特性の改善に有効で あった。

なお、上記では非晶質ガラスを焼成処理することによって超イオン伝導結晶を 析出させる固体電解質において焼成前の非晶質状態と焼成後の結晶質状態のもの を組み合わせる構成としたが、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質であれ ばその種類は問わない。たとえば本発明の非晶質部に相当する部分を他の材料か らなる非晶質固体電解質であってもよいし、結晶質部に相当する部分も同様であ る。

さらに、本実施例では硫化物ガラスとガラスセラミックスの混合体を固体電解 質として使用したが、硫化物ガラスの焼成時に事前に得ておいた焼成温度におけ る硫化物ガラスの反応進行速度に応じて保持時間を調整することにより硫化物ガ ラスの一部分を未反応のまま残留させて混合体を得ることも可能である。

(実施の形態 4 )

図 1 0は、この発明の実施の形態 4に従った電池の断面図である。図 1 0を参 照して、この発明の実施の形態 4に従った固体電池 1では、両方の端部 2 , 3に おいてガラスセラミックス 3 2が析出している点で、実施の形態 1に従った電池 と異なる。すなわち、固体電池 1周囲のみガラス転移点以上の温度で焼成するこ とによって電池の周囲としての両方の端部 2, 3でガラスセラミックス 3 2を析 出させている。正極合材層 1 0 0と負極合材層 2 0 0、場合によっては固体電解 質層 3 0を構成する固体電解質としての硫化物ガラスとの混合状態により、粘性 のある硫化物ガラスが充放電に伴う活物質の膨張収縮を繰返す。これに起因する イオン伝導ネットワークの破壌を防止し寿命特性を向上させることができる。さ らに、このように構成された電池の周囲のみを焼成し電池周囲のみ完全にガラス セラミックス化することによりさらに寿命特性を向上させることができる。すな わち、固体電解質内に硫化物ガラス 3 1が存在する場合に、固体電池 1の周囲の みを焼成(加熱)することによって電池周囲のみガラスセラミックス化する。こ のガラスセラミックス 3 2には流動性がないので充放電に伴う固体電池 1の内圧 上昇によって生じる硫化物ガラス 3 1の流出をくい止めることができる。

図 1 1は、図 1 0で示す実施の形態 4に従った電池の製造方法を説明するため の図である。まず、実施の形態 1と同様の方法により固体電池 1を作製する。こ の後、加熱器 4を固体電池 1の両端部 2 , 3に接触させる。そして加熱器 4を用 いて固体電池 1の両端部 2および 3をガラス転移点以上の温度に加熱する。これ により、図 1 0で示す外周部にガラスセラミックス 3 2が析出する。なお、この 実施の形態では、実施の形態 1に従った電池の外周部をガラスセラミックス化す る例を示したが、実施の形態 2または 3の固体電池 1の外周部をガラスセラミツ クス化してもよレ、。

このように構成された実施の形態 4に従った電池でも実施の形態 1に従った電 池と同様の効果がある。

実施例について以下に示す。硫化物ガラスは、たとえばモル比が 8 0対 2 0の L i 2 Sと P 2 S 5の混合粉末を遊星ポールミルにて 2 0時間処理(メカ二カルミリ ング)することによって得た。ガラスセラミックスはこの硫化物ガラスをガラス 転移点付近の温度(約 2 0 0 °C) で数時間焼成することによつて得た。

正極合材は L i C o〇2と硫化物ガラスと導電助材(黒鉛)を重量比で 4 0対 6 0対 4で混合することによって得た。また負極合材は黒鉛と硫化物ガラスを重 量比 1対 1で混合することによつて得た。

加圧成形可能な直径 1 O mmの円形型に負極合材、硫化物ガラス、正極合材の 順に投入し、投入後 4 0 O M P aで加圧することによってペレツト状の固体電池 を得た。

この固体電池の周囲部のみ温度調整が可能な直径 1 0 mmの円形型に設置し、 電池周囲がガラス転移点付近の温度よりやや高温(約 2 2 0度)となるように加 熱した。加熱時間は事前に得ておいた電池内への熱伝導性と焼成温度における硫 化物ガラスの反応進行速度を踏まえてガラスセラミックス化する領域に応じて調 整する。本実施例では加熱時間を数分とすることにより周囲から中心部に向かつ て約 1から 2 mmの領域をガラスセラミックス化した。

比較例として以下の方法で固体電池を作成した。

本実施例と同じ方法で得た硫化物ガラスをガラス転移点付近の温度( 2 0 0 °C) で数時間焼成することによってガラスセラミックスを得た。

正極合材は L i C o 02と硫化物ガラスと導電助材(黒鉛)を重量比で 4 0対 6 0対 4で混合することによつて得た。また負極合材は黒鉛と硫化物ガラスを重 量比 1対 1で混合することによつて得た。

加圧成形可能な直径 1 O mmの円形型に負極合材、硫化物ガラス、正極合材の 順に投入し、投入後 4 0 O M P aで加圧することによってペレツト伏の固体電池 を得た。

本実施例および比較例として作成した固体電池を両者とも電池作成後 6 4 μ A Z c m2の電流密度にて 1 0サイクル充放電を行なった後、 1 0 0サイクルの充 放電試験を実施した。それぞれの電池において 1 0 0サイクル充放電試験前の放 電可能容量と電池抵抗を基準としたときの実施後における放電可能容量の低下率 と電池抵抗の上昇率を確認した。その結果、本実施例では放電可能容量低下率は 1 0 %、電池抵抗上昇率は 1 9 %であり、比較例では放電可能容量低下率は 1 4 %、電池抵抗上昇率は 2 3 %であり、本発明は電池の寿命特性の改善に有効で あった。

(実施の形態 5 )

図 1 2は、この発明の実施の形態 5に従った電池の断面図である。図 1 2を参 照して、実施の形態 5に従った固体電池 1では、固体電解質層 3 0と正極合材層 1 0 0との間に硫化物ガラス層 4 0が設けられ、固体電解質層 3 0と負極合材層 2 0 0との間にも硫化物ガラス層 4 0が設けられている点で、実施の形態 1に従 つた固体電池 1と異なる。なお、実施の形態 1に従った電池に硫化物ガラス層 4 0を設けてもよい。

固体電解質層 3 0はこの実施の形態ではガラスセラミックスで構成されている が、ガラスセラミックス 3 2の一部に硫化物ガラス 3 1が混入していてもよい。 正極合材層 1 0 0内の固体電解質はガラスセラミックス 3 2であるが、ガラス セラミックス 3 2の一部が硫化物ガラス 3 1であってもよレ、。負極合材層 2 0 0 内の固体電^^質はガラスセラミックス 3 2であるが、ガラスセラミックス 3 2の 一部分が硫化物ガラス 3 1であってもよい。

すなわち、図 1 2の硫化物ガラス層 4 0は実施の形態 1から 4のいずれの電池 にも適用することが可能である。また、固体電解質層 3 0の両側に硫化物ガラス 層 4 0を設けているが、いずれか一方のみに硫化物ガラス層 4 0が設けられてレヽ てもよい。

次に、図 1 2で示す電池の製造方法について説明する。図 1 3および図 1 4は、 図 1 2で示す実施の形態 5に従った電池の製造方法を説明するための図である。 まず、図 1 3を参照して、正極活物質 1 1 0、導電助材 1 2 0、ガラスセラミツ タス 3 2、負極活物質 2 1 0を準備する。正極活物質 1 1 0、導電助材 1 2 0、 ガラスセラミックス 3 2が正極合材層 1 0 0を構成し、負極活物質 2 1 0とガラ スセラミックス 3 2が負極合材層 2 0 0を構成する。

また、硫化物ガラス層用の硫化物ガラス 3 1を準備する。

図 1 4を参照して、正極活物質 1 1 0と導電助材 1 2 0とガラスセラミックス 3 2とを混合し加圧成形することにより正極合材層 1 0 0を形成する。また、硫 化物ガラス 3 1を加圧成形することにより硫化物ガラス層 4 0を形成する。ガラ スセラミックス 3 2を加圧成形することによりガラスセラミックス 3 2を形成す る。負極活物質 2 1 0とガラスセラミックス 3 2を加圧成形することにより負極 合材層 2 0 0を形成する。

それぞれの負極合材層 2 0 0、硫化物ガラス層 4 0、固体電解質層 3 0、正極 合材層 1 0 0を加圧成形することにより図 1 2で示す電池を構成する。

このように構成された電池では、正極合材層 1 0 0と固体電解質層 3 0との間 に硫化物ガラス層 4 0を設けることにより、正極合材層 1 0 0と固体電解質層 3 0の接触抵抗が改善する。また、負極合材層 2 0 0と固体電解質層 3 0との間に 硫化物ガラス層 4 0を設けることにより負極合材層 2 0 0と固体電角军質層 3 0と の接触抵抗が改善される。これにより電池の出力が向上する。これにより正極合 材層 1 0 0、負極合材層 2 0 0、固体電解質層 3 0を別々に構成して電池を構成 する製造方法を採用しても電池抵抗の増大化を防止することができる。

実施例について以下に示す。硫化物ガラスは、たとえばモル比が 8◦対 2 0の L i 2 Sと P 2 S 5の混合粉末を遊星ボールミルにて 2 0時間処理(メカニカルミリ ング)することによって得た。ガラスセラミックスはこの硫化物ガラスをガラス 転移点付近の温度(約 2 0 0 °C) で数時間焼成することによつて得た。

正極合材は L i C o〇2とガラスセラミックスと導電助材(黒鉛)を重量比で 4 0対 6 0対 4で混合し、加圧成形可能な直径 1 O mmの円形型に投入し、投入 後 4 0 O M P aで加圧することにより円形ペレツトとして得た。また負極合材は 黒鉛と硫化物ガラスを重量比 1対 1で混合し、加圧成形可能な直径 1 O mmの円 形型に投入し、投入後 4 0 0 M P aで加圧することにより円形ペレットとして得 た。

ガラスセラミックス層も加圧成形可能な直径 1 O mmの円形型に投入し、投入 後 4 0 O M P aで加圧することによって円形ペレツトとして得た。

上記を加圧成形可能な直径 1 O mmの円形型に負極合材層を設置しその上に上 記固体電解質の 1 / 1 0の量の硫化物ガラスを散布し、その上にガラスセラミッ クス層を設置し、その上に上記固体電解質の 1 1 0の量の硫化物ガラスを散布 し、その上に正極合材層を設置した後、 4 0 O M P aで加圧することによってぺ レツト状の固体電池を得た。

比較例として上記実施例において硫化物ガラスを散布しない以外は同じ方法で 作成された固体電池を得た。

本実施例および比較例として作成した固体電池を両者とも電池作成後 6 4 μ A / c m2の電流密度にて 1 0サイクル充放電を行なった後、両者の内部抵抗を比 較した。比較例を基準とした場合に、実施例では 1 8 %の抵抗低減があることを 確認した。

なお、上記では非晶質ガラスを焼成処理することによって超イオン伝導結晶を 析出させる固体電解質において焼成前の非晶質状態と焼成後の結晶質状態のもの を組み合わせる構成としたが、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質であれ ばその種類は問わない。たとえば本発明の非晶質部に相当する部分を他の材料か

らなる非晶質固体電解質であってもよいし、結晶質部に相当する部分も同様であ る。

(実施の形態 6 )

図 1 5は、この発明の実施の形態 6に従った電池の断面図である。図 1 5を参 照して、実施の形態 6に従った電池では、複数のセルが積層されて直列に接続さ れている点で、実施の形態 1に従った電池と異なる。 1つのセルは 3 . 6 Vの起 電力を有する。なお、この起電力は正極活物質 1 1 0および負極活物質 2 1 0を 構成する材料によってさまざまに変えることができる。

また、この積層数に関しては、電池に求められる電圧と 1つのセルの起電力と の値で得決定することができる。図 1 5では、負極集電体 2 0から正極集電体 1 0までが 1つのセルであり、 1つのセルには正極合材層 1 0 0、固体電解質層 3 0、負極合材層 2 0 0が設けられている。隣接するセルの負極集電体 2 0と正極 集電体 1 0とが接触することにより、複数のセルが直列に接続された構造を有す る。

正極合材層 1 0 0は正極活物質 1 1 0と導電助材 1 2 0とガラスセラミックス 3 2を有する。固体電解質層 3 0はガラスセラミックス 3 2を有する。負極合材 層 2 0 0は負極活物質 2 1 0とガラスセラミックス 3 2とを有する。

次に、図 1 5で示す電池の製造方法について説明する。図 1 6から図 1 8は正 極合材層の製造方法を説明するための図である。図 1 6を参照して、まず、正極 合材層の原料として硫化物ガラス 3 1、正極活物質 1 1 0および導電助材 1 2 0 を準備する。これらを混合することにより混合物を形成する。

図 1 7を参照して、混合物を加圧することにより、正極活物質 1 1 0と硫化物 ガラス 3 1との複合体を形成する。複合体では、硫化物ガラス 3 1と正極活物質 1 1 0および導電助材 1 2 0が密着する。

図 1 8を参照して、前述の工程で製造した複合体を硫化物ガラス 3 1のガラス 転移点以上の温度で焼成することによってガラスセラミックス 3 2を析出させる。 ガラスセラミックスは超イオン伝導層である。 ,

図 1 9から図 2 1は固体電解質層の製造方法を説明するための図である。図 1 9を参照して、まず、固体電解質層を構成する硫化物ガラス 3 1を準備する。 図 2 0を参照して、硫化物ガラス 3 1を加圧する。硫化物ガラス 3 1は粘性を 有するため加圧によって流動し緻密化する。

図 2 1を参照して、緻密化した硫化物ガラスをそのガラス転移点以上の温度で 焼成することによってガラスセラミックス 3 2を析出させる。

図 2 2から図 2 4は負極合材層の製造方法を説明するための図である。図 2 2 を参照して、負極合材層 2 0 0を構成する負極活物質 2 1 0および硫化物ガラス 3 1を混合して混合物を製造する。

図 2 3を参照して、混合物を加圧する。硫化物ガラス 3 1は粘性を有するため 加圧によって流動し緻密化する。これにより負極活物質 2 1 0と硫化物ガラス 3 1との複合体を形成する。

図 2 4を参照して、複合体を焼成する。このとき、硫化物ガラス 3 1のガラス 転移点以上の温度で焼成することによってガラスセラミックス 3 2が析出する。 上述のようにして製造した正極合材層 1 0 0、固体電解質層 3 0および負極合 材層 2 0 0を積層して加圧することにより図 1 5で示す固体電池 1の 1つのセル を製造できる。このようなセルを複数製造し、それぞれの正極集電体 1 0と負極 集電体 2 0とを接続することで図 1 5で示す固体電池 1を製造することができる。 このように構成された実施の形態 6に従った電池でも実施の形態 1に従った電 池と同様の効果がある。

(実施の形態 7 )

図 2 5から図 2 7は、図 1 5で示す電池の別の製造方法を説明するための図で ある。図 2 5を参照して、まず原料として正極活物質 1 1 0、負極活物質 2 1 0、 導電助材 1 2 0および焼成前の硫化物ガラス 3 1を準備する。

図 2 6を参照して、正極活物質 1 1 0、硫化物ガラス 3 1、負極活物質 2 1 0 および導電助材 1 2 0を混合して加圧成形することにより、図 2 6で示すような 正極合材層 1 0 0、固体電解質層 3 0および負極合材層 2 0 0を形成する。正極 合材層 1 0 0内には正極活物質 1 1 0、導電助材 1 2 0および硫化物ガラス 3 1 が存在する。固体電解質層 3 0には硫化物ガラス 3 1が存在する。負極合材層 2 0 0には負極活物質 2 1 0と硫化物ガラス 3 1が存在する。

図 2 7を参照して、上記の方法で製造した混合物を焼成する。このとき、硫化 物ガラス 31のガラス転移点以上の温度で焼成することによって、ガラスセラミ ックス 32を析出させる。これにより固体電池 1を構成することができる。

(実施の形態 8)

実施の形態 8では、実施の形態 2および 4において正極および負極合材層(活 物質と固体電解質が接触している状態)を加熱しガラスセラミックス化する際は、 a— F e23、 L i4T i 5012、 L i C o〇2、または L i N i 05Mi 0.5O2を活物 質として使用する。

正極および負極活物質として α— F e23、負極活物質として L i 4T i 5012、 正極活物質として L i C o 02、および L i N i 0.5Mn0.5O2を使用することがで きる。 .

硫化物ガラスは、たとえばモル比が 8◦対 20の L i 2Sと P2S5の混合粉末を 遊星ボールミルにて 24時間処理(メカ-力ノレミリング)することによって得た。 活物質合材は、 L i4T i 012と硫化物ガラスとを重量比 40対 60で混合する ことによって得た。

加圧成形の可能な直径 1 Ommの円形型に活物質合材を投入し、投入後圧力が 1 OMP aで加熱することによって円形ペレツトを得た。

上記で得られた円形ペレットを硫化物ガラスのガラス転移点付近(温度約 20 0°C) で数時間焼成する。その際、事前に得ておいた当該温度における硫化物ガ ラスの反応進行速度に応じた保持時間を調整する。硫化物ガラスのィォン伝導度 にもよるが、この例では、硫化物ガラスの残留量を 10%とした。

比較例として、上記と同様な構成で活物質を L i F e P04に置換えたものを 作製した。

図 28は、 L i4T i〇12単体、固体電解質との混合後および焼成後の X線回折 図形を示す。図 29は、 L i F e P〇4単体、固体電解質との混合後および焼成 後の X線回折図形を示す。

図 28、図 29において、各々のサンプルでの X線回折結果を示す。図 28は 正極活物質層として L i4T i5012を正極活物質として用いた場合における X線 回折のグラフである。図 29は、 L i F e P04を正極活物質として用いた場合 の正極活物質の X線回折結果である。それぞれの図において、下段は活物質単体、 中段は活物質と固体電解質(S Eと示す)である硫化物ガラスを混合した状態、 上段は焼成後の合材層の X線回折図形を示す。図 2 8の本発明のサンプルでは焼 成に由来する活物質に由来するピーク強度の変化は観測できない。しかしながら、 図 2 9では、点線で囲んだ部分において、焼成によって活物質に由来するピーク の強度が減少している。すなわち、図 2 9で示す比較例では、焼成によって結晶 構造が大幅に変化していることがわかる。これに対して、図 2 8では、焼成前と 同じようなピークが表われ、実施例では焼成による活物質の結晶構造が変化なく 電池の充放電特性の維持に有効であることがわかった。

同様に、図 3 0から 3 3では、正極活物質として, L i C o〇2、 L i N i 0.5 M n。.502、 F e O、 α— F e 203を活物質として用いた場合の焼成前と焼成後の 結晶構造の変化を調べた。各々において、 F e Oを除くサンプルにおいては、結 晶構造が大きく変化しておらず、熱処理後であって好ましい結晶構造を維持して いることがわかる。

今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない と考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲に よって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれ ることが意図される。 .