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1. WO2008117402 - 単一光子発生装置

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明 細 書

発明の名称 単一光子発生装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008  

発明の開示

発明が解決しようとする課題

0009   0010  

課題を解決するための手段

0011   0012  

発明の効果

0013  

図面の簡単な説明

0014   0015  

発明を実施するための最良の形態

0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

明 細 書

単一光子発生装置

技術分野

[0001]
 本発明は、単一光子発生素子に励起光を照射して所望の波長の単一光子を発生させる単一光子発生装置に関する。

背景技術

[0002]
 電子政府や電子商取引など次世代情報化社会の実現に向けて、安全・確実な暗号通信は必要不可欠である。
 暗号通信には、公開暗号鍵方式や秘密暗号鍵方式が用いられている。公開暗号鍵方式では、解読に膨大な時間を必要とするので解読が困難であるという計算量的側面によってのみ安全性を保証されており、その安全性は完全ではない。また、秘密暗号鍵方式では、秘密鍵自体を二者に配信する際に盗聴されるおそれがあり、その安全性は完全ではない。
[0003]
 このような安全性の問題を解決する手段として期待されているのが、1984年にC.H.BennettとG.Brassardにより提案されたBB84型プロトコルに代表される量子暗号通信である。
 このような量子暗号通信では、無条件の安全性を保証する鍵情報の担い手として単一の光子を用いる(例えば特許文献1参照)。
[0004]
 単一光子を発生する素子の有力候補として期待されるのが、光パルス励起によって光子を一つずつ発生することが可能な半導体量子ドットである。
 最近、単一光子の生成効率を高めるため、極微細半導体突起構造(例えば特許文献2参照)、微小共振器(例えば非特許文献1参照)、微小メサ構造体(例えば非特許文献2参照)等の内部に量子ドットを配置することが提案されている。
[0005]
 ところで、量子暗号通信のスループットを高めるためには上記の生成効率のみならず、いかに長距離伝送用光ファイバと単一光子の生成源である微細構造体とを低損失で結合させ、かつ、挿入損失を増大させる要因となる伝送路上の光学素子をいかに減らすかが重要である。
 このため、微細構造体(微細発光体)を光励起し、微細構造体が生成した単一光子を光ファイバに結合して集光するために、例えば図13に示すような顕微発光測定系100が用いられている。
[0006]
 このような顕微発光測定系100では、図13に示すように、単一光子を生成する微細構造体101を3次元移動ステージ102上の固定し、照明用光源103からの照明光をビームスプリッタ104a,104b等を介して微細構造体101に照射して、微細構造体101をCCDカメラ105及びモニタ106によって観察する。これらを観察光学系という。
[0007]
 一方、微細構造体101に単一光子を生成させるために、励起用レーザ108から出射される励起光を、観察光学系とは異なる光路109を通じ、誘電体ミラー110、対物レンズ111を介して微細構造体101上に照射する。これらを励起用レーザ光学系という。
 励起光の照射によって微細構造体101が生成した単一光子は、集光レンズ112によって光ファイバ113に入射させ、検出器114へ伝送される。これを光ファイバ集光光学系という。
[0008]
 このように構成される顕微発光測定系100は、観察光学系、励起用レーザ光学系、光ファイバ集光光学系の各々について調整の自由度が高く、光学台上に手軽に構築できる点で好ましい。
特許文献1 : 特開2000-292821号公報
特許文献2 : 特開2006-186084号公報
非特許文献1 : Matthew Pelton et al., "Efficient Source of Single Photons: A Single Quantum Dot in a Micropost Microcavity", Physical Review Letters, Vol.89, No.23, pp.233602-1-4, 2 December 2002
非特許文献2 : Kazuya Takemoto et al., "Non-classical Photon Emission from a Single InAs/InP Quantum Dot in the 1.3-μm Optical-Fiber Band", Japanese Journal of Applied Physics, Vol.43, No.7B, 2004, pp.L993-L995

発明の開示

発明が解決しようとする課題

[0009]
 しかしながら、上述のような顕微発光測定系100は、微細構造体101と光ファイバ端113aとの間の光路上に、励起光109を導入するための誘電体ミラー110や、観察光学系のビームスプリッタ104b等の光学素子が入るため、鏡筒長が長くなり微細構造体101と光ファイバ113との結合効率が落ち、微細構造体101から検出器114に到達するまでの損出が大きいという課題がある。
[0010]
 また、観察光学系、励起用レーザ光学系、光ファイバ集光光学系の各々の調整の自由度が高すぎるため、CCDカメラ105による観察中心と、光ファイバ113の中心軸とを精度良く一致させるのは容易ではなく、微細構造体101が生成した単一光子を光ファイバ113に入射させるための高精度の位置決めが困難であるという課題がある。
 本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、単一光子発生素子が発生した単一光子を低損失で取り出すことができる単一光子発生装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0011]
 本発明の一の観点によれば、単一光子発生素子と、単一光子発生素子に照射される励起光を出射する励起光源と、励起光源から第1光ファイバを介して伝播する励起光を単一光子発生素子に集光させる一方、励起光の照射によって単一光子発生素子が発生した単一光子を第1光ファイバに入射させる集光光学系と、単一光子発生素子が発生した所望の単一光子の波長を透過する透過帯域と、励起光源からの励起光の波長を抑圧する抑圧帯域とを有し、励起光源からの励起光が反射して集光光学系へ導かれるように第1光ファイバに介装されるとともに、所望の波長の単一光子を取り出すための第2光ファイバに接続されたバンドパスフィルタとを備える単一光子発生装置が提供される。
[0012]
 また、本発明の他の観点によれば、単一光子発生素子と、単一光子発生素子に照射される励起光を出射する励起光源と、励起光源から第1光ファイバを介して伝播する励起光を単一光子発生素子に集光させる一方、励起光の照射によって単一光子発生素子が発生した単一光子を第1光ファイバに入射させる集光光学系と、単一光子発生素子が発生した所望の単一光子の波長を抑圧する抑圧帯域と、励起光源からの励起光の波長を透過する透過帯域とを有し、励起光源からの励起光が透過して集光光学系へ導かれるように第1光ファイバに介装されるとともに、所望の波長の単一光子を取り出すための第2光ファイバに接続されたノッチフィルタとを備える単一光子発生装置が提供される。

発明の効果

[0013]
 したがって、本発明の単一光子発生装置によれば、単一光子発生素子が発生した単一光子を低損失で取り出すことができるという利点がある。

図面の簡単な説明

[0014]
[図1] 本発明の第1実施形態の単一光子発生装置の全体構成を示す模式図である。
[図2] 本発明の第1実施形態の変形例の単一光子発生装置の全体構成を示す模式図である。
[図3] 本発明の第1実施形態の単一光子発生装置に備えられるバンドパスフィルタの構成を示す模式図である。
[図4] 本発明の第1実施形態の単一光子発生装置に備えられるバンドパスフィルタの透過特性を示す図である。
[図5] 本発明の第1実施形態の単一光子発生装置に備えられるバンドパスフィルタの変形例の構成を示す模式図である。
[図6] 本発明の第1実施形態の単一光子発生装置を構成する量子ドット構造体を示す模式的斜視図である。
[図7] 本発明の第1実施形態の単一光子発生装置を構成する量子ドット構造体の要部を示す模式的断面図である。
[図8] 本発明の第1実施形態の単一光子発生装置を構成する量子ドット構造体からの反射光強度分布を可視化した模式図である。
[図9] 本発明の第1実施形態の単一光子発生装置における集光位置の再最適化制御の処理を示すフローチャートである。
[図10] 本発明の第1実施形態の単一光子発生装置による効果を説明するための模式図である。
[図11] 本発明の第2実施形態の単一光子発生装置の全体構成を示す模式図である。
[図12] 本発明の第2実施形態の単一光子発生装置に備えられるノッチフィルタの構成を示す模式図である。
[図13] 従来の微細構造体が生成した単一光子を集光するための集光装置の構成を示す模式図である。

符号の説明

[0015]
 10,70 単一光子発生装置
 11 単一光子発生素子
 12 クライオスタット
 13 冷却台
 14 冷凍機
 15 冷媒給排管
 16 光学窓
 20 励起光源
 21,23,25,28,31 光ファイバ
 22 1x2カプラ
 22Aサーキュレータ
 24 バンドパスフィルタ
 24A 誘電体多層膜フィルタ
 24B エタロンフィルタ
 26 入出力部
 27 集光光学系
 27a,27b レンズ
 29 光検出器
 32 出力部
 33 単一光子検出器
 41 3軸ステージ
 42 ステージコントローラ
 43 制御演算部
 44 入力部
 45 メモリ
 46 表示部
 50 量子ドット構造体
 51 InP基板
 52 InPバッファ層
 53 InAs量子ドット
 54 第1InPダブルキャップ層
 55 第2InPダブルキャップ層
 56 InPキャップ層
 58 反射光強度分布
 71 ノッチフィルタ
 71A 誘電体多層膜フィルタ

発明を実施するための最良の形態

[0016]
 以下、図面により、本発明の一実施形態にかかる単一光子発生装置について説明する。
[第1実施形態]
 まず、本発明の第1実施形態にかかる単一光子発生装置について、図1~図10を参照しながら説明する。
 本実施形態にかかる単一光子発生装置10は、図1に示すように、単一光子発生素子11と、単一光子発生素子11に照射される照明光を兼ねる励起光を出射する励起光源20と、光ファイバ21,23,25を伝搬し、入出力部26から出射された励起光をコリメートして、単一光子発生素子11に集光し、さらに単一光子発生素子11からの反射光及び励起光の照射によって単一光子発生素子11が発生した単一光子を再び入出力部26に集光する集光光学系27と、単一光子発生素子11からの反射光の強度を検出する光検出器(反射光強度検出手段;パワーメータ)29と、励起光の照射によって単一光子発生素子11で生成され、集光光学系27及び光ファイバ25を伝搬してきた光の中から所望の波長帯(ここでは1.55μm帯)に含まれる任意の波長の単一光子のみを選別し、その他の光は反射によって抑圧するバンドパスフィルタ24と、集光光学系27に取り付けられ、励起光の集光位置を制御する3軸ステージ(位置制御機構)41と、3軸ステージ41を駆動制御するステージコントローラ42と、ステージコントローラ42及び光検出器29等を制御する制御演算部(制御手段;制御PC)43とを含むものとして構成される。
[0017]
 なお、本明細書において、単一光子とは1つの光子しか含まない光のパルスを意味する。
 この単一光子発生装置10では、励起光と照明光を共通化することにより、単一光子発生素子11の単一光子発生源である量子ドット構造体50に容易に集光でき、かつ、光ファイバ25の入出力部26と単一光子発生素子11との間の光学部品数を低減できる。
[0018]
 特に、励起光の波長がバンドパスフィルタ24の抑圧帯域に入るようにして、バンドパスフィルタ24の抑圧帯域を利用することで、励起光を導入し、反射光を反射によって抑圧し、背景光を低減することができ、これにより、光ファイバ25の入出力部26と出力部32との間の光学部品数も低減でき、この結果、コストを低く抑え、省スペース化を図りながら、低損失な単一光子発生装置10を実現できることになる。
[0019]
 以下、単一光子発生装置10の各構成要素を説明する。
 励起光源20は、レーザ光源(例えばDFBレーザなど)であり、単一光子発生素子11を励起しうる波長のレーザ光(励起光)を出射可能であれば、その種類は特に限定されないが、励起光の波長がバンドパスフィルタ24の抑圧帯域に入るようにする必要がある。
[0020]
 この場合、単一光子の波長λ cに近い長波長λ exc(=λ c-Δλ)の励起光を用いることになるため、励起光源20は、共鳴励起又は近共鳴励起を生じさせうる波長の励起光を出射可能なものを用いるのが好ましい。例えば波長1.55μm帯に含まれる任意の波長の単一光子を取り出す場合、波長1.4μm以上のレーザ光を出射するレーザダイオードを用いるのが好ましい。
[0021]
 このように、励起光の波長がバンドパスフィルタ24の抑圧帯域に入るようにすることで(即ち、単一光子の波長に近い長波長の励起光を用いることで)、背景光(ノイズ)を除去するためにローパスフィルタを設ける必要がなくなる。この場合、共鳴励起又は近共鳴励起を利用することで、単一光子の光強度を増大させることができ、これにより、十分な効率を確保できることになる。
[0022]
 特に、励起光は、単一光子発生素子11の量子ドット構造体50の形状を観察・測定するための照明光としても用いられる。これにより、別途、照明用の光源,光路,反射された照明光を取り出すためのカプラ等を設ける必要がなくなるため、光学的な損失を抑制できることになる。
 光ファイバ21,23,25,28,31としては、シングルモード光ファイバが用いられる。
[0023]
 1x2カプラ(分波器)22は、励起光源20に光ファイバ(第1光ファイバ)21を介して接続されたフォワードポート(Forward Port)と、光検出器29に光ファイバ(第2光ファイバ)28を介して接続されたリターンポート(Return Port)と、バンドパスフィルタ24に光ファイバ(第1光ファイバ)23を介して接続されたコムポート(Com Port)とを有している。つまり、1x2カプラ22は、図1に示すように、励起光源20とバンドパスフィルタ24との間の光ファイバ(第1光ファイバ)21,23に介装されている。
[0024]
 なお、ここでは、1x2カプラ22を用いているが、これに限定されるものではなく、上記の機能を有する分波器であれば良い。例えば2x2カプラなどの他の構成のカプラを用いても良い。また、例えば図2に示すように、光サーキュレータ(分波器)22Aを用いることもできる。
 バンドパスフィルタ24は、図1に示すように、励起光源20からの励起光(例えば波長1.4μm以上の励起光)が反射して集光光学系27へ導かれ、かつ、単一光子発生素子11からの反射光が反射して1x2カプラ22へ導かれるように、光ファイバ(第1光ファイバ)23と光ファイバ(第1光ファイバ)25との間に介装される。また、バンドパスフィルタ24は、単一光子発生素子11が発生した所望の波長の単一光子(例えば波長1.55μm帯に含まれる任意の波長の単一光子)を取り出すための光ファイバ(第2光ファイバ)31に接続されている。
[0025]
 つまり、バンドパスフィルタ24は、図3に示すように、トランスミッションポート(Transmission Port)と、リフレクションポート(Reflection Port)と、コモンポート(Common Port)とを備え、リフレクションポートに光ファイバ(第1光ファイバ)23が接続されており、コモンポートに光ファイバ(第1光ファイバ)25が接続されており、トランスミッションポートに光ファイバ(第2光ファイバ)31が接続されている。
[0026]
 また、バンドパスフィルタ24は、誘電体多層膜フィルタ24Aを含むものとして構成される。
 ここで、誘電体多層膜フィルタ24Aの透過特性は、例えば図4に示すようになっている。つまり、誘電体多層膜フィルタ24Aは、単一光子発生素子11が発生した単一光子のうち所望の波長帯(ここでは1.55μm帯)に含まれる任意の波長の単一光子を選別しうるように、所望の単一光子の波長λ cを透過する狭帯域の透過帯域と、透過帯域を挟んで両側に隣接し、励起光源20からの励起光の波長λ exc(=λ c-Δλ)を抑圧する抑圧帯域(例えば光強度が30dB以上抑圧される帯域)とを有するものとして構成される。
[0027]
 ここでは、上述のように、励起光の波長がバンドパスフィルタ24の抑圧帯域に入るようにしているため、励起光源20からの励起光はバンドパスフィルタ24で反射して抑圧され、また、単一光子発生素子11からの励起光の反射光もバンドパスフィルタ24で反射して抑圧されることになる。
 つまり、図3に示すように、光ファイバ23を介してバンドパスフィルタ24のリフレクションポートから入ってきた励起光は、誘電体多層膜フィルタ24Aで反射してコモンポートに結合し、光ファイバ25を介して単一光子発生素子11へ送られるようになっている。また、光ファイバ25を介してバンドパスフィルタ24のコモンポートから入ってきた反射光は、誘電体多層膜フィルタ24Aで反射してリフレクションポートに結合し、光ファイバ23を介して光検出器29へ送られるようになっている。
[0028]
 一方、光ファイバ25を介してバンドパスフィルタ24のコモンポートから入ってきた単一光子は、誘電体多層膜フィルタ24Aを透過してトランスミッションポートに結合し、光ファイバ31を介して取り出されるようになっている。
 このように、バンドパスフィルタ24の抑圧帯域を利用して(即ち、狭帯域バンドパスフィルタの中心波長近傍で最も抑圧が大きくなる特性を利用して)、図1に示すように、励起光源20から光ファイバ21,23を介して伝搬してくる励起光を光ファイバ25に反射・結合させるとともに、単一光子発生素子11からの反射光を光ファイバ23に反射・結合させるようにして、励起光や反射光が単一光子を取り出す出力部32側へ伝播しないようにする一方、バンドパスフィルタ24の透過帯域を利用して、単一光子発生素子12によって生成された単一光子を透過させて取り出すようにしている。また、バンドパスフィルタ24によって背景光(ノイズ)も除去されることになる。
[0029]
 なお、本実施形態では、バンドパスフィルタ24を、誘電体多層膜フィルタ24Aを含むものとして構成しているが、これに限られるものではなく、例えば図5に示すように、エタロンフィルタ24Bを含むものとして構成しても良い。
 集光光学系27は、図1に示すように、励起光源20から光ファイバ(第1光ファイバ)21,23,25を介して伝播する励起光を単一光子発生素子11に集光させる一方、励起光の照射によって単一光子発生素子11が発生した単一光子を光ファイバ(第1光ファイバ)25に入射させるように構成されている。
[0030]
 具体的には、集光光学系27は、入出力部26から空間に出射された励起光を平行光に変換するレンズ27aと、さらに平行光に変換された励起光を単一光子発生素子11の量子ドット構造体50に集光するレンズ27bからなる。これらのレンズ27a,27bは、3軸ステージ41によって、励起光が単一光子発生素子11の表面に集光するとともに、単一光子発生素子11からの励起光の反射光が入出力部26の端面に集光するように位置決めされる。なお、集光光学系27の構成は、これに限られるものではなく、上記の機能を有するものであれば良い。例えば単レンズあるいは3枚以上のレンズを用いたものでも良い。
[0031]
 単一光子発生素子11は、励起光の照射によって、励起光の波長と異なる波長の単一光子を発生するものであれば特に限定されないが、ここでは、単一光子発生源として量子ドット構造体50を有するものとして構成している。例えば波長1.55μm帯の単一光子を取り出す場合、波長1.4μm以上の励起光によって共鳴励起又は近共鳴励起されるものが好ましい。
[0032]
 量子ドット構造体50としては、公知の量子ドット構造体を用いることができるが、以下、一例を挙げて説明する。
 図6は、量子ドット構造体50の模式的斜視図、図7は、量子ドット構造体50の要部断面図であり、図6に示す量子ドット構造体50の頂上付近を拡大した断面図である。なお、図6に示したX軸及びY軸は量子ドット構造体50の頂上面に平行な面内の互いに直行する2つの軸であり、Z軸は頂上面に垂直な軸である。
[0033]
 量子ドット構造体50は、図6及び図7に示すように、円錐台形状のメサ構造を有し、励起光の照射によって互いに波長の異なる複数の単一光子を生成しうるように、互いに大きさの異なる複数の量子ドット53を有するものとして構成される。量子ドット構造体50の頂上面は、図7に示すInPキャップ層56の表面によって構成される。
 なお、量子ドット構造体50の形状はこれに限られるものではなく、例えば図6に示すものよりも高さが低くても良いし、頂上面の面積が広くても良い。
[0034]
 ここでは、量子ドット構造体50は、InAs/InP量子ドットを有するものとして構成される。
 具体的には、量子ドット構造体50は、図6に示すように、InP基板51上に形成されたInPバッファ層52(例えば厚さ200nm)と、InPバッファ層52の表面に形成された複数のInAs量子ドット53と、InPバッファ層52の表面とInAs量子ドット53を覆う第1InPダブルキャップ層54(例えば厚さ2nm)及び第2InPダブルキャップ層55(例えば厚さ18nm)と、その上に形成されたInPキャップ層56(例えば厚さ100nm)とからなる。
[0035]
 そして、InPバッファ層52の表面には、図7に示すように、複数の異なる底面直径及び高さH QDを有するInAs量子ドット53が形成されている。InAs量子ドット53は、InPキャップ層56側からの励起光の照射によって単一光子を発生する。この単一光子は全方位的に放出されるが、よく設計されたメサ構造を用いることで、励起光の入射側により多く進行させることが可能である。単一光子の波長は、InAs量子ドット53の底面直径及び高さH QDに応じて決定される。例えば、底面直径あるいは高さH QDが大きいほど単一光子の波長は長くなる。但し、高さH QDは、InAsの分子数に応じた離散的な値になるため、各InAs量子ドット53が発光する単一光子は異なる波長を有するものとなるが、バンドパスフィルタ24によって選別することで所望の波長帯(例えば1.55μm帯)に含まれる任意の波長の単一光子を取り出すことができる。
[0036]
 この点、本発明者等の検討によれば、このような構造の量子ドット構造体のInAs量子ドットから通信波長帯(波長1.3μm~1.55μm)において離散的でかつ波長幅の狭い輝線が得られることが知得されている(例えばJapanese Journal of Applied Physics, Vol.43, No.3A, 2004, pp.L349-L351参照)。また、量子ドット構造体から上記の輝線の波長の単一光子が得られることが知得されている(例えばJapanese Journal of Applied Physics, Vol.43, No.7B, 2004, pp.L993-L995参照)。
[0037]
 量子ドット構造体50は、InAs量子ドット53がメサ構造のInPバッファ層52上に1個以上配置されている。
 例えば、このような量子ドット構造体50に波長1.4μm以上のパルスレーザ光が励起光として照射されると、1パルスの励起光の照射で、波長1.3μm~1.55μmであって、励起光の波長よりも長波長側の波長帯において離散的な波長の単一光子が得られる。
[0038]
 なお、このような量子ドット構造体50の形成方法等は特開2006-229608号公報に記載された方法を用いることができる。
 ところで、単一光子発生素子11は、図1に示すように、クライオスタット12内の冷却台13上に載置され、収容される。冷却台13には冷凍機14から冷媒給排管15を介して液体ヘリウムが供給され、単一光子発生素子11が10K程度の温度に冷却される。励起光は、クライオスタット12に設けられた光学窓16を介して、単一光子発生素子11に集光される。なお、図示しない真空ポンプによってクライオスタット12内は真空に保持される。また、室温で発光可能な単一光子発生素子11を用いた場合は、冷却台13、冷媒給排管15及び冷凍機14は設けなくても良い。さらに、温度を10K程度の低温にする必要がない場合は、冷媒として液体窒素などを利用することも可能である。なお、集光光学系27もクライオスタット12内に収容されるようにしても良い。
[0039]
 3軸ステージ41は、その上に集光光学系27が載置され、例えば集光光学系27の光軸方向及び光軸方向に直交する平面内の2軸方向に動作可能である。3軸ステージ41によって集光光学系27をその光軸方向に動作させることで、例えば図6に示した単一光子発生素子11の量子ドット構造体50の表面に合焦するように励起光を集光させることができる。また、3軸ステージ41によって集光光学系27を光軸方向に直交する平面内の2軸方向(図6に示すX軸及びY軸方向)に動作させることで、量子ドット構造体50の表面を励起光によって走査することが可能となる。
[0040]
 光検出器(反射光強度検出手段)29は、単一光子発生素子11からの反射光の強度を検出するものであり、図1に示すように、1x2カプラ22に光ファイバ(第3光ファイバ)28を介して接続されている。なお、光検出器29として、分光器を用いても良く、この場合、反射光波長のパワースペクトルが検出されることになる。
 制御演算部(制御手段;コントローラ)43は、例えばパーソナルコンピュータである。ここでは、制御演算部43には、光検出器29から反射光の強度データが供給され、ステージコントローラ42から3軸ステージ41の位置情報(例えば基準位置からの3軸方向への移動距離等)が供給される。そして、制御演算部43は、3軸ステージ41を制御して、光検出器29によって検出された反射光の強度に基づいて集光光学系27によって集光される励起光の集光位置を制御するようになっている。
[0041]
 また、制御演算部43には、図1に示すように、入力部44、メモリ45、表示部46が接続されている。
 ここで、入力部は、例えばキーボードであり、制御演算部43への命令や条件設定等の入力を行なうものである。また、メモリ45は、例えばRAM、ROM等の半導体メモリ、ハードディスク装置、磁気テープ装置等の磁気記憶装置、光ディスク装置等である。メモリ45には、制御演算部43で実行されるプログラムや量子ドット構造体50の表面形状情報のデータが記憶されている。また、表示部46は、例えばモニタであり、量子ドット構造体50の反射光強度分布や反射光の現時点での強度等が表示される。
[0042]
 また、制御演算部43は、メモリ45等に記憶されたプログラムを実行することによって、単一光子発生素子11の量子ドット構造体50の表面からの反射光の強度データ(即ち、光検出器29によって検出された反射光強度データ)及び3軸ステージ41の位置情報に基づいて単一光子発生素子11の量子ドット構造体50の形状情報を取得する形状情報取得手段、形状情報取得手段によって得られた形状情報に基づいて励起光の集光位置を最適化する集光位置最適化手段、及び、励起光の集光位置のドリフト補償手段等として機能する。
[0043]
 形状情報取得手段は、ステージコントローラ42を介して3軸ステージ41を制御して、集光光学系27による励起光の集光位置を図6に示した量子ドット構造体50のXY平面において走査させ、光検出器29によって検出された反射光の強度(あるいは反射光波長のパワースペクトル)を取得する。また、形状情報取得手段は、3軸ステージ41(あるいはステージコントローラ42)の位置情報(即ち、励起光の集光位置の位置情報)を取得する。そして、形状情報取得手段は、励起光の集光位置と反射光強度とを対応づけた反射光強度分布を取得し、これを量子ドット構造体50の形状情報としてメモリ45に記憶させる。
[0044]
 ここで、図8は、量子ドット構造体50からの反射光強度分布を可視化した模式図である。なお、図8のX軸及びY軸の座標は集光位置の位置情報を示しており、図6のX軸及びY軸に対応している。また、図8のXY平面に垂直な方向に反射光強度を示している。また、データ点は離散的に得られるが、図8ではデータ点間を補間して模式的に示している。
[0045]
 図8に示すように、反射光強度分布58は、量子ドット構造体50の頂上面の中心において反射光強度が最大となり、量子ドット構造体50の側面では頂上面から離れるほど反射光強度が小さくなり、量子ドット構造体50と類似した形状となる。このため、本実施形態では、形状情報取得手段は、反射光強度分布58を量子ドット構造体50の形状情報として取得するようにしている。
[0046]
 集光位置最適化手段は、形状情報取得手段によって取得された量子ドット構造体50の形状情報としての反射光強度分布のデータに基づいて励起光の集光位置を最適化する。
 具体的には、集光位置最適化手段は、反射光強度の最大点を最適な集光位置として決定する。例えば、互いに異なるY軸上の5つの座標点Y1~Y5を通り、X軸に平行な5つの直線L1~L5上で反射光強度が最大になる点M1~M5を求め、これらの点M1~M5の中の最大になる点(例えばM3)のX座標及びY座標を最適な集光位置として決定する。
[0047]
 そして、集光位置最適化手段は、ステージコントローラ42を介して3軸ステージ41を制御して励起光の集光位置を、上述のようにして決定された最適な集光位置に設定する。これにより、励起光の集光位置は、量子ドット構造体50の頂上面の中心位置に位置合わせされることになる。
 ところで、上述のようにして、形状情報取得手段及び集光位置最適化手段によって励起光の集光位置が最適化されるが、励起光を単一光子発生素子11に照射し続けると冷却台13の熱ドリフトによって集光位置がずれてしまい、単一光子の生成が停止してしまう場合がある。このように、集光位置の位置ずれが生じると反射光強度(反射光量)は減少することになる。
[0048]
 このため、本実施形態では、ドリフトによる集光位置の位置ずれを補償するドリフト補償手段として、反射光強度検出手段によって検出された反射光強度の低下量(反射光量の減少量)に応じて励起光の集光位置の位置ずれを補償する集光位置ずれ補償手段を備える。
 集光位置ずれ補償手段は、単一光子発生装置10が動作中、即ち、励起光が単一光子発生素子11に照射されている間、反射光強度(反射光量)をモニタし、前回最適化制御が行なわれた際の最適な集光位置における反射光強度(反射光量)を基準とする反射光強度の低下量(反射光量の減少量)が、第1の閾値を超えた場合に、以下の位置ずれ補償制御(ドリフト補償制御)を行なう。
[0049]
 集光位置ずれ補償手段は、位置ずれ補償制御として、反射光強度の低下量が第1の閾値を超えた場合に、3軸ステージ41を制御して集光位置をX軸方向及びY軸方向に微少量だけ移動させ、反射光強度が増加する3軸ステージ41の位置情報(即ち、励起光の集光位置の位置情報)を取得し、これに基づいて集光位置を再設定する。
 また、本実施形態では、反射光強度の低下量が第1の閾値よりも所定値だけ大きい値に設定される第2の閾値を超えた場合は、上述の形状情報取得手段及び集光位置最適化手段による集光位置最適化制御(再最適化)を行なうようにしている。
[0050]
 なお、本実施形態では、図1に示すように、上述のように構成される単一光子発生装置10の出力部32に、所望の波長の単一光子の発光強度を検出する単一光子検出器(発光強度検出手段)33を接続している。そして、制御演算部43に単一光子検出器33から単一光子の発光強度が供給されるようにしている。
 単一光子検出器33は、単一光子発生素子11によって生成された単一光子の波長、数、発光のタイミング、発光強度等を検出・測定するものであり、アバランシェ型フォトダイオードや光電子増倍管、あるいはアレイ型検出器と組み合わせた分光器からなる。
[0051]
 そして、本実施形態では、制御演算部43は、メモリ45等に記憶されたプログラムを実行することによって、単一光子検出器33によって検出された単一光子の発光強度(あるいはパワースペクトル)のデータを取得するとともに、3軸ステージ41(あるいはステージコントローラ42)の位置情報(即ち、励起光の集光位置の位置情報;これは量子ドット構造体の位置情報に相当する)を取得し、これらに基づいて発光強度分布を取得する発光強度分布取得手段として機能するように構成している。このようにして得られた発光強度分布によって、量子ドット構造体50における量子ドットの配置情報を得ることができる。
[0052]
 なお、単一光子検出器33を接続しないで、単一光子を出力部32から取り出すようにしても良い。
 以下、単一光子発生装置10の動作を説明する。
 まず、図1に示すように、クライオスタット12内の冷却台13上に単一光子発生素子11を固定し、クライオスタット12内を排気して真空状態にし、さらに冷凍機14からの液体ヘリウムにより単一光子発生素子11を例えば10Kに冷却する。
[0053]
 励起光源20によって例えば波長1.45μmのパルス状の励起光がシングルモード光ファイバ21に出射され、1x2カプラ22のフォワードポート(Forward Port)からコムポート(Com Port)を通過して光ファイバ23を伝播し、バンドパスフィルタ24の抑圧帯域における反射を利用して光ファイバ25に結合し、入出力部26から空間へ出射する。
[0054]
 入出力部26から出射した励起光は集光光学系27のレンズ27aによって平行光に変換され、さらにレンズ27bによって光学窓16を介して単一光子発生素子11の量子ドット構造体50に集光される。
 量子ドット構造体50で反射した反射光(励起光と同じ波長である)は、励起光と逆向きに伝搬し、1x2カプラ22のコムポート(Com Port)からリターンポート(Return Port)を通過し、光ファイバ28を介して光検出器29へ送られる。
[0055]
 制御演算部43がメモリ45に記憶されているプログラムを実行することによって実現される形状情報取得手段が、ステージコントローラ42を介して3軸ステージ41を制御し、集光光学系27を介して量子ドット構造体50に照射される励起光の集光位置を図6のXY平面内で走査させる。そして、形状情報取得手段が、光検出器29によって検出される量子ドット構造体50からの反射光の強度データ、及び、3軸ステージ41(あるいはステージコントローラ42)の位置情報(即ち、励起光の集光位置の位置情報)を取得し、これらを関連づけて、量子ドット構造体50の形状情報を取得し、これをメモリ45に記憶させる。
[0056]
 また、制御演算部43がメモリ45に記憶されているプログラムを実行することによって実現される集光位置最適化手段が、メモリ45に記憶された量子ドット構造体50の形状情報(即ち、反射光強度分布)に基づいて励起光の集光位置を最適化する。
 つまり、集光位置最適化手段が、反射光強度が最大となる集光位置を最適な集光位置として決定し(図8参照)、ステージコントローラ42を介して3軸ステージ41を制御して励起光の集光位置を最適な集光位置に設定する。
[0057]
 これにより、単一光子発生素子11によって励起光に応じた波長の単一光子が生成され、集光光学系27を介して入出力部26に入射し、光ファイバ25を伝播し、バンドパスフィルタ24によって不必要な背景光が除去され、所望の波長帯(例えば1.55μm帯)に含まれる任意の波長の単一光子のみが選別され、光ファイバ31を介して出力部32から取り出される。
[0058]
 なお、本実施形態では、単一光子が生成されている間、制御演算部43がメモリ45に記憶されているプログラムを実行することによって実現される集光位置ずれ補償手段(ドリフト補償手段)によって、必要に応じて、集光位置の位置ずれ補償制御(集光位置の再最適化制御)が行なわれる。
 つまり、まず、図9に示すように、集光位置ずれ補償手段は、現在の集光位置における反射光強度を取得する(ステップS10)。
[0059]
 次いで、集光位置ずれ補償手段は、現在の反射光強度と前回最適化制御が行なわれた際の最適な集光位置における反射光強度(基準反射光強度)との差(反射光強度の低下量;反射光量の減少量)を求める(ステップS20)。
 次に、集光位置ずれ補償手段は、反射光強度の低下量が第1の閾値を超えているか否かを判定する(ステップS30)。
[0060]
 ステップS30において、反射光強度の低下量が第1の閾値を超えていないと判定した場合(NOルート)は、後述のような集光位置の再最適化制御を行なわずに処理を終了する。
 一方、反射光強度の低下量が第1の閾値を超えていると判定した場合(YESルート)、さらに、集光位置ずれ補償手段は、反射光強度の低下量が第1の閾値よりも所定値だけ大きな値に設定される第2の閾値を超えているか否かを判定する(ステップS40)。
[0061]
 その結果、反射光強度の低下量が第2の閾値を超えていないと判定した場合(即ち、第1の閾値を超えているが第2の閾値を超えていない場合)(NOルート)、集光位置ずれ補償手段は、3軸ステージ41を制御し、励起光の集光位置をX軸方向に微少量だけ移動させ、反射光強度が増加する3軸ステージ41の位置情報(即ち、励起光の集光位置の位置情報)を取得する(ステップS50)。
[0062]
 次いで、集光位置ずれ補償手段は、3軸ステージ41を制御し、励起光の集光位置をY軸方向に微少量だけ移動させ、反射光強度が増加する3軸ステージ41の位置情報(即ち、励起光の集光位置の位置情報)を取得する(ステップS60)。
 そして、集光位置ずれ補償手段は、取得された3軸ステージ41の位置情報(即ち、励起光の集光位置の位置情報)に基づいて集光位置を再設定する(ステップS70)。
[0063]
 一方、ステップS40において、反射光強度の低下量が第2の閾値を超えていると判定した場合(YESルート)、上述の形状情報取得手段及び集光位置最適化手段によって集光位置の再最適化制御が行なわれ、再度、集光位置が最適化される(ステップS80,S90)。
 つまり、まず、形状情報取得手段は、ステージコントローラ42を介して3軸ステージ41を制御し、励起光の集光位置を図6のXY平面内で走査させ、光検出器29によって検出される反射光の強度データ、及び、3軸ステージ41(あるいはステージコントローラ42)の位置情報(即ち、励起光の集光位置の位置情報)を取得し、これらを関連づけて、量子ドット構造体50の形状情報を取得する(ステップS80)。
[0064]
 次に、集光位置最適化手段は、量子ドット構造体50の形状情報(即ち、反射光強度分布)に基づいて、反射光強度が最大となる集光位置を最適な集光位置として決定し(図8参照)、ステージコントローラ42を介して3軸ステージ41を制御して励起光の集光位置を最適な集光位置に再設定する(ステップS90)。
 このようにして集光位置を再設定した後(ステップS70,S90)、集光位置ずれ補償手段は、再設定した集光位置における反射光強度と基準反射光強度との差(反射光強度の低下量;反射光量の減少量)を求め(ステップS100)、ステップS30へ戻り、再度、反射光強度の低下量が第1の閾値を超えているか否かを判定する。
[0065]
 以後、ステップS30において、反射光強度の低下量が第1の閾値を超えていないと判定するまで、ステップS40からステップS100までの処理を繰り返す。
 そして、ステップS30において、反射光強度の低下量が第1の閾値を超えていないと判定した場合(NOルート)、集光位置の再最適化制御を終了する。
 ところで、本実施形態では、図1に示すように、出力部32に単一光子検出器33を接続しているため、この単一光子検出器33によって単一光子の発光強度(あるいはパワースペクトル)が検出される。そして、制御演算部43がメモリ45に記憶されているプログラムを実行することによって実現される発光強度分布取得手段によって、単一光子検出器33によって検出された単一光子の発光強度(あるいはパワースペクトル)のデータ、及び、3軸ステージ41(あるいはステージコントローラ42)の位置情報(即ち、励起光の集光位置の位置情報;これは量子ドット構造体の位置情報に相当する)が取得され、これらに基づいて発光強度分布が取得される。
[0066]
 したがって、本実施形態にかかる単一光子発生装置によれば、励起光が照明光を兼ねており、励起光の光路と照明光の光路を共通化しているため、光ファイバ25の入出力部26と単一光子発生素子11との間に集光光学系27のみを設ければ良く、入出力部26と単一光子発生素子11との間の損失を最低限に抑制できるという利点がある。
 また、励起光の波長がバンドパスフィルタ24の抑圧帯域に入るようにして、バンドパスフィルタ24の抑圧帯域を利用することで、例えば図10に示すように、励起光を光ファイバ25に結合させ、かつ、単一光子発生素子11からの反射光を光ファイバ23に結合させるためのWDMカプラ、所望の波長の単一光子を取り出すためのバンドパスフィルタ、背景光(ノイズ)を除去するためのローパスフィルタなどの複数の光学素子を設ける必要がなく、入出力部26と出力部32との間の伝送路上の光学素子(ここではバンドパスフィルタ24)が1つで済み、光学部品数を低減できる。これにより、コストを低く抑え、省スペース化を図りながら、低損失な単一光子発生装置10を実現できることになる。
[0067]
 さらに、本実施形態では、形状情報取得手段及び集光位置最適化手段によって、励起光を照明光として使用して単一光子発生素子11の量子ドット構造体50の形状情報を取得し、この形状情報に基づいて励起光の集光位置を最適化するようにしているため、単一光子発生素子11によって確実に単一光子を発生させ、かつ、発生した単一光子を確実に集光でき、これにより、単一光子を効率的に出力できることになる。
[0068]
 例えば、シングルモード光ファイバのコア径が10μmであり、量子ドット構造体50のサイズが数百nm~1μmの場合、集光光学系27の結像倍率を5倍とすれば、光ファイバ25のコアの単一光子発生素子11への投影サイズは2μmとなる。単一光子発生装置10は、励起光の光路と照明光の光路を共通化しているので、3軸ステージ41の位置再現性の精度で集光位置が設定できる。3軸ステージ41の位置再現性の精度は10nm程度であるので、1μm以下の位置決め精度が可能である。この結果、単一光子発生装置10は、単一光子を確実に生成し、かつ、集光できることになる。
[0069]
 さらに、単一光子発生素子11の反射光強度をモニタしながら単一光子を集光することができるため、クライオスタット内の温度変化によって集光位置の位置ずれが生じても、集光位置ずれ補償手段によって、3軸ステージ41の位置制御を行なうことで集光位置の位置ずれを補償することができ、単一光子の経時的な生成が可能となり、集光安定性を向上させることができる。
[第2実施形態]
 本発明の第2実施形態にかかる単一光子発生装置について、図11,図12を参照しながら説明する。
[0070]
 本実施形態の単一光子発生装置は、上述の第1実施形態のものに対し、バンドパスフィルタの代わりにノッチフィルタを用いている点が異なる。
 つまり、本単一光子発生装置70では、図11に示すように、集光光学系27及び光ファイバ25を伝搬してきた光の中から所望の波長帯(ここでは1.55μm帯)に含まれる任意の波長の単一光子を選別するノッチフィルタ71を用いている。なお、図11では、上述の第1実施形態(図1参照)と同一のものには同一の符号を付している。
[0071]
 特に、励起光の波長がノッチフィルタ71の透過帯域に入るようにして、ノッチフィルタ71の透過帯域を利用することで、励起光を導入することができ、また、反射光を透過させて除去しながら、所望の波長帯に含まれる任意の波長の単一光子のみを反射させて取り出すことができ、さらに、背景光を低減することができる。これにより、光ファイバ25の入出力部26と出力部32との間の光学部品数も低減でき、この結果、コストを低く抑え、省スペース化を図りながら、低損失な単一光子発生装置70を実現できることになる。
[0072]
 ここで、ノッチフィルタ71は、図11に示すように、励起光源20からの励起光(例えば波長1.4μm以上の励起光)が透過して集光光学系27へ導かれ、かつ、単一光子発生素子11からの反射光が透過して1x2カプラ22へ導かれるように、光ファイバ(第1光ファイバ)23と光ファイバ(第1光ファイバ)25との間に介装される。また、ノッチフィルタ71は、単一光子発生素子11が発生した所望の波長の単一光子(例えば1.55μm帯の任意の波長の単一光子)を取り出すための光ファイバ(第2光ファイバ)31に接続されている。
[0073]
 つまり、ノッチフィルタ71は、図12に示すように、トランスミッションポート(Transmission Port)と、リフレクションポート(Reflection Port)と、コモンポート(Common Port)とを備え、リフレクションポートに光ファイバ(第2光ファイバ)31が接続されており、コモンポートに光ファイバ(第1光ファイバ)25が接続されており、トランスミッションポートに光ファイバ(第1光ファイバ)23が接続されている。
[0074]
 また、ノッチフィルタ71は、誘電体多層膜フィルタ71Aを含むものとして構成される。
 ここで、誘電体多層膜フィルタ71Aは、単一光子発生素子11が発生した単一光子のうち所望の波長帯(ここでは1.55μm帯)に含まれる任意の波長の単一光子を選別しうるように、所望の単一光子の波長λ cを抑圧する狭帯域の抑圧帯域(光強度が30dB以上抑圧される帯域)と、抑圧帯域を挟んで両側に隣接し、励起光源20からの励起光の波長λ exc(=λ c-Δλ)を透過する透過帯域とを有するものとして構成される。
[0075]
 ここでは、上述のように、励起光の波長がノッチフィルタ71の透過帯域に入るようにしているため、励起光源20からの励起光はノッチフィルタ71を透過し、また、単一光子発生素子11からの励起光の反射光もノッチフィルタ71を透過することになる。
 つまり、図12に示すように、光ファイバ23を介してノッチフィルタ71のトランスミッションポートから入ってきた励起光は、誘電体多層膜フィルタ71Aを透過してコモンポートに結合し、光ファイバ25を介して単一光子発生素子11へ送られるようになっている。また、光ファイバ25を介してノッチフィルタ71のコモンポートから入ってきた反射光は、誘電体多層膜フィルタ71Aを透過してトランスミッションポートに結合し、光ファイバ23を介して光検出器29へ送られるようになっている。
[0076]
 一方、光ファイバ25を介してノッチフィルタ71のコモンポートから入ってきた単一光子は、誘電体多層膜フィルタ71Aで反射してリフレクションポートに結合し、光ファイバ31を介して取り出されるようになっている。
 このように、ノッチフィルタ71の透過帯域を利用して、励起光源20から光ファイバ21,23を介して伝搬してくる励起光を光ファイバ25に透過・結合させるとともに、単一光子発生素子11からの反射光を光ファイバ23に透過・結合させるようにして、励起光や反射光が単一光子を取り出す出力部32側へ伝播しないようにする一方、ノッチフィルタ71の抑圧帯域を利用して、単一光子発生素子11によって生成された単一光子を光ファイバ31に反射・結合させて取り出すようにしている。また、ノッチフィルタ71によって背景光(ノイズ)も除去されることになる。
[0077]
 なお、本実施形態では、ノッチフィルタ71を、誘電体多層膜フィルタ71Aを含むものとして構成しているが、これに限られるものではなく、エタロンフィルタを含むものとして構成しても良い。
 このため、本単一光子発生装置70は、以下のように動作する。
 励起光源20によって例えば波長1.45μmのパルス状の励起光がシングルモード光ファイバ21に出射され、1x2カプラ22のフォワードポート(Forward Port)からコムポート(Com Port)を通過して光ファイバ23を伝播し、ノッチフィルタ71の透過帯域を利用して光ファイバ25に結合し、入出力部26から空間へ出射する。
[0078]
 入出力部26から出射した励起光は集光光学系27のレンズ27aによって平行光に変換され、さらにレンズ27bによって光学窓16を介して単一光子発生素子11の量子ドット構造体50に集光される。
 量子ドット構造体50で反射した反射光(励起光と同じ波長である)は、励起光と逆向きに伝搬し、1x2カプラ22のコムポート(Com Port)からリターンポート(Return Port)を通過し、光ファイバ28を介して光検出器29へ送られる。
[0079]
 制御演算部43がメモリ45に記憶されているプログラムを実行することによって実現される形状情報取得手段が、ステージコントローラ42を介して3軸ステージ41を制御し、集光光学系27を介して量子ドット構造体50に照射される励起光の集光位置を図6のXY平面内で走査させる。そして、形状情報取得手段が、光検出器29によって検出される量子ドット構造体50からの反射光の強度データ、及び、3軸ステージ41(あるいはステージコントローラ42)の位置情報(即ち、励起光の集光位置の位置情報)を取得し、これらを関連づけて、量子ドット構造体50の形状情報を取得し、これをメモリ45に記憶させる。
[0080]
 また、制御演算部43がメモリ45に記憶されているプログラムを実行することによって実現される集光位置最適化手段が、メモリ45に記憶された量子ドット構造体50の形状情報(即ち、反射光強度分布)に基づいて励起光の集光位置を最適化する。
 つまり、集光位置最適化手段が、反射光強度が最大となる集光位置を最適な集光位置として決定し(図8参照)、ステージコントローラ42を介して3軸ステージ41を制御して励起光の集光位置を最適な集光位置に設定する。
[0081]
 これにより、単一光子発生素子11によって励起光に応じた波長の単一光子が生成され、集光光学系27を介して入出力部26に入射し、光ファイバ25を伝播し、ノッチフィルタ71によって不必要な背景光が除去され、所望の波長帯(例えば1.55μm帯)に含まれる任意の波長の単一光子のみが選別され、光ファイバ31を介して出力部32から取り出される。
[0082]
 なお、その他の構成及び動作は、上述の第1実施形態のものと同じであるため、ここでは説明を省略する。
 したがって、本実施形態にかかる単一光子発生装置によれば、上述の第1実施形態のものと同様に、励起光が照明光を兼ねており、励起光の光路と照明光の光路を共通化しているため、光ファイバ25の入出力部26と単一光子発生素子11との間に集光光学系27のみを設ければ良く、入出力部26と単一光子発生素子11との間の損失を最低限に抑制できるという利点がある。
[0083]
 また、励起光の波長がノッチフィルタ71の透過帯域に入るようにして、ノッチフィルタ71の透過帯域を利用することで、励起光を光ファイバ25に結合させ、かつ、単一光子発生素子11からの反射光を光ファイバ23に結合させるためのカプラ、所望の波長の単一光子を取り出すためのノッチフィルタ、背景光を除去するためのローパスフィルタなどの複数の光学素子を設ける必要がなく、入出力部26と出力部32との間の伝送路上の光学素子(ここではノッチフィルタ71)が1つで済み、光学部品数を低減できる。これにより、コストを低く抑え、省スペース化を図りながら、低損失な単一光子発生装置70を実現できることになる。
[0084]
 さらに、本実施形態では、形状情報取得手段及び集光位置最適化手段によって、励起光を照明光として使用して単一光子発生素子11の量子ドット構造体50の形状情報を取得し、この形状情報に基づいて励起光の集光位置を最適化するようにしているため、単一光子発生素子11によって確実に単一光子を発生させ、かつ、発生した単一光子を確実に集光でき、これにより、単一光子を効率的に出力できることになる。
[0085]
 また、単一光子発生素子11の反射光強度をモニタしながら単一光子を集光することができるため、クライオスタット内の温度変化によって集光位置の位置ずれが生じても、集光位置ずれ補償手段によって、3軸ステージ41の位置制御を行なうことで集光位置の位置ずれを補償することができ、単一光子の経時的な生成が可能となり、集光安定性を向上させることができる。
[その他]
 なお、上述の各実施形態では、量子ドット構造体50の頂上面側(InPキャップ層56側)から励起光を照射しているが(図6参照)、これに限られるものではなく、例えば量子ドット構造体50の底面側(InP基板51側)から励起光を照射するように構成しても良い。この場合、図8に示した反射光強度分布はその上下が逆になる。このため、集光位置最適化手段は、反射光強度が最小になる集光位置を最適な集光位置として決定することになる。
[0086]
 また、上述の各実施形態では、量子ドット構造体をメサ構造の構造体として構成しているが、これに限られるものではなく、例えばピラー(柱状)構造の構造体として構成しても良い。
 また、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することができる。

請求の範囲

[1]
 単一光子発生素子と、
 前記単一光子発生素子に照射される励起光を出射する励起光源と、
 前記励起光源から第1光ファイバを介して伝播する励起光を前記単一光子発生素子に集光させる一方、励起光の照射によって前記単一光子発生素子が発生した単一光子を前記第1光ファイバに入射させる集光光学系と、
 前記単一光子発生素子が発生した所望の単一光子の波長を透過する透過帯域と、前記励起光源からの励起光の波長を抑圧する抑圧帯域とを有し、前記励起光源からの励起光が反射して前記集光光学系へ導かれるように前記第1光ファイバに介装されるとともに、前記所望の波長の単一光子を取り出すための第2光ファイバに接続されたバンドパスフィルタとを備えることを特徴とする単一光子発生装置。
[2]
 前記励起光源と前記バンドパスフィルタとの間の前記第1光ファイバに介装された分波器と、
 前記分波器に第3光ファイバを介して接続され、前記単一光子発生素子からの反射光の強度を検出する反射光強度検出手段と、
 前記反射光強度検出手段によって検出された反射光の強度に基づいて前記集光光学系によって集光される励起光の集光位置を制御する制御手段とを備えることを特徴とする、請求項1記載の単一光子発生装置。
[3]
 前記バンドパスフィルタは、誘電体多層膜フィルタ又はエタロンフィルタを含むものとして構成されることを特徴とする、請求項1又は2記載の単一光子発生装置。
[4]
 単一光子発生素子と、
 前記単一光子発生素子に照射される励起光を出射する励起光源と、
 前記励起光源から第1光ファイバを介して伝播する励起光を前記単一光子発生素子に集光させる一方、励起光の照射によって前記単一光子発生素子が発生した単一光子を前記第1光ファイバに入射させる集光光学系と、
 前記単一光子発生素子が発生した所望の単一光子の波長を抑圧する抑圧帯域と、前記励起光源からの励起光の波長を透過する透過帯域とを有し、前記励起光源からの励起光が透過して前記集光光学系へ導かれるように前記第1光ファイバに介装されるとともに、前記所望の波長の単一光子を取り出すための第2光ファイバに接続されたノッチフィルタとを備えることを特徴とする単一光子発生装置。
[5]
 前記励起光源と前記ノッチフィルタとの間の前記第1光ファイバに介装された分波器と、
 前記分波器に第3光ファイバを介して接続され、前記単一光子発生素子からの反射光の強度を検出する反射光強度検出手段と、
 前記反射光強度検出手段によって検出された反射光の強度に基づいて前記集光光学系によって集光される励起光の集光位置を制御する制御手段とを備える請求項4記載の単一光子発生装置。
[6]
 前記ノッチフィルタは、誘電体多層膜フィルタ又はエタロンフィルタを含むものとして構成されることを特徴とする、請求項4又は5記載の単一光子発生装置。
[7]
 前記励起光源は、共鳴励起又は近共鳴励起を生じさせうる波長の励起光を出射するように構成されていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の単一光子発生装置。
[8]
 前記集光光学系の位置を制御する位置制御機構を備え、
 前記制御手段が、前記位置制御機構を制御して励起光の集光位置を制御することを特徴とする、請求項2,3,5~7のいずれか1項に記載の単一光子発生装置。
[9]
 前記制御手段は、
 励起光の集光位置を走査させ、前記反射光強度検出手段によって検出された反射光の強度と励起光の集光位置とに基づいて形状情報を取得する形状情報取得手段と、
 前記形状情報取得手段によって取得された形状情報に基づいて集光位置を最適化する集光位置最適化手段とを備えることを特徴とする、請求項2,3,5~8のいずれか1項に記載の単一光子発生装置。
[10]
 前記制御手段は、前記反射光強度検出手段によって検出された反射光強度の低下量に応じて励起光の集光位置の位置ずれを補償する集光位置ずれ補償手段を備えることを特徴とする、請求項9記載の単一光子発生装置。
[11]
 前記制御手段は、前記反射光強度検出手段によって検出された反射光強度の低下量が第1の閾値を超えた場合は、前記集光位置ずれ補償手段による位置ずれ補償制御を行ない、前記反射光強度検出手段によって検出された反射光強度の低下量が第2の閾値を超えた場合は、前記形状情報取得手段及び前記集光位置最適化手段による集光位置最適化制御を行なうように構成されることを特徴とする、請求項10記載の単一光子発生装置。
[12]
 前記第2光ファイバに接続され、前記所望の波長の単一光子の発光強度を検出する発光強度検出手段と、
 前記制御手段が、前記発光強度検出手段によって検出された発光強度と励起光の集光位置とに基づいて発光強度分布を取得する発光強度分布取得手段を備えることを特徴とする、請求項2,3,5~11のいずれか1項に記載の単一光子発生装置。
[13]
 前記単一光子発生素子を収容するクライオスタットを備えることを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載の単一光子発生装置。
[14]
 前記単一光子発生素子は、量子ドット構造体であることを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載の単一光子発生装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]