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1. (WO2006035912) 電磁波吸収体
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電磁波吸収体

技術分野

[0001] 本発明は、電磁波を捉えて、吸収する電磁波吸収体に関する。

背景技術

[0002] コンピューターネットワークの LAN(Local Area Network)構築において、マイクロ 波を用いる無線 LANが利用され、よりフレキシブルでモパイル性の高ヽ通信システ ムが構築されている。また、 FWA (Fixed Wireless Access)と呼ばれる広域ネットヮ ークまたは交換網と、利用者が操作する通信装置との間で無線通信する通信サービ スが始まり、無線通信システムがより身近に活用されている。さらに、 WPAN(Wireles s Personal Area Network)の代表とされる Bluetoothと呼ばれる近距離無線技術力 有線ケーブル技術の代替技術として利用されている。今後、 VoWLAN (Voice over

Wireless Local Area Network)と呼ばれる無線 LANによる音声通話のできる携 帯電話装置を用いる通信システムの普及も予想される。

複数の無線 LANシステムを極接近して構築したり、無線 LANシステムが構築され ている環境において電子レンジおよび無線通信技術を利用する盗難防止装置等を 用いる場合、同じ帯域の電磁波を利用する結果、電磁波干渉 (他波干渉)の問題が 生じることがある。それとは別に反射波などによる伝送の誤りの問題 (マルチパスの問 題、自己干渉)が生じることもある。具体的には、上記の無線技術を利用する機器間 の伝送速度の低下、 BER(Bit Error Rate)の増大すなわち通信環境の劣化を生じ る。電子機器への影響も懸念され、最悪の事態では、機器の誤動作が生じるおそれ がある。これらの問題を解決するために、導電性パターン (以下単に「パターン」という 場合がある)を有するパターン層を備える電磁波吸収体 (以下「パターン電波吸収体 」と、う場合がある)が用いられて!/、る。

パターン電磁波吸収体は、たとえば特許第 3076473号 (特開平 6— 244583号公 報)、特許第 3209456号 (特開平 6— 140787号公報)、特開平 11— 204984号公 報および特開 2002— 246786号公報に開示されている。特に、特開 2002— 2467 86号公報には、斜入射特性に優れるパターン層を有する電磁波吸収体が開示され ている。さらに特開平 11— 204984号公報には、複数の共振型周波数選択性電磁 波遮断性面状体に関する記載があり、これが双峰特性を有するパターン層を有する 電磁波吸収体に関する。これら各特許文献に開示される電磁波吸収体で用いられて いるパターンの形状は、多角形または円形であって、線状または面状の形状である。 ノターンの形状につ 1、て、電磁波の偏波の電磁波吸収特性への影響につ!、て考察 した文献は見あたらな力つた。

パターン電磁波吸収体は、パターンを吸収すべき周波数の電磁波に対応する受信 アンテナとして機能させて電磁波を捉え、その捉えた電磁波をパターンおよび損失 層によって、電磁波を減衰させまたは打ち消し合うよう干渉させることで、反射波を小 さくする。このようにパターン電磁波吸収体は、吸収すべき周波数の電磁波に対して 共振するように整合させた薄型の電磁波吸収体を実現して!/、る。

パターン電磁波吸収体は、パターンの寸法を適宜設定して、吸収すべき周波数の 電磁波の反射量力、さくなるように設計されるが、パターンの偏波依存性が大きい場 合、吸収すべき周波数の電磁波に対応させることが困難になる。つまりパターンの形 状に起因して、 TE波、 TM波、その間の任意の角度力入る電磁波あるいは円偏波 によって、電磁波吸収特性、特に吸収周波数が変動するという問題、したがって電磁 波吸収特性が偏波依存性を有するという問題があった。

この原因は、パターン電磁波吸収体が、パターンの形状、数、配列、損失層の寸法 および材料定数( ε '、 ε "、 μ ")を含むパラメータが関与して最適状態^ #Jり出 し、高性能薄型電磁波吸収体を実現しているので、垂直入射の電磁波に対する吸 収特性に対する最適化設計はできているが、電磁波の入射角度や偏波の影響によ り共振状態が影響を受けやすぐ共振周波数が変動しやすいためである。

発明の開示

本発明の目的は、電磁波の吸収量のピーク値が高ぐまたは複数周波数の電磁波 を吸収することができ、かつ電磁波の偏波方向によって吸収量がピークとなる周波数 のずれが小さ!/、電磁波吸収体を提供することである。

本発明は、少なくとも 1つの角部が曲線状である略多角形の外郭形状を有する単 数または複数種類の導電性パターンを含む複数個の導電性パターンが、互いに連 結しない態様で、形成されるパターン層と、

複素比透磁率 '、 ")を有する磁性損失材および複素比誘電率( ε \ ε ")を 有する誘電損失材の少なくともいずれか一方である材料から成る部分を有する損失 層とが積層されて構成されることを特徴とする電磁波吸収体である。

また本発明は、前記角部における曲線状に形成する部分の寸法は、偏波方向の違 いによる吸収可能な周波数のずれを抑制可能な寸法の範囲内で小さい寸法に決定 されることを特徴とする。

また本発明は、導電性パターンは、面状のパターンであることを特徴とする。

また本発明は、外周長が異なる導電性パターン力組み合わされて形成されること を特徴とする。

また本発明は、角部の曲率半径が異なる導電性パターンが、組み合わされて形成 されることを特徴とする。

また本発明は、隣接する 2つの導電性パターンの間隔が、位置によって異なること を特徴とする。

また本発明は、導電性パターンは、単数または複数個の空孔部を有し、その空孔 部は吸収すべき周波数の電磁波に対して共振することを特徴とする。

また本発明は、損失層は、

磁性損失材および誘電損失材の少なくとも!、ずれか一方である材料から成る電磁 波吸収層と、

誘電体材料から成る誘電体層とを含むことを特徴とする。

また本発明は、電磁波吸収層は、有機重合体 100重量部に対して、磁性損失材料 としてフェライト、鉄合金、鉄粒子の群カゝら選ばれる 1または複数の材料を、 1重量部 以上 1500重量部以下の配合量で含むことを特徴とする。

また本発明は、誘電体層の複素比誘電率の実部/ ζ 'が 1以上 50以下の範囲にある ことを特徴とする。

また本発明は、電磁波吸収層および誘電体層は、表面抵抗率がそれぞれ 106 Ω Ζ 口以上であることを特徴とする。

また本発明は、電磁波吸収層および誘電体層の少なくともいずれか一方が、複数 層積層されていることを特徴とする。

また本発明は、 2. 4GHz帯の電磁波を吸収するための電磁波吸収体であって、 総厚力 mm以下であることを特徴とする。

また本発明は、 900MHz帯の電磁波を吸収するための電磁波吸収体であって、 総厚が 10mm以下であることを特徴とする。

また本発明は、導電性反射層が、損失層に対してパターン層と反対側に積層され ることを特徴とする。

また本発明は、難燃性または不燃性を有する電磁波吸収体である。

また本発明は、前述の電磁波吸収体を用いることによる電磁波吸収方法である。 図面の簡単な説明

本発明とこれらの目的とそれ以外の目的と、特色と利点とは、下記の詳細な説明と 図面とから一層明確になるであろう。

図 1は、方形パターンの角度による電磁波照射時の電界の発生する方向を説明す るためにパターン Pを示す正面図である。

図 2は、本発明の実施の一形態の電磁波吸収体 1の断面図である。

図 3は、図 2に示される本発明の実施の一形態の電磁波吸収体 1を構成するパター ン層 5を示す正面図である。

図 4は、図 2および図 3に示される実施の形態におけるパターン層 5の一部の拡大し た正面図である。

図 5は、本発明の実施の他の形態の電磁波吸収体 1の断面図である。

図 6は、本発明の実施のさらに他の形態の電磁波吸収体 1の断面図である。

図 7は、本発明の実施のさらに他の形態の電磁波吸収体 1を構成するパターン層 5 を示す正面図である。

図 8は、本発明の実施のさらに他の形態の電磁波吸収体 1を構成するパターン層 5 を示す正面図である。

図 9は、本発明の実施のさらに他の形態の略方形パターン 41を示す正面図である 図 10は、本発明の実施のさらに他の形態の放射形パターン 40を示す正面図であ る。

図 11は、電磁波の吸収特性のシミュレーション結果を示すグラフである。

図 12は、 R付与により吸収特性が改善した結果と、吸収周波数が高周波にシフトす ることを示すグラフ(シミュレーション結果)である。

図 13は、 2. 45GHz帯の吸収特性のシミュレーション結果と実測値を比較したダラ フである。

図 14は、吸収周波数が 2つであるシミュレーション結果を示すグラフである。

図 15は、図 14の電磁波吸収特性を示す導電性パターン、具体的には略方形バタ ーン 31の配列の一部を示す正面図である。

図 16は、曲率半径 Rの異なる略方形パターン 31の組み合せにより電磁波吸収特 性が変化するシミュレーション結果を示すグラフである。

図 17は、吸収周波数が 3つであるシミュレーション結果を示すグラフである。

図 18は、図 17の電磁波吸収特性を示す導電性パターン、具体的には略方形バタ ーン 31の配列の一部を示す正面図である。

図 19は、本発明の実施例として 900MHz帯に吸収ピークを有する電磁波吸収体 の TE波の電磁波吸収特性のグラフである。

図 20は、本発明の実施例として 900MHz帯に吸収ピークを有する電磁波吸収体 の TM波の電磁波吸収特性のグラフである。

図 21は、本発明の実施のさらに他の形態の電磁波吸収体 1を構成するパターン層 5を示す正面図である。

図 22は、本発明の実施例として 900MHz帯に吸収ピークを有する電磁波吸収体 のシミュレーション結果を示すグラフである。

発明を実施するための最良の形態

以下、添付図面を参照して、本発明に従う電磁波吸収体の好適な実施形態につい て説明する。

図 1は、パターン Pにおいて、 TE波である電磁波を受けた場合のパターン Pの方向 力 パターン P内に生じる電界に与える影響を示すパターン Pの正面図である。図 1 ( 1)に、電磁波における電界の方向(以下「偏波方向」 t 、う場合がある)に方形のバタ ーン Pを正対する位置関係に置いた場合の電界の生じ方を示し、図 1 (2)に、図 1の 位置関係からパターン Pを 45度 (° )角変位させた場合の電界の生じ方を示し、図 1 ( 3)に円形のパターン Pの場合の電界の生じ方を示している。図 1 (1)の位置関係とは 、電磁波における電界の方向に対して、平行または垂直な辺が存在する方形のバタ ーン Pの位置関係である。図 1 (2)における位置関係は、図 1 (1)の位置力も方形の 導電性パターン Pを 45度 (° )角変位させた位置関係である。方形とは、 4つの内角 が直角である四角形である。図 1における各パターン Pは、導電性パターンである。 図 1に示すように、パターン Pによって電磁波を受信したときに、パターン Pに生じる 電界の方向 Eは、パターン Pの形状によって異なるとともに、方形のパターン Pの場合 は、電磁波の偏波方向に対するパターン Pの位置関係によって異なる。図 1 (1)の場 合、パターン P内に生じる電界の方向 Eは、 1つの辺に平行な方向な直線状の方向 である。図 1 (2)および図 1 (3)の場合、パターン P内に生じる電界の方向 Eは、大略 的に双曲線状となる。

このように生じる電界の方向 Eが変わると、電磁波に対する共振周波数が変わること になる。方形のパターン Pにおいて電磁波、特に TE波および TM波を受ける場合、 図 1 (1)の配置にすると、辺付近に辺に沿って共振電流が流れやすい。これに対して 方形のパターン Pを図 1 (1)から 45度 (° )角変位させた図 1 (2)の場合および円形の パターン Pを用いる図 1 (3)の場合は、方形のパターン Pを図 1 (1)のように用いる場 合ほど、辺付近に共振電流が集中し得ないことを示している。したがって電磁波を受 信するために用いるパターンには、電磁波の偏波方向に関わらず、受信状態が一定 である円形のパターンのようなパターンと、電磁波の偏波方向によって、受信状態が 変化してしまう方形のパターンのような導電性パターンとが存在する。実際の電磁波 吸収体の使用環境では、 TE波および TM波のような直線偏波の電磁波だけでなぐ 円偏波の電磁波が存在するとともに、直線偏波の電磁波であっても偏波方向が必ず 同一の方向とは限らず、偏波方向の異なる電磁波が入り乱れた電磁波を吸収しなけ ればならいので、このような偏波方向によって受信状態が異なる偏波依存性を抑える こと、つまり偏波特性を良くすることは重要な課題となる。本発明では、この課題を解 決することができる。

さらに導電性パターンによって電磁波を受信し、損失層でエネルギを損失させる電 磁波吸収体において、導電性パターンの形状に起因する電磁波吸収特性の傾向を 分析すると、電磁波吸収量の向上と、偏波依存性を少なくすることである偏波特性の 向上とは、両立するものではなぐむしろ二律相反するものである。導電性パターンの 形状が、多角形である場合、線状であるか面状である力を問わず、導電性パターン の外郭形状に、エッジとも呼ばれる鋭角な角部を有する場合、電磁波の吸収量のピ 一ク値は高くなる力電磁波の電界の方向によって吸収量がピーク値となる周波数の ずれが大きくなつてしまう。また導電性パターンの形状が、円形である場合、線状であ るか面状であるかを問わず、電磁波の偏波方向によって吸収量がピークとなる周波 数がずれないが、電磁波の吸収量のピーク値が低くなつてしまう。

多角形などの鋭角な角部を有する導電性パターンは、円形の導電性パターンよりも

、 Q値が高くなる。 Q値は、共振周波数と帯域幅で表すことができ、 Q =共振周波数 Z帯域幅となる。帯域幅は、予め定める受信強度、たとえば共振周波数 ω θにおける 受信強度の 2分の 1以上の受信強度を有する帯域の幅である。したがって共振周波 数を ω 0とし、受信強度が共振周波数 ω 0における受信強度の 2分の 1となる共振周 波数を挟む両側の周波数をそれぞれ ω ΐ, ω 2 ( > ω 2)とすると、 Q= co OZ ( o 2— ω ΐ)で表すことができる。

この Q値は、パターン電磁波吸収体の電磁波吸収特性を示すために、電磁波吸収 量のピーク値に当てはめて表現される。 Q値が高いとは、吸収する電磁波の周波数 帯域 (以下「吸収帯域」、う場合がある)の幅は小さ!/、が、高!/、電磁波吸収量 (以下 単に「吸収量」 t 、う場合がある)のピーク値を有することを表す。また Q値が低、とは 、吸収量のピーク値は小さいが、大きい吸収帯域の幅を有することを表す。吸収帯域 は、予め定める吸収量以上の吸収量で吸収される電磁波の周波数である。

鋭角な角部を有する導電性パターンは、 Q値が高いので、吸収量のピーク値は高く なるが、吸収帯域の幅が狭くなり、偏波方向が異なることによって共振周波数のズレ が発生してしまうことになる。これは図 1 (1)の場合、そのパターン Pの辺に沿って強い 電流が生じ、その部分で共振が起こるのに対し、図 1 (2)および図 1 (3)の場合は、強 い電流が流れる経路が、図 1 (1)の場合ほど、辺に沿って集中しなくなる現象が起き ることから明らかである。言い換えれば、電流の経路が広がることで、共振に関わる半 波長の波の分布する領域が広がり、共振する条件が多くなると言える。この結果とし て吸収帯域の幅が大きくなる。方形の導電性パターンの場合、図 1 (1)のように配置 すると、辺に平行にまっすぐな方向の電界ができる力図 1 (2)のように 45度 (° )角 変位させると、円弧を描くような方向の電界が生じるため、明らかに分布が異なってい る。つまり方形の導電性パターンを用いる構成は、共振が集中して起きる結果、電磁 波吸収特性が高くなるけれども、偏波依存性を有している。このような特性は、方形 に限らず、多角形の導電性パターンを用いる構成も同様に有して、る。

本実施の形態では、導電性パターンの形状の最適化を図り、偏波依存性が小さぐ かつ電磁波吸収量を高くすることができる優れたパターン電磁波吸収体を供給する ことである。ノターン電波吸収体とは、導電性パターンを有するパターン層を備える 電磁波吸収体である。多角形の導電性パターンを用いる場合の前記欠点を改善す るために、導電性パターンの形状は、基本的には多角形である力少なくとも 1つの 角部が曲線状に形成される形状にする。角部に Rを付与する、つまり曲面状とする効 果は、共振電流が角部で滞ることなく流れやすくなることであり、さらに共振する領域 が広くなることであり、結果 Q値は若干落ちるけれども広帯域性能を示すことにより、 偏波特性が改善されることになる。

これによつて電磁波の偏波方向によって吸収量がピーク値となる周波数のずれを 小さく抑えることができる。したがって電磁波の吸収量のピーク値が高ぐかつ電磁波 の偏波方向によって吸収量がピーク値となる周波数のずれが小さい優れた電磁波吸 収特性の電磁波吸収体を実現することができる。

図 2は、本発明の実施の一形態の電磁波吸収体 1の断面図である。たとえばオフィ スなどの空間の電磁波環境を改善するこの電磁波吸収体 1は、図 2の上方である電 磁波入射側から、パターン層 5と、電磁波吸収層 4と、誘電体層 3と、導電性反射層 2 とが、電磁波入射側からこの順序で積層される構成である。パターン層 5は、複数の 導電性パターン 12を有する。導電性パターン 12は、この導電性パターン 12に含ま れる各パターン 30, 31の形状に依存して、整合周波数を調整することができる。電 磁波吸収体 1は、たとえば 2. 4GHzまたは 5. 2GHzの電磁波を吸収するために用い られる。

図 3は、図 2に示される本発明の実施の一形態の電磁波吸収体 1を構成するパター ン層 5を示す正面図である。図 4は、図 2および図 3に示される実施の形態におけるパ ターン層 5の一部の拡大した正面図である。

このパターン層 5は、板状基材 11の電磁波入射側の表面上に、導電性パターン 12 が形成される。板状基材 11は、たとえば合成樹脂である誘電体カゝら成っており、この 板状基材 11もまた誘電性の損失材である。導電性パターン 12は、放射形パターン 3 0と、略方形パターン 31とを有する。

放射形パターン 30は、放射形状に形成され、複数の放射形パターン 30が、相互に 間隔(以下「放射形パターン間隔」という) c2x, c2yをあけて設けられる。さらに具体 的に述べると、たとえばこの実施の形態では、放射形パターン 30は、相互に垂直な X 方向および y方向に沿う放射状である十文字状に形成され、 X方向に放射形パター ン間隔 c2xをあけ、 y方向に放射形パターン間隔 c2yをあけて、行列状に規則正しく 配置されてもよい。

放射形パターン 30は、図 4に仮想線で示す十文字 20を基礎として、交差部分 16 における 4つの角部 21を曲線状、具体的には円弧状にした形状である。基礎となる 十文字 20は、 X方向に細長く延びる長方形の形状部分 14と、 y方向に細長く延びる 長方形の形状部分 15とが、それらの各形状部分 14, 15の図心を重ねて、交差部分 16で直角に交差する形状である。各形状部分 14, 15は、交差部分 16において垂 直な軸線まわりに 90度ずれており、同一形状を有する。このような十文字 20に、直角 二等辺三角形であり、直角の角部に対向する斜辺が直角の角部に向けて凹となる円 弧状である 4つの略三角形 22を、直角の角部が十文字 20の各交差部分 16の角部 2 1に収まるように設けた形状である。

吸収すべき電磁波の周波数が 2. 4GHzである場合、放射形パターン 30の寸法の 一例を挙げると、各形状部分 14, 15の幅 alx, alyは、等しぐたとえば 1. Ommであ り、各形状部分 14, 15の長さ a2x, a2yは、等しぐたとえば 25. Ommである。円弧 状に形成される角部の円弧状となる寸法、したがって略三角形 22の斜辺を除く辺の 長さ、具体的には x方向の辺の長さ a3xおよび y方向の辺の長さ a3yは、等しぐたと えば 11. 5mmであり、斜辺の曲率半径 R1は、 11. 5mmである。放射形パターン間 隔は、 X方向の間隔 c2xと y方向の間隔 c2y力等しぐたとえば 4. Ommである。 略方形パターン 31は、放射形パターン 30に囲まれる領域に、放射形パターン 30 から間隔(以下「放射—方形間隔」という) clをあけて配置され、放射形パターン 30に 囲まれる領域を塗潰すように設けられる。さらに詳細には、放射形パターン部に囲ま れる領域に対応する形状に形成される。さらに具体的に述べると、たとえばこの実施 の形態では、放射形パターン部 30が前述のような十字状であり、放射形パターン 30 に囲まれる領域は長方形を基礎としる略長方形であり、これに対応する形状、つまり 放射一方形間隔 clが全周にわたって同一となる形状に形成される。各形状部分 14 , 15が前述のように同一形状である場合、放射形パターン 30に囲まれる領域は、正 方形を基礎とする略正方形となり、略方形パターン 31は、正方形 25を基礎とする略 正方形となる。略方形パターン 31は、基礎と成る正方形 25の辺部が、 X方向および y 方向の、ずれかに延びるように配置されて、る。

略方形パターン 31は、正方形 25を基礎として、 4つの角部 26を曲線状、具体的に は円弧状にした形状である。具体的には、正方形 25から、直角二等辺三角形であり 、直角の角部に対向する斜辺が直角の角部に向けて凹となる円弧状である 4つの略 三角形 27を、直角の角部が正方形の各角部 26に収まるよう位置関係で取り除!/、た 形状である。

吸収すべき電磁波の周波数が 2. 4GHzである場合、略方形パターン 31の寸法の 一例を挙げると、正方形 25の X方向の寸法 blxと y方向の寸法 blyと力等しぐたと えば 25. Ommである。弧状に形成される角部の円弧状となる寸法、したがって略三 角形 27の斜辺を除く辺の長さ、具体的には X方向の辺の長さ b2xおよび y方向の辺 の長さ b2yは、等しぐたとえば 10. Ommであり、斜辺の曲率半径 R2は 10. Ommで ある。放射—方形間隔は、 X方向の間隔 c lxと y方向の間隔 clyとが、等しぐたとえ ば 4. Ommである。

このように放射形パターン 30および略方形パターン 31は、略多角形を基礎とし、少 なくとも 1つの角部が曲線状である略多角形の外郭形状を有する導電性パターンで

ある。このようなパターンでは、電磁波を受信したときの共振電流が、曲線状に形成さ れる角部でスムーズに流れるようになる。

また放射形パターン 30および略方形パターン 31は、前述の形状の外周縁に沿つ て延びる閉ループの線状 (帯状)ではなぐ内周部も塗潰される面状のパターンであ る。したがって導電性反射層 2との間にコンデンサを形成することができる。

このような電磁波吸収体 1では、パターン層 5によって、各導電性パターン 12の共 振周波数の電磁波を、効率よく受信することができる。ただし、最終的な共振周波数 はパターン寸法だけでなぐ導電性パターン 12同士の結合特性、電磁波吸収層 4、 誘電体層 3から決定されるインピーダンスの影響を受けて決まる。このパターン層 5に 近接して、電磁波吸収層 4、誘電体層 3が設けられており、パターン層 5によって受信 される電磁波のエネルギが損失される。言、換えるならば電磁波のエネルギを熱ェ ネルギに変換して吸収することができる。このようにパターン層 5を用いることによって 電磁波を効率よく受信して吸収することができる。

電磁波吸収層 4は、複素比透磁率 '、 μ ")を有する磁性損失材および複素比 誘電率( ε '、 ε ")を有する誘電損失材の少なくともいずれか一方である材料力成 る。誘電体層 3は、複素比誘電率( ε \ ε ")を有する誘電損失材から成る。導電性 反射層 2は、板状基材の電磁波入射側の表面上に、全面にわたって導電性膜が形 成されて構成される。電磁波吸収体 1は、パターン層 5の各導電性パターン 12によつ て、その形状および寸法によって決定される共振周波数の電磁波を受信し、その電 磁波エネルギを、電磁波吸収層 4および誘電体層 3を含む損失層で損失させ、具体 的には熱エネルギに変化させて、吸収することができる。誘電体層 3を含まない構成 も可能である。

電磁波吸収体 1は、前述のような積層構成とすることによって、電磁波の吸収効率 を高くすることができるので、電磁波吸収量が大き!/、電磁波吸収特性を得ることがで き、薄型化および軽量ィ匕を図ることができる。たとえば 2. 45GHzの電磁波を吸収す るための構成で比較して、電磁波吸収体 1は、 λ Z4型の電磁波吸収体に比べて約 1Z3〜約 1Z4程度の厚さに抑える薄型化、ゴムフェライトなどを用いる単層型電磁 波吸収体に比べて約 1Z2程度の厚さに抑える薄型化および約 1Z4程度の重量に

抑える軽量ィ匕を実現することができる。また導電性パターン 12を面状のパターンとし て、導電性反射層 2との間でコンデンサを形成し、その容量を大きくして受信効率を 高ぐ電磁波吸収効率を高くすることができる。

また電磁波吸収体 1は、電磁波遮蔽板としての導電性反射板 2を設ける構成とする 。この導電性反射板 2を設けない場合には、電磁波遮蔽性能を有する物体の面上に 設置するよう構成とする。これによつて、パターン層 5の形状および寸法などの決定、 つまり設計が容易になる。この場合導電性反射板 2を用いる構成では、電磁波吸収 体 1の設置場所の影響を受けて、導電性パターン 12, 30, 31の共振周波数が変化 することが防がれる。たとえば電磁波吸収体 1 (導電性反射板 2を積層しない構成)を 、導電性を有さない建物内装材の上に設けても、その内装材の固有の複素比誘電 率などの影響を受けて、パターン (受信アンテナ)の共振周波数が変化してしまうこと があるが、それを防ぐことができる。

また導電性パターン 12において、放射形パターン 30は、前述のように放射状に延 びる部分を相互に突合せるように配置され、略方形パターン 31は、放射形パターン 3 0に囲まれる領域に対応する形状に形成される。このような配置は、受信原理の異な る(放射形パターンがダイポールアンテナ、方形パターン力 Sパッチアンテナとなる。 )、 放射形パターン 30と方形パターン 31を組み合わせることで、受信効率が最適 (高く なる)となる組み合わせである。したがって吸収効率の高い、電磁波吸収体を実現す ることができる。また放射形パターン 30が X方向および y方向に沿って放射する配置 であるとともに略方形パターン 31の基礎となる正方形の辺部が X方向および y方向に 延びるように配置されており、 X方向および y方向に電界の方向が存在するように偏 波する電磁波の受信効率が高くすることができる。

電磁波吸収体 1では、電磁波を受信する導電性パターン 12が、基本的に多角形で ある略多角形の外郭形状を有しており、電磁波吸収量のピーク値を、導電性パター ンの外郭形状が円形の場合と比べて、電磁波吸収量のピーク値を高くすることができ る。このように基本的には多角形であり、少なくとも 1つの角部が曲線状に形成される 。これによつて電磁波の偏波方向によって吸収量がピークとなる周波数のずれを小さ く抑えることができる。したがって電磁波の吸収量のピーク値が高ぐかつ電磁波の偏

波方向によって吸収量がピーク値となる周波数のずれが小さい優れた電磁波吸収特 '性を得ることができる。

このように本実施の形態の電磁波吸収体 1は、パターン層 5の導電性パターン 12に よって、アンテナの共振原理に従って特定周波数の電磁波を受信する。言い換えれ ば、本発明の電磁波吸収体は、電磁波を吸収する以外に、近くに金属(導電性反射 層 2)の存在する状態で、導体パターン 12が受信アンテナとしても有効に動作する機 能を有している。ここで特定周波数は、導電性パターン 12の形状および寸法などの 諸元によって決定される周波数であり、電磁波吸収体 1によって吸収すべき周波数 である。電磁波を導電性パターン 12で受信すると、導電性パターン 12の端部に共振 電流が流れることになる。この電流が流れることで、電流のまわりに磁界が発生する。 磁束密度は、電流に近いほど大きい状態で分布する。このパターン層 5の近くに磁性 損失材を有する損失層を設けると、磁界をエネルギ的に損失させることができる。こ のように電磁波のエネルギを熱エネルギに変化させて吸収することができる。本実施 の形態では、損失層は、電磁波吸収層 4および誘電体 3を含む。

さらに電磁波吸収体 1を表面部が導電性材料力成る物体に装着して用いる、また は損失層に対してパターン層 5と反対側に導電性反射層をさらに設けるなど、パター ン層と導電性の層の間に損失層を介した積層状態で用いることによって、パターン層 5の導電性パターン 12と、導電性の層(導電性材料から成る物体の表面層または導 電性反射層)の間にコンデンサを構成することができる。この導電性パターン 12と導 電性の層との距離を短くすると、コンデンサの容量を大きくすることができる。またバタ ーン相互間にもコンデンサを形成することができる。このようにパターン電磁波吸収体 では、コンデンサを利用することによりリアクタンス調整機能が付与されることで薄型 化を達成することができる。

図 5は、本発明の実施の他の形態の電磁波吸収体 1の断面図である。この実施の 形態は、前述の図 2〜図 4の実施の各形態に類似し、対応する部分には同一の参照 符を付す。特にこの実施の形態では、電磁波入射側から、電磁波吸収層 4、パター ン層 5、誘電体層 3と、導電性反射層 2とが、この順序で積層して構成される。そのほ かの構成は、前述の実施の形態と同様である。

本発明の電磁波吸収量 (反射損失量)の計算は、コンピュータシミュレーションで行 つている。シミュレーションは、 TLM法を用い、 KCC社製「Micro— StripesJを使用し ている。その計算に当たり、電磁波吸収層 4のたとえば 2. 4GHzの材料定数は、複 素比誘電率の実部 ε ' = 12. 2、複素比誘電率の虚部 ε " = 1. 13、複素比透磁率 の実部 , = 1. 02、複素比透磁率の虚部/ ζ " = 0. 48であり、厚みは 0. 5mmとした 。誘電体層 3のたとえば 2. 4GHzの材料定数は ε ' = 3. 79、 ε " = 0. 03であり、厚 みは 2. Ommとした。つまり、 2. 4GHz帯の電磁波吸収体として厚さ 2. 5mm厚(透 磁率を有する層としては、 0. 5mm厚)の薄型を実現している。しかし材料定数およ び厚みは、これらの数値に限定されることはなぐ任意の組合せを選択できる。たとえ ば、さらなる薄型化のためにはや μ 'を向上させることによる波長短縮効果にて、 総厚を 0. 5mmや 1. Ommのものも製造することが可能である。

図 6は、本発明の実施のさらに他の形態の電磁波吸収体 1の断面図である。この実 施の形態は、前述の図 2〜図 4の実施の形態に類似し、対応する部分には同一の参 照符を付す。特にこの実施の形態では、パターン層 5の電磁波入射側(図 6の上方) には、前述のようにさらに表面層 6が形成されてもよい。構成は、図 5および図 6に示 す構成に限定されるものではない。たとえば、電磁波入射側から、電磁波吸収層 4、 パターン層 5、電磁波吸収層 4、誘電体層 3、導電性反射層 2の順に構成したものな ども可能である。

本発明の実施の形態としては、電波の入射する方向からパターン層 5、電磁波吸収 層 4、誘電体層 3、導電性反射層 2の順である積層体、電磁波吸収層 4、パターン層 5 、誘電体層 3、導電性反射層 2の順の積層体、電磁波吸収層 4、パターン層 5、電磁 波吸収層 4、誘電体層 3、導電性反射層 2の順である積層体、パターン層 5、誘電体 層 3、導電性反射層 2の順である積層体、パターン層 5、誘電体層 3、導電性反射層 2 の順である積層体等がある。これらに限定されるものではなぐ様々な態様の積層体 が含まれる。またこれらの積層体は主要な層を抽出したものであり、必ずしもこの通り に並ぶ必要もなぐ例えば各層の間に接着層や支持体あるいは保護層などが入って も同様の効果が得られる。また接着剤に配合することで、接着層と誘電体層 3や電磁 波吸収層 4を兼ねることも可能である。

本発明の実施のさらに他の形態では、電磁波吸収体は、図 2〜図 6の実施の各形 態における導電性反射層 2を含まず、このような導電性反射層 2を含まない電磁波吸 収体が、誘電体層 3の電磁波入射側(図 5および図 6の上方)とは反対側(図 5および 図 6の下方)で、電磁波遮蔽性能を有する面上に設置されるように構成されてもよ!ヽ。 電磁波遮蔽性能を有する面は、たとえば導電性反射層 2と同様な構成を有してもよく 、たとえば金属板などによって実現されてもよい。このような構成は、導電性反射層 2 を有する電磁波吸収体と同様の電磁波吸収特性を達成することができる。

図 7は、本発明の実施のさらに他の形態の電磁波吸収体 1を構成するパターン層 5 を示す正面図である。本実施の形態では、図 3および図 4に示すパターン層 5に代え て、図 7に示すパターン層 5を用いる。その他の構成は、図 2〜図 6の構成と同様であ る。図 3および図 4に示すパターン層 5の導電性パターン 12は、放射形パターン 30と 、略方形パターン 31とを有していた力図 7のパターン層 5の導電性パターン 12は、 略方形パターン 31だけを有する。このような構成であっても同様の効果を達成するこ とがでさる。

図 8は、本発明の実施のさらに他の形態の電磁波吸収体 1を構成するパターン層 5 を示す正面図である。本実施の形態では、図 3および図 4に示すパターン層 5に代え て、図 8に示すパターン層 5を用いる。その他の構成は、図 2〜図 6の構成と同様であ る。図 3および図 4に示すパターン層 5の導電性パターン 12は、放射形パターン 30と 、略方形パターン 31とを有していた力図 8のパターン層 5の導電性パターン 12は、 放射形パターン 30だけを有する。このような構成であっても同様の効果を達成するこ とがでさる。

図 9は、本発明の実施のさらに他の形態の略方形パターン 41を示す正面図である 。本実施の形態では、図 3、図 4および図 7に示す略方形パターン 31に代えて、図 9 に示す略方形パターン 41を用いる。その他の構成は、図 2〜図 7の構成と同様であ る。図 3、図 4および図 7に示す略方形パターン 31は、面状パターンであったけれども 、図 9の略方形パターン 41は、外周縁に沿うつて延びる閉ループの線状(帯状)のパ ターンである。このような構成であっても、導電性反射層 2との間に形成されるコンデ ンサの容量は小さくなるが、同様の効果を達成することができる。

図 10は、本発明の実施のさらに他の形態の放射形パターン 40を示す正面図であ る。本実施の形態では、図 3、図 4および図 8に示す放射形パターン 30に代えて、図 10に示す放射形パターン 40を用いる。その他の構成は、図 2〜図 6および図 8の構 成と同様である。図 3、図 4および図 8に示す放射形パターン 30は、面状パターンで あったけれども、図 10の略放射形パターン 40は、外周縁に沿って延びる閉ループの 線状 (帯状)のパターンである。このような構成であっても、導電性反射層 2との間に 形成されるコンデンサの容量は小さくなるが、同様の効果を達成することができる。 図 11は、電磁波の吸収特性のシミュレーション結果を示すグラフである。電磁波吸 収体 1の構成としては、図 2の構成としている。図 11において、横軸は、周波数を示し 、縦軸は反射損失を示す。反射損失は、値力、さくなるほど、電磁波の吸収量が大 きいことを示す。正方形、角部を円弧状にした略正方形、円形のパターンを、図 7の ように並べた電磁波吸収体について、反射特性を求めた。角部の曲率半径以外の 条件は、全て一致している。

添え字「a」「b」に拘わらず、符号 50を付すライン 50a, 50bは、正方形パターンの電 磁波吸収特性を示す。添え字「a」「b」に拘わらず、符号 51を付すライン 5 la, 51bは 、円形パターンの電磁波吸収特性を示す。添え字「a」「b」に拘わらず、符号 52を付 すライン 52a, 52bは、正方形を基礎として角部を小さい曲率半径の円弧状としたパ ターンの電磁波吸収特性を示す。添え字「a」「b」に拘わらず、符号 53を付すライン 5 3a, 53bは、正方形を基礎として角部を中間的な曲率半径の円弧状としたパターン の電磁波吸収特性を示す。添え字「a」「b」に拘わらず、符号 54を付すライン 54a, 5 4bは、正方形を基礎として角部を小さい曲率半径の円弧状としたパターンの電磁波 吸収特性を示す。各パターンについて、偏波方向が 45度 (° )異なる電磁波に対す る電磁波吸収特性を、添え字「a」、「b」で区別して示す。

正方形パターン (R無)では、 Q値が高ぐ電磁波の吸収量のピーク値 (ピーク吸収 量)は大きいが、吸収量の大きい周波数帯域が小さぐこの帯域を、目的とする吸収 すべき周波数に合うように調整するために手間をようする。し力も電磁波の偏波方向 によって、電磁波の吸収量がピークとなる周波数 (ピーク周波数)力大きくずれ、偏 波特性が悪い。円形のパターンでは、偏波特性は、極めて良好であるが、 Q値が低く 、ピーク吸収量が小さい。これに対して、正方形を基礎として、角部を曲線状にした パターン (R付正方形)では、ピーク吸収量が大きくかつ偏波特性の良好である。 図 11から明らかなように、正方形を基礎として、角部を曲線状にしたパターンにお いて、角部における曲線状に形成する部分の寸法には、偏波方向の違いによる吸収 可能な周波数のずれを抑制可能、つまり円形と同程度の偏波特性を得られる範囲が 存在している。図 11の場合、 3つの角部の曲率半径のうち、大きい側の 2つの半径の パターンでは、良好な偏波特性が得られている。ピーク吸収量は、角部の曲率半径 が小さくなればなるほど、大きくなつているので、円形と同程度の偏波特性を得られる 範囲内で、可及的に小さい寸法の曲率半径で曲線状にすることが好ましい。図 11の 場合の略方形パターン 31の対応する正方形 25の辺長は 8mmであり、偏波方向に 平行な辺を有する配置である試料力^度 (° )位置の場合(図中の実線、以下「0度( ° )偏波」と、う場合がある)、 R= 2の場合の反射損失が— 17dB、 R= 3の場合の反 射損失が— 14dBであり、前記 0度 (° )の位置力も資料を 45度 (° )角変位させた場 合(図中の破線、以下「45度 (° )偏波」という場合がある)でもほとんど吸収周波数の ずれはなぐ偏波特性が良好であることがわかる。

反射損失は、電磁波吸収体に入射した電磁波が電磁波吸収体で反射するとヽぅ視 点で見た場合の損失であって、電磁波が電磁波吸収体によって吸収されることによ る損失を表しており、電磁波吸収体における電磁波の吸収量に対応する値である。 反射損失は、負の値で表わされており、反射損失の絶対値が電磁波の吸収量となる

図 12は、正方形を基礎として、角部を曲線状にした導電性パターンにおいて、角 部における曲線状に形成する部分の寸法による電磁波吸収特性の変化を示すダラ フである。図 12は、導電性パターンの角部に曲線状の部分を設けることによって、 Q 値も増し、反射損失が大きくなり、電磁波吸収特性が改善される例を示している。図 1 2の例では、導電性パターンの一辺長は 20mmである。

曲率半径 R= Ommである場合、 0度 (° )偏波の電磁波の反射損失は、線 60で示 され、ピーク値が— 23dB (2. 6GHz)であるが、曲率半径 R= 2mmの場合、 0度(° )偏波の電磁波の反射損失は、線 61で示され、ピーク値が— 32dB (2. 65GHz)と なる。このように R付与(曲線部形成)により、共振電流の流れもスムーズとなり、 Q値 が増したものと考えられる。このことは方形パターンが常に Q値の最も高い状態にある ことではないことを示している。曲率半径 Rをさらに大きくすると今度は反射損失の値 が小さくなり、高周波数側にシフトする傾向も見られる。曲率半径 R= 10mmの場合 では、 0度 (° )偏波の電磁波の反射損失は、線 63で示され、ピーク値が曲率半径 R = Ommの場合を下回っている。したがって反射損失を改善するためには曲率半径 R の範囲は、 lmm<R< 20mmが良好であるといえる。

曲率半径 R= Ommである場合の 45度 (° )偏波の電磁波の反射損失を、線 63で 示し、曲率半径 R= 2mmである場合の 45度 (° )偏波の電磁波の反射損失を、線 6 4で示し、曲率半径 R= 10mmである場合の 45度 (° )偏波の電磁波の反射損失を、 線 65で示す。そして曲率半径 R=4mmである場合の 0度 (° )偏波の電磁波の反射 損失を、線 66で示し、曲率半径 R=4mmである場合の 45度 (° )偏波の電磁波の反 射損失を、線 67で示す。偏波特性も含めた、反射損失改善効果は曲率半径 R=4m mが最も優れている。(反射損失は— 29dB)これらの結果から、パターン形状に Rを 付与することで吸収周波数の高周波数側へのシフト制御と、さらには Q値の最適化も 達成でき得る場合があることを示しており、電磁波吸収特性の調整手段として有効な 手段であることがわかる。さらに 45° 傾けた場合 (45° 偏波)の吸収特性のずれを計 算すると、 R付与の改善効果は確かに確認される。

本実施の形態では、前記角部における曲線状に形成する部分の寸法は、偏波方 向の違いによる吸収可能な周波数のずれを抑制可能な寸法の範囲内で小さい寸法 に決定される。このような構成によって、角部における曲線状に形成する部分を可及 的に小さくすることができる。これによつて図 11および図 12から明らかなように、電磁 波の偏波方向によって吸収量がピークとなる周波数のずれを抑制したうえで、電磁 波の吸収量のピーク値をできるだけ高くすることができる。つまり角部の曲線の曲率 半径が大きくなるとパターン形状は円に近づき、最終的に円になる。それに応じて Q 値は下がり、電磁波吸収特性は低下していく傾向にある力偏波特性は良くなつてい く。したがって前記角部における曲線状に形成する部分の寸法を、偏波方向の違い による吸収可能な周波数のずれを抑制可能な寸法の範囲内で小さい寸法に決定す

ること〖こよって、電磁波吸収特性を高ぐしかし偏波特性を良くするように曲率半径 R の大きさを最適化したパターン形状として、る。したがって極めて優れた電磁波吸収 特性の電磁波吸収体を実現することができる。

図 13は、 R付与した略方形パターン 31を用いた図 7のパターン配列による電磁波 吸収体 1の電磁波吸収特性の計算値と実測値とを比較して示すグラフである。線 70 は、 0度 (° )偏波の電磁波の電磁波吸収特性の計算値を示し、線 71は、 45度 (° ) 偏波の電磁波の電磁波吸収特性の計算値を示す。線 72は、 0度 (° )偏波 TE波の 電磁波の電磁波吸収特性の実測値を示し、線 73は、 0度 (° )偏波 TM波の電磁波 の電磁波吸収特性の実測値を示す。線 74は、 45度 (° )偏波 TE波の電磁波の電磁 波吸収特性の実測値を示し、線 75は、 45度 (° )偏波 TM波の電磁波の電磁波吸 収特性の実測値を示す。

この略方形パターン 31を用いた電磁波吸収体 1は、 2. 45GHzに電磁波吸収ピー クを合わせるように設計している。計算値では、約 17dBの反射損失がみられ、 45 度 (° M頃けた場合の吸収特性のずれもほとんど見あたらな力つた。実測値は、 TE波 および TM波に対して、 0度 (° )と 45度 (° )回転した状態での、自由空間法による 電磁波吸収特性である。実測値の反射損失 (電磁波吸収量に相当)は、—15〜― 1 9dB (TE波および TM波、 0° および 45° 偏波を含めて)で計算値との差は少なぐ 帯域幅は実測値の方が若干大きくなつている。 R付与効果により、偏波特性に優れ た吸収特性が観察された。

図 14は、 R付与した略方形パターン 31のサイズが異なるものを配列し、 2つの周波 数の電磁波吸収を狙った電磁波吸収体 1の電磁波吸収特性を示すグラフである。図 15は、図 14の電磁波吸収特性を示す導電性パターン、具体的には略方形パターン 31の配列の一部を示す正面図である。本発明の実施の他の形態として、外周長が 異なる導電性パターン力組み合わされて形成される。本実施の形態では、略方形 パターン 31として、対応する正方形 25の辺長が 10mmの第 1の略方形パターン 31a と、対応する正方形 25の辺長が 24mmの第 2の略方形パターン 31bとを、図 15に示 す辺長が 27mmの正方形パターン単位を、 x方向および y方向に鏡面を当てるように 繰り返して配置し、ノターン層 5を形成している。換言すれば、第 1の略方形パターン 3 lbを巿松模様状に配置し、第 1の略方形パターン 31b間に、第 2の略方形パターン 3 laを行列状にして 4つずつ配置している。

図 14において、実線 70は、 0度 (° )偏波の電磁波吸収特性を示し、破線 71は、 4 5度 (° )偏波の電磁波吸収特性を示す。この電磁波吸収体 1では、反射損失 (電磁 波吸収特性)は、 2. 45GHzと 5. 2GHzとにおいて共に約— 10dBの 2つの吸収ピー クを示している。さらに 45度 (° M頃けた場合の吸収特性のずれを計算すると、ほとん どずれのないことがわかり、 R付与の改善効果は確かに確認される。

表 1は、曲率半径 Rの異なる略方形パターン 31を組み合わせた場合の電磁波吸収 特性を比較して示す。

[表 1]


図 16は、曲率半径 Rの異なる略方形パターン 31を組み合わせた場合の電磁波吸 収特性を比較して示すグラフである。本発明の実施の他の形態として、角部の曲率 半径が異なる導電性パターンが、組み合わされて形成される。本実施の形態では、 図 7に示す略方形パターン 31を並べる構成において、 X方向および y方向に隣接す る略方形パターン 31同士で、曲率半径 Rが異なる構成であり、各角部の曲率半径 R が第 1の値である略方形パターン 31と、各角部の曲率半径 Rが第 2の値である略方 形パターン 31とが、巿松模様状に並べて配置される。第 1の値と第 2の値とは異なる 。曲率半径 Rは、図 7の説明に用いている図 3および図 4における略方形パターン 31 の角部における曲率半径 R1に相当する力、便宜上「R」を用いる。

図 16には、図 7のように略方形パターン 31を並べた構成において、 X方向および y 方向に隣接する略方形パターン 31の曲率半径 Rの差異による電磁波吸収特性を示 す。図 16において、各線 100〜103は、一辺の長さが 23mmである正方形の各角部 を、曲線状に形成した構成の電磁波吸収特性を示す。なお正方形の間隔は 6mmで

ある。破線 100は、 X方向および y方向に隣接する略方形パターン 31の曲率半径 R は、同一の 7mmである場合の電磁波吸収特性を示す。実線 101は、 x方向および y 方向に隣接する略方形パターン 31のうち、一方の略方形パターン 31の各角部の曲 率半径 Rが 6mmであり、かつ他方の略方形パターン 31の各角部の曲率半径 Rが 8 mmである場合の電磁波吸収特性を示す。点線 102は、 x方向および y方向に隣接 する略方形パターン 31のうち、一方の略方形パターン 31の各角部の曲率半径 Rが 5 mmであり、かつ他方の略方形パターン 31の各角部の曲率半径 Rが 9mmである場 合の電磁波吸収特性を示す。一点鎖線 103は、 X方向および y方向に隣接する略方 形パターン 31のうち、一方の略方形パターン 31の各角部の曲率半径 R力 mmであ り、かつ他方の略方形パターン 31の各角部の曲率半径尺が 10mmである場合の電 磁波吸収特性を示す。

破線 100は、表 1の「1種類」と記す構成の電磁波吸収特性を示す。実線 101は、 表 1の「2種類 1」と記す構成の電磁波吸収特性を示す。点線 102は、表 1の「2種類 2 」と記す構成の電磁波吸収特性を示す。一点鎖線 103は、表 1の「2種類 3」と記す構 成の電磁波吸収特性を示す。表 1において、吸収帯域の広さは、反射損失が、 - 20 dB、—15dB、一 10dB、一 6dB以上である周波数帯域の幅を示す。

隣接する略方形パターン 31の角部の曲率半径 Rを異ならせることで、略方形バタ ーン 31の外周長が異なり、それに応じて共振周波数が異なる。隣接する略方形バタ ーン 31の角部の曲率半径尺が、同一の場合と異なる場合との電磁波吸収特性の差 異は、たとえば曲率半径 Rを大きくすれば、その割合に応じて略方形パターン 31の 外周長が短くなり、共振周波数が高周波数にシフトするというような単純な差異では ない。図 16から明らかなように、隣接する 2つの略方形パターン 31の曲率半径 Rを、 合計値が一定となるように保持して、差を大きくすると、電磁波の吸収周波数は、低 周波数側にシフトする。吸収周波数は、吸収量がピーク値となる周波数である。 し力も隣接する 2つの略方形パターン 31の曲率半径 Rの差が小さい場合、図 16に 示す例では差が 2mmの場合は、電磁波吸収量のピーク値は、隣接する 2つの略方 形パターン 31の曲率半径 Rが同一である場合の吸収量のピーク値を維持したまま吸 収帯域が広くなる。この吸収帯域が広くなる現象は、隣接する導電性パターンの間隔 が比較的に近い場合に、言い換えれば導電性パターン同士の干渉効果が見られる 距離にある場合に、生じることが本件発明者によって確認されている。隣接する 2つ の略方形パターン 31の曲率半径 Rの差をさらに大きくすると、電磁波吸収量のピーク 値はあまり低下せずに低周波数に吸収周波数がシフトする。図 16に示す例では、特 に曲率半径の差力 S4mm以下の場合は、電磁波吸収量のピーク値は、隣接する 2つ の略方形パターン 31の曲率半径 Rが同一である場合の吸収量のピーク値を維持し ている。

このように隣接する 2つの略方形パターン 31の曲率半径 Rは、電磁波吸収体の設 計パラメータとして有効に寄与することが明らかである。隣り合う導電性パターン同士 の干渉および影響によって、特異な現象が生じている。角部の曲率半径 Rの差に起 因する共振周波数が近い複数の導電性パターンを組み合わせることにより、吸収帯 域および吸収周波数が変化する。隣接する導電性パターンの角部の曲率半径 Rを 異ならせることによって、隣接する導電性パターンの互いに及ぼし合う効果によって、 隣接する導電性パターンの角部の曲率半径 Rを同一にする場合と比べて、吸収量の ピーク値を維持したまま、吸収周波数を変更することができる。

このように隣接する導電性パターンの角部の曲率半径 Rを異ならせる構成によれば 、角部の曲率半径が同一の導電性パターンだけを形成する場合に対して、電磁波吸 収量のピーク値を低下させずに吸収帯域を変更することができる。たとえば隣接する 導電性パターンの角部の曲率半径に若干の差を与えることによって、電磁波吸収体 の吸収量のピーク値を低下させずに吸収帯域を広げることができ、またたとえば隣接 する導電性パターンの角部の曲率半径に少し大きい差を与えることによって、電磁波 吸収体の吸収量のピーク値を低下させずに吸収する電磁波の周波数 (以下「吸収周 波数」とヽぅ場合がある)を低くすることができる。

図 17は、 R付与した略方形パターン 31の中に空孔部 (スロットアンテナ部) 75を設 け、その空孔部 75の中にさらに小サイズの略方形パターン 31を配置したパターン層 5を有する電磁波吸収体 1の電磁波吸収特性を示すグラフである。図 18は、図 17の 電磁波吸収特性を示す導電性パターンの配列の一部を示す正面図である。この例 では、略方形パターン 31として、対応する正方形 25の辺長が 24mmであり、外郭に 対して 45度 (° )傾斜した方向の略方形 (4つの角部が曲線状)の空孔部 75が形成 される第 1の略方形パターン 31cと、この第 1の略方形パターン 31cと同一の方向に 配置されて空孔部 75の内側に形成される第 2の略方形パターン 3 Idとが設けられる 。空孔部 75の辺長は、 16mmであり、第 2の略方形パターン 31dは、 10mmである。 図 17には、図 18に示すパターン単位を、 X方向および y方向に繰り返して複数配 列させたパターン層 5を用いた電磁波吸収体 1の反射損失の計算結果を示す。図 17 において、実線 80は、 0度 (° )偏波の電磁波吸収特性を示し、破線 81は、 45度 (° )偏波の電磁波吸収特性を示す。この場合の電磁波吸収体 1では、 1. 8GHzで 3 . 5dB、 5. 4GHz【こて 9dB、 7. 5dBで 18dBと各アンテナ【こ応じて 3つの帯域で の電磁波吸収が見られる。 45° 傾けた場合の吸収特性のずれを計算すると、ほとん どずれのないことがわかり、 R付与の改善効果は確かに確認される。

図 17および図 18に示す構成によれば、導電性パターンである第 1の略方形パター ン 31cに空孔部 75が設けられ、この空孔部自体をまた受信アンテナとして機能させる ことができる。つまり外周長に対応する周波数に共振する略方形パターン 31cに、内 周長に対応する周波数に対して共振するスロットパターン (スロットアンテナ部) 75を 設けることができ、 1つの導電性パターンである略方形パターン 31cによって、異なる 複数 (2以上)の周波数に対して共振することができる。これにより 1つの導電性バタ ーンの外周長と、それに形成される 1つのスロットパターンの内周長とにそれぞれ対 応する 2つの周波数の電磁波を吸収する双峰特性の電磁波吸収体を得ることができ る。

また 1つの導電性パターンに複数のスロットパターンを形成し、各スロットパターンの 内周長が異なる場合は、 1つの導電性パターンによって、スロットパターンの数 + 1の 数の周波数の電磁波を吸収する多峰特性の電磁波吸収体を得ることができる。さら に繰り返してスロットパターンの内方に他の導電性パターンを設けることが可能であり 、それを共振アンテナとして別の周波数の電磁波に対応させることができ、さらに吸 収周波数を増加させて、 1つの導電性パターンに 1つのスロットパターンを形成し、そ の理論上 3つ以上の周波数の電磁波を吸収する多峰特性の電磁波吸収体を得るこ とができる。この場合も、高吸収特性だけでなぐ導電性パターンの角部に曲線状を

設けることで偏波特性を改善することができる。この操作の繰り返しによりさらに多数(

4つ以上)の周波数の電磁波を吸収することが可能となる。

本発明での電磁波吸収体 1の製造方法は、たとえば次のような方法である。パター ン層 5は、アルミ蒸着 PETフィルム(フィルム厚 = 25 μ m、アルミ厚 600〜800オン ダストローム)でエッチング法により所定形状の導電性パターンを形成して製造してヽ る。電磁波吸収層 4は、 SBS (スチレン 'ブタジエン 'スチレン共重合体)榭脂 100部 にフェライトを 340部、カーボンブラックを 50配合して他の充填剤と共に混練し、 0. 5 mm厚にシーティングして形成している。誘電体層 3は、 SBS (スチレン 'ブタジエン' スチレン共重合体)榭脂に無機系および他の充填剤 (磁性損失材は使用しない)を 充填して混練後、 2. Omm厚にシーティングして形成される。各層の材料定数は、 φ 7 X φ 3のリング状にカ卩ェし、同軸管法によりネットワークアナライザ一により測定し、 所望の材料定数になるように配合を調整している。他の充填剤としては、難燃剤、老 化防止剤、加工助剤、無機充填剤などを適宜使用している。

これらの各層を、接着剤を介して積層し、接着反応が完了後、 50cm X 50cmの寸 法に裁断した。

フェライトとしては、たとえば Mn— Znフェライト、 Ni— Znフェライト、 Mn— Mgフェラ イトなどのソフトフェライト、あるいは永久磁石材料であるハードフェライトが挙げられる 。鉄合金としては、たとえば磁性ステンレス (Fe Cr— Al— Si合金)、センダスト(Fe Si— A1合金)、パーマァロイ(Fe Ni合金)、ケィ素銅(Fe Cu— Si合金)、 Fe— Si—B (— Cu— Nb)合金、 Fe Si—Cr合金、 Fe Ni—Cr— Si合金等が挙げられ る。なお、これら合金においては扁平状のものを用いてもよい。鉄粒子としては、たと えばカルボ-ル鉄粉が挙げられる。カルボニル鉄の場合はできるだけ真球に近!、も のがよい。磁性材料であれば、その形状に制限はなぐ塊状、扁平状、繊維状等を適 宜用いることができる。好ましくは低コストで複素比透磁率の高いソフトフェライト粉末 を使用するのがよい。フェライトの様な磁性損失材が存在しないと、複素比透磁率を 利用した薄層化を達成することができない。また、電磁波吸収層 4が磁性体そのもの で形成されてもよい。この場合は、フェライトなどの軟磁性焼結体やそれらのメツキ物 、金属化合物や金属酸化物の層を形成する方法が採用される。

また、電磁波吸収層 4、もしくは必要ならば誘電体層 3にも含まれる誘電損失材料 は、グラフアイト、カーボンブラック、炭素繊維、グラフアイト繊維、金属粉、金属繊維 の群カゝら選ばれる材料である電磁波吸収体である。電磁波吸収層 4は磁性損失材料 を必須の成分として含むが、インピーダンス整合のためには適宜な複素比誘電率を 付与することも好ましい。この目的で、電磁波吸収層 4もしくは必要なら誘電体層 3に 充填される誘電損失材料としては、たとえばファーネスブラックやチャンネルブラック などのカーボンブラック、ステンレス鋼や銅やアルミニウム等の導電粒子や繊維、ダラ ファイト、カーボン繊維、グラフアイト繊維、酸ィ匕チタン等が挙げられる。本発明で好ま しく使用する誘電性材料は、カーボンブラックであり、特に窒素吸着比表面積 (AST M (American Society for Testing and Materials) D3037- 93)力 100〜: LOOOm2 Zg、 DBP吸油量 (ASTM D2414— 96)が 100〜400mlZl00gであるカーボン ブラック、たとえば昭和キャボット社製の商品名 IP1000およびライオン'ァクゾ社製商 品名ケッチェンブラック ECなどを使用するのが好ましい。 DBP吸油量というのは、可 塑剤の一種である DBP (dibutyl phthalateの略)の吸収量(単位 cm3/100g)である

電磁波吸収層 4および誘電体層 3に使用される有機重合体の材料 (ビヒクル)として は、合成樹脂、ゴム、および熱可塑性エラストマ一を使用している。たとえばポリェチ レン、ポリプロピレン、およびこれらの共重合体、ポリブタジエンおよびこれらの共重合 体等のポリオレフイン、ポリウレタン、ポリ塩化ビュル、ポリ酢酸ビュル、エポキシ榭脂、 フエノール榭脂、メラミン榭脂などの熱可塑性榭脂または熱硬化性榭脂ゃビチュメン 等が挙げられる。ポリ尿酸などの生分解性を有する榭脂も使用可能である。またガラ ス繊維などの材料が充填された FRPとなってヽても良、。

電磁波吸収層 4は、前記有機重合体以外の、石膏材、セメント材、または不織布や 発泡体、紙、段ボール等に磁性を有する塗料等を含浸させたものであってもよぐ充 填材を配合することが可能な材料を適宜選択することもできる。

誘電体層 3は、有機重合体の材料を使用したものに限定されることなぐ複素比誘 電率を有し、導電性を示さないものであればどのような材料でも使用可能である。たと えば、木材、合板、紙、石膏、セメント、粘土、砂、土、不織布、リサイクル榭脂、不燃

ボード、ビチュメン、アスファルト、発泡体等が用いることができる。

電磁波吸収層 4が接着剤層を兼ねることも可能である。たとえばエポキシ榭脂にフ ライトや誘電損失材を配合させて、パターン層 5、誘電体層 3、導電性反射層 2の各 界面や積層で用いる場合の各層の間に位置させることができる。この場合、電磁波 吸収層 4および誘電体層 3を交互に複数、積層した構成をとることができることも前述 したとおりである。

このとき、電磁波吸収層 4や誘電体層 3に難燃性を付与するためには、所定量の難 燃剤および難燃助剤を配合することになる。難燃性の尺度としては、 UL94V0を満 たすことが要求される。難燃剤としては特に限定されることはなぐリンィ匕合物、ホウ素 化合物、臭素系難燃剤、亜鉛系難燃剤、窒素系難燃剤、水酸化物系難燃剤等が適 宜量使用できる。リン化合物としては、リン酸エステル、リン酸チタンなどが挙げられる 。ほう素化合物としては、ホウ酸亜鉛などが挙げられる。臭素系難燃剤としては、へキ サブロモベンゼン、デカブロモベンジルフエ-ルエーテル、デカブロモベンジルフエ

-ルオキサイド、テトラブロモビスフエノール、臭化アンモ-ゥムなどが挙げられる。亜 鉛系難燃剤としては、炭酸亜鉛、酸ィ匕亜鉛若しくはホウ酸亜鉛等が挙げられる。窒素 系難燃剤としては、たとえばトリアジンィ匕合物、ヒンダードァミン化合物、若しくはメラミ ンシァヌレート、メラミングァ-ジンィ匕合物と!/、つたようなメラミン系化合物などが挙げ られる。水酸ィ匕物系難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸ィ匕アルミニウムなどが 挙げられる。難燃性や不燃性を付与する場合に、パターン層 5や導電性反射層 2に 用いる PETフィルムが問題となる。基本的に PETフィルムの難燃ィ匕は難しぐチヤ一( 炭化層)の様な不燃材料で覆うことが考えられる。それ以外の方法としては、パターン 層 5に対して導電性パターンのみを電磁波吸収層 4に転写して、 PETフィルムを剥離 してしまう構成や、導電性反射層 2に対しては PETフィルムの代わりにガラス繊維や ガラスクロスに金属箔を加えた層を使うことで対応する。

本発明で実施した難燃配合は、電磁波吸収層 4が結合材としての PVCが 100 (phr )に対して、炭酸カルシウム 70 (phr)、難燃剤 (丸菱油化工業株式会社製ノンネサン SAN— 1) 20 (phr)をベースに分散剤、可塑剤、フェライト、黒鉛などを配合している 。さらに誘電体層 3は結合材として再生 PVCIOO (phr)、炭酸カルシウム 140 (phr) 、難燃剤 (丸菱油化工業株式会社製ノンネサン SAN— 1) 10 (phr)等を配合して!/ヽ る。いずれの層も UL94の V— 0相当の難燃性を示した。なおこの配合で作成したパ ターン電波吸収体は、製品として防炎規格を合格している。

ノターン層 5および導電性反射層 2は、金、白金、銀、ニッケル、クロム、アルミ-ゥ ム、銅、亜鉛、鉛、タングステン、鉄などの金属であってもよぐ榭脂に上記金属の粉 末、導電性カーボンブラックの混入された榭脂混合物、あるいは導電性榭脂のフィル ム等であってもよい。上記金属等を、板、シート、フィルム、不織布等に加工されたも のであってもよい。あるいはまた合成樹脂性フィルム上に、膜厚たとえば 600 Aの金 属層が形成された構成を有してもよい。金属箔をフィルムもしくはクロスなどの基材に 転写したものでもよい。また、導電インク (たとえば抵抗率 10 ΩΖ口以下 0. 5 ΩΖ口 以上)を基材もしくは電磁波吸収体 4もしくは誘電体層 3上に塗布してもよい。

電磁波吸収特性はフリースペース法による。フリースペース法は、自由空間に置か れた測定試料である電磁波吸収体 1に平面波を照射し、そのときの反射係数、透過 係数を、周波数、入射角度、偏波を変化させて測定し、材料の複素比誘電率および 複素比透磁率を得る測定方法であり、こうして得られた複素比誘電率および複素比 透磁率とから、電磁波吸収体 1の電磁波吸収量 (反射損失)を計算して求める。この とき TE波、 TM波、さらに試料を 45° 回転させた状態での測定を行っている。使用し た測定機器は、ネットワークアナライザー(アジレントテクノロジ一社製商品名 HP872 0ES)であり、アンテナはダブルリジッドアンテナである。電磁波吸収体 1である測定 試料の矩形の各辺のサイズは 500 X 500 (mm)および 1000 X 1000 (mm)である。 図 6にある表面層 6は、図 6の順に積層したものだけでなぐ他の積層順で構成され る電磁波吸収体 1の場合でも上に載せられることがある。表面層 6の具体例は、壁紙 、タイルカーペット、タイル、不燃ボード、合板、化粧板、塗装面、榭脂板、布製品、紙 類等がある。基本的に電磁波シールド性を有する導電性の材料以外の材料なら、全 て上 (パターン層の外側)に積層することが可能である。これらの厚みがたとえば lm m以下のように薄、と電磁波吸収特性にほとんど影響しな、ものの、厚、場合ゃ複 素比誘電率が高い場合は、電磁波吸収特性の最適化のための再設計が必要になる 。しかし、この再設計で調整すれば、所望の電磁波吸収特性を発揮することができる 本発明にて対象とする電磁波は、用途によって決定されるものである力たとえば 9 OOMHz帯における少なくとも一部の周波数の電磁波であって、さらに具体的には、 950MHz以上 956MHz以下の範囲を含む周波数の電磁波である。前記遮断の対 象とする電磁波の周波数は例示であり、例示の周波数以外の周波数の電磁波を遮 断する構成でも本発明に含まれる。 900MHz帯とは、 880MHz以上 1000MHz未 満の周波数範囲である。各構成層の材料特性はこれらの周波数範囲ではほとんど差 がなく推移し、本発明での数値をそのまま使うことができる。

また 2. 4GHz帯の周波数の電磁波を吸収の対象とすることがある。 2. 4GHz帯は 、 2400MHz以上 2500MHz未満の電磁波である。具体的には RFID用の 2400M Hz以上 2483. 5MHz以下の範囲を含む周波数の電磁波である。

これらの周波数は、 UHF帯(300MHz〜3GHz)、 SHF帯(3GHz〜30GHz)及 び EHF帯(30GHz〜300GHz)の中であれば任意の単数あるいは複数の周波数を 選択することができる。つまり吸収の対象となる電磁波は、 300MHz以上 300GHz 以下の周波数の電磁波を含む。

最後に、 950MHz帯に吸収特性を有するパターン電波吸収体のパターン形状と 積層構成、配合を示す。パターン形状は図 3に示す構成で、 alx=aly= l. Omm、 a2x=a2y= 17. 5mm、 blx=bly= 20. 5mm、 c2x=c2y= 9. Omm、cl = l. 5 mm、放射形パターン 30における略三角形部分 22の曲率半径 Rl = 7. 5mm、略方 形パターン 31における角部の曲率半径 R2 = 7. Ommとした。電磁波吸収体層 4の 配合は、 PVC (株式会社カネ力、 KS1700) lOO (phr)、フェライト (JFEフェライト株 式会社製 LD— M) 430 (phr)、黒鉛 (日本黒鉛株式会社製青 P 35 (phr)をベース に可塑剤、分散剤、炭酸カルシウム等を添加している。構成は、パターン層(アルミ蒸 着 PETフィルム)、電磁波吸収体層 4 (2. 5mm)、誘電体層 3として合板(6. 5mm)、 導電性反射層(アルミ蒸着 PETフィルム)の積層とした。

表 2は、自由空間法で測定した TE波および TM波の電磁波吸収特性を示す。

[表 2]

T E波 T M波

入射角度 1 0度 3 0度 4 5度 1 0度 3 0度 4 5度 吸収周波数 0 . 9 5 0 . 9 5 1 . 0 0 0 . 9 5 1 . 0 5 1 . 0 5

( G H z )

吸収量の

ピーク値 2 0 2 0 1 6 2 5 3 0 2 2 ( d B )

図 19は、自由空間法で測定した TE波の電磁波吸収特性を示すグラフである。図 2 0は、自由空間法で測定した TM波の電磁波吸収特性を示すグラフである。図 19に おいて、実線 110は、入射角が 10度 (° )の場合の電磁波吸収特性を示し、破線 11 1は、入射角が 30度 (° )の場合の電磁波吸収特性を示し、一点鎖線 112は、入射 角が 45度 (° )の場合の電磁波吸収特性を示す。図 20において、実線 120は、入射 角が 10度 (° )の場合の電磁波吸収特性を示し、破線 121は、入射角が 30度 (° ) の場合の電磁波吸収特性を示し、一点鎖線 122は、入射角が 45度 (° )の場合の電 磁波吸収特性を示す。前述の構成の電磁波吸収体は、たとえば入射角が 10度 (° ) で入射する TE波に対して 20dBの電磁波吸収量を示し、入射角が 10度 (° )で入射 する TM波に対して 25dBの電磁波吸収量を示した。異方性も少なぐ高吸収性能を 示すことがわ力つた。図 19および図 20ならびに表 2から明らかなように、放射形バタ ーン 30および略方形パターン 31の寸法、電磁波吸収層 4の材質を適宜選択するこ とによって、 950MHzの電磁波を吸収する電磁波吸収体 1を得られることが明らかで ある。

図 21は、本発明の実施のさらに他の形態の電磁波吸収体 1を構成するパターン層 5を示す正面図である。図 22は、図 21に示すパターン層 5を備える電磁波吸収体 1 の電磁波吸収特性を示すグラフである。さらに薄型化を示す 950MHz帯に吸収特 性を有するパターン電波吸収体のパターン形状と積層構成、配合を示す。パターン 形状は、図 21に示すように、ほぼ図 3に示す構成であって、異なる点は、寸法が異な る点であり、対応する部分に同一の符号を付す。本実施の形態では、放射形パター ン 30と略方形パターン 31との各曲率に差を付け、 2つのパターン 30, 31の間隔 cl を連続的に差を変化させている。導体パターン寸法は、 alx = aly= l. Omm、 a2x = a2y= 20. Omm、 blx=bly= 25mm、 c2x=c2y= 7. Omm、 cl = 0. 5mm以 上 2. 5mm以下、放射形パターン 30における略三角形部分 22の曲率半径 Rl =6. 5mm、略方形パターン 31における角部の曲率半径 R2= 10. 5mmとした。放射形 パターン 30と略方形パターン 31との間隔 clは、これらパターン 30, 31間の隙間が 延びる方向の両端部に比べて、中間部が大きくなるように、連続的に変化している。 電磁波吸収体層 4の配合は、塩素化ポリエチレン(昭和電工株式会社、エラスレン 30 1NA) 100 (phr)、カルボ-ル鉄(BASF製 EW— 1) 650 (phr)をベースに可塑剤、 分散剤、炭酸カルシウム等を添加している。構成は、パターン層(アルミ蒸着 PETフィ ルム)、電磁波吸収体層 4 (1. 2mm)、誘電体層 3 (3. 2mm)、導電性反射層(アルミ 蒸着 PETフィルム)の積層とした。電磁波吸収層 4及び誘電体層 3の 950MHzの材 料定数は、後に示す表 3の通りである。つまり、 950MHz帯の電磁波吸収体として厚 さ 4. 4mm厚 (透磁率を有する層としては、 1. 2mm厚)の薄型を実現している。その シミュレーションによる電磁波吸収量は図 22の通りである。図 22には、線 200によつ て電磁波吸収量を示す。 925MHz帯にて 19. 5dBの吸収量の結果を得ることがで きた。

図 21に示すように、隣接する 2つの導電性パターンである放射形パターン 30と略 方形パターン 31との間隔 clが、位置によって異なる構成とすることができる。これに よって放射形パターン 30と略方形パターン 31との間隔 clを一定にする場合に比べ て、電磁波吸収量を大きくすることができる。したがって隣接する導電性パターンの 角部の曲率半径を変え、導電性パターン間の間隔を連続的に変化する態様とすれ ば、吸収周波数を低周波数にシフトさせ、吸収量も増加させることも可能となる。 表 3は、前述の実施例に用いた電磁波吸収層 4および誘電体層 3の材料定数なら びに厚みを示す。表 3において電磁波吸収層 4を、単に「吸収層」と記している。

[表 3]


前述の実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内で構成を変更す ることができる。本発明は、導電性パターンの角部を曲線状にすることが大きな特徴 であるが、全ての導電性パターンの角部を曲線状に形成しなくてもよぐ一部の導電 性パターンについてだけ、曲線状の角部を有する形状であってもよい。また導電性 パターンの角度を曲線状に形成する場合、全ての角部を曲線状にしてもよいし、一 部の角部だけを曲線状にしてもよい。

また導電性パターンは、略多角形の面状の形状であってもよいし、略多角形の外 周縁に沿って延びる閉ループの線状の形状であってもよい。

また電磁波吸収層は、有機重合体 100重量部に対して、磁性損失材料としてフ ライト、鉄合金、鉄粒子の群力も選ばれる 1または複数の材料を、 1重量部以上 1500 重量部以下の配合量で含む構成とすることができる。このような構成にすれば、損失 層に複素比透磁率 '、 μ ")を付与することができ、導体パターンの周囲に発生す る磁界を効率よぐエネルギ的に減衰することが可能となる。

また誘電体層の複素比誘電率の実部 μ 'が 1以上 50以下の範囲にある構成とする ことができる。このような構成にすれば、誘電体層及び電磁波吸収体の誘電率を任 意に制御することができ、導電性パターンの小型化や、電磁波吸収体の薄型化に寄 与することができる。

また 2. 4GHz帯の電磁波を吸収するための電磁波吸収体として、総厚が 4mm以 下である構成とすることができる。このような構成にすれば、導電性パターンが 2. 4G Hz帯の電磁波に対して共振アンテナとして機能することができる。したがって電磁波 吸収体における電磁波吸収効率を高くすることができ、電磁波吸収体の薄型化が可 會になる。

また 900MHz帯の電磁波を吸収するための電磁波吸収体として、総厚が 10mm 以下である構成とすることができる。このような構成にすれば、導電性パターンが 900 MHz帯の電波に対して共振アンテナとして機能することができる。したがって電磁波 吸収体における電磁波吸収効率を高くすることができ、電磁波吸収体の薄型化が可 會になる。

本発明は、次の実施の形態が可能である。

( 1)少なくとも 1つの角部が曲線状である略多角形の外郭形状を有する単数または 複数種類の導電性パターンが、互いに連結しない態様で、複数個配列して形成され るパターン層と、

複素比透磁率 '、 ")を有する磁性損失材および複素比誘電率( ε \ ε ")を 有する誘電損失材の少なくともいずれか一方である材料カゝら成る損失層とが積層さ れて構成されることを特徴とする電磁波吸収体。

優れた電磁波吸収特性の電磁波吸収体を実現することができる。その理由につい て、以下に詳細に述べる。

導電性パターンを用いる電磁波吸収体における薄型化のメカニズムを以下に説明 する。まずパターン層の導電性パターンによって、アンテナの共振原理に従って特定 周波数の電磁波を受信する。ここで特定周波数は、導電性パターンの形状および寸 法などの諸元によって決定される周波数であり、電磁波吸収体によって吸収すべき 周波数である。電磁波を導電性パターンで受信すると、導電性パターンの端部に共 振電流が流れることになる。この電流が流れることで、電流のまわりに磁束が発生す る。磁束は、電流源に近いほど多くなり、磁束密度の大きい状態で分布する。このパ ターン層に近接して磁性損失材を有する損失層を設けると、磁界エネルギを損失さ せることができる。このように電磁波のエネルギを熱エネルギに変化させて吸収するこ とがでさる。

さらに電磁波吸収体を表面部が導電性材料力成る物体に装着して用いる、また は損失層に対してパターン層と反対側に導電性反射層をさらに設けるなど、パターン 層と導電性の層の間に損失層を介した積層状態で用いることによって、パターン層の 導電性パターンと、導電性の層(導電性材料から成る物体の表面層または導電性反 射層)の間にコンデンサを構成することができる。この導電性パターンと導電性の層と の距離を短くすると、コンデンサの容量を大きくすることができる。またパターン相互 間にもコンデンサを形成することができる。このようにパターン電磁波吸収体ではコン デンサを利用することによりリアクタンス調整機能が付与されることで薄型化を達成す ることがでさる。

さらに電磁波を受信する導電性パターンが、基本的に多角形である略多角形の外 郭形状を有しており、電磁波吸収量のピーク値を、導電性パターンの外郭形状が円 形の場合と比べて、電磁波吸収量のピーク値を高くすることができる。

この理由は、多角形パターンの場合、 Q値が円形パターンよりも高くなるためである 。まず Q値について説明すると、共振の Q値は帯域幅で表すことができる。両者の関 係は、 Q =共振周波数 Z帯域幅となる。したがって、 Q値が高いということは、帯域幅 が狭いことになる。

この関係は、パターンを用いる電磁波吸収体の電磁波吸収量のピーク値に当ては めて表現される。つまり多角形パターンの Q値が高いとは、狭い帯域ながら高い電磁 波反射減衰量 (電磁波吸収量のピーク値)を持つことであり、 Q値が低いとは、広い 吸収帯域を示すものの電磁波反射減衰量 (電磁波吸収量のピーク値)は低、ことを 表している。

多角形パターンの Q値が高い裏返しとして吸収帯域が狭くなり、偏波の影響により 共振周波数のズレが発生してしまうことになる。これは方形(四角形)パターンに 0° の電界 (偏波がない状態)がかかると、方形パターンの辺に沿って強い電流が流れ、 その部分で共振が起こるのに対し、方形パターンで電界を 45° 傾けた場合や、円形 パターンの場合は、強い電流が流れる経路力方形パターンの 0° のときほど細く縁 に集中しなくなる現象が起きることにより説明できる。いいかえれば、電流の経路が広 がることで、共振に関わる半波長の波の分布する領域が広がり、共振する条件が多く なるといえる。この結果として帯域幅が稼げると考えている。たとえば方形パターンの 場合、電磁波 (TE波)を受けると辺に平行にまっすぐに電界ができる力方形を 45° 回転させた場合は、電磁波 (TE波)を受けた場合のパターン内の電界は円弧を描く 様に生じるため、明らかに分布が異なっている。つまり方形 (多角形)パターンは共振 が集中して起きる結果、電磁波吸収特性が高くなるものの、偏波依存性を発現しや すい欠点があった。

この欠点を改善するために、パターン形状は基本的には多角形である力少なくと も 1つの角部が曲線状に形成されるものとする。ここで角部に Rを付与する、つまり曲 面状とする効果は、共振電流が角部で滞ることなく流れやすくなることであり、さらに 共振する領域が広くなることであり、結果 Q値は若干落ちるものの広帯域性能を示す ことにより、偏波特性が改善されることになる。これによつて電磁波の偏波方向によつ て吸収量がピークとなる周波数のずれを小さく抑えることができる。したがって電磁波 の吸収量のピーク値が高ぐかつ電磁波の偏波方向によって吸収量がピークとなる 周波数のずれが小さい優れた電磁波吸収特性の電磁波吸収体を実現することがで きる。

導電性パターンは、略多角形の面状の形状であってもよいし、略多角形の外周縁 に沿って延びる閉ループの線状の形状であってもよい。

基本的に多角形であり、少なくとも一部の角部を曲線状とすることによって、電磁波 の吸収量のピーク値が高ぐかつ電磁波の偏波方向によって吸収量がピークとなる 周波数のずれが小さい優れた電磁波吸収特性の電磁波吸収体を実現することがで きる。

(2)前記角部における曲線状に形成する部分の寸法は、偏波方向の違いによる吸 収可能な周波数のずれを抑制可能な寸法の範囲内で小さい寸法に決定されること を特徴とする電磁波吸収体。

角部における曲線状に形成する部分を可及的に小さくすることができる。これによ つて電磁波の偏波方向によって吸収量がピークとなる周波数のずれを抑制したうえ で、電磁波の吸収量のピーク値をできるだけ高くすることができる。つまり角部の曲線 の曲率半径 Rが大きくなるとパターン形状は円に近づき、最終的に円になる。それに 応じて Q値は下がり、電磁波吸収特性は低下していく傾向にあるが、偏波特性は良く なっていく。本発明では、電磁波吸収特性を高ぐしかし偏波特性を良くするように曲 率半径 Rの大きさを最適化したパターン形状として、る。したがって極めて優れた電 磁波吸収特性の電磁波吸収体を実現することができる。

電磁波の偏波方向によって吸収量がピークとなる周波数のずれを抑制したうえで、 電磁波の吸収量のピーク値をできるだけ高くすることができる。

(3)導電性パターンは、面状のパターンであることを特徴とする電磁波吸収体。 電磁波吸収体を表面が導電性の材料から成る物体に装着して用いる、また導電性 の反射層をさらに設けて用いるなど、パターン層が、導電性の層に積層される状態で 用いることによって、パターン層の導電性パターンと、導電性の層とによって、コンデ ンサを構成することができる。さらに面状のパターンであるので、コンデンサの容量を 大きくすることができる。面状の導電性パターンは容量の大きなコンデンサを形成し 易ぐ導電性パターンを用いる電磁波吸収体の薄型化に効果を有すリアクタンス調 整機能を有効に活用することができる。

導電線パターンによる電磁波の受信効率を高くし、電磁波吸収体における電磁波 吸収量を高くすることができる。

(4)導電性パターンの組み合わせによって、 2つ以上の周波数の電磁波を吸収で きることを特徴とする電磁波吸収体。

導電性パターンは特定周波数の電磁波に対して共振アンテナとして機能する。そ して面状パターンの場合は、外周長が特定周波数の波長に対応するように設計され ている。すると、パターンのサイズを 2つ以上の電磁波の周波数に対応させた複数種 類を配列した場合、 2つ以上の周波数の電磁波を吸収する双峰特性の電磁波吸収 体を実現することができる。この場合も、高吸収特性だけでなぐパターン形状の角部 に曲線状を設けることで偏波特性を改善することができる。

ノターン形状の組合せにより複数周波数の電磁波の受信を可能とし、 2つまたは 2 つ以上の電磁波の吸収をすることができる。

(5)導電性パターンは、単数または複数個の空孔部を有し、その空孔部は吸収す べき周波数の電磁波に対して共振することを特徴とする電磁波吸収体。

たとえば面状パターンの内部に空孔部を設け、この空孔部自体をまた受信アンテ ナとして機能させることができる。つまり共振パッチアンテナである面状パターンの内 部にスロットパターン (スロットアンテナ)を設けることができる。これにより 2つの周波数 の電磁波を吸収する双峰特性の電磁波吸収体を得ることができる。さらに繰り返して スロットパターンの内部に面状パターンを設けることで、それを共振アンテナとして別 の周波数の電磁波に対応させることができ、理論上 3つの周波数の電磁波を吸収す る多峰特性の電磁波吸収体を得ることができる。この場合も、高吸収特性だけでなく 、ノターン形状の角部に曲線状を設けることで偏波特性を改善することができる。こ の操作の繰り返しによりさらに多数 (4つ以上)の周波数の電磁波を吸収することが可 能となる。

導電性パターンに空孔部を形成することによって、複数周波数の電磁波の受信を 可能とし、 2つまたは 2つ以上の電磁波の吸収をすることができる。

(6)損失層は、

磁性損失材および誘電損失材の少なくとも!、ずれか一方である材料から成る電磁 波吸収層と、

誘電体材料から成る誘電体層とを含むことを特徴とする電磁波吸収体。

損失層における電磁波の吸収を良好にすることができる。したがって電磁波吸収体 における電磁波吸収効率を高くすることができ、電磁波吸収体の薄型化が可能にな る。

損失層における電磁波の吸収を良好にし、電磁波吸収量を高くすることができる。

(7)電磁波吸収層および誘電体層は、表面固有抵抗率がそれぞれ 106 Ω Zロ以 上であることを特徴とする電磁波吸収体。

電磁波吸収層および誘電体層の表面抵抗率 CFIS K6911準拠)が導電性といわ れるレベル(10一4〜 Κ^ Ω Ζ口)に比べて十分高ぐこれらの層がいわゆる電磁波シ 一ルド性を有さないものである。この結果、特定周波数の電磁波を高い効率で内部 に取り込み、熱エネルギーに変換することができることになる。

電磁波を反射することなぐ好適に吸収することができる。

(8)電磁波吸収層および誘電体層の少なくともいずれか一方が、複数層積層され て 、ることを特徴とする電磁波吸収体。

電磁波吸収層と誘電体層が積層体として構成される場合も、さらに電磁波吸収層 および誘電体層が交互に積層される場合も想定してヽる。たとえば誘電体層として不 燃ボード、熱硬化性榭脂、難燃紙や合板の薄板を用い、電磁波吸収層として接着性 榭脂の中に磁性損失材を配合した接着剤層を用いる場合に、接着剤層の必要厚さ を得るために厚塗りをすることになると、専用設備を要することになり、コストアップに つながる。薄塗りを多層化しても電磁波吸収層としての効果は得られるため、既存設 備で薄塗りをして積層数を増やした交互積層を採用すれば、新規専用設備は不要と なる。

各層の薄型複層化により、既存設備を使用して、低価格で製造することができる。

(9)導電性反射層が、損失層に対してパターン層と反対側に積層されることを特徴 とする電磁波吸収体。

電磁波吸収体の装着場所の制限が少なくなり、たとえば表面が非導電性材料から 成る物体に装着して用い、電磁波を吸収することができる。したがって利便性が向上 する。

利便性の高、電磁波吸収体を得ることができる。

(10)前述の電磁波吸収体を用いることによる電磁波吸収方法。

前述のように優れた電磁波吸収体を用いることによって、好適に電磁波を吸収する ことができる。

前述の電磁波吸収体の具体的な用途としては、オフィスなどの電磁波環境空間の 形成する床材、壁材、天井材として、あるいは家具や事務機器の金属面の被覆材と して、あるいは衝立等として、本発明に従う電磁波吸収体を配置することにより、電磁 波環境の改善を行う。具体的には、自波干渉や他波干渉による電子機器 (医療用機 器)の誤動作防止、人体保護、無線 LAN (2. 4GHz帯、 4. 9GHz帯、 5. 2GHz帯 等)および DSRC、 ETC (5. 8GHz)等の伝送遅延対策や電磁波通信環境の保全 対策である。またミリ波帯の電磁波を使用する ITS関係の移動物体間の無線通信の 電磁波通信環境の改善にも使用できる。そして電磁波環境については、オフィスだ けではなぐ家庭内、病院、コンサートホール、工場、研究施設、駅舎、展示場、道路 側壁等の屋外施設等でも利用できる。それぞれ想定できる環境での壁、床、天井、 柱、パネル、広告板、スチール製品等において、必要とされる箇所ごとに利用できる

前述のように優れた電磁波吸収体を用いて、好適に電磁波を吸収することができる

本発明は、その精神または主要な特徴力も逸脱することなぐ他のいろいろな形で 実施することができる。したがって、前述の実施形態は、あらゆる点で単なる例示に すぎず、本発明の範囲は、請求の範囲に示すものであって、明細書本文には何ら拘 束されない。

さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内の ものである。

産業上の利用可能性

本発明によれば、優れた電磁波吸収特性の電磁波吸収体を実現することができる 。電磁波吸収体では、まずパターン層の導電性パターンによって、アンテナの共振 原理に従って特定周波数の電磁波を受信する。ここで特定周波数は、導電性パター ンの形状および寸法などの諸元によって決定される周波数であり、電磁波吸収体に よって吸収すべき周波数である。電磁波を受信する導電性パターンを有するパター ン層に積層して、損失層を設けるので、受信した電磁波のエネルギを損失層によつ て損失させることができる。このようにして電磁波を吸収することができる。

さらに電磁波を受信する導電性パターンが、基本的に多角形である略多角形の外 郭形状を有し、かつ少なくとも 1つの角部が曲線状に形成される。角部に Rを付与す る、つまり曲線状とすることによって、電磁波の偏波方向によって電磁波吸収量 (以 下単に「吸収量」 t 、う場合がある)がピーク値となる周波数のずれを小さく抑えて、偏 波特性を良好にすることができる。したがって電磁波の吸収量のピーク値が高ぐ力 つ電磁波の偏波方向によって吸収量がピーク値となる周波数のずれが小さい優れた 電磁波吸収特性の電磁波吸収体を実現することができる。

ノターン層は、全ての導電性パターンが曲線状の角部を有する構成であってもよ いが、全ての導電性パターンが曲線状の角部を有する構成でなくてもよぐ一部の導 電性パターンが曲線状の角部を有する構成であればょ、。一部の導電性パターンが 曲線状の角部を有する場合には、その他の導電性パターンは、曲線状の角部の有 無について限定されるものではない。さらに曲線状の角部を有する導電性パターン は、一部の角部だけが曲線状であってもよいし、全ての角部が曲線状であってもよい 。また導電性パターンは、略多角形の面状の形状であってもよいし、略多角形状に 延びる閉ループの線状の形状であってもよ、。

本発明によれば、角部における曲線状に形成する部分を可及的に小さくすることが できる。これによつて電磁波の偏波方向によって吸収量がピークとなる周波数のずれ を抑制したうえで、電磁波の吸収量のピーク値をできるだけ高くすることができる。つ まり電磁波吸収量のピーク値が高ぐかつ偏波特性を良くするように曲率半径 Rの大 きさを最適化したパターン形状として、る。したがって極めて優れた電磁波吸収特性 の電磁波吸収体を実現することができる。

本発明によれば、電磁波吸収体を表面が導電性の材料から成る物体に装着して用 いる、また導電性の反射層をさらに設けて用いるなど、パターン層が、導電性の層に 積層される状態で用いることによって、パターン層の導電性パターンと、導電性の層 とによって、コンデンサを構成することができる。さらに面状のパターンであるので、コ ンデンサの容量を大きくすることができる。面状の導電性パターンは容量の大きなコ ンデンサを形成しやすぐコンデンサを形成することによってリアクタンスを調整し、導 電性パターンを用いる電磁波吸収体を薄型化することができる。

本発明によれば、導電性パターンは特定周波数の電磁波に対して共振アンテナと して機能する。導電性パターンは、外周長が特定周波数の波長に対応するように設 計されて!、る。したがって外周長の異なる導電性パターンを形成することによって、 外周長にそれぞれ対応する 2つ以上の電磁波の周波数に対して共振する。これによ つて 2つ以上の周波数の電磁波を吸収する多峰特性の電磁波吸収体を実現するこ とができる。この場合も、高吸収特性だけでなぐパターン形状の角部に曲線状を設 けることで偏波特性を改善することができる。

本発明によれば、角部の曲率半径が異なる導電性パターンを形成することによって 、角部の曲率半径が同一の導電性パターンだけを形成する場合に対して、電磁波吸 収量のピーク値を低下させずに吸収する電磁波の周波数帯域 (以下「吸収帯域」と いう場合がある)を変更することができる。吸収帯域の変更は、吸収帯域を広くするこ とおよび吸収周波数の変更を含む。たとえば隣接する導電性パターンの角部の曲率 半径に若干の差を与えることによって、電磁波吸収体の吸収量のピーク値を低下さ せずに吸収帯域を広げることができ、またたとえば隣接する導電性パターンの角部の 曲率半径に少し大きい差を与えることによって、電磁波吸収体の吸収量のピーク値 を低下させずに吸収する電磁波の周波数 (以下「吸収周波数」 t 、う場合がある)を 低くすることができる。

本発明によれば、隣接する 2つの導電性パターンの間隔を一定にする場合に比べ て、電磁波吸収量を大きくすることができる。

本発明によれば、導電性パターンに空孔部が設けられ、この空孔部自体をまた受 信アンテナとして機能させることができる。つまり外周長に対応する周波数に共振す る導電性パターンに、内周長に対応する周波数に共振するスロットパターン (スロット アンテナ)を設けることができ、異なる複数 (2以上)の周波数に対して共振することが できる。これにより 2つ以上の周波数の電磁波を吸収する多峰特性の電磁波吸収体 を得ることができる。さらに繰り返してスロットパターンの内方に他の導電性パターンを 設けることが可能であり、それを共振アンテナとして別の周波数の電磁波に対応させ ることができ、理論上 3つ以上の周波数の電磁波を吸収する多峰特性の電磁波吸収 体を得ることができる。この場合も、高吸収特性だけでなぐパターン形状の角部に曲 線状を設けることで偏波特性を改善することができる。この操作の繰り返しによりさら に多数 (4つ以上)の周波数の電磁波を吸収することが可能となる。

本発明によれば、損失層における電磁波の吸収を良好にすることができる。したが つて電磁波吸収体における電磁波吸収効率を高くすることができ、電磁波吸収体の 薄型化が可能になる。

本発明によれば、損失層に複素比透磁率( '、 μ ")を付与することができ、導体 パターンの周囲に発生する磁界を効率よく、エネルギ的に減衰することが可能となる

本発明によれば、誘電体層および電磁波吸収体の誘電率を任意に制御することが でき、導電性パターンの小型化および電磁波吸収体の薄型化に寄与することができ る。

本発明によれば、電磁波吸収層および誘電体層の表面抵抗率 CFIS K6911準拠 )が導電性と!/、われるレベル( 10一4〜 101 Ω Ζ口)に比べて十分高ぐこれらの層がヽ わゆる電磁波シールド性を有さないものである。この結果、特定周波数の電磁波を高 い効率で内部に取り込み、熱エネルギーに変換することができることになる。また、電 磁波を反射することなぐ好適に吸収することができる。

本発明によれば、電磁波吸収層と誘電体層が積層体として構成される場合も、さら に電磁波吸収層および誘電体層が交互に積層される場合も想定している。たとえば 誘電体層として不燃ボード、熱硬化性榭脂、難燃紙や合板の薄板を用い、電磁波吸 収層として接着性樹脂の中に磁性損失材を配合した接着剤層を用いる場合に、接 着剤層の必要厚さを得るために厚塗りをすることになると、専用設備を要することにな り、コストアップにつながる。薄塗りを多層化しても電磁波吸収層としての効果は得ら れるため、既存設備で薄塗りをして積層数を増やした交互積層を採用すれば、新規 専用設備は不要となる。各層の薄型複層化により、既存設備を使用して、低価格で

製造することができる。

本発明によれば、導電性パターンが 2. 4GHz帯の電磁波に対して共振アンテナと して機能することができる。したがって電磁波吸収体における電磁波吸収効率を高く することができ、電磁波吸収体の薄型化が可能になる。

本発明によれば、導電性パターンが 900MHz帯の電波に対して共振アンテナとし て機能することができる。したがって電磁波吸収体における電磁波吸収効率を高くす ることができ、電磁波吸収体の薄型化が可能になる。

本発明によれば、電磁波吸収体の装着場所の制限が少なくなり、たとえば表面が 非導電性材料から成る物体に装着して用い、電磁波を吸収することができる。したが つて利便性が向上する。

本発明によれば、積層体である電磁波吸収体に難燃性または不燃性が与えられる 。積層体としての電磁波吸収体に難燃性または不燃性を与えるにあたっては、たとえ ば電磁波吸収層および吸収体層の少なくとも一層に難燃性または不燃性を付与す るなどして実現することができる。このように電磁波吸収体に難燃性または不燃性を 付与することによって、電磁波吸収体を、内装材または内装材を構成する材料として 好適に用いることができる。

本発明によれば、前述のように優れた電磁波吸収体を用いることによって、好適に 電磁波を吸収することができる。

前述の各本発明の電磁波吸収体の具体的な用途としては、あくまで一例として述 ベると、オフィスなどの電磁波環境空間を形成する床材、壁材および天井材として、 あるいは家具および事務機器の金属面の被覆材として、ある、は衝立等として用い ることができる。これらの用途に、本発明に従う電磁波吸収体を配置することにより、 電磁波環境を改善することができる。さらに具体的には、自波干渉および他波干渉 による電子機器 (医療用機器)の誤動作防止、電磁波力ゝらの人体保護を目的として 用いることができる。さらに無線 LAN (2. 4GHz帯、 4. 9GHz帯、 5. 2GHz帯等)、 I Cタグ(950MHz帯、 2. 4GHz帯)、 DSRC、 ETC (5. 8GHz帯)および船舶のレー ザ(9. 4GHz帯、 3GHz帯)などにおける伝送遅延対策および電磁波通信環境の保 全対策に用いることができるし、さらにレーザ偽像防止対策に用いることができる。ま たミリ波帯の電磁波を使用する ITS関係の移動物体間の無線通信の電磁波通信環 境の改善にも用いることができる。そして電磁波環境については、オフィスだけでは なぐ一般家屋、病院、コンサートホール、工場、研究施設、駅舎、展示場、道路側壁 、船舶、航空機、コンテナ、トラック、倉庫、物流センター、百貨店、駐車場、ガソリンス タンド、コンビ-エンスストア、店舗などの屋内外施設等でも利用できる。それぞれ想 定できる環境での壁、床、天井、柱、パネル、広告板、スチール製品、机、パーティシ ヨン、棚、支柱、設備、金属製部材などにおいて、必要とされる箇所毎に利用できる。 前記の具体的な用途は、あくまで例示であり、本発明がこの用途に限定されるもので はなぐ電磁波の吸収を目的とするありとあらゆる用途で広く用いることができる。