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1. (WO2006035706) 薬効評価用動物、薬効評価用動物の慢性閉塞性肺疾患発症方法及びその動物を用いた薬効評価方法
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明 細 書

薬効評価用動物、薬効評価用動物の慢性閉塞性肺疾患発症方法及び その動物を用いた薬効評価方法

技術分野

[0001] 本発明は、鼻腔、及び咽頭には炎症がなぐ慢性閉塞性肺疾患を発症した薬効評 価用動物、その薬効評価用動物の慢性閉塞性肺疾患発症方法及びかかる薬効評 価用動物を用いた薬剤の薬効評価方法に関する。

背景技術

[0002] 従来、抗慢性閉塞性肺疾患物質の薬効評価方法としては、タバコ煙を慢性閉塞性 肺疾患の発症要因として実験動物に吸引させ、実験的に慢性閉塞性肺疾患を発症 した薬効評価用動物を作製し、薬剤の評価を行っていた (例えば、特許文献 1参照) 。力かる文献に開示される薬効評価動物は、 6週齢マウスに Kentucky Reference

Cigarette 1R1力発生する主流煙を、 1〜4時間 Z日、 5日 Z週ずつ計 6ヶ月吸 入させて作製しており、試験開始力薬物評価を行うまで長期間を要し、効率的な薬 効評価を行えな、欠点を有してヽた。

また、タバコ煙を吸入させる方法では、口腔、或いは鼻腔を経由することから、慢性 閉塞性肺疾患部以外での炎症反応を併発させる可能性があり、選択的に患部の特 定された薬効評価動物を発症させることが困難であった。

[0003] 特許文献 1 :特開 2004— 105173号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] 本発明の課題は、例えば鼻腔及び咽頭に炎症がなぐ慢性閉塞性肺疾患のみを 発症した薬効評価用動物、及びかかる薬効評価用動物に慢性閉塞性肺疾患のみを 発症する方法を提供し、同時にかかる薬効評価用動物に薬剤を投与して慢性閉塞 性肺疾患に対する選択的な薬効を評価する方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0005] 本発明は、水又は生理的食塩水にタバコ煙を溶解した水溶液を人以外の動物の 下気道へ直接投与することにより慢性閉塞性肺疾患を発症せしめたことを特徴とする 薬効評価用動物を提供する。

また本発明は、水又は生理的食塩水にタバコ煙を溶解した水溶液を人以外の動物 の下気道へ直接投与することを特徴とする薬効評価用動物の慢性閉塞性肺疾患発 症方法を提供する。

さらに、本発明は、前記薬効評価用動物に薬剤を投与し、その作用効果を評価す る薬効評価方法を提供する。

発明の効果

本発明によれば、慢性閉塞性肺疾患のみを選択的に発症した薬効評価用動物を 確実に提供することができ、医薬品の開発、特に抗慢性閉塞性肺疾患物質のスクリ 一二ングに有用な評価方法を実行するための薬効評価用動物を迅速に提供するこ とがでさる。

尚、本発明の効果について、より具体的に下記に示す。

(1)従来の実験動物モデルは慢性閉塞性肺疾患の症状が出現するまでに 24週以 上かかったが、本発明によれば 4週間以内と!/ヽぅ短期間で作製できる。

(2)従来の実験動物モデルでは、タバコ煙を鼻腔を介して吸入させていたが、本発 明では水又は生理的食塩水にタバコ煙を溶解した水溶液を作製し、それを下気道に 直接投与することでタバコ煙に含まれる成分の水溶液中への濃度を変化させること が可能となった結果、病態の程度を調節することが可能となり、ノラツキの少ない薬 効評価用動物を作製することが可能となる。

(3)タバコ煙を吸入させる従来法では、口腔、或いは鼻腔を経由することから、慢性 閉塞性肺疾患部以外での炎症反応を併発する。しかしながら、本発明では口腔、鼻 腔を介することなく下気道に直接タバコ煙を溶解させた水溶液を投与することにより、 選択的に患部を特定し慢性閉塞性肺疾患のみを発症させることが可能となる。

(4)これまで、モデル作製にはタバコ煙を発生させる装置、及び動物に煙を吸入せし める曝露チャンバ等が必要であった力そのような大掛力りな装置は必要とせず、安 価に、しかも確実に薬効評価用動物を作製できる。

図面の簡単な説明

[0007] [図 1]本発明で使用されるタバコ煙液を作製する方法を示す模式図である。

[図 2]実施例 1に於、て比較対象とした生理食塩水のみを投与して発症して!/、な!/ヽモ ルモットの肺の外観図である。

[図 3]実施例 1に於ける発症したモルモットの肺の外観図である。

[図 4]実施例 1に於、て比較対象とした生理食塩水のみを投与して発症して!/、な!/ヽモ ルモットの肺の肺組織の顕微鏡写真である。

[図 5]実施例 1に於ける発症したモルモットの肺の肺組織の顕微鏡写真である。

符号の説明

[0008] 1 タバコ

2 水又は生理食塩水

3 容器

4 導入管

5 バルブ

6 吸引ポンプ

7 吸引管

発明を実施するための最良の形態

[0009] 近年、欧米、日本において、喫煙が主原因と考えられる慢性閉塞性肺疾患による 死亡者の増加が問題となっており、その有効な治療法、治療薬の開発は、医療上非 常に重要な課題となっていることから、治療効果を有する薬剤の開発が望まれており 、薬剤のスクリーニング試験のための薬効評価用動物が待たれていた。

本発明では、市場で望まれて!/ヽる慢性閉塞性肺疾患を発症した薬効評価用動物( 以下、「慢性閉塞性肺疾患モデル動物」と、う)を確実に提供することができる。

[0010] ここで、本発明にいう慢性閉塞性肺疾患について以下に簡単に説明する。

慢性閉塞性肺疾患とは、慢性気管支炎および肺気腫を含む肺疾患である。慢性閉 塞性肺疾患は、一部可逆性のものもあるが、一般的に進行性の非可逆的気道閉塞と して特徴づけられ、多くの場合、気道過敏性を伴う。慢性気管支炎は、連続した 2年 間の各年において 3力月以上続く慢性湿性咳により特徴づけられる。また、肺気腫は 、肺胞壁の破壊性変化を伴い、明らかな線維症のない、終末細気管支より遠位の気

腔の異常な永続的腫大である。破壊は、呼吸性気腔の不規則な腫大として定義され

、肺細葉とその成分の規則正し、外観が失われることもある。

[0011] 上記の如ぐ慢性閉塞性肺疾患は非可逆性の気道閉塞を特徴とし、可逆性の気道 閉塞性疾患である喘息とは異なる疾患概念をもつ。更には、気管支喘息に対する薬 物療法としては、世界的な喘息治療法ガイドラインであるガイドラインフォーザダ ィアグノーシスアンドマネージメントォブァズマ(Guideline for the Diagno sis and Management of Asthma) (NHLBI, 2002)において、吸入ステロイ ドが第一選択薬として推奨され、優れた有用性が確認されているが、慢性閉塞性肺 疾患に対しては、同様のグローバルガイドラインであるグローバルイニシアティブ フォークロニックォブストラクティブラングディゼイーズ(Global initiative for chronic obstructive lung disease) (GOLD ;NHLBl/WHO, 1998年) において、ステロイドの効果は限定的であり、その使用をあまり推奨していない。この ように慢性閉塞性肺疾患と気管支喘息では薬物に対する反応性も異なる。

[0012] 慢性閉塞性肺疾患のリスク因子は、喫煙および大気汚染による有害微粒子であり、 これらの長期間暴露により末梢気道および肺胞において慢性的な炎症状態を持続 することが発症原因と考えられている。即ち、前述のグローバルガイドラインであるグ ローバルイニシアティブフォークロニックォブストラクティブラングディゼィー ス (Global initiative for chronic oostructive lung disease) (GuLD ;NH LBI/WHO, 1998年)では、慢性閉塞性肺疾患では肺における好中球性炎症が みられ、その原因 ·進展因子として重要なものは、プロテアーゼとプロテアーゼインヒ ビターの不均衡および酸化ストレスによる炎症であると明確に述べられている。

[0013] 本発明では、従来の慢性閉塞性肺疾患モデル動物と相違する慢性閉塞性肺疾患 のみを発症した慢性閉塞性肺疾患モデル動物を選択的に提供することにより薬剤の 薬効を的確に、且つ経時的に評価することを可能にしている。

[0014] 本発明の慢性閉塞性肺疾患モデル動物は、水又は生理的食塩水にタバコ煙を溶 解した水溶液 (以下、「タバコ煙液」と、う)を人以外の動物の下気道へ直接投与する か、タバコ煙液の投与とエンドトキシンを含有する水溶液 (以下、エンドトキシンを含 有する水溶液を、単に「エンドトキシン含水溶液」という)の投与を併用して人以外の 動物の下気道へ直接投与するか、或いは水又は生理的食塩水にタバコ煙とエンドト キシンを溶解した水溶液 (以下、「タバコ煙 ·エンドトキシン含水溶液」と!、う)を人以外 の動物の下気道へ直接投与することにより作製される。なお、ここでいう「下気道」と は、気道の内、気管、気管支、細気管支、肺胞等と定義される。また、ここでいう「直 接投与する」とは、タバコ煙液、エンドトキシン含水溶液、タバコ煙'エンドトキシン含 水溶液を鼻腔に触れさせずに直接該下気道へ投与することをいう。

[0015] 上記タバコ煙液は、例えば、図 1の模式図に示す方法で作製される。即ち、タバコ 1 のフィルタ吸口部を導入管 4の一端と接合し、その導入管 4の他端を容器 3内の水又 は生理的食塩水 2などの中に没する。一方、吸引ポンプ 6と吸引管 7を接合し、該水 液面に触れないように、その容器 3と吸引管 7の他端を結合する。なお、吸引管 7に は、バルブ 5が設けられている。タバコ 1に点火した後、吸引ポンプ 6を作動させ、適 宜バルブ 5を開閉しながらタバコ煙を水中にバブルさせることにより、タバコ煙液を作 製する。

[0016] タバコ煙液及びタバコ煙 ·エンドトキシン含水溶液のタバコ煙の濃度は、適用する動 物に慢性閉塞性肺疾患を発症するに足る濃度であれば差し支えなぐ例えば、 10m L当たりタバコ 1本以上、好ましくは 5本以上の煙を吸引させることによりもたらすことが 出来る。また、該タバコ煙液の使用量は、適用する動物に慢性閉塞性肺疾患を発症 するに足る量であれば差し支えなぐ動物 1匹当たり 1回の投与において、好ましくは 20 μ L以上、より好ましくは、 50 μ L〜5mLの範囲を挙げることができる。上記水溶 液には、水、生理的食塩水及び人以外の動物に対して有害な作用を及ぼすことのな い水溶性有機溶媒を含有することができる。ここで、力かる有機溶媒としては、例えば 、エタノール、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒が挙げられ、これらの含水溶液に 含まれる割合としては、使用される動物により異なる力例えば、目安として 0. 01〜1 0重量%程度の濃度が挙げられる。

[0017] 次に、本発明に於いて使用するグラム陰性菌の産生するエンドトキシンについて説 明する。

グラム陰性菌の産生するエンドトキシンを併用する目的は、慢性閉塞性肺疾患の発 症の原因は、タバコが主要因と考えられているが、感染等による二次的な要因が症

状を悪ィ匕せしめるといわれており、この二次的な要因を加えることにより、より実際の 症状に近い疾患モデルを作製することにある。ここでいうグラム陰性菌の産生するェ ンドトキシンとは、グラム陰性菌の細胞壁力放出させる内毒素をいい、例えば、リポ 多糖が挙げられる。力かるエンドトキシンは、溶液状で、例えば生理的食塩水に溶解 して投与することが好まし、。

[0018] 該グラム陰性菌の産生するエンドトキシンの濃度は、適用する動物に慢性閉塞性 肺疾患を発症するに足る濃度であれば差し支えなぐ例えば、水又は生理的食塩水 又はタバコ煙液に対して、好ましくは gZmL以上、より好ましくは、 gZmL 〜2g/mLの範囲を挙げることができる。このグラム陰性菌の産生するエンドトキシン を含有しなくてもよいが、前記した理由により、水又は生理的食塩水又はタバコ煙液 に該エンドトキシンを含有した方が好まし、。

[0019] タバコ煙液、エンドトキシン含水溶液及びタバコ煙'エンドトキシン含水溶液の投与 量、投与回数等は、用いる実験動物の種類によって最適条件が異なるので、抗慢性 閉塞性肺疾患作用を評価する前に、予備試験を行い、条件の設定を行うことが好ま しい。

[0020] また、タバコ煙液、エンドトキシン含水溶液及びタバコ煙 ·エンドトキシン含水溶液の 投与回数及び投与期間については、慢性閉塞性肺疾患の発症程度で決定すること ができる。発症程度は、ピーク呼気フロー(mLZsec)で評価し、コントロール群であ る生理的食塩水投与群に対して、 10%以上減少となる回数と期間を設定する。尚、 前記タバコ煙液の投与とエンドトキシン含水溶液の投与とを併用して行う場合、エンド トキシン含水溶液の投与は、タバコ煙液の投与と投与の間に行うことが好ましい。 グラム陰性菌の産生するエンドトキシンの投与を、前記水溶液投与に追加して行う ことにより、短期間に、し力も確実に慢性閉塞性肺疾患を発症させることが可能となる

[0021] こうして得られた慢性閉塞性肺疾患モデル動物では、選択的に目的とする慢性閉 塞性肺疾患部位に炎症を発症させ得る特徴を有する。例えば、エバンスブルー溶液 を、本発明の特徴とする下気道へ投与し、生体の着色部分を確認したところ、着色部 位は、鼻部、鼻腔には認められず、口部、下気道に限定され、その割合はほぼ 100 %であった。

[0022] 次、で、タバコ煙液、タバコ煙液及びエンドトキシン含水溶液又はタバコ煙 ·エンドト キシン含水溶液を人以外の動物の下気道へ直接投与する方法について説明する。 投与には、金属ゾンデを使用することができるが、これは一般に使用されるステンレ ス製ゾンデを用いることができ、実験に使用される動物の種類により、大きさ、形状等 好ましい金属ゾンデを選択できる。通常、下気道への直接投与が確実に行えるように チューブ先端の加工を行って使用するのが好ましい。加工の方法としては、例えば、 ステンレスゾンデの先端を下気道に直接投与しやすいように湾曲させる方法がある。 湾曲の程度'形状は使用される動物の種類、形状により異なるが、一般的に、湾曲さ せた先端に相当する部分と、ゾンデの付け根にあたる部分のなす角度が 90〜 150 ° になるように湾曲させることが好ましい。直接投与は、口腔より湾曲させたゾンデを 挿入し、その先端を動物の咽頭の下気道上部にあてカ^、、動物の自発呼吸によって 、ゾンデの他端より前記水溶液を直接下気道に投与させる。

[0023] 本発明において使用される実験動物は、下気道を有し肺呼吸を行う動物を用いる ことができ、例えば、モルモット、マウス、ラット、ハムスター等のげつ歯目、ゥサギ等の 重歯目、ャギ、ヒッジ、ブタ等の偶蹄目、ゥマ、ロバ等の奇蹄目、ィヌ、ネコ等の食肉 目、サル、チンパンジー等の霊長目等の哺乳動物を挙げることができる力通常の実 験動物である、モルモット、マウス、ラット、ノ、ムスター、ゥサギ、サル、チンパンジー、 ィヌ、ャギ、ヒッジ、ブタ等が好ましぐ形状等による実験操作上の有利性、及び実験 動物の費用を考慮すると、モルモット、マウス、ラット、ハムスター等のげつ歯目動物が 特に好ましい。

[0024] 薬効評価方法としては、前記慢性閉塞性肺疾患モデル動物に薬剤を投与し、その 作用効果を評価する。作用効果に評価は呼吸機能の変化をもって行えばよい。本発 明の慢性閉塞性肺疾患動物モデルにおける慢性閉塞性肺疾患の評価は、当該疾 患の評価パラメータとして通常用いられる呼吸機能の変化の評価、すなわち特異的 気道抵抗、ピーク呼気フロー、一回換気量、分時呼吸回数、分時換気量をもって行 い、これらは公知の方法によって測定することができる。例えば、特異的気道抵抗は 、ペノックら(Pennock BE, et al)著、ジャーナノレォブアプライドフイジォロジ 一 (J. Appl. Physiol. ) , 1979年、第 46卷、第 2号、 p. 399— 406に記載され た方法 (以下、「ペノックらの方法」という)に準拠して、フローセンサーを介して総合呼 吸機能測定システム(例えば PULMOS— I ;M. I. P. S等)により測定することがで きる。また、ピーク呼気フロー、一回換気量、分時呼吸回数、分時換気量の測定は、 例えば、 PULMOS -I ;M. I. P. Sを用いて、測定することができる。

また、慢性閉塞性肺疾患では、炎症性細胞のうち、好中球が細胞膜に浸潤すること が特徴となることから、好中球の細胞数を測定することにより、炎症の程度を確認する ことも可能である。

実施例

[0025] 本発明の内容を更に具体的に説明するため、以下の実施例を示すが、もとより本 実施例により本発明の範囲が限定されるものではない。

[0026] (実施例 1)

<慢性閉塞性肺疾患モデル動物の作製 >

実験動物がモルモットである場合の慢性閉塞性肺疾患モデル動物の作製及びそ れを用いた薬剤の評価結果にっヽて示した。

1.タバコ煙液の調製

図 1の模式図による装置によりタバコ煙液を調製した。

1)使用するタバコ本数: 40本

2)生理的食塩水量: 40mL

3)ポンプの吸気量と吸気時間:吸引ポンプ(吸気量: 6. 5mL/min. )を用いて、 タバコ 1本当たり、約 5分間の吸引時間を目安としてタバコ煙を生理的食塩水に吸引 を行い、目的とするタバコ煙液を調製した。

[0027] 2.リポ多糖液の調製

グラム陰性菌の産生するエンドトキシンとしてリボ多糖を用いた溶液の調製を以下 のとおり行った。すなわち、リポ多糖 50mgを lOOmLの生理的食塩水に溶解し、 500 μ gZmLのリポ多糖溶液を調製した。

[0028] 3.疾患動物の発症

1.及び 2.にて調製した、タバコ煙液及びリポ多糖液を用いて以下のように疾患動

物を発症させた。

1)使用動物:ハートレイ (Hartley)系雄性モルモット 6匹 (4週齢で購入し、試験 前 1週間の予備飼育を行った)

2)投与形態及び投与期間: 1日 1回、 4日間連続して、タバコ煙液 200 μ LZ動物 Z回を投与し、 5日目にリポ多糖溶液 500 μ LZ動物 Ζ日を投与した。これを 1サイク ノレとして、 6日目、 11日目に同様の操作を繰り返し、 16〜19日目にタノくコ煙液 200 LZ動物 Z回を投与した。

3)投与方法:直接投与は、口腔より湾曲させたゾンデを挿入し、その先端を動物 の咽頭の下気道上部にあてがい、動物の自発呼吸によって、ゾンデの他端よりタバコ 煙液およびリポ多糖液を直接下気道に投与させた。

[0029] 4.疾患の評価

疾患モデルの評価は、 3.で発症させた動物に対して、 20日目に特異的気道抵抗 、ピーク呼気フロー、一回換気量、分時呼吸回数、分時換気量を測定することにより 行った。

表 1にその結果を示した(匹数 6の平均値)。

[0030] [表 1]

(表 1 ) 呼吸機能の変化(モルモット)


本実施例により、発症させた動物には、特異的気道抵抗の増加、ピーク呼気フロー の減少、 1回換気量の減少、分時呼気回数の減少、分時換気量の減少がみられ、慢 性閉塞性肺疾患が発症していることが確認された。

従って、実施例 1の結果から、本発明によれば、口腔、鼻腔等他の部位に炎症を起 こすことなぐ短期間で、しかも強い反応の実験的慢性閉塞性肺疾患モデル動物を、

曝露チャンバ等の大掛力りな装置を用いずに作製できることが明かとなった。

[0032] <肺臓器、及び肺組織の所見 >

上記の発症させた動物の慢性閉塞性肺疾患にっ、て、力かるモルモットにおける 肺臓器の写真及び肺組織の顕微鏡写真を提示した。

即ち、図 2は生理食塩水のみを投与して発症していないモルモットの肺の外観図で あり、図 3は本実施例による発症したモルモットの肺の外観図である。本実施例の発 症したモルモットは、慢性閉塞性肺疾患の特徴である肺の過膨張が確認された。 また、図 4が生理食塩水のみを投与して発症して!/、な!/、モルモットの肺組織の顕微 鏡写真で、図 5が本実施例の発症したモルモットの肺組織の顕微鏡写真であるが、 実施例の発症したモルモットは正常のモルモットに比べて慢性閉塞性肺疾患の特徴 である肺胞壁の空洞化が確認された。

以上の肺臓器の写真、及び肺組織の顕微鏡写真により、慢性閉塞性肺疾患の症 状が確認され、本例のモルモットが当該疾患を発症していることが明ら力となった。

[0033] <肺胞洗浄液における好中球数の測定 >

慢性閉塞性肺疾患においては、炎症性細胞のうち、好中球が細胞粘膜に浸潤し、 炎症を惹起することが知られている。そこで、好中球数を測定することにより、本発明 の実験モデルで慢性閉塞性肺疾患反応が起こっていることを確認する目的で好中 球数の測定を行った。

5. 白血球の採取法

発症したモルモットを呼吸機能測定後に動物を放血致死させた後、肺動脈より血管 を生理的食塩液で灌流し、挿管されている気管力-ユーレから生理食塩液 (液量 5 mL X 2Z匹(animal) )を注入して肺胞洗浄(BAL)を行、、 BAL液(BALF)を 回収した。 BALFを冷却遠心機により遠心 (4°C、 400 X g、 10分間)後、溶血処理を 行い、再度、同条件で遠心し、得られたペレットを生理食塩液に懸濁した。

6.総白血球数の計測

5.にて得られた BALF 25 Lに対してチュルク液 100 Lを加えて染色し、ビ ルケルチュルク血球計算器 (エルマ販売)を用いて総白血球数をカウントした。

7.細胞塗沫標本の作製法及び好中球の計測

6.の総白血球数を基に生理食塩液で BALFの白血球濃度を 3 X 105cellZmL に調整し、そこから 25 μ Lを採取してスライドグラス上で細胞を沈降させ、 Diff— Qu ick染色標本を作製し、好中球を鏡検下にカウントした。

結果(匹数 6における平均値)を、表 2に示した。

[表 2]

(表 2 ) 好中球数(X I し)


[0035] 本実施例では、タバコ煙液及びリポ多糖投与群で、無刺激群に比較して好中球数 が増加し、慢性閉塞性肺疾患の症状が発症していることが明ら力となった。

[0036] (実施例 2)既知薬テオフィリンの効果の確認

本発明の薬剤の評価方法としての有用性を明らかにする目的で、慢性閉塞性肺疾 患の治療薬として既知であるテオフィリンを用いて、効果の確認を行った。

本実施例では、タバコ煙液の調製、リポ多糖の調製、疾患動物の発症、疾患の評 価は実施例 1と同様にして行った。尚、テオフィリンは、タバコ煙液投与、及び LPS溶 液投与の 1時間前に経口投与( lOmgZkg)した。

表 3にその結果を示した(匹数 6の平均値)。

[0037] [表 3]

(表 3 ) テオフィリン投与における! ^吸機能の変化(モルモット)


[0038] 本実施例により、本発明による評価方法において、テオフィリンに呼吸機能の改善 効果が確認され、慢性閉塞性肺疾患の評価方法として有用であることが明らかとなつ た。

[0039] (実施例 3)慢性閉塞製肺疾患モデル動物の作製

実施例 1と同様にして、ィヌ、ヒッジ、サルの実験動物を用いて、慢性閉塞性肺疾患 モデル動物の作成を行った。発症の確認として好中球数を実施例 1と同様の方法で 測定した。

その結果(匹数 6における平均値)を、表 4に示した。

[0040] [表 4]

(表 4 ) 各種実験動物における好中球数 w L)


[0041] 本例より、各実験動物とも、タバコ煙液及びリポ多糖投与群において慢性閉塞性肺 疾患の発症が明らかとなった。

産業上の利用可能性

本発明の慢性閉塞性肺疾患モデル動物は、医薬品の開発、特に抗慢性閉塞性肺 疾患治療薬の開発における化合物のスクリーニングに利用することができるため、有 用である。