16:00 CETの火曜日 19.11.2019のメンテナンス理由で数時間使用できません
国際・国内特許データベース検索
このアプリケーションの一部のコンテンツは現時点では利用できません。
このような状況が続く場合は、にお問い合わせくださいフィードバック & お問い合わせ
1. (WO2006043385) 炭素系素材の製造方法
注意: このテキストは、OCR 処理によってテキスト化されたものです。法的な用途には PDF 版をご利用ください。
炭素系素材の製造方法

技術分野

[0001] 本発明は、気体分子の吸蔵、排出若しくは吸着又は液体分子の吸着又は微生物 若しくは微粒子の吸着に優れた炭素系素材の製造方法に関する。

背景技術

[0002] 木綿は天然の繊維の中では最もセルロース純度が高、ものである。図 1に示すよう な構造をなし、表面はクチクラで被われており、主として油脂とぺクチンで構成される 。次の層は第一セルロース層であり、全て結晶化されたセルロース繊維力もなる。 さらに内側には、もう 1層のセルロース層がある力木綿のほとんどを占めている。繊 維束が 3層になっており、セルロース繊維の捻れ角が 25〜35度の螺旋を形成して!/ヽ て、結晶質と非結晶質とが混在した構造となっている。

木綿繊維の最深部は中空になっており、ルーメンと言う。ルーメンは木綿の細胞質 があった場所であり、コットンボールが開裂した時にその細胞内容物が蒸発すること で出来た空隙である。木綿独特の捻れ構造は、このルーメン形成時に起る。

[0003] 本発明者は、木綿のこの構造に着目し、炭化することで吸着能に優れた炭化綿を 製造した。先に「水浄化用フィルター及び使用済みフィルターの活性化方法」(特許 文献 1参照)、「ドリップの吸収除去方法及びそのためのドリップシート」(特許文献 2 参照)、「寝装具及び寝装具用炭化綿の製造方法」(特許文献 3参照)、「ガス吸蔵材 料並びにガスの吸蔵及び排出方法」、(特許文献 4参照)、「水耕用植物保持材及び 水耕植物栽培法」(特許文献 5参照)、「燃料蒸発ガス発散抑制装置及び排気ガス浄 化装置並びにこれらに使用するフィルター」(特許文献 6参照)、「抗菌性医用材料」 ( 特許文献 7参照)、「炭化綿、圧電素子、圧力センサー、温度センサー、ガス吸蔵材 料、ガスセンサー、シート状発熱体、電磁波遮蔽材、帯電防止用材及び炭化綿の製 造方法」(特許文献 8参照)、「浄化、精製又は脱色用フィルター及びその製造方法」 (特許文献 9参照)、「浄化用フィルター、ならびにその製造法及び保存方法」(特許 文献 10参照)、「魚及び水棲動物の水槽浄ィ匕用フィルター、同浄ィ匕用フィルターの 製造方法、浄化用フィルターの保存方法及び魚及び水棲動物の水槽の浄化方法」 ( 特許文献 11参照)、「空気清浄方法」(特許文献 12参照)、「補強炭化綿シートまた は炭化綿シートの製造方法」(特許文献 13参照)を提案した。

特許文献 1 :特願 2002- 217687

特許文献 2:特願 2002-148820

特許文献 3 :特願 2002- 150231

特許文献 4 :特願 2002- 184146

特許文献 5 :特願 2002- 184192

特許文献 6:特願 2002-184244

特許文献 7 :特願 2002- 184266

特許文献 8:特願 2002-214695

特許文献 9:特願 2002-217818

特許文献 10:特願 2003-324000

特許文献 11:特願 2003-354461

特許文献 12:特願 2004- 091239

特許文献 13:特願 2004-173618

[0004] 一般にセルロースを無酸素下、 1気圧で焼成していくと、 150° Cまでは木綿の吸着 水が蒸発して除かれ、成分変化はないが、 150° Cから 240° Cの温度帯では、セル ロース中の OHが除去されると同時に C=0及び C=Cが形成される。 300° Cから非結 晶質化するが 400° Cでは完全な非結晶化が起こる。 400〜700° Cでは縮合反応が 起こり、黒鉛様のリング構造を示すようになる。

木綿を工業的に用いるには、多くの場合脱脂を行なう。未処理の原綿と脱脂綿の 違いはその夾雑物にある。夾雑物とは、細胞内容物、油分、榭脂及びべクチンなど である。脱脂綿では、脱脂行程中に水酸ィ匕ナトリウム及び漂白剤などによって、これ ら夾雑物の大部分が除かれる為に、セルロース含有量は高くなる。

[0005] 原綿あるいは脱脂綿をマツフル炉によって、窒素雰囲気下で炭化すると、僅かな条 件の違いによって、炭化物の持つ性質が大きく変わる事がある。すなわち、昇温時間

、維持時間、冷却時間などが影響を与える。

発明者らは、炭化綿を製造するに当って、 900° Cで炭化する場合に最も良い吸着 性能が得られる事を見出した。しかしながら、活性炭などと比較しても、炭化綿の比 表面積などは活性炭と比較しても寧ろ小さぐ炭化綿の吸着の大きさが活性炭より大 き、事の説明に困難があった。

仮に、繊維構造体であることが、吸着の大きさを決定するとすれば、活性炭の細孔 に相当する炭化綿の繊維間間隙は、桁違いに大きいはずであり、先の発明に示した 以上の吸着性能が示されなければ、構造に矛盾がある。実際、炭化綿の吸着は活性 炭の数倍しか大きくな力つた。この事は、木綿の繊維構造の一部しか吸着に寄与し ていると考えざるを得ない。

[0006] 水素吸蔵金属など、燃料電池を想定した水素吸蔵物質の探索は未来のエネルギ 一獲得に掛けて重要な現代の課題となって、る。燃料電池によるエネルギー獲得方 法は、産業革命以来現代まで主要であった、化石燃料を燃焼させて得て来た方法と は大きく異なり、二酸化炭素を発生せず、地球に負荷を掛けないクリーンなものであ る。現代文明が絶えまなく発生させる二酸ィ匕炭素は、地球規模で温室効果を生み、 北極及び南極の氷河の後退に伴う海面の上昇、あるいは地球の環境サイクルの変 動から、早い氷河期に入ることが危惧されている。二酸化炭素の増大は、地球温暖 化の主たる原因であることは間違、のな、事実である。

[0007] 大平洋戦争後大いに期待された原子力による発電は、近年様々な弊害が起きてお り、今後の主たるエネルギー生産方法からは退却しつつある。放射線の漏洩事故な ど人為的な安全性の欠如が大きな原因である。

燃料電池は水素と酸素が結合する際の化学反応で発生するエネルギーを、直接 電気に変換する装置であり、エネルギー変換効率は 80%と高いため、将来性の高い エネノレギー変換器である。

乾電池ゃバッテリ一は発電燃料を内蔵して、るのが特徴であるが、有限の反応が 完了すると発電が停止する。燃料電池では外部から燃料と酸化剤を供給すれば、継 続して発電が可能である

[0008] 燃料電池開発の課題は、水素ガスの貯蔵方法である。酸素は地球上で使用する限 り、大気力も供与できるからである。水素は宇宙に無尽蔵に存在する最も単純な物質 であるが、その燃焼伝播速度が極めて高ぐ爆発的に燃えるため、安全面からの取り 扱いは難しい。

一般には水素の貯蔵には高圧の水素ガスボンベを利用するが、金属腐食や、配管 部の接続不良などの人為的原因によって、爆発の危険性は避けられない。

水素原子 2個で構成されているのが水素分子であるが、分子力原子単体に分離す るには、大きなエネルギーが必要である。太陽表面の水素は原子単体で存在してい る力その温度は 6万。 Cである。

[0009] 水素吸蔵材料として、現在までに約 100種類以上の水素吸蔵合金が作製されてい る。チタンと鉄の合金、あるいは希土類金属ランタンとニッケルの合金などにある特性 として、水素ガスだけを、常温常圧下で、瞬間的に原子単体に分解し、金属中に大 量に吸収される事が知られている。従って、水素ガスを高圧にしてボンベに圧縮貯蔵 する必要はなぐ吸排出過程で起こる反応現象を利用して多方面での用途開発が期 待されている。

水素吸蔵合金は体積の約 1000倍の水素を吸蔵できる力重量あたりでは、わずか 2%未満である。吸蔵時に発熱が起こり、その発熱も利用される。また、吸蔵に伴い、 金属の体積が変化し圧力が増減するので、機械的なエネルギーに変換する事により 、無騒音のァクチユエ一ターとして介護装置などの動力としても用いられて、る。

[0010] し力しながら、水素吸蔵合金は 1)吸蔵—放出の繰返しによる合金の微粉ィ匕や、劣 化が起ること、 2)多くの水素吸蔵合金では希少金属を必要とするので、その資源確 保が困難になりつつあること、などの理由によって、それに替わる他の水素吸蔵材料 が求められている。

この中にあって、近年着目されているのは、炭素系炭化物であり、その大きな吸着 作用に期待が寄せられている。特に、カーボンナノチューブやフラーレンなど、微細 で幾何学的な構造体は、極めて人工的であり、特異な吸着能力は大きな期待の中で 研究が進められている。

[0011] グラフアイトナノファイバーと呼ぶ繊維状炭素が知られているが、黒鉛層間での吸着 が起り、室温で 68重量%を記録している。しかし尋常でない吸着量が報告されている 一方で再現性が乏し、など議論が続!、て、る。

カーボンナノチューブは炭素 6員環が連なったグラフアイトの 1層(グラフエンシート) を丸めた円筒状の物質で、単層のものと多層のものがあり、水素吸蔵作用は単層の ものに特徴的である。水素は冷却して吸収し貯蔵する。排出には加熱する。重量の 2 〜3%の水素を吸蔵することができる。

カーボンナノチューブは極めて軽量であるので、現在主流である水素吸蔵合金か ら将来の燃料電池自動車の水素貯蔵タンクとして着目されてヽる材料である。

[0012] し力しながら、製造には特殊な技術が必要で、生産量が小スケールであり、莫大な 価格となってしまうため、一般的な流通、経済的な利用を妨げている。

広く使われている活性炭も様々なグレードがあり、水酸ィ匕アルカリなど特殊な賦活方 法によって、 3000m2もの高表面積を持つものが製造されて、る。

また、活性炭は、細孔による物理吸着であるため、液体窒素下の低温でしか実用 的な吸着が起こらな、と、う問題がある。車載燃料電池では低温の実現は難し、の で、実用には範囲が限定される。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0013] 本発明の目的は、低コストで簡単に入手でき、軽量であり、気体分子の吸蔵、排出 若しくは吸着又は液体分子の吸着又は微生物若しくは微粒子の吸着に優れた炭素 系素材、特に保存に危険な有用ガスの貯蔵が可能な炭素系素材力なる吸蔵材料 の製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

[0014] 本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、脱脂綿を物理的ある いは化学的な処理をすることで、木綿を形成するセルロースの分子間力を緩め、引き 続く炭化処理によって製造される繊維系炭素材を使用することにより、上記の問題を 解決できるとの知見を得た。

[0015] 本発明は、この知見に基づいて、

1)原綿を水酸化ナトリウムで処理し、次、で強酸によって処理するか又は脱脂綿を 酸で処理することにより、セルロース繊維の結合を化学的に緩め、炭化することを特 徴とする気体分子の吸蔵、排出若しくは吸着又は液体分子の吸着又は微生物若しく

は微粒子の吸着を行なうことを特徴とする炭素系素材の製造方法。

2)脱脂綿を含水させ、圧力ですり潰す事により、セルロース繊維の結合を物理的に 緩め、炭化することを特徴とする気体分子の吸蔵、排出若しくは吸着又は液体分子 の吸着又は微生物若しくは微粒子の吸着を行なうことを特徴とする炭素系素材の製 造方法。

3)脱脂綿を高温高圧水蒸気で処理する事により、セルロース繊維の結合を物理的 に緩め、炭化することを特徴とする気体分子の吸蔵、排出若しくは吸着又は液体分 子の吸着又は微生物若しくは微粒子の吸着を行なうことを特徴とする炭素系素材の 製造方法。

4)酸が塩酸、硫酸、酢酸、硝酸又は炭水化物の乾留液であることを特徴とする上記 1〜3のいずれかに記載の炭素系素材の製造方法。

5)酸が 1〜: LO規定の濃酸であり、常温で 5〜24時間木綿を処理することを特徴とす る上記 1又は 4記載の炭素系素材の製造方法。

6)炭水化物の乾留液が、炭水化物の乾留液が、炭水化物を原料とし、該原料の乾 留又は炭化時に発生する炭化煙を冷却して得られる乾留液であることを特徴とする 上記 4記載の炭素系素材の製造方法。

7)酸処理の後、水洗を十分行ない、中性で炭化することを特徴とする上記 5記載の 炭素系素材の製造方法。

8)酸が炭水化物の乾留液である場合、酸処理の後、そのまま炭化する事を特徴とす る上記 4記載の炭素系素材の製造方法。

9)処理後の炭化を、処理後又は水洗後、そのまま湿った状態で行なうことを特徴と する上記 1〜8のいずれかに記載の炭素系素材の製造方法。

1Ο) 800〜1000° Cで炭化することを特徴とする上記 1〜9のいずれかに記載の炭素 系素材の製造方法。

11)炭化を低酸素下又は不活性ガス存在下で行なうことを特徴とする上記 1〜10の いずれかに記載の炭素系素材の製造方法。

を提供する。

発明の効果

[0016] 本発明の炭化綿の製造方法は、木綿のセルロース高次構造を物理的に、あるいは 酸によって事前に緩め、炭化することにより、活性炭の細孔に当る繊維間間隙を広げ て、気体分子の吸蔵、排出若しくは吸着又は液体分子の吸着又は微生物若しくは微 粒子の吸着液体ある、は気体の吸着性能を高めることができると、う優れた効果を 有する。

図面の簡単な説明

[0017] [図 1]木綿の構造を示す概念説明図である。

[図 2]実施例の活性ィ匕炭化綿と市販活性炭の水素ガスの吸着等温線図である。

[図 3]実施例の活性ィ匕炭化綿と市販活性炭の酸素ガスの吸着等温線図である。

[図 4]実施例の活性ィ匕炭化綿と市販活性炭のホルムアルデヒドの吸着量を示す図で ある。

[図 5]実施例の活性ィ匕炭化綿と市販活性炭のァセトアルデヒドの吸着量を示す図で ある。

[図 6]実施例の活性ィ匕炭化綿と市販活性炭のベンゼンの吸着量を示す図である。

[図 7]実施例の活性ィ匕炭化綿を使用した場合と市販の観賞魚用の浄ィ匕装置を使用し た場合の、汚水浄化指標である BOD (生物学的酸素要求量)及び COD (化学的酸素 要求量)の推移を示す図である。

[図 8]実施例の活性ィ匕炭化綿を使用した場合と市販の観賞魚用の浄ィ匕装置を使用し 、汚水を新しいものに入れ替え、活性汚泥が十分固定化された場合の、汚水浄化指 標である BOD (生物学的酸素要求量)及び COD (化学的酸素要求量)の推移を示す 図である。

発明を実施するための最良の形態

[0018] 本発明は、木綿の繊維構造を事前に十分開放し、炭化することによって生まれる、 抜群の吸着力に着眼して、吸着素材への利用を創案するものである。

後述する実施例に示すように、木綿を事前に物理的ある、は化学的に処理するこ とによって、繊維間間隙を増やし、この木綿を炭化して得た炭化綿が物質の吸着に 極めて有効である。

特に脱脂処理を施した木綿 (脱脂綿)に対して、物理的処理あるいは化学的処理を 施すことにより、炭化を行なって製造した活性ィ匕炭化綿が効果的である。特に、先願

「炭水化物の乾留液及びその回収方法」(特願 2004-036246)記載の「炭水化物を原 料とし、該原料の乾留又は炭化時に発生する炭化煙を冷却して得られる乾留液」を 使用した場合が最も効果的である。木綿には、あらゆる織布、木綿糸が使用できる。

[0019] また、この活性ィ匕炭化綿は、木綿を 800〜1000° Cで加熱炭化することによって 製造することができる。このように、特許文献に提示した本発明者による先の発明によ つて用いられる全ての炭化綿の原料として提供することができる。

炭化綿は吸着において、極めて優れた能力を持つ事が確認され、特に、陰陽ィォ ン物質、非イオン物質、気体分子の吸着が顕著である。また、一度吸着した分子は 異なる温度、すなわち吸着温度以上の高温で排出できる。

この活性ィ匕炭化綿には、多くの気体を吸着又は吸蔵させることができる。例えば、 水素、酸素、窒素、ヘリウム、アルゴン、硫化水素、塩素等の無機系ガス、またアンモ 二了、フオルムアルデヒド、アセトン、クロロフオルム、メチルカブタン、フエノール、メル カプトエタノール等の有機系ガスを吸着又は吸蔵させることができる。

ここ〖こ挙げたものは、あくまでも一例であり、これらのガスに制限される必要はない。 例示した以外のガスも、当然吸着又は吸蔵させることができる。

さらに、活性ィ匕炭化綿には微生物などを効率良く吸着、着床することが可能である。 バイオフィルターとしての利用が可能である。

実施例

[0020] 次に、本発明の実施例及び比較例について説明する。なお、以下に示す実施例 は、本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明はこれらの実施例に制 限されるものではない。すなわち、本発明の技術思想に基づぐ他の例又は変形は、 当然本発明に包含されるものである。

[0021] (実施例 1)

[物理的破砕及び酸処理を行なった後に炭化して製造した炭化綿の活性] 物理的破砕は、木綿を吸水させ、乳鉢内で乳棒を用いてすり潰した。処理時間は 約 10分であった。

酸処理は塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、及び木綿を炭化する時に発生する煙を冷却し

て回収される綿酢液をさらに 2回蒸留して得たものを用いた。塩酸、硫酸、硝酸は濃 酸を各 1Z2に希釈したもの、すなわちそれぞれ 5.8、 9、 7.45規定のものを用いた。酢 酸は 1Z5希釈したもの、すなわち 1.25規定のものを用い、綿酢液は蒸留したものを 1 Z5に希釈したものを用いた。

木綿をビーカーに lOOg取り、希釈した酸を入れ、室温で 20時間静置した。綿酢液 はそのまま、その他の酸処理したものは、水が中性になるまで水洗を繰り返し、処理 した木綿が湿ったまま炭化炉に入れて、 900° Cで 20時間炭化を行ない、活性ィ匕炭 化綿を製造した。

[0022] これら活性ィ匕炭化綿を用いて、アンモニア吸着性及び菌吸着性について検証を行 なった。

アンモニア吸着性は、それぞれの炭化綿を lg取り、カラムに詰めて、初濃度が 9.2m g/Lのアンモニア水溶液を 10mL通過させ、ろ液のアンモニアを定量し、初濃度を 10 0%とした時の活性炭化綿の吸着率で表した。結果は表 1に示す通りである。

従来の非活性炭化綿の吸着率と比べ、前処理を行なった炭化綿で格段に改善さ れているのが明白である。特に、物理的破砕あるいは綿酢液の場合が顕著に優れて いる。

[0023] [表 1]


[0024] また、菌の着床性にっ、ては、培養大腸菌液(660nmで測定した濁度 OD660で 0.3 62)を同様のカラムに通過させ、ろ液の濁度で求め、吸着率を百分率で表した。結果 は表 2に示す通りである。

アンモニア吸着と全く同様に、前処理を行なった活性化炭化綿の吸着率が格段に 改善されており、特に物理的破砕あるいは綿酢液の場合が顕著に優れている。

[0025] [表 2]


[0026] (実施例 2)

[水素ガスの吸着等温線]

水素ガスの吸着率を示すため、吸着等温線を求めた。水素吸着を行なうため、ステ ンレス製の密閉容器 (直径 2cm、長さ 30cm、容積 170cm3)を作り、脱気及び加圧が簡 単に行えるようにカプラーを装着した。

密閉容器に硝酸処理を行なった活性ィ匕炭化綿 lgを詰め、脱気を行なった。脱気は 密閉容器を 120° Cのオーブンに入れ、真空度が 50mTorrになるまで、一夜行なつ た。脱気後、密閉容器を水素ボンベと繋ぎ、 15° Cに設定した水槽に入れ、様々な 圧力で加圧し、 1時間平衡を保った。平衡後は、密閉容器に閉じ込められた水素ガ スを大気圧で解放し、解放された水素ガスを、 15° Cの水で満たしたメスシリンダー に集め、その容量を測定して、吸着量とした。

[0027] 吸着量は、 lgの活性化炭化綿を使用した試料の吸着量と、活性化炭化綿未使用 の試料の吸着量との差を求め、重量% (活性ィ匕炭化綿 lg当りの吸着%)として計算し た。加圧力と吸着重量%とから吸着等温線を描いた(図 2)。

また、比較試料には市販の活性炭を用いた。図 2における白丸〇は比較試料、黒 丸參は本実施例の活性炭化綿のグラフである。

図 2から明らかなように、活性ィ匕炭化綿の水素吸着量は、活性炭と比べて、非常に 大きいことが判った。

[0028] (実施例 3)

[酸素ガスの吸着等温線]

実施例 2と同様の装置と方法で、酸素の場合を検証した。結果は図 3に示した。図 3 における白丸〇は比較試料、黒丸參は本実施例の活性炭化綿のグラフである。酸素 の場合も活性ィ匕炭化綿は活性炭と比べ、非常に大きな吸着を示すことが明らかとな つた o

[0029] (実施例 4)

[ホルムアルデヒドの吸着]

デシケーター (5.2L)中に、活性ィ匕炭化綿 (硝酸による) lgをそれぞれ 8個秤量し、 入れた。また、比較の為、活性炭 lgもそれぞれ 8個秤量し、入れた。

これらの入ったデシケーターを、真空ポンプに接続して、室温で 1時間脱気し、真 空度を 50mTorrまで下げた。

次!、で、デシケーターに 50mLのホルムアルデヒドの入った三角フラスコを接続し、 三角フラスコを加温して、ホルムアルデヒドの蒸気を発生させ、デシケーター中にホ ルムアルデヒドの蒸気を飽和させた。

この状態で、常温で 1時間平衡にした後、大気圧に戻して、おのおのの重量を測定 した。重量増加は吸着したホルムアルデヒドの量であるので、始めの重量 lgを差し引 いて、 lg当りの吸着量とした。結果は図 4に示した。

[0030] 図 4から明らかな様に、活性ィ匕炭化綿は活性炭の約 10倍の吸着量を示し、ホルム アルデヒドを効率良く吸着することが判った。ホルムアルデヒドはシックハウス症候群 の主な原因となる物質として知られており、建築材料や家具などの接着剤に含まれて いる。本発明によって得られた活性ィ匕炭化綿は、このようなホルムアルデヒドの除去 に好適である。

[0031] (実施例 5)

[ァセトアルデヒドの吸着]

実施例 4と同様の装置、方法でァセトアルデヒドの吸着の検証を行なった。結果は 図 5に示した。

図 5から明らかな様に、活性ィ匕炭化綿は活性炭の約 10倍の吸着量を示し、ァセトァ ルデヒドを効率良く吸着することが判った。ァセトアルデヒドはアンモニアと並ぶ悪臭 の原因となる物質である。本発明によって得られた活性ィ匕炭化綿は、このようなァセト アルデヒドの除去に好適である。

[0032] (実施例 6)

[ベンゼンの吸着]

実施例 4と同様の装置、方法でベンゼンの吸着の検証を行なった。結果は図 6に示 した。

図 6から明らかな様に、活性ィ匕炭化綿は活性炭の約 10倍の吸着量を示し、ベンゼ ンを効率良く吸着することが判った。ベンゼンはガソリンなどに含まれる有毒なガスで ある。本発明によって得られた活性ィ匕炭化綿は、このような有毒ガスの除去に好適で ある。

[0033] (実施例 7)

[汚水浄ィ匕バイオフィルターとしての利用]

実施例 1で示したように、活性ィ匕炭化綿は菌を効率良く吸着固定ィ匕する。有用菌を 固定化し、ノィオフィルターとして利用することが出来る事を検証するため、汚水中の 活性汚泥を着床させ、汚水浄化作用について調べた。

汚水には、牛糞尿を用いた。乳牛^!司育している牛舎力も排出される牛糞尿を、固 液分離すなわち、固体部分と液体部分に分離して、回収した液体を浄化の材料とし た。この液体を 5Lの方形の水槽に入れ、市販の観賞魚用の浄ィ匕装置を設置した。浄 化装置は水槽の水をポンプで吸い上げ、浄ィ匕槽内に活性ィ匕炭化綿シート(55mm x 75mm,タオルを 1Z5希釈硝酸で処理したもの。

実施例 1に準ずる)を 3枚設置した。また、水槽は通気を行なった。浄化槽を運転し 、汚水が常時活性ィ匕炭化綿を通過するようにした。同じ装置に活性化炭化綿を設置 しないものを対照とした。

[0034] 通気とともに汚水中には自然に活性汚泥が発生してくる力活性汚泥の着床固定 化が進む活性化炭化綿を設置した浄化槽では、汚水浄化指標である BOD (生物学 的酸素要求量)及び COD (化学的酸素要求量)が、対照よりは早く浄化されて、るこ とが判った。図 7にその結果を示す。なお、図 7に示すグラフにおいて、口は対照 BO D、國は活性ィ匕炭化綿 BOD、〇は対照 COD、參は活性化炭化綿 CODをそれぞれ示 す。

[0035] さらに、装置運転 1ヶ月目で、汚水を新しいものに入れ替え、活性汚泥が十分固定 化された活性化炭化綿の活性を調べた。

図 8に、浄化の時間経過を BOD及び CODで調べた結果を示す。図 8に示すグラフ において、口は対照 BOD、國は活性ィ匕炭化綿 BOD、〇は対照 COD、參は活性ィ匕炭 化綿 CODをそれぞれ示す。

対照では活性汚泥が新たに形成されていくため、調べた 24時間内では、牛糞尿の 目立った浄ィ匕は見られない。しかし、活性化炭化綿に活性汚泥を着床固定したもの では、運転直後から浄化が見られ、 24時間経過したものでは BOD、 COD共に、十分 排出基準 (160ppm)を満たしており、牛糞尿処理に活性化炭化綿が有効に用いる事 が出来ることが実証された。

[0036] し力しながら、この処理溶液は排出基準を満たしてはいる力酸化物質の形成によ り赤色に呈色しており、例えば川などに排出した場合には、川を着色させ、地域住民 に不快感を与える事態が予想される。

次に、図 7で処理した浄化水を、活性ィ匕炭化綿に通すことで浄ィ匕した。モデルとし て、活性ィ匕炭化綿 lgを 10mLのカラムに詰め、浄ィ匕水 10mLをカラムに通し、ろ液に ついて調べた。ろ液は完全に透明になり、 BOD、 CODは 0となった。すなわち、活性 汚泥や雑菌、酸ィ匕可能物質は完全に除くことができた。

従って、活性ィ匕炭化綿は、そのものの吸着性によって負荷の軽い汚水の浄ィ匕に用 V、る事が出来ることが実証出来た。

[0037] [使用形態の例]

吸着素材は、炭化した木綿あるいは織物(例えばさらし、タオルなど)を、そのまま使 用することが可能であるが、活性ィ匕炭化綿を紙、合成繊維、天然繊維などと共に漉い てシートに加工して使用することもできる。また、不織布として用いることもできる。 更に、必要に応じて他の部材とともに層状にカ卩ェし、多層状のシートカ卩ェすることも できる。本発明は、これらの活性化炭化綿を全て包含する。

産業上の利用可能性

本発明の活性化炭化綿は、低コストで簡単に入手でき、軽量かつ柔軟であり、ガス の吸蔵が容易にできる材料であり、種類に拘わらず、あらゆるガスを効果的に吸着で き、吸着した温度で保存が可能である。

また、吸蔵されたガスを吸着した圧力以下に設定することで、容易に放出ができると いう優れた特徴を有する。このようなことから、一般的なガスの吸着以外に、特に燃料 電池に有用なガス吸蔵材料として優れた有用性があり、容易に産業に利用できる。 さらに、活性ィ匕することで表面積が極めて大きくなるため、細菌の吸着、着床能が 高ぐ有用菌あるいは活性汚泥を着床固定させることで、容易にバイオフィルタ一とし て利用出来、汚水浄ィ匕などへの有効利用が出来る。