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1. (WO2008123351) 超純水製造システムの洗浄殺菌方法
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明 細 書

発明の名称 超純水製造システムの洗浄殺菌方法 0001   0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017  

図面の簡単な説明

0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068  

実施例

0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

図面

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明 細 書

超純水製造システムの洗浄殺菌方法

発明の分野

[0001]
 本発明は超純水製造システムの洗浄殺菌方法に関し、特に電子産業分野等における超純水製造システムを効率的に洗浄殺菌して、系内の金属、有機物、微粒子、生菌による汚染を高度に清浄化する方法に関する。

発明の背景

[0002]
 電子産業分野では部材の洗浄水の一つとして超純水を使用している。特に、半導体製造工場およびウェーハ製造工場に適用される超純水水質は厳しく、例えば抵抗率:18.2MΩ・cm以上、微粒子:粒径50nm以上で1個/mL以下、生菌:1個/L以下、TOC(Total Organic Carbon):1μg/L以下、イオン状シリカ:0.1μg/L以下、金属類:1ng/L以下、イオン類:5ng/L以下となっている。
[0003]
 超純水の使用場所(ユースポイント)は、超純水製造装置と超純水供給配管(流路)で接続され、このユースポイントで使用されなかった残余の超純水は別の超純水供給配管を介して前記超純水製造装置に戻されることにより循環系が形成され、全体として超純水製造システムが構成されている。
[0004]
 従来、超純水製造システムの新設・増設・改造・メンテナンスの際にシステム内に混入する空気中のチリやシリカやアルミ等の微粒子や、バクテリアの死骸、鉄さびなどの水中に含まれる粒子、更には製作工程で生じる膜や配管等の削り屑など(以下、これらを「微粒子」と総称する)は、適宜システム系外へ排除し、超純水中の粒径50nm以上の微粒子が1個/mL以下となるようアルカリ性溶液による洗浄が行われている(例えば、特許文献1)。
[0005]
 また、超純水中の生菌を抑制するための超純水製造システムの殺菌方法も提案されている(例えば特許文献2,3)。
[0006]
 また、超純水製造システム内をアルカリ性溶液で洗浄後、過酸化水素溶液で洗浄する超純水製造システムの洗浄殺菌方法も提案されている(特許文献4)。
[0007]
 ところで、アルカリ性溶液による微粒子除去の原理は以下の通りである。
[0008]
 即ち、超純水製造システムの配管等に付着した微粒子は、その表面電位により配管などと電気的つまり静電的に付着している。一般に、洗浄液などの溶液中における微粒子の表面電位は、その液性により変化するが、特に溶液のpHを変化させることによって顕著に変化させることができ、液のpHをアルカリ性側に変化させることによって微粒子はマイナスに帯電し、かつ、その電荷も増大する。一方、超純水製造システムの配管系等を構成しているPVC(ポリ塩化ビニル)やPPS(ポリフェニレンサルファイド)などの有機高分子材料は、表面電位の変化を起こさず、接触する液体のpH変化に関係なくマイナス荷電を有する。従って、接触する液体のpHをアルカリ性に変化させることにより、マイナスに帯電した微粒子がシステム構成材料と電気的に反発して剥離、除去しやすくなる。
[0009]
 そして、この剥離、除去作用は、洗浄液として用いるアルカリ性溶液の濃度が低くても(例えば数10mg/L)十分に発揮される。従って、洗浄液を低濃度とすることができる。そのため、洗浄液の成分がシステム内に残留する割合が少なくなり、この成分に由来してTOCが増大することも抑制される。その結果、洗浄作業を短時間で終了させることができ、超純水製造システムで製造する超純水水質の垂直立上げが可能となる。
[0010]
 アルカリ性溶液による超純水製造システムの洗浄方法は、微粒子の除去能力に優れているので、超純水製造システムに付着した微粒子を速やかに剥離、除去することができる。しかも、洗浄液は低濃度であるため、洗浄後に洗浄液中の成分が残留してTOCを増大させることも少ない。このため、洗浄作業を短時間で行うことが可能である。
[0011]
 特許文献4では、このアルカリ性溶液による洗浄後更に過酸化水素を注入して殺菌する洗浄殺菌方法により、効率的な洗浄、殺菌を可能としている。
特許文献1 : 特開2000-317413号公報
特許文献2 : 特開2002-166283号公報
特許文献3 : 特開2004-275881号公報
特許文献4 : 特開2002-192162号公報

発明の概要

[0012]
 特許文献4の超純水システムの洗浄殺菌方法を、新設・増設の超純水製造システムに適用し、洗浄殺菌処理後、超純水の製造を開始した場合、洗浄殺菌直後に生菌1個/L以下の要求水質を満たすことができるが、粒径50nm以上の微粒子1個/mL以下の要求水質を満たすに要する期間は2週間、金属類1ng/L以下の要求水質を満たすに要する期間は2週間である。
[0013]
 しかし、最近の超純水システムの新設・増設においては、洗浄殺菌処理後、1週間で要求水質を満たすことが要求されるようになっており、このような要求に対して、特許文献4で提案される超純水製造システムの洗浄殺菌方法では対応できない状況にある。
[0014]
 従って、本発明は、超純水製造システム系内の金属、有機物、微粒子、生菌を高効率で除去することができ、洗浄殺菌後、短期間で要求水質を満足する超純水を製造し得る超純水製造システムの洗浄殺菌方法を提供することを目的とする。
[0015]
 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、アルカリ性溶液による洗浄後、殺菌水で殺菌する洗浄殺菌工程を2回以上行うことにより、従来法では、洗浄殺菌後の超純水製造開始から要求水質を満たすまでの期間(以下「立ち上げ期間」と称す場合がある。)として2週間を要していた金属類や微生物等の汚染物の高度除去が可能となり、これらの項目についても、立ち上げ期間を1週間以内に短縮することができることを見出した。
[0016]
 本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、超純水製造装置、超純水のユースポイント、並びに前記超純水製造装置と前記ユースポイントとを接続する超純水の流路からなる超純水製造システムを洗浄及び殺菌する方法において、系内の少なくとも一部をアルカリ性溶液で洗浄するアルカリ洗浄工程と該アルカリ洗浄後に殺菌水で殺菌する殺菌工程とを行う洗浄殺菌工程を2回以上行うことを特徴とする。
[0017]
 本発明の超純水製造システムの洗浄殺菌方法によれば、超純水製造システム系内の金属、有機物、微粒子、生菌を高度に除去して、立ち上げ期間を大幅に短縮することが可能となる。

図面の簡単な説明

[0018]
[図1] 本発明の超純水製造システムの洗浄殺菌方法の実施の形態を示す超純水製造システムの系統図である。
[図2] 実施例1と比較例1~3における超純水中の微粒子数の経時変化を示すグラフである。
[図3] 実験例1~6におけるフラッシング洗浄時の流速とフラッシング洗浄時間との関係を示すグラフである。
[図4] 実験例7~12におけるアルカリ洗浄工程の時間と、アルカリ性溶液中の微粒子数(相対値)との関係を示すグラフである。
[図5] 実験例13~18における殺菌工程の時間と、殺菌水中の金属濃度(相対値)との関係を示すグラフである。

詳細な説明

[0019]
 以下に、本発明の超純水製造システムの洗浄殺菌方法の実施の形態を説明する。
[0020]
 本発明は、超純水製造装置、超純水のユースポイント、並びに前記超純水製造装置と前記ユースポイントとを接続する超純水の流路からなる超純水製造システムを洗浄及び殺菌する方法において、系内の少なくとも一部をアルカリ性溶液で洗浄するアルカリ洗浄工程と該アルカリ洗浄後に殺菌水で殺菌する殺菌工程とを行う洗浄殺菌工程を有し、該洗浄殺菌工程を2回以上行うことを特徴とする。
[0021]
 本発明の超純水製造システムの洗浄殺菌方法は、このようにアルカリ洗浄工程と殺菌工程とを含む洗浄殺菌工程を2回以上行うことを特徴とするものであるが、アルカリ洗浄工程と殺菌工程との間には1次純水又は超純水からなるフラッシング水により系内を洗浄する第1フラッシング工程を有することが好ましく、また、殺菌工程の直後にも、1次純水又は超純水からなるフラッシング水により系内を洗浄する第2フラッシング工程を有することが好ましい。即ち、本発明における1回の洗浄殺菌工程は、アルカリ洗浄工→第1フラッシング工程→殺菌工程→第2フラッシング工程の少なくとも4工程を含むことが好ましい。
[0022]
 本発明において、アルカリ洗浄工程で用いるアルカリ性溶液としては、水に、アンモニア、アンモニウム化合物、アルカリ金属の水酸化物及びアルカリ金属の酸化物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上のアルカリ性化合物、特に、アンモニウム塩及び/又はアルカリ金属の水酸化物を溶解させたもの、とりわけ、アンモニア、アンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを水に溶解させたものが好ましい。また溶媒としては脱塩した水が好ましく、一次純水や超純水がより好ましい。
[0023]
 アルカリ洗浄工程で用いるアルカリ性溶液のpHは一定値以上、即ちpH9以上でなければ微粒子の剥離効果が小さい。しかし、アルカリ性溶液のpHが高すぎると、系内の配管等を腐食させるおそれがある上に、その後の第1フラッシングに長時間を要するという問題がある。そのためアルカリ洗浄に用いるアルカリ性溶液のpHには好ましい上限値と下限値が存在する。
[0024]
 具体的には、このアルカリ性溶液はpH9~12であることが好ましく、pH9.5~11であることがより好ましい。
[0025]
 アルカリ性溶液の温度については特に制限はないが、超純水製造システムを構成する部材の耐性を考慮して20℃以上40℃以下が好ましい。
[0026]
 殺菌工程で用いる殺菌水の温度は、殺菌水が一次純水又は超純水である場合には、60℃以上の温純水であることが好ましく、この温度は、アルカリ性溶液の場合と同様に超純水製造システムを構成する部材や配管の耐熱温度を超えない範囲でなるべく高い温度とするのが洗浄力の点で好ましく、耐熱温度が約80℃であるPVDFの場合は殺菌水の温度を75~80℃とすればよい。また、ステンレスを構成材料とする場合は100℃程度の温度で洗浄することができる。
[0027]
 配管等の素材の耐熱性が低く高温殺菌ができない場合は、後段に不純物が混入しないようにオゾン水又は過酸化水素水を用いるのが好ましいが、オゾン水を用いると濃度制御が難しく、場合によっては酸化力が強すぎて配管等が腐食してしまう恐れがあるので、過酸化水素水を用いることがより好ましい。過酸化水素水の殺菌力は、過酸化水素濃度と液温度のバランスで決まってくる。そのため、液温度が低くなっても過酸化水素濃度を高くすれば必要な殺菌力を得ることができる。しかし、過酸化水素濃度が高いほど次の第2フラッシング工程に要する時間が長くなってしまうので過度に高濃度にするのは好ましくない。
[0028]
 従って、用いる過酸化水素水の過酸化水素濃度は所定の好ましい範囲が存在し、具体的には0.01~10重量%、特に0.01~5.0重量%であることが好ましい。なお、過酸化水素水の溶媒としては脱塩した水が好ましく、一次純水や超純水がより好ましい。
[0029]
 また、殺菌水としての過酸化水素水の温度は、好ましくは10~50℃の範囲で、過酸化水素濃度や超純水製造システムを構成する部材や配管の耐熱温度に応じて適宜決定される。この温度が10℃より低いと十分な殺菌効果が得られず、また10℃以下の冷水を作る装置が別途必要でありコスト高となり、メリットがない。50℃より高いと過酸化水素が分解し、殺菌効果の低下が著しい。上述の如く、過酸化水素水を用いることにより低温の殺菌水でも十分な殺菌効果を得ることができることから、超純水製造システムの構成材料が耐熱性の低いものである場合、殺菌水としては過酸化水素水を用いることが好ましい。
[0030]
 十分な殺菌力が得られる過酸化水素水の過酸化水素濃度と温度との組み合わせとしては、過酸化水素濃度が0.01~0.5重量%のときの対応する好適な液温度は30~50℃であり、過酸化水素濃度0.5~5.0重量%のときの対応する好適な液温度は10~30℃である。
[0031]
 アルカリ洗浄工程とその直後の第1フラッシング工程において、アルカリ性溶液やフラッシング水の流速が遅すぎると、アルカリ洗浄によって剥離した微粒子が配管等に再吸着してしまうという問題がある。そのため、アルカリ洗浄時のアルカリ性溶液及び第1フラッシング時のフラッシング水の流速を一定値以上に保持することが好ましい。この流速を一定値以上に大きくすることには乱流が発生して系内の液溜まり部に滞留する微粒子を素早く一掃することができるというメリットもある。
[0032]
 しかし、流速が過度に速いと圧力損失増大の問題がある上、振動に伴う配管等の接合部の破損(漏れ)の恐れがあるので、好適な流速の上限値が存在する。
[0033]
 具体的には、アルカリ洗浄工程におけるアルカリ性溶液及び第1フラッシング工程におけるフラッシング水の流速は0.3~2.0m/secに保持することが好ましく、0.5~1.5m/secに保持することがより好ましい。
[0034]
 また、殺菌工程の直後の第2フラッシング工程におけるフラッシング水の流速については、系内から生菌の死骸を確実に排出するため一定値以上に保持することが好ましい。しかし上記と同様、流速が過度に速いと圧力損失増大の問題がある上、振動に伴う配管等の接合部の破損(漏れ)の恐れがあるので、好適な流速の上限値が存在する。具体的には、第2フラッシング工程におけるフラッシング水の流速を0.3~2.0m/secに保持することが好ましく、0.5~1.5m/secに保持することがより好ましい。
[0035]
 一方、殺菌工程における殺菌水の流速については、殺菌水を系内に浸透させることが望ましいためアルカリ性溶液やフラッシング水の流速と比べて遅い流速でも構わない。ただし流速の上限値についてはアルカリ性溶液やフラッシング水の場合と同様、流速が過度に速いと圧力損失増大の問題がある上、振動に伴う配管等の接合部の破損(漏れ)の恐れがあるので、好適な流速の上限値が存在する。具体的には殺菌水の流速を0.1~2.0m/secに保持することが望ましく、0.3~1.5m/secに保持することがより好ましい。
[0036]
 アルカリ洗浄後に第1フラッシング工程を行う場合、フラッシング洗浄の終了判定については、フラッシング水のpH、具体的にはユースポイントに送ったフラッシング水を超純水製造装置に戻す超純水供給配管(後掲の図3における流路3b)のフラッシング水のpHが予め設定したpH8以下の値、例えばpH6.0~8.0に達した時点、或いは、フラッシング水の抵抗率、具体的にはユースポイントに送ったフラッシング水を超純水製造装置に戻す超純水供給配管(後掲の図3における流路3b)のフラッシング水の抵抗率が予め設定した10MΩ・cm以上の値、例えば抵抗率10.0~18.2MΩ・cmの値に達した時点でフラッシング洗浄が完了したと判定することができる。
[0037]
 また、過酸化水素水による殺菌後に第2フラッシング工程を行う場合、フラッシング洗浄の終了判定については、フラッシング水の過酸化水素濃度、具体的にはユースポイントに送ったフラッシング水を超純水製造装置に戻す超純水供給配管(後掲の図3における流路3b)のフラッシング水の過酸化水素濃度が1mg/L以下で過酸化水素が検出されないことの確認により行うことができる。ここで、過酸化水素が検出されないとは、例えば過酸化水素試験紙を濡らしたとき変色しないこと、或いはヨウ素電量滴定法による過酸化水素濃度計の測定値が1mg/L以下となったときを指す。
[0038]
 また、温純水による殺菌後に第2フラッシング工程を行う場合、ユースポイントに送ったフラッシング水を超純水製造装置に戻す超純水供給配管(後掲の図3における流路3b)のフラッシング水の抵抗率が予め設定した10.0MΩ・cm以上の値、例えば10.0~18.2MΩ・cmの値に達した時点でフラッシング洗浄が完了したと判定することができる。
[0039]
 このような終了判定を行うことなく、時間による制御でフラッシングを終了することも可能であるが、この場合には、アルカリ性溶液や殺菌水といった薬品や洗浄・殺菌により発生した不純物の残留を配慮する必要があるため、フラッシング終了までの時間にはある程度バッファを確保しておかなければならず、そのため、上述のような終了判定をする場合に比べてフラッシング終了までの時間が長くなり、またそれに伴い使用するフラッシング水量も増加するため非常に効率が悪い。
[0040]
 本発明においては、アルカリ洗浄工程と殺菌工程とを含む洗浄殺菌工程、好ましくはアルカリ洗浄工程、第1フラッシング工程、殺菌工程、及び第2フラッシング工程を含む洗浄殺菌工程を2回以上行うが、1回目の洗浄殺菌工程に要する時間(この洗浄殺菌工程に要する時間とは、第1,第2フラッシング工程の時間を含まないアルカリ洗浄工程と殺菌工程との合計時間である。)を2回目以降の洗浄殺菌工程に要する時間よりも短くすることが好ましい。より好ましくは、1回目の洗浄殺菌工程と2回目以降の洗浄殺菌工程とで、各々のアルカリ洗浄工程及び殺菌工程をそれぞれ、1回目の洗浄殺菌工程における時間を2回目以降の洗浄殺菌工程における時間よりも短くする。
[0041]
 この理由は次の通りである。
[0042]
 即ち、1回目の洗浄殺菌工程のアルカリ洗浄工程では、系内の配管等に付着している微粒子等の不純物が多量のアルカリと反応して多量に剥離する。そのため、アルカリの濃度が下がり、洗浄能力が下がる上、系内の配管等に微粒子等の不純物が再付着する恐れがある。また、1回目の洗浄殺菌工程のアルカリ洗浄工程が長いと、剥離した多量の微粒子がアルカリ性下で系内の配管等と化学反応することで、超純水製造システムを構成する部材を劣化させる恐れがある。そこで、1回目の洗浄殺菌工程のアルカリ洗浄工程は、微粒子等の不純物の粗取りを目的として、洗浄時間を短くして早めに洗浄排水を排出し、2回目以降の洗浄殺菌工程のアルカリ洗浄工程において、十分な時間をかけて高度に洗浄することが好ましい。
[0043]
 一方、1回目の洗浄殺菌工程の殺菌工程では、殺菌水の酸化力(温純水も高温による酸化力を持つ)により超純水製造システムを構成する非金属製部材の表面に付着している金属や表層部に浸透している金属が金属イオンとして溶出する。金属イオンは自身が溶出した部材と異なる素材の部材を物理的に侵食したり溶出させたりして劣化させやすい。そこで、1回目の洗浄殺菌工程の殺菌工程は、非金属製部材から溶出する金属イオンの粗取りを目的として、殺菌時間を短くして早めに殺菌排水を排出し、2回目以降の洗浄殺菌工程の殺菌工程において、十分な時間をかけて高度に殺菌することが好ましい。なお、ここでいう非金属製部材の非金属としては、例えばシリコン、PVC(ポリ塩化ビニル)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PVDF(ポリビニルジフロライド)、FRP(繊維強化プラスチック)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、EPDM(エチレンプロピレンジエン三元共重合体)、バイトン(登録商標)(デュポンエラストマー社製;フッ素ゴム)などが挙げられる。
[0044]
 この場合に、例えば1回目の洗浄殺菌工程におけるアルカリ洗浄工程の時間(後述のアルカリ性溶液の系内循環時間)は0.5~2.0時間、例えば1時間、その後の殺菌工程の時間(後述の殺菌水の系内循環時間)は0.5~2.0時間、例えば1時間とし、2回目以降の洗浄殺菌工程におけるアルカリ洗浄工程の時間は1~3時間、例えば2時間で1回目の洗浄殺菌工程におけるアルカリ洗浄工程の時間の1.5~2倍程度とし、その後の殺菌工程の時間は1~3時間、例えば2時間で、1回目の洗浄殺菌工程における殺菌工程の時間の1.5~2倍程度とすることが好ましい。
[0045]
 なお、本発明における一次純水、超純水は以下のものを指すものとする。
 一次純水:抵抗率10MΩ・cm以上
      TOC100μg/L以下
 超純水:抵抗率15MΩ・cm以上
     TOC1μg/L以下
     金属類1ng/L以下
[0046]
 このように洗浄時間の調整を行なうことにより、洗浄殺菌処理後の立ち上げ期間をより一層確実に短縮することができる。
[0047]
 以下に図面を参照して本発明をより具体的に説明する。
[0048]
 図1は、本発明の超純水製造システムの洗浄殺菌方法の実施の形態を示す系統図の一例である。
[0049]
 この超純水製造システム1は、超純水製造装置2、超純水のユースポイント4、及びこれらを接続する超純水の流路(配管ないしチューブ)3a,3bからなっている。そして、超純水製造装置2で製造された超純水は流路3aを介してユースポイント4へ送られて該ユースポイント4でその一部が使用され、未使用の超純水は流路3bを経て超純水製造装置2に戻る循環系をなしている。
[0050]
 超純水製造装置(2次純水装置)2は、タンク21、ポンプ22、熱交換器23、低圧紫外線酸化装置24、脱気装置25、イオン交換装置26、限外濾過膜(UF)装置27の組み合わせからなる。これらの装置は配管ないしチューブで接続されている。場合によっては、更に逆浸透膜(RO)を含む膜分離装置、酸化剤除去装置、イオン交換装置26とは異なる或いは同様のイオン交換装置が超純水製造装置に組み込まれることもある。
[0051]
 図1に示す実施の形態において、超純水製造装置2の入口側に1次純水製造装置5からの1次純水および超純水供給配管3bから戻された超純水を受けるタンク21が配設される。そして、タンク21に受けた超純水原水をポンプ22で供給し、熱交換器23、低圧紫外線酸化装置24、脱気装置25、イオン交換装置26、限外濾過膜装置27で順次処理することで超純水が製造される。
[0052]
 なお、1次純水は例えば原水を逆浸透膜装置で処理した後、イオン交換装置で処理し、さらに逆浸透膜処理することで得ることができる。
[0053]
 ユースポイント4は超純水の使用場所を示す。ユースポイント4の条件について、特に制限はない。
[0054]
 超純水製造装置2で使用する配管ないしチューブと流路3a,3bの配管/チューブの仕様については、超純水中にその成分が溶出するものでなければ特に制限はなく、例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PVDF(ポリビニルジフロライド)、FRP(繊維強化プラスチック)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、EPDM(エチレンプロピレンジエン三元共重合体)、バイトン(登録商標)(デュポンエラストマー社製;フッ素ゴム)、ステンレス等が適用できる。
[0055]
 このような超純水製造システム1の清浄化を図るために、超純水製造装置2の脱気装置25、イオン交換装置26、限外濾過膜装置27のそれぞれにバイパス配管25a、26a、27aを設けることがある。場合によっては熱交換器23、低圧紫外線酸化装置24にもバイパス配管を組み込むこともある。
[0056]
 超純水製造システム1の洗浄殺菌に際しては、まず、脱気装置25、イオン交換装置26、限外濾過膜装置27をバイパスするようにバルブ選択をし、また、タンク21の水位調整を行う。熱交換器23、紫外線酸化装置24にもバイパス配管を組み込んだ場合は、そのラインを微開にする。その後、超純水製造システムの超純水がpH9以上のアルカリ性溶液になるようにタンク21にアルカリ性溶液の原液を注入し、ポンプ22を作動させて超純水製造システム1内を循環させる。
[0057]
 アルカリ性溶液による超純水製造システムの洗浄から殺菌水による超純水製造システムの殺菌に移行する前に、一次純水製造装置5からの1次純水をフラッシング水として超純水製造システム内のアルカリ性溶液を、系外へ押し出すフラッシング洗浄を行う。そして、このフラッシング水のpHが8以下であること及び/又は抵抗率が10MΩ・cm以上になった時点で、アルカリ性溶液のフラッシング洗浄が完了したと判定し、殺菌水による超純水製造システム1内の殺菌工程に移行することが好ましい。
[0058]
 殺菌水による殺菌に際しては、アルカリ性溶液による洗浄時と同様に、脱気装置25、イオン交換装置26、限外濾過膜装置27をバイパスするようにバルブ選択をし、また、タンク21の水位調整を行う。熱交換器23、紫外線酸化装置24にもバイパス配管を組み込んだ場合は、そのラインを微開にする。その後、超純水製造システムの超純水が殺菌水となるように必要に応じて熱交換器23で必要温度まで加熱し、或いはまた、過酸化水素をタンク21に注入し、ポンプ22を作動させて超純水製造システム内を循環させる。
[0059]
 殺菌水による超純水製造システム系内の殺菌洗浄から次のアルカリ性溶液による超純水製造システムの洗浄に移行する前に、一次純水製造装置5からの一次純水をフラッシング水として超純水製造システム内の殺菌水を系外へ押し出すフラッシング洗浄を行う。そして、殺菌水として過酸化水素を用いた場合はフラッシング水の過酸化水素濃度が1mg/L以下となった時点で、過酸化水素水のフラッシング洗浄が完了したと判定しアルカリ性溶液による2回目のアルカリ洗浄工程に移行できる。
[0060]
 また、殺菌水として温純水を用いた場合は、フラッシング水の抵抗率が予め設定した10.0MΩ・cm以上の値、例えば10.0~18.2MΩ・cmの値に達した時点でフラッシング洗浄が完了したと判定し、アルカリ性溶液による2回目のアルカリ洗浄工程に移行できる。
[0061]
 2回目のアルカリ性溶液による洗浄工程は、イオン交換装置26のみをバイパスして実施する以外、前述の1回目のアルカリ性溶液による洗浄工程と同様の操作及び同様の条件で行うことができる。
[0062]
 ただし、1回目のアルカリ性溶液による洗浄と2回目のアルカリ性溶液による洗浄は、必ずしも同一条件で行う必要はなく、洗浄液のpHや温度、用いるアルカリ性化合物の種類、循環流速や時間が異なっていても良い。
[0063]
 2回目のアルカリ性溶液による洗浄後は、前述の1回目のアルカリ性溶液による洗浄後と同様にフラッシング洗浄を行った後、2回目の殺菌水の殺菌工程に移行する。
[0064]
 2回目の殺菌水による殺菌工程はイオン交換装置26のみをバイパスして実施する以外、前述の1回目の殺菌水による殺菌工程と同様の操作及び同様の条件で行うことができる。
[0065]
 ただし、1回目の殺菌水による殺菌と2回目の殺菌水による殺菌は、必ずしも同一条件で行う必要はなく、殺菌水の温度や種類(温水か過酸化水素水か、過酸化水素水の場合、その濃度)、循環流速や時間が異なっていても良い。
[0066]
 2回目の殺菌水による殺菌後は、前述の1回目の殺菌水による殺菌後と同様にフラッシング洗浄を行った後、3回目のアルカリ性溶液による殺菌工程に移行するか或いは、超純水の製造を再開する。
[0067]
 本発明においては、このようなアルカリ性溶液による洗浄工程→第1フラッシング工程→殺菌水による殺菌工程→第2フラッシング工程の一連の洗浄殺菌工程を2回以上行うが、この洗浄殺菌工程は2回以上であれば良く、3回、或いはそれ以上であっても良い。
[0068]
 このように、アルカリ性溶液による洗浄と殺菌水による殺菌の洗浄殺菌工程を2回以上行う本発明の超純水製造システムの洗浄殺菌方法によれば、洗浄殺菌後の超純水の製造に際して、前述の特許文献4の方法では、立ち上げ期間に2週間を要したのに対して、通常、約1週間以内の立ち上げ期間で超純水の採水が可能となる。

実施例

[0069]
 以下に実施例、比較例及び実験例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[0070]
実施例1
 次のようにして図1に示す超純水製造システムの洗浄を行った。
[0071]
 まず、超純水製造装置2のタンク21に、pH10.5となるように濃度50mg/Lのアンモニア水を注入し、ポンプ22により流速1m/secで熱交換器23に送って常温に調整した後、超純水製造装置2、流路3a、ユースポイント4、流路3bの順にアンモニア水を1時間循環させてこのシステムを洗浄した。但し、脱気装置25、イオン交換装置26、限外濾過膜装置27は洗浄せず、バイパス配管25a、26a、27aを介して洗浄液を迂回させた。
[0072]
 次いで、洗浄液を図示しないブロー配管から排出させ、タンク21にフラッシング水として1次純水を供給し、システム内に流速1m/secで循環させてシステムの内部に残った洗浄液を押し出すフラッシング洗浄を行った。
[0073]
 このフラッシング洗浄を1時間行い、流路3bにおけるフラッシング水のpHが8になった時点でタンク21に過酸化水素を0.1重量%の濃度となるように注入し、1m/secで1時間循環させた。このときの過酸化水素水の温度は40℃とした。
[0074]
 その後、上記と同様のフラッシング洗浄を2時間行い、過酸化水素試験紙で過酸化水素水濃度が検出されなくなったときに1回目の洗浄殺菌工程を終了した。
[0075]
 次いで、再び濃度と温度を変えずにアンモニア水による洗浄を2時間、フラッシング洗浄を1時間、過酸化水素水による殺菌を2時間及びフラッシング洗浄を2時間行って、2回目の洗浄殺菌工程を行った。
[0076]
 洗浄が終了した後、通常の運転を行い、ユースポイント4における超純水の水質の経時変化を、微粒子数を測定することにより調査した。超純水中の微粒子数の測定においてはレーザー散乱方式による分析機器を用い、超純水中の微粒子数は、粒径0.05μm以上の微粒子数がモニタリングできるオンラインモニタにて計数した。
[0077]
 この結果を図2に示す。
[0078]
 また、通常運転開始から36時間後のユースポイント4における超純水中の金属不純物量をICP-MSによる持ち帰り分析により測定し、結果を表1に示した。
[0079]
比較例1
 実施例1において、1回目の洗浄殺菌工程においてアンモニア水による洗浄を行わず、過酸化水素水による殺菌洗浄と、その後のフラッシング洗浄のみを行い、2回目の洗浄殺菌工程を行わなかったこと以外は同様に洗浄を行い(即ち、1回の殺菌のみ)、同様にユースポイントにおける超純水中の微粒子数の経時変化を調べ、結果を図2に示した。
[0080]
比較例2
 実施例1において、1回目の洗浄殺菌工程のみを行い、2回目の洗浄殺菌工程を行わなかったこと以外は同様に洗浄殺菌を行い、同様にユースポイントにおける超純水中の微粒子数の経時変化を調べ、結果を図2に示した。
[0081]
 また、同様に、運転開始から36時間後の超純水中の金属不純物量を調べ、結果を表1に示した。
[0082]
比較例3
 実施例1において、1回目の洗浄殺菌工程で、過酸化水素水による殺菌を行わず、アンモニア水による洗浄と、その後のフラッシング洗浄のみを行ったこと以外は同様にして洗浄殺菌を行い、同様にユースポイントにおける超純水中の微粒子数の経時変化を調べ、結果を図2に示した。
[0083]
 図2により明らかなように、過酸化水素水による殺菌のみの比較例1では、超純水中の粒径0.05μm以上の微粒子数が1個/mL以下となるのに1000時間を要した。
[0084]
 また、アンモニア水による洗浄と過酸化水素水による殺菌の洗浄殺菌工程を1回のみ行った比較例2では、超純水中の粒径0.05μm以上の微粒子数が1個/mL以下となるのに200時間以上を要した。
[0085]
 アンモニア水による洗浄を行った後、更にアンモニア水による洗浄と過酸化水素水による殺菌の洗浄殺菌工程を行った比較例3では、超純水中の粒径0.05μm以上の微粒子数が1個/mL以下となるのに60時間を要した。
[0086]
 これに対して、アンモニア水による洗浄と過酸化水素水による殺菌の洗浄殺菌工程を2回行った実施例1では、超純水中の粒径0.05μm以上の微粒子数が1個/mL以下となるのに20時間と、立ち上げ期間を大幅に短縮することができたことがわかる。
[0087]
 なお、ここでいう立ち上げ期間とは、新設のサブシステム(二次純水製造装置)において種々の洗浄・殺菌終了後に超純水製造を開始した際、超純水中の粒径0.05μm以上の微粒子数1個/mL以下を満足するのに要する時間をさす。
[0088]
比較例4
 実施例1において、2回目の洗浄殺菌工程におけるアルカリ洗浄を行わず、殺菌とその後のフラッシング洗浄のみを行ったこと以外は同様に洗浄殺菌を行い、同様にユースポイントにおける超純水中の微粒子数の経時変化から、立ち上げ期間を調べたところ180時間であった。
[0089]
比較例5
 実施例1において、1回目の洗浄殺菌工程で、アルカリ洗浄を行わず、殺菌とその後のフラッシング洗浄のみを行ったこと以外は同様にして洗浄殺菌を行い、同様にユースポイントにおける超純水中の微粒子数の経時変化から、立ち上げ期間を調べたところ180時間であった。
[0090]
 以上の実施例1と比較例1~5の結果を表2にまとめた。
[0091]
[表1]


[0092]
[表2]


[0093]
 表1より、アンモニア水による洗浄と過酸化水素水による殺菌の洗浄殺菌工程を2回行った実施例1では、金属不純物量について、立ち上げ期間36時間で0.5ng/L未満とすることができるが、アンモニア水による洗浄と過酸化水素水による殺菌の洗浄殺菌工程を1回のみ行った比較例2では36時間では、0.5ng/L未満を達成し得ない。なお、この比較例2では、0.5ng/L未満とするのに240時間が必要であった。
[0094]
 表1,2より、本発明によれば、単にアルカリ性溶液による洗浄と殺菌水による殺菌の洗浄殺菌工程を2回以上繰り返し行うのみで、立ち上げ期間を大幅に短縮することができることが分かる。
[0095]
実験例1~6
 実施例1において、1回目の洗浄殺菌工程におけるアルカリ洗浄と同条件でアルカリ洗浄を行った後(ただし、アンモニア水の流速は約1.0m/secとした。)、アルカリ洗浄後のフラッシング洗浄におけるフラッシング水の流速を下記表3に示すように種々変えてフラッシング洗浄を行い、流路3bのフラッシング水のpHが8になるまでに要するフラッシング洗浄時間を調べ、フラッシング水の流速が2.0m/secのときの所要フラッシング洗浄時間を1.0として、各実験例におけるフラッシング洗浄時間の相対値を調べ、結果を表3及び図3に示した。
[0096]
 これらの結果から、フラッシング洗浄時の流速は、0.3m/sec以上、特に0.5m/sec以上であると、効率的な洗浄を行えることが分かる。また、流速が1.5m/secを超えると、洗浄効率は殆ど上がらないことが分かる。
[0097]
[表3]


[0098]
実験例7~12
 1回目の洗浄殺菌工程のアルカリ洗浄工程の時間を種々変えたこと以外は実施例1と同様の条件で洗浄殺菌工程を行い、アルカリ性溶液中の微粒子数の違いを調べた。各実験例におけるアルカリ性溶液中の粒径0.5μm以上の微粒子数をオンラインモニタにより測定し、アルカリ洗浄工程の時間が2時間のときの微粒子数を1として、相対値を求めた。結果を表4及び図4に示す。
[0099]
[表4]


[0100]
 表4や図4によれば、アルカリ洗浄工程の時間が0.5時間以上であれば効果的にアルカリ洗浄が行われることが分かる。逆に、アルカリ洗浄工程の時間を過度に長く取っても洗浄能力はさほど向上しないことが分かる。
[0101]
実験例13~18
 1回目の洗浄殺菌工程の殺菌工程の時間を種々変えたこと以外は実施例1と同様の条件で洗浄殺菌工程を行い、殺菌水中の金属濃度の違いを調べた。各実験例における殺菌水中の金属濃度をICP-MSにより測定し、殺菌工程の時間が2時間のときの殺菌水中の金属濃度を1として、相対値を求めた。結果を表5、図5に示す。
[0102]
[表5]


[0103]
 表5や図5によれば、殺菌工程の時間が0.5時間以上であれば効果的に殺菌が行われることが分かる。逆に、殺菌工程の時間を過度に長く取っても殺菌能力はさほど向上しないことが分かる。
[0104]
 本発明を特定の態様を用いて詳細に説明したが、本発明の意図と範囲を離れることなく様々な変更が可能であることは当業者に明らかである。
[0105]
 なお、本出願は、2007年3月30日付で出願された日本特許出願(特願2007-91667)に基づいており、その全体が引用により援用される。

請求の範囲

[1]
 超純水製造装置、超純水のユースポイント、並びに前記超純水製造装置と前記ユースポイントとを接続する超純水の流路からなる超純水製造システムを洗浄及び殺菌する方法において、
 系内の少なくとも一部をアルカリ性溶液で洗浄するアルカリ洗浄工程と該アルカリ洗浄後に殺菌水で殺菌する殺菌工程とを行う洗浄殺菌工程を有し、該洗浄殺菌工程を2回以上行うことを特徴とする超純水製造システムの洗浄殺菌方法。
[2]
 請求項1において、前記アルカリ性溶液がアンモニウム塩及び/又はアルカリ金属の水酸化物を含むpH9以上の水溶液であることを特徴とする超純水製造システムの洗浄殺菌方法。
[3]
 請求項1において、前記殺菌水が、温度が60℃以上の一次純水又は超純水からなる温純水、若しくは、過酸化水素濃度が0.01~10重量%で温度が10~50℃の過酸化水素水であることを特徴とする超純水製造システムの洗浄殺菌方法。
[4]
 請求項1において、1回目の洗浄殺菌工程におけるアルカリ洗浄工程の時間を0.5時間以上とし、1回目の洗浄殺菌工程におけるアルカリ洗浄工程より2回目以降の洗浄殺菌工程におけるアルカリ洗浄工程を長い時間行うことを特徴とする超純水製造システムの洗浄殺菌方法。
[5]
 請求項1において、1回目の洗浄殺菌工程における殺菌工程の時間を0.5時間以上とし、1回目の洗浄殺菌工程における殺菌工程より2回目以降の洗浄殺菌工程における殺菌工程を長い時間行うことを特徴とする超純水製造システムの洗浄殺菌方法。
[6]
 請求項1において、各洗浄殺菌工程におけるアルカリ洗浄工程の直後に1次純水又は超純水をフラッシング水とするフラッシング洗浄を行う第1フラッシング工程を有することを特徴とする超純水製造システムの洗浄殺菌方法。
[7]
 請求項6において、アルカリ洗浄工程におけるアルカリ性溶液の流速を0.3~2.0m/secとすることを特徴とする超純水製造システムの洗浄殺菌方法。
[8]
 請求項6において、第1フラッシング工程おけるフラッシング水の流速を0.3~2.0m/secとすることを特徴とする超純水製造システムの洗浄殺菌方法。
[9]
 請求項6において、第1フラッシング工程において、フラッシング水のpHが8以下及び/又はフラッシング水の抵抗率が10MΩ・cm以上の予め設定した値となった後に次の工程に移行することを特徴とする超純水製造システムの洗浄殺菌方法。
[10]
 請求項1において、各洗浄殺菌工程における殺菌工程の直後に1次純水又は超純水をフラッシング水とするフラッシング洗浄を行う第2フラッシング工程を有することを特徴とする超純水製造システムの洗浄殺菌方法。
[11]
 請求項10において、第2フラッシング工程おけるフラッシング水の流速を0.3~2.0m/secとすることを特徴とする超純水製造システムの洗浄殺菌方法。
[12]
 請求項10において、殺菌工程における殺菌水が過酸化水素水であり、第2フラッシング工程において、フラッシング水の過酸化水素濃度が1mg/L以下となった後に次の工程に移行することを特徴とする超純水製造システムの洗浄殺菌方法。
[13]
 請求項10において、殺菌工程における殺菌水が温純水であり、第2フラッシング工程において、フラッシング水の抵抗率が10MΩ・cm以上の予め設定した値となった後に次の工程に移行することを特徴とする超純水製造システムの洗浄殺菌方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]