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1. (WO2008117754) 吸収性物品、及び、吸収性物品の製造方法
Document

明 細 書

発明の名称 吸収性物品、及び、吸収性物品の製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

発明の開示

0004   0005   0006   0007  

図面の簡単な説明

0008   0009  

発明を実施するための最良の形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020  (R91)   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  (R91)  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

明 細 書

吸収性物品、及び、吸収性物品の製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、吸収性物品、及び、吸収性物品の製造方法に関する。特に、集積された吸収性繊維と高吸収性樹脂とを有する吸収体素材、を備える吸収性物品、及び、当該吸収性物品の製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 従来、経血などの所定の液体を吸収するための吸収性物品として、集積された吸収性繊維と高吸収性樹脂とを有する吸収体素材、を備えた吸収性物品が知られている。吸収性物品の中には、吸収体素材内において高吸収性樹脂が平面状に略一様に分布しているものがある。こうした吸収性物品が液体を吸収すると、高吸収性樹脂が当該液体を保持した際に膨潤し、高吸収性樹脂同士が結合し合うことがある。このような高吸収性樹脂の結合が、吸収性物品内に吸収された液体の移動を妨害する結果、吸収性物品の吸収力を低下させてしまうことがある。
[0003]
 このような問題を解決するために、例えば、吸収体素材中において、高吸収性樹脂が存在する領域を点在させ、当該領域に高吸収性樹脂を密集させることが考えられる。このような構成の吸収体素材が備えられていれば、吸収性物品に吸収された液体が、前記吸収体素材中、高吸収性樹脂が密集している領域以外の領域内を移動する結果、当該液体が吸収体素材内において拡散し易くなる。この結果、吸収性物品が多量の液体を吸収した場合であっても、当該吸収性物品の吸収力が維持される(特表平9-504207号公報参照)。

発明の開示

[0004]
 しかしながら、高吸収性樹脂が密集している領域内で、吸収性繊維も密集していると、前記高吸収性樹脂が液体を保持して膨潤すると、該高吸収性樹脂の周辺にある吸収性繊維が該高吸収性樹脂によって押し出されるようになる。この結果、吸収体素材に局所的な盛り上がりが生じる。すなわち、高吸収性樹脂の膨潤に起因して吸収性物品の一部が隆起するため、当該吸収性物品を着用している者に対して異物感を与えてしまう。
[0005]
 本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、吸収性物品内において、高吸収性樹脂の膨潤に起因して発生する隆起を抑制することである。
[0006]
 上記の課題を解決するために、主たる本発明は、集積された吸収性繊維と高吸収性樹脂とを有する吸収体素材、を備える吸収性物品において、該吸収体素材は、点在する点在部を有し、該点在部における前記吸収性繊維の密集状態が該点在部の周りにおける該密集状態より疎であり、かつ、該点在部における前記高吸収性樹脂の体積占有率が該点在部の周りにおける該体積占有率より高いことを特徴とする吸収性物品である。
[0007]
 本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 図1は、吸収性物品1の構成を示す模式平面図である。
[図2] 図2は、吸収体素材12の模式平面図であり、吸収体素材12の肌面側を示している。
[図3] 図3は、点在部13の断面構造を示す図であり、図2のA-A’断面を示している。
[図4] 図4は、吸収性物品1の製造フローを示す図である。
[図5] 図5は、吸収体製造ステップS100のフロー図である。
[図6] 図6は、吸収体製造ステップS100において吸収体10が製造される工程を模式的に示した図である。
[図7] 図7は、粉砕パルプを集積して吸収体素材の基材15を形成するためのメッシュパターン48を示す図である。
[図8] 図8は、基材15に対してSAPを供給するためのパターンローラ70を説明するための図である。
[図9] 図9は、吸収体素材12の変遷を示す図である。
[図10] 図10は、第一変形例に係る吸収体製造ステップS100の様子を模式的に示した図である。
[図11] 図11は、第一変形例に係る吸収体素材12の変遷を示す図である。
[図12] 図12は、パターンローラ70の窪み70aの変形例を示す図である。
[図13] 図13は、点在部13の厚みが吸収体素材12の厚みより小さい構成を示す図である。

符号の説明

[0009]
1 吸収性物品、10 吸収体、10a 膨らみ部、10b 包囲部、
11 薄葉紙(被覆部材)、12 吸収体素材、13 点在部、
14 連続部、14a 肉厚部、14b パルプ集積層、
15 基材、15a 穴部、20 表面シート、20a 深溝部、
25 サイドシート、30 裏面シート、32 保持部、
40 サクションドラム、42 パルプ開繊装置、
44 パルプ掻き取り機構、46 パルプ供給ローラ、
48 メッシュパターン(型)、48a 凸部、48b 凹部、
50 薄葉紙供給ローラ、60 サクションコンベア(吸引台)、
62 薄葉紙屈曲部、70 パターンローラ(ローラ)、
70a 窪み、70b 窪み、71 SAP供給機構、
72 SAPフィーダ、80 吸収体カッター

発明を実施するための最良の形態

[0010]
 本明細書及び図面には、少なくとも次の事項が開示されている。
[0011]
 先ず、集積された吸収性繊維と高吸収性樹脂とを有する吸収体素材、を備える吸収性物品において、該吸収体素材は、点在する点在部を有し、該点在部における前記吸収性繊維の密集状態が該点在部の周りにおける該密集状態より疎であり、かつ、該点在部における前記高吸収性樹脂の体積占有率が該点在部の周りにおける該体積占有率より高いことを特徴とする吸収性物品。
[0012]
 かかる吸収性物品では、高吸収性樹脂が密集している領域(点在部)が点在していることにより、吸収性物品に吸収された液体は、該点在部の周りにおいて移動することになる。つまり、液体が吸収体素材内で拡散し易くなるため、吸収性物品の吸収力が維持されることになる。但し、点在部に高吸収性樹脂が密集していることは(換言すると、点在部における高吸収性樹脂の体積占有率が該点在部の周りにおける該体積占有率より高いことは)、該点在部では、高吸収性樹脂の膨潤に起因して吸収性物品に隆起が生じる可能性がより高くなっていることを意味する。
[0013]
 一方、点在部における吸収性繊維の密集状態が該点在部の周りにおける該密集状態より疎であるため、該点在部には、高吸収性樹脂の膨潤に対する空間的余裕が備わっていることになる。この空間的余裕によって、高吸収性樹脂の膨潤に起因した隆起の発生を抑制することが可能となる。つまり、点在部に高吸収性樹脂を密集させることによって前記隆起が発生する可能性が高くなるものの、当該可能性は前記点在部における吸収性繊維の密集状態をより疎にすることによって相殺されることになる。この結果、吸収性物品において、高吸収性樹脂の膨潤に起因した隆起の発生を抑制することが可能になる。
[0014]
 また、前記高吸収性樹脂が前記点在部内に分散していることとしてもよい。かかる場合、高吸収性樹脂の周りに空間的余裕がより確保されるため、前記隆起の発生を抑制する効果が向上することになる。
[0015]
 また、前記吸収体素材を被覆するための被覆部材が備えられており、前記吸収体素材と前記被覆部材とを一体化させるためのエンボス加工が、前記点在部及び該点在部の周りのうちの該点在部の周り、に相当する位置のみに施されていることとしてもよい。かかる場合、点在部内の吸収性繊維及び高吸収性樹脂が点在部外に流出することを防止することが可能になる。この結果、点在部における吸収性繊維の密集状態及び高吸収性樹脂の体積占有率を、前記隆起の発生を抑制するような状態で維持させることが可能になる。また、点在部に相当する位置にはエンボス加工が施されないため、当該エンボス加工の実施前後で、該点在部における吸収性繊維の密集状態は変化することがない。このため、点在部では吸収性繊維が高密度化することなく、前記隆起を抑制する効果がより有効に発揮されることとなる。
[0016]
 また、前記吸収性物品は、長手方向と幅方向と厚み方向とを有し、前記吸収性物品の該長手方向に沿った方向の端部、に位置する前記点在部の、該端部に対する体積占有率は、前記吸収性物品の該長手方向に沿った方向の中央部、に位置する前記点在部の、該中央部に対する体積占有率よりも高いこととしてもよい。かかる場合、前記端部には、吸湿性に優れた高吸収性樹脂が、前記中央部より多く配置されていることになる。このため、吸収性物品のうち、着用者の腹部及び臀部と当接する端部側の吸湿力は、中央部側の吸湿力よりも高くなる。このような吸収性物品であれば、より蒸れ易い前記腹部及び前記臀部の周囲から、湿気をより多く吸収させることが可能となる。この結果、着用者に蒸れに起因する不快感を与えることが抑制される。
[0017]
 さらに、集積された吸収性繊維と高吸収性樹脂とからなる吸収体素材を有し、該吸収体素材に点在部を備える吸収性物品の製造方法において、底部と、該底部における前記点在部に相当する位置に設けられた凸部とを有する型に前記吸収性繊維を集積させることにより、前記点在部に相当する位置に穴部を有する前記吸収体素材の基材を取得する第1のステップと、前記基材から前記吸収体素材を得るために、前記穴部に前記吸収性繊維と前記高吸収性樹脂とを供給する第2のステップとを有し、該第2のステップにおいては、前記点在部における前記吸収性繊維の密集状態が前記点在部の周りにおける該密集状態より疎になるように該吸収性繊維を供給し、かつ、前記点在部における前記高吸収性樹脂の体積占有率が前記点在部の周りにおける該体積占有率より高くなるように、該高吸収性樹脂を供給することを特徴とする吸収性物品の製造方法も実現可能である。このような製造方法によれば、所望の形状の吸収体素材を形成することが可能となり、さらに、前記隆起の発生を抑制した吸収性物品を提供することが可能になる。
[0018]
 また、前記第2のステップにおいては、前記点在部における前記吸収性繊維の密集状態が前記点在部の周りにおける該密集状態より疎になるように、前記穴部と隣接した前記基材の隣接部分から該隣接部分に集積された前記吸収性繊維を脱離させて該吸収性繊維を前記穴部に供給するとともに、前記点在部における前記高吸収性樹脂の体積占有率が前記点在部の周りにおける該体積占有率より高くなるように、該高吸収性樹脂を前記穴部に供給することとしてもよい。かかる場合、穴部内に吸収性繊維を供給する際、別途、外部から該吸収性繊維を供給する必要がなく、各穴部内に吸収性繊維と高吸収性樹脂とを供給するステップを簡略化することが可能となる。
[0019]
 また、前記第2のステップにおいては、回転可能に構成されると共に前記高吸収性樹脂を収容するための窪みを有するローラを使用し、該ローラの下方に前記基材を通過させ、該基材の表面が該ローラの外周と対向している間に、前記窪みに収容された前記高吸収性樹脂を該窪みから前記穴部に供給することとしてもよい。
[0020]
[規則91に基づく訂正 13.05.2008]
 また、上記の製造方法は、さらに、前記吸収体素材を被覆するための被覆部材により該吸収体素材を被覆するステップと、該吸収体素材と前記被覆部材とを一体化させるためのエンボス加工を、前記吸収体素材における前記点在部の存在しない位置のみに施すステップと、を有することとしてもよい。かかる場合、点在部に相当する位置にはエンボス加工が施されず、該点在部では吸収性繊維が高密度化しないため、前記隆起の発生をより有効に抑制した吸収性物品を提供することが可能になる。
[0021]
 ===本実施の形態に係る吸収性物品について===
 <<吸収性物品の全体構造>>
 先ず、本実施形態の吸収性物品の一例として、生理用ナプキン(以下、吸収性物品1)を例に挙げ、該吸収性物品1の構成例について図1を用いて説明する。図1は、吸収性物品1の模式平面図である。図1には、矢印にて吸収性物品1の長手方向と幅方向とが示されている。以下の説明では、吸収性物品1が有する表面のうち、当該吸収性物品1の着用者の身体に接触する面を肌面と、下着に接触する面を反対面とする。また、吸収性物品1の長手方向において、着用時に着用者の前側(腹部側)に位置する端を前端、後側(臀部側)に位置する端を後端とする。なお、図1は、吸収性物品1の肌面側を示している。
[0022]
 吸収性物品1は、図1に示すように所定方向に長い外形形状を有している。また、吸収性物品1は、経血等の液体を吸収するための略長方形状をなす吸収体10と、吸収体10の肌面側の表面を覆う液体透過性の表面シート20と、吸収体10の肌面側にて該吸収体10の幅方向両端側に配置されたサイドシート25と、吸収体10の反対面側に設けられた裏面シート30と、を有している。
[0023]
 このような構成の吸収性物品1は、該吸収性物品1の長手方向の前端部から後端部に至る部分が、着用者の身体のうち、腹部から臀部に至る部分と当接するように装着される。また、吸収性物品1は、長手方向に沿って折り畳み可能であり、製品包装時には所定の折線位置(図1中、破線にて示す)にて折り畳まれた状態(すなわち、三折りの状態)になっている。具体的に説明すると、本実施形態の吸収性物品1には折線位置が二箇所存在する。そして、該折線位置にて折り畳むと、吸収性物品は三つ折りの状態となり、前記折線位置に吸収性物品1の幅方向に沿った折り目が形成される。また、本実施形態では、当該折り目が、吸収性物品1の長手方向において前端部、中央部、及び、後端部を区分する境界線となる。つまり、吸収性物品1の長手方向において、前端側の折線位置よりも前端側にある部分が前端部となり、後端側の折線位置よりも後端側にある部分が後端部となり、二箇所の折線位置の間にある部分が中央部となる。これにより、吸収性物品1が装着されると、前記中央部は着用者の股間部(着用者の経血排泄口の周辺部位)に、前記前端部は股間部の一端部から腹部に、前記後端部は股間部の他端部から臀部に、それぞれ当接するようになる。
[0024]
 吸収体10は、図1に示すように、吸収性物品1の幅方向中央部に取り付けられており、吸収体10の長手方向と吸収性物品1の長手方向とは互いに沿っている。また、吸収体10の長手方向中央の位置であり、かつ、幅方向中央に位置した部分には、肌面側に膨らんだ膨らみ部10aが形成されている。膨らみ部10aは、長円状に形成されており、着用者が吸収性物品1を着用した際に着用者の股間部(すなわち、着用者の経血排泄口の周辺部位)の形状に適合して当該股間部と表面シート20を介して密着する。一方、吸収性物品1のうち、吸収体10が存在する領域の長手方向端部は、着用者の腹部もしくは臀部に当接する。すなわち、吸収体10の長手方向における長さは、吸収性物品1中の、吸収体10の長手方向両端部が存在する領域が、着用者の腹部及び臀部に当接するだけの長さ、となっている。
[0025]
 また、本実施形態に係る吸収体10は、例えばティッシュペーパー等の薄葉紙11及び吸収体素材12から構成される。吸収体素材12は、吸収性繊維の一例としての粉砕パルプ(シート状のパルプを粉砕して繊維状になったもの)、及び、高吸収性樹脂の一例としての粒状の高吸収性ポリマー(以下、SAPと省略標記する)によって構成される。吸収体素材12では、粉砕パルプが集積された状態で略シート形状をなしており、SAPが集積状態の粉砕パルプ内(より正確には、粉砕パルプ間に形成された空隙内)に混在している。なお、吸収体素材12の詳細については後述する。
[0026]
 薄葉紙11は被覆部材の一例であり、吸収体素材12を包んだ状態で該吸収体素材12を被覆するシートである。この薄葉紙11は、液体透過性を有し、かつ、SAPの粒子より目の細かなシートであり、薄葉紙11の外側にSAPが漏れることを防止する。さらに、前記薄葉紙11は、集積された粉砕パルプが薄葉紙11の外側に脱落することも防止する。そして、薄葉紙11と、該薄葉紙11に被覆された吸収体素材12とを一体化するため、吸収体10中の所定の部分には、当該部分を圧搾してエンボス(以下、吸収体エンボスとも言う)を形成するエンボス加工が施されている。
[0027]
 表面シート20は、液透過性を有するシート部材であり、パルプやコットン等の天然繊維、レーヨン等のセルロース繊維、又は、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性疎水性繊維により形成された織布や不織布や有孔プラスチックシート等によって形成されている。表面シート20は、吸収性物品1の幅方向中央部に備えられ、幅方向において吸収体10よりわずかに広い幅と、長手方向において裏面シート30と略同じ長さとを有しており、吸収体10の表面を全域に亘って覆っている。
[0028]
 裏面シート30は、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性かつ液不透過性のシートである。裏面シート30は、吸収体10より十分に広く形成されており、その外縁部は全周において吸収体10の外縁部より外側に位置している。また、幅方向における両側には、幅方向外側に延出された保持部32が形成されている。保持部32は、吸収性物品1の着用時、反対面側に折り返された状態で下着に固定される。また、本実施形態に係る裏面シート30は、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性かつ液不透過性のシートであるが、熱可塑性かつ液不透過性のシートを含み、薄葉紙や不織布等が積層されたシート部材が用いられることとしてもよい。
[0029]
 サイドシート25は、合成樹脂繊維で形成されたエアスルー不織布やスポンバンド不織布、スパンボンド-メルトブローン-スパンボンド層からなる不織布等の適宜な不織布である。サイドシート25は、前記表面シート20の一部(より正確には、表面シート20の幅方向両端部)と重なった状態で、吸収性物品1の幅方向端部に備えられている。
[0030]
 以上のように構成された吸収性物品1では、吸収体10の肌面と表面シート20とは、ホットメルト系接着剤によって接合され、高温の押圧部材を用いて厚み方向に押圧する深溝エンボス加工によって形成された深溝部20aにより、さらに強固に接合されている。本実施形態に係る深溝部20aは、図1に示すように、前記膨らみ部10aを取り囲んだ部分、及び、該膨らみ部10aの両側にて吸収性物品1の長手方向の前端部から後端部まで伸びた部分、から構成されている。さらに、深溝部20a内には、該深溝部20aに沿って、互いに溝深さが異なる浅底部と深底部とが交互に配置されている。このような深溝部20aが形成されることにより、吸収性物品1の長手方向中央部を屈曲させた際、該吸収性物品1の長手方向両端部も中央部に追従して屈曲し易くなっている。すなわち、深溝部20aは、吸収性物品1の着用時に前述の膨らみ部10aに相当する部分を身体に沿って密着させるために、立体的な屈曲を促す屈曲誘発部となっている。さらに、深溝部20aは、該深溝部20a内に経血等が流入した場合に、高密度に圧搾された部位(すなわち、深底部)への浸透を促して経血等の拡散を抑える機能も備えている。なお、本実施の形態においては、深溝部20a内に浅底部と深底部とが交互に配置されていることとしたが、これに限定されず、例えば、深溝部20a内において溝深さが均一であってもよい。
[0031]
 さらに、吸収体10及び表面シート20の各反対面側には、裏面シート30がホットメルト系接着剤にて接合されている。また、吸収体10の肌面側には該吸収体10の両側部にそれぞれわずかに重なる位置から裏面シート30上にかけて、サイドシート25がホットメルト系接着剤にて接合されている。そして、裏面シート30、吸収体10、表面シート20、及び、サイドシート25が重なる位置には、低温に加熱された押圧部材によるエンボス加工が施されており、吸収体10、表面シート20、サイドシート25、及び、裏面シート30がさらに強固に接合されている。さらに、吸収性物品1の外縁部が低い温度にて熱溶着するラウンドシール加工が施されている。上記のように、エンボス加工やホットメルト系接着剤等により吸収体10、表面シート20、サイドシート25、及び、裏面シート30が接合している。この結果、吸収体10は、表面シート20とサイドシート25と裏面シート30とによって形成される空間内に内封されることとなる。
[0032]
 <<吸収体素材の構造>>
 次に、本実施形態の吸収体素材12の構造について、既述の図1と、図2及び図3とを用いて説明する。図2は、吸収体素材12の模式平面図であり、該吸収体素材12の肌面側を示している。図3は、点在部13の断面構造を示す図であり、図2のA-A’断面を示している。また、図2中、矢印にて吸収体素材12の長手方向と幅方向とが示されている。
[0033]
 吸収体素材12は、図2に示すように所定方向に長い略シート状の部材であり、前述したように、薄葉紙11に被覆されている。また、吸収体素材12の長手方向中央に位置し、かつ、幅方向中央に位置する部分は、吸収体10の膨らみ部10aに相当する部分であり、他の部分より肉厚な肉厚部14aが形成されている。さらに、前述した吸収性物品1が包装用に折り畳まれる際に形成される折り目は、前記吸収体10の長手方向の中央部及び端部を区分する境界でもある。換言すると、前記折り目は、吸収体素材12の長手方向の中央部及び端部を区分する境界でもある。したがって、吸収体素材12中、吸収性物品1の折線位置に相当する位置は、該吸収体素材12の長手方向において、中央部と端部とを区分する位置となる。また、吸収体素材12は、前述したように、シート状に集積された粉砕パルプ(図3等において、記号Pにて示す)と、当該集積状態の粉砕パルプ内に混在したSAP(図3等において、記号Sにて示す)とを有している。そして、本実施形態では、吸収体素材12中に、SAPが密集し、かつ、粉砕パルプの密集状態が周囲より疎となった領域(以下、点在部13)が点在している。
[0034]
 具体的に説明すると、本実施形態の吸収体素材12は、図2に示すように、該吸収体素材12中に点在した点在部13と、該点在部13の周りにて連続する連続部14とを有している。各点在部13は、図2に示すように、吸収体素材12の長手方向及び幅方向によって規定される平面において長円状に広がった領域である。また、各点在部13は、図3に示すように、吸収体素材12の上下方向(すなわち、吸収体素材12の厚み方向)において肌面から反対面まで形成されている。また、本実施形態では、図1に示すように、吸収体素材12の長手方向において、一部の点在部13が中央部と後端部とに跨って存在しているものの、略全ての点在部13が前記長手方向の端部に位置している。換言すると、吸収体素材12の長手方向端部に位置する点在部13の、該長手方向端部に対する体積占有率が、長手方向中央部に位置する点在部13の、該長手方向中央部に対する体積占有率よりも高くなっている。また、本実施の形態では、前端部と後端部とでは、後端部の方が、点在部13の体積占有率が高くなっている。
[0035]
 そして、点在部13における粉砕パルプの密集状態は、図3に示すように、連続部14における該密集状態より疎となっている。ここで、点在部13及び連続部14には同じ粉砕パルプが密集しているため、粉砕パルプの密集状態とは、単位体積あたりに含まれた粉砕パルプの重量(以下、パルプ密度と言う)を意味している。また、本実施形態では、吸収体素材12の上下方向において点在部13及び連続部14における各パルプ密度が略均一になっているため、粉砕パルプの密集状態は、単位面積あたりに含まれる粉砕パルプの重量(以下、目付)として表される。したがって、点在部13における粉砕パルプの目付は、連続部14における該目付より低くなっている。また、前述した吸収体エンボスが、吸収体10中、各点在部13周囲に相当する部分(以下、包囲部10b)に形成されている。つまり、吸収体エンボス加工が、各点在部13に相当する位置を避け、連続部14に相当する位置に施されている。このため、図3に示すように、点在部13が吸収体素材12中の包囲部10bに相当する部分より肉厚となっている。このように構成された点在部13は、連続部14より剛性が低く、クッション性がより高くなっている。これにより、吸収性物品1が着用されたとき、前記点在部13に相当する部分は、着用者の肌に対して柔らかな触感を与えることとなる。さらに、図1に示すように、点在部13の中には、吸収性物品1を折り畳む際の折線位置に相当する位置(図1中、破線にて示す位置)に存するものがある。すなわち、本実施形態においては、折り畳まれた吸収性物品1に形成された折り目に重なる点在部13が存在する。このように、より剛性が低い点在部13が折り目に重なるため、吸収性物品1の折り畳みを容易に行うことが可能である。また、折り目に重なった点在部13の長手方向(すなわち、長円状の点在部13の長径方向)が該折り目に沿っているため、吸収性物品1の折り畳みがより一層容易に行われる。
[0036]
 一方、点在部13にはSAPが密集しているため、点在部13におけるSAPの体積占有率は、該点在部13の周り(すなわち、連続部14)における該体積占有率より高くなっている。また、前述したように、略全ての点在部13が吸収体素材12の長手方向端部に点在し、吸収体素材12の長手方向端部に位置する点在部13の、該長手方向端部に対する体積占有率が、長手方向中央部に位置する点在部13の、該長手方向中央部に対する体積占有率より高くなっている。なお、本実施の形態に係る吸収体素材12内では、SAPが主に点在部13に配置されており、各点在部13におけるSAPの体積占有率(すなわち、各点在部13内のSAPの充填率)が点在部13間で略一定になっている。このため、前記長手方向端部では、SAPの体積占有率が前記長手方向中央部より高いこととなる。つまり、吸収体素材12の長手方向端部の体積に対する、SAPが占有する空間の割合が、長手方向端部の体積に対する当該空間の割合より高くなっている。そして、これらのことにより、前記長手方向端部には、吸湿性に優れた前記SAPが、前記長手方向中央部より多く配置されていることになる。このため、吸収性物品1のうち、着用者の腹部及び臀部と当接する長手方向端部側の吸湿力は、長手方向中央部側の吸湿力よりも高くなる。このような吸収性物品1であれば、より蒸れ易い前記腹部及び前記臀部の周囲から、湿気をより多く吸収させることが可能となる。この結果、着用者に蒸れに起因する不快感を与えることが抑制される。
[0037]
 なお、図3に示すように、該点在部13内において、SAPが分散した状態で粉砕パルプと共に混在している。つまり、点在部13において、SAP間にある程度の距離が確保され、粒状のSAPが粉砕パルプ間に形成された空隙内に存在している。
[0038]
 <<吸収性物品の製造方法について>>
 次に、本実施形態の吸収性物品1の製造方法について図4を用いて説明する。図4は、吸収性物品1の製造フローを示す図である。
[0039]
 吸収性物品1の製造方法は、吸収体10を製造する吸収体製造ステップS100と、該吸収体製造ステップS100により製造された吸収体10と、表面シート20と、サイドシート25と、裏面シート30とを用いて吸収性物品1を製造するメイン製造ステップS200と、吸収性物品1を包装可能な状態とする包装前処理ステップS300と、吸収性物品1を包装する包装ステップS400とを有している。また、本実施形態では、吸収性物品1の各材料及び製造物がコンベア等の搬送装置によって搬送されながら、上記の各ステップが実行される。以下、吸収性物品1の製造フロー中、吸収体製造ステップS100の詳細について説明する。
[0040]
 <吸収体製造ステップ>
 吸収体製造ステップS100について図5乃至図9を用いて説明する。図5は、吸収体製造ステップS100のフロー図である。図6は、吸収体製造ステップS100において吸収体10が製造されていく過程を模式的に示した図である。図7は、粉砕パルプを集積して吸収体素材の基材15を形成するために用いられる型の一例としてのメッシュパターン48を示す図である。図8は、基材15に対してSAPを供給するために用いられるローラの一例としてのパターンローラ70を説明するための図である。当該図8には、パターンローラ70の正面図(上図)、該パターンローラ70のA-A’断面図(中図)、及び、該パターンローラ70の外周に設けられた窪み70aと基材15に設けられた穴部15aとの対応関係を示す図(下図)が示されている。図9は、吸収体素材12の変遷を示す図であり、基材15にSAPが供給された様子(上図)と、点在部13が形成される様子(中図)と、最終製品としての吸収性物品1内に吸収体素材12が薄葉紙11に被覆された状態で取り付けられている様子(下図)と、が示されている。
[0041]
 図5に示すように、吸収体製造ステップS100は、吸収体素材の基材15を取得するステップS102から始まる。そして、本実施形態において、基材15は、図7に示すメッシュパターン48内に粉砕パルプを集積させることによって取得される。
[0042]
 メッシュパターン48は、メッシュ状の底面(図7には、図示の便宜上、当該底面の一部分のみについてメッシュ状であることを示す)を有する金属製の型枠である。そして、メッシュパターン48の外部に設けられた吸引装置(不図示)が該メッシュパターン48の底面を介して空気を吸引すると、前記吸引装置の吸引力によって、前記メッシュパターン48の上方から落下してくる粉砕パルプが該メッシュパターン48内に吸い込まれるようになる。やがて、粉砕パルプはメッシュパターン48内に集積し、所定の厚みを有する状態まで積層する。このメッシュパターン48は、前述した吸収体素材12の形状に対応した形状を有している。つまり、メッシュパターン48は、所定方向に長い外形形状を有し、その底部(より正確には、当該底部の長手方向両端部)には略台形柱状の凸部48aが点在している。さらに、前記メッシュパターン48の長手方向中央部であって幅方向中央部には、吸収体素材12の肉厚部14aを形成するための凹部48bが設けられている。
[0043]
 以上のような構成のメッシュパターン48内に粉砕パルプを集積させることにより、吸収体素材12と同じ外形形状を有する基材15が取得される。つまり、型枠成形により基材15が形成されるため、型枠形状を調整することにより、所望の形状の基材15を取得することが可能になる。すなわち、吸収体素材12も所望の形状に成形することが可能である。なお、本実施形態に係るメッシュパターン48の長手方向中央であって幅方向中央に位置する部分には、吸収体素材12の肉厚部14aを形成するための凹部48bが設けられているが、これに限定されるものではない。例えば、前記メッシュパターン48の長手方向中央であって幅方向中央に位置する部分が平坦面であり、前記肉厚部14aを有しない吸収体素材の基材15が形成されることとしてもよい。
[0044]
 また、基材15には、穴部15aが点在している(図8中の下図参照)。各穴部15aは、吸収体素材12の点在部13に相当する位置に形成される。このような穴部15aは、メッシュパターン48の底部に設けられた凸部48aによって形成される。すなわち、メッシュパターン48に粉砕パルプを集積させる際、凸部48aに相当する部分を避けるように(換言すると、凸部48a内に粉砕パルプが入らないように)前記粉砕パルプが集積する結果、当該凸部48aに相当する部分に穴部15aが形成される。なお、本実施の形態では、前記凸部48aの各側面がメッシュ状になっているが、穴部15a内に粉砕パルプが入ることを防止するために、凸部48aの各側面をテープや樹脂等によって目止めされていてもよい。また、平坦な底面を有するメッシュパターン48であれば、ゴムや樹脂等によって個別に形成された凸部48aを該メッシュパターン48の底面に取り付けることとしてもよい。
[0045]
 このようなメッシュパターン48を用いて基材15を取得するステップS102について、図6を参照しながら更に詳しく説明する。メッシュパターン48は、前記吸引装置を内蔵し、所定の回転方向(図6中、矢印にて示す方向)に回転可能なサクションドラム40の外周上において、該メッシュパターン48の長手方向がサクションドラム40の回転軸方向に沿った状態で配置されている。また、各メッシュパターン48は、開口が外側を向いた状態で配置される。そして、前記吸引装置によって、サクションドラム40周辺の空気が前記メッシュパターン48を介してサクションドラム40内に(すなわち、図6中、記号F1にて示す方向に)吸引されつつ、メッシュパターン48がサクションドラム40と一体的に回転する。一方、サクションドラム40の上方には、シート状のパルプ(図6中、記号Psにて示す)を粉砕、開繊するためのパルプ開繊装置42が設けられている。このパルプ開繊装置42にパルプ供給ローラ46からシート状のパルプPsが供給されると、該パルプ開繊装置42内部にてシート状のパルプが粉砕、開繊されて粉砕パルプが生成される。そして、図6に示すように、生成された粉砕パルプはサクションドラム40の上方から該サクションドラム40側に落下し、前記吸引装置による吸引力によって、前記サクションドラム40の外周上に配置されたメッシュパターン48内に捕集される。メッシュパターン48内において粉砕パルプの集積が進むと、サクションドラム40の回転に伴ってメッシュパターン48がパルプ掻き取り機構44の位置まで移動する。そして、パルプ掻き取り機構44が、メッシュパターン48内に集積された粉砕パルプのうち、余分に集積した粉砕パルプ(例えば、メッシュパターン48の凸部48aの上に積層した粉砕パルプ)を掻き取る。以上の工程によって、メッシュパターン48内に吸収体素材の基材15が形成される。
[0046]
 その後、サクションドラム40の更なる回転により、基材15と該基材15を収容したメッシュパターン48とがサクションドラム40の最下部に到達すると、基材15が前記メッシュパターン48から外れ、次の工程に引き渡される。なお、メッシュパターン48から外れた段階において、基材15中に点在している穴部15aは、該基材15の厚み方向の一端(すなわち、肌面)から他端(すなわち、反対面)まで形成されている。これは、前記パルプ掻き取り機構44によって、メッシュパターン48の凸部48a上に積層した粉砕パルプが掻き取られたためである。また、前述したように、メッシュパターン48の凸部48aは略台形柱状であるため(すなわち、凸部48aの側面はテーパー面となっている)、基材15は、型崩れすることなくメッシュパターン48から外れる。
[0047]
 メッシュパターン48から外れた基材15は、該基材15を吸引しながら載置するために用いられる吸引台の一例としてのサクションコンベア60上に載置される(S104)。サクションコンベア60は不図示の吸引装置を内部に備えており、当該吸引装置によって空気がサクションコンベア60内に(すなわち、図6中、記号F2にて示す方向に)吸引される。そして、前記基材15は、前記吸引装置の吸引力によりサクションコンベア60側に引き付けられた状態で、所定の搬送方向(図6中、矢印にて示す方向)へ搬送される。なお、サクションコンベア60の載置面上には、予め、薄葉紙供給ローラ50から連続した帯状の薄葉紙11が供給されており、前記基材15は該薄葉紙11上に載せられることとなる。すなわち、基材15は、薄葉紙11を介してサクションコンベア60側に引き付けられ、該薄葉紙11とともに前記搬送方向へ搬送される。また、前記メッシュパターン48内で形成された基材15は、順次サクションコンベア60上に載置されていくため、サクションコンベア60上には、図6に示すように、複数の基材15が間隔を隔てて載置されている。なお、本実施の形態では、基材15の表面のうち、吸収性物品1として完成した際に肌面側に来る面が、サクションコンベア60の載置面と対向した状態で、前記基材15が搬送される。但し、これに限定されるものではなく、前記肌面側に来る面がサクションコンベア60側とは反対側(すなわち、上方)を向いた状態で、前記基材15が搬送されることとしてもよい。
[0048]
 次に、サクションコンベア60上において搬送される基材15、が有する各穴部15a内に粉砕パルプとSAPとを供給する(S106)。各穴部15a内への粉砕パルプ及びSAPの供給は、サクションコンベア60に設けられた吸引装置と、前記各穴部15a内にSAPを供給するために所定の回転方向(図6中、矢印にて示す方向)に回転するパターンローラ70によって行われる。そして、基材15がパターンローラ70の下方を通過する際に、SAPがパターンローラ70から前記基材15中の各穴部15a内に供給されると共に、前記吸引装置の吸引力によって前記各穴部15a内に粉砕パルプが供給される。
[0049]
 パターンローラ70の詳細について説明すると、図8の上図に示すように、該パターンローラ70の外周上にはSAPを収容するための円穴状の窪み70aが点在している。各窪み70aは、図8の中図に示すように、パターンローラ70の半径方向において一定の深さを有している。そして、パターンローラ70の上方に設けられたSAP供給機構71から前記窪み70a内にSAPが供給された後、パターンローラ70の回転に伴って、SAPが収容された前記窪み70aがパターンローラ70の下方側に移動する。一方、サクションコンベア60に載置された基材15は、該基材15の長手方向がパターンローラ70の軸方向に沿った状態で該パターンローラ70の下方に向けて搬送される。そして、図6に示すように、前記基材15がパターンローラ70の下方を通過し、該基材15の表面が前記パターンローラ70の外周(より正確には、当該外周のうち、SAPが収容された窪み70aが配置されている部分)と対向している間に、前記窪み70a内に収容されたSAPが、前記吸引装置の吸引力によって前記基材15の各穴部15a内に吸い寄せられて当該各穴部15a内に供給される。ここで、前記パターンローラ70の外周上における前記窪み70aの点在パターンは、図8の上図及び下図に示すように、基材15中における穴部15aの点在パターンに対応している。このため、各窪み70aに収容されたSAPは、当該各窪み70aと対応した位置にある穴部15a内に供給されることになる。例えば、図8の上図中、パターンローラ70の軸方向において記号aにて示された位置にある窪み70a内に収容されたSAPは、基材15の長手方向において記号aにて示された位置にある穴部15a内に供給される。なお、図8の上図中、前記記号aにて示された位置にある3つの窪み70aのうち、中央に位置する窪み70aに収容されたSAPは、前記記号aにて示された位置にある2つの穴部15aの双方へ供給される。
[0050]
 このようにして、サクションコンベア60側に引き付けられた状態にある基材15に対して、SAPが、該基材15のサクションコンベア60と対向する面とは反対位置にある面(すなわち、吸収性物品1として完成した際に反対面側に来る面)側から前記穴部15a内に供給されることとなる。この際、穴部15aにおける吸引抵抗が、前記基材15中の穴部15a以外の部分(すなわち、粉砕パルプが集積した部分)における吸引抵抗より十分に小さいため、SAPが穴部15a内に集中的に吸い込まれる。この結果、穴部15a内におけるSAPの体積占有率が、該穴部15a以外の部分における体積占有率より高くなるように、SAPが供給されることとなる。
[0051]
 また、本実施形態では、吸引装置の吸引によって、パターンローラ70の窪み70aに収容されたSAPが各穴部15a内に吸い寄せられると共に、基材15中の、前記各穴部15aと隣接した隣接部から、集積された粉砕パルプの一部を脱離させる工程が行われる。そして、脱離した粉砕パルプを前記各穴部15aに供給することにより、当該各穴部15a内において粉砕パルプとSAPとが混在するようになる。
[0052]
 以下、粉砕パルプを脱離させる工程について、図9を参照しながら説明する。
[0053]
 前記吸引装置の吸引によって、パターンローラ70の窪み70aに収容されていたSAPが基材15の穴部15aに吸い寄せられる際、図9の上図に示すように、当該吸引装置の吸引により、隣接部の上部(すなわち、反対面側にある部分)に集積した粉砕パルプも吸い寄せられる。これにより、前記隣接部の上部に集積された粉砕パルプの一部が穴部15a内に向けて脱離するようになる。換言すると、前記吸引装置の吸引圧が、粉砕パルプを脱離させ当該粉砕パルプが穴部15a内に供給されるように調整されている。そして、脱離した粉砕パルプは、穴部15a内でSAPと混合され、やがて該穴部15a内に集積するようになる。この結果、図9の中図に示すように、基材15から吸収体素材12が形成されるようになる。つまり、穴部15aに吸収体素材12の点在部13が形成されるようになる。なお、前記基材15の穴部15a以外の部分は吸収体素材12の連続部14となる。
[0054]
 また、前述したように、前記吸引装置の吸引圧は、隣接部から粉砕パルプを脱離させるように調整されており、さらに、前記吸引圧の調整によって、粉砕パルプの脱離量も調整されている。また、当該脱離量は、穴部15aに点在部13が形成された際に、該点在部13における粉砕パルプの目付が連続部14における目付より低くなるように調整されている。さらに、脱離した粉砕パルプとSAPとが穴部15a内で混合する結果、前記点在部13内にて、SAPが集積状態の粉砕パルプ中に分散することとなる。
[0055]
 基材15から吸収体素材12が形成された後、該吸収体素材12とサクションコンベア60との間にある薄葉紙11が、該吸収体素材12を包み込むように屈曲して、該吸収体素材12を被覆する(S108)。本実施形態では、薄葉紙11を屈曲させるために、サクションコンベア60の表面に薄葉紙屈曲部62が設けられており、薄葉紙11は、当該薄葉紙屈曲部62を通過する際に屈曲して、前記吸収体素材12を被覆する。この際、薄葉紙11の幅方向(搬送方向と交差する方向)における端部が吸収体素材12の上面側で重ね合わせられて接着されるため、薄葉紙11は筒状となる。
[0056]
 次に、薄葉紙11と吸収体素材12とを一体化するために、該薄葉紙11に被覆された状態の吸収体素材12における所定の部分を圧搾して、当該所定の部分に吸収体エンボスを形成する吸収体エンボス加工を施す(S110)。本実施の形態において、所定の部分とは、前述したように、連続部14であって各点在部13を包囲した包囲部10bである。吸収体エンボス加工は、上下に相対向する2つのローラ(不図示)間を通過することにより実行される。例えば、下側のローラには、吸収体素材12が搬送された際に吸収体エンボスを形成させる領域(すなわち、包囲部10bに相当する領域)に当接する部位に、所定形状の突起が形成されており、対向する上側のローラの表面は平坦に形成されている。薄葉紙11に包まれた吸収体素材12が、上記2つのローラ間を通過することにより、前記突起が薄葉紙11と吸収体素材12とを共に圧搾する。薄葉紙11と吸収体素材12とは突起により圧搾されて複数の吸収体エンボスが形成されることにより一体化される。また、本実施の形態では、包囲部10bに相当する領域に吸収体エンボスが形成されるため、図9の下図に示すように、包囲部10bに相当する領域内に集積している粉砕パルプが圧縮される。このため、連続部14のうち、前記包囲部10bに相当する領域内では、粉砕パルプがより一層高密度化することになる。なお、包囲部10bの外縁は、図1に示すように長円状であり、点在部13の外縁から当該包囲部10bの外縁までの間に存する領域が前記包囲部10bに相当する領域である。この包囲部10bに相当する領域に吸収体エンボスが形成されるが、当該吸収体エンボスの形状は、下側のローラに設けられた突起の形状によって決定され、格子形、点形、波形等のあらゆる形状の吸収体エンボスを形成することが可能である。但し、点在部13に相当する領域を避けて吸収体エンボスを形成するためには、格子形の吸収エンボスを形成させることが望ましい。
[0057]
 その後、一体化された薄葉紙11及び吸収体素材12(すなわち、吸収体10)は、吸収体素材12の外形形状に沿って吸収体カッター80により切断される(S112)。そして、上記の各ステップ(S102~S112)が完了した時点で吸収体製造ステップS100が終了する。
[0058]
 ===本実施形態の吸収性物品の有効性について===
 本実施形態の吸収性物品1は、集積された粉砕パルプとSAPとを有する吸収体素材12を備え、該吸収体素材12は、点在する点在部13を有し、該点在部13における粉砕パルプの密集状態が該点在部13の周りにおける該密集状態より疎であり、かつ、該点在部13におけるSAPの体積占有率が該点在部13の周りにおける該体積占有率より高いことを特徴とする吸収性物品である。これにより、吸収性物品1における隆起の発生を抑制し、該吸収性物品1の着用者に異物感を与えることを防止することが可能になる。
[0059]
 すなわち、前述したように、従来の吸収性物品では、SAPが吸収体素材12中において平面状に略均一に存在していた。特に、SAPが吸収性物品の肌面側で層状に存在している場合、当該SAPが吸収性物品に吸収された液体を保持して膨潤すると、膨潤したSAP同士が結合し合って、前記液体が反対面側(すなわち、吸収性物品の下方側)へ移動することを妨害するようになる。この結果、吸収された液体が吸収体素材12の肌面側で滞留し、当該肌面側では液体が吸収され難くなり、吸収性物品の吸収力が低下するといった問題が生じていた。
[0060]
 このような問題に対する解決策の一例としては、吸収体素材の肌面側にSAPを略均一に存在させず、例えば、SAPが存在する領域を吸収体素材中に点在させ、当該領域にSAPを密集させることが考えられる。これにより、吸収性物品が多量の液体を吸収した場合であっても、吸収された液体が吸収体素材の肌面側で滞留することなく、該吸収体素材内において拡散し易くなる結果、前記吸収性物品の吸収力が維持されることとなる。
[0061]
 このように、吸収性物品の吸収力を維持させる観点から、吸収体素材中におけるSAPの配置を調整することが重要となる。但し、SAPと共に吸収体素材を構成する粉砕パルプの配置を考慮せずにSAPの配置のみ調整した場合には、吸収性物品において新たな課題が生じてくる。つまり、SAPが密集している領域に粉砕パルプも密集させてしまうと、SAPの周りにある粉砕パルプが、当該SAPが液体を保持して膨潤することによって押し出されるようになる。この際、SAP周りに粉砕パルプが密集していると、吸収体素材のSAPが密集している部分が局所的に盛り上がってしまう。これにより、吸収性物品においても部分的な隆起が生じてしまい、当該吸収性物品を着用した者に対して、異物感を与えてしまう。
[0062]
 本実施形態の吸収性物品1においても、吸収体素材12にSAPが密集した点在部13が点在しているため、吸収性物品1に吸収された液体が吸収体素材12内(特に、連続部14内)において拡散し易くなっている。このため、吸収性物品1が多量の液体を吸収した場合であっても、当該吸収性物品1の吸収力は維持される。但し、点在部13にSAPが密集しているため(換言すると、点在部13におけるSAPの体積占有率が該点在部13の周りにおける該体積占有率より高いため)、該点在部13では、SAPの膨潤に起因して吸収性物品1に隆起が生じる可能性がより高くなっている。
[0063]
 一方、点在部13における粉砕パルプの密集状態が、該点在部13の周りにおける密集状態よりも疎となっている。換言すると、点在部13には該点在部13の周りよりも多くの空隙が存在しているため、SAPの膨潤に対する空間的余裕がより備わっていることになる。この空間的余裕によって、SAPの膨潤に起因した隆起の発生を抑制することが可能となる。つまり、点在部13にSAPを密集させることにより前記隆起が生じる可能性が高くなるが、当該可能性が前記点在部13における粉砕パルプの密集状態をより疎にすることによって相殺される。これにより、吸収体素材12における局所的な盛り上がりを抑制することが可能になり、さらには、吸収性物品における前記隆起の発生を抑制することが可能になる。この結果、吸収性物品1の着用者に対して異物感を与えることを防止することが可能になる。
[0064]
 また、点在部13では、該点在部13の周りに比して、SAPの体積占有率がより高く、かつ、前記空間的余裕がより備わっているため、該点在部13は、発汗等により着用者の肌と吸収性物品1との間に籠る湿気を積極的に吸湿する部分となる。つまり、本実施形態の点在部13が備えられることにより、吸収性物品1における隆起の発生を抑制して着用者に異物感を与えることが防止されるだけでなく、吸収性物品1に多量の液体を吸収させた場合であっても該吸収性物品1の吸収力を維持し、さらに、該吸収性物品1の吸湿性を高めることが可能になる。
[0065]
 ===その他の実施形態===
 以上、上記実施形態に基づき、主として本発明に係る吸収性物品、及び、吸収性物品の製造方法について説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。特に、本発明の実施形態は、上記の説明中に記載した数値、又は、各材料の材質に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、吸収性繊維の一例として粉砕パルプを説明したが、他の吸収性繊維として、コットン等のセルロース、レーヨンやフィブリルレーヨン等の再生セルロース、アセテートやトリアセテート等の半合成セルロース、繊維状ポリマー、熱可塑性疎水性化学繊維などが用いられることとしてもよい。また、吸収体素材12中に、粉砕パルプやSAPの他、粒状消臭材、粒状抗菌材、粒状冷却材等が密集していてもよい。さらに、上記実施形態においては、被覆部材の一例としてティッシュ等の薄葉紙11を説明したが、他の被覆部材として、コットン等のセルロース、レーヨンやフィブリルレーヨン等の再生セルロース、アセテートやトリアセテート等の半合成セルロース、繊維状ポリマー、熱可塑性疎水性化学繊維等から形成された織布又は不織布が用いられることとしてもよい。
[0066]
 また、上記実施形態においては、説明の便宜上、吸収体10が幅方向の中央に1つの吸収体素材12を備える構成について説明したが、これに限るものではない。例えば、吸収体10における幅方向の両端部に、それぞれ、長手方向に沿って側部吸収体を備える構成としてもよい。また、側部吸収体に代えて、前記両端部のそれぞれに立体ギャザーを備える構成としてもよい。さらに、上記実施形態において、吸収性物品1は三つ折り状に折り畳まれていることとした。すなわち、吸収性物品1に二箇所の折線位置が存在する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、吸収性物品1が四つ折り状に折り畳み可能であってもよい。
[0067]
 また、上記実施形態においては、点在部13が吸収体素材12の長手方向両端部において点在し、中央部には存在していないこととしたが、これに限定されるものではなく、点在部13が長手方向中央部に存在していてもよい。
[0068]
 また、上記実施形態においては、SAPが点在部13に密集しており、吸収体素材12中の点在部13以外の部分には殆どSAPが存在していない構成について説明した。すなわち、上記実施の形態では、吸収体素材の基材15に設けられた穴部15aに集中的にSAPを供給する場合(以下、本件例とも言う)について説明した。但し、これに限定されるものではなく、基材15中の穴部15a以外の部分にもSAPが供給されることとしてもよい。例えば、基材15の上面(すなわち、吸収体素材12の肌面の反対側に来る面)にSAPが供給され、上面にSAPが層を成して存在した吸収体素材12(以下、第一変形例に係る吸収体素材12)が形成されることとしてもよい。
[0069]
 第一変形例に係る吸収体素材12について図10及び図11を用いて具体的に説明する。図10は、第一変形例に係る吸収体製造ステップS100の様子を模式的に示した図であり、図6に対応した図である。図11は、第一変形例に係る吸収体素材12の変遷を示す図であり、表面にSAPが供給された基材15(上図)と、基材15から形成された吸収体素材12(中図)と、吸収体素材12が薄葉紙11に被覆されることにより形成された吸収体10(下図)とが示されている。
[0070]
 第一変形例に係る吸収体製造ステップS100では、図10に示すように、パターンローラ70が用いられず、基材15にSAPを供給する他の機構としてのSAPフィーダ72が用いられている。このSAPフィーダ72はコニカル状の底部を有し、該底部からSAPが投下される。そして、サクションコンベア60により搬送方向に搬送される基材15が、SAPフィーダ72の下方を通過する際に、該SAPフィーダ72の底部から、基材15のSAPフィーダ72と対向する側の面へSAPが投下される。この結果、図11の上図に示すように、基材15の上面にSAPが層を成して分布するようになる。なお、第一変形例においても、基材15の表面のうち、吸収性物品1として完成した際に肌面側に来る面がサクションコンベア60の載置面と対向している。
[0071]
 また、本件例と同様、SAPが供給される間、基材15は、サクションコンベア60に設けられた吸引装置によりサクションコンベア60側に引き寄せられている。この際、基材15中の穴部15aにおける吸引抵抗が、該基材15中の穴部15a以外の部分における吸引抵抗より十分に小さいため、穴部15a内により多くのSAPが供給されるようになる。さらに、第一変形例においても、前記吸引装置の吸引により、各穴部15aと隣接した隣接部から粉砕パルプが脱離し、当該粉砕パルプが各穴部15aに供給されることによって、当該各穴部15a内でSAPと混在する。なお、図11の中図に示すように、隣接部から粉砕パルプを脱離させる際、隣接部の上面に積層したSAPの一部も、前記各穴部15a内に吸い込まれるようになる。以上のような工程により、基材15から吸収体素材12が形成され、該吸収体素材12中、連続部14の反対面側には積層したSAPが残るようになる。そして、吸収体素材12が薄葉紙11に被覆された状態で吸収性物品1中に組み込まれると、図11の下図に示すように、反対面側において吸収体素材12(より正確には、吸収体素材12のうち、連続部14に相当する部分)と薄葉紙11との間にSAPの層が形成される結果、より多量の液体を吸収性物品1中に保持させることが可能となる。以上、SAPフィーダ72により基材15の表面全体にSAPを供給する例について説明したが、所定量のSAPを所定の供給先へ適切に供給する点においては、パターンローラ70を用いて基材15の穴部15a内へ集中的にSAPを供給する方がより好ましい。
[0072]
 なお、本件例では、パターンローラ70に設けられた各窪み70aが円穴状の窪みであり、当該窪み70aの点在パターンと、基材15における穴部15aの点在パターンとが対応していることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、各窪み70bが、図12に示すように、基材15の各穴部15bの形状に合わせて長円状になっていることとしてもよい。図12は、パターンローラ70の窪み70bの変形例を示す図である。各窪み70bの形状が長円状である場合、窪み70bの各部分から供給されるSAP量が不均一になる場合がある。例えば、長円状の各窪み70bにおいて、長径方向端部から供給されるSAP量と、長径方向中央部から供給されるSAP量とが異なる場合がある。これに対し、円穴状の窪み70aである場合には、該窪み70aの各部から供給されるSAP量が均一となるため、基材15の各穴部15aへSAPが均一に供給されるようになる。以上のように、各穴部15a内にSAPが適切に供給される点では、上記実施の形態の方が望ましい。
[0073]
 また、上記実施形態においては、各点在部13は、吸収体素材12の上下方向(すなわち、吸収体素材12の厚み方向)において肌面から反対面まで形成されていることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、図13に示すように、点在部13の厚みが、吸収体素材12の厚みより小さくてもよい。図13は、図11に対応した図であり、点在部13の厚みが吸収体素材12の厚みより小さい構成を示す図である。図13に示すように、点在部13の下方には、連続部14と略同様に粉砕パルプが密集したパルプ集積層14bが形成されていてもよい。かかる構成の吸収体素材12を取得するためには、例えば、メッシュパターン48内に粉砕パルプを集積させて吸収体素材の基材15を取得する際に、メッシュパターン48内の凸部48a上に積層した粉砕パルプをパルプ掻き取り機構44によって掻き取らずに残した状態にすればよい。
[0074]
 また、上記実施形態においては、SAPが点在部13内に分散していることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、SAPが点在部13内において局所的に存在していることとしてもよい。但し、上記実施形態のように、点在部13内においてSAPが分散していれば、当該SAPの周囲により多くの空隙が存在するようになる。これにより、SAPの膨潤に対する空間的余裕がより確保され、吸収性物品1における隆起の発生を抑制する効果が向上することになる。かかる点において、上記実施の形態の方がより望ましい。
[0075]
 また、上記実施形態においては、吸収体素材12を被覆する被覆部材が備えられていることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、吸収体素材12は被覆されていなくてもよい。但し、吸収体素材12が被覆されている場合、点在部13内の粉砕パルプ及びSAPが点在部13から流出することを防止することが可能になる。この結果、点在部13における粉砕パルプの密集状態とSAPの体積占有率とが、吸収性物品1における隆起の発生を抑制可能な状態に維持される。かかる点において、上記実施の形態の方がより望ましい。なお、被覆部材の材料としては、天然繊維や化学繊維からなる織布及び不織布等が用いられてもよい。
[0076]
 また、上記実施形態においては、吸収体素材12と薄葉紙11とを一体化させるための吸収体エンボス加工が、点在部13及び該点在部13の周りのうち、該点在部13の周りに相当する位置(すなわち、包囲部10bに相当する位置)のみに施されていることした。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、吸収体エンボス加工が点在部13に相当する位置に施されていてもよい。但し、点在部13に相当する位置に吸収体エンボス加工が施されてない場合、吸収体エンボス加工の実施前後で、点在部13における粉砕パルプの密集状態が維持される。すなわち、点在部13に集積された粉砕パルプがエンボス加工によって高密度化せず、SAPの膨潤に対する空間的余裕が適切に保持される。このため、吸収性物品1における隆起を抑制する効果がより有効に発揮される。また、前述したように、点在部13に相当する部分はより低剛性な部分となるため、点在部13に相当する位置に対して吸収体エンボス加工が施されると、当該点在部13に相当する位置において薄葉紙11が破れてしまう虞がある。このため、吸収体エンボス加工は点在部13を避けた位置に施される必要がある。以上のような点において、上記実施の形態の方がより望ましい。
[0077]
 また、上記実施形態においては、基材15の各穴部15a内に粉砕パルプとSAPとを供給するステップにおいては、基材15の各穴部15aと隣接した隣接部から、集積した粉砕パルプの一部を脱離させて、該粉砕パルプを前記各穴部15a内に供給することとした。しかし、これに限定するものではなく、例えば、別途、基材15の外部から穴部15aに粉砕パルプを供給することとしてもよい。但し、上記実施形態の場合、当該基材15の外部から穴部15aに粉砕するパルプを供給する工程が省略され、該穴部15a内に粉砕パルプとSAPとを供給するステップが簡略化される。かかる点において、上記実施の形態の方がより望ましい。
[0078]
 さらに、上記実施形態においては、各穴部15a内に粉砕パルプとSAPとを供給する際、基材15が、サクションコンベア60に設けられた吸引装置の吸引によって該サクションコンベア60側に引き付けられた状態で、該基材15の上面側から粉砕パルプとSAPとが供給されることとした。しかし、これに限定されるものではなく、基材15は吸引装置を備えないコンベア上に載置されていることとしてもよい。但し、吸引装置が基材15に対して吸引力を付与している場合、基材15の穴部15aにおける吸引抵抗が、前記基材15の穴部15a以外の部分における吸引抵抗より十分に小さいため、穴部15a内に粉砕パルプとSAPとが吸い込まれ易くなる。すなわち、上記実施の形態であれば、穴部15a内に粉砕パルプとSAPとをより容易に供給することが可能となる。かかる点において、上記実施の形態の方がより望ましい。
[0079]
 また、前記メッシュパターン48に設けられた各凸部48aの形状及び寸法等は、当該各凸部48aの配置位置によって異なっていてもよい。例えば、吸収体素材12のうち、深溝エンボス加工が施される部分(すなわち、深溝部20aが形成される部分)に点在部13を設ける場合、前記メッシュパターン48に設けられた凸部48aのうち、当該点在部13を形成する凸部48aの頂面の位置を、他の凸部48aの頂面の位置より低くする方が望ましい。かかる場合には、深溝エンボス加工が施される位置に点在部13が設けられた場合であっても、適切に深溝エンボス加工を施すことが可能になる。
[0080]
 具体的に説明すると、深溝エンボス加工が施される位置に設けられた点在部13におけるパルプ密度が、該点在部13の周囲(具体的には、包囲部10bに相当する部分)におけるパルプ密度に比べて十分に小さいと、深溝エンボス加工が施された際に、表面シート20が吸収体素材12の表面から浮いたり、破れたりする虞がある。これに対し、メッシュパターン48に設けられた凸部48aのうち、深溝エンボス加工が施される位置に設けられる点在部13を形成する凸部48aの頂面の位置を、他の凸部48aの頂面の位置より低くすれば、当該点在部13の下方に粉砕パルプが密集したパルプ集積層14b(図13参照)を形成される。これにより、吸収体素材12中、当該点在部13が位置した部分の剛性が調整されるため、深溝エンボス加工が施される位置に点在部13が設けられた場合であっても、適切に深溝エンボス加工を施すことが可能になる。

請求の範囲

[1]
 集積された吸収性繊維と高吸収性樹脂とを有する吸収体素材、を備える吸収性物品において、
 該吸収体素材は、点在する点在部を有し、
 該点在部における前記吸収性繊維の密集状態が該点在部の周りにおける該密集状態より疎であり、かつ、該点在部における前記高吸収性樹脂の体積占有率が該点在部の周りにおける該体積占有率より高いことを特徴とする吸収性物品。
[2]
 請求項1に記載の吸収性物品において、
 前記高吸収性樹脂が前記点在部内に分散していることを特徴とする吸収性物品。
[3]
 請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品において、
 前記吸収体素材を被覆するための被覆部材が備えられており、
 前記吸収体素材と前記被覆部材とを一体化させるためのエンボス加工が、前記点在部及び該点在部の周りのうちの該点在部の周り、に相当する位置のみに施されていることを特徴とする吸収性物品。
[4]
 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の吸収性物品において、
 前記吸収性物品は、長手方向と幅方向と厚み方向とを有し、
 前記吸収性物品の該長手方向に沿った方向の端部、に位置する前記点在部の、該端部に対する体積占有率は、
 前記吸収性物品の該長手方向に沿った方向の中央部、に位置する前記点在部の、該中央部に対する体積占有率よりも高いことを特徴とする吸収性物品。
[5]
 集積された吸収性繊維と高吸収性樹脂とからなる吸収体素材を有し、該吸収体素材に点在部を備える吸収性物品の製造方法において、
 底部と、該底部における前記点在部に相当する位置に設けられた凸部とを有する型に前記吸収性繊維を集積させることにより、前記点在部に相当する位置に穴部を有する前記吸収体素材の基材を取得する第1のステップと、
 前記基材から前記吸収体素材を得るために、前記穴部に前記吸収性繊維と前記高吸収性樹脂とを供給する第2のステップとを有し、
 該第2のステップにおいては、前記点在部における前記吸収性繊維の密集状態が前記点在部の周りにおける該密集状態より疎になるように該吸収性繊維を供給し、かつ、前記点在部における前記高吸収性樹脂の体積占有率が前記点在部の周りにおける該体積占有率より高くなるように、該高吸収性樹脂を供給することを特徴とする吸収性物品の製造方法。
[6]
 請求項5に吸収性物品の製造方法において、
 前記第2のステップにおいては、
 前記点在部における前記吸収性繊維の密集状態が前記点在部の周りにおける該密集状態より疎になるように、前記穴部と隣接した前記基材の隣接部分から該隣接部分に集積された前記吸収性繊維を脱離させて該吸収性繊維を前記穴部に供給するとともに、
 前記点在部における前記高吸収性樹脂の体積占有率が前記点在部の周りにおける該体積占有率より高くなるように、該高吸収性樹脂を前記穴部に供給することを特徴とする吸収性物品の製造方法。
[7]
 請求項6に記載の吸収性物品の製造方法において、
 前記第2のステップにおいては、
 回転可能に構成されると共に前記高吸収性樹脂を収容するための窪みを有するローラを使用し、
 該ローラの下方に前記基材を通過させ、該基材の表面が該ローラの外周と対向している間に、前記窪みに収容された前記高吸収性樹脂を該窪みから前記穴部に供給することを特徴とする吸収性物品の製造方法。
[8]
[規則91に基づく訂正 13.05.2008]
 請求項6又は請求項7に記載の吸収性物品の製造方法において、
 前記吸収体素材を被覆するための被覆部材により該吸収体素材を被覆するステップと、
 該吸収体素材と前記被覆部材とを一体化させるためのエンボス加工を、前記吸収体素材における前記点在部の存在しない位置のみに施すステップと、
 を有することを特徴とする吸収性物品の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]