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1. WO2006040923 - 分波器

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分波器

技術分野

[0001] 本発明は、例えば携帯電話機などの通信機器において用いられる分波器に関し、 より詳細には、弾性表面波フィルタ(SAWフィルタ)を用いて第 1,第 2のバンドパスフ ィルタが構成されて、る分波器に関する。

背景技術

[0002] 従来より、携帯電話などの通信機器において、小型化及び低背化が強く求められ ている。そのため、携帯電話機では、 1つのアンテナを用いて送受信が行われている 。この場合、送信周波数と受信周波数とが異なっているため、アンテナには分波器が 接続されている。

[0003] 下記の特許文献 1には、このような用途に用いられる分波器の一例が開示されてい る。図 9は、特許文献 1に記載の分波器の回路構成を示す図である。図 9に示すよう に、分波器 101は、アンテナに接続されるアンテナ端子 102を有する。アンテナ端子 102に、共通端子 103が接続されている。共通端子 103に、第 1のバンドパスフィル タ F 1と、第 2のバンドパスフィルタ F 2との各一端が接続されている。第 1のバンドパスフ ィルタ F 1は、送信側の帯域フィルタとして用いられており、送信端子 104に接続され ている。バンドパスフィルタ F 1の中心周波数を f 1とする。第 1のバンドパスフィルタ F 1の 通過帯域の周波数は相対的に低くされている。

[0004] バンドパスフィルタ F 1は、複数の直列腕共振子 S 1〜S 3及び複数の並列腕共振子 P 1

, P 2を有するラダー型フィルタで構成されている。ここでは、各共振子 S 1〜S 3 , P1 , P2 は SAW共振子により構成されてヽる。

[0005] 他方、第 2のバンドパスフィルタ F 2は、受信側の帯域フィルタを構成しており、受信 端子 105に接続されている。バンドパスフィルタ F 2は、その通過帯域の周波数が相対 的に高くされている。バンドパスフィルタ F 2もまた、 SAW共振子からなる複数の直列 腕共振子 S 4〜S 6及び並列腕共振子 P 3 , P 4を有するラダー型フィルタにより構成され ている。

[0006] 分波器 101では、アンテナとの整合を図るために、アンテナ端子 102と共通端子 10 3との間に接続された直列インダクタンス L 1と、直列インダクタンス L 1とアンテナ端子 1

02との間の接続点 106とアース電位との間に接続された容量 Cとを有する整合回路 が構成されている。

[0007] 分波器 101では、バンドパスフィルタ F 2の共通端子 103に最も近い共振子である直 列腕共振子 S 4のインピーダンスは、バンドパスフィルタ F 1の通過帯域において容量 性の高インピーダンスとされている。なお、上記直列腕共振子 S 4のインピーダンスは

、バンドパスフィルタ F 2の通過帯域においても容量性である力直列腕共振子 S 4の共 振周波数にバンドパスフィルタ F 2の中心周波数が近いため、バンドパスフィルタ F 2の 中心周波数 f 2では、共振子 S 4のインピーダンスは非常に小さくなる。

[0008] 共通端子 103側から見ると、中心周波数 f 1及び中心周波数 f 2において、バンドパス フィルタ F 1のインピーダンス及びバンドパスフィルタ F 2のインピーダンスは容量性とな つている。この容量性の各インピーダンス力直列インダクタンス L 1のインダクタンスの 値を調整することにより整合が図られている。それによつて、中心周波数 f 1では、バン ドパスフィルタ F 1力もアンテナ端子 102に電流が流れやすくなつており、中心周波数 f

2では、アンテナ端子 102からバンドパスフィルタ F 2に電流が流れやすくされている。 特許文献 1:特許第 3509773号公報

発明の開示

[0009] 近年、移動体通信機器の国際規格である 3GPPでは、受信側バンドパスフィルタで 混信を避けるために、送信側で発生した様々な周波数のスプリアス信号を減衰させ ることが求められている。受信周波数を Rx、送信周波数を Txとしたとき、例えば、 Rx Tx、 2Τχ— Rx及び Rx+Txなどの周波数のスプリアス信号の減衰が求められて おり、特に、 Rx—Txの周波数の信号を減衰させることが強く求められている。

[0010] ところで、例えば日本国の W— CDMA方式では、受信側通過帯域は 2110〜217 OMHzであり、送信側通過帯域は 1920〜1980MHzである。従って、 Rx— Txは 19 OMHzと、送信側通過帯域の周波数よりも非常に低い周波数である。すなわち、 Rx — Txは、通過帯域の周波数よりもオーダーが一桁小さ!/、ほど低、周波数である。

[0011] 特許文献 1に記載の分波器 101を用いた場合、受信側バンドパスフィルタである第

2のバンドパスフィルタ F 2において、 Rx— Txのような低い周波数の信号を十分に減 衰させることは困難であった。

[0012] 本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、通過帯域が異なる第 1,第 2 のバンドパスフィルタを有する分波器の各バンドパスフィルタの通過帯域よりもかなり 低い周波数における減衰量を、相対的に通過帯域が高い第 2のバンドパスフィルタ 側において十分に大きくすることができ、し力も通過帯域内における挿入損失の劣化 を招き難い、分波器を提供することにある。

[0013] 本発明は、通過帯域の周波数が相対的に低い第 1のバンドパスフィルタと、通過帯 域の周波数が相対的に高い第 2のバンドパスフィルタとを備え、前記第 1,第 2のバン ドバスフィルタの一端がアンテナ側の共通端子に接続されて、る分波器にぉ、て、 前記共通端子とアンテナの間に直列に接続された第 1のインダクタンスと、前記アン テナと前記第 1のインダクタンスとの間に接続点とアース電位との間に接続された容 量と、前記接続点とアース電位との間に接続されておりかつ前記容量と並列に接続 されている第 2のインダクタンスとを含む整合回路をさらに備え、前記容量と前記第 2 のインダクタンスの並列共振による共振周波数が前記第 1のバンドパスフィルタの通 過帯域よりも低くされていることを特徴とする。

本発明に係る分波器のある特定の局面では、前記第 2のバンドパスフィルタが、前 記共通端子側において直列に接続されている結合側共振子を有する。

本発明に係る分波器の他の特定の局面では、前記第 2のバンドパスフィルタ力少 なくとも 1つの直列腕 SAW共振子及び少なくとも 1つの並列腕 SAW共振子を有する 梯子型回路構成のラダー型 SAWフィルタである。

本発明に係る分波器のさらに別の特定の局面では、第 3のインダクタンスをさらに備 え、前記ラダー型 SAWフィルタの少なくとも 1つの直列腕 SAW共振子に前記第 3の インダクタンスが並列に接続されてヽる。

[0014] 本発明に係る分波器の他の特定の局面では、前記第 2のバンドパスフィルタが縦 結合共振子型 SAWフィルタである。

[0015] 本発明に係る分波器のさらに別の特定の局面では、前記第 1,第 2のバンドパスフ ィルタが実装もしくは収納されているパッケージ材をさらに備え、前記第 1のインダクタ ンス、前記容量及び前記第 2のインダクタンスがそれぞれチップ型インダクタ、チップ 型コンデンサ及びチップ型インダクタンス素子により構成されており、かつ前記パッケ ージ材外にお、て接続されて前記整合回路が構成されて、る。

[0016] 本発明に係る分波器のさらに別の特定の局面では、前記第 1,第 2のバンドパスフ ィルタが実装もしくは収納されているパッケージ材をさらに備え、前記第 1のインダクタ ンス、前記容量または前記第 2のインダクタンスのうち 1つ以上が前記パッケージ材中 に電極パターンを用いて構成されて、る。

[0017] 本発明に係る分波器のさらに他の特定の局面では、前記第 1及び Zまたは第 2の バンドパスフィルタが構成されているフィルタ基板をさらに備え、前記第 1のインダクタ ンス、前記容量または前記第 2のインダクタンスの少なくとも 1つが形成されている。

[0018] 本発明に係る分波器では、整合回路が、上記第 1のインダクタンスと、上記容量と、 第 2のインダクタンスとを含み、該容量と第 2のインダクタンスの並列共振による共振 周波数が、通過帯域の周波数が相対的に低い第 1のバンドパスフィルタの通過帯域 よりも低くされているため、第 1,第 2のバンドパスフィルタ F 1、 F 2の通過帯域において

、上記第 2のインダクタンス Lpと容量 Cpとの並列共振回路のインピーダンスが容量性 を示すが、第 1のバンドパスフィルタの通過帯域より低い周波数では誘導性を示し、 上記並列共振回路のインピーダンスは、第 1のバンドパスフィルタの通過帯域よりもォ ーダ一が一桁低!、周波数にお!、て極めて低!、インピーダンスの誘導性を示す。その ため、共通端子にアンテナ力も入力された入力信号が、整合回路力もアース電位に 流れ、第 2のバンドパスフィルタにほとんど流れない。従って、第 1のバンドパスフィル タの通過帯域よりも低い周波数における第 2のバンドパスフィルタの減衰量が高めら れる。

[0019] よって、上記整合回路の回路定数を調整することにより、例えば 190MHzのような 第 1のバンドパスフィルタの通過帯域よりも一桁以上小さいオーダーの低い周波数域 における減衰量を十分な大きさとすることが可能となる。し力も、本発明によれば、通 過帯域における挿入損失劣化も生じ難、。

本発明において、第 2のバンドパスフィルタが、共通端子側において直列接続され ている結合側共振子を有する場合、第 1のバンドパスフィルタの通過帯域における第

2のバンドパスフィルタのインピーダンスを容量性の大きなインピーダンスとすることが できる。従って、第 1のバンドパスフィルタの挿入損失を小さくすることが可能となる。

[0020] 第 1,第 2のバンドパスフィルタが、複数の SAW共振子を梯子型回路構成を有する ように接続してなるラダー型 SAWフィルタである場合には、上記通過帯域より低!、側 の周波数の減衰量を確保することが困難であるため、特に本発明を利用することによ り、通過帯域よりもオーダーの一桁低い周波数域における減衰量を確実に十分な大 ささとすることがでさる。

本発明において、第 3のインダクタンスがさらに備えられており、上記ラダー型 SAW フィルタの直列腕に配置されている少なくとも 1つの直列腕 SAW共振子に第 3のイン ダクタンスが並列に接続されてヽる場合には、インダクタンスが上記直列腕 SAW共 振子に並列に接続されていない場合に比べて、分波器のアイソレーションを高めるこ とがでさる。

[0021] 第 1のバンドパスフィルタがラダー型フィルタであり、第 2のバンドパスフィルタが共 振子型 SAWフィルタである場合には、通過帯域よりもオーダーの一桁低ヽ周波数域 における減衰量を広い帯域幅で十分な大きさとすることができる。

[0022] 第 1,第 2のバンドパスフィルタが実装されているパッケージ材をさらに備え、第 1の インダクタンス、容量及び第 2のインダクタンスがそれぞれチップ型インダクタ、チップ 型コンデンサ及びチップ型インダクタにより構成されており、これらのチップ型部品が ノッケージ材の外部において接続されて整合回路が構成されている場合には、通過 帯域や用途に応じて、これらのチップ型電子部品のインダクタンス値ゃ静電容量を容 易に変更することができる。従って、整合回路の回路定数を容易に変更することがで き、それによつて通過帯域よりも低、周波数域における減衰量を確実に改善すること ができる。

[0023] 第 1のインダクタンス、容量または第 2のインダクタンスのうち 1つ以上がパターン材 中に電極パターンを用いて構成されて、る場合には、上記整合回路を含む分波器 の小型化を図ることができる。

[0024] 第 1及び/または第 2のバンドパスフィルタが構成されて、るフィルタ基板上にお!ヽ て、第 1のインダクタンス、容量または第 2のインダクタンスのうち 1つ以上が形成され て 、る場合には、分波器のより一層小型化を図ることができる。

図面の簡単な説明

[0025] [図 1]図 1は、本発明の一実施形態に係る分波器の回路図である。

[図 2]図 2は、図 1に示した実施形態の分波器の送信側の減衰量周波数特性と、比 較のために用意した従来例の分波器の送信側の減衰量周波数特性を示す図で ある。

[図 3]図 3は、図 1に示した実施形態の分波器の受信側の減衰量周波数特性と、比 較のために用意した従来例の分波器の受信側の減衰量周波数特性を示す図で ある。

[図 4]図 4は、図 1に示した実施形態の分波器の通過帯域の減衰量周波数特性と、 比較のために用意した従来例の分波器の通過帯域の減衰量周波数特性を示す 図である。

[図 5]図 5は、本発明の分波器の変形例を示す回路図である。

[図 6]図 6は、図 1に示した実施形態の比較のために用意した従来例の分波器の回路 構成を示す図である。

[図 7]図 7 (a) , (b)及び (c)は、本発明の分波器の具体的な構造の変形例を示す正 面図、正面断面図及び平面図である。

[図 8]図 8は、本発明の分波器のさらに他の構造例を説明するための模式的平面図 である。

[図 9]図 9は、従来の分波器の一例を示す回路図である。

符号の説明

[0026] 1…分波器

2· ··アンテナ

3…共通端子

4…送信端子

5…受信端子

6, 7…接続点

8…整合回路

31· ··分波器

32…パッケージ材

33· ··チップ型インダクタ

33 Α· ··インダクタ

34· ··チップ型インダクタ

34Α· ··インダクタ

35…チップ型コンデンサ

41· ··分波器

42…パッケージ材

42a…パッケージ容器

51…フイノレタ基板

52· ··導体コイル

53· ··導体コイル

54…櫛形電極

Cp…容量

F 1…第 1のバンドパスフィルタ

F 2…第 2のバンドパスフィルタ

Ls…インダクタンス

Lp…インダクタンス

発明を実施するための最良の形態

[0027] 以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明 を明らかにする。

図 1は本発明の一実施形態に係る分波器の回路構成を示す回路図である。

[0028] 本実施形態の分波器 1は、アンテナ 2に接続される共通端子 3を有する。共通端子 3に、第 1のバンドパスフィルタ F 1の一端が電気的に接続されている。また、共通端子

3には、通過帯域が相対的に高い第 2のバンドパスフィルタ F 2の一端も接続されてい る。

[0029] 本実施形態の分波器 1は、 W— CDMA方式の携帯電話機の分波器として用いら

れる。第 1のバンドパスフィルタ F 1は送信側のバンドパスフィルタであり、その通過帯 域は 1

920〜 1980MHzである。他方、第 2のバンドパスフィルタ F 2は受信側のバンドパスフ ィルタであり、その通過帯域は 2110〜2170MHzである。

[0030] 第 1のバンドパスフィルタ F 1の共通端子 3に接続されている側とは反対側の端部が 送信端子 4に接続されている。第 1のバンドパスフィルタ F 1は、複数の直列腕共振子

Sla, Sib, S2a, S2b, S3と、並歹 lj腕共振子 PI, P2とを有するラダー型 SAWフィ ルタである。ここで、直列腕共振子 Sla〜S3は、共通端子 3から送信端子 4に向って 順に配置されている。また、並列腕共振子 P1は、直列腕共振子 Sibと直列腕共振子 S2aとの間の接続点とアース電位との間に接続されており、該並列腕においては、並 歹 U腕共振子 P1に直歹 Uにインダクタンス L 1が接続されて!ヽる。

[0031] また、並列腕共振子 P2は、直列腕共振子 S2bと直列腕共振子 S3との間の接続点 とアース電位との間に接続されている。この並列腕においては、並列腕共振子 P2に 直列にインダクタンス L 2が接続されている。

[0032] 上記直列腕共振子 Sla〜S3及び並列腕共振子 PI, P2は、 SAW共振子により構 成されており、本実施形態では、下記の表 1に示すように構成されている。

[0033] [表 1]


[0034] 他方、第 2のバンドパスフィルタ F 2の共通端子 3と接続されて、る側とは反対側の端 部が受信端子 5に接続されているが、第 2のバンドパスフィルタ F 2では、共通端子 3側 力 受信端子 5に向って順に直列腕共振子 S4a, S4b, S5及び S6が直列に接続さ れている。そして、直列腕共振子 S4bと直列腕共振子 S5との間の接続点 6とアース 電位との間に並列腕共振子 P3が接続されている。直列腕共振子 S5と直列腕共振子

S6との間の接続点 7とアース電位との間に並列腕共振子 P4が接続されている。また 、接続点 6, 7間に、直列腕共振子 S5と並列に第 3のインダクタンスとしてのインダクタ ンス L 3が接続されている。

[0035] 第 2のバンドパスフィルタ F 2を構成している直列腕共振子 S4a〜S6及び並列腕共 振子 P3, P4は、それぞれ、 SAW共振子により構成されている。すなわち、第 2のバ ンドパスフィルタ F 2もラダー型 SAWフィルタである。各共振子 S4a〜S6及び P3, P4 は、下記の表 2に示すように設計されている。

[0036] [表 2]


[0037] なお、第 2のバンドパスフィルタ F 2において、共通端子 3側の直列腕共振子である 2 個の直列腕共振子 S4a, S4bの波長 λ ί 他の直列腕共振子 S5, S6の波長 λより も小さくされているのは、帯域幅を拡大するためである。

[0038] なお、本明細書にぉ、ては、第 2のバンドパスフィルタ F 2を構成して!/、る複数の共 振子のうち、共通端子 3に最も近い側の共振子を、以下において結合側共振子と適 宜略称することとする。本実施形態では、直列腕共振子 S4aが結合側共振子となる。 第 2のバンドパスフィルタ F 2力共通端子 3側において直列に接続されている結合側 共振子として直列腕共振子 S4aを有する場合、第 1のバンドパスフィルタ Fの通過帯 域における第 2のバンドパスフィルタ F 2のインピーダンスを容量性が大きなインピーダ ンスとすることができる。従って、第 1のバンドパスフィルタ Fの挿入損失を小さくする ことができる。

[0039] また、アンテナ 2と共通端子 3との間には、整合回路 8が接続されている。整合回路 8は、アンテナ 2と共通端子 3との間に直列に接続された第 1のインダクタンス Lsと第 1 のインダクタンス Lsとアンテナ端子 2との間の接続点とアース電位との間に接続され た第 2のインダクタンス Lpと、アンテナ 2と第 1のインダクタンス Lsとの間の接続点とァ ース電位との間に接続されておりかつ上記第 2のインダクタンス Lpと並列に接続され ている容量 Cpとを有する。すなわち、第 2のインダクタンス Lpと容量 Cpとは、並列共 振するように接続されている。そして、本実施形態は、この並列共振の共振周波数が 、第 1のバンドパスフィルタ F 1の通過帯域よりも低くされていることを特徴とする。

[0040] 本実施形態では、整合回路 8が上記のように構成されているため、第 1のバンドパス フィルタ F 1の通過帯域よりもオーダーの一桁低い周波数域における減衰量を、特に 1

90MHz付近における減衰量を大幅に大きくすることができる。本実施形態において 、バンドパスフィルタ F 1の通過帯域よりもかなり低い周波数域における減衰量を拡大 し得るのは以下の理由によると考えられる。すなわち、上記第 2のインダクタンス Lpと 容量 Cpの並列共振の共振周波数が第 1のバンドパスフィルタ F 1の通過帯域よりも低 くされているので、その共振周波数よりも高い第 1,第 2のバンドパスフィルタ F 1 , F 2の 通過帯域において、上記第 2のインダクタンス Lpと、容量 Cpとの並列共振回路のィ ンピーダンスが容量性を示す力 190MHzでは、上記並列共振回路は極めて低い インピーダンスの誘導性を示す。従って、アンテナ 2から入力された信号は、整合回 路 8においてアース電位に流れ、バンドパスフィルタ F 1 , F 2には殆ど流れなくなる。そ のため、第 2のバンドパスフィルタ F 2や第 1のバンドパスフィルタ F 1において、 190M

Hzにおける減衰量が拡大される。し力も通過帯域における挿入損失の低下も生じ難 い。

[0041] 第 1,第 2のバンドパスフィルタ F 1 , F 2の通過帯域において第 2のインダクタンス Lpと 容量 Cpとの並列回路のインピーダンスは、容量 Cpより容量値を小さくされた容量 Cp 1のインピーダンスと同等である。従って、アンテナ 2と共通端子 3との間には、容量 C piと第 1のインダクタンスとで構成される整合回路が接続されていると見なせる。第 1 ,第 2のバンドパスフィルタ F 1 , F 2とアンテナとがインピーダンス整合するように容量 C p 1の容量値と第 1のインダクタンスのインダクタンス値が定められて、るので、挿入損 失の低下が生じ難い。

[0042] 通過帯域において、容量 Cplと同等とされる、第 2のインダクタンス Lpのインダクタ ンス値と容量 Cpの容量値は適宜に設定することができる。

なお、第 2のインダクタンス Lp及び容量 Cpの並列共振による共振周波数の下限は

、通過帯域の挿入損失劣化量の許容範囲により適宜定められる。

[0043] また、上記実施形態では、第 3のインダクタンスとしてインダクタンス L 3力さらに備え られており、直列腕 SAW共振子 S5に並列に接続されているため、該第 3のインダク タンスが設けられてヽな、場合に比べて、分波器のアイソレーションを高めることが可 能となる。

[0044] 次に、具体的な実験例に基づき、本実施形態の効果を説明する。まず、上記分波 器を作製するにあたり、 55° 回転 Yカット X伝搬の LiNbO 3基板上に、 10nmの厚み の Ti下地電極層を形成した後、 94nmの厚みの A1電極層を形成し、パターニングす ることにより、第 1,第 2のバンドパスフィルタ F 1 , F 2を構成した。このようにしてフィルタ 基板を得た。そして、このフィルタ基板を、セラミックス力もなるノッケージ材に搭載し 、該パッケージ材に設けられた電極パッドとフィルタ基板上の電極パッドとをボンディ ングワイヤーにより接合した。

[0045] なお、第 1のバンドパスフィルタ F 1におけるインダクタンス L 1 , L 2及び第 2のバンドパ スフィルタ F 2におけるインダクタンス L 3については、上記パッケージ材内にコイルパタ ーンを構成し、これらのインダクタンス値は以下の通りとした。

[0046] インダクタンス L 1 = 3. 3nH、インダクタンス L 2 = 3. 3nH及びインダクタンス L 3 = 2.

5nH。

他方、ノッケージ材の外部の実装基板上に、整合回路 8を構成するために、第 1の インダクタンス、第 2のインダクタンス Lp及び容量 Cpを構成する第 1,第 2のチップ型 インダクタ及びチップ型コンデンサを実装し、電気的に接続した。この場合、第 1のィ ンダクタンス Lsのインダクタンス値を 3. 3nH、容量 Cpの静電容量は 3. 2pF、第 2の インダクタンス Lpのインダクタンス値は 3. 6nHとした。

[0047] なお、比較のために、図 6に示すように、直列インダクタンス Lsと、容量 Cpとのみか らなる整合回路 111を有することを除いては、上記実施形態と同様にして構成された 分波器 112を従来例の分波器として用意した。なおこの従来例の分波器 112におけ る直列インダクタンス Lsのインダクタンス値及び容量 Cpの静電容量は上記実施形態 の第 1のインダクタンス Lsと同様の 3. 3nH及び容量 Cpと異なる 1. 3pFとした。

[0048] 上記のようにして用意した実施例及び従来例の分波器の送信側の減衰量一周波

数特性を図 2に、受信側の減衰量周波数特性を図 3に、通過帯域内の減衰量 周波数特性を図 4にそれぞれ示す。なお、図 2〜図 4において、実線が実施例の結 果を、破線が従来例の結果を示す。また、図 4においては、拡大された周波数特性 は右佃 jのスケーノレによって拡大した特'性である。

[0049] 図 3から明らかなように、本実施例によれば、従来例に比べて、 190MHz,すなわ ち第 1のバンドパスフィルタ F 1の通過帯域よりもオーダーの一桁低い周波数帯域にお ける減衰量が大幅に拡大されている。すなわち、 Rx—Txの周波数に相当する 190 MHzにおける減衰量は、従来例の場合の 33. 8dBに比べて、本実施例では 54. 7d Bと大きくされ、よって、 190MHzにおける減衰量が 20. 9dB改善された。

[0050] カロえて、図 2から明らかなように、送信側のバンドパスフィルタ F 1の通過帯域の 2倍 波の帯域である 3840〜3960MHzにおける減衰量も、従来例では 14. 5dBであつ たのに対し、本実施形態では、 20. ldBと 5. 6dB改善することができた。

[0051] し力も、図 4から明らかなように、従来例に比べた通過帯域の挿入損失劣化量は、 送信側において 0. 07dB、受信側において 0. l ldBと、いずれも非常に小さ力つた 。すなわち、本実施形態では、送信側の通過帯域の挿入損失は 1. 25dBに留まり、 受信側における挿入損失も 2. 08dBに留まった。

[0052] よって、上記実施形態によれば、通過帯域の挿入損失の劣化をほとんど招くことな ぐ第 1のバンドパスフィルタ F 1の通過帯域よりもかなり低い周波数域における減衰量 を大幅に改善することができ、加えて送信側のバンドパスフィルタ F 1の特性において は、通過帯域よりも高域側の 2倍波や 3倍波の周波数域における減衰量も効果的に 改善することができる。

[0053] また、第 2のインダクタンス Lpが容量 Cpに並列に接続されていることにより、アンテ ナ 2側からのサージ電流に対する耐性も高められる。

よって、本発明によれば、 3GPP規格で要求されるフィルタ特性を容易に満たすこと ができ、通信機器の通信品質の大幅な向上を図ることが可能な分波器を提供し得る ことがわ力ゝる。

[0054] なお、上記実施形態では、第 1のバンドパスフィルタ F 1及び第 2のバンドパスフィル タ Fは、いずれも複数の SAW共振子を接続してなるラダー型フィルタにより構成され

ていたが、本発明においては、第 1,第 2のバンドパスフィルタは、ラダー型 SAWフィ ルタ以外のフィルタにより構成されてもよい。例えば、図 5に回路図で示すように、第 1 のバンドパスフィルタ F 1力第 1の実施形態と同様にラダー型 SAWフィルタで構成さ れている場合に、第 2のバンドパスフィルタ F 2を、共振子型 SAWフィルタにより構成し てもよい。ここでは、共通端子 3に、 SAW共振子 21及び共振子型 SAWフィルタ 22 力 の順序で接続されており、共振子型 SAWフィルタ 22の SAW共振子 21に接続さ れて、る側とは反対側の端部が受信端子 5に接続されて、る。

[0055] このように、第 2のバンドパスフィルタ F 2は、共振子型 SAWフィルタを用いて構成さ れてもよい。なお、図 5において、結合側共振子は、上記 SAW共振子 21となり、この SAW共振子 21の共振周波数を第 2のバンドパスフィルタ F 2の通過帯域内の周波数 に設定することにより、バンドパスフィルタ F 2の通過帯域では、アンテナ 2からバンドパ スフィルタ F 2に電流を流れやすくし、バンドパスフィルタ F 1の通過帯域では、該 SAW 共振子 21の容量性の高インピーダンスを利用してバンドパスフィルタ F 1からアンテナ

2に電流を流れやすくすることができる。

[0056] SAW共振子 21の共振周波数は、第 2のバンドパスフィルタ F 2の中心周波数以上 に設定するのが好ましい。この場合、第 2のバンドパスフィルタ F 2の帯域幅を広くでき る。

図 5に示すバンドパスフィルタ 21においても、整合回路 9は第 1の実施形態の整合 回路 8と同様に構成されており、従って第 1の実施形態と同様に、第 1のバンドパスフ ィルタ F 1よりもかなり低い周波数域における減衰量を大幅に改善することができ、しか も挿入損失の劣化もほとんど生じ難い。

[0057] なお、本発明における分波器を構成するに際し、第 1,第 2のバンドパスフィルタを 構成するフィルタ基板、第 1,第 2のバンドパスフィルタが搭載されたり、もしくは収納 されたりするパッケージ材及び整合回路を構成する各電子部品素子については、適 宜の構造のものを用いることができる。

[0058] 例えば、図 7 (a)に示す分波器 31では、ノッケージ材 32内に、第 1,第 2のバンドパ スフィルタが構成されているフィルタ基板が収納されており、該パッケージ材 32と、整 合回路 8を構成してヽるチップ型インダクタ 33、 34及びチップ型コンデンサ 35が実 装基板 36に実装されている。チップ型インダクタ 33が第 1のインダクタンス Lsを構成 しており、チップ型インダクタ 34が第 2のインダクタンス Lpを構成しており、チップ型コ ンデンサ 35が容量 Cpを構成している。上記のように、第 1のインダクタンス Ls、第 2の インダクタンス Lp及び容量 Cpを構成する各チップ型電子部品と、ノッケージ材とが 実装基板に実装されて!ヽてもよヽ。

[0059] あるいは、図 7 (b) , (c)に示すように、第 1,第 2のバンドパスフィルタが構成されて いるフィルタ基板力パッケージ材 42内に収納されており、さらに整合回路を構成して いるインダクタ 33A, 34Aがパッケージ材 42の内部のパッケージ内層 42aに電極パ ターンを用いて構成されていてもよい。この分波器 41では、整合回路を構成している チップ型コンデンサ 35はパッケージ材 42の外部で実装基板 36に実装されている。

[0060] 図 7 (a) , (b) , (c)における実装基板 36は、分波器モジュール基板、あるいは携帯 電話機の RF基板などである。

図 8に示す変形例では、フィルタ基板 51上において、一点鎖線で示す領域 Bにお いて第 1,第 2のバンドパスフィルタ F 1 , F 2が構成されている。そして、同じフィルタ基 板 51の上面において、上記第 1のインダクタンス Lsを構成するための導体コイル 52 と、第 2のインダクタンス Lpを構成する導体コイル 53と、容量 Csを構成する櫛形電極 54とが形成されており、それによつて整合回路 8もフィルタ基板 51上に形成されてい る。

[0061] すなわち、図 1及び図 5に示す回路構成において、破線 Aで囲まれている第 1,第 2 のバンドパスフィルタ部分をフィルタ基板にぉヽて構成し、整合回路 8を構成する各 電子部品素子は、フィルタ基板とは別の電子部品素子で構成されてもよぐあるいは フィルタ基板上にぉヽて整合回路を構成する電子部品素子自体を形成してもよ!/ヽ。 また、図 8においては、フィルタ基板 51上において、一点鎖線 Bで囲まれた部分に第 1,第 2のバンドパスフィルタ F 1 , F 2が構成されていた力本発明においては、第 1,第

2のバンドパスフィルタは、異なるフィルタ基板で構成されてもよい。そして、上記整合 回路 8を構成する各電子部品素子は、いずれのフィルタ基板に形成されてもよい。す なわち、第 1及び/または第 2のバンドパスフィルタが構成されているフィルタ基板上 において、第 1のインダクタンス、容量及び第 2のインダクタンスが形成され得る。

なお、上記実施形態では、フィルタ基板を構成する圧電基板として、 55° 回転 Y板 X伝搬の LiNbO 3基板を用いた力他の圧電単結晶基板を用いてもよい。また、電極 についても、 Ti下地電極層上に A1電極層を積層したものに限定されず、 A1電極層に 代えて Cu電極層を用いてもよぐまた下地電極層を形成せずともよい。