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1. (WO2008123098) 乾燥食品用改良材、これを使用した乾燥食品の製造法及び乾燥食品の物性改良方法
Document

明 細 書

発明の名称 乾燥食品用改良材、これを使用した乾燥食品の製造法及び乾燥食品の物性改良方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

発明の開示

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008  

発明の効果

0009  

発明を実施するための最良の形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028  

実施例

0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

乾燥食品用改良材、これを使用した乾燥食品の製造法及び乾燥食品の物性改良方法

技術分野

[0001]
 本発明は、乾燥食品改良材、これを使用した乾燥食品の製造法及び乾燥食品の物性改良方法に関するものである。

背景技術

[0002]
 従来の小麦粉を主体とするクッキーなどの乾燥食品は、最近では栄養付加価値を高めるために、たん白質、食物繊維、ミネラル等を配合した乾燥食品が開発されている。特に大豆蛋白質は血清コレステロールの上昇抑制をはじめとする種々の生理的効果を有することが知られており、これを含有する素材を焼き菓子に添加することにより栄養的付加価値を高めることが提案されている。ただ大豆蛋白質を乾燥菓子に増量する場合には、1)食感が硬く、パサつき、歯切れ良い軽い食感が得にくい、2)咀嚼時に口中の水分が奪われ、水なしでは容易に飲み込めない、3)焼成後のひび割れが発生しやすく、包装時や輸送中の衝撃で割れが多発する、などの問題点が提起されている。これらの問題を解決する手段として、澱粉やトレハロースを添加することで、これらの問題を解決する方法が特許文献1(特開平11-009176号公報)等において開示されている。
[0003]
 また上記のクッキーなどの乾燥食品とは異なり、小麦粉などの菓子の骨格を構成する原料を必須とせずに、必要とする蛋白質素材、ビタミン、ミネラル等の機能性素材と必要により乾燥果肉、ナッツ類などの粒状素材を成形して得られる栄養バー等の乾燥食品は、機能素材を高度に配合することができるため、手軽に栄養摂取が可能である。
 この栄養バーは、焼き菓子のクッキー等のごとく比較的水分が多い原料配合で生地を作製し、成形後に焼成などの加熱乾燥により水分を蒸発させて得られる成形後加熱タイプと、原料を混合後、成形前に予め加熱して水分を飛ばし、成形して製品とする成形前加熱タイプが代表的である。例えば、特許文献2(特開2005-130857号公報)では、大豆蛋白素材(豆乳、分離大豆蛋白、濃縮大豆蛋白、大豆粉末など)、シロップ、乳脂肪を混合しつつ加熱してカラメル化した後、成形後にチョコレートコーティングして得られる成形前加熱タイプの栄養バーが開示されている。大豆蛋白素材は蛋白質を補給する目的で多用されており、高蛋白質の栄養バーの需要も高まりつつある。
[0004]
(参考文献)
特許文献1 : 特開平11-009176号公報
特許文献2 : 特開2005-130857号公報

発明の開示

発明が解決しようとする課題

[0005]
 クッキーなどの乾燥食品については上記の技術によって大豆蛋白質を従来よりも高度に配合することが可能となったが、依然として焼成後のひび割れ防止や特に風味、食感、口溶けの問題が完全に改善されているとは言えず、改善の余地を有する。
 また、栄養バーなどの乾燥食品は栄養機能素材を多く配合し、小麦粉を実質的に配合しない場合が多く、クッキーのように小麦粉のグルテンネットワークを利用した均質な生地を得にくいため、そのままでは脆い組織となり製造後にひび割れや損壊が生じやすくなる問題が生ずる。この現象は特に吸水能及び保水能の高い大豆蛋白素材を高配合し、かつ成形後に加熱乾燥する成形後加熱タイプにおいてはさらに顕著となる。これは、成形前加熱タイプでは生地を混合しつつ加熱するため生地中の水分が均一に蒸発するのに対し、成形後加熱タイプでは内部の水分が蒸発しにくく、大豆蛋白素材によって保水され、加熱後の食品に水分が内部に偏在する状態となるのが原因でないかと考えられる。
[0006]
 上記実状に鑑み、本発明は、小麦粉を含むクッキー等の従来の乾燥食品、さらには栄養バー等の新しいタイプの乾燥食品を高蛋白質化したときの製造後のひび割れ、損壊を防止することのできる改良材・方法及びこれを用いた乾燥食品の製造法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明者らは上記課題に対し、それ自身で機能性素材としての栄養価値を有する大豆蛋白質素材そのものの乾燥食品に対する機能に着目し、多種多様な大豆蛋白質素材を配合した場合の効果について検討した。そして鋭意研究の結果、乾燥食品中に大豆蛋白質を構成する主要な貯蔵蛋白質であるグリシニン(以下11S蛋白質と略す。)とβ‐コングリシニン(以下7S蛋白質と略す。)のうち、11S蛋白質含量を低減させた大豆蛋白質と大豆食物繊維を改良材として配合することにより上記課題を解決できる知見を得、本発明を完成させた。
[0008]
 すなわち、本発明は以下の通り、
1.11S蛋白質含量が低減された大豆蛋白質、及び大豆食物繊維を含むことを特徴とする乾燥食品用改良材、
2.乾燥食品が、原料を混合、成形した後に加熱乾燥して得られるものであることを特徴とする前記1.記載の乾燥食品用改良材、
3.乾燥食品が小麦粉を実質的に含有しないものである前記1.記載の乾燥食品用改良材、
4.大豆蛋白質中の11S蛋白質含量が30重量%未満である前記1.記載の乾燥食品用改良材、
5.大豆蛋白質中の7S蛋白質含量が25重量%以上である前記1.記載の乾燥食品用改良材、
6.前記1.記載の乾燥食品用改良材を、原料中に配合し、混合、成形した後に、乾燥することを特徴とする乾燥食品の製造法、
7.食品の乾燥固形分重量に対して、大豆食物繊維含量として2~15重量%配合する前記6.記載の乾燥食品の製造法、
8.原料中に11S蛋白質含量が低減された大豆蛋白質、及び大豆食物繊維を含有させることを特徴とする乾燥食品の物性改良方法、を提供するものである。

発明の効果

[0009]
 本発明の乾燥食品用改良材をクッキー、あるいは栄養バー等の乾燥食品に原材料として配合することにより、シロップなどの結着剤やチョコレートコーティングに頼ることなく、製造後のひび割れ、損壊が抑制された乾燥食品を得ることができる。さらに、この種の乾燥食品に通常使用される小麦粉等の穀粉を使用せず、高たんぱく質であっても食感、口溶けが良好な乾燥食品を得ることができる。

発明を実施するための最良の形態

[0010]
 本発明は高蛋白質の乾燥食品に特に適した改良材を提供するものであり、該改良材は11S蛋白質含量が低減された大豆蛋白質、及び大豆食物繊維を含むことを特徴とする。また、本発明は上記改良材を使用した乾燥食品の製造法を提供するものである。また、本発明は乾燥食品の物性改良方法を提供するものであり、原料中に11S蛋白質含量が低減された大豆蛋白質、及び大豆食物繊維を含有させることを特徴とする。以下、本発明について詳細に説明することとする。
[0011]
 本発明において、乾燥食品は、原料の混合、成形、乾燥の工程を経て製造される加工食品である限り特に限定はされない。より詳しくは成形乾燥食品とも言うことができる。乾燥工程はオーブン加熱、フライ加熱、マイクロ波加熱、熱風乾燥等の各種手段を使用することができ、乾燥食品中の水分は15重量%以下のものが好ましい。そのような乾燥食品の例としては、クッキー、ビスケット、クラッカー、サブレ、プレッツェル、せんべい、おかき、あられ、かりんとう等の焼き菓子類や、プロテインバーなどのいわゆる栄養バー(nutrition bar)などの菓子タイプの食品が例示されるが、これらの例示に限定されるものではない。
[0012]
 該食品は、特に原料を混合、成形した後に焼成加熱やマイクロ波加熱等の加熱手段により好ましくは水分を15重量%以下に加熱乾燥させたタイプである場合に本発明の効果をより奏しやすい。この成形後乾燥タイプは生地を成形した後から水分を蒸発させるため、水分が不均一に蒸発する状況下では生地にひずみが生じやすく、組織がもろくなり、製造後にひび割れや損壊が生じやすくなるからである。一方、先にシロップなどの結着性の液体原料を他の原料と混合した後に煮詰めて水分を蒸発させ、液体原料を水アメ状にしたものを粉原料と混ぜて成形し、そのまま製品とする成形前乾燥タイプはかかる問題の発生が少ない。
[0013]
 該食品は、通常クッキー等に使用される小麦粉等の穀粉を含むか否かは特に限定されず、いずれにおいても本発明の効果を奏するが、小麦粉が食品の乾燥固形分重量に対して、5重量%以下のもの、好ましくは1%以下のもの、より好ましくは実質的に原料として含まないものにおいてより効果を奏する。小麦粉を生地中に含まない場合、食品の組織は小麦粉のグルテンによって形成されないので、よりもろい組織となりやすいためである。ここで「小麦粉を実質的に含まない」という意味は、食品中の小麦粉含量が0.1重量%以下、好ましくは0.01重量%以下であることを意味する。
[0014]
 本発明の乾燥食品用改良材は、乾燥食品に使用される原材料であり、栄養機能的な改良しうる原材料、あるいは食品の物性を改良しうる原材料であり、その構成は少なくとも11S蛋白質含量が低減された大豆蛋白質及び大豆食物繊維からなることを特徴とする。該改良材は1つの改良材として大豆蛋白質と大豆食物繊維を含む場合と、2つの改良材の組合せとして大豆蛋白質と大豆食物繊維を別々に含む場合のいずれであってもよい。
[0015]
 本発明の乾燥食品用改良材は大豆蛋白質を含むものである。具体的な例としては、大豆食物繊維を含有する大豆蛋白質素材である全脂大豆粉、部分脱脂大豆粉、脱脂大豆粉、大豆スラリー(大豆粉を水に分散させたもの)、濃縮大豆蛋白(脱脂大豆を酸やアルコールで洗浄し、ホエー成分を除去したもの)や、豆乳、脱脂豆乳、分離大豆蛋白等の大豆食物繊維が除かれた大豆蛋白質素材が挙げられる。これらは単独で或いは併用して改良材とすることができる。
[0016]
 さらに大豆蛋白質素材は、大豆蛋白質当たりの11S蛋白質含量が低減されたものであることが重要である。具体的には、大豆の育種や遺伝子操作による種苗の産生に始まり、その種苗から大豆を栽培し、得られた大豆から各種大豆蛋白素材を調製するまでの何れか1以上の課程において、11S蛋白質の一部又は全部を除去する操作がなされた大豆蛋白素材である。
 11S蛋白質の低減の程度は限定されるものではないが、低減度合いが低すぎると本発明の効果が小さくなる。一般的には、大豆蛋白質素材中における大豆蛋白質当たりの11S蛋白質含量は30~40重量%程度であるが、本発明においては大豆蛋白質中の11S蛋白質含量が30重量%未満、好ましくは25重量%未満、より好ましくは20重量%未満が適当である。
 また、大豆蛋白素材の11S蛋白質含量を低減させた場合、7S蛋白質や脂質親和性蛋白質の含量が相対的に増加する。その中で大豆蛋白素材の大豆蛋白質あたりの7S蛋白質含量については、特に制限はないが、通常は25重量%以上が適当であり、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは35重量%以上が適当である。
[0017]
 大豆蛋白質中の11S蛋白質含量が低減された大豆蛋白質素材を得る具体的な手段として、1つは大豆から各種大豆蛋白質素材を調製する課程の中で、7S蛋白質と11S蛋白質を分画する技術を利用する手段が挙げられる。すなわち、全脂大豆、脱脂大豆等の大豆蛋白質を含有する出発原料から豆乳を抽出し、必要により分離大豆蛋白を調製した後、7S蛋白質と11S蛋白質に分画し、11S蛋白質含量が低減され、7S蛋白質含量が増加した大豆蛋白素材を得る。こうして得られた分画大豆蛋白素材をそのまま本発明の改良材とするか、或いは未分画大豆蛋白質素材に前記分画大豆蛋白素材を混合して改良材とすることができる。
 7S蛋白質と11S蛋白質を分画する方法は、従来公知のものを特に制限なく用いることができる。中でも工業的規模での製造を可能とする特許文献A(国際公開WO2000/58492号公報)、B(国際公開WO2002/28198号公報)、C(WO2004/043160号公報)などに記載の分画方法を利用することが好ましい。
 また、大豆蛋白質中の11S蛋白質含量が低減された大豆蛋白質素材を得る別の手段として、育種や遺伝子操作によって11S蛋白質の一部又は全部を欠損させた大豆種子(Breeding Science,46,11,1996など)を出発原料として各種大豆蛋白素材を調製する手段も挙げられる。これらの手段は併用することも可能である。
[0018]
 上記の大豆蛋白素材を改良材として乾燥食品へ配合する量は特に制限されるものではない。もっとも、配合量が少なすぎると栄養的価値が小さくなる上、本発明の効果が得がたくなるため、通常は乾燥食品の乾燥固形分中5重量%以上とすることが好ましく、10重量%以上がより好ましい。また、配合量が多すぎると成形工程を行いにくくなるため、通常は乾燥食品の乾燥固形分中40重量%以下とすることが好ましく、好ましくは30重量%以下がより好ましい。ただし、配合量が40重量%を超える範囲であるとしても成形が可能である限り当該範囲を排除するものではない。
[0019]
 本発明の乾燥食品用改良材は大豆食物繊維を含むものである。大豆食物繊維は水溶性、不溶性を問わず、それぞれ単独で使用あるいは併用することができるが、オカラに代表される不溶性食物繊維を少なくとも使用することが望ましい。本発明の物性、食感の改良には大豆蛋白質中の11S蛋白質の低減と不溶性大豆食物繊維とのバランスが重要である。
 また、大豆食物繊維は上記の大豆蛋白素材とは別途の改良材として配合しても良いし、上記の大豆蛋白素材のうち、大豆食物繊維が含まれるものを使用することでも代えられる。大豆食物繊維が含まれる大豆蛋白素材としては、大豆粉、部分脱脂大豆粉、脱脂大豆粉、大豆スラリー、濃縮大豆蛋白などである。
 大豆食物繊維を改良材として乾燥食品へ配合する量は特に限定されるものではない。もっとも、含量が少なすぎると本発明の効果が得がたくなるため、通常は乾燥食品の乾燥固形分中2重量%以上とすることが好ましく、5重量%以上がより好ましい。また、含量が多すぎると生地の取扱が不適となったり、食感がパサついたりするため、通常は食品の乾燥固形分中15重量%以下とすることが好ましく、好ましくは10重量%以下がより好ましい。ただし、含量が15重量%を超える範囲であるとしても生地の取扱に不便なく、食感に悪影響がない限り当該範囲を排除するものではない。
[0020]
 本発明の乾燥食品には上記の改良材以外に、通常この種の食品に使用される各種動植物性蛋白質素材を配合することができる。例えば植物性蛋白質素材としては、大豆やそれ以外のえんどう豆等の豆類から調製した豆粉・分離蛋白質・豆乳・豆乳粉末や、小麦蛋白質、コーングルテンミール等があり、動物性蛋白質素材としては、牛乳、脱脂乳等の乳製品の他、カゼイン、アルブミン、グロブリン等の乳蛋白質、ゼラチン、全卵、卵白、卵黄、全卵粉末等を例示することができる。これらは1種のみでなく2種以上を混合して用いることができる。またこれらの蛋白質素材の酵素分解物であるペプチドやアミノ酸も使用でき、さらに微生物起源の蛋白質を併用してもよい。
[0021]
 さらにその他の乾燥食品の原料として、小麦粉等の穀粉、油脂類、糖類、塩類等をはじめ、澱粉、乳製品、卵製品、膨張剤、種々の食品添加物等、通常焼き菓子に用いられる公知のものを利用することができる。
[0022]
 本発明の油脂類としては、動植物性油脂及びそれらの硬化油脂の単独又は2種以上の混合物或いはこれらのものに種々の化学処理又は物理処理を施したものが例示できる。かかる油脂としては、大豆油、綿実油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、菜種油、米ぬか油、ゴマ油、カポック油、ヤシ油、パーム核油、カカオ脂、乳脂、ラード、魚油、鯨油等の各種の動植物油脂及びそれらの硬化油、分別油、エステル交換油等の加工油脂(融点10~40℃程度のもの)が例示できる。具体的にはマーガリン、ショートニングが例示できる。更に油脂の融点としては20~38℃のものが生地の風味、加工適性という点で好ましい。糖類としては、蔗糖、麦芽糖、乳糖、ブドウ糖、果糖、キシロース、パラチノース、トレハロース、ガラクトース、マンノース、、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖等の糖類や、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール、キシリトール、パラチニット、マンニトール、ソルビトール等の糖アルコール類等の1種、または2種以上を添加することができる。
[0023]
 また栄養強化(サプリメント)や増量等を目的としてカルシウム、鉄、マグネシウム等のミネラル類;小麦ふすま等の不溶性食物繊維やポリデキストロース、アップルファイバー、難消化性デキストリン、イヌリン、水溶性大豆多糖類等の水溶性食物繊維等の食物繊維類;デキストリン類、ビタミン類等を加えることもできる。
[0024]
 また風味付与を目的とした醤油、味噌、化学調味料、風味物質(チーズ、チョコレート、乾燥果実等)などや、着色を目的としたカラメル、天然着色料などや、その他乳化剤(蔗糖脂肪酸エステル、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等)、安定剤、防腐剤などを添加することもできる。またドライフルーツなどを加えることも栄養、風味、食感改善に望ましい。
[0025]
 本発明の乾燥食品の製造例を示す。
 まず乾燥食品がビスケットの場合、小麦粉と本発明の乾燥食品用改良材である大豆蛋白質素材と大豆食物繊維を配合し、その他食用油脂と必要に応じてタピオカ澱粉などの澱粉類、食塩、乳製品、卵などを加えて混合、成形し、焼成(乾燥)して製品を得ることができる。成形、焼成等の態様はビスケットの種類に応じて行うことができる。
[0026]
 また、乾燥食品が栄養バーの場合、高蛋白質、高脂質、高食物繊維になるように、小麦粉を実質的に配合せず、本発明の乾燥食品用改良材として大豆蛋白質素材と大豆食物繊維を配合し、その他食用油脂、難消化デキストリン、澱粉、砂糖、全卵、乾燥果実などを加えて混合し、棒状に成型し、焼成(乾燥)して製品を得ることができる。
[0027]
 以上のように本発明の乾燥食品用改良材を乾燥食品に原材料として配合することにより、シロップなどの結着剤やチョコレートコーティングに頼ることなく、製造後のひび割れ、損壊が抑制された乾燥食品を得ることができる。還元すれば、原料中に11S蛋白質含量が低減された大豆蛋白質と大豆食物繊維を含有させることによって乾燥食品の物性改良が可能となる。
 特に蛋白質を高度に含有する場合、さらには小麦粉の配合量が少なくグルテンで強固な組織を形成し得ない原料配合である場合により有効である。
 また、得られる乾燥食品はぱさつきがなくシットリ感が付与され、また歯切れが良く、口溶けの良好な食感も付与される。さらに、本発明の改良材は大豆蛋白質を主成分とするので、それ自身が機能性素材としての役割を担うことができ、他の結着剤のように機能性成分の含量を低下させることがなく、高濃度の機能性成分の配合に適する。
[0028]
 尚、本発明において蛋白質の定量は、ケルダール法により行なうものとする。また、大豆蛋白質の定量は、ELISA法により測定し、例えば、Pepnel社のSoya protein assay kit等が利用できる。7S蛋白質,11S蛋白質の定量は、[J. Agric. Food Chem.. 1987, 35, 200-205]に記載の方法等により精製した7S蛋白質,11S蛋白質について、[J Nutri Sci Vitaminol, 51, 34-39, 2005]に記載の方法でポリクローナル抗体を作成し、これらを用いたエライザ法により測定するものとする。
 また、本発明において食物繊維の定量は、五訂日本食品標準成分表で用いられる酵素-重量法(プロスキー変法)に従い、水溶性食物繊維及び不溶性食物繊維の総量で算出するものとし、プロスキー変法では測定できない低分子の水溶性食物繊維を含む場合には酵素-HPLC法により定量し、プロスキー変法で算出した量に水溶性食物繊維量として加算するものとする。

実施例

[0029]
 以下、実施例により本発明の実施態様を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって、その技術範囲が限定されるものではない。なお実施例に使用している%や比は断りのない限り、すべて重量当たりとする。
 なお、以下の実施例に使用する分離大豆蛋白質には「ニューフジプロE」(不二製油(株)製)を、乾燥オカラには(株)マルミ製のものを使用し、7S蛋白質に富んだ分離大豆蛋白質は国際公開WO2002/28198号に記載される製法に準じて調製したものを使用した。
[0030]
<試験例1> 分離大豆蛋白質と乾燥おからを配合した高栄養バー
 大豆蛋白素材として分離大豆蛋白質、大豆食物繊維として乾燥オカラを配合した高栄養バーを以下のように製造した。
[0031]
■比較例1
 分離大豆蛋白質「ニューフジプロE」(不二製油(株)製)(水分5%、蛋白質90%、脂質0%、炭水化物0%、灰分5%)を13%、乾燥おから(水分6%、蛋白質24%、脂質14%、糖質8%、食物繊維44%、灰分4%)を17%、大豆油9%、マーガリン(水分15.5%、蛋白質0.4%、脂質81.6%、炭水化物1.2%、灰分1.3%)を20%、砂糖16%(水分0.8%、蛋白質0%、脂質0%、炭水化物99.2%、灰分0%)、全卵(水分76.1%、蛋白質12.3%、脂質10.3%、炭水化物0.3%、灰分1.0%)を15%、難消化デキストリン(水分4.1%、蛋白質0%、脂質0%、炭水化物95.9%、灰分0%)10%を30分間混練し、得られた生地を棒状に成形後、170℃、20分間の条件で焼成して高栄養バーを製造した。
 得られた高栄養バーの乾燥固形分中の成分含量は、蛋白質21.3%(内大豆蛋白質18.9%)、脂質35.1%、炭水化物41.5%となった。
[0032]
■実施例1~3
 次に、比較例1の分離大豆蛋白質(7S蛋白質含量/粗蛋白質含量が20%、11S蛋白質含量/粗蛋白質含量が40%)の一部を表1の通り、7S蛋白質に富んだ分離大豆蛋白質(水分5%、蛋白質90%、灰分5%、7S蛋白質含量/粗蛋白質が90%、11S蛋白質含量/粗蛋白質が2%、以下「分離7S蛋白質」と称する。)に置換し、高栄養バーの乾燥固形分中の大豆蛋白質中の11S蛋白質含量を比較例1の40%から30%(実施例1)、20%(実施例2)、の10%(実施例3)と低下させて、他は比較例1と同様にして高栄養バーを製造した。
[0033]
 比較例1及び実施例1~3で得られた高栄養バーの品質評価を10名のパネラーでおこない、焼成時のひび割れ、硬さ、食感、口溶け、風味について評価し、総合評価を◎、○、△、×の記号で表した。表1に評価結果を示した。
[0034]
(表1)
[0035]
 表1の結果より、大豆粗蛋白質含量中の11S蛋白質含量が低下するにつれ、製品の品質が改良された。特に焼成後のひび割れが改善され、食感、口溶けについては、比較例1がパサつき、咀嚼時に口中の水分が奪われ、水なしでは容易に飲み込めなかったのに対し、実施例1~3はすべてしっとりとしていながら軽い食感で、咀嚼感も良好で水なしでも容易に飲み込むことができた。また、風味も比較例1では大豆のこもった臭いが気になったが、実施例ではほとんど気にならなかった。
[0036]
<試験例2>
■実施例4~8
 次に、実施例2の乾燥おから(水分6%、蛋白質24%、脂質14%、糖質8%、食物繊維44%、灰分4%)の全てまたは一部を表2の通りに難消化デキストリンに置換し、高栄養バーの乾燥固形分中の大豆食物繊維の含量を実施例2の17%から0%(実施例4)、2.1%(実施例5)、5.2%(実施例6)、10%(実施例7)、14.3%(実施例8)と変化させて、他は比較例1と同様にして高栄養バーを製造した。
[0037]
 比較例1及び実施例4~8で得られた高栄養バーの品質評価を10名のパネラーでおこない、焼成時のひび割れ、硬さ、食感、口溶け、風味について評価し、総合評価を◎、○、△、×の記号で表した。表2に評価結果を示した。
[0038]
(表2-1)
[0039]
(表2-2)
[0040]
 表2の結果より、実施例4の大豆食物繊維含量が0%では生地が柔らかすぎ、焼成後も固くなり、食感、風味、口溶けが悪かった。実施例5の大豆食物繊維含量2.1%では生地、焼成後の成型性、焼成後のひび割れが改善され、食感、風味、口溶けに向上が認められた。実施例6、7の大豆食物繊維含量5%、10%では特に食感がしっとりとしていながら軽く感じられ、咀嚼感も良好で、水なしでも容易に飲み込むことができた。実施例8の大豆食繊維14.3%を超えると焼成後のひび割れが逆に多くなる傾向となり、食感もパサつき、口溶けも風味も低下する傾向にあった。
[0041]
<試験例3> 大豆粉を配合した高栄養バー
 大豆蛋白素材として大豆を微粉砕(粒度500メッシュパス)して得られる大豆粉を配合した高栄養バーを以下のように製造した。
[0042]
■比較例2
 大豆粉(11S蛋白質含量/粗蛋白質含量が40%、7S蛋白質含量/粗蛋白質含量が20%、水分6%、蛋白質37%、脂質27%、糖質6%、食物繊維18%、灰分6%)を40%、マーガリン20%、砂糖15%、全卵15%、難消化デキストリン10%を30分間混練し、得られた生地を棒状に成形後、180℃、20分の条件で焼成して高栄養バーを製造した。
 得られた高栄養バーの乾燥固形分中の成分含量は、蛋白質20.3%(内大豆蛋白質17.9%)、脂質34.7%、炭水化物41.6%となった。
[0043]
■実施例9
 次に、比較例2の大豆粉を育種により大豆中の大豆粗蛋白質当りの11S蛋白質含量が25%に低下し、7S蛋白質含量が35%である大豆粉(水分6%、蛋白質35%、脂質29%、糖質7%、食物繊維18%、灰分5%)に全部置換して、他は比較例2と同様にして高栄養バーを製造した。
 得られた高栄養バーの乾燥固形分中の成分含量は比較例2と同等であった。
[0044]
 比較例2及び実施例9で得られた高栄養バーの品質評価を試験例1と同様にして行った。表3に評価結果を示した。
[0045]
(表3)
[0046]
 表3の結果より、実施例9の育種により大豆粗蛋白質含量中の11S蛋白質含量が25%に低下した大豆粉を使用した方が比較例2と比べ、製品の品質が改良された。すなわち、分離7S蛋白質を使用した実施例1~3と同様に優れた評価であった。この結果より、育種により蛋白質あたりの11S蛋白質を低減し、大豆食物繊維がもともと含まれる大豆粉を使用した場合でも、分離大豆蛋白質及び大豆食物繊維を使用した場合と同様の効果が得られることが確認できた。
[0047]
<試験例4> 小麦粉と分離大豆蛋白質、大豆食物繊維を使用したハードビスケット
 小麦粉(水分12%、蛋白質8%、炭水化物74%)40%、分離大豆蛋白質17%、マーガリン15%、大豆食物繊維10%、デキストリン6%、砂糖5%、全卵3%、卵殻カルシウム1%、食塩0.5%、重曹0.5%、炭酸アンモニウム2%を比較例3とし、混練30分、焼成180℃、20分の条件でハードビスケットを製造した。使用している分離大豆蛋白質(11S蛋白質含量/粗蛋白質含量が40%)を、分離7S蛋白質(7S蛋白質含量/粗蛋白質が90%、11S蛋白質含量/粗蛋白質が2%)に変え、ハードビスケットの乾燥固形分中の大豆蛋白質中の11S蛋白質含量を比較例3の40%から実施例10の30%、実施例11の20%、実施例12の10%と低下させて、生地の成形性、焼成時のひび割れ、硬さ、食感、口溶け、風味について評価した。評価は10名のパネラーでおこなった。
表4に大豆粗蛋白質当りの11S蛋白質含量と評価結果を示す。
[0048]
(表4)
[0049]
 表4の結果より、実施例10、11、12と大豆粗蛋白質含量中の11S蛋白質含量が低下するにつれ、作業性、品質両面で改良され、実施例1~3と同様に、小麦粉配合したハードビスケットにおいても効果的であることが確認できた。食感、口溶け、風味も優れていた。
[0050]
■実施例13
 実施例1と同じ分離7S大豆蛋白質、食物繊維、ビタミン、ミネラルを配合した高栄養かつ低カロリーのクッキータイプの乾燥食品を製造した。
 以下の表5の配合にて、30分間混練し、得られた生地を縦7cm×横3cm×厚み6mmの長方形に成型後、オーブンにて160℃、10分間の条件で焼成してクッキータイプの乾燥食品を製造した。
 得られた乾燥食品は噛み出しが硬めで口内でのホグレ感と口溶け感が良好であり、従来のこの種の小麦粉を含有しない高蛋白質の乾燥食品では得にくかった食感、口溶け感を有していた。
[0051]
(表5)

請求の範囲

[1]
11S蛋白質含量が低減された大豆蛋白質、及び大豆食物繊維を含むことを特徴とする乾燥食品用改良材。
[2]
乾燥食品が、原料を混合、成形した後に加熱乾燥して得られるものであることを特徴とする請求項1記載の乾燥食品用改良材。
[3]
乾燥食品が小麦粉を実質的に含有しないものである請求項1記載の乾燥食品用改良材。
[4]
大豆蛋白質中の11S蛋白質含量が30重量%未満である請求項1記載の乾燥食品用改良材。
[5]
大豆蛋白質中の7S蛋白質含量が25重量%以上である請求項1記載の乾燥食品用改良材。
[6]
請求項1記載の乾燥食品用改良材を、原料中に配合し、混合、成形した後に、乾燥することを特徴とする乾燥食品の製造法。
[7]
食品の乾燥固形分重量に対して、大豆食物繊維含量として2~15重量%配合する請求項6記載の乾燥食品の製造法。
[8]
原料中に11S蛋白質含量が低減された大豆蛋白質、及び大豆食物繊維を含有させることを特徴とする乾燥食品の物性改良方法。