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1. WO2007125842 - ベーン式の可変バルブタイミング調整機構の制御装置

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[ JA ]
明 細書

ベーン式の可変バルブタイミング調整機構の制御装置

関連出願の相互参照

[0001] 本出願は、当該開示内容が参照によって本出願に組み込まれた 2006年 4月 26日 に出願された日本特許出願 2006- 121419を基にしている。

技術分野

[0002] 本発明は、進角油圧室の油圧供給油路と遅角油圧室の油圧供給油路に、それぞ れ、各油圧室からの作動油の逆流を防止する逆止弁を設けたベーン式の可変バル ブタイミング調整機構の制御装置に関する発明である。

背景技術

[0003] ベーン式の可変バルブタイミング装置の基本的な構成は、特開 2001— 159330 号公報(US— 6330870B1)に示すように、エンジンのクランク軸に同期して回転す るハウジングと、吸気バルブ (又は排気バルブ)のカム軸に連結されたべーンロータと を同軸状に配置し、ハウジング内に形成された複数のベーン収納室内をべーンロー タ外周側のベーン (羽根部)で進角油圧室と遅角油圧室とに区画する。そして、各油 圧室の油圧を油圧制御弁で制御して、ハウジングに対してべーンロータを相対回動 させることで、クランク軸に対するカム軸の変位角(カム軸位相)を変化させて、バル ブタイミングを可変制御するようにして、る。

[0004] このようなベーン式の可変バルブタイミング装置では、エンジン運転中に吸気バル ブゃ排気バルブを開閉駆動するときに、吸気バルブや排気バルブ力カム軸が受け るトルク変動がベーンロータに伝わり、それによつて、ベーンロータに対して遅角側及 び進角側へのトルク変動が作用する。これにより、ベーンロータが遅角側にトルク変 動を受けると、進角油圧室の作動油が進角油圧室から押し出される圧力を受け、ま た、ベーンロータが進角側にトルク変動を受けると、遅角油圧室の作動油が遅角油 圧室力押し出される圧力を受けることになる。このため、油圧供給源から供給される 油圧が低!、低回転領域では、進角油圧室に油圧を供給してカム軸の変位角を進角 させようとしても、図 3に点線で示すように、ベーンロータが上記トルク変動により遅角 側に押し戻されてしまい、目標変位角に到達するまでの応答時間が長くなつてしまう という問題があった。

[0005]
特開 2003— 106115号公報(US— 6763791B2)【こ 示すように、遅角油圧室の油圧供給油路と進角油圧室の油圧供給油路にそれぞれ 逆止弁を設け、ベーンロータがトルク変動を受けても遅角油圧室や進角油圧室から の作動油の逆流を逆止弁によって防止することで、図 3に実線で示すように、可変バ ルブタイミング制御中にベーンロータが目標変位角の方向とは逆方向に戻されること を防止して、可変バルブタイミング制御の応答性を向上させることが考えられて、る。

[0006] この可変バルブタイミング装置では、進角油圧室の油圧供給油路と遅角油圧室の 油圧供給油路 (油圧導入ライン)に、それぞれ逆止弁を設けると共に、各油圧室の油 圧供給油路に、それぞれ逆止弁をバイパスする戻りライン (油圧排出ライン)を並列に 設け、各油圧室に供給する油圧を制御する油圧制御弁 (スプール弁)に、各油圧室 の戻りラインを開閉するライン切替弁としての機能を一体ィ匕した構成となっている。そ して、この油圧制御弁の制御電流値を制御することで、各油圧室に供給する油圧を 制御すると同時に、各油圧室の戻りラインの開放 Z閉鎖の切り替えを制御して、いず れかの油圧室の油圧を抜く必要があるときに、その油圧室の戻りラインを開放して当 該戻りラインを通して油圧を速やかに抜くことができるようにして、る。

[0007] しかし、可変バルブタイミング装置や油圧制御弁の動作特性には製造ばらつきがあ るため、ライン切替弁としての機能を一体ィ匕した 1つの油圧制御弁を用いて、各油圧 室の油圧制御と戻りラインの切替え制御の両方を同時に精度良く行うことは困難であ り、ベーンロータの応答特性 (油圧制御弁の制御電流値とベーンロータの応答速度と の関係)にばらつきが生じることは避けられない。この応答特性のばらつきは、逆止弁 によって得られる効果 (低油圧域での進角動作の応答性向上等の効果)を減殺して しまう要因となる。

発明の開示

[0008] 本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、可変バルブタ イミング調整機構や油圧制御弁の製造ばらつきを考慮した可変バルブタイミング制 御(油圧制御弁の制御電流値の制御)を可能とするベーン式の可変バルブタイミング 調整機構の制御装置を提供することにある。

[0009] 上記目的を達成するために、本発明では、ベーン式の可変バルブタイミング調整 機構のハウジング内に形成された複数のベーン収納室内をそれぞれベーンによって 進角油圧室と遅角油圧室とに区画し、少なくとも 1つのべーン収納室の油圧供給油 路と遅角油圧室の油圧供給油路に、それぞれ各油圧室からの作動油の逆流を防止 する逆止弁を設ける。各油圧室の油圧供給油路に、それぞれ前記逆止弁をバイパス するドレーン油路を並列に設け、各油圧室に供給する油圧を制御する油圧制御弁は

、各油圧室のドレーン油路を開放 Z閉鎖するドレーン切替制御機能を有する。さらに

、前記油圧制御弁の制御電流値に対する前記可変バルブタイミング調整機構の応 答特性を学習する応答特性学習手段を備える。このようにすれば、エンジン運転中 に油圧制御弁の制御電流値に対する可変バルブタイミング調整機構の応答特性を 学習することができるため、その学習値を用いることで、可変バルブタイミング調整機 構や油圧制御弁の製造ばらつきを考慮した可変バルブタイミング制御(油圧制御弁 の制御電流値の制御)を実現することができる。

図面の簡単な説明

[0010] [図 1]本発明の一実施例における可変バルブタイミング調整機構とその油圧制御回 路を概略的に示す図である。

[図 2]可変バルブタイミング調整機構の遅角作動、中間保持、進角作動を説明するた めの図である。

[図 3]逆止弁の有無による進角作動時の VCT応答速度の相違を説明するための特 '性図である。

[図 4]逆止弁付きの可変バルブタイミング調整機構の応答特性の一例を示す特性図 である。

[図 5]遅角側 VCT応答速度急変点の 1回目の学習方法を説明するタイムチャートで ある。

[図 6]遅角側 VCT応答速度急変点の 2回目の学習方法を説明するタイムチャートで ある。

[図 7]遅角側 VCT応答速度急変点の 1回目と 2回目の学習時に計測された VCT変 位角変化量 Δ VCTの計測点をプロットした図である。

[図 8]進角側 VCT応答速度急変点の 1回目の学習方法を説明するタイムチャートで ある。

[図 9]進角側 VCT応答速度急変点の 2回目の学習方法を説明するタイムチャートで ある。

[図 10]進角側 VCT応答速度急変点の 1回目と 2回目の学習時に計測された VCT変 位角変化量 Δ VCTの計測点をプロットした図である。

[図 11]通常制御時の目標変位角のマップの一例を示す図である。

[図 12]VCT応答特性学習時の目標変位角の設定方法を説明するタイムチャートで ある。

[図 13]スロットル開度一定時における VCT変位角に対するエンジントルク増減率特 性の一例を表す特性図である。

[図 14]VCT応答特性の学習完了前の制御例を説明するタイムチャートである。

[図 15]VCT応答特性の学習完了後の制御例を説明するタイムチャートである。

[図 16]VCT応答特性学習実行条件判定ルーチンの処理の流れを説明するフローチ ヤートである。

[図 17]VCT応答特性学習ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。

[図 18]VCT応答特性学習ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。

[図 19]OCV電流制御ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。

[図 20]通常制御用電流値算出ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートであ る。

[図 21]目標変位角算出ルーチンの処理の流れを説明するフローチャートである。

[図 22]本発明の他の実施例における可変バルブタイミング調整機構とその油圧制御 回路を概略的に示す図である。

発明を実施するための最良の形態

[0011] 以下、本発明を実施するための最良の形態を具体ィ匕した一実施例を説明する。

[0012] まず、図 1に基づいてベーン式の可変バルブタイミング調整機構 11の構成を説明 する。可変バルブタイミング調整機構 11のハウジング 12は、図示しない吸気側又は 排気側のカム軸の外周に回動自在に支持されたスプロケットにボルト 13で締め付け 固定されている。これにより、エンジンのクランク軸の回転がタイミングチェーンを介し てスプロケットとハウジング 12に伝達され、スプロケットとハウジング 12がクランク軸と 同期して回転する。ハウジング 12内には、ベーンロータ 14が相対回動自在に収納さ れ、このべーンロータ 14がボルト 15によりカム軸の一端部に締め付け固定されてい る。

[0013] ハウジング 12の内部には、ベーンロータ 14の外周部の複数のベーン 17を進角側 及び遅角側に相対回動自在に収納する複数のベーン収納室 16が形成され、各べ ーン収納室 16が各べーン 17によって進角油圧室(以下「進角室」という) 18と遅角油 圧室(以下「遅角室」と、う) 19とに区画されて、る。

[0014] 進角室 18と遅角室 19に所定圧以上の油圧が供給された状態では、進角室 18と遅 角室 19の油圧でベーン 17が保持されて、クランク軸の回転によるハウジング 12の回 転が油圧を介してべーンロータ 14に伝達され、このべーンロータ 14と一体的にカム 軸が回転駆動される。エンジン運転中は、進角室 18と遅角室 19の油圧を油圧制御 弁 21で制御してハウジング 12に対してベーンロータ 14を相対回動させることで、クラ ンク軸に対するカム軸の変位角(カム軸位相)を制御して吸気バルブ (又は排気バル ブ)のバルブタイミングを可変する。

[0015] また、いずれか 1つのべーン 17の両側部には、ハウジング 12に対するベーンロー タ 14の相対回動範囲を規制するストッパ部 22, 23が形成され、このストッパ部 22, 2 3によってカム軸の変位角(カム軸位相)の最遅角位置と最進角位置が規制されてい る。また、いずれか 1つのべーン 17には、エンジン停止時等にカム軸の変位角を所 定のロック位置でロックするためのロックピン 24が設けられ、このロックピン 24がハウ ジング 12に設けられたロック穴(図示せず)に嵌り込むことで、カム軸の変位角が所 定のロック位置でロックされる。このロック位置は、始動に適した位置(例えばカム軸 変位角の調整可能範囲の略中間位置)に設定されて!、る。

[0016] 可変ノレブタイミング調整機構 11の油圧制御回路には、オイルパン 26内のオイル

(作動油)がオイルポンプ 27により油圧制御弁 21を介して供給される。この油圧制御 回路は、油圧制御弁 21の進角圧ポートから吐出されるオイルを複数の進角室 18に

供給する油圧供給油路 28と、油圧制御弁 21の遅角圧ポートから吐出されるオイルを 複数の遅角室 19に供給する油圧供給油路 29とが設けられている。

[0017] そして、進角室 18の油圧供給油路 28と遅角室 19の油圧供給油路 29には、それぞ れ各室 18, 19からの作動油の逆流を防止する逆止弁 30, 31が設けられている。本 実施例では、 1つのべーン収納室 16の進角室 18と遅角室 19の油圧供給油路 28, 2 9についてのみ逆止弁 30, 31が設けられている。勿論、 2つ以上のベーン収納室 16 の進角室 18と遅角室 19の油圧供給油路 28, 29にそれぞれ逆止弁 30, 31を設ける 構成としていも良い。

[0018] 各室 18, 19の油圧供給油路 28, 29には、それぞれ逆止弁 30, 31をバイパスする ドレーン油路 32, 33が並列に設けられ、各ドレーン油路 32, 33には、それぞれドレ ーン切替弁 34, 35が設けられている。各ドレーン切替弁 34, 35は、油圧制御弁 21 から供給される油圧 (パイロット圧)で閉弁方向に駆動されるスプール弁により構成さ れ、油圧が加えられないときには、スプリング 41, 42によって開弁位置に保持される 。ドレーン切替弁 34, 35が開弁すると、ドレーン油路 32, 33が開放されて、逆止弁 3 0, 31の機能が働かない状態となる。ドレーン切替弁 34, 35が閉弁すると、ドレーン 油路 32, 33が閉鎖されて、逆止弁 30, 31の機能が有効に働く状態となり、油圧室 1 8, 19からのオイルの逆流が防止されて油圧室 18, 19の油圧が保持される。

[0019] 各ドレーン切替弁 34, 35は、電気的な配線が不要であるため、逆止弁 30, 31と共 に可変バルブタイミング調整機構 11内部のベーンロータ 14にコンパクトに組み付け られている。これにより、各油圧室 18, 19の近くにドレーン切替弁 34, 35が配置され 、進角 ·遅角動作時に各ドレーン油路 32, 33を各油圧室 18, 19の近くで応答良く開 放 Z閉鎖できるようになって、る。

[0020] 一方、油圧制御弁 21は、リニアソレノイド 36によって駆動されるスプール弁により構 成され、進角室 18と遅角室 19に供給する油圧を制御する進角 Z遅角油圧制御弁 3 7と、各ドレーン切替弁 34, 35を駆動する油圧を切り替えるドレーン切替制御弁 38と がー体ィ匕されている。この油圧制御弁 21のリニアソレノイド 36に通電する電流値 (デ ユーティ値)は、エンジン制御回路(以下「ECU」という) 43によって制御される。

[0021] この ECU43は、クランク角センサ 44及びカム角センサ 45の出力信号に基づいて 吸気バルブ (又は排気バルブ)の実バルブタイミング(実変位角)を演算すると共に、 吸気圧センサ、水温センサ等のエンジン運転状態を検出する各種センサの出力に 基づ、て吸気バルブ (又は排気バルブ)の目標バルブタイミング(目標変位角)を演 算する。そして、 ECU43は、実バルブタイミングを目標バルブタイミングに一致させる ように可変バルブタイミング調整機構 11の油圧制御弁 21の制御電流値をフィードバ ック制御(又はフィードフォワード制御)する。これにより、進角室 18と遅角室 19の油 圧を制御してハウジング 12に対してベーンロータ 14を相対回動させることで、カム軸 の変位角を変化させて実バルブタイミングを目標バルブタイミングに一致させる。

[0022] ところで、エンジン運転中に吸気バルブや排気バルブを開閉駆動するときに、吸気 バルブや排気バルブ力もカム軸が受けるトルク変動がベーンロータ 14に伝わり、それ によって、ベーンロータ 14に対して遅角側及び進角側のトルク変動が作用する。これ により、ベーンロータ 14が遅角側にトルク変動を受けると、進角室 18の作動油が進 角室 18から押し出される圧力を受け、ベーンロータ 14が進角側にトルク変動を受け ると、遅角室 19の作動油が遅角室 19から押し出される圧力を受けることになる。この ため、油圧供給源であるオイルポンプ 27の吐出油圧が低くなる低回転領域では、逆 止弁 30, 31が無いと、進角室 18に油圧を供給してカム軸の変位角を進角させようと しても、図 3に点線で示すように、ベーンロータ 14が上記トルク変動により遅角側に押 し戻されてしまい、目標変位角に到達するまでの応答時間が長くなつてしまうという問 題があった。

[0023] これに対して、本実施例では、進角室 18の油圧供給油路 28と遅角室 19の油圧供 給油路 29に、それぞれ各室 18, 19からのオイルの逆流を防止する逆止弁 30, 31を 設けると共に、各室 18, 19の油圧供給油路 28, 29に、それぞれ逆止弁 30, 31をバ ィパスするドレーン油路 32, 33を並列に設け、各ドレーン油路 32, 33に、それぞれ ドレーン切替弁 34, 35を設けた構成となっている。これにより、図 2A、 2B、 2Ccに示 すように、遅角作動、中間保持、進角作動に応じて各室 18, 19の油圧が次のように 制御される。

[0024] [遅角作動]

図 2(a)に示すように、実バルブタイミングを遅角側の目標バルブタイミングに向けて 比較的急速に遅角させる遅角作動中は、進角室 18のドレーン切替弁 34に油圧制御 弁 21から油圧をカ卩えることで、進角室 18のドレーン切替弁 34を開弁して進角室 18 の逆止弁 30を機能させない状態にすると共に、遅角室 19のドレーン切替弁 35への 油圧供給を停止することで、遅角室 19のドレーン切替弁 35を閉弁して遅角室 19の 逆止弁 31を機能させる状態にする。これにより、低油圧時でも、ベーンロータ 14の進 角側へのトルク変動に対して遅角室 19からのオイルの逆流を逆止弁 31により防止し ながら効率良く遅角室 19に油圧を供給して遅角応答性を向上させる。

[0025] [中間保持]

図 2(b)に示すように、実バルブタイミングを目標バルブタイミングに保持する中間保 持中は、進角室 18と遅角室 19の両方のドレーン切替弁 34, 35への油圧供給を共 に停止することで、両方のドレーン切替弁 34, 35を共に閉弁して、進角室 18と遅角 室 19の両方の逆止弁 30, 31を機能させる状態にする。この状態では、吸気バルブ や排気バルブ力もカム軸が受けるトルク変動によってべーンロータ 14に対して遅角 側及び進角側へのトルク変動が作用しても、進角室 18と遅角室 19の両方のオイル の逆流を逆止弁 31により防止して、ベーン 17をその両側から保持する油圧が低下 するのを防止して、保持安定性を向上させる。尚、比較的緩やかな進角 '遅角動作を 行う場合にも、安定性を向上させるために、進角室 18と遅角室 19の両方のドレーン 切替弁 34, 35を共に閉弁して、進角室 18と遅角室 19の両方の逆止弁 30, 31を機 能させる状態にする。

[0026] [進角作動]

図 2(c)に示すように、実バルブタイミングを進角側の目標バルブタイミングに向けて 比較的急速に進角させる進角作動中は、進角室 18のドレーン切替弁 34への油圧供 給を停止することで、進角室 18のドレーン切替弁 34を閉弁して進角室 18の逆止弁 3 0を機能させる状態にすると共に、遅角室 19のドレーン切替弁 35に油圧制御弁 21 力も油圧をカ卩えることで、遅角室 19のドレーン切替弁 35を開弁して遅角室 19の逆止 弁 31を機能させない状態にする。これにより、低油圧時でも、ベーンロータ 14の遅角 側へのトルク変動に対して進角室 18からのオイルの逆流を逆止弁 30により防止しな 力 効率良く油圧を進角室 18に供給して進角応答性を向上させる。

[0027] 次に、可変バルブタイミング調整機構 11の応答特性 (以下「VCT応答特性」と、う) について図 4を用いて説明する。図 4は、油圧制御弁 21の制御電流値 (以下「OCV 電流値」と、う)と可変バルブタイミング調整機構 11の応答速度 (以下「VCT応答速 度」とヽぅ)との関係を測定して得られた VCT応答特性の一例を示してヽる。

[0028] 本実施例では、進角室 18と遅角室 19の両方に逆止弁 30, 31とドレーン切替弁 34 , 35を設けているため、 OCV電流値の変化に対して VCT応答速度がリニアに変化 せず、ドレーン切替弁 34, 35の開弁 Z閉弁が切り替えられることにより VCT応答速 度が 2箇所で急変する。図 4の VCT応答特性において、遅角側の VCT応答速度の 急変点は、進角室 18のドレーン切替弁 34が閉弁から開弁に切り替わる点であり、進 角側の VCT応答速度の急変点は、遅角室 19のドレーン切替弁 35が閉弁から開弁 に切り替わる点である。この VCT応答速度の急変点の OCV電流値を学習すれば、 ドレーン切替弁 34, 35の開弁 Z閉弁が切り替えられる付近の領域における制御特 性を学習値により向上させることができる。

[0029] 具体的には、次のようにして VCT応答特性を学習する。

[0030] 予め、中間保持モードで可変バルブタイミング調整機構 11の実変位角(以下「VC T変位角」という)を目標変位角に保持するときの OCV電流値を保持電流値として学 習して、 ECU43のバックアップ RAM等の書き換え可能な不揮発性メモリに記憶して おく。この保持電流値の学習は、中間保持モードの実行毎に所定の保持電流学習 条件が成立すれば、その都度、保持電流学習値を更新するようにしても良いし、保持 電流値の学習頻度をこれよりも少なくするようにしても良い。また、目標変位角の領域 毎 (又はエンジン運転領域毎)に保持電流値を学習しても良いし、勿論、全ての目標 変位角(又は全てのエンジン運転領域)に共通する 1つの保持電流値を学習するよう にしても良い。

[0031] そして、遅角側の VCT応答速度急変点を学習する場合は、図 5に示すように、所 定時間毎に OCV電流値を保持電流学習値から所定電流値 (例えば 0. 05A)ずつ 減少させて、遅角側への VCT変位角変化量 Δνστを計測する処理を繰り返す。そ して、この遅角側への VCT変位角変化量 Δνστが所定値 Kiを越えた時点で、 vc τ応答速度が遅角側に急変したと判断して、 VCT変位角変化量 Δνστが所定値 κ

1を越える直前の ocv電流値を遅角側 VCT応答速度急変点における ocv電流値 の仮学習値として記憶する。本実施例では、遅角側 VCT応答速度急変点における OCV電流値の仮学習値は、 OCV電流値と保持電流学習値との偏差 Δ OCVで記 憶される。

[0032] 以上のようにして、遅角側 VCT応答速度急変点の 1回目の学習を大雑把に行った 後、 2回目の遅角側急変点の学習を次のようにして細力べ行う。まず、 1回目の遅角側 急変点学習で検出された VCT変位角変化量 Δνστが所定値 Kiを越える直前の

OCV電流値(1回目の仮学習値)を 2回目の遅角側急変点学習時の初期電流値に 設定して、所定時間毎に、 1回目の遅角側急変点学習時よりも細かい所定電流値( 例えば 0. 01 Α)ずつ OCV電流値を減少させて、遅角側への VCT変位角変化量 Δ VCTを計測する処理を繰り返す。そして、この遅角側への VCT変位角変化量 AVC Τが所定値 K1を越えた時点で、 VCT応答速度が遅角側に急変したと判断して、 VC Τ変位角変化量 Δ VCTが所定値 K1を越えた時点の OCV電流値を「遅角側 VCT 応答速度急変点の ocv電流値」の最終的な学習値として記憶する。本実施例では 、 2回目の遅角側急変点学習においても、図 7に示すように OCV電流値と保持電流 学習値との偏差 Δ OCVで遅角側 VCT応答速度急変点の OCV電流値を学習する。

[0033] 一方、進角側 VCT応答速度急変点の学習も上記と同様にして行う。まず、図 8に示 すように、所定時間毎に OCV電流値を保持電流学習値から所定電流値 (例えば 0. 02Α)ずつ増力!]させて、進角側への VCT変位角変化量 Δ VCTを計測する処理を繰 り返す。そして、この進角側への VCT変位角変化量 AVCTが所定値 Κ3を越えた時 点で、 VCT応答速度が進角側に急変したと判断して、 VCT変位角変化量 Δνστが 所定値 Κ3を越える直前の OCV電流値を進角側 VCT応答速度急変点における OC V電流値の仮学習値として記憶する。本実施例では、進角側 VCT応答速度急変点 における OCV電流値の仮学習値は、 OCV電流値と保持電流学習値との偏差 Δ OC Vで記憶される。

[0034] 以上のようにして、進角側 VCT応答速度急変点の 1回目の学習を大雑把に行った 後、 2回目の進角側急変点の学習を次のようにして細力べ行う。まず、 1回目の進角側 急変点学習で検出された VCT変位角変化量 AVCTが所定値 Κ3を越える直前の

OCV電流値(1回目の仮学習値)を 2回目の進角側急変点学習時の初期電流値に 設定して、所定時間毎に、 1回目の進角側急変点学習時よりも細かい所定電流値( 例えば 0. 005A)ずつ OCV電流値を増加させて、進角側への VCT変位角変化量 AVCTを計測する処理を繰り返す。そして、この進角側への VCT変位角変化量 Δ VCTが所定値 Κ3を越えた時点で、 VCT応答速度が進角側に急変したと判断して、 VCT変位角変化量 Δ VCTが所定値 Κ3を越えた時点の OCV電流値を最終的に「 進角側 VCT応答速度急変点の OCV電流値」の最終的な学習値として記憶する。本 実施例では、 2回目の進角側急変点学習においても、図 10に示すように OCV電流 値と保持電流学習値との偏差 Δ OCVで進角側 VCT応答速度急変点の OCV電流 値を学習する。

[0035] ところで、通常制御時の目標変位角が最遅角位置付近のときに、進角側 VCT応答 速度急変点を学習しょうとすると、実変位角をその目標変位角を越えて進角させる必 要があるため、エンジンの燃焼状態が悪ィ匕する懸念がある。

[0036] この対策として、本実施例では、図 11に示すように、通常制御時の目標変位角が 所定値以上 (例えば 40°CA以上)進角した運転領域で VCT応答特性を学習するよう にしている。このようにすれば、通常制御時の目標変位角が所定値未満 (例えば 20 °CA程度)し力進角していない運転領域で学習する時に比べて、より大きな VCT変 位角変化量 Δνστを検出することが可能となり、結果として高精度な VCT応答特性 を学習することができる。

[0037] また、本実施例では、図 12に示すように、 VCT応答特性を学習するときの目標変 位角を通常制御時の目標変位角の半分程度に設定するようにしている。このように すれば、遅角側及び進角側の両方向の応答特性をほぼ均等に学習することができ ると共に、進角側の応答特性を学習するときに実変位角が上限変位角を越えることを 防止できて、過進角による弊害を防止できる。

[0038] ところで、図 13に示すように、 VCT応答特性の学習時に VCT変位角を変化させる と、エンジントルクが変化する可能性がある力このエンジントルクの変化が大きくなる と、運転者に違和感を感じさせてしまう。

[0039] この対策として、本実施例では、 VCT変位角の変化に対するエンジントルクの変化 が小さい運転領域で、 VCT応答特性を学習するようにしている。このようにすれば、 VCT応答特性の学習時の VCT変位角の変化によるエンジントルクの変化を小さくで きるため、運転者にほとんど違和感を感じさせることなく VCT応答特性を学習するこ とがでさる。

[0040] また、 VCT応答特性の学習完了前は、 VCT応答速度が急変する点が不明である ため、 VCT応答速度急変点付近で制御すると、 VCT応答速度が不意に急変して、 VCT変位角のオーバーシュートやアンダーシュートが発生する可能性がある。

[0041] この対策として、図 14に示すように、 VCT応答特性の学習完了前は、進角側と遅 角側の VCT応答速度急変点の設計中央値を基準にして製造ばらつきの範囲を考 慮して、進角側と遅角側の VCT応答速度急変点付近にそれぞれ制御禁止域を設定 することで、 VCT応答速度急変点付近で OCV電流値を制御することを禁止する。そ して、これら 2つの制御禁止域で挟まれた中間領域では、 VCT変位角と目標変位角 との偏差を小さくするようにフィードバック制御 (FZB制御)し、進角側の制御禁止域 よりも進角側の領域と、遅角側の制御禁止域よりも遅角側の領域では、フィードフォヮ ード制御 (FZF制御)することで、 VCT応答速度を速めるようにして、る。

[0042] 一方、図 15に示すように、 VCT応答特性の学習完了後は、上記 2つの制御禁止域 を無くして、進角側 VCT応答速度急変点の OCV電流学習値と遅角側 VCT応答速 度急変点の OCV電流学習値との間の領域では、 VCT変位角と目標変位角との偏 差を小さくするようにフィードバック制御 (FZB制御)し、この FZB制御域の外側の領 域では、フィードフォワード制御 (FZF制御)することで、 VCT応答速度を速めるよう にしている。

[0043] 前述した VCT応答特性の学習処理は、 ECU43によって図 16乃至図 20の各ルー チンに従って実行さる。以下、これら各ルーチンの処理内容を説明する。

[0044] [VCT応答特性学習実行条件判定ルーチン]

図 16の VCT応答特性学習実行条件判定ルーチンは、エンジン運転中に所定周 期で実行される。本ルーチンが起動されると、まずステップ 101で、エンジン回転速 度、吸気圧、冷却水温等のエンジン運転条件を検出し、次のステップ 102で、検出し たエンジン運転条件が VCT制御実行領域内であるカゝ否かで、 VCT制御実行条件 が成立している力否かを判定し、 VCT制御実行条件が成立していなければ、そのま ま本ルーチンを終了し、 VCT制御実行条件が成立していれば、ステップ 103に進み 、保持電流値の学習が完了している力否かを判定する。

[0045] このステップ 103で、保持電流値の学習完了前と判定されれば、そのまま本ルーチ ンを終了し、保持電流値の学習完了後と判定されれば、ステップ 104に進み、遅角 側 VCT応答速度急変点の学習が完了してヽるか否かを判定し、遅角側 VCT応答 速度急変点の学習完了前であれば、ステップ 105に進み、現在のエンジン運転条件 (エンジン回転速度、吸気圧等)が図 11に示す VCT応答特性学習領域内であるか 否かを判定する。

[0046] このステップ 105で、現在のエンジン運転条件が VCT応答特性学習領域内でない と判定されれば、そのまま本ルーチンを終了し、 VCT応答特性学習領域内であると 判定されれば、ステップ 106に進み、実変位角が下限値以上である力否かを判定す る。ここで、下限値は、遅角側 VCT応答速度急変点の学習動作 (遅角動作)による燃 焼性悪化等の弊害を防止するのに必要な変位角に設定されて!、る。

[0047] このステップ 106で、実変位角が下限値を下回って!/、ると判定されれば、遅角側急 変点学習条件が成立していないと判断して、そのまま本ルーチンを終了し、実変位 角が下限値以上と判定されれば、遅角側急変点学習条件が成立していると判断して 、ステップ 107に進み、遅角側急変点学習フラグ XVCTLRNRETを遅角側急変点 学習条件成立を意味する「1」にセットして本ルーチンを終了する。

[0048] 一方、上記ステップ 104で、遅角側 VCT応答速度急変点の学習完了後と判定され れば、ステップ 108に進み、進角側 VCT応答速度急変点の学習が完了しているか 否かを判定し、進角側 VCT応答速度急変点の学習完了後であれば、そのまま本ル 一チンを終了し、進角側 VCT応答速度急変点の学習完了前であれば、ステップ 10 9に進み、現在のエンジン運転条件 (エンジン回転速度、吸気圧等)が図 11に示す V CT応答特性学習領域内であるか否かを判定する。

[0049] このステップ 109で、現在のエンジン運転条件が VCT応答特性学習領域内でない と判定されれば、そのまま本ルーチンを終了し、 VCT応答特性学習領域内であると 判定されれば、ステップ 110に進み、実変位角が上限値以下である力否かを判定す る。ここで、上限値は、進角側 VCT応答速度急変点の学習動作 (進角動作)による燃 焼性悪化等の弊害を防止するのに必要な変位角に設定されて!、る。

[0050] このステップ 110で、実変位角が上限値を越えて、ると判定されれば、進角側急変 点学習条件が成立していないと判断して、そのまま本ルーチンを終了し、実変位角 が上限値以下と判定されれば、進角側急変点学習条件が成立していると判断して、 ステップ 111に進み、進角側急変点学習フラグ XVCTLRNADVを進角側急変点学 習条件成立を意味する「1」にセットして本ルーチンを終了する。

[0051] [VCT応答特性学習ルーチン]

図 17及び図 18の VCT応答特性学習ルーチンは、エンジン運転中に所定周期で 実行される。本ルーチンが起動されると、まずステップ 201で、エンジン回転速度、吸 気圧、冷却水温等のエンジン運転条件を検出し、次のステップ 202で、遅角側急変 点学習フラグ XVCTLRNRETが遅角側急変点学習条件成立を意味する「1」にセッ トされているか否かを判定し、「1」にセットされていれば、次のようにして遅角側 VCT 応答速度急変点の OCV電流値を学習する。

[0052] まず、ステップ 203で、 OCV電流値を保持電流学習値に設定し、次のステップ 204 で、 OCV電流値の設定後、所定時間 T2経過した時点である力否かを判定し、 ΓΝο 」と判定されれば、ステップ 211の処理へ移行し、「Yes」と判定されれば、ステップ 20 5に進み、第 1遅角側急変点学習(遅角側 VCT応答速度急変点の 1回目の学習)が 完了している力否かを判定する。その結果、第 1遅角側急変点学習がまだ完了して いないと判定されれば、ステップ 207に進み、保持電流学習値から所定電流値 C2 ( C2 =0. 05A)を差し引いた値 C1を算出し、第 1遅角側急変点学習が完了している と判定されれば、ステップ 206に進み、上記 C1に第 2遅角側学習用初期電流値をセ ットすると共に、所定電流値 C2に第 1遅角側急変点学習時よりも小さい電流値 (例え ば 0. 01A)をセットする。

[0053] この後、ステップ 208に進み、 OCV電流値の初回の更新であるか否かを判定し、 初回の更新であれば、ステップ 210に進み、今回の OCV電流値を C1 (=保持電流 学習値— C2 )にセットし、初回の更新でなければ、ステップ 209に進み、前回の OC V電流値から所定電流値 C2を差し引いた値を今回の OCV電流値にセットする。

[0054] 以上説明したステップ 203〜210の処理によって、第 1遅角側急変点学習(遅角側 VCT応答速度急変点の 1回目の学習)では、図 5に示すように、所定時間毎に OCV 電流値を保持電流学習値から所定電流値 C2 (例えば 0. 05A)ずつ減少させる処理 を繰り返し、第 2遅角側急変点学習(遅角側 VCT応答速度急変点の 2回目の学習) では、図 6に示すように、所定時間毎に OCV電流値を第 2遅角側学習用初期電流値 (第 1遅角側急変点学習による仮学習値)から所定電流値 C2 (例えば 0. 01A)ずつ 減少させる処理を繰り返す。ここで、第 2遅角側学習用初期電流値は、第 1遅角側急 変点学習で検出された VCT変位角変化量 AVCTの絶対値が所定値 K1を越える 直前の OCV電流値であり、後述するステップ 218でセットされる。

[0055] 以上のようにして、 OCV電流値を設定した後、ステップ 211に進み、 OCV電流値 の設定後、所定時間 T1経過した時点であるか否かを判定し、「Νο」と判定されれば 、そのまま本ルーチンを終了し、「Yes」と判定されれば、ステップ 212に進み、現在 の VCT変位角を VCToldにセットする。この後、ステップ 213〖こ進み、 OCV電流値の 設定後、所定時間 T2経過した時点である力否かを判定し、「No」と判定されれば、 そのまま本ルーチンを終了し、「Yes」と判定されれば、ステップ 214に進み、現在の VCT変位角から VCToldを差し引いた値を ΔΤ時間(所定時間 T1から T2まで)の V CT変位角変化量 Δ VCTとして算出し、この VCT変位角変化量 Δ VCTを ECU43 のメモリの該当記憶エリアに記憶する。

[0056] Δ VCT= VCT変位角 VCTold

この際、 OCV電流値のデータとしては、 OCV電流値と保持電流学習値との偏差 Δ OCVを用いる。これにより、 OCV電流値と保持電流学習値との偏差 A OCVをパラメ ータとする VCT変位角変化量 Δνστのテーブルが作成される。

[0057] この後、ステップ 215に進み、 VCT変位角変化量 AVCTの絶対値が所定値 K1以 上であるか否カゝ判定し、 VCT変位角変化量 Δνστの絶対値が所定値 Ki未満であ れば、まだ VCT応答速度が急変していないと判断して、そのまま本ルーチンを終了 する。その後、 VCT変位角変化量 Δνστの絶対値が所定値 KI以上になった時点 で、 VCT応答速度が急変したと判断して、ステップ 216に進み、第 1遅角側急変点 学習が完了している力否かを判定する。その結果、第 1遅角側急変点学習がまだ完 了していないと判定されれば、ステップ 218に進み、(1)前回の OCV電流値を第 1遅 角側急変点学習による仮学習値に決定して、これを第 2遅角側学習用初期電流値と して記憶すると共に、第 1遅角側急変点学習完了と判定する。

[0058] そして、上記ステップ 216で、第 1遅角側急変点学習が完了していると判定されれ ば、ステップ 217に進み、(1)現在の OCV電流値を遅角側 VCT応答速度急変点の OCV電流値の最終的な学習値として ECU43のバックアップ RAM等の書き換え可 能な不揮発性メモリに記憶すると共に、第 2遅角側急変点学習完了と判定する。

[0059] 一方、上記ステップ 202で、遅角側急変点学習フラグ XVCTLRNRETが遅角側 急変点学習条件の不成立を意味する「0」にセットされていると判定されれば、図 18 のステップ 220に進み、進角側急変点学習フラグ XVCTLRNADVが進角側急変点 学習条件成立を意味する「1」にセットされているか否かを判定し、「1」にセットされて いなければ、そのまま本ルーチンを終了し、進角側急変点学習フラグ XVCTLRNA DVが「1」にセットされていれば、次のようにして進角側 VCT応答速度急変点の OC V電流値を学習する。

[0060] まず、ステップ 221で、 OCV電流値を保持電流学習値に設定し、次のステップ 222 で、 OCV電流値の設定後、所定時間 T2経過した時点である力否かを判定し、 ΓΝο 」と判定されれば、ステップ 229の処理へ移行し、「Yes」と判定されれば、ステップ 22 3に進み、第 1進角側急変点学習(進角側 VCT応答速度急変点の 1回目の学習)が 完了している力否かを判定する。その結果、第 1進角側急変点学習がまだ完了して いないと判定されれば、ステップ 225に進み、保持電流学習値に所定電流値 C4 (例 えば C4 =0. 02A)を加算した値 C3を算出し、第 1進角側急変点学習が完了してい ると判定されれば、ステップ 224に進み、上記 C3に第 2進角側学習用初期電流値を セットすると共に、所定電流値 C4に第 1進角側急変点学習時よりも小さい電流値 (0 . 005A)をセットする。

[0061] この後、ステップ 226に進み、 OCV電流値の初回の更新であるか否かを判定し、 初回の更新であれば、ステップ 228に進み、今回の OCV電流値を C3 (=保持電流 学習値 +C4 )にセットし、初回の更新でなければ、ステップ 227に進み、前回の OC V電流値に所定電流値 C4を加算した値を今回の OCV電流値にセットする。

[0062] 以上説明したステップ 221〜228の処理によって、第 1進角側急変点学習(進角側 VCT応答速度急変点の 1回目の学習)では、図 8に示すように、所定時間毎に OCV 電流値を保持電流学習値から所定電流値 C4 (例えば 0. 02A)ずつ増加させる処理 を繰り返し、第 2進角側急変点学習(進角側 VCT応答速度急変点の 2回目の学習) では、図 9に示すように、所定時間毎に OCV電流値を第 2進角側学習用初期電流値 (第 1進角側急変点学習による仮学習値)から所定電流値 C4 (例えば 0. 005A)ず つ増加させる処理を繰り返す。ここで、第 2進角側学習用初期電流値は、第 1進角側 急変点学習で検出された VCT変位角変化量 AVCTの絶対値が所定値 K3を越え る直前の OCV電流値であり、後述するステップ 236でセットされる。

[0063] 以上のようにして、 OCV電流値を設定した後、ステップ 229〖こ進み、 OCV電流値 の設定後、所定時間 T1経過した時点であるか否かを判定し、「Νο」と判定されれば 、そのまま本ルーチンを終了し、「Yes」と判定されれば、ステップ 230に進み、現在 の VCT変位角を VCToldにセットする。この後、ステップ 231〖こ進み、 OCV電流値の 設定後、所定時間 T2経過した時点である力否かを判定し、「No」と判定されれば、 そのまま本ルーチンを終了し、「Yes」と判定されれば、ステップ 232に進み、現在の VCT変位角から VCToldを差し引いた値を ΔΤ時間(所定時間 T1から T2まで)の V CT変位角変化量 Δ VCTとして算出し、この VCT変位角変化量 Δ VCTを ECU43 のメモリの該当記憶エリアに記憶する。

[0064] Δ VCT = VCT変位角 VCTold

この際、 OCV電流値のデータとしては、 OCV電流値と保持電流学習値との偏差 Δ OCVを用いる。これにより、 OCV電流値と保持電流学習値との偏差 A OCVをパラメ ータとする VCT変位角変化量 Δνστのテーブルが作成される。

[0065] この後、ステップ 233に進み、 VCT変位角変化量 Δ VCTの絶対値が所定値 Κ3以 上であるか否カゝ判定し、 VCT変位角変化量 AVCTの絶対値が所定値 Κ3未満であ れば、まだ VCT応答速度が急変していないと判断して、そのまま本ルーチンを終了 する。その後、 VCT変位角変化量 AVCTの絶対値が所定値 Κ3以上になった時点 で、 VCT応答速度が急変したと判断して、ステップ 234に進み、第 1進角側急変点 学習が完了している力否かを判定する。その結果、第 1進角側急変点学習がまだ完 了していないと判定されれば、ステップ 236に進み、(1)前回の OCV電流値を第 1進 角側急変点学習による仮学習値に決定して、これを第 2進角側学習用初期電流値と して記憶すると共に、第 1進角側急変点学習完了と判定する。

[0066] そして、上記ステップ 234で、第 1進角側急変点学習が完了して!/、ると判定されれ ば、ステップ 235に進み、(1)現在の OCV電流値を進角側 VCT応答速度急変点の OCV電流値の最終的な学習値として ECU43のバックアップ RAM等の書き換え可 能な不揮発性メモリに記憶すると共に、第 2進角側急変点学習完了と判定する。

[0067] [OCV電流制御ルーチン]

図 19の OCV電流制御ルーチンは、エンジン運転中に所定周期で実行される。本 ルーチンが起動されると、まずステップ 301で、エンジン回転速度、吸気圧、冷却水 温等のエンジン運転条件を検出し、次のステップ 302で、遅角側急変点学習フラグ X VCTLRNRETが「1」である力又は進角側急変点学習フラグ XVCTLRNADVが「 1」であるか否かを判定する。遅角側急変点学習フラグ XVCTLRNRETと進角側急 変点学習フラグ XVCTLRNADVの!ヽずれか一方が「1」であれば、 VCT応答特性 の学習中であると判断して、ステップ 303に進み、 OCV電流値に学習用電流値をセ ットして本ルーチンを終了する。この学習用電流値は、図 17及び図 18の VCT応答 特性学習ルーチンのステップ 209、 210、 227、 228で演算した VCT応答特性の学 習中の OCV電流値である。

[0068] 一方、遅角側急変点学習フラグ XVCTLRNRETと進角側急変点学習フラグ XVC TLRNADVの両方が「0」の場合は、通常制御中であると判断して、ステップ 304に 進み、 OCV電流値に通常制御用電流値をセットして本ルーチンを終了する。この通 常制御用電流値は、通常制御時に後述する図 20の通常制御用電流値算出ルーチ ンによって算出された OCV電流値である。

[0069] [通常制御用電流値算出ルーチン]

図 20の通常制御用電流値算出ルーチンは、エンジン運転中に所定周期で実行さ れる。本ルーチンが起動されると、まずステップ 401で、エンジン回転速度、吸気圧、 冷却水温等のエンジン運転条件を検出し、次のステップ 402で、遅角側 VCT応答速 度急変点の学習が完了している力否かを判定し、遅角側 VCT応答速度急変点の学

習完了前であれば、ステップ 404に進み、図 14に示すように FZB制御域の下限電 流値を所定値 C5に設定すると共に、遅角側の FZF制御域の上限電流値を所定値 C6に設定する。

[0070] 一方、上記ステップ 402で、遅角側 VCT応答速度急変点の学習が完了して、ると 判定されれば、ステップ 403に進み、 FZB制御域の下限電流値と遅角側の FZF制 御域の上限電流値を共に遅角側 VCT応答速度急変点の OCV電流学習値に設定 する。

[0071] この後、ステップ 405に進み、進角側 VCT応答速度急変点の学習が完了している か否かを判定し、進角側 VCT応答速度急変点の学習完了前であれば、ステップ 40 6に進み、図 14に示すように FZB制御域の上限電流値を所定値 C7に設定すると 共に、進角側の FZF制御域の下限電流値を所定値 C8に設定する。

[0072] この場合、 FZB制御域の上下限電流値 C7 , C5と FZF制御域の上下限電流値 C6 , C8は、進角側と遅角側の VCT応答速度急変点の設計中央値を基準にして製 造ばらつきの範囲を考慮して設定され、 FZB制御域と FZF制御域との間に設けら れる制御禁止域 (C6〜C5、 C7〜C8 )内に VCT応答速度急変点の製造ばらつき 範囲が収まるように設定されて、る。

[0073] 一方、上記ステップ 405で、進角側 VCT応答速度急変点の学習が完了して、ると 判定されれば、ステップ 406に進み、 FZB制御域の上限電流値と進角側の FZF制 御域の下限電流値を共に進角側 VCT応答速度急変点の OCV電流学習値に設定 する。

[0074] この後、ステップ 408に進み、 FZB制御域と FZF制御域の各上下限範囲内で、 V CT変位角と目標変位角との偏差に応じて OCV電流値を算出する。

[0075] [目標変位角算出ルーチン]

図 21の目標変位角算出ルーチンは、エンジン運転中に所定周期で実行される。本 ルーチンが起動されると、まずステップ 501で、エンジン回転速度、吸気圧、冷却水 温等のエンジン運転条件を検出し、次のステップ 502で、遅角側急変点学習フラグ X VCTLRNRETが「1」である力又は進角側急変点学習フラグ XVCTLRNADVが「 1」であるか否かを判定する。遅角側急変点学習フラグ XVCTLRNRETと進角側急 変点学習フラグ XVCTLRNADVの!ヽずれか一方が「1」であれば、 VCT応答特性 の学習中であると判断して、ステップ 503に進み、目標変位角を通常制御時の目標 変位角の半分程度の所定値に設定する。

[0076] 一方、遅角側急変点学習フラグ XVCTLRNRETと進角側急変点学習フラグ XVC TLRNADVの両方が「0」の場合は、通常制御中であると判断して、ステップ 504に 進み、図 11に示す通常制御時の目標変位角のマップを参照して、現在のエンジン 運転条件 (エンジン回転速度、吸気圧等)に応じた目標変位角に設定する。

[0077] 以上説明した本実施例によれば、図 4の VCT応答特性において、遅角側の VCT 応答速度の急変点と進角側の VCT応答速度の急変点における OCV電流値を学習 するようにしたので、その学習値を用いることで、可変バルブタイミング調整機構 11 や油圧制御弁 21の製造ばらつきを考慮した可変バルブタイミング制御(OCV電流 制御)を実現することができる。具体的には、遅角側の VCT応答速度の急変点と進 角側の VCT応答速度の急変点における OCV電流値を学習すれば、これらの VCT 応答速度の急変点付近の制御禁止域 (図 14参照)を無くしたり或は小さくすることが でき、その分、 FZB制御域や FZF制御域を拡大することができて、 VCT応答速度 の急変点付近の領域における制御特性を学習値により向上させることができる。

[0078] 尚、 VCT応答特性の学習は、 VCT応答速度の急変点の学習に限定されず、例え ば、進角室 18と遅角室 19のいずれか一方のドレーン切替弁 34又は 35が開弁され て、いずれか一方の逆止弁 30又は 31が機能しない領域における OCV電流値と VC T応答速度との関係を学習したり、或は、進角室 18と遅角室 19の両方のドレーン切 替弁 34, 35が閉弁されて両方の逆止弁 30, 31が有効に機能する領域における OC V電流値と VCT応答速度との関係を学習するようにしても良い。ここで、いずれか一 方の逆止弁 30又は 31が機能しない領域は、比較的急速な進角 ·遅角動作を行う領 域 (本実施例ではこの領域を FZF制御域に設定)であり、両方の逆止弁 30, 31が 有効に機能する領域は、比較的緩やかな進角 ·遅角動作を行う領域と中間保持の領 域 (本実施例ではこの領域を FZB制御域に設定)である。このように、 VCT応答速 度の急変点以外の領域の VCT応答特性を学習すれば、可変バルブタイミング調整 機構 11や油圧制御弁 21の製造ばらつきによる VCT応答特性のばらつきを幅広く学 習補正することができ、 VCT応答速度の急変点以外の領域における制御特性を向 上させることができる。

[0079] また、本実施例では、 VCT応答特性の学習値を書き換え可能な不揮発性メモリに 記憶するようにしたので、エンジン停止中も VCT応答特性の学習値の記憶を保持で きて、次のエンジン始動直後から VCT応答特性の学習値を用いて OCV電流値を精 度良く制御することができる利点がある。

[0080] なお、上記実施例においては図 1に示される可変バルブタイミング調整機構に本願 発明を適用している力これに限られることはなぐ例えば図 22に示される可変ノレ ブ調整機構に適用することもできる。

[0081] 図 22においては、図 1に示される可変バルブ調整機構に対して以下の点が相違し ている。なお、図 22において図 1と同等の構成部品については同じ符号を付してい る。

[0082] 図 1に示される可変バルブ調整機構においては進角 Z遅角油圧制御機能のため の油路を切換える弁とドレーン切替制御機能のための油路を切換える弁との 2つの 弁を備える構成としている。これに対して図 22に示される可変バルブ調整機構にお いては、一つの弁で進角 Z遅角油圧制御機能とドレーン切替制御機能とを達成する 構成としている。また、このために油圧供給通路 28、 29を油圧制御弁と逆止弁との 間で分岐させ、各々ドレーン切替弁 34、 35と連絡する構成としている。

[0083] また、図 1にお!/、ては、ある一つのベーンで区切られた一つのベーン収納室の進角 室および遅角室に対応する油圧供給通路に逆止弁およびドレーン切替弁を設ける 構成としているが、図 22ではあるべーン収納室の進角室に対する油圧供給通路と別 のべーン収納室の遅角室に対する油圧供給通路とに逆止弁およびドレーン切替弁 を設けている。

[0084] また、ドレーン切替弁 34、 35は、油圧が加えられていないときに、スプリング 41、 42 によって閉弁位置に保持される、いわゆるノーマリ'クローズの切替弁としてもよい。こ の場合、ドレーン切替制御弁 38として、図 1においてはドレーン切替弁を閉弁すると きに油圧を供給する構成となっているが、これをドレーン弁を閉弁するときに油圧供 給を停止する構成とすると良い。