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1. (WO2008117854) シート状光学部材、光学シート用樹脂組成物、光学シート及びその製造方法
Document

明 細 書

発明の名称 シート状光学部材、光学シート用樹脂組成物、光学シート及びその製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009  

発明の開示

発明が解決しようとする課題

0010  

課題を解決するための手段

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035  

発明の効果

0036  

図面の簡単な説明

0037   0038  

発明を実施するための最良の形態

0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133  

実施例

0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164  (R26)   0165  (R26)   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

シート状光学部材、光学シート用樹脂組成物、光学シート及びその製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は液晶表示装置用バックライトのプリズムシート等として用いられるシート状光学部材、および、光学シート用樹脂組成物、光学シート及びその製造方法に関し、更に詳しくは、大面積の液晶表示装置や広告板等のように、透光性の表示体を背面から照明するバックライト用の面光源装置に好適に用いられる光学シートを製造するための樹脂組成物、光学シート及びその製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 近年、液晶表示装置等のディスプレイ技術の急速な発展に伴って、それに用いられるシート状光学部材についても、新しい機能を有するものや、より高品質なものに対する需要が高まっている。このようなシート状光学部材としては、例えば、液晶表示装置等のバックライトに用いられるプリズムシート、立体写真や投影スクリーン等に用いられるレンチキュラーレンズシート、および、オーバーヘッドプロジェクターのコンデンサーレンズ等に用いられるフレネルレンズシート等を挙げることができる。このような、シート状光学部材は、通常、基材と、上記基材上に形成され、所定の屈折率を備える樹脂が表面に微細な凹凸形状で構成される単位プリズムを有するように形成されたレンズ部と、を有するものである。
[0003]
 上記シート状光学部材は、上記レンズ部において光を屈折させることによって、所望の機能を発現するものであり、その用途に応じて上記レンズ部を構成する樹脂材料および単位プリズムの形状が決定されるものである。したがって、シート状光学部材の機能を発現する上で、上記単位プリズムの形状は重要なものであり、上記シート状光学部材を製造する過程においては、上記レンズ部の形状が潰されてしまったり、あるいは、摩擦によって摩耗してしまったりすることがないように細心の注意を払うことが必要であった。このようなことから、従来、レンズ部に用いられる材料としては、弾性率が高く、形成された単位プリズムの形状が変形しにくいものが用いられてきた。
[0004]
 上記レンズ部に用いられる材料として、例えば、特許文献1~3には、所定の構造を有するウレタンアクリレートが記載されている。また、特許文献4には、S原子および2個以上の不飽和基を有し、S原子の含有量およびガラス転移温度が所定の範囲内である不飽和基含有化合物が記載されている。これらの材料は、硬化させることによってある程度の弾性率を発現することができるため、上記レンズ部の形状が損なわれること防止するのに資するものであった。
 しかしながら、上述したディスプレイ装置の急速な発展に伴って、上記シート状光学部材についても更なる生産性の向上等が求められている中、上記のような材料から形成されたレンズ部では弾性率がなお不十分であった。このため、このような材料を用いる場合は、シート状光学部材の作製工程において、上記単位プリズムが変形することを防止するため、上記レンズ部に過大な圧力が生じないように、あるいは、上記レンズ部が他の部材と擦れて摩耗してしまわないように、工程上の配慮を行う必要があった。
 このような工程上の制約から、上記シート状光学部材の生産性は必ずしも高いものではなかった。
[0005]
 また、近年、液晶テレビや電飾型の広告パネル等の表示装置は、大面積化の傾向があり、それに付随した関連部品の研究開発や材料開発が活発に行われている。こうした表示装置は背面から光を照射する面光源装置を備えており、その面光源装置は光源からの光を表示パネル側に屈折透過させる光学シートを備えているが、この光学シートにおいても、大面積化の流れにより、例えば幅広で長尺の光学シートを製造し、ロール巻き状態で巻き取っている。
[0006]
 光学シートは、単位プリズムを複数配列してなるレンズ部を有するものであり、エッジライト型の面光源装置や直下型の面光源装置のいずれにおいても表示パネル側の出光面に配置されている。なお、エッジライト型の面光源装置は、通常、透明なアクリル樹脂等の板状導光体の一側端面から光源光を入射し、その導光体の一方の面である出光面から液晶パネル等の背面に光を出射するように構成された装置であり、直下型の面光源装置は、光源を挟んだ態様で液晶パネルと反射板とを配置してなるものであり、通常、光源からの光を反射板によって液晶パネル等の背面に反射させるように構成された装置である。
 光学シートは、生産時に幅広で長尺のシートとして製造され、ロール巻き状態で生産されているが、その際、ロールの自重によって、特に巻き芯部では単位プリズムの頂部がつぶれてしまうという「山つぶれ」の問題がある。
[0007]
 また、光学シートが備えるレンズ部と、面光源装置が有する導光板とが接した場合、工程内等で加わる熱により単位プリズムの頂部がつぶれてしまうという問題もあり、さらには、レンズ部と導光板とが接して単位プリズムの頂部に欠けが生じてしまうという問題もある。
[0008]
 こうした単位プリズムの頂部の変形や欠けの問題は、表示装置の表示面に白点(白模様)等の表示ムラを生じさせて表示性能を低下させることとなり、その対応が要請されている。
[0009]
特許文献1 : 特開2002-105149号公報
特許文献2 : 特開2004-131520号公報
特許文献3 : 特開2005-263913号公報
特許文献4 : 特開2006-72346号公報
特許文献5 : 特表平11-500072号公報

発明の開示

発明が解決しようとする課題

[0010]
 本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、レンズ部の形状が損なわれにくく、かつ、高い生産性で製造可能なシート状光学部材を提供することを目的とするものである。さらに本発明は、上記した単位プリズムの頂部の変形や欠けの問題を解決するためになされたものであって、その目的は、大面積の液晶表示装置や広告板等が備える透光性の表示体を背面から照明するバックライト用の面光源装置に好適に用いられる光学シート用樹脂組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、そうした樹脂組成物からなる光学シートを提供すること、及び光学シートの製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0011]
 上記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討した結果、従来は上記レンズ部が変形すること防止するために、上記レンズ部をより硬い材料を用いて作製することが求められてきたが、本発明者らはこの従来の発想を転換し、十分な硬さを有さないレンズ部であっても、変形した後に元の形状に復元させることができれば、結果としてレンズ部の形状を損なうことがないことを着想し、これを具体化することによって本発明を完成するに到った。
[0012]
 すなわち、上記課題を解決するために本発明は、基材と、上記基材上に形成され、活性エネルギー線硬化性樹脂からなり、複数の単位プリズムを備えるレンズ部とを有するシート状光学部材であって、上記レンズ部の剛体振り子法によって測定される最大対数減衰率ΔEが、0.4以下であることを特徴とするシート状光学部材を提供する。
[0013]
 本発明によれば、上記レンズ部の剛体振り子法によって測定される最大対数減衰率ΔEが0.4以下であることにより、仮に何らかの外的要因によって上記レンズ部の表面に付された単位プリズムが変形してしまった場合であっても、これを元の形状を復元させることができるため、所望の形状を維持することができる。したがって、本発明によれば上記レンズ部の単位プリズムの形状が損なわれにくいシート状光学部材を得ることができる。
 また、本発明においては上記レンズ部が仮に変形したとしても、元の形状に復元させることができることにより、本発明のシート状光学部材を製造する過程において、上記単位プリズムの変形を防止するための措置を施すことが不要となる。このため、製造工程上の制約が低減されるため、本発明のシート状光学部材の生産性を高いものとすることができる。
 このようなことから、本発明によればレンズ部の形状が損なわれにくく、かつ、高い生産性で製造可能なシート状光学部材を提供することができる。
[0014]
 本発明においては、上記レンズ部の剛体振り子法によって測定される対数減衰率の極大温度が60℃以上であることが好ましい。これにより、本発明のシート状光学部材を、上記単位プリズムの形状が変形しにくい耐久性に優れたものにできるからである。
[0015]
 また、上記課題を解決するために本発明は、基材と、上記基材上に形成され、活性エネルギー線硬化性樹脂からなり、複数の単位プリズムを備えるレンズ部と、を有するシート状光学部材であって、上記活性エネルギー線硬化性樹脂の、損失弾性率と貯蔵弾性率との正接(tanθ=損失弾性率/貯蔵弾性率)が、0℃~200℃の温度範囲において0.2以下であることを特徴とする、シート状光学部材を提供する。
[0016]
 本発明によれば、上記活性エネルギー線硬化性樹脂の、損失弾性率と貯蔵弾性率との正接(tanθ=損失弾性率/貯蔵弾性率)が、0℃~200℃の温度範囲において0.2以下であることにより、上記レンズ部に形状の復元性を付与することができる。このため、仮に何らかの外的要因によって上記レンズ部の表面に付された単位プリズムが変形してしまった場合であっても、これを元の形状を復元させることができるため、所望の形状を維持することができる。したがって、本発明によれば上記単位プリズムの形状が損なわれにくいシート状光学部材を得ることができる。
 また、このように上記単位プリズムが仮に変形したとしても、元の形状に復元させることができることにより、本発明のシート状光学部材を製造する過程において、上記単位プリズムの変形を防止するための措置を施すことが不要となる。このため、製造工程上の制約が低減されるため、本発明のシート状光学部材の生産性を高いものとすることができる。
 このようなことから、本発明によればレンズ部の形状が損なわれにくく、かつ、高い生産性で製造可能なシート状光学部材を提供することができる。
[0017]
 本発明においては、活性エネルギー線硬化性樹脂の平衡弾性率(160℃、1Hz)が1.0×10 Pa以上であることが好ましい。これにより本発明に用いられるレンズ部をより形状の復元性に優れたものにできるからである。
[0018]
 さらに上記課題を解決するために本発明は、基材と、上記基材上に形成され、活性エネルギー線硬化性樹脂からなり、複数の単位プリズムを備えるレンズ部と、を有するシート状光学部材であって、上記活性エネルギー線硬化性樹脂の、弾性変形率が25℃において40%以上であることを特徴とする、シート状光学部材を提供する。
[0019]
 本発明によれば、上記活性エネルギー線硬化性樹脂の、弾性変形率が25℃において40%以上であることにより、上記レンズ部に形状の復元性を付与することができる。このため、仮に何らかの外的要因によって上記レンズ部の表面に付された単位プリズムが変形してしまった場合であっても、これを元の形状を復元させることができるため、所望の単位プリズムの形状を維持することができる。したがって、本発明によれば上記単位プリズムの形状が損なわれにくいシート状光学部材を得ることができる。
 また、このように上記レンズ部が仮に変形したとしても、元の形状に復元させることができることにより、本発明のシート状光学部材を製造する過程において、上記単位プリズムの変形を防止するための措置を施すことが不要となる。このため、製造工程上の制約が低減されるため、本発明のシート状光学部材の生産性を高いものとすることができる。
 このようなことから、本発明によればレンズ部の形状が損なわれにくく、かつ、高い生産性で製造可能なシート状光学部材を提供することができる。
[0020]
 本発明においては、上記レンズ部の屈折率が1.5以上であることが好ましい。上記レンズ部の屈折率が1.5以上であることにより、例えば、本発明のシート状光学部材を液晶表示装置用バックライトのプリズムシートとして用いた場合に、液晶表示装置の視野角と輝度とを両立可能なように、上記単位プリズムの形状を制御することが容易になるからである。
[0021]
 また本発明者は、単位プリズムの頂部の変形や欠けの問題を解決するため、光学シートとその光学シート用樹脂組成物について鋭意研究を進めている過程で、特定の樹脂物性を有する樹脂組成物で光学シートを製造することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明の光学シート用樹脂組成物、光学シート及びその製造方法を完成させた。
[0022]
 すなわち、上記課題を解決する本発明の光学シートは、透明基材上に、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物で形成された多数の単位プリズムからなるレンズ部を有する光学シートにおいて、前記レンズ部は、前記単位プリズムの頂部に40℃の環境下で26kg/cm の荷重を24時間印加した後における全光線透過率と、前記荷重を印加する前における全光線透過率との差が10%以内となることを特徴とする。
[0023]
 この発明によれば、単位プリズムの頂部に40℃の環境下で26kg/cm の荷重を24時間印加した後における全光線透過率と、その荷重を印加する前における全光線透過率との差が10%以内となるレンズ部を有するので、そうしたレンズ部は、生産時に幅広で長尺のシートとしてロール巻きした場合であっても、単位プリズムの頂部がロールの自重によってつぶれしてしまうことがない。さらに、レンズ部と面光源装置が有する導光板とが接した場合であっても、工程内等で加わる熱により単位プリズムの頂部がつぶれてしまうこともない。さらに、レンズ部と導光板とが接して単位プリズムの頂部に欠けが生じてしまうということもない。したがって、この発明によれば、いわゆる「山つぶれ」等の問題がレンズ部に生じないので、表示装置の表示面に白点(白模様)等の表示ムラを生じさせることがなく、安定で良好な表示性能を与える光学シートを提供できる。
[0024]
 本発明の光学シートにおいて、剛体振り子で測定される前記レンズ部のTgが80℃以上160℃以下で、動的粘弾性測定で測定される前記レンズ部のTg(1Hz)が80℃以上160℃以下で、動的粘弾性測定で測定される前記レンズ部の平衡弾性率(160℃、1Hz)が3×10 Pa以上1×10 Pa以下であるように構成されることが好ましい。
[0025]
 本発明の光学シートにおいて、前記レンズ部の屈折率が1.555以上1.600以下であることが好ましい。
[0026]
 上記課題を解決する本発明の光学シート用樹脂組成物は、光学シートが備える多数の単位プリズムからなるレンズ部を形成するための光学シート用樹脂組成物であって、当該樹脂組成物の硬化物は、40℃の環境下で26kg/cm の荷重を24時間印加した後の全光線透過率と、前記荷重を印加する前における全光線透過率との差が10%以内となることを特徴とする。
[0027]
 この発明によれば、樹脂組成物の硬化物は、40℃の環境下で26kg/cm の荷重を24時間印加した後の全光線透過率と、前記荷重を印加する前における全光線透過率との差が10%以内となるので、この樹脂組成物を光学シート用に用いれば、いわゆる「山つぶれ」等の問題が生じない光学シートを得ることができる。
[0028]
 本発明の光学シート用樹脂組成物において、前記樹脂組成物の硬化後の屈折率が1.555以上1.600以下であることが好ましい。
[0029]
 本発明の光学シート用樹脂組成物において、前記樹脂組成物は、ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレートと、トリレンジイソシアネート及び/又はキシリレンジイソシアネートと式(1)に示されるジオール化合物と式(2)に示されるOH含有(メタ)アクリレートとの反応物であるウレタン(メタ)アクリレートと、式(3)で示されるフェノキシエチル(メタ)アクリレート誘導体、アクリロイルモルホリン、イソボルニル(メタ)アクリレート、及びベンジル(メタ)アクリレートから選択される1種又は2種以上の単官能モノマーと、式(4)で示されるイソシアヌル酸(メタ)アクリレート誘導体、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートから選択される1種あるいは2種以上の多官能モノマーと、光開始剤と、を有するように構成されることが好ましい。
[0030]
[化1]


[0031]
[化2]


[0032]
[化3]


[0033]
[化4]


[0034]
 上記課題を解決する本発明の光学シートの製造方法は、透明基材上に多数の単位プリズムからなるレンズ部を有する光学シートの製造方法であって、上記本発明の光学シート用樹脂組成物を賦形型に塗布した後に活性エネルギー線を照射して前記レンズ部を形成するレンズ部形成工程を少なくとも有することを特徴とする。
[0035]
 この発明によれば、いわゆる「山つぶれ」等の問題が生じない光学シートを製造することができ、特にそのレンズ部形成工程により形成されるレンズ部は、剛体振り子で測定されるTgが80℃以上160℃以下で、動的粘弾性測定で測定されるTg(1Hz)が80℃以上160℃以下で、動的粘弾性測定で測定される平衡弾性率(160℃、1Hz)が3×10 Pa以上1×10 Pa以下であるように構成される。

発明の効果

[0036]
 本発明のシート状光学部材は、レンズ部の形状が損なわれにくく、かつ、高い生産性で製造可能であるという効果を奏する。
 また本発明によれば、いわゆる「山つぶれ」等の問題がレンズ部に生じないので、表示装置の表示面に白点(白模様)等の表示ムラを生じさせることがなく、安定で良好な表示性能を与える光学シートを提供できる。その結果、本発明の光学シート及び本発明で製造された光学シートは、特に最近の高品位で大面積の液晶表示装置用面光源装置を構成する光学シートとして好ましく用いることができる。

図面の簡単な説明

[0037]
[図1] 本発明のシート状光学部材の一例を示す概略図である。
[図2] 本発明のシート状光学部材の製造方法の一例を示す概略図である。
[図3] 本発明の光学シートの一例を示す模式的な斜視図である。
[図4] 本発明の光学シートを備える面光源装置の一例を示す斜視図である。
[図5] 本発明の光学シートを備える他の面光源装置の一例を示す斜視図である。
[図6] 本発明の光学シートを備える面光源装置のさらに他の例を示す透視断面図であり、(A)は図4に示す面光源装置の他の一例を示し、(B)は図5に示す面光源装置の他の一例を示す。
[図7] 図4で示した面光源装置を備えた液晶表示装置の一例を示す概略斜視図である。

符号の説明

[0038]
 1 … 基材
 2 … レンズ部
 2’ … レンズ部形成用組成物
 3 … シート状光学部材
 4 … レンズ型
 A … 単位プリズム
 10 … 光学シート
 12 … 透明基材
 14 … 単位プリズム
 16 … レンズ部
 18 … 光拡散層
 30,30’,40,40’ … 面光源装置
 31 … 接着層
 32 … 導光体
 32A … 側端面
 32B … 光放出面
 34 … 光源
 36,44 … 光反射板
 50 … 液晶表示装置
 52 … 液晶パネル
 S1 … 透明基材の一方の面
 S2 … 透明基材の他方の面

発明を実施するための最良の形態

[0039]
 以下、本願に係る各発明について順に説明する。
[0040]
A.シート状光学部材
 まず、本発明のシート状光学部材について説明する。上述したように、本発明のシート状光学部材は、基材と、上記基材上に形成され、活性エネルギー線硬化性樹脂からなり、複数の単位プリズムを備えるレンズ部と、を有するものであり、上記レンズ部あるいは上記活性エネルギー線硬化性樹脂が特定の物性を備えることを特徴とするものである。
[0041]
 このような本発明のシート状光学部材について図を参照しながら説明する。図1は本発明のシート状光学部材の一例を示す概略図である。図1に例示するように、本発明のシート状光学部材3は、基材1と、上記基材1上に形成されたレンズ部2とを有するものである。
 ここで、上記レンズ部2は、活性エネルギー線硬化性樹脂からなり、複数の単位プリズムAを備えるものである。
 このような例において本発明のシート状光学部材3は、上記レンズ部2あるいは上記レンズ部2に含まれる活性エネルギー線硬化性樹脂が、所定の物性を備えることにより、上記単位プリズムAに変形が生じたとしても、元の形状に復元することが可能な復元性を備えることを特徴とするものである。
[0042]
 本発明によれば、上記レンズ部あるいは上記活性エネルギー線硬化性樹脂が本発明で規定する所定の物性を備えるものであることにより、仮に何らかの外的要因によって上記レンズ部の表面に付されたプリズムの形状が変形してしまった場合であっても、これを元の形状を復元させることができるため、単位プリズムの所望の形状を維持することができる。したがって、本発明によれば上記単位プリズムの表面形状が損なわれにくいシート状光学部材を得ることができる。
 また、このように上記単位プリズムが仮に変形したとしても、元の形状に復元させることができることにより、本発明のシート状光学部材を製造する過程において、上記単位プリズムの変形を防止するための措置を施すことが不要となる。このため、製造工程上の制約が低減されるため、本発明のシート状光学部材の生産性を高いものとすることができる。
[0043]
 本発明のシート状光学部材は、少なくとも基材と、レンズ部とを有するものであり、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。
 以下、本発明に用いられる各構成について説明する。
[0044]
 ここで、本発明のシート状光学部材は、レンズ部の態様によって3態様に大別することができるものである。したがって、以下、レンズ部については3態様に分けて説明し、その他の構成についてはすべての態様に共通であるため、まとめて説明する。
[0045]
1.レンズ部
 まず、本発明に用いられるレンズ部について説明する。本発明に用いられるレンズ部は、活性エネルギー線硬化性樹脂からなり、複数の単位プリズムを有するものである。
 本発明に用いられるレンズ部は、単位プリズムの形状の復元性を発現するために備える物性の相違により3つの態様に分けることができるものである。したがって、以下、各態様に分けて本発明に用いられるレンズ部について説明する。
[0046]
(1)第1態様のレンズ部
 まず、本発明の第1態様のレンズ部について説明する。本態様のレンズ部は、少なくとも剛体振り子法によって測定される最大対数減衰率ΔEが0.4以下であることを特徴とするものである。
 (以下、本態様のレンズ部を備えるシート状光学部材を、「第1態様のシート状光学部材」と称する場合がある。)
[0047]
(レンズ部)
 本態様のレンズ部は、少なくとも剛体振り子法によって測定される最大対数減衰率ΔEが、0.4以下であることを特徴とするものである。本態様のレンズ部において最大対数減衰率ΔEを0.4以下であるとするのは、最大対数減衰率ΔEが上記範囲よりも大きいと、本態様のレンズ部の平衡弾性率が低くなりすぎてしまい、十分な形状の復元性を付与することができないからである。本態様のレンズ部の最大対数減衰率ΔEの値は0.4以下であれば特に限定されるものではないが、なかでも0.1~0.4の範囲内であることがより好ましく、特に0.2~0.3の範囲内であることがさらに好ましい。
[0048]
 また本態様のレンズ部は、剛体振り子法によって測定される対数減衰率の極大温度が60℃以上であることが好ましく、80℃~150℃の範囲内であることがさらに好ましい。上記極大温度がこのような範囲内であることにより、本態様のレンズ部が用いられた第1態様のシート状光学部材を、単位プリズムの形状が変形しにくい耐久性に優れたものにできるからである。
[0049]
 ここで、上記最大対数減衰率ΔEおよび対数減衰率の極大温度は、それぞれ剛体振り子法によって測定されるものである。剛体振り子法とは、剛体振り子を用い、振り子の振動の減衰過程を解析することによって、固体の表面物性等を評価する方法である。本態様における上記最大対数減衰率ΔEおよび対数減衰率の極大温度は、次のような測定方法によって測定された値を意味するものとする。
 すなわち、パイプエッジ型の剛体振り子を用い、レンズ部との接点を支点して振動を与え、30°~150℃まで3℃/minで昇温させそのときに得られる最大減衰率および極大温度を意味するものとする。
[0050]
 また、本態様のレンズ部はガラス転移温度が70℃以上であることが好ましく、80℃~150℃の範囲内であることがさらに好ましい。ガラス転移温度が上記範囲内であることにより、本発明のシート状光学部材を製造する際に、長尺巻きしたとしてもレンズ部の形状を保持できるからである。
[0051]
 なお、上記ガラス転移温度は、動的粘弾性測定装置を用いて、1Hzの振動を与えながら0℃~200℃まで、3℃/minで昇温した際に、損失弾性率と貯蔵弾性率との正接(tanθ=損失弾性率/貯蔵弾性率)が極大値を示すときの温度を意味するものとする。
[0052]
 本態様のレンズは、所望の屈折率を備えることにより、単位プリズムの形状と相俟って特定の機能を発現できるものである。したがって、本態様のレンズ部の屈折率としては、本発明の第1態様のシート状光学部材の用途に応じて、上記単位プリズムの形状との関係において、所望の機能を発現できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本態様においては、通常、1.50以上であることが好ましく、1.50~1.70の範囲内であることがより好ましく、1.53~1.57の範囲内であることがさらに好ましい。レンズ部の屈折率が上記範囲内であることにより、例えば、本発明の第1態様のシート状光学部材を液晶表示装置用バックライトのプリズムシートとして用いた場合に、液晶表示装置の視野角と輝度とを両立可能なように、上記単位プリズムの形状を制御することが容易になるからである。
[0053]
 本態様のレンズ部は複数の単位プリズムを有するものであるが、このような単位プリズムの形態については、本態様のレンズ部が用いられたシート状光学部材の用途に応じて適宜決定すればよい。
[0054]
(活性エネルギー線硬化性樹脂)
 次に、本態様のレンズ部に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂について説明する。本態様に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂としては、少なくともレンズ部の最大対数減衰率ΔEを本態様で規定する範囲内にできるものであれば特に限定されるものではない。
 なお、本態様においてはレンズ部の最大対数減衰率ΔEを上述した範囲内にするために、複数の活性エネルギー線硬化性樹脂が用いられてもよく、あるいは、1種類のみの活性エネルギー線硬化性樹脂が用いられてもよい。
[0055]
 本態様に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂は、損失弾性率と貯蔵弾性率との正接(tanθ=損失弾性率/貯蔵弾性率)が、0℃~200℃の温度範囲において0.2以下であることが好ましく、0.1~0.2の範囲内であることがより好ましく、0.15~0.2の範囲内であることがさらに好ましい。損失弾性率と貯蔵弾性率との正接(tanθ=損失弾性率/貯蔵弾性率)が上記範囲内である活性エネルギー線硬化性樹脂が用いられることにより、本態様のレンズ部をより形状の復元性に優れたものにできるからである。
[0056]
 また、本態様に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂は、平衡弾性率(160℃、1Hz)が、1.0×10 Pa以上であることが好ましく、1.0×10 Pa~6.0×10 Paの範囲内であることがより好ましく、2.0×10 Pa~4.0×10 Paの範囲内であることがより好ましい。本態様に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂の平衡弾性率(160℃、1Hz)が上記範囲内であることにより、本態様のレンズ部を、さらに形状の復元性に優れたものにできるからである。
[0057]
 ここで、上記損失弾性率と貯蔵弾性率との正接(tanθ=損失弾性率/貯蔵弾性率)および、平衡弾性率(160℃、1Hz)は、動的粘弾性測定によって測定することができるものである。なお、本態様における上記(tanθ=損失弾性率/貯蔵弾性率)および、平衡弾性率(160℃、1Hz)は、それぞれ以下の測定方法によって測定した値を用いるものとする。
 すなわち、上記tanθは、動的粘弾性測定装置を用いて、1Hzの振動を与えながら0℃~200℃まで、3℃/minで昇温した際に、tanθが極大値を示すときのtanθ温度を意味するものとする。また、同評価において160℃での貯蔵弾性率の値を平衡弾性率とする。
[0058]
 また、本態様に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂は、弾性変形率が25℃において、40%以上であることが好ましく、なかでも40%~70%の範囲内であることが好ましく、さらに45%~55%の範囲内であることが好ましい。本態様に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂の弾性変形率が上記範囲内であることにより、本態様のレンズ部を、さらに形状の復元性に優れたものにできるからである。
[0059]
 なお、本態様における上記弾性変形率は、次のような測定方法によって測定した値を用いるものとする。
 すなわち、15cm×15cmのガラス基板上に塗膜の厚みが約150μmになるように、活性エネルギー線硬化性樹脂を塗布し、約780mJ/cm で当該活性エネルギー線硬化性樹脂に紫外線を照射した。これを弾性変形率評価用サンプルとした。評価は圧子としてMK320を用い、微小硬度計(装置名:フィッシャースコープH-100 フィッシャーインスツルメンツ社製)を用いて塗膜の物性評価を行った。評価温度範囲は30~60℃とし、評価プログラムは300mN(20秒)→クリープ1(60秒)→0.4mN(4秒)→クリープ2(60秒)(合計144秒)とした。なお、このときの測定条件は次の通りとした。
   測定器:HU-100(株式会社 フィッシャーインストルメンツ)
   解析ソフト:WIN-HCU(株式会社 フィッシャーインストルメンツ)
   弾性変形率:弾性変形の仕事量/全体(弾性変形の仕事量+塑性変形の仕事量)
   クリープ変形率1:最大荷重でのクリープ変形率300mN
   クリープ変形率2:最小荷重でのクリープ変形率0.4mN
 このような方法で評価した結果から、各温度における弾性変形率、クリープ変形率、クリープ変形率2、最大押し込み深さ(μm)および試験後の押し込みを解析ソフトより算出した。
[0060]
 さらに、本態様に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂は、上記クリープ1におけるクリープ変形率1が0~30%の範囲内であることが好ましく、なかでも0~20%の範囲内であることが好ましく、さらに0~15%の範囲内であることが好ましい。
また、上記クリープ2におけるクリープ変形率2が35~100%の範囲内であることが好ましく、なかでも40~100%の範囲内であることが好ましく、さらに50~100%の範囲内であることが好ましい。
[0061]
 このような活性エネルギー線硬化性樹脂としては、光を照射することによって硬化する光硬化性樹脂と、電子線を照射することによって硬化する電子線硬化性樹脂とを挙げることができるが、本発明においては活性エネルギー線の照射装置を簡略する観点から、光硬化性樹脂が用いられることが好ましい。
[0062]
 本発明に用いられる光硬化性樹脂としては、所定の波長の光を照射することによって硬化できるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられる光硬化性樹脂は、硬化される光の波長が200~600nmの範囲内であることが好ましく、250~500nmの範囲内であることがより好ましく、280~440nmの範囲内であることがさらに好ましい。
[0063]
 このような光硬化性樹脂としては、例えば、反応性プレポリマーとモノマー成分を適宜混合したものを用いることができる。反応性プレポリマーとしては、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートが挙げられ、モノマー成分としては、例えば単官能モノマーとしてN-ビニルピロリドン、N-ビニルカブロラクトン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、スチレン等のビニルモノマー、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、バラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシボリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、オルトフェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、および(メタ)アクリルアミド誘導体が挙げられ、多官能モノマー成分としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオベンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオベンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールブロバントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリルトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、およびジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
[0064]
(その他)
 本態様のレンズ部には、上記活性エネルギー線硬化型樹脂以外の他の添加剤が含まれていてもよい。本態様に用いられる他の添加剤としては、本態様のレンズ部が用いられたシート状光学部材の用途等に応じて、レンズ部に所望の機能を付与できるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本態様に好適に用いられる他の添加剤としては、例えば、シリコーン、酸化防止剤、重合禁止剤、離型剤、帯電防止剤、紫外線安定剤、消泡剤、溶剤、非反応性アクリル樹脂、非反応性ウレタン樹脂、非反応性ポリエステル樹脂、顔料、染料、拡散剤等を挙げることができる。
[0065]
(2)第2態様のレンズ部
 次に、本発明に用いられる第2態様のレンズ部について説明する。本態様のレンズ部は、少なくとも使用される活性エネルギー線硬化性樹脂の、損失弾性率と貯蔵弾性率との正接(tanθ=損失弾性率/貯蔵弾性率)が0℃~200℃の温度範囲において0.2以下であることを特徴とするものである。
(以下、本態様のレンズ部を備えるシート状光学部材を、「第2態様のシート状光学部材」と称する場合がある。)
[0066]
 本態様のレンズ部は、少なくとも使用される活性エネルギー線硬化性樹脂の、損失弾性率と貯蔵弾性率との正接(tanθ=損失弾性率/貯蔵弾性率)が、0℃~200℃の温度範囲において0.2以下であるものであることを特徴とするものであるが、本態様のレンズ部において上記tanθを上記温度範囲内において0.2以下するのは、上記tanθが上記範囲よりも大きいと、本態様のレンズ部の弾性率が低くなりすぎてしまい、十分な形状の復元性を付与することができないからである。
 本態様に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂の上記tanθは、0℃~200℃の温度範囲において0.2以下であれば特に限定されるものではないが、なかでも0.1~0.2の範囲内であることがより好ましく、特に0.15~0.2の範囲内であることがさらに好ましい。
[0067]
 また、本態様に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂は、平衡弾性率(160℃、1Hz)が、1.0×10 Pa以上であることが好ましく、1.0×10 Pa~6.0×10 Paの範囲内であることがより好ましく、2.0×10 Pa~4.0×10 Paの範囲内であることがさらに好ましい。
本態様に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂の平衡弾性率(160℃、1Hz)が上記範囲内であることにより、本態様のレンズ部を、さらに形状の復元性に優れたものにできるからである。
[0068]
 なお、本態様における上記tanθおよび平衡弾性率(160℃、1Hz)の測定方法については、上記「(1)第1態様のレンズ部」の項において説明した方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
[0069]
 ここで、上記以外の本態様に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂に関する事項については、上記「(1)第1態様のレンズ」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
[0070]
 また、本態様のレンズ部は、剛体振り子法によって測定される最大対数減衰率ΔEが、0.4以下であることが好ましく、なかでも0.1~0.4の範囲内であることが好ましく、特に0.2~0.3の範囲内であることが好ましい。上記最大対数減衰率ΔEが上記範囲内であることにより、本態様のレンズ部を、より形状の復元性に優れたものにできるからである。
[0071]
 なお、本態様における上記最大対数減衰率ΔEの測定方法については、上記「(1)第1態様のレンズ部」の項に記載した方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
[0072]
 ここで、本態様のレンズ部は、上述した以外の事項については第1態様のレンズ部と共通するものである。したがって、上述した以外の本態様のレンズ部に関する事項については、上記「(1)第1態様のレンズ部」の項において説明した事項と同様であるため、ここでの説明は省略する。
[0073]
(3)第3態様のレンズ部
 次に、本発明に用いられる第3態様のレンズ部について説明する。本態様のレンズ部は、少なくとも使用される活性エネルギー線硬化性樹脂の弾性変形率が25℃において40%以上であることを特徴とするものである。
(以下、本態様のレンズ部を備えるシート状光学部材を、「第3態様のシート状光学部材」と称する場合がある。)
[0074]
 本態様のレンズ部は、少なくとも使用される活性エネルギー線硬化性樹脂の、弾性変形率が25℃において40%以上であることを特徴とするものである。本態様のレンズ部において弾性変形率を上記範囲に規定するのは、弾性変形率が上記範囲よりも小さいと本態様のレンズ部の弾性率が低くなりすぎてしまい、上記レンズ部に十分な形状の復元性を付与することができないからである。本態様に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂の上記弾性変形率は、上記範囲内であれば特に限定されるものではないが、なかでも40%~70%の範囲内であることがより好ましく、特に45%~55%の範囲内であることがさらに好ましい。
[0075]
 ここで、上記以外の本態様に用いられる活性エネルギー線硬化性樹脂に関する事項については、上記「(1)第1態様のレンズ」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
[0076]
 また、本態様のレンズ部は、剛体振り子法によって測定される最大対数減衰率ΔEが0.4以下であることが好ましく、なかでも0.1~0.4の範囲内であることが好ましく、特に0.2~0.3の範囲内であることが好ましい。上記最大対数減衰率ΔEが上記範囲内であることにより、本態様のレンズ部を、より形状の復元性に優れたものにできるからである。
[0077]
 なお、本態様における上記最大対数減衰率ΔEの測定方法については、上記「(1)第1態様のレンズ部」の項に記載した方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
[0078]
 ここで、本態様のレンズ部は、上述した以外の事項については第1態様のレンズ部と共通するものである。したがって、上述した以外の本態様のレンズ部に関する事項については、上記「(1)第1態様のレンズ部」の項において説明した事項と同様であるため、ここでの説明は省略する。
[0079]
2.基材
 次に、本発明のシート状光学部材に用いられる基材について説明する。本発明に用いられる基材は、上述したレンズ部を支持するものである。
[0080]
 本発明に用いられる基材としては、所望の光透過性を備えるものであれば特に限定されるものではなく、一般的にシート状光学部材に用いられるものを使用することができる。このような基材としては、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂、ポリエステル樹脂、COP樹脂やCOC樹脂などの環状オレフィン共重合体等からなるものを例示することができる。
[0081]
 また、本発明に用いられる基材は、必要に応じて帯電防止処理や、反射防止処理等が施されたものであってもよい。
 なお、上記帯電防止処理および反射防止処理については、一般的に公知の方法を用いることができるため、ここでの説明は省略する。
[0082]
3.任意の構成
 本発明のシート状光学部材は、少なくとも上記レンズ部と基材とを有するものであるが、必要に応じて他の任意の構成が用いられてもよい。本発明に用いられる任意の構成としては、本発明のシート状光学部材の用途等に応じて、所望の機能を有するものを適宜選択して用いることができる。このような任意の構成としては、例えば、上記基材と上記レンズ部との間に形成され、上記レンズ部と上記基材との密着性を向上させる接着層、上記基材の上記レンズ部が形成された面とは反対面上に形成されるマットコート層、および、帯電防止層や離型層等を挙げることができる。
 ここで、本発明に用いられるマットコート層については、例えば、特願平9-104554号公報、特願平9-192464号公報等に記載されたような、一般的に公知のものを用いることができる。
[0083]
4.シート状光学部材の用途
 本発明のシート状光学部部材は、例えば、プロジェクションテレビ等の投影スクリーンに用いられるフレネルレンズシートやレンチキュラーシート、液晶表示装置等のバックライトに用いられるプリズムシート等を挙げることができる。本発明のシート状光学部材はこれらのいずれにおいても好適に用いることができるが、なかでも液晶表示装置用バックライトのプリズムシートとして好適に用いることができる。
[0084]
5.シート状光学部材の製造方法
 本発明のシート状光学部材は特に限定されるものではなく、上記活性エネルギー線硬化性樹脂として、レンズ部に所望の物性を付与できるものを用いること以外は、光学シートを製造する方法として一般的に公知の方法を用いることができる。ここで、一般的な光学シートの製造方法としては、バッチ生産方式と連続生産方式とが知られているが、以下、本発明のシート状光学部材を製造する方法の一例として、バッチ生産方式を用いた方法の例を説明する。
[0085]
 まず、上記バッチ生産方式によって本発明のシート状光学部材を製造する方法について図を参照しながら説明する。図2は、本発明のシート状光学部材の製造方法の一例を示す概略図である。図2に例示するように、本発明のシート状光学部材は、例えば、所望の単位プリズムパターンを形成したレンズ型4を用意し、(図2(a))、当該レンズ型4に上述した活性エネルギー線硬化性樹脂を含むレンズ部形成用組成物2’を注入展開する注入工程と(図2(b))、上記レンズ部形成用組成物2’が注入されたレンズ型4上に、基材1を密着させる基材密着工程と(図2(c))、上記基材1側から上記レンズ部形成用組成物2’に活性エネルギー線を照射することによって、上記レンズ部形成用組成物2’を硬化させる硬化工程(図2(d)と、上記レンズ型4を剥離するレンズ型剥離工程(図2(e)を用いる方法を挙げることができる。
[0086]
 ここで、このような方法に用いられるレンズ型としては、アルミニウム、黄銅、鋼等の金属型、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ABS樹脂、フッ素樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等の合成樹脂型、および、これらの型にめっき処理を施したものや、各種金属粉を混合させたもの等を挙げることができる。
[0087]
 また、上記硬化工程において活性エネルギー線を照射する光源としては、例えば、化学反応用ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、可視項ハロゲンランプ等を挙げることができる。
[0088]
B.光学シート及び光学シート用樹脂組成物
 次に、本発明の光学シート及び光学シート用樹脂組成物について説明する。
[0089]
 先ず、光学シートについて説明する。図3は、本発明の光学シートの一例を示す模式的な斜視図である。本発明の光学シート10は、図3に示すように、透明基材12と、その透明基材12の一方の面S1に形成された多数の単位プリズム14からなるレンズ部16と有している。
[0090]
 (透明基材)
 透明基材12は、光学シート10の主要な構成部材であり、後で詳述するレンズ部16の基材として作用すると共に、光源からの光の多くをレンズ部16側に透過するように作用する。透明基材12は、樹脂材料からなる光透過性の基材であればよく、特に基材単体での透過率が85%以上のものが好ましく用いられる。なお、ここでいう透過率とは、株式会社村上色彩技術研究所製の光線透過率計(型式:HM-150)により測定した値である。透明基材12の厚さは特に限定されないが、通常、ロール巻き可能な50~500μmの範囲内である。
[0091]
 透明基材12としては、透明基材12としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等の熱可塑性樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等のオリゴマー及び/又は(メタ)アクリレート系のモノマー等からなる電離放射線硬化性樹脂を紫外線又は電子線等の電磁放射線で硬化させた樹脂、等で構成された透明性基材を好ましく挙げることができる。
[0092]
 透明基材12は、押出しにより、又は後述の光拡散層18とともに共押出しにより作製されることが好ましい。なお、透明基材12はそれ以外の方法で作製されたものであってもよい。押出しで作製された透明基材12又はその他の方法で作製された透明基材12は、通常、延伸処理される。この延伸処理は、二軸延伸処理でも一軸延伸処理でもよいが、通常、二軸延伸処理が好ましく適用される。
[0093]
 (レンズ部)
 レンズ部16は、透明基材12の一方の面S1に設けられ、図3に示すように、三角柱形状を呈する単位プリズム14をその稜線が平行になるように多数配列させてなるプリズム群である。レンズ部16を有する光学シート10は、1枚構成で用いることもできるが、2方向(上下方向、左右方向)の光拡散角を制御するためには、レンズ部16を有する2枚の光学シート10をその稜線が直交するように積層してもよい。この場合レンズ面の向きは、2枚とも同じ向きにするのが、光の透過性が高く最も良好であるが、レンズ部16側が対向して向き合うように構成してもよい。なお、レンズ部16のレンズ頂部から平面部までの厚さは、通常、20~1000μm程度である。
[0094]
 本発明では、そのレンズ部16が、単位プリズム14の頂部に40℃の環境下で26kg/cm の荷重を24時間印加した後における全光線透過率と、その荷重を印加する前における全光線透過率との差が10%以内となっている。全光線透過率の測定は、後述の実施例で測定したように、光線透過率計を用いて測定することができる。
[0095]
 レンズ部16に荷重を印加する前後の全光線透過率の差が上記範囲内であることにより、光学シート10をその生産時に幅広で長尺のシートとしてロール巻きした場合であっても、単位プリズム14の頂部がロールの自重によってつぶれ、そのつぶれた状態がそのまま残ってしまうことがないという効果を奏する。さらに、そのレンズ部16と後述する面光源装置が有する導光板32とが接した場合であっても、工程内等で加わる熱により単位プリズム14の頂部がつぶれ、そのつぶれた状態がそのまま残ってしまうこともない。さらに、レンズ部16と面光源装置の導光板32とが接して単位プリズム14の頂部に欠けが生じてしまうということもない。したがって、上記特徴を有するレンズ部16を有する光学シート10によれば、いわゆる「山つぶれ」等の問題がレンズ部16に生じないので、例えば表示装置の表示面に白点(白模様)等の表示ムラを生じさせることがなく、安定で良好な表示性能を与える光学シートを提供できる。なお、より好ましくは、レンズ部16に荷重を印加する前後の全光線透過率の差が5%以内である。この範囲内では、さらに長尺巻きできることができ、大きなロール巻き状態で製造できるという効果がある。
[0096]
 一方、レンズ部16に荷重を印加する前後の全光線透過率の差が10%を超える場合には、いわゆる「山つぶれ」の問題が従来と同様に残ったままとなり、例えば表示装置の表示面に白点(白模様)等の表示ムラを生じさせることになる。
[0097]
 なお、本発明においては、荷重を26kg/cm とし、レンズ部16が有する単位プリズム14の頂部側から加えている。その荷重の形態は特に限定されないが、例えば後述の実施例に示すように、直径2.5mmで重量1.276kgの荷重物を例示できる。そして、本発明においては、荷重印加時の試験環境を40℃の恒温室中で行い、その環境下で24時間荷重を印加した後の光学シートの光線透過率を測定している。
[0098]
 さらに、本発明においては、荷重を印加する前後での全光線透過率が上記範囲内であるように構成されるレンズ部16の樹脂物性を解析した結果、上記の全光線透過率差を満たすレンズ部16の樹脂物性として、剛体振り子で測定した場合のTgが80℃以上160℃以下であり、動的粘弾性測定で測定した場合のTg(1Hz)が80℃以上160℃以下であり、動的粘弾性測定で測定した場合、平衡弾性率(160℃、1Hz)が3×10 Pa以上1×10 Pa以下であることが明らかとなった。荷重を印加する前後での全光線透過率が上記範囲内となっているレンズ部16は、こうした樹脂物性を示しており、逆に、こうした樹脂物性を示すレンズ部16は、荷重を印加する前後での全光線透過率が上記範囲内となっているという関係が明らかとなった。
[0099]
 剛体振り子により測定されるTgは、物質の硬化・乾燥挙動と物性を測定できる剛体振り子型粘弾性装置で測定されたものであり、例えば後述の実施例で示す剛体振り子型物性試験器を用いて測定できる。この剛体振り子型物性試験器は、レンズ部16が有する多数の単位プリズム14の頂部上に剛体振り子が有するエッジを静置し、電磁石で振り子を引き寄せ、その後磁力を解放させることで振り子運動を生じさせ、その振り子運動下で、エッジに対し、レンズ部16(単位プリズム14の頂部)の粘弾性に起因する抵抗が作用する。この抵抗作用によって振り子の減衰や周期の変化が生じ、その変化に対する温度依存性を評価して、レンズ部16(単位プリズム14の頂部)の樹脂物性であるガラス転移温度Tgを評価できる。
[0100]
 本発明においては、剛体振り子により測定されたレンズ部16(単位プリズム14の頂部)のガラス転移温度Tgが80℃以上160℃以下の範囲内である場合に、山つぶれ等の問題を解決できることが明らかとなり、一方、そのTgが80℃未満では、山つぶれ等の問題が残ることがあった。また、ここではTgの上限を160℃としているが、この値は、通常使用される光学シート用樹脂組成物からなる硬化物の上限を便宜的に設定したものであり、上記の山つぶれ等の観点のみに着目すれば、その値はさらに高い値、例えば180℃程度でも構わない。
[0101]
 動的粘弾性測定で測定されるTgは、例えば後述の実施例で示す動的粘弾性測定装置で測定されたものである。この動的粘弾性測定装置では、弾性に相当する貯蔵弾性率(E’)、粘性に相当する損失弾性率(E”)、E”とE’の比であって振動吸収性を反映する損失正接(tanδ)の温度依存性や周波数依存性等を測定することができ、その測定結果により、レンズ部16(単位プリズム14の頂部)を構成する樹脂硬化物の分子内構造に起因するガラス転移温度Tgや平衡弾性率等を評価できる。本発明では引っ張り正弦波、周波数1Hzにて測定し、損失正接(tanδ)の極大値を示す温度をガラス転移温度(Tg)とし、160℃における貯蔵弾性率(E’)を平衡弾性率とした。
[0102]
 本発明においては、動的粘弾性測定で測定されたレンズ部16(単位プリズム14の頂部)のガラス転移温度Tg(1Hz)が80℃以上160℃以下の範囲内である場合に、山つぶれ等の問題を解決できることが明らかとなり、一方、そのTg(1Hz)が80℃未満では、山つぶれ等の問題が残ることがあった。また、ここではTg(1Hz)の上限を160℃としているが、この値は、通常使用される光学シート用樹脂組成物からなる硬化物の上限を便宜的に設定したものであり、上記の山つぶれ等の観点のみに着目すれば、その値はさらに高い値、例えば180℃程度でも構わない。なお、この動的粘弾性測定で測定したTgと上記の剛体振り子で測定されたTgとはほぼ同じ結果を示す。
[0103]
 動的粘弾性測定で測定された平衡弾性率(160℃、1Hz)は上記の貯蔵弾性率(E’)に相当するものであり、上記のガラス転移温度Tgと同時に測定できる。本発明においては、その値が3×10 Pa以上1×10 Pa以下の範囲内である場合に、山つぶれ等の問題を解決できることが明らかとなり、一方、その平衡弾性率(160℃、1Hz)が3×10 未満では、山つぶれ等の問題が残ることがあった。
[0104]
 レンズ部16は、硬化物が上記の樹脂物性を奏するように従来公知の化合物を配合した光学シート用樹脂組成物で形成されたものである。そうした光学シート用樹脂組成物としては、各種のものを例示でき、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、又は、(メタ)アクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルの共重合体(なお、ここ処で、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルペンテン等熱可塑性樹脂、或いは、紫外線又は電子線等の活性エネルギー線で架橋した、多官能のウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート、不飽和ポリエステル等の透明樹脂が用いられる。
[0105]
 中でも、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、単官能モノマー、多官能モノマー、光開始剤等で構成される活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。特に、ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレートと、トリレンジイソシアネート及び/又はキシリレンジイソシアネートと式(1)に示されるジオール化合物と式(2)に示されるOH含有(メタ)アクリレートとの反応物であるウレタン(メタ)アクリレートと式(3)で示されるフェノキシエチル(メタ)アクリレート誘導体、アクリロイルモルホリン、イソボルニル(メタ)アクリレート、及びベンジル(メタ)アクリレートから選択される1種あるいは2種以上の単官能モノマーと、式(4)で示されるイソシアヌル酸(メタ)アクリレート誘導体、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ
)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートから選択される1種あるいは2種以上の多官能モノマーと、光開始剤と、からなる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。
[0106]
[化5]


[0107]
[化6]


[0108]
[化7]


[0109]
[化8]


[0110]
 前記の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の構成材料の配合割合は特に限定されないが、好ましくは、エポキシ(メタ)アクリレート:5~50重量部、ウレタン(メタ)アクリレート:5~50重量部、単官能モノマー:1~60重量部、多官能モノマー:5~30重量部、光開始剤:0.01~10重量部である。
[0111]
 本発明の樹脂組成物において、任意成分として前記の単官能モノマー、多官能モノマー以外の(メタ)アクリロイル基、ビニル基を含有する化合物(モノマー成分)を使用することができる。このようなモノマーとしては、上記「A.シート状光学部材」の項において説明した光硬化性樹脂と同じであるため、ここでの説明は省略する。
[0112]
 本発明における樹脂組成物で使用する光開始剤(光重合開始剤)としては、例えば1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-ケトン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0113]
 本発明の樹脂組成物には、前記の成分以外に必要に応じて、シリコーン、酸化防止剤、重合禁止剤、離型剤、帯電防止剤、紫外線安定剤、消泡剤、溶剤、非反応性アクリル樹脂、非反応性ウレタン樹脂、非反応性ポリエステル樹脂、顔料、染料、拡散剤等も併用することができる。
[0114]
 こうした樹脂組成物は、その樹脂組成物を硬化した後の屈折率が1.555以上であることが好ましい。屈折率が1.555以上の硬化物は、単位プリズム14を有するレンズ部16として用いる場合に好ましい。なお、屈折率の上限は特に限定されないが、コストの観点からは、1.600以下であることが好ましい。
[0115]
 レンズ部16は、上述の光学シート用樹脂組成物を用い、例えば、(1)公知の熱プレス法(特開昭56-157310号公報)、(2)紫外線硬化性の熱可塑性樹脂フィルムにロールエンボス版によって単位プリズム14の形状をエンボス加工した後に紫外線を照射してそのフィルムを硬化させる方法(特開昭61-156273号公報)、(3)単位プリズム14の形状を刻設した回転するロール凹版上に活性エネルギー線硬化型樹脂液を塗布し凹部に充填した後、樹脂液を介してロール凹版上にフィルム状の透明基材12を被覆したまま紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を照射し硬化させ、その後それらをロール凹版から離型して、ロール凹版の単位プリズム14の形状をフィルム状の透明基材12上に形成する方法(特開平3-223883号、米国特許第4576850号等)等を挙げることができる。
[0116]
 (その他の層)
 光学シート1には、光拡散機能を付与することができる。光拡散機能の付与としては、例えば図3にその一例を示したように、透明基材12の少なくとも一方の面に光拡散層18を設けたり、いわゆるマット処理を行ったりすることができる。こうした光拡散機能の付与は今までにも多くの提案がなされてきているのでここでは以下の説明にとどめ詳しくは説明しない。
[0117]
 図3に例示した光拡散層18は、好ましく設けられる任意の層であって、光を拡散させる作用があればよく、一般的な光拡散シートに形成されているものである。例えば光拡散性微粒子が透光性樹脂中に分散した層を適用できる。この光拡散層18は、透明基材12の他方の面S2に設けられていてもよいし、透明基材12の一方の面S1とレンズ部16との間(図示しない)に設けられていてもよいし、その両方に設けられていてもよい。
[0118]
 光拡散層18を構成する透光性樹脂材料としては、上記の透明基材12と同様の樹脂材料、例えばアクリル、ポリスチレン、ポリエステル、ビニル重合体等の透明な材料が用いられる。さらにその光拡散層18中には、光拡散性微粒子が均一に分散されている。光拡散性微粒子としては、一般的に光学シートに用いられる光拡散性の微粒子が用いられ、例えば、ポリメタクリル酸メチル(アクリル)系ビーズ、ポリメタクリル酸ブチル系ビーズ、ポリカーボネート系ビーズ、ポリウレタン系ビーズ、炭酸カルシウム系ビーズ、シリカ系ビーズ等が用いられる。
[0119]
 光拡散層18は種々の方法で作製できる。例えば、光拡散性微粒子を透光性バインダー樹脂に分散させた塗料を、吹付け塗装、ロールコート等で塗工して形成してもよいし、光拡散性微粒子を分散させた樹脂材料を準備し、その樹脂材料を透明基材12の押出材料とともに共押出しして形成してもよい。なお、光拡散層18の厚さは、通常、1~20μmの範囲である。
[0120]
 また、図示しないが、マット処理は、例えば透明基材12の他方の面S2上に光拡散層18を設ける代わりに、その面S2に所定の表面粗さを持たせて光拡散機能を付与したものである。その手段としては、表面を機械的に荒らす方法や、粒子を含む凹凸層を形成すること等を例示できる。
[0121]
 (面光源装置)
 図4は、本発明の光学シートを備える面光源装置の一例を示す斜視図である。図4の面光源装置30は、いわゆるエッジライト型の面光源装置であり、少なくとも1つの側端面32Aから導入された光を一方の面である光放出面32Bから出射する導光体32と、その導光体32の少なくとも前記1つの側端面32Aから内部に光を入射させる光源34と、導光体32の光放出面32Bに例えば接着層31を介して設けられ、その光放出面32Bから出射する光を透過する上記本発明に係る光学シート10とを有している。
[0122]
 導光体32は、透光性材料からなる板状体であって、図4において左側の側端面32Aから導入された光を、上側の光放出面32Bから出射するように構成されている。導光体32は、光学シート10の材料と同様の透光性材料で形成されるが、通常、アクリル又はポリカーボネート樹脂で形成される。導光体32の厚さは通常1~10mm程度であり、その厚さは全範囲で一定であってもよいし、図4に示すように、光源34側の側端面32Aの位置で最も厚く、反対方向に徐々に薄くなるテーパ形状であってもよい。この導光体32は、光を広い面(光放出面32B)から出射させるために、その内部又は表面に光散乱機能が付加されていることが好ましい。
[0123]
 光源34は、導光体32の少なくとも1つの側端面32Aから内部に光を入射させるものであり、導光体32の側端面32Aに沿って配置されている。光源34としては、図4に示すような線状の光源に限定されるものでなく、白熱電球、LED(発光ダイオード)等の点光源を側端面32Aに沿ってライン状に配置してもよい。また、小形の平面蛍光ランプを側端面32Aに沿って複数個配置するようにしてもよい。
[0124]
 導光体32の光放出面32Bには、上述した本発明に係る光学シート10が、例えば接着層31を介して設けられる。光学シート10は、そのレンズ部16の反対面が導光体32の光放出面32Bになるように設けられる。
[0125]
 光反射板36は、導光体32の光放出面32Bと反対側の面に設けられると共に、左側の側端面32A以外の側端面に設けられ、これらの面から出射する光を反射して導光体32内に戻すためのものである。光反射板36は、薄い金属板にアルミニウム等を蒸着したもの、又は、白色の発泡PET(ポリエチレンテレフタレート)等が用いられる。
[0126]
 図5は、本発明の光学シートを備える他の面光源装置の一例を示す斜視図である。この面光源装置40は、直下型の面光源装置であって、上記本発明に係る光学シート10と、光学シート10のレンズ部16側の反対面から光を照射する光源34と、光源34からみて光学シートの反対側に配置され、光源34からの光を光学シート10の方向に反射する凹面状の反射体44とを有している。
[0127]
 光源34からの光は、光学シート10側の光放出面42に向かって光学シート10を透過するものと、反射体44で反射した後に光放出面42に向かって光学シート10を透過するものがある。
[0128]
 光反射板44は、図4に示した面光源装置30と同様、薄い金属板にアルミニウム等を蒸着したもの、又は、白色の発泡PET(ポリエチレンテレフタレート)等が用いられる。光反射板44の形状は、光源34からの光を平行光線として均一に反射できるものであればよく、凹円弧状、放物面柱状、双曲線柱状、楕円柱状等の形状が選択される。
[0129]
 図6は、本発明の光学シートを備える面光源装置のさらに他の例を示す透視断面図であり、(A)は図4に示すエッジライト型の面光源装置の他の一例を示し、(B)は図5に示す直下型の面光源装置の他の一例を示している。図6(A)に示す面光源装置30’は、上記の図4の面光源装置30とは光学シート10を構成するレンズ部16の向きが異なるものであり、そのレンズ部16が、光源34から光学シート10に向かって光が出射する側、すなわち導光体32の光放出面32B側に設けられている態様であってもよい。また、図6(B)に示す面光源装置40’は、上記の図5の面光源装置40とは光学シート10を構成するレンズ部16の向きが異なるものであり、光学シート10を構成するレンズ部16が、光源34から光学シート10に向かって光が出射する側、すなわち光学シート10側の光放出面42側に設けられている態様であってもよい。
[0130]
 こうした面光源装置において、本発明の光学シート10は、その使用態様によっても、レンズ部16に設けられた単位プリズム14の頂部の山つぶれや欠けが生じないという効果を奏し、表示面に白点(白模様)等の表示ムラを生じさせることがなく、安定で良好な表示性能を与える光学シート10を提供できる。その結果、特に最近の高品位で大面積の液晶表示装置用面光源装置を構成する光学シートとして好ましく用いることができる。
[0131]
(表示装置)
 図7は、図4で示したエッジライト型の面光源装置を備えた液晶表示装置の一例を示す概略斜視図である。図7に示す液晶表示装置50は、平面状の透光性表示体である液晶パネル52と、その液晶パネル52の背面に配置され、液晶パネル52を背面から光照射するエッジライト型の面光源装置30とを備えている。この液晶表示装置50は、いわゆるバックライト型の液晶表示装置であり、液晶画面を形成する各画素を面光源装置30からの出射光によって裏側から照明するように構成されている。なお、面光源装置としては、図5や図6に示す態様の面光源装置を適用してもよい。
[0132]
 この液晶表示装置50は、本発明に係る光学シートを備えた面光源装置30を構成部材として有するので、表示面に白点(白模様)等の表示ムラを生じさせることがなく、安定で良好な表示性能を与えることができる。
[0133]
 なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

実施例

[0134]
 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様は以下の実施例に限定されるものではない。
[0135]
1.実施例1-1
(1)シート状光学部材の作製
 単位プリズムの賦形が形成されたレンズ型に、以下の表1-1に示す組成を有する樹脂1を滴下した後、ポリエチレンテレフタレート基材(PET,商品名:A4300 厚み:125μm 東洋紡績株式会社製)を重ね、ラミネーターでPET全面を上記樹脂1に圧着した。次に、780mJ/cm で、上記樹脂1に対して紫外線照射を行い、多数の単位プリズムを有するレンズ部を硬化させ、ポリエチレンテレフタレート基材と一体化させた。その後、上記レンズ型を剥離することによって、本発明のシート状光学部材を得た。
 ここで、上記単位プリズムの形状は三角形状とした。より詳しくは、ピッチ50μmで、単位プリズムの頂角が80°となる二等辺三角形状で、稜線が互いに平衡になるように複数の単位プリズムが隣接された形状とした。
[0136]
(2)評価
(動的粘弾性評価)
 厚みが125μmのPETフィルム(ルミラーT-60)上に、塗膜の厚みが、約150μmになるように、上記樹脂1を塗布し、約780mJ/cm で当該樹脂1に紫外線を照射した。その後、上記PETフィルムから樹脂1の塗膜を剥離し、これを動的粘弾性評価用サンプルとした。
[0137]
 このようなサンプルを対象に動的粘弾性評価を行った。評価は動的粘弾性測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、型番:DMS6100)を用い、引っ張り正弦波、周波数1Hz、歪み振幅0.05%、昇温速度3℃/minの条件下で測定したガラス転移温度Tg(1)、tanθの極大値、および、平衡弾性率を算出した。
[0138]
(弾性変形率評価)
 15cm×15cmのガラス基板上に厚みが約150μmとなるように、塗膜の厚みが、約150μmになるように、上記樹脂1を塗布し、約780mJ/cm で当該樹脂1に紫外線を照射した。これを微小硬度評価用サンプルとした。
[0139]
 このようなサンプルに対して弾性変形率評価を行った。評価は圧子としてMK320を用い、微小硬度計(装置名:フィッシャースコープH-100 フィッシャーインスツルメンツ社製)を用いて塗膜の物性評価を行った。評価温度範囲は30~60℃とし、評価プログラムは300mN(20秒)→クリープ1(60秒)→0.4mN(4秒)→クリープ2(60秒)(合計144秒)とした。なお、このときの測定条件は次の通りとした。
   測定器:HU-100(株式会社 フィッシャーインストルメンツ)
   解析ソフト:WIN-HCU(株式会社 フィッシャーインストルメンツ)
   弾性変形率:弾性変形の仕事量/全体(弾性変形の仕事量+塑性変形の仕事量)
   クリープ変形率1:最大荷重でのクリープ変形率300mN
   クリープ変形率2:最小荷重でのクリープ変形率0.4mN
 このような方法で評価した結果から、各温度における弾性変形率、クリープ変形率、クリープ変形率2、最大押し込み深さ(μm)および試験後の押し込み深さ(μm)を算出した。
[0140]
(対数減衰率評価)
 上記の方法によって作製したシート状光学部材を、剛体振り子物性試験機(型番:RPT-3000W 株式会社エー・アンド・デイ社製)を用いて、30℃~150℃の温度範囲で評価を行った。得られた耐水減衰率の極大温度をTg(2)とし、そのときの対数減衰率をΔEとした。
[0141]
(鉛筆硬度評価)
 上記の方法によって作製したシート状光学部材のレンズ部の鉛筆硬度を評価した。評価は、鉛筆引掻き硬度試験機(NB型 東洋精機社製)を用い、レンズ部の単位プリズムを垂直方向に引掻くようにして行った。このとき、鉛筆硬度試験はBから4Hまで行い、試験後、試験部位をマイクロスコープで観察することにより、単位プリズムの形状を確認した。形状が保たれていない一番硬い鉛筆硬度をその鉛筆硬度試験の結果とした。なお、鉛筆硬度試験は荷重500gを加えた状態で実施した。
[0142]
(テーパー試験)
 プリズム形状をしたサンプルを所定の大きさの円盤状に作成し、テーパー試験機(ABRASER Taber530 東洋精機社製)にセットした。その後、荷重を250g加えた状態で10回回転させ、目視およびマイクロスコープでプリズム形状の状態を観察した。
[0143]
 以上の評価結果を、表1-2に示す。
[0144]
2.実施例1-2
 樹脂1の変わりに、以下の表1-1に示す組成を有する樹脂2を用いたこと以外は、実施例1-1と同様の方法によってシート状光学部材を作製した。また、樹脂2および作製したシート状光学部材について実施例1-1と同様の方法によって評価した。
 その結果を、以下の表1-2に示す。
[0145]
3.実施例1-3
 樹脂1の変わりに、以下の表1-1に示す組成を有する樹脂3を用いたこと以外は、実施例1-1と同様の方法によってシート状光学部材を作製した。また、樹脂3および作製したシート状光学部材について実施例1-1と同様の方法によって評価した。
 その結果を、以下の表1-2に示す。
[0146]
[表1-1]


[0147]
[表1-2]


[0148]
4.比較例1-1
 樹脂1の変わりに、以下の表1-3に示す組成を有する樹脂4を用いたこと以外は、実施例1-1と同様の方法によってシート状光学部材を作製した。また、樹脂4および作製したシート状光学部材について実施例1-1と同様の方法によって評価した。
 その結果を、以下の表1-4に示す。
[0149]
5.比較例1-2
 樹脂1の変わりに、以下の表1-3に示す組成を有する樹脂5を用いたこと以外は、実施例1-1と同様の方法によってシート状光学部材を作製した。また、樹脂5および作製したシート状光学部材について実施例1-1と同様の方法によって評価した。
 その結果を、以下の表1-4に示す。
[0150]
6.比較例1-3
 樹脂1の変わりに、以下の表1-3に示す組成を有する樹脂6を用いたこと以外は、実施例1-1と同様の方法によってシート状光学部材を作製した。また、樹脂6および作製したシート状光学部材について実施例1-1と同様の方法によって評価した。
 その結果を、以下の表1-4に示す。
[0151]
[表1-3]


[0152]
[表1-4]


[0153]
7.実施例2-1
 単位プリズム14の賦形型が形成された金型に、表2-1に示すUV樹脂Aを滴下した後、ポリエチレンテレフタレート(PET、商品名:A4300、厚さ:125μm、東洋紡績株式会社製)を重ね、ラミネーターでPET全面をUV樹脂Aに圧迫した。その後、780mJ/cm で紫外線照射を行って多数の単位プリズム14を有するレンズ部16を硬化させてPETと一体化させ、次いで、金型から剥離して、実施例2-1の光学シートを得た。このとき、単位プリズム14の形状は三角形状であり、詳しくは、ピッチ50μmで、単位プリズムの断面が頂角80°の二等辺三角形で、稜線が互いに平行になるように隣接して配列された形状となるように形成した。得られた光学シートから、試験に供する5cm×5cmの測定試料を切り出し、全光線透過率の測定の供した。
[0154]
 光学シート用樹脂組成物である上記のUV樹脂Aは、表2-1に示す材料を秤量して混ぜた後、60℃に加温して均一になるまで攪拌したものであり、その粘度は1350(mPa・s/23℃)であった。また、UV樹脂Aの硬化物の屈折率は1.562であった。
[0155]
 得られた光学シートについて、荷重印加前後の全光線透過率の結果とその変化率、剛体振り子によるレンズ部のTgの結果、動的粘弾性測定によるレンズ部のTgの結果、また、動的粘弾性測定で測定されるレンズ部の平衡弾性率(160℃、1Hz)の結果について、表2-2に示した。また、鉛筆硬度の結果、外観観察結果、及び総合評価の結果についても表2-2に示した。
[0156]
8.実施例2-2
 実施例2-1において、UV樹脂Aに代えて表2-1に示すUV樹脂Bを用いた他は、実施例2-1と同様にして実施例2-2の光学シートを作製した。このとき、UV樹脂Bの粘度は1700(mPa・s/23℃)であり、また、UV樹脂Bの硬化物の屈折率は1.557であった。得られた光学シートについては、実施例2-1と同様の試験を行い、その結果を表2-2に示した。
[0157]
9.実施例2-3
 実施例2-1において、UV樹脂Aに代えて表2-1に示すUV樹脂Cを用いた他は、実施例2-1と同様にして実施例2-3の光学シートを作製した。このとき、UV樹脂Cの粘度は1380(mPa・s/23℃)であり、また、UV樹脂Cの硬化物の屈折率は1.559であった。得られた光学シートについては、実施例2-1と同様の試験を行い、その結果を表2-2に示した。
[0158]
10.実施例2-4
 実施例2-1において、UV樹脂Aに代えて表2-1に示すUV樹脂Dを用いた他は、実施例2-1と同様にして実施例2-4の光学シートを作製した。このとき、UV樹脂Dの粘度は1960(mPa・s/23℃)であり、また、UV樹脂Dの硬化物の屈折率は1.556であった。得られた光学シートについては、実施例2-1と同様の試験を行い、その結果を表2-2に示した。
[0159]
11.実施例2-5
 実施例2-1と同様であるが、光学シートの評価において、レンズ部16に荷重を印加したときの温度を25℃(実施例2-1~2-4及び比較例2-1~2-3は40℃)で行った他は、実施例2-1と同様である。
[0160]
12.実施例2-6
 実施例2-1において、UV樹脂Aに代えて出所不明のUV樹脂Eを用いた他は、実施例2-1と同様にして実施例2-6の光学シートを作製した。UV樹脂Eの組成は不明であり、表2-1にも記載できなかったが、その粘度は1570(mPa・s/23℃)であり、また、UV樹脂Eの硬化物の屈折率は1.560であった。得られた光学シートについては、実施例2-1と同様の試験を行い、その結果を表2-2に示した。
[0161]
13.比較例2-1
 実施例2-1において、UV樹脂Aに代えて表2-1に示すUV樹脂Fを用いた他は、実施例2-1と同様にして比較例2-1の光学シートを作製した。このとき、UV樹脂Fの粘度は2400(mPa・s/23℃)であり、また、UV樹脂Fの硬化物の屈折率は1.560であった。得られた光学シートについては、実施例2-1と同様の試験を行い、その結果を表2-2に示した。
[0162]
14.比較例2-2
 実施例2-1において、UV樹脂Aに代えて出所不明のUV樹脂Gを用いた他は、実施例2-1と同様にして比較例2-2の光学シートを作製した。UV樹脂Gの組成は不明であり、表2-1にも記載できなかったが、その粘度は1750(mPa・s/23℃)であり、また、UV樹脂Gの硬化物の屈折率は1.563であった。得られた光学シートについては、実施例2-1と同様の試験を行い、その結果を表2-2に示した。
[0163]
15.比較例2-3
 実施例2-1において、UV樹脂Aに代えて出所不明のUV樹脂Hを用いた他は、実施例2-1と同様にして比較例2-3の光学シートを作製した。UV樹脂Hの組成は不明であり、表2-1にも記載できなかったが、その粘度は1160(mPa・s/23℃)であり、また、UV樹脂Hの硬化物の屈折率は1.562であった。得られた光学シートについては、実施例2-1と同様の試験を行い、その結果を表2-2に示した。
[0164]
[規則26に基づく差替え 18.04.2008]
[表2-1]


[0165]
[規則26に基づく差替え 18.04.2008]
[表2-2]


[0166]
 表2-1中、「エポキシエステル3000A」(共栄社化学社製)は、ビスフェノールAエポキシアクリレート構造を有するエポキシアクリレートであり、「アートレジン IK-2」(根上工業社製)は、トリレンジイソシアネートとビスフェノールAテトラプロポキシジオールと2-ヒドロキシエチルアクリレートとを反応させたウレタンアクリレートのフェノキシエチルアクリレート30%cut品であり、「ライトアクリレート PO-A」(共栄社化学社製)は、フェノキシエチルアクリレート構造を有する単官能モノマーであり、「ACMO」(興人社製)は、アクリロイルモルホリン構造を有する単官能モノマーであり、「ライトアクリレート BP-10EA」(共栄社化学社製)は、ビスフェノールAジアクリレート(エチレンオキサイド10モル変性)構造を有する2官能モノマーであり、「ライトアクリレート DCP-A」(共栄社化学社製)は、ジシクロペンタニルアクリレート構造を有する2官能モノマーであり、「アロニックスM-315」(東亞合成社製)は、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート構造を有する多官能モノマーであり、「KAYARAD DPHA」(日本化薬社製)は、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート構造を有する多官能モノマーであり、「IRGACURE184」(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)は、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン構造を有する光開始剤である。
[0167]
 (測定及び評価)
 (1)全光線透過率:得られた光学シートの全光線透過率は、ヘイズメーター(NDH2000、日本電色工業株式会社)を用い、JIS K 7361-1及びJIS K 7105に準じた方法で測定した。まず、作製した5cm×5cmの測定試料を用い、レンズ部のプリズム面が上になるように5枚載置した後、定荷重圧縮試験器(株式会社東洋精機製作所)で40℃の環境下、そのプリズム面に26kg/cm の荷重(荷重物:直径2.5mmで重さ1.276kgのステンレス鋼材)を24時間印加し、「山つぶれ」のテストを行った。全光線透過率の測定は、実施例2-1~2-6及び比較例2-1~2-3において、荷重を印加する前の測定試料と、荷重を印加した後の測定試料とで行い、測定試料の裏面(すなわち単位プリズムが形成されていない側の面)から光をあて、透過光について測定した。なお、実施例2-5は、温度を25℃(実施例2-1~2-4,2-6及び比較例2-1~2-3は40℃)で行った結果である。その結果は表2-1に示すとおりであり、また、荷重印加前後における全光線透過率の差(%)も併せて示した。
[0168]
 (2)ガラス転移温度Tg:表2-1中、Tg(1)は剛体振り子物性試験器(株式会社エー・アンド・デイ社製、型番:RPT-3000W)により、温度25℃/湿度40%の条件下で測定したガラス転移温度Tgであり、Tg(2)は動的粘弾性測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、型番:DMS6100)で、引っ張り正弦波、周波数1Hz、歪み振幅0.05%、昇温速度3℃/min.の条件下で測定したガラス転移温度Tgである。その結果は表2-1に示すとおりである。
[0169]
 (3)平衡弾性率:平衡弾性率は、動的粘弾性測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、型番:DMS6100)で、引っ張り正弦波、周波数1Hz、歪み振幅0.05%、昇温速度3℃/min.の条件下で測定した160℃における貯蔵弾性率(E’)の値である。その結果は表2-1に示すとおりである。
[0170]
 (4)鉛筆硬度:鉛筆硬度は、JIS K5600-5-4に準じ、鉛筆引掻塗膜硬さ試験機(東洋精機株式会社製、型番:NP)を用い、4Bから4Hまでで行い、目視外観で傷がつき始めた時の硬度を鉛筆硬度とした。その結果は表2-1に示すとおりである。
[0171]
 (5)外観測定:得られた光学シートの外観は、目視で評価した。表2-2中の「○」は、荷重印加後においても荷重印加前と同様の外観を呈している場合の評価であり、表2-2中の「△」は、荷重印加後において、やや白みがかった状態の変化した外観を呈し、マイクロスコープでわずかな山つぶれが観察される場合の評価であり、表2-2中の「×」は、荷重印加後においても明らかな白点ないし白模様が生じた外観を呈している場合の評価である。その結果は表2-1に示すとおりである。
[0172]
 (6)総合評価:総合評価は上述した評価結果に基づいた評価であるが、主に、外観評価と鉛筆硬度を主要観点として評価した。「A」は全く問題がない光学シートであり、「B」は製品レベルで十分に出荷可能な光学シートであり、「C」は「B」よりは劣るが製品レベルで出荷可能な光学シートであり、「D」と「E」は、製品レベルにない光学シートである。その結果は表2-1に示すとおりである。
[0173]
 (結果)
 表2-2の結果より、本発明に係る実施例2-1~2-6の光学シートは、山つぶれによる問題も生じなかったが、比較例2-1~2-3の光学シートは、山つぶれによる問題が生じた。さらに、実施例2-6と比較例2-2,2-3は、出所不明のUV樹脂を用いて光学シートを作製したものであるが、この結果によれば、光学シートとして適当な樹脂組成物を選定する場合に、所定の荷重を印加する前後の全光線透過率の差や外観等を評価する評価手法を用いれば、山つぶれの問題を生じない光学シート用樹脂組成物を極めて容易に選定ないし選別し、又は開発した樹脂組成物の評価を行うことができるという格別の効果があり、光学シート用樹脂組成物の評価手法としても工業上格別の意義がある。

請求の範囲

[1]
 基材と、前記基材上に形成され、活性エネルギー線硬化性樹脂からなり、複数の単位プリズムを備えるレンズ部と、を有するシート状光学部材であって、
 前記レンズ部の剛体振り子法によって測定される最大対数減衰率ΔEが、0.4以下であることを特徴とする、シート状光学部材。
[2]
 前記レンズ部の剛体振り子法によって測定される対数減衰率の極大温度が60℃以上であることを特徴とする、請求の範囲第1項に記載のシート状光学部材。
[3]
 基材と、前記基材上に形成され、活性エネルギー線硬化性樹脂からなり、複数の単位プリズムを備えるレンズ部と、を有するシート状光学部材であって、
 前記活性エネルギー線硬化性樹脂の損失弾性率と貯蔵弾性率との正接(tanθ=損失弾性率/貯蔵弾性率)が、0℃~200℃の温度範囲において0.2以下であることを特徴とする、シート状光学部材。
[4]
 前記活性エネルギー線硬化性樹脂の平衡弾性率(160℃、1Hz)が1.0×10 Pa以上であることを特徴とする、請求の範囲第3項に記載のシート状光学部材。
[5]
 基材と、前記基材上に形成され、活性エネルギー線硬化性樹脂からなり、複数の単位プリズムを備えるレンズ部と、を有するシート状光学部材であって、
 前記活性エネルギー線硬化性樹脂の弾性変形率が25℃において40%以上であることを特徴とする、シート状光学部材。
[6]
 前記レンズ部の屈折率が1.5以上であることを特徴とする、請求の範囲第1項から請求の範囲第5項までのいずれかの請求の範囲に記載のシート状光学部材。
[7]
 透明基材上に、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物で形成された多数の単位プリズムからなるレンズ部を有する光学シートにおいて、前記レンズ部は、前記単位プリズムの頂部に40℃の環境下で26kg/cm の荷重を24時間印加した後における全光線透過率と、前記荷重を印加する前における全光線透過率との差が10%以内となることを特徴とする光学シート。
[8]
 剛体振り子で測定される前記レンズ部のTgが80℃以上160℃以下であり、動的粘弾性測定で測定される前記レンズ部のTg(1Hz)が80℃以上160℃以下であり、動的粘弾性測定で測定される前記レンズ部の平衡弾性率(160℃、1Hz)が3×10 Pa以上1×10 Pa以下である、請求の範囲第7項に記載の光学シート。
[9]
 前記レンズ部の屈折率が1.555以上1.600以下である、請求の範囲第7項または請求の範囲第8項に記載の光学シート。
[10]
 光学シートが備える多数の単位プリズムからなるレンズ部を形成するための光学シート用樹脂組成物であって、当該樹脂組成物の硬化物は、40℃の環境下で26kg/cm の荷重を24時間印加した後の全光線透過率と、前記荷重を印加する前における全光線透過率との差が10%以内となることを特徴とする光学シート用樹脂組成物。
[11]
 前記樹脂組成物の硬化後の屈折率が1.555以上1.600以下である、請求の範囲第10項に記載の光学シート用樹脂組成物。
[12]
 前記樹脂組成物は、ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレートと、トリレンジイソシアネート及び/又はキシリレンジイソシアネートと式(1)に示されるジオール化合物と式(2)に示されるOH含有(メタ)アクリレートとの反応物であるウレタン(メタ)アクリレートと、式(3)で示されるフェノキシエチル(メタ)アクリレート誘導体、アクリロイルモルホリン、イソボルニル(メタ)アクリレート、及びベンジル(メタ)アクリレートから選択される1種又は2種以上の単官能モノマーと、式(4)で示されるイソシアヌル酸(メタ)アクリレート誘導体、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートから選択される1種あるいは2種以上の多官能モノマーと、光開始剤と、を有する、請求の範囲第10項または第11項に記載の光学シート用樹脂組成物。
[化1]


[化2]


[化3]


[化4]


[13]
 透明基材上に多数の単位プリズムからなるレンズ部を有する光学シートの製造方法であって、請求の範囲第9項又は第10項に記載の光学シート用樹脂組成物を賦形型に塗布した後に活性エネルギー線を照射して前記レンズ部を形成するレンズ部形成工程を少なくとも有することを特徴とする光学シートの製造方法。
[14]
 前記レンズ部形成工程により形成されるレンズ部は、剛体振り子で測定されるTgが80℃以上160℃以下であり、動的粘弾性測定で測定されるTg(1Hz)が80℃以上160℃以下であり、動的粘弾性測定で測定される平衡弾性率(160℃、1Hz)が3×10 Pa以上1×10 Pa以下である、請求の範囲第13項に記載の光学シートの製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]