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1. (WO2008120555) 車両およびその制御方法
Document

明 細 書

発明の名称 車両およびその制御方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

発明の開示

0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014  

図面の簡単な説明

0015  

発明を実施するための最良の形態

0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050  

産業上の利用可能性

0051  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

明 細 書

車両およびその制御方法

技術分野

[0001]
 本発明は、車両およびその制御方法に関し、詳しくは、内燃機関と電動機とを搭載し、少なくとも前記内燃機関の運転を停止した状態で走行可能な車両およびその制御方法に関する。

背景技術

[0002]
 従来、この種の車両としては、車両を駆動する電動機と、発電用の内燃機関と、内燃機関の排気系に電気的に加熱可能な電気加熱触媒とを備えるハイブリッド車が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この車両では、内燃機関を始動するときに電気加熱触媒が低温のときには、電気加熱触媒に電力を供給して加熱した後に内燃機関を始動することにより、排ガスの浄化を促進している。
特許文献1 : 特開平8-338235号公報

発明の開示

[0003]
 しかしながら、上述の車両では、電気加熱触媒が均一に加熱しない場合には、触媒が十分に機能を発揮することができず、エミッションが悪化してしまう。また、電気加熱触媒と共に通常の触媒を備える排気浄化装置では、電気加熱触媒は加熱するものの通常の触媒は加熱しないため、触媒が十分に機能を発揮することができず、エミッションが悪化する場合が生じる。
[0004]
 本発明の車両およびその制御方法は、内燃機関の排気を浄化する触媒が低温のときには触媒をより均一に加熱してから内燃機関を始動することを目的の一つとする。また、本発明の車両およびその制御方法は、エミッションの悪化を抑制することを目的の一つとする。
[0005]
 本発明の車両およびその制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
[0006]
 本発明の車両は、内燃機関と電動機とを搭載し、少なくとも前記内燃機関の運転を停止した状態で走行可能な車両であって、前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段から放電してもよい許容最大電力である出力制限を設定する出力制限設定手段と、前記内燃機関の排気系に取り付けられ、前記内燃機関からの排気を浄化するための触媒を担持すると共に電力の供給を受けて該触媒を加熱する触媒担持加熱部材を有する排気浄化手段と、前記蓄電手段からの電力の前記触媒担持加熱部材への供給を司る電力供給手段と、前記排気浄化手段における触媒が所定温度未満であるのを推定する触媒温度推定手段と、走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、前記内燃機関の運転を停止して前記設定された要求駆動力によって走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御している最中に前記内燃機関の始動が要求されたとき、前記触媒温度推定手段により触媒が所定温度未満であると推定されないときには前記内燃機関の始動を伴って前記設定された出力制限の範囲内で前記設定された要求駆動力によって走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御し、前記触媒温度推定手段により触媒が前記所定温度未満であると推定されたときには第1の所定時間に亘る前記触媒担持加熱部材への電力供給と該第1の所定時間内の少なくとも一部の時間に亘る前記内燃機関のモータリングと前記触媒担持加熱部材への電力供給の終了後の前記内燃機関の始動とを伴って前記設定された出力制限の範囲内で前記設定された要求駆動力によって走行するよう前記内燃機関と前記電動機と前記電力供給手段とを制御する制御手段と、を備えることを要旨とする。
[0007]
 この本発明の車両では、内燃機関の運転を停止して走行に要求される要求駆動力によって走行するよう内燃機関と電動機とを制御している最中に内燃機関の始動が要求されたときに、排気浄化手段における触媒が所定温度未満でないと推定されるときには内燃機関の始動を伴って蓄電手段から放電してもよい許容最大電力である出力制限の範囲内で要求駆動力によって走行するよう内燃機関と電動機とを制御する。触媒が所定温度未満でないため内燃機関を直ちに始動してもエミッションの悪化を抑制することができる。また、内燃機関を直ちに始動するから、内燃機関の動力を迅速に用いることができる。一方、排気浄化手段における触媒が所定温度未満であると推定されたときには第1の所定時間に亘る触媒担持加熱部材への電力供給と第1の所定時間内の少なくとも一部の時間に亘る内燃機関のモータリングと触媒担持加熱部材への電力供給の終了後の内燃機関の始動とを伴って蓄電手段の出力制限の範囲内で要求駆動力によって走行するよう内燃機関と電動機と電力供給手段とを制御する。第1の所定時間に亘る触媒担持加熱部材への電力供給を行なって触媒担持加熱部材を加熱している最中に内燃機関のモータリングを行なうから、内燃機関のモータリングに伴って排気される空気の流れにより触媒担持加熱部材をより均一に加熱することができる。しかも、排気には未燃焼燃料も含まれるため、未燃焼燃料を触媒により浄化する際に生じる熱を触媒担持加熱部材の加熱に用いることができる。この結果、迅速に触媒担持加熱部材を加熱することができる。
[0008]
 こうした本発明の車両において、前記制御手段は、前記触媒温度推定手段により触媒が所定温度未満であると推定されたときには、前記触媒担持加熱部材への電力供給を開始してから前記第1の所定時間より短い第2の所定時間が経過したときに前記内燃機関のモータリングを開始し、前記触媒担持加熱部材への電力供給を開始してから前記第1の所定時間が経過したときにモータリングしている前記内燃機関への燃料噴射と点火とを開始して該内燃機関を始動するよう前記内燃機関と前記電動機と前記電力供給手段とを制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、触媒担持加熱部材をある程度加熱してから内燃機関をモータリングするから、内燃機関のモータリングに伴って排気される空気の流れによりより効果的に触媒担持加熱部材をより均一に加熱することができると共により効果的に未燃焼燃料を浄化することができる。
[0009]
 また、本発明の車両において、前記触媒温度推定手段は、前記内燃機関の冷却水の温度に基づいて触媒が所定温度未満であるのを推定する手段であるものとすることもできる。この場合、第1の所定時間は内燃機関の冷却水の温度に基づく時間とすること、例えば、内燃機関の冷却水の温度が高いほど短くなる傾向の第1の所定時間とすることもできる。
[0010]
 さらに、本発明の車両において、前記触媒温度推定手段は、前記内燃機関を運転停止してからの経過時間に基づいて触媒が所定温度未満であるのを推定する手段であるものとすることもできる。この場合、第1の所定時間は内燃機関を運転停止してからの経過時間に基づく時間とすること、例えば、内燃機関を運転停止してからの経過時間が短いほど短くなる傾向の第1の所定時間とすることもできる。
[0011]
 あるいは、本発明の車両において、前記排気浄化手段は、前記触媒担持加熱部材と前記内燃機関からの排気を浄化するための触媒を担持してなる触媒担持部材とを有し、排気の上流側から前記触媒担持加熱部材,前記触媒担持部材の順に配置されてなる手段であるものとすることもできる。こうすれば、排気浄化手段の触媒全体を加熱するものに比して加熱に必要な電力量を小さくすることができると共に迅速に加熱することができる。
[0012]
 また、本発明の車両において、前記蓄電手段と電力のやりとりが可能で、車軸に連結された駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、電力と動力の入出力を伴って前記出力軸と前記駆動軸とに動力を出力する電力動力入出力手段を備え、前記電動機は、前記駆動軸に動力を入出力可能に取り付けられてなる、ものとすることもできる。この場合、前記電力動力入出力手段は、動力を入出力可能な発電機と、前記駆動軸と前記出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、を備える手段であるものとすることもできる。
[0013]
 本発明の車両の制御方法は、内燃機関と、電動機と、前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、前記内燃機関の排気系に取り付けられ、前記内燃機関からの排気を浄化するための触媒を担持すると共に電力の供給を受けて該触媒を加熱する触媒担持加熱部材を有する排気浄化手段と、前記蓄電手段からの電力の前記触媒担持加熱部材への供給を司る電力供給手段と、を搭載し、少なくとも前記内燃機関の運転を停止した状態で走行可能な車両の制御方法であって、前記内燃機関の運転を停止して走行に要求される要求駆動力によって走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御している最中に前記内燃機関の始動が要求されたとき、前記排気浄化手段における触媒が所定温度未満でないと推定されるときには前記内燃機関の始動を伴って前記蓄電手段から放電してもよい許容最大電力である出力制限の範囲内で前記要求駆動力によって走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御し、前記排気浄化手段における触媒が所定温度未満であると推定されるときには第1の所定時間に亘る前記触媒担持加熱部材への電力供給と該第1の所定時間内の少なくとも一部の時間に亘る前記内燃機関のモータリングと前記触媒担持加熱部材への電力供給の終了後の前記内燃機関の始動とを伴って前記出力制限の範囲内で前記要求駆動力によって走行するよう前記内燃機関と前記電動機と前記電力供給手段とを制御する、ことを特徴とする。
[0014]
 この本発明の車両の制御方法では、内燃機関の運転を停止して走行に要求される要求駆動力によって走行するよう内燃機関と電動機とを制御している最中に内燃機関の始動が要求されたときに、排気浄化手段における触媒が所定温度未満でないと推定されるときには内燃機関の始動を伴って蓄電手段から放電してもよい許容最大電力である出力制限の範囲内で要求駆動力によって走行するよう内燃機関と電動機とを制御する。触媒が所定温度未満でないため内燃機関を直ちに始動してもエミッションの悪化を抑制することができる。また、内燃機関を直ちに始動するから、内燃機関の動力を迅速に用いることができる。一方、排気浄化手段における触媒が所定温度未満であると推定されたときには第1の所定時間に亘る触媒担持加熱部材への電力供給と第1の所定時間内の少なくとも一部の時間に亘る内燃機関のモータリングと触媒担持加熱部材への電力供給の終了後の内燃機関の始動とを伴って蓄電手段の出力制限の範囲内で要求駆動力によって走行するよう内燃機関と電動機と電力供給手段とを制御する。第1の所定時間に亘る触媒担持加熱部材への電力供給を行なって触媒担持加熱部材を加熱している最中に内燃機関のモータリングを行なうから、内燃機関のモータリングに伴って排気される空気の流れにより触媒担持加熱部材をより均一に加熱することができる。しかも、排気には未燃焼燃料も含まれるため、未燃焼燃料を触媒により浄化する際に生じる熱を触媒担持加熱部材の加熱に用いることができる。この結果、迅速に触媒担持加熱部材を加熱することができる。

図面の簡単な説明

[0015]
[図1] 本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。
[図2] エンジン22の構成の概略を示す構成図である。
[図3] バッテリ50における電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示す説明図である。
[図4] バッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す説明図である。
[図5] 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるエンジン始動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
[図6] 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される始動時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
[図7] 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。
[図8] エンジン22の始動時にモータMG1のトルク指令Tm1*に設定するトルクマップの一例とエンジン22の回転数Neの変化の様子の一例とを示す説明図である。
[図9] エンジン22をモータリングしている状態で走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。
[図10] モータ走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。
[図11] 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
[図12] 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
[図13] 変形例のハイブリッド自動車320の構成の概略を示す構成図である。
[図14] 変形例のハイブリッド自動車420の構成の概略を示す構成図である。
[図15] 変形例のハイブリッド自動車520の構成の概略を示す構成図である。

発明を実施するための最良の形態

[0016]
 次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。図1は、本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
[0017]
 エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な内燃機関として構成されており、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入すると共に燃料噴射弁126からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃料室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化装置(三元触媒)134を介して外気へ排出される。浄化装置134には、通電すると通電抵抗により発熱する発熱部材(例えば、ステンレスなど)に一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する触媒を担持させた加熱ヒータ付き触媒134aと担体に一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する触媒を担持させた三元触媒134bとが排気の上流側からこの順に配置されて構成されている。加熱ヒータ付き触媒134aは、一端が導電ラインによりスイッチ134cを介してバッテリ50の正極端子に接続されており、他端が導電ラインにより接地されている。したがって、スイッチ134cをオンとすることにより加熱ヒータ付き触媒134aを加熱することができる。
[0018]
 エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により制御されている。エンジンECU24は、CPU24aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU24aの他に処理プログラムを記憶するROM24bと、データを一時的に記憶するRAM24cと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランクポジションやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温,燃焼室内に取り付けられた圧力センサ143からの筒内圧力Pin,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカムポジション,スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットルポジション,吸気管に取り付けられたエアフローメータ148からのエアフローメータ信号AF,同じく吸気管に取り付けられた温度センサ149からの吸気温,空燃比センサ135aからの空燃比AF,酸素センサ135bからの酸素信号などが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁126への駆動信号や、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号、スイッチ134cへの駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。なお、エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのクランクポジションに基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
[0019]
 動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
[0020]
 モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
[0021]
 バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算したり、演算した残容量(SOC)と電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算している。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。図3に電池温度Tbと入出力制限Win,Woutとの関係の一例を示し、図4にバッテリ50の残容量(SOC)と入出力制限Win,Woutの補正係数との関係の一例を示す。
[0022]
 ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
[0023]
 こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
[0024]
 次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特にモータ運転モードによりモータ走行している最中にアクセルペダル83などが踏み込まれて大きなアクセル開度Accとなったり車速Vが大きくなり車両に要求されるパワーが大きくなることによりエンジン22が始動要求されたときの動作について説明する。図5はエンジン22が始動要求されたときにハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるエンジン始動制御ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図6はこのエンジン始動制御ルーチンが実行されているときに並行してハイブリッド用電子制御ユニット70により繰り返し実行される始動時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。図6の始動時駆動制御ルーチンは、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。説明の都合上、図5のエンジン始動制御ルーチンと図6の始動時駆動制御ルーチンとを適宜組み合わせて説明する。
[0025]
 図5のエンジン始動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、エンジン22の冷却水の温度Twを入力し(ステップS100)、入力した冷却水温度Twを閾値Trefと比較する(ステップS110)。ここで、冷却水温度Twは、水温センサ142により検出されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、閾値Trefは、浄化装置134の加熱ヒータ付き触媒134aや三元触媒134bが十分に機能することができる温度より随分低い温度であることを推定する程度のエンジン22の冷却水の温度として設定されるものであり、例えば、50℃や70℃などを用いることができる。
[0026]
 冷却水温度Twが閾値Tref以上のときには、浄化装置134の加熱ヒータ付き触媒134aや三元触媒134bは比較的加温された状態にあると判断し、モータリング開始フラグFMに値1を設定し(ステップS120)、エンジン22の始動を開始する制御信号をエンジンECU24に送信する(ステップS180)。エンジン22の始動を開始する制御信号を受信したエンジンECU24は、エンジン22の回転数Neが回転数Nrefに至ったときにエンジン22の燃料噴射制御や点火制御を開始してエンジン22を始動する。そして、エンジン22の始動が完了するのを待って(ステップS190)、モータリング開始フラグFMを値0にリセットして(ステップS200)、エンジン始動制御ルーチンを終了する。即ち、冷却水温度Twが閾値Tref以上のときには、直ちにエンジン22を始動するのである。このとき、浄化装置134の加熱ヒータ付き触媒134aや三元触媒134bは比較的加温された状態にあるから、すぐに加熱ヒータ付き触媒134aや三元触媒134bは加温されるため、エミッションは悪化しない。こうした冷却水温度Twが閾値Tref以上のときの駆動制御は以下のように行なわれる。
[0027]
 図6の始動時駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力し(ステップS300)、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS310)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図7に要求トルク設定用マップの一例を示す。
[0028]
 続いて、モータリング開始フラグFMの値を調べ(ステップS320)、モータリング開始フラグFMが値1のとき、即ち、エンジン22の冷却水の温度Twが閾値Tref以上であったときには、エンジン22の始動時のトルクマップとエンジン22の始動開始からの経過時間tとに基づいてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する。(ステップS340)。エンジン22の始動時にモータMG1のトルク指令Tm1*に設定するトルクマップの一例とエンジン22の回転数Neの変化の様子の一例とを図8に示す。実施例のトルクマップは、エンジン22の始動指示がなされた時間t11の直後からレート処理を用いて比較的大きなトルクをトルク指令Tm1*に設定してエンジン22の回転数Neを迅速に増加させる。エンジン22の回転数Neが共振回転数帯を通過したか共振回転数帯を通過するのに必要な時間以降の時間t12にエンジン22を安定して回転数Nref以上でモータリングすることができるトルクをトルク指令Tm1*に設定し、電力消費や駆動軸としてのリングギヤ軸32aにおける反力を小さくする。そして、エンジン22の始動を開始する制御信号をエンジンECU24に送信した以降でエンジン22の回転数Neが回転数Nref以上となった時間t13からレート処理を用いてトルク指令Tm1*を値0とし、エンジン22の完爆が判定された時間t15から発電用のトルクをトルク指令Tm1*に設定する。ここで、回転数Nrefは、エンジン22の燃料噴射制御や点火制御を開始する最低回転数である。エンジン22を始動しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を図9に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。
[0029]
 モータMG1のトルク指令Tm1*を設定すると、要求トルクTr*に設定したトルク指令Tm1*を動力分配統合機構30のギヤ比ρで除したものを加えて更に減速ギヤ35のギヤ比Grで除してモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpを次式(1)により計算し(ステップS350)、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと設定したトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを次式(2)および式(3)により計算すると共に(ステップS360)、設定した仮トルクTm2tmpを式(4)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS370)。ここで、式(1)は、図9の共線図から容易に導くことができる。
 Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr        (1)
 Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2  (2)
 Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2  (3)
 Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tm2max),Tm2min) (4)
[0030]
 こうしてモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信して(ステップS380)、始動時駆動制御ルーチンを終了する。トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
[0031]
 次に、図5のエンジン始動制御ルーチンのステップS110でエンジン22の冷却水の温度Twが閾値Tref未満のときについて説明する。このとき、図5のエンジン始動制御ルーチンでは、浄化装置134の加熱ヒータ付き触媒134aを加熱する必要があると判断し、触媒加熱を開始する制御信号をエンジンECU24に送信する(ステップS130)。触媒加熱を開始する制御信号を受信したエンジンECU24は、スイッチ134cをオンとすることによりバッテリ50の電圧を加熱ヒータ付き触媒134aに印加して加熱ヒータ付き触媒134aを加熱する。続いて、スイッチ134cをオンとしてから加熱ヒータ付き触媒134aが若干加熱するのに必要な時間として設定された第1所定時間(例えば、2秒や3秒,5秒など)だけ経過するのを待って(ステップS140)、モータリング開始フラグFMに値1を設定する(ステップS150)。そして、スイッチ134cをオンとしてから加熱ヒータ付き触媒134aが機能できる程度に加熱するのに必要な
時間として設定された第2所定時間(例えば、8秒や10秒など)が経過するのを待って(ステップS160)、触媒加熱を停止する制御信号をエンジンECU24に送信し(ステップS170)、エンジン22の始動を開始する制御信号をエンジンECU24に送信し(ステップS180)、エンジン22の始動が完了するのを待って(ステップS190)、モータリング開始フラグFMを値0にリセットして(ステップS200)、エンジン始動制御ルーチンを終了する。触媒加熱を停止する制御信号を受信したエンジンECU24は、スイッチ134cをオフとすることにより加熱ヒータ付き触媒134aの加熱を停止する。このように、冷却水温度Twが閾値Tref未満のときには、第2所定時間に亘って加熱ヒータ付き触媒134aに通電して加熱ヒータ付き触媒134aを加熱すると共に加熱ヒータ付き触媒134aの加熱を開始してから第1所定時間が経過したときにモータリング開始フラグFMに値1を設定してモータMG1によるエンジン22のモータリングを開始する。こうした冷却水温度Twが閾値Tref未満のときの駆動制御は以下のように行なわれる。
[0032]
 図6の始動時駆動制御ルーチンでは、冷却水温度Twが閾値Tref以上のときと同様に、まず、アクセル開度Accや車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力し(ステップS300)、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS310)。そして、触媒加熱フラグF1の値を調べるが(ステップS320)、冷却水温度Twが閾値Tref未満であったために直ちにモータリング開始フラグFMに値1が設定されないから、ステップS320では否定的な判定がなされ、モータMG1のトルク指令Tm1*には値0が設定される(ステップS330)。そして、値0が設定されたトルク指令Tm1*と要求トルクTr*とを用いて上述の式(1)~式(4)によりモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し(ステップS350~S370)、設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信して(ステップS380)、始動時駆動制御ルーチンを終了する。このときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を図10に示す。
[0033]
 スイッチ134cをオンとしてから第1所定時間が経過すると、図5のエンジン始動制御ルーチンのステップS150の処理でモータリング開始フラグFMに値1が設定されるから、図6の始動時駆動制御ルーチンのステップS320では肯定的な判定がなされ、エンジン22の始動時のトルクマップとエンジン22の始動開始からの経過時間tとに基づいてモータMG1のトルク指令Tm1*が設定され(ステップS340)、設定したトルク指令Tm1*と要求トルクTr*とを用いて上述の式(1)~式(4)によりモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し(ステップS350~S370)、設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信して(ステップS380)、始動時駆動制御ルーチンを終了する。
[0034]
 こうした制御により、エンジン22はモータリングされるが、加熱ヒータ付き触媒134aの加熱を開始してから第2所定時間が経過するまでは、エンジン22の始動を開始する制御信号はエンジンECU24に送信されないため、エンジン22はモータリングされるだけで始動されない。こうしたエンジン22のモータリングにより排気が浄化装置134に供給され、加熱ヒータ付き触媒134aがより均一に加熱されると共に加熱ヒータ付き触媒134aの熱が三元触媒134bに伝達される。また、排気には、未燃焼燃料が混在するため、未燃焼燃料が加熱ヒータ付き触媒134aや三元触媒134bで浄化される際に生じる熱により加熱ヒータ付き触媒134aや三元触媒134bの加熱を促進することができる。即ち、エンジン22をモータリングすることにより、加熱ヒータ付き触媒134aをより均一に加熱すると共に加熱ヒータ付き触媒134aや三元触媒134bを迅速に加熱することができるのである。加熱ヒータ付き触媒134aの加熱を開始してから第2所定時間が経過すると、エンジン22の始動を開始する制御信号がエンジンECU24に送信され、直ちに燃料噴射や点火が行なわれてエンジン22は始動する。このため、加熱ヒータ付き触媒134aの加熱が終了してからエンジン22をモータリングして始動するものに比して、迅速にエンジン22を始動することができる。
[0035]
 以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、エンジン22の冷却水の温度Twが閾値Tref未満のときには、浄化装置134の加熱ヒータ付き触媒134aや三元触媒134bは比較的加温された状態にないと推定し、第2所定時間に亘って加熱ヒータ付き触媒134aに通電して加熱ヒータ付き触媒134aを加熱し、加熱ヒータ付き触媒134aの加熱を開始してから第1所定時間が経過したときにエンジン22をモータリングすることにより、加熱ヒータ付き触媒134aをより均一に加熱することができると共に加熱ヒータ付き触媒134aや三元触媒134bを迅速に加熱することができる。しかも、加熱ヒータ付き触媒134aの加熱を開始してから第2所定時間が経過したときに直ちに燃料噴射と点火を行なってエンジン22を始動することができるから、加熱ヒータ付き触媒134aの加熱が終了してからエンジン22をモータリングして始動するものに比して、迅速にエンジン22を始動することができる。もとより、加熱ヒータ付き触媒134aの加熱終了後にエンジン22を始動するから、エンジン22を始動した直後のエミッションの悪化を抑制することができる。また、エンジン22の冷却水の温度Twが閾値Tref以上のときには、浄化装置134の加熱ヒータ付き触媒134aや三元触媒134bは比較的加温された状態にあると推定し、直ちにエンジン22を始動するから、迅速にエンジン22を始動してエンジン22からの動力を用いることができる。このとき、浄化装置134の加熱ヒータ付き触媒134aや三元触媒134bは比較的加温された状態にあるから、エンジン22を始動した直後でもエミッションの悪化を抑制することができる。
[0036]
 また、実施例のハイブリッド自動車20によれば、浄化装置134の一部に加熱ヒータ付き触媒134aを用いたから、少ない電力により迅速に加熱ヒータ付き触媒134aを加熱することができる。更に、浄化装置134に排気の上流側から加熱ヒータ付き触媒134a,三元触媒134bの順に配置することにより、エンジン22をモータリングした際の排気により加熱ヒータ付き触媒134aの熱を三元触媒134bに伝えるから、三元触媒134bを迅速に加温することができる。これらの結果、浄化装置134をより迅速に機能させることができ、エミッションの悪化を抑制することができる。
[0037]
 実施例のハイブリッド自動車20では、浄化装置134の一部に加熱ヒータ付き触媒134aを用いるものとしたが、浄化装置134の全てを加熱ヒータ付き触媒134aとするものとしても構わない。また、実施例のハイブリッド自動車20では、浄化装置134に排気の上流側から加熱ヒータ付き触媒134a,三元触媒134bの順に配置するものとしたが、浄化装置134に排気の上流側から三元触媒134b,加熱ヒータ付き触媒134aの順に配置するものとしたり、三元触媒134b,加熱ヒータ付き触媒134a,三元触媒134bの順に加熱ヒータ付き触媒134aを挟むように配置するものとするなど、如何なるように配置しても構わない。
[0038]
 実施例のハイブリッド自動車20では、自己の通電抵抗により発熱する発熱部材に触媒を担持させて加熱ヒータ付き触媒134aを構成するものとしたが、通電抵抗により発熱しない部材に触媒を担持させると共にこれらを加熱する部材を取り付けて加熱ヒータ付き触媒134aを構成するものとしてもよい。
[0039]
 実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の冷却水の温度Twが閾値Tref未満のときには、第2所定時間に亘って加熱ヒータ付き触媒134aに通電して加熱ヒータ付き触媒134aを加熱するものとしたが、エンジン22の冷却水の温度Twが閾値Tref未満のときには、エンジン22の冷却水の温度Twに基づく時間に亘って加熱ヒータ付き触媒134aに通電して加熱ヒータ付き触媒134aを加熱するものとしてもよい。この場合、エンジン22の冷却水の温度Twが高いほど短くなる傾向の時間に亘って加熱ヒータ付き触媒134aに通電して加熱ヒータ付き触媒134aを加熱するものとし、加熱ヒータ付き触媒134aを加熱する時間の1/2や1/3,2/3の時間が経過したときにエンジン22のモータリングを開始するものとしたりするなどしてもよい。
[0040]
 実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の冷却水の温度Twが閾値Tref未満であるか否かにより、浄化装置134の加熱ヒータ付き触媒134aや三元触媒134bは比較的加温された状態にないか比較的加温された状態にあるかを推定するものとしたが、エンジン22の運転を停止してからの経過時間に基づいて、浄化装置134の加熱ヒータ付き触媒134aや三元触媒134bは比較的加温された状態にないか比較的加温された状態にあるかを推定するものとしてもよい。この場合、エンジン22の運転を停止してからの経過時間に基づく時間に亘って加熱ヒータ付き触媒134aに通電して加熱ヒータ付き触媒134aを加熱するものとしてもよい。更にこの場合、エンジン22の運転を停止してからの経過時間が短いほど短くなる傾向の時間に亘って加熱ヒータ付き触媒134aに通電して加熱ヒータ付き触媒134aを加熱するものとし、加熱ヒータ付き触媒134aを加熱する時間の1/2や1/3,2/3の時間が経過したときにエンジン22のモータリングを開始するものとしたりするなどしてもよい。
[0041]
 実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の冷却水の温度Twが閾値Tref未満のときには、第2所定時間に亘って加熱ヒータ付き触媒134aに通電して加熱ヒータ付き触媒134aを加熱し、加熱ヒータ付き触媒134aの加熱を開始してから第1所定時間が経過したときにエンジン22のモータリングを開始するものとしたが、エンジン22のモータリングの開始は加熱ヒータ付き触媒134aの加熱と同時であっても構わない。
[0042]
 実施例のハイブリッド自動車20では、減速ギヤ35を介して駆動軸としてのリングギヤ軸32aにモータMG2を取り付けるものとしたが、リングギヤ軸32aにモータMG2を直接取り付けるものとしてもよいし、減速ギヤ35に代えて2段変速や3段変速,4段変速などの変速機を介してリングギヤ軸32aにモータMG2を取り付けるものとしても構わない。
[0043]
 実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すると共にモータMG2からの動力を減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図11の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すると共にモータMG2からの動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図11における車輪64a,64bに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。
[0044]
 実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すると共にモータMG2からの動力を減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図12の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22からの動力を、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有しエンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を介して駆動輪63a,63bが接続された駆動軸に出力すると共にモータMG2からの動力を駆動軸に出力するものとしてもよい。
[0045]
 実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すると共にモータMG2からの動力を減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図13の変形例のハイブリッド自動車320に例示するように、駆動輪63a,63bに接続された駆動軸に変速機330を介してモータMGを取り付け、モータMGの回転軸にクラッチ329を介してエンジン22を接続する構成とし、エンジン22からの動力をモータMGの回転軸と変速機330とを介して駆動軸に出力すると共にモータMGからの動力を変速機330を介して駆動軸に出力するものとしてもよい。あるいは、図14の変形例のハイブリッド自動車420に例示するように、エンジン22からの動力を変速機430を介して駆動輪63a,63bに接続された車軸に出力すると共にモータMGからの動力を駆動輪63a,63bが接続された車軸とは異なる車軸(図14における車輪64a,64bに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。即ち、走行用の動力を出力するエンジンと走行用の動力を出力する電動機とを備えるものであれば如何なるタイプのハイブリッド自動車としてもよいのである。さらに、図15の変形例のハイブリッド自動車520に例示するように、エンジン22と、エンジン22からの動力により発電する発電機530と、発電機530やバッテリ50からの電力を用いて走行用の動力を出力するモータMGと、を備えるものとしても構わない。
[0046]
 実施例では、本発明をハイブリッド自動車20の形態として説明したが、自動車以外の車両の形態としてもよいし、車両の制御方法の形態としてもよい。
[0047]
 ここで、実施例の主要な要素と発明の開示の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当し、電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づくバッテリ50の残容量(SOC)とバッテリ50の電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算するバッテリECU52が「出力制限設定手段」に相当し、加熱ヒータ付き触媒134aと三元触媒134bとを有する浄化装置134が「排気浄化手段」に相当し、スイッチ134cが「電力供給手段」に相当し、エンジン22の冷却水の温度Twを検出する水温センサ142とこの水温センサ142により検出された冷却水の温度Twが閾値Tref未満であるときに浄化装置134の加熱ヒータ付き触媒134aや三元触媒134bが比較的加温された状態にないと推定する図5のエンジン始動制御ルーチンのステップS110を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70とが「触媒温度推定手段」に相当し、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定する図6の始動時駆動制御ルーチンのステップS310の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「要求駆動力設定手段」に相当し、エンジン22の冷却水の温度Twが閾値Tref以上のときには、浄化装置134の加熱ヒータ付き触媒134aや三元触媒134bは比較的加温された状態にあると推定し、直ちにモータMG1によってエンジン22をモータリングしてエンジン22を始動すると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内でモータMG2から要求トルクTr*が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力して走行するようエンジン22やモータMG1,モータMG2を制御し、エンジン22の冷却水の温度Twが閾値Tref未満のときには、浄化装置134の加熱ヒータ付き触媒134aや三元触媒134bは比較的加温された状態にないと推定し、第2所定時間に亘って加熱ヒータ付き触媒134aに通電して加熱ヒータ付き触媒134aを加熱し、加熱ヒータ付き触媒134aの加熱を開始してから第1所定時間が経過したときにエンジン22のモータリングを開始し、加熱ヒータ付き触媒134aの加熱終了後にエンジン22への燃料噴射と点火とを開始して始動すると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内でモータMG2から要求トルクTr*が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力して走行するようエンジン22やモータMG1,モータMG2,スイッチ134cを制御するために図5のエンジン始動制御ルーチンや図6の始動時駆動制御ルーチンを実行するハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジン22を始動する制御信号を受信して吸入空気量制御,燃料噴射制御,点火制御などを実行してエンジン22を始動するエンジンECU24とトルク指令Tm1*,Tm2*を受信してモータMG1,MG2を制御するモータECU40とが「制御手段」に相当する。また、動力分配統合機構30とモータMG1とが「電力動力入出力手段」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当する。対ロータ電動機230も「電力動力入出力手段」に相当する。
[0048]
 ここで、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンとしてもよく、如何なるタイプの内燃機関としても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、駆動軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「蓄電手段」としては、二次電池としてのバッテリ50に限定されるものではなく、キャパシタなど、電力動力入出力手段とや電動機と電力のやりとりが可能であれば如何なるものとしても構わない。「出力制限設定手段」としては、バッテリ50の残容量(SOC)とバッテリ50の電池温度Tbとに基づいて入出力制限Win,Woutを演算するものに限定されるものではなく、残容量(SOC)や電池温度Tbの他に例えばバッテリ50の内部抵抗などに基づいて演算するものなど、蓄電手段の状態に基づいて蓄電手段から放電してもよい許容最大電力である出力制限を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「排気浄化手段」としては、加熱ヒータ付き触媒134aと三元触媒134bとを有する浄化装置134に限定されるものではなく、実施例と同様の加熱ヒータ付き触媒134aだけを有する浄化装置としたり、通電抵抗により発熱しない部材に触媒を担持させると共にこれらを加熱する部材を取り付けてなる加熱ヒータ付き触媒を有するものとしたりするなど、内燃機関の排気系に取り付けられ、内燃機関からの排気を浄化するための触媒を担持すると共に電力の供給を受けて触媒を加熱する触媒担持加熱部材を有するものであれば如何なるものとしても構わない。「電力供給手段」としては、スイッチ134cに限定されるものではなく、リレーとするなど、蓄電手段からの電力の触媒担持加熱部材への供給を司るものであれば如何なるものとしても構わない。「触媒温度推定手段」としては、エンジン22の冷却水の温度Twが閾値Tref未満であるときに浄化装置134の加熱ヒータ付き触媒134aや三元触媒134bが比較的加温された状態にないと推定するものに限定されるものではなく、エンジン22の運転を停止してからの経過時間に基づいて浄化装置134の加熱ヒータ付き触媒134aや三元触媒134bは比較的加温された状態にないと推定するものとしたり、浄化装置134に温度センサを取り付けて温度センサからの温度に基づいて浄化装置134の加熱ヒータ付き触媒134aや三元触媒134bは比較的加温された状態にないと推定するものとしたりするなど、排気浄化手段における触媒が所定温度未満であるのを推定するものであれば如何なるものとしても構わない。「要求駆動力設定手段」としては、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定するものに限定されるものではなく、アクセル開度Accだけに基づいて要求トルクを設定するものや走行経路が予め設定されているものにあっては走行経路における走行位置に基づいて要求トルクを設定するものなど、走行に要求される要求駆動力を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「制御手段」としては、エンジン22の冷却水の温度Twが閾値Tref以上のときには、浄化装置134の加熱ヒータ付き触媒134aや三元触媒134bは比較的加温された状態にあると推定し、直ちにモータMG1によってエンジン22をモータリングしてエンジン22を始動すると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内でモータMG2から要求トルクTr*が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力して走行するようエンジン22やモータMG1,モータMG2を制御し、エンジン22の冷却水の温度Twが閾値Tref未満のときには、浄化装置134の加熱ヒータ付き触媒134aや三元触媒134bは比較的加温された状態にないと推定し、第2所定時間に亘って加熱ヒータ付き触媒134aに通電して加熱ヒータ付き触媒134aを加熱し、加熱ヒータ付き触媒134aの加熱を開始してから第1所定時間が経過したときにエンジン22のモータリングを開始し、加熱ヒータ付き触媒134aの加熱終了後にエンジン22への燃料噴射と点火とを開始して始動すると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内でモータMG2から要求トルクTr*が駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力して走行するようエンジン22やモータMG1,モータMG2,スイッチ134cを制御するものに限定されるものではなく、内燃機関の運転を停止して要求駆動力によって走行するよう内燃機関と電動機とを制御している最中に内燃機関の始動が要求されたとき、触媒温度推定手段により触媒が所定温度未満であると推定されないときには内燃機関の始動を伴って蓄電手段の出力制限の範囲内で要求駆動力によって走行するよう内燃機関と電動機とを制御し、触媒温度推定手段により触媒が所定温度未満であると推定されたときには第1の所定時間に亘る触媒担持加熱部材への電力供給と第1の所定時間内の少なくとも一部の時間に亘る内燃機関のモータリングと触媒担持加熱部材への電力供給の終了後の内燃機関の始動とを伴って蓄電手段の出力制限の範囲内で要求駆動力によって走行するよう内燃機関と電動機と電力供給手段とを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。即ち、内燃機関の運転を停止して要求駆動力によって走行するよう内燃機関と電動機とを制御している最中に内燃機関の始動が要求されないときに如何なる制御を行なうものとしてもよいのである。「電力動力入出力手段」としては、動力分配統合機構30とモータMG1とを組み合わせたものや対ロータ電動機230に限定されるされるものではなく、車軸に連結された駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸と前記出力軸とに動力を入出力可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの発電機としても構わない。「3軸式動力入出力手段」としては、上述の動力分配統合機構30に限定されるものではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いるものや複数の遊星歯車機構を組み合わせて4以上の軸に接続されるものやデファレンシャルギヤのように遊星歯車とは異なる作動作用を有するものなど、駆動軸と出力軸と発電機の回転軸との3軸に接続され3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力するものであれば如何なるものとしても構わない。
[0049]
 なお、実施例の主要な要素と発明の開示の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が発明の開示の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、発明の開示の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、発明の開示の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は発明の開示の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
[0050]
 以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。

産業上の利用可能性

[0051]
 本発明は、車両の製造産業などに利用可能である。

請求の範囲

[1]
 内燃機関と電動機とを搭載し、少なくとも前記内燃機関の運転を停止した状態で走行可能な車両であって、
 前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、
 前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段から放電してもよい許容最大電力である出力制限を設定する出力制限設定手段と、
 前記内燃機関の排気系に取り付けられ、前記内燃機関からの排気を浄化するための触媒を担持すると共に電力の供給を受けて該触媒を加熱する触媒担持加熱部材を有する排気浄化手段と、
 前記蓄電手段からの電力の前記触媒担持加熱部材への供給を司る電力供給手段と、
 前記排気浄化手段における触媒が所定温度未満であるのを推定する触媒温度推定手段と、
 走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
 前記内燃機関の運転を停止して前記設定された要求駆動力によって走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御している最中に前記内燃機関の始動が要求されたとき、前記触媒温度推定手段により触媒が所定温度未満であると推定されないときには前記内燃機関の始動を伴って前記設定された出力制限の範囲内で前記設定された要求駆動力によって走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御し、前記触媒温度推定手段により触媒が前記所定温度未満であると推定されたときには第1の所定時間に亘る前記触媒担持加熱部材への電力供給と該第1の所定時間内の少なくとも一部の時間に亘る前記内燃機関のモータリングと前記触媒担持加熱部材への電力供給の終了後の前記内燃機関の始動とを伴って前記設定された出力制限の範囲内で前記設定された要求駆動力によって走行するよう前記内燃機関と前記電動機と前記電力供給手段とを制御する制御手段と、
 を備える車両。
[2]
 請求項1記載の車両であって、
 前記制御手段は、前記触媒温度推定手段により触媒が所定温度未満であると推定されたときには、前記触媒担持加熱部材への電力供給を開始してから前記第1の所定時間より短い第2の所定時間が経過したときに前記内燃機関のモータリングを開始し、前記触媒担持加熱部材への電力供給を開始してから前記第1の所定時間が経過したときにモータリングしている前記内燃機関への燃料噴射と点火とを開始して該内燃機関を始動するよう前記内燃機関と前記電動機と前記電力供給手段とを制御する手段である、
 車両。
[3]
 請求項1記載の車両であって、
 前記触媒温度推定手段は、前記内燃機関の冷却水の温度に基づいて触媒が所定温度未満であるのを推定する手段である、
 車両。
[4]
 請求項1記載の車両であって、
 前記触媒温度推定手段は、前記内燃機関を運転停止してからの経過時間に基づいて触媒が所定温度未満であるのを推定する手段である、
 車両。
[5]
 請求項1記載の車両であって、
 前記排気浄化手段は、前記触媒担持加熱部材と前記内燃機関からの排気を浄化するための触媒を担持してなる触媒担持部材とを有し、排気の上流側から前記触媒担持加熱部材,前記触媒担持部材の順に配置されてなる手段である、
 車両。
[6]
 請求項1記載の車両であって、
 前記蓄電手段と電力のやりとりが可能で、車軸に連結された駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、電力と動力の入出力を伴って前記出力軸と前記駆動軸とに動力を出力する電力動力入出力手段を備え、
 前記電動機は、前記駆動軸に動力を入出力可能に取り付けられてなる、
 車両。
[7]
 請求項6記載の車両であって、
 前記電力動力入出力手段は、動力を入出力可能な発電機と、前記駆動軸と前記出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、を備える手段である、
 車両。
[8]
 内燃機関と、電動機と、前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、前記内燃機関の排気系に取り付けられ、前記内燃機関からの排気を浄化するための触媒を担持すると共に電力の供給を受けて該触媒を加熱する触媒担持加熱部材を有する排気浄化手段と、前記蓄電手段からの電力の前記触媒担持加熱部材への供給を司る電力供給手段と、を搭載し、少なくとも前記内燃機関の運転を停止した状態で走行可能な車両の制御方法であって、
 前記内燃機関の運転を停止して走行に要求される要求駆動力によって走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御している最中に前記内燃機関の始動が要求されたとき、前記排気浄化手段における触媒が所定温度未満でないと推定されるときには前記内燃機関の始動を伴って前記蓄電手段から放電してもよい許容最大電力である出力制限の範囲内で前記要求駆動力によって走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御し、前記排気浄化手段における触媒が前記所定温度未満であると推定されるときには第1の所定時間に亘る前記触媒担持加熱部材への電力供給と該第1の所定時間内の少なくとも一部の時間に亘る前記内燃機関のモータリングと前記触媒担持加熱部材への電力供給の終了後の前記内燃機関の始動とを伴って前記出力制限の範囲内で前記要求駆動力によって走行するよう前記内燃機関と前記電動機と前記電力供給手段とを制御する、
 ことを特徴とする車両の制御方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]