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1. WO2008117834 - 分娩監視装置

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明 細 書

発明の名称 分娩監視装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010  

発明の開示

発明が解決しようとする課題

0011  

課題を解決するための手段

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023  

発明の効果

0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031  

図面の簡単な説明

0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071  

実施例

0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081  

産業上の利用可能性

0082  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

明 細 書

分娩監視装置

技術分野

[0001]
 本発明は、動物母体の分娩開始を、動物母体から離れた場所で待機する者へ通知する分娩監視装置に関するものである。

背景技術

[0002]
 家畜の分娩の際には飼育者や獣医師が立ち会ったり、妊婦の分娩の際には医師や助産師が立ち会ったりして、胎子を安全に娩出するための万全の態勢がとられる。特に、乳牛、肉牛、豚などの大型家畜の分娩時の不慮の事故は、生産性の低下を招き、畜産農家に経済損失を生じさせる。中でも、乳牛は、高泌乳化への改良に伴い、母子ともに大型化しているため、初産時に難産となり易く、分娩前後の適切な助産が求められる。
[0003]
 人工授精させることが多い乳牛や肉牛及び交尾させる馬や豚等の家畜、又は妊婦の大凡の分娩日を、動物種毎の平均的な妊娠期間から、予測できる。
[0004]
 しかし経産・未経産の相違、又は栄養状態等に起因して妊娠期間の変動幅が大きいので、正確な分娩日時を予測できない。自然交配させる肉牛、緬羊、山羊では交尾した日すら正確に分からない。そこで、妊娠黄体の退行に伴う体温の低下を検査したり、直腸に手を入れて胎子の頭部や四肢が産道に近付くのを検査したり、乳房の腫大、外陰部の充血や腫張、頚管粘液の分泌、骨盤靭帯の弛緩、尾力の低下などを目視で観察したりして、分娩予兆を把握しなければならない。それの多大な労力のわりに、分娩予兆を確実に確認するのは、困難である。
[0005]
 しかも分娩日を予測したり分娩予兆を確認したりすることができたとしても、予測日前から分娩開始を見守る必要がある。とりわけ家畜の場合、分娩予測日の数日前から、分娩開始を監視しなければならない。このような家畜の傍に絶えず付き添うのは事実上不可能である。
[0006]
 そこで、例えば分娩を遠隔監視する装置が用いられる。このような装置として、特許文献1に、ビデオカメラとモニターによる遠隔監視の分娩兆候検出装置が開示されている。飼育者等がこの装置で監視し続けなければならないのは、非効率的である。しかも家畜の生産性向上のために多数飼育するようになってきたので、多頭の分娩時期が重なった時に遠隔監視では飼育者が夫々の分娩兆候を、長時間、十分に観察できない恐れがある。
[0007]
 また、特許文献2に、分娩予定日の数日前に家畜の膣へ挿入された送信機が陣痛の進行に伴い体外へ放出されたときにその状態変化を検知して飼育者に通報するという分娩監視装置が、開示されている。陣痛が微弱過ぎたり中断したりすると、送信機が放出されない結果、分娩開始の通報が行われないので、適切な分娩介助ができず難産になって母体や胎子が危険となる恐れがある。さらに、送信機を消毒して膣へ挿入しなければならず面倒なうえ、挿入の際に家畜母体や胎子が傷ついたり、送信機へ通じるリード線から病原菌が膣内感染したりする危険がある。
[0008]
 本発明者は、陣痛が始まった分娩開始直前に、その外陰部が開くことを見出し、特許文献3の通り、向かい合う外陰部の一方に取り付けられる電磁誘導発振器と、他方に取り付けられる電磁誘導受信器との間隔距離が、平時の両外陰部の状態で誘導起電の可能な距離、分娩予兆時の両外陰部の開き状態で誘導起電の不能な距離に調整され、通信装置で分娩予兆を通知する分娩監視装置について特許出願している。
[0009]
 このような分娩監視装置は、フェライトコアに導線を巻き付けたコイルのような電磁誘導発振器と電磁誘導受信器とを外陰部に、また重くて大きな通信装置を背中等に、取り付けるため、それを行う飼育者等に煩雑で面倒な手間を強いるうえ、動物母体への負担が大きい。しかも図15に示すように、電磁誘導発振器67が電磁誘導を起こすために動物母体の背中に背負った回路ボックス70内の電源へ接続された長いカールコード69や、電磁誘導受信器68が回路ボックス70内の送信回路へ繋がる長いカールコード66を必要とする煩雑なものである。その動物母体が立位し横臥し又は運動したり、尾を振ったりする際にこれらのカールコード66・69が尾に引っ掛けられて引っ張られ、電磁誘導発振器67や電磁誘導受信器68が、脱落してしまう恐れがある。さらに電磁誘導発振器67と電磁誘導受信器68と背負った回路ボックス70とをカールコード66・69で繋ぐために小型化に限界があった。
[0010]
特許文献1 : 特開2002-153162号公報
特許文献2 : 特開2003-310647号公報
特許文献3 : 特開2006-204755号公報

発明の開示

発明が解決しようとする課題

[0011]
 本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、動物母体や胎子にとって安全で、しかも小型で軽く、装着時や装着後の負担が小さく、簡便に装着でき、その後、分娩時まで装着されたまま脱落せず、遠隔地からでも正確、確実に分娩開始を知ることができ、簡易で非侵襲的な分娩監視装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0012]
 前記の目的を達成するためになされた特許請求の範囲の請求項1に記載の分娩監視装置は、分娩開始時に平時よりも開大する動物母体の向かい合う外陰部の一方側又は上部に取り付けられる磁束又は電磁波の発生器と、該外陰部の同側、他方側又は上部で該発生器から離して取り付けられており該発生器から発生する該磁束を検知し又は該電磁波で電磁誘導される起電を検知するセンサーと、該センサーに接続しその検知量を検出する検出回路とを備え、該検知量に応じ該発生器と該センサーとの距離が該動物母体の該平時でのその距離よりも離れていることを弁別する弁別回路が、該検出回路に有線又は無線で繋がり、該弁別に応じ該弁別回路から出される分娩開始信号を通知する通信装置及び/又は警報装置を備えており、該センサーと、該検出回路とが、該動物母体の尾に絡まない長さのコードを介して接続され、又は一体化していることを特徴とする。
[0013]
 請求項2に記載の分娩監視装置は、請求項1に記載されたもので、該発生器と該センサーとの距離が、平時の両外陰部の状態で該検知の可能な距離、該分娩開始時の両外陰部の開大状態で該検知の不能な距離に調整されており、該弁別回路が該不能を弁別することを特徴とする。
[0014]
 請求項3に記載の分娩監視装置は、請求項1に記載されたもので、該発生器と該センサーとの距離に応じた該検知量を該検出回路が検出することを特徴とする。
[0015]
 請求項4に記載の分娩監視装置は、請求項3に記載されたもので、該検知量のデータを該無線により該弁別回路へ発信する送信器を、有していることを特徴とする。
[0016]
 請求項5に記載の分娩監視装置は、請求項1に記載されたもので、該磁束の発生器と該センサーとが、磁石とそれの該磁束を検知する磁気センサーとであり、又は、該電磁波の発生器と該センサーとが、電磁誘導発振器と電磁誘導受信器とであることを特徴とする。
[0017]
 請求項6に記載の分娩監視装置は、請求項5に記載されたもので、該磁石が、永久磁石又は電磁石であることを特徴とする。
[0018]
 請求項7に記載の分娩監視装置は、請求項5に記載されたもので、該磁気センサーが、可飽和コイルを該磁束の検出素子とすることを特徴とする。
[0019]
 請求項8に記載の分娩監視装置は、請求項1に記載されたもので、該通信装置が無線通信装置であることを特徴とする。
[0020]
 請求項9に記載の分娩監視装置は、請求項1に記載されたもので、複数の該動物母体毎に、該発生器と該センサーとが、取り付けられていることを特徴とする。
[0021]
 請求項10に記載の分娩監視装置は、請求項9に記載されたもので、該動物母体毎の該センサーに夫々接続している該検出回路が、異なる周波数及び/又は識別データと共に該検知量のデータを送信する該無線により該弁別回路へ、繋がっていることを特徴とする。
[0022]
 請求項11に記載の分娩監視装置は、請求項9に記載されたもので、該動物母体毎の該検出回路に夫々接続している該弁別回路が、異なる周波数及び/又は識別データと共に該分娩開始信号を送信する無線により該通信装置及び/又は警報装置へ、繋がっていることを特徴とする。
[0023]
 請求項12に記載の分娩監視方法は、分娩開始時に開大する動物母体の向かい合う外陰部の一方側又は上部に磁束又は電磁波の発生器を取り付け、該外陰部の同側、他方側又は上部に該発生器から離して該磁束又は電磁波で作動するセンサーを取り付け、該センサーに接続し又は一体化している通信装置及び/又は警報装置を、該動物母体の尾根と肛門の間、又は肛門脇の臀部の窪みに取り付けて、該発生器と該センサーとの距離を測定し、分娩以前の平時での該距離よりも伸びたときに、分娩開始を通知することを特徴とする。

発明の効果

[0024]
 本発明の分娩監視装置によれば、動物母体の外陰部に、小さくて軽い磁石や電磁誘導発振器等の発生器とそれの磁束や電磁波を検知するセンサーとを、簡便に装着できる。しかも、この装置自体が小型で軽量であるため、装着の際や装着後に、動物母体に負担や苦痛や拘束を強いず、動物母体も胎子も傷つけない。
[0025]
 このセンサーに、それの検知回路が動物母体の尾に絡まない程度の短くて直結しているコードで接続されたり、一体化されたりしているので、動物母体の尾を振ったり、脚を動かして激しく運動したりしても、尾や脚がコードに引っ掛かったり引っ張られたりすることによる脱落がないから、分娩開始の見落としの恐れがない。さらに、検知の不能を弁別する回路や、その回路に接続された通信装置・警報装置が、無線により、動物母体から離れた管理棟などに設置されていると、動物母体に取り付ける機材を少なくして小型化できる。
[0026]
 磁束発生器特に磁石と、高感度でそれの磁束を検出する素子である可飽和コイルの磁気センサーとを取り付けるものであったり、電磁誘導発振器と、高感度でその電磁波で電磁誘導される起電を検知する電磁誘導受信器とを取り付けるものであったりすると、小型でも、正確に感度良く動作し、誤作動を生じない。特に発振器と受信器とにより1mm単位で、また磁束発生器と磁気センサーとにより1mm単位で、正確に動物母体の外陰部の開大を監視することができる。
[0027]
 さらにこの装置を取り付ける際、獣医師等の資格が要求されず、飼育者等がこの装置を使用する毎に殺菌消毒しなくて済む。この装置は、小型で軽量であり、簡易な構成であるので、生産性が高く、安価である。そのため、多頭の動物母体の分娩監視を、低コストで確実に行うことができる。
[0028]
 この分娩監視装置によれば、多頭の動物母体の分娩の監視を、管理棟内の1台の通信装置等に集約して、簡便に行うことができる。
[0029]
 また、この分娩監視装置によれば、分娩直前の動物母体がいる畜舎から離れた管理棟で、飼育者等が待機したり仮眠したりしている場合でも、分娩開始の通報のトリガーとすることができる。そして、分娩が開始したことを知った飼育者等は、動物母体に駆けつけて、分娩に立会い、又は適切な介助を行って、産まれてくる新生子と母体の生命を救う適切な処理ができる。さらに、異常分娩の場合には、速やかに獣医師の治療を受けることを可能にする。本発明の分娩監視装置は、巡回やビデオによる監視作業の必要がなく、飼育者等の労働時間軽減を図ることができ、さらに分娩事故の防止を図ることができ、家畜生産のコスト削減及び生産性の向上に資することができる。
[0030]
 この分娩監視装置は、互換性があり、哺乳類の外陰部に、また鳥類や爬虫類の総排泄腔に、このセンサーを装着することにより、大小の哺乳類の出産、鳥類や爬虫類の産卵等広範囲の動物に対して、用いることができる。
[0031]
 本発明の分娩監視方法によれば、簡便かつ正確に、飼育者等が分娩開始を知ることができる。

図面の簡単な説明

[0032]
[図1] 本発明を適用する分娩監視装置の一実施形態を示すブロック回路図である。
[図2] 本発明を適用する分娩監視装置に設けられる磁気検出回路の一実施形態を示すブロック回路図である。
[図3] 本発明を適用する分娩監視装置に設けられる通信装置の一実施形態を示すブロック回路図である。
[図4] 本発明を適用する分娩監視装置を雌乳牛に取り付けた実施形態での平時及び分娩時の状態を示す図である。
[図5] 本発明を適用する分娩監視装置を雌乳牛に取り付けた別な実施形態での平時の状態を示す図である。
[図6] 本発明を適用する分娩監視装置を雌乳牛に取り付けた別な実施形態を示す概要図である。
[図7] 本発明を適用する分娩監視装置を雌乳牛に取り付けた別な実施形態を示す概要図である。
[図8] 本発明を適用する分娩監視装置を雌乳牛に取り付けた別な実施形態を示す概要図である。
[図9] 本発明を適用する別な分娩監視装置に用いられるもので電磁誘導発振器と電磁誘導受信器とを有する回路のブロック図である。
[図10] 本発明を適用する分娩監視装置に設けられる別な通信装置の一実施形態を示すブロック回路図である。
[図11] 本発明を適用する分娩監視装置を雌乳牛に取り付けた別な実施形態を示す概要図である。
[図12] 本発明を適用する分娩監視装置を雌乳牛に取り付けた別な実施形態を示す概要図である。
[図13] 本発明を適用する分娩監視装置を分娩間近の雌牛に取り付けたときの分娩前後での磁石・磁気センサー間距離を経時的に示す概要図である。
[図14] 本発明を適用する分娩監視装置を分娩間近の雌牛に取り付けたときの分娩前後での電磁誘導発振器・電磁誘導受信器間距離を経時的に示す概要図である。
[図15] 本発明を適用外の分娩監視装置を雌乳牛に取り付けた形態を示す概要図である。

符号の説明

[0033]
 1は磁石、1aは磁石の磁束、2は磁気センサー、3(a)・3(b)・3(c)・4(a)・4(b)・4(c)は距離測定箇所、5・6は外陰部、7・7a~7dは動物母体、8は胎胞、10・10a~10dは回路ボックス、11はコード、12はパルス発生器、13は抵抗、14は検波回路、14aはダイオード、14bはコンデンサ、14cは抵抗、15はリップル電圧平滑フィルタ回路、15aは抵抗、15bはコンデンサ、16は磁気検出回路、17はフィルタ、18はタイマー、19は無線送信回路、20は送信アンテナ、31は通信装置、32は受信アンテナ、33は無線受信回路、34は設定値比較回路、35は持続時間比較回路、36は弁別回路、37はネットワーク接続回路、38は警報音回路、39はスピーカー、41は受信アンテナ、42は警報装置、50・50a・50bは回路ボックス、51はローカル発振回路、52は変調回路、53はクロックパルス発生回路、54は増幅回路、55は電源、56はコード、57は電磁誘導発振器、57aは電磁波の発振域、58は電磁誘導受信器、58aは電磁波の受信域、59はコード、60は増幅回路、61は設定回路、62はフィルタ、63は送信回路、64は送信アンテナ、66はカールコード、67は電磁誘導発振器、68は電磁誘導受信器、69はカールコード、70は回路ボックスである。

発明を実施するための好ましい形態

[0034]
 以下、本発明の実施の好ましい形態を図面に従って詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
[0035]
 図1は、本発明を適用する分娩監視装置の一実施形態を示すブロック回路図である。この実施形態の分娩監視装置は、磁束の発生器である磁石1と、磁束を検知する磁気センサー2と、それの検知回路である磁気検出回路16を内蔵する回路ボックス10とを、有している。
[0036]
 磁石1は、磁極側例えばN極側を磁気センサー2に対峙させた永久磁石である。二点鎖線の1aは、磁石1の磁束の一部である。
[0037]
 磁気センサー2は、磁石1の磁束1aによるインダクタンスの変化を検知させるために、磁束の検出素子として可飽和コイルを有している。このような可飽和コイルは、パーマロイ、アモルファスのような高透磁率軟磁性材料製のコアに、ボビンを介し導線を巻いたものである。コアは磁界で容易に飽和するものである。可飽和コイルは、B-H特性が未飽和領域で良い直線性を示し飽和領域で平坦であるというものである。
[0038]
 磁気センサー2には、電源に繋がる磁気検出回路16が、コード11を介して接続されている。コード11は、非伸縮性コード又は伸縮性カールコードで、動物母体の尾に絡まない長さを有しており、その尾根と肛門の間、又は肛門脇の臀部の窪みに、回路ボックス10を配し、弛まない程度に緊張させて這わせるものである。さらに磁気検出回路16には、フィルタ17、タイマー18、及び無線送信回路19を経て送信アンテナ20が接続されている。送信アンテナ20は、例えば回路ボックス10の外面に印刷され、又は回路ボックス10から導出されている。フィルタ17は、排尿等による一時的な信号電流を除去するためのものである。タイマー18は、一定時間毎に磁束の検知信号を無線送信回路19で送信させるものである。なお磁気センサー2と回路ボックス10とが一体化してコードレス化していてもよい。
[0039]
 磁気検出回路16の回路図を、図2に示す。磁気検出回路16は、パルス電圧を発生させてコアを励磁させるために、パルス発生回路を有するパルス発生器12を、有している。パルス発生器12は、磁気センサー2に接続されている。磁気検出回路16は、さらに、磁気センサー2のインダクタンス変化に応じたパルス電圧を発生する抵抗13、ダイオード14aとコンデンサ14bと抵抗14cとで構成される検波回路14、抵抗15aとコンデンサ15bとで構成され検波回路14のリップル電圧を平滑するフィルタ回路15からなり直流電圧を取り出す検波整流回路を、有している。
[0040]
 図3には、図1の分娩監視装置の無線送信回路19により送信された検知信号を、受信し、検知の不能に応じて出される分娩開始信号により、警報を発し、又は分娩開始信号をネットワークに乗せるための通信装置31が示されている。この通信装置31は、受信アンテナ32、無線受信回路33、それが受信した検知信号による磁束強度又はそれから算出される磁石1・磁気センサー2間距離と予め設定されたそれらの閾値との設定値比較回路34及び閾値を超え続けた時間と設定された持続時間との比較回路35である弁別回路36、ネットワーク接続回路37、警報音回路38、及びスピーカー39からなる。ネットワーク接続回路37はインターネットや携帯電話に接続するための信号制御回路である。
[0041]
 回路ボックス10は、磁気検出回路16とリアルタイム又は間欠に出力信号を送信する無線送信回路19とを有し、通信装置31に、無線受信回路33と、フィルタと、設定値比較回路34と、持続時間比較回路35とを有していてもよい。比較回路は、例えば比較すべき2値をアナログ又はデジタルに変換して大小を比較演算し、出力するものである。
[0042]
 この分娩監視装置は、図4に示すように、分娩間近の動物母体7例えば雌乳牛に取り付けられる。例えば直径数mmで長さ数cm例えば14~22mm程度の磁石1が、動物母体7の一方の外陰部5に接着され、磁石1に対峙して磁気センサー2がもう一方の外陰部6に接着される。磁気センサー2にコード11で直結した一辺数mm~数cmの小さな略直方体例えば、小型のボタン型電池を内蔵した30mm四方で厚さ8mmの10g程度の回路ボックス10が、外陰部6の近傍の臀部、又は尾振りに影響されない尾と外陰部との間の肛門脇で臀部の凹部に接着される。
[0043]
 このとき磁石1と磁気センサー2とは、以下のように調整され、距離センサーとして機能する。
[0044]
 平時、即ち分娩期に至る前における立位を示す図4(A)のように、両外陰部5と6とが閉じた状態で、磁石1からの磁束1a(図1参照)を磁気センサー2が検知できるように調整されている。即ち、図2に示すようにパルス発生器12による高周波励磁で、磁気センサー2中のパーマロイ等のコアを飽和させておくと、外部磁界が加わったとき、コア内部の磁束密度の変化量が、外部磁界に直線的に比例して変化する。コアに巻かれたコイルは、励磁と同時にそのインダクタンスの変化を取り出すのに用いられる。コイルのインダクタンスは、単位時間当たりの磁束の変化に比例するから、外部磁界に比例して変化する。図1に示すように、コアの励磁方向と、磁石1による外部磁界の方向とが同じであると、インダクタンスが増大する。なお、コアの励磁方向と、磁石1による外部磁界の方向とが逆であると、インダクタンスが減少する。このインダクタンスの増大を磁気センサー2が検知できるように、磁石1と磁気センサー2との距離を、調整しておく。
[0045]
 一方、図4(C)のように、陣痛が始まり、その後分娩開始に近づくにつれ、特異的に、外陰部5・6が左右、上下、前後に開大し、各外陰部5と6が伸び、または両外陰部5・6の距離が延びる。胎胞8が現れ始めた分娩開始時の両外陰部5と6の開大状態では、磁石1からの磁束1aを磁気センサー2が検知できないように、調整しておく。又は、磁石1・磁気センサー2間距離が開大時での規定距離を超えるときに相当する磁束1aの強度を閾値とし、それを検知できなくなるように、調整しておく。
[0046]
 妊娠日が確認できた動物では、分娩予定日の数日前に、また、妊娠日が確認できない動物では、経験的に外見上あるいは行動的に分娩が予測される分娩兆候時(例えば外陰部が腫脹する、乳汁が乳頭から滲む、食欲が減退する等)に、分娩監視装置を取り付けるのが適当である。
[0047]
 図1に示す分娩監視装置で、電源から電力供給を受けてパルス発生器12が、パルス電圧を発生させる。すると、パルス電圧は、磁気センサー2に供給され磁気センサー2のコアを容易に十分に飽和させる。
[0048]
 図4(A)の平時の立位においては、外陰部5及び6は完全に閉じている。外陰部5・6の外縁の上部距離測定箇所3(a)・4(a)間、中央距離測定箇所3(b)・4(b)間、下部距離測定箇所3(c)・4(c)間を、夫々4cmとする。閉じている両外陰部5と6との3(a)・4(a)間距離に対応する磁石1と磁気センサー2との間隔距離が近いので、図1のように磁気センサー2のコアの励磁方向と磁石1による外部磁界の磁束1aの方向とが、同じ方向を向きつつ接近している。その結果、磁気センサー2のコイルのインダクタンスが増大しており、それに相対したパルス電圧が発生する。図2のように検波回路14で抵抗13の両端に発生するパルス電圧のピーク値を包絡線検波する。検波回路14の出力信号は、リップル電圧を含んでいるので、それの平滑フィルタ回路15により平滑化する。磁石1や磁気センサー2が、排尿によって離れ、又は別な雌牛の首輪や鼻環の金属具に接触して、一時的に磁束1aが乱れ、コイル電流値が異常に増減するときには、フィルタ17によりそのような異常動作信号を除去する。タイマーで一定時間毎、例えば15秒毎に、その出力信号が、無線送信回路19を経て送信アンテナ20から送信される。図3のようにその出力信号が、受信アンテナ32で受信され、設定値比較回路34で、その出力信号が閾値未満であると判別され、又は持続時間比較回路35で、その閾値以上の出力信号が所定の持続時間、例えば60秒未満しか持続していないと判別されると、分娩開始前であると判定する。そして分娩開始前であるという信号が、ネットワーク接続回路37から送信される。
[0049]
 また、図4(B)の平時の横臥位においては、外陰部5及び6は僅かに開いている。例えば外陰部の上部距離測定箇所3(a)・4(a)間、中央距離測定箇所3(b)・4(b)間、下部距離測定箇所3(c)・4(c)間は夫々8cm,10cm,6cmとなる。このときも、図4(A)の場合と同様に、分娩開始前であるという信号が送信されている。
[0050]
 図4(C)に示す分娩開始時には、両外陰部5及び6が開いている。外陰部の上部距離測定箇所3(a)・4(a)間、中央距離測定箇所3(b)・4(b)間、下部距離測定箇所3(c)・4(c)間は夫々16cm,16cm,6cmである。開いた両外陰部5と6との3(a)・4(a)間距離に対応する磁石1と磁気センサー2との間隔距離が、平時よりも離れる。そのときの出力信号が、図3の設定値比較回路34で、閾値以上である場合に平時での距離以上の間隔距離に相当すると判断され、さらに、持続時間比較回路35で、その閾値以上の出力信号が所定の持続時間、例えば60秒以上持続したと判別されると、分娩開始を示す信号が、ネットワーク接続回路37から送信される。
[0051]
 図3に示す通信装置31は、例えば牧場管理棟に設置されており、分娩開始を示す信号が、ネットワーク接続回路37を通じてインターネットや携帯電話で所定のところに知らされる。又は、警報音回路38、及びスピーカー39から、分娩直前であるという音声が流される。その知らせによって飼育者等が分娩中の動物母体7へ駆けつけることができる。
[0052]
 なお、外陰部6の外縁の上部距離測定箇所4(a)・4(b)間の距離は、図4(A)の平時の立位で約2cmのとき、図4(B)の平時の横臥位では約3cmとなる。図4(C)の分娩開始時では、外陰部5・6が開くのに合わせて上部距離測定箇所4(a)・4(b)間の距離は、平時よりも遥かに長く約10cmに伸びる。そこで、この特異的な伸びを検出するために、図5に示すように、片方の外陰部6の外縁の上寄りに、磁石1と磁気センサー2とを取り付けてもよい。又は、片方の外陰部に取り付けるのと同様に、外陰部5・6の上端に、磁石1と磁気センサー2とを取り付けてもよい。
[0053]
 図6に示すように、回路ボックス10からの弱出力の信号電波が、動物母体7の首輪に吊り下げられた通信装置31に送信され、そこから強出力の無線により転送信号が、牧場管理棟の受信アンテナ41を経て警報装置42やインターネットや固定電話や携帯電話に送信されてもよい。
[0054]
 回路ボックス10からの弱出力の信号電波が、動物母体7が居る畜舎内の通信装置(不図示)に送信され、そこから有線により又は強出力の無線により転送信号が、牧場管理棟の受信アンテナを経て警報装置やインターネットや固定電話や携帯電話に送信されてもよい。
[0055]
 図3のように、設定値比較回路34や持続時間比較回路35が、ネットワーク接続回路36や警報音回路37に接続した例を示したが、図1のような磁気検出回路16に接続していてもよい(不図示)。
[0056]
 また、磁石1や磁気センサー2の取り付けには、接着剤による貼り付け、医療用のステプラやクリップによる止め、縫い付け、皮下への埋め込み等がある。回路ボックス10の取り付けには、接着剤・ゼリー状粘着剤による貼り付け、ベルトによる止め等がある。磁石1と磁気センサー2とを紐で繋いでいてもよい。
[0057]
 磁気センサー2は、20~100mmの距離を検出できるものであればよく、可飽和コイルを用いたものの他、磁気抵抗素子、ホール素子、リードスイッチのような磁気センサーであってもよい。その中でも、例えば直径6mmで長さ8mm、又は縦幅6mm横幅6mmで長さ8mm程度の永久磁石1個で20~80mmの距離を検出でき、その永久磁石を2~3個で120mmの距離を検出できる可飽和コイルを用いた磁気センサーが好ましい。このような磁気センサー2は、例えば2mm×10mm、厚さ2mmのものである。
[0058]
 回路ボックス10の回路はIC(集積回路)化することで一層小型化できる。例えば、小型電池を内蔵するもので、縦横30mm四方で高さ8mmで10g程度のものである。
[0059]
 本発明の別な実施の形態は、図7に示すように、1頭の動物母体7に付されている磁石1及び磁気センサー2に接続されている回路ボックス10と、管理棟内の通信装置31とが、無線で繋がっているというものである。図1のような回路ボックス10から、リアルタイムに、出力信号が無線送信回路19により送信アンテナから送信され、図3に示すように受信アンテナ32で受信され、設定値比較回路34と持続時間比較回路35との弁別回路36で分娩開始を示す信号が、ネットワーク接続回路37から送信される。
[0060]
 本発明の別な実施の形態は、図8に示すように、多頭の動物母体7a~7dに夫々前記と同様に付されている回路ボックス10a~10dと、管理棟内の通信装置31とが、無線で繋がっているというものである。図1と同様に回路ボックス10aから、リアルタイムに、出力信号が無線送信回路19により送信アンテナから送信され、図3に示すように受信アンテナ32で受信され、設定値比較回路34と持続時間比較回路35との弁別回路36で分娩開始を示す信号が、ネットワーク接続回路37から送信される。別な回路ボックス10b~10dからも、同様に出力信号が送信される。回路ボックス10a~10dから送信される出力信号は、夫々別々な周波数で、送信されることにより、どの動物母体7a~7dからの出力信号であるかが識別される。
[0061]
 多頭の動物母体7a~7dの回路ボックス10a~10dから、別々な周波数で出力信号を送信する例を示したが、同一周波数で送信してもよい。その場合、同一周波数での出力信号の衝突制御を行うと共に、どの動物母体7a~7dからの出力信号であるかを識別するために、識別コードと共に出力信号を送信してもよく、送受信を双方向送受信により互いに制御してもよく、パルスデレイにより出力間隔を調整して制御してもよく、変調コードで制御してもよい。
[0062]
 本発明の別な実施の形態は、動物母体7の外陰部へ、図9に示すように電磁誘導発振器57と電磁誘導受信器58とを装着しておいて分娩開始を監視し、分娩開始時にそれを通報するというものである。
[0063]
 この電磁誘導発振器57、電磁誘導受信器58は、ブロック回路図を示す図9のとおり、回路ボックス50内の回路に繋がっている。これが、図10のような通信装置31に、無線で繋がっている。
[0064]
 電磁誘導発振器57は電磁誘導のための発振コイルであり、鎖線の57aが電磁波の発振域である。電磁誘導受信器58は電磁誘導発振器57から発振された発振電磁波を検知して交流を生ずる受信コイルであり、鎖線の58aが電磁波の受信域である。発振コイル57には、電源55に繋がるローカル発振回路51、クロックパルス発生回路53に繋がる変調回路52、及び増幅回路54が接続されている。電磁誘導受信器58には、電源55に繋がる増幅回路60、弁別回路として作動する設定回路61、フィルタ62、及び送信回路63を経て送信アンテナ64が接続されている。送信アンテナ64は回路ボックス50の外面に印刷されている。フィルタ62は、排尿などによる一時的な信号電流を除去するフィルタ回路である。
[0065]
 分娩予定日の数日前に、外見上又は行動的に分娩が予測される分娩兆候時に、動物母体7の尾根と肛門の間、又は肛門脇の臀部の窪みへ、図11(a)に示すように、回路ボックスを接着剤で貼り付ける。回路ボックス50に牛の場合に、前記同様に尾や脚に絡まない程度の5~10cmの短い非伸縮性コード56で直接繋がる電磁誘導発振器57は一方の外陰部5に接着され、同じく非伸縮性コード59で直接繋がる電磁誘導受信器58は、もう一方の外陰部6に、電磁誘導発振器57と対向するように接着される。
[0066]
 このとき電磁誘導発振器57と電磁誘導受信器58とは、その間隔距離が各出力電力及び受信感度との関連で以下のように調整されて、距離センサーとして機能する。図11(a)のように分娩開始前の平時における両外陰部5と6とが閉じた状態で、電磁波の発振域57aと電磁波の受信域58a(図9参照)とが重なり合うように電磁誘導発振器57と電磁誘導受信器58との距離を調整する。このとき電磁誘導発振器57から発振された発振電磁波を電磁誘導受信器58が検知できる。また、分娩直前時の両外陰部5と6の開大状態(不図示)で、発振電磁波を電磁誘導受信器58が検知する感度が明瞭に落ちて、電磁波の発振域57aと電磁波の受信域58aとが離れるように電磁誘導発振器57と電磁誘導受信器58との距離を調整する。このとき、電磁誘導発振器57からの発振電磁波を電磁誘導受信器58が検知できなくなる。それを設定回路61で検知すると、フィルタ62で不要な信号が除去され、分娩開始の信号電波が、送信回路63によりアンテナ64から発信される。それが、図10に示す受信アンテナ32を経て、無線受信回路33で受信され警報音回路38、及びスピーカー39から、分娩直前であるという音声が流され、ネットワーク接続回路37を通じてインターネットや携帯電話で、飼育者等に知らされる。
[0067]
 また、図11(b)に示すように、電磁誘導発振器57と電磁誘導受信器58とを、外陰部6の上部で離して接着してもよい。コード56・59を肛門と尾根との間を這わせてもよい。
[0068]
 また、図11(c)に示すように、電磁誘導発振器57と電磁誘導受信器58とを、一方の外陰部6に接着してもよい。
[0069]
 また、図12に示すように、電磁誘導発振器57と電磁誘導受信器58とを、別々な電源回路に接続した回路ボックス50aと、50bとに接続し、夫々外陰部5と6とに接着してもよい。
[0070]
 磁石や電磁誘導発振器のような発生器は、動物母体の向かい合う外陰部の一方側に又は上部に取り付けられ、磁気センサーや電磁誘導受信器のようなセンサーは、外陰部の同側、他方側、又は上端に、発生器から数cm~10数cm離して、取り付けられていてもよい。
[0071]
 センサーで、磁束や電磁誘導の検知又はその不能を検出してもよく、それに基づく電圧等の強度を検出してもよく、それらの結果から演算回路により外陰部の距離を換算してもよい。

実施例

[0072]
 以下、図1~3に示す本発明の分娩監視装置を試作し、実際に雌乳牛の分娩の際に用いた例を示す。
[0073]
(実施例1)
 直径6mmで長さ10mmの磁石1である発磁体MG-4238E(株式会社マコメ研究所製;商品名)、幅6mm奥行き10mmで高さ2mmの磁気センサー2である高感度磁気センサーFS-4238(株式会社マコメ研究所製;商品名)を、分娩間近の雌牛の外陰部の一方の上寄りに2cm程度離して夫々取り付け、そこから100mmの接続線で繋がった幅20mm奥行き35mmで高さ8mmの回路ボックス10を、図5に示すように実装した。
[0074]
 多くの動物の胎子は、分娩時、前脚、頭部、胴体部、後脚の順で母体から出る。中でも頭部は、最も径が大きく、膣を通るのに時間がかかる。そこで、磁石1と磁気センサー2との間隔は、分娩開始時の両外陰部の開大状態での胎子の頭部の径よりも小さい数値、すなわち前脚が出始めるタイミングの片側の外陰部の開大距離に、設定しておく。
[0075]
 発明者は、多くの動物の分娩に立ちあい、新生子の頭部の大きさを測定している。その平均的測定値から、動物園展示用や家畜用の大動物(牛、馬)は12cm前後、中動物(豚、緬羊、山羊)は5~7cm前後、小動物(兎、ミンク、ラット)は1~2cm、ペットや実験用動物(犬、猫、ウサギ、モルモット、サル、ミニ豚)は大小様々であるが概ね3~5cm程度が、夫々適当であると想定した。
[0076]
 その想定をもとに、分娩予定日の2日前に磁石1と磁気センサー2との間の距離を、片側の外陰部の距離が上記の値から予測した外陰部が平時の2倍、即ち4cmになったときに検知不能となるよう設定し、分娩動物の片側の外陰部に磁石1と磁気センサー2とを取り付けた。
[0077]
 そのときの、回路ボックス10から送信された出力信号から算出した磁石と磁気センサーとの距離と、時刻との関係を図13に示す。そして警報の通報を待って分娩場所に10分程度で到着したところ、胎胞8が出現しており、ほどなく破水して胎子の前脚が動物母体7から出始めており、丁度良いタイミングで適切な分娩介助を行うことができた。時間的な無駄もなかった。
[0078]
 勿論、妊娠動物の個々の性癖、あるいは分娩の難易、体型等によって、磁石1と磁気センサー2との間隔距離を上記以外に設定することは任意である。
[0079]
 また、図5のように外陰部の片方の上部の外縁にのみ磁石1と磁気センサー2とを取り付けた例を示したが、図4のように両外陰部に磁石1と磁気センサー2を取り付けてもよい。その場合、分娩開始時に前脚が出始め分娩開始信号を通知すべき磁石1と磁気センサー2との距離は、平時でのそれらの距離の約2~3倍程度である。
[0080]
 以下に、磁石1と磁気センサー2とを有する分娩監視装置の代わりに、図9のような電磁誘導発振器57と電磁誘導受信器58とを有する分娩監視装置を用いた例を示す。
[0081]
(実施例2)
 電磁誘導発振器57及び電磁誘導受信器58を、磁性コア(2mm×10mm、厚さ2mm)に巻いたコイルとし、分娩間近の雌牛の外陰部の左右に夫々取り付けた。電磁誘導発振器57及び電磁誘導受信器58とによる信号強度を計測した。磁気結合の結合係数の変化により信号の大きさが変化するのを、電磁誘導発振器57及び電磁誘導受信器58との間の距離にして換算した。その結果を図14に示す。警報の通報を待って分娩場所に10分程度で到着したところ、胎胞8が出現しており、ほどなく破水して胎子の前脚が動物母体7から出始めており、丁度良いタイミングで適切な分娩介助を行うことができた。時間的な無駄もなかった。

産業上の利用可能性

[0082]
 本発明の分娩監視装置は、家畜用や動物園展示用や実験用やペット用の大動物や中動物や小動物の哺乳類の分娩を遠隔場所で監視する際に、用いられる。さらに、ヒトの分娩監視にも利用でき、哺乳類だけではなく、動物園展示用や絶滅危惧種の爬虫類・鳥類の産卵にも利用できる。

請求の範囲

[1]
 分娩開始時に平時よりも開大する動物母体の向かい合う外陰部の一方側又は上部に取り付けられる磁束又は電磁波の発生器と、該外陰部の同側、他方側又は上部で該発生器から離して取り付けられており該発生器から発生する該磁束を検知し又は該電磁波で電磁誘導される起電を検知するセンサーと、該センサーに接続しその検知量を検出する検出回路とを備え、該検知量に応じ該発生器と該センサーとの距離が該動物母体の該平時でのその距離よりも離れていることを弁別する弁別回路が、該検出回路に有線又は無線で繋がり、該弁別に応じ該弁別回路から出される分娩開始信号を通知する通信装置及び/又は警報装置を備えており、該センサーと、該検出回路とが、該動物母体の尾に絡まない長さのコードを介して接続され、又は一体化していることを特徴とする分娩監視装置。
[2]
 該発生器と該センサーとの距離が、平時の両外陰部の状態で該検知の可能な距離、該分娩開始時の両外陰部の開大状態で該検知の不能な距離に調整されており、該弁別回路が該不能を弁別することを特徴とする請求項1に記載の分娩監視装置。
[3]
 該発生器と該センサーとの距離に応じた該検知量を該検出回路が検出することを特徴とする請求項1に記載の分娩監視装置。
[4]
 該検知量のデータを該無線により該弁別回路へ発信する送信器を、有していることを特徴とする請求項3に記載の分娩監視装置。
[5]
 該磁束の発生器と該センサーとが、磁石とそれの該磁束を検知する磁気センサーとであり、又は、該電磁波の発生器と該センサーとが、電磁誘導発振器と電磁誘導受信器とであることを特徴とする請求項1に記載の分娩監視装置。
[6]
 該磁石が、永久磁石又は電磁石であることを特徴とする請求項5に記載の分娩監視装置。
[7]
 該磁気センサーが、可飽和コイルを該磁束の検出素子とすることを特徴とする請求項5に記載の分娩監視装置。
[8]
 該通信装置が無線通信装置であることを特徴とする請求項1に記載の分娩監視装置。
[9]
 複数の該動物母体毎に、該発生器と該センサーとが、取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の分娩監視装置。
[10]
 該動物母体毎の該センサーに夫々接続している該検出回路が、異なる周波数及び/又は識別データと共に該検知量のデータを送信する該無線により該弁別回路へ、繋がっていることを特徴とする請求項9に記載の分娩監視装置。
[11]
 該動物母体毎の該検出回路に夫々接続している該弁別回路が、異なる周波数及び/又は識別データと共に該分娩開始信号を送信する無線により該通信装置及び/又は警報装置へ、繋がっていることを特徴とする請求項9に記載の分娩監視装置。
[12]
 分娩開始時に開大する動物母体の向かい合う外陰部の一方側又は上部に磁束又は電磁波の発生器を取り付け、該外陰部の同側、他方側又は上部に該発生器から離して該磁束又は電磁波で作動するセンサーを取り付け、該センサーに接続し又は一体化している通信装置及び/又は警報装置を、該動物母体の尾根と肛門の間、又は肛門脇の臀部の窪みに取り付けて、該発生器と該センサーとの距離を測定し、分娩以前の平時での該距離よりも伸びたときに、分娩開始を通知することを特徴とする分娩監視方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]