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1. (WO2008123177) 難燃性樹脂組成物
Document

明 細 書

発明の名称 難燃性樹脂組成物

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008  

発明の開示

発明が解決しようとする課題

0009  

課題を解決するための手段

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020  

発明の効果

0021   0022  

発明を実施するための最良の形態

0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065  

実施例

0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088  

産業上の利用可能性

0089  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

補正された請求の範囲(条約第19条)

1  *   2   3   4  *   5   6  *   7  *   8  *   9  *   10  *   11  *   12  *   13  *   14  *   15  *  

条約第19条(1)に基づく説明書

明 細 書

難燃性樹脂組成物

技術分野

[0001]
 本発明は、エチレン-酢酸ビニル共重合体を含む難燃性樹脂組成物に関する。より詳しくは、エチレン-酢酸ビニル共重合体の微架橋物を含む柔軟性と難燃性のバランスに優れた難燃性樹脂組成物に関する。

背景技術

[0002]
 オレフィン系樹脂は、一般に電気的特性、機械的性質、加工性等が優れているところから、電気絶縁材料として広く使用されている。とくに電線、ケーブル等の用途には、強度、低温特性、耐擦傷性、硬度等のバランスが良好であるところから、エチレン・不飽和エステルランダム共重合体が広く使用されている。
[0003]
 このようなエチレン共重合体は易燃性であるため、用途によっては難燃化する必要があり、そのため古くはハロゲン系難燃剤を配合することにより対処してきた。しかしながらこのような配合物は燃焼時に有害ガスを発生するという問題があり、そのため近年では非ハロゲン系の水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物難燃剤を配合する処方が採用されるようになってきた。ところが金属水酸化物難燃剤は、かなり大量に配合しないと充分な難燃効果を発揮することができないため、往々にしてエチレン共重合体の加工性、耐擦傷性、その他機械的特性を犠牲にすることがあった。とくに薄肉電線、薄肉建材シート、薄肉車両シート等の用途においては、薄肉における高度な難燃性と良好な成形性および機械物性が求められており、これら性能を満たす金属水酸化物配合難燃処方の開発は容易でなかった。
[0004]
 エチレン-酢酸ビニル共重合体を用いた難燃化樹脂組成物では、機械物性が不十分であることから、有機過酸化物で架橋してなる微架橋性エチレン-酢酸ビニル共重合体からなる難燃性が良好でかつ機械的特性に優れた難燃性樹脂組成物が提案されている(例えば、特開2003-171421号公報、特開2005-187497号公報)。
[0005]
しかしながら、エチレン-酢酸ビニル共重合体は、特に、酢酸ビニル含有量の高いものは多量の難燃剤を配合することができるフィラーローディング性や柔軟性を有しており、またエチレン-不飽和カルボン酸エステル共重合体に比較して安価であり魅力的な材料であるが、特に薄肉電線では難燃性が充分でなく、しかも難燃剤を多量に配合すると伸び、柔軟性、電気特性も低下するなどして、同様に上記用途への適用は難しかった。
[0006]
 従って、従来、エチレン-酢酸ビニル共重合体からなる難燃性樹脂組成物においては、柔軟性と難燃性のバランスに優れ,しかも加工性にも優れたエチレン-酢酸ビニル共重合体含有難燃性樹脂組成物材料が望まれているが、未だ満足のできる材料は提案されていず、更なる改善が求められていた。
[0007]
本発明者らは、前記した従来の問題点を改良し、電線被覆や建材などの難燃性が求められる用途に好適に使用できる難燃性樹脂組成物の開発を鋭意注力した結果本発明に到達したものである。
[0008]
特許文献1 : 特開2003-171421号公報
特許文献2 : 特開2005-187497号公報

発明の開示

発明が解決しようとする課題

[0009]
 本発明は、エチレン-酢酸ビニル共重合体の本来的特徴である好ましい物性を維持しながら、引っ張り強さ等の機械物性に優れ、しかも柔軟性と難燃性のバランスに優れ、加工性や低温特性にも優れた難燃性樹脂組成物を提供することを課題とする。
 更に詳細には、酢酸ビニル含量の低い微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体を含む、柔軟性と難燃性のバランスに優れ、しかも加工性や低温特性にも優れた難燃性樹脂組成物を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

[0010]
 本発明は、高圧重合法により製造された酢酸ビニル単位含有量(JIS K7192法:1999)が40質量%~49質量%未満のエチレン-酢酸ビニル共重合体(a-1)を微架橋してなる、メルトフロ-レイト(JIS K7210:1999法、190℃、荷重2,160g)が0.01~3g/10分である微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)または(A)を含む樹脂組成物と、酢酸ビニル単位含有量(JIS K7192法:1999)が49質量%以上~100質量%の酢酸ビニル(共)重合体(B)と難燃剤(C)とを含む難燃性樹脂組成物を提供する。
[0011]
 更に本発明は、(A)を含む樹脂組成物が、エチレン・アクリルゴム(a-2)の非架橋物または微架橋物を含有するものである請求項1記載の難燃性樹脂組成物を提供する。
[0012]
前記(A)を含む樹脂組成物が、エチレン-酢酸ビニル共重合体(a-1)とエチレン・アクリルゴム(a-2)の混合物を微架橋して得られるものである前記難燃性樹脂組成物
 、本発明の好ましい態様である。
[0013]
前記エチレンアクリルゴム(a-2)が、エチレン-酢酸ビニル共重合体(a-1)とエチレン・アクリルゴム(a-2)の合計量100重量部に対し、95~5重量部の範囲で含有されている前記した難燃性樹脂組成物は、本発明の好ましい態様である。
[0014]
 前記(A)を含む樹脂組成物が、エチレン-酢酸ビニル共重合体(a-1)の微架橋物とエチレン・アクリルゴム(a-2)の非架橋物または微架橋物を混合してなる前記した難燃性樹脂組成物は、本発明の好ましい態様である。
また前記エチレンアクリルゴム(a-2)が、微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)とエチレン・アクリルゴム(a-2)の合計量100重量部に対し、95~5重量部の範囲で含有されている難燃性樹脂組成物は、本発明の好ましい態様である。
[0015]
 前記酢酸ビニル(共)重合体(B)が酢酸ビニルーエチレン共重合体であって、そのム-ニ-粘度(ML1+4,100℃)が15~80である前記した難燃性樹脂組成物は、本発明の好ましい態様である。
[0016]
 前記酢酸ビニル(共)重合体(B)がポリ酢酸ビニルであって、その重合度が600~10,000である前記した難燃性樹脂組成物は、本発明の好ましい態様である。
[0017]
 前記微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)と酢酸ビニル(共)重合体(B)の混合比(A)/(B))が、95/5~5/95(重量比)の範囲である前記した難燃性樹脂組成物は、本発明の好ましい態様である。
[0018]
 前記難燃剤(C)が、微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)と酢酸ビニル(共)重合体(B)の合計量100重量部に対して20~250重量部の範囲である前記した難燃性樹脂組成物は、本発明の好ましい態様である。
[0019]
 前記難燃剤(C)が、金属水和物である前記し難燃性樹脂組成物は、本発明の好ましい態様である。
[0020]
 前記した難燃性樹脂組成物を用いて得られる成形物は、本発明の好ましい態様である。

発明の効果

[0021]
 本発明により、引っ張り強さ等の機械物性に優れ、しかも柔軟性と難燃性のバランスに優れ、加工性にも優れたエチレン-酢酸ビニル共重合体の微架橋物を含む難燃性樹脂組成物が提供される。
 本発明により、エチレン-酢酸ビニル共重合体の本来有する諸物性を実質的に、損なうことなく優れた難燃性が付与された難燃性樹脂組成物が提供される。
[0022]
 また、本発明により提供される難燃性樹脂組成物は、とくにUL耐炎性試験規格において、薄肉の0.5mmという過酷な条件下でもV-1レベルを達成することが可能な難燃性樹脂組成物であり、柔軟性、耐溶剤性も備えているので、各種成形方法によって種々の成形品に加工して使用することができるものである。

発明を実施するための最良の形態

[0023]
微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)及び(A)を含む樹脂組成物
 本発明に用いられる微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)のメルトフローレイト(MFR)は、JIS K 7210-1999に従って、190℃、2,160g荷重で測定した値が、0.01~3g/10分、好ましくは0.01~1g/10分、より好ましくは0.01~0.6g/10分であることが望ましい。
[0024]
 本発明において微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)は、エチレン-酢酸ビニル共重合体を微架橋して得ることができるが、微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)を得るために用いられるエチレン-酢酸ビニル共重合体(A-1)は高圧重合法により製造されたエチレン共重合体であり、酢酸ビニル含有量(JIS K7192法:1999)は、40質量%~49質量%未満、好ましくは41~47質量%、一層好ましくは43~47質量%であり、架橋前のメルトフローレイト(JIS K7210:1999法、190℃、荷重2,160gで測定)は、好ましくは、4~150g/10分、より好ましくは10~120g/10分、一層好ましくは30~120g/10分のものを挙げることができる。
 また、本発明のエチレン-酢酸ビニル共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法で測定したMw/Mn値は、6~12、好ましくは6~10であることが好ましい。
[0025]
 なお、本発明におけるエチレン-酢酸ビニル共重合体の微架橋は、本発明の目的に合うようにメルトフロ-レイト(JIS K7210:1999法、190℃、荷重2,160g)が0.01~3g/10分の範囲にあるように微架橋を行えばよい。微架橋の程度の目安として、以下の式で定義されるメルトフローレイトの降下率が70~99.9%の範囲になるように微架橋された状態が推奨される。
メルトフローレイト降下率=(X-Y)/X×100
   X:エチレン-酢酸ビニル共重合体(A-1)のメルトフローレイト
   Y:架橋後のエチレン-酢酸ビニル共重合体(A)のメルトフローレイト
[0026]
 本発明の微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)を得る方法として、前記エチレン-酢酸ビニル共重合体(A-1)を、有機過酸化物、電子線架橋(放射線架橋)、シラン架橋剤などによって架橋する架橋技術を用いることができる。有機過酸化物で架橋する場合はエチレン-酢酸ビニル共重合体に所定量の有機過酸化物を加えて1軸または2軸の押出機等の混練装置で溶融混練することによって製造することができる。
[0027]
 エチレン-酢酸ビニル共重合体を有機過酸化物で架橋する場合、有機過酸化物としては、第3ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ビス(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(2-第3ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジ第3ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド;第3ブチルパーオキシイソブチレート、第3ブチルパーオキシマレイン酸、第3ブチルパーオキシイソナノエート、第3ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、第3ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネート、第3ブチルパーオキシアセテート、第3ブチルパーオキシベンゾエート、2,5-ジメチル-2,5-ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチルヘキシル-2,5-ビスパーオキシベンゾエートなどのアルキルパーオキシエステル;1,1-ビス(第3ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(第3ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(第3アミルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(第3ブチルパーオキシ)ブタン、n-ブチル-4,4-ビス(第3ブチルパーオキシ)バレレート、エチル-3,3-ビス(第3ブチルパーオキシ)ブチレートなどのパーオキシケタールなどを例示することができる。
[0028]
 有機化酸化物の添加量は、使用するエチレン-酢酸ビニル共重合体(A-1)のメルトフローレイト、有機過酸化物の種類、所望のメルトフローレイトによって異なるが、50~10,000ppmの範囲にある。また、架橋する際の温度条件は有機化酸化物の種類によって異なるが、50~230℃の範囲にあることが望ましい。
[0029]
本発明においては、前記微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)を含む樹脂組成物は、微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)にエチレン・アクリルゴム(a-2)の非架橋物または微架橋物を含有するものであってもよい。
 エチレン・アクリルゴム(a-2)の含有量としては、好ましくはエチレン-酢酸ビニル共重合体(a-1)とエチレン・アクリルゴム(a-2)の合計量100重量部に対し、95~5重量部の範囲、好ましくは75~5重量部の範囲、より好ましくは50~5重量部の範囲であることが望ましい。
[0030]
 前記微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)を含む樹脂組成物がエチレン-酢酸ビニル共重合体(a-1)に加えてエチレン・アクリルゴム(a-2)の非架橋物または微架橋物を含有するものである場合のメルトフローレイト(MFR)は、JIS K 7210-1999に従って、190℃、2,160g荷重で測定した値が、0.01~3g/10分の範囲、好ましくは0.01~1g/10分の範囲、より好ましくは0.01~0.6g/10分の範囲であることが望ましい。
[0031]
 本発明においては、前記微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)を含む樹脂組成物が、エチレン・アクリルゴム(a-2)の非架橋物または微架橋物を含有する態様としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体(a-1)とエチレン・アクリルゴム(a-2)を公知の適宜の樹脂混合方法で予め混合した混合物を前記した微架橋方法により微架橋したもの(態様1)でもよいし、或いはまた、エチレン-酢酸ビニル共重合体(a-1)の微架橋物とエチレン・アクリルゴム(a-2)の非架橋物または前記した微架橋方法により微架橋した微架橋物を別々に調製し、これを同様に公知の適宜の樹脂混合方法で混合をしたもの(態様2)でもよい
[0032]
態様1においては微架橋前のエチレン・アクリルゴム(a-2)の含有量としては、好ましくはエチレン-酢酸ビニル共重合体(a-1)とエチレン・アクリルゴム(a-2)の合計量100重量部に対し、95~5重量部の範囲、好ましくは75~5重量部の範囲、より好ましくは50~5重量部の範囲であることが望ましい。
また態様2においてはエチレン-酢酸ビニル共重合体(a-1)の微架橋物に混合するエチレン・アクリルゴム(a-2)の非架橋物または微架橋物の量としては、好ましくはエチレン-酢酸ビニル共重合体(a-1)の微架橋物とエチレン・アクリルゴム(a-2)の非架橋物または微架橋物の合計量100重量部に対し、95~5重量部の範囲、好ましくは75~5重量部の範囲、より好ましくは50~5重量部の範囲であることが望ましい。
[0033]
 本発明の微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)の組成物を得るのに、エチレン-酢酸ビニル共重合体(a-1)の微架橋物とエチレン・アクリルゴム(A-2)の非架橋物または微架橋物を混合する方法を採用する場合、エチレン・アクリルゴム(a-2)の微架橋はメルトフロ-レイト(JIS K7210:1999法、190℃、荷重2,160g)が0.01~3g/10分の範囲にあるように、例えば有機化酸化物等の架橋剤を用いて、微架橋を行えばよい。微架橋の程度の目安として、エチレン-酢酸ビニル共重合体(A-1)と同様にメルトフローレイトの降下率が70~99.9%の範囲になるように微架橋された状態が推奨される。
[0034]
 本発明において用いられる前記エチレン・アクリルゴム(a-2)(以下、エチレン・アクリル酸エステル共重合体ということがある。)としては、エチレンと(メタ)アクリル酸エステルとからなる二元共重合体、またはエチレンと(メタ)アクリル酸エステル及び架橋サイトとなり得るモノマーとからなる多元共重合体を挙げることができる。なお、ここに(メタ)アクリル酸エステルという記載は、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを意味するものである。
[0035]
 エチレン・アクリル酸エステル共重合体における(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチルなどを例示することができる。これらの中では、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル又はアクリル酸n-ブチルを共重合成分とする共重合体の使用が好ましい。
[0036]
 前記多元共重合体における架橋サイトとなり得るモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピルのようなマレイン酸モノエステル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルのような不飽和モノカルボン酸グリシジルなどを例示することができる。とくにマレイン酸モノメチル及びマレイン酸モノエチルのようなマレイン酸モノエステルの使用が好ましい。
[0037]
 本発明におけるエチレン・アクリルゴムは、ゴム的特性を考慮すると、一般には(メタ)アクリル酸エステルの重合単位を25~70重量%程度、好ましくは30~65重量%程度の範囲で含有しているものが好ましい。また多元共重合体の場合、加硫特性を考慮すると、架橋サイトとなり得るモノマーの重合単位を10重量%まで、例えば0.1~10重量%、とくに0.3~7重量%の範囲で含有することが望ましい。
[0038]
 またエチレン・アクリルゴムは、その加工性、加硫物性などを考慮すると、ムーニー粘度(ML (1+4)、100℃)が5~100、好ましくは10~70程度のものを使用することが好ましい。
[0039]
酢酸ビニル(共)重合体(B)
 本発明の難燃性樹脂組成物における、酢酸ビニル(共)重合体(B)としては、製造法は特に限定されないが、一般には懸濁重合法や溶液重合法により製造された酢酸ビニル単位含有量(JIS K7192法:1999)が49質量%以上~100質量%の酢酸ビニル単独重合体、あるいは酢酸ビニルと共重合可能なモノマーとのコポリマーが挙げられる。
[0040]
 酢酸ビニルと共重合可能なモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン;塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニリデンクロリド、ビニリデンフルオリドなどのハロゲン化オレフィン;ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどのビニルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2-ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸エステル;アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびこれらの四級化物;さらには、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩などのアクリルアミド系単量体;スチレン、α-メチルスチレン、p-スチレンスルホン酸およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩などのスチレン系単量体;N-ビニルピロリドン;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体などが挙げられ、これらは単独で用いることも、あるいは二種以上を併用することもできる。これらの中でも、エチレンおよびビニルエステルが好ましく用いられる。
[0041]
 本発明の難燃性樹脂組成物における、酢酸ビニル(共)重合体(B)としては、酢酸ビニル-エチレン共重合体またはポリ酢酸ビニルが好ましく用いられる。
[0042]
 このような酢酸ビニル-エチレン(共)重合体(B)としては、酢酸ビニル単位含有量(JIS K7192法:1999)が49質量%~100質量%、好ましくは50~100質量%、より好ましくは65~100質量%、であり、ムーニー粘度(ML (1+4)、100℃)が15~80、好ましくは20~70程度のものを使用することが好ましい。また、これらは、架橋されていても構わない。さらに、例えば無水マレイン酸などにより変性されていても構わない。
[0043]
 ポリ酢酸ビニルとしては、好ましくは重合度が600~5,000の範囲、より好ましくは600~3,000の範囲、一層好ましくは600~2,000の範囲である。また、これらは架橋されていても構わない。さらに、例えば無水マレイン酸などにより変性されていても構わない。
[0044]
 酢酸ビニル(共)重合体の含有量としては、微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)と酢酸ビニル(共)重合体(B)の合計量100重量部に対し、95~5重量部、好ましくは80~5重量部、より好ましくは75~10重量部、一層好ましくは60~10重量部の範囲にある。
[0045]
難燃剤(C)
 本発明で使用される難燃剤(C)としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイトのような金属水和物、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、タルク、クレイ、ゼオライト、臭素系難燃剤、三酸化アンチモン、ポリリン酸系難燃剤などを例示することができる。これらの中でも金属水和物が好ましい。充分な難燃性を求める場合には、水酸化マグネシウムまたは水酸化アルミニウムを使用するかあるいは水酸化マグネシウムまたは水酸化アルミニウムを少なくとも50重量%以上占めるような混合無機難燃剤を使用するのがよい。
[0046]
 難燃剤(C)の混和性、難燃性樹脂組成物から得られる成形物外観などを考慮すると、平均粒径が0.05~20μm、とくに0.1~5μm程度のものを使用するのが望ましい。また同様の理由で、無機難燃剤の表面が、脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸塩、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコンオイル、シリコンポリマー、リン酸エステル等で表面処理されたものを使用するのが望ましい。
[0047]
 本発明の難燃性樹脂組成物において、難燃剤(C)の割合は、微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)と酢酸ビニル(共)重合体(B)の合計量100質量部に対し、20~250質量部、好ましくは50~200質量部、より好ましくは75~180質量部であることが望ましい。
[0048]
 本発明の難燃剤(C)とともに、本発明の目的を損なわない範囲で赤リン、硼酸亜鉛、錫酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなどの公知の難燃助剤を配合してもよい。
[0049]
 本発明の難燃性樹脂組成物には、さらにオレフィン系重合体(D-1)やスチレン系重合体(D-2)、並びに、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性されたオレフィン系重合体(D-3)及び不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性されたスチレン系重合体(D-4)からなる群より選ばれる少なくとも一種の重合体(D)が含まれていてもよい。
[0050]
 本発明の難燃性樹脂組成物における(D)の割合は、微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)及び酢酸ビニル(共)重合体(B)の合計量100質量部に対し、50質量部以下の割合であることが好ましい。
[0051]
 不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたオレフィン系重合体(D-3)は、樹脂状あるいはエラストマー状のオレフィン系重合体(D-1)を不飽和カルボン酸又はその誘導体でグラフト変性又は共重合変性したものである。ベースポリマーとなるオレフィン系重合体は(D-1)、オレフィンの単独重合体、2種以上のオレフィンの共重合体、オレフィンと極性モノマーの共重合体などである。具体的には、樹脂状オレフィン重合体として、高、中、低密度ポリエチレン、エチレン・α-オレフィン共重合体、エチレン・不飽和エステル共重合体などのエチレン系共重合体、プロピレン単独重合体、プロピレン・α-オレフィンランダム共重合体、プロピレン・α-オレフィンブロック共重合体などのプロピレン系重合体、ポリ-1-ブテンなどを挙げることができる。またエラストマー状オレフィン重合体としては、エチレン・プロピレン共重合体ゴムのようなエチレン・α-オレフィン共重合体ゴム、プロピレン・α-オレフィン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムのようなエチレン・α-オレフィン・ジエン共重合体ゴム、規則性を制御したポリプロピレンにエチレン・プロピレン共重合体部を共重合したブロック共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体ゴム、エチレン・アクリル酸メチル・架橋サイトモノマー共重合体ゴムなどを挙げることができる。上記各共重合体におけるα-オレフィンとしては、炭素数2~12程度のものが好ましい。
[0052]
 不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたスチレン系重合体(D-4)は、樹脂状あるいはエラストマー状のスチレン系重合体(D-2)を不飽和カルボン酸又はその誘導体でグラフト変性又は共重合変性したものである。ベースポリマーとなるスチレン系重合体としては(D-2)、例えばポリスチレン、スチレン・ジエンブロック共重合体及びその水素添加物を挙げることができる。スチレン・ジエンブロック共重合体及びその水素添加物の具体例としては、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)及びその水素添加物であるスチレン・エチレン/ブテン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)及びその水素添加物であるスチレン・エチレン/プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン・エチレン・エチレン/プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEEPS)などを挙げることができる。
[0053]
 本発明の難燃性樹脂組成物には、その加工性、物性および難燃性を損なわない範囲で、微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)と酢酸ビニル(共)重合体(B)の合計量100重量部に対し200重量部までの割合で植物由来プラスチック(セルロース系、デンプン系、乳酸系、コハク酸系、酪酸系、グリコール系)などを配合することができる。
[0054]
 上記ベースポリマーのオレフィン系重合体(D-1)やスチレン系重合体(D-2)の変性に用いる不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸無水物を例示することができる。変性されたオレフィン系重合体(D-3)やスチレン系重合体(D-4)におけるグラフトモノマー単位あるいは共重合モノマー単位の含有量は、変性重合体を基準として好ましくは0.01~20重量%、とくに好ましくは0.1~5重量%である。上記変性重合体としてはまた、ベースポリマーがエチレン系重合体の場合は、JIS K7210-1999、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレイトが0.1~50g/10分、とくに0.2~10g/10分のものを使用するのが好ましい。また変性重合体のベースポリマーがプロピレン系重合体やスチレン系重合体の場合は、JIS K7210-1999、230℃、2160g荷重におけるメルトフローレイトが0.1~50g/10分、とくに0.2~10g/10分のものを使用するのが好ましい。
[0055]
 本発明の難燃性樹脂組成物には、またさらにオレフィン系ワックス(E)が含まれていてもよい。
 オレフィン系ワックス としては、高分子量ポリオレフィンの熱分解によって得られるワックス、オレフィンの単独重合または他のオレフィンとの共重合によって得られるワックスなどがあり、適宜選択して使用することができるが、相溶性の点から本発明の目的にはエチレン系ワックスが好ましい。
[0056]
 エチレン系ワックスとしては、高分子量ポリエチレンの熱分解で得られるポリエチレンワックス、高圧法におけるエチレンの遊離基重合により得られたポリエチレンワックス、またはエチレンを金属触媒の存在下に単独重合するか、エチレンとα-オレフィンとを金属触媒の存在下に共重合することによって得られるポリエチレンワックスなどがある。中でも上記相溶性の点からエチレン・α-オレフィン共重合体ワックスがより好ましく使用される。α-オレフィンとしては、前記で例示したようなものを、好ましい例として挙げることができる。エチレン・α-オレフィン共重合体ワックスにおけるα-オレフィンの含量は、15モル%以下であることが好ましく、より好ましくは10モル%以下であることが望ましい。
[0057]
 このようなエチレン系ワックスの製造に好適に用いられる金属触媒としては、チーグラー系触媒などのマルチサイト触媒、メタロセン系触媒などのシングルサイト触媒などがある。メタロセン系触媒を用いてエチレン系ワックスを使用すると、機械物性の向上の観点から好ましい結果が得られるので、シングルサイト触媒とくにはメタロセン系触媒によって製造されたエチレン系ワックスが好ましい。
[0058]
 本発明で使用されるオレフィン系ワックスの粘度平均分子量は30,000以下、好ましくは8000以下、より好ましくは1,000~8,000であり、密度は880~980kg/m 、好ましくは900~980kg/m であり、融点は60~160℃、好ましくは60~130℃であることが望ましい。
[0059]
 粘度平均分子量が8,000以下であり、密度が880~980kg/m であり、融点が60~130℃であるエチレン系ワックスは、本発明のオレフィンワックスのより好ましいオレフィン系ワックスである。
[0060]
 本発明のオレフィン系ワックスは、分子中に水酸基、カルボン酸基、エポキシ基などの反応性基を含有していてもよい。これらの反応性基は、反応性基を含む不飽和化合物をワックス製造時に共重合させたり、オレフィン系ワックスにグラフト反応させたりして導入することができる。オレフィン系ワックスの分子中に反応性基を含有させることを、オレフィン系ワックスの変性と呼ぶ。また、変性されたオレフィン系ワックスとして、オレフィン系ワックスの酸化反応によって得られる酸化オレフィン系ワックスを使用することもできる。変性されたオレフィン系ワックスとしては、オレフィン系ワックスに、不飽和化合物をグラフト反応させたものが好ましい。不飽和化合物としては、不飽和カルボン酸、その無水物または誘導体を挙げることができ、中でも無水マレイン酸を特に好ましいものとして挙げることができる。
[0061]
 本発明難燃性樹脂組成物におけるオレフィン系ワックスの量は、微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)および酢酸ビニル(共)重合体(B)の合計量100質量部に対し、10質量部以下、好ましくは0.5~5質量部、より好ましくは0.5~3であることが望ましい。
[0062]
 本発明の難燃性樹脂組成物にはまた、本発明の目的を損なわない範囲において必要に応じ各種添加剤を配合することができる。このような添加剤の例として、酸化防止剤;光安定剤;紫外線吸収剤;カーボンブラックのような顔料;染料;シリコーンオイル、脂肪族系化合物、樹脂ワックスのような滑剤;ブロッキング防止剤;発泡剤;発泡助剤;架橋剤;架橋助剤などを例示することができる。
[0063]
 本発明の難燃性樹脂組成物を調製するには、微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)、酢酸ビニル(共)重合体(B)、難燃剤(C)および必要に応じて配合される他の成分を、1軸押出機、2軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ロール等の通常の混練機を使用し混練すればよい。また有機過酸化物を配合する場合には、その融点以下の温度で溶融混練すればよい。このようなブレンドは一括して行ってもよく、また段階的に行ってもよい。さらに、成形物の耐熱性を向上させる目的で、例えば有機過酸化物、シラン、電子線照射等により架橋を施しても構わない。
[0064]
本発明の難燃性樹脂組成物の調整方法においては、各々の成分の微架橋順序、混合順序には制限はなく、いかなる手順においても調整することができるが、例えば、
(1)エチレン-酢酸ビニル共重合体(A-1)、エチレン・アクリルゴム(A-2)を例えば有機過酸化物の存在下で通常の混練機を使用し混練し、得られた微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体組成物(A)に更に酢酸ビニル(共)重合体(B)、難燃剤(C)および必要に応じて配合される他の成分を加えて通常の混練機を使用し混練する方法、
(2)エチレン-酢酸ビニル共重合体(A-1)、エチレン・アクリルゴム(A-2)更に酢酸ビニル(共)重合体(B)を例えば有機過酸化物の存在下で通常の混練機を使用し混練し、得られた微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体組成物(A)と酢酸ビニル(共)重合体(B)混合物に難燃剤(C)および必要に応じて配合される他の成分を加えて通常の混練機を使用し混練する方法、
(3)通常の混練機を使用し有機過酸化物の存在下で予め微架橋されたエチレン-酢酸ビニル共重合体(A-1)と、同様に微架橋されたエチレン・アクリルゴム(A-2)、更に酢酸ビニル(共)重合体(B)、難燃剤(C)および必要に応じて配合される他の成分を加えて通常の混練機を使用し混練する方法、
などが挙げられる。
[0065]
 本発明の難燃性樹脂組成物の用途としての成形品の具体例としては、例えば、玩具、人工芝、マット、止水シート、トンネルシート、ルーフィング等の土木分野、ホース、チューブ等のパイプ用途、パッキング、制振シート等の家電製品、カーペット等の裏打ち材、ドアパネル防水シート、泥よけ、モール等の自動車用途、壁紙、家具、床材、発泡シート等の建材用途、配線ケーブル、通信ケーブル、機器用ケーブル、電源コード、プラグ、耐火ケーブル、制御・計装ケーブル、収縮チューブ等のケーブル用途、粘着テープ等の接着用途等の分野で用いられるものが挙げられる。

実施例

[0066]
 以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれらの例によって何ら制限されるものではない。
 尚、実施例および比較例において用いた原料は次の通りである。
[0067]
(1)EVA-a:エチレン-酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量:46質量%、MFR:105g/10分)
(2)EVA-b:酢酸ビニル-エチレン共重合体(酢酸ビニル含量:70質量%、ムーニー粘度ML1+4,100℃:27)
(3)AEM-a :三井・デュポンポリケミカル社製のエチレン・アクリルゴム(ベイマック(DP):商品名)
(4)AEM-b :三井・デュポンポリケミカル社製のエチレン・アクリルゴム(ベイマック(GLS):商品名)
(5)EMA :三井・デュポンポリケミカル社製のエチレン・メチルアクリレート共重合体(エルバロイ1125AC:商品名)
(6)EPDM:三井化学社製のエチレン・プロピレン・ジエンゴム(三井EPT3012P:商品名)
(7)PVAc:電気化学工業社製のポリ酢酸ビニル樹脂[サクノールSN-17A(重合度1650):商品名]
(8)パーオキサイドー1:アルキルパーオキシエステル、分子量:216.3、活性酸素量:7.18%、半減期:77℃(10Hr、半減期温度の測定溶剤;ドデカン)
(9)パーオキサイドー2:ジアルキルパーオキサイド、分子量:270.4、活性酸素量:5.80%、半減期:117℃(10Hr、半減期温度の測定溶剤;デカン)
(10)酸化防止剤:チバスペシャルティケミカルズ社製(イルガノックス1010:商品名)
(11)難燃剤:協和化学工業社製の水酸化マグネシウム(キスマ5L:商品名)
[0068]
(a)メルトフローレイト(MFR)
 JIS K 7210(1999年)法に従い、190℃、2,160g荷重又は10kg荷重で測定した。
[0069]
(b)燃焼性
 UL94垂直燃焼試験法に従った(スガ試験機社製)。尚、試料片の厚みは0.5mmとした。
(c)酢酸ビニル含有量
 JIS K 7192(1999年)法に従って測定した。
[0070]
(d)加工性
 加圧ニ-ダ-混練槽及びロ-タ-への樹脂付着性を下記の基準で目視評価した。
・付着はほとんど見られない:○
・付着しても簡単に剥ぎ取れる:△
・著しい付着がある:×
[0071]
(e)低温特性
 組成物の脆化温度を測定し、下記の基準で評価した。
・-15℃以下:◎
・-10℃以下~-15℃未満:○
・-10℃未満:×
 脆化温度は、以下の方法で測定した。
  JIS K7216-1980(A形)法に従って測定した。
[0072]
(f)耐溶剤性:
 アセトンに浸した際のクラック発生状況、溶解、膨潤状況を下記の基準で目視評価した。
・クラックは見られない:○
・小さなクラックが若干見られる(溶解、膨潤なし):△
・大きなクラックが発生又は溶解する、又は、膨潤する:×
 アセトンへの浸漬は、以下の要領で行った。
  ビ-カ-にアセトンを注ぎ(室温)、次に試験片(JIS K7216-1980、A形)を3分間浸して取り出し、外観を目視観察した。
[0073]
(調製例1)
 上記エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA-a)100質量部、有機過酸化物(パーオキサイドー1)0.25質量部をヘンシェルミキサーで均一にブレンドした後、単軸押出機(樹脂温度180℃)を用いて微架橋EVA(樹脂1)を作製した。樹脂1の配合と得られた架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体のメルトフローレートを表1に示す。
[0074]
(調製例2)
 上記エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA-a)75質量部、エチレン・アクリルゴム(AEM-b)20質量部、エチレン・メチルアクリレート(EMA)5質量部をバンバリ-ミキサ-で溶融混練した後にペレタイズし、次いで有機過酸化物(パーオキサイドー2)0.8質量部をさらに添加してヘンシェルミキサーで均一にブレンドした後、単軸押出機(樹脂温度180℃)を用いて微架橋EVA(樹脂2)を作製した。樹脂2の配合と得られた微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体のメルトフローレートを表1に示す。
[0075]
(調製例3)
 上記エチレン・アクリルゴム(AEM-a)100質量部と有機過酸化物(パーオキサイドー2)0.4質量部を、40℃に設定したゴムロ-ルで均一にブレンドした後、180℃に設定したプレスで15分間架橋させ、さらにペレタイズして微架橋エチレン・アクリルゴム(樹脂3)を作製した。樹脂3の配合と得られた微架橋エチレン・アクリルゴムのメルトフローレートを表1に示す。
[0076]
(調整例4)
上記エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA-a)100質量部、有機過酸化物(パーオキサイドー1)0.15質量部をヘンシェルミキサーで均一にブレンドした後、単軸押出機(樹脂温度180℃)を用いて微架橋EVA(樹脂4)を作製した。樹脂4の配合と得られた架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体のメルトフローレートを表1に示す。
[0077]
[表1]


*190℃×2.16kg荷重、**190℃×10kg荷重
[0078]
(実施例1)
 調製例1で得られた微架橋EVA(樹脂1)、PVAc、難燃剤および酸化防止剤を、表2に示す配合量(質量部)でヘンシエルミキサーで均一にブレンドした後、加圧ニーダー(樹脂温度195℃)で10分間溶融ブレンドし、ペレタイズした後にプレスシ-ト(160℃×予熱5分×加圧5分×冷却5分)を作製した。得られた難燃性樹脂組成物の加工性及び諸物性を表2に示す。
[0079]
(実施例2)
 表2に示す実施例1の配合量(質量部)に替えて、調製例1で得られた微架橋EVA(樹脂1)、調整例3で得られた微架橋エチレン・アクリルゴム(樹脂3)、PVAc、難燃剤および酸化防止剤を表2に示す配合量(質量部)で配合した以外は実施例1と同様にして、得られた難燃性樹脂組成物の加工性及び諸物性を表2に示す。
[0080]
(実施例3)
 表2に示す実施例1の配合量(質量部)に替えて、調製例2で得られた微架橋EVA(樹脂2)、PVAc、難燃剤および酸化防止剤を表2に示す配合量(質量部)で配合した以外は実施例1と同様にして、得られた難燃性樹脂組成物の加工性及び諸物性を表2に示す。
[0081]
(実施例4)
 表2に示す実施例1の配合量(質量部)に替えて、調製例4で得られた微架橋EVA(樹脂4)、PVAc、難燃剤および酸化防止剤を表2に示す配合量(質量部)で配合した以外は実施例1と同様にして、得られた難燃性樹脂組成物の加工性及び諸物性を表2に示す。
[0082]
(実施例5)
 表2に示す実施例1の配合量(質量部)に替えて、調製例1で得られた微架橋EVA(樹脂1)、AEM-a、PVAc、難燃剤および酸化防止剤を表2に示す配合量(質量部)で配合した以外は実施例1と同様にして、得られた難燃性樹脂組成物の加工性及び諸物性を表2に示す。
[0083]
(比較例1)
表2に示す実施例1の配合量(質量部)に替えて、調製例1で得られた微架橋EVA(樹脂1)、PVAc、難燃剤および酸化防止剤を表3に示す配合量(質量部)で配合した以外は実施例1と同様にして、得られた難燃性樹脂組成物の加工性及び諸物性を表3に示す。
[0084]
(比較例2)
 表2に示す実施例1の配合量(質量部)に替えて、調製例1で得られた微架橋EVA(樹脂1)、調整例3で得られた微架橋エチレン・アクリルゴム(樹脂3)、難燃剤および酸化防止剤を表3に示す配合量(質量部)で配合した以外は実施例1と同様にして、得られた難燃性樹脂組成物の加工性及び諸物性を表3に示す。
[0085]
(比較例3)
 表2に示す実施例1の配合量(質量部)に替えて、EVA-b、難燃剤および酸化防止剤を表3に示す配合量(質量部)で配合した以外は実施例1と同様にして、得られた難燃性樹脂組成物の加工性及び諸物性を表3に示す。
[0086]
(比較例4)
 表2に示す実施例1の配合量(質量部)に替えて、EPDM、PVA-c、難燃剤および酸化防止剤を表3に示す配合量(質量部)で配合した以外は実施例1と同様にして、得られた難燃性樹脂組成物の加工性及び諸物性を表3に示す。
[0087]
[表2]


[0088]
[表3]


産業上の利用可能性

[0089]
 本発明により提供される難燃性樹脂組成物は、引っ張り強さ等の機械物性に優れ、しかも柔軟性と難燃性のバランスに優れ、加工性にも優れたエチレン-酢酸ビニル共重合体の微架橋物を含む難燃性樹脂組成物である。
 本発明により、エチレン-酢酸ビニル共重合体の本来有する諸物性を実質的に、損なうことなく優れた難燃性が付与された難燃性樹脂組成物が提供される。
 本発明により提供される難燃性樹脂組成物は、とくにUL耐炎性試験規格において、薄肉の0.5mmという過酷な条件下でもV-1レベルを達成することが可能な難燃性樹脂組成物であり、柔軟性、耐溶剤性も備えているので、各種成形方法によって種々の成形品に加工して使用することができる。

請求の範囲

[1]
 高圧重合法により製造された酢酸ビニル単位含有量(JIS K7192法:1999)が40質量%~49質量%未満のエチレン-酢酸ビニル共重合体(a-1)を微架橋してなる、メルトフロ-レイト(JIS K7210:1999法、190℃、荷重2,160g)が0.01~3g/10分である微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)または(A)を含む樹脂組成物と、酢酸ビニル単位含有量(JIS K7192法:1999)が49質量%以上~100質量%の酢酸ビニル(共)重合体(B)と難燃剤(C)とを含む難燃性樹脂組成物。
[2]
 (A)を含む樹脂組成物が、エチレン・アクリルゴム(a-2)の非架橋物または微架橋物を含有するものである請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
[3]
 (A)を含む樹脂組成物が、エチレン-酢酸ビニル共重合体(a-1)とエチレン・アクリルゴム(a-2)の混合物を微架橋して得られるものである請求項1または2に記載の難燃性樹脂組成物。
[4]
 エチレン・アクリルゴム(a-2)が、エチレン-酢酸ビニル共重合体(a-1)とエチレン・アクリルゴム(a-2)の合計量100重量部に対し、95~5重量部の範囲で含有されている請求項2または3に記載の難燃性樹脂組成物。
[5]
 (A)を含む樹脂組成物が、エチレン-酢酸ビニル共重合体(a-1)の微架橋物とエチレン・アクリルゴム(a-2)の非架橋物または微架橋物を混合してなるものである請求項1または2に記載の難燃性樹脂組成物。
[6]
エチレン・アクリルゴム(a-2)が、微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)とエチレン・アクリルゴム(a-2)の合計量100重量部に対し、95~5重量部の範囲で含有されている請求項3に記載の難燃性樹脂組成物。
[7]
 酢酸ビニル(共)重合体(B)が酢酸ビニルーエチレン共重合体であって、そのム-ニ-粘度(ML1+4,100℃)が15~80である請求項1~6のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
[8]
 酢酸ビニル(共)重合体(B)がポリ酢酸ビニルであって、その重合度が500~10,000である請求項1~7のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
[9]
 微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)と酢酸ビニル(共)重合体(B)の混合比(A)/(B))が、95/5~5/95(重量比)の範囲である請求項1~8のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
[10]
 難燃剤(C)が、微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)と酢酸ビニル(共)重合体(B)の合計量100重量部に対して20~250重量部の範囲である請求項1~9のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
[11]
 難燃剤(C)が、金属水和物である請求項1~10のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
[12]
 UL94耐炎性試験準拠の垂直難燃性試験において、0.5mm厚の試験片がV-1相当以上である請求項1~11のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
[13]
 UL94耐炎性試験準拠の垂直難燃性試験において、微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)と酢酸ビニル(共)重合体(B)との合計量100重量部に対し、難燃剤(C)の水酸化マグネシウムを125重量部配合した際の、0.5mm厚の試験片がV-1相当以上である請求項1~12のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
[14]
 請求項1~13のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物を含む組成物。
[15]
 請求項1~14のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物を用いて得られる成形物。

補正された請求の範囲(条約第19条)
[ 2008年8月20日 ( 20.08.2008 )  国際事務局受理 ]

[1]
[補正後] 高圧重合法により製造された酢酸ビニル単位含有量(JIS K7192法:1999)が40質量%~49質量%未満のエチレン-酢酸ビニル共重合体(a-1)を微架橋してなる、メルトフロ-レイト(JIS K7210:1999法、190℃、荷重2,160g)が0.01~3g/10分である微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)または(A)を含む樹脂組成物と、ポリ酢酸ビニル(B)と難燃剤(C)とを含み、(A)と(B)とが95/5~5/95(質量比)の割合で含まれてなる難燃性樹脂組成物。
[2]
 (A)を含む樹脂組成物が、エチレン・アクリルゴム(a-2)の非架橋物または微架橋物を含有するものである請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
[3]
 (A)を含む樹脂組成物が、エチレン-酢酸ビニル共重合体(a-1)とエチレン・アクリルゴム(a-2)の混合物を微架橋して得られるものである請求項1または2に記載の難燃性樹脂組成物。
[4]
[補正後] エチレン・アクリルゴム(a-2)が、エチレン-酢酸ビニル共重合体(a-1)とエチレン・アクリルゴム(a-2)の合計量100質量部に対し、95~5質量部の範囲で含有されている請求項2または3に記載の難燃性樹脂組成物。
[5]
 (A)を含む樹脂組成物が、エチレン-酢酸ビニル共重合体(a-1)の微架橋物とエチレン・アクリルゴム(a-2)の非架橋物または微架橋物を混合してなるものである請求項1または2に記載の難燃性樹脂組成物。
[6]
[補正後] エチレン・アクリルゴム(a-2)が、微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)とエチレン・アクリルゴム(a-2)の合計量100質量部に対し、95~5質量部の範囲で含有されている請求項3に記載の難燃性樹脂組成物。
[7]
[削除]
[8]
[補正後] ポリ酢酸ビニル(B)の重合度が500~10,000である請求項1~6のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
[9]
[削除]
[10]
[補正後] 難燃剤(C)が、微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)とポリ酢酸ビニル(B)の合計量100質量部に対して20~250質量部の範囲である請求項1~6および8のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
[11]
[補正後] 難燃剤(C)が、金属水和物である請求項1~6、8および10のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
[12]
[補正後] UL94耐炎性試験準拠の垂直難燃性試験において、0.5mm厚の試験片がV-1相当以上である請求項1~6、8、10および11のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
[13]
[補正後] UL94耐炎性試験準拠の垂直難燃性試験において、微架橋エチレン-酢酸ビニル共重合体(A)とポリ酢酸ビニル(B)との合計量100質量部に対し、難燃剤(C)の水酸化マグネシウムを125質量部配合した際の、0.5mm厚の試験片がV-1相当以上である請求項1~6、8および10~12のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
[14]
[削除]
[15]
[補正後] 請求項1~6、8および10~13のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物を用いて得られる成形物。

条約第19条(1)に基づく説明書
 請求項1の補正によって、酢酸ビニル(共)重合体(B)が、ポリ酢酸ビニル(B)であり、(A)と(B)とが95/5~5/95(質量比)の割合で含まれていることを明確にし、請求項10及び13においても、酢酸ビニル(共)重合体(B)が、ポリ酢酸ビニル(B)であることを明確にした。
 文献1(JP2006-89603)及び文献2(JP63-280754)には、酢酸含量の異なる2種類のエチレン-酢酸ビニル共重合体を用いる組成物が記載されているが、補正後の請求項1に記載の組成物については、記載も示唆もされていない。文献3(JP2003-171421)にも補正後の請求項1に記載の組成物については、記載も示唆もされていない。
 補正後の請求項1に記載の発明は、特定の組成によって、柔軟性と難燃性のバランスに優れ、しかも加工性や低温特性にも優れた難燃性樹脂組成物を提供するという効果を得たものである
 請求項4、6、10及び13において、「重量」との標記を、「質量」に訂正した。
 請求項1の補正に伴い、請求項7及び9を削除し、さらに請求項14を削除し、請求項8、10~13及び15の従属項表示を修正した。