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1. WO2006043661 - 中空アクリル系合成繊維

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中空アクリル系合成繊維

技術分野

[0001] 本発明は、主にパイル用途に適した、軽量かつソフトで毛さばきがよぐまたつや消 し効果のある、中空アクリル系合成繊維に関する。

背景技術

[0002] アクリル系合成繊維は、そのソフト感等の風合及び力卩ェの容易さから、ボア一、シ ール、フリース、ノ、ィパイル等の分野に広く使用されている。ノィル用途の中でも、特 に衣料に用いられるものは、軽量であることが望まれており、従来から繊維の軽量ィ匕 に向け、様々な提案がされている。例えば、 2つの紡糸原液を芯鞘紡糸し、芯鞘間に 中空部を有する中空アクリル繊維 (特許文献 1)、 C字型ノズルを用いて紡糸した、略 C字型断面を有するアクリル系合成繊維 (特許文献 2)、スキン層とコア層を形成させ 、その後熱処理を行うことにより中空部を形成させるアクリル系合成繊維 (特許文献 3 、 4)などが提案されている。し力しながら、これらは 2つの紡糸原液を用い芯鞘ノズル を使用するという複雑な工程を要すること (特許文献 1)や、円形に近い断面しか出来 ない (特許文献 2、 3、 4)ため、特に太い繊度において触感が硬ぐまた毛さばきが良 くない等の問題があった。

特許文献 1 :特開平 9— 78355

特許文献 2:特開 2003— 96618

特許文献 3:特開昭 61 - 28014

特許文献 4:再公表特許 WOOOZ70133

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0003] 本発明の目的は、太い繊度において、軽量かつソフトで毛さばきが良ぐまたつや 消し効果のある、アクリル系合成繊維を得ることである。

課題を解決するための手段

[0004] すなわち本発明は、繊維断面の長軸 Z短軸が 3以上の断面でかつ中空部を有す

ることを特徴とする中空アクリル系合成繊維であり、 580ηπ!〜 600nmにおける単繊 維の光透過率が 70 %以下であるものが好まし、。

[0005] また、アクリロニトリル系重合体の紡糸原液を円、楕円及び菱形から選択される少な くとも 1種の形状を 3個以上連ねた孔を有する紡糸口金を用いて紡糸して得られるも のも好ましい。

発明の効果

[0006] 本発明の中空アクリル系合成繊維は、軽量かつソフトで毛さばきに優れ、また、繊 維内部に空孔を有するため、つや消し、いわゆるダル感発現効果がある。このため、 特に、太い繊度のパイル用繊維に適しており、軽量かつソフトで高品位なパイル布帛 が出来る。

図面の簡単な説明

[0007] [図 1]本発明に使用する紡糸口金の孔形状の例である。

[図 2]本発明における凝固浴出の繊維断面のスキンコア構造のモデル図である。

[図 3]本発明にお、て中空化工程を経た後の繊維断面写真である。

符号の説明

[0008] 1 :スキン層

2 :コア層

発明を実施するための最良の形態

[0009] 本発明におけるアクリロニトリル系共重合体は、アクリロニトリル 30〜92重量%、とァ クリロ-トリルと共重合可能な 1種または 2種以上のビュル基含有モノマー 8〜70重量 %を主成分として共重合してなるものを使用する。

アクリロニトリルと共重合可能なビュル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル 酸、塩化ビニル、塩ィ匕ビユリデン、臭化ピル、臭化ビ-リデン、酢酸ビニルのような ビュルエステル類、或いはビュルピロリドン、ビュルピリジン及びそのアルキル置換体

、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド又は それらのモノ及びジアルキル置換体、ァリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、 p—スチ レンスルホン酸、 2—アクリルアミドー 2—メチルプロパンスルホン酸、イソプレンスルホ ン酸及びこれらのアルカリ金属塩等が挙げられる。

[0010] このアクリロニトリル系共重合体を有機溶媒、例えば、アセトン、ァセトニトリル、ジメ チルホルムアミド、ジメチルァセトアミド、ジメチルスルホキシド、あるいは、無機溶媒、 例えば塩ィ匕亜鉛、硝酸、ロダン塩等に溶解させて、紡糸原液とするが、無機又は有 機の顔料あるいは防鲭、着色防止、耐光性等に効果のある安定剤、あるいは無機ま たは有機の光沢、白度を調整する添加剤等を使用してもよい。

[0011] 次に、図 1に示すような円、楕円あるいは菱形力選択される少なくとも 1種の形状 を 3個以上連ねた孔を有する紡糸口金を通じて凝固浴に紡出する。これらのノズルを 使用することにより、凝固浴において形成されるスキンコア構造は図 2のように、各々 の円、楕円あるいは菱形の内部にそれぞれ比較的大きなコア部を有する構造となる 。ここで、スキン層を形成させるためには、浴中の有機溶媒もしくは無機溶媒又は両 者の濃度は好ましくは 1〜50重量%、さらに好ましくは 5〜35重量%であり、また温 度は好ましくは— 10°C〜 + 50°C、さらに好ましくは 0°C〜 + 30°Cである。その後、 10 〜55°Cの低温浴を通し、さらに 55〜95°C、好ましくは 60〜80°Cの熱水浴を通し、こ れら浴中にて、 1. 1〜10倍、好ましくは 2〜8倍の延伸を行う。その後、さらに湿潤糸 条中の溶媒含率を減少させるため、 90〜: LOO°Cの飽和水蒸気中を通してもよ!、。

[0012] 溶媒含率を減少させた方が、後の中空化工程において、中空化率が高くなる傾向 がある。水洗浴出あるいは飽和水蒸気工程出の湿潤糸条は通常、含液率が 60〜20 0重量%程度あるが、それを 5〜70°C、好ましくは 20〜50°Cで低温乾燥を行い、含 液率を 5〜40重量%、好ましくは 15〜30重量%にする。この時、水及び溶媒はコア 部に多く存在すると考えられる。この含液率を調整した糸条を中空化工程に通すが、 この工程により、コア部に存在する水及び溶媒を瞬時に膨張、揮発させ、コア部に空 隙を生じさせる。従い、中空化工程は糸条を急加熱出来るものであればよぐ熱風等 による一般的な乾熱処理、湿熱処理、あるいはポリエチレングリコール、グリセリン等 のような有機化合物を利用した恒温浴等が挙げられる。乾熱及び湿熱処理にぉヽて は、 120〜180°C、恒温浴においては 100〜140°Cで行うことが好ましい。これにより 、図 3のようなコア部に空隙が生じた繊維が得られる。中空化工程の後、必要に応じ て、延伸、熱処理を行い、概ね扁平断面形状の中空部を有する繊維が得られる。

実施例

[0013] 以下に実施例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例 に限定されるものではない。尚、実施例の記載に先立ち、測定法等について説明す る。

[0014] (繊維の中空化率の測定法)

試料となる繊維束の断面形状を、走査型電子顕微鏡にて、約 100個の繊維断面が 入る倍率にて撮影し、 100個の繊維断面において、空隙率が 5%以上のものを中空 化しているとみなし、次式によって算出した。

中空化率 (%) = [ (空隙率が 5%以上の繊維数) / (測定した繊維数) ] X 100 なお、空隙率は、繊維断面において空孔または網目状になっている中空部分の面 積 (A)と中空部以外の面積 (B)より、以下の式により算出した。

空隙率 (%) = [Aの面積 Z (A+Bの面積) ]

なお、中空部が破裂し、空隙部が繊維表面に向けて開口している断面については、 繊維強度や風合の点力も好ましくないため、このような断面の繊維の存在割合が 10 %を超えるものは、中空繊維として適切な性能を有しな、と判断した。

また、つや消し効果の評価は、単繊維の光透過率の測定により実施した。

[0015] (単繊維光透過率の測定法)

ォリンパス株式会社製金属システム顕微鏡を用いて、試料となる繊維の光透過率を 、それぞれ単繊維 5本について各 2箇所、合計 10点で測定を行い評価した。対物レ ンズの倍率は 50倍とし、測定領域は φ = 20 mで行った。なお、光源には透過'明 視野'ノヽロゲンランプを用い、 580〜600nmの範囲で測定を行い、これら波長での 透過率の平均をその試料の光透過率とした。

[0016] (含液率及び含溶媒率の測定)

測定する繊維約 2gを純水 200g中に浸漬し、還流冷却管を使用し 95°Cで 30分間 煮沸する事より繊維中の溶媒を溶出させた。その後、浸漬していた繊維を取り出し、 110°Cで 2時間乾燥させ、その繊維の重量を測定した。一方、溶媒を溶出させた溶 液中における溶媒濃度を (株)島津製作所製ガスクロマトグラフィー (GC—14B)によ り測定した。浸漬前の繊維重量を Fw、乾燥後の繊維重量を Fd、ガスクロマトグラフィ 一より測定した、溶液中の溶媒濃度を cとし、次式により算出した。

含液率(%) = [ (Fw-Fd) /Fd] X 100

含溶媒率(%) = [C X (200 + Fw-Fd) /Fd] X 100 。

[0017] (実施例 1)

アクリロニトリル Z塩化ビュル Zスチレンスルホン酸ナトリウム =49. 5/50/0. 5か らなるアクリロニトリル系共重合体を重合体濃度 29%になるようにアセトンに溶解した 紡糸原液(紡糸原液 A)を、直径が 0. 14mmの円を 4つ連ねた孔形状のホール数 50 のノズルを通して、アセトン Z水 = 30Z70、 20°Cの凝固浴に紡出し、ついでアセトン Z水 = 25Z75、 25°Cの浴に通し、ここで 1. 5倍の延伸を行った。さらに、 40°Cの水 洗浴に通した後、 75°Cの熱水中に通し、ここで 2倍の延伸を行った。この段階におけ る含液率は 95重量%、含アセトン率は 9重量%であった。次に、 40°Cの低温乾燥を 7分間行うことにより、含液率を 20重量%、含アセトン率を 5%に低下させた。その後 、該繊維を 160°Cの乾熱処理工程に 10秒滞留させて、水及びアセトンを膨張揮発さ せ、中空部を発現させた。その後さらに、 130°Cで 2倍に延伸し、 145°Cで熱処理を 行った。得られた繊維は長軸 Z短軸 =4Zlの 22dtexであり、中空化率は 92%、光 透過率は 60%であった。

[0018] (実施例 2)

実施例 1の紡糸原液 Aを、長軸 Z短軸 = 1. 5Z1 (長軸 =0. 15mm)の楕円を 4つ 連ねた、実施例 1と同様の方法で紡糸し、低温乾燥後の含液率を 20重量%、含ァセ トン率を 4%に低下させた。その後、中空化処理、延伸熱処理を行い、得られた繊維 は長軸 Z短軸 = 5Zlの 20dtexであり、中空化率は 90%、光透過率は 64%であつ た。

[0019] (実施例 3)

実施例 1の紡糸原液 Aを、直径が 0. 14mmの円を 4つ連ねた孔形状のホール数 50 のノズルを通して、アセトン Z水 = 30Z70、 20°Cの凝固浴に紡出し、ついでアセトン Z水 = 35Z65、 25°Cの浴に通し、ここで 2倍の延伸を行った。さらに、 40°Cの水洗 浴に通した後、 75°Cの熱水中に通し、ここで 2倍の延伸を行った。この段階における 含液率は 87重量%、含アセトン率は 7重量%であった。次に、 40°Cの低温乾燥を 6 分間行うことにより、含液率を 18重量0 /0、含アセトン率を 4%に低下させた。その後、 該繊維を 160°Cの乾熱処理工程に 10秒滞留させて、水及びアセトンを膨張揮発さ せ、中空部を発現させた。その後さらに、 130°Cで 1. 5倍に延伸し、 145°Cで熱処理 を行った。得られた繊維は長軸 Z短軸 =4Zlの 22dtexであり、中空化率は 89%、 光透過率は 62%であった。

[0020] (実施例 4)

アクリロニトリル Z塩化ビ-リデン Zスチレンスルホン酸ナトリウム = 50. 0/490/1. 0からなるアクリロニトリル系共重合体を重合体濃度 30%になるようにアセトンに溶解 した紡糸原液(紡糸原液 B)を、直径が 0. 14mmの円を 4つ連ねた孔形状のホール 数 50のノズルを通して、アセトン Z水 = 30Z70、 20°Cの凝固浴に紡出し、ついでァ セトン Z水 = 30Z70、 25°Cの浴に通し、ここで 1. 5倍の延伸を行った。さらに、 40 °Cの水洗浴に通した後、 75°Cの熱水中に通し、ここで 2倍の延伸を行った。

さらに、 96°Cの飽和水蒸気中を 2分間通し、この段階における含液率は 103重量% 、含アセトン率は 2重量%であった。次に、 40°Cの低温乾燥を 6分間行うことにより、 含液率を 21重量%、含アセトン率を 1%に低下させた。その後、該繊維を 165°Cの 乾熱処理工程に 10秒滞留させて、水及びアセトンを膨張揮発させ、中空部を発現さ せた。その後さらに、 135°Cで 1. 5倍に延伸し、 150°Cで熱処理を行った。得られた 繊維は長軸 Z短軸 =4Zlの 22dtexであり、中空化率は 95%、光透過率は 57%で めつに。

[0021] (実施例 5)

実施例 4の紡糸原液 Bを、直径が 0. 08mmの円を 5つ連ねた孔形状のホール数 15 0のノズルを通して、アセトン Z水 = 30Z70、 20°Cの凝固浴に紡出し、ついでァセト ン Z水 = 30Z70、 25°Cの浴に通し、ここで 1. 5倍の延伸を行った。さらに、 40°Cの 水洗浴に通した後、 75°Cの熱水中に通し、ここで 2倍の延伸を行った。さらに、 96°C の飽和水蒸気中を 2分間通し、この段階における含液率は 92重量%、含アセトン率 は 2重量%であった。次に、 40°Cの低温乾燥を 6分間行うことにより、含液率を 16重 量%、含アセトン率を 1%に低下させた。その後、該繊維を 165°Cの乾熱処理工程に 10秒滞留させて、水及びアセトンを膨張揮発させ、中空部を発現させた。その後さら に、 135°Cで 1. 5倍に延伸し、 150°Cで熱処理を行った。得られた繊維は長軸 Z短 軸 = 5Zlの lOdtexであり、中空化率は 93%、光透過率は 66%であった。

[0022] (比較例 1)

実施例 1の紡糸原液 Aを、長軸 Z短軸 = 8Zl (長軸 =0. 66mm)の、実施例 1と同 様の方法で紡糸し、低温乾燥後の含液率を 15重量%、含アセトン率を 4%に低下さ せた。その後、 160°Cで中空化処理を行ったが、中空部の破裂が起こり、大部分が 扁平形状をとどめない断面となった。その後、延伸熱処理を行ったが、最終繊維にお いても扁平形状をとどめない断面が大部分となり、中空部が破裂した繊維の存在割 合は 55%、光透過率は 60%であった。

[0023] (比較例 2)

実施例 1の紡糸原液 Aを、長軸 Z短軸 = 8Zl (長軸 =0. 66mm)の、実施例 1と同 様の方法で紡糸し、低温乾燥後の含液率を 5重量%、含アセトン率を 2%に低下させ た。その後、 160°Cで中空化処理を行った力中空化率は 27%と低ぐ光透過率は 8 1%であった。

[0024] 得られた中空化率、光透過率及び中空部が破裂した断面の存在割合について表

1に示した。

[0025] [表 1]

中空化率 光透過率 中空部が破裂した断面の

% % 存在割合(%)

実施例 1 9 2 6 0 1

実施例 2 9 0 6 4 0

実施例 3 8 9 6 2 0

実施例 4 9 5 5 7 0

実施例 5 9 3 6 6 1

比較例 1 3 2 6 0 5 5

比較例 2 2 7 8 1 0