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1. WO2006035610 - 機能素子、記憶素子、磁気記録素子、太陽電池、光電変換素子、発光素子、触媒反応装置およびクリーンユニット

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明 細 書

機能素子、記憶素子、磁気記録素子、太陽電池、光電変換素子、発 光素子、触媒反応装置およびクリーンュニット

技術分野

この発明は、機能素子、記憶素子、磁気記録素子、太陽電池、光電 変換素子、発光素子、触媒反応装置およびクリーンュニッ卜に関し、 例えば、ボトムアツプ系のシステムとトップダウン系のシステムとの 統合に関するものである。

背景技術

従来の機能素子は、半導体集積回路に代表されるように、微細加工 に基づくトップダウンのアプローチで製造されたものが主流である。 そして、特に半導体素子に関しては、バーディーン(Bardeen)らによ るトランジスタの発明や、ノイス(Noyce)らによる半導体集積回路の 発明を経て現在、このトップダウンのアプローチに基づく巨大な半導 体エレクトロニクス産業が興っている。

一方、トップダウンのアプローチは様々な点で限界が見え始めてい るため、この限界を打破する手法として、自己組織化などによるボト ムアツプのアブローチが近年注目され、盛んに研究されている。

なお、細胞系も神経系も各場所において自律分散的に時間とともに 連続的に拡大 ·成長することが報告されており(R. R. L l i nas, The B i o l ogy of the Bra i n, p. 94, W. H. Freeman & Company, NY, 1989)、こ れはボトムアップの範疇に属する。

また、ボトムアップでは、自律分散局所性により各部が局所ルール

に従って勝手に構造形成していくが、この構造形成には四つのタイプ (一定、周期的 [入れ子的] 、機能構造的、ランダム)があることが セルラーオートマトンを使って示されている(S. Wo ram, A New Kin d of Science, pp.51-81, Wolfram Media Inc., 1し, USA, 2002)。

また、ドリフト速度の一定性に基づき、時間とともに連続的に移動 する 2次電子(素粒子の飛跡に沿って生成する電子)を利用した素粒 子検出器としてタイムプロジヱクションチヱンバ一(Time Project io n Chamber, T P C ) の改良が本発明者らにより報告されている(P.Ne methy, P. Oddone, N. Toge, and A. Ishibashi, Nuclear Instruments and Methods 212 (1983)273-280)。

また、金属界面により形成されるナノ空間、特に、 2次元試料平面 とこれに対向する探針との局所空間に観測されているプラズモン励起 による表面増強効果など、有用で興味深い物理現象が観測されている (二又等、日本分光学会、平成 1 4年度春季講演会シンポジウム「顕 微振動分光法の最前線」講演要旨集、 pp.20- 23) 。

また、有機金属化学気相成長法(MO C VD法)を用いた半導体成 長において成長方向に 1原子層の分解能が得られることが本発明者に より報告されている(A, Ishibashi, MOCVD- grown Atomic Layer Supe rlattices, Spectroscopy of Semiconductor Microstructures, eds. G. Fasol, A. Fasolino, P. Lugl i, Plenum Press, NY, 1989)。

また、電気化学的成長においても、その機構の詳細が知られている (春山志郎、表面技術者のための電気化学 p.112,丸善、東京、 2 0 0 1 ) o

また、電気化学分野において、中和した高分子電解質を水中に分散 させた溶液に被塗物と対極とを浸漬し、被塗物と対極との間に直流電 流を印加して被塗物に高分子電解質を析出させることができることが

知られている(山岡亜夫監修「実用高分子レジスト材料の新展開—フ ォトポリマーとしての応用展開—」、第 6章、シーエムシー出版、 1 9 9 6年)。

また、幅約 4 0 nmの金属ワイヤーの十字配置の交差部に分子エレ メントをはさんだ構造が報告されている(Y. Chen, D. A. A. Ohlber g, X. Li, D. R. Stewart, R. S. Williams, J. 0. Jeppesen, K. A. Nielsen, J. F. Stoddart, D. L. Olynick, and E. Anderson, Nano scale molecular switch devices fabricated by imprint 1 ι thograp hy, Ap l. Phys. Lett. 82 (2003) 1610)。

また、ボトムアップの範疇の他の例として自己組織前進自律的階層 獲得 (self-organized progressive hierarchical acquisition, S 0 PH I A) 化による構造形成の方法やニューロンの成長方法が提案さ れている (特開 2 0 0 0 - 2 1 6 4 9 9号公報、国際公開第 0 2 / 3 5 6 1 6号パンフレット)ほか、一般に生命 ·生体系に遍く見られる 遺伝子支配による形態発現(遺伝子由来構造)がある。他方、トップ ダウンの範疇の他の例としては M E M S (micro electromechanical systems)系やマイクロケミカルリアクターがあるほか、一般的にはホ モ · フアベルとしての人間の脳による構造物形成(脳由来構造)が挙 げられる (例えば、養老猛、「唯脳論」、青土社、 1 9 8 9年)。 また、固体電解質における金属原子移動に基づいた、金属微細架橋 を利用したナノブリッジ(NanoBridge) 構造と呼ばれるものが知られ てレヽる (インター不ッ卜〈URL : http://www. nec. co. jp/press/ja/ 0402/1801-01. htm> (平成 1 6年 2月 1 8日検索))。

また、スピントンネル接合の磁気インピーダンスの周波数依存性に ついて報告されている(Jpn. J. Appl. Phys. Vol.42 (2003) pp.1246 -1249)。

また、トランジス夕および L C回路からなる発振回路における卜ラ ンジス夕と L C回路との帰還ループの一部にスピントンネル接合素子 を接続するとともに、スイッチング手段を設け、このスイッチング手 段のスイツチング周波数によつて磁気デ一タの読み取り速度を規定す るようにした磁気センサを再生用磁気へッドとして用いる磁気記録装 置が提案されている(特許第 3 5 5 7 4 4 2号明細書)。

また、 P n接合面に太陽光が垂直入射するタイプの太陽電池は多く 報告されている(例えば、 D. Fr i edman, J. F. Ge i sz, S. R. Kurtz, an d J. M. O l son, Ju l y 1998 · NREL/CP- 520-23874 ) 。

上述のトップダゥン系とボトムアツブ系とを統合することができれ ば、両者の利点を最大限活かすことができ、従来にない新たな機能素 子の実現が可能になると考えられるが、本発明者の知る限り、これま で、そのための有効な具体的手法は何ら提案されていなかった。

そこで、この発明が解決しょうとする課題は、ボトムアップ系とシ リコン L S Iに代表されるトップダウン系との利点を最大限活かすこ とができる高機能の機能素子および磁気記憶素子を提供することであ る。

この発明が解決しょうとする他の課題は、上記の記憶素子または磁 気記録素子の基本構成要素と同様な要素を用いた新規な太陽電池、光 電変換素子、発光素子および触媒反応装置を提供することである。

この発明が解決しょうとするさらに他の課題は、より一般的には、 上記の記憶素子、磁気記録素子、太陽電池、光電変換素子、発光素子、 触媒反応装置などを含む新規な機能素子を提供することである。

この発明が解決しょうとするさらに他の課題は、従来のように大掛 かりで小回りが効かず、巨大な設備投資や固定資産負担が必要な巨大 なクリーンルームを用いることなく、クリーンな環境を容易に得るこ

とができ、また、一直線状にしか連結できない従来のクリーンュニッ トの持つ空間利用効率の悪さを解決し、トータルのパフォーマンスを 投資的にも作業効率的にも部屋の面積有効利用的にも最大化すること ができ、目的に応じたトータルな一連のプロセスフローに対応してプ 口セスを高いフレキシビリティーを持って低コストで簡便に実行する ことができ、上記の各種の機能素子の製造に用いて好適なクリーンュ ニットシステムおよびこれに用いて好適なクリ一ンュニットを提供す ることである。 '

上記課題およびその他の課題は、添付図面を参照した本明細書の以 下の記述により明らかとなるであろう。

発明の開示

本発明者は、従来技術が有する上記の課題を解決すべく、鋭意考察 を行った。以下にその概要について説明する。

周知のように、トップダウンのアプローチによる半導体デバイスの 製造においては、フォトリソグラフィ一を用いた 2次元のパターニン グが多用される。第 1図 Aに半導体デバイスの一例として M O S L S I (例えば、メモリ)を示す。第 1図 Aに示すように、 2次元のパ夕 一二ングは通常、 U V (紫外線)、 E U V (極紫外線)フォトリソグ ラフィ一や、電子線リソグラフィーを用いて、半導体基板において空 間的に横方向の情報の交換を行うことなく、各時点で一気に(一括露 光、現像、エッチングなど各要素プロセスが行われる時刻、時刻にお いて瞬間的につまり、時間軸上の一点一点で)行われている。すなわ ち、 2次元のパターニングの大きな特徴は時間が非連続、散発的(sp orad i c) に織り込まれていることである。

2次元のパ夕一ニングでは、フォトレジストに対する、フォトマス クを使った一括露光により構造が決まるので、構造形成においては構 造間の横方向の情報の交換はない。すなわち、因果律は主に、面内で はなく面と垂直方向の相互作用の中に存在する(out- of- p l ane causa l i ty) 。 2次元のパターユングでは、第 1図 Bに示すように、大局的 ルールの存在のもと、ブロック構造をとり、また各ブロック每にある 特別な方位が存在するため、空間構造は一般に、微視的にも巨視的に も非等方的になる。言い換えれば、構造は外在的要因から決まってお り、回路設計図の実空間表現にすぎないと言える。また、基板上の構 造の変化量は、時間に対して <5関数状のパルス列となる。

このように、トップダウン系は、いわば非連続的に時間が投影され た非等方的な(方向性のある)構造である。今、系が時間連続投影性 あるいは空間等方性を有するときそれぞれ†と記し、時間非連続投影 性あるいは空間非等方性を有するときそれぞれ i と記し、例えば、系 が時間連続投影性と空間等方性とを有するとき、(時間投影性、空間 方位性) = (†、† ) のように記すことにすると、トップダウン系は 時間非連続投影性と空間非等方性とを有するため、(時間投影性、空 間方位性) = ( 1、 I ) と表される。

一方、すでに述べたように、最近その重要性が認識されてきたもう ひとつの流れはボトムアップ系である。そのシステムとしては、例え ば半導体量子ドットに代表される無機物系の自己組織化系がある。ま た、生物系の細胞の培養では、第 2図 Aに示すような細胞および神経 系の成長が挙げられる。第 2図 Aにおいて、符号 1 1は生体組織体、 1 2は神経、 1 3は細胞を示す。細胞系も神経系も各場所において自 律分散的に時間とともに連続的に拡大 ·成長することは、すでに述べ たとおりである(R. R. L l i nas, The B i o l ogy of the Bra i n, p. 94, W. H. Freeman & Company, NY, 1989)。

第 2図 Bに示すように、ボトムアップでは、自律分散局所性により 各部が局所ルールに従って勝手に構造を形成していくため、時間が連 続的に投影されている。このとき、例えば、第 1図 Aの場合と同様の 2次元的広がりを持つボトムアップ構造(例えば、膀胱上皮細胞など) では、因果律は面内に存在する(in- plane causality) 。 S. Wolfram がセルラ ォートマトンを使って示しているように、この構造形成に は四つのタイプ I〜 I V (—定、周期的 [入れ子的] 、機能構造的、 ランダム)がある(S. Wolfram, A New Kind of Science, pp.51- 81, Wolfram Media Inc., IL, USA, 2002)。また、ボトムアップ系では、 局所ルールに従うことから、大局的にはこれといった特別な方向が存 在しないため、空間構造は一般に等方的になる。この場合、全体構造 は、生成則に則って内在的要因から決まる。構造の変化量は、時間に 対してスムーズな連続線となる。

このように、ボトムアップ系は、時間が連続的に投影された等方的 な (方向性のない)構造であるので、上記の記法に従うと(時間投影 性、空間方位性) = (†、† ) と表される。

さて、生物は、遺伝子により支配される体組織性に基づくボトムァ ップ性と脳による統御性に基づくトップダウン性とをうまく絡み合わ せて、総体としてそれらの統合を具現化している。より具体的には、 体組織形成におけるボトムアップ性と脳によるトップダウン性との統 合を、長い進化の過程を経て、受精卵からの個体の成長に際し、細胞 に神経系を付随させることにより行っている。

すなわち、第 2図 Bに示すように.、ボトムアップの起こった細胞の 集合体では、神経系という連絡網を随伴することで各場所へのァクセ スが可能となり、この神経系を介して脳からの指令 ·制御 ·情報抽出 などが行われる。自己組織化体としての生物にはこの随伴神経系があ

ることが本質的である。

—方、系を有効に運用するには、制御系は被制御系よりはるかに少 ない 「体積」で情報伝達 ·制御を行わなければならない。'生体系は、 そのために、 3次元の細胞系に対し神経系という 1 + α (ただし、 0 く αく 1 ) のフラクタル次元のひもをつけていると言える。伝達 -制 御系の次元は常に細胞系の次元より小さいことが必要である。この神 経系は生体内に 3次元的に張り巡らされている。

生体は、このように、受精卵の発生からの経過時間が連続的に投影 された神経系というボトムアツプの自己相似的な低次元性構造物を通 じて、いわば最小限のセッ卜アップによって、細胞系という 3次元性 を持つ別種のボトムアツプ系を制御 ·統合している。

他方、上述のような生体そのもののシステム以外にも、人工のシス テムにおいて、リジッドな固体系ではないが、ドラム缶様の容器中に 充填されたガスという最小限のセットアップにおいて、経過時間の空 間座標への連続的投影を利用し、フルに 3次元的に空間アドレスを認 知するシステムとして第 3図に示すような T P Cがあり、本発明者ら によりその開発および優れた性能が報告されている(P. Nemethy, P. 0 ddone, N. Toge, and A. I sh i bash i , Nuc l ear I nstruments and Method s 212 (1983) 273-280)。

この T P Cについて少し詳しく説明すると、第 3図に示すように、 ガスの入った円筒形状の T P C 2 1の両端から入射した電子ビーム 1 2と陽電子ビーム 1 3 とが衝突して新たな素粒子 2 4がジヱット状に 生成する。この素粒子 2 4の飛跡に沿って生成した電子 2 5は、軸方 向に一定のドリフト速度で、 T P C 2 1の両端にあるセク夕一 2 6と 呼ばれる 2次元検出器へ到達するので、上記の衝突時刻を起点とした ときのセクタ一 2 6への到達までの経過時間で軸方向、すなわち z方

向の位置が分かる。第 4図はセクタ一 2 6の部分の拡大図であり、符 号 2 6 aはセンスワイヤ一、 2 6 bはグリッド、 2 6 cはパッド、 2 6 dは電気力線を示す。第 4図に示すように、セクタ一 2 6のセンス ワイヤ一 2 6 aの部分で電子がアバランシヱを引き起こし、それによ つて電気信号をセンスワイヤ一 2 6 aとその下部に存在するパッド 1 6 cとに与えることで x、 y方向の位置が求まる。こうして 3次元位 置が求まるが、 z方向の位置は、電子のドリフト速度が一定であるこ とに起因して上述のように時間情報が空間に投影されている。この特 徴からそのシステムはタイムプロジヱクシヨン(時間投影)チヱンバ 一と呼ばれ、この空間への時間投影のコンセプトの有用性を実証する ひとつの例となっている。

セクタ一 2 6では、いわばセンスワイヤ一 2 6 aとパッド 2 6 cと の間の状態が読み出されている。つまり、一種の情報読み出しが行わ れており、局所アドレシングを行っているとみなすことができる。パ ッド 2 6 cの代わりに例えばワイヤーとワイヤーとを近接させて交差 させても同様の作用が生じる。第 4図では、センスワイヤ一 2 6 aと いう微小電極の近傍の電場集中の様子が端的に示されている。強い電 場を生じるにはなるべく細いセンスワイヤ一 2 6 aが望ましいが、こ のように T P Cは時間の空間への投影と、細い構造体の交差部におけ る電場集中(およびそれに伴なう信号増幅)という 2つの重要な特徴 を有している。

さて、ムーア(Moore)の法則に代表されるロードマップに沿った展 開を示すシリコン L S Iは、いわゆるトップダウン型のデバイスおよ びシステムの代表格であるが、そのサイズ上、動作パワー上(環境温 度上)、ならびに製造設備投資上の限界が言われているけれども、根 本的な解決策は見出されておらず、早晩、限界を迎えると危惧されて 久しい。

トップダウン型に対するアンチテーゼとしてボトムアツプが叫ばれ て注目されているが、その最大の難点は、個別アドレスができないと いう点である。

ナノスケールでは、生物由来の機能と非生物由来の機能とが、同じ 相互作用機構(究極的には電磁相互作用)にまで還元できるので、進 展の著しいナノテクノロジ一は、非生物と生物とを統合する潜在的重 要性を秘めているが、依然として本格的実用化に至っていない。

すなわち、従来技術の延長線上にある微細構造の作製方法は、 E U Vや電子線リソグラフィ一などを使うものか、分子などを用いるいわ ゆるボトムアツプのものがあるが、両者をつなぎ、さらには結合によ りシナジーを見出そうとするデバイス . システムはない。これは、上 述の時間連続投影性と空間等方性とに関する記法に従うと、ボトムァ ップという(時間投影性、空間方位性) = ( †、† ) のシステムとト ップダウンという(時間投影性、空間方位性) = ( I、 i ) のシステ ムとの両者がまったく正反対の、すなわち 1対 1 という性格を持った め、水と油とが相容れないのとまったく同様に、両者の間に接点を見 出すことが難しいことによる。

ナノスケールの世界と巨視的スケールの世界とをつなぐことは、ナ ノテクノロジー分野で今後得られる新しい効果や機能を既存のシリコ ンベースの I Tィンフラ構造ど接続し、相乗効果を引き出そうとする 際に避けて通れない関門である。しかし、未だ嘗て誰もその接続に十 分に成功していないと考えられる。

ナノテクノロジーを通じてその高度な効能が期待されるボトムアツ プ物質系はこのようにナノスケールで個別アドレシング可能な仕組み がないため、本格的な実用化に至っていない。

これはすなわち、人工のボトムアップ系では、生体の脳と体組織と を結ぶ神経に相当するボトムアツブの主体に随伴する制御ラインを設 けることに成功していないため、これが卜ップダウン · ボトムァップ 両系統の接続をこれまで困難にしてきたといえる。

時間とともに成長して 3次元的に構造を張り巡らしアクセスすると いう生体の神経系の備える特徴を部分的に満たす、似て非なるシステ ムとして上述の T P Cがある。これは、電子の一定ドリフト速度に基 づく時間連続投影性と、細い導電構造体の交差部における信号増幅に 基づくシステム全体への 3次元的なアクセスという 2つの重要な特徴 を有しているが、この T P Cはその内部にガスを含むので、完全な固 体デバイスとしては成立していない。

すでに述べたように、従来、トップダウン系をなす半導体集積回路 (例えば、メモリー)などの 2次元構造体の製造には、第 1図 Aに示 すような一括露光によるパ夕一ニングが用いられる。この場合、分解 能は x、 yの 2方向に要求されるが、その精度は現在の最高の分解能 でも、生産レベルで 7 0 n m程度、研究室のチヤンピオンデ一夕でも 数 n m程度であり、しかもこれはバルクサィズ全体に亘つては実現さ れていない。

また、 2次元試料平面とこれに対向する探針との局所空間で観測さ れているプラズモン励起による表面増強効果など、有用で興味深い物 理現象が観測されているが(二又等、日本分光学会、平成 1 4年度春 季講演会シンポジウム「顕微振動分光法の最前線」講演要旨集、 PP. 2 0-23) 。このような物理現象を担いうるナノ構造体を例えば m m〜c mのバルクサィズに亘つて並列多重化したシステムは存在しない。す なわち、ナノスケールで稠密な構造を有し、しかも個別アクセスが可 能な、ナノ離散化バルクサィズ構造体をなす物質は存在しない。

上記の課題の解決は、いわば、水と油とを結ぶところの石鹼の性質 (両親媒性)あるいは細胞系と脳系との間を結ぶところの神経系に相 当する資質を備えた接続中間層あるいは接続ブラットフオームを用意 することにより達成することができ、特に、人工神経系によりボトム ァップ系とトップダウン系とをつないだ配置を取ることにより達成す ることができる。

より詳細には、(時間投影性、空間方位性) = (†、† ) のボトム ァップ系と(時間投影性、空間方位性) = ( 1 . I ) のトップダウン 系との間に、第 3の構造として(時間投影性、空間方位性) = (†、 )の性質を持つ系を挿入することにより達成することができる。こ のために、人工のボトムアップ系で神経に相当する随伴ラインを設け る。あるいは、あらかじめ設けておいた随伴系のそばに自己組織化系 を成長させる。

第 5図に示すように、 1次元超格子 3 1の成長を、時間が投影され たものとして起こさせる。ここで、 1次元超格子 3 1の成長方向の空 間座標は時間の流れをそのまま表しているため、これは時間が連続的 に空間構造へ投影された系と言える。制御された成長速度、望ましく は一定の成長速度を用いることにより、時間(座標)による空間構造 の連続的な制御を行う。また、成長方向という特別な方位を存在させ ることにより、空間構造を一般に非等方的とすることができる。

さらに、上記のようにして成長させた 1次元超格子 3 1の薄片化を 行う。その意義は次の点にある。第 6図 Aは 1次元超格子 3 1、第 6 図 Bは 1次元超格子 3 1 をワイヤ一化した超格子ワイヤー 3 2、第 6 図 Cは 1次元超格子 3 1 を薄片化した超格子薄片 3 3を示す。第 6図 A、 第 6図 Bおよび第 6図 Cに示すように、 1次元超格子 3 1は確か に成長方向に時間 tが織込まれている構造であるが、時間(=成長方 向の軸上の一点)にアクセスする際、距離 Γを指定しても面内座標は 無限にあること(第 6図 A ) 、 1次元超格子 3 1 をワイヤー化してし まうと、時間(=成長方向の軸上の一点)を指定した時、その部分は 量子ドットであるため他所からアクセスができない(第 6図 B ) 、と いった問題があるのに対し、 1次元超格子 3 1 を薄片化した時には、 一義的に位置を決定することができ、かつ、 rだけ離れた異なる別の —点 (地点)も一義的に定まり、そこから横ラインを通じてアクセス もできる (第 6図 C ) 。このように、 1次元超格子 3 1の薄片化によ り、上述の(†、 i ) の性質を有する系を実現することができる。 さらに、第 7図に示すように、上記の I次元の超格子薄片 3 3をも うひとつの同様な超格子薄片 3 4と互いに 9 0度方位がずれた状態で 重ね合わせる。この超格子薄片の 2枚重ねで擬似的(離散的)な等方 性を回復すると同時に、この 2枚重ねで 2次元格子を形成することに より、ナノサイズにおいて離散的しかし稠密に空間にアクセスする仕 組みができ、これを以つて全体で連続的な任意のボトムアップ系に対 し個別にァドレスする神経系に相当するものを人工的に付与すること ができる。

第 7図に示す構造は、第 2図 Aおよび第 2図 Bに示すボトムアップ 系が、時間が連続的に投影された等方的な(方向性のない)構造(こ れを今第 1の構造とする)であり、第 1図 Aおよび第 1図 Bに示すト ップダウン系が、時間が非連続的に投影された非等方的な(方向性の ある)構造(これを今第 2の構造とする)であるのと対照的に、丁度 それらの中間の性質を有する、時間が連続的に投影された非等方的な (方向性のある)構造(これを今第 3の構造とする)であり、ボトム アップ系とその連続時間性を、またトップダウン系とその空間非等方 性を共有する。このため、この第 3の構造は、ボトムアップ系とトツ プダウン系との双方に良い親和性を有しており、時間連続投影性およ び空間等方性具有、つまり(†、† ) なる性質と時間非連続投影性お よび空間非等方性具有、つまり(丄、 ) なる性質というまったくの 両極端の構造(だからこそそれらの結合がこれまでなされなかった) を結びつけることができる。

しかも、第 7図に示すように、第 3の構造は、上記の超格子薄片を 2枚重ね合わせることで離散的な等方性(擬似等方性)を回復させ、 ボトムァップ系に 2次元的に完全にアクセスすることができる。 さらに、すでに述べたように、従来、トップダウン系をなす半導体 集積回路などの 2次元構造体では一括露光によるパ夕一二ングが用い られ、分解能は x、 yの 2方向に要求され、しかもその精度は現在の 最高の分解能でも、数 n m程度であるのと対照的に、上記の第 3の構 造の部分は、時間を空間に投影する手法で形成するため原子層の分解 能を持つことができる。このため、たとえボトムアップ部分が分子程 度の大きさのュニッ卜からなっていても、そこへ個別アクセスするこ とが可能となる。

従来のリソグラフィ一の分解能限界を乗り越える手法そのものとし て、自己組織化を用いる試みがなされている。実際、例えば、自己組 織化でできた量子ドットゃ単一分子を使った 2次元メモリでは、数人 オーダーの精度での配列が可能である。しかし、これらの自己組織化 微細構造への独立アクセスに関しては方法がない。金属配線などで外 からアクセスしょうとしても、金属配線をリソグラフィ一により形成 するのでは、すでに述べたように、分解能が十分ではない。

すなわち、トップダウン系で用いられる従来のリソグラフィ一では 1原子層オーダーの分解能はまったく得られておらず、また、ボトム アップのみを用いたのでは(分解能はまだしも)独立アクセスが不可 能であったものが、上記の超格子薄片 3 3のように、 1次元超格子の 成長速度を制御して時間を空間に投影するとともに、これを薄片化し て方向性の自由度を最小に絞った構造を用いることにより、トップダ ゥン系とボトムアツプ系とを相補的につなぐことができ、 1原子層ォ —ダ一の分解能と独立アクセスとの両方を達成することができる。す でに述べたように、分解能に関しては、第 8図に示すように、本発明 者により、 MO CVD法による A l A s /G aA s 2原子層超格子の 成長において成長方向に 1原子層の分解能が得られることが示されて レヽる (A. Ishibashi, MOCVD - grown Atomic Layer ^uper lattices, Spe ctroscopy of Semiconductor Microstructures, eds. G. Faso 1, A. F asolino, P. Lugl i, Plenum Press, NY, 1989)。ここで、第 8図 A、 第 8図 Bおよび第 8図 Cはそれぞれ、透過型電子顕微鏡(TE M) に よる暗視野像、格子像および回折パターンを示す。

すでに述べたように、 MO CVDの成長機構は本質的に表面拡散と キンク成長とからなり、第 9図に示す電気化学的成長機構と同じであ る (春山志郎、表面技術者のための電気化学 p.112, 丸善、東京、 2 0 0 1 ) 。従って、 1次元超格子の成長は電気化学的手法を用いて も時間の関数として行うことができる。つまり、電気化学的手法を用 いて第 6図 Aに示すような時間の連続的な流れをそのまま表している 1次元超格子を成長させることができ、連続的時間座標による空間構 造の制御を行うことができる。第 1図 Aおよび第 1図 Bに示す一括露 光、現像、エッチングという時間軸上の離散的な点での空間構造の制 御に比べ、一桁以上の分解能の向上が可能である。

このため、上記の方法によれば、微細で離散的かつ稠密な繰り返し 構造、例えば、金属などの導電体ストリップ/誘電体の繰り返し構造 を原子層の精度で形成することができる。

上記の第 3の構造をこのような導電体ストリッブ /誘電体の繰り返 し構造で形成する場合、第 1 0図 Cに示すような、導電体ストリップ 4 4 2がそれらの面同士が対向するように交差していてその交差 部の面積が大きい配置ではなく、第 1 0図 Bに示すように、導電体ス トリップ 4 1、 4 2がそれらのナイフエッジ同士が対向するように交 差していて、その交差部の面積が非常に小さい配置とするのが望まし い。第 1 0図 Bの場合、導電体ストリップ 4 1、 4 2の厚さ、すなわ ちエツジ幅は例えば 1〜 1 0 nmオーダ一であり、このとき導電体ス トリップ 4 1あるいは導電体ストリップ 4 2を隔てる誘電体の厚さは 例えば 1 0〜 1 0 0 nmオーダ一である。第 1 0図 Bにおいて、符号 4 5は 1辺のサイズが例えば 1 ~ 1 0 nmオーダ一の擬 0次元スぺ一 スを示す。

第 1 0図 Bに示す配置が望ましい理由を以下に示す。

第 1 0図 Aは局所的な電磁場による表面増強効果が確認されている S PM (表面プローブ顕微鏡)の配置を示し、探針 4 3の先端が試料 の表面 4 4 ( 2次元面)に近接している。以下、第 1 0図 Aに示す場 合と第 1 0図 Bに示す場合とについてナノ空間での電位の空間分布を 計算する。

第 1 0図 Aの場合は、鏡映効果を勘案して探針同士が対向している 場合として計算することができる。この時の探針の先端間の距離と、 第 1 0図 Bの交差部の導電体ストリップ 4 1 と導電体ストリップ 4 2 との間隔は、比較のため同じとする。今、真空中に金属性の構造物が あり、金属部の電位は外から設定しているとすると、空間電荷はゼロ であるので、この場合に解くべきポアッソン方程式は簡単になってラ プラス方程式

( d 2/dx2+ d V5y2+ d 2/dz2) φ (x, y, z) = 0 ( 1 )

となる。空間をメッシ (間隔 Δ) に切り差分方程式化すると に対して、

d φ (i, j,k)/5x Φ k))/ Δ

d φ / ) (i, j,k)/5y (Φ (\,ΐΛ)-φ (i, j-l,k))/ Δ

d φ (i, j,k)/5z (Φ (
-Φ (i, j,k-l))/ Δ

となる。例えば、 x については、

d 2 φ/ dx2= (φ' (ί + 1, j,k)- Φ' (i, j,k))/A

= ((Φ (i + 1, j,k)-<^ (i, j,k))/ Α-(φ (\,}Λ)-Φ (i-1, j,k))/ △)/△ = ((Φ + j,k) + (i-1, j,k)- 2Φ (U,k))/ Δ2

となる。同様にして 32 φ / dy\ d 2 φ/ 3 z2を求めて( 1 ) 式に 代入すると結局

0 = (( (i + 1, j,k) + ^ (i-1, j,k)- 2φ (i, j,k))/ Δ2

+ ( (i, j + l,k) + ^ (i, j-l,k)- 2φ (i, j,k))/ Δ2 + ((φ (i.j.k+l) + φ (i, j,k— 1)- 2Φ (i, j,k))/ Δ2

となる。以上をまとめると

Φ (i, j,k) = (Φ + j,k) + ^ (i-1, j,k)

+ (Φ (i, j + l,k) + ^ (i, j-l,k) + (Φ (i, j.k+D + ci (i, j,k-l))/ 6

という漸化式を回すことによってラプラス方程式の解が求まる。

第 1 0図 Aの配置における境界条件を入れて( 2 ) 式を用いて計算 すると第 1 1図〜第 1 4図に示す電位分布が得られる。ここで、第 1 1図〜第 1 4図の各番号( 1 ~ 1 2 ) は探針の先端間の空間座標を表 し、 0と 1 2が探針の先端の位置である。第 1 1図〜第 1 4図の各 a 図においては、 z軸はフルスケール 1 0 0 0 (任意単位)で固定であ り、各 b図においては、電位の大きさによってスケーリングを行って 縦軸を描いてある。

1

同様にして第 1 0図 Bの場合、すなわち導電体ストリップ 4 1、 4 2のナイフエツジ同士が対向している場合について計算すると、第 1 5図〜第 1 8図に示す電位分布が得られる。第 1 5図〜第 1 8図でも 上記と同じく、各番号は導電体ストリップ 4 1、 4 2のナイフェツジ 間の空間座標を表し、 0と 1 2がナイフエッジの先端の位置である。 また、上記と同じく、第 1 5図〜第 1 8図の各 a図においては、 z軸 はフルスケール 1 0 0 0 (任意単位)で固定であり、各 b図において は、電位の大きさによってスケ一リングを行って縦軸を描いてある。 第 1 1図〜第 1 4図と第 1 5図〜第 1 8図とを比較すると、第 1 0 図 Aに示す場合および第 1 0図 Bに示す場合ともに、交差部の断面積 は 0次元であることを反映して、中間地点付近では似たような電位変 化、すなわち急峻な電場変化をしていることが分かるが、第 1 2図の 番号 5から第 1 3図の番号 7への変化量と、第 1 6図の番号 5.から第 1 7図の番号 7への変化量とを比較すると、同じ電位を与えた場合で も、探針の先端同士が対向している場合よりもむしろ、導電体ストリ ップ 4 1、 4 2のナイフェツジ同士が十字状に交差して対向している 場合の方が、単位長さあたりの電場変化が大きく、強い量子効果を引 き出すことができることを示唆している。

第 1 1図〜第 1 4図に見られるように、対向探針間のポテンシャル は両探針の先端を結ぶ軸の方向(図中、上下方向)に対称であり、ま た、その軸の周りに回転対称であるのに対し、ナイフエッジの十字交 差配置では、第 1 6図および第 1 7図に見られるように、中間点付近 でポテンシャルが鞍点状の特異な形状となる。すなわち、上下非対称 であり、 2回回転対称性と、 7c / 4回転 +上下反転の対称操作に対す る不変性とを有する。すなわち、 D 2 d対称性を持つ。これらは、十字 交差部にはさまれる分子の配置 ·荷電対称性を制御して新しい量子機

能を引き出すための良いツールとすることができる。また、交差角を

9 0度からずらすことにより、 D 2 対称性へとブレークダウンするこ ともできる。

また、第 6図 Cあるいは第 7図に示す構造において、 1次元超格子 3 1 を導電体層と誘電体層との周期構造体とし、その導電体層の厚さ を十分に小さくすることにより、第 1 0図 Bに示す構造および第 1 5 図〜第 1 8図に示す電位分布を実現することができることが分かる。 これにより、上記の第 3の構造において、表面増強効果を引き起こ すようなサイトを超多重並列に並べることができる。この場合、表面 プローブ顕微鏡のへッドを多数並べた構造の多重並列表面プローブの 場合とまったく異なり、稼動部がない点が大きなメリットである。ま . た、超格子薄片として例えば厚さが 1〜 1 0 0 mのものを用いるこ とにより、導電体ストリップ 4 1、 4 2を極めて細くすることができ、 かつ、導電体ストリップ 4 1、 4 2の高い導電性と薄片面の平坦性と を維持することができる。

例えば、第 1 0図 Bに示す導電体ストリップ 4 1、 4 2の交差部の 擬 0次元スペース 4 5にボトムアップ物質を設けると、この第 3の構 造における x、 y交差系をなす導電体ストリップ 4 1、 4 2を人工神 経ラインとして、例えばこの第 3の構造の外側に設けた従来のシリコ ン L S I系とそのボトムアツプ物質とをつないで新規の機能を得るこ とも可能となる(例えば、特開 2 0 0 0— 2 1 6 4 9 9号公報、国際 公開第 0 2 / 3 5 6 1 6号パンフレット)。

導電体ストリップ 4 1、 4 2、より一般的には導電ラインは、電子 を媒体としているので、相互作用が伝わる速さが極めて速い。他方、 ボトムアップ領域の変化、特に原子の配置(コンフィグレーション) の変化 (官能基の位置変化など)は慣性質量が大きいため、速さはか なり遅い。通常、両者の速さの間には一桁以上(一般には数桁)の差 がある。従って、第 7図に概念的に示した配置を実物質を用いて実現 した一例である第 1 9図に示す構造はナノスケールで離散化されたバ ルクサイズ時空間系であり、各導電ラインの交差部にはさまれた原子 ·分子とラインを流れる電子(または正孔)とを断熱近似的に扱うこ とができる。すなわち、第 1 9図は金属と誘電体との周期構造体から なる 2枚の超格子薄片を互いに 9 0度方位がずれた状態で重ね合わせ たものであり、金属からなる導電体ストリップ 4 1、 4 2の交差部の 擬 0次元スペース 4 5にボトムアップ物質が設けられる。導電体スト リップ 4 1は誘電体層 4 6で分離され、導電体ストリップ 4 2は誘電 体層 4 7で分離されている。第 1 9図には、この系がメモリであると した場合に記憶密度 1 T b / i n z に相当する各部の寸法の例を記載 した。

通常、原子団 ·分子団の相互作用は最近接のものを通じて漣が立つ ように、いわば近接場的に伝わる。しかし、第 1 9図に示す系では、 導電ラインを通じて原子 ·分子にとっては瞬時に、いわば遠隔作用的 にやり取りが起こる。系が隅々までを「知っている」ことが臨界状態 の本質のひとつであるので、この第 1 9図に示す系は、従来の物質に ない (例えば、連続系に対し離散系であるセルラーオートマトン(例 えば、 (S. Wo l fram, A New K i nd of Sc i ence, pp. 51 -81, Wo l fram Me d i a I nc. , I L, USA, 2002)参照のこと)がそうであるように)「臨界 状態」に親しい新物質ということができる。そして、この系に現れる と期待される変調された自己組織化臨界現象や自発的対称性の破れを 通じてナノ構造物理の新側面を現出させることができる。すなわち、 局所的かつ個別的にァドレスすることの可能なナノ構造体を大局的サ ィズで得ることによつて微視的世界と巨視的世界とをつなぐとともに

新しい量子機能を創出することができる。

この発明は上記の考察に基づいて案出されたものであり、上記の考 察、後に記述する発明の実施の形態などにより裏付けられるものであ る。

すなわち、上記課題を解決するために、第 1の発明は、

導電体層と当該導電体層の厚さ以上の厚さを有する非金属層との周 期構造体からなる薄片を有し、当該薄片に交差する方向から光を入射 させる (アクセスさせる)ことを特徴とする機能素子である。

この機能素子は、時間が連続的に織り込まれた構造において、織り 込まれた方向に直交する方向から、当該構造にアクセスすることを特 徴とする機能素子の一例である。

ここで、好適には、薄片に直交する方向から光を入射させる。また、 導電体層は最も好適には金属層である。導電体層は、典型的にはスト リップ状またはリボン状である。この機能素子が例えば太陽電池であ る場合には、この金属層としてアノード電極と力ソード電極とを用い、 非金属層としては半導体層を用いる。

第 2の発明は、

導電体層と当該導電体層の厚さ以上の厚さを有する非金属層との周 期構造体からなる薄片を有し、当該薄片に交差する方向に、少なくと も一部、電子を流すことを特徴とする機能素子である。

ここで、典型的には、導電体層の幅方向に沿う方向に電子を流す。 導電体層は最も好適には金属層であり、典型的にはストリップ状また はリボン状である。

第 3の発明は、

導電体層と当該導電体層の厚さ以上の厚さを有する非金属層との周 期構造体からなる薄片をその層が互いに交差し、かつ、導電体層のェ ッジ同士が所定の機能物質を介して対向するように少なくとも 2枚重 ねた構造を含むことを特徴とする機能素子である。

ここで、導電体層は最も好適には金属層であり、典型的にはス卜リ ップ状またはリボン状である。

第 4の発明は、

複数の導電体層がそれらのエツジを対向させて互いに交差し、かつ、 導電体層のエツジ同士が所定の機能物質を介して対向する構造を含む ことを特徴とする機能素子である。

第 1〜第 4の発明において、導電体層は、典型的にはストリップ状 またはリボン状である。また、導電体層の厚さは、一般的には 0. 2 nm以上 1 0 0 nm以下あるいは 1 nm以上 1 0 0 nm以下あるいは 0. 2 nm以上 6 0 nm以下、好適には 0. 2 11111以上 3 0 11111以下、 非金属層の厚さは、一般的には 0. 2 nm以上 2 0 0 以下、典型 的には 0. 2 nm以上 5 0 m以下である。

第 5の発明は、

厚さが 0. 1 nm以上 1 0 0 n m以下の導電体層と当該導電体層の 厚さ以上の厚さを有する誘電体層との周期構造体からなる薄片をその 層が互いに交差し、かつ、導電体層のエッジ同士が所定の記憶媒体を 介して対向するように少なくとも 2枚重ねた構造を含むことを特徴と する記憶素子である。

ここで、導電体層は、典型的にはストリップ状またはリボン状であ る。また、導電体層の厚さは好適には 1 nm以上 1 0 0 nm以下ある いは 0. 2 nm以上 6 0 nm以下、好適には 0. 2 ] 11以上3 0 11111 以下、誘電体層の厚さは一般的には 0. 1 nm以上 2 0 0 以下、 典型的には 0. 2 nm以上 5 0 im以下である。記憶媒体は、例えば 絶縁膜またはナノプリッジ構造である。記憶素子は、典型的には、読

み出し専用記憶素子(R O M ) である。交差部に記憶される情報(デ 一夕)の読み出しは、対角線(最長の対角線のみならず、折れ線状の 部分対角線も含む)上の複数個の交差部に直る並列読み出し((ほぼ) 同時読み出し、あるいは(ほぼ)同時アクセス)により行うこともで き、このようにすると高速の読み出しが可能である。

第 6の発明は、

絶縁体層と強磁性体層との周期構造体からなる薄片をその強磁性体 層のエツジ同士が対向するように少なくとも 2枚、その間に厚さが 0 . 2 n m以上 1 0 n m以下のトンネル絶縁体層をはさんで重ねた構造を 含むことを特徴とする磁気記録素子である。

ここで、トンネル絶縁体層および強磁性体層としては種々のものを 用いることができるが、具体的には、トンネル絶縁体層として例えば A 1 2 0 3 膜、強磁性体層として例えば C 0膜を用いる。絶辏体層お よび強磁性体層は、典型的にはストリッブ状またはリボン状である。 第 7の発明は、

アノード電極とカソ一ド電極とが、間に半導体層をはさんで渦卷き 状に形成され、全体として板状の形状を有することを特徴とする太陽 電池である。

ここで、半導体層は、光電変換が可能であり、渦巻き状に形成する ことに支障がない限り、基本的にはどのようなものであってもよいが、 典型的には、アモルファスシリコン層などの無機半導体層または有機 半導体層である。この太陽電池の形状は問わないが、典型的には円形、 三角形または六角形の形状を有する。ァノード電極およびカソ一ド電 極は、典型的にはストリップ状またはリボン状である。

第 8の発明は、

厚さが 0 . 5 n m以上 1 0 n m以下の金属層と誘電体層との周期構 造体からなる薄片を少なくとも 1枚有することを特徴とする触媒反応 装置である。

ここで、金属層は例えば A u膜、 P d膜、 P t膜などであり、誘電 体層は T i 0 2 膜や S i 0 2 膜などの酸化膜である。金属層は、典型 的にはストリップ状またはリボン状である。薄片は、反応ガスとの接 触面積を増して触媒作用を高める観点より、好適には複数枚、間隔を あけて積層する。

第 9の発明は、

光電変換層が渦巻き状または同心形状に形成され、全体として板状 の形状を有し、この板に交差する方向から光を入射させる光電変換素 子であって、

上記板の厚さ方向に上記光電変換層の光電変換可能な光の波長が段 階的および/または連続的に変化していることを特徴とするものであ る。

典型的には、第 1の電極と第 2の電極とが、間に光電変換層をはさ んで渦巻き状または同心形状に形成される。また、典型的には、第 1 の電極および第 2の電極のうちの少なくとも一方、通常は少なくとも ァノ一ド電極が、板の厚さ方向に互いに分離して設けられた複数の電 極からなる。また、典型的には、板の光入射面から厚さ方向に光電変 換層の光電変換可能な光の波長が段階的に増加しており、第 1の電極 および第 2の電極のうちの少なくとも一方が、板の厚さ方向に上記の 各段階に対応した位置に互いに分離して設けられた複数の電極からな る。光電変換層は、典型的には、 p型半導体層と n型半導体層とから なる p n接合である。これらの p型半導体層および n型半導体層は、 無機半導体、有機半導体のいずれであってもよく、典型的には、板の 厚さ方向に組成傾斜した無機半導体または有機半導体からなる。典型

的には、板の光入射面から厚さ方向に p型半導体層および n型半導体 層のバンドギヤップが段階的および/または連続的に減少している。 第 1の電極および第 1の電極の厚さは必要に応じて決められるが、典 型的にはそれぞれ 0 . 1 n m以上 1 0 0 n m以下である。また、光電 変換層の厚さも必要に応じて決められるが、典型的には 1 O n m以上 1 0 0 n m以下である。光電変換層は、公知の色素増感湿式太陽電池 と同様に、色素を担持した半導体光電極とこの半導体光電極と接した 電解質層とこの電解質層と接した対極とにより構成してもよい。電解 質層としては、好適には固体電解質層が用いられる。この固体電解質 層は印刷や塗布などにより形成することができる。半導体光電極とし ては、典型的には、酸化チタン(例えば、アナタ一ゼ型構造のもの) などの金属酸化物からなるものが用いられる。典型的には、板の光入 射面から厚さ方向に半導体光電極に担持させる色素の種類を変え、こ の色素が吸収する光の波長を段階的に増加させる。より具体的には、 板の光入射面から厚さ方向に、半導体光電極に担持させる色素を、短 波長の光を吸収するものから長波長の光を吸収するものへと段階的に 変化させる。この光電変換素子の形状は問わないが、典型的には円形、 三角形または六角形の形状を有する。

第 1 0の発明は、

発光層が渦巻き状または同心形状に形成されたことを特徴とする発 光素子である。

この発光素子は、典型的には、板状の形状を有し、具体的には、例 えば円形、三角形または六角形の形状を有する。この発光素子を単色 発光とする場合、発光層には単一のバンドギャップを有する発光材料 を用いる。これに対して、白色発光あるいは複数色発光とする場合、 この発光素子においては、典型的には、発光層のバンドギャップの制 御により、板の厚さ方向に発光層の発光可能な光の波長が段階的およ び/または連続的に変化している。また、典型的には、第 1の電極と 第 2の電極とが、間に発光層をはさんで渦巻き状または同心形状に形 成される。また、典型的には、第 1の電極および第 2の電極のうちの 少なくとも一方が、板の厚さ方向に互いに分離して設けられた複数の 電極からなる。また、典型的には、板の一主面から厚さ方向に発光層 の発光可能な光の波長が段階的に変化しており、第 1の電極および第 2の電極のうちの少なくとも一方が、板の厚さ方向に上記の各段階に 対応した位置に互いに分離して設けられた複数の電極からなる。典型 的には、発光層は p型半導体層と n型半導体層とからなる p n接合で ある。これらの p型半導体層および n型半導体層は、無機半導体、有 機半導体のいずれであってもよく、典型的には、板の厚さ方向に組成 傾斜した無機半導体または有機半導体からなる。典型的には、板の一 主面から厚さ方向に P型半導体層および n型半導体層のバンドギヤッ. プが段階的および/または連続的に変化している。第 1 の電極および 第 2の電極の厚さは必要に応じて決められるが、典型的にはそれぞれ 0 . 2 n m以上 1 0 0 n m以下である。また、発光層の厚さも必要に 応じて決められるが、典型的には 1 0 n m以上 1 0 0 n m以下である。 上記課題は、より一般的には、以下のようにして解決することが可 能である。

すなわち、第 1 1 の発明は、

局所的な相互作用により形成される第 1 の構造と予め設定された大 局的な規則により形成された第 2の構造とが、非等方的な構造を有す る第 3の構造を介して結合されてなることを特徴とする機能素子であ る。

第 1 2の発明は、

第 1の構造と第 2の構造とが第 3の構造を介して結合されてなる機 能素子の製造方法であって、

第 3の構造を非等方的な構造を有するように形成する工程と、 第 2の構造を予め設定された大局的な規則により形成する工程と、 第 1の構造を局所的な相互作用により形成する工程とを有すること を特徴とするものである。

第 1 3の発明は、

局所的な相互作用により形成される第 1 の構造と予め設定された大 局的な規則により形成された第 2の構造とが、非等方的な構造を有す る第 3の構造を介して結合されてなる機能素子を用いたことを特徴と する機能システムである。

第 1 1、第 1 2および第 1 3の発明においては、例えば、第 1 の構 造が自律分散型相互作用により形成されたものであり、第 2の構造が 予め設定された大局的な設計ルールにより形成されたものであり、第 3の構造が非等方的な周期構造を有する平面または曲面からなるもの である。あるいは、第 1 の構造が自律分散型相互作用により形成され たものであり、第 2の構造が予め設定された大局的な設計ルールによ り形成されたものであり、第 3の構造が非等方的な周期構造を有する 面を複数交差させて重ねたものである。

第 1 4の発明は、

時間が連続的に投影された等方的な第 1 の構造と時間が不連続的に 投影された非等方的な第 2の構造とが、非等方的な周期構造を有する 第 3の構造により結合されてなることを特徴とする機能素子である。 第 1 5の発明は、

第 1の構造と第 2の構造とが第 3の構造を介して結合されてなる機 能素子の製造方法であって、

第 3の構造を非等方的な構造を有するように形成する工程と、 第 2の構造を時間が不連続的に投影された非等方的なものとして形 成する工程と、

第 1の構造を時間が連続的に投影された等方的なものとして形成す る工程とを有することを特徴とするものである。

第 1 6の発明は、

時間が連続的に投影ざれた等方的な第 1の構造と時間が不連続的に 投影された非等方的な第 2の構造とが、非等方的な周期構造を有する 第 3の構造により結合されてなる機能素子を用いたことを特徴とする 機能システムである。

第 1 4、第 1 5および第 1 6の発明においては、例えば、第 3の構 造が非等方的な周期構造を有する面を複数交差させて重ねたものであ る。

第 1 7の発明は、

時間が連続的に投影された等方的な第 1 の構造と時間が不連続的に 投影された非等方的な第 2の構造とが、時間が連続的に投影された非 等方的な第 3の構造により結合されてなることを特徴とする機能素子 である。

第 1 8の発明は、

第 1の構造と第 2の構造とが第 3の構造を介して結合されてなる機 能素子の製造方法であって、

第 3の構造を時間が連続的に投影された非等方的なものとして形成 する工程と、

第 2の構造を時間が不連続的に投影された非等方的なものとして形 成する工程と、

第 1の構造を時間が連続的に投影された等方的なものとして形成す る工程とを有することを特徴とするものである。

第 1 9の発明は、

時間が連続的に投影された等方的な第 1の構造と時間が不連続的に 投影された非等方的な第 2の構造とが、時間が連続的に投影された非 等方的な第 3の構造により結合されてなる機能素子を用いたことを特 徴とする機能システムである。

第 1 7、第 1 8および第 1 9の発明においては、例えば、第 3の構 造が、時間が連続的に投影された非等方的な 2次元構造をその方向性 をずらして少なくとも二つ重ねて擬似的に等方性を回復したものであ る。

第 2 0の発明は、

ボトムアップで形成された第 1の構造とトップダウンで形成された 第 2の構造とが、非等方的な周期的な第 3の構造を介して結合されて なることを特徴とする機能素子である。

第 2 1 の発明は、

第 1の構造と第 2の構造とが第 3の構造を介して結合されてなる機 能素子の製造方法であって、

第 3の構造を非等方的な周期的なものとして形成する工程と、 第 2の構造をトップダウンで形成する工程と、.

第 1の構造をボトムアップで形成する工程とを有することを特徴と するものである。

第 2の発明は、

ボトムアップで形成された第 1の構造と卜ップダウンで形成された 第 2の構造とが、非等方的な周期的な第 3の構造を介して結合されて なる機能素子を用いたことを特徴とする機能システムである。

第 2 0、第 2 1および第 2 2の発明においては、例えば、第 1 の構 造が自己組織化によるボトムアツプで形成されたものであり、第 2の 構造がトップダウンで形成された集積回路(半導体集積回路など)で あり、第 3の構造が、時間が連続的に投影された非等方的な 2次元構 造を複数交差させて重ねて擬似的に等方性を回復したものである。 第 2 3の発明は、

自己相似性またはフラクタル構造を有する第 1の構造とトップダウ ンで形成された集積回路からなる第 2の構造とが、非等方的な周期構 造を有する第 3の構造により結合されてなることを特徴とする機能素 子である。

第 2 4の発明は、

第 1の構造と第 2の構造とが第 3の構造を介して結合されてなる機 能素子の製造方法であって、

第 3の構造を非等方的な周期構造を有するように形成する工程と、 第 2の構造を卜ップダウンで集積回路として形成する工程と、 第 1の構造を自己相似性またはフラクタル構造を有するものとして 形成する工程とを有することを特徴とするものである。

第 2 5の発明は、

自己相似性またはフラクタル構造を有する第 1 の構造と卜ップダウ ンで形成された集積回路からなる第 2の構造とが、非等方的な周期構 造を有する第 3の構造により結合されてなる機能素子を用いたことを 特徴とする機能システムである。

第 2 3、第 2 4および第 2 5の発明においては、例えば、第 3の構 造が、非等方的な周期構造を有する面を複数交差させて重ねたもので あり、また、集積回路は半導体集積回路などである。

第 1 1〜第 2 5の発明において、第 3の構造は、例えば、厚さが 0 . 2 n m以上 6 0 n m以下、好適には 0 . 1 n m以上 3 0 n m以下、典 型的には 1〜 1 0 n mオーダ一の導電体層と厚さが 0 · 2 n m以上 5 0 Lt m以下、典型的には 0 . 1 n m以上 6 0 0 n m以下、より典型的 には 1 0〜 1 0 0 n mオーダ一の誘電体層との周期構造体からなる薄 片をその層が互いに交差するように少なくとも 2枚重ねた構造を有す る。

また、非等方的な構造は、単一の空間周波数を有するものであって も、複数の空間周波数を有するものであってもよい。さらに、非等方 的な構造は、例えば、相互作用が伝わる特徴的な時間に 1桁以上の差 がある互いに異なる性質を有する複数種の相互作用または物理現象の 担体を有し、注目している相互作用または物理現象についてそのホス トとなる物質の系において、速い相互作用時間または物理現象時間で 特徴付けられる担体(例えば、電子)に対応する第 1のホスト物質に より、遅い相互作用または物理現象で特徴付けられる担体(例えば、 原子または分子)に対応する第 2のホスト物質が、 1 n m以上 1 0 0 n m以下のスケールのオーダ一(例えば、 0 . 2 11 111以上6 0 0 11 111 以下)で離散化されたものである。また、この場合、例えば、第 1の ホスト物質について、全体システムの内部の任意の位置に対して、こ れと連結しているこの第 1のホスト物質が、少なくとも 1箇所、この システムを囲む 1次元ラインまたは曲線上に存在するか、露出してい る。

第 3の構造に導電体層と誘電体層との繰り返し構造を用いる場合、 導電体層に接触する両側の誘電体層の性質は互いに同一であっても異 なっていてもよい。

典型的な一つの例では、トップダウンで製造された集積回路(半導 体集積回路など)からなる第 2の構造と第 1 の構造および第 3の構造 の結合体とがこの結合体の辺緣に存在する直線または曲線状の一次元

構造をィン夕ーフユ一ス領域として結合する。

第 1 6の発明は、

第 1 1、第 1 4、第 1 7、第 2 0、第 2 3の発明における第 3の構 造が 3層以上積層されてなることを特徴とする機能材料である。

第 2 7の発明は、

第 1 1、第 1 4、第 1 7、第 2 0、第 2 3の発明における第 1の構 造および第 3の構造からなる積層体が 2層以上積層されてなることを 特徴とする機能材料である。

第 2 8の発明は、

ストリップ状の導電体層と誘電体層との周期構造体からなる薄片を その層が互いに交差するように、かつ、導電体層のエッジ同士が対向 するように少なくとも 2枚重ねた構造を含むことを特徴とする機能素 子である。

第 2 9の発明は、

ストリップ状の導電体層と誘電体層との周期構造体からなる薄片を その層が互いに交差し、かつ、導電体層のエッジ同士が対向するよう に少なくとも 2枚重ねた構造を含むことを特徴とする機能材料である。 第 3 0の発明は、

厚さが 0. 2 nm以上 6 0 nm以下のストリップ状の導電体層とこ の導電体層の厚さ以上の厚さを有する誘電体層との周期構造体からな る薄片をその層が互いに交差し、かつ、導電体層のエッジ同士が対向 するように少なくとも 2枚重ねた構造を含むことを特徴とする機能素 子である。

第 3 1の発明は、

厚さが 0. 2 nm以上 6 0 nm以下のストリップ状の導電体層とこ の導電体層の厚さ以上の厚さを有する誘電体層との周期構造体からな

る薄片をその層が互いに交差し、かつ、導電体層のエッジ同士が対向 するように少なくとも 2枚重ねた構造を含むことを特徴とする機能材 料である。

第 3 0および第 3 1の発明において、導電体層の厚さは好適には 0 . 2 n m以上 3 0 n m以下、誘電体層の厚さは一般的には 0 . 2 n m以 上 2 0 0 u m以下、典型的には 0 . 2 n m以上 5 0 m以下である。 第 3 2の発明は、

非等方的な構造が、相互作用が伝わる特徴的な時間に 1桁以上の差 がある互いに異なる性質を有する複数種の相互作用または物理現象の 担体を有し、注目している相互作用または物理現象についてそのホス トとなる物質の系において、速い相互作用時間または物理現象時間で 特徴付けられる担体に対応する第 1 のホスト物質により、遅い相互作 用または物理現象で特徴付けられる担体に対応する第 2のホスト物質 が、 1 n m以上 1 0 0 n m以下のスケールのオーダ一で離散化されて いることを特徴とする機能素子である。

第 3 3の発明は、

非等方的な構造が、相互作用が伝わる特徴的な時間に 1桁以上の差 がある互いに異なる性質を有する複数種の相互作用または物理現象の 担体を有し、注目している相互作用または物理現象についてそのホス トとなる物質の系において、速い相互作用時間または物理現象時間で 特徴付けられる担体に対応する第 1のホスト物質により、遅い相互作 用または物理現象で特徴付けられる担体に対応する第 2のホスト物質 を、 1 n m以上 1 0 0 n m以下のスケールのオーダーで離散化するこ とを特徴とする機能素子の製造方法である。

第 3 4の発明は、

非等方的な構造が、相互作用が伝わる特徴的な時間に 1桁以上の差 がある互いに異なる性質を有する複数種の相互作用または物理現象の 担体を有し、注目している相互作用または物理現象についてそのホス トとなる物質の系において、速い相互作用時間または物理現象時間で 特徴付けられる担体に対応する第 1 のホスト物質により、遅い相互作 用または物理現象で特徴付けられる担体に対応する第 2のホスト物質 が、 1 n m以上 1 0 0 n m以下のスケールのオーダーで離散化された 機能素子を用いたことを特徴とする機能システムである。

第 2 6〜第 3 4の発明においては、その性質に反しない限り、第 1 1〜第 2 5の発明に関連して述べたことが成立する。

さらに、第 1 1〜第 3 4の発明においては、その性質に反しない限 り、第 1〜第 1 0の発明に関連して述べたことが成立する。

上述のように構成されたこの発明によれば、局所的な相互作用によ り形成される第 1の構造と予め設定された大局的な規則により形成さ れた第 2の構造とを、非等方的な構造を有する第 3の構造を介して結 合することにより、従来困難であつたトップダウン系とボトムアツプ 系との統合を容易に行うことができる。

上記の種々の素子は、以下の新規なクリーンュニットあるいはクリ ーンュニッ卜システムを用いることにより、巨大でかつ設備コス卜が 高い従来のクリーンルームを用いることなく、高い歩留まりで製造す ることができる。

すなわち、第 3 5の発明は、

クリーンな環境に維持することができる作業室と、

作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少 なくとも一方の側部にそれぞれ設けられた連結部とを有することを特 徴とするクリーンユニットである。

作業室の連結部を後部、上部、下部および二つの側部のどこに設け るかは、クリーンュニットを二次元的(平面的)または三次元的(立 体的)にどのように配置するかに応じて適宜決められる。例えば、ク リーンュニットを水平面内に配置する場合、連結の自由度を大きくし、 クリーンユニットシステムのフレキシビリティーを高めるためには、 好適には、連結部は、作業室の後部および両側部にそれぞれ設けられ る。この場合、一つのクリーンュニッ卜に対し、後部および両側部に 合計三つのクリーンユニットを連結することが可能である。また、ク リーンュニッ卜を鉛直面内に配置する場合、連結の自由度を大きくし、 クリーンュニットシステムのフレキシビリティーを高めるためには、 好適には、連結部は、作業室の上部または下部および両側部にそれぞ れ設けられる。この場合、一つのクリーンュニットに対し、上部また は下部および両側部に合計三つのクリーンュニットを連結することが 可能である。連結部は、一般的には、作業室の壁に設けられた開口部 とこの開口部を開閉可能に設けられた遮断板とを有する。この遮断板 は、開閉可能である限り、基本的にはどのようなものであってもよい が、典型的には、引き戸や扉などである。この遮断板の開閉は、手動 で行ってもよいし、光センサーなどのセンサ一を作業室内部に取り付 けるとともに、遮断板の開閉機構を設け、オペレータ一の手や試料が 遮断板に近づいた時に自動的に開閉するようにしてもよい。また、作 業室にベルトコンベア一などの搬送機構を設け、入り口と出口との間 でこの搬送機構により試料を搬送する場合には、試料が搬送機構によ り出口付近まで搬送された時、これをセンサ一により検知して遮断板 を開閉機構により開閉するようにしてもよい。遮断板または作業室の 壁面にパッキンなどのシ一ル部材を設けて遮断時の気密性を高めるよ うにしてもよい。

作業室は、その中でどのような作業(あるいはプロセス)を行うか によっても異なるが、クリーンな環境において化学プロセス、化学反 応、結晶成長、バイオプロセスなどを実行するような場合、典型的に は排気ダクト、および送風動力を有しないパッシブな防塵フィルター を有する。これらの排気ダクトおよび防塵フィルタ一は、典型的には 作業室の上部に設置される。この場合、一般的には、クリ一ンュニッ トは密閉タイプであるが、これに限定されるものではない。これに対 し、作業室内で非化学プロセス(例えば、表面プローブ顕微鏡による 物理測定や検査やアセンブル(組立)作業)を実行するような場合、 作業室は、典型的には、圧力制御用などの通風孔および送風動力を有 するアクティブな防塵フィルター(例えば、 H E P Aフィルターや U L P Aフィルターなど)を有する。典型的には、防塵フィルタ一は作 業室の上部に設けられ、通風孔は作業室の側壁下部に設けられる。こ の場合、一般的には、クリーンュニットは、通風孔により作業室の内 部圧力を制御する開放系夕ィプであるが、これに限定されるものでは ない。作業室には、圧力制御用などの通風孔に加えて、配線などを通 すためなどの目的で一つまたは二つ以上の孔が設けられることがある。 作業室から流出する気体が、活性炭などを用いた吸着装置または除害 装置またはそれらの両方を経た後、ァクティブな防塵フィルターの入 り口に入るように構成し、さらに、好適には吸着装置および/または 除害装置に外界に繋がる排気ダクトを設けることで、気体中に含まれ る有害微粒子などを吸着し、あるいは有害ガスを無害化してから外部 に排出するようにすることにより、有害微粒子や有毒ガスなどの発生 を伴うバイオプロセス(細胞培養、細胞融合、遺伝子組み替え、植物 体育成、形質改変など)や化学プロセスなどにも適用することができ る。また、通風孔から流出する気体がアクティブな防塵フィルタ一の 入り口に入るように構成することにより、同じ防塵フィルターを用い ていながら、作業室の清浄度の大幅な向上を図ることができる。作業 室の清浄度の向上の観点からは、最も好適には、作業室の通風孔など から流出する気体の全て( 1 0 0 % ) がアクティブな防塵フィルター の入り口に入るように構成されるが、必ずしもそのようにする必要は なく、流出する気体の一部がアクティブな防塵フィルタ一の入り口に 入るように構成するだけでも効果を得ることができる。典型的には、 作業室に直結された気密性を有する管がアクティブな防塵フィル夕一 の入り口に繋がっていることにより気体が循環するように構成され、 かつ気密性を有するようにする(ターボシステム)。作業室は、必要 に応じて作業用のグローブを有し、これは通常、作業室の前部に設け られる。

クリーンュニットは、例えば、ナノテクノロジープロセスュニット やバイオテクノロジ一プロセスュニットであり、各種のプロセスに用 いることができる。

クリーンユニットは、例えばドラフト、クリーンベンチ、グロ一ブ ボックスなどであるが、これに限定されるものではない。 .

クリーンュニットの作業室の形状は種々の形状であってよく、必要 に応じて選ばれるが、具体例を挙げると、直方体状または立方体状、 直方体または立方体を変形した形状、球状、半球状、楕円体状、円筒 状などであってよい。また、作業室の内部の大きさは、基本的には使 用目的などに応じて設計により適宜決定するものであるが、例えば、 オペレータ一がグローブなどを用いて作業室の内部で各種の作業(プ 口セスの実行、クリーニングなどのメンテナンスの実施など)を行う ことができるようにするためには、作業室内に外部から手を入れて作 業空間のほぼ全体に届く大きさであることが望ましく、一般的には幅、 高さ、奥行きとも l m以内に選ばれる。一方、作業室の大きさがあま りに小さすぎると、作業に支障を来すおそれがあるため、一般的には

3 0 c m程度以上に選ばれる。作業室内に外部から手を入れて作業を 行う必要がない場合、例えば作業を自動化する場合、あるいはクリー ンュニットを試料などを入れたまま携帯する場合などには、作業室の 大きさをより小さくすることが可能である。

作業室は、板状のハードな部材により構成するほか、風船あるいは バルーン状のソフトな材料を用いて構成してもよい。

クリ一ンュニットの内部には、使用目的に応じて、コンパクトな装 置を収めることができる。この装置は、具体的には、例えば、後述の ような各種のプロセス装置、ラッピング装置、解析装置(例えば、光 学顕微鏡、走査型電子顕微鏡( S E M ) 、原子間力顕微鏡(A F M ) などの走査プローブ顕微鏡( S P M ) など)、反応装置、マイクロケ ミカルシステム、マイクロケミカルリアクター、露光装置、エツチン グ装置、成長装置、加工装置、殺菌装置、粒径フィルター、人工光源、 バイオ装置、食品加工装置、検査装置、駆動装置などである。人工光 源としては、細胞系の育成や植物体の育成を行う場合、好適には、ス ぺクトル半値幅が 3 0 n m以下の発光ダイォードゃ半導体レーザ、特 にパルス駆動半導体レーザが用いられる。

第 3 6の発明は、 '

クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリ ーンュニッ卜が連結されてなるクリ一ンュニットシステムにおいて、 複数のクリーンュニッ卜のうちの少なくとも一つのクリーンュニッ 卜が、

クリーンな環境に維持することができる作業室と、

作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少 なくとも一方の側部にそれぞれ設けられた連結部とを有することを特

徴とするものである。

複数のクリーンユニットは、その全てが、クリーンな環境に維持す ることができる作業室と、作業室の後部、上部および下部のうちの少 なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ設けられた連 結部とを有するクリーンュニッ卜であってもよく、また、このクリ一 ンュニッ卜と従来の左右方向のみ連結可能なクリーンュニッ卜とが混 在したものであってもよい。

このクリーンュニットシステムは、例えば、非単一直線状配置、左 右方向あるいは上下方向あるいは前後方向の折れ線状配置、枝状配置、 ループ状配置またはそれらの二つ以上が混合した配置でクリーンュニ ッ卜が連結された部分を含み、全体がそれらの非単一直線状配置、折 れ線状配置、枝状配置、ループ状配置または混合配置であってもよレ、。 ここで、折れ線状配置は少なくとも一つの曲がりを有するが、.好適に は二つ以上の曲がりを有する。一つの曲がりを有する場合の一例は L 字型である。ここで言う曲がりには、例えば直角に曲がる場合のよう に非連続的に曲がる場合だけでなく、連続的にあるいは滑らかに曲が る場合も含まれる。したがって、例えば二つの曲がりを有する場合に は、 Uの字型に曲がる場合も含まれる。折れ線状配置に関して述べた 以上のことは、以下においても同様である。

クリーンな環境に維持することができる作業室と、作業室の後部、 上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側 部にそれぞれ設けられた連結部とを有する上記のクリーンュニッ卜に ついては、第 3 5の発明に関連して述べたことが成立する。

第 3 7の発明は、

クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリ —ンュニットが連結されてなるクリ一ンュニットシステムにおいて、 非単一直線状配置または折れ線状配置でクリーンュニッ卜が連結さ れた部分を含むことを特徴とするものである。

第 3 8の発明は、

クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリ ーンュニットが連結されてなるクリーンュニットシステムにおいて、 複数のクリ一ンュニッ卜のうちの少なくとも一つのクリ一ンュニッ トは複数の連結部を有し、この複数の連結部は、試料が当該連結部を 通過する際の方向が互いに非平行または互いに直交する少なくとも二 つの連結部を含むことを特徴とするものである。

第 3 9の発明は、

クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリ —ンュニッ卜が連結されてなるクリーンュニッ卜システムにおいて、 複数のクリーンュニッ卜のうちの少なくとも一組の隣接するクリー ンュニッ卜において、一方のクリーンュニッ卜の出口を試料が通過す る方向と他方のクリーンュニッ卜の入り口を当該試料が通過する方向 とが互いに非平行または互いに直交することを特徴とするものである。 第 4 0の発明は、

クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリ —ンュニットが連結されてなるクリーンュニッ卜システムにおいて、 所定の有限エリアに収まるように折れ線状配置でクリーンュニット が連結されていることを特徴とするものである。

第 4 1の発明は、

クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリ ーンュニットが連結されてなるクリーンュニットシステムにおいて、 ループ状配置でクリーンュニッ卜が連結された部分を含むことを特 徴とするものである。

第 4 2の発明は、

クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリ ーンュニットが連結されてなるクリーンュニットシステムにおいて、 複数のクリーンュニットはモザィク状配置で連結された複数種類の クリーンユニットを含むことを特徴とするものである。

ここで、複数のクリーンユニットには、例えば、ドラフト、クリ一 ンベンチ、グローブボックスなどが含まれる。実行するプロセスに着 目すると、複数のクリーンュニッ卜には、化学プロセスュニット、非 化学プロセスュニット、バイオプロセスュニットなどが含まれる。複 数のクリーンュニッ卜は、例えば、ループ状配置でクリーンュニット が連結された部分を含んでもよい。

第 4 3の発明は、

クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリ —ンュニットが連結されてなるクリ一ンュニットシステムにおいて、 トータルな一連のプロセスフローの中で複数回現れる同種類のプロ セスを、複数のクリーンュニットにループ状配置でクリーンュニット が連結された部分を設けることにより、同一のクリーンュニットにお いて実行可能であることを特徴とするものである。

第 4 4の発明は、

クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリ ーンュニッ卜が連結されてなるクリ一ンュニットシステムを用いて素 子を製造する素子製造方法において、

複数のクリーンュニットは互いに種類が異なるコンパク卜な装置を それぞれ内部に有する複数のクリーンュニッ卜が折れ線状配置または ループ状配置で連結された部分を含み、この部分においてトータルな

—連のプロセスフローのプロセスの全部または主要部を一貫して実行

するようにしたことを特徴とするものである。

ここで、素子には、上記の種々の素子や半導体素子などの各種電子 素子のほか、バイオ素子、バイオエレク卜ロニクス素子などが含まれ る。

第 3 7〜第 4 4の発明において、好適には、複数のクリーンュニッ 卜のうちの少なくとも一つのクリ一ンュニットが、クリ一ンな環境に 維持することができる作業室と、作業室の後部、上部および下部のう ちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ設けら れた連結部とを有する。複数のクリーンュニッ卜の全てがこのような クリーンユニットであってもよい。このクリーンユニットについては、 第 3 5の発明に関連して述べたことが成立する。

第 4 5の発明は、

クリーンな環境に維持することができる作業室と、

作業室に設けられた排気ダクトおよびパッシブな防塵フィルターと を有することを特徴とするクリーンユニットである。

ここで、このクリーンュニットは、作業室の後部、上部および下部 のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一方の側部にそれぞれ設 けられた連結部を有するものであっても、そうでなくてもよい。前者 の場合については、その性質に反しない限り、第 3 5の発明に関連し て述べたことが成立する。以下に説明する第 4 6の発明においても同 様である。作業室は、典型的には化学プロセス装置を有するが、それ に限定されるものではない。

第 4 6の発明は、

クリーンな環境に維持することができる作業室を有する複数のクリ —ンュニッ卜が連結されてなるクリ一ンュニットシステムにおいて、 複数のクリ一ンュニッ卜のうちの少なくとも一つのクリ一ンュニッ 卜が、

クリーンな環境に維持することができる作業室と、

作業室に設けられた排気ダクトおよびパッシブな防塵フィルターと を有することを特徴とするものである。

第 3 6〜第 4 3および第 4 6の発明において、クリ一ンュニットシ ステムは、各種用途に用いることができ、例えば、ナノテクノロジ一 プロセスュニッ卜やバイオテクノロジープロセスュニットを用いるこ とにより、ナノテクノロジ一プロセスシステムやバイオテクノロジー プロセスシステムなどの各種のプロセスシステムを得ることができ、 さらには、ナノテクノロジ一プロセスュニットおよびバイオテクノロ ジ一プロセスュニットを組み合わせることにより、ナノ ·バイォ融合 プラットフオームを実現することができる。このことは、以下のクリ ーンュニットシステムにおいても同様である。このクリーンュニット システムは、具体的には、材料処理システム(無機材料プロセスシス テムや有機材料プロセスシステム)、素子製造システム、細胞系育成 システム、植物体育成システムなどである。

また、第 3 6〜第 4 4および第 4 6の発明において、複数のクリ一 ンュニッ卜のうちの少なくとも一つのクリーンュニットは、典型的に は、例えば次に述べるようなコンパク卜なプロセス装置、解析装置、 反応装置、マイクロケミカルシステム、マイクロケミカルリアクター、 露光装置、エッチング装置、成長装置、加工装置、殺菌装置、粒径フ ィルター、人工光源、バイオ装置、食品加工装置、検査装置、駆動装 置などを内部に有する。

上記のクリーンュニッ卜に搭載するプロセス装置、解析装置、反応 装置、マイクロケミカルシステム、マイクロケミカルリアクター、露 光装置、エッチング装置、成長装置、加工装置、殺菌装置、粒径フィ ルター、人工光源、バイオ装置、食品加工装置、検査装置、駆動装置 などとしては、小型のクリーンュニッ卜であってもその中に収まるよ うな十分にコンパクトなものが好適に用いられる。例えば、クリーン ュニットシステムで試料の投入から製品ァゥトプッ卜までのトータル な一連のプロセスを実行する場合、あるいは、そのプロセスの主要部 を構成する一連のプロセスを実行する場合、そのプロセスフローの中 で現れる種々の物理 ·化学処理に各々対応するプロセス装置について、 このクリ一ンュニットに収まり得るコンパク卜な装置群を用いる。こ れらのプロセス装置は、クリーンュニットに対して出し入れ自在に設 けてもよいし、クリーンユニットに一体化してもよい。

例えば、上記の種々の素子や半導体素子などの高機能素子の製造は、 材料投入から製品ァゥトプットに至る一貫したプロセスを用いるため、 高度に管理された巨大なクリーンルームの中に配置されたリソグラフ ィ一装置やエツチング装置などの高度精密装置間で基板を受け渡すこ とで従来実現されてきたことは既に述べたとおりであるが、この発明 においては、最近の諸テクノロジ一の発展をベースに以下のような装 置の置換を行い、装置のコンパクト化を行う。例えば、透過型電子顕 微鏡観察や従来型の走査型電子顕微鏡観察(ΤΕΜ · S EM観察)な どは卓上型走査トンネル顕微鏡観察 ·原子間力顕微鏡観察( S TM/ AF M観察) あるいはミニ走査型電子顕微鏡( S EM) にて置き換え る。光リソグラフィー装置としては、その露光光源をガスレーザから 半導体レーザ(例えば、文献 1 0 ) で置き換える。薄膜成長法に関し ては、分子線ェピタキシ(MB E) 、有機金属気相成長法(MO CV D) といった大規模装置の使用を取り止め、マイクロケミカルリアク ター (文献 1 1 ) などを用いる。メタライゼーシヨンに関しても、金 属メツキ装置あるいは卓上型ミニデポジション(成膜)装置などを用 いる。さらに、マイクロ C V D (化学気相堆積)装置、マイクロ R I E (反応性イオンエッチング)装置、ミニスピンコ一夕、ミニべ一キ ング装置などを用いる。

以上の置換を行うことにより、事実上、半導体などのプロセスにお ける基板投入から光リソグラフィー、電極作製、表面観察など、基板 投入からロットアウトまでのプロセスの全部あるいはその主要部分を 構成する一連の流れを、巨大クリーンルームを用いることなく、通常 の部屋に置かれた、局所的なクリーンな閉空間(典型的には卓上スぺ ース程度の)を包むクリーンュニッ卜の連結体の中で一貫して完結す ることができる。すなわち、上記の置換による装置のコンパクト化に よりクリーンュニットをテーブル上に設置可能な程度に小型化するこ とができるので、作業室の後部および少なくとも一方の側部にそれぞ れ連結部が設けられた上記のクリーンュニットを折れ線状配置(つづ ら折り状配置など)やループ状配置などで連結することでクリーンュ ニットシステム全体でも小さな面積しか用いないで済む。そして、ク リーンスーツ、エアシャワー、クリーンマットなどが不要となるため、 ほとんど全ての作業を局所的に極めてクリーンな雰囲気下で、人体に も環境にもやさしく行うことができる。

上述のように構成された第 3 5〜第 4 6の発明によれば、クリーン ユニットの作業室の後部、上部および下部のうちの少なくとも一つな らびに少なくとも一方の側部にそれぞれ連結部が設けられていること により、左右方向のみならず、後方あるいは上下部にも他のクリーン ュニットを連結することができ、クリーンュニットの連結の自由度が 大幅に増加する。このため、クリーンユニットを折れ線状配置やルー プ状配置などで連結することができ、実行するプロセスに応じて最適 な配置でしかも最小の面積でクリーンュニットシステムを構成するこ とが可能となる。また、特に、例えば、クリーンユニットの作業室の 後部、上部および下部のうちの少なくとも一つならびに少なくとも一 方の側部にそれぞれ連結部が設けられ、また、作業室に通風孔および アクティブな防塵フィルターが設けられることにより、クリーンュニ ッ 卜の連結の自由度が大幅に増加するだけでなく、作業室の内部をク リーンな環境に維持することができる。

また、クリーンュニットシステムが非単一直線状配置、折れ線状配 置、枝状配置、ループ状配置またはそれらの二つ以上が混合した配置 でクリーンュニッ卜が連結された部分を含むことにより、実行するプ ロセスに応じて最適な配置でしかも最小の面積でクリーンュニットシ ステムを構成することが可能となる。

また、複数のクリ一ンュニッ卜のうちの少なくとも一つのクリ一ン ュニットは複数の連結部を有し、この複数の連結部は、試料が当該連 結部を通過する際の方向が互いに非平行または互いに直交する少なく とも二つの連結部を含むことにより、クリーンユニットの連結の自由 度が大幅に増加し、実行するプロセスに応じて最適な配置でしかも最 小の面積でクリーンュニットシステムを構成することが可能となる。

また、所定の有限エリアに収まるように折れ線状配置でクリーンュ ニッ卜が連結されていることにより、実行するプロセスに応じたクリ —ンュニットシステムを最小の面積で構成することができる。

また、複数のクリーンュニッ卜がモザィク状配置で連結された複数 種類のクリーンュニットを含むことにより、多種多様なプロセスが含 まれているプロセスに最適なクリーンュニットシステムを構成するこ とができる。

また、トータルな一連のプロセスローの中で複数回現れる同種類 のプロセスを、複数のクリ一ンュニットにループ状配置でクリーンュ ニットが連結された部分を設けることにより、同一のクリーンュニッ トにおいて実行可能であることにより、同種類のプロセスに必要なク リーンュニッ卜の数を大幅に減少させることができる。

また、複数のクリーンュニッ卜が互いに種類が異なるコンパク卜な 装置をそれぞれ内部に有する複数のクリーンュニッ卜が折れ線状配置 またはループ状配置で連結された部分を含み、この部分においてトー タルな一連のプロセスフローのプロセ の全部または主要部を一貫し て実行することにより、材料処理、素子製造、細胞系育成、植物体育 成などのプロセスを効率的に実行することができる。

また、クリーンユニットの作業室に排気ダクトおよびパッシブな防 塵フィルタ一が設けられていることにより、作業室の内部を送風動力 を用いずにクリーンな環境に維持することができる。

ところで、いま、連結部の有無を問わず、通風孔および送風動力を 有するアクティブな防塵フィルタ一(例えば、 H E P Aフィルタ一や U L P Aフィルターなど)によりクリーンな環境に維持するボックス 状の作業室を有するクリーンユニットを考える。この場合'、この作業 室内のダスト密度 n ( t ) は、防塵フィルタ一の風量を V、作業室の 体積を V。、内面積を S、単位面積 ·単位時間当たりのダスト微粒子 の脱離レ一トをび、設置環境のダスト密度を N。、防塵フィルタ一の ダスト捕集率をァとして

V。^ = S(T - n{t)V + N0V{\ - γ

at

で記述される。このとき、

Sa 、2 V .τ

Κ ο νη ο 。

および

と定義すると、ダス卜密度は


となり、時間がたっても外気のダスト密度の一次の関数となってしま う。つまり設置環境に大きく左右されてしまう。

次に、既に述べたターボシステムを考える。すなわち、作業室に直 結された気密性を有する管がァクティブな防塵フィルタ一の入り口に 繋がっていることにより気体が循環するように構成され、かつ気密性 を有する場合である。この場合、ダスト密度 n ( t ) は、


一 γ)

で記述される。このとき

Sa

-' =

および

と定義する.と、ダスト微粒子濃度は

"(り e


となり、時間が十分たてば、第 2項は急速にゼロに近づくため、第 1 項、すなわち αη / β η = (S /V。) / (rV/V。) = Sび/ ァ Vのみが残る。この項は外気のダスト密度を含まないため、このク リーンュニッ卜の設置環境によらず、究極の清浄度が得られることが わかる。ここで特徴的なことは、ターボシステムを用いないクリーン ュニットでは、作業室の清浄度は、 1 ーァあるいはそのべき乗( 1 — 7 ) " で支配されるのに対し、ターボシステムを用いるクリーンュニ ットでは、作業室の清浄度は 1 /ァで支配されることである。また、 S σ /ァ Vを最小化することが重要である。

そこで、第 4 7の発明は、

アクティブな防塵フィルターを用いて作業室をクリーンな環境に維 持するクリ一ンュニットにおいて、

上記防塵フィルタ一の粉塵捕集効率を 7とするとき、上記作業室の 清浄度が 1 / yで支配されることを特徴とするものである。

典型的には、防塵フィル夕一は H E P Aフィル夕一または U L P A フィル夕一であり、作業室から流出する気体の全てが上記アクティブ な防塵フィルタ一の入り口に入るように構成される。特に、作業室に 直結された気密性を有する管が上記防塵フィルターの入り口に繋がつ ていることにより気体が循環するように構成され、かつ気密性を有す る。作業室内で化学プロセスを実行する場合には、好適には、化学プ ロセス対応の防塵フィルターを用いるとともに、上記の管に吸着剤ま たは吸着塔を接続することで、ダク卜などを通じて外部に接続するこ となく、クローズドシステムで有害物質の除去とクリーンな環境の維 持とを両立させることができる。作業室の内壁からのダストあるいは 粉塵の放出を最小化するために、好適には、作業室の内壁の少なくと も一部に粘着シ一トが貼り付け、例えば一定期間使用したら貼り替え る。粘着シートを多層化したものを使用した場合には、粘着シートを 一枚ずつ剥がすことで清浄なシ一卜面を出すことができる。また、作 業室の内壁表面について、作業室から除去しょうとするダスト微粒子 の径と同じオーダーの表面凹凸のフ一リェ成分を持たないように平滑 加工することによって、この粒径を有するダス卜微粒子の作業室の内 壁表面への吸着を最小限に抑えることができる。

第 3 5〜第 4 6の発明によるクリ一ンュニットあるいはクリーンュ ニットシステムの構成あるいはこれに関連して説明したことは、その 性質に反しない限り、この第 4 7の発明にも成立し、あるいは適用す ることができる。

また、必要に応じて、上述の二以上の発明を組み合わせてもよい。

図面の簡単な説明

第 1図 Aおよび第 1図 Bは、この発明を説明するための略線図、第 2図 Aおよび第 2図 Bは、この発明を説明するための略線図、第 3図 および第 4図は、 T P Cを説明するための略線図、第 5図は、この発 明を説明するための略線図、第 6図 A、第 6図 Bおよび第 6図 Cは、 この発明を説明するための略線図、第 7図は、この発明を説明するた めの略線図、第 8図 A、第 8図 Bおよび第 8図 Cは、 A l A s / G a A s 2原子層超格子の成長を説明するための透過型電子顕微鏡による 暗視野像、格子像および回折パターンを示す写真、第 9図は、電気化 学的成長機構を説明するための略線図、第 1 0図 A、第 1 0図 Bおよ び第 1 0図 Cは、この発明を説明するための略線図、第 1 1図〜第 1 4図は、第 1 0図 Aに示す場合の交差部の電場分布の計算結果を示す 略線図、第 1 5図〜第 1 8図は、第 1 0図 Bに示す場合の交差部の電 場分布の計算結果を示す略線図、第 1 9図は、この発明を説明するた めの略線図、第 2 0図 A、第 2 0図 B、第 2 1図、第 2 2図、第 2 3 図 A、第 2 3図 Bおよび第 1 3図 Cは、この発明の第 1の実施形態を 説明するための略線図、第 2 4図 A、第 2 4図 Bおよび第 2 4図 Cは、 この発明の第 1の実施形態による機能素子を示す略線図、第 1 5図は、 この発明の第 1の実施形態を説明するための略線図、第 1 6図は、こ の発明の第 3の実施形態を説明するための略線図、第 2 7図 Aおよび 第 2 7図 Bは、この発明の第 4の実施形態を説明するための略線図、 第 2 8図は、この発明の第 4の実施形態を説明するための略線図、第 2 9図 Aおよび第 2 9図 Bは、この発明の第 5の実施形態を説明する ための略線図、第 3 0図 A、第 3 0図 B、第 3 0図 (:、第 3 0図 D、 第 3 0図 Eおよび第 3 0図 Fは、この発明の第 6の実施形態を説明す るための略線図、第 3 1図は、この発明の第 7の実施形態を説明する ための略線図、第 3 2図 A、第 3 2図 Bおよび第 3 2図 Cは、この発 明の第 8の実施形態を説明するための略線図、第 3 3図 A、第 3 3図 Bおよび第 3 3図 Cは、この発明の第 9の実施形態を説明するための 略線図、第 3 4図 A、第 3 4図 Bおよび第 3 4図 Cは、この発明の第 9の実施形態による有機太陽電池の製造方法を説明するための略線図、 第 3 5図 A、第 3 5図 Bおよび第 3 5図 Cは、この発明の第 1 0の実 施形態を説明するための略線図、第 3 6図および第 3 7図は、この発 明の第 1 0の実施形態による有機太陽電池の製造方法を説明するため の略線図、第 3 8図は、この発明の第 1 0の実施形態による有機太陽 電池の配置例を示す略線図、第 3 9図、第 4 0図 Aおよび第 4 0図 B は、この発明の第 1 2の実施形態を説明するための略線図、第 4 1図 Aおよび第 4 1図 Bは、この発明の第 1 2の実施形態による触媒ブラ ットフオームの使用方法を説明するための略線図、第 4 2図 A、第 4 2図 B、第 4 2図 (:、第 4 3図および第 4 4図は、この発明の第 1 3 の実施形態を説明するための略線図、第 4 5図 A、第 4 5図 Bおよび 第 4 5図 Cは、この発明の第 1 4の実施形態を説明するための略線図、 第 4 6図は、この発明の第 1 4の実施形態による太陽電池を用いた太

陽電池システムを説明するための略線図、第 4 7図および第 4 8図は、 この発明の第 1 5の実施形態を説明するための略線図、第 4 9図およ び第 5 0図は、この発明の第 1 6の実施形態による太陽電池を用いた 太陽電池システムを説明するための略線図、第 5 1図は、この発明の 第 1 7の実施形態を説明するための略線図、第 5 2図 A、第 5 2図 B および第 5 2図 Cは、この発明の第 1 8の実施形態によるクリーンュ ニットを示す上面図、正面図および側面図、第 5 3図 A、第 5 3図 B および第 5 3図 Cは、この発明の第 1 8の実施形態によるクリーンュ ニットに装着するトランスファーボッタスを示す上面図、正面図およ び側面図、第 5 4図 Aおよび第 5 4図 Bは、この発明の第 1 8の実施 形態によるクリーンュニッ卜とトランスファ一ボックスとの接続を説 明するための側面図および正面図、第 5 5図 Aおよび第 5 5図 Bは、 この発明の第 1 8の実施形態によるクリーンュニッ卜に装着する投入 /取り出しボックスを示す側面図および正面図、第 5 6図 Aおよび第 5 6図 Bは、この発明の第 1 8の実施形態によるクリーンユニットの 使用しない連結用開口部の遮断方法を説明するための側面図および正 面図、第 5 7図 A、第 5 7図 Bおよび第 5 7図 Cは、この発明の第 1 9の実施形態によるクリーンュニットを示す上面図、正面図および側 面図、第 5 8図 Aおよび第 5 8図 Bは、この発明の第 2 0の実施形態 によるクリーンユニットシステムおよび比較のための従来のクリーン ユニットシステムを示す略線図、第 5 9図は、この発明の第 2 1 の実 施形態によるクリーンュニットシステムを示す略線図、第 6 0図は、 この発明の第 2 2の実施形態によるクリーンュニットシステムを示す 略線図、第 6 1図は、この発明の第 2 3の実施形態によるクリーンュ ニットシステムを示す略線図、第 6 2図は、この発明の第 2 4の実施 形態によるクリーンュニットシステムを示す略線図、第 6 3図は、ヒ ルペルト曲線を示す略線図、第 6 4図 A、第 6 4図 Bおよび第 6 4図 Cは、 この発明の第 2 5の実施形態によるクリーンュニットを示す上 面図、正面図および側面図、第 6 5図 A、第 6 5図 Bおよび第 6 5図 Cは、 この発明の第 2 6の実施形態によるクリーンュニッ卜を示す上 面図、正面図および側面図、第 6 6図は、この発明の第 2 7の実施形 態によるクリーンュニットを示す正面図、第 6 7図は、第 6 4図 A、 第 6 4図 Bおよび第 6 4囪 Cに示すクリーンュニットにより得られる 清浄度の測定結果を示す略線図である。

発明を実施するための最良の形態

以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。 まず、この発明の第 1の実施形態について説明する。

この第 1の実施形態においては、電気化学的成長法を用いて超格子 薄片を形成する。第 2 0図 Aはそのための成長装置を示す。第 2 0図 Aに示すように、この成長装置においては、電解槽 5 1に、成長させ ようとする二種類の物質に対応したァニオン(A— ) 5 2およびカチ オン (C + ) 5 3を含む電解液 5 4が入れられている。そして、この 電解液 5 4中に、電気化学的成長の基板となる例えば微小円柱状の電 極部を有する軸 5 5が挿入されているとともに、この軸 5 5をはさむ ように二つの電極 5 6、 5 7が設けられている。ここでは、軸 5 5の 電極部は接地されており、電極 5 6、 5 7はそれぞれ電圧 V 1、 V r にバイアスすることができるようになつている。電極 5 6、 5 7はリ ング状に軸 5 5の電極部を囲む配置でもよい。また、電解槽 5 1に仕 切りを設けてァニオン 5 2 とカチオン 5 3とを別々に配するとともに、 軸 5 5を回転させるようにしてもよい。

第 2 1図は軸 5 5の詳細構造の例を示す。第 2 1図に示すように、 軸 5 5は、成長時の基板となる電極部 5 5 aが他の部分 5 5 bに比べ て少し直径が大きくなつている。そして、電極部 5 5 aの下側にこれ と接触して例えばガラスやセラミックスなどからなる円板状の支持板 5 8が軸 5 5と同軸に取り付けられているとともに、電極部 5 5 aの 上側に溶剤易溶性有機膜 5 9がプリコートされた円板状の支持板 6 0 が同じく軸 5 5と同軸に取り付けられている。支持板 5 8、 6 0の直 径は同一とする。また、これらの支持板 5 8、 6 0の間隔は、成長さ せるべき超格子薄片の厚さと同一とし、具体的には例えば 1〜 1 0 0 0 w m、典型的には例えば 1 0〜 1 0 0 mである。

この成長装置を用いて超格子薄片を成長させるには、例えば、第 2 0図 Bに示すように、電極 5 6、 5 7を交互に V 1 = + V 2、 N で = - V 1にバイアスする。この場合、電極 5 6が + V 2にバイアスされ ている時には、電解液 5 4中のカチオン 5 3が軸 5 5の電極部 5 5 a の側面上に堆積し、電極 5 7がー V 1にバイアスされている時には、 電解液 5 4中のァニォン 5 2が軸 5 5の電極部 5 5 aの側面上に堆積 する。このようにして、第 1 1図に示すように、支持板 5 8と溶剤易 溶性有機膜 5 9との間の空間において、軸 5 5の電極部 5 5 aの側面 上に、交互に二種類の物質、具体的には、誘電体(絶縁体)である溶 剤難溶性電析有機膜 6 1および電析金属膜 6 2の周期構造体を同心円 状 (年輪状あるいはバウムクーヘン状)にラテラル成長させることが できる。成長終了後、溶剤易溶性有機膜 5 9を溶剤で溶解して年輪状 の周期構造体を取り出す。

ここで、電析金属膜 6 2の金属としては、例えば、金(A u ) 、白 金 (P t ) 、銅( C u ) などを用いることができる。めっき浴として は、 A uの場合は、例えば K A u ( C N ) . ( N H 4 ) 2 H P〇4 、 K 2 H P〇4 などを含むものを用い、 C uの場合は、例えば C u S 0 4 • 5 H 2 〇、 H 2 S〇4 、チォ尿素などを含むものを用い、 P tの場 合は、例えば(N H 4 ) 2 P t C 1 、 N a H P 0 4 · 1 H 2 0など を含むものを用いる。

また、溶剤難溶性電析有機膜 6 1 の成長には、例えば有機酸イオン をアクティブエージェントとして用いる(山岡亜夫監修「実用高分子 レジスト材料の新展開—フォトポリマーとしての応用展開—」、第 6 章、シ一ェムシ一出版、 1 9 9 6年)。

溶剤難溶性電析有機膜 6 1および電析金属膜 6 2の成長にほぼ一定 の成長速度を用いることにより、時間ィン夕一バルを構造に射影する ことができ、第 2 2図に示すように、各層が原子層オーダーの厚さ精 度を有する溶剤難溶性電析有機膜 6 1および電析金属膜 6 2の周期構 造体からなる円板状の超格子薄片を得ることができる。

次に、この円板状の超格子薄片の一部を第 2 2図の実線の四角形で 示されるように切り出したものを 2枚用意する。第 2 3図 Aおよび第 2 3図 Bにこのようにして切り出された四角形状の超格子薄片 7 1、 7 を示す。そして、第 2 3図 A、第 2 3図 Bおよび第 2 3図 Cに示 すように、超格子薄片 7 1 に対して超格子薄片 7 2の方位を 9 0度回 転して重ね合わせる。このようにして、 2次元のパターンの最小単位 として、人工神経系として信号 ·情報がアクセスすることができる格 子 (l att i ce)が完成する。この格子の精度は原子層オーダとすること ができる。ここで、各超格子薄片 7 1、 7 2の溶剤難溶性電析有機膜 6 1および電析金属膜 6 2は厳密には円弧状であるが、電析金属膜 6 2の周期は例えば 1 0 n m前後と極めて小さいため、これらの溶剤難 溶性電析有機膜 6 1および電析金属膜 6 2は直線状に延在していると みなすことができる。従って、この格子は、第 1 9図に示すものと実 質的に同様な構造を有する。

超格子薄片 7 1、 7 2の電析金属膜 6 2の本数をそれぞれ N本とす ると、超格子薄片 7 1の電析金属膜 6 2と超格子薄片 7 2の電析金属 膜 6 2 との交差点は合計 N 2 個ある。この場合、これらの交差点(ァ ドレス)へのアクセスは、超格子薄片 7 1、 7 2の各電析金属膜 6 2 を通じて容易に行うことができる。例えば、第 2 3図 Cに示すように、 超格子薄片 7 1、 7 2の縁の電析金属膜 6 2にそれぞれリレー回路 7 3、 7 4 を接続することで、どのアドレスにアクセスするかを制御す ることができる。具体的には、例えば、超格子薄片 7 1、 7 2の一辺 を 1 c mとし、電析金属膜 6 2の間隔を 1 0 n mとすると、 1 c m / 1 0 n m = 1 0— 2 m/ 1 0— 8 m = 1 0 6 〜 2 2 °であるが、例えば 1 0 段のリレー回路 7 3、 7 4で 2 2 °〜 1 0 6 本の電析金属膜 6 2を選択 することができるので、例えば(x y平面の一自由度あたり)約 2 0 ビットの情報でァドレスへのアクセスを制御することができる。

超格子薄片 7 1の電析金属膜 6 2と超格子薄片 7 2の電析金属膜 6 2との N 2 個の交差点には、ボトムアップにより生成される所望の機 能を有する構造を設ける。このためには、例えば、超格子薄片 7 1 を 基板としてその上に自己組織化により量子ドットを成長させ、その上 に超格子薄片 7 2を上記と同様に重ね合わせればよい。あるいは、超 格子薄片 7 1、 7 2の間に機能材料層(例えば、無機分子や有機分子 など)をはさみ込み、互いに交差しかつ対向している電析金属膜 6 2 間に例えば電流通電を行ってエネルギーを注入することにより生じる 自己組織化臨界現象を用いて、結果として、ボトムアップ構造が超格 子薄片 7 1、 7 2の間に設けられた構造を作製することができる。 超格子薄片 7 1、 7 2の N 2 個の交差点に設けるボトムアツプ構造 をエネルギー注入と散逸とにより最後に形成する場合は、これらのボ トムアップ構造を、何ら位置合わせの必要もなく、自己整合的に各交

差点に自動的に形成することができる。この場合、超格子薄片 7 1、

7 2の電析金属膜 6 2同士は必ずしも互いに直交している必要はなく、 縁とつながつていることのみが要件である。各ボトムアツプ構造は例 えば、単純なメモリー素子でもよいし、上述の自己組織化により高度 の機能を有するボトムアップ素子でもよい。超格子薄片 7 1、 7 2の 電析金属膜 6 2によるメッシュ構造の次元は 1 とボトムアップ系(今 の場合、平面系である)の次元 2との間であり、生体の神経系の次元 が細胞系の次元より小さいことと同等の関係が成立している。上記の ボトムアップ構造を形成する元になる材料物質は例えばィンタカレー シヨンにより導入することもできる。また、インタカレーシヨンに先 立って、電解エッチングにより電析金属膜 6 2のナイフエッジを先鋭 化させておくこともでき、これによつて表面増強効果をより強化し、 超格子薄片 7 1、 7 2の電析金属膜 6 2の交差部に配置するボトムァ ップ構造をより少数の原子団(分子団)とすることも可能である。 超格子薄片 7 1、 7 2の各交差点にボトムアップ構造がはさまれた 上記の 2次元構造体をシリコン L S I と接続して機能素子を作る。す なわち、第 2 4図 Aに示すように、基板 8 1上に上記の 2次元構造体

8 2をマウントし、超格子薄片 7 2の電析金属膜 6 2を接続パッド 8 3を介して配線接続部 8 4 と接続するとともに、超格子薄片 7 1の電 析金属膜 6 2を配線接続部 8 5と接続する。接続パッド 8 3は枕木状 の形状を有し、その厚さは配線接続部 8 4の上面と超格子薄片 7 2の 下面との高さの差にほぼ等しい。第 2 4図 Bは、超格子薄片 7 2の電 析金属膜 6 と接続パッド 8 3 との接続部を拡大して示したものであ り、接続パッド 8 3に幅の狭い絶縁体 8 3 aを介して形成された、溶 剤難溶性電析有機膜 6 1の幅(厚さ)と等しい幅の電極部 8 3 bと電 析金属膜 6 2とが接続されている。また、第 2 4図 Cは、超格子薄片 7 1の電析金属膜 6 2と配線接続部 8 5 との接続部を拡大して示した ものであり、配線接続部 8 5に幅の狭い絶縁体 8 5 aを介して形成さ れた、溶剤難溶性電析有機膜 6 1 とほぼ等しい幅の電極部 8 5 bと電 析金属膜 6 2とが接続されている。配線接続部 8 4、 8 5は配線 8 6 を介して所望の機能を有するトップダウン系の L S I 8 7と接続され ており、結果として 2次元構造体 8 2と L S I 8 7とが接続されてい る。こうして機能素子が得られる。 L S I 8 7は典型的にはシリコン L S Iであるが、他の半導体、例えば G a A sなどの化合物半導体を 用いた L S Iでもよい。また、 L S I 8 7はチップ状のものを基板 8 1上にマウントしたものであつても、基板 8 1 としてシリコン基板な どの半導体基板を用い、これに L S Iプロセスで回路を形成したもの でもよい。

超格子薄片 7 1、 7 2の電析金属膜 6 2と外部の接続パッド 8 3ま たは配線接続部 8 5との接続は、一辺あたり N個の接続でよい。この 接続数と超格子薄片 7 1、 7 2の、ボトムアップ構造が設けられる交 差点の数との比は 1 / Nでスケールする。このため、 N 2 の位置合わ せ誤差を生ずる従来法と比べ、 Nが大きくなるほど、言い換えれば集 積度が上がるほど位置合わせ誤差が減少し、従って従来法に比べて素 子の製造歩留まりの向上を図ることができる。特に、第 2 4図 Bおよ び第 2 4図 Cに示すように、接続パッド 8 3の電極部 8 3 bの幅は超 格子薄片 7 2の誘電体である溶剤難溶性電析有機膜 6 1 の幅(厚さ) とほぼ等しく、また、配線接続部 8 5の電極部 8 5 bの幅は超格子薄 片 7 2の誘電体である溶剤難溶性電析有機膜 6 1の幅(厚さ)とほぼ 等しく設定することができるので、超格子薄片 7 1、 7 2の電析金属 膜 6 2と電極部8 3 1)、 8 5 bとの位置合わせのマージンを大きくす ることができ、これも素子の製造歩留まりの向上に寄与する。

シリコン L S Iなどに代表される L S I 8 7からなるトップダウン 系は、すでに述べたように、時間が非連続に投影され、かつ空間的に 非等方的な構造、先の記法に従えば(時間投影性、空間方位性) = ( 1 , 1 ) の構造を有している。また、超格子薄片 7 1、 7 2の間に はさまれたボトムアップ構造は、自律分散的生成則により形成された ものであるため、時間が連続的に投影され、局所ルールには大局性が 存在しないので、特別な方向は特になく等方的な構造、すなわち(時 間投影性、空間方位性) = (†、† ) の構造を有している。両構造を 直接隣り合わせて並べてみても、(†、† ) ( 1 . 1 ) となって矢印 がフリップするので、直ちにつながらない。これに対し、上記の 2次 元構造体 8 2は、すでに述べたように、時間を成長方向に連続的に投 影してできた空間座標の一方向に向いた非等方性を有する構造、すな わち (時間投影性、空間方位性) = (†、 I ) の構造を有している。 第 2 4図 A、第 2 4図 Bおよび第 2 4図 Cに示す機能素子においては、 この 2次元構造体 8 2、すなわち(†、 1 ) 構造をボトムアツプ構造、 すなわち(†、† ) 構造と卜ップダウン構造の L S I 8 7、すなわち ( i、 1 ) 構造との間に介在させていることにより、(†、† ) (†、 I ) ( I . I ) となり、矢印が構造間でフリップすることなくつなが つていくので、結局(†、† ) 構造と( i、 i ) 構造とを、すなわち ボトムアップ系とトップダウン系とを、個別アクセス性を失うことな く、うまくつなげることができる。

このように、この第 1 の実施形態によれば、ボトムァップ系とシリ コン L S Iに代表されるトップダウン系との利点を最大限活かすこと ができる高機能の機能素子を容易に実現することができる。この機能 素子は、ボトムアップ系に持たせる機能とシリコン L S Iに持たせる 機能との組み合わせにより、多彩な機能を発現することができる。

次に、この発明の第 2の実施形態について説明する。この第 2の実 施形態は、ボトムアツプ構造として特に量子ドットを用いたものであ る。

第 2 5図に示すように、この第 2の実施形態においては、基板 8 1 の中央部に 2次元構造体 8 2がマウントされているが、この場合、こ の 1次元構造体 8 2の超格子薄片 7 1、 7 2の電析金属膜 6 2の十字 交差点にボトムアツプ構造として量子ドット 9 1がはさまれている。 ここで、超格子薄片 7 1、 7 2の電析金属膜 6 2の周期および厚さは 量子ドット 9 1のサイズより十分小さくすることができるので、超格 子薄片 7 1、 7 2の電析金属膜 6 2の十字交差点と量子ドット 9 1 と は必ずしも 1対 1に対応している必要はない。つまり、全ての十字交 差点に量子ドット 9 1が付随している必要はないが、各量子ドット 9 1 には必ず十字交差点が付随している。この冗長性は、量子ドッ卜素 子の歩留まりを向上させるとともに、量子ドットを活性部とする十字 交差よりなるダイオードへのサイドゲートの役割を果たさせることも でき、従来極めて困難であった量子ドット素子の 3端子素子化も可能 となる。特にその際、超格子薄片 7 1、 7 2として、極めて薄い誘電 体を間にはさんだ導電層 2層構造とやや厚めの誘電体との積層繰り返 し構造、すなわち、空間周波数として大小二つの周波数を有する構造 のものを用いることが有効である。

また、第 2 5図に示す構造は平面ディスプレイとしても適用するこ とができる。この場合、量子ドット 9 1 として発光性量子ドットを用 いるが、発光性有機分子モノマー、オリゴマー、ポリマーであっても よい。また、この場合、すでに述べたように、超格子薄片 7 1、 7 2 の厚さの設定に自由度があるので、電析金属膜 6 2を、高い導電性を 持ち、かつ、極めて細い導電ラインとして構成することができるとい う長所を有する。この平面ディスプレイによれば、十字交差部の面積 が小さいので、陰になることが少なく、明るい画面を低消費電力で実 現することができる。また、図示は省略するが、第 2 5図の縦横の各 電析金属膜 6 2、すなわち各導電ラインに関して、上述のような極め て薄い誘電体を間にはさんだ導電層 2層構造とやや厚めの誘電体との 積層繰り返し構造、すなわち、空間周波数として大小二つの周波数を 有する構造を用いることで導入される冗長性によって、例えば活性部 の不良による画素落ちなどのリスクを低減することができ、製造歩留 まりを向上させることができる。

さらに、第 2 5図の配置は、十字交差部にはさまれる 7C電子系有機 分子の官能基の配置や荷電状態を制御することで、光素子のみならず 電子素子としても利用することができ、従って集積分子エレクトロ二 クス素子として利用することもできるが、空間周波数として大小二つ の周波数を有する超格子薄片構造を用いることで得られる上述の冗長 性は、分子エレクトロニクス素子に求められているフオルトトレラン ス (欠陥許容性)を高める上で極めて効果が大きい。

基板 8 1の外周部 8 1 aはトツプダウン型の L S Iが配置される領 域であるが、必ずしも四方八方全てに配置する必要はなく、一部に配 置するだけでもよい。

なお、場合によっては、多層構造にして、基板 8 1の中央部を含む 全面の上下にトップダウン型 L S I を配置することも可能である。

2次元構造体 8 2の周囲の額縁部 8 1 bは、第 2 4図 Bおよび第 2 4図 Cと同様な配置で、 2次元構造体 8 2の N 2 個の交差点にァクセ スする x、 y方向の平行な電析金属膜 6 2と接続する。

上記以外のことは、その性質に反しない限り第 1の実施形態と同様 である。

この第 2の実施形態によっても、第 1 の実施形態と同様な利点を得 ることができる。

次に、この発明の第 3の実施形態について説明する。

第 2 6図に示すように、この第 3の実施形態においては、第 2の実 施形態においてボトムアツプ構造として用いた量子ドット配列の代わ りに、自己相似性を有する階層的な構造を有する面、すなわちフラク タル構造を有する面 9 2をボトムアップ構造として用いる。この場合 も、空間周波数として大小二つの周波数を有する超格子薄片構造を用 いることで得られる上述の冗長性は、系の口バストネスを高める上で 極めて大きな効力を発揮する。

上記以外のことは、その性質に反しない限り第 1および第 2の実施 形態と同様である。

この第 3の実施形態によっても、第 1および第 2の実施形態と同様 な利点を得ることができる。

次に、この発明の第 4の実施形態について説明する。

この第 4の実施形態においては、第 1 7図 Aに示すように、第 1の 実施形態において用いた成長装置の電解液 5 4中に 2本の軸 1 0 1、 1 0 2を所定の間隔で互いに平行に設ける。軸 1 0 1の長手方向には 複数の電極部 1 0 1 aが例えば等間隔に設けられ、軸 1 0 2の長手方 向には複数の電極部 1 0 2 aが電極部 1 0 1 aと互い違いに例えば等 間隔に設けられている。そして、軸 1 0 1の一番下の電極部 1 0 1 a の上下に支持板 1 0 3および溶剤可溶樹脂板 1 0 4が所定の間隔を持 つて取り付けられ、その上の電極部 1 0 1 aの上下に 2枚の溶剤可溶 樹脂板 1 0 5、 1 0 6が所定の間隔を持って取り付けられ、さらにそ の上の電極部 1 0 1 aの上下に同様に 1枚の溶剤可溶樹脂板 1 0 7、 1 0 8が所定の間隔を持って取り付けられている。一方、軸 1 0 2の 一番下の電極部 1 0 1 aの上下に 2枚の溶剤可溶樹脂板 1 0 9、 1 1 0が所定の間隔を持って取り付けられ、その上の電極部 1 0 2 aの上 下に 2枚の溶剤可溶樹脂板 1 1 1、 1 1 2が所定の間隔を持って取り 付けられ、さらにその上の電極部 1 0 2 aの上下に溶剤可溶樹脂板 1 1 3および支持板 1 1 4が所定の間隔を持って取り付けられているが、 これらの 2枚の板の組み合わせは軸 1 0 1に取り付けられたものと互 い違いになっている。この場合、これらの支持板 1 0 3、 1 1 4およ び溶剤可溶樹脂板 1 0 4〜 1 1 3はいずれも円板状であり、それらの 半径は軸 1 0 1、 1 0 2の間隔よりも少し小さく選ばれている。この ため、軸 1 0 1に取り付けられた支持板 1 0 3および溶剤可溶樹脂板 1 0 4〜 1 0 8と、軸 1 0 2に取り付けられた溶剤可溶樹脂板 1 0 9 〜 1 1 3および支持板 1 1 4 とは、軸 1 0 1、 1 0 2の間の部分で互 いに重なつている。

この成長装置においては例えば次のようにして成長を行う。

まず、軸 1 0 1の電極部 1 0 1 aおよび軸 1 0 2の電極部 1 0 2 a の側面にあらかじめ導電性有機レジスト(図示せず)を所定の厚さ塗 布しておく。この有機レジストとしては、例えば、溶剤可溶樹脂板 1 0 4〜 1 1 3の溶解に用いられる溶剤により溶解することができるも のを用いる。次に、第 1の実施形態と同様にして、軸 1 0 1に取り付 けられた支持板 1 0 3および溶剤可溶樹脂板 1 0 4の間の空間と溶剤 可溶樹脂板 1 0 5、 1 0 6の間の空間と溶剤可溶樹脂板 1 0 7、 1 0 8の間の空間とにおいて電極部 1 0 1 aの側面に導電性有機レジスト を介して周期構造体をラテラル成長させる。同様に、軸 1 0 2に取り 付けられた溶剤可溶樹脂板 1 0 9、 1 1 0の間の空間と溶剤可溶樹脂 板 1 1 1、 1 1 2の間の空間と溶剤可溶樹脂板 1 1 3および支持板 1 1 4の間の空間とにおいて電極部 1 0 2 aの側面に導電性有機レジス トを介して周期構造体をラテラル成長させる。電極部 1 0 1 aの側面 に成長させる周期構造体と電極部 1 0 2 aの側面に成長させる周期構 造体とは互いに同一であっても異なってもよい。次に、電解槽 5 1か ら電解液 5 4を排出して代わりに所定の溶剤を入れ、この溶剤により 溶剤可溶樹脂板 1 0 4〜 1 1 3および電極部 1 0 1 a、 1 0 2 aの側 面に塗布した導電性有機レジストを溶解する。これによつて、電極部 1 0 1 aの側面にラテラル成長した円板状の各超格子薄片 1 1 5と電 極部 1 0 2 aの側面にラテラル成長した円板状の各超格子薄片 1 1 6 とは沈降していき、順次交互に積層される。こうして、超格子薄片が 交互に積層された積層構造体が形成される。

次に、この積層構造体を電解槽から取り出し、第 2 7図 Bの実線の 四角形で示される形に切り出す。これによつて、例えば第 2 8図に示 すように、超格子薄片三次元積層体が得られる。そして、この超格子 薄片三次元積層体を用いて第 1の実施形態と同様にして機能素子を製 造する。

上記以外のことは第 1の実施形態と同様であるので、説明を省略す る。

この第 4の実施形態によれば、第 1の実施形態と同様な利点に加え て、超格子薄片三次元積層体を用いて機能素子を構成していることに より、機能性および集積度の大幅な向上を図ることができるという利 点を得ることができる。

次に、この発明の第 5の実施形態について説明する。

第 2 9図 Aおよび第 2 9図 Bは真空蒸着装置の真空チンバー 1 2 1の正面図および側面図である。第 2 9図 Aおよび第 2 9図 Bに示す ように、この第 5の実施形態においては、ローラ 1 2 2に、例えば幅 が狭くて薄い平坦なテープ状の樹脂製ベースフィルム 1 2 3を巻き付 けておき、この樹脂製べ一スフイルム 1 2 3の一方の面に、蒸着源 1 2 4から例えば金属を蒸発させて薄く金属膜(図示せず)を形成した 後、この金属膜付き樹脂製ベースフィルム 1 2 3を巻き取りローラ 1 1 5で巻き取っていく。符号 1 6は樹脂製ベースフィルム 1 2 3を 両側から保持する支持板を示す。

上述のようにして金属膜付き樹脂製べ一スフイルム 1 2 3が巻き取 りローラ 1 2 5で卷き取られることにより、樹脂製べ一スフィルム 1

2 3 と金属膜とが交互に積層されたスパイラル構造が形成される。こ のスパイラル構造は第 2 2図に示す同心円構造とほぼ類似のものであ る。そこで、このスパイラル構造を元にして第 1の実施形態と同様に して超格子薄膜を得ることが可能である。

この第 5の実施形態によれば、第 1の実施形態と同様な利点を得る ことができる。

次に、この発明の第 6の実施形態について説明する。

この第 6の実施形態においては、第 3 0図 A〜第 3 0図 Eに示す方 法により超格子薄片 7 1、 7 2を作製する。すなわち、まず、第 3 0 図 Aに示すように、樹脂基板 1 3 1 に、第 1の実施形態の電析金属膜 6 2と同一のパターン形状を有するナノ構造金型 1 3 2を近づけ、第

3 0図 Bに示すように、このナノ構造金型 1 3 2で樹脂基板 1 3 1 を 型押しする。次に、第 3 0図 Cに示すように、ナノ構造金型 1 3 2を 樹脂基板 1 3 1から引き離す。次に、第 3 0図 Dに示すように、例え ば真空蒸着などにより樹脂基板 1 3 1上に金属膜 1 3 3を堆積させて、 ナノ構造金型 1 3 による型押しで樹脂基板 1 3 1に形成された溝の 内部をこの金属膜 1 3 3により埋め込む。次に、第 3 0図 Eに示すよ うに、樹脂基板 1 3 1 を上下からエッチングすることにより上面の不 要な金属膜 1 3 3を除去するとともに、裏面に金属膜 1 3 3を露出さ せる。これによつて、第 3 0図 Fに示すように、超格子薄片 7 1、 7 2が作製される。

上記以外のことは、その性質に反しない限り第 1の実施形態と同様 である。

この第 6の実施形態によっても、第 1 の実施形態と同様な利点を得 ることができる。

次に、この発明の第 7の実施形態について説明する。

この第 7の実施形態においては、第 2 4図 A、第 1 4図 Bおよび第 2 4図 Cに示す、第 1 の実施形態による機能素子を特に R O Mに特化 したものについて説明する。ただし、超格子薄片 7 1、 7 2の溶剤難 溶性電析有機膜 6 1および電析金属膜 6 2はそれぞれ、各種の方法に より成膜される有機膜または無機膜を含む各種の誘電体膜および各種 の方法により成膜される各種の金属膜に一般化して考える。ここで、 例えば、誘電体膜の厚さは 1 0〜 1 0 0 n m、金属膜の厚さは 1〜 1 0 n mである。また、超格子薄片 7 1、 7 2の金属膜と接続される L S I 8 7としてはィンバ一夕群を含むもの(デコーダ)を用いる。 第 3 1図にこの R O Mの回路を模式的に示す。この R O Mにおいて は、超格子薄片 7 1、 7 2の金属膜の本数をそれぞれ N本とすると、 超格子薄片 7 1の金属膜と超格子薄片 7 2の金属膜との交差点は合計 N 2 個あるため、この R O Mの容量は N 2 ビットである。超格子薄片 7 2の N本の金属膜に j = 1〜Nの番号を付け、超格子薄片 7 1の N 本の金属膜に i = 1〜Nの番号を付ける。超格子薄片 7 1、 7 2の互 いに対向する主面上に露出した金属膜の表面には薄い自然酸化膜(図 示せず) (例えば、金属膜が A 1からなる場合には A 1 2 0 3 膜)が 形成されており、従って、各交差点では、超格子薄片 7 1の金属膜と 超格子薄片 7 2の金属膜とはこのき然酸化膜を介して互いに対向して

いる。超格子薄片 7 2の N本の金属膜の一端はそれぞれ nチャネル F E Tからなるインバー夕 I』( j = 1〜N ) の一端と接続されている。 インバー夕 I j の他端は接地されている。超格子薄片 7 1の N本の金 属膜の一端は負荷抵抗 R L を介して所定の電源に接続されている。 次に、この R O Mの動作原理について説明する。

まず、情報の書き込み方法について説明する。今、アドレス( i , j ) にあるメモリセル に情報を書き込む場合を考える。超格子薄 片 7 2の j番目の金属膜と接続されているィンバ一タ I 」を構成する nチャネル F E Tのゲート G j にハイレベルの信号を入力して導通さ せ、この状態で電源により、超格子薄片 7 1 の金属膜と超格子薄片 7 2の金属膜との間に十分に高い電圧を印加することにより、これらの 金属膜の間の自然酸化膜を絶縁破壊し、導通させる。こうして導通し た部位に例えば情報「 1」が書き込まれたとすると、自然酸化膜が絶 縁破壊しておらず、導通していない部位には情報「 0」が書き込まれ ていると考えることができる。選択されたアドレスのメモリセルの全 てに対してこの操作を行うことにより、情報が書き込まれる。

次に、情報の読み出し方法について説明する。今、アドレス( i , j ) にあるメモリセル A i jの情報を読み出す場合を考える。まず、超 格子薄片 7 2の j番目の金属膜と接続されているィンバ一夕 I 」を構 成する nチャネル F E Tのゲート G」にハイレベルの信号を入力して 導通させるとともに、超格子薄片 7 1の i番目の金属膜の一端に接続 されている電源によりハイレベルの電圧を印加する。このとき、メモ リセル A uに情報「 1」が書き込まれている場合、すなわちこのメモ リセル A uの交差点において自然酸化膜が導通している場合には、負 荷抵抗 R L を通って超格子薄片 7 1の i番目の金属膜に電流が流れ、 その結果、この金属膜の他端 A , ' の電位はローレベルになる。イン バー夕 I」を構成する nチャネル F E Tのゲート G』にローレベルの 信号が入力される場合には導通しないため、負荷抵抗を通って超 格子薄片 7 1の i番目の金属膜に電流が流れず、その結果、この金属 膜の他端 Ai ' の電位はハイレベルに保持される。一方、メモリセル Auに情報 「 0」が書き込まれている場合、すなわちこのメモリセル A uの交差点において自然酸化膜が導通していない場合には、ィンバ —夕 I j を構成する nチャネル F E Tが導通しているか否かにかかわ らず、負荷抵抗 RL を通って超格子薄片 7 1の i番目の金属膜に電流 が流れず、その結果、この金属膜の他端 Ai ' の電位はハイレベルに 保持される。

以上のように、この第 7の実施形態によれば、メモリセル部に超格 子薄片 7 1、 7 2を用いた新規な ROMを実現することができる。こ の ROMは例えば 1 0〜 1 6 0 Gビッ卜/ c m2 と大容量化が可能で ある。また、フレキシブルに構成することができるので、様々な電子 機器への搭載が可能である。さらに、この ROMでは、超格子薄片 7 1、 7 2はリソグラフィ一フリ一で形成することができるので、製造 コストを安価に抑えることができ、例えば使い捨て可能なメモリとし て用いることができ、ュビキタス情報装置などに用いて好適なもので ある。

次に、この発明の第 8の実施形態について説明する。

この第 8の実施形態においては、第 7の実施形態による ROMにお いて、超格子薄片 7 1の金属膜と超格子薄片 7 2の金属膜との交差点 に、いわゆるナノプリッジ構造(インタ一ネットく URL : http://w ww. nec. co. jp/press/ja/0402/1801-01. htm> (平成 1 6年 2月 1 8日 検索))を用いる。また、超格子薄片 7 1の金属膜として C u膜を用 い、超格子薄片 7 2の金属膜として T i膜を用いるとともに、それら

の交差点に挿入する物質として C u 2 S膜を用いる。

第 3 2図 Aに、これらの金属膜の交差点の構造を示す。第 3 2図 A において、符号 1 4 1は超格子薄片 7 1 の金属膜としての C u膜、 1 4 1は超格子薄片 7 2の金属膜としての T i膜、 1 4 3はそれらの間 に挿入された C u 2 S膜を示す。この場合、 T i膜 1 4 2に負電圧を 印加すると、 C u膜 1 4 1 の表面で酸化反応が起こり、 C u原子が C u + となって C u 2 S膜 1 4 3内に溶け込む。 T i膜 1 4 2の表面で は還元反応が起こり、 C u 2 S膜 1 4 3内の C u + が C uとなって析 出する。符号 1 4 4はこの C u析出領域を示す。第 3 2図 Bに示すよ うに、析出した C uが C u膜 1 4 1 まで達して C u析出領域 1 4 4か らなる金属架橋を形成すると、ナノブリッジはオン状態になる。 T i 膜 1 4 2に正電圧を印加すると逆反応が起こり、第 3 2図 Cに示すよ うに、金属架橋が消滅し、オフ状態になる。以上の現象を利用するこ とにより、メモリセルに情報を書き込むことができる。

上記以外のことについては、第 7の実施形態とほぼ同様である。 この第 8の実施形態によれば、第 7の実施形態と同様な利点に加え て、メモリセルへの情報の書き込みを非破壊的に行うことができると いう利点を得ることができる。

次に、この発明の第 9の実施形態について説明する。

この第 9の実施形態は、時間が連続的に折織り込まれた構造におい て、織り込まれた方向に直交する方向から、この構造にアクセスする ことを特徴とする機能素子である。この機能素子は、ストリップ状ま たはリボン状の金属層などの導電体層と、この導電体層の厚さ以上の 厚さを有する非金属層との周期構造体からなる薄片を有し、この薄片 に交差する方向、好ましくは直交する方向から、光(太陽光など)を ァクセスさせる。

具体的には、第 3 3図 A、第 3 3図 Bおよび第 3 3図 Cはこの第 9 の実施形態による有機太陽電池を示す。ここで、第 3 3図 Aは表面図、 第 3 3図 Bは裏面図、第 3 3図 Cは側面図である。第 3 3図 A、第 3 3図 Bおよび第 3 3図 Cに示すように、この有機太陽電池は、ァノー ド電極 1 5 1 とカソード電極 1 5 2 とが間に有機半導体層 1 5 3をは さんで渦巻き(スパイラル)状に形成されたもので、全体として薄い 円板の形状を有する。図示は省略するが、アノード電極 1 5 1 とカソ ード電極 1 5 2 とが背中合わせになる部位にはこれらを互いに電気的 に絶縁するための絶縁膜が設けられている。この有機太陽電池の裏面 には、中心から半径方向に沿って線状の取り出し電極 1 5 4、 1 5 5 が形成されている。ここで、取り出し電極 1 5 4はァノ一ド電極 1 5 1 とコンタクトしており、取り出し電極 1 5 5はカソ一ド電極 1 5 2 とコンタクトしている。

有機半導体層 1 5 3はへテロジャンクション型あるいはバルクへテ 口ジャンクション型の構造を有する。ヘテロジャンクション型構造の 有機半導体層 1 5 3においては、 p型有機半導体膜および n型有機半 導体膜とを、それぞれァノード電極 1 5 1およびカソ一ド電極 1 5 2 と接触するように接合する。バルタへテロジャンクション型構造の有 機半導体層 1 5 3は、 p型有機半導体分子と n型有機半導体分子との 混合物からなり、 p型有機半導体と n型有機半導体とが互いに入り組 んで互いに接触した微細構造を有する。有機半導体層 1 5 3の材料と しては、有機太陽電池の材料として一般的に報告されているものは全 て用いることができるが、具体的には、ポリアセチレン(好ましくは 二置換型ポリアセチレン)、ポリ( p —フヱニレンビニレン)、ポリ ( 2 , 5 —チェ二レンビニレン)、ポリピロール、ポリ( 3—メチル チォフェン)、ポリア二リン、ポリ( 9, 9—ジアルキルフルオレン)

0

(PDAF) 、ポリ( 9, 9—ジ才クチルフルオレン一 co—ビチオフ ェン) (F 8 T 2 ) 、ポリ( 1一へキシル一 2—フエニルアセチレン)

(ΡΗχ PA) (発光材料としては青色の発光を示す)、ポリ(ジフ ニニルアセチレン)誘導体(P D P A_n B u) (発光材料としては 緑色の発光を示す)、ポリ(ピリジン)(PPy) 、ポリ(ピリジル ビニレン)(P P y V) 、シァノ置換型ポリ(p—フヱニレンビニレ ン) (CNPP V) 、ポリ( 3 , 9—ジ一 tert—プチルインデノ [ 1 , 2— b ] フルオレン( P I F ) などを用いることができる。これらの 有機半導体のドーパン卜については、ドナ一としてはアル力リ金属 (L i、 Na、 K、 C s) を用いることができ、ァクセブ夕としては ハロゲン類(B r 2 、 I 2 、 C I 2 ) 、ルイス酸(B F 3 、 P F 5 、 As F5 、 Sb F5 、 S03 ) 、遷移金属ハロゲン化物(F e C 13 、 Mo C l 5 、 WC l 5 、 S nC l 4 ) 、有機ァクセプ夕分子としては TCNE、 TCNQを用いることができる。 また、電気化学ドーピン グに用いられるドーパントイオンは、陽イオンとしてはテ卜ラエチル アンモニゥムイオン(TEA+ ) 、テトラプチルアンモニゥムイオン

(TBA+ ) 、 L i + 、 Na+ 、 K+ 、陰イオンとしては C l〇4 一、 B F ―、 P F ―、 A s F ―、 S b F ―などを用いることがで きる。

有機半導体層 1 5 3としてはさらに、高分子電解質を用いることも できる。この高分子電解質の具体例を挙げると、ポリア二オンとして は、サルフォネートポリァニリン、ポリ(チオフヱン一 3—酢酸)、 サルフォネートポリスチレン、ポリ( 3—チオフヱンアルカンサルフ ォネート)など、ポリカチオンとしては、ポリアリルァミン、ポリ (p—フヱニレンービニレン)前駆体高分子、ポリ(p—メチルピリ ジニゥムビニレン)、プロトン化ポリ( p—ピリジルビ二レン)、ポ 口トン( 2— N—メチルピリジニゥムアセチレン)などを用いること ができる。

アノード電極 1 5 1および力ソード電極 1 5 2は好適には互いに仕 事関数が異なる金属からなり、具体的には、例えば、アノード電極 1 5 1は A uや N iからなり、電極 1 5 2は A 1からなる。

この有機太陽電池の各部の寸法の例を挙げると、有機半導体層 1 5 3の厚さは 7 0〜 1 0 0 n m、ァノ一ド電極 1 5 1およびカソ一ド電 極 1 5 2の厚さはそれぞれ 1 0 0 n m程度である。この有機太陽電池 の高さ (厚さ)、従って有機半導体層 1 5 3の高さは、この有機太陽 電池の面に垂直な方向から入射する光のほぼ全部または完全に吸収さ れて光電変換されるのに十分な高さに選ばれ、具体的には数 m〜 1 m m程度に選ばれる。

次に、この有機太陽電池の製造方法の一例について説明する。ここ では、有機半導体層 1 5 3が、 p型有機半導体膜と n型有機半導体膜 と-を接合したヘテロジヤンクション型構造を有する場合について説明 する。第 3 4図 A、第 3 4図 Bおよび第 3 4図 Cにこの有機太陽電池 の製造に用いる真空蒸着装置を示す。ここで、第 3 4図 Aは正面図、 第 3 4図 Bは側面図、第 3 4図 Cは平面図である。

第 3 4図 A、第 3 4図 Bおよび第 3 4図 Cに示すように、ローラ 1 6 1に、例えば所定幅の薄い平坦なテープ状の樹脂製ベースフィルム 1 6 2を巻き付けておき、この樹脂製べ一スフィルム 1 6 2の一方の 面に、まず蒸着源 1 6 3から力ソード電極用の金属を蒸発させてカソ 一ド電極 1 5 2を形成し、次に蒸着源 1 6 4から n型有機半導体を蒸 発させて n型有機半導体膜を形成し、次に蒸着源 1 6 5から p型有機 半導体を蒸発させて p型有機半導体膜を形成し、次に蒸着源 1 6 3か らァノ一ド電極用の金属を蒸発させてァノード電極 1 5 1 を形成した

2

後、この蒸着膜付き樹脂製ベースフィルム 1 6 を巻き取りローラ 1 6 6で巻き取っていく。この場合、樹脂製べ一スフイルム 1 6 2とし ては、熱または光により剥離可能なものを用いる。そして、力ソード 電極 1 5 2、 n型有機半導体膜、 p型有機半導体膜およびアノード電 極 1 5 1が渦巻き状に形成される際に樹脂製ベースフィルム 1 6 2が 巻き込まれないようにするため、巻き込まれる直前にこの樹脂製べ一 スフイルム 1 6 2の裏面に高温に加熱されたローラを押し付けたり、 この裏面に光を照射したりすることにより、樹脂製べ一スフイルム 1

6 2を剥離する。符号 1 6 6〜 1 7 1は蒸着源 1 6 3〜 1 6 5に通電 を行うための電極を示す。また、樹脂製ベースフィルム 1 6 2のロー ラ 1 6 1および卷き取りローラ 1 6 6の全体は下部が解放した容器 1

7 2内に収容されている。蒸着源 1 6 3〜 1 6 5からの蒸着ビームは、 この容器 1 7 2の解放された下部から樹脂製べ一スフィルム 1 6 2に 照射されるようになつている。

第 3 4図 Bに示すように、容器 1 7 2およびその中のローラ 1 6 1 および巻き取り口一ラ 1 6 6の全体は点線で示すように鉛直面から傾 斜させることができるようになつており、必要に応じて斜め蒸着を行 うことができるようになつている。

また、実際には蒸着源 1 6 3〜 1 6 5の前方に例えば直径が 1〜 3 m mの開口を有する金属製の遮蔽板(図示せず)が設けられており、 蒸着源 1 6 3〜 1 6 5から樹脂製べ一スフィルム 1 6 2への熱放射を 極力抑えることができるようになつている。

この第 9の実施形態によれば、ァノ一ド電極 1 5 1 とカソード電極

1 5 2とが間に有機半導体層 1 5 3をはさんで渦巻き状に形成されて 薄い円板状に有機太陽電池が構成されているので、有機太陽電池の単 位面積当たりの p n接合の面積は極めて大きくなり、この有機太陽電 池の面に垂直方向に光を入射させたとき、有機半導体層 1 5 3の光吸 収領域を増大させることができる。また、有機半導体層 1 5 3は一般 に電気抵抗が高いが、この有機半導体層 1 5 3の厚さを十分に小さく することができるため、その電気抵抗を十分に低く抑えることができ る。このため、光電変換効率が高く、しかもフレキシブルな有機太陽 電池を実現することができる。

次に、この発明の第 1 0の実施形態について説明する。

第 3 5図 A、第 3 5図 Bおよび第 3 5図 Cはこの第 1 0の実施形態 による有機太陽電池を示す。ここで、第 3 5図 Aは表面図、第 3 5図 Bは裏面図、第 3 5図 Cは側面図である。第 3 5図 A、第 3 5図 Bお よび第 3 5図 Cに示すように、この有機太陽電池は、アノード電極 1 5 1 とカソ一ド電極 1 5 2とが間に有機半導体層 1 5 3をはさんで六 角形の渦巻き状に形成されたもので、全体として薄い六角形板の形状 を有する。その他の構成は第 9の実施形態と同様である。

次に、この有機太陽電池の製造方法の一例について説明する。ここ では、有機半導体層 1 5 3が、 p型有機半導体膜と n型有機半導体膜 とを接合したヘテロジヤンクション型構造を有する場合について説明 する。第 3 6図にこの有機太陽電池の製造に用いる真空蒸着装置を示 す。また、第 3 7図は蒸着膜付き樹脂製べ一スフイルム 1 6 2が巻き 取り口一ラ 1 6 6で巻き取られる状態を示す。

第 3 6図に示すように、ローラ 1 6 1に、例えば所定幅の薄い平坦 なテープ状の樹脂製べ一スフイルム 1 6 2を巻き付けておき、この樹 脂製ベースフィルム 1 6 2の一方の面に、まず蒸着源 1 6 3からカソ ―ド電極用の金属を蒸発させてカソード電極 1 5 2を形成し、次に蒸 着源 1 6 4から n型有機半導体を蒸発させて n型有機半導体膜 1 5 3 aを形成し、次に蒸着源 1 6 5から p型有機半導体を蒸発させて p型 有機半導体膜 1 5 3 bを形成し、次に蒸着源 1 6 3からァノ一ド電極 用の金属を蒸発させてァノード電極 1 5 1 を形成した後、この蒸着膜 付き樹脂製ベースフィルム 1 6 2を断面形状が六角形の巻き取りロー ラ 1 6 6で巻き取っていく。その他のことは第 9の実施形態と同様で ある。

第 3 7図において、符号 1 7 3は p側と n側との電気的分離用の絶 縁膜を示す。この絶縁膜 1 7 3は、蒸着源 1 6 3からァノード電極用 の金属を蒸発させる直前に形成する。

力ソード電極 1 5 2、 n型有機半導体膜 1 5 3 a、 p型有機半導体 膜 1 5 3 bおよびァノ一ド電極 1 5 1が渦巻き状に形成される際に樹 脂製べ一スフイルム 1 6 2が巻き込まれないようにするため、巻き込 まれる直前にこの樹脂製べ一スフイルム 1 6 2の裏面に高温に加熱さ れたローラ 1 7 4を押し付けたり、この裏面に光を照射したりするこ とにより、樹脂製ベースフィルム 1 6 2を剥離する。

この第 1 0の実施形態によれば、第 9の実施形態と同様な利点を得 ることができるほか、次のような利点を得ることもできる。すなわち この第 1 0の実施形態による有機太陽電池は六角形の形状を有するた め、第 3 8図に示すように、この有機太陽電池を隙間なく一面に敷き 詰めることができる。このため、単位面積当たりの発電量を大幅に増 すことができる。

次に、この発明の第 1 1の実施形態について説明する。

この第 1 1の実施形態においては、スピントンネル接合(例えば、 Jpn. J. App l . Phys. Vo l . 42 (2003) pp. 1246-1249 および特許第 3 5 5 7 4 4 2号明細書参照)を用いた磁気記録装置について説明する。 この磁気記録装置においては、第 7の実施形態による R O Mと同様 な構成において、超格子薄片 7 1、 7 2の金属膜として C 0膜を、こ

5

れらの超格子薄片 7 1、 7 2間にはさまれる物質として A 1 0 3 膜 を用いる。ここで、例えば、. A 1 0 膜の厚さは 2 n m、 C o膜の 厚さは 1 0〜 5 0 n mである。この場合、強磁性金属である二層のス トリップ状またはリボン状 C 0膜のエッジが A 1 0 3 膜を介して十 字対向する構造がスピントンネル接合である。このとき、活性部位で ある交差部をまたいでストリップ状またはリボン状の構造の幅方向に 沿う方向に電子が移動するようになつている。

この第 1 1の実施形態によれば、超高密度の新規な磁気記録装置を 実現することができる。

次に、この発明の第 1 2の実施形態について説明する。

この第 1 2の実施形態においては、触媒反応ブラットフォームにつ いて説明する。

第 3 9図に示すように、この触媒反応ブラットフオームは、複数の 超格子薄片 7 1 を所定の間隔をあけて互いに平行に積層した構造を有 する。第 4 0図 Aに一つの超格子薄片 7 1 を示す。この超格子薄片 7 1の誘電体膜および金属膜としては、それぞれ T i 0 2 膜や S i 〇2 膜などの酸化膜 1 8 1および A u膜、 P d膜、 P t膜などの金属膜 1 8 2を用いる。ここで、例えば、酸化膜 1 8 1の厚さは 1 0〜 1 0 0 n m、金属膜 1 8 2の厚さは 0 . 5〜 1 O n mである。第 4 0図 Bに、 超格子薄片 7 1の一主面に露出した金属膜 1 8 2の端部近傍の拡大図 を示す。第 4 0図 Bに示すように、この金属膜 1 8 2の端部は凸面か らなり、その曲率半径はその厚さと同程度、すなわち 0 . 5〜 1 0 n m程度である。

この触媒反応ブラットフォームの使用方法は次のとおりである。 第 4 1図 Aに示すように、所定の反応装置内にこの触媒反応プラッ トフオームを入れておき、その一方の側から超格子薄片 7 1に平行に 反応ガスを流入させ、他方の側から流出させる。このとき、反応ガス は超格子薄片 7 1の一主面に露出した金属膜 1 8 2の端部の表面と接 触するが、この端部の曲率半径は 0 . 5〜 1 0 n m程度と極めて小さ いため、この端部の表面の触媒活性は極めて高くなつている。この結 果、第 4 1図 Bに示すように、ガス分子 1 8 3は、この金属膜 1 8 2 の端部の表面の触媒作用を受けることにより、反応速度が大幅に速く なる。

以上のように、この第 1 2の実施形態によれば、一主面に露出した 金属膜 1 8 2の端部が曲率半径が 0 . 5〜 1 0 n m程度と小さい凸面 からなる超格子薄片 7 1 を用いることにより、高効率の触媒反応ブラ ットフオームを実現することができる。

次に、この発明の第 1 3の実施形態による太陽電池について説明す る。

第 4 2図 A、第 4 2図 Bおよび第 4 2図 Cはこの太陽電池を示す。 ここで、第 4 2図 Aは表面図、第 4 2図 Bは裏面図、図 4 2図 Cは側 面図である。第 4 2図 A、第 4 2図 Bおよび第 4 2図 Cに示すように、 この太陽電池は、ァノ一ド電極 1 5 1 とカソード電極 1 5 2とが、間 に p型半導体層と n型半導体層とからなる p n接合をはさんで渦巻き 状に形成されたもので、全体として薄い円板の形状を有する。これら の p型半導体層および n型半導体層は無機半導体でも有機半導体でも よい。

第 4 3図にこの太陽電池の詳細構造を模式的に示す。第 4 3図にお いて、符号 1 9 1が p型半導体層、 1 9 2が n型半導体層を示す。第 4 3図に示すように、ァノード電極 1 5 1 とカソード電極 1 5 2とが 背中合わせになる部位には樹脂などの各種の絶縁体からなる絶縁膜 1 9 3が設けられており、この絶縁膜 1 9 3によりアノード電極 1 5 1 とカソード電極 1 5 2とが互いに電気的に絶縁されている。この場合、 カソ一ド電極 1 5 2は全面電極であり、 n型半導体層 1 9 2とォーミ ック接触しているのに対し、ァノ一ド電極 1 5 1は円板の厚さ(W) 方向に互いに分離された細長い n個の微小アノード電極 1 5 1 — 1〜 1 5 1—nからなる。これらの微小ァノ一ド電極 1 5 1 — 1〜 1 5 1 — nの幅はそれぞれ 、 W2 、 ···、 Wn であり、これらは互いに同 一であつても異なっていてもよい。

型半導体層 1 9 1および n型半導体層 1 9 2のバンドギヤップE 8 は、光入射面から円板の厚さ方向に n段階(n≥ 2 ) に段階的に減少 しており、光入射面側から順に Egl、 Es2、 ···、 Egn (Egl>Eg2> - >Egn) となっている。 p型半導体層 1 9 1および n型半導体層 1 9 2のうちのバンドギヤップ5 g が E sk ( 1≤ k≤ n ) の領域を E sk 領域と呼ぶ。この E8k領域の p型半導体層 1 9 1 と微小アノード電極 1 5 1—kとがォ一ミック接触している。これらの Egk領域は一体に なっていても互いに分離されていてもよい。微小アノード電極 1 5 1 _ kと力ソード電極 1 5 2 との間に E8k領域が挟まれた構造が微小太 陽電池を構成し、カソード電極 1 5 を共通電極としたこれらの n個 の微小太陽電池によりこの太陽電池が構成されている。

Eskは次のように設定することができる。例えば、 AM 1. 5太陽 光スぺクトルの全波長範囲またはその主要な波長範囲(入射エネルギ —が高い部分を含む範囲)において、波長を n個の区間に分ける。そ して、これらの区間に短波長側(高エネルギー側)から順に 1、 2、 ···、 nというように番号を付け、 k番目の区間の最小光子エネルギー に等しく E8kを選ぶ。こうすることで、 k番目の区間の光子エネルギ —を有する光子が Egk領域に入射すると電子一正孔対が発生し、光電 変換が行われる。また、この場合、この k番目の区間の光子エネルギ 一を有する光子が各 Esk領域に到達して十分に吸収されるように、光 入射面からこの E gk領域までの深さを選ぶ。これによつて、この太陽 電池の光入射面に入射する太陽光は、まず Esl領域に入射してそのス ぺクトルのうち光子エネルギーが Egl以上のものが吸収されて光電変 換され、続いて Es2領域に入射してそのスぺクトルのうち光子エネル ギ一が E g 2以上で E 8 ,より小さいものが吸収されて光電変換され、最 終的に Ε領域に入射して、そのスぺクトルのうち光子エネルギーが E以上でE8n-1ょり小さいものが吸収されて光電変換される。この 結果、太陽光スぺクトルのほぼ全範囲あるいは主要な波長範囲の光を 光電変換に使用することができる。

E8kの理想的な設定例について説明する。第 4 4図に AM I . 5太 陽光スぺクトルの光子密度 nPhと光子エネルギー h Vとの関係を示す。 ここでは、 AM 1. 5太陽光スぺクトルの光子エネルギーをエネルギ 一幅△の 1 0個の区間に等分するものとする。この場合の理論最高光 電変換効率は約 6 5%にもなり、これは例えば E8 = し 3 5 eVの 従来の太陽電池の理論最高光電変換効率 3 1 %の倍以上である。

各 Eekの設定は各 E8k領域を構成する半導体の組成を変えることに より行うことができる。具体的には、各 Egk領域を別種の半導体によ り構成する。無機半導体を用いる場合について具体例をいくつか挙げ ると次のとおりである。 n = 2の最も簡単な場合には、例えば、 Egl 領域を G a As (Eg = 1. 4 3 e V) 、 Es2領域を S i (Eg = し 1 1 e V) により構成する。また、 n= 3の場合には、例えば、 Egl 領域を G a P (Eg = 2. 2 5 eV) 、 Es2領域を G a A s (E g = 1. 4 3 e V) 、 Eg3領域を S i (Eg = l . l l eV) により構成 する。また、 n = 4の場合には、例えば、 E8l領域を G aP (Eg = 2. 2 5 e V) 、 582領域を0 a A s (Eg = 1. 4 3 e V) . Eg3

9

領域を S i (Eg = 1. l l eV) 、 Eg4領域を Ge (Eg = 0. 7 6 e V) により構成する。さらには、 Ga l nN^ As !—や Ga l n , P を用いて χの制御だけで η〜 1 0の場合の E gk領域を構 成することも可能である。加えて、 T eを含ませると大きなボウイン グ (bowing) を示すことが知られている I I— V I族化合物半導体を 用いて E sk領域を構成してもよい。

この太陽電池の製造方法は第 9の実施形態と同様である。

この太陽電池を複数用いて太陽電池システムを構成する場合には、 例えば、一列に並べた太陽電池の微小アノード電極 1 5 1— k同士を 接続し、各列毎の最終段の太陽電池の微小アノード電極 1 5 1— kか ら出力電圧を取り出す。

この第 1 3の実施形態によれば、第 9の実施形態と同様な利点に加 えて、次のような利点を得ることができる。すなわち、例えば従来の ァモルファス S i太陽電池では太陽光スぺクトルのうち光子エネルギ 一が 1. 1 2 e Vより小さい波長の光は利用することができないのに 対し、この第 1 3の実施形態によれば、 Egk領域の設計により、太陽 光スぺクトルの全部または主要部の光を光電変換に利用することがで き、光電変換効率の飛躍的な向上を図ることができる。

次に、この発明の第 1 4の実施形態による太陽電池について説明す る。

第 4 5図 A、第 4 5図 Bおよび第 4 5図 Cはこの太陽電池を示す。 ここで、第 4 5図 Aは表面図、第 4 5図 Bは裏面図、第 4 5図 Cは側 面図である。第 4 5図 A、第 4 5図 Bおよび第 4 5図 Cに示すように、 この太陽電池は、ァノード電極 1 5 1とカソード電極 1 5 2とが、間 に p型半導体層 1 9 1 と n型半導体層 1 9 2とからなる p n接合をは さんで渦巻き状に形成されたもので、全体として薄い六角形板の形状

を有する。その他の構成は第 1 3の実施形態と同様である。

この六角形の形状を有する太陽電池を隙間なく一面に敷き詰めて太 陽電池システムを構成する場合には、一列に並べた太陽電池の微小ァ ノード電極 1 5 1 一 k同士を接続し、各列毎の最終段の太陽電池の微 小ァノ一ド電極 1 5 1 一 kから出力電圧を取り出す。このとき、一つ の列の各太陽電池の E 8 k領域の微小太陽電池每に並列接続する。この 太陽電池システムを第 4 6図に示す。

この第 1 4の実施形態によれば、第 1 3の実施形態と同様な利点を 得ることができるほか、次のような利点を得ることもできる。すなわ ち、この第 1 4の実施形態による太陽電池は六角形の形状を有するた め、第 3 8図に示すように、この太陽電池を隙間なく一面に敷き詰め ることができる。このため、各太陽電池の光電変換効率の飛躍的な増 加と相まつて単位面積当たりの発電量を飛躍的に増加させることがで きる。

次に、この発明の第 1 5の実施形態による太陽電池について説明す る。

第 4 7図に示すように、この太陽電池は、ァノ一ド電極 1 5 1 と力 ソード電極 1 5 2 とが、間に p型半導体層と n型半導体層とからなる p n接合をはさんで渦巻き状に形成されていることは第 1 3の実施形 態による太陽電池と同様であるが、この場合、卷き取り軸である中心 軸 1 9 4がァノ一ド側となっており、したがって n型半導体層 1 9 2 よりも p型半導体層 1 9 1が先に卷きついていること、アノード電極 1 5 1が円板の厚さ(W ) 方向に互いに分離された細長い n個の微小 ァノード電極 1 5 1 _ 1 〜 1 5 1 — nからなるだけでなく、力ソード 電極 1 5 2 も、六角形板の厚さ(W ) 方向に互いに分離された細長い n個の微小力ソ一ド電極 1 5 2— 1〜 1 5 2— nからなることが異な る。これらの微小力ソ一ド電極 1 5 2 _ 1〜 1 5 2— nの幅はそれぞ れ ,、 W 2 、 ···、 W„である。その他の構成は第 1 3の実施形態と 同様である。

第 4 8図に中心軸 1 9 4の詳細構造を示す。第 4 8図に示すように、 中心軸 1 9 4の表面は絶縁体からなり、その表面に pコンタクト層 1 9 5— 1〜 1 9 5 _ nが軸方向に互いに分離されて形成されており、 その周りにそれぞれ微小ァノード電極 1 5 1 _ 1〜 1 5 1— nが卷き 付いてコンタクトした構造になっている。中心軸 1 9 4の一端にはコ ネクター 1 9 6が設けられている。このコネクタ一 1 9 6の表面は絶 縁体からなり、この表面に電極 1 9 7— 1〜 1 9 7— nが軸方向に互 いに分離されて形成されている。電極 1 9 7— 1〜 1 9 7— nは、図 示省略した内部配線により、それぞれ pコンタクト層 1 9 5— 1〜 1 9 5— nと電気的に接続されている。

この太陽電池を複数用いて太陽電池システムを構成する場合には、 例えば、一列に並べた太陽電池の微小アノード電極 1 5 1— k同士お よび微小力ソード電極 1 5 2 一 k同士を接続し、各列毎の最終段の太 陽電池の微小アノード電極 1 5 1— kから出力電圧を取り出す。この とき、一つの列の各太陽電池の E g k領域の微小太陽電池毎に並列接続 する。

この第 1 5の実施形態によれば、第 1 3の実施形態と同様な利点を 得ることができる。

次に、この発明の第 1 6の実施形態による太陽電池について説明す る。

この太陽電池は、全体として薄い六角形板の形状を有する。その他 の構成は第 1 5の実施形態と同様である。

この六角形の形状を有する太陽電池を隙間なく一面に敷き詰めて太

陽電池システムを構成する場合には、一列に並べた太陽電池の微小ァ ノ一ド電極 1 5 1一 k同士および微小力ソード電極 1 5 2— k同士を 接続し、各列毎の最終段の太陽電池の微小アノード電極 1 5 1— kか ら出力電圧を取り出す。このとき、一つの列の各太陽電池の Esk領域 の微小太陽電池毎に並列接続する。この場合、太陽電池の側面に微小 アノード電極 1 5 1— kが露出しているため、この太陽電池の側面同 士を突き合わせるだけで微小ァノード電極 1 5 1一 k同士を電気的に 接続することができる。この太陽電池システムを第 4 9図に示す。 次に、この太陽電池システムからの出力電圧の好ましい取り出し方 について説明する。この太陽電池の各微小太陽電池の微小アノード電 極 1 5 1 — kと微小力ソ一ド電極 1 5 2— kとの間に発生する光起電 力は E 8k/ eで表されるため、各微小太陽電池の光起電力は互いに異 なる。各微小太陽電池の光起電力をそのまま使ってもよいが、太陽電 池を最も有効に利用するためには、各微小太陽電池の接続の仕方をェ 夫して単一の電圧の出力電圧が得られるようにするのが好ましい。そ こで、 Ε=Δとし、 Eg i = E8l― ( i - 1 ) Δ ( i = l〜n) とす る。このとき、一つの列の各太陽電池の Egk領域の微小太陽電池毎に 並列接続する。そして、 i番目の列の j番目の太陽電池を C uで表す とき、第 5 0図に示すように、 2 i — 1番目の列の 1番目の太陽電池 C2 i-,. ,の Esk領域( k≥ 2 ) の微小太陽電池と 1 i番目の列の 1番 目の太陽電池 C 2 i. ,の Eg (n + 2-k)領域の微小太陽電池とを直列接続す ると合計の光起電力の値は( E gk+ E s (n + 2k) ) /e = E8 l/eとな る。一方、 E gl領域の微小太陽電池の光起電力は E g l/ eである。し たがって、これらの光起電力を同一の端子から取り出すことにより、 この太陽電池から単一の電圧の出力電圧を得ることができる。

次に、この発明の第 1 7の実施形態による発光素子について説明す

る。

この発光素子の表面図、裏面図および側面図はそれぞれ第 4 2図 A、 第 4 2図 Bおよび第 4 2図 Cに示すものと同様である。

第 5 1図にこの発光素子の詳細構造を模式的に示す。第 5 1図に示 すように、ァノード電極 1 5 1 とカソ一ド電極 1 5 2とが背中合わせ になる部位には絶縁膜 1 9 3が設けられており、この絶縁膜 1 9 3に よりァノード電極 1 5 1 とカソード電極 1 5 2 とが互いに電気的に絶 縁されている。この場合、力ソード電極 1 5 2は全面電極であり、 n 型半導体層 1 9 2 とォ一ミツク接触しているのに対し、ァノード電極 1 5 1は円板の厚さ(W) 方向に互いに分離された細長い n個の微小 ァノ一ド電極 1 5 1 — 1〜 1 5 1— nからなる。これらの微小ァノー ド電極 1 5 1 — 1〜 1 5 1— nの幅はそれぞれ W, 、 W2 、 ·'·、 Wn であり、これらは互いに同一であっても異なっていてもよい。カソー ド電極 1 5 2および微小ァノ一ド電極 1 5 1 _ 1〜 1 5 1 — nは、発 光波長の光に対して透明な導電材料、例えばインジウムースズ酸化物 ( I TO) などからなる。微小ァノ一ド電極 1 5 1— kと力ソード電 極 1 5 2 との間に Egk領域が挟まれた構造が微小発光素子を構成し、 カソード電極 1 5 2を共通電極としたこれらの n個の微小発光素子に よりこの発光素子が構成されている。

p型半導体層 1 9 1および n型半導体層 1 9 1のバンドギャップ E8 は、光入射面から円板の厚さ方向に n段階(n≥ 2 ) に段階的に変化 している。具体的には、例えば、 Eg l領域、 Εβ4領域、 Ε87領域、… からは赤色(R) 発光が得られ、 Eg2領域、 Es5領域、 Eg8領域、… からは緑色(G) 発光が得られ、 Es3領域、 Eg6領域、 Eg9領域、… からは青色(B) 発光が得られるように、これらの領域のバンドギヤ ッブが選ばれている。すなわち、光入射面から円板の厚さ方向に微小 発光素子の発光色は R、 G、 Bの繰り返しになっている。各発光色の 微小発光素子の微小ァノード電極 1 5 1 — kとカソ一ド電極 1 5 2と の間にはそれぞれ所定の駆動電圧を印加して電流を注入し、発光を起 こさせる。これらの微小発光素子の駆動により白色光が得られる。 上記以外のことは、その性質に反しない限り、第 1 3の実施形態と 同様である。

この第 1 7の実施形態によれば、発光素子の体積の大部分を占める 全ての E g k領域の全体から三次元的に発光が生じるため、従来の発光 ダイォードに比べて発光効率の飛躍的な向上を図ることができ、超高 輝度の発光素子を実現することができる。また、この発光効率の飛躍 的な向上により、発光素子の注入電流密度を大きくしないでも十分に 大きな光強度を得ることができるため、発光素子の寿命の向上を図る ことができる。

次に、上記の第 1〜第 1 7の実施形態による各種の素子の製造に用 いて好適なクリーンュニットおよびクリ一ュニットシステムについて 説明する。

第 5 2図 A、第 5 2図 Bおよび第 5 2図 Cはこの発明の第 1 8の実 施形態によるクリーンュニットを示し、第 5 2図 Aは上面図、第 5 2 図 Bは正面図、第 5 2図 Cは側面図である。このクリーンュニッ卜で は、主に、ガスの発生や有機溶剤の使用などを伴う化学プロセスを行 うが、これに限定されるものではない。

第 5 2図 A、第 5 2図 Bおよび第 5 2図 Cに示すように、このクリ ーンュニットは、六面体形状の箱状の作業室 2 1 1 を有する。この作 業室 2 1 1の両側面は互いに平行、上面および底面も互いに平行、両 側面と上面、底面、前面および背面とは互いに直角であるが、前面は 背面に対して非平行でその上部が背面に近づく向きに角度 0 (例えば、 7 0〜8 0 ° ) だけ傾斜している。作業室 2 1 1 の背面および両側面 にそれぞれ、クリーンュニッ卜間のコネクターおよび搬送路を兼用す るトランスファ一ボックス 2 1 2、 2 1 3、 2 1 4が着脱自在に設け られている。第 5 2図 A、第 5 2図 Bおよび第 5 2図 Cには図示され ていないが、これらのトランスファーボックス 2 1 2、 1 3、 2 1 4が取り付けられている部分の作業室 2 1 1の壁には開口部が設けら れている。これらのトランスファ一ボックス 2 1 2、 2 1 3、 2 1 4 を用いて背面および両側面の三方向から他のクリーンュニットを連結 することができるようになっているとともに、これらのトランスファ —ボックス 2 1 2、 2 1 3、 2 1 4を通して試料などの搬送を行うこ とができるようになつている。作業室 2 1 1 の前面の壁には二つの円 形の開口部が設けられており、これらの開口部に一対の手作業用グロ —ブ 2 1 5が装着されている。そして、これらの手作業用グローブ 2 1 5にオペレーターが両手を入れて作業室 2 1 1内で必要な作業を行 うことができるようになつている。作業室 2 1 1の上面には、排気ダ クト 2 1 6およびそれ自体は送風動力を持たないパッシブ防塵フィル 夕一 2 1 7が取り付けられており、これらにより作業室 2 1 1 の内部 を例えばクラス 1 0あるいはクラス 1 0 0程度のクリーンな環境に維 持することができるようになつている。このパッシブ防塵フィル夕一 2 1 7 としては、例えば、パッシブ H E P Aフィルターを用いること ができる。

作業室 2 1 1 の前面は取り外し可能になっており、前面を取り外し た状態でその中にプロセス装置や観察装置などの必要な装置を入れる ことができるようになつている。

作業室 2 1 1 の大きさは、その中に必要なプロセス装置などを収容 することができ、かつ、オペレータ一が竽作業用グローブ 2 1 5に両 手を入れて作業室 2 1 1内で必要な作業を行うことができる大きさに 選ばれる。作業室 1 1 1の寸法の具体例を挙げると、第 5 2図 A、第 5 2図 Bおよび第 5 2図 Cにおいて、奥行き a = 5 0〜7 0 c m、幅 b = 7 0〜9 0 c m、高さ h = 5 0〜 l 0 0 c mである。また、作業 室 2 1 1 を構成する材料としては、好適には、外部から内部を見るこ とができるようにするため、透明材料、例えばアクリル樹脂板が用い られる。機械的補強のため、このアクリル樹脂板を金属枠に取り付け るようにしてもよい。トランスファ一ボックス 2 1 2、 2 1 3、 2 1 4の寸法 cは例えば c = 1 5〜 2 0 c mである。

第 5 3図 A、第 5 3図 Bおよび第 5 3図 Cはトランスファーボック ス 2 1 2、 2 1 3、 2 1 4の構成例を示し、第 5 3図 Aは上面図、第 5 3図 Bは正面図、第 5 3図 Cは側面図である。

第 5 3図 A、第 5 3図 Bおよび第 5 3図 Cに示すように、トランス ファーボックス 2 1 2、 2 1 3、 2 1 4は、矩形断面を有する筒 2 1 8の両端にこの筒 2 1 8よりも一回り大きい額縁状のつば(フランジ 部) 2 1 9を有するものからなる。この場合、つば 2 1 9の内周は筒 2 1 8の内周と一致している。

次に、作業室 2 1 1 とトランスファ一ボックス 2 1 2、 2 1 3、 2 1 4 との接続の仕方について説明する。ここでは、一例として、作業 室 2 1 1の右側の側面にトランスファーボックス 2 1 4を接続する場 合について説明するが、他のトランスファ一ボックス 2 1 2、 2 1 3 の接続の仕方も同様である。第 5 4図 Aおよび第 5 4図 Bに示すよう に、作業室 2 1 1の内外を仕切る壁 2 2 0にはトランスファーボック ス 1 1 4が取り付けられる部分に矩形の開口部 2 2 0 aが設けられて いる。また、壁 2 2 0の外側の面においてこの開口部 2 2 0 aの直ぐ 下の位置に水平方向に延びるストッパー 2 2 1が設けられており、こ

のストッパー 2 2 1の両端部の上に鉛直方向に延びる一対のガイドレ —ル 2 2 2が互いに対向して平行に設けられている。これらのガイド レール 2 2 2と壁 2 2 0との間の隙間は、トランスファ一ボックス 2 1 4のつば 2 1 9の厚さより僅かに大きく選ばれている。そして、こ の隙間にトランスファーボックス 2 1 4のつば 2. 1 9の両側部を上か ら差し込んでガイドレ一ル 2 2 2に沿ってスライドさせる。つば 2 1 9の下端がストッパー 2 2 1に接した時点でつば 2 1 9とガイドレー ル 2 2 2および壁 2 2 0とがほぼ密着し、トランスファ一ボックス 2 1 4の取り付けが終了する。

また、壁 2 2 0の内側の面にも、開口部 2 2 0 aの直ぐ下の位置に 水平方向に延びるストツバ一 2 2 3が設けられており、このストツノヽ" - 2 2 3の両端部の上に鉛直方向に延びる一対のガイドレール 2 2 4 が互いに対向して平行に設けられている。そして、ガイドレール 2 2 4 と壁 2 2 0との間の隙間に開口部 2 2 0 aより一回り大きい矩形の 引き戸 2 2 5の両側部を差し込んでガイドレール 2 2 4に沿ってスラ ィドさせる。引き戸 2 2 5の下端がストッパー 2 2 3に接した時点で 引き戸 2 2 5とガイドレール 1 2 4および壁 1 2 0とがほぼ密着し、 壁 2 2 0の内外が遮断される。ガイドレール 2 2 4 と壁 2 2 0 との間 の隙間は、引き戸 2 2 5の厚さより僅かに大きく選ばれている。この 引き戸 2 2 5には取っ手 2 2 6が付いており、この取っ手 2 2 6を手 で持って引き戸 2 2 5を上下動させることにより引き戸 2 2 5の開閉 を行うことができるようになつている。そして、このように引き戸 2 2 5の開閉を行うことにより、作業室 2 1 1の内部とトランスファー ボックス 2 1 4との間の連通/非連通を制御することができるように なっている。

クリーンュニットシステムを拡張する際には、内側の引き戸 2 2 5 を閉じた状態で、壁 2 2 0の開口部 2 2 0 aの外側にトランスファー ボックス 2 1 4を装着し、さらにそれに連なる次のクリーンュニット の作業室 2 1 1 をこのトランスファ一ボックス 2 1 4の他端に接続し た後、この内側の引き戸 2 2 5を開けることで、作業室 2 1 1内にク リーンな環境を維持したまま、クリーンな領域(空間)を左右ならび に奥行き方向に拡張していくことができる。

次に、クリーンュニッ卜への試料の投入および取り出しの仕方につ いて説明する。第 5 5図 Aおよび第 5 5図 Bに示すように、この試料 の投入および取り出しのために、クリーンユニットの作業室 2 1 1に、 次のクリーンュニットを接続する代わりに投入/取り出しボックス 2 2 7を取り付ける。この投入/取り出しボックス 2 2 7は、トランス ファーボックス 2 1 2、 2 1 3、 2 1 4とほぼ同様な構成を有する。 すなわち、この投入/取り出しボックス 2 2 7は、矩形断面を有する 筒 2 2 8の両端にこの筒 2 2 8より一回り大きい額縁状のつば(フラ ンジ部) 2 2 9を有するものからなるが、一方のつば 2 2 9の下部に はストッパー 2 3 0が取り付けられ、このストッパー 2 3 0の両端部 の上に鉛直方向に延びる一対のガイドレール 2 3 1が互いに対向して 平行に設けられている。つば 2 2 9の内周は筒 2 2 8の内周と一致し ている。そして、ガイドレール 2 3 1 とつば 2 2 9との間の隙間に筒 2 2 8より一回り大きい矩形の密閉遮断板 2 3 2の両側部を差し込ん でガイドレール 1 3 1 に沿ってスライドさせる。密閉遮断板 2 3 の 下端がス卜ツバ一 2 3 0に接した時点で密閉遮断板 2 3 2とガイドレ —ル 2 3 1およびつば 2 2 9とがほぼ密着し、投入/取り出しボック ス 2 2 7の内外が遮断される。ガイドレール 2 3 1 とつば 2 2 9との 間の隙間は、密閉遮断板 2 3 2の厚さより僅かに大きく選ばれている。 この密閉遮断板 2 3 2には取っ手 2 3 3が付いており、この取っ手 2 3 3を手で持って密閉遮断板 2 3 2を上下動させることによりこの密 閉遮断板 2 3 2の開閉を行うことができるようになつている。そして、 このように密閉遮断板 2 3 2の開閉を行うことにより、投入/取り出 しボックス 2 2 7の内部と外部との間の連通/非連通を制御すること ができるようになつている。投入/取り出しボックス 2 2 7のクリー ンユニットへの取り付け方法は、トランスファ一ボックス 2 1 2、 2 1 3 . 2 1 4の取り付け方法と同じであるので、説明を省略する。 次に、クリ一ンュニッ卜の三箇所のコネクター部のうち、特に試料 の出し入れもせず、他のクリ一ンュニットも連結しないコネクター部 に関しては、第 5 6図 Aおよび第 5 6図 Bに示すように、壁 2 2 0の 外側にも、内側と同様に開閉機構が設けられている。すなわち、作業 室 2 1 1の壁 2 2 0にストッパー I 3 4および一対のガイドレール 1 3 5を取り付け、このガイドレール 2 3 5と壁 2 2 0との間の隙間に 開口部 2 1 0 aより一回り大きい矩形の密閉遮断板 2 3 6の両側部を 差し込んでガイドレール 2 3 5に沿ってスライドさせる。密閉遮断板 2 3 6の下端がストッパー 3 4に接した時点で密閉遮断板 2 3 6と ガイドレール 2 3 5および壁 2 2 0とがほぼ密着し、壁 2 2 0の内外 が遮断される。ガイドレール 2 3 5と壁 2 2 0との間の隙間は、密閉 遮断板 2 3 6の厚さより僅かに大きく選ばれている。この密閉遮断板 2 3 6には取っ手 2 3 7が付いており、この取っ手 2 3 7を手で持つ て密閉遮断板 2 3 6を上下動ざせることにより密閉遮断板 2 3 6の開 閉を行うことができるようになつている。そして、このように密閉遮 断板 2 3 6の開閉を行うことにより、クリーンュニッ卜の内部と外部 との間の連通/非連通を制御することができるようになっている。こ の場合、壁 2 2 0の内側にも同様な開閉構造が設けられているため、 コネクタ一部の壁 2 2 0の両側に二重の密閉構造が備わっていること になる。このようにして、他のクリーンユニットとの接続がなく、力、 つトランスファーボックスも連結しない場合には、クリーンュニット の作業室 2 1 1の内部の外気からの遮断を効率よく行うことができる。 第 5 7図 A、第 5 7図 Bおよび第 5 7図 Cはこの発明の第 1 9の実 施形態によるクリーンュニットを示し、第 5 7図 Aは上面図、第 5 7 図 Bは正面図、第 5 7図 Cは側面図である。このクリーンュニッ卜で は、主に、表面観察などの各種測定や検査やアセンブリなど、局所排 気の必要ない、非化学的なプロセスを行うが、これに限定されるもの ではない。

第 5 7図 A、第 5 7図 Bおよび第 5 7図 Cに示すように、このクリ ーンュニットは、第 5 2図 A、第 5 2図 Bおよび第 5 2図 Cに示すク リーンュニッ卜の作業室 2 1 1 と同様な構成の作業室 2 5 1 を有する。 この作業室 2 5 1 の背面および両側面にはそれぞれ、クリーンュニッ 卜間のコネク夕一および搬送路を兼用するトランスファーボックス 2 5 2、 2 5 3、 2 5 4が設けられ、これらのトランスファ一ボックス 2 5 2、 2 5 3、 2 5 4を用いて背面および両側面の三方向から他の クリーンユニットを連結することができるようになっているとともに、 これらのトランスファ一ボックス 2 5 2、 2 5 3、 2 5 4を通して試 料などの搬送を行うことができるようになつている。また、作業室 2 5 1の前面には二つの円形の開口部が設けられており、これらの開口 部に一対の手作業用グローブ 2 5 5が装着されている。作業室 2 5 1 の上面には、それ自体送風動力を持つアクティブ防塵フィルター 2 5 6が取り付けられており、作業室 2 5 1の内部を例えばクラス 1 0ま たはクラス 1 0 0程度のクリーンな環境に維持することがで.きるよう になっている。この場合、排気ダク卜は設けられておらず、その代わ りに、作業室 2 5 1の両側面の下部の隅に排気用通風孔 2 5 7が設け られている。この排気用通風孔 2 5 7は、アクティブ防塵フィルター 2 5 6から送られた空気を作業室 2 5 1の外部に排気し、アクティブ 防塵フィルターの動作により加わる正圧を調節するためのものである。 このアクティブ防塵フィル夕一 2 5 6 としては、例えば、アクティブ H E P Aフィル夕一を用いることができる。なお、例えば、このクリ ーンュニットをバイオクリ一ンルーム代替で用いるときには、このァ クティブ防塵フィルター 2 5 6に直列にイオン殺菌除去装置を加えて もよい。

上記以外の構成は第 5 2図 A、第 5 2図 Bおよび第 5 2図 Cに示す クリーンユニットの構成と同一である。

トランスファ一ボックス 2 5 2、 2 5 3、 2 5 4の連結部位には、 第 5 2図 A、第 5 2図 Bおよび第 5 2図 Cに示すクリーンュニッ卜と 同様に、他のクリーンュニッ卜を連結しない場合には、外気との密閉 遮断板または遮断扉を付けることも可能である。

次に、この発明の第 2 0の実施形態によるクリーンユニットシステ ムについて説明する。

第 5 8図 Aはこのクリーンュニットシステムを示す。また、第 5 8 図 Bはこのクリ一ンュニットシステムとの比較のための従来のクリ一 ンュニットシステムを示す。

第 5 8図 Aに示すように、部屋の中に定盤 2 6 1、 2 6 2、 2 6 3、 2 6 4がそれらの間にオペレータ一が入って作業を行うのに十分なス ペースをあけて設置されている。そして、定盤 2 6 1上にはクリーン ユニット 2 6 5が、定盤 2 6 2上にはクリーンュニッ卜 2 6 6、 2 6 7が、定盤 2 6 3上にはクリーンユニット 2 6 8、 2 6 9、 2 7 0が、 定盤 6 4上にはクリーンュニット 2 7 1、 2 7 2、 2 7 3がそれぞ れ設置されている。これらのクリ一ンュニット 2 6 5〜 2 7 3はトラ ンスファーボックス 2 7 4により連結されており、繰り返し折れ曲が つたつづら折り状配置となっている。

この場合、クリーンュニッ卜 2 6 5〜 2 7 3 としては三方向の連結 が可能な第 1 8または第 1 9の実施形態によるクリーンュニットが用 いられており、このため上述のようにクリ一ンュニット 2 6 5〜 2 7 3 をつづら折り状に配置することが可能となっている。

ただし、クリーンユニット 2 6 5、 2 6 9、 2 7 2、 2 7 3 として は、左右二方向のみの連結が可能な従来のクリーンュニットを用いて もよい。

前処理、レジスト塗布、ベーキング、露光、現像、ポストべ一ク、 エッチング(食刻)、薄膜成長、表面観察、アセンブリなどの各要素 プロセスは最近の技術の進歩によりコンパク卜な装置で行うことが可 能になってきたので、基本的に第 1 8の実施形態によるクリーンュニ ット(以下「タイプ A」という)と第 1 9の実施形態によるクリーン ュニット(以下「タイプ B」という)とのどちらかの中に収めること が可能である。そこで、クリーンュニット 2 6 5〜2 7 3には、実行 するプロセスに応じた小型のプロセス装置(成長装置、エッチング装 置などの化学プロセス装置またはリソグラフィー装置、ベーク炉など の非化学プロセス装置)や小型の観察装置(A F M、 S T M、光学顕 微鏡、 S E Mなど)などが設置される。例えば、クリーンユニット 2 7 0内には小型の成長装置が設置される。この場合、成長装置の電源 2 7 5およびオシロスづープ 2 7 6がこのクリーンュニット 1 7 0の 近くに設置されている。

このクリ一ンュニットシステムを用いてプロセスや観察、測定など を実行する場合には、例えば次のようにする。すなわち、オペレータ —はまず、クリーンュニット I 6 5の前方に立って試料の出し入れ部 から基板 (図示せず)を投入する。そして、このクリーンュニッ卜 2 6 5内で所定のプロセスなどを実行した後、作業用グローブ(図示せ ず)を用いて基板をトランスファ一ボックス 2 7 4 を通して次のクリ —ンュニット 2 6 6に搬送する。次に、オペレータ一はクリーンュニ ット 2 6 6の前方に移動し、このクリーンュニット 2 6 6内で所定の プロセスを実行する。このようにして、基板をクリーンュニッ卜 2 6 5〜 2 7 3間で受け渡しながら順次プロセスを実行する。そして、プ ロセス終了後にクリ一ンュニット 2 7 3から基板を取り出す。

以上のように、この第 2 0の実施形態によれば、クリーンユニット 2 6 5〜 2 7 3をつづら折り状に配置することが可能であるので、ク リーンュニットシステムの占有面積を方形に近づけることができ、こ のクリーンュニットシステムを設置する部屋の設計への負担を軽くす るとともに、部屋のスペースの有効利用を図ることができる。

すなわち、第 5 8図 Bに示すように、左右方向にのみ連結可能なク リーンュニット 2 8 1〜 2 8 8を左右方向に単一直線状配置で連結し た従来のクリ一ンュニットシステムでは、長さが極めて長くなるため、 設置スペースも長くなり、部屋のスペースの使用効率が悪い。したが つて、この第 1 8の実施形態によるクリーンュニットシステムの優位 性は明らかである。なお、第 5 8図 Bにおいて、符号 2 8 9〜 2 9 2 は定盤、 2 9 3は連結部を示す。

次に、この発明の第 2 1 の実施形態によるクリーンュニットシステ ムについて説明する。

第 5 9図はこのクリーンユニットシステムを示す。第 5 9図に示す ように、このクリーンユニットシステムにおいては、タイプ Aまたは タイプ Bの三方向接続可能なクリーンュニッ卜 1 1 0 1〜 1 1 0 6が トランスファーボッタス 1 1 0 7を介してループ状配置で連結されて

いる。連結に使用されていないトランスファーボックス 1 1 0 7は密 閉遮断板により遮断されている。

この第 2 1の実施形態によれば次のような利点を得ることができる。 すなわち、一般に、ト一タルな一連のプロセスにおいては、同一のプ 口セスを繰り返すことがよくあるが、左右方向にのみ連結可能なクリ ーンュニットを左右方向に連結した単一直線状配置の従来のクリーン ュニットシステムでは、同一のプロセスを繰り返し行う場合、その都 度上流側のクリーンュニッ卜に試料を戻さざるを得ないため、作業効 率が極めて悪い。これに対し、この第 2 1 の実施形態によれば、クリ ーンュニット 1 1 0 1〜 1 1 0 6が 3方向接続可能であるので、プロ セスフ口一に沿ってクリーンュニット 1 1 0 1〜 1 1 0 6の最適なル ープ状の連結が可能となり、試料の無駄な搬送を伴うことなく必要な 回数、何回でも一連のプロセスを繰り返すことができる。このため、 一連のプロセスを効率的に行うことができる。

次に、この発明の第 2 2の実施形態によるクリーンュニットシステ ムについて説明する。

第 6 0図はこのクリーンュニットシステムを示す。第 6 0図に示す ように、このクリーンユニットシステムにおいては、タイプ Aまたは タイプ Bのクリ一ンュニット 1 1 0 1〜 1 1 0 6が卜ランスファーボ ックス 1 1 0 7を介してループ状配置で連結されていることは第 1 9 の実施形態と同様であるが、この場合にはさらに、クリーンユニット 1 1 0 2 とクリーンュニット 1 1 0 5 とがトランスファーボックス 1 1 0 7および中継ボックス 1 1 0 8を介して直接連結されている。こ の場合、第 5 2図 A、第 5 2図 Bおよび第 5 2図 Cまたは第 5 7図 A、 第 5 7図 Bおよび第 5 7図 Cにおいて、作業室の奥行きの寸法 a、ト ランスファーボックスの寸法 c、背面トランスファ一ボックスの、向 かって右側面からの距離 xが x = ( a— c ) / 2 を満たすように設計 することにより、単一の構造仕様のクリーンュニット 1 1 0 1〜 1 1 0 6のみを用いて第 6 0図に示すような連結を行うことができる。 以上のように、この第 2 2の実施形態によれば、クリーンュニッ卜 1 1 0 1〜 1 1 0 6がループ状配置で連結され、しかもクリーンュニ ッ卜 1 1 0 2 とクリーンュニット 1 1 0 5 とがトランスファ一ボック ス 1 1 0 7および中継ボックス 1 1 0 8により直接連結されているこ とにより、第 2 1の実施形態と同様な利点に加え、条件判断に伴う分 岐ゃ小ループなど、より小回りの効いたプロセスを実行することが可 能になる。具体的には、クリーンュニッ卜 1 1 0 1 ~ 1 1 0 6間で順 番に基板を受け渡してプロセスを実行するほかに、例えば、クリーン ュニット 1 1 0 1 から出発してクリーンュニット 1 1 0 2でプロセス を実行した後、クリ一ンュニット 1 1 0 5に進んでプロセスを行うこ ともできる。

次に、この発明の第 2 3の実施形態によるクリーンユニットシステ ムについて説明する。

第 6 1図はこのクリーンュニッ卜システムを示す。第 6 1図に示す ように、このクリーンユニットシステムにおいては、タイプ Aまたは タイプ Bの三方向接続可能なクリーンュニット 1 1 2 1〜 1 1 2 8が トランスファーボックス 1 1 2 9 を介して連結されている。この場合、 クリーンュニット 1 1 2 2〜 1 1 2 7は第 2 2の実施形態と同様なル 一プ状配置で連結されている。

例えば、クリーンユニット 1 1 2 2、 1 1 2 3、 1 1 2 5、 1 1 2 6 としてはタイプ Aのものを用い、クリーンユニット 1 1 1 1、 1 1 2 4、 1 1 2 7 としてはタイプ Bのものを用いる。

各クリーンユニット 1 1 2 1〜 1 1 2 8で行われる作業は、例えば 次のとおりである。まず、クリーンュニット 1 1 2 1 は保管ュニット で、試料保管庫(例えば、基板を収納したウェハ一カセット 1 1 3 0 ) が設置され、連結に使用されていない右側面のトランスファ一ボック ス 1 1 2 9は試料投入口、同じく連結に使用されていない背面のトラ ンスファ一ボックス 1 1 2 9は非常時試料取出口である。クリーンュ ニット 1 1 2 2は化学ュニッ卜で、化学前処理システム 1 1 3 1が設 置され、化学前処理が行われる。クリーンュニット 1 1 2 3はレジス トプロセスユニットで、スピンコ一夕 1 1 3 2および現像装置 1 1 3 3が設置され、レジストのコーティングや現像が行われる。クリーン ユニット 1 1 2 4はリソグラフィ一ュニッ卜で、露光装置 1 1 3 4が 設置され、連結に使用されていない右側面のトランスファ一ボックス 1 1 2 8は非常時試料取出口である。クリーンユニット 1 1 2 5は成 長/メ夕ライゼーションュニッ卜で、電気化学装置 1 1 3 5およびマ イク口リアクターシステム 1 1 3 6が設置され、連結に使用されてい ない右側面のトランスファーボックス 1 1 2 8は非常時試料取出口で ある。クリーンュニット 1 1 6はエッチングュニッ卜で、エツチン グ装置 1 1 3 7が設置されている。このクリーンユニット 1 1 2 6の 背面のトランスファーボックス 1 1 2 9は、中継ボックス 1 1 3 8を 介して、クリ一ンュニット 1 1 2 3の背面のトランスファ一ボックス 1 1 2 9 と連結されている。クリーンュニット 1 1 2 7はアセンブリ ュニッ卜で、顕微鏡 1 1 3 9およびプロ一バー 1 1 4 0が設置されて いる。クリーンュニッ卜 1 1 2 8は走査プローブ顕微鏡( S PM) 観 察ュニッ卜で、卓上 S TM 1 1 4 1 および卓上 A F M 1 1 4 2が設置 され、連結に使用されていない右側面のトランスファーボックス 1 1 2 9は試料取出口、同じく連結に使用されていない背面のトランスフ ァーボックス 1 1 2 9は非常時試料取出口である。クリーンュニット 1 1 2 3のスピンコ一夕 1 1 3 2、クリーンユニット 1 1 2 4の露光 装置 1 1 3 4、クリーンユニット 1 1 2 5の電気化学装置 1 1 3 5お よびマイクロリアクターシステム 1 1 3 6、クリーンユニット 1 1 2 6のエツチング装置 1 1 3 7、クリーンュニッ卜 1 1 2 7のプローバ - 1 1 4 0などは電源 1 1 4 3に接続されていて電源が供給されるよ うになっている。また、クリーンュニット 1 1 2 5の電気化学装置 1 1 3 5は信号ケーブル 1 1 4 4により電気化学装置制御器 1 1 4 5 と 接続されており、この電気化学装置制御器 1 1 4 5により制御される ようになっている。さらに、クリーンュニット 1 1 2 7の顕微鏡 1 1 3 9、クリーンュニット 1 1 2 8の卓上 S T M 1 1 4 1 および卓上 A F M 1 1 4 2による観察画像は、液晶モニター 1 1 4 6に映し出すこ とができるようになつている。

この第 2 3の実施形態によれば、次のような多くの利点を得ること ができる。すなわち、化学前処理、レジスト塗布、露光、現像、成長 /メ タライゼ一シヨン、耳ッチング、プロ一ビング、表面観察など、 通常巨大なクリーンルームの中に設えられた装置群を駆使して行われ るほぼあらゆる工程を、クリーンな局所空間を包むクリーンュニット を連結したクリーンュニットシステムにおいてループ状配置などを取 ることによって、クリーンルームを用いることなく通常の実験室規模 の部屋の中において簡便かつコンパクトに実現することができる。 また、一般的には、上記のタイプ A、 Bのクリーンュニッ卜の中に 収めるプロセス装置の性格により、第 6 1図に示すように、 A、 B (あるいはその変形型)からなる、いわゆる「モザイク」状のクリ一 ンュニット配列パターンができ、これによりプロセス全体、あるいは その主要部の一連の工程(例えば、途中で有塵雰囲気に暴露すると歩 留まりを下げてしまう恐れのある工程を済ませ、有塵雰囲気でも差し

支えない、区切りの良い段階まで工程を進めてしまうことなど)を実 行することができる。

また、あるトータルな、あるいは主要な一連のプロセスフローが与 えられたとき、それに対応した一次元のクリーンュニッ卜の繋がり具 合 (モザイクパターン)が決まるが、上記のタイプ A、 Bのクリーン ュニットを用いることにより、同一処理(群)の繰り返しは同一クリ —ンユニット(群)で行うなどの束縛条件を満たすように(つまりこ のモザィクのどことどこを繋げば最も効率がよくなるかを判定して)、 クリーンュニッ卜のループ状配置などの実現が可能となる。また、そ の際、必要な工程数、作業の段数の増加に対応して、拡張性に富み、 かつ極めてフレキシブルなやり方でプロセス一貫システムを組上げる ことができる。

次に、この発明の第 2 4の実施形態によるクリーンュニッ卜システ ムについて説明する。

第 6 2図はこのクリーンュニットシステムを示す。第 6 2図に示す ように、このクリーンユニットシステムにおいては、タイプ Aまたは タイプ Bの三方向接続可能なクリーンュニット 1 1 5 1〜 1 1 7 1が トランスファ一ボックス 1 1 7 2を介して連結されている。この場合、 クリーンユニット 1 1 6 0〜 1 1 6 5は第 2 1 の実施形態と同様なル —プ状配置で連結ざれ、クリーンュニッ卜 1 1 6 6〜 1 1 7 1 は第 2 2の実施形態と同様なループ状配置で連結されている。クリーンュニ ット 1 1 5 5の背面のトランスファ一ボックス 1 1 7 2 とクリ一ンュ ニット 1 1 6 0の右側面のトランスファ一ボックス 1 1 7 2 とは中継 ボックス 1 1 7 3 を介して連結されている。また、クリーンュニット 1 1 5 8の背面のトランスファーボックス 1 1 7 2 とクリーンュニッ ト 1 1 6 5の右側面のトランスファーボックス 1 1 7 2 とは中継ボッ クス 1 1 7 3を介して連結されている。さらに、クリーンュニット 1 1 6 7の背面のトランスファーボックス 1 1 7 2 とクリーンュニット 1 1 7 0の背面のトランスファ一ボックス 1 1 7 2 とは中継ボックス 1 1 7 3を介して連結されている。クリーンュニット 1 1 6 0〜 1 1 6 5にはこのクリーンユニットシステムを用いて実行するプロセスに 必要なプロセス装置や観察装置などが設置されている。

この第 2 4の実施形態によれば、次のような利点を得ることができ る。すなわち、初段から最終段までの一連のプロセスフローは、(途 中の計測により不具合が見つかった場合には、再度そのプロセスを繰 り返すという条件判断およびその後の処理まで含めて)プログラミン グのフローチャートと同一視できるが、この第 2 4の実施形態によれ ば、プログラミングでいうところのサブルーチン部 1 1 7 4や、条件 判断による分岐 1 1 7 5などの処理に対応して、三方接続を含め並べ 替えることで、極めて順応性良く対応することができる。つまり、ト ランスファーボックス 1 1 7 2の開閉や基板の搬送を含めてコンビュ 一ターコントロールを行うことで(ループや条件判断によるプロセス 上の別工程に飛び移ることを含み)全プロセス工程、あるいは主要な 一連のプロセス工程を、プログラミングの下、コンピュータの管理下 において自動的に実行することができる。

また、クリーンユニットシステムにループがあるため、クリーンュ ニット間で基板を行き来させることにより、最小の移動距離で基板に 対して同様の処理を何度でも行うことができる。従来のクリーンュニ ッ卜の直線状配置では同様の処理を行う際、遠いクリーンユニットま で長距離、基板を搬送する必要が出てくるため、これは非常に有利な 点である。これを一般化すると次のとおりである。すなわち、ペアノ 曲線あるいは第 6 3図に示すヒルベルト曲線などに似た形で面が埋め

られるので、空間(面積)占有率の向上の面でも有利である。特に、 ヒルベルト曲線と同様に、一連の線上に乗っておりながら、同時に、 この線上では遠隔地に存しながらも、残るもう 1次元を利用した三方 接続により一種のプロセス空間内でいわば「ワープ」させて、別系の プロセスを基板(試料)に適用することができることが利点である。 これは、たんぱく質合成の際に、 D N Aの一次元配列の各所に散らば つて存在する設計図をうまく読み取り合わせていく過程と相同の機能 であり、一つのプロセスラインを多目的に利用することができる利便 性を実現するものである。

次に、この発明の第 2 5の実施形態によるクリーンユニットについ て説明する。

第 6 4図 A、第 6 4図 Bおよび第 6 4図 Cはこの第 2 5の実施形態 によるクリーンュニットを示し、第 6 4図 Aは上面図、第 6 4図 Bは 正面図、第 6 4図 Cは側面図である。

第 6 4図 A、第 6 4図 Bおよび第 6 4図 Cに示すように、このクリ ーンュニットは、六面体形状の箱状の作業室 2 1 1の背面および両側 面にそれぞれトランスファーボックス 2 1 2、 2 1 3、 2 1 4が着脱 自在に設けられていることに加えて、この作業室 2 1 1の上面および 下面にそれぞれ卜ランスファーボックス 1 2 0 1、 1 2 0 2が着脱自 在に設けられている。これらのトランスファーボックス 1 2 0 1、 1 2 0 2の構造は、トランスファーボックス 2 1 2、 2 1 3、 2 1 4と 同様である。

上記以外のことは第 1 8の実施形態と同様であるので、説明を省略 する。

この第 2 5の実施形態によるクリーンュニットを以下においては夕 イブ Cという。

次に、この発明の第 2 6の実施形態によるクリ一ンュニットについ て説明する。

第 6 5図 A、第 6 5図 Bおよび第 6 5図 Cはこの第 2 6の実施形態 によるクリーンュニットを示し、第 6 5図 Aは上面図、第 6 5図 Bは 正面図、第 6 5図 Cは側面図である。

第 6 5図 A、第 6 5図 Bおよび第 6 5図 Cに示すように、このクリ ーンュニットは、六面体形状の箱状の作業室 2 5 1の背面および両側 面にそれぞれトランスファ一ボックス 2 5 2、 2 5 3、 2 5 4が着脱 自在に設けられていることに加えて、この作業室 2 5 1の上面および 下面にそれぞれトランスファーボックス 1 2 0 3、 1 2 0 4が着脱自 在に設けられている。これらのトランスファーボックス 1 2 0 3、 1 2 0 4の構造は、卜ランスファ一ボックス 2 1 2、 2 1 3、 2 1 4 と 同様である。

上記以外のことは第 1 9の実施形態と同様であるので、説明を省略 する。

この第 2 6の実施形態によるクリーンュニットを以下においては夕 ィプ Dという。

次に、この発明の第 2 7の実施形態によるクリーンュニットについ て説明する。

第 6 6図はこの第 2 7の実施形態によるクリーンュニットを示す正 面図である。

第 6 6図に示すように、このクリーンュニットにおいては、作業室 2 5 1の左側の側面の下部の隅の排気用通風孔(図示せず)は図示省 略した蓋などにより塞がれており、右側の側面の下部の隅の排気用通 風孔とアクティブ防塵フィルタ一 2 5 6の入り口との間に、気密性を 有する管 1 2 5 1が接続されている。そして、排気用通風孔から排気 される気体の全てがこの管 1 2 5 1 を通ってアクティブ防塵フィル夕 - 2 5 6の入り口に入るようになつている。このようにすることによ り、気体は、アクティブ防塵フィルタ一 2 5 6→作業室 2 5 1→排気 用通風孔—管 1 2 5 1—アクティブ防塵フィル夕一 2 5 6のように循 環するため、作業室 2 5 1内の清浄度の大幅な向上を図ることができ る。

作業室 2 5 1内で化学プロセスを実行する場合には、化学プロセス 対応のアクティブ防塵フィルタ一 2 5 6を用いるとともに、上記の管 1 2 5 1の途中に吸着塔 1 1 5 2あるいは吸着剤を設置することで、 ダクトなどを通じて外部に接続することなく、クローズドシステムで 有害物質の除去とクリーンな環境の維持とを両立させることができる。

また、作業室 2 5 1の内壁の全部または一部に粘着シートを貼り付 けてダスト微粒子を付着させることで、清浄度のさらなる向上を図る ことが可能である。この場合、粘着シートを多層化したものを用い、 一枚ずつ剥がすことで清浄なシート面を露出させることにより、常時 ダスト微粒子の付着効果を維持することができる。

作業室 2 5 1の詳細の図示および説明は省略するが、第 1 9または 第 2 4の実施形態と同様である。

この第 2 7の実施形態によるクリーンュニットを以下においては夕 ィプ Eという。

第 6 7図は、このタイプ Eのクリーンュニットを通常のオフィス環 境下に置いてアクティブ防塵フィルター 2 5 6を運転した時の作業室 2 5 1の内部の清浄度を測定した結果を示し、横軸は微粒子の粒径 ( u rn ) . 縦軸は横軸の粒径以上の微粒子数(個 Zm 3 ) を示す。た だし、この測定に用いたクリーンュニッ卜の作業室 2 5 1は直方体形 状でその大きさは幅 8 0 c m、奥行き 6 0 c m、高さ 8 0 c mである。 アクティブ防塵フィルター 2 5 6としては、ァズヮン株式会社製 H E P Aユニット G K— 0 7 5 7— 0 1 (型番 2 5 S ) 0 . 3 mを用い た。また、測定は、アクティブ防塵フィルター 2 5 6の運転を開始し てから 2 0分または 3 0分経過後に安定した状態となつてから行った。 第 6 7図より、この循環型クリーンュニッ卜の清浄度の平均値(〇) はクラス 1 0並、最高値(秦)はクラス 1に近い値が得られている。 しかも、この清浄度に到達するのに要する時間は、アクティブ防塵フ ィルタ一 2 5 6の運転開始後 2 0分または 3 0分程度と極めて短い。 以上のことは、排気用通風孔から排気される気体の全てを管 1 2 5 1 を通してアクティブ防塵フィルター 2 5 6の入り口に入れて循環させ ることが、高い清浄度を得るために極めて有効な方法であることを示 す。第 6 7図には、比較のために、クリーンルームのスーパークリ一 ンエリアの清浄度(△) 、通常エリア(▲) の清浄度の測定結果も示 してある。

以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明 は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思 想に基づく各種の変形が可能である。

例えば、上述の実施形態において挙げた数値、材料、形状、配置な どはあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異なる数値、材 料、形状、配置などを用いてもよい。必要に応じて、上述の実施形態 の二以上を組み合わせてもよい。

また、例えば、超格子薄片にはさまれる層として、 7C電子共役有機 分子系材料や生体分子系材料のほかに、強誘電体材料系や P r C a M n〇系の巨大磁気抵抗材料を用いてもよい。

また、同心円構造自体は、第 1〜第 6の実施形態で述べた方法以外 の方法で形成することもできる。例えば、回転軸を回転させながらそ の側面上に交互に異なる物質を真空蒸着により形成したり、 M O C V D法などにより円柱状の基板に交互に異なる物質を成長させたりする ことができる。

また、同心円構造を形成する物質としては、上述の第 1〜第 6の実 施形態で用いたものと異なる物質を用いてもよい。誘電体としては酸 化物などの無機物質のほか、ポリスチレンゃポリカーボネ一トなどの 有機物質を用いてもよい。

なお、(†、† ) と( i、 i ) とを結びつけるに際し、目的に応じ て、既に述べた(†、 i ) の性質を持つものの代わりに( 1、† ) の 性質を持つもの、すなわち、時間的には不連続な投影をされた構造で かつ空間的には等方的な構造を有するものを用いてもよい。

また、上に述べたトップダウン構造の範疇の 1つである脳由来構造 には有形のものと無形のものとがある。前者は 3次元的実在を伴った ハードゥヱァなど、物的アーキテクチャ一であり、後者には知的学問 体系、データベース、ソフトゥヱァなど、知的アーキテクチャ一が含 まれる。また、ボトムアップ構造の範疇の 1つである遺伝子由来構造 には単に細胞 '組織レベルの構造のみならず、骨格や臓器などの器官 も含まれる。

さらに、ボトムアップとトップダウンとの接続 .統合は、狭い意味 のハ一ドウヱァのみに適用されるものではなく、直接結合しようとし ても相容れない 2系統の流れがぶっかる種々の局面に適用することが できる。一例を挙げると、両系統の持つ属性を精査し、各々において (†、 † ) のものと( i、 1 ) のものという相反する性質の組を同定 -抽出し、その上で( ΐ、 i ) の性質を持つ中間層(緩衝材となる方 策)を間にはさむ(さらに必要なら、この作業を漸化式的にィテレイ ティブ (i terat ive)に繰り返す)ことにより、市場形成や消費動向な ど、ユーザ一やマスを形成する消費者などの(ヒエラルキー末端の) 層に内在して下から湧き上がつてくる動きと、企業運営や行政などの (ヒエラルキートップの)、あらかじめ設定された計画に基づいて上 から下ろされてくるルールやブランユングとを整合させる際などにも、 ソフトゥヱァ的な(ビジネスモデルやサービスモデル上の)仕組みと しても機能させることができる。

また、( X , , X 2 ,…, X N ) と N成分系へと拡張することがで き、 X i , X j などの複数成分間で結合することができること、さら に X i も†、 Iの 2値のみならず、多値(離散的)変数であってもよ いことは言うまでもない。

また、例えば、上述の第 1 8〜第 2 7の実施形態においては、サイ ズが同じタイプ A〜Eの 5種類の基本のクリ一ンュニットを所定の配 置で連結してクリーンュニットシステムを構成しているが、タイプ A 〜E間でク リーンュニッ卜のサイズが互いに異なっていてもよいし、 タイプは同じであるがサイズが異なるクリーンュニットを用いてもよ いし、タイプ A〜Eを変形したクリーンュニットを用いてもよいし、 さらには 3種類以上のタイプのクリーンュニットを用いてもよい。 また、第 2 0〜第 2 4の実施形態によるクリーンュニットシステム において、上下(鉛直)方向の自由度を利用して一部三次元的な接続 を取り入れることも可能である。また、トランスファーボックスの密 閉用の遮断板は、パッキンを備えた扉式のものを用いてもよい。また、 一部のクリーンュニットおよびトランスファ一ボックスを加圧あるい は減圧対応、あるいは、真空対応にすることも可能である。この場合、 トランスファーボックスは密閉性を高め、それ自体に加圧装置や局所 排気装置をつけることが望ましい。また、トランスファ一ボックスは 必ずしも直線状である必要はなく、例えばくの字型に曲がっていても

よい。また、トランスファーボックスに三方向接続性を備えさせるこ とで、クリーンユニットを T字型に配置することも可能である。さら に、一旦クリーンュニットを連結した後に全てのトランスファーボッ タスの引き戸を開放して、例えば回転寿司店で寿司などの提供に用い られている搬送コンベアと同様の自動搬送コンベアをクリーンュニッ トシステムを貫いて設けることも可能である。

以上説明したように、この発明によれば、時間が連続的に織り込ま れた構造において、織り込まれた方向に直交する方向から、当該構造 にアクセスすることによって、あたかも絵巻物を見るように、時間軸 が織り込まれるのを、直面する 2次元面の中に(例えば、左右方向に) 見ることができ、例えば原子層オーダーの究極の空間分解能 .制御性 を、当該機能素子に持ち込むことが可能となる。

特に、ボトムァッブ系とトップダウン系との利点を最大限活かすこ とができ、新規な超高集積密度の記憶素子および磁気記録素子を実現 することができる。

また、新規な高効率の太陽電池、光電変換素子、発光素子および触 媒反応装置を実現することができる。

より一般的には、この発明によれば、生命体に代表されるボトムァ ップ系とシリコン L S Iに代表されるトップダウン系との利点を最大 限活かすことができる高機能の機能素子を実現することができる。す なわち、細胞に相当するボトムァップ系とトップダウン系との間に随 伴神経系に相当する人工情報伝達 ·制御系を設けた高機能の機能素子 を実現することができる。

また、時間が連続的に投影された構造を用いることで、究極の分解 能 (原子層オーダの制御)を持った人工神経系相当物を形成すること ができる。これによつて、例えば、表面増強効果を担いうるナノ構造 /ゼロ次元構造をバルクサィズに亘つて超並列多重に配列させること も可能になる。

また、ナノスケールで離散化されたバルクサイズの系を創出し、例 えばシリコン基板上に形成された L S I システムと、それと近接して 配された自律分散システムとを結合することにより、ボトムアップ系 とトッブダウン系とをつなぐプラットフオームを実現することができ る。

また、ナノスケールで離散化されたバルクサイズ系を創出し、そこ に現れる局所的かつ個別的にァドレスすることが可能な 2〜 3次元の ナノ構造体を大局的サイズで得ることによって、微視的世界と巨視的 世界とをつなぐ高機能のプラットフオームを実現するこどができる。 さらに、現在では形がないが将来現れてくると考えられるほとんどの ナノスケールの並列新機能要素と既存の U L S I システムとをシナジ エティックに結合し、シリコンベースの世界と炭素系の有機物の世界 との止揚をとることにより、飛躍的な機能の増大が可能となる。

また、この発明によれば、例えば、 1 0〜 1 6 0 G b i t s / c m 2 ( 0 . l 〜 l T b / i n c h 2 ) の集積度のフレキシブルな機能素子 を実現することができる。例えば、物質表面がそのまま機能素子とな るようなュビキタス情報装置を実現することができる。この場合、機 能素子の中核部分はリソグラフィ一フリーで形成することができるの で、機能素子を安価に製造することができる。また、要素の数を Nと すると、従来は N 2 の位置合わせが必要となるが、この発明では 4 N の位置合わせで済み、従来に比べ 1 / Nで位置合わせの困難さが減少 する。しかも、記録容量が大きくなるほどこの効果が増大する。

また、特に記憶素子において、交差部に記憶される情報(データ) の読み出しを、対角線上の複数個の交差部に亘る並列読み出しにより

行うことにより、高速の読み出しが可能である。

また、この発明によれば、微分方程式系に支配される物質系ではな く、セルラーオートマトンに代表される離散的な、差分方程式に支配 されるような物質系を提供することができる。この物質系によれば、 例えば、注目する性質に関して、変調された次元、連結性、自発的対 称性の破れ、あるいは自己組織化臨界現象を示すことが可能となる。 ナノテクノロジ一の発展は際限がないほどと期待されるが、それを 支える母体の構造は原子間隔というカツトオフがある以上(際限なく 小さくなることはないので)その「収束先」をあらかじめ(ある精度 を以つて)見定めておき、その極限値と既存の U L S I システムとの 結合を、現時点から正面の目標に据え、攻略し始めることは、単に時 代に先行するという観点からのみならず、今は形なき、将来のナノテ クノロジ一の成果を先取りする上でも重要である。

一方、この発明によるクリーンユニット(連結部を有するもの)に よれば、クリーンユニットの連結の自由度が大きく、様々な配置でク リーンュニットを連結することができることにより、従来のように大 掛かりで小回りが効かず、巨大な設備投資や固定資産負担が必要な巨 大なクリーンルームや植物工場を用いることなく、クリーンな環境や 高度育成環境を容易に得ることができ、また、一直線状にしか連結で きない従来のクリーンュニッ卜の持つ空間利用効率の悪さを解決し、 トータルのパフォーマンスを投資的にも作業効率的にも部屋の面積有 効利用的にも最大化することができ、目的に応じたトータルな一連の プロセスフローに対応してプロセスを高いフレキシビリティーを持つ て低コス卜で簡便に実行することができる高機能クリーンュニットシ ステムを実現することができる。また、プロセスの上流から下流まで 最小限の種類あるいは最小個数のクリ一ンュニットでクリーンュニッ トシステムを構成することができるため、プロセスの最大効率化を図 ることができる。また、作業性を落とすことなく高度プロセス環境を 手軽に実現することができる。

さらに、ナノテクデバイスを作製し、あるいはバイオテクノロジ一 処理を実行するにあたって、一つの巨大なボックス、すなわちクリ一 ンルームを用いるのではなく、少なくとも入り口から出口までの一部 を、超クリーンな複数のクリーンュニッ卜をループ状配置あるいは上 下左右方向のつづら折り状配置で連結したもので置き換えることによ り、空間あるいは面積の利用効率の向上を図ることができる。

また、複数種類のクリーンュニットを用いることで、化学プロセス、 非化学プロセス、バイオプロセスなどの作業を一つの高機能クリーン ュニットシステムの中で行うことができる。

また、微細構造などの次世代を担うキーストラクチャ一や植物形質 改変をコストパフォ一マンスのよいレスデマンディングな方法で作製 することができる。

また、植物体の育成に関しては、人工光源などの利用により、所望 の地方あるいは地域の環境条件で栽培を行うことができるほか、速成 栽培や成分強化野菜 ·薬草の栽培を行うこともできる。

また、装置を配置する部屋そのものの性能にかかわらず、低コスト で一貫プロセスラインを構築することができる。このため、投資負担 が軽減され、ベンチャーの製造分野への参入が容易となる。また、固 定資産が小さく済むため、高度ナノテク製品を中小ベンチャーでも供 与することができ、かっての I Tソフト隆盛がこれからナノテクハー ド主体で勃興し、新産業が興り得る。

また、従来の技術の延長線上にあるデバイスに対し、その製造方法 を置き換えるのではなく、従来にない新規なナノテクデバイスを(従 来の延長上にあるハイテクデバイスの製造方法ではない)コストパフ オーマンスのよいレスデマンディングな方法で作製することができる。 また、クリーン度や無害性の高さを各プロセス要素ごとに設定した クリーンュニットを連結したクリーンュニットシステムにより、高度 環境化において、前処理、レジスト塗布、ベーキング、露光、現像、 ポス卜べ一ク、エッチング、薄膜成長、メタライゼーション、表面観 察、アセンブリなどの要素プロセスを一貫性をもって完遂することが できる。

また、プロセスを要素化し、この要素プロセスの処理機能を各クリ —ンユニットあるいは各機能ユニットに持たせ、目的に応じてクリー ンュニットあるいは機能ュニットを連結して全体システムを構成する ことにより、高効率なナノテクノロジ一プラッ卜フォームやバイオテ クノロジープラットフォームが得られるのみならず、さらに、ナノテ クノロジ一プロセスュニッ卜とバイオテクノロジ一プロセスュニット とを混成 (連結)することにより、ナノ · バイオ融合プラットフォー ムを実現することができる。加えて、植物工場ュニットを連結するこ とも可能である。

また、プロセスフローをあたかもプログラミングと同様に、サブル ーチンゃ、分岐などのコンセプトを入れて最小のクリ一ンュニット数 で最大の効率にて、クリーンルームなしで実行、遂行することができ る。また、投入からロットアウトまでの全プロセス、あるいはその主 要部をなす一連の工程をコンピュータのプログラムになぞらえて完全 自動化で遂行することができる。

さらには、ナノテクノロジ一、バイオテクノロジーの実現環境をュ ビキタスに提供することが可能となる。