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1. WO2007136039 - 輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造、並びに、その製造方法

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[ JA ]
明 細 書

輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造、並びに、 その製造方法

技術分野

[0001] 本発明は、主に、輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造、 並びに、その製造方法に関する。

背景技術

[0002] 様々な分野にぉ、て、省資源化や製造コスト削減の観点から、より少な、材料で構 造物を製造することが求められている。とりわけ、大量の材料を必要とする大型の構 造物、例えば、建造物や輸送機器の分野では、より少ない材料で構造物を製造する ことによる省資源化や製造コスト削減への寄与が大きい。

[0003] しかしながらその一方で、このような大型の構造物には、高い強度を維持し、高い 安全レベルを達成することが求められる。例えば、これらの構造物には、構造物を構 成する部材が、圧縮荷重や曲げ荷重に対して、所定の座屈強度を有することが求め られる。

[0004] 構造物を構成する部材が圧縮荷重を受けるとき、圧縮荷重がある値に達すると、最 初真直ぐであった部材は、図 1 (a)に示されるように、突然横方向に曲がってしまう。こ の部材全体が座屈する現象を部材座屈と呼ぶ。部材を構成する長方形板が薄、場 合には、圧縮荷重がある値に達すると、部材座屈が起こる前に、図 1 (b)に示すように 長方形板が面外方向に突然変形してしまう。このように、部材を構成する長方形板が 座屈する現象を板座屈と呼ぶ。

[0005] 構造物を構成する部材が曲げ荷重を受けるときも、部材座屈と板座屈が存在する。

ただし各座屈の変形パターンは、圧縮荷重を受けるときの変形パターンとは異なる。 通常の部材設計では、板座屈が生じると、部材座屈強度が低下するので、部材座屈 が起こる前に板座屈が起こらないように板の断面寸法が決定される。

[0006] 部材を構成する長方形板を薄肉化することにより部材の材料を削減することができ るが、長方形板を単に薄肉化すると、長方形板が、面内方向に作用する圧縮荷重や

曲げ荷重に対して板座屈を起こしやすくなるといった問題が生じる。

[0007] そこで従来は、長方形板に対して図 2に示すようなリブ(中間支持体)と称する支持 体を取り付け、長方形板が座屈するときリブの位置を移動させないようにすることによ り、長方形板の座屈強度を上げていた。

[0008] しかし、長方形板にリブが備えられた状態から、座屈強度を低減させることなく長方 形板をさらに薄肉化する技術はな力た。ましてや、リブが備えられていない場合に 、座屈強度を低減させることなく長方形板を薄肉化する技術はな力つた。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0009] 本発明は、突起を備えていない長方形板と実質的に同じ座屈強度を満たしつつよ り少なヽ材料で製造可能な薄肉化された長方形板を提供することを主目的とする。 課題を解決するための手段

[0010] 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行ったところ、長方形板に突起 を備えることにより、突起を備えていない長方形板と実質的に同じ座屈強度を満たし つつ、従来の突起を有さない長方形板と比べて、長方形板の幅厚比を大きく且つ突 起及び長方形板の合計断面積を小さくできることを見出し、本発明を完成するに至つ た。

[0011] 即ち、本発明は、以下の輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル 構造およびその製造方法に関する。

〔項 1〕長方形板、 2以上の支持体、及び 1以上の突起を備える輸送機器用パネル構 造又は建造物用構造部材用パネル構造であって、

(i)長方形板は、長方形板の端部の 2つの支持体を含む 2以上の支持体により 支持され

(ii) 1以上の突起は、 2以上の支持体のうち向かい合う 2つの支持体により挟ま れる領域にぉヽて長方形板に備えられ、

(iii)長方形板の幅厚比が、突起を備えて、な、長方形板の幅厚比よりも大きく

(iv)長方形板及び 1以上の突起の合計断面積が、突起を備えて!/、な!/、長方形 板の断面積よりも小さぐ且つ、

(V) 1以上の突起が備えられた長方形板が、突起を備えていない長方形板と実 質的に同じ座屈強度を有し、

(vi)前記突起は長方形板の座屈変形に合わせて変形方向に位置が移動し、前 記支持体は座屈変形時に位置が移動しな、、

輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造。

〔項 2〕長方形板の端部の支持体と中間の支持体の間、中間の支持体を 2以上有す る場合にはさらに中間の支持体と中間の支持体の間に各々 1以上の突起が備えられ る、項 1に記載のパネル構造。

〔項 3〕 1以上の突起が、向かい合う 2の支持体に平行に備えられている、項 1に記載 のパネル構造。

〔項 4〕前記突起が、支持体と支持体の間に等間隔で備えられる項 1に記載のパネル 構造。

〔項 5〕前記長方形板が、金属、榭脂、及び繊維強化樹脂からなる群より選択される少 なくとも 1種の材料からなり、且つ、前記突起が、金属、榭脂、及び繊維強化樹脂から なる群より選択される少なくとも 1種の材料力もなる、項 1に記載のパネル構造。

〔項 6〕前記長方形板が、金属からなり、且つ、前記突起が、金属及び繊維強化榭脂 力もなる群より選択される少なくとも 1種の材料力もなる、項 5に記載のパネル構造。 〔項 7〕前記長方形板及び前記突起が同種の材料力もなる、項 1に記載のパネル構 造。

〔項 8〕前記金属が、鉄、アルミニウム、及びマグネシウム力なる群より選択される少 なくとも 1種、或いは、これをベースとする合金である、項 5に記載のパネル構造。 〔項 9〕前記合金が、鋼鉄、ステンレス鋼及びアルミニウム合金力なる群より選択され る、項 8に記載のパネル構造。

〔項 10〕建造物が建物又は橋梁である、項 1に記載のパネル構造。

〔項 11〕構造部材が柱又は桁である、項 1に記載のパネル構造。

〔項 12〕輸送機器が、自動車、鉄道車両、船舶、飛行機及び宇宙機からなる群より選 択される少なくとも 1種である、項 1に記載のパネル構造。

〔項 13〕(I)長方形板を、長方形板の端部の 2つの支持体を含む 2以上の支持体で支 持する工程、及び、

(II) 1以上の突起を、 2以上の支持体のうち向かい合う 2の支持体により挟まれ る領域にぉ、て長方形板に備える工程、

(ここで、工程 (I)及び (Π)は如何なる順序でおこなわれてもよぐ同時におこなわれ てもよ!/、)を包含する、項 1に記載のパネル構造の製造方法。

〔項 14〕長方形板の一部と突起を構成する T形の押し出し形材同士を接合する工程 を含む、項 1に記載のパネル構造の製造方法。

〔項 15〕前記突起が、向かい合う 2の支持体により挟まれる領域において、向かい合う 2の支持体に平行で、且つ、等間隔で前記長方形板に備え付けられ、前記長方形板 が圧縮又は曲げの面内荷重を突起に沿う方向に受けるとき、下記式(22)で 7?力 ^未 満である、項 1〜12のいずれかに記載の輸送機器用パネル構造又は建造物用構造 部材用パネル構造:

[数 1]


H2H3+ H,(H32-1) + H

ξ = H、 - Hi (17)

β

β、 = π

12(1- μ )σ

β0≤β≤ο4β0

ξ = ^

β - =


であり、さらに

Ε:長方形板のヤング率

Ε :突起のヤング率

Τ:突起無し長方形板の板厚

b:突起無し長方形板、又は、突起付き長方形板の板幅 b :突起によって区切られた板要素の幅

b 2:突起の高さ

b 3:長方形板の両面に突起がある場合、両面の突起の先端間の寸法

b 4:長方形板の片面に突起がある場合 b 2、長方形板の両面に突起がある場合 b c 2:圧縮を受けるとき 1、曲げを受けるとき 1. 25

c:突起付き長方形板が圧縮を受ける場合 s、曲げを受ける場合

[0014] [数 2]


[0015] c 5:圧縮を受けるとき 1、曲げを受けるとき(s— 2) Zs

C

31:突起の断面二次モーメントに関係する係数

c 32:突起の断面積に関係する係数

k 0:突起無し長方形板の座屈係数であり、圧縮を受けるとき 4,曲げを受けるとき 23.

9

n=E ZE :長方形板のヤング率に対する突起のヤング率の比

s:突起によって区切られた板要素の総数

t:突起付き長方形板の板厚

t 2:突起の付根の厚さ

β:突起付き長方形板の幅厚比

β 0:突起無し長方形板の幅厚比

β :突起によって区切られた板要素の幅厚比

β

3: b 4に関する幅厚比

η:突起無し長方形板の断面積に対する、突起付き長方形板の、突起を含めた断面 積の比

IX:長方形板のポアソン比

ξ:突起付き長方形板の板厚に対する突起の付根の厚さの比

σ:圧縮または曲げを受ける、突起無し長方形板または突起付き長方形板の座屈強 度。

[0016] 以下、本発明をより詳細に説明する。なお、本書において、図面を用いて本発明を 説明することがあるが、図面及びその説明は本発明を何ら限定するものではない。

[0017] 本発明の特徴は、図 16、 19、 22、 24、 25、 28、 30などに示されるように、各 s (突 起によって区切られた板要素の総数)について |8 (幅厚比)と 7? (突起無し長方形板 の断面積に対する、突起付き長方形板の、突起を含めた断面積の比)の関係式を作 成可能としたことであり、このような図示が可能になったことにより、 r?を最小にする sと βを容易に求めることができるようになった。具体的には、本発明の輸送機器用パネ ル構造又は建造物用構造部材用パネル構造は、次のように得ることができる。

[0018] 突起を備えていない長方形板の座屈強度 σを満たす幅厚比 13 01S 式 (2)より決ま る。

[0019] β と sを式(26)に代入して、 13 の取り得る値の範囲が決まる。 s

0 1 、 β

0および j8

3の 各値を式(17)に代入して、この式よりと β

1の関係を得る。さらに、 s、 β

3および を式(22)に代入して、 ηとの関係を得る。式(14)を用いて、 7?と j8の関係を得る 。 j8の取り得る値の範囲は式(27)で与えられる。得られた関係から、図 16、 19、 22 、 24、 25、 28、 30などの ηと βの関係を示すグラフを作成し、 ηが 1未満となる s及 び ι8を選択して、本発明の輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル 構造を得ることができる。

[0020] 本発明では、実施例 5の図 27に示すように、前述の計算によって創出された突起 の、長方形板の面外方向の移動を場合によっては数箇所 (例えば、 0, 1 , 2または 3 箇所、長方形板の長さに比例して拘束する箇所は増加し得る)で拘束することにより 、隣接する突起との間又は突起とそれに隣接する端部の支持体との間で同様の計算 を行なって、新たな突起を形成し (実施例 5の図 26の点 D)、さらに断面積の低減 (さら なる薄肉化)を行なうことができる。

[0021] 従来、リブ (中間支持体)を長方形板に設けることで薄肉化を達成していたが、従来 のパネル構造の設計では、特定のリブ (中間支持体)を設けた場合の薄肉化の程度 が特定のポイントで明らかにされていただけであるので、それ以上の薄肉化を達成す るための手段は知られていなかった。

[0022] 一方、本発明では、 7?が最小となる sと βが明らかであるので、リブの設置のみでは 達成することができない程度の、長方形板と突起 (必要に応じてさらに中間支持体)の

合計断面積の最小化を達成することができる。

[0023] 実際の設計では、 7?を最小化する以外に、圧縮を受ける突起付き長方形板では、 設計条件として与えられる圧縮力に耐えるために、 ηに対して下限値の条件、すな わち式(35) (実施例 6の図 28の一点長鎖線の水平線)を考慮する必要がある。また、 曲げを受ける突起付き長方形板では、せん断力に対して座屈しない条件、すなわち 式(39) (実施例 7の図 30において右上がりの破線)、及びせん断降伏しない条件、す なわち式 (42) (実施例 7の図 30には現れて、な、;)を考慮する必要がある。

[0024] これらの条件は、圧縮または曲げを受ける長方形板の設計では必須である。従来 は、 7?と j8の関係が知られていな力つたので、実施例 6及び実施例 7で示されるよう な長方形板の断面形状を見出すことができな力つた。

[0025] 本発明の輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造 (以下、本 発明パネル構造と称することもある)は、基本的に、長方形板、 2以上の支持体及び 1 以上の突起から構成される。 2以上の支持体は、長方形板の対抗する辺 (端部)に 1 対の支持体を備え、さらに中間支持体を 1以上備え得るので、「2以上の支持体」とし ている。中間支持体の数は、長方形板のサイズと材質、及びパネル構造の製造条件 などにより決まる力例えば以下のような考え方で中間支持体の数を適切に設定する ことができる。

[0026] 圧縮を受ける長方形板の場合、中間支持体を長方形板に溶接で取り付ける場合、 溶接の作業性より、隣接する中間支持体と中間支持体との間隔は、一般に 300mm 以上が必要である。また、曲げを受ける長方形板の場合、圧縮応力を受ける、長方 形板の板幅の半分から上の領域に最大 2つの中間支持体が設けられる。 1つの中間 支持体が設けられる場合、実施例 2の図 18 (b)に示すように、長方形板の上端から 板幅の 0. 2倍の位置に設けられる。 2つの中間支持体が設けられる場合、実施例 2 の図 18 (c)に示すように、長方形板の上端力も板幅の 0. 14倍及び 0. 36倍の位置 に設けられる。

[0027] 本発明において、 1以上の突起が備えられた長方形板は、突起を備えていない長 方形板と実質的に同じ座屈強度を有する。パネル構造の設計の場合、得られた数値 は、製造上切り上げが行なわれ得る。例えば必要な座屈強度を有する長方形板の厚 さ及び突起の厚さがそれぞれ 7. 3mm, 9. 3mmと計算された場合、四捨五入してそ れぞれ 7mm、 9mmとすると必要な座屈強度が得られなくなるため、それぞれ 8mm、 10mmの様に切り上げをして寸法を決定することがある。この場合、 ηの値はやゃ大 きくなる。「実質的に同じ座屈強度」は、このような設計上あるいは実用上の要請から 、座屈強度がやや大きくなつてもよいことを意味する。

[0028] 図 3に、本発明パネル構造の概略図を示す。

[0029] 図 3 (a)は、長方形板がリブ(中間支持体)を備えている場合の本発明パネル構造 の概略図である。従来、長方形板にリブを取り付け、リブの位置を移動させないように することにより、長方形板の座屈強度を上げていたが、リブを備える長方形板を、座 屈強度を低減させることなく更に薄肉化する技術はな力つた。本発明によれば、図 3 ( a)に示すようにリブを備える長方形板に 1以上の突起を備えることにより、該長方形 板を、座屈強度を低減させることなく更に薄肉化することができる。

[0030] 曲げを受ける長方形板の場合、長方形板の板幅の半分から下の領域は引張応力 を受ける。引張応力は座屈を起こさせないので、実施例 2の図 18 (b)と図 18 (c)に示 すように、リブは、長方形板の板幅の半分から下に設ける必要がない。したがって、 突起を長方形板に備える場合に対しても、実施例 2の図 20 (b)に示すように、長方形 板の板幅の半分から下の突起は省略できる可能性が高い。なお、圧縮を受ける長方 形板の場合、長方形板の板幅の全領域に圧縮応力が作用するので、等間隔にリブ 又は突起を設けるのが好まし、。

[0031] 図 3 (b)は、長方形板がリブを備えていない場合の本発明パネル構造の概略図で ある。従来は、リブを備えていない長方形板を、座屈強度を低減させることなく薄肉化 する技術はな力つた。本発明では、図 3 (b)に示すように、リブを備えていない長方形 板に 1以上の突起を備えることにより、該長方形板を、座屈強度を低減させることなく 薄肉化することができる。

[0032] リブと本発明における突起とは異なり、リブは、断面寸法が大きいため、長方形板に 数多く設けることができないか、或いは、長方形板に数多く設けることができたとして も大量の材料が必要となる。一方、本発明における突起は、断面寸法が比較的小さ いため、長方形板に数多く設けることができ、数多く設けた場合でも材料が少なくて すむ。

[0033] 座屈変形のパターンにおいてもリブと本発明における突起とは異なる。リブが 2の支 持体の間において長方形板に備えられる場合、長方形板が所定以上の圧縮荷重を 受けると、リブを節としてリブと各支持体との間で座屈が起きる。このとき、リブの位置 は移動しない(図 4 (a) )。このように、リブはそれ自体の位置を移動しないことにより長 方形板の座屈強度を高め、支持体として機能する。一方、突起が 2の支持体の間に お!ヽて長方形板に備えられる場合、長方形板が所定以上の大きな圧縮荷重を受け ると、支持体と支持体との間で座屈が起きる。このとき、突起の位置は長方形板の座 屈変形に合わせて移動する(図 4 (b) )。複数の突起を長方形板に設けた場合も、同 様に、支持体と支持体との間で座屈が起こり、突起の位置は長方形板の座屈変形に 合わせて移動する。(図 4 (c) )。 2の支持体の間にリブと突起の両方が備えられる場 合には、リブを節としてリブと各支持体との間で座屈が起こる。このとき、リブの位置は 移動しないが、突起の位置は長方形板の座屈変形に合わせて移動する(図 4 (d) )。 これが、「 (vi)前記突起は長方形板の座屈変形に合わせて変形方向に位置が移動 し、前記支持体は座屈変形時に位置が移動しな、」の意味である。

[0034] 長方形板は、特に限定されな!ヽが、金属、繊維強化金属、榭脂、繊維強化榭脂等 の輸送機器又は建造物の分野において使用される材料力も作られている。

[0035] 金属としては、輸送機器又は建造物の分野において使用される金属を広く使用で き、特に限定されないが、例えば、鉄、アルミニウム、及びマグネシウム力もなる群より 選択される少なくとも一種、或いは、これをベースとする(例えば、 50重量%以上含 有する)合金が好適に使用される。合金としては、特に、鋼鉄、ステンレス鋼、アルミ -ゥム合金等を好適に用いることができる力これらに限定されない。輸送機器用パ ネル構造における長方形板には、特に、リン添加鋼、 BH (Bake— Hardening)鋼、 超深絞り高強度鋼、アルミニウム合金等を好適に使用することができる。建造物用構 造部材用パネル構造における長方形板には、特に、鋼鉄、ステンレス鋼、アルミ-ゥ ム合金等を好適に使用することができる。

[0036] 榭脂としては、可塑剤、充填材、着色剤等を適当に配合した、熱可塑性榭脂、ェン ジニアリングプラスチック、熱硬化性榭脂等の合成又は天然榭脂を用いることができ

る。合成又は天然榭脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビュル、ポリ 酢酸ビュル、 ABS (Acrylonitrile Butadiene Styrene)榭脂、 AS (Acrylonitril e Styrene)榭脂、 AES ( Acrylonitrile Ethylene Styrene)榭脂、 AAS (Acryl onitrile Acrylate Styrene)榭脂、アクリル(酸)榭脂、ポリアミド、ポリカーボネート 、ポリアセタール、変性ポリフエ-レンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、 GF—P ET榭脂、ポリフエ-レンスルファイド、サルホン系榭脂、ポリエーテルエーテルケトン、 ポリアリレート、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、フッ素榭脂、 フエノール榭脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル榭脂及びエポキシ榭脂からなる群 より選択される少なくとも 1種、或いは、これをベースとする(50重量%以上含有する) 混合榭脂を用いることができ、特に、ポリプロピレン、アクリル (酸)榭脂、フエノール榭 脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル榭脂、エポキシ榭脂を好適に用いることができ る。

[0037] 前記金属又は前記榭脂を繊維で強化した繊維強化金属又は繊維強化榭脂もまた 、長方形板の材料として用いることができる。繊維強化金属又は繊維強化榭脂として は、金属又は樹脂に繊維を常法により分散させたものを用いることもできるし、繊維か らなる不織布又は織布を常法により金属又は樹脂で固めたものを用いることもできる 。繊維強化金属又は繊維強化樹脂に用いられる繊維としては、例えば、ガラス繊維、 炭素繊維、炭化ケィ素繊維、チラノ繊維、ボロン繊維、ァラミド繊維、ポリアリレート繊 維、高強度ポリエチレン繊維、アルミナ繊維、アモルファス金属繊維、鋼繊維、ステン レス鋼繊維等が挙げられ、特に、ガラス繊維、炭素繊維、ァラミド繊維が好ましい。こ こで、 1種の繊維を単独で用いてもよいし、 2種以上の繊維を組み合わせて用いても よい。

[0038] 長方形板には、図 5に示すように、長方形板の幅方向に、全体的又は部分的にわ ずかに湾曲した曲面長方形板も含まれる。曲面部分の曲率半径 Rは、特に限定され ないが、 b2ZTに対して、例えば 0. 05倍以上、好ましくは 0. 1倍以上、より好ましくは 0. 2倍以上である。ここで、 bは曲面長方形板の幅、 Tは曲面長方形板の厚さである 。また、本発明における長方形板には、表面がわずかに波うつている或いは表面が わずかに粗!ヽ略板状長方形板も包含される。

[0039] 支持体は、特に限定されないが、金属、繊維強化金属、榭脂、繊維強化榭脂等の 輸送機器又は建造物の分野において使用される材料から作られている。金属、繊維 強化金属、榭脂、繊維強化榭脂等については、長方形板と同様のものを好適に使用 することができる。支持体の形状は特に限定されな、。

[0040] 突起は、特に限定されないが、金属、繊維強化金属、榭脂、繊維強化榭脂等の輸 送機器又は建造物の分野において使用される材料からなる材片である。金属、繊維 強化金属、榭脂、繊維強化榭脂等については、長方形板と同様のものを用いること ができる。

[0041] 突起の材料は、長方形板の材料と異なってもよいが、突起と長方形板との一体性、 突起を長方形板に備えるときの条件設定の容易さ等の観点力長方形板の材料と同 じであることが望ましい。例えば長方形板が金属の場合、突起は金属または炭素繊 維が好ましく例示され、長方形板と突起が同種の金属からなるのが好ましい。

[0042] 突起の形状は、例えば、矩形、台形、楕円形、山形、 L形、 T形等の断面を有する 形状であるが、これらに限定されない。

[0043] 本発明パネル構造にぉ、て、 (i)長方形板は、長方形板の端部の 2つの支持体を 含む 2以上の支持体により支持されて、る。

[0044] ここで「支持」は、少なくとも一時的に支えることを意味する。また「支持」は、必ずし も固定することを意味しないが、当該分野では通常高い安全性が求められるため、通 常、融接、圧接、ろう付け、ボルト接合、接着等による固定、ネジ、ボルト、フック、ヒン ジ等の補助具を用いた固定、嵌合等の部材の形状を利用した固定等により行なわれ ることが望ま U、。長方形板の素材がアルミニウム又はアルミニウム合金の場合には、 摩擦攪拌接合 (FSW)などの接合により突起を有する長方形板の製造、及び Z又は 突起を有する長方形板と支持体の結合を行なうことができる。また、圧延、押出成形 等の成形技術により、長方形板が 2以上の支持体と一体化された状態で存在する場 合も、長方形板が 2以上の支持体により「支持」されている場合に含まれる。例えば、 図 23 (a)及び図 23 (b)に示されるように角柱を一体ィ匕した場合がこれに該当する。

[0045] 長方形板は、如何なる状態で 2以上の支持体により支持されて、てもよ、。一例と して、図 6 (a)に、 1の長方形板が 2の支持体により支持される場合 (I型)、図 6 (b)に、 2の長方形板が 2の支持体により支持される場合 (箱型)の断面概略図を示す。また、 図 7に、長方形板が、長方形板の端部に位置する 2の支持体によって支持される幾 つかのパターンを示す。図 8に、長方形板が、長方形板の端部に位置する 2以上の 支持体とリブ(中間支持体)によって支持される幾つ力のパターンを示す。ただし、図 6、 7及び 8において、突起は省略されている。

[0046] 本発明パネル構造において、(ii) l以上の突起は、 2以上の支持体のうち向かい合 う 2の支持体により挟まれる領域において長方形板に備えられる。

[0047] ここで「向かい合う」とは、平行又はほぼ平行に対面していることを意味する。

[0048] 「向かい合う 2つの支持体により挟まれる領域」とは、向かい合う 2の支持体のうち一 方の支持体と他方の支持体との間の長方形板上の領域を意味する。向かい合う 2の 支持体としては、例えば図 8の上下の支持体の組み合わせ、上又は下の支持体と中 間支持体の組み合わせ、および 2つの中間支持体の組み合わせが例示される。向か い合う 2つの支持体は、互いに平行ないし実質的に平行の位置関係にある。「向かい 合う 2の支持体により挟まれる領域」としては、例えば図 8の長方形板 1、長方形板 2、 長方形板 3が挙げられる。輸送機器用パネル構造の場合、「向かい合う 2の支持体に より挟まれる領域」には、衝突時に向かい合って長方形板を支持することが想定され る 2の部材により挟まれる領域も含まれる。例えば、自動車のフードは、平常時には 車体のフロント部分の部品(例えば、フロントフェンダー、フレーム等)に軽く接した状 態であっても、衝突時に衝突荷重を受け、これらの部品間で強く挟まれて支持される ことがある。このように、支持体によって少なくとも一時的に挟まれることが想定される 長方形板上の領域も、「向かい合う 2の支持体により挟まれる領域」に含まれる。

[0049] 本書では、長方形板の端部より内側の領域に備えられる支持体を「リブ(中間の支 持体)」と呼ぶ。「リブ」は、長方形板を支持して、ることから、本発明における「支持体 」に含まれる。よって、例えば、端部に支持体を有する長方形板にさらにリブが備えら れている場合、「向かい合う 2の支持体により挟まれる領域」は、端部の各支持体とリ ブにより挟まれる領域、及び Z又は、リブとリブにより挟まれる領域を意味する。

[0050] 突起は、融接、圧接、ろう付け、ボルト接合、接着等の常法により長方形板に備える ことができる。また、突起と長方形板との一体性の観点から、突起は、圧延、押出成

形等の成形技術によって長方形板と一体化した状態で長方形板に備えられることが 望ましい。突起は、図 9に示すように、長方形板の片面に備えられてもよいし(図 9 (a) )、両面に備えられてもよい(図 9 (b)及び図 9 (c) )。

[0051] 突起は、向かい合う 2の支持体に実質的に平行に備えられることが望ましい。このよ うに平行に備えられることにより、突起には、突起に沿う方向だけに力が作用するた めに、突起が平行に備えられていない場合と比べて、長方形板の座屈強度が高くな る。

[0052] 突起は、 2の支持体の間に実質的に等間隔に備えられることが望ましい。このように 等間隔に備えられることにより、図 10に示すように、長方形板がせん断荷重を受ける 場合、せん断荷重に対する長方形板の座屈強度を最大にすることができる。

[0053] 図 11に、 1以上の突起が長方形板に備えられる幾つかのパターンを示す。

[0054] 本発明パネル構造にお!、て、 (iii)長方形板の幅厚比は、突起を備えて!/、な!、長方 形板の幅厚比よりも大きい。

[0055] 設計者は、突起を備えて、な、長方形板の座屈強度を満たす幅厚比を、後述の式

(2)で求めることできる。

[0056] 本発明パネル構造において、(iv)長方形板及び 1以上の突起の合計断面積は、 突起を備えて、な、長方形板の断面積よりも小さ、。

[0057] さらに、本発明のパネル構造において、(V) 1以上の突起が備えられた長方形板は

、突起を備えた長方形板が、突起を備えていない長方形板と実質的に同じ座屈強度 を有する。

[0058] ここで突起を備えた長方形板が、突起を備えていない長方形板と実質的に同じ座 屈強度とは、設計者が任意に定めた座屈強度である。しかし、設計者は、座屈強度 を、材料の降伏応力または 0. 2%耐カ(明確な降伏点を持たない材料の場合)より 大きく設定することができないので、一般には、座屈強度に材料の降伏応力または 0 . 2%耐カ(明確な降伏点を持たな、材料の場合)が用いられる場合が多!、。

[0059] このように、本発明パネル構造では、長方形板の幅厚比が、突起を備えて、なヽ長 方形板の幅厚比よりも大きく且つ長方形板及び 1以上の突起の合計断面積が、突起 を備えていない長方形板の断面積よりも小さいだけでなぐ 1以上の突起が備えられ

た長方形板が、突起を備えていない長方形板と実質的に同じ座屈強度を有している 。つまり、本発明パネル構造では、突起を有する長方形板が、突起を備えていない 長方形板と実質的に同じ座屈強度を有しつつ、長方形板の幅厚比が高められ (すな わち、長方形板がある一定の幅に対して薄肉化され)、且つ、突起を含む長方形板 の断面積が低減されている。突起を含む長方形板の断面積が低減されることは、より 少な、材料で突起を有する長方形板を製造できることを意味して、る。

[0060] 本発明の輸送機器用パネル構造は、特に限定されないが、自動車、自動二輪車、 鉄道車両、船舶、飛行機、宇宙機等の輸送機器に適用され得る。自動車、鉄道車両 、船舶、飛行機、宇宙機は、高速で移動可能な輸送機器であり、衝突により大きな圧 縮荷重及び Z又は曲げ荷重を面内方向に受ける可能性が高、ため、高、座屈強度 が求められることから、本発明は、特に、これらの高速で移動可能な輸送機器に適用 され得る。

[0061] 本発明の建造物用構造部材用パネル構造は、特に限定されないが、建物、橋梁等 の建造物に適用され得る。

[0062] 本発明は (I)長方形板を、長方形板の端部の 2つの支持体を含む 2以上の支持体 で支持する工程、及び、(Π) 1以上の突起を、 2以上の支持体のうち向かい合う 2の 支持体により挟まれる領域において長方形板に備える工程、を包含する、本発明の 輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造の製造方法を提供す る。ここで、工程 (I)及び (Π)は如何なる順序で行われてもよぐ同時に行われてもよ い。

[0063] 工程 (I)では、例えば、融接、圧接、ろう付け、ボルト接合、接着等の当該分野にお いて行われる溶接法又は接合法によって、或いは、ネジ、ボルト、フック、ヒンジ等の 補助具を用いて、長方形板を、 2以上の支持体に固定することができるが、これらに 限定されない。また、圧延、押出成形等の当該分野において行われる成形によって 長方形板と支持体を一体化することにより、長方形板を支持体で支持してもよい。長 方形板及び支持体については、前述のとおりである。

[0064] 工程 (Π)では、例えば、融接、圧接、ろう付け、ボルト接合、接着等の当該分野にお いて行われる溶接法又は接合法により、 1以上の突起を、 2以上の支持体のうち向か い合う 2の支持体により挟まれる領域において長方形板に備えることができる力これ らに限定されない。また、圧延、押出成形等の当該分野において行われる成形によ つて長方形板と突起を一体ィ匕することにより、突起を長方形板に備えてもよい。突起 については、前述のとおりである。

[0065] あるいは、図 21(c)に示されるように、突起と長方形板の一部を構成する T形の部材 と、支持体 (ある!ヽは支持体と長方形板の一部を構成する T形の部材)を摩擦攪拌接 合 (FSW)などの適当な方法で連結することにより長方形板と突起を同時に形成する ことも可能である。この方法は、長方形板と突起ないし中間支持体の材質がアルミ二 ゥム又はアルミニウム合金力もなる場合に特に有用である。

[0066] 次に、本発明の 1つの実施形態を示す。

[0067] 本発明の 1つの実施形態において、下記式:

7? =A 1 /A 0

(ここで、突起を備えていない長方形板と実質的に同じ座屈強度を有する突起を備え る長方形板の断面積を A、及び、所定の座屈強度を有するが突起を備えていない 従来の長方形板の断面積を A 0とする)

において r?が約 0. 95以下、好ましくは約 0. 9以下、より好ましくは約 0. 8以下、より 好ましくは約 0. 7以下、より好ましくは約 0. 6以下、より好ましくは約 0. 5以下となるよ うに 1以上の突起が長方形板に備えられた輸送機器用パネル構造又は建造物用構 造部材用パネル構造を提供する。

[0068] 実施例 1では、突起を 5備える長方形板によって、中間支持体を 1備える長方形板 より、さらに 31%断面積を減少させ得ることが記載され、実施例 2では、突起を 3備え る長方形板によって、中間支持体を 2備える長方形板より、さらに 16%断面積を減少 させ得ることが記載されて!、る。

[0069] 輸送機器又は建造物の分野で用いられる長方形板は、精密機械や家電などの分 野で用いられる長方形板と比べて寸法が大きぐ大量の材料を必要とする。当該分 野において材料を低減できることは、製造コスト削減や省資源'省エネルギーの観点 力 非常に有意義なことである。

[0070] また、使用される材料を少なくすることは、輸送機器を軽量ィ匕することができるので 、燃料の削減、又は、積載量の増加につながる。さら〖こ、使用される材料を少なくす ることは、建造物を軽量ィ匕することができるので、地盤耐力が弱い場所での建造物の 建設を可能にし、地震荷重の低減、及び工事作業性の向上につながる。

[0071] 図 12に示す、圧縮または曲げを受ける 4辺単純支持された突起無し長方形板の座 屈強度は次式で与えられる。

[0072] [数 3]

び = 。 12(1 - )

[0073] ここに、

σ:圧縮または曲げを受ける、突起無し長方形板の座屈強度

k 0:突起無し長方形板の座屈係数であり、圧縮を受けるとき 4、曲げを受けるとき 23.

9

E :長方形板のヤング率

IX:長方形板のポアソン比

β

0 =bZT:突起無し長方形板の幅厚比

b:突起無し長方形板の板幅

T:突起無し長方形板の板厚

式(1)より、突起無し長方形板の座屈強度 σを満たす幅厚比 β が次式で与えられる

[0074] [数 4]


[0075] 突起無し長方形板の座屈強度 σに対して任意の値を設定することができる。しかし 、突起無し長方形板の座屈強度 σを、材料の降伏応力または 0. 2%耐カ(明確な降 伏点を持たない材料の場合)より大きく設定することはできない。したがって、一般に は、突起無し長方形板の座屈強度 σに材料の降伏応力または 0. 2%耐カ(明確な 降伏点を持たな!、材料の場合)が設定される場合が多ヽ。

[0076] 図 13に示すように、等間隔に突起が付けられた長方形板力辺単純支持され、圧 縮または曲げを受けるとき、その座屈強度は次式で与えられる。

[0077] [数 5]


[0078] ここに、

σ:圧縮または曲げを受ける、突起付き長方形板の座屈強度

k:突起付き長方形板の、圧縮又は曲げに対する座屈係数

E :長方形板のヤング率

IX:長方形板のポアソン比

β =bZt:突起付き長方形板の幅厚比

b:突起付き長方形板の板幅

t:突起付き長方形板の板厚

突起付き長方形板の、圧縮又は曲げに対する座屈係数 kは次式で与えられる(大 倉一郎:鋼構造設計学の基礎、東洋書店、 PP. 223— 264、 2004および大食一郎、 北村幸嗣、赤崎圭輔、卯瀧高久、ビッグ'ラズロ 'ゲルゲリ、三河克己:新しいアルミ- ゥム合金製補剛桁の提案、構造工学論文集、 Vol. 51 A, pp. 203— 210、 2005)。

[0079] 園

1 2Vi r (4)

l + sd

[0080] ここに、

k:突起付き長方形板の、圧縮又は曲げに対する座屈係数

s:突起によって区切られた板要素の総数

r:長方形板の曲げ剛性に対する一つの突起の曲げ剛性の比

δ:長方形板の断面積に対する一つの突起の断面積の比

c:圧縮を受けるとき 2、曲げを受けるとき 10. 62

c 2:圧縮を受けるとき 1、曲げを受けるとき 1. 25

式 (4)は、突起付き長方形板が圧縮を受けるとき、 sが 2以上 (突起が 1つ以上)で成 立し、曲げを受けるとき、 sが 3以上 (突起が 2つ以上)で成立する。

[0081] 式 (4)は、 r=0、 δ =0のとき、突起無し長方形板の座屈係数と等しくなるので次式 が成立する。

[0082] [数 7]

k0 =cxi\ + c2) (5)

[0083] rと δは、それぞれ次式で与えられる。

[0084] [数 8]

Db

δ-^- (7)

Ebt

[0085] ここに、

E:長方形板のヤング率

E:突起のヤング率

D = EtV{12(l— ^ 2) }:長方形板の板曲げ剛性

I:一つの突起の断面二次モーメント

A 2:一つの突起の断面積

b:突起付き長方形板の板幅

t:突起付き長方形板の板厚

μ:長方形板のポアソン比

式 (6)と式(7)に示すように、長方形板のヤング率 Εと突起のヤング率 Εを考慮する ことにより、長方形板の材料と突起の材料が異なる場合も扱える。長方形板の材料と 突起の材料が同一のときは、 Ε=Εである。

Iと Α 2は、それぞれ次式で与えられる。

[0086] [数 9]

/ = ^ (8)

A2 = c32t2b4 (9)

[0087] ここに、

t:突起の付根の厚さ (表 1参照)

b:長方形板の片面に突起がある場合 b、長方形板の両面に突起がある場合 b (表

b 2:突起の高さ (表 1参照)

b 3:長方形板の両面に突起がある場合、両面の突起の先端間の寸法 (表 1参照) c 31:突起の断面二次モーメントに関係する係数 (表 1参照)

c 32:突起の断面積に関係する係数 (表 1参照)

下記に表 1を示す。

[表 1]



ここで、表 1の突起の断面形状が台形の場合の Θは、台形の斜辺の傾斜角を表す 。表 1で与えられた断面形状と異なる断面形状に対する係数 c 31の値は、一般の構造 力学の教科書に記載されて、る断面二次モーメントの公式を用いて容易に求めるこ とができる。ただし注意することは、長方形板の片面に突起がある場合は、長方形板 の表面の位置に関する断面二次モーメントであり、長方形板の両面に突起がある場 合は、長方形板の板厚中央の位置に関する断面二次モーメントである。係数 C は突 起の断面積に関する係数であり、一般の数学の公式集を用いて容易に求めることが できる。

[0090] 図 14を参照して,突起付き長方形板の板幅 bは、突起によって区切られた板要素 の幅 bおよび板要素の総数 sと次の関係を持つ。

b = sb (10)

式 (8)を式 (6)に代入して、さらに式(10)を用いると、 rは次式となる。

[0091] [数 10]

12(1 - ) (" )

[0092] ここに、

n=E ZE:長方形板のヤング率に対する突起のヤング率の比

E:長方形板のヤング率

E:突起のヤング率

β =b Zt:突起によって区切られた板要素の幅厚比

β 3 =b 4 / 2: b 4に関する幅厚比

ξ =t 2 Zt:突起付き長方形板の板厚に対する突起の付根の厚さの比

b:突起によって区切られた板要素の幅

t:突起付き長方形板の板厚

b 4:長方形板の片面に突起がある場合 b 2、長方形板の両面に突起がある場合 b 3 (表

1参照)

b 2:突起の高さ (表 1参照)

b 3:長方形板の両面に突起がある場合、両面の突起の先端間の寸法 (表 1参照) t 2:突起の付根の厚さ (表 1参照)

c 31:突起の断面二次モーメントに関係する係数 (表 1参照)

S:突起によって区切られた板要素の総数

μ:長方形板のポアソン比

式(9)を式(7)に代入して,さらに式(10)を用いると、 δは次式になる。

[0093] [数 11]

S= nC^2 (12)

[0094] に、

n=EiZE:長方形板のヤング率に対する突起のヤング率の比

E:長方形板のヤング率

E :突起のヤング率

β =b Zt:突起によって区切られた板要素の幅厚比

β 3 =b 4 / 2: b 4に関する幅厚比

ξ =t 2 Zt:突起付き長方形板の板厚に対する突起の付根の厚さの比

b :突起によって区切られた板要素の幅

t:突起付き長方形板の板厚

b :長方形板の片面に突起がある場合 b、長方形板の両面に突起がある場合 b (表

b 2:突起の高さ (表 1参照)

b 3:長方形板の両面に突起がある場合、両面の突起の先端間の寸法 (表 1参照) t 2:突起の付根の厚さ (表 1参照)

c 32:突起の断面積に関係する係数 (表 1参照)

S:突起によって区切られた板要素の総数

式( 11)と式( 12)を式 (4)に代入して次式を得る。

[0095] [数 12]

k = c、 (13)


ここで、式(10)より、突起付き長方形板の幅厚比 βと突起によって区切られた板要 素の幅厚比 j8 は次の関係を持つ。

β =3β (14)

β =bZt:突起付き長方形板の幅厚比

ι8 = 71;:突起によって区切られた板要素の幅厚比

b:突起付き長方形板の板幅

t:突起付き長方形板の板厚

b:突起によって区切られた板要素の幅

s:突起によって区切られた板要素の総数

突起無し長方形板の座屈強度と突起付き長方形板の座屈強度を等しく置く。すな わち式(1)と式(3)を等しく置、て次式を得る。

[0097] [数 13]



[0098] に、

k:突起付き長方形板の、圧縮又は曲げに対する座屈係数

k 0:突起無し長方形板の座屈係数であり、圧縮を受けるとき 4、曲げを受けるとき 23.

9

β =bZt:突起付き長方形板の幅厚比

β 0 =bZT:突起無し長方形板の幅厚比

β =b Zt:突起によって区切られた板要素の幅厚比

S:突起によって区切られた板要素の総数

τ:突起無し長方形板の板厚

t:突起付き長方形板の板厚

b:突起無し長方形板の板幅、又は、突起付き長方形板の板幅

b:突起によって区切られた板要素の幅

式( 13)を式( 15)に代入して次式を得る。

[0099] [数 14]

c


[0100] 式(5)を式(16)に代入し、 ξについて解いて次式を得る。

[0101] [数 15]


[0102] ここに、

ξ =t Zt:突起付き長方形板の板厚に対する突起の付根の厚さの比

[0103] [数 16]

H、 η^ - μ^ηβΐ

Hつ


[0104] n=E ZE:長方形板のヤング率に対する突起のヤング率の比

E:長方形板のヤング率

E :突起のヤング率

β 0 =bZT:突起無し長方形板の幅厚比

β =b Zt:突起によって区切られた板要素の幅厚比

β 3 =b 4 / 2: b 4に関する幅厚比

t 2:突起の付根の厚さ (表 1参照)

t:突起付き長方形板の板厚

μ:長方形板のポアソン比

c 31:突起の断面二次モーメントに関係する係数 (表 1参照)

c 32:突起の断面積に関係する係数 (表 1参照)

c 2:圧縮を受けるとき 1、曲げを受けるとき 1. 25

b:突起無し長方形板の板幅、又は、突起付き長方形板の板幅

T:突起無し長方形板の板厚

b :突起によって区切られた板要素の幅

b:長方形板の片面に突起がある場合 b、長方形板の両面に突起がある場合 b (表

b 2:突起の高さ (表 1参照)

b 3:長方形板の両面に突起がある場合,両面の突起の先端間の寸法 (表 1参照)

S:突起によって区切られた板要素の総数

突起無し長方形板の断面積 A 0および突起付き長方形板の突起を含めた断面積 A がそれぞれ次式で与えられる。

[0105] [数 17]

A = sb、T ( 1 8)

[0106] [数 18]

Αλ = sbxt + \s - 1)!-, = sb}t + (s - l)c32b4t. ( 1 9)

[0107] 突起無し長方形板の断面積 A 0に対する突起付き長方形板の、突起を含めた断面 積 Aの比 7?が次式で与えられる。

[0108] [数 19]


[0109] この式に式( 15)を代入して次式を得る。

[0110] [数 20]

(21 )


[0111] さらに、この式に式(13)を代入し、式(5)を用いて次式を得る c

[0112] [数 21]

= 1


式 ( 1 5 ) において、

k >

[0113] であるから次式が成立する。

[0114] [数 22]

β - ^≥βο (23)

[0115] 突起付き長方形板の座屈強度は、突起で区切られた板要素の座屈強度を超すこと はできない。したがって突起付き長方形板の、圧縮又は曲げに対する座屈係数 kは 次の制限を受ける。

[0116] [数 23]

k≤kx (24)

[0117] ここに、

k:突起で区切られた板要素の、圧縮又は曲げに対する座屈係数を、突起付き長方 形板全体の座屈係数として表したものであり、突起付き長方形板が圧縮を受ける場 合 4s2、曲げを受ける場合 8. 4sV (2. Is— 2) (大食一郎:鋼構造設計学の基礎、 東洋書店、 PP. 223— 264、 2004及び大食一郎、北村幸嗣、赤崎圭輔、卯瀧高久 、ビッグ'ラズ口'ゲルゲリ、三河克己:新しいアルミニウム合金製補剛桁の提案、構造 工学論文集、 Vol. 51 A, pp. 203- 210, 2005)。

[0118] 式(15)を式(24)に代入して次式を得る。

[0119] [数 24]

β = ^≤ β (25)

[0120] ここに、

c 4:突起付き長方形板が圧縮を受ける場合 s、曲げを受ける場合

[0121] [数 25]


[0122] 式(23)と(25)から j8 と j8が取り得る値の範囲は次の通りである。

[0123] [数 26]


β0≤β < ο4β0 (27)

突起は、突起付き長方形板の座屈強度未満で、座屈を起こしてはいけない。したが つて突起を、圧縮を受ける自由突出板と見なせば、突起は次式を満たさなければな らない。

[0125] [数 27]

0.425^-2E

12(1 - 1 ≥び, (28)

[0126] ここに、

E :突起のヤング率

μ :突起のポアソン比

β 2 =b 2Zt 22:突起の幅厚比

b 2:突起の高さ (表 1参照)

t 22:突起の平均厚さ (表 1参照)

σ :突起に生じる応力

式(28)の左辺は、圧縮を受ける自由突出板の座屈強度である(大倉一郎:鋼構造 設計学の基礎,東洋書店, pp. 223- 264) oまた、突起の平均厚さ t 22は、突起の断 面積 (長方形板の両面に突起がある場合は、片側の突起の断面積)を突起の高さ b 2 で除したものである。

[0127] 突起に生じる応力 σ は、長方形板に生じるひずみと突起に生じるひずみが等しい という条件から、次式で与えられる。

[0128] [数 28]

σι = nc5a (Z9)

[0129] ここに、

σ :突起に生じる応力

σ:圧縮または曲げを受ける、突起付き長方形板の座屈強度

η=Ε ΖΕ :長方形板のヤング率に対する突起のヤング率の比

Ε :長方形板のヤング率

Ε :突起のヤング率

c :圧縮を受けるとき 1、曲げを受けるとき (s— 2) Zs

s:突起によって区切られた板要素の総数

突起に生じる応力 σェは、突起の材料の降伏応力または 0. 2%耐カ(明確な降伏 点を持たない材料の場合)より大きくなれない。したがって、突起に生じる応力 σ は 次の制限を受ける。

[0130] [数 29]

σ]≤σ (30)

[0131] ここに、

σ :突起に生じる応力

σ 11:突起の材料の降伏応力または 0. 2%耐カ(明確な降伏点を持たな、材料の場 合)

長方形板の材料と突起の材料が同一のとき、式 (30)は常に成立している。長方形 板の材料と異なる材料を突起に用いる場合、材料によっては式 (30)を満足しな!ヽ材 料があるので、突起に選択した材料が式(30)を満足することを確認しなければなら ない。

[0132] 式(29)を式(28)に代入して、長方形板の突起の幅厚比 13 は次式を満たさなけれ ばならない

[0133] [数 30]


[0134]

β 2 =b 2 /t 22:突起の幅厚比

b 2:突起の高さ (表 1参照)

t 22:突起の平均厚さ (表 1参照)

c 5:圧縮を受けるとき 1、曲げを受けるとき (s— 2) Zs

S:突起によって区切られた板要素の総数

E :長方形板のヤング率

μ :突起のポアソン比

σ:圧縮または曲げを受ける、突起付き長方形板の座屈強度

以上より、突起の断面寸法は、式 (30)と式 (31)を満たすようなものでなければなら ない。

[0135] ここで、ヤング率及びポアソン比については、 JISの規格等を参考にして求めること ができる。代表例として、金属材料のヤング率 Eとポアソン比については、 JIS Z 2241 「金属材料引張試験方法」の規格に従って求めることができる。また、プラス チックのヤング率 Eとポアソン比については、 JIS K 7113 「プラスチックの引張 試験方法」の規格に従って求めることができる。炭素繊維強化樹脂のヤング率 Eとポ ァソン比については、 JIS K 7073 「炭素繊維強化プラスチックの引張試験方 法」の規格に従って求めることができる。

[0136] 長方形板及び突起の厚さ、幅、高さは、例えば、ノギス、マイクロメータ、レーザ変位 センサ、マイクロスコープ等の計測器具を用いて、常法により測定される。また、長方 形板及び突起として市販されている材料を用いる場合には、多くの場合、カタログや 説明書にヤング率、ポアソン比、厚さ等が記載されているので、それらの値を用いる ことちでさる。

発明の効果

[0137] 本発明によれば、突起を備えていない長方形板と実質的に同じ座屈強度を有しつ つより少ない材料で製造可能な薄肉化された長方形板を提供することができる。

[0138] 具体的には、本発明に従って 1以上の突起を長方形板に備えることにより、突起を 備えていない長方形板と実質的に同じ座屈強度を満たしつつ、長方形板の幅厚比 を、突起を備えていない長方形板の幅厚比よりも大きく且つ突起を含む長方形板の 断面積を、突起を備えていない長方形板の断面積よりも小さくすることが可能になつ た。

[0139] 本発明の輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造は、突起を 備えていない長方形板と実質的に同じ座屈強度を満たし、且つ、従来のものと比べ てより少な!/、材料で製造することができる。

[0140] さらに、本発明の輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造に おいて特定の条件をみたすように突起を長方形板に備えることにより、長方形板及び 突起の合計断面積を、従来の突起を有さない長方形板の断面積の約 0. 4〜約 0. 6 倍にまで低減することが可能である。

[0141] 本発明は、リブよりも断面寸法が小さい突起を用いているため、断面寸法が大きい リブを備えることが設計上困難なパネル構造にも適用可能である。

図面の簡単な説明

[0142] [図 1]図(a)は部材座屈、図(b)は板座屈を表す。

[図 2]長方形板にリブと称する支持体が取り付けられた、従来の構造部材用パネル構 造。

[図 3]長方形板がリブを備えてヽる場合又は長方形板がリブを備えて!/ヽな!ヽ場合の本 発明の構造部材用パネル構造。図(a)は、リブを備える長方形板に 1以上の突起を 備える、本発明の構造部材用パネル構造であり、図 (b)は、リブを備えていない長方 形板に 1以上の突起を備える、本発明の構造部材用パネル構造である。

[図 4]図(a)は、リブを備える長方形板の座屈変形パターン、図 (b)は、突起を備える 長方形板の座屈変形パターン、図(c)は、複数の突起が設けられた長方形板の座屈 変形パターン、 (d)は、リブと突起が備えられた長方形板の座屈変形パターンを表 す。

[図 5]長方形板の幅方向に、全体的又は部分的にわずかに湾曲した曲面長方形板。

[図 6]図 (a)は、 1の長方形板が 2の支持体により支持される場合 (I型断面)の断面概 略図、図 (b)は、 2の長方形板が 2の支持体により支持される場合 (箱型断面)の断面 概略図を表す。

[図 7]長方形板が、長方形板の端部に位置する 2の支持体によって支持される幾つ かのパターンを示す。

[図 8]長方形板が、長方形板の端部に位置する 2以上の支持体とリブ(中間支持体) よって支持される幾つかのパターンを示す。

[図 9]図 (a)は、長方形板の片面に突起が備えられ、図 (b)は、長方形板の両面に、 異なる位置に突起が備えられ、図(c)は、長方形板の両面に、同じ位置に突起が備 えられている。

[図 10]等間隔に突起が設けられた長方形板がせん断荷重を受けている。

[図 11] 1以上の突起が長方形板に備えられている幾つかのノターンを示す。

[図 12]圧縮または曲げを受ける、 4辺単純支持された長方形板。図(a)は、 4辺単純 支持された長方形板が圧縮を受ける場合を示し、図 (b)は、 4辺単純支持された長方 形板が曲げを受ける場合を示す。

圆 13]圧縮または曲げを受ける、等間隔に突起が付けられた長方形板。図 (a)は、等 間隔に突起が付けられた長方形板が圧縮を受ける場合を示し、図 (b)は、等間隔に 突起が付けられた長方形板が曲げを受ける場合を示す。

[図 14]突起の位置。図(a)は、長方形板の片面に突起がある場合の bと bを示し、図( b)は、長方形板の両面に突起がある場合の bと bを示す。

[図 15]「アルミニウム合金土木構造物設計'製作指針案」によるアルミニウム合金ゥェ ブの断面形状。図(a)は、突起又はリブ(中間支持体)が備えられていないアルミニゥ ム合金ウェブの断面形状を示し、図 (b)は、 1リブ(中間支持体)が備えられたアルミ-ゥム合金ウェブの断面形状を示す。

[図 16]曲げを受ける突起付きアルミニウム合金ウェブの ηと eの関係。

[図 17]本発明の適用によって得られた、 5突起が備えられたアルミニウム合金ウェブ の断面形状。

[図 18]「道路橋示方書 ·同解説 I共通編 II鋼橋編」による鋼ウェブの断面形状。図( a)は、突起又はリブ(中間支持体)が備えられていない鋼ウェブの断面形状を示し、 図 (b)は、 1リブ(中間支持体)が備えられた鋼ウェブの断面形状を示し、図 (c)は、 2 リブ(中間支持体)が備えられた鋼ウェブの断面形状を示す。

圆 19]曲げを受ける突起付き鋼ゥブの ηと βの関係。

圆 20]本発明の適用によって得られた鋼ウェブの断面形状。図(a)は、本発明の適 用によって得られた 6突起が備えられた鋼ウェブの断面形状を示し、図(b)は、図(a) において、ウェブの板幅の半分から下の突起を削除したウェブの断面形状を示す。

[図 21]アルミニウム桁の断面形状。図(a)は、突起無しアルミニウム桁の一般断面形 状を示し、図 (b)は、突起無しアルミニウム桁の最終断面形状を示し、図(c)は、突起 付きアルミニウム桁の断面形状を示す。

[図 22]曲げを受ける突起付きアルミニウム合金ウェブの ηと eの関係。

[図 23]アルミニウム柱の断面形状。図(a)は、突起無しアルミニウム柱の断面形状を 示し、図 (b)は、突起付きアルミニウム柱の断面形状を示す。

[図 24]圧縮を受ける突起付きアルミニウム合金板の ηと βの関係

[図 25]圧縮を受ける突起付きアルミニウム合金板の ηと βの関係。

[図 26]図 25の点 0、 A、 B、 C、 Dに対応するアルミニウム合金板の断面形状。

[図 27]本発明の 2回の適用によって得られたパネル構造。

[図 28]圧縮を受ける突起付き鋼板の ηと βの関係。

[図 29]圧縮を受ける鋼板の断面形状。図(a)は、突起が備えられていない鋼板の断 面形状を示し、図 (b)は、突起が備えられた鋼板の断面形状を示す。

[図 30]曲げを受ける鋼板の ηと eの関係。

[図 31]曲げを受ける鋼板の断面形状。図(a)は、突起が備えられていない鋼板の断 面形状を示し、図 (b)は、突起が備えられた鋼板の断面形状を示す。

符号の説明

A 0:突起無し長方形板の断面積

A:突起付き長方形板の、突起を含めた断面積

A 2:一つの突起の断面積

D :長方形板の曲げ剛性

E :長方形板のヤング率

E :突起のヤング率

H :変数

H 2:変数

H 3:変数

I:一つの突起の断面二次モーメント

P:長方形板に作用する圧縮力

Q :長方形板に作用するせん断力

R:曲面長方形板の局率半径

T:突起無し長方形板の板厚

a :長方形板の長さ

b :突起無し長方形板の板幅、又は、突起付き長方形板の板幅

:突起によって区切られた板要素の幅

b 2:突起の高さ

b 3:長方形板の両面に突起がある場合、両面の突起の先端間の寸法

b 4:長方形板の片面に突起がある場合 b 2、長方形板の両面に突起がある場合 b 3 c :係数

c 2:係数

c 4:係数

c 5:係数

c 31:係数

c 32:係数

k:突起付き長方形板の、圧縮又は曲げに対する座屈係数

k 0:突起無し長方形板の座屈係数

k:突起で区切られた板要素の座屈係数を、突起付き長方形板全体の座屈係数とし て表したもの

k 2:突起付き長方形板の、せん断に対する座屈係数

n:長方形板のヤング率に対する突起のヤング率の比

r:長方形板の曲げ剛性に対する一つの突起の曲げ剛性の比

s:突起によって区切られた板要素の総数

s :本発明の 1回目の使用によって、突起によって区切られた板要素の総数 s 2:本発明の 1回目の使用によって得られた、長方形板の隣り合う突起との間を (本発 明の 1回目の使用において突起力^の場合は、長方形板の端部と突起との間を)、本 発明の 2回目の使用によって新たに創出された突起によって区切られた板要素の総 数

t:突起付き長方形板の板厚

t 2:突起の付根の厚さ

t 22:突起の平均厚さ

β:突起付き長方形板の幅厚比

β :突起無し長方形板の幅厚比

18 突起によって区切られた板要素の幅厚比

β 2:突起の幅厚比

β 3: b 4に関する幅厚比

δ:長方形板の断面積に対する一つの突起の断面積の比

η:突起無し長方形板の断面積に対する、突起付き長方形板の、突起を含めた断面 積の比

μ:長方形板のポアソン比

μ :突起のポアソン比

ξ:突起付き長方形板の板厚に対する突起の付根の厚さの比

σ 0:長方形板の降伏応力

σ:圧縮または曲げを受ける、突起無し長方形板または突起付き長方形板の座屈強 度

σ :突起に生じる応力

σ 11:突起の材料の降伏応力または 0. 2%耐カ(明確な降伏点を持たな、材料の場 合)

0:長方形板のせん断降伏応力

Θ:突起の断面形状が台形の場合,台形の斜辺の傾斜角

発明を実施するための最良の形態

[0144] 以下、本発明の実施例を示すが、この実施例は本発明をより容易に理解するため の説明であって、本発明を何ら限定するものではな、。

実施例 1

[0145] 「アルミニウム合金土木構造物設計'製作指針案」(平成 10年 12月、(社)日本アル ミニゥム協会(旧(社)軽金属協会)、 p. 91)において、アルミニウム合金桁のウェブ( 曲げを受ける長方形板)に 1リブ(中間支持体)を設ける場合に対して規定がある。ァ ルミ-ゥム合金の種類が A6061— Τ6の場合、リブが備えられていないウェブの幅厚 比は 65以下、リブが 1つ備えられているウェブの幅厚比は 90以下に制限されている 。したがって、リブが備えられていないウェブの幅厚比 j8 0を 65とする。

[0146] 「アルミニウム合金土木構造物設計'製作指針案」では、リブの断面寸法は、同指針 の p. 101の式(6. 6. 7)で決定される。ここで、式(6.6. 7)において、 aZb (aは長方 形板の長さ、 bは長方形板の幅である)の値を 1. 5とする。ウェブの幅厚比が 90であ り、幅厚比 10の矩形断面のリブをウェブの片面に備える場合に対するウェブの断面 形状を図 15 (b)に示す。他方、リブが備えられていないウェブの断面形状を図 15 (a) に示す。図 15はウェブの幅 bが 1300mmに対する結果である。図 15 (a)の断面形状 の面積に対する、図 15 (b)の断面形状の面積の比は 0. 820である。すなわち、「ァ ルミ-ゥム合金土木構造物設計'製作指針案」では、 1リブをウェブに備えることによ つて、 18%断面積を減らすことができる。

[0147] 次に、幅厚比 13 0が 65の突起無しウェブに対して本発明を適用する。突起は幅厚比

10の矩形断面とし、アルミニウム合金板の片面に備えるので j8 3 = 10である。

[0148] 式(27)より、突起が備えられたウェブの幅厚比 βは次の範囲で存在する。

[0149] [数 31]


[0150] 7?と j8の関係を図 16に示す。 s = 6、 β = 173. 8のとき、 ηは最 /J、値 0. 565をとる 。このときのウェブの断面形状を図 17に示す。本発明(突起を 5備えることによってゥ エブの断面積を減らす)によって、「アルミニウム合金土木構造物設計'製作指針案」 (リブ(中間支持体)を 1備えることによってウェブの断面積を減らす)より、さらに 31 % ウェブの断面積を減らすことができる。

実施例 2

[0151] 「道路橋示方書 ·同解説 I共通編 II鋼橋編」(平成 14年 3月、(社)日本道路協会 、 p.293)において、鋼桁のウェブ(曲げを受ける長方形板)に 1リブ(中間支持体)及 び 2リブを設ける場合に対して規定がある。鋼の種類が SM490Yの場合、リブが備え られて、な、ウェブの幅厚比は 123以下、リブが 1つ備えられて、るウェブの幅厚比 は 209以下、リブが 2つ備えられているウェブは 294以下に制限されている。したがつ て、リブが備えられていないウェブの幅厚比 j8 0を 123とする。

[0152] 「道路橋示方書 ·同解説 I共通編 II鋼橋編」では、リブの断面寸法は、同示方書 の p. 304の式(10. 4. 8)で決定される。ここで、式(10.4. 8)【こお!ヽて、 a/b (aiま 長方形板の長さ、 bは長方形板の幅である)の値を 1. 5とする。ウェブの幅厚比が 20 9であり、幅厚比 14の矩形断面のリブを 1つウェブの片面に備える場合に対するゥェ ブの断面形状を図 18 (b)、ウェブの幅厚比が 294であり、幅厚比 14の矩形断面のリ ブを 2つウェブの片面に備える場合に対するウェブの断面形状を図 18 (c)に示す。 他方、リブが備えられていないウェブの断面形状を図 18 (a)に示す。図 18はウェブ の幅 bが 2829mmに対する結果である。図 18 (a)の断面形状の面積に対する、図 1 8 (b)の断面形状の面積の比は 0. 627であり、図 18 (a)の断面形状の面積に対する 、図 18 (c)の断面形状の面積の比は 0. 464である。すなわち、「道路橋示方書'同 解説 I共通編 Π鋼橋編」では、 1リブをウェブに備えることによって、 37%断面積を 減らすことができ、 2リブをウェブに備えることによって、 54%断面積を減らすことでき る。

[0153] 次に、幅厚比 )8 0力の突起無しウェブに対して本発明を適用する。突起は幅厚 比 14の矩形断面とし、アルミニウム合金板の片面に備えるので j8 3 = 14である。

[0154] 式(27)より、突起が備えられたウェブの幅厚比 eは次の範囲で存在する。

[0155]


[0156] 7?と j8の関係を図 19に示す。 s = 7、 β = 378. 6のとき、 ηは最 /J、値 0. 452をとる 。このときのウェブの断面形状を図 20 (a)に示す。

[0157] ウェブは曲げを受ける長方形板であるため、長方形板の板幅の半分から下の領域 は引張応力を受ける。引張応力は座屈を起こさせないので、図 18 (b)と図 18 (c)に 示すように、「道路橋示方書'同解説 I共通編 II鋼橋編」では、ウェブの板幅の半分 から下にリブが設けられていない。突起をウェブに備える場合に対しても、ウェブの板 幅の半分から下の突起は削除しても問題が無いと予想される。図 20 (a)において、ゥ エブの板幅の半分力も下の突起を削除したウェブの断面形状を図 20 (b)に示す。図 18 (a)の断面形状の面積に対する、図 20 (b)の断面形状の面積は 0. 389である。

[0158] 本発明(突起を 3備えることによってウェブの断面積を減らす)によって、「道路橋示 方書 '同解説 I共通編 Π鋼橋編」(リブ(中間支持体)を 2備えることによってウェブ

の断面積を減らす)より、さらに 16% ( = 100 X {0. 464 - 0. 389 } /0. 464)ウェブ の断面積を減らすことができる。

実施例 3

[0159] 支間 20mの道路橋に、 H形断面のアルミニウム桁を適用する。桁の幅と高さは、そ れぞれ 400mm、 1400mmである。桁のウェブに、本発明に記載された突起を設け ることによる軽量ィ匕の効果を以下に示す。

[0160] 桁に要求される断面二次モーメントは 1. 3 X 101C)mm4である。桁の断面形状は図 21 (a)であるから、断面二次モーメントは次式で表わされる。

[0161] [数 33]

40Q X 14Q03 (400 - T)b3 ≥1

12 12

[0162] アルミニウム合金の種類は A6061— T6である。このアルミニウム合金の 0. 2%耐 力は 245MPaであり、ヤング率は 7. 0 X 104MPa、ポアソン比は 0. 3である。突起の ないウェブの幅厚比 j8

0は,式(2)より、

[0163] [数 34]


[0164] したがって、ウェブの板厚 Tは、

[0165] [数 35]

Γ =上 78.6

[0166] 最初の式とこの式より、最初の式において等号が成立するとき、 b = 1350mm, T= 17. 2mmを得る。そして、桁のフランジの厚さは、(1400— 1350) Z2 = 25mmにな る。これらより、突起無し桁の断面形状は図 21 (b)になる。

[0167] 矩形断面の突起をウェブの片面に付ける。式 (31)より、

[0168] [数 36]

[0169] 式(31)において、ウェブが曲げを受ける場合、係数 c 5は、突起によって区切られ た板要素の総数 sによって異なるが、 c 5を 1とすることにより、 132の上限値を低く抑え ている。したがって、 j8 2 =10とすれば、矩形断面の突起であるから j83 =10である。

[0170] 式(27)より、突起が備えられたウェブの幅厚比 βは次の範囲で存在する。

[0171] [数 37]


[0172] 7?と j8の関係を図 22に示す。 s = 6、 β =210. 1、 ξ =1. 359のとき、 ηは最 /J、値 0. 538となる。した力 Sつて、

t=b/ β =1350/210. 1 = 6.4mm → 8mm

b =b/s= 1350/6 = 225mm

t = ^t=l. 359X8 = llmm


以上より、突起付き桁の断面形状は図 21 (c)になる。

[0173] 図 21(c)の断面形状の断面二次モーメントは、 1. 334X10lc>mm4であり,要求さ れる断面二次モーメント 1. 3X1010mm4より大きい。

[0174] 図 21 (b)の断面積は 43220mm2であり、図 21 (c)の断面積は 36795mm2である。

突起無し桁の断面積に対する、突起付き桁の断面積の比は 0. 85である。したがつ て,突起を付けることによって 15%の軽量ィ匕になる。

[0175] 図 21 (c)の断面は大きいため、押出しはできない。しかし、 T形の押出形材を摩擦 撹拌接合 (FSW)することにより、図 21(c)の断面形状を有する桁を得ることができる

実施例 4

[0176] 支間 4mの柱に、箱形断面のアルミニウム形材を適用する。箱形断面の内寸は 280 mm X 280mmである。本発明に記載された突起を設けることによる軽量ィ匕の効果を 以下に示す。

[0177] アルミニウム合金の種類は A6061— T6である。このアルミニウム合金の 0. 2%耐 力は 245MPaであり、ヤング率は 7. 0X104MPa、ポアソン比は 0. 3である。突起の

ないウェブの幅厚比 j80は、式(2)より、

[0178] [数 38]

[0179] したがって、
0 )は、 280Z32.1 = 8. 7mmになるの で、突起無しの柱の断面形状は図 23 (a)になる。

[0180] 矩形断面の突起をアルミニウム板の片面に付ける。式(31)より、

[0181] [数 39]


[0182] したがって、 β 2 =10とすれば、矩形断面の突起であるから j83 =10である。

式(27)より、突起が備えられたウェブの幅厚比 βは次の範囲で存在する。

[0183] [数 40]

32.1 </?< 32.15- [0184] 7?と j8の関係を図 24に示す。 s = 3、 β =87.8、 ξ =1. 514のとき、 ηは最 /J、値 0 . 558となる。した力 Sつて、


b =b/s = 280/3 = 93. 3mm

t 2 = ξί=1. 514X3. 2=4.8mm → 5. Omm

b 2 = β 2 t 2 = β 2 ξί=10Χ1. 514X3. 2=48. 5mm

以上より、突起付きの柱の断面形状は図 23(b)になる。

[0185] 図 23 (a)の断面積は 10047mm2、図 23 (b)の断面積は 5565mm2である。突起無 し柱の断面積に対する、突起付き柱の断面積の比は 0. 55である。したがって、突起 を付けることによって 45%の軽量ィ匕になる。

[0186] 柱の細長比(=柱の長さ Z柱の断面の回転半径)は建築基準法で 140以下と規定 されている。図 23(b)に示す断面の回転半径は 107mmである。柱の長さは 4000m mであるので、細長比 =4000Z107 = 37となり、軽量化しても規定を満たしている。

実施例 5

[0187] 圧縮を受けるアルミニウム合金の長方形板に、本発明を 2回適用した例を次に示す

[0188] アルミニウム合金の種類は A6061— T6である。このアルミニウム合金の 0. 2%耐 力は 245MPaであり、ヤング率は 7. O X 104MPa、ポアソン比は 0. 3である。長方形 板の座屈強度にアルミニウムの 0. 2%耐カを採用する。矩形断面の突起を長方形板 の片面に付ける。

[0189] 式(31)より、

[0190] [数 41]


[0191] したがって、 j8 2 = 10とすれば,矩形断面の突起であるから j8 3 = 10である。

圧縮を受ける場合、突起無し長方形板の幅厚比 )8 0は、式 (2)より、

[0192] [数 42]


[0193] 式 (27)より、突起が備えられた長方形板の幅厚比 βは次の範囲で存在する。

[0194] [数 43]

32.1 < ^ < 32.1.?1

[0195] ここで、 sは、本発明の 1回目の使用によって、突起によって区切られた板要素の総 数である。

[0196] ηと Βの関係を図 25に実線で示す。図 25の点 0、 A、 B、 Cの各点に対応する断面 形状を図 26に示す。図 26は板幅 bが 1285. 6mmに対する結果である。点 Oは、突 起無し長方形板の最大幅厚比 j8 0 = 32. 1に対する断面形状である。点 Aと点 Bは突 起の総数は違うが、 r?の値は同じ 0. 566である。点 Cは、本発明の 1回目の使用によ つて r?が最小になる断面形状である。

[0197] 図 26の点 Aの断面図において、突起と長方形板の端部の間に、再度、本発明を適 用した結果を、図 25に破線で示す。この場合、本発明の 1回目の使用によって創出 された突起は、場合によっては、図 27に示すように、 T形断面(黒く塗られた部分)の 柱として座屈する可能性がある。突起が T形断面の柱として座屈する可能性がある場 合には、これを防ぐために、突起の、長方形板の面外方向の移動を数箇所(図 27の 黒点)で拘束する必要が生じる。

[0198] 幅厚比 βに対して、図 25の破線が存在する範囲は次のとおりである。

[0199] [数 44]


[0200] ここで、 s 2は、本発明の 1回目の使用によって得られた、長方形板の隣り合う突起との 間を (本発明の 1回目の使用において突起が 1の場合は、長方形板の端部と突起と の間を)、本発明の 2回目の使用によって新たに創出された突起によって区切られた 板要素の総数である。

[0201] 本発明が 2回使用された場合、 1回目と 2回目の本発明の使用によって創出された 全ての突起によって区切られた板要素の総数 sは次式で与えられる。

[0202] [数 45]

= 2 ( 3 2 )

[0203] 図 25において、 7?の値が最小になる点 Dに対する断面形状を図 26に示す。点 Dの 断面積は点 Cの断面積の 0. 62倍である。このように、本発明を繰返し使用すること により、長方形板の断面積をさらに減らすことができる。

実施例 6

[0204] SM490Yの鋼製の長方形板が圧縮を受ける場合に対する実施例を示す。 SM49 OYの鋼の降伏応力は 355MPaであり、ヤング率は 2. 0 X 105MPa、ポアソン比は 0 . 3である。長方形板の座屈強度に鋼の降伏応力を採用する。矩形断面の突起を鋼 板の片面に付ける。

[0205] 式(31)より、

[0206] [数 46]

[0207] したがって、 j82 =14とすれば,矩形断面の突起であるから |83 =14である c

[0208] 圧縮を受ける場合、突起無し長方形板の幅厚比 β 0は、式 (2)より、

[0209] [数 47]


[0210] 式 (27)より、突起が備えられた長方形板の幅厚比 |8は次の範囲で存在する。

[0211] [数 48]

45.1<^<45.1

[0212] r?と j8の関係を図 28に示す。

[0213] 次に、板幅 bが 1128mmの長方形板に P = 5000kNの圧縮力が作用して!/、るとき 、長方形板の断面積が最小となる形状を、図 28を用いて求める。

[0214] 長方形板が座屈を起こさない条件は次のとおりである。

[0215] [数 49]

P

(3 3)

[0216]

Ρ:長方形板に作用する圧縮力

Α:突起付き長方形板の、突起を含めた断面積

σ:圧縮を受ける、突起無し長方形板または突起付き長方形板の座屈強度 式(20)より、 A 1 = 7? Α0 (ここで、 A 0は突起無し長方形板の断面積)であるから、こ れを式(33)に代入して次式を得る。

[0217] [数 50]

(34)

[0218]
であるから、これを式(34)に代入して次式を得る。

[0219] [数 51]

P (

>—T (3 5)

び—— b

[0220] 式(35)に、 P = 5000kN、 σ = 355MPa、 b = 1128mm、 β ο =45. 1を代入して

、次式を得ることがでさる。

[0221] [数 52]

η > 0.50

η = 0. 50の水平線(一点長鎖線)を図 28に示す。この水平線より上の領域の 7?と βの関係が座屈を起こさない。そして、この水平線が ηと βの関係に交わる点 A ( r? = 0. 50、 β = 112. 1)で突起付き長方形板の断面積が最小になる。点 Αに対する 断面形状を図 29 (b)に示す。突起が備えられていない長方形板の断面形状を図 29 (a)に示す。図 29 (a)の断面積に対する、図 29 (b)の断面積の比は 0. 50である。し たがって、突起を備えることにより 50%断面積を減らすことができる。

実施例 7

[0223] SM490Yの鋼製の長方形板が曲げ荷重の他にせん断荷重(図 10に示すような荷 重)を受ける場合に対する実施例を示す。 SM490Yの鋼の降伏応力は 355MPaで あり、ヤング率は 2. O X 105MPa、ポアソン比は 0. 3である。長方形板の座屈強度に 鋼の降伏応力を採用する。矩形断面の突起を鋼板の片面に付ける。

[0224] 式(31)より、

[0225] [数 53]


[0226] 式(31)において、係数 c 5は、突起によって区切られた板要素の総数 sによって異な るが、 c 5を 1とすることにより、 13 2の上限値を低く抑えている。したがって、 13 2 = 14と すれば,矩形断面の突起であるから j8 3 = 14である。

[0227] 曲げを受ける場合、突起無し長方形板の幅厚比 β 0は、式 (2)より、

[0228] [数 54]


[0229] 式 (27)より、突起が備えられた長方形板の幅厚比 βは次の範囲で存在する。

[0230] [数 55]


[0231] ηと βの関係を実線で図 30に示す。

[0232] 次に、板幅 bが 2537mmの長方形板に Q = 1000kNのせん断力が作用するとき、 長方形板の断面積が最小となる形状を、図 30を用いて求める。

[0233] せん断力 Qに対して、突起付き長方形板が座屈を起こさない条件は次式で与えら れる。

[0234] [数 56]

( 3 6 )

[0235] \1

Q :長方形板に作用するせん断力

b :突起無し長方形板の板幅、又は、突起付き長方形板の板幅

t:突起付き長方形板の板厚

k 2:突起付き長方形板の、せん断に対する座屈係数

E :長方形板のヤング率

μ:長方形板のポアソン比

β =b/t:突起付き長方形板の幅厚比

式(19)より、 btは次式で与えられる。

[0236] [数 57]


[0237]

b :突起無し長方形板の板幅、又は、突起付き長方形板の板幅

t:突起付き長方形板の板厚

A:突起付き長方形板の、突起を含めた断面積

s:突起によって区切られた板要素の総数

c 32:突起の断面積に関係する係数 (表 1参照)

b 4:長方形板の片面に突起がある場合 b 2、長方形板の両面に突起がある場合 b 3 (表

1参照)

b 2:突起の高さ (表 1参照)

b 3:長方形板の両面に突起がある場合、両面の突起の先端間の寸法 (表 1参照) t 2:突起の付根の厚さ (表 1参照)

r? =A 1 /A 0:突起無し長方形板の断面積に対する、突起付き長方形板の、突起を含 めた断面積の比

A 0:突起無し長方形板の断面積

β 0:突起無し長方形板の幅厚比

β 3 =b 4 /t 2: b 4に関する幅厚比

ξ =t 2 /t:突起付き長方形板の板厚に対する突起の付根の厚さの比

突起付き長方形板の、せん断に対する座屈係数 k 2は次式で与えられる(大食一郎

、北村幸嗣、赤崎圭輔、卯瀧高久、ビッグ ·ラズロ ·ゲルゲリ、三河克己:新しいアルミ -ゥム合金製補剛桁の提案、構造工学論文集、 Vol. 51 A, pp. 203-210, 2005

)o

[0238] [数 58]

k2 = 3.78(1 + 0.81(1.52 + rs 5 f5 (3 8)

[0239] ここに、 rは、長方形板の曲げ剛性に対する一つの突起の曲げ剛性の比であり、式(1 1)で与えられる。

[0240] 式(37)を式(36)に代入して、につ!/、て解!、て次式を得る。

[0241] [数 59]

J 2ll-/i2 ?2 (i-lk, ?, 2l

ζ (39)

[0242] 他方、せん断力 Qに対して、突起付き長方形板は、せん断降伏しない次の条件も 満たさなければならなヽ。

[0243] [数 60]


[0244] ここに、

Q :長方形板に作用するせん断力

b :突起無し長方形板の板幅、又は、突起付き長方形板の板幅

t:突起付き長方形板の板厚

0:長方形板のせん断降伏応力

せん断降伏応力 τ

0は次式で与えられる。

[0245] [数 61]


[0246] ここに、

0:長方形板のせん断降伏応力

σ 0:長方形板の降伏応力

式(37)と式 (41)を式 (40)に代入して、 7?について解いて次式を得る。

[0247] [数 62]


[0248] 式(38)、式(39)及び式(42)に、 β ο = 110. 3、E= 2. 0 X 105MPa、 μ = 0. 3、 σ 0 = 355MPa、 Q = 1000kN、 b = 2537mm、 j8 3 = 14、n= l、c 31 = 3、 c 32 = 1を 代入して、 ηとの関係を得る。式(39)が与える ηと eの関係を破線で図 30に示す 。式 (42)が与える ηと eの関係は、式(39)が与える ηと eの関係より下に位置する ので図 30に描いてない。

[0249] 図 30において、破線より上の領域で、突起付き長方形板が、せん断力に対して座 屈を起こさない。 s = 5の実線と s = 5の破線が交わる点 A =0. 543、 β = 231. 2 )で突起付き長方形板の断面積が最小になる。点 Αに対する突起付き長方形板の断 面形状を図 31 (b)に示す。突起が備えられていない長方形板の断面形状を図 31 (a )に示す。図 31 (a)の断面積に対する図 31 (b)の断面積の比は 0. 54である。したが

つて、突起を備えることにより 46%断面積を減らすことができる。