処理中

しばらくお待ちください...

設定

設定

出願の表示

1. WO2007126021 - ガス燃料内燃機関

注意: このテキストは、OCR 処理によってテキスト化されたものです。法的な用途には PDF 版をご利用ください。

[ JA ]
明 細書

ガス燃料内燃機関

技術分野

[0001] 本発明は、クランク室圧縮式 2行程 (2サイクル)のガス燃料内燃機関に関する。

背景技術

[0002] クランク室圧縮式の 2サイクル内燃機関では、燃料の吹き抜けを抑制して燃費の向 上を図る観点から、気筒内に燃料を直接供給する燃料噴射弁を備える場合がある。 この燃料噴射弁は、噴射ノズルから高圧のガソリン燃料を噴射するのが一般的である (例えば、特許文献 1参照)。

[0003] 一方、上記 2サイクル内燃機関においては、燃料コストの低減等を図るために、ガス 燃料を用いる場合がある。この場合、ガス燃料を上記燃料噴射弁により気筒内に噴 射供給することが考えられる。

特許文献 1:特開平 10— 252479号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] ところで、上記従来の燃料噴射弁は電磁力によって小径の弁を進退させることによ り噴射ノズルを開閉する構造を採っているため、ガソリンを噴射する場合は問題ない ものの、この噴射ノズルを大径にするのは困難である。そのためこの噴射ノズルから ガス燃料を噴射供給する構造を採用した場合には、ガス燃料を短期間に必要量供 給することができないという問題があり、その結果、充填効率が低下し、燃費及び排 気ガス性状が悪化するおそれがある。

[0005] 本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたもので、燃焼室内にガス燃料を供給 する場合に充填効率を高めることができ、燃費及び排気ガス性状を良好にできるクラ ンク室圧縮式 2行程のガス燃料内燃機関を提供することを目的としてヽる。

課題を解決するための手段

[0006] 請求項 1の発明は、クランク室圧縮式 2行程のガス燃料内燃機関であって、燃焼室 をドーム型のものとし、該燃焼室の略中央上部に燃料供給通路の下流端開口を位置 させ、該下流端開口を、弁軸の一端に傘状の弁板を形成してなるポペット弁型の燃 料供給弁により開閉することを特徴として、る。

[0007] 請求項 2の発明は、請求項 1において、上記燃料供給弁は、排気ポートが圧縮行 程における開期間内にあるときに開き始めることを特徴としている。

[0008] 請求項 3の発明は、請求項 1において、上記燃料供給弁は、排気ポートが圧縮行 程における閉期間内にあるときに、燃料供給弁開期間の略 1Z2から全期間に渡つ て開くことを特徴としている。

[0009] 請求項 4の発明は、請求項 1において、上記燃焼室の外周部には、圧縮行程後期 においてシリンダ壁近傍のガス燃料を燃焼室中央部に押し出すスキッシュ面が設け られて、ることを特徴として!/、る。

[0010] 請求項 5の発明は、請求項 1において、上記燃料供給通路の燃料供給弁より上流 側に、蓄圧室が設けられて!/、ることを特徴として!/、る。

[0011] 請求項 6の発明は、請求項 5において、上記燃料供給通路の蓄圧室より上流側に、 該蓄圧室側からのガス燃料の逆流を阻止する逆止弁が配置されていることを特徴と している。

[0012] 請求項 7の発明は、請求項 5において、上記燃料供給弁の弁軸は、上記蓄圧室内 に挿入されたバルブガイド部材により摺動自在に支持されており、該バルブガイド部 材の上記蓄圧室内部分に該バルブガイド部材と上記弁軸との間をシールするシー ル部材が配置されて、ることを特徴として、る。

[0013] 請求項 8の発明は、請求項 1において、上記燃料供給弁の近傍に、点火プラグが 配置されて、ることを特徴として、る。

[0014] 請求項 9の発明は、請求項 8において、上記点火プラグは、上記燃料供給弁の弁 軸中心線を挟んだ両側にそれぞれ配置されて、ることを特徴として、る。

[0015] 請求項 10の発明は、請求項 9において、上記各点火プラグは、シリンダボア中心か ら排気ポートの中心を通る延長線に直交する直線上又は該直線より反排気ポート側 に位置するように配置されて、ることを特徴として、る。

[0016] 請求項 11の発明は、請求項 1ないし 10の何れかにおいて、上記燃料供給弁の開 閉タイミング及びリフト量を可変制御する可変動弁機構が設けられていることを特徴と している。

発明の効果

[0017] 請求項 1の発明に係るガス燃料内燃機関によれば、ドーム型の燃焼室の中央上部 に燃料供給通路の下流端開口を位置させ、該開口を弁軸に傘形状の弁板を形成し てなる、いわゆるポペット弁型の燃料供給弁により開閉するようにしたので、燃料供給 通路及びその開口を大径にした場合でも該開口を支障なく開閉でき、短期間で必要 な量のガス燃料を燃焼室内全域にかつ均一に供給することができる。これにより充填 効率を向上でき、燃費及び排気ガス性状を良好にできる。即ち、例えば低負荷時に は、ピストンが下死点近傍以降の時期に燃料供給弁を微小隙間開くことで比較的大 径の開口と弁板との隙間力高圧のガス燃料がドーム形状の燃焼室内表面に沿って 燃焼室内に噴出することとなる。このときのガス燃料は充分な貫通力を有するので、 乱流を生成しつつピストン頂面付近まで到達する力ドーム型の燃焼室の全域にコ ーン状に拡散する。この場合、新気のガス流動に依存することなぐガス燃料の噴流 と、燃料供給弁の傘形状及び配置位置によって充分な混合が行なわれることとなる。

[0018] 請求項 2の発明では、排気ポートが開期間内にあるときに燃料供給弁が開き始める ので、このガス燃料によって、排気ポート近傍に残留する新気と既燃ガスとの混合気 を排出することが可能となる。これにより燃焼室内の燃料割合を高めることができ、着 火及び火炎伝播を良好に行なうことができる。即ち、 2サイクル内燃機関は、その構 造上、部分負荷運転時には G (新気と残留ガス) ZF (燃料)比が大きくなるため、新 気等と燃料とが均一に混合すると着火と火炎伝播が共に困難となり易い。これに対し て、本発明ではピストンが下死点力も上昇して排気ポートを閉じるまでの間に、ガス燃 料を燃焼室の中央上部から供給することから、排気ポート近傍の新気と既燃ガスとの 混合気は排気ポートに押し出されることとなり、燃料割合の多い混合気で運転するこ とが可能となる。

[0019] 請求項 3の発明では、排気ポートが閉期間内にあるときに燃料供給弁を開期間の 1 Z2から全期間に渡って開くようにしたので、高負荷時の出力性能を高めることができ る。即ち、高負荷時にはガス燃料の供給量が増えることから、排気ポートが開いてい ると、ガス燃料の一部が排気ポートから流出したり、下死点に位置するピストンの頂面 近傍に到達したガス燃料の一部がピストンの上昇行程で排気ポートから流出し、これ に伴ってガス燃料の供給量に合った新気の一部も排気ポートから流出したりすること となる。その結果、燃焼室内に吸入した新気を有効に燃焼に用いることができなくなり 、充分な出力性能が得られなくなる。本発明では、排気ポートを閉じた後にガス燃料 を供給するので、高負荷時における出力性能の低下を回避でき、燃費及び排気ガス 性状を良好にできる。

[0020] 請求項 4の発明では、燃焼室の外周部にスキッシュ面を設けたので、圧縮行程時 にシリンダ壁近傍に達したガス燃料を燃焼室の中心部に押し出すことができ、着火及 び火炎伝播を良好に行なうことができる。即ち、高負荷時にはガス燃料の供給量が 増大することから、ガス燃料の一部がシリンダボアの内周壁近傍まで到達する。この 比較的燃料成分の多い混合気を圧縮行程後期に、上記スキッシュ面により燃焼室中 心部の比較的燃料成分が少ない領域に押し出すことによって、混合気の均一化を促 進することができる。また膨張行程では、上記スキッシュ面に燃焼ガスが流入すること から、シリンダ壁近傍での燃焼が促進されることとなる。

[0021] 請求項 5の発明では、燃料供給通路の燃料供給弁より上流側に蓄圧室を設けたの で、該蓄圧室に高圧ガス燃料を蓄えることにより、短期間で必要な量の燃料を供給 することができ、良好な混合気を生成できる。即ち、ガス燃料を筒内圧力より充分に 高圧の状態で蓄圧室に蓄えることにより、筒内圧力が上昇していない下死点後の期 間に、燃料供給弁の開弁隙間から必要な量の燃料を短期間に供給することができる 。また、上記蓄圧室に燃料を補充するのに必要な時間を確保するのは容易であるか ら、蓄圧室にガス燃料を供給するための燃料供給通路を細くすることができ、該通路 のレイアウトの自由度を確保できる。

[0022] 請求項 6の発明では、燃料供給通路の蓄圧室より上流側に逆止弁を配置したので 、蓄圧室側力ガス燃料が逆流するのを防止できる。例えば、燃料供給弁が何らか の原因で閉じる機能を損なった場合には、筒内の圧力が燃料供給通路を通って上 流側の圧力調整器,流量調整器等に加わることとなるが、上記逆止弁を設けることに よって、このような問題を防止できる。

[0023] 請求項 7の発明では、バルブガイド部材の蓄圧室内側部分に、弁軸との間をシー ルするシール部材を配置したので、蓄圧室内のガス圧力がバルブガイド部材と弁軸 との隙間に進入するのを防止でき、バルブガイド部材と弁軸との摺動面が焼付くのを 防止できる。即ち、シール部材を蓄圧室の外側に、つまり動弁室側に配置した場合 には、蓄圧室内のガス燃料の圧力が上記隙間に常時加わることから、この隙間に上 記動弁室のオイルが流入しにくくなり、バルブガイド部材と弁軸との摺動面が焼き付く おそれがある。

[0024] 請求項 8の発明では、燃料供給弁の近傍に点火プラグを配置したので、低負荷時 における着火,火炎伝播を良好に行なうことができる。即ち、上述のように 2サイクル 内燃機関では、部分負荷運転時には GZF比が大きくなり、筒内全体を均一混合気 とした場合は、着火と火炎が共に困難となる。部分負荷運転時の燃料流量は少量で あることから、蓄圧室のガス燃料圧力は低くなる。この少量,低圧状態でも、ガス燃料 は燃料供給弁の全周からリング状に噴出するが、その貫通力は弱ぐ燃料供給弁の 周辺の新気に溜まり易くなる。このため、燃料供給弁の近傍にて電気火花を発生さ せることにより、低負荷時においても良好な燃焼が得られる。

[0025] 請求項 9の発明では、燃料供給弁の両側に点火プラグを配置したので、低負荷時 における燃焼を確実に行なうことができる。即ち、上述のように、低負荷時には、混合 気は燃料供給弁の周辺にリング状に溜まり易い。このためリング状の混合気に両側 力 点火することで燃焼速度が速くなり、熱効率が向上する。

[0026] 請求項 10の発明では、各点火プラグを、シリンダボアの中心から排気ポートの中心 を通る延長線に直交する直線上又は該直線より反排気ポート側に配置したので、 G ZF比が略同一の混合気に点火することができ、燃焼速度の向上及び燃焼の安定 化が可能となる。即ち、 2サイクル内燃機関は、ループ状に配置された複数の掃気ポ ートにより新気を気筒内にループ状に導入することで排気ガスと置換するようになつ ている。このため、低中負荷時には、既燃ガス力 S排気ポート側に残留し易くなり、新気 割合,混合気温度力排気ポート側と反排気ポート側とで異なる状況となり、しかも負 荷状態により変化し易くなる。このような状況下で、電気火花位置を排気ポート側と反 排気ポート側とに設けると、要求される点火時期が異なることとなる。本発明では、要 求される点火時期に差異が生じることはない。

[0027] 請求項 11の発明では、燃料供給弁の開閉タイミング,リフト量を可変制御する可変 動弁機構を設けたので、燃料供給時期,供給量を負荷状態に応じたものに制御でき る。

図面の簡単な説明

[0028] [図 1]本発明の一実施形態によるクランク室圧縮式 2行程ガス燃料内燃機関の断面 図である。

[図 2]上記ガス燃料内燃機関のシリンダヘッドの断面図(図 1の Π-Π線断面図)である

[図 3]上記シリンダへッドのシリンダボア部分の平面図である。

[図 4]上記ガス燃料内燃機関のガス燃料供給装置の構成図である。

符号の説明

[0029] 1 ガス燃料内燃機関

2a クランク室

3b シリンダボア

3c 排気ポート

4 シリンダヘッド

4c 燃料供給通路

4d 下流端開口

4f 蓄圧室

4i スキッシュ面

18 燃焼室

20 燃料供給弁

20a 弁軸

20b 弁板

23 シール部材

25 バルブガイド部材

28 動弁装置 (可変動弁機構)

35 点火プラグ

a 気筒軸線 (弁軸中心線)

b 延長線

c 直線

発明を実施するための最良の形態

[0030] 以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。

[0031] 図 1ないし図 4は、本発明の一実施形態によるガス燃料内燃機関を説明するための 図であり、図 1はガス燃料内燃機関の断面図、図 2はガス燃料内燃機関のシリンダへ ッドの断面図(図 1の Π-Π線断面図)、図 3はシリンダヘッドのシリンダボア部分の平面 図、図 4はガス燃料供給装置の構成図である。

[0032] 図にお、て、 1はクランク室圧縮式 2行程のガス燃料内燃機関を示して、る。このガ ス燃料内燃機関 1は、以下の概略構造を有する。上下 2分割式クランクケース 2の上 合面 2bにシリンダブロック 3がボルト締め結合され、該シリンダブロック 3の上合面 3a にシリンダヘッド 4がボルト締め結合されて!、る。上記クランクケース 2のクランク室 2a 内にクランク軸 5が配置されるとともに、上記シリンダブロック 3のシリンダボア 3b内に ピストン 6が配置され、該ピストン 6はコンロッド 7により上記クランク軸 5のクランクピン 5 aに連結されている。

[0033] 上記クランクケース 2には、クランク室 2aに連通する吸気通路 2cが形成されている。

該吸気通路 2cには、逆流防止用リード弁 10を介して、スロットルバルブ 11を内蔵す るスロットルボディ 12が接続されている。該スロットルボディ 12の上流側にはエアタリ ーナ 13が接続されている。

[0034] 上記スロットルボディ 12のスロットルバルブ 11の下流側にはソレノイド型の燃料噴 射弁 14が装着されており、該燃料噴射弁 14は噴射口 14aが上記リード弁 10の弁裏 に指向するよう配置されている。該燃料噴射弁 14にはガソリン燃料を供給する燃料 レール 15が接続されている。この燃料噴射弁 14は、後述するメインのガス燃料の補 助として用いられるものである。なお、上記燃料噴射弁 14は必ずしも設ける必要はな い。

[0035] 上記シリンダブロック 3の吸気通路 2cの反対側には排気ポート 3cが形成されている

。またシリンダブロック 3には、クランク室 2aで圧縮された空気又は混合気をシリンダ ボア 3b内に導入する複数の掃気ポート 3dが形成されている。各掃気ポート 3dのシリ ンダ側開口は、図 3に示すように、シリンダボア 3bの排気ポート 3cと反対側の部分に ループ状をなすように配置されて、る。

[0036] 上記シリンダヘッド 4のシリンダボア 3bに対向する下合面部分には、燃焼凹部 4aが 凹設されている。また上記シリンダヘッド 4には、上記燃焼凹部 4aの外周部を囲むよ うに水ジャケット 4bが形成されており、該水ジャケット 4bには冷却水排出ホース 19が 接続されている。

[0037] 上記ガス燃料内燃機関 1は、上記燃焼凹部 4aにガス燃料を供給するガス燃料供給 装置を備えている。このガス燃料供給装置は、図 4に示すように、燃料タンク 41と、該 燃料タンク 41の吐出口 41aにその上流端が接続され、下流端が後述するシリンダへ ッド 4の燃料供給通路 4cに接続されたガス燃料供給管 40とを有している。

[0038] 上記ガス燃料供給管 40には、上流側力も順に手動バルブ 42,燃料フィルタ 43,圧 力センサ 44,シャットオフバルブ 45,圧力レギユレータ 46,流量制御弁 47,逆止弁 4 8がそれぞれ介設されている。また上記燃料タンク 41の吐出口 41aには、シャットオフ バルブ 49,燃料圧力センサ 50が接続されており、かつ逆止弁 51を介して燃料補給 口 52が接続されている。

[0039] 上記各圧力センサ 44, 50からの検出信号は ECU53に入力され、該 ECU53は、 これらの検出信号に基づいて、シャットオフバルブ 45, 49及び流量制御弁 47を制御 するように構成されている。このシャットオフバルブ 45, 49は、メインスィッチをオフに したとき,車両が転倒したとき等に閉じるように構成されて、る。

[0040] ここで上記流量制御弁 47には、開口面積を制御する比例制御式弁,又は開弁時 間を制御するインジェクタ式弁が採用可能である。なお、インジェクタ式弁を採用した 場合は、それ自体が逆止弁機能を有するので、上記逆止弁 48は不要となる。

[0041] また上記流量制御弁 47は、上記ガス燃料供給管 40の途中に介在させるものに限 らず、例えばシリンダヘッド 4に直接装着し、後述する蓄圧室 4f内にガス燃料を供給 するように構成しても良い。

[0042] 上記燃焼凹部 4aはドーム型(半球形状)に形成されており、該燃焼凹部 4aと上死 点近傍におけるピストン 6の頂面 6aとで略半球状の燃焼室 18が形成される。

[0043] 上記シリンダヘッド 4の燃焼凹部 4aの外周部にはスキッシュ面 4iが形成されて、る

。このスキッシュ面 4iは、ピストン 6が上死点近傍に上昇したときに、該ピストン 6の頂 面 6aとで狭い隙間が形成されるようにその切り込み角度 (例えば 10〜20度程度)が 設定されている。これにより圧縮行程におけるシリンダボア 3bの内周壁近傍のガス燃 料を燃焼室 10の中心部に向けて押し出すようになって、る。

[0044] 上記シリンダヘッド 4の燃焼凹部 4aの中央上部には、上記燃料供給通路 4cの下流 端が開口しており、該下流端開口 4dには該開口 4dを開閉する燃料供給弁 20が配 置されている。

[0045] 上記燃料供給通路 4cは、シリンダヘッド 4の反排気ポート 3c側端面に形成された 上流端開口 4eから気筒軸線 aと交差する方向に延びた後、該気筒軸線 aに沿うように 燃焼室 18側に屈曲している。

[0046] 上記上流端開口 4eに、上記燃料供給管 40が逆止弁 48を介在させて接続されて いる。この逆止弁 48は、ガス燃料が燃焼供給通路 4cから燃料タンク 41側に逆流する のを阻止するものであり、上記燃料供給通路 4cの上流端開口 4eに接続されている。

[0047] 上記燃料供給通路 4cの燃料供給弁 20の上流側近傍に、具体的には下流端開口 4dに続くように蓄圧室 4fが形成されている。該蓄圧室 4fは、下流端開口 4dと略同じ 開口面積を有し、かつ該開口 4dから燃料供給通路 4cより若干上方に達する長さを 有しており、最大負荷時における必要燃料量を確保できる容量を有する。

[0048] 上記燃料供給弁 20は、略気筒軸線 aに一致するように配置された弁軸 20aの下端 に、上記下流端開口 4dの周縁に当接する傘形状の弁板 20bを形成してなる、いわ ゆるポペット弁型のものである。

[0049] 上記弁軸 20aは、上記蓄圧室 4f内を通ってシリンダヘッド 4の上面から上方に突出 しており、該シリンダヘッド 4に圧入された円筒状のバルブガイド部材 25により摺動自 在に案内されている。また上記弁軸 20aの上端部にはリテーナ 21が装着され、該リテ ーナ 21とシリンダヘッド 4の上面に形成されたばね受け座 4gとの間には、上記燃料 供給弁 20を常時閉方向に付勢するバルブスプリング 22が配設されて、る。

[0050] 上記ノレブガイド部材 25の上端部は、上記ばね受け座 4gから上方に突出しており 、下端部は蓄圧室 4f内に突出している。該蓄圧室 4f内に位置するバルブガイド部材 25の下端部には、上記弁軸 20aとの間をシールするシール部材 23が装着されてい る。これにより蓄圧室 4f内のガス燃料力バルブガイド部材 25と弁軸 20aとの隙間に進 入するのを防止している。

[0051] 上記シリンダヘッド 4の上面には、燃料供給弁 20の上端部周囲を囲むように上方に 延びる箱状の隔壁 4hと、該隔壁 4hの上端開口に配置された蓋板 26とにより動弁室 27が形成されている。該動弁室 27内には後述するカム軸 31の摺動部,軸受部等を 潤滑する潤滑油が供給されて、る。

[0052] 上記動弁室 27内には、上記燃料供給弁 20を開閉駆動する動弁装置 28が配設さ れている。この動弁装置 28は、その一端部が上記弁軸 20aの上端に当接し、他端部 が支持軸 29により上下揺動可能に支持されたロッカアーム 30と、該ロッ力アーム 30 の上面に当接し、かつ両端部が上記隔壁 4hにより軸受 (不図示)を介して支持され たカム軸 31とを備えて!/ヽる。

[0053] 上記カム軸 31はクランク軸 5と平行に配置されており、該カム軸 31の隔壁 4hから外 方に突出する突出部 31aにはプーリ 32を介してタイミングベルト 33が連結されている 。該カム軸 31は、上記クランク軸 5によりタイミングベルト 33を介して回転駆動され、 該カム軸 31の回転に伴ってロッカアーム 30が上下揺動し、燃料供給弁 20を開閉す る。

[0054] 上記動弁装置 28は、上記燃料供給弁 20の開閉タイミング及びリフト量を可変制御 する可変動弁機構を備えている。該可変動弁機構は、図 2に示すように、上記カム軸 31に軸方向に移動可能に配設され、上記ロッカアーム 30に摺接するカムプロフィル の異なるローカムノーズ 3 lb及びハイカムノーズ 31cと、スロットル開度,エンジン回 転数等に基づく ECU53からの切換え信号により、低'中負荷運転時にはローカムノ ーズ 31bに切り換え、高負荷運転時にはハイカムノーズ 31cに切り換える切換え機構 54とを備えている。具体的には、低 ·中負荷運転時には、排気ポート 3cが圧縮行程 における開期間内にあるときに上記燃料供給弁 20が開き始めるように構成されてい る。また高負荷運転時には、排気ポート 3cが圧縮行程における閉期間内にあるとき に燃料供給弁 20が開期間の 1Z2から全期間に渡って開くように構成されている。

[0055] 上記シリンダヘッド 4には、一対の点火プラグ 35, 35が装着されている。この各点 火プラグ 35, 35は、クランク軸直角方向に見ると、燃料供給弁 20の弁軸中心線 (気 筒軸線) aを挟んでクランク軸方向両側に、かつ弁軸中心線 aに対して約 35度程度の 角度をなすよう傾斜させて配置されている。これにより点火プラグ 35は上述の半球形 状の中心に指向している。

[0056] 上記各点火プラグ 35は、図 3に示すように、気筒軸線 a方向に見て、該気筒軸線 a 力 排気ポート 3cの中心を通る延長線 bに対して直角方向に延びる直線 c上に位置 するように配置されている。なお、各点火プラグ 35を、上記直線 cより反排気ポート 3c 側に配置してもよい。

[0057] 上記各点火プラグ 35は、これの電極 35a, 35aが燃焼室 18内の燃料供給弁 20の 弁板 20bの近傍に位置するように配置されている。ここで、本発明において、点火プ ラグ 35を燃料供給弁 20の「近傍に配置する」には、平面から見て、気筒軸線 aを中心 としたシリンダボア面積の 50%内に配置する場合が含まれる。

[0058] 本実施形態によれば、ドーム型の燃焼凹部 4aとピストン頂面 6aとで半球状の燃焼 室 18を形成し、該燃焼室 18の中央上部に燃料供給通路 4cの下流端開口 4dを形成 し、該下流端開口 4dをいわゆるポペット弁型の燃料供給弁 20により開閉するようにし たので、ガス燃料を比較的大径の下流端開口 4dからガス燃料を短期間に必要量燃 焼室 18内全域にかつ均一に供給することができる。これにより、充填効率が向上し、 燃費及び排気ガス性状を良好にできる。即ち、低負荷運転時には、ピストン 6が下死 点近傍以降の時期に燃料供給弁 20を微小隙間開くことで比較的大径の下流端開 口 4dから高圧ガス燃料が燃焼凹部 4aの内表面に沿って燃焼室 18内に噴出すること となる。このときのガス燃料は充分な貫通力を有するので、乱流を生成しつつピストン 頂面 6a付近まで到達するが、ドーム型の燃焼室 18の全域にコーン状に拡散する。こ の場合、新気のガス流動に依存することなぐガス燃料の噴流と、燃料供給弁 20の 弁板 20bの形状及び配置位置に基づいて充分な混合が行なわれることとなる。

[0059] 本実施形態では、排気ポート 3cが開期間内にあるときに燃料供給弁 20が開き始め るので、このガス燃料によって、排気ポート 3c近傍に残留する新気と既燃ガスとの混 合気を排気ポート 3cから排出することが可能となる。これにより燃焼室 18内の燃料割 合を高めることができ、着火及び火炎伝播を良好に行なうことができる。即ち、 2サイ クル内燃機関は、その構造上、部分負荷運転時には G (新気と残留ガス) ZF (燃料) 比が極めて大きぐ筒内が均一の混合気であると着火と火炎伝播が共に困難となり 易い。これに対して、本実施形態では、ピストン 6が下死点力上昇して排気ポート 3c を閉じるまでの間に、ガス燃料を燃焼室 10の中央上部力も供給することから、排気ポ ート 3c近傍の新気と既燃ガスとの混合気は押し出されることとなり、燃料割合の多い 混合気で運転することが可能となる。

[0060] 本実施形態では、排気ポート 3cが閉期間内にあるときに燃料供給弁 20を開期間 の 1Z2から全期間に渡って開くようにしたので、高負荷時の出力性能を高めることが できる。即ち、高負荷時にはガス燃料の供給量が増えることから、排気ポート 3cが開 いていると、ガス燃料の一部が排気ポート 3cから流出したり、下死点に位置するビス トン 6の頂面 6a近傍に到達したガス燃料の一部が圧縮行程で排気ポート 3cから流出 し、これに伴ってガス燃料の供給量に合った新気の一部も排気ポート 3cから流出し たりすることとなる。その結果、燃焼室 18内に吸入した新気を有効に燃焼に用いるこ とができなくなり、充分な出力性能が得られなくなる。本実施形態では、ピストン 6が排 気ポート 3cを閉じた後にガス燃料を供給することで、高負荷時における出力性能の 低下を回避でき、低燃費を実現できるとともに排気ガス性状を良好にできる。

[0061] 本実施形態では、上記燃焼凹部 4aの外周部にスキッシュ面 4iを形成したので、圧 縮行程時にピストン 6によりシリンダボア 3bの内周壁近傍に達したガス燃料を燃焼室 18の中心部に押し出すことができ、着火及び火炎伝播を良好に行なうことができる。 即ち、高負荷時にはガス燃料の供給量が増大することから、ガス燃料の一部がシリン ダボア 3bの内周壁近傍まで到達する。この比較的燃料成分の多、混合気を圧縮行 程後期に、上記スキッシュ面 4iにより燃焼室 18中心部の比較的燃料成分が少ない 領域に押し出すことによって、混合気の均一化を促進することができる。また膨張行 程では、上記スキッシュ面 4iに燃焼ガスが流入することから、シリンダボア 3bの内周 壁近傍での燃焼が促進されることとなる。

[0062] 本実施形態では、燃料供給通路 4cの燃料供給弁 20の上流側近傍に、具体的に は下流端開口 4dに連続するように蓄圧室 4fを設けたので、該蓄圧室 4fに高圧ガス 燃料を蓄えることにより、短期間に必要な量の燃料を供給することができ、良好な混 合気を生成できる。即ち、ガス燃料を筒内圧力より充分に高圧の状態で蓄圧室 4fに 蓄えることにより、筒内圧力が上昇していない下死点後の期間に、燃料供給弁 20の 開弁隙間から必要な量の燃料を短期間に供給することができる。また、上記蓄圧室 4 fに燃料を補充するのに必要な時間を確保するのは容易であるから、蓄圧室 4fにガ ス燃料を供給するための燃料供給通路 4cを細くすることができ、燃料供給通路 4cの レイアウトの自由度を確保できる。

[0063] 本実施形態では、上記燃料供給通路 4cの蓄圧室 4fの上流側近傍に、具体的には 上流端開口 4eに逆止弁 48を配置したので、蓄圧室 4f側からガス燃料が燃料タンク 4 1側に逆流するのを防止できる。例えば、燃料供給弁 20が何らかの原因で閉じる機 能を損なった場合には、筒内の圧力が燃料供給通路 4c,燃料供給管 40を通って流 量制御部 47,圧力レギユレータ 46等に加わることとなる力上記逆止弁 48を設ける ことによって、このような問題を防止できる。

[0064] 本実施形態では、バルブガイド部材 25の蓄圧室 4f内側部分に、弁軸 20aとの間を シールするシール部材 23を配置したので、蓄圧室 4f内のガス圧力がバルブガイド部 材 25と弁軸 20aとの隙間に進入するのを防止でき、これにより動弁室 27側のオイル が上記隙間に流入することが可能となり、摺動面の焼付きを防止できる。即ち、シー ル部材 23を動弁室 27側配置した場合には、蓄圧室 4f内のガス燃料の圧力が上記 隙間に常時加わることから、この隙間に上記オイルが流入しにくくなり、バルブガイド 部材 25と弁軸 20aとの摺動面が焼き付くおそれがある。

[0065] 本実施形態では、上記燃料供給弁 20の近傍に、具体的には下流端開口 4dの近 傍に点火プラグ 35の電極 35aを配置したので、低負荷時における着火,火炎伝播を 良好に行なうことができる。即ち、上述のように 2サイクル内燃機関は、部分負荷運転 時には GZF比が大きくなり、筒内全体を均一混合気とした場合は、着火と火炎が共 に困難となる。部分負荷運転時の燃料流量は少量であることから、蓄圧室 4fのガス 燃料圧力は低くなる。この少量,低圧状態でも、ガス燃料は燃料供給弁 20の全周か らリング状に噴出するが、その貫通力は弱ぐ燃料供給弁 20の周辺の新気に溜まり 易くなる。このため、燃料供給弁 20の近傍に電極 35aを設けることにより、低負荷時 にお、ても良好な燃焼が得られる。

[0066] 本実施形態では、上記点火プラグ 35を燃料供給弁 20の弁軸中心線 aを挟んだ両 側に配置したので、低負荷時における燃焼を確実に行なうことができる。即ち、上述 のように、低負荷時には、混合気は燃料供給弁 20の周辺にリング状に溜まり易い。こ のためリング状の混合気に両側力点火することで燃焼速度が速くなり、熱効率が向 上する。

[0067] また上記各点火プラグ 35を、シリンダボア 3bの気筒軸線 aから排気ポート 3cの中心 を通る延長線 bに対して直角方向の直線 c上に配置したので、 GZF比が略同一の混 合気に点火することができ、燃焼速度の向上及び燃焼の安定化が可能となる。即ち 、 2サイクル内燃機関は、各掃気ポート 3dにより新気をシリンダボア 3b内にループ状 に導入することで排気ガスと置換するようになっている。このため、低中負荷時では、 既燃ガス力 S排気ポート 3c側に残留し易くなり、新気割合,混合気温度が排気ポート 側と反排気ポート側とで異なる状況となり、し力も負荷状態により変化し易くなる。この ような状況下で、各点火プラグを排気ポート側と反排気ポート側とに設けると、要求さ れる点火時期が異なる。本実施形態では、要求される点火時期に差異が生じること はない。

[0068] 本実施形態では、上記燃料供給弁 20の開閉タイミング及びリフト量を可変制御す る動弁装置 (可変動弁機構) 28を設けたので、低,高負荷状態に応じた燃料供給時 期,供給量に制御できる。

[0069] なお、上記実施形態では、燃料供給弁 20をカム軸 31により開閉駆動したが、本発 明では、ソレノイドバルブ等のァクチユエータにより燃料供給弁を開閉駆動してもよい 。このように構成した場合は、燃料供給弁 20の開閉タイミング制御上の自由度を大幅 に向上できる。

[0070] また上記実施形態では、燃料供給弁 20を挟んだ両側にそれぞれ点火プラグ 35, 3 5を配置した力本発明では、何れか一側のみに点火プラグを配置してもよい。