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1. (WO2006038351) 結晶質半導体膜およびその製造方法
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明 細書

結晶質半導体膜およびその製造方法

技術分野

[0001] 本発明は、結晶質半導体膜の製造方法および結晶質半導体膜、ならびに結晶質 半導体膜を用いて作製される半導体装置等に関する。

背景技術

[0002] 近年、大型で高解像度の液晶表示装置や有機 EL表示装置、高速で高解像度の 密着型イメージセンサー、三次元 ICなどへの実現に向けて、ガラス等の絶縁基板上 や、絶縁膜上に高性能な半導体素子を形成する試みがなされている。特に、同一基 板上に画素部と駆動回路が設けられた液晶表示装置はパーソナルコンピュータ (PC )向けのモニターとしてだけでなぐ一般家庭の中に進出し始めている。例えば、 CR T (Cathode -ray Tube)のかわりにテレビジョンとして液晶ディスプレイ力また、 娯楽として映画を観たりゲームをしたりするためのフロントプロジェクタ一力一般家 庭に導入されるようになり、液晶表示装置の市場規模はかなりの勢いで大きくなつて きている。さらに、ガラス基板上にメモリ回路やクロック発生回路等のロジック回路を内 蔵したシステムオンパネルの開発もさかんに進められて、る。

[0003] 高解像度な画像表示を行うために画素に書き込む情報量が増え、さらにその情報 は短時間で書き込まれなければ、高精細な表示のための膨大な情報量を有する画 像を動画表示したりすることは不可能である。そこで、駆動回路に用いられる薄膜トラ ンジスタ(Thin Film Transistor: TFT)には、高速動作が求められている。高速 動作を可能にするためには、高い電界効果移動度を得られる良質な結晶性を有する 結晶質半導体層を用いて TFTを実現することが求められて、る。

[0004] ガラス基板上に良好な結晶質半導体膜を得る方法としては、非晶質半導体膜にェ キシマレーザ等のレーザ光を照射し、瞬間的に溶融固化させることで結晶化する方 法 (レーザァニール法)と、非晶質半導体膜が溶融する温度までは加熱せずに 600 °C前後で熱処理することによって結晶成長させる方法(固相成長法)とが知られてい る。また、これら以外には、非晶質半導体膜に結晶化を促進する作用を有する金属 元素 (触媒元素)を添加した後、加熱処理を施すことにより、従来より低温,短時間の 加熱処理で、結晶の配向性が揃った良好な半導体膜を得る技術も開発されている。 この技術の場合でも、より結晶性を高めるために、加熱処理で得られた結晶質半導 体膜に対して、さらにレーザ光を照射し、部分的に溶融固化させ再結晶化することで 結晶欠陥を低減し、より高品質な結晶質半導体膜を得るような方法がしばしば用いら れる。

[0005] しかしながら、このようなレーザ光を照射し、非晶質半導体膜または結晶質半導体 膜を溶融固化させ、結晶化または再結晶化を行なう方法では、結晶質半導体膜の表 面に表面凹凸が生じることが知られている。この表面凹凸は、レーザ光照射によって 結晶質半導体膜が一旦溶融した後、結晶核が生じ、その結晶核力順次固化する 際に、溶融状態と固体状態との体積膨張率の違いにより、最後に固化が行なわれる 結晶粒界部が山脈状に盛り上がったり、三つ以上の結晶の境界となる三重点以上の 点(多重点)では山状に盛り上がったりすることによって形成される。本明細書では、 結晶質半導体膜表面における、上記の山脈状または山状に盛り上がった部分を「リ ッジ」と呼ぶ。

[0006] リッジの生成は、 TFTの特性に極めて大きな影響を及ぼすことが知られて、る。例 えば、リッジの頂上部(先端部)は急峻であるために電界が集中しやすぐリーク電流 の発生源となってゲート絶縁膜の耐圧特性が低下し、ホットキャリア耐性も含めて素 子としての信頼性全般が損なわれる。また、リッジが存在すると、スパッタ法ゃ CVD 法によって堆積されるゲート絶縁膜の段差被膜性 (ステップカバレッジ)が低下し、絶 縁不良等を招く。さらに、トップゲート型の薄膜トランジスタの場合、リッジは、ゲート絶 縁膜とのチャネル界面に存在することになるため、界面特性や電界効果移動度の低 下を引き起こすこともある。 TFTの電界効果移動度は、 TFTの活性層とゲート絶縁膜 との界面の平坦性によって大きく影響されることが知られており、界面が平坦であるほ ど高、電界効果移動度が得られるからである。

[0007] そこで、 TFTの特性に悪影響を及ぼす結晶質半導体膜表面のリッジ (凸部)を低減 させるため、様々な方法が提案されている。

[0008] 例えば特許文献 1には、非晶質半導体膜を島状とし、その端部に傾斜を持たせた

後、酸化性雰囲気下でレーザ光の照射を行なうことにより、多結晶半導体膜表面の 凸部の形成を防止する方法が開示されている。特許文献 1に開示された方法によれ ば、良好な多結晶半導体膜を得ることができるが、端部と本体部 (端部以外の部分) との間で冷却速度が異なるため、島状非晶質半導体膜の端部力結晶化がすすみ

、端部に高いリッジが形成されるとともに、特許文献 1の場合には、端部の結晶粒径 が大きくなつて端部と本体部との粒径が異なってしまう。あるいは、後記する特許文献

5に開示された方法によれば、端部の結晶粒径が小さくなつて端部と本体部との粒径 が異なってしまう。

[0009] 特許文献 2から 4には、いずれも、レーザ照射を 2回行うことによって結晶質半導体 膜表面のリッジを低減させる方法が開示されている。具体的には、まず、酸化性雰囲 気中で非晶質半導体膜に 1回目のレーザ照射を行って多結晶シリコン膜を形成した 後、端部に形成されたリッジをなくす目的で、真空中または不活性ガス中で 2回目の レーザ照射を行っている。

特許文献 1 :特開平 8— 213637号公報

特許文献 2:特開 2001— 60551号公報

特許文献 3:特開 2000 - 340503号公報

特許文献 4:特開 2003 - 142402号公報

特許文献 5 :特開 2000— 101090号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0010] このように、結晶質半導体膜に対して、真空中または不活性ガス中でレーザ照射を 行うことにより、リッジが低減されて表面が平坦な結晶質半導体膜が得られる。しかし ながら、特許文献 1〜4の方法によって得られた結晶質半導体膜を用いて作製され た TFT (半導体素子)は、ゲート絶縁膜の耐圧特性や段差被膜性などが未だ不充分 であり、ゲート電圧が大きくなるとリーク電流が発生することが本願発明者の検討結果 によって明らかになった。

[0011] 本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、リーク電流の発生な どに起因するゲート絶縁膜の耐圧特性や段差被膜性の低下、さらにはチャネル界面 特性や電界効果移動度の低下などを防ぐことが可能な結晶質半導体膜およびその 製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0012] 本発明の結晶質半導体膜は、基板の上に形成された島状結晶質半導体膜を備え た結晶質半導体膜であって、前記島状結晶質半導体膜は、上面と傾斜した側面とを 有しており、前記上面と前記傾斜した側面との間は、曲面で連結されているとともに、 前記上面を有する本体部における結晶粒の平均粒径、および前記傾斜した側面を 有する端部における結晶粒の平均粒径は、いずれも 0. を超えている。

[0013] ある好ま、実施形態にぉ、て、前記本体部における結晶粒の平均粒径、および 前記端部における結晶粒の平均粒径は、 1 μ m以上 10 m以下の範囲である。

[0014] ある好ま、実施形態にお!、て、前記本体部における結晶粒の平均粒径と、前記 端部における結晶粒の平均粒径とは、実質的に同じ大きさである。

[0015] ある好ましい実施形態において、前記上面は、実質的に平坦である。

[0016] ある好ましい実施形態において、前記上面の中心線平均粗さ (Ra)は 5nm以下で ある。

[0017] 本発明による結晶質半導体膜の製造方法は、(a)基板の上に第 1の結晶質半導体 膜を形成する工程と、(b)前記第 1の結晶質半導体膜をパターユングすることにより、 第 1の島状結晶質半導体膜を形成する工程と、(c)前記第 1の島状結晶質半導体膜 を溶融再結晶化し、第 2の島状結晶質半導体膜を得る工程とを包含する。

[0018] ある好ましい実施形態において、前記工程 (a)は、基板の上に非晶質半導体膜を 形成する工程 (al)と、前記非晶質半導体膜を結晶化し、前記第 1の結晶質半導体 膜を得る工程 (a2)とを含む。

[0019] ある好ま、実施形態にぉ、て、前記工程 (a2)は、前記非晶質半導体膜に光線を 照射する工程を含む。

[0020] ある好ましい実施形態において、前記工程 (al)と前記工程 (a2)との間に、前記非 晶質半導体膜に結晶化を促進する触媒元素を付与する工程 (a3)を含む。

[0021] ある好ましい実施形態において、前記工程 (a2)は、前記非晶質半導体膜を加熱 処理する工程を含む。

[0022] ある好ましい実施形態において、前記工程 (a3)において、前記触媒元素は、 Ni、 Co、 Pd、 Pt、 Cu、 Ag、 Au、 In、 Sn、 Alおよび Sbよりなる群から選択される少なくとも 一種である。

[0023] ある好ま、実施形態にぉ、て、前記工程 (a3)にお、て、前記触媒元素は Niであ る。

[0024] ある好まヽ実施形態にお!ヽて、前記工程 (a3)は、前記触媒元素の半導体化合 物を結晶核として結晶成長する過程を含む。

[0025] ある好ましい実施形態において、前記非晶質半導体膜は実質的にシリコン力構 成され、前記触媒元素の前記半導体ィ匕合物はシリサイドである。

[0026] ある好ま、実施形態にぉ、て、前記工程 (b)を行う前に、前記工程 (a)で得られ た前記第 1の結晶質半導体膜を溶融再結晶化する工程 (d)をさらに含む。

[0027] ある好ましい実施形態において、前記工程 (c)は、前記第 1の島状結晶質半導体 膜に光線を照射することによって行われる。

[0028] ある好ましい実施形態において、前記工程 (c)は、実質的に、真空中または不活性 ガスを含む雰囲気下で行われる。

[0029] ある好ま、実施形態にぉ、て、前記不活性ガスは、希ガスまたは窒素ガスである

[0030] ある好ま、実施形態にぉ、て、前記工程 (d)は、前記工程 (a)で得られた前記第

1の結晶質半導体膜に光線を照射する工程を含む。

[0031] ある好ましい実施形態において、前記工程 (d)は、酸素を含む雰囲気下で行われ る。

[0032] ある好ま、実施形態にぉ、て、前記光線は、レーザ光である。

[0033] 本発明の結晶質半導体膜は、上記のいずれかの結晶質半導体膜の製造方法によ つて製造される。

[0034] 本発明の半導体装置は、上記のいずれかの結晶質半導体膜を備えている。

[0035] 本発明の表示装置は、上記の半導体装置を備えている。

発明の効果

[0036] 本発明によれば、島状結晶質半導体膜の肩部 (本体部と端部との連結部分)がな

だらかな形状を有しているため、このような結晶質半導体膜を備えた TFTを用いるこ とにより、リーク電流の発生が抑制されてゲート絶縁膜の耐圧特性や段差被膜性など が高められた高性能半導体素子が実現できる。

[0037] さらに本発明によれば、本体部に存在する結晶粒の平均粒径も端部に存在する結 晶粒の平均粒径も、ともに 0. を超えており、好ましくは、実質的に同じ平均粒 径を有していて結晶質半導体膜全体で均一な粒径が得られるため、このような結晶 質半導体膜を備えた TFTを用いることにより、前述した効果に加えて、電界効果移 動度や TFTのオフ電流が均一になるという効果も得られる。その結果、低い消費電 力で高機能の半導体素子が実現できる。

[0038] さらに本発明によれば、結晶化を促進する触媒元素が添加された非晶質半導体膜 を用いることにより、結晶の配向性が揃った良好な結晶質半導体膜が得られる。この ような結晶質半導体膜を用いて TFTを用いることにより、 TFT特性のバラツキが少な V、安定した高性能半導体素子が実現できる。

[0039] したがって、本発明の結晶質半導体膜を用いることによって高性能半導体素子が 実現できる。特に液晶表示装置においては、アクティブマトリクス基板に要求される画 素スイッチング TFTのスイッチング特性の向上、周辺駆動回路部を構成する TFTに 要求される高性能化を同時に満足し、同一基板上にアクティブマトリクス部と周辺駆 動回路部を構成するドライバモノリシック型アクティブマトリクス基板にお!、て、モジュ ールのコンパクト化、高性能化が可能になる。

[0040] 本発明は、アクティブマトリクス型の液晶表示装置や有機 EL表示装置、密着型ィメ ージセンサー、三次元 ICなどに利用できる。

図面の簡単な説明

[0041] [図 1] (A)は、本発明における島状結晶質半導体膜を模式的に示す断面図であり、 ( B)は、特許文献 5に開示された方法によって得られる島状結晶質半導体膜を模式的 に示す断面図である。

[図 2] (A)から (F)は、本発明の実施形態による半導体装置の製造工程を示す模式 的な断面図である。

[図 3] (A)は、図 2 (F)において、ゲート電極を上方からみた平面図であり、(B)は、( A)の X—X'線に沿った断面図である。

圆 4]非晶質半導体膜に触媒元素を添加して結晶化させた場合における、 (A)は結 晶成長を示す図であり、(B)は〈111〉晶帯面を示す図であり、(C)は結晶方位の標 準三角形を示す図である。

[図 5] (A)及び (B)は触媒元素を利用することによって得られた結晶質半導体膜の面 方位分布を示す図であり、 (C)は結晶方位の標準三角形を示す図である。

[図 6]実験例で得られた本発明の TFTおよび比較例の TFTにおけるトランジスタ耐 圧特性の結果を示すグラフである。

符号の説明

1 上面

2 側面

3 上面と側面 2との間が連結された曲面

11 上面を有する本体部

12 側面を有する端部

91 下地絶縁体

92 未結晶化領域の非晶質半導体層

93 結晶質半導体層

94 触媒元素の半導体化合物

101 基板

102 第 1下地膜

103 第 2下地膜

104 非晶質半導体膜 (a - Si膜)

104a 第 1の結晶質半導体膜 (結晶質シリコン膜)

104b 高品質な第 1の結晶質半導体膜 (結晶質シリコン膜)

105 触媒元素(ニッケル)

106 レーザ光

107 第 1の島状結晶質半導体膜 (島状結晶質シリコン膜)

107a 第 2の島状結晶質半導体膜 (島状結晶質シリコン膜)

108 ゲート絶縁膜

109 ゲート電極

110 n型不純物(リン)

111 ゲート電極にマスクされてリンが注入されな、領域

112 ゲート電極に覆われて、な、領域

116 絶縁膜

119 層間絶縁膜

120 TFTの電極'配線

121 TFT

発明を実施するための最良の形態

[0043] 本願発明者は、リーク電流の発生が抑制され、ゲート絶縁膜の耐圧特性や段差被 膜性などに優れた TFT (半導体素子)を実現するため、まず、前述した特許文献 2か ら 4に開示された方法では、なぜ、所望の TFT特性が得られないの力その理由を 探求した。これらの方法によって得られる結晶質半導体膜の表面は、リッジが低減さ れて平坦化されているため、理論的には、ゲート絶縁膜の耐圧特性なども充分改善 されると考えられるカゝらである。その結果、所望の特性を備えた TFTを得るためには 、結晶質半導体膜の表面を平坦にするだけでは不充分であり、本体部と端部とが曲 面で連結されており、なだらかな形状を有するとともに、結晶質半導体膜全体が均一 な結晶粒径を有する島状の結晶質半導体膜を形成することが重要であることを突き 止めた。

[0044] この点について、もう少しくわしく説明する。前述したとおり、特許文献 1に開示され た方法のように、島状の非晶質半導体膜に酸ィ匕性雰囲気下でレーザ照射を行うと、 結晶質半導体膜の端部に高いリッジが形成されるとともに、端部の結晶粒径は著しく 大きくなつてしまう。このようなリッジの形成は、前述したようにゲート絶縁膜の耐圧特 性の低下などをもたらす。また、端部の粒径と本体部の粒径とが異なって結晶膜全体 で均一な粒径が得られないことは、電界効果移動度やオフ電流が不均一になるなど の弊害を招く。また、 TFTのサイズによって TFT特性が変化するなど、 TFT特性のト ランジスタサイズ依存性が大きくなる。

[0045] これに対し、特許文献 2から 4に開示されたようにレーザ照射を 2回行い、 1回目の 酸素雰囲気下でのレーザ照射によって得られた、端部にリッジが形成された結晶質 半導体膜に対して、真空中または不活性ガス中で 2回目のレーザ照射を行うことによ り、リッジは低減されて表面が平坦な結晶質半導体膜が得られる。し力しながら、上記 の方法では、その後に当該結晶質半導体膜をパターユングしているため、パター- ング後の島状結晶質半導体膜は、上面と側面との連結部分 (肩部)が鋭くとがった台 形形状を有している。その結果、この肩部に電界が集中してリーク電流が発生しやす くなるために所望の特性が得られないと考えられる。

[0046] したがって、所望の特性を備えた TFTを実現するためには、パターユング後の島状 結晶質半導体膜が上述したようななだらかな形状を有しており、好ましくは、当該結 晶質半導体膜全体が均一な結晶粒径を有していることが必要であるという知見に到 達し、本発明を完成した。

[0047] 本発明の結晶質半導体膜は、基板の上に形成された島状結晶質半導体膜を備え ている。本発明における島状結晶質半導体膜は、上面と傾斜した側面とを有しており 、上面と傾斜した側面との間は、曲面で連結されているとともに、上面を有する本体 部における結晶粒の平均粒径、および傾斜した側面を有する端部における結晶粒 の平均粒径は、いずれも 0. を超えており、好ましくは、本体部における結晶粒 の平均粒径と、端部における結晶粒の平均粒径とは、実質的に同じ大きさであること を特徴としている。このような構成を備えた結晶質半導体膜を用いることにより、リーク 電流の発生が抑制され、ゲート絶縁膜の耐圧特性やゲート絶縁膜の段差被膜性な どに優れた TFTが実現できる。

[0048] 以下、本発明による結晶質半導体膜の実施形態の特徴を一層明らかにする目的 で、本発明における島状結晶質半導体膜と、特許文献 5に開示された方法によって 得られる島状結晶質半導体膜とを対比させながら説明する。特許文献 5は、ゲート電 圧に対するドレイン電流の出力特性 (I V特性)を改善するためになされたものであ る。詳細には特許文献 5では、島状の非晶質シリコン膜に対してレーザ光を照射して 多結晶質シリコン膜を形成するにあたり、「従来のように端部 (周縁部)における結晶 粒の平均粒径が本体部における結晶粒の平均粒径とほぼ等しくすると、周辺部では

、低いゲート電圧でもキャリアが発生し、ドレイン電流が流れてしまう。」という知見に 基づき、端部に照射されるレーザビームの照射強度に比べ、本体部に照射されるレ 一ザビームの照射強度を大きくしており、これにより、端部と本体部における結晶粒 の平均粒径を積極的に変化させて、る。

[0049] 図 1 (A)は、本発明における島状結晶質半導体膜の実施形態を模式的に示す断 面図であり、図 1 (B)は、特許文献 5に開示された方法によって得られる島状結晶質 半導体膜を模式的に示す断面図である。

[0050] 図 1 (A)に示すように、本実施形態における島状結晶質半導体膜は、上面 1と傾斜 した側面 2とを有しており、上面 1と傾斜した側面 2との間は、曲面 3で連結されている とともに、上面 1を有する本体部 11における結晶粒の平均粒径 (R1)、および傾斜し た側面 2を有する端部 12における結晶粒の平均粒径 (R2)は、いずれも 0. を 超えており、好ましくは、 R1と R2とは、実質的に同じ大きさを有している。ここで「本体 部 11」は、島状結晶質半導体膜において、上面 1を有する部分 (領域)であって、傾 斜した側面 2を有する端部 12を除く部分 (領域)を意味する。図 1 (A)では、便宜上、 上面 1は平坦な形状を有して、るが、これに限定されな!、。

[0051] 一方、特許文献 5に開示された方法によって得られる島状結晶質半導体膜は、図 1

(B)に示すように、上面 1と傾斜した側面 2とを有している。ここで、上面 1と傾斜した 側面 2との間は、おそらぐ曲面 3で連結されていると考えられるため、本発明におけ る島状結晶質半導体膜の形状と非常に近いと推察される。しかしながら、特許文献 5 における島状結晶質半導体膜では、上面 1を有する本体部 11における結晶粒の平 均粒径 (Rl、 R1≥0. 3 /z m)に比べて、傾斜した側面 2を有する端部 12における結 晶粒の平均粒径 (R2)は 0. 2 μ m以下と小さくなつている点で、本体部 11の平均粒 径 (R1)および端部 12の平均粒径 (R2)力いずれも 0. 2 mを超えており、好まし くは、本体部 11も端部 12も実質的に同じ平均粒径を有してヽる本発明とは相違する

[0052] このような両者の相違は、主に、両者のプロセス上の相違に起因すると思料される。

[0053] 前述したとおり、特許文献 5では、非晶質半導体膜をパターユングし、得られた島状 の非晶質膜を溶融再結晶化して結晶質半導体膜を作製している。このように島状の

非晶質半導体膜を溶融再結晶化させた場合、本体部と端部との温度分布が異なる などの理由により、本体部と端部との結晶粒の平均粒径は異なることが多い。

[0054] これに対し、本発明では、特許文献 5とは異なり、パターユングの前に結晶質半導 体膜を形成しているため、特許文献 5のように本体部と端部との間に温度分布の差な どは見られず、その結果、結晶質半導体膜全体で均一な粒径が得られると考えられ る。本発明では、その後、この結晶質半導体膜をパターユングしているが、パター- ング後に得られる島状の結晶質半導体膜は、パターニング前の結晶粒の形状をその まま保持できるように制御しているため、端部と本体部との結晶粒の平均粒径は実質 的に同じままである。

[0055] 本明細書において、「上面 1と傾斜した側面 2との間は、曲面 3で連結されている。」 とは、例えば結晶質半導体膜をエッチングなどによってパターユングしたときに得ら れるような、急峻な肩部(上面と傾斜した側面との連結部分)を備えた台形形状では なぐなだらかな形状を有していることを意味する。

[0056] ここで「上面」は、実質的に平坦であることが好ましい。本発明によれば、少なくとも 、上面 1と傾斜した側面 2との間が曲面 3で連結されていればゲート絶縁膜の耐圧特 性などが改善されるため、上面は、必ずしも、実質的に平坦である必要はないが、よ り優れた特性を得るためには、実質的に平坦であることが好ましい。本明細書におい て「実質的に平坦である」とは、触針式の粗度計を用い、 JIS B0601に基づいて上 面の中心線平均粗さ (Ra)を測定したとき、 Raが 5nm以下に低減されていることを意 味する。

[0057] また、「リッジ」とは、前述したように結晶質半導体膜表面に形成された、結晶粒界部 が山脈状または山状に盛り上がった部分を意味し、本明細書にぉ、て「リッジが低減 された」とは、上面が実質的に平坦であること(すなわち、上面の Raが 5nm以下に低 減されて!ヽること)を意味する。

[0058] 本明細書において、「本体部における結晶粒の平均粒径 (R1)と、端部における結 晶粒の平均粒径 (R2)とは、実質的に同じ大きさである。」とは、 R1と R2との差 (絶対 値、 AR)力 R1の ± 30%の範囲に制御されていることを意味する。

[0059] 本実施形態にぉ、て、本体部 11における結晶粒の平均粒径 (R1)、および端部 1 2における結晶粒の平均粒径 (R2)は、いずれも 0. を超えており、好ましくは、 1 m以上 10 m以下である。このように大きな平均粒径は、例えば、固相成長法を 用いて第 1の結晶質半導体膜を作製する際、高温で長時間のァニール処理を行うこ とによって得られる。あるいは、結晶粒の平均粒径は、非晶質半導体膜に結晶化を 促進する触媒元素を添加し、触媒元素の濃度をできるだけ低く制御することによって 大きくすることもできる(詳細は後記する)。

[0060] 本発明による結晶質半導体膜の製造方法は、(a)基板の上に第 1の結晶質半導体 膜を形成する工程と、(b)第 1の結晶質半導体膜をパターユングすることにより、第 1 の島状結晶質半導体膜を形成する工程と、(c)第 1の島状結晶質半導体膜を溶融再 結晶化し、第 2の島状結晶質半導体膜を得る工程とを包含している。本発明の製造 方法は、工程 (a)によって得られた第 1の結晶質半導体膜をパターユングし、第 1の 島状結晶質半導体膜を形成した (工程 (b) )後、当該第 1の島状結晶質半導体膜を 溶融再結晶化し、第 2の島状結晶質半導体膜を形成した (工程 (c) )ことに特徴があ る。前述した特許文献 2から 4に開示された方法と本発明の製造方法とを対比すると 、前者は、いずれも、第 1の結晶質半導体膜に対して、(パターユングせずに)直接、 レーザ照射を行うことによって溶融再結晶化し、その後、パターユングしている点で、 後者 (本発明の製造方法)と相違している。その結果、上記の特許文献に開示された 方法では、前述した本発明の特徴を備えた島状結晶質半導体膜が形成されず、そ のため、リーク電流が発生してゲート絶縁膜の耐圧特性などが低下する。これに対し 、本発明の製造方法によれば、前述した特徴を備えた島状結晶質半導体膜が形成 されるため、リーク電流の発生が防止され、ゲート絶縁膜の耐圧特性などに優れた半 導体装置が得られる (後記する実験例を参照)。

[0061] 以下、各工程の概要を説明する。

[0062] 上記工程 (a)は、基板の上に非晶質半導体膜を形成する工程 (al)と、非晶質半導 体膜を結晶化し、第 1の結晶質半導体膜を得る工程 (a2)とを包含している。

[0063] ここで、上記工程 (a2)は、非晶質半導体膜に光線を照射し、溶融再結晶化させる 方法と、非晶質半導体膜が溶融する温度までは加熱せずに 600°C前後で熱処理す ることによって結晶成長させる方法(固相成長法)とを含む。

[0064] 前者の光線照射方法は、非晶質半導体膜を瞬間的に溶融再結晶化することがで きるという利点を有している。ここでは、エキシマレーザ光などのレーザ光を照射する ことが好ましぐこのようにして得られた結晶質半導体膜は、レーザ照射による溶融固 化過程によって結晶欠陥が低減され、より高品質な結晶質半導体膜となる。レーザ 光としてはパルスレーザ光を用い、非晶質半導体膜の任意の一点につき、複数回、 連続的に照射することが好ましい。これにより、基板に熱的損傷を与えることなぐ良 好な結晶性を有する結晶質半導体膜が得られる。

[0065] 後者の固相成長法は、低温での熱処理によって容易に再結晶化できるなどの利点 を有している。この方法は、上記工程 (al)によって得られた非晶質半導体膜に、結 晶化を促進する触媒元素を付与して (工程 (a3) )第 1の結晶質半導体膜を製造する 場合に、好ましく用いられる。

[0066] 非晶質半導体膜に上記の触媒元素を添加する場合、第 1の結晶質半導体膜をパ ターニングする (工程 (b) )前に、当該第 1の結晶質半導体膜を溶融再結晶化するェ 程 (d)をさらに含むことが好ましい。これにより、第 1の結晶質半導体膜は再結晶化さ れ、結晶性が一層向上する。

[0067] 上記工程 (d)は、第 1の結晶質半導体膜に対し、エキシマレーザ光などの光線を照 射することによって行うことが好ましい。詳細には、レーザ光としてはパルスレーザ光 を用い、非晶質半導体膜の任意の一点につき、複数回、連続的に照射する。上記ェ 程 (d)におけるレーザ照射は、酸素を含む雰囲気下で行われることが好ましい。これ により、第 1の結晶質半導体膜の表面にはリッジが形成されるが、良好な結晶特性が 得られる。具体的な条件は、シリコンやその下に設けた絶縁膜の膜質'膜厚などによ つて相違する力例えば、光線のエネルギー密度を約 300〜500mi/cm2の範囲に 制御することが好ましい。

[0068] このように結晶化を促進する触媒元素を用い、上記のように加熱処理によって結晶 ィ匕された結晶質半導体膜に対して溶融再結晶化を行なうことにより、前述した効果に カロえて、さらに面方位の揃ったより良好な結晶質半導体膜を得ることができる。この場 合、非晶質半導体膜を直接溶融再結晶化し、結晶化する方法に比べて、 TFTの電 界効果移動度で 2倍以上の高い電流駆動能力が得られる。しかしながら、この場合 には、触媒元素として用いる金属元素の半導体への悪影響が懸念される。そのため 、このような製造方法を用いた場合には、結晶成長させた後、触媒元素を、チャネル 領域やチャネル領域とソース'ドレイン領域との接合部近傍カゝら取り除く(移動させる) ことが好ましい。上記の触媒元素は、 n型を付与する 5族 Bに属する元素(例えばリン) や、 p型を付与する 3族 B元素(例えばホウ素)が存在して、る領域に集まり易!、と!/、う 性質があり、それらの元素が導入された領域を形成し、そこに触媒元素を移動させる という手法が用いられる。

[0069] 次に、上記工程 (a)によって得られた第 1の結晶質半導体膜をパターユングし、第 1 の島状結晶質半導体膜を形成する(工程 (b) )。パターニングは、通常のプラズマェ ツチング法や、 ICP (Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチ ング法、 RIE (Reactive Ion Ething)法、 CDE (Chemical Dry Ething)などに よって行なわれ、エッチングガスとしては、 CF 4や SF 6等の他のフロン系ガス、あるい は、これらのフロン系ガスと酸素との混合ガスなどが用いられる。これらのエッチング 法のなかでも、特に、 ICPエッチング法や RIE法が好ましぐこれにより、側面の傾斜 角(テーパ角)が様々な角度を有する結晶質シリコン膜を精度良く形成できる。テー パ角は、エッチングガスの種類や混合比によって制御することができる。

[0070] 上記のパターユングによって得られる第 1の島状結晶質半導体膜は、上面 (頂面) と傾斜した側面とを備えた台形形状を有しており、当該上面と側面との連結部分 (肩 部)はなだらかでなぐとがっている。上面を有する部分における結晶粒の平均粒径と 、傾斜した側面を有する端部における結晶粒の平均粒径とは、実質的に同じ大きさ である。さらに、パターユングの前に前述した工程 (d)を行った場合は、上面の表面 にリッジが形成されている。

[0071] 次に、上記工程 (b)によって得られた第 1の島状結晶質半導体膜を溶融再結晶化 し、第 2の島状結晶質半導体膜を形成する (工程 (c) )。工程 (c)によって得られる第 2の島状結晶質半導体膜は、第 1の島状結晶質半導体膜表面のリッジが低減され、 本体部と端部とが曲面で連結されてなだらかな形状を有するとともに、第 1の島状結 晶質半導体膜における結晶粒の平均粒径がそのまま保持されていること (すなわち、 上面部分の平均粒径と端部の平均粒径とは変化せず、実質的に同じ大きさを有した

ままである)が必要である。上記工程に用いられる溶融再結晶化方法は、所望とする 第 2の島状結晶質シリコン膜を得ることができれば特に限定されず、例えば、光線を 照射する方法、一般的な抵抗加熱式の熱処理炉ゃランプ等を熱源として用いる RT A (Rapid Thermal Annealing)法、高温ガス吹き付け方式の RTA法などが挙げ られる。ここで、基板表面に高温の不活性ガスを吹き付け、瞬時に昇降温を行う RTA 装置を用いる場合、保持温度 550〜750°Cの範囲で、保持時間 30秒〜 10分程度 が適度な条件である。昇温速度および降温速度は、共に 100°CZ分以上で行うこと が好ましい。上記の溶融再結晶化方法のうち、好ましくは、光線照射方法である。

[0072] 上記工程 (c)において、第 1の島状結晶質半導体膜に光線を照射する場合、実質 的に、真空中、または不活性ガス (希ガスまたは窒素ガス)を含む雰囲気下で行うこと が好ましい。これにより、本体部と端部とが曲面で連結されてなだらかな形状を有す る第 2の島状結晶質半導体膜が形成される。ここで、「実質的に」とは、上記雰囲気に おいて微量の酸素を含んでもよいことを意味する。前述したとおり、所望の特性を得 るためには、第 2の島状結晶質半導体膜の肩部が、少なくともなだらかな形状を有し ていることが必要であるが、微量の酸素が含まれていても、所望とするなだらかな形 状は得られるからである。酸素の許容濃度は、例えば、シリコンやその下に設けた絶 縁膜の膜質'膜厚、第 1の島状結晶質半導体膜の製造条件などによって相違するが 、おおむね、 1%以下にすることが好ましい。なお、酸素を含まない、真空中または不 活性ガスを含む雰囲気下で光線を照射することにより、第 2の島状結晶質半導体膜 は、なだらかな形状を有するだけでなぐ表面のリッジも低減されるため、もっとも好ま しい。

[0073] 本実施形態に用いられる希ガスは、 He (ヘリウム)、 Ne (ネオン)、 Ar (アルゴン)、 K r (クリプトン)、 Xe (キセノン)、 Rn (ラドン)が挙げられる。これらのうち、特に好ましい のは真空中または窒素ガス雰囲気である。

[0074] また、第 1の島状結晶質半導体膜における結晶粒の平均粒径を変化させることなく 、所望とする第 2の島状結晶質半導体膜を形成するためには、光線のエネルギー密 度を適切に制御することが好ましい。具体的な条件は、シリコンやその下に設けた絶 縁膜の膜質'膜厚などによって相違するが、例えば、光線のエネルギー密度を約 30

OmjZcm2から 500mjZcm2の範囲に制御することが好ましい。

[0075] 上記工程 (a2)および上記工程 (d)の両方を光線を用いて行う場合、工程 (d)にお ける光線のエネルギー密度は、工程 (c)における光線のエネルギー密度と実質的に 同じ範囲に設定される。前述したとおり、工程 (d)および工程 (c)では、それぞれ、適 切な第 1および第 2の島状結晶質半導体膜を形成するために最適な光線のエネルギ 一密度が照射される。両方の工程において、シリコンやその下に設けられた絶縁膜 の膜質'膜厚などはほとんど変化しないため、両工程におけるエネルギー密度は、ほ ぼ同じ範囲に設定され得る。具体的には、工程 (d)および工程 (c)の両方において、 例えば、光線のエネルギー密度を約 300mjZcm2から 500mjZcm2の範囲に制御 し、且つ、工程 (d)における光線のエネルギー密度を、工程 (c)における光線のエネ ルギー密度に対して ± 100mjZcm2の範囲で設定されることが好ましい。

[0076] 以下、図 2を参照しながら、半導体の代表例であるシリコンを用いて結晶質半導体 膜を製造する方法の実施形態、および半導体装置の製造方法の実施形態を説明す る。ただし、本発明の製造方法はシリコン膜に限定されず、ゲルマニウム膜、ゲルマ -ゥムとシリコンとの混成膜 (シリコン'ゲルマニウム膜)などについても適用することが できる。また、本実施形態では、非晶質結晶質半導体膜に触媒元素を添加して所望 の結晶質半導体膜を形成しているが、これに限定されず、触媒元素を利用しなくとも 所望の結晶質半導体膜が得られる。

[0077] 本実施形態では、 nチャネル型 TFTガラス基板上に作製する方法について説明す る。本実施形態の TFTはアクティブマトリクス型の液晶表示装置や有機 EL表示装置 のドライバー回路や画素部分は勿論、薄膜集積回路を構成する素子としても利用す ることができる。図 2は、ここで説明する nチャネル型 TFTの作製工程を示す断面図 であり、 (A)→ (G)の順にしたがって作製工程が順次進行する。

[0078] まず、図 2 (A)に示すように、基板 101に非晶質シリコン膜 (a— Si膜) 104を形成す る(工程 (al) )。本実施形態では、基板 101上に非晶質シリコン膜 104を形成する前 に、酸ィ匕窒化シリコン力もなる第 1下地膜 102、および酸ィ匕シリコン力もなる第 2下地 膜 103を形成した。これにより、基板 101中の不純物が非晶質シリコン膜 104に拡散 するのを防ぐことができる。

[0079] 基板 101は非晶質シリコン膜 104を支持するとともに、非晶質シリコン膜 104から形 成される結晶質シリコン膜および結晶質シリコン膜を用いて形成される半導体装置を 支持する。基板 101は、非晶質シリコン膜 104に施される熱処理等を含む種々の半 導体装置製造工程の最高温度において実質的に変形しないことが好ましい。また、 結晶質シリコン膜を用いて形成される半導体装置の電気的特性に悪影響を与えない よう、非晶質シリコン膜 104が形成される基板 101の表面は絶縁性を備えており、半 導体装置製造工程において曝される温度において非晶質シリコン膜 104と反応した り、基板 101から非晶質シリコン膜 104へ、基板 101に含まれる物質が拡散しないこ とが好ましい。

[0080] 基板 101の種類は特に限定されず、ガラス基板、石英基板などが用いられる。後述 するように本発明では、低温で短時間の加熱処理によって結晶化を行うことができる ので、耐熱性が高ぐかつ熱収縮性が殆どない高価な石英基板に換えて、安価なガ ラス基板を用いることができる。

[0081] 本実施形態では低アルカリガラス基板を用いた。この場合、ガラス歪み点よりも 10 〜20°C程度低!、温度であら力じめ熱処理してお、ても良!、。この基板 101の TFTを 形成する表面には、基板 101からの不純物拡散を防ぐために、酸化ケィ素膜、窒化 ケィ素膜または酸ィ匕窒化ケィ素膜などの下地膜を形成する。本実施形態では、例え ば、プラズマ CVD法で SiH 、

4 NH 、

3 N 2 Oの材料ガス力も作製される酸ィ匕窒化ケィ素 膜を、下層の第 1下地膜 102として堆積し、その上に同様にプラズマ CVD法により Si H 、

4 N 2 Oを材料ガスとして第 2の下地膜 103を積層形成した。このときの第 1下地膜 1

02の酸化窒化ケィ素膜の厚さは、 25〜200nm、例えば lOOnmとし、第 2下地膜 10 3の酸ィ匕ケィ素膜の厚さとしては、 25〜300nm、例えば lOOnmとした。本実施形態 では、 2層の下地膜を使用したが、例えば酸化ケィ素膜の単層でも問題ない。

[0082] 非晶質シリコン膜 104は、プラズマ CVD法、スパッタ法などによって形成される。好 ましいのはプラズマ CVD法であり、これにより、低温でし力も高速に非晶質シリコン膜 を成膜できる。具体的には、 SiH 4と H 2との混合ガスを用いたプラズマ CVD法が好ま しい。非晶質シリコン膜 104のサイズや厚さは作製する半導体装置の構造やサイズ に合わせて、適宜最適な値を選択し得る。 TFTを作製する場合には、非晶質シリコ

ン膜 104は、たとえば、 30nmから lOOnmの厚さを有する。本実施形態では、プラズ マ CVD法で厚さ 50nmの非晶質ケィ素膜を形成した。また、下地膜 102、 103と非 晶質ケィ素膜 104とは同じ成膜法で形成することが可能であるので、両者を連続形 成しても良い。下地膜を形成した後、一旦大気雰囲気に晒さないことでその表面の 汚染を防ぐことが可能となり、作製する TFTの特性バラツキやしき、値電圧の変動を 低減させることができる。

[0083] 続いて、 a— Si膜 104に結晶化を促進する触媒元素 105を添加する(工程 (a3) )。

本実施形態では触媒元素 105としてニッケルを用い、 a— Si膜 104に対して、重量換 算で lOppmのニッケルを含む水溶液 (酢酸ニッケル水溶液)をスピンコート法で塗布 し、触媒元素含有層 105を形成した。

[0084] 触媒元素 105としては、ニッケル (Ni)、コバルト(Co)、パラジウム(Pd)、白金(Pt) 、銅(Cu)、銀 (Ag)、金 (Au)、インジウム(In)、スズ(Sn)、アルミニウム (A1)、アンチ モン (Sb)力も選ばれた一種または複数種の元素を用いることが望ま、。これらから 選ばれた一種または複数種類の元素であれば、微量で結晶化助長の効果がある。 それらの中でも、特に Niを用いた場合に最も顕著な効果を得ることができる。触媒元 素 105は単独では作用せず、非晶質シリコン膜 104と結合してシリサイドィ匕することで 結晶成長に作用する。そのときの結晶構造が、非晶質シリコン膜 104の結晶化時に 一種の铸型のように作用し、非晶質シリコン膜 104の結晶化を促す。 Niは 2つの Siと NiSi 2を形成する。 NiSi 2は螢石型の結晶構造を示し、その結晶構造は、単結晶ケィ 素のダイヤモンド構造と非常に類似したものである。し力も、 NiSi 2はその格子定数が

5. 406 A (0. 5406nm)であり、結晶質シリコンのダイヤモンド構造での格子定数 5· 430 A (0. 5430nm)に非常に近い値をもつ。よって、 NiSi 2は、非晶質シリコン膜 10

4を結晶化させるための铸型としては最適なものであり、本発明における触媒元素 10 5としては、特に Niを用いるのが最も望ましい。

[0085] 触媒元素 105を導入する方法としては、スパッタ法、蒸着法、メツキ法、イオンドーピ ング法、 CVD法、スピンコート法などが挙げられる。スピンコート法は、触媒元素 105 の溶液または分散液を基板上に塗布して乾燥させる方法であり、溶液または分散液 中の触媒元素の濃度を調整することによって、非晶質シリコン膜 104に導入する触媒

元素 105の量を調整することができる。

[0086] 非晶質シリコン膜 104中の触媒元素 105の濃度は、 1 X 1016atoms/cm3以上 1 X

1018atoms/cm3以下程度が好ましい。触媒元素 105の濃度が 1 X 1016atoms/c m3未満であると、結晶成長が不十分となり、非晶質領域が多く残ってしまう。他方、触 媒元素 105の濃度が 1 X 1018atomsZcm3を超えると、半導体装置のチャネル領域 を形成した場合、触媒元素がリークの原因となるおそれがある。

[0087] 触媒元素 105を非晶質シリコン膜 104に導入する工程は、後述の結晶核形成工程 の前であれば、基板 101上に非晶質シリコン膜 104を形成する前または後のいずれ に行ってもよい。なお、通常は、本実施形態に示すように、基板 101上に非晶質シリ コン膜 104を形成する前に、基板 101上に酸ィ匕シリコン力もなる下地膜 103を形成し て、基板 101中の不純物が非晶質シリコン膜 104に拡散するのを防ぐ。非晶質シリコ ン膜 104の表面が疎水性であるのに対して、下地膜 103の表面は親水性であるので 、親水性の溶媒を用いてスピンコートする場合には、下地膜 103上に塗布する方が、 非晶質シリコン膜 104上に塗布するよりも安定に塗布することができる。触媒元素 10 5を基板 101上または下地膜 103上に導入した場合、非晶質シリコン膜 104の下面 力 結晶成長が開始する。

[0088] 触媒元素 105を含む溶液をスピンコート法によって、表面濃度が 1 X 1012atoms/ cm2以上 1 X 10"atomsZcm2以下となるように、基板上または非晶質シリコン膜上に 塗布し、乾燥させる。表面濃度が 1 X 1012atOmS/cm2未満の場合、結晶成長が不 十分となり非晶質領域が多く残る。表面濃度が 1 X 1014atOmS/cm2を超えるとリーク 電流の発生を招く。なお、触媒元素 105の表面濃度は、全反射蛍光 X線分析 (TRX RF)法などによって測定することができる。

[0089] 触媒元素(例えばニッケル) 105を含む溶液は、水、メタノール、エタノール、 n—プ ロパノール、 i—プロパノールおよびアセトン力なる群力選ばれた少なくとも一種の 溶媒を含むことが好ましい。触媒元素 105としてニッケルを用いる場合、酢酸-ッケ ルを上記溶媒に溶解することにより、ニッケルを基板 101上または非晶質シリコン膜 1 04上に均一に塗布することができる。

[0090] また低電圧での DC (直流)スパッタリング法によっても、同様にニッケルなどの触媒 元素 105を導入することができる。この際、 DC電圧を低くすることによって、非常に低 濃度の触媒元素 105の導入が可能となる。例えば、 DC電圧を 200V〜600V程度 にする。

[0091] 基板 101上または非晶質シリコン膜 104上に塗布された触媒元素 105は、下記の 結晶核形成工程での加熱によって非晶質シリコン膜 104中に取り込まれる。

[0092] 次に、不活性雰囲気下、例えば窒素雰囲気にて加熱処理を行う(工程 (a2) )。この 加熱処理は、 550〜600°Cで 30分〜 4時間のァニール処理を行うことが好まし!/、。 本実施形態では、窒素雰囲気にて 580°Cで 1時間の加熱処理を行った。この加熱処 理において、 a— Si膜 104の表面に添カ卩されたニッケル 105が a— Si膜 104中に拡 散すると共に、シリサイドィ匕が起こり、それを核として a— Si膜 104の結晶化が進行す る。その結果、 a— Si膜 104は結晶化され、第 1の結晶質シリコン膜 104aとなる。なお 、ここでは炉を用いた加熱処理によって結晶化を行ったが、ランプ等を熱源として用 V、る RTA装置で結晶化を行ってもょ、。

[0093] 続いて、図 2 (B)に示すように、上記の加熱処理によって得られた第 1の結晶質シリ コン膜 104aに、酸ィ匕性雰囲気下でレーザ光 106を照射する(工程 (d)、 1回目のレ 一ザ処理)。これにより、第 1の結晶質シリコン膜 104aの結晶欠陥は低減されてさら に再結晶化され、結晶性を向上させた高品質の第 1の結晶質シリコン膜 104bが形成 される。このときのレーザ光としては、 XeClエキシマレーザ(波長 308nm、パルス幅 4 Onsec)や KrFエキシマレーザ(波長 248nm)が適用できる。このときのレーザ光のビ ームサイズは、基板 101表面で長尺形状となるように成型されており、長尺方向に対 して垂直方向に順次走査を行うことで、基板全面の再結晶化を行う。このとき、ビーム の一部が重なるようにして走査することで、第 1の結晶質シリコン膜 104aの任意の一 点において、複数回のレーザ照射が行われ、均一性の向上が図れる。このときのレ 一ザ光のエネルギー密度は、低すぎると良好な結晶性が得られず、高すぎると結晶 性のバラツキが顕著となるため、適切な範囲に設定する必要がある。本実施形態で は、レーザ光の照射エネルギー密度を 350〜500nijZcm2、例えば 420mjZcm2と し、任意の一点における照射回数が 10〜40ショット、例えば 20ショットとなるように設 定することで、結晶粒径が 2〜5 μ mの範囲で、平均粒径が 3 μ m程度の第 1の結晶 質シリコン膜 104bが得られた。上記工程によって得られた第 1の結晶性シリコン膜 1 04bの表面には、図 2 (B)に示すようにリッジが形成されている。

[0094] その後、図 2 (C)に示すように、第 1の結晶質シリコン膜 104bをパターユング (例え ばエッチング)し、第 1の島状結晶質シリコン膜 107を形成する(工程 (b) )。本実施形 態では RIE法を用い、エッチングガスとして、 CHF 3を用いた。上記工程により、後に

TFTの活性領域 (ソース Zドレイン領域、チャネル領域)となる半導体層が形成され る。ノターニングによって得られる第 1の島状結晶質シリコン膜 107は台形形状を有 しており、詳細には図 2 (C)に示すように、表面にリッジを有する上面 (頂部)と傾斜し た側面とを有し、上面と側面との連結部は急峻でとがっており、なだらかな形状を有 していない。

[0095] 次に、図 2 (D)に示すように、このようにして得られた第 1の島状結晶質シリコン膜( 半導体層) 107に対し、実質的に、真空中または不活性ガス雰囲気下でレーザ光 10 6を照射する(2回目のレーザ処理、工程 (c) )。ここでは、 2回目のレーザ処理後にお いても第 1の島状結晶質シリコン膜 107の結晶粒が保持された状態で、且つ、表面 のリッジが低減されてなだらかな形状になるようにレーザ光 106を照射する。具体的 には、 2回目のレーザ光の照射エネルギー密度は、 1回目のレーザ処理と同様の範 囲に設定し、且つ、 1回目のレーザ処理におけるレーザ光のエネルギー密度に対し、 ± 100m[/cm2の範囲に制御することが好ましい。本実施形態では、窒素ガス雰囲 気下にて、 1回目のレーザ処理を行った場合と同様、例えば、 XeClエキシマレーザ( 波長 308nm、パルス幅 40nsec)や KrFエキシマレーザ(波長 248nm)を適用し、レ 一ザ光の照射エネルギー密度を 350〜500mjZcm2、例えば 420mjZcm2とし、任 意の一点における照射回数が 10〜40ショット、例えば 20ショットとなるように設定す ることで、結晶粒径が 2〜5 μ mの範囲で、平均粒径が 3 μ m程度の第 2の島状結晶 質シリコン膜 107aが得られた。

[0096] このようにして得られた第 2の島状結晶質シリコン膜 107a (活性領域、あるいは活性 領域の少なくともチャネル領域の形成に用いられる)は、その結晶の面配向が主にく 111〉晶帯面で構成されている。さらに具体的には、結晶質半導体膜の面配向の割 合は、〈111〉晶帯面の中でも、特に(110)面配向と(211)面配向とで全体の 50%

以上の領域が占められている。一般的に触媒元素を用いない結晶化では、半導体 膜下地の絶縁体の影響 (特に非晶質二酸化ケイ素の場合)の影響で、結晶質半導 体膜の面配向は、(111)に向きやすい。これに対して、非晶質半導体膜に触媒元素 を添加し結晶化させた場合に得られる結晶質半導体膜の面配向が主に〈111〉晶帯 面で構成される様子を模式的に図 4 (A)に示す。図 4 (A)において、 91は下地絶縁 体、 92は未結晶化領域の非晶質半導体層、 93は結晶質半導体層、 94は結晶成長 のドライビングフォースとなっている触媒元素の半導体ィ匕合物である。

[0097] 図 4 (A)に示すように、触媒元素の半導体ィ匕合物 284が結晶成長の最前線に存在 し、隣接する非晶質領域 92を紙面右方向に向力つて次々と結晶化していくのである 力 このとき触媒元素の半導体ィ匕合物 94は、〈111〉方向に向力つて強く成長する性 質がある。その結果、得られる結晶質半導体膜の面方位としては、図 4 (A)に示すよ うに〈111〉晶帯面が現れる。

[0098] 図 4 (B)には、〈111〉晶帯面を示す。図 4 (B)において、横軸は(一 100)面力もの 傾斜角度で、縦軸は表面エネルギーを表す。グループ 95は、〈111〉晶帯面となる結 晶面である。(100)面と(111)面は〈111〉晶帯面ではないが、比較のために示して ある。

[0099] また、図 4 (C)には、結晶方位の標準三角形を示す。ここで、〈111〉晶帯面の分布 は、破線のようになる。数字は代表的な極点の指数である。これらの〈111〉晶帯面の 中でも、本発明で得られる結晶質半導体膜では、特に(110)面あるいは(211)面が 優勢配向となり、これらの面が全体の 50%以上を占めるときに優位性が得られる。こ れらの 2つの結晶面は他の面に比べてホール移動度が非常に高ぐ Nチャネル型 T FTに比べ性能の劣る Pチャネル型 TFTの性能を特に向上でき、 CMOS回路にお!ヽ てもバランスがとり易、と、うメリットがある。

[0100] 本実施形態によって得られた結晶質半導体膜の面方位分布の例を図 4に示す。図 4は EBSP (Electron Back Scattering Pattern、後方散乱電子回折像)の測 定結果で、個々の微小領域に分けてその結晶方位を特定し、それをつなぎ合わせて マッピングしたものである。図 5 (A)に示すのは、本発明の結晶質半導体層における 面方位分布であり、図 5 (B)は、図 5 (A)のデータに基づいて、隣接する各マッピング 点間の面方位の傾角が一定値以下 (ここでは 5° 以下)のものを同色で塗り分け、個 々の結晶粒 (結晶粒:ほぼ同一の面方位を有する領域)の分布を浮かび上がらせた ものである。また、図 5 (C)には、図 4 (C)で説明した結晶方位の標準三角形を示す。

[0101] 図 5 (C)からわ力るように、本実施形態による結晶質シリコン膜は、概ね〈111〉晶帯 面に乗った面配向を示しており、特に(110)と(211)に強く配向しているのがわかる 。また、本実施形態の結晶質半導体膜は、 EBSP法によって結晶質半導体表面の結 晶方位を測定したとき、方位差がすべて 10° 未満の結晶からなる結晶粒力構成さ れている。なお、本実施形態において、結晶粒の平均粒径は、画像処理装置を用い 、観察視野(51 m X 102 /z m)における、結晶方位が 10° 未満の結晶領域の面積 円相当径 (直径)を求め、その平均を平均粒径として算出した。

[0102] 本実施形態では、このようにレーザ照射を 2回行っている力 2回目のレーザ照射 工程後においても、レーザ照射前の結晶面配向及び結晶粒状態はそのまま維持さ れ、 EBSP測定において、実質的に大きな変化は見られない。

[0103] 次に、このようにして得られた結晶質シリコン膜 107aに、公知の半導体製造プロセ スを施して種々の半導体装置を作製する。抵抗やキャパシタを同時に、または、その 後に形成し、各種の駆動回路やメモリ、論理回路などを構成してもよい。

[0104] 以下では、 nチャネル型 TFTガラス基板上に作製する方法について説明する。

[0105] まず、第 2の島状結晶質シリコン膜 107aを覆うゲート絶縁膜 108を形成する。本実 施形態によれば、第 2の島状結晶質シリコン膜 107aの肩部はなだらかな形状を有し ているため、ゲート絶縁膜 108の肩部もなだらかな形状を有する(図 2 (E)を参照)。 ゲート絶縁膜 108としては、厚さ 20〜150nmの酸ィ匕ケィ素膜が好ましぐここでは 10 Onmの酸ィ匕ケィ素膜を用いた。具体的には、酸ィ匕ケィ素膜の形成には TEOS (Tetr a Ethoxy Ortho Silicate)を原料とし、酸素とともに基板温度 150〜600°C、好 ましくは 300〜450°Cで、 RFプラズマ CVD法で分解'堆積した。あるいは TEOSを 原料としてオゾンガスとともに減圧 CVD法もしくは常圧 CVD法によって、基板温度を 350〜600。C、好ましくは 400〜550。Cとして形成してもよヽ。また、成膜後、ゲート 絶縁膜自身のバルタ特性および結晶質シリコン膜 Zゲート絶縁膜の界面特性を向上 するために、不活性ガス雰囲気下で 500〜600°Cで 1〜4時間のァニールを行っても よい。

[0106] 代わりに、ゲート絶縁膜 108として SiN膜を形成し、上層の絶縁膜 116として、スピ ンコートによりアクリル等の有機絶縁膜を形成してもよい。これにより、絶縁膜 116は 優れた段差被覆性を有するので、上記と同様の効果が得られる。

[0107] 続いて、ゲート絶縁膜 108上に導電膜をスパッタ法または CVD法などを用いて堆 積し、これをパターユング形成して、ゲート電極 109とする。このときの導電膜としては 、各種メタル膜や高濃度にドナーゃァクセプター元素がドーピングされた半導体膜等 を用いることができる。本実施形態では、後のソース'ドレイン領域の活性ィ匕時に加熱 処理を行うため、耐熱性の高い高融点メタル、例えばタンタル (Ta)あるいはタンダス テン (W)、モリブデン (Mo)チタン (Ti)から選ばれた元素、または前記元素を主成分 とする合金か、前記元素を組み合わせた合金膜 (代表的には Mo— W合金膜、 Mo —Ta合金膜)等を用いた。アルミニウム (A1)等の低融点メタルも利用できる力この 場合は、レーザ照射による活性ィ匕等を組み合わせればよい。また、このときの厚さとし ては、 300〜600nmが望ましい。本実施形態では、窒素が微量に添加されたタンダ ステン (W)を用い、厚さ力 S300〜600nm、例えば 450nmとした。このとき、低抵抗化 を図るために含有する不純物濃度を低減させると良ぐ酸素濃度を 30ppm以下とす ることで 20 Ω cm以下の比抵抗値を実現することができた。そして、これをフォトリソ 工程でパターユングし、エッチングすることで、ゲート電極 109とする。本実施形態で は、エッチング法として RIE法を用い、ゲート電極 109の側面の傾斜角が 75〜85° となるように形成した。

[0108] 次いで、図 2 (E)に示すように、ゲート電極 109をマスクとして、イオンドーピング法 によって第 2の島状結晶質シリコン膜 107aに n型不純物(リン) 110を高濃度に注入 する。この工程により、第 2の島状結晶質シリコン膜 107aにおいて、ゲート電極 109 に覆われて、な、領域 112には高濃度のリン 110が注入される。本実施形態では、 ドーピングガスとしてフォスフィン(PH 3 )を用い、カロ速電圧を 40〜90kV、例えば 60k

V、ドーズ量を 1 X 1012〜1 X 1016cm— 2、例えば 1 X 1015cm— 2とした。この工程により、 ゲート電極 109にマスクされリン 110が注入されな!、領域 111は、後に TFTのチヤネ ル領域となる。

[0109] 続いて、図 2 (F)に示すように、酸ィ匕ケィ素膜あるいは窒化ケィ素膜を層間絶縁膜 1 19として形成し、コンタクトホールを形成して、金属材料によって TFTの電極'配線 1 20を形成する。

[0110] そして最後に、 1気圧の窒素雰囲気あるいは水素混合雰囲気で 350°C、 1時間の ァニールを行い、図 2 (F)に示す TFT121を完成させる。さらに必要に応じて、 TFT 121を保護する目的で、 TFT121上に窒化ケィ素膜などカゝらなる保護膜を設けても よい。

[0111] 図 3 (A)は、図 2 (F)において、ゲート電極 109を上方からみた平面図であり、図 3 ( B)は、図 3 (A)の X—X'線に沿った断面図である。図 3 (B)に示すように、本実施形 態にしたがって作製した TFTは、チャネル領域 111の肩部がなだらかな形状を有し ているため、ゲート絶縁膜 108の肩部もなだらかな形状を有するようになる。このため 、本実施形態によれば、チャネル領域 111の肩部とゲート絶縁膜 108との距離 dは、 チャネル領域 111の肩部がとがった形状を有して、る従来の TFTに比べ、大きくなる 。その結果、リーク電流の発生が抑制されてゲート絶縁膜の耐圧特性や段差被膜性 などが高められた TFTを得ることができる。さらに上記実施形態にしたがって作製し た TFTは、電界効果移動度や TFTのオフ電流が均一になるとヽぅ効果も得られるた め、 TFT特性のバラツキが少な、安定した高性能半導体素子が実現できる。

[0112] (実験例)

以下、本発明による結晶質半導体膜の製造方法の実験例を、より具体的に説明す る。

[0113] まず、ガラス基板上にプラズマ CVD法によって厚さ 300〜500nm程度の酸化ケィ 素からなる下地膜を形成した。

[0114] 次に、プラズマ CVD法あるいは減圧 CVD法によって、厚さ 50nmの真性 (i型)の非 晶質シリコン膜を下地膜上に形成した。本実験例では、平行平板式のプラズマ CVD 装置を用い、 300°Cの基板加熱温度および 80mWZcm2の RFパワー密度で、 SiH 4 ガスおよび H 2ガスを材料ガスに用いた。

[0115] 次に、非晶質シリコン膜表面上にニッケルの微量添カ卩を行った。ニッケルの微量添 加は、ニッケルを溶解した溶液を非晶質シリコン膜上に保持し、スピナ一により溶液を 基板上に均一に延ばし乾燥させることによって行った。具体的には、溶質としては酢 酸ニッケルを用い、溶媒としては水を用い、溶液中のニッケル濃度は lOppmとなるよ うにした。このとき、添加する触媒元素の量は極微量であり、 a— Si膜表面上の触媒 元素濃度は、全反射蛍光 X線分析 (TRXRF)法によって管理される。本実験例では 、 4 X 1012atomsZcm2程度であった。

[0116] 次に、上記の非晶質シリコン膜を電気炉内に導入し、窒素雰囲気中 600°Cで 2時 間加熱した。この加熱処理により、非晶質シリコン膜表面に添加されたニッケルが非 晶質シリコン膜中に拡散すると共に、シリサイドィ匕が起こり、それを核として非晶質シリ コン膜の結晶化が進行する。その結果、非晶質シリコン膜は結晶化されて第 1の結晶 質シリコン膜となる。

[0117] 次に、第 1の結晶質シリコン膜の結晶欠陥を低減するために、酸化性雰囲気下でレ 一ザ照射を行った。本実験例では、波長 308應、エネルギー密度 350mjZcm2の X eCl (キセノン塩素)エキシマレーザを 20ショット照射した。

[0118] 次に、結晶欠陥が低減された第 1の結晶質シリコン膜をパターユングし、第 1の島状 結晶質シリコン膜 (半導体層)を形成した。パター-ングはドライエッチング法によって 行い、エッチングガスは CF 4を用いた。このようにして得られた第 1の島状結晶質シリ コン膜の上面の Raは l lnmであり、テーパ角は 60° であった。端部および本体部の 結晶粒の平均粒径は、それぞれ、 3. 6 mおよび 3. 5 mであった。上記工程によ り、後に TFTの活性領域 (ソース Zドレイン領域、チャネル領域)となる第 1の島状結 晶質シリコン膜 (半導体層)が形成される。

[0119] 次に、第 1の島状結晶質シリコン膜 (半導体層)に、窒素ガス雰囲気下でレーザ光を さらに照射した(2回目のレーザ処理)。本実験例では、波長 308應、エネルギー密 度 350miZcm2の XeCl (キセノン塩素)エキシマレーザを 20ショット照射した。このよ うにして得られた第 2の島状結晶質シリコン膜は、上面の Raが 3nm以下に低減され ており、本体部と端部とが曲面で連結されてスムーズな形状になった。 2回目のレー ザ処理後における端部および本体部の結晶粒の平均粒径は、 1回目のレーザ処理 後における平均粒径が概ね保持され、それぞれ、 3. 6 mおよび 3. 5 mであった

[0120] 続いて、このようにして得られた第 2の島状結晶質半導体膜を用い、前述した実施 形態の方法にしたがって本発明例の TFTを作製した。

[0121] 比較のため、第 1の島状結晶質シリコン膜 (半導体層)をパターユングする前に、前 述した 2回目のレーザ処理を行ったこと以外は上記と同様にして比較例の TFTを作 製した。この方法は、前述した特許文献 2から 4の方法に対応する。この方法によれ ば、パター-ング後に得られた島状の結晶質シリコン膜は、上面と側面との連結部分 がとがった台形形状を有していた。

[0122] 次に、このようにして得られた各 TFTのトランジスタ耐圧特性を調べる目的で、ゲー トー Si間の電圧 (ゲート電圧)に対するゲート絶縁膜リーク電流をそれぞれ測定した。 これらの結果を図 6に示す。

[0123] 図 6に示すように、比較例の TFTでは、ゲート電圧が高くなるとリーク電流の発生も 上昇するのに対し、本発明の TFTでは、ゲート電圧が高くなつてもリーク電流の発生 は低く抑えられている。

産業上の利用可能性

[0124] 本発明によれば、リーク電流の発生が抑制されてゲート絶縁膜の耐圧特性や段差 被膜性などが高められ、電界効果移動度や TFTのオフ電流が均一になるため、高 性能半導体素子が実現できる。その結果、低い消費電力で高機能の半導体素子が 実現できる。

[0125] 本発明の結晶性半導体膜は、液晶表装置や有機および無機 EL表示装置などのフ ラットパネルディスプレイ用の TFTに好適に用いることができる。また、その他の種々 の半導体装置に好適に用いることができる。