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1. (WO2008123390) 新規ポリケタイド合成酵素によるクルクミノイドの製造
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明 細書

新規ポリケタイド合成酵素によるタルクミノィドの製造

技術分野

本発明は、新規ポリケタイド合成酵素、および該酵素によってクルクミノィドを製造す る方法に関する。

背景技術

ゥコン · タ一メリックは独特な香気と刺激性の辛み、わずかな苦みを持ち、鮮やかなォ レンジ色を呈するため、香辛料、染料として用いられている。一般にゥコンと呼ばれてい るのは、日本では秋ゥコン(学術名 Curcuma longa) をさし、熱帯アジアに自生するショ ゥガ科の多年草である。ゥコンの有効成分は、クルクミンやその類縁体、デメトキシクル クミンおよびビスデメトキシクルクミンであり、これら化合物はクルクミノイドと総称さ れる。

ゥコンは何世紀にもわたり、インドや中国などのアジア地域において民間療法や漢方薬 として用いられてきた。ゥコンが科学的に世界的な注目を集める契機となったのは、 1990 年代にアメリカ国立ガン研究所 (National Cancer Institute, NCI) による "Designer Foods Program" プロジェクトにおいて、ガンの予防に効果がある食品として取り上げら れたことである。以来、集中的に研究が行われ、現在までに、抗酸化作用、抗炎症作用、 創傷治癒の促進、血清コレステロール低下、体脂肪蓄積抑制効果等などの人体に有益な薬 理活性が報告されている。また、クルクミノイドには、経口投与による大腸、結腸、十二 指腸、胃、食道、口腔癌の予防効果や、血管新生の阻害、転移抑制などの制癌作用がある。 このようにクルクミノィドはその多様な生理活性から近年非常に注目を集めており、産業 上の利用価値は大きい。以上のような理由から、タルクミノイドは今後の需要の大幅な拡 大が予想されるが、現在その生産は、熱帯 ·亜熱帯地域においてのみ栽培可能であるゥコ ンからの抽出に頼っている。連作による傷害、また、生産地域の人件費の推移などを考慮 すると、クルクミノィドの安価大量生産法の確立が望まれていた。

イネ (学名 Oryza sativa) は単子葉植物、イネ科の一年草であり、その収穫物は世界三 大穀物のうちの一つ、米である。イネは、単子葉植物のモデル生物として用いられており、 ゲノム解読 ' ァノテーシヨンが完了している(Kikuchi . et al. (2003) Collection, mapping, and annotation of over 28, 000 cDNA clones from japonica rice. Science 301, 376-379) 。また、 cDNA分譲等の研究補助体制が整備されている。植物からは、生理 学的活性を示す多種多様な天然化合物が抽出され、その一部は食品、薬品、香料などとし て利用されている。

III型ポリケタイド合成酵素(III型 PKS)は、芳香族ポリケタイドの合成を触媒する酵素 であり、植物、原核および真核微生物に広く分布している。しかしながら、イネからはフ ラボンなど極小数の芳香族ポリケタイドしか報告されておらず、殆どのイネの III型 PKSは、 通常の条件では発現 ·機能しない遺伝子であると考えられた。

発明の開示

本発明の課題は、クルクミノィドを安価に製造するための手段を提供することである。 本発明者らは、イネのゲノム DNAにおける os07gl7010 (NCBI accession No. AK109558) 遺伝子によってコ一ドされるタンパク質を用いてクルクミノィドを製造できること、すな わち該遺伝子によってコ一ドされるタンパク質がクルクミノィド合成酵素として機能する ことを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の発明を包含する。

( 1 ) 以下の(a)または(b)のタンパク質:

(a)配列番号 1のアミノ酸配列からなるタンパク質、

(b)配列番号 1のアミノ酸配列において、 1または数個のアミノ酸が欠失、付加、挿入ま たは置換されたアミノ酸配列からなり、 III型ポリケタイド合成酵素の活性を有するタン パク質。

( 2 ) 以下の物理化学的性質:

(a)分子量:約 86kDaのホモダイマー

(b)至適 pH: pH6. 5〜7. 5 (37°Cで測定)

(c)至適温度: 40〜50°C (pH7. 0で測定)

(d)熱安定性: 70°Cで失活(ρΗ7· 0で測定)

を有し、 III型ポリケタイド合成酵素の活性を有するイネ科植物由来のタンパク質。

( 3 ) クルクミノイドの製造に使用するための(1 ) または(2 ) 記載のタンパク質。

( 4 ) ( 1 ) または(2 ) 記載のタンパク質を、マロ-ル CoAおよび少なくとも 1種の力 ルポュル CoAと接触させることを含む、クルクミノイドを製造する方法。

(5) 式 I:


[式中、 Aは、同一でも異なっていてもよく、置換または無置換の芳香族基を表す] で表されるクルクミノィドを製造する方法であって、

(1) または(2) 記載のタンパク質を、マロニル CoAおよび式 II:


[式中、 Aは、置換または無置換の芳香族基を表す]

で表されるカルボ-ル CoAの少なくとも 1種と接触させることを含む、(4) 記載の方法。 ( 6 ) 以下の(a)または(b)の DNA:

(a)配列番号 2の塩基配列からなる DNA、

(b)配列番号 2の塩基配列と相補的な塩基配列からなる DNAとストリンジェントな条件下で ハイブリダィズし、 III型ポリケタイド合成酵素の活性を有するタンパク質をコードする DNA。

(7) (6) 記載の DNAを含むベクタ一。

(8) (6) 記載の DNAが導入された形質転換体。

(9) 4 -タマル酸 CoAリガーゼをコ一ドする DNAおよびァセチル CoAカルボキシラーゼをコ ードする DNAをさらに有する、(8) 記載の形質転換体。

(1 0) フエ二ルァラニンアンモニアリアーゼをコードする DNAをさらに有する、(9) 記載の形質転換体。

(1 1) 植物細胞に DNAが導入されたものである、(8) 〜(1 0) のいずれかに記載の 形質転換体。

(1 2) クルクミノイドを製造する方法であって、(9) 〜(1 1) のいずれかに記載の 形質転換体を少なくとも 1種のカルボン酸の存在下で培養することを含む、前記方法。

(1 3) 式 I:


[式中、 Aは、同一でも異なっていてもよく、置換または無置換の芳香族基を表す] で表されるクルクミノイドを製造する方法であって、

(9) 〜(1 1) のいずれかに記載の形質転換体を式 ΙΓ :


[式中、 Aは、置換または無置換の芳香族基を表す]

で表されるカルボン酸の少なくとも 1種の存在下で培養することを含む、(12) 記載の 方法。

(14) 式 I:


[式中、 Aは、同一でも異なっていてもよく、置換または無置換の芳香族基を表す] で表されるタルクミノィドを製造する方法であって、

(9) 〜(1 1) のいずれかに記載の形質転換体を式 Π" :


[式中、 Aは、置換または無置換の芳香族基を表す]

で表されるアミノ酸の少なくとも 1種の存在下で培養することを含む、前記方法。

(15) クルクミノイドの製造に用いるための(7) 記載のベクター。

(16) タルクミノイドの製造に用いるための(8) 〜(1 1) のいずれかに記載の形質 転換体

(17) (11) 記載の形質転換体を含む、形質転換植物体。

本発明により、クルクミノィドを工業的に製造するための手段が提供される。

本明細書は、本願の優先権の基礎である特願 2 0 0 7 - 7 5 4 4 1号の特許請求の範囲、 明細書及び図面に記載された内容を包含する。

図面の簡単な説明

図 1は、 os07gl7010遺伝子産物と、 III型ポリケタイド合成酵素であるカルコン合成酵 素 (CHS)とベンザルアセトン合成酵素(BAS) のァライメントを示す。

図 2は、実施例 2で生成した各化合物のイオンクロマトグラフおよびマススぺクトルを 示す。

図 3は、実施例 2における反応の概要を示す。

図 4は、実施例 3で生成した各化合物のイオンクロマトグラフおよびマススぺクトルを 示す。

図 5は、実施例 3における反応の概要を示す。

図 6は、実施例 6でクルクミノィドの生産に用いた基質と得られたクルクミノィドの構 造を示す。

図 7は、実施例 7でクルクミノィドの生産に用いた基質と得られたクルクミノィドの構 造を示す。

発明を実施するための最良の形態

本発明者らは、 os07gl7010 (NCBI accession No. AK109558)遺伝子(配列番号 2の塩基 配列からなる遺伝子)によってコードされるタンパク質(配列番号 1のアミノ酸配列から なるタンパク質)力 III型ポリケタイド合成酵素の活性を有すること、該タンパク質を用 いてクルクミノイドを製造できることを見出した。すなわち本発明は、新規な ΠΙ型ポリ ケタイド合成酵素に関する。 os07gl7010は、全長 1, 209 bpの cDNA上にコードされており、 全長 402アミノ酸からなるタンパク質で理論分子量は 43175. 96 Daである。最も代表的な III型ポリケタイド合成酵素であるカルコン合成酵素(CHS) (Austin, M. B. and Noel, J. P. (2003) The chalcone synthase superfami ly of type III polyketide synthases. Nat. Prod. Rep. 20, 79-110) と 49%の相同性を有し、 II I型ポリケタイドの活性中心に存 在する活性に必要な 3つのアミノ酸残基(Cysl74、 His316、 Asn349) が全て保存されてい る (図 1 ) 。

本発明の III型ポリケタイド合成酵素の具体例としては、配列番号 1のアミノ酸配列か

らなるタンパク質が挙げられる。本発明の III型ポリケタイド合成酵素には、配列番号 1 のァミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等のタンパク質が包含される。「機能的 に同等」とは、対象となるタンパク質が、配列番号 1のアミノ酸配列からなるタンパク質 と同等の生物学的機能、生化学的機能を有することを指す。

配列番号 1のアミノ酸配列からなるタンパク質と機能的に同等のタンパク質としては、 配列番号 1のアミノ酸配列において、 1または数個のアミノ酸が欠失、付加、挿入または 置換されたアミノ酸配列からなり、 III型ポリケタイド合成酵素の活性を有するタンパク 質が挙げられる。

III型ポリケタイド合成酵素はマロ-ル- CoAを脱炭酸し、ァセチル- CoAカルバニオンを 発生させる活性を有する。こうして生じたァセチル -CoAカルバニオンが他のカルボ二ル-CoAに求核攻撃することで新規炭素-炭素結合が形成される。

II I型ポリケタイド合成酵素の活性を有する本発明のタンパク質は、タルクミノイドを 合成する活性を有する。すなわち、本発明のタンパク質において III型ポリケタイド合成 酵素の活性は、より具体的には、タルクミノイドを合成する活性である。従って、本発明 のタンパク質は、 III型ポリケタイド成酵素(III型 PKS) であると同時に、クルクミノ ィド合成酵素(curcumin synthase, CUS) であるといえる。

配列番号 1のアミノ酸配列における、 1または数個のアミノ酸の欠失、付加、挿入また は置換は、常用される技術、例えば、部位特異的変異誘発法(Zollerら、 Nucleic Acids Res. 10 6478-6500, 1982) により、配列番号 1のアミノ酸配列からなるタンパク質をコー ドする DNAの配列(配列番号 2の塩基配列)を改変することにより実施することができる。 ここで、タンパク質の構成要素となるアミノ酸の側鎖は、疎水性、電荷、大きさなどに おいてそれぞれ異なるものであるが、実質的にタンパク質全体の 3次元構造(立体構造と も言う)に影響を与えないという意味で保存性の高い幾つかの関係が、経験的にまた物理 化学的な実測により知られている。例えば、異なるアミノ酸残基間の保存的置換の例とし ては、グリシンとプロリン、グリシンとァラニンまたはバリン、ロイシンとイソロイシン、 グルタミン酸とグルタミン、ァスパラギン酸とァスパラギン、システィンとスレオニン、 スレオニンとセリンまたはァラニン、リジンとアルギニン等のアミノ酸の間での置換が知 られている。但し、ここで欠失、付加、揷入または置換されるアミノ酸は、配列番号 1の アミノ酸配列における Cysl74、 His316、 Asn349 (図 1中赤枠、活性が失活すると予想され る)および Thr204、 Phe225、 Leu263、 Met265、 Gly274、 Thr321、 Gly352 (図 1中青枠、活 性が変化すると予想される)以外のアミノ酸である。

従って、配列番号 1のアミノ酸配列において 1または数個のアミノ酸の欠失、付加、揷 入または置換が生じた結果得られたァミノ酸配列からなる変異型タンパク質であっても、 その変異が配列番号 1に記載のアミノ酸配列の三次元構造において保存性が高い変異であ つて、その変異型タンパク質が上記 III型ポリケタイド合成酵素の活性、好ましくはクル クミノィドを合成する活性を有しているのであれば、これらの変異型タンパク質もまた本 発明のタンパク質に包含される。ここで、数個とは、通常 2〜5個、好ましくは 2〜3個であ る。

また本発明のタンパク質には、配列番号 1のアミノ酸配列と少なくとも 80%の同一性、 好ましくは少なくとも 90%の同一性、より好ましくは少なくとも 95%の同一性、さらに好 ましくは少なくとも 99%の同一性を有するァミノ酸配列からなるタンパク質も包含される。 本発明のタンパク質のうち、配列番号 1のァミノ酸配列からなるタンパク質については、 例えば、配列番号 2の塩基配列における一連の 3塩基を、当業者に公知の解析ソフトを用 いて、その塩基の組み合わせ(すなわち、コドン)によりコードされている 1つのアミノ 酸に置き換えることにより得ることができる。そのァミノ酸配列が決定されたタンパク質 は、その配列を元に当業者に公知の手法、例えば、ペプチド合成法に従って調製すること ができる。さらに、当該タンパク質をコードする塩基配列からなる DNAを含む組み換えべ クタ一を作製し、該ベクターを適切な宿主中に導入して得られる形質転換体を培地に培養 または飼育し、その培養物または飼育体から採取することによつても本発明のタンパク質 を得ることができる。ここで使用する組み換えべクタ一、宿主、培地、各操作法および条 件等については、当業者に公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができる。 あるいは、無細胞タンパク質合成系により本発明のタンパク質を得ることもできる。無細 胞タンパク質合成系は、細胞抽出液を用いて試験管内でタンパク質を合成する系である。

「無細胞タンパク質合成系」は、 mRNAの情報を読み取ってリボソーム上でタンパク質を合 成する無細胞翻訳系と DNAを铸型として RNAを合成する無細胞転写系との両者を含む。無細 胞タンパク質合成系は、系を容易に改変することができるため、目的のタンパク質に適し た発現系を構築しやすいという利点がある。なお、無細胞タンパク質合成系の詳細につい ては、特開 2000-175695号などに記載されている。

一実施形態において本発明のタンパク質は、イネ科植物、好ましくはイネ(Oryza sativa) に由来し、以下の物理化学的性質:

(a)分子量:約 86kDaのホモダイマー

(b)至適 pH: pH6. 5〜7. 5 (37°Cで測定)

(c)至適温度: 40〜50°C (pH7. 0で測定)

(d)熱安定性: 70°Cで失活(PH7. 0で測定)

を有し、 III型ポリケタイド合成酵素、好ましくはタルクミノイドを合成する活性する。 本発明においてクルクミノィドは、クルクミン [1, 7-ビス- (4 -ヒドロキシ -3-メトキシフ ェニル)-1, 6-へブタジエン- 3, 5-ジオン]、デメトキシクルクミン [1 -(4 -ヒドロキシ -3-メ トキシフエニル) - 7- (4- ヒロドキシフエニル) -1, 6 -へブタジエン - 3, 5-ジオン]、ビスデメ トキシタルクミン [1, 7-ビス(4-ヒドロキシフエニル) -1, 6 -へブタジエン - 3. 5-ジオン]およ びこれらの類縁体を意味する。より具体的には、本発明においてクルクミノイドは、以下 の式 I:


で表される化合物をさす。

式 Iの化合物には、その異性体、例えば、立体異性体(幾何異性体、回転異性体、光学異 体を含む)、および互変異性体も包含される。式 Iの化合物の互変異性体として、以下の 構造の化合物が挙げられる。以下、これら異性体を合わせて式 Iの化合物と称する。




式中、 Aは、同一でも異なっていてもよく、置換または無置換の芳香族基を表す。ここ

で、 Aで表される芳香族基は、芳香環が式 Iに表される炭素鎖に直接結合するものである。 芳香族基としては、芳香族炭化水素基(ァリール)および芳香族複素環基(ヘテロァリ ール)が挙げられる。

芳香族炭化水素基は、 5〜20個の炭素原子、好ましくは 6〜14個の炭素原子、さらに好ま しくは 6〜10個の炭素原子を含む芳香族の単環式または多環式炭化水素環基をさす。具体 的には、フエ-ル、ナフチル、インデニル、ァズレニル、フルォレニル、アントラセニル、 フエナントレニル、テトラヒドロナフチル、インダニルおよびフエナントリジニルなどが 挙げられる。

芳香族複素環基は、 5〜20個の炭素原子、好ましくは 6〜14個の炭素原子、さらに好まし くは 6〜10個の炭素原子を含み、その際、 1個以上の環炭素、好ましくは 1〜4個の環炭素が、 それぞれ、酸素原子、窒素原子または硫黄原子などのへテロ原子で置き換えられている芳 香族の単環式環基または多環式環基を意味する。具体的には、イミダゾリル、キノリル、 イソキノリル、インドリル、インダゾリル、ピリダジル、ピリジル、ピロリル、ビラゾリ ル、ピラジュル、キノキサリル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、チェニル、トリ ァゾリル、チアゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、 ォキサゾリル、ベンゾォキサゾリル、イソォキサゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリ ル、フラザニル、ォキサジァゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチェニル、キノリニル、 ベンゾトリァゾリル、ベンゾチアゾリル、イソキノリニル、イソインドリル、アタリジニ ルおよびべンゾイソォキサゾリルなどが挙げられる。

芳香族基における置換基としては、例えば、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、 ヨウ素)、ヒドロキシル、ニトロ、ァミノ、メルカプト、シァノ、イソシアナ一ト、カル ボキシル、 6アルキル、 C2_6アルケニル、( 6アルコキシ、シクロアルキル、シクロアル キルアルキル、アルキルァミノ、 C卜 6アルキルチオ、了リール、へテロアリール等が挙 げられる。好ましい置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル、 c1-6アルキル、( 6アルコキシお よびフエニルである。基 Aにおいて芳香族基が置換されている場合、置換基の数は、通常 1 〜3個、好ましくは 1〜2個、より好ましくは 1個である。芳香族基が複数の置換基を有する 場合、それらは同一でも異なっていてもよい。

芳香族基としては、フエニル、フリル、チェニルおよびナフチルが好ましく、特に、以 下の基が好ましい。

これらの基は、上記置換基の 1〜3個、好ましくは 1〜2個、より好ましくは 1個で置換さ れていてもよい。

置換されたフエニルとしては、具体的には、以下の基:


[式中、 X、 Yおよび Wは、同一または異なって、 H、ハロゲン(好ましくは、フッ素または 塩素)、ヒドロキシ、 _6アルキル、アルコキシまたはフエニルを表す]が挙げられる。

本発明はまた、上記本発明のタンパク質を用いて、クルクミノイドを製造する方法に関 する。本発明のクルクミノイド製造方法は、本発明のタンパク質を、マロニル CoAおよび 少なくとも 1種のカルボニル CoAと接触させることを含む。すなわち、本発明の方法は、 本発明のタンパク質に、マロニル CoAおよび少なくとも 1種のカルボニル CoAを基質として 反応させるものである。よ具体的には、本発明は、式 I:


[式中、 Aは、同一でも異なっていてもよく、置換または無置換の芳香族基を表す] で表されるクルクミノイドを製造する方法であって、

本発明のタンパク質を、マロニル CoAおよび式 II:


[式中、 Aは、置換または無置換の芳香族基を表す]

で表されるカルボニル CoAの少なくとも 1種と接触させることを含む、前記方法に関する。 ここで、式 Iおよび IIにおける基 Aについては、すでにクルクミノイドについて記載したと おりである。

本発明のタンパク質によるタルクミノィドの合成は、以下のように進行すると考えられ る。すなわち、まず式 IIのカルボニル CoAが本発明のタンパク質(CUS)とチォエステル結合 を形成し、これにマロニル CoAが反応することによりァシル鎖が伸長してジケタイド CoAが 生成する。このジケタイド CoAが加水分解され、生じたジケタイド酸が、本発明のタンパ ク質とチォエステル結合を形成した別の式 Πのカルボニル CoAと縮合することでタルクミ ノィドが合成される。


ys S /^

マロ二 JU-CoA


CoA— S A

o o


式 IIで表されるカルボニル CoAは、単一種を用いても複数種を用いてもよい。単一種を 用いると、用いたカルボニル CoAに由来する同一の基 Aを 2つ有する式 Iのクルクミノィド が得られる。複数種を用いると、それぞれ基 Aの異なるカルボニル CoAを用いることになり、 各カルボニル CoAに由来する同一の基 Aを 2つ有する式 Iのクルクミノィド、異なる基 Aを 1 つずつ有するカルボニル CoA、またはこれらの混合物が得られる。すなわち、本発明のタ ンパク質を、マロニル CoA、基 Aを有する式 IIのカルボニル CoAおよび基 A'を有する式 IIの カルボニル CoAと接触させることにより、基 Aを 2つ有する式 Iのクルクミノイド、基 A'を 2つ有する式 Iのクルクミノイド、基 Aと基 A'を有する式 Iのタルクミノイド、またはこれ ら 2種以上の混合物が得られる。

本発明のタンパク質に、基質であるマロニル CoAおよび少なくとも 1種のカルボニル CoA を接触させる反応は、特に制限されないが、通常、 pH6.0 8.0、好ましくは pH7.0の緩衝 液中、 37°Cで実施する。マロニル CoAの使用量は、反応系あたり、通常 0.0001 0.5質量%、 好ましくは 0.0001 0.2質量%でぁる。カルボニル CoAの使用量は、反応系あたり、通常 0.0001 0.5質量%、好ましくは 0.0001 0.2質量%である。本発明のタンパク質の使用量は、 反応系あたり、通常 0.002 2質量%、好ましくは 0.004 1.5質量%である。

反応後、メタノール、エタノールなどによる沈殿法、酢酸ェチルなどの有機溶媒を用い

た抽出法、クロマトグラフィーなど公知の方法により、反応液からタルクミノイドを容易 に回収することができる。

本発明のクルクミノイドの製造方法において、本発明のタンパク質と、基質であるマロ ニル CoAおよび少なくとも 1種のカルボニル CoAとの接触は、本発明のタンパク質を産生す る形質転換体、その培養物またはその処理物と基質とを接触させることによつても実施で きる。また、本発明のタンパク質を産生する形質転換体と基質とを接触させることには、 基質の存在下、本発明のタンパク質を産生する細胞を培養することが含まれる。本発明の タンパク質を産生する細胞として、本発明のタンパク質をコードする DNAが導入された形 質転換体を用いることができる。形質転換体の培養物および処理物は、本発明のタンパク 質を含むものである。培養物には培養上清が含まれ、形質転換体の処理物には、遠心分離 などにより細胞を回収し適当な緩衝液などに懸濁したもの、細胞を有機溶媒などで処理し たもの、細胞を加温処理したもの、細胞を破砕して本発明のタンパク質を分画したもの、 精製された本発明のタンパク質、ならびにこれらを多糖類やポリアクリルアミドなどで固 定化したものなどが含まれる。

本発明のタンパク質をコードする DNAの具体例として、配列番号 2の塩基配列からなる DNAが挙げられる。本癸明のタンパク質をコードする DNAには、配列番号 2の塩基配列から なる DNAと機能的に同等の DNAが包含される。ここで「機能的に同等」とは、対象となる DNAによってコードされるタンパク質が、配列番号 2の塩基配列からなる DNAによってコー ドされるタンパク質と同等の生物学的機能、生化学的機能を有することを指す。配列番号 2の塩基配列からなる DNAと機能的に同等の DNAとしては、配列番号 2の塩基配列と相補的 な塩基配列からなる DNAとストリンジェントな条件下でハイブリダィズする DNAが挙げられ る。当該 DNAによってコードされるタンパク質は、上記の本発明のタンパク質の活性、す なわち Π Ι型ポリケタイド合成酵素の活性、好ましくはクルクミノィドを合成する活性を 有する。

ストリンジェントな条件とは、特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイプリ ッドが形成されない条件をいい、低ストリンジェントな条件および高ストリンジェントな 条件が挙げられるが、高ストリンジエンドな条件が好ましい。低ストリンジェントな条件 とは、ハイブリダィゼーシヨン後の洗浄において、例えば 42°C、 5 X SSC、 0. 1% SDSで洗浄 する条件であり、好ましくは 50 C、 5 X SSC、 0. 1% SDSで洗浄する条件である。高ストリン ジエンドな条件とは、ハイブリダィゼ一シヨン後の洗浄において、例えば 65°C、 0. 1 X SSC および 0. 1% SDSで洗浄する条件である。上記のようなストリンジェントな条件下では、配 列番号 2の塩基配列と高い相同性(相同性が 80%以上、好ましくは 90%以上、より好まし くは 95%以上、さらに好ましくは 99%以上)を有する塩基配列からなる DNAが、該 DNAと相 補的な塩基配列からなる DNAとハイブリダィズすることができる。

すなわち、配列番号 2に記載の塩基配列全長において、種々の人為的処理、例えば部位 特異的変異導入、変異剤処理によるランダム変異、制限酵素切断による DNA断片の変異、 欠失、連結等により、部分的にその配列が変化したものであっても、これらの変異型 DNA が配列番号 2の塩基配列と相補的な塩基配列からなる DNAとストリンジェントな条件下で ハイブリダィズし、上記本発明のタンパク質をコードする DNAであれば、配列番号 2に示 した塩基配列との相違に関わらず、本発明のタンパク質をコードする DNAに含まれる。 本発明のタンパク質をコードする DNAは、例えば、イネ科植物、好ましくはイネ(Oryza sativa ) の組織から得ることができる。なお、実験手法に関しては、例えば、

「Molecular し lonmg (Sambrook, J. et a丄. , Molecular し丄 oning A Laboratory Mannua丄 Second Edition (1989) , Cold Spring Harbor Laboratory Press, NY」などに基づレヽて実 施することができる。例えば、以下のようにして得ることができる。抽出 ·精製した RNA から、 cDNAを作製し、ライブラリ一化する。そして既知のデータベース情報から既に単離 されている遺伝子情報を得て、これらの遺伝子の塩基配列を基に作成したオリゴヌクレオ チドプライマ一を利用する PCR法(例えば、 Inverse-PCR法、アンカ一 PCR法、 TAIL- PCR 法)、あるいは該遺伝子の DNA配列をプローブに用いたハイブリダィゼ一シヨン法を実施 することにより、該遺伝子に相同な cDNAを得ることができる。

本発明のタンパク質をコードする DNAが導入された形質転換体は、例えば、本発明のタ ンパク質をコードする DNAを必要に応じて、 PCRまたはクローユング技術を用いて増幅し、 増幅された DNAを適切な発現べクターに組み込んで組み換えべクタ一を作製し、さらに該 ベクターによって適切な宿主細胞を形質転換し、適切な培地中に培養することによって得 ることができる。クローニング、形質転換などの技術については、例えば、 Sambrook, J. et. al., 1989 (前掲)に記載されており、これらの手法を適宜選択して利用できる。 本発明のタンパク質は、例えば、サッカロマイセス属、シゾサッカロマイセス属、トリ コスポロン属およびピチア属などに属する酵母、ェシリヒア属、バチラス属、セラチア 属、ブレビバクテリウム属、コリネバタテリゥム属およびシユードモナス属などに属する 細菌、オリザ属に属する植物細胞などの宿主ベクター系で発現させることができる。糸状

菌などの菌類も宿主として使用できる。

発現べクタ一は、宿主細胞内で自律複製可能または相同組み換え可能であるとともに、 プロモーターに加えてリボゾーム結合配列、転写終結配列、複製開始点なども適宜含みう る。ベクタ一の種類は特に限定されないが、プラスミド、ファ一ジを含むウィルス、コス ミドなどが挙げられる。発現ベクターの具体例として、細菌の場合、 pBtrp2、 pBTacl、 PBTac2 (ベ一リンガーマンハイム社)、 PQE (キアゲン社)、 pET (ノバジヱン社)、 pBluescript (ストラタジーン社)など、酵母の場合、 pXTl、 pSG5、 pSVK3、 pBPV、 pMSG、 pSVL SV40 (ストラタジーン社)、植物細胞の場合、植物ウィルス(例えば、カリフラヮ 一モザイクウィルス等)が挙げられる。

宿主細胞への DNAの導入は、たとえばカルシウムイオンを用いる方法、プロトプラスト 法、パーティクルガン法、エレクト口ポレーシヨン法などの一般的な方法で実施できる。 あるいは、形質転換因子としてァグロパクテリゥム(Agrobacterium) 属菌(例えば、ァ グロバタテリゥム · ッメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、ァグロバクテリゥ ム · リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes) ) を用いた T-DNAによる植物細胞の形質転 換方法等を用いることができる。なお、プロトプラスト法、パーティクルガン法、形質転 換因子を用いる方法については、例えば、植物代謝工学ハンドブック(NTS (株)社)に 基づいて実施することができる。

また、本発明においては、ベクターとして植物ウィルス(カリフラワーモザイクウィル ス等)を用いることによって形質転換植物細胞を得ることもできる。すなわち、まず、植 物ウィルスゲノムを大腸菌由来のベクタ一などに揷入して組み換え体を調製した後、植物 ウィルスゲノム中に、導入する DNAを揷入する。こめように調製された植物ウィルスゲノ ムを制限酵素によって該組み換え体から切り出し、植物細胞に接種することによって、こ れらの DNAを導入することができる。なお、方法の詳細については、 Hohnらの方法 (Molecular Biology of Plant lumors (Academic Press New fork) 1982、 pp549) 、米 国特許第 4, 407, 956号明細書等を参考にすることができる。

続いて、得られた形質転換体を培地で培養する。形質転換体を培地で培養する方法は、 宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。大腸菌や酵母菌等の微生物を宿主 として得られた形質転換体を培養する培地としては、微生物が資化し得る炭素源、窒素源、 無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行うことができる培地であれば、天然 培地、合成培地のいずれを用いてもよい。

炭素源としては資化可能な炭素化合物であればよく、例えば、グルコースなどの糖類、 グリセリンなどのポリオール類、メタノールなどのアルコール類、またはピルビン酸、コ ハク酸もしくはクェン酸等の有機酸類を使用することができる。また、窒素源としては利 用可能な窒素化合物であればよく、例えば、ペプトン、肉エキス、酵母ェキ、カゼイン 加水分解物、大豆粕アルカリ抽出物、メチルァミンなどのアルキルアミン類、またはアン モニァもしくはその塩などを使用することができる。その他、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、 マグネシウム、カルシウム、カリウム、鉄、マンガン、亜鉛などの塩類、特定のアミノ酸、 特定のビタミン、消泡剤なども必要に応じて使用してもよい。また、イソプロピル _ /3 -D-チォガラタトピラノシドなどのタンパク質発現誘導剤を必要に応じて培地に添加してもよ い。

培養は、通常、振盪培養または通気攪拌培養などの好気的条件下、好ましくは 0〜40°C、 より好ましくは 10〜37°C、特に好ましくは 15〜37°Cで培養を行う。培養期間中、培地の pH は宿主の発育が可能で、生産されたクルクミノィドの活性が損なわれない範囲で適宜変更 することができるが、好ましくは pH 4~8程度の範囲である。 pHの調整は、無機または有 機酸、アルカリ溶液等を用いて行う。培養中は必要に応じてアンピシリンゃテトラサイク リン等の抗生物質を培地に添加してもよい。

形質転換体として、本発明のタンパク質をコードする DNAに加えて、 4 -クマル酸 CoAリガ ーゼ(4CL) をコードする DNAおよびァセチル CoAカルボキシラーゼ(ACC)をコードする DNA を有する形質転換体を用い、該形質転換体をカルボン酸の存在下で培養することによりク ルクミノイドを製造することができる。 4-クマル酸 CoAリガ一ゼがカルボン酸をカルボ二 ル CoAに変換し、該カルボニル CoAとマロ-ル CoAを基質として、本発明のタンパク質 (CUS) によりクルクミノイドが合成される。 4 -タマル酸 CoAリガーゼをコードする DNAは、 宿主がもともと有するものでもよいし、本発明のタンパク質をコードする DNAと同様に宿 主に導入したものでもよい。植物細胞を宿主とする形質転換体は、 4-クマル酸 CoAリガ一 ゼをコードする DNAをもともと有するので、新たに導入しなくともよレ、。ァセチル CoAカル ボキシラーゼ(ACC) はすべての生物がもともと保有していることから、基質としてマロ ニル CoAを添加しなくとも形質転換体が自ら産生するマロニル CoAを基質とすることができ る。その場合、細胞内ァセチル CoA濃度を上昇させる前駆体、例えば酢酸等を添加するこ とが好ましい。上記のとおり、すべての形質転換体がァセチル CoAカルボキシラ一ゼをコ —ドする DNAを有するが、ァセチル CoAカルボキシラーゼ活性を増強する目的で、形質転換 体にァセチル CoAカルボキシラーゼをコ一ドする DNAを導入してもよレ、。

上記カルボン酸を基質として加える酵素反応も、本発明のタンパク質と少なくとも 1種 の力ルボニル CoAおよびマ口ニル CoAとが接触して反応する過程を経ることから、本発明の タンパク質をマロニル CoAおよび少なくとも 1種のカルボニル CoAと接触させる方法に含ま れる。

当該形質転換体の培養は、上記と同様に実施できるが、上記の方法で培養した菌体を遠 心分離等の方法で回収し、得られた湿潤菌体をリン酸カリゥム等の緩衝液または最少培地 中で上記カルボン酸と共に浸透または培養する方法が望ましい。この静止菌体を用いた酵 素反応では菌体の増殖は起こらないと考えられるが、クルクミノィドの生産にマロ二ル-CoAの供給が必要なため、菌体を生存させる目的でグルコースなどの炭素源を加えること が望ましい。本発明において形質転換体の培養には、このように静止菌体を用いる場合も 包含される。

従って、一実施形態において本発明は、式 I:


[式中、 Aは、同一でも異なっていてもよく、置換または無置換の芳香族基を表す] で表されるタルクミノィドを製造する方法であって、

本発明のタンパク質をコ一ドする DNAが導入された形質転換体であって、 4-クマル酸 CoA リガーゼをコードする DNAおよびァセチル CoAカルボキシラーゼをコ一ドする DNAを有する 形質転換体を式 ΙΓ :

( 1に)


[式中、 Aは、置換または無置換の芳香族基を表す]

で表されるカルボン酸の少なくとも 1種の存在下で培養することを含む、前記方法に関す る。ここで、基 Aおよび得られる式 Iのタルクミノイドについては、既に記載したとおりで ある。

式 ΙΓのカルボン酸は、 4-タマル酸 CoAリガ一ゼにより、式 II


のカルボニル CoAに変換される。

4-タマル酸 CoAリガ一ゼ(4CL) をコードする DNAは、式 I I'のカルボン酸を式 I Iのカルボ ニル CoAに変換する上記反応を触媒する活性を有する酵素をコードするものであれば特に 制限されず、動物由来でも植物由来でも微生物由来でもよい。例えば、酵母由来、例えば、 サッカロマイセス属、シゾサッカロマイセス属、トリコスポロン属およびピチア属酵母由 来のものを使用することができる。

ァセチル CoAカルボキシラーゼ(ACC)をコードする DNAも、ァセチル CoAをマロニル CoAに 変換する活性を有する酵素をコードするものであれば特に制限されず、動物由来でも植物 由来でも微生物由来でもよい。例えば、コリネバクテリウム属菌由来のものを使用するこ とができる。

形質転換体として、本発明のタンパク質をコードする DNA、 4-クマル酸 CoAリガーゼをコ 一ドする DNAおよびァセチル CoAカルボキシラ一ゼをコードする DNAに加えて、フエニルァ ラニンアンモニアリアーゼ(PAL)をコードする DNAを有する形質転換体を用い、該形質転換 体をアミノ酸の存在下で培養することによりクルクミノィドを製造することができる。フ ェニルァラニンアンモニアリァ一ゼがァミノ酸をカルボン酸に変換し、 4-タマル酸 CoAリ ガーゼがカルボン酸をカルボ二ル CoAに変換し、該カルボニル CoAとマロ二ル CoAを基質と して、本発明のタンパク質によりタルクミノィドが合成される。フエ二ルァラニンアンモ ニァリァ一ゼをコ一ドする DNAおよび 4 -タマル酸 CoAリガーゼをコ一ドする DNAは、宿主が もともと有するものでもよいし、本発明のタンパク質をコードする DNAと同様に宿主に導 入したものでもよい。植物細胞を宿主とする形質転換体は、フエ二ルァラニンアンモニア リァ一ゼをコ一ドする DNAおよび 4-クマル酸 CoAリガーゼをコードする DNAをもともと有す るので、新たに導入しなくともよい。ァセチル CoAカルボキシラーゼはすべての生物がも ともと保有していることから、基質としてマロニル CoAを添加しなくとも形質転換体が自 ら産生するマロニル CoAを基質とすることができる。その場合、細胞内ァセチル CoA濃度を 上昇させる前駆体、例えば酢酸等を添加することが好ましい。上記のとおり、すべての形 質転換体がァセチル CoAカルボキシラーゼをコ一ドする DNAを有するが、ァセチル CoAカル ボキシラーゼ活性を増強する目的で、形質転換体にァセチル CoAカルボキシラーゼをコ一

ドする DNAを導入してもよい。

上記アミノ酸を基質として加える酵素反応も、本発明のタンパク質と少なくとも 1種の カルボニル CoAおよびマロニル CoAとが接触して反応する過程を経ることから、本発明のタ ンパク質をマロニル CoAおよび少なくとも 1種のカルボニル CoAと接触させる方法に含まれ る。 ―

当該形質転換体の培養は、カルボン酸からクルクミノィドを生産する上記の反応と同様 に実施できる。

従って、一実施形態において本発明は、式 I:


[式中、 Aは、同一でも異なっていてもよく、置換または無置換の芳香族基を表す] で表されるタルクミノィドを製造する方法であって、

本発明のタンパク質をコードする DNAが導入された形質転換体であって、 4 -タマル酸 CoA リガーゼをコ一ドする DNA、ァセチル CoAカルボキシラーゼをコ一ドする DNAおよびフエ二 ルァラニンアンモニアリァーゼをコードする DNAを有する形質転換体を式 Π" :

( || " )


[式中、 Aは、置換または無置換の芳香族基を表す]

で表されるアミノ酸の少なくとも 1種の存在下で培養することを含む、前記方法に関する。 ここで、基 Aおよび得られる式 Iのクルクミノイドについては、既に記載したのと同様で ある。

フエ二ルァラニンアンモニアリアーゼにより、式 II" のアミノ酸は、式 Π'

( 1に)


のカルボン酸に変換される。

フエ二ルァラニンアンモニアリア一ゼ(PAU をコードする DNAは、式 Π" のアミノ酸を 式 ΙΓのカルボン酸に変換する上記反応を触媒する活性を有する酵素をコ一ドするもので あれば特に制限されず、動物由来でも植物由来でも微生物由来でもよい。例えば、酵母由 来、例えば、サッカロマイセス属、シゾサッカロマイセス属、トリコスポロン属およびピ チア属酵母由来のものを使用することができる。

式 II" のアミノ酸がフエ二ルァラニンアンモニアリアーゼ(PAL)によって式 ΙΓ のカル ボン酸に変換され、さらに 4 -クマル酸 CoAリガーゼ(4CL)によって式 IIのカルボニル CoAに 変換され、そして、このカルポニル CoAとマロニル CoAから本発明のタンパク質(CUS) に よって式 Iのクルクミノィドが合成される反応の概要を以下に示す。


本発明はまた、前記形質転換植物細胞を含む形質転換植物体に関する。本発明の「形質 転換植物体」とは、前記形質転換植物細胞を有する植物体であれば特に制限されないが、 例えば、前記形質転換細胞から再生された形質転換植物体が挙げられる。形質転換植物細 胞から植物体を再生する方法としては、土肥らの方法(特開 2000-316403号公報)を参照 することができる。また、本発明の形質転換植物体には、該形質転換植物体から得られる 種子、および該種子から得られる植物体をも含む。本発明の形質転換植物体から種子を得 る方法としては、例えば、形質転換植物体を適当な培地において発根させ、その発根体を 水分含有の土を入れたポットに移植する。適当な栽培条件下で生育させ、最終的に種子を 形成させて、該種子を得る。また、種子から植物体を得る方法としては、例えば、前記の ようにして得られた形質転換植物体由来の種子を、水分含有の土に播種し、適当な栽培条 件下で生育させることにより植物体を得ることができる。本発明の形質転換植物体は、本 発明のタンパク質を発現することから、該植物体からクルクミノィドを抽出することが可 能になる。

クルクミノィドは、抗酸化作用、抗炎症作用、創傷治癒の促進、血清コレステロール 低下、体脂肪蓄積抑制効果等などの人体に有益な薬理活性が報告されている。また、クル クミノイドには、経口投与による大腸、結腸、十二指腸、胃、食道、口腔癌の予防効果や、 血管新生の阻害、転移抑制などの制癌作用がある。このようにタルクミノイドはその多様 な生理活性から近年非常に注目を集めており、産業上の利用価値は大きい。以上のような 理由から、タルクミノイドは今後の需要の大幅な拡大が予想されるが、現在その生産は、 熱帯 ·亜熱帯地域においてのみ栽培可能であるゥコンからの抽出に頼っている。本発明は、 医薬品や機能性食品として注目を集めているクルクミノィドおよび類縁化合物の微生物を 含む、種々の生物種での生産 ·創製を可能とする。それまで有機合成や植物などの生体か らの単離に依存してきた有用化合物の生産が、'新規酵素の発見により微生物生産におきか わった例は無数にある。近年のメタボリックエンジニアリングの進展により、微生物によ る物質生産における生産量の増大は容易になり、実際、複雑な構造を有する二次代謝産物 であっても微生物による大量生産が可能になる。

実施例

大腸菌(Escherichia coli) JM109株、 pUC19、制限酵素、 T4 DNAリガーゼは Takara biochemicalsより購入した。また、大腸菌 BL21 (DE3) 株、 BLR (DE3) 株、 pET16b、 pRSFDuet-U pCDFDuet-1は、 Novagen社より購入した。なお、プラスミドの安定な保持を 目的として、アンピシリン、カナマイシンおよびストレプトマイシンをそれぞれ終濃度 100 M g/ml, 50 ^ g/ml, 50 /z g/mlになるよう必要に応じて培地中に加えた。 N-ァセチル システアミンは Aldrich社より購入した。ドデカノィル CoA、クルクミン、へキサノィル CoA、マロニル CoA、メチルマロニル CoA、ォクタデカノィル CoAおよぴスクシニル CoAは Sigma社より購入した。 4-クマロイル CoA、 CoAおよびフェルロイル CoAは Blecherが報告し た方法に従い合成した。シナモイル-ジケタイド NACおよびへキサノィル-ジケタイド NACは Lokotらが報告した方法(Lokot, I. P. , Pashkovsky, F. S., and Lakhvich, F. A. (1999) Tetrahedron 55, 4783-4792) に従い合成した。シナモイル-ジケタイド酸および へキサノィル-ジケタイド酸は Matsurauraらが報告した方法(Matsumura, S., Asai, N. , and Yoneda, S. (1985) Chem. Soc. Jap. 3, 310-316) および Lokotら(Lokot, I. P. , Pashkovsky, F. S. , and Lakhvich, F. A. (1999) Tetrahedron 55, 4783-4792) に従い 合成した。

実施例 1 組み換え os07g17010遺伝子産物の調製

os07gl7010遺伝子(配列番号 2 ) を PET16b (Novagen社)にクローニングし、 PET16b_

CUSを構築した。 pET16b-CUSを大腸菌(E. coli BL21 (DE3) ) に形質転換することにより、 組み換え os07gl7010遺伝子産物(組み換えタンパク質)を得た。得られた組み換えタンパ ク質(以下 CUSと称する)を Ni-NTAカラム(Qiagen社)により SDS-PAGE上単一になるまで 精製し、酵素標品とした。具体的には以下の手順で CUSを得た。

rgrcで購入した os07gl7010の cDNA を、以下のプライマ一を用いて PCRにより増幅した。 フォワードプライマー: 5 ' -CCGGAATTC CATATGGCACCGACGACGACCAT-3 ' (下線部はそれ ぞれ EcoRIサイトおよび Ndel サイト)。(配列番号 3 )

リバースプライマ一: 5 ' -CGCGGATCCTTAATTCACATGAGAGGTGG-3 ' (下線部は BamHIサイ ト)。(配列番号 4 )

pUC19の EcoRI、 BamHIサイトにクロ一ニングした。シークェンスによりエラ一が入って いないことを確認した後、 N末端側に His- tagを付加した形で pET16bにクローニングし、 pET16b- CUSを構築した。 C174S変異酵素は、 QuikChange Site-Directed Mutagenesis Kit (Stratagene)を用い、以下のプライマ一を用いて PET16b- CUSに部位特異的変異導入を行つ た。

フォワードプライマ一: 5 ' -CCACCTCAACGGCTCCTTCGCCGGCTGCG-3 ' (配列番号 5 ) リバースプライマー: 5' -CGCAGCCGGCGAAGGAGCCGTTGAGGTGG-3' (配列番号 6 ) pET16b-CUSを BL21 (DE3)に導入した。得られた菌体を 1 1の LB培地に植菌し、 27°Cでー晚 振盪培養した。得られた菌体を集菌後、 10 mM ィミダゾール溶液(10 raM ィミダゾール、 10 mM Tris- HC1、 10% グリセロール)に懸濁し、菌体破碎後、遠心して可溶性分画を分け 取った。これを Ni- NTA super flow resin columnを用いて精製した。洗浄液として 10 mM ィミダゾール溶液を、溶離液として 250 raM イミダゾ一ル溶液(250 mM イミダゾ一ル、 10 mM Tris-HCl, 10% グリセロール)を用いた。精製したタンパク質を Lysis buffer (10 mM Tris-HC 10% グリセロール)を用いて透析し、 centriprep (Cosmo bio社)により濃縮 した。

実施例 2 酵素活性の評価

実施例 1で得られた組み換えタンパク質 CUSを用いて、クルクミノィドの生成試験を実 施した。

100 のマロニル CoA、 100 μ Mのカルボ-ル化合物(4-クマロイル CoA、シナモイル CoA、 フェルロイル CoA)、 100 mMのリン酸カリウムバッファー(pH 7. 0) および 3. 5 μ gの CUSを 含む反応液 100 1を用いて反応を行った。

反応液を 37°Cにおいて 1時間反応させ、 20 μ ΐの 6 M塩酸を加えることで反応を停止した。 生成物を酢酸ェチルにより抽出し、遠心エバポレーターにより濃縮した。得られた固体を 20 μ 1のメタノールに溶解し LC-APCIMS/MSおよび HPLC分析に供した。 LC-APCIMS/MS分析は esquire high-capacity trap plus (HCT) system (Bruker Daltonics社を用レヽて、 HPLし 分析は LaChrom ELITE system (Hitachi) を用いてそれぞれ行った。 HPLC分析は Pegasil-B C4逆相カラム(4. 6 X 250 腿)(Senshu科学)を用い、水/ァセトニトリル/トリフルォロ酢 酸の濃度を変化させるグラジェント(45分間の間に水/ァセトニトリル/トリフルォロ酢 酸 =90/10/0. 1から 0/100/0. 1)、流速 1. 0 ml/minにより溶出を行なった。 UVスぺクトルは Hitachi diode array detector L-2450により収集した。生成した各化合物のイオンクロ マトグラフおよびマススぺクトルを図 2に示す。反応の概要を図 3に示す。

4-クマロイル CoA (la)と 100 μ M マロニル CoAを基質として、ビスデメトキシクルクミ ン (le)および少量のトリケチドピロン(lc)の生成が確認された。 CUSによるビスデメト キシクルクミンにおける 4 -クマロイル CoAの見かけ上の Km値は 172 /i M、 kcat値は 2. 53 x 10— 3 min— 1であった。

また、シナモイル CoA (2a) とフェルロイル CoA (3a) 1を基質として、ジシナモイルメ タン(2e)とクルクミン(3e)が得られた。さらに、シナモイル CoA (2a)とフェルロイル CoA (3a)を基質として、 4 -クマロイル CoA (la)の場合と同様、少量のトリケチドピロン(2c) およびトリケチドピロン(3c) ) が副産物として得られた。

実施例 3 CUSのジケタイド中間体との反応

100 のジケタイド酸(シナモイルジケタイド酸(2d) もしくはへキサノィル-ジケタ イド酸(4d) )もしくはジケタイド NAC (シナモイルジケタイド- NAC (If) もしくはへキサノ ィル-ジケタイド- NAC (2f) )、 100 ; u Mのシナモイル CoAエステル(2a)、 100 mMリン酸カリ ゥムバッファー(PH 7. 0) および 3. 5 M g CUS を含む 100 μ 1の反応液を用いて反応を行 なった。反応液を 37°Cにおいて 1時間反応させ、 20 μ ΐの 6 Μ塩酸を加えることで反応を停 止した。その後、前述と同様に抽出および分析を行なった。生成した各化合物のイオンク 口マトグラフおよびマススぺクトルを図 4に示す。反応の概要を図 5に示す。

シナモイルジケタイド酸(2d)とシナモイル CoA (2a)からジシナモイルメタン(2e)の生成 が確認された。また、シナモイルジケタイド- NAC (If)とシナモイル CoA (2a)からもジシ

ナモイルメタン(2e)生成反応が進行したことから、 CUSはジケタイド中間体の加水分解能 を有していることが分かった。

実施例 4 _ 大腸菌を用いたアミノ酸からのタルクミノィドの生産


フエ二ルァラニンアンモニアリアーゼ(PAL)、 4 -タマル酸 CoAリガーゼ(4CL)、ァセチル CoA カルボキシラーゼ(ACC)および CUSを、複製基点および薬剤耐性の異なる 3種のプラス ミドに導入し、 pCDF-PAL/4CL、 pRSF- ACCおよび pET16b- CUS をそれぞれ構築した。フエ二 ルァラニンアンモニアリァーゼ(PAL)および 4-クマル酸 CoAリガーゼ(4CL)遺伝子は、酵母 由来のものを用いた。ァセチル CoAカルボキシラーゼ(ACC)遺伝子は、コリネパクテリゥム 属菌由来のものを用いた。これら 3つのプラスミドを BLR (DE3)株に同時形質転換し、クル クミノイドを生産する大腸菌を得た。この PAL、 4CL、 ACCおよび CUSを強制同時発現した BLR (DE3)株を 4 種類の培地(LB培地、チロシンを加えた M9培地、フエ二ルァラニンを加 えた M9培地、チロシンおよびフエ二ルァラニンを加えた M9培地)でそれぞれ培養し、 3 種 のクルクミンの生成量を測定した。具体的手順は以下のとおりである。

pET16b-CUS、 pCDF- PAL/4CL、 pRSF- ACCを保持した BLR (DE3)株を、 100 / g/ralのアンピシ リン、 50 μ g/mlのストレプトマイシンおよびカナマイシンを含む LB 培地(Difco LB bloth) 2 mlに植菌し、 37°Cでー晚振盪培養した。これを 100 mlの LB培地に 2% 植菌し、 27°Cで 5時間振盪培養した。終濃度 1 m になるよう IPTGを加え、さらに 27 で 5時間振盪培 養した。得られた菌体を遠心により集菌し、湿菌体量を測定した。菌体が 50 g/1になるよ うに M9培地(6 g/1 Na2HP04、 3 g/1 H2P04、 0. 5 g/1 NaCl、 1 g/1 NH4C1、 1 mM MgS04、 100 μ M CaCl2, 4% グルコース、 100 μ g/ral アンピシリン、 50 μ g/ml ストレプトマイシン、 50 μ g/ml カナマイシン)に懸濁した。培養液 20 mlに CaC03 を約 0. 5 g加え、 3 mMのチ

口シンもしくはフエ二ルァラニン、あるいはその両方を加え、 27°Cで 60時間振盪培養した。 培養液 200 μ 1を 6 Μ塩酸を用いて ρΗ 3に調節し、酢酸ェチルにより抽出したのち遠心エバ ポレータ—を用いて濃縮した。得られたサンプルを 40 μ ΐのメタノールに溶解し HPLC分析 に供した。 HPLC分析は LaChrom ELITE system (Hitachi) において、 Pegasil-B C4逆相力 ラム(4. 6 x 250 Senshu科学)を用い、水/ァセトニトリル/トリフルォロ酢酸の濃度 を変化させるグラジェント(45分間の間に水/ァセトニトリル/トリフルォロ酢酸 =90/10/0. 1から 0/100/0. 1)、流速 1. 0 ml/minにより溶出を行なった。 UVスペクトルは Hitachi diode array detector L - 2450により収集した。結果を以下の表 1に示す。

表 1

クルクミノィド A クルクミノイド B クルクミノィド C

LB 1. 04 5. 16 6. 43

M9 + Tyr 53. 4 18. 1 2. 72

M9 + Phe n. d. 7. 86 107

M9 + Tyr + Phe 4. 04 19. 2 35. 3

mg/1 クノレクミノィド A タルクミノイド B クルクミノィド C

LB 一 一 - M9 + Tyr 12. 9 2. 07 - M9 + Phe - 0. 897 23. 2

M9 + Tyr + Phe 0. 976 2. 19 7. 64

% 本生産系を用いた場合、 3 種のクルクミノイドが生成すると考えられる。チロシン由来 の 4 -クマロイル CoA 2分子が CUS に取り込まれた場合はビスデメトキシクルクミン(クル クミノイド A)が、フエ二ルァラニン由来のシナモイル CoA 2分子が取り込まれた場合はビ スデメトキシビスデヒドロキシクルクミン(クルクミノィド C)が、また、 4-クマロイル CoA とシナモイル CoAが 1分子ずつ取り込まれた場合はビスデメトキシデヒドロキシクルクミン (タルクミノイド B) がそれぞれ生成する。全体的にタルクミノイド Cの生産量が多いのは PAL がチロシンよりもフヱニルァラニンを好むためだと考えられる。また、 3 mM のアミ ノ酸は過剰量であり、より低濃度のアミノ酸からも同程度の収率が得られると期待できる。 実施例 5 大腸菌を用いた天然型カルボン酸からの天然型タルクミノィドの生産

4CL、 ACC、および CUSを大腸菌 BLR (DE3)株内で強制同時発現することによりカルボン 酸を基質として天然型クルクミンの生産を行った。 PALを除いたことにより投与したカル ボン酸由来のクルクミノィドのみが大腸菌内で生成されることになる。これらの酵素を複

製基点、薬剤耐性の異なる 3種のプラスミドに導入し、 pCDF- 4CL、 pRSF- ACCおよび pET16b- CUS をそれぞれ構築した。これら 3つのプラスミドを BLR (DE3) 株に同時形質転換しクル クミノイドを生産する大腸菌を得た。得られた大腸菌を 3種の天然型カルボン酸(桂皮酸、 P-クマリン酸またはフェルラ酸)を含む最小培地で培養した。具体的手順は以下のとおり である。

pET16b- CUS、 pCDF-4CL、 pRSF-ACCを保持した BLR株を、 100 μ g/mlのアンピシリン、 50 g/mlのストレプトマイシンおよびカナマイシンを含む LB 培地(Difco LB bloth) 2 ml に植菌し、 37 Cでー晚振盪培養した。これを 100 mlの LB培地に 2%植菌し、 27 で 5時間振 盪培養した。終濃度 1 raMになるよう IPTGを加え、さらに 27°Cで 5時間振盪培養した。得ら れた菌体を遠心により集菌し、湿菌体量を測定した。菌体が 50 g/1になるように M9培地 (6 g/1 Na2HP04、 3 g/1 KH2P04、 0. 5 g/1 NaCl、 1 g/1 NH4C1、 1 mM MgS04、 100 μ ΐί CaCl2、 4% グルコース、 100 μ g/ml アンピシリン、 50 /i g/ml ストレプトマイシン、 50 μ g/ml カナマイシン)に懸濁した。培養液 20 mlに CaC03を約 0. 5 g加え、 1 mMの天然型カルボン 酸を 1種加え、 27°Cで 60時間振盪培養した。培養液 200 i lを 6 M塩酸を用いて pH 3に調節 し、酢酸ェチルにより抽出したのち遠心エバポレ一タ一を用いて濃縮した。得られたサン プルを 40 μ ΐのメタノールに溶解し LC-APCIMS/MS分析に供した。 LC分析は Pegasil - B C4逆 相カラム(4. 6 X 250 腿)(Senshu科学)を用い、水/ァセトニトリル/トリフルォロ酢酸の 濃度を変化させるグラジェント(45分間の間に水/ァセトニトリル/トリフルォロ酢酸 =90/10/0. 1から 0/100/0. 1)、流速 1. 0 ml/minにより溶出を行なった。

その結果、ビスデメトキシビスデヒドロキシクルクミン、ビスデメトキシクルクミンま たはクルクミンがそれぞれ生成された。


カルポニル CoA マロ: K¾A クルクミノイド

クルクミン

mg/I %

基質 収量 基質 収量

桂皮酸 84 ± 15 桂皮酸 61

Ρ·クマル酸 92 ± 23 Ρ·クマル酸 60

フェルラ酸 110 ± 22 フェルラ酸 60

フェルラ酸は米糠から得られる産業廃棄物「米糠ピッチ」から安価生産出来ることが知 られてレヽる (, http://www. pref. wakayama. lg. jp/prefg/000200/ren/web/ren8/senter. html) 。上記結果は、このフェルラ酸と大腸菌の形質転換体を混ぜるだけでクルクミノィ ドが高効率に得られることを示すものである。

実施例 6 大腸菌を用いた対称タルクミノイドの生産

天然型、非天然型あわせて 18種のカルボン酸を選び出し、それらを基質として天然型お よび非天然型クルクミンの網羅的生産を行なった。その結果、天然型 7種、非天然型 11種 のクノレクミンの生産に成功した。

pET16b-CUS、 pCDF-4CL、 pRSF- ACCを保持した BLR株を、天然型または非天然型カルボン 酸 1種を含む最小培地で培養した。カルボン酸の種類が異なる点以外は実施例 5と同様の 手順で実施した。

その結果、天然型 7種、非天然型 11種のタルクミノイドの生産に成功した。クルクミノ イドの生産に用いた基質と得られたタルクミノイドの構造を図 6に示す。 10b、 13b、 14b、 15b、 17bと 18bの化合物は新規化合物であることを確認した。

実施例 6で生産された化合物の物理化学的データを以下に示す。

化合物 lb; HPLC: Rt -35.2 , LC-APCIMS (positive): MS, m/z 277 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at ra/z 277), m/z 131 m/z 193. UV: λ max 390 nm. 1H NMR (500 MHz, CDC13): δ = 7.68 (d, 2H, J = 16 Hz), 7.57 (ra, 4H), 7.39 (m, 6H), 6.65 (d, 2H, J = 16 Hz), 5.87 (s, 1H).

化合物 2b; HPLC: Rt = 25.4, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 309 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 309), m/z 147 m/z 225. UV: λ max 417 nm. 1H NMR (500 MHz, CDCI3): δ = 7.57 (d, 2H, J = 16 Hz), 7.48 (d, 4H, J = 8.5 Hz), 6.81 (d, 6H, J = 8.5 Hz), 6.58 (d, 2H, J = 16 Hz), 5.94 (s, 1H).

化合物 3b; LC-APCIMS (positive): MS, m/z 309 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 309), m/z 147 ra/z 189.

化合物 4b; LC-APCIMS (positive): MS, m/z 309 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 309), m/z 147.

化合物 5b; LC-APCIMS (positive): MS, ra/z 341 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 341), m/z 163 ra/z 231 m/z 257.

化合物 6b; HPLC: Rt = 26.6, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 369 [M+H] +, MS/MS

(precursor ion at m/z 369) , m/z 175 m/z 245 m/z 285. UV: λ max 426 nm. 化合物 8b; HPLC: Rt = 35.7, LC - APCIMS (positive): MS, m/z 313 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 313), m/z 149 m/z 229. 1H MR (500 MHz, CDC13): δ = 7.64 (d, 2H, J = 16 Hz), 7.56 (dd, 4H, J = 5.5 8.5 Hz), 7.39 (t, 4H, J = 8.5 Hz), 6.56 (d, 2H, J = 16 Hz), 5.83 (s, 1H).

ィ匕合物 9b; LC— APCIMS (positive): MS, m/z 313 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 313), m/z 149 m/z 229.

化合物 10b; LC- APCIMS (positive): MS, ra/z 313 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 313), ra/z 149 m/z 229 m/z 271.

化合物 lib; HPLC: Rt : 37.2, LC— APCIMS (positive): MS, m/z 349 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 349) , m/z 167 m/z 2bo.

化合物 13b; HPLC: Rt = 38.4, LC—APCIMS (positive): MS, ra/z 345 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 345) , m/z 165 m/z 2b丄.

化合物 14b; LC—APCIMS (positive): MS, m/z 257 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at ra/z 257), m/z 121 m/z 173.

化合物. 15b; LC-APCIMS (positive): MS, m/z 289 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 289), m/z 137 ra/z 205. 1H NMR (500 MHz, CDC13): δ = 7.66 (d, 2H, J = 16 Hz), 7.52 (dd, 2H, J = 1, 2 Hz), 7.73 (dd, 2H, J = 5.0, 2.5 Hz), 7.34 (dd, 2H, J = 5.0, 1.0 Hz), 6.46 (d, 2H, J = 16 Hz), 5.36 (s, 1H).

化合物 16b; LC-APCIMS (positive): MS, ra/z 257 [M+H]+, MS/MS (precursor ion at m/z 257), m/z 121 m/z 173.

化合物 17b; LC-APCIMS (positive): MS, m/z 289 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 289), m/z 137 m/z 205.

化合物 18b; LC-APCIMS (positive): MS, m/z 377 [M+H]+, MS/MS (precursor ion at m/z 377), m/z 181 m/z 293.

実施例 7 大腸菌を用いた非対称クルクミノイドの生産

pET16b- CUS、 pCDF-4CL、 pRSF- ACCを保持した BLR株を、天然型または非天然型カルボン 酸 2種を含む最小培地で培養した。カルボン酸が異なる点および 2種のカルボン酸を用い る点以外は実施例 5と同様の手順で実施した。

その結果、約 90種類の構造のタルクミノイドの生産に成功した。タルクミノイドの生産

に用いた基質と得られたタルクミノィドの構造を図 7に示す。

実施例 7で生産された化合物の物理化学的データを以下に示す。

ィ匕合物 lc; HPLC: Rt = 30.3, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 293 [M+H]十, MS/MS (precursor ion at m/z 293), m/z 131 m/z 147 m/z 209. 1H NMR (500 MHz, CDC13): δ

= 7.33 (d, 1H, J = 16 Hz), 7.64 (d, 1H, J =16 Hz), 7.57 (m, 2H), 7.39 (d, 2H, J = 8.5 Hz), 7.40 (m, 3H), 6.87 (d, 2H, J = 8.5 Hz), 6.63 (d, 1H, J = 16 Hz), 6.52 (d, 1H, J = 16 Hz), 5.83 (s, 1H).

化合物 2c; HPLC: Rt = 28.4, LC-APCIMS (positive): MS, ra/z 309 [M+H] +.

化合物 3c; HPLC: Rt = 31.1, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 323 [M+H]十, MS/MS (precursor ion at m/z 323) , m/z 177 m/z 239.

化合物 4c; HPLC: Rt = 35.5 LC-APCIMS (positive): MS, m/z 295 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 295) , m/z 131 m/z 149 m/z 211.

化合物 5c; HPLC: Rt = 36.1,, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 313 [M+H]+, MS/MS (precursor ion at ra/z 313) , m/z 131 ra/z 167 m/z 229.

化合物 6c; HPLC: Rt = 36.9, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 311 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 311) , m/z 131 m/z 165 m/z 227.

化合物 7c; HPLC: Rt = 36.6 LC-APCIMS (positive): MS, m/z 291 [M+H]十, MS/MS (precursor ion at m/z 291) , m/z 145 m/z 207.

化合物 8c; HPLC: Rt = 38.5 LC-APCIMS (positive): MS, m/z 353 [M+H]十, MS/MS (precursor ion at m/z 353) , m/z 207 m/z 269.

化合物 9c; HPLC: Rt = 33.2 LC-APCIMS (positive): MS, m/z 267 [M+H]十, MS/MS (precursor ion at m/z 267) , m/z 121 m/z 131 m/z 183.

化合物 10c; HPLC: Rt = 34.4, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 283 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 283) , m/z 131 m/z 137 m/z 199.

ィ匕合物 11c; LC-APCIMS (positive): Rt = 33.7, MS, m/z 267 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 267) , m/z 121 m/z 131 m/z 183.

化合物 12c; HPLC: Rt = 34.7, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 283 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 283) , m/z 131 m/z 137 m/z 199.

化合物 13c; HPLC: Rt = 37.4, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 327 [M+H]+, MS/MS (precursor ion at m/z 327), m/z 131 m/z 181 m/z 243.

化合物 14c; HPLC: Rt = 23.6, LC-APCIMS (positive) MS, m/z 325 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 325), m/z 147 m/z 241.

化合物 15c; HPLC: Rt = 26.3, LC-APCIMS (positive) MS, m/z 339 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at ra/z 339) , m/z 147 m/z 175 ra/z 177 ra/z 255.

化合物 16c; HPLC: Rt = 31.1 LC-APCIMS (positive) MS, m/z 311 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at ra/z 311) , m/z 147 m/z 227.

化合物 17c; HPLC: Rt = 31.7 LC-APCIMS (positive) MS, m/z 329 [M+H] MS/MS (precursor ion at m/z 329) , m/z 147 m/z 167 m/z 245.

化合物 18c; HPLC: Rt = 32.5, LC-APCIMS (positive) MS, m/z 327 [M+H] MS/MS (precursor ion at m/z 327) , m/z 147 m/z 165 m/z 243.

化合物 19c; HPLC: Rt = 32.1, LC-APCIMS (positive) MS, m/z 307 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 307) , m/z 147 m/z 223.

化合物 20c; HPLC: Rt = 34.5, LC-APCIMS (positive) MS, m/z 369 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 369) , m/z 147 m/z 207 m/z 285.

化合物 21c; HPLC: Rt = 28.3, LC-APCIMS (positive) MS, m/z 283 [M+H] MS/MS (precursor ion at m/z 283) , m/z 147 m/z 199.

化合物 22c; HPLC: Rt = 29.7 LC-APCIMS (positive) MS, m/z 299 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 299) , m/z 147 m/z 215. 1H NMR (500 MHz CDC13) δ 7.81

(dd, 1H J = 2 Hz), 7.65 (d, 1H, J = 16 Hz), 7.59 (d, 1H, J -- -- 16 Hz), 7.55 (d H J = 9 Hz), 7.53 (d, 1H, J = .3 Hz), 7.49 (d, 1H, J - 5 Hz), 6.88 (d, 1H, J = Hz), 6.67 (d, 1H J = 16 Hz), 6.65 (d, 1H, J = 16 Hz), 5.97 (s, 1H).

化合物 23c; HPLC: Rt = 28.8, LC-APCIMS (positive) MS, , m/z 283 [M+H] +, , MS/MS

(precursor ion at m/ 'τ 283), m/z 121 m/z 147 m/z 199.

化合物 24c; HPLC: Rt = 29.9, LC-APCIMS (positive) MS, , m/z 299 [M+H]+, , MS/MS

(precursor ion at ra 'z 299), m/z 147 m/z 215.

化合物 25c; HPLC: Rt = 33.1, LC-APCIMS (positive) MS, , m/z 343 [M+H] +, , MS/MS

(precursor ion at m/ 'z 343 m/z 147 ra/z 259.

化合物 26c; HPLC: Rt = 23.9, LC-APCIMS (positive) MS, m/z 355 [M+H] , MS/MS

(precursor ion at m/ 'z 355) , m/z 175 m/z 177 m/z 255 m/ z 271.

化合物 27c; HPLC: Rt = 28.7, LC-APCIMS (positive) MS, m/z 327 [M+H]+, MS/MS (precursor ion at m, /z 327), m/z 163 m/z 243.

化合物 28c; HPLC: Rt = 29.6, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 345 [M+H]+, MS/MS

(precursor ion at ra, /z 345), ra/z 163 m/z 261.

化合物 29c; HPLC: Rt = 30.3, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 343 [M+H] +, MS/MS

(precursor ion at m Ιτ 343), m/z 163 m/z 259.

化合物 30c; HPLC: Rt = 29.8, LC-APCIMS (positive): MS, ra/z 323 [M+H]+, MS/MS

(precursor ion at m 'τ 323), m/z 163 m/z 239.

化合物 31c; HPLC: Rt = 32.4, LC-APCIMS (positive): MS, ra/z 385 [M+H] +, MS/MS

(precursor ion at m/ 'z 385), m/z 161 m/z 163 m/z 207 m 'τ 301.

化合物 32c; HPLC: Rt = 25.9, LC-APCIMS (positive): MS, ra/z 299 [M+H] +, MS/MS

(precursor ion at m/ 'z 299), m/z 163 m/z 215.

化合物 33c; HPLC: Rt = 27.2, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 315 [M+HJ+, MS/MS

(precursor ion at mノ 'τ 315) , m/z 137 m/z 163 m/z 231.

化合物 34c; HPLC: Rt = 26.4, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 299 [M+H]+, MS/MS

(precursor ion at mノ 'z 299), m/z 163 ra/z 215.

化合物 35c; HPLC: Rt = 27.5, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 315 [M+H] +, MS/MS

(precursor ion at m/ 'z 315) , m/z 137 ra/z 163 m/z 231.

化合物 37c; HPLC: Rt = 31.5, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 341 [M+H] +, MS/MS

(precursor ion at mノ 'z 341), m/z 175 ra/z 177 m/z 257.

化合物 38c; HPLC: Rt = 32.1, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 359 [M+H] +, MS/MS

(precursor ion at mノ 'z 359), m/z 177 m/z 275.

化合物 39c; HPLC: Rt = 33.0, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 357 [M+H] +, MS/MS

(precursor ion at m/ 'z 357), m/z 177 m/z 245 m/z 273.

化合物 40c; HPLC: Rt = 32.9, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 337 [ +H]+, MS/MS

(precursor ion at m/ 'z 337) , m/z 175 m/z 177 m/z 245 m/ 'z 253.

化合物 41c; HPLC: Rt = 33.7, LC-APCIMS (positive): MS, ra/z 399 [M+H] +, MS/MS

(precursor ion at m/ z 399), m/z 175 m/z 245 m/z 289.

化合物 42c; HPLC: Rt = 28.9, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 313 [M+H] +, MS/MS

(precursor ion at m/ 'z 313), m/z 177 ra/z 229.

化合物 43c; HPLC: Rt = 30.1, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 329 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 329) , ra/z 175 m/z 177 m/z 245.

化合物 44c; HPLC: Rt = 29.4, LC - APCIMS (positive) MS m/z 313 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 313) , m/z 175 m/z 229 ra/z 245.

化合物 45c; HPLC: Rt = 30.3, LC-APCIMS (positive) MS: m/z 329 [M+H]+, MS/MS (precursor ion at m/z 329) , m/z 175 m/z 245.

化合物 46c; HPLC: Rt = 33.7, LC-APCIMS (positive) MS, m/z 373 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 373) , m/z 175 ra/z 245 m/z 289.

化合物 47c; HPLC: Rt = 36.3, LC-APCIMS (positive) MS, m/z 331 [M+H]+, MS/MS (precursor ion at m/z 331), m/z 149 m/z 167 m/z 247.

化合物 48c; HPLC: Rt = 37.2, LC-APCIMS (positive) MS, m/z 329 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 329) , m/z 149 m/z 165 m/z 245.

化合物 49c; HPLC: Rt = 36.8, LC-APCIMS (positive) MS, m/z 309 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 309) , m/z 145 m/z 225.

化合物 50c; HPLC: Rt = 38.7, LC-APCIMS (positive) 371 [M+H]+, MS/MS (precursor ion at m/z 371; , m/z 207 m/z 287.

化合物 51c; HPLC: Rt = 33.5, LC-APCIMS (positive) MS, m/z 285 [M+H] +.

化合物 52c; HPLC: Rt = 34.7, LC-APCIMS (positive): MS, ra/z 301 [M+H] +, MS/MS

(precursor ion at m/ 'z 301) , m/z 137 m/z 149 m/z 217.

化合物 53c; HPLC: Rt = 33.9, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 285 [M+H] +, MS/MS

(precursor ion at m/ 'τ 285) , m/z 121 m/z 149 m/z 201.

化合物 54c; HPLC: Rt = 34.9, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 301 [M+H] +, MS/MS

(precursor ion at m/ 'z 301) , m/z 137 ra/z 149 m/z 217.

化合物 55c; HPLC: Rt = 40.3, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 345 [M+H]+, MS/MS

(precursor ion at m/ 'τ 345) , m/z 149 m/z 191.

化合物 56c; HPLC: Rt = 37.5, LC-APCIMS (positive): MS, m/ z 347 [M+H] +, MS/MS

(precursor ion at mノ 'τ 347) , m/z 165 m/z 167 m/z 263.

化合物 57c; HPLC: Rt = 37.2, LC-APCIMS (positive): MS, m/ z 327 [M+H]+, MS/MS

(precursor ion at raノ 'τ 327) , m/z 145 m/z 167 m/z 243.

化合物 58c; HPLC: Rt = 39.0, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 389 [M+H] +, MS/MS

(precursor ion at m/ 'τ 389) , m/z 207 m/z 305.

化合物 59c; HPLC: Rt = 33.7, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 303 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 303), m/z 121 m/z 167 m/z 219.

化合物 60c; HPLC: Rt = 34.4, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 319 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 319) , m/z 137 ra/z 167 m/z 235.

化合物 61c; HPLC: Rt = 34.4, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 303 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 303) , m/z 121 m/z 167 m/z 219.

化合物 62c; HPLC: Rt = 35.6, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 319 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at ra/z 319) , m/z 137 m/z 1り 7 ra/z 235.

化合物 63c; HPLC: Rt = 38.1, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 363 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 363) , m/z 279 m/z 181.

化合物 64c; HPLC: Rt = 38.1, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 325 [M+H]+, MS/MS (precursor ion at m/z 325) , m/z 145 m/z 165 m/z 241.

化合物 65c; HPLC: Rt = 39.8, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 387 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 387), m/z 165 m/z 207 m/z 303.

化合物 66c; HPLC: Rt = 35.0, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 301 [M+H] +.

化合物 67c; HPLC: Rt = 35.9, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 317 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 317) , m/z 137 m/z 165 m/z 233.

化合物 68c; HPLC: Rt = 35.8, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 301 [M+H] +.

化合物 69c; HPLC: Rt = 36.3, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 317 [M+H]+.

化合物 70c; HPLC: Rt = 39.1, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 361 [M+H] +.

化合物 71c; HPLC: Rt = 39.7, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 367 [M+H]+, MS/MS (precursor ion at m/z 367) , ra/z 207 m/z 283.

化合物 72c; HPLC: Rt = 34.4, LC-APCIMS (positive): MS, ra/z 281 [M+H] +.

化合物 73c; HPLC: Rt = 37.8, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 297 [M+H] +.

化合物 74c; HPLC: Rt = 35.2, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 281 [M+H] +.

化合物 75c; HPLC: Rt = 36.1, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 297 [M+H] +.

化合物 76c; HPLC: Rt = 38.6, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 341 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 341) , m/z 145 m/z 181 m/z 257.

化合物 77c; HPLC: Rt = 37.0, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 343 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 343) .

化合物 78c; HPLC: Rt = 38.0, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 359 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 359) , m/z 137 m/z 165 m/z 207 m/z 275.

化合物 79c; HPLC: Rt = 37.5, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 343 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 343) , m/z 207 m/z 259.

化合物 80c; HPLC: Rt = 38.2, LC-APCIMS (positive):. MS, m/z 359 [M+H]十, S/MS (precursor ion at m/z 359) , m/z 137 m/z 207 m/z 275.

化合物 81c; HPLC: Rt = 40.4, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 403 [M+H] +.

化合物 82c; HPLC: Rt = 32.2, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 273 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 273) , m/z 121 m/z 137 m/z 189.

化合物 83c; HPLC: Rt = 32.0, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 257 [M+H]+, MS/MS (precursor ion at m/z 257), m/z 121 m/z 173.

化合物 84c; HPLC: Rt = 32.4, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 273 [M+H]+, MS/MS (precursor ion at m/z 273) , ra/z 121 m/z 137 m/z 189.

化合物 85c; HPLC: Rt = 36.2, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 317 [M+H] +.

化合物 86c; HPLC: Rt = 32.7, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 273 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at ra/z 273) , ra/z 121 m/z 137 m/z 189.

化合物 87c; HPLC: Rt = 33.4, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 289 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at ra/z 289), m/z 137 m/z 205.

化合物 88c; HPLC: Rt = 36.4, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 333 [M+H]+.

ィ匕合物 89c; HPLC: Rt = 33.1, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 273 [M+H] +, MS/MS (precursor ion at m/z 273) , m/z 121 m/z 137 ra/z 189.

化合物 90c; HPLC: Rt = 36.1, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 317 [M+H] +.

化合物 91c; HPLC: Rt = 37.1, LC-APCIMS (positive): MS, m/z 333 [M+H] +.

本明細書中で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書 中にとり入れるものとする。