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1. (WO2008123175) 空気入りタイヤ
Document

明 細 書

発明の名称 空気入りタイヤ

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

発明の開示

発明が解決しようとする課題

0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008  

発明の効果

0009   0010  

図面の簡単な説明

0011   0012  

発明を実施するための最良の形態

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033  

実施例

0034   0035   0036   0037  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3  

明 細 書

空気入りタイヤ

技術分野

[0001]
 本発明は、空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、トレッド部の内側にパンク防止層を配置したタイヤでありながら、ユニフォミティーを向上させるようにした空気入りタイヤに関するものである。

背景技術

[0002]
 走行中にタイヤが釘などを踏んだ場合の車両の安全性を確保するために、トレッド部の内側にパンク防止層として粘着性シーラントを配置しておき、釘踏みによってパンクが発生した場合、その釘が遠心力によって抜け出した後のパンク孔に粘着性シーラントを流れ込ませることによって、空気圧の急激な低下を回避するようにした空気入りタイヤが数多く提案されている(例えば、特許文献1参照)。
[0003]
 しかし、この種の空気入りタイヤでは、高速走行時の遠心力により粘着性シーラントがタイヤ内壁内を流動してタイヤ幅方向の中央域に集中したり、トレッドの繰り返し変形によってタイヤ内面の特定範囲に偏在したりするため、タイヤのユニフォミティーが悪化して、振動発生の原因になるという問題があった。
[0004]
 上記問題を改善する手段として、シーラントの動き(流動性)を抑えるために、スポンジにシーラントを含浸させる試みも提案されている(特許文献2参照)。スポンジにシーラントを含浸させる場合も、通常架橋していないシーラントを使用するため、走行中の流動はある程度の改善は得られるが十分な対策とまでは至っていない。
特許文献1 : 日本国特開2003-183623号公報
特許文献2 : 日本国特開2003-326926号公報

発明の開示

発明が解決しようとする課題

[0005]
 本発明の目的は、上述する従来の問題点を解消するもので、トレッド部の内側にパンク防止層を配置したタイヤでありながら、ユニフォミティーを向上させるようにした空気入りタイヤを提供することにある。

課題を解決するための手段

[0006]
 上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、トレッド部に対応する領域におけるインナーライナーの内側にパンク防止層として、硬化後の針入度が50以上で、かつアスカーC硬度が40以下のシリコーン系化合物、ウレタン系化合物、スチレン系化合物又はエチレン系化合物からなるゲルシートを配置したことを特徴とするものである。
[0007]
 さらに、上述する構成において、以下(1)~(4)に記載するように構成することが好ましい。
[0008]
(1)前記ゲルシートの圧縮永久歪み率を20%以下にする。
(2)前記ゲルシートの厚さを2mm以上6mm以下にする。
(3)前記インナーライナーと前記ゲルシートとの間に樹脂フィルムからなるバリアシートを介在させる。
(4)前記ゲルシートの内面を樹脂フィルムからなる保護シートで被覆する。

発明の効果

[0009]
 本発明によれば、トレッド部に対応する領域におけるインナーライナーの内側にパンク防止層として、硬化後の針入度が50以上で、かつアスカーC硬度が40以下のシリコーン系化合物、ウレタン系化合物、スチレン系化合物又はエチレン系化合物からなるゲルシートを配置したので、ゲルシートを貫通するパンク孔が生じた場合には、釘などの異物が抜け出した後において、パンク孔の周辺のゲルシートが収縮してパンク孔を封鎖するため、タイヤ空気圧の急激な低下を防止することができる。
[0010]
 しかも、上述するゲルシートは、実質的に流動性を有しないので、タイヤが高速回転した場合であっても、ゲルシートがタイヤ幅方向の中央域に集中したり、偏在したりすることがないために、タイヤのユニフォミティーを悪化させることがない。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1] 図1は本発明の実施形態による空気入りタイヤを示す断面図である。
[図2] 図2は本発明の他の実施形態による空気入りタイヤの要部を示す断面図である。
[図3] 図3は本発明のさらに他の実施形態による空気入りタイヤの要部を示す断面図である。

符号の説明

[0012]
 1 トレッド部
 4 インナーライナー
 5 ゲルシート
 7 バリアシート
 8 保護シート

発明を実施するための最良の形態

[0013]
 以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
[0014]
 図1は本発明の実施形態による空気入りタイヤを示す断面図である。 図1において、空気入りタイヤTはトレッド部1と、左右一対のビード部2、2と、トレッド部1とビード部2、2とを互いに連接するサイドウォール部3、3と、を備えている。トレッド部1に対応する領域におけるインナーライナー4の内側には、パンク防止層として硬化後の針入度が50以上で、かつアスカーC硬度が40以下のシリコーン系化合物、ウレタン系化合物、スチレン系化合物又はエチレン系化合物からなる、実質的に流動性を有しないゲルシート5を配置している。
[0015]
 そして、本発明では、このゲルシート5を、硬化後の針入度が50以上、好ましくは50以上150以下、最も好ましくは50以上80以下、アスカーC硬度が40以下、好ましくは0以上40以下、最も好ましくは0以上30以下となるように設定している。
[0016]
 これにより、ゲルシート5を貫通するパンク孔が生じた場合には、釘などの異物が抜け出した後において、パンク孔の周辺のゲルシート5が収縮してパンク孔を封鎖するため、タイヤ空気圧の急激な低下を防止することができる。
[0017]
 しかも、ゲルシート5は、実質的に流動性を有しないので、タイヤが高速回転した場合であっても、ゲルシート5がタイヤ幅方向の中央域に集中したり、偏在したりすることがないために、タイヤのユニフォミティーを悪化させることがない。
[0018]
 ゲルシート5を構成するシリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂又はスチレン系樹脂からなるゲル材料は、液体と固体の中間の性状であり、粘着性を備えると共に器物の表面に対する密着性に優れた性質を有し、成形後にはその形状を維持できる屈曲性に富んだ柔らかい物質からなるため、特に釘などの異物が抜け出した後におけるパンク孔に対する収縮性に優れた特性を有する。さらに、これらゲル材料は、電子線、ガンマ線、紫外線などの活性線を所望の条件下で照射して架橋させることによって、ゲル材料自体の粘着性や密着性、さらにはその物性を適宜調整することができる特性を有している。
[0019]
 本発明において、硬化後のゲルシート5の物性が上記の範囲から逸脱すると、釘などの異物が抜け出た後に、パンク孔の周辺のゲルシート5の収縮力が十分には得られなくなり、シール性が低下することになる。
[0020]
 なお、本発明におけるゲルシート5の針入度とは、JIS K2207に準拠して、荷重を50g、測定時間を5秒として測定したときの値をいう。また、アスカーC硬度とは、日本ゴム協会標準規格(SRIS)0101に準拠して測定したときの値をいう。
[0021]
 このように構成された本発明の空気入りタイヤTは、90km/hで8時間にわたり連続走行させた場合であっても、ゲルシート5のタイヤ幅方向の移動(偏在)を10mm以下に抑えることができる。これにより、パンク孔の閉鎖効果に影響を及ぼすことなく、ユニフォミティーの悪化を確実に防止することができる。
[0022]
 上述するように、本発明のゲルシート5は、器物の表面に対して優れた密着性を有するため、ゲルシート5をインナーライナー4の内側に配置するに際して、ゲルシート5をインナーライナー4の内側に直接密着させることができる。しかし、パンク時における異物の貫通によりゲルシート5が移動したり、タイヤ内面において偏在したりすることのないように、好ましくは、ゲルシート5を接着剤によりインナーライナー4の内側に固定するようにするとよい。接着剤としてはシアノアクリレート系(瞬間接着剤)・ウレタン系・SBR系・SBS系・イソブチレン系などの有機系接着剤などが好適に用いられる。その場合の接着剤の厚さは1mm以下に設定するとよい。
[0023]
 このように通常のタイヤに容易に後からゲルシートを貼り付けることができるため、汎用性に優れ、ゲージの均一性も保たれ、ユニフォミティーを向上させることができる。
[0024]
 なお、ゲルシート5を構成するシリコーン系化合物としては、例えばジオルガノポリシロキサンやオルガノハイドロジエンポリシロキサンが挙げられる。また、ウレタン系化合物としては、例えばポリイソシアネートと活性水素をもった化合物が挙げられ、ポリイソシアネートにはトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンイソシアネートなどが挙げられ、活性水素をもった化合物にはポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオールなどが挙げられる。
[0025]
 また、スチレン系化合物としては、例えばスチレンーエチレンープロピレンースチレンブロック共重合体、スチレンーエチレンーブチレンースチレン共重合体、スチレンーブタジエンゴムの水素添加物などが挙げられる。さらに、エチレン系化合物としては、例えばエチレンとスチレンの共重合体が挙げられる。
[0026]
 なお、ゲルシート5のアスカーC硬度を調整するには、上述する化合物における架橋密度を調整することにより行うとよく、具体的には架橋点となる官能基の数や架橋剤の添加量を調整することにより行うとよい。さらには、上述する化合物にパラフィン系オイルやナフテン系オイルなどのオイル材料を配合することにより、アスカーC硬度の調整を行うことができる。
[0027]
 本発明において、上述するゲルシート5の圧縮永久歪み率を20%以下とする。この圧縮永久歪み率は、好ましくは5%以上20%以下、最も好ましくは5%以上10%以下となるように調整するとよい。これにより、高速走行時のゲルシート5のタイヤ内面における偏在を確実に防止することができる。
[0028]
 上述するゲルシート5の諸物性は、空気入りタイヤTからゲルシート5を直接取り出した後、このゲルシート5を試料として、それぞれ測定するとよい。針入度についてはJIS K2207に準拠(条件:荷重50g、測定時間5秒)して、アスカーC硬度については日本ゴム協会標準規格(SRIS)0101に準拠して、圧縮永久歪み率についてはJIS K6262に準拠して測定を行なう。
[0029]
 本発明において、上述するゲルシート5の厚さを2mm以上6mm以下に設定するとよい。ゲルシート5の厚さが2mm未満ではパンク孔の閉鎖効果が十分に得られなくなる場合があり、厚さが6mm超になるとパンク孔の閉鎖効果は充足されるものの、タイヤの重量を増加させる原因になる。
[0030]
 さらに好ましくは、インナーライナー4とゲルシート5との間には、図2に示すように、樹脂フィルムからなるバリアシート7を介在させるとよい。このようにバリアシート7を介在させることにより、インナーライナー4から分散媒や溶剤がゲルシート5側に移行するのを遮断して、ゲルシート5の物性の低下を防ぎ、長期にわたり優れたシール効果を持続させることができる。
[0031]
 上述するバリアシート7を構成する樹脂フィルムの材料は、特に限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデンなどを使用するとよい。さらに、バリアシート7の介在に際しては、バリアシート7とゲルシート5との接着性を高めるために、ゲルシート5の成形時においてバリアシート7とゲルシート5とを接合一体化するようにするとよい。
[0032]
 本発明において、さらに好ましくは、図3に示すように、ゲルシート5の内面を樹脂フィルムからなる保護シート8で被覆するとよい。これにより、ゲルシート5の劣化を抑制して長期にわたり優れたシール効果を持続させることができる。保護シート8を構成する樹脂フィルムの材料は、特に限定されるものではないが、透過性の悪い素材(ポリエチレンやポリ塩化ビニリデンなど)を使用するとよい。
[0033]
 上述するように、本発明の空気入りタイヤは、トレッド部の内側に配置するパンク防止層を、流動性を有する粘着シーラントに代えて、所定の物性を有するゲルシートにすることにより、良好なシール効果を維持しながら、高速走行時におけるパンク防止層の偏在を防いで、タイヤのユニフォミティーを向上させるようにしたもので、簡単な構成でありながら、優れた作用効果を奏することから、パンク時におけるシール機能を備えた空気入りタイヤとして幅広く適用される。

実施例

[0034]
 タイヤサイズを205/65R15、タイヤ構造を図1に示した構造として、パンク防止層を粘着シーラントとした従来タイヤ(日本国特開2003-183623号公報の実施例1に相当)と、ゲルシートとした本発明タイヤとをそれぞれ作製した。なお、各タイヤにおいて、パンク防止層の厚さをそれぞれ5mmに設定すると共に、本発明タイヤにおけるゲルシートとして、エチレンースチレン共重合体を主成分とするゲルシート(針入度:60、アスカーC硬度:15、圧縮永久歪み率8%)を使用した。
[0035]
 各タイヤをリム組みした後、空気圧210kPaを充填し、室内ドラム試験機により、速度90km/hで8時間にわたり連続走行させた後、走行後のタイヤ内面におけるパンク防止層の左右両端部の偏在(移動)状況を調べた。
[0036]
 その結果、従来タイヤでは、走行後におけるパンク防止層の幅が、走行前のパンク防止層の幅よりも18mm縮小していたのに対して、本発明タイヤでは、走行前後においてパンク防止層の幅の変化がゼロであった。
[0037]
 この結果から、パンク防止層として粘着シーラントを配置した従来タイヤでは、高速走行時においてパンク防止層が移動して、タイヤ内面における偏在が大きくなるのに対して、パンク防止層としてゲルシートを配置した本発明では、パンク防止層の移動および偏在が全く見られず、タイヤのユニフォミティーが向上することを確認できた。

請求の範囲

[1]
 トレッド部に対応する領域におけるインナーライナーの内側にパンク防止層として、硬化後の針入度が50以上で、かつアスカーC硬度が40以下のシリコーン系化合物、ウレタン系化合物、スチレン系化合物又はエチレン系化合物からなるゲルシートを配置した空気入りタイヤ。
[2]
 前記ゲルシートの圧縮永久歪み率が20%以下である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
[3]
 前記ゲルシートの厚さが2mm以上6mm以下である請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
[4]
 前記インナーライナーと前記ゲルシートとの間に樹脂フィルムからなるバリアシートを介在させた請求項1~3のいずれかに記載の空気入りタイヤ
[5]
 前記ゲルシートの内面を樹脂フィルムからなる保護シートで被覆した請求項1~4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]